JPWO2017169242A1 - 欠陥検査装置、及び欠陥検査方法 - Google Patents

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Abstract

検査対象物の凹凸欠陥を光学的に強調し、画像処理によって欠陥の有無の判定が容易となる欠陥検査装置を提供する。検査対象物を搬送する搬送部10と、検査対象物の一方側より検査対象物の検査面に第一検査光を照射する第一光源21と、検査対象物の他方側より検査対象物の検査面に第二検査光を照射する第二光源22と、検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度を検知する検知部30と、検知部30から取得した輝度データを解析処理する処理部40と、検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する判定部50と、を備え、第一検査光及び第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光であり、検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、第一光源21は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、第二光源22は少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように構成されている。

Description

本発明は、検査対象物の検査面の欠陥を検査する欠陥検査装置、及び欠陥検査方法に関するものである。
一般に、合成皮革や布帛の製造工程で行われる欠陥検査は、検反台と呼ばれる装置で、作業者による目視での流し検査や、カメラによる外観検査が行われている。合成皮革や布帛によく見られる欠陥は、汚れ、しみ、凹凸、光沢、シワ、接着層不良等であり、特に幅広の反物の場合、作業者による目視での流し検査では欠陥を見落とす虞がある。また、カメラによる外観検査においては、合成皮革の色や検査面の状態、照射光の特性等によっては、シワ、凹凸、接着層不良等の欠陥をはっきりと認識できる画像が得られない場合がある。そのため、従来の欠陥検査においては、合成皮革等の欠陥をすべて検出することができないといった問題があった。
そこで、合成皮革や布帛の検査において、検出が困難な凹凸欠陥を正確に判断できる欠陥検査装置の開発が行われている。凹凸欠陥は、合成皮革等の製造工程の一つである接着層塗布工程における接着層不良のほか、ゴミや虫の混入によっても発生し得る。さらに、塗工機のブレード部分に異物が付着すると、接着層厚みが周囲より薄くなる部分が発生し、裏布を接着した後、当該部分が凹凸欠陥となって現れる。これらの凹凸欠陥は、合成皮革等の幅方向だけでなく、長手方向にも存在する。そのため、合成皮革等の搬送方向に沿って検査光を照射し、その反射光をセンサーで検知する従来の検査方式では、特に長手方向の凹凸欠陥については、欠陥の発生方向と検査光の照射方向とが同一のため、凹凸に陰影を付けて強調することができない。そのため、凹凸を光学的に強調し、微細な欠陥を見逃すことなく検知することが可能な技術が望まれている。
例えば、特許文献1によれば、織物の目飛び、糸抜け、糸釣り等の欠陥を検出するため、青色波長光、緑色波長光、及び赤色波長光を異なる角度で照射し、カラーラインスキャンで撮影する織物検査装置が開示されている。また、特許文献2によれば、リードフレームに塗布されたペーストの状態を検査する目的で、被検査面に対し両側からほぼ水平に近い斜め方向から照明光を照射するペースト検査方法が開示されている。
特開2003−138468号公報 特開平7−86320号公報
ところが、特許文献1の織物検査装置においては、複数の異なる波長域の光を異なる位置から異なる角度で照射しているため、照明装置から遠ざかるほど輝度値が低くなり、検査幅が1500mm以上ある合成皮革等の全面を検査することは困難である。また、特許文献2のペースト検査方法においては、被検査面に対し両側からほぼ水平に近い斜め方向から照明光を照射しているが、この技術を合成皮革の検査に転用すると、両側からの光照射によって被検査面の凹凸の陰影が消されることになり、却って凹凸の確認が難しくなる場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、検査対象物の凹凸欠陥を光学的に強調し、画像処理によって欠陥の有無の判定が容易となる欠陥検査装置、及び欠陥検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る欠陥検査装置の特徴構成は、
検査対象物の検査面の少なくとも長手方向の欠陥を検査する欠陥検査装置であって、
前記検査対象物を搬送する搬送部と、
前記検査対象物の搬送方向と直交し且つ搬送面に沿って配置され、前記検査対象物の一方側より前記検査対象物の検査面に第一検査光を照射する第一光源と、
前記検査対象物の幅方向の中心を基準として上面視で前記第一光源と対称な位置に配置され、前記検査対象物の他方側より前記検査対象物の検査面に第二検査光を照射する第二光源と、
前記検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度を検知する検知部と、
前記検知部から取得した輝度データを解析処理する処理部と、
前記処理部による解析処理結果に基づいて、前記検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する判定部と、
を備え、
前記第一検査光及び前記第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光であり、
前記検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、前記第一光源は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、前記第二光源は少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように構成されていることにある。
本構成の欠陥検査装置によれば、検査対象物の幅方向の中心を基準として上面視で第一光源と第二光源とが対称な位置に配置される。ここで、第一光源及び第二光源は、夫々第一検査光及び第二検査光を検査対象物の検査面に照射するものであり、第一検査光及び第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光である。このため、検査対象物に第一検査光及び第二検査光が照射されたとき、検査面に存在する凹凸の後方への第一検査光及び第二検査光の回り込みや凹凸による光の散乱が少なく、凹凸の陰影をくっきりと浮かび上がらせることができる。その結果、検知部において、検査対象物の欠陥を輝度変化として確実に検知するとともに、回折光や散乱光がノイズとして検知されることを防ぐことができる。また、検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、第一光源は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、第二光源は少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように構成されているため、検査対象物は幅方向全体が一定以上の輝度となるように照射されることになる。従って、検査対象物の幅方向中央付近まで検査光が確実に到達し、検査面の凹凸の陰影(コントラスト)が十分に強調され、欠陥が見過ごされることを防ぐことができる。第一光源及び第二光源によって夫々の検査光が照射される検査対象物は、搬送部により搬送され、検知部によって検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度が所定のライン数まで連続的に検知され、輝度データが得られる。輝度データは処理部で解析処理され、その解析処理結果に基づき、判定部が検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する。このようにして、凹凸、シワ、接着層不良等、これまでの欠陥検査装置では見過ごされてきた検査対象物における少なくとも長手方向の欠陥を検出することが可能となる。
本発明に係る欠陥検査装置において、
前記第一検査光及び前記第二検査光において、前記平行光の光軸と前記平行光の最外部の進行方向とが成す拡がり角度をθとし、前記平行光の光軸が前記検査対象物の検査面に入射する入射角度をθとすると、以下の条件:
θ+θ ≦ 20°
を満たすことが好ましい。
本構成の欠陥検査装置によれば、平行光である第一検査光と第二検査光とを検査対象物の幅方向の両側から、上記 θ+θ ≦ 20°の範囲内となる角度で、向かい合うように照射することによって、検査対象物の幅方向において、輝度が低くなる部分が発生することを防ぐことができる。その結果、検査面の凹凸の陰影(コントラスト)を十分に強調することが可能となる。
本発明に係る欠陥検査装置において、
前記拡がり角度θは、tanθ ≦ 7/100 を満たすことが好ましい。
本構成の欠陥検査装置によれば、検査対象物に対する第一検査光の角度、及び検査対象物に対する第二検査光の角度が、tanθ ≦ 7/100 を満たすように、第一光源及び第二光源を配置し、夫々の検査光を照射することによって、検査対象物の幅方向において、輝度が低くなる部分が発生することを防ぐことができる。その結果、検査面の凹凸の陰影(コントラスト)を十分に強調することが可能となる。
本発明に係る欠陥検査装置において、
前記第一検査光及び前記第二検査光は、互いに波長が異なるように選択されることが好ましい。
本構成の欠陥検査装置によれば、第一検査光及び第二検査光が、互いに波長が異なるように選択されると、検査対象物に照射された第一検査光及び第二検査光が互いに重なって肉眼ではコントラストが低下しても、一方の検査光を除去することで、コントラストを向上させることができる。そして、検査光の波長に対応したチャネル(成分)を取り出すことにより、その検査光だけで撮影した画像を得ることができる。特に、検査対象物の幅方向中央付近におけるコントラストの低下防止には有効となる。
本発明に係る欠陥検査装置において、
前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射することが好ましい。
本構成の欠陥検査装置によれば、第一検査光及び第二検査光を、検査対象物の両側から交互に照射すると、検査対象物に照射された第一検査光及び第二検査光が互いに重なることがないため、一方の検査光が凹凸を照射することにより発生した凹凸の影を、他方の検査光が照らすことで影が薄くなったり消滅したりすることを防止できる。特に、検査対象物の幅方向中央付近におけるコントラストの低下防止には有効となる。
上記課題を解決するための本発明に係る欠陥検査方法の特徴構成は、
検査対象物の検査面の少なくとも長手方向の欠陥を検査する欠陥検査方法であって、
前記検査対象物を搬送する搬送工程と、
前記検査対象物の搬送方向と直交し且つ搬送面に沿った位置から、前記検査対象物の一方側より前記検査対象物の検査面に第一検査光を照射する第一照射工程と、
前記検査対象物の幅方向の中心を基準として上面視で前記第一検査光の出射位置と対称な位置から、前記検査対象物の他方側より前記検査対象物の検査面に第二検査光を照射する第二照射工程と、
前記検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度を検知する検知工程と、
前記検知工程で取得した輝度データを解析処理する処理工程と、
前記処理工程による解析処理結果に基づいて、前記検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する判定工程と、
を包含し、
前記第一検査光及び前記第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光であり、
前記検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、前記第一照射工程は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、前記第二照射工程は少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように実行されることにある。
本構成の欠陥検査方法によれば、検査対象物の幅方向の中心を基準として上面視で互いに対称となる位置から、第一検査光及び第二検査光を検査対象物の検査面に照射する。第一検査光及び第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光である。このため、検査対象物に第一検査光及び第二検査光が照射されたとき、検査面に存在する凹凸の後方への第一検査光及び第二検査光の回り込みや凹凸による光の散乱が少なく、凹凸の陰影をくっきりと浮かび上がらせることができる。その結果、検知工程において、検査対象物の欠陥を輝度変化として確実に検知するとともに、回折光や散乱光がノイズとして検知されることを防ぐことができる。また、検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、第一照射工程では少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、第二照射工程では少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように実行されるため、検査対象物は幅方向全体が一定以上の輝度となるように照射されることになる。従って、検査対象物の幅方向中央付近まで検査光が確実に到達し、検査面の凹凸の陰影(コントラスト)が十分に強調され、中央付近の欠陥が見過ごされることを防ぐことができる。第一照射工程及び第二照射工程によって夫々の検査光が照射される検査対象物は、搬送工程によって搬送され、検知工程によって検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度が所定のライン数まで連続的に検知され、輝度データが得られる。輝度データは処理工程によって解析処理され、解析処理結果に基づき、判定工程によって検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する。このようにして、凹凸、シワ、接着層不良等、これまでの欠陥検査装置では見過ごされてきた検査対象物における少なくとも長手方向の欠陥を検査することが可能となる。
本発明の欠陥検査装置の概略構成図である。 検査光の照射角度の説明図である。 検査光の照射角度を変化させた検査対象物の撮像イメージである。 第一実施形態の欠陥検査装置による検査対象物の撮像イメージである。 互いに波長が異なる検査光を検査対象物に照射して撮影した画像の処理工程図である。 第二実施形態の欠陥検査装置による検査対象物の撮像イメージである。 本発明の欠陥検査方法のフローチャートである。
以下、本発明の欠陥検査装置、及び欠陥検査方法に関する実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
〔欠陥検査装置の全体構成〕
図1は、本発明の欠陥検査装置100の概略構成図である。欠陥検査装置100は、検査対象物Aの検査面A3の少なくとも長手方向(Y方向)の欠陥を検査する装置である。本実施形態では、検査対象物Aとして検査面A3にシボを有する帯状の合成皮革を想定している。欠陥検査装置100は、検査対象物Aを搬送する搬送部10と、検査対象物Aの搬送方向と直交し且つ搬送面に沿って配置され、検査対象物Aの一方側(端部A1側)より検査対象物Aの検査面A3に第一検査光L1を照射する第一光源21と、検査対象物Aの幅方向(X方向)の中心を基準として上面視で第一光源21と対称な位置に配置され、検査対象物Aの他方側(端部A2側)より検査対象物Aの検査面A3に第二検査光L2を照射する第二光源22と、検査対象物Aの幅方向における検査面A3の輝度を検知する検知部30と、検知部30から取得した輝度データを解析処理する処理部40と、処理部40による解析処理結果に基づいて、検査対象物Aの検査面A3の欠陥の有無を判定する判定部50とを備える。上記の各部は、例えば、コンピュータ等で構成される制御部60により統合的に制御される。
搬送部10は、検査対象物Aを搬送する搬送ローラ11を駆動するドライバ12と、搬送ローラ11の回転を検知するエンコーダ13とを備える。搬送ローラ11が回転すると、その回転角度に応じたパルス信号が生成され、当該パルス信号がエンコーダ13に送信される。制御部60は、エンコーダ13が受信したパルス信号に基づいて、搬送ローラ11が検査対象物Aを所定の位置まで搬送するように、搬送部10のドライバ12を制御する。さらに、制御部60は、搬送ローラ11から発信されるパルス信号に基づいて、後に説明するラインセンサー33が所定の周期で1ライン毎に撮像を行うための検査対象物Aの位置をエンコーダ13に設定する。
検査対象物Aの欠陥検査は、長手方向(Y方向)において行われる。ここで、長手方向とは、検査対象物Aの搬送方向と平行な方向である。検査対象物Aの欠陥は、搬送方向と同方向(すなわち、長手方向)に発生しやすく、主に凹凸欠陥として発生する。凹凸欠陥は、合成皮革等の製造工程の一つである接着層塗布工程における接着層不良のほか、ゴミや虫の混入によっても発生し得る。
検査対象物Aに検査光を照射する光源には、二つの光源(第一光源21、第二光源22)が使用される。第一光源21及び第二光源22は、調光可能な高輝度LED照明を使用することができる。高輝度LED照明の電源は、調光方式の違いから定電流タイプとPWMタイプとが存在するが、後述するラインセンサー33のクロック数が大きい場合は、定電流タイプを使用することが好ましい。第一光源21及び第二光源22は、調整部20によって各検査光の照射状態が調整される。調整部20は、第一光源21から照射される第一検査光L1の照射状態を調整する第一光源調整部23と、第二光源22から照射される第一検査光L2の照射状態を調整する第二光源調整部24とを備える。各検査光の照射状態には、照射範囲、照射角、照射距離、照射強度等が含まれる。また、第一光源21及び第二光源22が可変照明である場合は、調整部20は照射光の色調(波長)を調整することも可能である。各検査光の照射状態の調整は、調整部20が制御部60から指示を受けて行われる。第一光源21は、検査対象物Aの搬送方向(すなわち、Y方向)と直交し且つ搬送面に沿って配置される。すなわち、第一光源21は概ねX方向に配置されるものであるが、第一光源21から照射される第一検査光L1が検査対象物Aの検査面A3に当たればよい。第二光源22は、検査対象物Aの幅方向の中心を基準として上面視で第一光源21と対称な位置に配置される。上面視とは、検査対象物Aの搬送方向に対し、垂直上方向から見える光景である。つまり、第二光源22は、図1中に示す検査対象物Aの幅方向における中心線Cを挟んで、上面視で第一光源21と対称な位置に配置される。ここで、検査対象物Aの幅方向(X方向)における一方側の端部A1の位置を0とし、他方側の端部A2の位置を1としたとき、第一光源21が少なくとも0〜0.5の範囲、好ましくは−0.1〜0.6の範囲に第一検査光L1を照射し、第二光源22が少なくとも1〜0.5の範囲、好ましくは1.1〜0.4の範囲に第二検査光L2を照射するように、調整部20が第一光源21及び第二光源22を調整する。
第一検査光L1及び第二検査光L2が照射された検査対象物Aは、ラインセンサー33により検査面A3の輝度が検知される。ラインセンサー33は、例えば、撮像素子(例えば、CCD、CMOS等のイメージセンサー)、出力アンプ、時系列で信号出力するための駆動回路、結像レンズ等を備えたカラーラインスキャンカメラが使用される。ラインセンサー33は、検査対象物Aの少なくとも第一検査光L1及び第二検査光L2が照射される領域に対して垂直上方位置に設置され、夫々の検査光L1、L2が照射されている検査対象物Aの幅方向(X方向)のライン画像を取得する。なお、ラインセンサー33の代わりに、長手方向(Y方向)の一定範囲についても検知可能なエリアセンサーを用いることも可能である。
検知部30は、ラインセンサー33の撮影動作を調整する撮影動作調整部31と、ラインセンサー33で撮影した画像を認識する画像認識部32とを有する。ラインセンサー33の撮影タイミングは、制御部60によって決定される。すなわち、搬送部10のエンコーダ13のパルス信号に基づいて、第一検査光L1及び第二検査光L2が照射された検査対象物Aの幅方向(X方向)の領域をラインセンサー33が所定の周期で1ライン毎に撮像するように、制御部60が検知部30の撮影動作調整部31を制御する。ラインセンサー33が撮像した検査対象物Aの幅方向1ライン毎の濃淡画像(ライン画像)は、検知部30の画像認識部32でデジタル信号の輝度データとして認識され、制御部60を介してデータ格納部70に格納される。検知部30の撮像動作調整部31は、上記ライン画像が所定のライン数に達するまで、ラインセンサー33の撮影動作を調整し、複数のデジタル輝度データを取得する。
処理部40は、当該複数のデジタル輝度データに基づいて撮像画像を合成する。処理部40で合成される撮像画像には、光源の種類に応じて得られるチャネル画像(Rチャネル画像、Gチャネル画像、Bチャネル画像)が複数含まれる。ここで、ラインセンサー33が撮像する画像(デジタル輝度データ)は、撮像素子の感度ムラや照明方法により一様な輝度が得られない場合がある。そこで、処理部40において、デジタル輝度データに対してシェーディング補正を行うことにより、欠陥検出に適した一様な輝度画像に加工することができる。また、処理部40では、さらなる画像処理が行われ、欠陥検出の精度が高められる。画像処理には、特徴点抽出処理、平滑化処理、エッジ検出等、欠陥の有無を判定するための必要な処理が含まれる。
判定部50は、処理部40で生成された処理画像を元に、検査対象物Aの欠陥の有無を判定する。欠陥判定の手法としては、例えば、処理画像に対して空間フィルタ処理を実施し、さらに二値化処理により処理画像中で欠陥の可能性がある領域を抽出し、抽出された領域の面積に閾値を設定して欠陥か否かを判定する方法や、対照として欠陥の無い良品の検査画像(対照画像)を予め準備し、当該対照画像と処理部40で生成された処理画像40とを比較し、両者の差分から欠陥か否かを判定する方法が挙げられる。なお、これらの手法による判定結果は、後に説明する出力部80のディスプレイ等に表示することができる。この場合、処理部40による処理画像とともに、判定部50による欠陥判定結果が出力部80に同時に表示されるため、検査対象物Aの欠陥の有無や欠陥の程度を目視で確認しながら容易に欠陥の有無を判断することが可能となる。その結果、合成皮革等の欠陥検出の精度、及び検査の信頼性が向上する。
判定部50において、検査対象物Aに欠陥があると判断された場合、あるいは、オペレーターが欠陥と認識した場合は、その判断結果が制御部60に送られる。その後、搬送部10のエンコーダ13を通じて検査対象部Aの欠陥位置が特定され、制御部60が搬送部10に停止信号を送信すると、ドライバ12が搬送ローラ11を停止させる。所定位置で検査対象物Aの欠陥を含む部分が停止すると、オペレーターが検査対象物Aの欠陥を出力部80のディスプレイ等で確認し、マーキングや欠陥レベルの判定等の作業を行うことができる。オペレーターによる欠陥の判定が終了すると、あるいは、欠陥が無いと判断された場合は、制御部60が搬送部10に搬送信号を送信し、検査対象物Aの搬送が開始又は継続される。なお、検査対象物Aの搬送の開始又は停止は、オペレーターが欠陥検査装置100を操作して手動で行ってもよい。
出力部80は、ラインセンサー33によって撮影された検査対象物Aの生画像の他、処理部40による画像処理後の画像、判定部50による判定結果等を表示することができる。出力部80は、ディスプレイやプリンタ等で構成することができる。オペレーターは、出力部80のディスプレイ等に表示された画像に基づいて、検査対象物Aの欠陥の有無の確認を行うことができる。
〔検査光の照射角度〕
本発明の欠陥検査装置100は、検査光L1、L2として、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる二つの平行光を使用するものである。すなわち、平行光は、完全な平行状態である必要はなく、例えば、一定の散乱性を有する通常の光をロッドレンズ及びスリットに通して得られる疑似平行光を使用することも可能である。平行光により幅広の検査対象物Aを検査する場合、光の照射角度が検査結果に大きく影響する。そこで、本発明者らは、第一光源21から照射される第一検査光L1、及び第二光源22から照射される第二検査光L2について、適切な照射角度の検討を行った。
図2は、検査光の照射角度の説明図である。なお、図2では、第二光源22から照射される第二検査光L2を例示しているが、第一光源21から照射される第一検査光L1の性質や挙動についても、第二検査光L2と同様とすることができる。前述のように、検査対象物Aの幅方向(X方向)における一方側の端部A1の位置を0とし、他方側の端部A2の位置を1としたとき、第一光源21は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、第二光源22は少なくとも1〜0.5の範囲を照射する。ここで、図2(a)に示すように、第二検査光L2の光軸Pと第二検査光L2の最外部の進行方向Qとが成す拡がり角度をθとし、図2(b)に示すように、第二検査光L2の光軸Pが検査対象物Aの検査面A3に入射する入射角度をθとすると、以下の条件(1):
θ+θ ≦ 20° ・・・ (1)
を満たすことが好ましく、さらには、以下の条件(1´)
θ+θ ≦ 15° ・・・ (1´)
を満たすことがより好ましい。θとθとの和が20°を超えると、第二検査光L2が検査対象物Aの検査面A3に対して高角度で照射されることになるため、検査面A3の凹凸の陰影が発生しにくくなり、欠陥が十分に強調されない可能性がある。
また、第二検査光L2の拡がり角度θは、以下の条件(2):
tanθ ≦ 7/100 ・・・ (2)
を満たすことが好ましく、さらには、以下の条件(2´):
tanθ ≦ 5/100 ・・・ (2´)
を満たすことがより好ましい。tanθが7/100(θ=約4°)を超えると、第二検査光L2が散乱するため、本来は検査面A3の凹凸の陰影が発生する箇所に散乱光が入り込み、凹凸の陰影が弱められることになる。
第二検査光L2の照射角度が、条件(1)及び条件(2)を満たせば、検査対象物Aの幅方向(X方向)において、輝度が低くなる部分が発生することを効果的に防ぐことができる。その結果、検査対象物Aの検査面A3の凹凸の陰影(コントラスト)を十分に強調することが可能となり、凹凸欠陥の判定を確実に行うことができる。なお、先に説明したように、第一検査光L1の照射角度についても、同様のことが言える。
図3は、検査光の照射角度を変化させた検査対象物A(合成皮革)の撮像イメージである。照射角度(θ+θ)について、(a)は0°、(b)は5°、(c)は10°、(d)は15°、(e)は20°である場合を夫々示している。図3(a)〜(e)を比較すると、照射角度(θ+θ)が小さくなるにつれて、検査対象物Aの凹凸が強調されていることが確認される。すなわち、検査対象物Aの検査面A3に対して検査光L1、L2をできるだけ平行に照射すると、検査面A3の欠陥を検出しやすくなる。なお、照射角度(θ+θ)が最も大きい図3(e)の撮像イメージにおいても、検査対象物Aの検査面A3の凹凸は確認できるため、少なくとも照射角度(θ+θ)が20°以下となるように設定すれば、検査に十分な輝度データが得られ、検査対象物Aの欠陥の判定が可能であることが示唆された。
〔第一実施形態〕
図4は、第一実施形態の欠陥検査装置100による検査対象物A(合成皮革)の撮像イメージである。本実施形態は、第一光源21として緑色LED照明、第二光源22として赤色LED照明を備えた欠陥検査装置100により、合成皮革を検査対象物Aとして検査を行うものである。本実施形態で使用した光源、ラインセンサー、及び合成皮革の仕様は、以下のとおりである。
<光源>
・照明装置:高輝度LED照明(赤色、緑色、青色)
・照明形状:直線状
・発光面照度:60万ルクス
・冷却方式:自然放熱
・光線:疑似平行光、集光調整可能
・電源:定電流方式
<ラインセンサー>
・画素数:2048画素、4096画素
・画素サイズ:14μm(2048画素)、10μm(4096画素)
・最大ラインレート:31.8kHz(2048画素)、17.5kHz(4096画素)
・データフォーマット:8ビット、12ビット
・ダイナミックレンジ:58dB
・センサー構造:3ライン
・インターフェース:カメラリンク(MDRx2)
・露光時間:各色に応じて変更
<合成皮革>
・色:ブラック、ブラウン、ベージュ、ホワイト
・厚み:0.9〜1.2mm
図4(a)は、本実施形態における第一検査光L1及び第二検査光L2の照射状態の説明図である。実線は、第一光源21から照射された第一検査光L1であり、破線は、第二光源22から照射された第二検査光L2である。第一光源21及び第二光源22は、図1に示した検査対象物Aの中心線Cを挟んで、上視面で対称な位置に互いに向かい合うように配置され、第一検査光L1及び第二検査光L2は、夫々の照射領域が検査対象物Aの幅方向中央付近で少なくとも隣接するように、好ましくは一部が互いに重なり合うように同時に照射される。なお、図4(a)では、二つの照射領域が検査対象物Aの幅方向中央付近で隣接している状態を示している。図4(b)に、本発明の欠陥検査装置100で得られた撮像画像(実施例1)、及び比較のために第一光源21及び第二光源22をともに白色照明とした撮像画像(比較例1)を示す。検査対象物Aに照射された第一検査光L1及び第二検査光L2は、互いに重なるため、肉眼では撮像画像のコントラストが低下するが、本発明の欠陥検査装置100で得られた撮像画像(実施例1)は、第一検査光L1及び第二検査光L2の波長が互いに異なるため、一方の光を除去することで、コントラストを向上させることができる。その結果、凹凸欠陥が強調され、欠陥検出するために必要な輝度データが得られている。一方、比較のために示した撮影画像(比較例1)は、第一光源21及び第二光源22がともに白色照明であって波長が同一であるため、凹凸欠陥が強調されず、欠陥検出するために必要な輝度データが得られていない。これらの結果から、第一検査光L1及び第二検査光L2が、互いに波長が異なるように選択されると、検査対象物Aに照射された第一検査光L1及び第二検査光L2が互いに重なって肉眼では撮像画像のコントラストが低下しても、一方の光を除去すれば、コントラストを向上させることができることが示唆された。特に、検査対象物Aの幅方向中央付近におけるコントラストの低下防止には有効となる。なお、第一検査光L1及び第二検査光L2は、ピーク波長が離れるように選択されることが好ましい。本実施形態では、第一検査光L1として緑色光(ピーク波長:555nm)、第二検査光L2として赤色光(ピーク波長:660nm)を使用しているが、青色光(ピーク波長470nm)と赤色光(ピーク波長:660nm)との組み合わせであれば、ピーク波長の差がより大きくなるため、さらに明確な輝度データを得ることができる。これに対し、第一検査光L1と第二検査光L2として同じ波長の白色光を使用すると、検査対象物Aに照射された第一検査光L1及び第二検査光L2が互いに重なって、特に幅方向中央付近における撮像画像のコントラストが低下し、凹凸欠陥を強調することができない。
図5は、互いに波長が異なる検査光を検査対象物A(合成皮革)に照射して撮影した画像の処理工程図である。なお、図5は、第一光源21として青色LED照明、第二光源22として赤色LED照明を使用したものである。(a)は、ラインセンサー33で撮像された生画像データである。(b)は、第一光源21から照射した第一検査光(青色光)L1に基づいて生成されたBチャネル画像である。第一光源21から近い左側(A1側)が明るく、第一光源21から遠い右側(A2側)が暗く示されている。(c)は、第二光源22から照射した第二検査光(赤色光)L2に基づいて生成されたRチャネル画像である。第二光源22から近い右側(A2側)が明るく、第二光源22から遠い左側(A1側)が暗く示されている。(d)は、(b)のBチャネル画像をシェーディング補正した補正画像である。シェーディング補正とは、光学系や撮像系の特性による輝度ムラを含む画像に対して、一様な明るさとなるよう補正をかけることである。(b)のBチャネル画像においては、画像の両側に輝度ムラが存在しているが、シェーディング補正を行った(d)の補正画像では一様な輝度が得られており、後の空間フィルタ処理の精度を高めることができる。なお、(c)のRチャネル画像をシェーディング補正した補正画像については示していないが、(d)のシェーディング補正画像と同様の画像が得られる。(e)は、(d)のシェーディング補正画像に対して、さらに空間フィルタ処理をした処理画像である。空間フィルタ処理を行うことで、画像のノイズを軽減したり、エッジを強調したりすることができる。画像の不要な情報が除去されると、検査対象物の凹凸の陰影をくっきりと浮かび上がらせることができる。(f)は、(e)の空間フィルタ処理画像を二値化処理したものである。例えば、空間フィルタ処理画像が8ビット(256階調)画像である場合、20〜230階調の間に閾値を設定することで、空間フィルタ処理画像から凹凸のみを抽出することができる。この二値化画像により、検査対象物Aの凹凸欠陥の有無が明らかとなる。
〔第二実施形態〕
図6は、第二実施形態の欠陥検査装置100による検査対象物A(合成皮革)の撮像イメージである。本実施形態は、第一光源21及び第二光源22として白色LED照明を備えた欠陥検査装置100により、合成皮革の検査を行うものである。本実施形態で使用した光源、ラインセンサー、及び合成皮革の仕様は、第一実施形態に準じたものである。
図6(a)は、本実施形態における第一検査光L1及び第二検査光L2の照射方法の説明図である。実線は、第一光源21から照射された第一検査光L1であり、破線は、第二光源22から照射された第二検査光L2である。第一光源21及び第二光源22は、図1に示した検査対象物Aの中心線Cを挟んで、上視面で対称な位置に互いに向かい合うように配置され、第一検査光L1及び第二検査光L2は、交互に照射される。ラインセンサー33の撮影タイミングは、第一検査光L1及び第二検査光L2が交互に照射されるタイミングと同期しており、合成皮革が搬送される方向に1ライン毎に撮影が実行される。このため、第二実施形態で得られた画像の搬送方向における分解能は、第一実施形態で得られた画像の搬送方向における分解能の1/2となる。第二実施形態では、第一検査光L1が照射されたときのみの画像、及び第二検査光L2が照射されたときのみの画像が得られる。図6(b)は、第一光源21を照射した領域(ライン)の結合画像であり、図6(c)は、第二光源22を照射した領域(ライン)の結合画像である。本実施形態では、合成皮革に照射された第一検査光L1及び第二検査光L2が互いに重なることがないため、検査面A3に存在する凹凸の後方への第一検査光L1及び第二検査光L2の回り込みや、凹凸による光の散乱が発生せず、凹凸の陰影をくっきりと浮かび上がらせることができる。特に、合成皮革の幅方向中央付近におけるコントラストの低下防止には有効となる。図6(b)及び(c)の撮像画像についても、第一実施形態と同様に、シェーディング補正、空間フィルタ処理、及び二値化処理を実行し、凹凸欠陥をさらに際立たせることができる。
〔欠陥検査方法〕
以下、本発明の欠陥検査方法について説明する。本発明の欠陥検査装置が検査対象とする合成皮革は、通常ロール状に巻回された状態で出荷される。そこで、合成皮革の欠陥検査を行うにあたっては、合成皮革をロールから一旦引き出す必要がある。ロール状の合成皮革が検査装置にセットされると、合成皮革が回転しながらロールから搬送方向に引き出され、別の搬送ローラに巻き取られながら再びロールが形成される。このとき、搬送途中の合成皮革に対して、下記の各工程により欠陥の有無が判定される。なお、欠陥検査方法は、図1の欠陥検査装置100を用いて行われる。
図7は、本発明の欠陥検査方法のフローチャートである。欠陥検査方法は、主に、搬送工程、照射工程(第一検査光照射工程、第二検査光照射工程)、検知工程、処理工程、及び判定工程を経て実施される。図7のフローチャートにおいて、各ステップを記号「S」で示してある。
<搬送工程:S1>
初めに、搬送工程として、検査対象物Aを搬送する。検査対象物Aを欠陥検査装置100に設置した後、検査対象物Aを巻き取るように搬送ローラ11を回転させると、その回転角度に応じたパルス信号が生成され、当該パルス信号がエンコーダ13に送信される。エンコーダ13が受信したパルス信号に基づき、搬送ローラ11が検査対象物Aを所定の位置まで搬送する(S1)。さらに、搬送ローラ11から発信されるパルス信号に基づいて、ラインセンサー33が所定の周期で1ライン毎に撮像を行うための検査対象物Aの位置をエンコーダ13に設定する。検査対象物Aを巻き取る速さ(搬送速度)は、エンコーダ13のパルス信号に基づき、制御部60がドライバ12を制御して調整される。
<照射工程:S2〜S3>
次に、照射工程として、検査対象物Aの中心線Cを挟んで上面視で対称な位置に配置された第一光源21及び第二光源22から、第一検査光L1及び第二検査光L2を検査対象物Aの検査面A3に照射する(S2,S3)。例えば、第一光源21から赤色(ピーク波長660nm)の第一検査光L1を照射する第一検査光照射工程と、第二光源22から緑色(ピーク波長555nm)の第二検査光L2を照射する第二検査光照射工程とが実施される。このとき、各検査光L1、L2には、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光が使用される。各検査光L1、L2の照射範囲は、検査対象物Aの幅方向(X方向)における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、第一検査光L1が少なくとも0〜0.5の範囲、好ましくは−0.1〜0.6の範囲であり、第二検査光L2が少なくとも1〜0.5の範囲、好ましくは1.1〜0.4の範囲である。
<検知工程:S4〜S5>
次に、検知工程として、検査対象物Aの幅方向(X方向)における検査面A3の輝度を検知する。検知工程は、搬送部10のエンコーダ13のパルス信号に基づいて、第一検査光L1及び第二検査光L2が照射された検査対象物Aの幅方向(X方向)の領域をラインセンサー33が所定の周期で1ライン毎に撮像するように、制御部60が検知部30の撮影動作調整部31を制御しながら行われる。ラインセンサー33が撮像した検査対象物Aの幅方向1ライン毎の濃淡画像(ライン画像)は、検知部30の画像認識部32でデジタル信号の輝度データとして認識され、制御部60を介してデータ格納部70に格納される。制御部60は、データ格納部70に格納されたライン画像の数をカウントし、所定のライン数まで達したか否かを判断する(S5)。ライン画像が所定のライン数に達していない場合(S5:NO)は、搬送工程(S1)に戻り、検査対象物Aを搬送しながら検査面A3への検査光L1、L2の照射が継続される。ライン画像が所定のライン数に達した場合(S5:YES)は、次の処理工程に進む。
<処理工程:S6〜S9>
次に、処理工程として、検知工程で取得した複数のデジタル輝度データを解析処理する。解析処理を行うにあたり、初めに、処理部40が、当該複数のデジタル輝度データに基づいて撮像画像を合成する(S6)。この撮像画像には、光源の種類に応じて得られるチャネル画像(Rチャネル画像、Gチャネル画像、Bチャネル画像)が複数含まれる。ここで、合成皮革のような幅広の検査対象物Aを検査する場合、ラインセンサー33が撮像する画像(デジタル輝度データ)は、撮像素子の感度ムラや照明方法により一様な輝度が得られないことがある。そこで、処理工程では、この感度ムラや、検査対象物Aとは無関係のノイズを除去するために、合成画像に各種画像処理を行う。先ず、生の画像にシェーディング補正(S7)を行うことにより、感度ムラや輝度ムラを除去し、一様な輝度画像に加工する。次に、処理画像に対して空間フィルタ処理(S8)を行うことにより、画像のノイズを軽減したり、エッジを強調する。さらに、空間フィルタ処理後の画像に対して二値化処理(S9)を行うことにより、欠陥の可能性がある領域を抽出する。
<判定工程:S10>
最後に、判定工程として、処理工程による解析処理結果に基づいて、検査対象物Aの検査面A3の欠陥の有無を判定する。欠陥判定は、例えば、欠陥の可能性がある領域の面積に閾値を設定して欠陥か否かを判定する(S10)。また、別の欠陥判定として、対照として欠陥の無い良品の検査画像(対照画像)を予め準備し、当該対照画像と処理画像とを比較し、両者の差分から欠陥か否かを判定することも可能である。検査対象物Aに欠陥が無いと判定された場合(S10:NO)は、搬送工程(S1)に戻り、各検査光の照射工程(S2〜S3)、検知工程(S4〜S5)、及び処理工程(S6〜S9)が繰り返される。検査対象物Aに欠陥があると判定された場合(S10:YES)は、検査対象物Aの搬送が自動又は手動で停止され、オペレーターが検査対象物Aの欠陥をディスプレイ等で確認し、マーキングや欠陥レベルの判定等の作業を行って検査が終了する。
本発明の欠陥検査装置、及び欠陥検査方法は、合成皮革の検査に適するものであるが、布帛、壁紙、断熱材、吸音材、包装フィルム、プラスチックフィルム、家具の天板等の検査においても利用可能である。
10 搬送部
21 第一光源
22 第二光源
30 検知部
40 処理部
50 判定部
100 欠陥検査装置
A 検査対象物
A3 検査面
L1 第一検査光
L2 第二検査光

Claims (13)

  1. 検査対象物の検査面の少なくとも長手方向の欠陥を検査する欠陥検査装置であって、
    前記検査対象物を搬送する搬送部と、
    前記検査対象物の搬送方向と直交し且つ搬送面に沿って配置され、前記検査対象物の一方側より前記検査対象物の検査面に第一検査光を照射する第一光源と、
    前記検査対象物の幅方向の中心を基準として上面視で前記第一光源と対称な位置に配置され、前記検査対象物の他方側より前記検査対象物の検査面に第二検査光を照射する第二光源と、
    前記検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度を検知する検知部と、
    前記検知部から取得した輝度データを解析処理する処理部と、
    前記処理部による解析処理結果に基づいて、前記検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する判定部と、
    を備え、
    前記第一検査光及び前記第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光であり、
    前記検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、前記第一光源は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、前記第二光源は少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように構成されている欠陥検査装置。
  2. 前記第一検査光及び前記第二検査光において、前記平行光の光軸と前記平行光の最外部の進行方向とが成す拡がり角度をθとし、前記平行光の光軸が前記検査対象物の検査面に入射する入射角度をθとすると、以下の条件:
    θ+θ ≦ 20°
    を満たす請求項1に記載の欠陥検査装置。
  3. 前記拡がり角度θは、tanθ ≦ 7/100 を満たす請求項2に記載の欠陥検査装置。
  4. 前記第一検査光及び前記第二検査光は、互いに波長が異なるように選択される請求項1に記載の欠陥検査装置。
  5. 前記第一検査光及び前記第二検査光は、互いに波長が異なるように選択される請求項2に記載の欠陥検査装置。
  6. 前記第一検査光及び前記第二検査光は、互いに波長が異なるように選択される請求項3に記載の欠陥検査装置。
  7. 前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射する請求項1に記載の欠陥検査装置。
  8. 前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射する請求項2に記載の欠陥検査装置。
  9. 前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射する請求項3に記載の欠陥検査装置。
  10. 前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射する請求項4に記載の欠陥検査装置。
  11. 前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射する請求項5に記載の欠陥検査装置。
  12. 前記第一光源及び前記第二光源は、交互に前記検査対象物の検査面を照射する請求項6に記載の欠陥検査装置。
  13. 検査対象物の検査面の少なくとも長手方向の欠陥を検査する欠陥検査方法であって、
    前記検査対象物を搬送する搬送工程と、
    前記検査対象物の搬送方向と直交し且つ搬送面に沿った位置から、前記検査対象物の一方側より前記検査対象物の検査面に第一検査光を照射する第一照射工程と、
    前記検査対象物の幅方向の中心を基準として上面視で前記第一検査光の出射位置と対称な位置から、前記検査対象物の他方側より前記検査対象物の検査面に第二検査光を照射する第二照射工程と、
    前記検査対象物の少なくとも幅方向における検査面の輝度を検知する検知工程と、
    前記検知工程で取得した輝度データを解析処理する処理工程と、
    前記処理工程による解析処理結果に基づいて、前記検査対象物の検査面の欠陥の有無を判定する判定工程と、
    を包含し、
    前記第一検査光及び前記第二検査光は、光の拡散又は収束が一定範囲内に収まる平行光であり、
    前記検査対象物の幅方向における一方側の端部の位置を0とし、他方側の端部の位置を1としたとき、前記第一照射工程は少なくとも0〜0.5の範囲を照射し、前記第二照射工程は少なくとも1〜0.5の範囲を照射するように実行される欠陥検査方法。
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