JPWO2017104355A1 - レジスト組成物、レジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物、レジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を含有するレジスト組成物、上記レジスト組成物から形成されるレジスト膜、マスクブランクス、上記レジスト組成物を用いるパターン形成方法、上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法が提供される。

Description

本発明は、レジスト組成物、レジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、IC(Integrated Circuit、集積回路)等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにはその他のフォトアプリケーションのリソグラフィー工程に使用することができるレジスト組成物、レジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関する。
従来、ICやLSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)などの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、レジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。
集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にエキシマレーザー光(KrF、ArF)に、というように短波長化の傾向が見られる。更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線(EB、Electron Beam)やX線、あるいはEUV光(Extreme Ultra Violet、極紫外線)を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
このような状況のもと、レジスト組成物として、種々の構成が提案されており、例えば、特許文献1には、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基及びプロトンアクセプタ―基をともに有する繰り返し単位を備えた樹脂を含有するレジスト組成物が開示されている。また、特許文献2には、アミン構造を有する繰り返し単位を備えた樹脂とスルホン酸のスルホニウム塩構造を有する繰り返し単位を備えた樹脂とを含有するレジスト組成物が開示されている。
日本国特開2013−7892号公報 日本国特開2015−14798号公報
しかしながら、昨今、各種電子機器についてさらなる高機能化が要求されるなか、より微細な配線の作製が求められており、これに伴ってパターンの解像性及びラインウィドゥスラフネス(LWR)性能の向上が求められている。また、レジスト組成物としては欠陥を抑制するために、パーティクル数の少ないレジスト組成物が求められている。
そこで、本発明は、特に、超微細(たとえば、線幅50nm)のパターンの形成において、解像性及びLWR性能に優れたパターンを形成することができ、かつパーティクル数が少ないレジスト組成物、上記レジスト組成物を用いたレジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
露光部で発生した酸が未露光部に拡散し、未露光部においても、樹脂と酸との反応が起こると、溶解コントラストが低下することから、未露光部における酸を捕捉するために、化学増幅型レジスト組成物は、通常、塩基性化合物(クエンチャー)を含有している。しかしながら、塩基性化合物が、レジスト膜の面内で不均一に偏在してしまっている場合や、液浸露光における液浸液等に溶出すると、未露光部における酸の捕捉機能が失われる。これにより、露光部と未露光部との現像液に対する溶解コントラストが低くなり、パターンの境界部が現像液に対して部分的に溶解してしまい、ELが低下、LWR性能が低下、解像性が低下するといった問題があった。
分子内塩構造を有する低分子化合物は、LWR性能及びELの向上に優れることが知られていたが、凝集性及び溶解性の観点でレジスト組成物への導入には制限があった。本発明では、分子内塩構造を樹脂の繰り返し単位に導入することにより、凝集性及び溶解性の課題を克服した。さらに、樹脂に導入した効果で、クエンチャーがレジスト膜の面内に均一に分布し、酸の拡散を防止することができる。また、上記のように、未露光部において確実に酸を捕捉できるため、未露光部の樹脂においては、酸の作用により極性基を生じる反応が進行しにくい。よって、露光部又は未露光部が、アルカリ現像液又は有機溶剤を含む現像液により確実に除去されるため、解像性が優れるものと考えられる。これにより、高解像性・LWR性能に優れるパターンを得られると考えられる。
本発明者らは、下記の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
<1>
分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を含有するレジスト組成物。
<2>
上記分子内塩構造が、下記一般式(U−1)、(U−2)、又は(U−3)で表される構造のいずれかである、<1>に記載のレジスト組成物。
一般式(U−1)、(U−2)、(U−3)中、E及びEはカチオンを有する構造を表し、G及びGはアニオンを有する構造を表し、Lは単結合又は連結基を表す。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
<3>
上記繰り返し単位(a)が、下記一般式(i)又は(ii)で表される、<1>又は<2>に記載のレジスト組成物。
一般式(i)及び一般式(ii)中、
、Y、R101、R102、R103及びR104は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表す。
〜L、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びEはカチオンを有する構造を表し、G及びGはアニオンを有する構造を表す。
<4>
上記繰り返し単位(a)が、下記一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)又は(ii−1)で表される、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)及び(ii−1)中、
、Y、R101、R102、R103及びR104は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表す。
〜L、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
はカチオンを有する構造を表し、Gはアニオンを有する構造を表す。
41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R41とR42は互いに連結し、環構造を形成してもよい。
50は置換基を表し、kは0〜4の整数を表す。kが2以上の整数を表す場合、R50は各々同じでも異なっていてもよい。
<5>
上記Eが、下記(e1−1)又は(e1−2)で表される基であり、上記Gが下記(g1−1)〜(g1−5)のいずれかで表される基である、<4>に記載のレジスト組成物。
(e1−1)又は(e1−2)中、R31〜R33はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R31とR32は互いに連結し、環構造を形成してもよい。*は、Lへの連結部位を表す。
(g1−1)〜(g1−5)中、*は、Lへの連結部位を表す。
<6>
上記樹脂(P)が、下記一般式(A)により表される繰り返し単位(b)を更に含んでいる<1>〜<5>のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
上記一般式(A)中、
11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R12はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR12は単結合又はアルキレン基を表す。
Xは、単結合、−COO−、又は−CONR30−を表し、R30は、水素原子又はアルキル基を表す。
Lは、単結合又はアルキレン基を表す。
Zは、m価の芳香環基を表し、R12と結合して環を形成する場合には(m+1)価の芳香環基を表す。またZは置換基として水酸基を有してもよい。
mは1〜5の整数を表す。
<7>
上記樹脂(P)が、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)を有する、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
<8>
上記繰り返し単位(c)が、下記一般式(AI)又は(AII)で表される繰り返し単位である、<7>に記載のレジスト組成物。
一般式(AI)又は(AII)中、
Xaは、水素原子又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは、酸の作用により脱離する基を表し、−C(R36)(R37)(OR38)で表される基を表す。R36〜R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表し、−C(R36)(R37)(OR38)で表される基を表す。R36〜R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。
nは、1〜4の整数を表す。
<9>
上記繰り返し単位(c)が、上記一般式(AII)で表される繰り返し単位であり、上記一般式(AII)における、Yの少なくとも1つとしての酸の作用により脱離する基が、下記一般式(Y3−1)で表される構造である、<8>に記載のレジスト組成物。
10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、L20は、3級アルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
<10>
上記繰り返し単位(c)が、上記一般式(AII)で表される繰り返し単位であり、一般式(AII)における、Yの少なくとも1つとしての酸の作用により脱離する基が、下記一般式(Y3−2)で表される構造である、<8>に記載のレジスト組成物。
10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、L21は、2級アルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
<11>
上記繰り返し単位(c)が、下記一般式(AI−2)で表される繰り返し単位である、<7>に記載のレジスト組成物。
一般式(AI−2)中、
Xaは、水素原子又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは、酸の作用により脱離する基であり、下記一般式(Y1)、(Y2)又は(Y4)で表される基を表す。
一般式(Y1):−C(Rx)(Rx)(Rx)、
一般式(Y2):−C(=O)O(Rx)(Rx)(Rx
一般式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)
一般式(Y1)、(Y2)中、Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
一般式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
<12>
上記繰り返し単位(c)が、下記一般式(AII−2)で表される繰り返し単位である、<7>に記載のレジスト組成物。
一般式(AII−2)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表し、下記一般式(Y1)、(Y2)又は(Y4)で表される基を表す。
一般式(Y1):−C(Rx)(Rx)(Rx)、
一般式(Y2):−C(=O)O(Rx)(Rx)(Rx
一般式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)
一般式(Y1)、(Y2)中、Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
一般式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
<13>
上記樹脂(P)が、フッ素原子、フッ素原子を有する基、珪素原子を有する基、炭素数が6以上のアルキル基、炭素数が5以上のシクロアルキル基、炭素数が6以上のアリール基、及び、炭素数が7以上のアラルキル基からなる群より選択される1つ以上の基を有する繰り返し単位を更に含む、<1>〜<12>のいずれかに記載のレジスト組成物。
<14>
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を更に含む、<1>〜<13>のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
<15>
<1>〜<14>のいずれか1項に記載のレジスト組成物により形成されたレジスト膜。
<16>
<15>に記載のレジスト膜を有するマスクブランクス。
<17>
(a)<1>〜<14>のいずれか1項に記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成する工程、
(c)上記レジスト膜を活性光線又は放射線により露光する工程、及び
(d)露光された上記レジスト膜を、現像液で現像する工程
を含むパターン形成方法。
<18>
上記活性光線又は放射線は、電子線又は極紫外線である<17>に記載のパターン形成方法。
<19>
上記現像液が、有機溶剤を含む現像液を用いて現像して、ネガ型のパターン形成する工程である、<17>又は<18>に記載のパターン形成方法。
<20>
上記現像液が、アルカリ現像液を用いて現像して、ポジ型のパターン形成する工程である、<17>又は<18>に記載のパターン形成方法。
<21>
<17>〜<20>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、特に、超微細(たとえば、線幅50nm)のパターンの形成において、解像性及びLWR性能に優れたパターンを形成することができ、かつパーティクル数が少ないレジスト組成物、上記レジスト組成物を用いたレジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないもののみではなく、置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書では、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH=CH−CO−」又は「CH=C(CH)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書中で、分子量は分布を有する場合に重量平均分子量で表す。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定したポリスチレン換算値である。GPCは、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M (東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた方法に準ずる事ができる。
[レジスト組成物]
本発明のレジスト組成物は、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を含有するレジスト組成物である。
本発明のレジスト組成物は好ましくは化学増幅型レジスト組成物である。
本発明のレジスト組成物は、有機溶剤を含む現像液を使用する有機溶剤現像用及び/又はアルカリ現像液を使用するアルカリ現像用のレジスト組成物であることが好ましい。ここで、有機溶剤現像用とは、少なくとも、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。アルカリ現像用とは、少なくとも、アルカリ現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。
本発明のレジスト組成物はポジ型レジスト組成物であっても、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
本発明のレジスト組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましい。
<分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)>
分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)(以下、単に「樹脂(P)」とも呼ぶ)について説明する。
(分子内塩構造を有する繰り返し単位(a))
樹脂(P)は、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)(以下、単に「繰り返し単位(a)とも呼ぶ」)を有する。
本発明において、「分子内塩構造」とは、少なくとも1つのカチオンと少なくとも1つのアニオンとが、同一分子内で共有結合によって連結している構造をいう。
分子内塩構造は、下記一般式(U−1)、(U−2)、又は(U−3)で表される構造のいずれかであることが好ましい。
一般式(U−1)、(U−2)、(U−3)中、E及びEはカチオンを有する構造を表し、G及びGはアニオンを有する構造を表し、Lは単結合又は連結基を表す。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
及びEはカチオンを有する構造を表し、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウム、スルホニウムなどのカチオンを有する構造を表すことが好ましい。
としては、たとえば、下記基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記構造式中、R31〜R33はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R31とR32は互いに連結し、環構造を形成してもよい。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
としては、たとえば、下記基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記構造式中、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R41とR42は互いに連結し、環構造を形成してもよい。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
及びGはアニオンを有する構造を表し、カルボキシラート、スルホナート、ホスホナート、又はホスフィナートなどのアニオンを有する構造を表すことが好ましい。
としては、たとえば、下記基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
としては、たとえば、下記基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
は単結合又は連結基を表し、連結基を表す場合は、好ましくは−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる連結基である。2価の脂肪族基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10)が挙げられ、2価の芳香族基としては、フェニレン基、キシリレン基などのアリーレン基(好ましくは炭素数6〜15、より好ましくは6〜10)が挙げられる。
の具体例としては、たとえば以下の連結基が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、これらの連結基は、置換基を更に有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基及びジアリールアミノ基等が挙げられる。
が連結基を表す場合、炭素数30以下(置換基を有する場合はその置換基の炭素数も含めて30以下)であることが好ましい。
樹脂(P)は、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)において、ポリマーの側鎖部位に、分子内塩構造を有することが好ましい。
繰り返し単位(a)は、下記一般式(i)又は(ii)で表されることが好ましい。
一般式(i)及び一般式(ii)中、
、Y、R101、R102、R103及びR104は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表す。
〜L、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
及びEはカチオンを有する構造を表し、G及びGはアニオンを有する構造を表す。
及びYは水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表し、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン原子であり、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
101、R102、R103及びR104は水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表し、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン原子であり、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
及びLは単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる連結基であることが好ましい。
2価の脂肪族基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、又はポリアルキレンオキシ基などが挙げられる。なかでもアルキレン基、アルケニレン基が好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。
2価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、さらに分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。
2価の脂肪族基の炭素数(置換基を有する場合は置換基の炭素数も含む)は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至12であることがさらに好ましく、1乃至10であることがさらにまた好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
2価の脂肪族基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基及びジアリールアミノ基等が挙げられる。
2価の芳香族基としては、アリール基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基がより好ましい。
2価の芳香族基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、上記2価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
及びLは、単結合、又は、−CO−、−O−、−COO−、−NH−、−CONH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる連結基であることが好ましく、単結合、−O−、−COO−、又は−CONH−であることがより好ましい。
及びZは単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、上記L及びLと同様である。
及びZは、単結合、又は、−CO−、−O−、−COO−、−NH−、−CONH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる連結基であることが好ましく、単結合、2価の脂肪族基、又は2価の芳香族基であることがより好ましい。
、E、G及びGについては、前述の一般式(U−1)、(U−2)、(U−3)において説明したものと同様である。
及びLについては、前述の一般式(U−1)、(U−2)、(U−3)におけるLにおいて説明したものと同様である。
繰り返し単位(a)は、下記一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)又は(ii−1)で表されることが好ましい。
一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)及び(ii−1)中、
、Y、R101、R102、R103及びR104は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表す。
〜L、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
はカチオンを有する構造を表し、Gはアニオンを有する構造を表す。
41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R41とR42は互いに連結し、環構造を形成してもよい。
50は置換基を表し、kは0〜4の整数を表す。kが2以上の整数を表す場合、R50は各々同じでも異なっていてもよい。
一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)及び(ii−1)中、Y、Y、R101、R102、R103、R104、L〜L、Z、Z、E及びGそれぞれ一般式(i)及び(ii)におけるものと同様である。
一般式(i−1)〜(i−3)において、R41〜R43は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R41とR42は互いに連結し、環構造を形成してもよい。環構造は、酸素原子などのヘテロ原子を有していてもよく、好ましくは5〜10員環、より好ましくは5又は6員環である。R41〜R43の炭素数(置換基を有する場合は置換基の炭素数も含む)は炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜15が特に好ましく、炭素数1〜8が最も好ましい。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
また、アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられる。更に、ヘテロ環基としては、フラニル基、チオフェニル基、ピリジニル基などが挙げられる。
これらの基は更に置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基及びジアリールアミノ基等が挙げられる。
41〜R43として、効果及び入手容易性の観点から、特に好ましい例としては、水素原子、メチル基、又はエチル基を挙げることができる。
一般式(i−2)中のR50は置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基、シクロアルケニル基(ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
kは0〜4の整数を表し、0〜2の整数を表すことが好ましく、0又は1がより好ましく、0が更に好ましい。
樹脂(P)中の分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)の割合は、解像性・LWR性能の観点から、樹脂(P)を構成する全繰り返し単位に対して、0.5〜99モル%の範囲であることが好ましく、0.5〜70モル%の範囲であることがより好ましく、1〜50モル%の範囲であることが特に好ましく、1〜30モル%の範囲であることが最も好ましい。
以下に、分子内塩構造を含有する繰り返し単位(a)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。Phはフェニル基を表す。

樹脂(P)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン溶剤;酢酸エチルなどのエステル溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤;後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンなどのレジスト組成物を溶解する溶剤;等が挙げられる。より好ましくはレジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させることが好ましい。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収することができる。反応の濃度は5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。
反応温度は、通常10℃〜150℃であることが好ましく、30℃〜120℃であることがより好ましく、60〜100℃であることが更に好ましい。
精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液液抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈殿法や、濾別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。
樹脂(P)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化したりすることを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1.2〜3.0、特に好ましくは1.2〜2.0の範囲のものが使用される。分散度の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
(芳香環基を有する繰り返し単位(b))
樹脂(P)は、芳香環基を有する繰り返し単位(b)を含んでいてもよい。
芳香環基を有する繰り返し単位(b)としては、下記一般式(A)により表される繰り返し単位が好ましい。
上記一般式(A)中、
11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R12はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR12は単結合又はアルキレン基を表す。
Xは、単結合、−COO−、又は−CONR30−を表し、R30は、水素原子又はアルキル基を表す。
Lは、単結合又はアルキレン基を表す。
Zは、水素原子、又は(m+1)価の芳香環基を表し、R12と結合して環を形成する場合には(m+2)価の芳香環基を表す。またZは置換基として水酸基を有してもよい。
mは1〜5の整数を表す。
上記一般式(A)中のR11、R12、R13、X、L、Zは、それぞれ後述する一般式(I)中のR41、R42、R43、X、L、Arと同様である。
芳香環基を有する繰り返し単位(b)としては、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を好適に挙げることができる。
本明細書において、フェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる基である。上記芳香環基の芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環やナフタレン環等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(I)又は(I−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。

式中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、それぞれ独立して単結合又は2価の連結基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
一般式(I)又は(I−1)の繰り返し単位を高極性化する目的では、nが2以上の整数、またはXが−COO−、又は−CONR64−であることも好ましい。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のシクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していてもよいシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜8個で単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
一般式(I)及び(I−1)におけるR41、R42、R43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、一般式(I)におけるR41、R42、R43で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;等が挙げられる。
により表わされる−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
としての2価の連結基としては、アルキレン基であることが好ましく、アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Arとしては、置換基を有していてもよい炭素数6〜18の芳香環基がより好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、ビフェニレン環基が特に好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレン構造を備えていることが好ましい。即ち、Arは、ベンゼン環基であることが好ましい。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、好ましくは、下記一般式(p1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(p1)におけるRは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。一般式(p1)中のRとしては水素原子が特に好ましい。
一般式(p1)におけるArは芳香族環を表し、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環が最も好ましい。
一般式(p1)におけるmは、1〜5の整数を表し、好ましくは1である。
以下、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、aは1又は2を表す。また、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の具体例として、特開2014−232309号公報の[0177]〜[0178]に記載の具体例が援用でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
樹脂(P)がフェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有する場合、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を1種有していても、2種以上有していてもよい。
樹脂(P)がフェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有する場合、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、10〜95モル%であることが好ましく、20〜90モル%であることがより好ましく、30〜85モル%であることが更に好ましい。
芳香環基を有する繰り返し単位(b)は、下記一般式(X)で表される繰り返し単位であってもよい。
一般式(X)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R63はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR63は単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R63と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
nは、0以上の整数を表す。
一般式(X)は、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表される繰り返し単位であることも好ましい。
式中、nは0〜4の整数を表す。nは0〜6の整数を表す。
は、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子である。
は、上記一般式(X)のRと同義である。
一般式(X)で表される繰り返し単位の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
樹脂(P)が一般式(X)で表される繰り返し単位を有する場合、一般式(X)で表される繰り返し単位を1種有していても、2種以上有していてもよい。
樹脂(P)が一般式(X)で表される繰り返し単位を有する場合、一般式(X)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることが更に好ましい。
また、芳香環基を有する繰り返し単位(b)は、後述する極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)において、芳香環基を有するものであっても良い。
樹脂(P)が芳香環基を有する繰り返し単位(b)を有する場合、芳香環基を有する繰り返し単位(b)を1種有していても、2種以上有していてもよい。
樹脂(P)が芳香環基を有する繰り返し単位(b)を有する場合、芳香環基を有する繰り返し単位(b)の含有量は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、5〜100モル%であることが好ましく、7〜98モル%であることがより好ましく、8〜96モル%であることが更に好ましい。
(極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c))
樹脂(P)は、好ましい一実施形態において、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)を有する。
極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)を有する繰り返し単位(c)における極性基としては、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、及び、スルホン酸基等が挙げられる。この中でも、極性基は、カルボキシル基、アルコール性水酸基、又は、フェノール性水酸基であることが好ましく、カルボキシル基、又は、フェノール性水酸基であることが更に好ましい。
なお、樹脂(P)が、酸分解性基を有する繰り返し単位を有すると、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
酸の作用により分解し脱離する脱離基としては、例えば下記一般式(Y1)〜(Y4)で表される基を挙げることができる。
一般式(Y1):−C(Rx)(Rx)(Rx
一般式(Y2):−C(=O)O(Rx)(Rx)(Rx
一般式(Y3):−C(R36)(R37)(OR38
一般式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)
一般式(Y1)、(Y2)中、Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。ただし、Rx〜Rxの全てがアルキル基(直鎖若しくは分岐)である場合、Rx〜Rxのうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
より好ましくは、Rx〜Rxが各々独立に、直鎖又は分岐のアルキル基を表す繰り返し単位であり、さらに好ましくは、Rx〜Rxが各々独立に、直鎖のアルキル基を表す繰り返し単位である。
Rx〜Rxの2つが結合して、単環若しくは多環を形成してもよい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(Y1)、(Y2)で表される繰り返し単位は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
一般式(Y3)中、R36〜R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。R36は水素原子であることも好ましい。
一般式(Y3)としては下記一般式(Y3−1)で表される構造がより好ましい。
ここで、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルキレン基とアリール基とを組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
及びLうち少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M、Lの少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
パターン倒れ性能の向上にはLが2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基がより好ましい。2級アルキル基は、イソプロピル基、シクロヘキシル基やノルボルニル基、3級アルキル基は、tert−ブチル基やアダマンタンを挙げることができる。これらの態様では、Tgや活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
一般式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。Arはより好ましくはアリール基である。
酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)又は(AII)で表される繰り返し単位が好ましい。
一般式(AI)において、
Xaは、水素原子、又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Yは酸の作用により脱離する基を表す。Yは前述の一般式式(Y1)〜(Y4)のいずれかであることが好ましい。
Xaにより表される、アルキル基としては、置換基を有するアルキル基でもよく、例えば、メチル基又は−CH−R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子など)、ヒドロキシル基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xaは、一態様において、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基等である。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
一般式(AII)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。Yとしての酸の作用により脱離する基は、前述の一般式(Y1)〜(Y4)のいずれかであることが好ましい。
nは1〜4の整数を表す。
上記各基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位としては、好ましくは、酸分解性(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル系繰り返し単位(Xaが水素原子又はメチル基を表し、かつ、Tが単結合を表す繰り返し単位)である。
上記一般式(AII)で表される繰り返し単位は、下記一般式(AIII)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(AIII)において、
Arは、芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。Yとしての酸の作用により脱離する基は、前述の一般式(Y1)〜(Y4)のいずれかであることが好ましい。
nは、1〜4の整数を表す。
Ar及びArが表す芳香環基は、ベンゼン環基又はナフタレン環基であることが好ましく、ベンゼン環基であることがより好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rxは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbは各々炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0又は正の整数を表す。Zにより表される極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
また、繰り返し単位(c)の具体例として、特開2014−232309号公報の[0227]〜[0233]、[0270]〜[0272]特開2012−208447号公報の[0123]〜[0131]に記載の具体例が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。

樹脂(P)が酸分解性基を有する繰り返し単位(c)を有する場合、酸分解性基を有する繰り返し単位(c)は、1種であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂(P)が酸分解性基を有する繰り返し単位(c)を有する場合、樹脂(P)における酸分解性基を有する繰り返し単位(c)の含有量(複数種類含有する場合はその合計)は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対して5モル%以上80モル%以下であることが好ましく、5モル%以上75モル%以下であることがより好ましく、10モル%以上65モル%以下であることが更に好ましい。
なお、本願明細書において、酸分解性基と芳香環基とを有する繰り返し単位は、酸分解性基を有する繰り返し単位にも、芳香環基を有する繰り返し単位にも、当てはまるものとする。
(ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位)
樹脂(P)は、ラクトン基又はスルトン(環状スルホン酸エステル)基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を含有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造又はスルトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造又はスルトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。
下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造又は下記一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造又はスルトン構造としては一般式(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)で表される基である。
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRbは、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造又は一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(BI)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
一般式(BI)中、Rbは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rbは、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。好ましくは、単結合、−Ab−CO−で表される連結基である。Abは、直鎖、分岐アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキレン基であり、好ましくは、メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)及び(SL1−1)〜(SL1−3)のうちのいずれかで示される基を表す。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位は、通常、光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
樹脂(P)がラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位を有する場合、ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
(側鎖に珪素原子を有する繰り返し単位)
樹脂(P)は側鎖に珪素原子を有する繰り返し単位を有していてもよい。
側鎖に珪素原子を有する繰り返し単位は、側鎖に珪素原子を有すれば特に制限されないが、例えば、珪素原子を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位、珪素原子を有するビニル系繰り返し単位などが挙げられる。
珪素原子を有する繰り返し単位は、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)を有さない繰り返し単位であることが好ましい。
側鎖に珪素原子を有する繰り返し単位は、典型的には、側鎖に珪素原子を有する基を有する繰り返し単位であり、珪素原子を有する基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリストリメチルシロキシシリル基、トリストリメチルシリルシリル基、メチルビストリメチルシリルシリル基、メチルビストリメチルシロキシシリル基、ジメチルトリメチルシリルシリル基、ジメチルトリメチルシロキシシリル基、または下記のような環状もしくは直鎖状ポリシロキサン、またはカゴ型あるいははしご型もしくはランダム型シルセスキオキサン構造などが挙げられる。式中、R、及び、Rは各々独立に、1価の置換基を表す。*は、結合手を表す。
上記の基を有する繰り返し単位は、例えば、上記の基を有するアクリレート又はメタクリレート化合物に由来する繰り返し単位や、上記の基とビニル基とを有する化合物に由来する繰り返し単位を好適に挙げることができる。
珪素原子を有する繰り返し単位は、シルセスキオキサン構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、これにより、超微細(例えば、線幅50nm以下)であり、かつ、断面形状が高アスペクト比(例えば、膜厚/線幅が2以上)のパターンの形成において、非常に優れた倒れ性能を発現することができる。
シルセスキオキサン構造としては、例えば、カゴ型シルセスキオキサン構造、はしご型シルセスキオキサン構造(ラダー型シルセスキオキサン構造)、ランダム型シルセスキオキサン構造などが挙げられる。なかでも、カゴ型シルセスキオキサン構造が好ましい。
ここで、カゴ型シルセスキオキサン構造とは、カゴ状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。カゴ型シルセスキオキサン構造は、完全カゴ型シルセスキオキサン構造であっても、不完全カゴ型シルセスキオキサン構造であってもよいが、完全カゴ型シルセスキオキサン構造であることが好ましい。
また、はしご型シルセスキオキサン構造とは、はしご状骨格を有するシルセスキオキサン構造である。
また、ランダム型シルセスキオキサン構造とは、骨格がランダムのシルセスキオキサン構造である。
上記カゴ型シルセスキオキサン構造は、下記式(S)で表されるシロキサン構造であることが好ましい。
上記式(S)中、Rは、1価の置換基を表す。複数あるRは、同一であっても、異なってもよい。
上記1価の置換基は特に制限されないが、具体例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ブロック化メルカプト基(例えば、アシル基でブロック(保護)されたメルカプト基)、アシル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、シリル基、ビニル基、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、(メタ)アクリル基含有基およびエポキシ基含有基などが挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基のヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。
上記ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1〜30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2〜30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2〜30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6〜18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
珪素原子を有する繰り返し単位は、下記式(I)で表されるのが好ましい。
上記式(I)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Lは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
上記式(I)中、Xは、水素原子又は有機基を表す。
有機基としては、例えば、フッ素原子、水酸基などの置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられ、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
上記式(I)中、Aは、珪素原子含有基を表す。なかでも、下記式(a)または(b)で表される基が好ましい。
上記式(a)中、Rは、1価の置換基を表す。複数あるRは、同一であっても、異なってもよい。Rの具体例および好適な態様は上述した式(S)と同じである。なお、上記式(I)中のAが上記式(a)で表される基である場合、上記式(I)は下記式(I−a)で表される。
上記式(b)中、Rは、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表す。ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基の具体例および好適な態様は、上述した式(S)中のRと同じである。
樹脂(P)が珪素原子を有する繰り返し単位を有する場合、珪素原子を有する繰り返し単位を1種有していても、2種以上有していてもよい。
樹脂(P)が珪素原子を有する繰り返し単位を有する場合、珪素原子を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、1〜30モル%であることが好ましく、1〜20モル%であることがより好ましく、1〜10モル%であることが更に好ましい。
なお、本願明細書において、珪素原子と、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)とを有する繰り返し単位は、珪素原子を有する繰り返し単位にも、酸分解性基を有する繰り返し単位にも当てはまるものとする。
(その他の繰り返し単位)
樹脂(P)は、上記した以外のその他の繰り返し単位を有していてもよい。その他の繰り返し単位として、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位、特に、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位をさらに有することができる。
これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としてはアダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。極性基としては水酸基、シアノ基が好ましい。極性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
樹脂(P)が、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位を有する場合、その含有量は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
また、樹脂(P)は、その他の繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を有する繰り返し単位を含むこともできる。この場合、この光酸発生基を有する繰り返し単位が、後述する活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)にあたると考えることができる。
このような繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
41は、水素原子又はメチル基を表す。L41は、単結合又は2価の連結基を表す。L42は、2価の連結基を表す。Wは、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
そのほか、一般式(4)で表される繰り返し単位としては、例えば、特開2014−041327号公報の段落[0094]〜[0105]に記載された繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(P)が光酸発生基を有する繰り返し単位を含有する場合、光酸発生基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
樹脂(P)は、フッ素原子、フッ素原子を有する基、珪素原子を有する基、炭素数が6以上のアルキル基、炭素数が5以上のシクロアルキル基、炭素数が6以上のアリール基、及び、炭素数が7以上のアラルキル基からなる群より選択される1つ以上の基を有する繰り返し単位を有していてもよい。樹脂(P)は上記繰り返し単位を有する場合は、レジスト組成物において、後述する疎水性樹脂として用いることもできる。
樹脂(P)を疎水性樹脂として用いることで、レジスト膜表面にクエンチャーとしての機能を有する樹脂(P)が偏在するため、ポジ型のパターン形成方法では膜減り(トップロス)を改善することができ、ネガ型のパターン形成方法に関しては、頭張り(T−top形状)を改善できる。
樹脂(P)は、レジスト組成物において、レジスト組成物の全固形分に対して50質量%以上含有される樹脂(メインポリマー)として用いられてもよいし、メインポリマー以外の用途(たとえば後述する疎水性樹脂又は塩基性化合物)で用いられてもよい。
また、レジスト組成物において、樹脂(P)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
メインポリマーとして用いられる場合は、樹脂(P)の含有量は、レジスト組成物の全固形分中50〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
<活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)>
レジスト組成物は、活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(「化合物(B)」、「光酸発生剤」、「PAG(Photo Acid Generator)」ともいう)を含有することが好ましい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であっても良く、重合体の一部に組み込まれた形態であっても良い。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用しても良い。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、レジスト組成物が含有する樹脂(P)一部に組み込まれても良く、樹脂(P)とは異なる樹脂に組み込まれても良い。
パターン断面形状調整を目的に、酸発生剤が有するフッ素原子の数は適宜調整される。フッ素原子を調整することで、レジスト膜中における酸発生剤の表面偏在性の制御が可能になる。酸発生剤が有するフッ素原子が多いほど表面に偏在する。
光酸発生剤は低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤としては、特に限定されないが、活性光線又は放射線、好ましくは電子線又は極紫外線の照射により、有機酸、例えば、スルホン酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド、又はトリス(アルキルスルホニル)メチドの少なくともいずれかを発生する化合物が好ましい。
光酸発生剤としては、より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、又は(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF )、弗素化硼素(例えば、BF )、弗素化アンチモン(例えば、SbF )等を挙げることができる。
非求核性アニオンとしては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
また、非求核性アニオンとしては、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンも好ましい態様として挙げられる。
式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
一般式(AN1)について、更に詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfとして好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF、C、C、C、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもフッ素原子、CFが好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
、Rのアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。更に好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R、Rの置換基を有するアルキル基の具体例としては、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
、Rとしては、好ましくはフッ素原子又はCFである。
xは1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。
zは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に限定されず、―COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO―、―SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はこれらの複数が連結した連結基などを挙げることができ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。このなかでも―COO−、−OCO−、−CO−、−O−が好ましく、―COO−、−OCO−がより好ましい。
Aの環状の有機基としては、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF(Mask Error Enhancement Factor)向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、アントラセン環が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環由来のものが挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環由来のものが好ましい。
また、環状の有機基としては、ラクトン構造も挙げることができ、具体例としては、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造を挙げることができる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであっても良く、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであっても良く、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であっても良い。
201、R202及びR203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。
201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(AN1)で表されるアニオンの好ましい例としては、以下が挙げられる。下記例においてAは環状の有機基を表す。
SO−CF−CH−OCO−A、SO−CF−CHF−CH−OCO−A、SO−CF−COO−A、SO−CF−CF−CH−A、SO−CF−CH(CF)−OCO−A
一般式(ZII)、(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
本発明においては、光酸発生剤は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性を良好にする観点から、電子線又は極紫外線の照射により、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
光酸発生剤としては、特開2014−41328号公報段落[0368]〜[0377]、特開2013−228681号公報段落[0240]〜[0262](対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の[0339])が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤のレジスト組成物中の含有量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは8〜40質量%である。特に、電子線や極紫外線露光の際に高感度化、高解像性を両立するには光酸発生剤の含有率は、更に好ましくは10〜40質量%、最も好ましくは10〜35質量%である。
光酸発生剤は1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<レジスト溶剤>
レジスト組成物は、溶剤(「レジスト溶剤」ともいう)を含んでいることが好ましい。溶剤には異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。溶剤は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及びアルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つとの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
成分(M1)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
成分(M2)としては、以下のものが好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
酪酸ブチルも好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、又は、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又はメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、又はシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ−ブチロラクトン又はプロピレンカーボネートがより好ましい。
上記成分の他、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
成分(M2)としては、引火点(以下、fpともいう)が37℃以上であるものを用いることが好ましい。このような成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:44℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)又はプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチル、又はシクロヘキサノンが更に好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル又は乳酸エチルが特に好ましい。なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社の試薬カタログに記載されている値を意味している。
溶剤は、成分(M1)を含んでいることが好ましい。溶剤は、実質的に成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と他の成分との混合溶剤であることがより好ましい。後者の場合、溶剤は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいることが更に好ましい。
成分(M1)と成分(M2)との質量比は、100:0乃至15:85の範囲内にあることが好ましく、100:0乃至40:60の範囲内にあることがより好ましく、100:0乃至60:40の範囲内にあることが更に好ましい。即ち、溶剤は、成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでおり且つそれらの質量比が以下の通りであることが好ましい。即ち、後者の場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、15/85以上であることが好ましく、40/60以上であることよりが好ましく、60/40以上であることが更に好ましい。このような構成を採用すると、現像欠陥数を更に減少させることが可能となる。
なお、溶剤が成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいる場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、例えば、99/1以下とする。
上述した通り、溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。この場合、成分(M1)及び(M2)以外の成分の含有量は、溶剤の全量に対して、5〜30質量%の範囲内にあることが好ましい。
レジスト組成物に占める溶剤の含有量は、全成分の固形分濃度が1〜40質量%となるように定めることが好ましく、1〜30質量%となるように定めることがより好ましく、1〜20質量%となるように定めることが更に好ましい。こうすると、レジスト組成物の塗布性を更に向上させることができる。
レジスト組成物の固形分濃度は作成するレジスト膜の厚みを調整する目的で適宜調整できる。
<架橋剤>
レジスト組成物は、架橋剤を含有していてもよい。
本明細書において、架橋剤とは、典型的には、酸の作用により樹脂と反応し、架橋構造を形成する化合物のことをいう。
架橋剤としては、分子内に2つ以上の架橋性基を有する化合物が好ましく、メチロール系架橋剤(メチロール基(ヒドロキシメチル基)及びアルコキシメチル基の少なくとも一方を有する架橋剤)、エポキシ系架橋剤(エポキシ基を有する架橋剤)、オキセタン系架橋剤(オキセタニル基を有する架橋剤)、イソシアネート系架橋剤(イソシアネート基を有する架橋剤)などが挙げられ、メチロール系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましく、メチロール系架橋剤がより好ましく、メチロール基を2つ以上有する架橋剤、アルコキシメチル基を2つ以上有する架橋剤、又はメチロール基を1つ以上有し、かつアルコキシメチル基を1つ以上有する架橋剤であることが更に好ましい。
架橋剤は低分子化合物であってもよいし、高分子化合物(たとえば高分子化合物に架橋性基が担持された化合物、架橋性基を有する繰り返し単位を有する化合物など)であってもよい。架橋剤が低分子の場合、分子量は100〜1000が好ましく、200〜900が更に好ましく、300〜800が最も好ましい。
架橋剤として、好ましくは、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化フェノール化合物、アルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物及びアルコキシメチル化ウレア系化合物が挙げられる。特に好ましい架橋剤としては、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、分子量が1200以下のフェノール誘導体やアルコキシメチルグリコールウリル誘導体が挙げられる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
架橋剤の例のうち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。また、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。
別の好ましい架橋剤の例として、更にアルコキシメチル化メラミン系化合物、アルコキシメチルグリコールウリル系化合物類及びアルコキシメチル化ウレア系化合物のようなN−ヒドロキシメチル基又はN−アルコキシメチル基を有する化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア等が挙げられ、EP0,133,216A号、***特許第3,634,671号、同第3,711,264号、EP0,212,482A号に開示されている。
架橋剤の具体例の中で特に好ましいものを以下に挙げる。
式中、L〜Lは、各々独立に、水素原子、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
本発明の一形態において、架橋剤は、下記一般式(CI)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(CI)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、又は炭素数5以下の炭化水素基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアシル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、又は炭素数2以上の有機基を表す。R及びRは、互いに結合して環を形成してもよい。
本発明の一形態において、R及びRは、好ましくは炭素数5以下の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数4以下の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
及びRにより表されるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6以下のアルキル基が好ましく、シクロアルキル基として、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基が好ましく、アリール基としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、アシル基としては、例えば、アルキル部位の炭素数が1〜6のものが好ましい。
本発明の一形態において、R及びRは、アルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
及びRにより表される炭素数2以上の有機基としては、例えば、炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、また、R及びRが互いに結合して形成して以下に詳述する環を形成していることが好ましい。
及びRが互いに結合して形成される環としては、例えば、芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又は、これらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環を挙げることができる。
これらの環は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アリール基、アルコキシメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン、又はヒドロキシ基等が挙げられる。
以下に、R及びRが互いに結合して形成する環の具体例を挙げる。式中の*は、フェノール核との連結部位を表す。
本発明の一形態において、一般式(CI)中のR及びRが結合してベンゼン環を含む多環縮合環を形成していることが好ましく、フルオレン構造を形成していることがより好ましい。
架橋剤は、例えば、一般式(CI)中のR及びRが結合して、下記一般式(I−a)で表されるフルオレン構造を形成していることが好ましい。
式中、
及びRは、各々独立に、置換基を表す。置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルコキシメチル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン、又はヒドロキシ基等が挙げられる。
n1及びn2は、各々独立に、0〜4の整数を表し、好ましくは0又は1を表す。
*は、フェノール核との連結部位を表す。
また、本発明の一形態において、架橋剤は、下記一般式(I−b)で表されることが好ましい。
式中、
1b及びR6bは、各々独立に、炭素数5以下のアルキル基を表す。
2b及びR5bは、各々独立に、炭素数6以下のアルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。
Zは、式中の炭素原子と共に環を形成するのに必要な原子群を表す。
Zが式中の炭素原子と共に形成する環については、上述した一般式(CI)の説明において、R及びRが互いに結合して形成する環について説明したものと同様である。
本発明の一形態において、架橋剤は、分子内に4つ以上の芳香環と、アルコキシメチル基及び/又はヒドロキシメチル基を合計で2つ有する化合物であることが好ましい。
次に、一般式(CI)で表される架橋剤の製造方法について説明する。
一般式(CI)で表される架橋剤の母核となるビスフェノール化合物は、一般に、対応する2分子のフェノール化合物と、対応する1分子のケトンを、酸触媒存在下、脱水縮合反応することにより合成される。
得られたビスフェノール体をパラホルムアルデヒドとジメチルアミンで処理して、アミノメチル化することにより、下記一般式(I−C)で表される中間体を得る。続いて、アセチル化、脱アセチル化、アルキル化を経て、目的の酸架橋剤が得られる。
式中、R、R、R及びRは、一般式(CI)中の各基と同義である。
本合成法は、従来の塩基性条件下にてヒドロキシメチル体を経由するような合成方法(たとえば、特開2008−273844号公報)に比べてオリゴマーを生成しづらいため、パーティクル形成抑止効果がある。
以下に、架橋剤の具体例を示す。
架橋剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。良好なパターン形状の観点からは、2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
レジスト組成物が架橋剤を含有する場合、架橋剤の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが更に好ましい。
(塩基性化合物)
レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記一般式(E−1)〜(E−5)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。また、前述の樹脂(P)を塩基性化合物として用いることもできる。
一般式(E−1)中、R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
一般式(E−5)中、R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(E−1)及び(E−5)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、フォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲で何れであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1または2級アミンとハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。または、1または2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。
(プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA))
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることができる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
化合物(PA)の具体例としては、例えば、下記化合物を挙げることができる。更に、化合物(PA)の具体例としては、例えば、特開2014−41328号公報の段落0421〜0428、特開2014−134686号公報の段落0108〜0116に記載されたものを援用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの塩基性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩基性化合物の含有量は、レジスト組成物の固形分を基準として、0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%である。
光酸発生剤と塩基性化合物のレジスト組成物中の使用割合は、光酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。光酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
塩基性化合物としては、例えば、特開2013−11833号公報の段落0140〜0144に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等)を用いることができる。
<疎水性樹脂>
レジスト組成物は、疎水性樹脂を含有していてもよい。疎水性樹脂としては、樹脂(P)とは別に、樹脂(P)とは異なる疎水性樹脂を含有していてもよいし、樹脂(P)を疎水性樹脂として用いてもよい。
疎水性樹脂としては、上層形成用組成物が含有することが好ましい樹脂と同様の樹脂を使用することもできる。
疎水性樹脂は感活性光線性又は感放射線性膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対する感活性光線性又は感放射線性膜表面の静的/動的な接触角の制御、アウトガスの抑制などを挙げることができる。
疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。また、疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を含有することが好ましい。これらの基は疎水性樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1の段落0519に例示されたものを挙げることが出来る。
また、上記したように、疎水性樹脂は、側鎖部分にCH部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH部分構造には、エチル基、プロピル基等が有するCH部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH部分構造に包含されないものとする。
疎水性樹脂に関しては、特開2014−010245号公報の[0348]〜[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
なお、疎水性樹脂としてはこの他にも特開2011−248019号公報、特開2010−175859号公報、特開2012−032544号公報記載のものも好ましく用いることができる。
疎水性樹脂として、下記構造の樹脂も用いることができる。
レジスト組成物が疎水性樹脂を含有する場合、疎水性樹脂の含有量はレジスト組成物の全固形分に対して0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8質量%であることがより好ましい。
(界面活性剤)
レジスト組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(DIC(株)製);サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製);GF−300若しくはGF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の含有量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0.0001〜2質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。
(その他の添加剤)
レジスト組成物は、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
レジスト組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。
(G)カルボン酸オニウム塩
レジスト組成物は、(G)カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、(G)カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。更に、(G)カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいてもよい。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
フッ素置換されたカルボン酸のアニオンとしては、フロロ酢酸、ジフロロ酢酸、トリフロロ酢酸、ペンタフロロプロピオン酸、ヘプタフロロ酪酸、ノナフロロペンタン酸、パーフロロドデカン酸、パーフロロトリデカン酸、パーフロロシクロヘキサンカルボン酸、2,2−ビストリフロロメチルプロピオン酸のアニオン等が挙げられる。
これらの(G)カルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
(G)カルボン酸オニウム塩の組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
<レジスト膜>
本発明は本発明のレジスト組成物により形成されたレジスト膜にも関する。
レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成するためには、各成分を溶剤に溶解してレジスト成物を調製し、必要に応じてフィルター濾過した後、基板上に塗布することが好ましい。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン、二酸化シリコン被覆)上に塗布されることが好ましい。レジスト組成物を基板上に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布されるが、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。必要により、レジスト膜の下層に、各種下地膜(無機膜、有機膜、反射防止膜)を形成してもよい。また、上層膜の形成前にレジスト膜を乾燥することが好ましい。これにより、不要な残留溶剤の除去された膜を均一に形成することができる。
乾燥方法としては、加熱(プリベーク)して乾燥する方法が一般的に用いられる。加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。加熱温度は特に限定されないが、60〜150℃で1〜20分間が好ましく、80〜120℃で1〜15分間が更に好ましい。
レジスト膜の膜厚は、0.02〜0.5μmが好ましく0.02〜0.3μmがより好ましく、0.02〜0.2μmがさらに好ましい、レジスト膜の厚みは、ドライエッチング耐性等のレジスト諸性能を調整する目的で適宜調整できる。ドライエッチング耐性を高める目的では膜厚は高い方が好ましく、0.05〜0.3μmとすることも好ましい。
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、
(a)レジスト組成物によりレジスト膜を形成する工程、
(c)上記レジスト膜を活性光線又は放射線により露光する工程、及び
(d)露光された上記レジスト膜を、現像液で現像する工程
を含むパターン形成方法であることが好ましく、工程(a)のレジスト組成物として、前述の本発明のレジスト組成物を用いる。
また、工程(a)と(c)の間に、
(b)上記レジスト膜上に上層膜形成用組成物により上層膜を形成する工程、
を有していてもよい。
<工程(a)>
本発明のパターン形成方法の工程(a)は、レジスト組成物によりレジスト膜を形成する工程であり、好ましくは、基板上にレジスト組成物を塗布することによりレジスト膜を形成する工程である。
<工程(b)>
本発明のパターン形成方法の工程(b)は、レジスト膜上に上層膜形成用組成物により上層膜を形成する工程である。
工程(b)では、工程(a)で形成したレジスト膜上に、上層膜形成用組成物(「トップコート組成物」ともいう)を塗布し、その後、必要に応じて加熱(プリベーク(PB;Prebake))することにより、上層膜(「トップコート」ともいう)を形成することが好ましい。
[上層膜形成用組成物]
本発明のパターン形成方法に用いられる上層膜形成用組成物について説明する。
トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらにレジスト膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートについては、特に限定されず、従来公知のトップコートを、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014−059543号公報の段落0072〜0082の記載に基づいてトップコートを形成できる。
例えば、特開2013−61648号公報に記載されたような塩基性化合物を含有するトップコートをレジスト膜上に形成することが好ましい。トップコートが含み得る塩基性化合物の具体的な例は、上述のレジスト組成物における塩基性化合物と同様である。
また、トップコートは、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物を含むことが好ましい。
また、トップコートは、樹脂を含有することが好ましい。トップコートが含有することができる樹脂としては、特に限定されないが、前述のレジスト組成物に含まれ得る疎水性樹脂と同様のものを使用することができる。
疎水性樹脂に関しては、特開2013−61647号公報の[0017]〜[0023](対応する米国公開特許公報2013/244438号の[0017]〜[0023])、及び特開2014−56194号公報の[0016]〜[0165]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
トップコートは、芳香環を有する繰り返し単位を含有する樹脂を含むことが好ましい。芳香環を有する繰り返し単位を含有することで、特に電子線またはEUV露光の際に、二次電子の発生効率、及び活性光線又は放射線により酸を発生する化合物からの酸発生効率が高くなり、パターン形成時に高感度化、高解像化の効果が期待できる。
ArF液浸露光に使用する場合は、ArF光への透明性の点から上記樹脂は実質的に芳香族基を有さないことが好ましい。
樹脂の重量平均分子量は好ましくは3000〜100000であり、更に好ましくは3000〜30000であり、最も好ましくは5000〜20000である。トップコート形成用組成物中の樹脂の配合量は、全固形分中、50〜99.9質量%が好ましく、70〜99.7質量%がより好ましく、80〜99.5質量%が更に好ましい。
トップコートが複数の樹脂を含む場合、フッ素原子及び/又は珪素原子を有する樹脂(XA)を少なくとも1種含むことが好ましい。フッ素原子及び/又は珪素原子を有する樹脂(XA)を少なくとも1種、及び、フッ素原子及び/又は珪素原子の含有率が樹脂(XA)より小さい樹脂(XB)をトップコート組成物が含むことがより好ましい。これにより、トップコート膜を形成した際に、樹脂(XA)がトップコート膜の表面に偏在するため、現像特性や液浸液追随性などの性能を改良させることができる。
樹脂(XA)の含有量は、トップコート組成物に含まれる全固形分を基準として、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.1〜8質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。樹脂(XB)の含有量は、トップコート組成物に含まれる全固形分を基準として、50.0〜99.9質量%が好ましく、60〜99.9質量%がより好ましく、70〜99.9質量%が更に好ましく、80〜99.9質量%が特に好ましい。
樹脂(XA)に含有されるフッ素原子の好ましい範囲は、樹脂(XA)の重量平均分子量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
樹脂(XA)に含有される珪素原子の好ましい範囲は、樹脂(XA)の重量平均分子量に対して、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
樹脂(XB)としては、フッ素原子及び珪素原子を実質的に含有しない形態が好ましく、この場合、具体的には、フッ素原子を有する繰り返し単位及び珪素原子を有する繰り返し単位の合計の含有量が、樹脂(XB)中の全繰り返し単位に対して0〜20モル%が好ましく、0〜10モル%がより好ましく、0〜5モル%が更に好ましく、0〜3モル%が特に好ましく、理想的には0モル%、すなわち、フッ素原子及び珪素原子を含有しない。
トップコート組成物全体中の樹脂の配合量は、全固形分中、50〜99.9質量%が好ましく、60〜99.0質量%がより好ましい。
また、トップコートは、酸発生剤、架橋剤を含有しても良い。これらの各成分の具体例及び好ましい例は上述の通りである。
トップコートは、典型的には、トップコート形成用組成物から形成される。
トップコート形成用組成物は、各成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過することが好ましい。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。なお、フィルターは、複数種類を直列又は並列に接続して用いてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。さらに、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。本発明のトップコート形成用組成物は、金属等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる金属成分の含有量としては、10ppm以下が好ましく、5ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が特に好ましい。
後述する露光を液浸露光とする場合、トップコートは、レジスト膜と液浸液との間に配置され、レジスト膜を直接、液浸液に接触させない層としても機能する。この場合、トップコート(トップコート形成用組成物)が有することが好ましい特性としては、レジスト膜への塗布適性、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液(好ましくは水)に対する難溶性である。また、トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらにレジスト膜の表面に均一に塗布できることが好ましい。
なお、トップコート形成用組成物を、レジスト膜の表面に、レジスト膜を溶解せずに均一に塗布するために、トップコート形成用組成物は、レジスト膜を溶解しない溶剤を含有することが好ましい。レジスト膜を溶解しない溶剤としては、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)とは異なる成分の溶剤を用いることがさらに好ましい。
トップコート形成用組成物の塗布方法は、特に限定されず、従来公知のスピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、浸漬法などを用いることができる。
トップコートの膜厚は特に制限されないが、露光光源に対する透明性の観点から、通常5nm〜300nm、好ましくは10nm〜300nm、より好ましくは20nm〜200nm、更に好ましくは30nm〜100nmの厚みで形成される。
トップコートを形成後、必要に応じて基板を加熱(PB)する。
トップコートの屈折率は、解像性の観点から、レジスト膜の屈折率に近いことが好ましい。
トップコートは液浸液に不溶であることが好ましく、水に不溶であることがより好ましい。
トップコートの後退接触角は、液浸液追随性の観点から、トップコートに対する液浸液の後退接触角(23℃)が50〜100度であることが好ましく、80〜100度であることがより好ましい。
液浸露光においては、露光ヘッドが高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があることから、動的な状態におけるトップコートに対する液浸液の接触角が重要になり、より良好なレジスト性能を得るためには、上記範囲の後退接触角を有することが好ましい。
トップコートを剥離する際は、有機系現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジスト膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。トップコートの剥離がレジスト膜の現像と同時にできるという点では、トップコートは、有機系現像液により剥離できることが好ましい。剥離に用いる有機系現像液としては、レジスト膜の低露光部を溶解除去できるものであれば特に制限されない。
有機系現像液で剥離するという観点からは、トップコートは有機系現像液に対する溶解速度が1〜300nm/secが好ましく、10〜100nm/secがより好ましい。
ここで、トップコートの有機系現像液に対する溶解速度とは、トップコートを成膜した後に現像液に暴露した際の膜厚減少速度であり、本発明においては23℃の酢酸ブチルに浸漬させた際の速度とする。
トップコートの有機系現像液に対する溶解速度を1/sec秒以上、好ましくは10nm/sec以上とすることによって、レジスト膜を現像した後の現像欠陥発生が低減する効果がある。また、300nm/sec以下、好ましくは100nm/secとすることによって、おそらくは、液浸露光時の露光ムラが低減した影響で、レジスト膜を現像した後のパターンのラインエッジラフネスがより良好になるという効果がある。
トップコートはその他の公知の現像液、例えば、アルカリ水溶液などを用いて除去してもよい。使用できるアルカリ水溶液として具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が挙げられる。
工程(a)と工程(b)の間には、レジスト膜上のプリウェット溶剤を塗布する工程を有してもよい。これにより、上層膜形成用組成物の塗布性が改善し、省液化を達成できる。
プリウェット溶剤は、感活性光線性又は感放射線性膜に対する溶解性が小さいものであれば特に限定されないが、アルコール系溶剤、フッ素系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤の中から選ばれる一種以上の化合物を含有する上層膜用のプリウェット溶剤を用いることができる。
これらの溶剤は一種単独で又は複数を混合して用いてもよい。上記以外の溶剤を混合することで、レジスト膜に対する溶解性、上層膜形成用組成物中の樹脂の溶解性、レジスト膜からの溶出特性、などを適宜調整することができる。
<工程(c)>
本発明のパターン形成方法の工程(c)はレジスト膜を露光する工程であり、例えば次の方法により行うことができる。
上記のようにして形成したレジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射する。なお、電子線の照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極紫外線(EUV光、Extreme Ultra Violet)、電子線(EB、Electron Beam)等であり、極紫外線又は電子線が特に好ましい。露光は液浸露光であってもよい。
<露光後ベーク(PEB:Post Exposure Bake)>
本発明のパターン形成方法においては、露光後、現像を行う前にベーク(加熱)を行うことが好ましい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターン形状がより良好となる。
加熱温度は良好なパターンが得られる限り特に限定されるものではなく、通常40℃〜160℃である。PEBを行う回数は1回でも複数回であってもよい。
加熱時間は30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
<工程(d)>
本発明のパターン形成方法の工程(d)は、露光されたレジスト膜を、有機溶剤を含有する現像液で現像する工程である。
<現像液>
上記現像工程(d)で用いられる現像液は、アルカリ現像液又は有機溶剤を含有する現像液であることが好ましい。有機溶剤を含有する現像液は、有機系現像液ということもできる。
(アルカリ現像液)
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
アルカリ現像液としては、特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
(有機系現像液)
次に、有機系現像液に含まれる有機溶剤について説明する。
有機溶剤の蒸気圧(混合溶剤である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機溶剤の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウエハ面内の寸法均一性が良化する。
有機系現像液に用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が広く使用されるが、たとえば、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤等の溶剤を用いることができる。
エステル系溶剤とは分子内にエステル結合を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも相当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも相当するものとする。また、炭化水素系溶剤とは置換基を有さない炭化水素溶剤のことである。
特に、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤を含有する有機系現像液であることが好ましく、エステル系溶剤を含有する有機系現像液であることがより好ましい。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル、酢酸3−メチルブチル)、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、酪酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチル、ブタン酸イソブチル、ブタン酸ペンチル、ブタン酸ヘキシル、イソブタン酸イソブチル、ペンタン酸プロピル、ペンタン酸イソプロピル、ペンタン酸ブチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸イソブチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロヘプチル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸シクロペンチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルが好ましく用いられ、酢酸イソアミルが特に好ましく用いられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、中でも2−ヘプタノンが好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、4−メチル−2−ヘキサノール、4,5−ジチル−2−ヘキサール、4−メチル−2−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、7−メチル−2−オクタノール、8−メチル−2−ノナール、9−メチル−2−デカノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール(1価のアルコール)や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。これらの中でもグリコールエーテル系溶剤を用いることが好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤の他、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の水酸基を含有しないグリコールエーテル系溶剤、アニソール、フェネトール等の芳香族エーテル溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。また、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルsec−ブチルエーテル、シクロペンチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキシルイソプロピルエーテル、シクロヘキシルsec−ブチルエーテル、シクロヘキシルtert−ブチルエーテルなどの分岐アルキル基を有する環式脂肪族エーテル系溶剤や、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテルなどの直鎖アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤や、ジイソヘキシルエーテル、メチルイソペンチルエーテル、エチルイソペンチルエーテル、プロピルイソペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、プロピルイソブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテルなどの分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤も挙げられる。中でも好ましくは、ウエハの面内均一性の観点から、炭素数8〜12の非環式脂肪族エーテル系溶剤であり、より好ましくは、炭素数8〜12の分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤である。特に好ましくは、ジイソブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル又はジイソヘキシルエーテルである。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、2−メチルプロピルベンゼン、ジメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルジメチルベンゼン、ジプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセンなどの不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。
不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合は複数でもよく、炭化水素鎖のどの位置に有しても良い。二重結合を有することによるcis、trans体が混合しても良い。
なお、炭化水素系溶剤は、同じ炭素数で異なる構造の化合物の混合物であってもよい。例えば、脂肪族炭化水素系溶媒としてデカンを使用した場合、同じ炭素数で異なる構造の化合物である2−メチルノナン、2,2−ジメチルオクタン、4−エチルオクタン、イソデカンなどが脂肪族炭化水素系溶媒に含まれていてもよい。
また、上記同じ炭素数で異なる構造の化合物は、1種のみが含まれていてもよいし、上記のように複数種含まれていてもよい。
有機系現像液に含まれる有機溶剤は、上記露光工程においてEUV光およびEBを用いる場合において、レジスト膜の膨潤を抑制できるという点から、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
上記エステル系溶剤のヘテロ原子は、炭素原子および水素原子以外の原子であって、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子数は、2以下が好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
有機系現像液に含まれる有機溶剤は、上記露光工程においてEUV光およびEBを用いる場合において、炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤に代えて、上記エステル系溶剤および上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤および上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。この場合においても、レジスト膜の膨潤の抑制に効果的である。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、ケトン系溶剤として2−ヘプタノンを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
上記の混合溶剤を用いる場合において、炭化水素系溶剤の含有量は、レジスト膜の溶剤溶解性に依存するため、特に限定されず、適宜調製して必要量を決定すればよい。
上記の有機溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。現像液における有機溶剤(複数混合の場合は合計)の濃度は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは85〜100質量%、さらにより好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%である。最も好ましくは、実質的に有機溶剤のみからなる場合である。なお、実質的に有機溶剤のみからなる場合とは、微量の界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、消泡剤などを含有する場合を含むものとする。
現像液は、酸化防止剤を含有することも好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。酸化防止剤としては、公知のものが使用できるが、半導体用途に用いる場合、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、現像液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。0.0001質量%以上であるとより優れた酸化防止効果が得られ、1質量%以下であることで、現像残渣を抑制できる傾向にある。
現像液は、塩基性化合物を含有していてもよく、具体的にはレジスト樹成物が含有してもよい塩基性化合物と同様のものが挙げられる。
現像液は、界面活性剤を含有してもよい。現像液が界面活性剤を含有することにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、現像がより効果的に進行する。
界面活性剤としては、レジスト組成物が含有し得る界面活性剤と同様のものを用いることができる。
現像液が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、現像液の全質量に対して、0.001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は特に制限はなく、通常は10〜300秒であり、好ましくは20〜120秒である。
現像液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。
現像工程で用いられる現像液としては、有機溶剤を含有する現像液を用いた現像と、アルカリ現像液による現像を両方行ってもよい(いわゆる二重現像を行ってもよい)。
<工程(e)>
本発明のパターン形成方法は、工程(d)の後に、現像されたレジスト膜をリンス液を用いてリンス(洗浄)する工程(e)を有することが好ましい。
<リンス液>
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
有機溶剤現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、有機溶剤を含有するリンス液(有機系リンス液)を用いることが好ましい。
リンス液の蒸気圧(混合溶剤である場合は全体としての蒸気圧)は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハ面内の寸法均一性が良化する。
(有機溶剤)
上記有機系リンス液に含まれる有機溶剤としては、種々の有機溶剤が用いられるが、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を用いることが好ましい。特に、リンス液が炭化水素系溶剤を含むことが好ましい。
これらの有機溶剤の具体例は、現像液で説明した有機溶剤と同様である。
有機系リンス液に含まれる有機溶剤としては、上記露光工程においてEUV光またはEBを用いる場合において、上記の有機溶剤の中でも炭化水素系溶剤を用いることが好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることがより好ましい。リンス液に用いられる脂肪族炭化水素系溶剤としては、その効果がより向上するという観点から、炭素数5以上の脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン等)が好ましく、炭素原子数が8以上の脂肪族炭化水素系溶剤が好ましく、炭素原子数が10以上の脂肪族炭化水素系溶剤がより好ましい。
なお、上記脂肪族炭化水素系溶剤の炭素原子数の上限値は特に限定されないが、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。
上記脂肪側炭化水素系溶剤の中でも、特に好ましくは、デカン、ウンデカン、ドデカンであり、最も好ましくはウンデカンである。
このようにリンス液に含まれる有機溶剤として炭化水素系溶剤(特に脂肪族炭化水素系溶剤)を用いることで、現像後にわずかにレジスト膜に染み込んでいた現像液が洗い流されて、膨潤がより抑制され、パターン倒れが抑制されるという効果が一層発揮される。
また、炭化水素系溶剤としては、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセンなどの不飽和炭化水素系溶剤も挙げられる。
不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合は複数でもよく、炭化水素鎖のどの位置に有しても良い。二重結合を有することによるCis、trans体が混合しても良い。
なお、炭化水素系溶剤は、同じ炭素数で異なる構造の化合物の混合物であってもよい。例えば、脂肪族炭化水素系溶媒としてデカンを使用した場合、同じ炭素数で異なる構造の化合物である2−メチルノナン、2,2−ジメチルオクタン、4−エチルオクタン、イソデカンなどが脂肪族炭化水素系溶媒に含まれていてもよい。
また、上記同じ炭素数で異なる構造の化合物は、1種のみが含まれていてもよいし、上記のように複数種含まれていてもよい。
有機溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。上記溶剤は水と混合してもよいが、リンス液中の含水率は通常60質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%以下である。含水率を60質量%以下にすることで、良好なリンス特性を得ることができる。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。これにより、レジスト膜に対する濡れ性が向上して、洗浄効果がより向上する傾向にある。
界面活性剤としては、上記レジスト組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
界面活性剤の含有量は、リンス液の全質量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
リンス液は、酸化防止剤を含有することが好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。酸化防止剤の具体例および含有量については、上記の現像液で述べた通りである。
リンス工程においては、現像を行ったウエハを、上記のリンス液を用いて洗浄する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、及び、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)が挙げられる。この中でも、回転塗布法で洗浄処理を行った後、基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
一般的に、現像液及びリンス液は、使用後に配管を通して廃液タンクに収容される。その際、リンス液として炭化水素系溶剤を使用する場合には、現像液中に溶解したレジストが析出し、ウエハ背面や、配管側面などに付着することを防ぐために、再度、レジストが溶解する溶剤を配管に通す方法がある。配管に通す方法としては、リンス液での洗浄後に基板の背面や側面などをレジストが溶解する溶剤で洗浄して流す方法や、レジストに接触させずにレジストが溶解する溶剤を、配管を通るように流す方法が挙げられる。
本発明におけるレジスト組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、上層膜形成用組成物など)は、金属、ハロゲンを含む金属塩、酸、アルカリ(アルカリ現像液中のアルカリを除く)等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、1ppb以下がより好ましく、100ppt以下が更に好ましく、10ppt以下が特に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が最も好ましい。
各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過や、蒸留による精製工程(特に薄膜蒸留、分子蒸留等)を挙げることができる。蒸留による精製工程は例えば、「<工場操作シリーズ>増補・蒸留、1992年7月31日発行、化学工業社」や「化学工学ハンドブック、2004年9月30日発行、朝倉書店、95頁〜102頁」が挙げられる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、これらの材質とイオン交換メディアを組み合わせた複合材料であってもよい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。
また、各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行っても良く、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用しても良い。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。
<収容容器>
現像液及びリンス液が有機溶剤の場合、現像液及びリンス液に使用し得る有機溶剤(有機系処理液)としては、収容部を有する、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器に保存されたものを使用することが好ましい。この収容容器としては、例えば、収容部の、有機系処理液に接触する内壁が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成された、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器であることが好ましい。この収容容器の上記収容部に、化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液として使用される予定の有機溶剤を収容し、化学増幅型レジスト膜のパターニング時において、上記収容部から排出したものを使用することができる。
上記の収容容器が、更に、上記の収容部を密閉するためのシール部を有している場合、このシール部も、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成されることが好ましい。
ここで、シール部とは、収容部と外気とを遮断可能な部材を意味し、パッキンやOリングなどを好適に挙げることができる。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂とは異なる樹脂は、パーフルオロ樹脂であることが好ましい。
パーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(PCTFE)、フッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。
特に好ましいパーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理が施された金属における金属としては、炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理としては、皮膜技術を適用することが好ましい。
皮膜技術には、金属被覆(各種メッキ),無機被覆(各種化成処理,ガラス,コンクリート,セラミックスなど)および有機被覆(さび止め油,塗料,ゴム,プラスチックス)の3種に大別されている。
好ましい皮膜技術としては、錆止め油、錆止め剤、腐食抑制剤、キレート化合物、可剥性プラスチック、ライニング剤による表面処理が挙げられる。
中でも、各種のクロム酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、オレイン酸、ダイマー酸、ナフテン酸等のカルボン酸、カルボン酸金属石鹸、スルホン酸塩、アミン塩、エステル(高級脂肪酸のグリセリンエステルや燐酸エステル)などの腐食抑制剤、エチレンジアンテトラ酢酸、グルコン酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチオレンジアミン三作酸、ジエチレントリアミン五作酸などのキレート化合物及びフッ素樹脂ライニングが好ましい。特に好ましいのは、燐酸塩処理とフッ素樹脂ライニングである。
また、直接的な被覆処理と比較して、直接、錆を防ぐわけではないが、被覆処理による防錆期間の延長につながる処理方法として、防錆処理にかかる前の段階である「前処理」を採用することも好ましい。
このような前処理の具体例としては、金属表面に存在する塩化物や硫酸塩などの種々の腐食因子を、洗浄や研磨によって除去する処理を好適に挙げることができる。
収容容器としては具体的に以下を挙げることができる。
・Entegris社製 FluoroPurePFA複合ドラム(接液内面;PFA樹脂ライニング)
・JFE社製 鋼製ドラム缶(接液内面;燐酸亜鉛皮膜)
また、本発明において用いることができる収容容器としては、特開平11−021393号公報[0013]〜[0030]、及び特開平10−45961号公報[0012]〜[0024]に記載の容器も挙げることができる。
本発明における有機系処理液は、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う薬液配管や各種パーツ(フィルター、O−リング、チューブなど)の故障を防止する為、導電性の化合物を添加しても良い。導電性の化合物としては特に制限されないが、例えば、メタノールが挙げられる。添加量は特に制限されないが、好ましい現像特性を維持する観点で、10質量%以下が好ましく、更に好ましくは、5質量%以下である。薬液配管の部材に関しては、SUS(ステンレス鋼)、或いは帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)で被膜された各種配管を用いることができる。フィルターやO−リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)を用いることができる。
本発明のパターン形成方法で得られたパターンは、一般には、半導体デバイスのエッチングマスク等として好適に用いられるが、その他の用途にも用いることが可能である。その他の用途としては、例えば、DSA(Directed Self−Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815−4823参照)、いわゆるスペーサープロセスの芯材(コア)としての使用(例えば特開平3−270227、特開2013−164509など参照)などがある。
<マスクブランクス>
また、本発明は、本発明のレジスト膜を備えたマスクブランクスにも関する。このようなレジスト膜を具備するマスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、上記基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でもよいが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5〜100nmであることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に制限されるものではないが、5〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。
[電子デバイスの製造方法]
本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。
本発明の電子デバイスの製造方法により製造される電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(Office Appliance)・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)の製造に、好適に搭載されるものである。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<参考合成例1:化合物M−1、M−2の合成>
(化合物M−1の合成)
2.10gのメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(1)を21.0gの脱水アセトニトリルに溶解させ、3.49gのブロモ酢酸−tert−ブチルを加えて、窒素雰囲気下、40℃で24時間攪拌した。100gの酢酸エチルを加えて析出した結晶をろ取、乾燥し、2.95gの化合物(2)を得た。
さらに、2.95gの化合物(2)をトリフルオロ酢酸(TFA)による加水分解に供し、2.43gの(M−1)を得た。
(化合物M−2の合成)
200gのp−アセトキシスチレン(3)を371gの酢酸エチルに溶解させ、95.2gのナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液)を加えて、0℃で5時間攪拌した。0℃で塩化アンモニウム飽和水溶液200gを加えて反応を停止した後、100gの酢酸エチルを加えて、有機層を200gの塩化アンモニウム飽和水溶液で2回、200gのイオン交換水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を半分ほど留去し、p−ヒドロキシスチレン(4)の50.0質量%酢酸エチル溶液を290g得た。
次に、20.0gの化合物(4)の50.0質量%酢酸エチル溶液を80gの脱水ジメチルホルムアミドに溶解させ、0℃に冷却し、2.10gの水素化ナトリウムを加えて、窒素雰囲気下で攪拌した。2−(ジメチルアミノ)−1−クロロエタン8.86gを滴下し、室温で5時間攪拌した。0℃に冷却し、80gのイオン交換水で反応を停止した後、酢酸エチル200gを加えて、有機層を200gの1N水酸化ナトリウム水溶液で2回、200gのイオン交換水で3回洗浄した。有機層を回収して溶媒を留去し、7.96gの化合物(5)を得た。
さらに、5.50gの化合物(5)を55gの脱水アセトニトリルに溶解させ、7.85gのブロモ酢酸−tert−ブチルを加えて、窒素雰囲気下、40℃で12時間攪拌した。反応系に100gの酢酸エチルを加えて、有機層を200gのイオン交換水で4回洗浄した。有機層を回収して溶媒を留去し、8.75gの化合物(6A)を得た。
さらに、8.75gの(6A)をTFAによる加水分解に供し、7.98gの(M−2)を得た。
<合成例1:樹脂P−20の合成>
化合物(4)の50.0質量%シクロヘキサノン溶液7.05gと、0.75gの化合物(M−1)と、5.97gの化合物(6)と、0.33gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、14.75gのPGMEに溶解させた。反応容器中に10.15gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、600gのヘプタン/酢酸エチル=9/1(質量比)中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのヘプタン/酢酸エチル=9/1(質量比)を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、7.70gの樹脂(P−20)を得た。
樹脂(P−20)と同様にして、樹脂(P−1)〜(P−27)を合成した。
得られた樹脂について、GPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))測定により、重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn、以下「Pd」)を算出した。また、H−NMR(NuclearMagnetic Resonance)測定により、組成比(モル比)を算出した。
合成した樹脂の構造を、繰り返し単位の組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、及び、分散度(Mw/Mn)と共に以下に示す。
以下、同様にして、樹脂(PR−1)〜(PR−5)を合成した。それぞれの合成した樹脂の構造、組成比(モル比)、重量平均分子量、分散度を以下に示す。
以下、実施例及び比較例に用いた、光酸発生剤、塩基性化合物、架橋剤、疎水性樹脂、界面活性剤、溶剤、上層膜形成用組成物、現像液及びリンス液を示す。
〔光酸発生剤〕
光酸発生剤としては前述の具体例化合物(z1〜z35)から適宜選択して用いた。
〔塩基性化合物〕
〔架橋剤〕
〔疎水性樹脂〕
〔溶剤〕
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(沸点146℃)
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)(沸点120℃)
S−3:乳酸エチル(沸点151℃)
S−4:シクロヘキサノン(沸点157℃)
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックR08(DIC(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−2:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製;フッ素系)
W−4:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
〔上層膜用組成物〕
上層膜用組成物として、下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度2.0質量%の溶液を調製し、0.04μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過して上層膜形成用組成物を調製した。
〔現像液・リンス液〕
G−1:2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
G−2:酢酸ブチル
G−3:酢酸3−メチルブチル
G−4:純水
G−5:ウンデカン
G−6:ジイソブチルケトン
G−7:イソブタン酸イソブチル
G−8:メチルアミルケトン
G−9:4−メチル−2−ヘプタノール
G−10:ジイソブチルエーテル
G−11:ジイソペンチルエーテル
G−12:ジイソヘキシルエーテル
G−13:デカン
〔実施例1−A〜20−A、比較例1−AR〜4−AR(電子線(EB)露光)〕
(1)レジスト組成物の塗液調製及び塗設
下記表3に示した組成を有する固形分濃度2.5質量%の塗液組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト組成物溶液を得た。このレジスト組成物溶液を、予めヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した6インチSi基板上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。実施例3−A、8−Aに関しては、表3に示す上層膜形成用組成物をレジスト膜上にさらに塗布した。その後、110℃で90秒間に亘ってベークを行い、膜厚50nmの上層膜を形成した。
ここで、1インチは、0.0254mである。
(2)EB露光及び現像
上記(1)で得られたレジスト膜が形成されたウェハを、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。この際、1:1のラインアンドスペースが形成されるように描画を行った。
照射後、直ちにホットプレート上において、120℃で90秒間に亘ってベーク(Post Exposure Bake;PEB)した。
続いて、シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら、表3に記載の現像液(23℃)を、200mL/minの流量で、5秒間スプレー吐出して、ウエハ上に現像液を液盛りした。ついで、ウエハの回転を止め、60秒間ウエハを静置して現像を行った。
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながらリンス液(23℃)として表3に記載のリンス液を用い、200mL/minの流量で、30秒間スプレー吐出してリンス処理を行うことにより、等間隔にラインパターンが並んだラインアンドスペース(L/S)のレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、解像力、LWR性能、パーティクル数について評価した。
〔解像性〕
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像するときの照射エネルギーを感度(Eop)とした。ただし、比較例1−AR〜4−ARについては、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像することができなかったため、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像するときの照射エネルギーを感度(Eop)とした。このEopに於いて、ラインとスペースの比率が1:1で分離解像する最小の線幅を解像性(nm)とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
〔LWR性能〕
LWR性能は、上記Eopに於いて、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターン(ただし、比較例1−AR〜4−ARについては、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターン)の長手方向0.5μmの任意の50点について、線幅を計測し、その標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔パーティクル数〕
調製したレジスト組成物溶液を4℃で1週間放置した後、リオン製パーティクルカウンターにてその溶液中に存在する粒径0.2μm以上のパーティクル数をカウントした。この値が小さいほど良好な性能を示す。
〔実施例1−B〜20−B、比較例1−BR〜4−BR(極紫外線(EUV)露光)〕
(4)レジスト組成物の塗液調製及び塗設
下記表4に示した組成を有する固形分濃度1.5質量%の塗液組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト組成物溶液を得た。このレジスト組成物溶液を、予めヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した6インチSiウェハ上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、120℃、60秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。実施例9−Bに関しては、表4に示す上層膜形成用組成物をレジスト膜上にさらに塗布した。その後、120℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚50nmの上層膜を形成した。
(5)EUV露光及び現像
上記(4)で得られたレジスト膜の形成されたウェハに、NA(レンズ開口数、Numerical Aperture)0.3、輪帯照明でEUV露光を行った。露光装置としては、ASML社製 NXE3100を用いた。
照射後、EUV露光装置から取り出したら、ただちに、110℃で60秒間ベークした。
その後、シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表4に記載の現像液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出して現像を行った。
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながら下記表4に記載のリンス液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出してリンス処理を行った。最後に、2500回転(rpm)で120秒間高速回転してウエハを乾燥させた。
(6)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、解像力、LWR、パーティクル数について評価した。
〔解像性(孤立ライン)〕
線幅50nm(ライン:スペース=1:4)のレジストパターンを解像するときの最適露光量を感度(Eopt)(mJ/cm)とした。求めた最適露光量(Eopt)における限界解像性(ラインとスペース(ライン:スペース=1:4)が分離解像する最小の線幅)を孤立ライン解像性(nm)とした。ただし、比較例1−BR〜4−BRについては、線幅50nm(ライン:スペース=1:4)のレジストパターンを解像することができなかったため、線幅100nm(ライン:スペース=1:4)のレジストパターンを解像するときの照射エネルギーを感度(Eop)とした。この値が小さいほど、解像性に優れており、良好である。
〔LWR性能〕
LWR性能は、上記Eopに於いて、線幅50nmの孤立ラインパターン(ただし、比較例1−BR〜4−BRについては、線幅100nmの孤立ラインパターン)の長手方向0.5μmの任意の50点について、線幅を計測し、その標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔パーティクル数〕
調製したレジスト組成物溶液を4℃で1週間放置した後、リオン製パーティクルカウンターにてその溶液中に存在する粒径0.2μm以上のパーティクル数をカウントした。この値が小さいほど良好な性能を示す。
〔実施例1−C〜6−C、比較例1−CR〜3−CR(ArF液浸露光)〕
(7)レジスト組成物の塗液調製及び塗設
シリコンウエハ上に有機反射防止膜ARC29SR(Brewer社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い膜厚86nmの反射防止膜を形成し、その上に、下記表5に示すレジスト組成物を塗布し、100℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。実施例1−C、5−C、6−C、比較例1―CR、2−CRに関しては、表5に示す上層膜形成用組成物をレジスト膜上にさらに塗布した。その後、100℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚90nmの上層膜を形成した。
(8)ArF露光及び現像
ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.730、インナーシグマ0.630、XY偏向)を用い、ホール部分が65nmであり且つホール間のピッチが100nmである正方配列のハーフトーンマスク(ホール部分が遮蔽されている)を介して、パターン露光を行った。液浸液としては超純水を用いた。その後、105℃で60秒間加熱(PEB:Post
Exposure Bake)した。次いで、下記表5に記載の現像液で30秒間パドルして現像し、下記表5に記載のリンス液で30秒間パドルしてリンスした。続いて、2000rpmの回転数で30秒間ウエハを回転させることにより、孔径50nmのホールパターンを得た。
(9)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、解像性、パーティクル数について評価した。
〔解像性(ホールパターン)〕
孔径50nmのホールパターンを解像するときの最適露光量を感度(Eopt)(mJ/cm)とした。ただし、比較例1−CR〜比較例3−CRについては、孔径50nmのホールパターンを解像することができなかったため、線幅100nmのホールパターンを解像するときの照射エネルギーを感度(Eop)とした。求めた最適露光量(Eopt)における限界解像性(ホールパターン)が分離解像する最小の孔径)を解像性(nm)とした。この値が小さいほど、解像性に優れており、良好である。
〔パーティクル数〕
調製したレジスト組成物溶液を4℃で1週間放置した後、リオン製パーティクルカウンターにてその溶液中に存在する粒径0.2μm以上のパーティクル数をカウントした。この値が小さいほど良好な性能を示す。
上記表3〜5から分かるように、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を用いた実施例1−A〜20−A、及び、実施例1−B〜20−B、及び、実施例1−C〜6−Cは、比較例と比べて解像性、LWR性能、パーティクル数において優れていた。これは、分子内塩構造を重合体に導入した効果で、クエンチャーが系内に均一に分布し、光酸発生剤から生じる酸の拡散の防止と、分子内塩構造に由来する凝集の制御にあると考えられる。
また、実施例15−A,5−Bから明らかなように、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)をメインポリマーではなく、塩基性化合物(クエンチャー)として用いても効果的である。さらに、実施例7−Aにあるように、フッ素成分等との組み合わせによって、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を疎水性樹脂として用いることもできる。それにより塩基成分がレジスト膜表面に偏在し、ポジ型のパターン形成方法では膜減り(トップロス)を改善することができ、ネガ型のパターン形成方法に関しては、頭張り(T−top形状)を改善できる。したがって、分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を添加ポリマーに応用することで、パターン形状を改善することも可能である。
本発明によれば、特に、超微細(たとえば、線幅50nm)のパターンの形成において、解像性及びLWR性能に優れたパターンを形成することができ、かつパーティクル数が少ないレジスト組成物、上記レジスト組成物を用いたレジスト膜、マスクブランクス、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2015年12月18日出願の日本特許出願(特願2015−248041)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (21)

  1. 分子内塩構造を有する繰り返し単位(a)を有する樹脂(P)を含有するレジスト組成物。
  2. 前記分子内塩構造が、下記一般式(U−1)、(U−2)、又は(U−3)で表される構造のいずれかである、請求項1に記載のレジスト組成物。

    一般式(U−1)、(U−2)、(U−3)中、E及びEはカチオンを有する構造を表し、G及びGはアニオンを有する構造を表し、Lは単結合又は連結基を表す。*は、樹脂(P)のポリマー主鎖、又は側鎖への連結部位を表す。
  3. 前記繰り返し単位(a)が、下記一般式(i)又は(ii)で表される、請求項1又は2に記載のレジスト組成物。

    一般式(i)及び一般式(ii)中、
    、Y、R101、R102、R103及びR104は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表す。
    〜L、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
    及びEはカチオンを有する構造を表し、G及びGはアニオンを有する構造を表す。
  4. 前記繰り返し単位(a)が、下記一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)又は(ii−1)で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト組成物。

    一般式(i−1)、(i−2)、(i−3)及び(ii−1)中、
    、Y、R101、R102、R103及びR104は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は有機基を表す。
    〜L、Z及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
    はカチオンを有する構造を表し、Gはアニオンを有する構造を表す。
    41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R41とR42は互いに連結し、環構造を形成してもよい。
    50は置換基を表し、kは0〜4の整数を表す。kが2以上の整数を表す場合、R50は各々同じでも異なっていてもよい。
  5. 前記Eが、下記(e1−1)又は(e1−2)で表される基であり、前記Gが下記(g1−1)〜(g1−5)のいずれかで表される基である、請求項4に記載のレジスト組成物。

    (e1−1)又は(e1−2)中、R31〜R33はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R31とR32は互いに連結し、環構造を形成してもよい。*は、Lへの連結部位を表す。

    (g1−1)〜(g1−5)中、*は、Lへの連結部位を表す。
  6. 前記樹脂(P)が、下記一般式(A)により表される繰り返し単位(b)を更に含んでいる請求項1〜5のいずれか1項に記載のレジスト組成物。

    上記一般式(A)中、
    11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R12はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR12は単結合又はアルキレン基を表す。
    Xは、単結合、−COO−、又は−CONR30−を表し、R30は、水素原子又はアルキル基を表す。
    Lは、単結合又はアルキレン基を表す。
    Zは、m価の芳香環基を表し、R12と結合して環を形成する場合には(m+1)価の芳香環基を表す。またZは置換基として水酸基を有してもよい。
    mは1〜5の整数を表す。
  7. 前記樹脂(P)が、極性基が酸の作用により分解し脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位(c)を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
  8. 前記繰り返し単位(c)が、下記一般式(AI)又は(AII)で表される繰り返し単位である、請求項7に記載のレジスト組成物。

    一般式(AI)又は(AII)中、
    Xaは、水素原子又はアルキル基を表す。
    Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
    Yは、酸の作用により脱離する基を表し、−C(R36)(R37)(OR38)で表される基を表す。R36〜R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。
    61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
    は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
    は、単結合又はアルキレン基を表す。
    Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
    は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表し、−C(R36)(R37)(OR38)で表される基を表す。R36〜R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。
    nは、1〜4の整数を表す。
  9. 前記繰り返し単位(c)が、前記一般式(AII)で表される繰り返し単位であり、前記一般式(AII)における、Yの少なくとも1つとしての酸の作用により脱離する基が、下記一般式(Y3−1)で表される構造である、請求項8に記載のレジスト組成物。

    10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、L20は、3級アルキル基を表す。
    Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
    Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
  10. 前記繰り返し単位(c)が、上記一般式(AII)で表される繰り返し単位であり、一般式(AII)における、Yの少なくとも1つとしての酸の作用により脱離する基が、下記一般式(Y3−2)で表される構造である、請求項8に記載のレジスト組成物。

    10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、L21は、2級アルキル基を表す。
    Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
    Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
  11. 前記繰り返し単位(c)が、下記一般式(AI−2)で表される繰り返し単位である、請求項7に記載のレジスト組成物。

    一般式(AI−2)中、
    Xaは、水素原子又はアルキル基を表す。
    Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
    Yは、酸の作用により脱離する基であり、下記一般式(Y1)、(Y2)又は(Y4)で表される基を表す。
    一般式(Y1):−C(Rx)(Rx)(Rx)、
    一般式(Y2):−C(=O)O(Rx)(Rx)(Rx
    一般式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)
    一般式(Y1)、(Y2)中、Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
    一般式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
  12. 前記繰り返し単位(c)が、下記一般式(AII−2)で表される繰り返し単位である、請求項7に記載のレジスト組成物。

    一般式(AII−2)中、
    61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
    は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
    は、単結合又はアルキレン基を表す。
    Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。
    は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表し、下記一般式(Y1)、(Y2)又は(Y4)で表される基を表す。
    一般式(Y1):−C(Rx)(Rx)(Rx)、
    一般式(Y2):−C(=O)O(Rx)(Rx)(Rx
    一般式(Y4):−C(Rn)(H)(Ar)
    一般式(Y1)、(Y2)中、Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
    一般式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
  13. 前記樹脂(P)が、フッ素原子、フッ素原子を有する基、珪素原子を有する基、炭素数が6以上のアルキル基、炭素数が5以上のシクロアルキル基、炭素数が6以上のアリール基、及び、炭素数が7以上のアラルキル基からなる群より選択される1つ以上の基を有する繰り返し単位を更に含む、請求項1〜12のいずれかに記載のレジスト組成物。
  14. 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のレジスト組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のレジスト組成物により形成されたレジスト膜。
  16. 請求項15に記載のレジスト膜を有するマスクブランクス。
  17. (a)請求項1〜14のいずれか1項に記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成する工程、
    (c)前記レジスト膜を活性光線又は放射線により露光する工程、及び
    (d)露光された前記レジスト膜を、現像液で現像する工程
    を含むパターン形成方法。
  18. 前記活性光線又は放射線は、電子線又は極紫外線である請求項17に記載のパターン形成方法。
  19. 前記現像液が、有機溶剤を含む現像液を用いて現像して、ネガ型のパターン形成する工程である、請求項17又は18に記載のパターン形成方法。
  20. 前記現像液が、アルカリ現像液を用いて現像して、ポジ型のパターン形成する工程である、請求項17又は18に記載のパターン形成方法。
  21. 請求項17〜20のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
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