JPWO2017082177A1 - 投射光学機器及び前照灯装置 - Google Patents

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Abstract

投射光学機器(10)は、光源部(110)、投射光学部材(120)及び支持部(160)を備える。光源部(110)は、光(L11)を発する。投射光学部材(120)は、光源部(110)から発せられた光(L11)を投射光(L12)に変換する。支持部(160)は、投射光学部材(120)を、光源部(110)の光軸方向に直交する少なくとも一方向に、光源部(110)に対して可動に支持する。光源部(110)および投射光学部材(120)の少なくとも一方に振動が付与されることで、投射光学部材(120)は、光源部(110)に対して、光源部(110)の光軸方向に直交する方向に振動する。

Description

本発明は、光を投射する投射光学機器及び投射光学機器を有する前照灯装置に関する。
従来、投射光学機器において、光学レンズ又は蛍光体などのような投射光学部材を揺動(振動)させ、光源部から出射された集光光束が、投射光学部材の特定の範囲に照射され続けることを防ぐ技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、起振装置によって、レンズを揺動させることで、青色光源からの青色光の光軸とカラーホイールとの相対位置の変化により、青色光がカラーホイールに塗布された蛍光体層の特定の範囲に照射されることを防ぐことが記載されている。また、起振装置には、リニアアクチュエータを採用することができることが記載されている。
特許文献2には、移動レンズをレンズ駆動機構によって移動させることが記載されている。レンズ駆動機構は、X軸駆動機構部とY軸駆動機構部とを備えている。
特許文献3には、レーザー光源部及び発光部材の少なくとも一方を、車両の振動を用いて振動させる振動部が記載されている。振動部は弾性体を備え、実施の形態では、コイルばねで示されており、トーションスプリング等の他のばね部材、ゴム等のエラストマー、ゲル体またはスポンジ体等でも良いことが記載されている。また、振動部は、ロッドとストッパとを有し、略扇形の板状部材である発光部材は、扇形の中心近傍にロッドが挿通されて、回転軸としてのロッドに回転自在に接続されて、車両の振動によりロッドを軸として発光部材を振動させることが記載されている。
特開2011−180210号公報 実公平8−3922号公報 特開2014−32934号公報
しかしながら、上記従来技術においては、投射光学部材を2軸方向に振動させる機構が大型又は複雑であるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、簡単な機構によって、光が照射される投射光学部材の範囲を、面状とすることができる投射光学機器及び前照灯装置を提供することを目的とする。
本発明に係る投射光学機器は、光を発する光源部と、前記光源部から発せられた前記光を投射光に変換する投射光学部材と、前記投射光学部材を、前記光源部の光軸方向に直交する少なくとも一方向に、前記光源部に対して可動に支持する支持部とを備え、前記光源部又は前記投射光学部材の少なくとも一方に振動が付与されることで、前記投射光学部材は、前記光源部に対して、前記光源部の光軸方向に直交する方向に振動することを特徴とする。
本発明によれば、簡単な機構によって、光が照射される投射光学部材の範囲を、面状とすることができる。
本発明の実施の形態に係る投射光学機器の構成を概略的に示す側面図である。 実施の形態に係る投射光学機器の撓み部の変形を概略的に示す側面図である。 実施の形態に係る投射光学機器の構成を概略的に示す平面図である。 実施の形態に係る投射光学機器の投射光学部材から出射される投射光の方向の変化の一例を示す模式図である。 実施の形態に係る投射光学機器の投射光学部材から出射される投射光の強度の変化の一例を示す模式図である。 本発明の変形例2に係る投射光学機器の構成を概略的に示す側面図である。 本発明の変形例3に係る投射光学機器の構成を概略的に示す側面図である。 本発明の変形例4に係る投射光学機器の構成を概略的に示す側面図である。 本発明の変形例4に係る投射光学機器の振動付与部の流れ発生源の構造を概略的に示す斜視図である。 本発明の変形例4に係る投射光学機器の振動付与部の流れ発生源の構造を概略的に示す斜視図である。 本発明の変形例5に係る投射光学機器の撓み部の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明の変形例1に係る投射光学機器のバネの構成を概略的に示す断面図である。 (a)及び(b)は、変形例1における投射光学部材の概略的な構成を示す側面図及び正面図である。 変形例1に係る投射光学部材のX−Y平面上の位置を描いた図である。 変形例1に係る投射光学部材の熱の集中度合いを示した図である。 本発明の変形例6に係る前照灯装置の構成を概略的に示す図である。
本発明は、簡単な機構によって、投射光学部材の特定の範囲に光が照射され続けることを防ぐことができる投射光学機器及び前照灯装置を提供することができる。
また、本発明に係る車両用の前照灯装置は、実施の形態として以下に記載した投射光学機器を備えたことを特徴とすることができる。
投射光学機器は、光学部品を用いて光を投射する機器と、単に光を放射する機器とを含む。つまり、投射光学機器は、光源装置を含む。「投射」とは、光を放つことである。
以下に、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら説明する。各図には、XYZ直交座標軸が示される。以下の説明において、投射光学機器の前方は+Z軸方向であり、投射光学機器の後方は−Z軸方向であり、投射光学機器は+Z軸方向に投射光を出射する。また、前方を向いたときに、左方向は+X軸方向であり、右方向は−X軸方向であり、上方向は+Y軸方向であり、下方向は−Y軸方向である。
《1》実施の形態
《1−1》構成
図1は、本発明の実施の形態に係る投射光学機器10の構成を概略的に示す側面図である。また、図2は、図1に示される投射光学機器10の撓み部140の変形を概略的に示す側面図である。また、図3は、図1に示される投射光学機器10の構成を概略的に示す平面図である。
投射光学機器10は、例えば、自動車及び自動二輪車などの車両、列車、船舶、航空機などの移動体に装備可能な前照灯装置である。ただし、投射光学機器10は、車両以外の用途の装置に搭載された照明装置として使用されることができる。
また、図1から図3は、実施の形態に係る投射光学機器10の構成の一例を示しているが、投射光学機器10の各構成要素の形状、個数、及び配置は、図1から図3に示される例に限定されない。
投射光学機器10は、光(入射光)L11を発する光源部110と、光源部110から発せられた光L11を投射光(出射光)L12に変換する光学部材としての投射光学部材120と、支持部160とを備えている。また、投射光学機器10は、投射光学部材220を保持する保持部材150と、筐体130と、振動付与部170とを備えることができる。
支持部160は、投射光学部材120を、光源部110の光軸方向(Z軸方向)に直交する少なくとも一方向に、光源部110に対して可動に支持する。すなわち、支持部160は、投射光学部材120を、XY平面に平行な面上における少なくとも一方向に変位可能である。すなわち、支持部160は、投射光学部材120は光源部110に対して、光軸方向(Z軸方向)に直交する少なくとも一方向に相対的に変位可能である。
振動付与部170は、光源部110及び投射光学部材120の少なくとも一方に振動を付与する。また、振動付与部170は、光源部110及び投射光学部材120の両方に振動を付与することができる。図1の例では、振動付与部170は、筐体130を介して光源部110に振動を付与する。また、筐体130に付与された振動は、支持部160によって投射光学部材120に伝えられる。
なお、例えば、「光源部110及び投射光学部材120の少なくとも一方」は、次に(1)から(3)の場合を含むものとする。(1)光源部110だけの場合、(2)投射光学部材120だけの場合、(3)光源部110及び投射光学部材120の両方の場合。
投射光学部材120には、光源部110から出射された光L11が入射される。投射光学部材120は、例えば、光L11を屈折、反射、若しくは、透過させるレンズ、又は、入射された光L11によって発光して光を出射する蛍光体、又は、レンズと蛍光体の組み合わせである。つまり、投射光学部材120は、レンズまたは蛍光体などである。また、投射光学部材120は、レンズと蛍光体との組み合わせでもよい。
支持部160は、図1に示されるように、光源部110と投射光学部材120とを連結する連結部としての撓み部140を備えている。図1では、光源部110と投射光学部材120とは、保持部材150と筐体130とを介して、撓み部140で連結されている。また、支持部160は、投射光学部材120が支持される第2の支持部材としての保持部材(ホルダー)150と、光源部110が支持される第1の支持部材としての筐体130とを備えることができる。
撓み部140は、固定部材142及び固定部材143を備えることができる。撓み部140の一端は固定部材142によって保持部材150に固定されている。撓み部140の他端は固定部材143によって筐体130に固定されている。
また、撓み部140は、保持部材150と筐体130とを介さずに、光源部110と投射光学部材120とを直接的に連結する構造を持つ部材であってもよい。
また、例えば、図1において、撓み部140が固定部材142,143と共振点調節部材144とを備えない場合には、撓み部140は板バネ141と同等になる。
撓み部140は、光軸方向(Z軸方向)を長手方向とする弾性部材を備える。例えば、撓み部140は、光軸方向を長辺とし、X軸方向を短辺とし、Y軸方向を厚み方向とする板バネ141を備えることができる。
また、図1に示されるように、撓み部140は、板バネ141に取り付けられた錘である共振点調節部材144をさらに有してもよい。
図1から図3に示される例では、支持部160は、投射光学部材120を、光軸方向(Z軸方向)に直交する第1方向(Y軸方向)に、光源部110に対して可動に支持する。板バネ141は、厚み方向に曲がる(撓む)ことができる。そして、板バネ141は、幅方向にはほとんど曲がる(撓む)ことができない。
したがって、撓み部140として、厚み方向をY軸方向とし幅方向をX軸方向とする1枚又は複数枚の板バネ141を用いることによって、投射光学機器10は、例えば、投射光学部材120の光照射位置をY軸方向に振動(または、変位)させ、投射光学部材120の光照射位置のX軸方向の動きをゼロに近い値に制限(拘束)することができる。
光源部110は、例えば、投射光学部材120に向けて光(入射光)L11を出射する発光源111を備える。光源部110は、光学レンズなどのような光源部光学部材112と、これらを収容する光源部筐体113とを備えることができる。
発光源111は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、キセノンランプ、ハロゲンランプ、エレクトロルミネッセンス素子、及び半導体レーザーなどの内のいずれかとすることができる。
光源部光学部材112は、発光源111から出射された光を屈折、又は、反射、又は、屈折及び反射して光L11に変換する。光源部光学部材112は、発光源111から出射された光を、例えば、コリメート、又は、集光、又は、成形するものであってもよい。また、光源部光学部材112は、1つの光学素子であってもよいが、複数の光学素子の集合であってもよい。つまり、光源部光学部材112は、例えば、レンズ、プリズム、リフレクタまたは導光部材などを含むことができる。また、発光源111は発熱するため、光源部110は、熱を外部へ効率的に逃がすための放熱構造物(例えば、放熱板)を備えてもよい。
光源部筐体113は、例えば、発光源111および光源部光学部材112を保持している。光源部筐体113は、例えば、筐体130に取り付けられている。
また、投射光学部材120は、1又は複数の光学素子を備える。投射光学部材120を構成する光学素子は、例えば、レンズ、又は、導光部材、又は、レンズと導光部材の組み合わせなどである。また、投射光学部材120は、上記光学素子の代わりに、又は、上記光学素子に加えて、シェード(例えば、ランプのかさ)又はリフレクタ(例えば、反射鏡)などの部材を備えてもよい。さらに、投射光学部材120は、入射光L11を透過する透明材、及び、励起光を照射することで発光する蛍光体のいずれか又は両方をさらに備えてもよい。
保持部材150は、図1から図3に示される例においては、投射光学部材120に、例えば、ネジなどで締結されている。つまり、投射光学部材120は、保持部材150に、例えば、ネジなどで締結されて保持される。保持部材150による投射光学部材120の保持には、接着剤による接着、又は、バネによる押し付けなどのような、他の保持方法を用いることもできる。
図1に示される例では、保持部材150は、2枚以上の平行に配置された撓み部140(撓み部140a及び撓み部140b)によって保持される。なお、必要に応じて、+Y側(又は+X側)にある撓み部140は、符号140aで示され、−Y側(又は−X側)にある撓み部140は、符号140bで示される。
保持部材150は、撓み部140aの+Z軸側の端部と撓み部140bの+Z軸側の端部とに接続している。
撓み部140a及び140bは、互いに平行配置された板バネを備えており、これらの板バネは平行バネとしての挙動を示す。すなわち、保持部材150は、撓み部140aと保持部材150と撓み部140bとの配列方向(図1におけるY軸方向)に可動である。保持部材150には、剛性を確保するためにスリット又は長尺な突起が備えられてもよい。
撓み部140は、例えば、薄板形状の板バネ141と、板バネ141の一端に取り付けられた固定部材142と、板バネ141の他端に取り付けられた固定部材143とを備える梁構造を持つ。
撓み部140は、特定の振動数(例えば、固有振動数)で振動するように構造の特性を調節する共振点調節部材144を備えてもよい。
撓み部140は、保持部材150及び筐体130に固定されたときに、振動付与部170によって付与される振動数と同一の帯域又は近い帯域に共振点を持つようにするため、板バネ141と共振点調節部材144の形状、材質、位置などが設計される。
共振点調節部材144は、位置及び形状の一方又は両方を変更して、撓み部140の共振帯域を調整することができる機能を備えることが望ましい。なお、平行に配置された複数の板バネ141は、平行バネの機能を損なわず、投射光学機器10の外形寸法を妨げない範囲において、構造特性及び振動特性を所望の性能にすることができる。
固定部材142,143は、撓み部140の端部に取り付けられている。固定部材142は、撓み部140の+Z軸側の端部に取り付けられている。固定部材143は、撓み部140の−Z軸側の端部に取り付けられている。固定部材142は、例えば、保持部材150に接続されている。固定部材142は、例えば、投射光学部材120に接続されることができる。固定部材143は、例えば、筐体130に接続されている。
振動付与部170は、例えば、保持部材150又は筐体130などを介して、又は、直接に、撓み部140、光源部110、及び投射光学部材120のいずれかに振動を与える。振動付与部170は、保持部材150及び投射光学部材120を揺動(振動)させるための振動を発生する装置(例えば、バイブレータ)である。
例えば、モータの回転軸に重心を偏らせた錘を取り付けて、回転軸を回転させるバイブレータを振動付与部170として用いることができる。バイブレータは、例えば、携帯電話用のバイブレータと同じ原理のものである。
また、振動付与部170は、外部から定常的に与えられる振動を筐体130に伝える振動伝達部材であってもよい。振動伝達部材は、例えば、棒状又は板状の連結部材などである。
例えば、車両などに搭載される投射光学機器の場合には、振動付与部170は、自動車のエンジンの振動を筐体130などに伝達する金属材料などからなる部材としてもよい。さらにまた、振動付与部170は、保持部材150又は撓み部140又は光源部110に周期的に外力を加えて、これらを振動させる、加振用の圧電素子を備えた装置であってもよい。
振動付与部170から、筐体130、撓み部140、及び保持部材150の内の少なくとも1つに伝わる振動の振動数は、振動発生源の振動数と異なる振動数である場合がある。振動発生源は、例えば、外部の振動源として自動車のエンジンである。このため、振動付与部170によって付与された振動の振動数(または周波数)を測定し、その結果に基づいて、共振点調節部材144の重さ及び位置を適切に調節することが望ましい。
筐体130は、図1では、光源部110を保持している。また、筐体130は、支持部160を介して、投射光学部材120を保持している。振動付与部170は、図1では、筐体130に接続されている。このため、振動付与部170は、筐体130に振動を伝えることができる。
投射光学機器10は、揺動(振動)による投射光学部材120の変位量を測定する振動検出器としての測定部と、光源部110から発せられる光L11の光量を、測定された変位量に対応する光量(強度)になるよう増減させる光源制御回路としての機能を有する制御装置(制御部)とをさらに備えてもよい。ここで、投射光学部材120の変位量は、変位の振幅及び変位の周期を含む。測定部は、例えば、後述する図4において測定部181として示されている。制御装置は、例えば、後述する図4において制御装置182として示されている。制御装置は、測定された変位量に対応する光量(強度)になるよう増減させる制御部の一例である。
測定部181は、揺動(振動)による投射光学部材120の変位量を測定する。測定部181は、光源部110から発せられた光L11の一部又は投射光L12の一部を検出する光検出器を備えてもよい。光検出器は、例えば、後述する図5における光検出器183として示されている。この場合には、制御装置182は、光検出器183の出力値の変動から投射光学部材120の変位量を算出する。制御装置182は、投射光学部材120の変位量を間接的に測定する。
また、制御装置182は、投射光学部材120の変位量から投射光学部材120から出射される投射光L12の照射位置の変位量を事前に推定する。そして、制御装置182は、推定された変位量に対応するように、光源部110から発せられる光L11の光量を増減させて配光制御を行ってもよい。
言い換えれば、制御装置182は、投射光学部材120の変位量から投射光学部材120から出射される投射光L12の照射位置の変位量を事前に推定(または取得)する。そして、制御装置182は、推定された変位量から変位の周期を推定する。そして、制御装置182は、光源部110から発せられる光L11の光量を周期的に増減させて配光制御を行ってもよい。制御装置182は、例えば、後述する図4の投射光L12aでは光量を減少させて配光制御を行い、投射光L12bでは光量を増加させるように周期的に増減させて配光制御を行ってもよい。
また、制御装置182は、振動付与部170によって伝達又は発生する振動数から投射光学部材120から出射される投射光L12の照射位置の変位量を事前に推定(または取得)する。そして、制御装置182は、推定された変位量に対応するように、光源部110から発せられる光L11の光量を増減させて配光制御を行ってもよい。
言い換えれば、制御装置182は、振動付与部170によって伝達又は発生する振動数又は周波数から投射光学部材120から出射される投射光L12の照射位置の変位量を事前に推定する。そして、制御装置182は、推定された変位量から変位の周期を推定し、光源部110から発せられる光L11の光量を周期的に増減させて配光制御を行ってもよい。制御装置182は、例えば、後述する図4の投射光L12aでは光量を減少させて配光制御を行い、投射光L12bでは光量を増加させるように周期的に増減させて配光制御を行ってもよい。
《1−2》動作
光源部110から出射された光(入射光)L11は、+Z軸方向に進行し、投射光学部材120に入射する。
投射光学部材120は、保持部材150によって+Z軸方向の移動(例えば、並進運動)は拘束(ほぼゼロに動きを制限)される。一方、保持部材150は、撓み部140a及び140bによって、X軸方向の移動(例えば、並進運動)が拘束(ほぼゼロに動きを制限)される。投射光学部材120は、図2に示されるように、Y軸方向に可動である。なお、「拘束」とは、機能を発揮できない程度に動きを制限することである。
保持部材150と撓み部140とは、例えば、ねじ締結によって固定される。保持部材150と撓み部140とは、接続されている。この場合には、投射光学部材120は、Y軸方向の軸線を中心とする回転方向の動きが、拘束(ほぼゼロに動きを制限)される。また、保持部材150は、撓み部140a及び40bによりX軸方向の軸線を中心とする回転方向の動きが拘束される。
投射光学機器10の構成は、Z軸方向の軸線を中心とする回転方向の動きを、必ずしも拘束する必要はない。ただし、撓み部140の板バネ141の幅を十分広くする、又は、撓み部140a及び140bが互いに平行に配置された複数枚の板バネ141を含むことによって、Z軸方向の軸線を中心とする回転方向の動きを拘束することができる。
撓み部140は、振動付与部170から与えられる振動の周波数と同一の帯域又は近い帯域の振動数で振動する。実施の形態では、振動付与部170から振動を受けた撓み部140の板バネ141は、Y軸方向に振動する。
撓み部140は、保持部材150により拘束されるため、例えば、曲げ1次モード変形し、保持部材150は、板バネ141と連動して、Y軸方向に揺動する。保持部材150の変位量(動作量)は、振動付与部170から伝達される振動の大きさ(振幅)と、撓み部140の構造とによって定まる。投射光学部材120は、撓み部140の振動によって、一定の周期で揺動することが望ましい。
一般に、揺動する投射光学部材120を支持するために、投射光学部材120の光軸と垂直な面上に光軸と垂直な方向に伸縮するコイルばねを配置した第1の構造例(比較例)では、数理モデルが作り易い。第1の構造例(比較例)は、簡素でありかつ設計自由度が高いため、採用されることが多い。
一方、図1から図3に示される撓み部140のように、互いに平行な複数の板バネ141を用いて投射光学部材120を支持する第2の構造例(実施の形態に対応)では、固定部材142,143と板バネ141とを併せた構造について数理モデルを構築する必要がある。
しかし、第2の構造例(実施の形態に対応)の数理モデルは難しく、また、板バネ141の設計解が成立しない場合もある。このため、従来、第2の構造例(実施の形態に対応)は、限られた用途でしか採用されず、レンズ面が大きな投射光学部材120には採用されていなかった。限られた用途は、例えば、光学メディアの読取機器の光ピックアップの支持などのような小型の投射光学部材である。
第1の構造例(比較例)では、投射光学部材120よりも外側にコイルばねなどが配置されることから、構造特性及び振動特性を修正する場合に、投射光学部材120の外形寸法に影響を与える。
これに対し、第2の構造例(実施の形態に対応)においては、投射光学部材120を揺動させる構成を小型にすることができる。しかし、第2の構造例(実施の形態に対応)のように、投射光学部材120の揺動と投射光学機器10の外形寸法とに関連性がある構造は、一般に、設計に際し大きな技術的な困難性を有する。
しかし、実施の形態における撓み部140は、その長手方向が光軸方向となるように配置することができるため、バネ及び歯車などの機構を介して振動を伝達する従来の構造に比べて、小型化することができる。
また、撓み部140の構造特性と振動特性は、板バネ141の厚み(Y軸方向)、長さ(Z軸方向)及び幅(X軸方向)などの設計によって設定することが可能である。このため、第2の構造例は、投射光学機器10の外形寸法に与える影響が少ない。
振動付与部170によって、筐体130、撓み部140、及び保持部材150のいずれかに振動を伝える実施の形態に係る投射光学機器10では、歯車などの駆動力伝達機構を介して振動を加える場合に比べて、駆動伝達機構を省略、若しくは、簡素化することが可能である。
また、振動付与部170は、筐体130、撓み部140、及び保持部材150に振動が伝わる構造であれば、離れた位置に設置されてもよい。すなわち、実施の形態においては、振動付与部170の大きさは、投射光学機器10の大きさにあまり影響を与えない。
また、保持部材150は、撓み部140の振動により周期的に振動するため、振動付与部170に要求される振動のエネルギー(電力量)は、静的に保持部材150を動作させる場合に必要なエネルギー(電力量)よりも少ない。これは、保持部材150を振動させる場合には、保持部材150の変位量よりも、筐体130の変位量を小さくすることができるからである。
実施の形態に係る投射光学機器10は、上記のように構成されるため、平行バネ(例えば、複数の板バネ141)を備える複数の撓み部140で保持部材150を拘束し、振動付与部170により保持部材150を振動させることによって、投射光学部材120を光軸方向(Z軸方向)に精度良く配置し、光軸方向(Z軸方向)と直交する少なくとも一方向に可動とする投射光学部材120の支持部160を小型の構造とすることができる。
光源部110に対して投射光学部材120が相対的に揺動(または変位)することで、入射光L11は、時間毎に投射光学部材120の異なる領域に照射される。そのため、投射光学部材120からの投射光L12は、投射光学部材120が揺動することで、形状及び照度が時間毎に変化する。
図4は、実施の形態に係る投射光学機器10の投射光学部材120から出射される投射光L12の方向の変化の一例を示す模式図である。
図4に示されるように、投射光学機器10は、投射光学部材120の変位を測定する測定部181と、測定部181の測定値に基づいて発光源111の発光量を制御する制御装置182とを備えている。投射光学部材120の変位は、変位量及び変位の周期を含む。制御装置182は、例えば、駆動電圧を変えることによって、発光源111の発光量を制御する。
図4は、入射光L11が投射光学部材120によって屈折又は反射し、投射光L12の方向及び形状が変化する様子の一例を示している。
投射光L12の形状は、投射光学部材120を固定し、光源部110をY軸方向へ揺動させた場合の時刻毎の形状と同じである。例えば、車両用の前照灯装置の投射レンズとしての投射光学部材120をY軸方向へ変位(または揺動)させた場合には、投射光L12も同じ方向へシフトする。したがって、車両用の前照灯装置の場合には、投射光学部材120としての投射レンズをY軸方向に揺動(振動)させれば、投射光L12はY軸方向に揺動する。
ここで、投射光学部材120を揺動させながら、光源部110から出射される光の強度を周期的に変動させることで、一定期間に投射される投射光L12の光量をY軸方向に変化させることができる。
例えば、投射光学部材120の変位量から変位の周期を推定し、光源部110から発せられる光L11の光量を周期的に増減させて配光制御を行うようにすることで、投射光L12をY軸方向の所望の位置に向けることができる。例えば、後述する図4の投射光L12aでは、光量を減少させ、投射光L12bでは光量を増加させるように周期的に増減させて配光制御を行っている。
図5は、実施の形態に係る投射光学機器10の投射光学部材120から出射される投射光L12の強度の変化の一例を示す模式図である。図5は、入射光L11が投射光学部材120によって透過され、又は、入射光L11が投射光学部材120を励起して発光させ、その結果、出射された投射光L12の強度及び光学特性が変化する様子を示している。
例えば、投射光学部材120の透過率又は投射光学部材120(蛍光体を有する場合)の発光効率に空間的な異方性がある場合には、投射光学部材120の揺動により照射される領域が変動することで、投射光L12の光学特性は時間的に変動する。例えば、複数の蛍光塗料をY軸方向で分布が変化するように塗布した蛍光体を有する投射光学部材120をY軸方向へ並進運動をさせた場合には、投射光L12の色度が、投射光学部材120の揺動によって一定の分布幅で変化する。
ここで、投射光学部材120の揺動に対して、光源部110を周期的に変動させることで、一定期間に投射される投射光L12の色度を限定することができる。すなわち、光源部110の出力を増減させることで、投射光学部材120がY軸方向へ並進運動をすることで変化する範囲内で、投射光L12を所望の色度に制御することができる。
また、入射光L11によって投射光学部材120へ照射される領域は、揺動によりY軸方向に拡大する。投射光学部材120が光源部110に対してY軸方向に相対的に揺動(振動)する場合には、入射光L11によって照射される単位時間当たりのエネルギーは、Y軸方向に分散される。
例えば、入射光L11の強度及び形状の両方が一定である場合には、入射光L11による投射光学部材120の発熱は、投射光学部材120の広い領域に分散されるため、局所的な温度上昇は抑制される。投射光学部材120の屈折率及び透過率、又は、発光率などの光学特性は、温度の影響を受けるため、投射光学部材120が光源部110に対して相対的に揺動(振動)することによって投射光学部材120の局所的な温度上昇を防ぐことができ、投射光L12の光学特性を安定させることができる。
《1−3》効果
以上に説明したように、実施の形態に係る投射光学機器10によれば、投射光学部材120が光源部110に対して相対的に揺動(振動)することによって、投射光L12の形状、強度、及び光学特性を変化させること、又は、制御することができる。その結果、簡単な機構によって、投射光学部材における光が照射される範囲を、面状とすることができる。したがって、投射光L12の特性を安定させることができる。
また、実施の形態に係る投射光学機器10は、投射光学部材120を光源部110に対して相対的に光軸方向(Z軸方向)と直交する少なくとも一方向に揺動させための構造として、撓み部140を含む支持部160を用いているので、小型化及び構成の簡素化を図ることができる。
また、実施の形態に係る投射光学機器10は、光源部110の出力強度を周期的に制御することによって、投射光学機器10の投射光L12の形状、強度、及び光学特性を制御することができ、投射光L12の配光を制御することができる。
さらに、実施の形態に係る投射光学機器10は、以下のような社会的な意義及び特長を有する。
半導体を用いた光源部(半導体光源部)の技術革新によって、光を発する投射光学機器は、従来に比べて小型化が進んでいる。例えば、半導体光源部としてのLED光源部の普及によって、液晶テレビのバックライトが小型化し、ブラウン管式のテレビに比べて、液晶テレビの薄型化が顕著になっている。
また、近年、欧州の法規では、半導体光源部を車両用の前照灯装置として使用されることが認可され、LED光源部を用いた車両用の前照灯装置が普及しつつある。半導体光源部の普及によって、車両用の前照灯装置は小型化している。また、車両用の前照灯装置において、多灯化などの新しい意匠の提案がされている。また、配光を上下方向または左右方向に動かして、ドライバーの視認性を向上させる配光制御が提案されている。
また、スマートフォンに代表される超小型のイメージング機能を有するデバイス(例えば、携帯情報端末)が普及しつつある。イメージング機能を持つデバイスを携帯することで、時と場所とを選ばずに、画像を表示する需要が新たに生まれ、携帯型のプロジェクタが新たに市場化されている。
上記のように、投射光学機器の小型化により新たな価値観及び概念が創出されており、投射光学機器の小型化は社会にとって有意義である。
一方、投射光学部材を揺動して利用する投射光学機器は、例えば、投影型のテレビジョンにおけるレーザー光源部のシンチレーションを排除するための技術に適用可能な技術である。レーザー光源部を用いた投影型のテレビジョンは、LED光源部の色域を大きく超える利点を持つ。しかし、このような投影型のテレビジョンの揺動装置は、薄型の液晶テレビと比べて大型である。このため、現状では、レーザー光源部を用いた投影型のテレビジョンに比べて色域が狭いLED光源部のテレビジョンが主流である。
一方、2020年に予定されている放送波として規格が進みつつある、超高精細及び広色域標準画像について、LED光源部のテレビジョンでは達成が困難とされている。このような観点から、投射光学機器10における振動付与部170である揺動(振動)装置の小型化ができれば、このような投射光学機器10をレーザー光源部として用いた投影テレビジョンにより色域における課題を解決可能である。
このように、実施の形態に係る投射光学機器10は、車両用の前照灯装置、照明装置、液晶テレビのバックライト、投影テレビジョンの投射用光源装置、携帯情報端末などに備えられたプロジェクタ用の投射用光源などに適用可能である。
《2》変形例1
《2−1》構成
図12は、変形例1におけるバネ141の概略的な構成を示す断面図である。図12は、バネ141を光軸方向(Z軸方向)に見た図を示している。なお、図1に示された投射光学機器10が、板バネ141を4つ備えていることから、図12では、4つのバネ141の断面形状と配置とを示している。
図12に示されるように、変形例1では、上述の板バネ141を柱形状としている。このため、変形例1においては、単に、バネ141として説明する。バネ141の柱形状は、光源部110の光軸方向に長尺である。ここで「光軸方向」とは、光学的な光軸を意味する。つまり、鏡などで光の進行方向が変更された場合には、「光軸方向」も同様に変更される。
また、例えば、図1または図6において、撓み部140が固定部材142,143と共振点調節部材144とを備えない場合には、撓み部140はバネ141と同等になる。
バネ141は、X軸方向の厚さとY軸方向の厚さとが異なっている。例えば、X軸方向の厚さAと、Y軸方向の厚さBとは、A>Bの関係にある。バネ141は、X軸方向とY軸方向とに曲がる(撓む)ことができる。しかし、バネ141は、光軸方向(Z軸方向)には、投射光学部材120の位置を拘束することができる。
図13(a)及び図13(b)は、変形例1における投射光学部材220の概略的な構成を示す側面図及び正面図である。図13(a)は、投射光学部材220をX軸方向に見た図を示しており、図13(b)は投射光学部材220を光軸方向(Z軸方向)に見た図を示している。
図13(a)に示されるように、変形例1における投射光学部材220には、放熱板801が取り付けられている。放熱板801は、放熱部の一例である。放熱板801は、例えば、投射光学部材220に密着している。また、図13(b)に示されるように、放熱板801の中央には、開口802が形成されている。
放熱板801は、投射光学部材120で発生する熱を低減する放熱部材の一例である。また、開口802は、光源部110から発せられた光L11を通す領域(例えば、開口部)である。そのため、開口802は、必ずしも穴が空いている必要はない。開口802に、例えば、光L11を通す部材を配置することができる。つまり、開口802は、光の通過部である。または、開口802は、光の透過部である。
バネ141を梁と考えると、第2方向としてのX軸方向へ撓ませるばね定数(第1のばね定数)kxと第1方向としてのY方向へ撓ませるばね定数(第2のばね定数)kyとは異なる。バネ141で支持される部分の質量をmとする。ここでは、質量mは、保持部材150の質量と投射光学部材220の質量とを足し合わせた値となる。この場合には、X軸方向の固有振動数ωxとY軸方向の固有振動数ωyとは次式(1)のように表わされる。
ωx=(kx/m)0.5 ・・・・(1a)
ωy=(ky/m)0.5 ・・・・(1b)
振動付与部170によって振動が伝えられると、投射光学部材220は、X軸方向およびY軸方向に、それぞれ異なる周波数で振動する。
図14は、変形例1における投射光学部材220のX−Y平面上の位置を描いた図である。
振動によって変化する投射光学部材220のX−Y平面上の位置は、図14に示すようなサイクロイド曲線となる。図14に示すサイクロイド曲線は、投射光学部材220に入射する入射光L11の位置と同等である。
これによって、入射光L11が投射光学部材220の特定の領域に集中して照射されることはなくなる。そして、入射光L11は、投射光学部材220の広い領域に分散されて照射される。つまり、投射光学部材220上における局所的な温度上昇は抑制される。
図15は、変形例1における投射光学部材220上の熱の集中度合いを示した図である。図15の横軸は、投射光学部材220上のX軸方向位置[mm]を表わしている。図15の縦軸は、入射光L11の速度の逆数を表わしている。
つまり、図15の縦軸は、図15の横軸に示された位置に入射光L11が留まっている時間を表わしている。投射光学部材220の温度上昇は入射光L11が留まっている時間に比例するため、図15の縦軸は、図15の横軸に示す位置における投射光学部材220の熱の集中度合いを示す。
投射光学部材220上の熱の集中は、入射光L11の速度の低下によって発生する。そのため、開口802の大きさD(図13(b)における長さD)を入射光L11の振動の幅Wより小さくする。これによって、放熱板801は、投射光学部材220上の熱が集中する部分の放熱を効果的に行うことができる。
《2−2》効果
変形例1に係る投射光学機器10によれば、柱形状のバネ141を備え、バネ141のX軸方向へ撓ませるばね定数kxとY方向へ撓ませるばね定数kyとは異なる。これにより、振動によって変化する投射光学部材220のX−Y平面上の位置は、例えば、サイクロイド曲線となる。したがって、入射光L11は、投射光学部材220の広い領域に分散されて照射される。よって、入射光L11が投射光学部材220の特定の領域に集中して照射される程度は低減される。そして、投射光学部材220上における局所的な温度上昇を抑制することができる。
《3》変形例2
《3−1》構成
図6は、本発明の変形例2に係る投射光学機器20の構成を概略的に示す側面図である。
図6において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1における符号と同じ符号が付される。
投射光学機器20は、例えば、自動車及び自動二輪車などの車両に装備可能な前照灯装置である。また、投射光学機器20は、例えば、列車、船舶または航空機などの移動体に装備可能な前照灯装置である。
変形例2に係る投射光学機器20は、半導体光源部である光源部210、発光部材としての投射光学部材220、及び筐体130に備えられた振動付与部270の点において、投射光学機器10と相違する。これらの点を除き、変形例2に係る投射光学機器20は、投射光学機器10と同じである。また、変形例2に係る投射光学機器20は、図4及び図5に示される測定部181又は光検出器183と、発光源の発光量を制御する制御装置182とを備えてもよい。
図6に示されるように、変形例2に係る投射光学機器20は、集光光を発する集光光源部としての光源部210と、光源部210から出射された光(入射光)L21によって励起することで発光する投射光学部材220と、支持部160とを備えている。支持部160は、撓み部140を含んでいる。また、投射光学機器20は、投射光学部材220を保持する保持部材150と、筐体130と、振動付与部270とを備えることができる。振動付与部270は、取り付け位置以外については、振動付与部170と同じである。
光源部210は、例えば、半導体光源である発光源211を備える。光源部210は、レンズなどの光源部光学部材212と、これらを収容する光源部筐体213とを備えることができる。また、光源部210は発熱するため、光源部210で発生した熱を外部へ逃すための放熱器(例えば、放熱板)を備えることが望ましい。
光源部光学部材212は、発光源211から出射された光を集光する。
光源部光学部材212は、発光源211から出射された光を、集光された入射光L21に変換する、1枚又は複数枚の光学素子を含む光学系である。光源部光学部材212は、例えば、発光源211から出射された光を平行光に変換するコリメート面と、平行光を集光する集光面とを有するレンズである。
投射光学部材220は、光源部210から投射される入射光L21を受けて発光する。投射光学部材220は、支持部160に保持されている。投射光学部材220は、支持部160の可動端に保持されている。
投射光学部材220は、光源部210から投射される入射光L21を受けて発光して、出射光(投射光)L22を出射する部材である。投射光学部材220は、例えば、蛍光体を備える部材である。投射光学部材220は、例えば、保持部材150によって撓み部140の固定部材142に接続される。投射光学部材220は、例えば、耐熱性であって、光を透過する素材の上に、光によって励起して低コヒーレント光を発する蛍光塗料を塗布して構成される。
振動付与部270は、筐体130に取り付けられている。これによって、振動付与部270が発生する振動は、筐体130に直接伝えられる。筐体130は、上述のように、支持部160を介して、投射光学部材220を保持している。そのため、筐体130に伝えられた振動は、支持部160を介して、投射光学部材220に伝えられる。そして、投射光学部材220に伝えられた振動は、支持部160によって増幅される。
《3−2》動作
投射光学部材220は、光源部210によって集光されたエネルギー密度が高い光である入射光L21によって励起される。投射光学部材220は、発光源211から発せられる光L21の波長よりも長い波長の光L22を発光する。この光は、投射光L22として、例えば、放射状に投射される。
例えば、光源部210は、紫外線レーザー光を発する光源部である。投射光学部材220は、紫外線を青色光に波長変換する青色発光蛍光体、紫外線を黄色光に波長変換する黄色発光蛍光体、紫外線を赤色光に波長変換する赤色発光蛍光体のいずれか1つの部材、又は、これらの内の複数の蛍光体を含む部材とすることができる。
投射光学部材220の素材は、例えば、蛍光材料を含むサファイア又はガラスなどの透明無機材料などである。また、投射光学部材220の素材は、例えば、蛍光材料を含む光透過性のセラミック又は耐熱性を有する樹脂などの部材であってもよい。
変形例2において、入射光L21は、光源部210によって集光されたエネルギー密度が高い光である。入射光L21によって照射された投射光学部材220の領域は、温度上昇によって、特性の劣化及び溶損を生じるおそれがある。そのため、一般に、投射光学部材220は、耐熱性を有する素材で構成されることが望ましい。
また、必要であれば、投射光学部材220の発光面の近傍を流体(例えば、空気)の対流又は放熱用部材による伝熱によって冷却することが望ましい。また、光源部210又は投射光学部材220を揺動させて、投射光学部材220の特定の領域に照射される入射光の単位時間当たりの照射量を低減させることで、局所的な過度の温度上昇を抑制することが望ましい。
変形例2においては、振動付与部270によって、光源部筐体130を振動させて、その結果、投射光学部材220を光源部210に対して相対的に揺動(振動)させている。このため、入射光L21が投射光学部材220に照射される領域を広い領域にすることができる。そして、投射光学部材220における局所的な温度上昇が抑制される。
《3−3》効果
以上に説明したように、変形例2に係る投射光学機器20によれば、投射光学部材220が光源部210に対して相対的に揺動(振動)することによって、投射光L22の形状、強度、及び光学特性を変化させる又は制御することができる。その結果、投射光L22の特性を安定させることができるという効果が得られる。
また、変形例2に係る投射光学機器20は、投射光学部材220を光軸(Z軸)と直交する少なくとも1方向に揺動させる撓み部140と、振動付与部270を含む小型の支持部材(筐体130)とを用いているので、小型化及び簡素化を図ることができる。
また、変形例2に係る投射光学機器20は、光源部210の出力強度を周期的に制御することによって、投射光学機器20の投射光L22の形状、強度、及び光学特性を制御することができる。そして、投射光学機器20は、投射光L22の配光を制御することができる。
変形例2において、投射光学部材220は、振動付与部270による振動によって揺動する。振動付与部270が付与する振動は小さなエネルギー(電力)で発生することができる。または、振動付与部270が付与する振動として外部振動を利用することができる。例えば、自動車又は電車などの乗り物(移動体)において、振動付与部270が、車両の振動を外部振動として投射光学部材220及び光源部210の少なくとも一方に伝達してもよい。車両などの外部振動を利用する振動付与部270を採用する場合には、投射光学機器20の一層の小型化が可能になる。
一般に、外部振動を利用してエネルギーを代替する手段は、周りの環境から微小な振動(エネルギー)を収穫して、電力に変換するエネルギーハーベスティングとして知られている。しかし、外部振動の方向は不均一であり、投射光学機器20などの光学製品のように精密さが要求される分野の機器への適用は難しい。
変形例2における投射光学機器20は、投射光L22の方向に関して厳密さが要求されるので、エネルギーハーベスティングに用いられる一般的な機構では、実現が困難であった。投射光L22の方向に関しての厳密さは、例えば、入射光L21は、投射光学部材220において位置と向きが同一の面領域に入射しなければならないことなどである。つまり、投射光L22の方向に関しての厳密さは、例えば、入射光L21は投射光学部材220の面領域において、同一の位置では同一の向きで入射しなければならないことなどである。
これは、摩耗などのエネルギー損耗に耐えうるエネルギーハーベスティング用の構造によって、変形例2における投射光学機器20のように、投射光学部材220の位置及び姿勢を精度良く保つことが、設計上に困難だからである。
このため、変形例2においては、光源部210と投射光学部材220の光入射面との距離を一定に保ちつつ、投射光学部材220を光源部210に対して相対的に揺動させる構造を採用している。このため、変形例2によれば、投射光L22の光軸のぶれは、投射光学部材220の揺動の影響を受けにくい。つまり、投射光L22の光軸のZ軸方向に対する傾斜は、投射光学部材220の揺動の影響を受けにくい。
さらに、変形例2に係る投射光学機器20は、以下のような社会的な意義及び特長を有する。
半導体光源を備える半導体光源部は、白熱ランプなどを備える光源部(熱光源部)に比べて小型であるため、光学機器の小型化または多機能化に適している。一方で、発光源として半導体素子を用いた光源部(半導体光源部)の普及によって、光学機器への熱設計の重要性が増している。
例えば、半導体光源部は小型であるため、エネルギー密度が高い光は光源部の光学部材(例えば、レンズ又は蛍光体など)に集中する。そして、光源部の光学部材の部分的な温度上昇によって、光源部の光学部材の光学特性が変化する。このため、光源部が放熱構造を備えて、光源部を冷却する形態が一般的であった。あるいは、光源部が放熱用のファンを備えて、光源部を冷却する形態が一般的であった。
投射光学機器20に冷却装置を搭載することは、占有体積、重量または消費電力の観点から望ましくないが、照明性能を安定化させる点で必要な措置である。よって、投射光学機器20に光源部光学部材212の温度上昇を抑制する機能が搭載されるが、構成の小型化、低エネルギー化または実装の簡易化などは要求される。
変形例2の投射光学機器20は、投射光学部材220としての発光部材(例えば、蛍光体)を備える部材を採用している。そのため、投射光学部材220を保持する保持部材150を揺動させる構造を追加することで、熱によって生じる投射光学部材220としての発光部材(例えば、蛍光体)の性能低下を抑制し、投射光L22の性能を安定させている。
また、変形例2においては、振動付与部270の配置および構造について自由度が高い。また、外部振動を利用する場合には、特別な振動発生装置を必要としないことから、既に存在する従来の投射光学機器に、変形例2を適用する構造に改良することも可能である。
《4》変形例3
《4−1》構成
図7は、本発明の変形例3に係る投射光学機器30の構成を概略的に示す側面図である。
投射光学機器30は、例えば、自動車及び自動二輪車などの車両に装備可能な前照灯装置である。また、投射光学機器30は、例えば、列車、船舶または航空機などの移動体に装備可能な前照灯装置である。そして、投射光学機器30は、駆動部品を用いずに投射光L32の方向を変える機能を備える。
車両用の前照灯装置は、遠方に向けて強い光を出射する投射光学機器であり、投射光の形状は法規によって厳格に定められている。例えば、自動車のすれ違い前照灯装置(又は、ロービーム)は、自身の車両の前方を走る先行車、又は、反対車線(または、対向車線)を走る対向車に対して、眩惑を生じさせないようにするため、水平方向にカットラインが形成された配光を照射する。例えば、自動車の走行用前照灯装置(又は、ハイビーム)は、前方100[m]以上を遠くまで照らす配光を照射する。
「配光」とは、光源(投射光学機器30)の空間に対する光度分布である。すなわち、「配光」とは、光源(投射光学機器30)から放射される光の空間的分布をいう。「配光パターン」とは、光源(投射光学機器30)から放射される光の方向に起因する光束の形状及び光の強度分布をいう。このため、光の照射方向を左右方向又は上下方向に移動させることは、「配光パターン」の変更に含まれる。また、例えば、法規等で定められた配光の形状も配光パターンと呼ばれる。また、「配光分布」とは、光源(投射光学機器30)から放射される光の方向に対する光の強度の分布である。
車両走行中における前照灯装置の配光は、法規を満たす範囲内で、配光パターンを切り替えることが許されている。例えば、車両の先端が下に傾いたときに、投射光L32の光軸を上に向けることで、運転者の視界を良好に保つなどである。
変形例3に係る投射光学機器30は、車両用の前照灯装置の配光パターンのうち、特に、投射光L32の向きを変えて、運転者の視界を良好に保ち、安全な運転を可能とする。
また、変形例3に係る投射光学機器30は、複数の灯体を有する前照灯装置に適用可能である。多灯の前照灯装置は、複数の灯体(投射光学機器30)の配光を重ね合わせることで、1つの配光パターンを形成する。この場合には、この前照灯装置に対して、投射光学機器30は、配光パターンの形状を変えることができる。
図7に示されるように、変形例3に係る投射光学機器30は、主要な構成として、配光パターンを形成する配光光源部としての光源部310と、配光パターンを前方へ投射する光学部材としての投射光学部材(投射レンズ)320と、撓み部340とを備える。また、投射光学機器30は、投射光学部材320を駆動する振動付与部370を備えることができる。また、投射光学機器30は、投射光学部材320を保持する保持部材350と、筐体330と、振動付与部370と連動して光源部310の出力を制御する電源(例えば、供給電圧調節回路)332と、光源部310又は電源332を冷却する放熱板331とを備えることができる。なお、電源332は、光源部310から離れた位置に供えられてもよい。また、電源332は、光源部310の一部として供えられた回路であってもよい。
光源部310は、発光源311を備える。また、光源部310は、配光光学系としての光源部光学部材312、及びこれらを収容する光源部筐体313を備えることができる。光源部310は、発光源311から出射された光を、光源部光学部材312によって、投射光学部材320の入射光L31として配光パターンを形成する。
発光源311は、例えば、LEDである。また、発光源311は、エレクトロルミネッセンス素子、半導体レーザー、又は平面上に塗布された蛍光体に励起光を照射して発光させる発光源である。発光源311は発熱するため、熱を外部へ逃がすための放熱器(例えば、放熱板331)に固定されることが望ましい。
光源部光学部材312は、発光源311から出射された光を、配光パターンを形成した入射光L31に変換する。光源部光学部材312は、1枚又は複数枚の光学素子で構成された光学系である。光源部光学部材312は、光学素子として、例えば、レンズ又は導光部材を備えてもよい。また、光源部光学部材312は、光学素子として、例えば、シェード又はリフレクタを備えてもよい。
光源部筐体313は、例えば、発光源311および光源部光学部材312を保持している。光源部筐体313は、例えば、放熱板331に取り付けられている。
電源332は、発光源311に対して供給電力を供給する機能を有する。また、電源332は、少なくとも振動付与部370が発生する振動よりも短い周期で供給電力を制御する機能を備える。
すなわち、電源332は、制御装置382からの制御信号に基づいて、振動付与部370によって付与される振動の振動数に対応した周波数で供給電力を増減させることができる。電源332は、例えば、振動付与部370によって付与される振動の変化に同期した周期で供給電力を増減させることができる。供給電力は、例えば、周期的に増減する。
電源332は、供給電力の大きさを周期的に変更する機能を備え、その周期を変更する機能を備えてもよい。電源332の供給電力の制御は、制御装置382の制御信号に従う電流値の制御又は電圧値の制御を基に行われることができる。
図7に示される保持部材350、撓み部340、及び筐体330は、実施の形態(図1)における保持部材150、撓み部140、及び筐体130と同様の機能を備える部材である。なお、撓み部340は、図1の共振点調節部材144に相当する部材を備えてもよい。また、投射光学機器30は、保持部材350の位置を測定する手段である測定部381を備えてもよい。測定部381は、保持部材350の変位又は変位量を測定することができる。
測定部381は、例えば、以下の構成を有してもよい。
例えば、保持部材350は、スリット(または、貫通孔)を備える。また、測定部381は、保持部材350のスリットを通過する投射光L32を検出する光検出器を備えてもよい。または、測定部381は、保持部材350のスリット通過する他の光源(図示せず)からの光を検出する光検出器を備えてもよい。
この場合には、光検出器が検出する光信号の変動に基づいて、保持部材350の変位を測定若しくは推定可能である。光検出器が検出する光信号の変動としては、例えば、光がスリットを透過しているときに光信号が高レベルになり、光が保持部材350で遮蔽されているときには光信号が低レベルになることが挙げられる。保持部材350の変位は、例えば、変位量または変位の周期であってもよい。
この構成としては、光源部筐体313は、スリット(または、貫通孔)を備える。そして、測定部381は、光源部筐体313のスリットを通過する光を検出する光検出器を備えてもよい。測定部381は、光源部筐体313のスリット通過する他の光源(図示せず)からの光を検出する光検出器を備えてもよい。
この場合には、光検出器が検出する光信号の変動に基づいて、保持部材350の変位を測定若しくは推定可能である。光検出器が検出する光信号の変動としては、例えば、光がスリットを透過しているときに光信号が高レベルになり、光が保持部材350で遮蔽されているときには光信号が低レベルになることが挙げられる。保持部材350の変位は、例えば、変位量または変位の周期であってもよい。
また、撓み部340に、変形または振動を測定する測定装置としての測定部381を備えてもよい。また、制御装置282は、保持部材350又は撓み部340の変位が、予め決められた閾値レベルを超えたときに、保持部材350及び撓み部340の変位(または揺動又は振動)を停止させるように制御してもよい。
振動付与部370は、実施の形態における振動付与部170と同様の構成を備える。振動付与部370は、例えば、自動車のエンジンの振動を、投射光学機器30に伝える振動伝達部材であってもよい。振動付与部370は、例えば、撓み部340と筐体330の接合部付近に振動を付与する圧電素子であってもよい。
撓み部340の振動特性は、振動付与部370の代表的な振動数の周波数と一致するように設計されることが望ましい。
このように、制御装置382は、投射光学部材320の振動による投射光L32の揺動と並行して、電源332を制御することによって投射光L32の強度を増減させる。これによって、制御装置382は、投射光L32の方向を制御することができる。投射光学部材320の振動は、振動付与部370によって加えられる。
例えば、制御装置382は、投射光学部材320から出射される投射光L32の方向がL32aである場合に光量を増加させ、投射光L32の方向がL32bである場合に光量を減少させる(若しくはゼロにする)ように光量を増減させる。これによって、制御装置382は、投射光L32の方向を+Y軸方向に傾けた投射光L32aとすることができる。
《4−2》動作
投射光学部材320は、光源部310から出射される入射光L31を受けて投射光L32を前方へ出射する。投射光学部材320の光入射面と光出射面は、例えば、配光パターンを拡散することなく前方へ投射する自由曲面である。
変形例3に係る投射光学機器30においては、例えば、投射光学部材320の光入射面の中心と光出射面の中心とを、入射光L31の光軸と投射光L32の光軸に対応する位置(基準位置)におくことができる。また、投射光学部材320の揺動(振動)によって、入射光L31の光軸を、投射光学部材320の光入射面の中心から外れた位置に対応させることができる。また、投射光L32の光軸を、投射光学部材320の光出射面の中心から外れた位置に対応させることができる。
変形例3に係る投射光学機器30が前照灯装置に適用される場合には、投射光学機器30は、入射光L31が基準位置にあれば、投射光L32としてロービームの法規又はハイビームの法規を満たす配光パターンの光を前方に投射する。
また、変形例3に係る投射光学機器30を多灯の前照灯装置に適用した場合には、複数の投射光学機器30の各々は、入射光L31が基準位置にあれば、投射光L32としてロービームの法規又はハイビームの法規を満たす配光パターンの光の一部を前方に投射する。
また、変形例3に係る投射光学機器30がロービームの法規又はハイビームの法規を満たす範囲内で、任意の形状の配光パターンを投射する機能を備える場合には、投射光学機器30は、入射光L31が基準位置にあれば、投射光L32は基準となる配光パターンの光を投射する。
投射光学部材320が入射光L31の配光パターンを拡大倍率1000倍で25[m]先へ結像するレンズである場合について説明する。この場合に、投射光学部材320の光入射面を入射光L31の光軸から左側(+X軸方向)へ距離2.0[mm]並進運動をさせると、距離D=25[m]先における投射光L32の光軸の移動量dは、+X軸方向に1000[mm]である。このとき、上下(Y軸)方向を回転軸とした投射光L32の傾きθは、次式(2)で表される。
θ=tan−1(d/D)
=tan−1(1000[mm]/25000[mm])
=2.29[度] ・・・・(2)
このように、投射光学部材320を+X軸方向へ微小に並進移動をさせることで、投射光L32の配光パターンを+Y軸に対して反時計回りに回動させることができる。同様に、投射光学部材320を−X軸方向へ微小に並進移動をさせることで、投射光L32の配光パターンを+Y軸に対して時計回りに回動させることができる。なお、並進移動は並進運動と同様である。
同様に、投射光学部材320を+Y軸方向へ微小に並進移動をさせることで、投射光L32の配光パターンを+X軸に対して時計回りに回動させることができる。同様に、投射光学部材320を−Y軸方向へ微小に並進移動をさせることで、投射光L32の配光パターンを+X軸に対して反時計回りに回動させることができる。
以上に説明したように、投射光学部材320に僅かに並進運動をさせることで、この投射光学部材320に並進運動をさせた方向へ、投射光L32の光軸を移動させることができる。
投射光学部材320と保持部材350とは、撓み部340と振動付与部370とによって、一定の揺動を繰り返す。保持部材350について、例えば、事前に振動付与部370の出力(例えば、振動の強さ及び振動数など)に応じて撓み部340の振動の振幅の大きさが計測される。このようなデータを事前に取得すれば、振動付与部370の出力(例えば、振動の強さ及び振動数など)から投射光学部材320の変位が推定される。
また、保持部材350の変位は、例えば、振動(または変位)を測定する測定装置によって直接測定されてもよい。また、保持部材350の振動(または変位)を、例えば、撓み部340の変形の大きさから間接的に推定(または測定)してもよい。
電源332は、振動付与部370の振動数又は保持部材350の変位量に対応させて、周期的に供給電力を制御する。そして、電源332は、発光源311の光量を調節することで、投射光学部材320に対する入射光L31と投射光L32に対して、その光度を増減させる。
投射光学部材320は、一定の周期で揺動している。このため、入射光L31の光度の増減と保持部材350の揺動の周期とを一致させる(同期させる)。これによって、投射光学機器30は、投射光L32によって単位時間当たりに照射される光量を調節して、一定の配光パターンを形成することができる。
投射光学部材320の振動の周期が人間の眼が認識することができる範囲より十分短い場合には、投射光学機器30によって投射される光の配光は、周期的に増減される投射光L32の配光の平均値で近似することができる。
例えば、撓み部340によって保持部材350が、+X軸方向と−X軸方向とに微小な揺動を繰り返すとする。制御装置382は、保持部材350が+X軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最大になるように電源332を制御する。また、制御装置382は、保持部材350が−X軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最小になるように、電源332を制御する。これによって、投射光L32の配光パターンは、全体として+Y軸に対して反時計回りに回動したように認識される。
また、例えば、撓み部340によって保持部材350が、+X軸方向と−X軸方向に微小な揺動を繰り返すとする。制御装置382は、保持部材350が+X軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最小になるように電源332を制御する。また、制御装置382は、保持部材350が−X軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最大になるように、電源332を制御する。これによって、投射光L32の配光パターンは、全体として+Y軸に対して時計回りに回動したように認識される。
また、例えば、撓み部340によって保持部材350が、+Y軸方向と−Y軸方向に微小な揺動を繰り返すとする。制御装置382は、保持部材350が+Y軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最小になるように電源332を制御する。制御装置382は、保持部材350が−Y軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最大になるように、電源332を制御する。これによって、投射光L32の配光パターンは、全体として+X軸に対して反時計回りに回動したように認識される。
また、例えば、撓み部340により保持部材350が、+Y軸方向と−Y軸方向に微小な揺動を繰り返すとする。制御装置382は、保持部材350が+Y軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最大になるように電源332を制御する。制御装置382は、保持部材350が−Y軸方向の端に位置するときに、電源332の光量が最小になるように、電源332を制御する。これによって、投射光L32の配光パターンは、全体として+X軸に対して時計回りに回動したように認識される。
撓み部340によって支持されている保持部材350の揺動は、+X軸方向と−X軸方向とに、又は、+Y軸方向と−Y軸方向とに限定されるものではない。保持部材350の揺動の方向として、光軸に対して垂直な平面内のいずれか任意の方向を指定することができる。
発光源311の光量の増減は、例えば、矩形波で表すことができる。保持部材350の変位量と投射光L32の光軸の向きは、一対一で定まる。このことから、投射光L32の光軸を所望の方向に向ける位置に保持部材350が位置する期間(点灯期間)において発光源311を点灯し、それ以外の期間において発光源311を消灯する。
この場合には、矩形波の1周期に対する点灯時間は短いので、電源332は、発光源311に対して、連続で電力を供給する場合の電力よりも大きな供給電力を一時的に供給することが可能である。供給電力の大きさは、1周期当たりに照射する光量の積分値が、点灯期間に収まるように調整されることが望ましい。
発光源311の光量の増減は、例えば、正弦波で表すこともできる。投射光L32の光軸を所望の方向に向ける位置に保持部材350が位置する期間(点灯期間)において、供給電力を半正弦波の山に対応する値として発光源311を点灯し、光軸が所望の方向以外の方向であるときに、供給電力を正弦波の谷に対応する値として発光源311を消灯する。
このように、電源332によって発光源311の光量を制御する場合には、矩形波による制御に比べて、1周期当たりに照射される光量を増やすことができる。
複数の投射光学機器30を用いる多灯の前照灯装置は、複数の光軸に対応する複数の配光パターンについて、光量を積分する必要が有る。このため、投射光L32の配光パターンの足し合わせを考慮に入れて設計される。
《4−3》効果
以上に説明したように、変形例3に係る投射光学機器30によれば、投射光学部材320が光源部310に対して相対的に揺動(振動)することによって、投射光L32の形状、強度、及び光学特性を変化させることができる。または、投射光学機器30は、投射光L32の形状、強度、及び光学特性を制御することができる。その結果、投射光学機器30は、投射光L32の特性を安定させることができる。
また、変形例3に係る投射光学機器30は、投射光学部材320を光軸(Z軸)と直交する少なくとも1方向に揺動させる撓み部340と、振動付与部370と、小型の支持部とを用いている。このため、投射光学機器30の小型化及び簡素化を図ることができる。
また、変形例3に係る投射光学機器30は、光源部310の出力強度を周期的に制御することによって、投射光学機器20の投射光L22の形状、強度、または光学特性を制御することができる。そして、投射光学機器30は、投射光L32の配光を制御することができる。
投射レンズに並進移動をさせることで配光を制御する技術は、特許文献2及び3にも記載されているように公知の技術である。しかし、特許文献2及び3に記載されているように、投射光学部材に並進移動をさせるには、投射光学部材を保持する機構の他に、駆動源と駆動源からの力を伝達する伝達機構部が必要である。そして、機器は大型化し、部品点数も増加する。部品点数の増加は公差によるガタを生じさせ、車両の振動による光軸のぶれが発生する。投射レンズに並進移動をさせる機構を搭載することは、機器の大型化と光軸のぶれの観点から、設計に際し技術的な困難を伴う。
変形例3に係る投射光学機器30は、投射光学部材320及び保持部材350を、撓み部340を介して筐体330に連結した簡素な構成によって、投射光L32の光軸をその光軸を含む特定の平面上で変位させることができる。
また、変形例3に係る投射光学機器30の部品点数は、従来の機構部品に比べて著しく少ない。また、振動付与部370は、例えば、自動車の振動を利用する。あるいは、振動付与部370は、例えば、圧電素子を利用する。すなわち、振動付与部370は、従来の駆動源と比べて十分に小さい。また、振動付与部370は、保持部材350と直接連結される必要はなく、撓み部340を介して間接的に連結されてもよい。この場合には、振動を伝達する機構の構造を簡素化することができる。
変形例3に係る投射光学機器30は、保持部材350と撓み部340によって、投射光学部材320を、光軸と直交する面に平行な方向に可動であり、他の方向については固く固定する。つまり、投射光学機器30は、投射光学部材320を、他の方向に移動させない。
さらに、投射光学機器30は、撓み部340と振動付与部370とによって、投射光学部材320を光源部310に対して相対的に一定の周期で揺動(振動)させる。従って、変形例3に係る投射光学機器30は、所望の光軸方向に対する光軸のぶれが生じにくい、堅牢な構成を備えることができる。
変形例3に係る投射光学機器30は、光軸の方向を変更する手段として、投射光学部材320としての投射レンズの揺動と発光源311に電力を供給する電源332の供給電力の周期的な制御とによって、従来にない小型で安定した配光パターンを提供することができる。従って、変形例3に係る投射光学機器30によって、投射光学部材320としての投射レンズの並進機構を備えない車両用の前照灯装置と同等の大きさで、投射レンズの並進機構を備える車両用の前照灯装置を構成することができる。
さらに、変形例3に係る投射光学機器30は、以下のような社会的な意義及び特長を有する。
近年、欧州の法規で車両用の前照灯装置の光源部として半導体光源部が認可された。半導体光源部(例えば、LED光源部)の車両用の前照灯装置への搭載による灯体の小型化が実現したことによって、モジュール化された複数の灯体を配置し、配光の重ね合わせで配光パターンを実現する多灯の前照灯装置が開発され、普及が進みつつある。多灯の車両用の前照灯装置は、特に、前方投射面積の小型化、薄型化が期待されている。
同様に、欧州の法規で車両の運動又は外環境の変化に応じて、走行中に前照灯装置の照射パターンを変更するAFS(Adaptive Front lighting System)が法規で定められたことから、配光パターンを左右又は上下に変更可能な前照灯装置のシステムが要求されている。配光パターンを左右又は上下に動かし、走行配光パターン及びすれ違い配光パターンを環境条件に合わせて適切に制御することは、先行車、対向車又は歩行者に対する眩惑を防ぎ、社会の交通安全に貢献する技術として、期待されている。
変形例3では、配光パターンを形成する光を前方に投射する投射光学機器30について、投射光学部材320を保持する保持部材350の揺動と光源部310の発光源311への供給電力の増減とを同一の周期で実施することで、配光パターンの向きを変更可能な小型の装置を可能にしている。例えば、多灯の車両用の前照灯装置は、複数の配光パターンの向きを制御する機器(制御装置)を備える。この制御装置は、複数の投射光学機器30のいずれかの制御装置382であってもよい。このように、変形例3に係る投射光学機器30は、前照灯装置に適用した場合に、安全性の向上及び意匠性の向上を可能にしている。
《5》変形例4
《5−1》構成
図8は、本発明の変形例4に係る投射光学機器40の構成を概略的に示す側面図である。図8において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1における符号と同じ符号が付される。
投射光学機器40は、例えば、自動車または自動二輪車などの車両に装備可能な前照灯装置である。投射光学機器40は、例えば、列車、船舶または航空機などの移動体に装備可能な前照灯装置である。変形例4に係る投射光学機器40は、実施の形態に係る投射光学機器10における振動付与部170に代えて、流体(例えば、気体又は液体)の流れを利用した振動付与部470を備えた点において、実施の形態に係る投射光学機器10と相違する。また、変形例4に係る投射光学機器40は、放熱板430を有している。
これらの点を除き、変形例4に係る投射光学機器40は、実施の形態に係る投射光学機器10と同じである。また、変形例4に係る投射光学機器40は、図4及び図5の投射光学機器10と同様に、測定部181又は光検出器183と、発光源の発光量を制御する制御装置182とを備えてもよい。変形例4における制御装置182は、流れ発生源440をも制御する。
図8に示されるように、投射光学機器40は、流体の流れ450の中に置かれたときに圧力勾配を生じさせる翼型部材としての静翼410を備えている。また、投射光学機器40は、静翼410を固定部材142に支持する構造体としての静翼支持部420とを備えることができる。
「静翼」は、一般的には、タービンで用いられる、流体を整流するための羽根のことである。ここでは、「静翼」を投射光学部材120に振動を伝えるための翼型部材として用いている。
また、投射光学機器40は、投射光学機器40の本体構造(例えば、筐体130)に固定された放熱装置としての放熱板430と、放熱板430及び静翼410に向かう流体の流れを生じさせる流れ発生源(例えば、送風ファン)440とを備えることができる。ただし、光源部110の放熱が必要でない場合には、放熱板430を備える必要はない。
静翼410と静翼支持部420と流れ発生源440とは、実施の形態における振動付与部170と同様の機能を備える振動付与部470を構成する。振動付与部470によって発生する圧力勾配は、例えば、流体力学に基づく静翼410の上面と下面との圧力差によって発生し、静翼410の上面又は下面に向かう力の変化若しくは変化量を意味する。なお、静翼410と静翼支持部420の個数は、1つに限定されるものではない。
静翼410は、流体450の流れによって、主に保持部材150の揺動方向(図8ではY軸方向)に対して圧力勾配を生じる薄板形状、又は、翼型形状の構造部材である。静翼支持部420は、静翼410と保持部材150とを連結する構造部材である。静翼410と保持部材150とは、例えば、固く連結されている。
静翼支持部420は、静翼410の流体450に対する向き、すなわち、迎え角を調整する機構を備えてもよい。流体450の流れ、及び、静翼410の形状は、保持部材150に、Y軸方向の振動を生じさせる組み合わせであればよく、特に制限されない。
流体450は、例えば、投射光学機器40の内部の気体である。また、流体450は、投射光学機器10の内部の液体であってもよい。流体450の流れは、気体又は液体の流れである。流体450の流れは、投射光学機器40の内部にある光源部110又は放熱板430又は他の熱源により生じる対流を含んでもよい。
流れ発生源440は、例えば、静翼410に向かう流体450の流れを発生させる機能を備える流れ発生装置である。また、流れ発生源440は、静翼410に向かう流体450の量、速さまたは密度などを制御することができる装置であることが望ましい。流れ発生源440は、例えば、動翼と、動翼を回転させるモータ等の回転発生装置とによって構成することができる。また、流れ発生源440は、例えば、外部の空気流れを取込むダクトを周期的に開閉する窓装置であってもよい。変形例4において、特に、放熱板430を空冷する空冷ファンを流れ発生源440としている。ただし、流れ発生源440は、図8に示された構成に限定されない。空冷ファンは、送風装置の一例である。
図9は、変形例4に係る投射光学機器40の振動付与部470の流れ発生源440の構造を概略的に示す斜視図である。また、図10は、変形例4に係る投射光学機器40の振動付与部470の流れ発生源440の構造を概略的に示す斜視図である。
図9及び図10に示されるように、流れ発生源440は、流体としての空気の流れを発生させる空冷ファン441と、空冷ファン441で発生した空気の流れを整流する整流用遮蔽軸442とを備えることができる。「整流」とは、気体または液体を一方向へ流れるようにすること、または、気体または液体の流れの乱れを整えることである。流れ発生源440は、空冷ファン441で発生した空気の流れを分配する複数の出口を有する整流用筐体443と、整流用筐体443から流れ出る気体を目標の方向に向けて導く導流用筐体444とを備えることができる。
空冷ファン441は、回転によって軸方向へ気体の流れを発生させる動翼445と、動翼445を回転させる駆動力を発生するモータなどの回転動力源(図示せず)とを備える。空冷ファン441は、回転動力源で発生した駆動力を、動翼445を支持する回転軸(図示せず)に伝えるギヤ(歯車)などの駆動力伝達機構を備えることができる。
整流用遮蔽軸442は、Z軸方向の気体の流れの一部を遮蔽する遮蔽板446を備える。整流用遮蔽軸442は、動翼445を支持する回転軸(図示せず)と連結される軸受け部(図示せず)と、整流用筐体443と回転軸(図示せず)とを連結する軸受け部(図示せず)とを備えることができる。
整流用筐体443は、2つ以上の整流穴447a,447bと、整流用遮蔽軸442を支持する軸受け部(図示せず)を備えてもよい。また、整流用筐体443は、整流用遮蔽軸442に対して摺動部の摩擦を軽減するために、玉軸受け又は固体潤滑部を有してもよい。
変形例4では、整流穴を2つとし、それぞれ整流穴447a、整流穴447bとする。整流用筐体443の整流穴の数は、2つに限定されない。整流穴447a,447bは、遮蔽板446と平行に配置し、遮蔽板446の回転運動によって、整流穴447aと整流穴447bのいずれか一方が塞がる。また、整流用筐体443には、空冷ファン441が固定される。
導流用筐体444は、整流穴447a,447bと同じ数の導流穴448a,448bを備える。また、導流用筐体444は、整流用筐体443に固定される。整流穴447a,447bから流れ出た気体は、導流穴448a,448bを介して、所望の位置へ分配される。整流穴447aは、例えば、導流穴448aを介して、静翼410へ流体450を放出する。整流穴447a,447bと導流穴448a,448bの数は、静翼410の数と等しいか、それ以上である。導流穴448a,448bは、静翼410に気体を送らなくてもよい。
《5−2》動作
制御装置182は、振動付与部470の流れ発生源440を制御することで、流体450の流量、速さ、密度、又は他の物理量に対して変動を加え、静翼410に発生する圧力勾配に時間的な変化を与えることで、保持部材150を揺動させる。
流れ発生源440の空冷ファン441は、安定した気体の流れを発生し、整流用遮蔽軸442と整流用筐体443とによって、気体の流れを整流穴447a又は447bで交互に放出されるように分割し、整流穴447aから周期性を有する気体の流れ、すなわち流体450を発生させる。
遮蔽板446に対して整流穴447aが開放されている面積に比例して、流体450の流量は周期的に増減する。空冷ファン441は、例えば、一定の角速度で回転している場合には、流体450の流量の変化において、単位時間当たりの変動は一定である。
遮蔽板446は、例えば、半円弧状の非対称な形状である。また、整流穴447aは、円周方向の4分の1に相当する範囲が開放された円弧状の貫通孔である。
流体450の流量は、遮蔽板446の円周方向の4つの領域において、4つの種類に変化する。この4つの領域を、例えば、領域A、領域B、領域Cおよび領域Dとする。例えば、4つの分類は、遮蔽板446の円周方向において、4分割されている。
流体450の流量は、円周方向の最初の4分の1に相当する範囲(領域A)で0(ゼロ)である。流体450の流量は、次の4分の1に相当する範囲(領域B)で単調に増加する。流体450の流量は、次の4分の1に相当する範囲(領域C)で一定である。流体450の流量は、最後の4分の1に相当する範囲(領域D)で単調に減少する。これらによって、流体450の流れは、周期的な流れとなる。
すなわち、流れ発生源440は、空冷ファン441の回転周期と同じ周期で流量が増減する流れを発生させる。空冷ファン441の回転周期を撓み部140の共振周波数(または、共振振動数)と一致させることで、保持部材150は微弱な空気流れでも安定した揺動を達成することができる。
導流穴448a,448bから放出される流体は、放熱板430の一部と接触又は放熱板430の近傍を通過して、静翼410に達してもよい。放熱板430は、導流穴448a,448bを介して流体へ熱量の一部を渡すことができる。すなわち、流れ発生源440は、放熱板430を介して光源部110を冷却する機能を備えることができる。
近年、投射光学機器の熱設計は、半導体光源部の高出力化に伴い、自然冷却から強制冷却へ変更されており、このため構造が複雑化している。投射光学機器40は、強制冷却に用いる空冷ファンと放熱板430に、簡単な部品を数点追加することで構成することができる。
一般に、強制冷却用の風を駆動力とする手段は、エネルギーハーベスティングにおいて一般的な手段として公知である。しかし、投射光学部材のような、可動方向に厳格な精度が要求される部品に駆動力を与える手段として、静翼による圧力勾配を利用して駆動させることは、一般的ではない。これは、部品間の摺動部の摩擦に打ち勝つほどの大きな駆動力を、エネルギーハーベスティングで利用する環境下で生じる力で達成することが技術的に困難だからである。
変形例4に係る投射光学機器40は、実施の形態で説明したように、投射光学部材の位置および姿勢を精度良く保つ構造を撓み部140で実現しており、摩耗などのエネルギー損耗が非常に少ない構成を採用している。このため、変形例4においては、強制冷却に用いられる空冷ファン441を、流れ発生源440として用いて静翼410に圧力勾配を生じさせる力を発生させた場合であっても、保持部材150及び投射光学部材120を十分に安定的に揺動させることができる。
《5−3》効果
以上に説明したように、変形例4に係る投射光学機器40によれば、簡単な改良によって、光源部110の冷却により出力を安定化させると同時に、投射光学部材120に対して安定した揺動を提供することができる。
《6》変形例5
図11は、変形例5に係る投射光学機器10aの撓み部の構成を概略的に示す斜視図である。図11において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1における符号と同じ符号が付される。
図1及び図2に示される例においては、複数の撓み部140の複数の板バネ141の長辺方向(Z軸方向)と短辺方向(Y軸方向)と厚み方向(X軸方向)とが共通であり、撓み部140はY軸方向にのみ曲がる(撓む)ことができる構成であった。
これに対して、図11に示される変形例5に係る投射光学機器10aの撓み部140は、第1の板バネ部141aと第2の板バネ部141bとを備える。なお、変形例5では、第1の板バネ部141aと第2の板バネ部141bとは、併せて1つの板バネであるとして説明する。そのため、板バネ141aと板バネ141bとを、1つの板バネの部分として説明する。つまり、変形例5では、2つの板バネ部141a,141bを備える板バネ141を採用している。
第1の板バネ部141aは、長辺方向をZ軸方向とし、短辺方向をY軸方向とし、厚み方向をX軸方向として配置されている。第2の板バネ部141bは、長辺方向をZ軸方向とし、短辺方向をX軸方向とし、厚み方向をY軸方向として配置されている。そして、図11に示されるように、第1の板バネ部141aと第2の板バネ部141bとは、長手方向の端部で連結されている。第1の板バネ部141aは、厚み方向であるX軸方向に撓むことができる。第2の板バネ部141bは、厚み方向であるY軸方向に撓むことができる。
このような構造により、図11の撓み部140は、X軸方向とY軸方向とに曲がる(撓む)ことができる。この点を除き、図11に示される投射光学機器10aは、実施の形態に係る投射光学機器10と同じである。
《7》変形例6
図16は、本発明の変形例6に係る前照灯装置901の構成を概略的に示す図である。
図16では、一例として、変形例2に係る投射光学機器20が搭載された前照灯装置901を示している。
投射光学機器20は、例えば、前照灯装置901の筐体903に取り付けられている。筐体903には、投射レンズ390とカバー902とが取り付けられている。
投射光学機器20から出射された投射光L22は、投射レンズ390に入射する。投射レンズ390は、投射光L22を投射する。
投射レンズ390から出射された投射光L22は、カバー902を透過して、前照灯装置901から出射される。
なお、上述の実施の形態及びその変形例においては、「平行」または「垂直」などの部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す用語を用いている場合がある。これらは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。このため、請求の範囲に部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す記載をした場合には、製造上の公差又は組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを示している。
また、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限るものではない。また、実施の形態及びその変形例の内のいずれかの構成を、適宜組み合わせることも可能である。
以上の実施の形態及びその変形例を基にして、以下に発明の内容を<付記1>及び<付記2>として記載する。
<付記1>
<付記1−1>
光を発する光源部と、
前記光源部から発せられた前記光を投射光に変換する投射光学部材と、
前記投射光学部材を、前記光源部の光軸方向に直交する少なくとも一方向に、前記光源部に対して可動に支持する支持部と、
前記光源部及び前記投射光学部材の少なくとも一方に振動を付与する振動付与部と
を備えたことを特徴とする投射光学機器。
<付記1−2>
前記支持部は、前記光源部と前記投射光学部材とを連結する撓み部を有することを特徴とする付記1−1に記載の投射光学機器。
<付記1−3>
前記支持部は、
前記光源部が支持される第1の支持部材と、
前記投射光学部材が支持される第2の支持部材と、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とを介して、前記光源部と前記投射光学部材とを連結する撓み部と
を有することを特徴とする付記1−1に記載の投射光学機器。
<付記1−4>
前記撓み部は、前記光軸方向に長尺な板バネを有することを特徴とする付記1−2又は1−3に記載の投射光学機器。
<付記1−5>
前記撓み部に取り付けられた共振点調節部材をさらに備えたことを特徴とする付記1−2から1−4のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−6>
前記少なくとも一方向は、前記光軸方向に直交する第1方向であることを特徴とする付記1−1から1−5のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−7>
前記少なくとも一方向は、前記光軸方向に直交する第1方向と、前記光軸方向と前記第1方向との両方に直交する第2方向とであることを特徴とする付記1−1から1−5のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−8>
前記振動付与部は、前記投射光学機器の外部で発生した外部振動を前記光源部に伝達する振動伝達部材であることを特徴とする付記1−1から1−7のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−9>
前記振動付与部は、前記光源部に振動を付与する振動発生装置であることを特徴とする付記1−1から1−7のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−10>
前記振動付与部は、
前記投射光学部材に備えられた静翼と、
前記静翼に向けて流体を送る流れ発生源と
を有することを特徴とする付記1−1から1−7のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−11>
前記投射光学部材は、レンズ及び蛍光体の内の少なくとも一方を有することを特徴とする付記1−1から1−10のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−12>
前記投射光学部材の変位量を測定する測定部と、
前記光源部から発せられる前記光の光量を、前記変位量に対応する光量になるよう増減させる制御装置と
をさらに備えることを特徴とする付記1−1から1−11のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記1−13>
前記測定部は、前記光源部から発せられた前記光の一部又は前記投射光の一部を検出する光検出器を有し、
前記制御装置は、前記光検出器の出力値の変動から前記投射光学部材の変位量を測定する
ことを特徴とする付記1−12に記載の投射光学機器。
<付記1−14>
前記制御装置は、前記投射光学部材の前記変位量から前記投射光学部材から出射される前記投射光の照射位置の変位量を事前に推定し、推定された前記変位量に対応するように、前記光源部から発せられる前記光の光量を増減させて配光制御を行うことを特徴とする付記1−12又は1−13に記載の投射光学機器。
<付記1−15>
前記制御装置は、前記撓み部の共振振動数から前記投射光学部材の変位量を事前に推定し、推定された前記変位量に対応するように前記光源部から発せられる前記光の光量を周期的に増減させることを特徴とする付記1−12又は1−13に記載の投射光学機器。
<付記1−16>
前記制御装置は、前記振動付与部の振動数から前記投射光学部材の変位量を事前に推定し、推定された前記変位量に対応するように前記光源部から発せられる前記光の光量を周期的に増減させることを特徴とする付記1−12又は1−13に記載の投射光学機器。
<付記1−17>
車両用の前照灯装置であって、
付記1−1から1−16のいずれか1つに記載の投射光学機器を備えたことを特徴とする前照灯装置。
<付記1−18>
車両用の前照灯装置であって、
付記1−8に記載の投射光学機器を備え、
前記投射光学機器の前記振動付与部は、前記外部振動として車両の振動を前記光源部に伝達する
ことを特徴とする前照灯装置。
<付記2>
<付記2−1>
光を発する光源部と、
前記光源部から発せられた前記光を投射光に変換する投射光学部材と、
前記投射光学部材を、前記光源部の光軸方向に直交する少なくとも一方向に、前記光源部に対して可動に支持する支持部と、
を備え
前記光源部および前記投射光学部材の少なくとも一方に振動が付与されることで、前記投射光学部材は、前記光源部に対して、前記光源部の光軸方向に直交する方向に振動する投射光学機器。
<付記2−2>
前記支持部は、前記光軸方向に直交する第1方向と、前記光軸方向と前記第1方向とに直交する第2方向に撓むことで前記光源部に対して前記投射光学部材を移動させる撓み部を備え、
前記撓み部の前記第1方向への撓みによる第1のばね定数と、前記第2方向への撓みによる第2のばね定数とは互いに異なる付記2−1に記載の投射光学機器。
<付記2−3>
前記撓み部は、柱形状をしている付記2−2に記載の投射光学機器。
<付記2−4>
前記撓み部は、前記光軸方向に長尺な板バネを備える付記2−2に記載の投射光学機器。
<付記2−5>
前記撓み部の前記板バネは、第1の板バネと第2の板バネを含み、
前記第1の板バネの撓み方向は、前記第1方向であり、
前記第2の板バネの撓み方向は、前記第2方向である
付記2−4に記載の投射光学機器。
<付記2−6>
前記支持部は、
前記光源部が支持される第1の支持部材と、
前記投射光学部材が支持される第2の支持部材と、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材と、
を備え、
前記撓み部は、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とを介して、前記光源部と前記投射光学部材とを連結する
付記2−2から2−5のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−7>
前記撓み部に取り付けられた共振点調節部材をさらに備えたことを特徴とする付記2−2から2−6のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−8>
前記投射光学部材は、前記投射光学部材で発生する熱を低減する放熱部を備え、
前記放熱部は、前記光源部から発せられた前記光を通す開口を備える付記2−1から2−7のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−9>
前記投射光学部材は、レンズである付記2−1から2−8のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−10>
前記投射光学部材は、前記光源部から発せられた前記光を励起光として蛍光を発する蛍光体である付記2−1から2−8のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−11>
前記光源部および前記投射光学部材の少なくとも一方に振動を付与する振動付与部を備える付記2−1から2−10のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−12>
前記振動付与部は、前記投射光学機器の外部で発生した外部振動を前記光源部に伝達する振動伝達部材である付記2−11に記載の投射光学機器。
<付記2−13>
前記振動付与部は、前記光源部に振動を付与する振動発生装置である付記2−11に記載の投射光学機器。
<付記2−14>
前記振動付与部は、前記投射光学部材に備えられた翼型部材を備え、
前記翼型部材は、流体を受けて振動する付記2−11に記載の投射光学機器。
<付記2−15>
前記振動付与部は、前記翼型部材に向けて前記流体を送る流れ発生源を備える付記2−14に記載の投射光学機器。
<付記2−16>
前記投射光学部材の変位量を測定する測定部と、
前記光源部から発せられる前記光の光量を、前記変位量に対応する光量になるよう増減させる制御部と
をさらに備える付記2−1から2−15のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−17>
前記測定部は、前記光源部から発せられた前記光の一部又は前記投射光の一部を検出する光検出器を備え、
前記制御部は、前記光検出器の出力値の変動から前記投射光学部材の変位量を測定する付記16に記載の投射光学機器。
<付記2−18>
前記制御部は、前記投射光学部材の前記変位量から前記投射光学部材から出射される前記投射光の照射位置の変位量を事前に推定し、推定された前記変位量に対応するように、前記光源部から発せられる前記光の光量を増減させて配光制御を行う付記2−16又は2−17に記載の投射光学機器。
<付記2−19>
前記制御部は、前記支持部の共振振動数から前記投射光学部材の変位量を事前に推定し、推定された前記変位量に対応するように前記光源部から発せられる前記光の光量を周期的に増減させる付記2−16又は2−17に記載の投射光学機器。
<付記2−20>
前記光源部および前記投射光学部材の少なくとも一方に振動を付与する振動付与部を備え、
前記制御部は、前記振動付与部の振動数から前記投射光学部材の変位量を事前に推定し、推定された前記変位量に対応するように前記光源部から発せられる前記光の光量を周期的に増減させることを特徴とする付記2−16又は2−17に記載の投射光学機器。
<付記2−21>
前記光源部又は前記投射光学部材に振動が付与される方向は、前記光軸方向に直交する方向である付記2−1から2−20のいずれか1つに記載の投射光学機器。
<付記2−22>
前記光源部又は前記投射光学部材に振動が付与される方向は、前記光軸方向に直交するとともに、互いに直交する2つの方向である付記2−1から2−20のいずれか1項に記載の投射光学機器。
<付記2−23>
車両に用いられる前照灯装置であって、
付記2−1から2−22のいずれか1つに記載の投射光学機器を備える前照灯装置。
<付記2−24>
車両に用いられる前照灯装置であって、
付記2−12に記載の投射光学機器を備え、
前記投射光学機器の前記振動付与部は、前記外部振動として車両の振動を前記光源部に伝達する前照灯装置。
<付記2−25>
車両に用いられる前照灯装置であって、
付記2−14に記載の投射光学機器を備え、
前記流体は、前記車両が走行することによる空気の流れである前照灯装置。
<付記2−26>
車両に用いられる前照灯装置であって、
付記2−15に記載の投射光学機器を備え、
前記流れ発生源は、前記車両が走行することによる空気の流れを前記翼型部材に導く前照灯装置。
10,10a,20,30,40 投射光学機器、 110,210,310 光源部、 111,211,311 発光源、 112,212,312 光源部光学部材、 113,213,313 光源部筐体、 120,220 投射光学部材、 130,330 筐体(第1の支持部材)、 140,140a,140b,340 撓み部、 141,141a,141b 板バネ、 142 固定部材、 143 固定部材、 144 共振点調節部材、 150 保持部材(第2の支持部材)、 160 支持部、 170,270,370,470 振動付与部、 410 静翼、 420 静翼支持部、 430 放熱板、 440 流れ発生源、 450 流体の流れ、 901 前照灯装置、 902 カバー、 903 筐体、 L11,L21,L31 光(入射光)、 L12,L12a,L12b,L22,L32,L32a,L32b 投射光(出射光)。
本発明に係る投射光学機器は、光を発する光源部と、前記光源部から発せられた前記光を投射光に変換する投射光学部材と、前記投射光学部材を、前記光源部の光軸方向に直交する少なくとも一方向に、前記光源部に対して可動に支持する支持部と、を備え、前記光源部および前記投射光学部材の少なくとも一方に振動が付与されることで、前記投射光学部材は、前記光源部に対して、前記光源部の光軸方向に直交する方向に振動し、前記支持部は、前記光軸方向に直交する第1方向と、前記光軸方向と前記第1方向とに直交する第2方向に撓むことで前記光源部に対して前記投射光学部材を移動させる撓み部を備え、前記撓み部の前記第1方向への撓みによる第1のばね定数と、前記第2方向への撓みによる第2のばね定数とは互いに異なることを特徴とする。

Claims (11)

  1. 光を発する光源部と、
    前記光源部から発せられた前記光を投射光に変換する投射光学部材と、
    前記投射光学部材を、前記光源部の光軸方向に直交する少なくとも一方向に、前記光源部に対して可動に支持する支持部と、
    を備え
    前記光源部および前記投射光学部材の少なくとも一方に振動が付与されることで、前記投射光学部材は、前記光源部に対して、前記光源部の光軸方向に直交する方向に振動する投射光学機器。
  2. 前記支持部は、前記光軸方向に直交する第1方向と、前記光軸方向と前記第1方向とに直交する第2方向に撓むことで前記光源部に対して前記投射光学部材を移動させる撓み部を備え、
    前記撓み部の前記第1方向への撓みによる第1のばね定数と、前記第2方向への撓みによる第2のばね定数とは互いに異なる
    請求項1に記載の投射光学機器。
  3. 前記撓み部は、柱形状をしている請求項2に記載の投射光学機器。
  4. 前記撓み部は、前記光軸方向に長尺な板バネを備える請求項2に記載の投射光学機器。
  5. 前記撓み部の前記板バネは、第1の板バネと第2の板バネを含み、
    前記第1の板バネの撓み方向は、前記第1方向であり、
    前記第2の板バネの撓み方向は、前記第2方向である
    請求項4に記載の投射光学機器。
  6. 前記投射光学部材は、前記投射光学部材で発生する熱を低減する放熱部を備え、
    前記放熱部は、前記光源部から発せられた前記光を通す開口を備える
    請求項1から5のいずれか1項に記載の投射光学機器。
  7. 前記投射光学部材は、前記光源部から発せられた前記光を励起光として蛍光を発する蛍光体である
    請求項1から6のいずれか1項に記載の投射光学機器。
  8. 前記光源部および前記投射光学部材の少なくとも一方に振動を付与する振動付与部を備える
    請求項1から7のいずれか1項に記載の投射光学機器。
  9. 前記光源部又は前記投射光学部材に振動が付与される方向は、前記光軸方向に直交する方向である請求項1から8のいずれか1項に記載の投射光学機器。
  10. 前記光源部又は前記投射光学部材に振動が付与される方向は、前記光軸方向に直交するとともに、互いに直交する2つの方向である請求項1から8のいずれか1項に記載の投射光学機器。
  11. 車両に用いられる前照灯装置であって、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の投射光学機器を備える前照灯装置。
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