JPWO2017033392A1 - 摩擦伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

摩擦伝動ベルト(B)のプーリ接触部(11)がEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成されている。ゴム成分のEPDM混合物は、エチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むと共に、第1のEPDMの含有量よりも第2のEPDMの含有量の方が多く、且つ平均のエチレン含量が54質量%以上59質量%以下である。

Description

本発明は摩擦伝動ベルトに関する。
プーリ接触部がEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)をゴム成分とするゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトは公知である。
特許文献1には、プーリ接触部の圧縮ゴム層が、エチレン含量が40質量%以上59質量%以下であるEPDMと、エチレン含量が68質量%以上90質量%以下であるEPDMとを含むEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成されたVリブドベルトが開示されている。
特許文献2には、プーリ接触部の圧縮ゴム層が、分子量が10以上で且つエチレン含量が65質量%以上である高分子量成分のEPDMを7質量%以上12質量%以下と、分子量が10以下で且つエチレン含量が60質量%以下である低分子量成分のEPDMを26質量%以上60質量%以下とを含むEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成されたVリブドベルトが開示されている。
特許文献3には、ベルト本体のプーリ接触部のゴム層が、エチレン含量が70%又は85%のEPDMと、エチレン含量が52%のEPDMとを含むEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成された平ベルトが開示されている。
特許文献4には、プーリ接触部の圧縮ゴム層が、エチレン含量が70%のEPDMと、エチレン含量が50%のEPDMとを含むEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成されたVリブドベルトが開示されている。
特開2006−300149号公報 特開2002−081506号公報 再表2010/047029号公報 再表2007/018148号公報
本発明の摩擦伝動ベルトは、プーリ接触部がEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成され、前記ゴム成分のEPDM混合物は、エチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むと共に、前記第1のEPDMの含有量よりも前記第2のEPDMの含有量の方が多く、且つ平均のエチレン含量が54質量%以上59質量%以下である。
実施形態に係るVリブドベルトの斜視図である。 実施形態に係るVリブドベルトを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置のプーリレイアウトを示す図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法を示す第1の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法を示す第2の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法を示す第3の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法を示す第4の説明図である。 実施形態に係るVリブドベルトの製造方法を示す第5の説明図である。 その他の実施形態に係るローエッジ型Vベルトの斜視図である。 その他の実施形態に係る平ベルトの斜視図である。 ベルト走行試験機のプーリレイアウトを示す図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(Vリブドベルト)
図1は、実施形態に係るVリブドベルトB(摩擦伝動ベルト)を示す。実施形態に係るVリブドベルトBは、例えば、自動車のエンジンルーム内に設けられる補機駆動用のベルト伝動装置等に用いられるエンドレスのものである。実施形態に係るVリブドベルトBは、例えば、ベルト長さが700mm以上3000mm以下、ベルト幅が10mm以上36mm以下、及びベルト厚さが4.0mm以上5.0mm以下である。
実施形態に係るVリブドベルトBは、ベルト内周側のプーリ接触部を構成する圧縮ゴム層11とベルト外周側の接着ゴム層12との二重層に構成されたゴム製のVリブドベルト本体10を備えている。Vリブドベルト本体10における接着ゴム層12のベルト外周側には背面補強布13が貼設されている。また、接着ゴム層12の厚さ方向の中間部には、ベルト幅方向にピッチを有する螺旋を形成するように配された心線14が埋設されている。なお、背面補強布13の代わりに背面ゴム層が設けられた構成であってもよい。
圧縮ゴム層11は、複数のVリブ15がベルト内周側に垂下するように設けられている。複数のVリブ15は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略逆三角形の突条に形成されていると共に、ベルト幅方向に並設されている。各Vリブ15は、例えば、リブ高さが2.0mm以上3.0mm以下、基端間の幅が1.0mm以上3.6mm以下である。Vリブ数は例えば3個以上6個以下である(図1では6個)。
圧縮ゴム層11は、ゴム成分に架橋剤を含む種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧してゴム成分を架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム成分はEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)混合物である。
ゴム成分のEPDM混合物は、エチレン含量が67質量%以上である1種又は2種以上の第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である1種又は2種以上の第2のEPDMとを含む。なお、ゴム成分のEPDM混合物は、エチレン含量が57質量%よりも高く且つ67質量%よりも低い第3のEPDMを含んでいてもよい。
第1のEPDMのエチレン含量は、67質量%以上であるが、好ましくは68質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは76質量%以下である。第2のEPDMのエチレン含量は、57質量%以下であるが、好ましくは45質量%以上、より好ましくは47質量%以上であり、また、好ましくは55質量%以下、より好ましくは53質量%以下である。
第1のEPDMのエチレン含量の第2のEPDMのエチレン含量に対する比(第1のEPDMのエチレン含量/第2のEPDMのエチレン含量)は、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.4以上であり、また、好ましくは1.7以下、より好ましくは1.6以下である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のエチレン含量は54質量%以上59質量%質量%以下であり、好ましくは55質量%以上であり、また、好ましくは58質量%以下である。
第1及び第2のEPDMのジエン成分としては、例えば、エチリデンノボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。これらのうちエチリデンノボルネンが好ましい。第1及び第2のEPDMのジエン成分は同一であることが好ましい。
第1のEPDMのジエン成分がエチリデンノボルネンである場合、ENB含量は、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.5質量%以上であり、また、好ましくは7.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。第2のEPDMのジエン成分がエチリデンノボルネンである場合、ENB含量は、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは6.0質量%以下である。
第1及び第2のEPDMのジエン成分がエチリデンノボルネンである場合、第1のEPDMのENB含量の第2のEPDMのENB含量に対する比(第1のEPDMのENB含量/第2のEPDMのENB含量)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上であり、また、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。また、ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量は、好ましくは3.0質量%以上、より好ましくは4.0質量%以上であり、また、好ましくは7.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。
ゴム成分のEPDM混合物における第1のEPDMの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。ゴム成分のEPDM混合物における第2のEPDMの含有量は、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、また、好ましくは85質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
ゴム成分のEPDM混合物では、第1のEPDMの含有量よりも第2のEPDMの含有量の方が多い。ゴム成分のEPDM混合物における第1のEPDMの含有量の第2のEPDMの含有量に対する比(第1のEPDMの含有量/第2のEPDMの含有量)は、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.25以上であり、また、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である。
第1のEPDMの125℃におけるムーニー粘度は、好ましくは40ML1+4(125℃)以上、より好ましくは50ML1+4(125℃)以上であり、また、好ましくは80ML1+4(125℃)以下、より好ましくは70ML1+4(125℃)以下である。第2のEPDMの125℃におけるムーニー粘度は、好ましくは10ML1+4(125℃)以上、より好ましくは15ML1+4(125℃)以上であり、また、好ましくは50ML1+4(125℃)以下、より好ましくは35ML1+4(125℃)以下である。ムーニー粘度は、JISK6300に基づいて測定される。
第1のEPDMの125℃におけるムーニー粘度は、第2のEPDMの125℃におけるムーニー粘度よりも高いことが好ましい。第1のEPDMの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDMの125℃におけるムーニー粘度に対する比(第1のEPDMのムーニー粘度/第2のEPDMのムーニー粘度)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であり、また、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下である。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物は、ゴム成分のEPDM混合物が硫黄により架橋されていることが好ましい。圧縮ゴム層11の形成前の未架橋ゴム組成物における硫黄の配合量は、ゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上であり、また、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下である。なお、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物は、ゴム成分のEPDM混合物が有機過酸化物により架橋されていてもよく、また、硫黄及び有機過酸化物の両方により架橋されていてもよい。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物におけるゴム成分のEPDM混合物が硫黄により架橋されている場合、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物は、チウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤を含有することが好ましい。この場合、圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物は、チウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤のみを含有していてもよく、また、これら以外の加硫促進剤を更に含有していてもよい。
チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等が挙げられる。チウラム系加硫促進剤は、これらのうち1種又は2種以上を用いることが好ましい。チウラム系加硫促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)を用いることがより好ましい。圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物におけるチウラム系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)等が挙げられる。スルフェンアミド系加硫促進剤は、これらのうち1種又は2種以上を用いることが好ましい。スルフェンアミド系加硫促進剤としてN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)を用いることがより好ましい。圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物におけるスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上であり、また、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物におけるチウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤の合計の含有量は、ゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは4.5質量部以下、より好ましくは3.5質量部以下である。圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物におけるチウラム系加硫促進剤の含有量のスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量に対する比(チウラム系加硫促進剤の含有量/スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量)は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であり、また、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物は短繊維16を含有していてもよい。その場合、短繊維16は、圧縮ゴム層11にベルト幅方向に配向するように含まれていることが好ましく、また、圧縮ゴム層11のVリブ15表面に露出する短繊維16は、一部が表面から突出していることが好ましい。なお、短繊維16がゴム組成物に配合された構成ではなく、圧縮ゴム層11のVリブ15表面に短繊維が植毛された構成であってもよい。
短繊維16としては、例えば、ナイロン短繊維、ビニロン短繊維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維、綿短繊維等が挙げられる。短繊維16は、これらのうち1種又は2種以上を用いることが好ましい。短繊維16としてナイロン短繊維を用いることがより好ましい。短繊維16は、例えばRFL水溶液等に浸漬した後に加熱する接着処理が施された長繊維を所定長に切断して製造することができる。短繊維16は、例えば、長さが0.2mm以上5.0mm以下、繊維径が10μm以上50μm以下である。短繊維16の含有量は、ゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して例えば10質量部以上30質量部以下である。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物に含まれるその他の配合剤としては、例えば、カーボンブラックなどの補強材、軟化剤、加工助剤、加硫促進助剤等が挙げられる。
圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物について、JIS K6394に基づいて、幅5mm、長さ50mm、及び厚さ1mmの試験片を用い、試験周波数10Hz、荷重130g、及びひずみ振幅0.05%として、試験温度を走査して測定されるベルト長さ方向に対応する反列理方向の損失係数(tanδ)のピーク温度は、好ましくは−50℃以上、より好ましくは−45℃以上であり、また、好ましくは−25℃以下、より好ましくは−30℃以下である。
接着ゴム層12は、断面横長矩形の帯状に構成されており、その厚さが例えば1.0mm以上2.5mm以下である。接着ゴム層12は、ゴム成分に架橋剤を含む種々の配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧してゴム成分を架橋剤により架橋させたゴム組成物で形成されている。
接着ゴム層12を形成するゴム組成物は、ゴム成分が硫黄により架橋されたものであっても、また、有機過酸化物を架橋剤として架橋したものであっても、更に、硫黄及び有機過酸化物を架橋剤として併用して架橋したものであっても、いずれでもよい。
接着ゴム層12を形成するゴム組成物のゴム成分としては、例えば、エチレン−α−オレフィンエラストマー(EPDM、EPRなど)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)等が挙げられる。接着ゴム層12を形成するゴム組成物のゴム成分は圧縮ゴム層11と同様にEPDMであることが好ましい。
接着ゴム層12を形成するゴム組成物に含まれる配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫促進剤、カーボンブラックなどの補強材、軟化剤、加工助剤、加硫促進助剤等が挙げられる。
背面補強布13は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等の布材で構成されている。背面補強布13の厚さは例えば0.4mm以上1.5mm以下である。背面補強布13には、Vリブドベルト本体10との接着のための接着処理が施されている。
心線14は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維等で形成された撚り糸で構成されている。心線の直径は例えば0.5mm以上2.5mm以下であり、断面における相互に隣接する心線14中心間の寸法は例えば0.05mm以上0.20mm以下である。心線14にも、Vリブドベルト本体10との接着のための接着処理が施されている。
以上の構成の実施形態に係るVリブドベルトBによれば、プーリ接触部を構成する圧縮ゴム層11を形成するゴム組成物のゴム成分のEPDM混合物が、エチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むと共に、第1のEPDMの含有量よりも第2のEPDMの含有量の方が多く、且つ平均のエチレン含量が54質量%以上59質量%以下であるので、優れた耐寒性及び耐摩耗性を得ることができる。
(自動車の補機駆動ベルト伝動装置20)
図2は、実施形態に係るVリブドベルトBを用いた自動車の補機駆動ベルト伝動装置20のプーリレイアウトを示す。この補機駆動ベルト伝動装置20は、VリブドベルトBが4つのリブプーリ及び2つの平プーリの6つのプーリに巻き掛けられて動力を伝達するサーペンタインドライブ方式のものである。
この補機駆動ベルト伝動装置20では、最上位置にリブプーリのパワーステアリングプーリ21が設けられ、そのパワーステアリングプーリ21の右斜め下方にはリブプーリのACジェネレータプーリ22が設けられている。また、パワーステアリングプーリ21の左斜め下方には平プーリのテンショナプーリ23が設けられており、そのテンショナプーリ23の下方には平プーリのウォーターポンププーリ24が設けられている。更に、テンショナプーリ23及びウォーターポンププーリ24の左斜め下方にはリブプーリのクランクシャフトプーリ25が設けられており、ウォーターポンププーリ24及びクランクシャフトプーリ25の右斜め下方にはリブプーリのエアコンプーリ26が設けられている。これらのプーリは、例えば、金属のプレス加工品や鋳物、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂成形品で構成されており、また、プーリ径がφ50mm以上150mm以下である。
そして、この補機駆動ベルト伝動装置20では、VリブドベルトBは、Vリブ15側が接触するようにパワーステアリングプーリ21に巻き掛けられ、次いで、ベルト背面が接触するようにテンショナプーリ23に巻き掛けられた後、Vリブ15側が接触するようにクランクシャフトプーリ25及びエアコンプーリ26に順に巻き掛けられ、更に、ベルト背面が接触するようにウォーターポンププーリ24に巻き掛けられ、そして、Vリブ15側が接触するようにACジェネレータプーリ22に巻き掛けられ、最後にパワーステアリングプーリ21に戻るように設けられている。プーリ間で掛け渡されるVリブドベルトBの長さであるベルトスパン長は例えば50mm以上300mm以下である。プーリ間で生じ得るミスアライメントは0°以上2°以下である。
(VリブドベルトBの製造方法)
実施形態に係るVリブドベルトBの製造方法について図3〜7に基づいて説明する。
実施形態に係るVリブドベルトBの製造方法は、準備工程、成形工程、架橋工程、研削工程、及び幅切工程を有し、VリブドベルトBのVリブ15を研削工程における研削により形成する。
<準備工程>
まず、ゴム成分に各配合物を配合し、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機で混練し、得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形等によってシート状に成形して圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’を作製する。このとき、ゴム成分としてエチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むEPDM混合物を用いる。圧縮ゴム層11に短繊維16を含める場合には、この未架橋ゴムシート11’に短繊維16を配合すればよい。同様に、接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’も作製する。
また、背面補強布13を構成する布材13’に対して接着処理を施す。具体的には、布材13’に対して、プライマー溶液に浸漬して加熱する接着処理、RFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、ゴム糊に浸漬して乾燥させる接着処理、及びVリブドベルト本体10側となる面にゴム糊をコーティングして乾燥させる接着処理のうち1種又は2種以上の接着処理を施す。
更に、心線14を構成する撚り糸14’に対して接着処理を施す。具体的には、撚り糸14’に対して、プライマー溶液に浸漬して加熱する接着処理、RFL水溶液に浸漬して加熱する接着処理、及びゴム糊に浸漬して乾燥させる接着処理を施す。
<成形工程>
次いで、図3に示すように、円筒型31の外周上に、背面補強布13を構成する接着処理を施した布材13’、及び接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’を順に巻き付けて積層し、その上に心線14を構成する接着処理を施した撚り糸14’を円筒型31に対して螺旋状に一定の張力を付与して巻き付け、更にその上に接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’及び圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’を順に巻き付けて積層することによりベルト形成用成形体B’を成形する。このとき、接着ゴム層12用の未架橋ゴムシート12’については、その引出方向である列理方向がベルト長さ方向に対応するように巻き付け、圧縮ゴム層11用の未架橋ゴムシート11’については、その列理方向に直交する反列理方向がベルト長さ方向に対応するように巻き付ける。
<架橋工程>
次いで、図4に示すように、ベルト形成用成形体B’にゴムスリーブ32を被せ、それを加硫缶内に配置して密閉すると共に、加硫缶内に高温及び高圧の蒸気を充填して所定時間だけ保持する。このとき、未架橋ゴムシート11’,12’の架橋が進行して一体化すると共に布材13’及び撚り糸14’と複合化し、図5に示すように、最終的に、円筒状のベルトスラブSが成型される。
<研削工程>
続いて、加硫缶内から蒸気を排出して密閉を解き、円筒型31上に成型されたベルトスラブSを型抜きし、図6に示すように、ベルトスラブSを一対のスラブ掛け渡し軸33間に掛け渡すと共に、ベルトスラブSの外周面に対し、周方向に延びるVリブ形状溝が外周面の軸方向に連設された研削砥石34を回転させながら当接させ、また、ベルトスラブSも一対のスラブ掛け渡し軸33間で回転させることにより、その外周面を全周に渡って研削する。このとき、図7に示すように、ベルトスラブSの外周面にはVリブ15が形成される。なお、ベルトスラブSは、必要に応じて長さ方向に分割して研削を行ってもよい。
<幅切工程>
そして、研削によりVリブ15を形成したベルトスラブSを所定幅に幅切りして表裏を裏返すことによりVリブドベルトBが得られる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、VリブドベルトBを事例としたが、圧縮ゴム層11がゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトであれば特にこれに限定されるものではなく、例えば、図8に示すようなローエッジ型のVベルトBであってもよく、また、図9に示すような平ベルトBであってもよい。
(Vリブドベルト)
上記実施形態と同様の方法により次の実施例1〜4及び比較例1〜3のVリブドベルトを作製した。なお、それぞれの圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートの配合について表1にも示す。
<実施例1>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートとして、第1のEPDM−A(エチレン含量:72質量%、ENB含量:4.8質量%、ムーニー粘度:65ML1+4(125℃))30質量%と、第2のEPDM−B(エチレン含量:50質量%、ENB含量:4.4質量%、ムーニー粘度:30ML1+4(125℃))70質量%とを含有するEPDM混合物をゴム成分とし、このゴム成分100質量部に対し、架橋剤の硫黄2質量部、チウラム系加硫促進剤のテトラエチルチウラムジスルフィド1質量部、スルフェンアミド系加硫促進剤1質量部、FEFカーボンブラック60質量部、軟化剤10質量部、加工助剤のステアリン酸1質量部、及び加硫促進助剤の酸化亜鉛5質量部、及びナイロン短繊維(繊維長:1.0mm 繊維径:26μm)20質量部を配合してバンバリーミキサーで混練後、カレンダロールで圧延したものを用いた。
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートにおいて、第1のEPDM−Aのエチレン含量の第2のEPDM−Bのエチレン含量に対する比(第1のEPDM−Aのエチレン含量/第2のEPDM−Bのエチレン含量)は1.4である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のエチレン含量は57質量%である。第1のEPDM−AのENB含量の第2のEPDM−BのENB含量に対する比(第1のEPDM−AのENB含量/第2のEPDM−BのENB含量)は1.1である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量は4.5質量%である。第1のEPDM−Aの含有量の第2のEPDM−Bの含有量に対する比(第1のEPDM−Aの含有量/第2のEPDM−Bの含有量)は0.43である。第1のEPDM−Aの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDM−Bの125℃におけるムーニー粘度に対する比(第1のEPDM−Aのムーニー粘度/第2のEPDM−Bのムーニー粘度)は2.2である。チウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤の合計の含有量はゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して2質量部である。チウラム系加硫促進剤の含有量のスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量に対する比(チウラム系加硫促進剤の含有量/スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量)は1である。
接着ゴム層用の未架橋ゴムシートとして、EPDMをゴム成分とし、圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートと同様にして作製したものを用いた。
背面補強布用の布材として、綿/ポリエステルの混紡繊維製の織布に接着処理を施したものを用いた。心線用の撚り糸として、ポリエステル繊維製の撚り糸に接着処理を施したものを用いた。
実施例1のVリブドベルトは、ベルト長さが1115mm、ベルト幅が10.68mm(Vリブ数3個)、ベルト厚さが4.3mm、及びVリブ高さが2.0mmであった。
<実施例2>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、第2のEPDM−Bの代わりに、第2のEPDM−C(エチレン含量:47質量%、ENB含量:9.8質量%、ムーニー粘度:32ML1+4(125℃))を用いた以外は実施例1と同一構成のVリブドベルトを実施例2とした。
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートにおいて、第1のEPDM−Aのエチレン含量の第2のEPDM−Cのエチレン含量に対する比(第1のEPDM−Aのエチレン含量/第2のEPDM−Cのエチレン含量)は1.5である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のエチレン含量は55質量%である。第1のEPDM−AのENB含量の第2のEPDM−CのENB含量に対する比(第1のEPDM−AのENB含量/第2のEPDM−CのENB含量)は0.49である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量は8.3質量%である。第1のEPDM−Aの含有量の第2のEPDM−Cの含有量に対する比(第1のEPDM−Aの含有量/第2のEPDM−Cの含有量)は0.43である。第1のEPDM−Aの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDM−Cの125℃におけるムーニー粘度に対する比(第1のEPDM−Aのムーニー粘度/第2のEPDM−Cのムーニー粘度)は2.0である。
<実施例3>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、スルフェンアミド系加硫促進剤の代わりに、チアゾール系加硫促進剤の2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)を用いた以外は実施例1と同一構成のVリブドベルトを実施例3とした。
<実施例4>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、チウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤の代わりに、チアゾール系加硫促進剤の2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)及びチオカルバミン系加硫促進剤のジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)を用いた以外は実施例1と同一構成のVリブドベルトを実施例4とした。
<比較例1>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、第2のEPDM−Bの代わりに、第2のEPDM−D(エチレン含量:45質量%、ENB含量:7.6質量%、ムーニー粘度:45ML1+4(125℃))を用いた以外は実施例1と同一構成のVリブドベルトを比較例1とした。
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートにおいて、第1のEPDM−Aのエチレン含量の第2のEPDM−Dのエチレン含量に対する比(第1のEPDM−Aのエチレン含量/第2のEPDM−Dのエチレン含量)は1.6である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のエチレン含量は53質量%である。第1のEPDM−AのENB含量の第2のEPDM−DのENB含量に対する比(第1のEPDM−AのENB含量/第2のEPDM−DのENB含量)は0.63である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量は6.8質量%である。第1のEPDM−Aの含有量の第2のEPDM−Dの含有量に対する比(第1のEPDM−Aの含有量/第2のEPDM−Dの含有量)は0.43である。第1のEPDM−Aの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDM−Dの125℃におけるムーニー粘度に対する比(第1のEPDM−Aのムーニー粘度/第2のEPDM−Dのムーニー粘度)は1.4である。
<比較例2>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、第1のEPDM−Aの代わりに、第1のEPDM−E(エチレン含量:62質量%、ENB含量:4.5質量%、ムーニー粘度:75ML1+4(125℃))、及び第2のEPDM−Bの代わりに、第2のEPDM−F(エチレン含量:54質量%、ENB含量:4.5質量%、ムーニー粘度:27ML1+4(125℃))70質量%を用いた以外は実施例1と同一構成のVリブドベルトを比較例2とした。
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートにおいて、第1のEPDM−Eのエチレン含量の第2のEPDM−Fのエチレン含量に対する比(第1のEPDM−Eのエチレン含量/第2のEPDM−Fのエチレン含量)は1.1である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のエチレン含量は56質量%である。第1のEPDM−EのENB含量の第2のEPDM−FのENB含量に対する比(第1のEPDM−EのENB含量/第2のEPDM−FのENB含量)は1である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量は4.5質量%である。第1のEPDM−Eの含有量の第2のEPDM−Fの含有量に対する比(第1のEPDM−Eの含有量/第2のEPDM−Fの含有量)は0.43である。第1のEPDM−Eの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDM−Fの125℃におけるムーニー粘度に対する比(第1のEPDM−Eのムーニー粘度/第2のEPDM−Fのムーニー粘度)は2.8である。
<比較例3>
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、第2のEPDM−Bの代わりに、第2のEPDM−G(エチレン含量:56質量%、ENB含量:3.8質量%、ムーニー粘度:25ML1+4(125℃))を用いた以外は実施例1と同一構成のVリブドベルトを実施例4とした。
圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートにおいて、第1のEPDM−Aのエチレン含量の第2のEPDM−Gのエチレン含量に対する比(第1のEPDM−Aのエチレン含量/第2のEPDM−Gのエチレン含量)は1.3である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のエチレン含量は61質量%である。第1のEPDM−AのENB含量の第2のEPDM−GのENB含量に対する比(第1のEPDM−AのENB含量/第2のEPDM−GのENB含量)は1.3である。ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量は4.1質量%である。第1のEPDM−Aの含有量の第2のEPDM−Gの含有量に対する比(第1のEPDM−Aの含有量/第2のEPDM−Gの含有量)は0.43である。第1のEPDM−Aの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDM−Eの125℃におけるムーニー粘度に対する比(第1のEPDM−Aのムーニー粘度/第2のEPDM−Eのムーニー粘度)は2.6である。
Figure 2017033392
(試験方法)
<損失係数ピーク温度>
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれで用いた圧縮ゴム層用の未架橋ゴムシートについて、ナイロン短繊維を配合していない未架橋ゴムシートを準備した。そして、それを170℃及び20分の条件でプレス成型した架橋済ゴム組成物シートについて、JISK6394に基づいて、試験周波数10Hz、平均ひずみ1.5%、及びひずみ振幅1.0%として、試験温度を走査してベルト長さ方向に対応する反列理方向の損失係数(tanδ)を測定し、そのピーク温度を求めた。
<ベルト走行試験>
図10は、ベルト走行試験機40のプーリレイアウトを示す。
このベルト走行試験機40は、最上位置に設けられたプーリ径φ120mmの第1従動リブプーリ41と、それと上下方向に並ぶように設けられたプーリ径φ120mmの駆動リブプーリ42と、それらの上下方向中間に設けられたプーリ径φ70mmのアイドラプーリ43と、アイドラプーリ43の右方に設けられたプーリ径φ45mmの第2従動リブプーリ44とを有する。このベルト走行試験機40には、VリブドベルトBは、Vリブ側が第1従動リブプーリ41、駆動リブプーリ42、及び第2従動リブプーリ44に、並びにベルト背面がアイドラプーリ43にそれぞれ接触し、且つ第2従動リブプーリ44及びアイドラプーリ43への巻き掛け角度がそれぞれ90°となるように巻き掛けられる。また、第2従動リブプーリ44は、VリブドベルトBにベルト張力を負荷できるように左右方向に可動に構成されている。
―耐寒性評価試験―
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれのVリブドベルトBについて、ベルト走行試験機40の第1従動リブプーリ41、駆動リブプーリ42、アイドラプーリ43、及び第2従動リブプーリ44に巻き掛け、第2従動リブプーリ44を側方に引っ張るように834Nの荷重(デッドウェイトDW)を負荷すると共に第1従動リブプーリ41に12kW(16馬力)の回転動力負荷を与え、−40℃の雰囲気温度下で駆動リブプーリ42を反時計回りに回転数4900rpmで回転させての1時間のベルト走行及び駆動リブプーリ42を停止させての1時間の静止を繰り返した。そして、ベルト走行積算時間が10時間となる毎に、圧縮ゴム層の表面を目視確認し、圧縮ゴム層に割れが認められた時点で試験を停止し、それまでのベルト走行積算時間をベルト耐寒寿命とした。なお、ベルト走行積算時間を最長100時間とした。
―耐摩耗性評価試験―
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれのVリブドベルトBについて、質量を測定した後、ベルト走行試験機40の第1従動リブプーリ41、駆動リブプーリ42、アイドラプーリ43、及び第2従動リブプーリ44に巻き掛け、第2従動リブプーリ44を側方に引っ張るように834Nの荷重(デッドウェイトDW)を負荷すると共に第1従動リブプーリ41に12kW(16馬力)の回転動力負荷を与え、80℃の雰囲気温度下で駆動リブプーリ42を反時計回りに回転数4900rpmで回転させて200時間のベルト走行を行った。そして、ベルト走行後のVリブドベルトBの質量を測定し、ベルト走行前後の質量の減量をベルト走行前の質量で除することによりベルト摩耗率を算出した。
(試験結果)
試験結果を表1に示す。
表1によれば、プーリ接触部を構成する圧縮ゴム層を形成するゴム組成物のゴム成分のEPDM混合物について、エチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むと共に、第1のEPDMの含有量よりも第2のEPDMの含有量の方が多く、且つ平均のエチレン含量が54質量%以上59質量%以下であるという条件を満足する実施例1〜3は、平均のエチレン含量が54質量%以上59質量%以下であるという条件を満足しない比較例1及び3と比較して耐寒性が優れることが分かる。
また、実施例1〜3は、平均のエチレン含量が54質量%よりも低い比較例1、及びエチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むという条件を満足しない比較例2と比較して耐摩耗性が優れることが分かる。
本発明は摩擦伝動ベルトの技術分野について有用である。
B Vリブドベルト,Vベルト,平ベルト(摩擦伝動ベルト)
11 圧縮ゴム層(プーリ接触部)

Claims (12)

  1. プーリ接触部がEPDM混合物をゴム成分とするゴム組成物で形成された摩擦伝動ベルトであって、
    前記ゴム成分のEPDM混合物は、エチレン含量が67質量%以上である第1のEPDMと、エチレン含量が57質量%以下である第2のEPDMとを含むと共に、前記第1のEPDMの含有量よりも前記第2のEPDMの含有量の方が多く、且つ平均のエチレン含量が54質量%以上59質量%以下である摩擦伝動ベルト。
  2. 請求項1に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記第1のEPDMのエチレン含量の前記第2のEPDMのエチレン含量に対する比が1.3以上1.7以下である摩擦伝動ベルト。
  3. 請求項1又は2に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記第1及び第2のEPDMのジエン成分がエチリデンノボルネンであり、且つ前記第1のEPDMのENB含量の前記第2のEPDMのENB含量に対する比が0.5以上2.0以下である摩擦伝動ベルト。
  4. 請求項3に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム成分のEPDM混合物における平均のENB含量が3.0質量%以上7.0質量%以下である摩擦伝動ベルト。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム成分のEPDM混合物における前記第1のEPDMの含有量の前記第2のEPDMの含有量に対する比が0.15以上0.8以下である摩擦伝動ベルト。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記第1のEPDMの125℃におけるムーニー粘度の方が前記第2のEPDMの125℃におけるムーニー粘度よりも高い摩擦伝動ベルト。
  7. 請求項6に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記第1のEPDMの125℃におけるムーニー粘度の第2のEPDMの125℃におけるムーニー粘度に対する比が1.5以上4.0以下である摩擦伝動ベルト。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物の前記ゴム成分のEPDM混合物が硫黄により架橋されている摩擦伝動ベルト。
  9. 請求項3に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物は、チウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤を含有する摩擦伝動ベルト。
  10. 請求項9に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物におけるチウラム系加硫促進剤及びスルフェンアミド系加硫促進剤の合計の含有量が、前記ゴム成分のEPDM混合物100質量部に対して1.0質量部以上4.5質量部以下である摩擦伝動ベルト。
  11. 請求項9又は10に記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物におけるチウラム系加硫促進剤の含有量のスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量に対する比が0.2以上2.0以下である摩擦伝動ベルト。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載された摩擦伝動ベルトにおいて、
    前記ゴム組成物について、JIS K6394に基づいて、幅5mm、長さ50mm、及び厚さ1mmの試験片を用い、試験周波数10Hz、荷重130g、及びひずみ振幅0.05%として、試験温度を走査して測定されるベルト長さ方向に対応する方向の損失係数のピーク温度が−25℃以下である摩擦伝動ベルト。
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