JPWO2017010464A1 - 活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、マイグレーション量を抑制し、表面硬化性も良好な活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。上記目的は、光重合性化合物、光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記光開始剤は、光重合性基を有する光開始剤を含有し、前記活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含有し、ゾルゲル相転移する、本発明活性光線硬化型インクジェットインクによって解決される。

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、少量多品種生産対応が可能なことから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方法の一つとして、インクジェットインクの液滴を記録媒体に着弾させた後、活性光線を照射してインクジェットインクを硬化させて硬化膜を形成し、この硬化膜から構成される画像を記録する活性光線硬化型インクジェット記録方法がある。活性光線硬化型インクジェット記録方法は、インクジェットインクに対して吸収性のない記録媒体に塗布した場合に、高い密着性を有することから、近年注目されつつある。活性光線硬化型インクジェットインクは、一般的に光重合性化合物、光開始剤、色材等の成分から構成されている。
しかし、活性光線硬化型インクジェット記録方法により得た記録物は、活性光線硬化型インクジェットインクの硬化膜から未反応の光重合性化合物、未反応の光開始剤、反応後の光開始剤等の残渣等が溶出するという問題があった。
特に、食品包装等のパッケージ記録に用いる場合には、パッケージ内側の食品へと、上述の未反応の光重合性化合物、未反応の光開始剤、反応後の光開始剤等の残渣等が溶出する量(マイグレーション量)を安全性の面で規制する条例や自主規制があり、特に考慮しなければならなかった。
マイグレーション量を抑制するための技術として、光重合性基を有する光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に着弾させた後、窒素雰囲気下で活性光線を照射し硬化させる方法が知られている(特許文献1〜4参照)。
特開2014−70103号公報 特開2014−70104号公報 米国特許第8883873号明細書 欧州特許第2684876号明細書
しかし、特許文献1〜4に記載の方法では、窒素雰囲気下にするためには、専用の装置が必要であるため、画像形成のコストが高くなり、印刷システムが大型化につながってしまうため、大気下でもマイグレーション量を抑制する技術が必要とされていた。また、上記マイグレーション量を抑制する技術では、いずれも窒素雰囲気下で活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させており、大気中で硬化させると、マイグレーション量を十分に抑制することができないことが分かった。発明者が鋭意検討したところ、詳細は不明だが、光重合性基を有する光開始剤は、光重合性基を有していない光開始剤と比べ、光重合性化合物と共重合する前に反応が停止しやすいという問題があることが分かり、特に大気下では、大気中に含まれる酸素により光重合反応の阻害がインク表面で起きやすく、前述の光照射時に分子内で反応が進行してしまうこととあいまって、より停止反応が起こりやすいことが分かった。その結果、インクの表面硬化性はさほど高まらず、また、光重合性化合物と共重合していない光重合性基を有する光開始剤や未反応の光重合性化合物の残存量が増え、マイグレーション量が増加してしまうことが問題であると分かった。
さらに、光重合性基を有する光開始剤は、分子内に光重合性基と光開始部位を有しているため、構造的に不安定であり、室温下でのインクの長期保管中に、分子内で反応が進行して、反応が停止してしまうことが分かった。その結果、インクの長期保管後のインクの硬化性が悪くなり、マイグレーション量が増加してしまうことが分かった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マイグレーション量を抑制し、表面硬化性も良好な活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
[1]光重合性化合物、光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記光開始剤は、光重合性基を有する光開始剤を含有し、
前記活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含有し、ゾルゲル相転移する
ことを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
[2]前記光重合性基を有する光開始剤は、チオキサントン系化合物又はベンゾフェノン系化合物を含有することを特徴とする[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3]前記ゲル化剤は、下記一般式(G1)で表される化合物または(G2)で表される化合物を含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
(R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数9以上25以下の直鎖部分または分岐部分を含む炭化水素基である。)
[4]前記光重合性化合物は、実質的に多官能光重合性化合物からなることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[5]前記光重合性基を有する光開始剤の全質量に対する、前記ゲル化剤の含有量は、10質量%以上75質量%未満であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、マイグレーション量を抑制し、表面硬化性も良好な活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録方法が提供される。
図1Aは、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクが用いられるインクジェット記録装置の1つの態様である、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す、側面図である。 図1Bは、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクが用いられるインクジェット記録装置の1つの態様である、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す、上面図である。 図2は、本発明による活性光線硬化型インクジェットインクが用いられる、シリアル記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す上面図である。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物、光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記光開始剤は、光重合性基を有する光開始剤を含有し、前記活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含有し、ゾルゲル相転移することを特徴とする。
マイグレーションの原因の一つである光開始剤を光重合性基を有する光開始剤とすることで、光重合性化合物と開始剤とを共重合させることができ、マイグレーション量の抑制に効果をもたらす。
さらに、発明者による鋭意検討の結果、活性光線硬化型インクジェットインクにゲル化剤を含有させることにより、マイグレーション量の抑制に顕著な効果があることが分かった。詳細は明らかではないが、活性光線硬化型インクジェットインクが記録媒体への着弾時にゲル化剤が結晶化して、カードハウス構造が形成されることによると考えられる。つまり、上記カードハウス構造は、活性光線照射後も硬化膜中でフィルターとして作用し、マイグレーションの原因となる未反応の光重合性化合物や未反応の光開始剤、反応後の光開始剤等の残渣等の移動を阻害するため、マイグレーションが抑制されると考えられる。
また、ゲル化剤が作り出す結晶構造により活性光線硬化型インクジェットインクの粘度が増加することで、活性光線硬化型インクジェットインク表面の酸素阻害が抑制される。そのため、活性光線硬化型インクジェットインクが光重合性基を有する光開始剤を含有していても、インクの表面硬化性が向上し、インク表面から未反応の光重合性化合物や未反応の光開始剤等が溶出する割合が低下するため、インク表面に起因するマイグレーション量を抑制できると考えられる。
さらに、室温ではゲル化剤は結晶化し、上記活性光線硬化型インクジェットインクの粘度は高くなっている。そのため、インクの保存中の、光重合性基を有する光開始剤の分子運動は抑制され、光重合性基を有する光開始剤の分子内での反応が進行しづらい。そのため、室温下でインクを長期間保存しても良好な表面硬化性が得られ、マイグレーション量が抑制されると考えられる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本発明において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、本発明において「質量%」は特に説明がない限り、インク全質量を100質量%としたときの各構成成分の含有量を、質量%で表したものを指す。
[活性光線硬化型インクジェットインク]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、活性光線により硬化可能なインク組成物である。「活性光線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる光線であり、α線、γ線、X線、紫外線、電子線等を包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
以下において、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを構成する各種化合物等について詳細な説明をする。
[ゲル化剤]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、ゲル化剤が含まれる。本発明においてゲル化剤とは、「常温で固体、加熱すると液体となる有機物であり、インクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する」と定義される。
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である結晶が三次元的に囲む空間を形成する。このように形成された構造を「カードハウス構造」いうことがある。カードハウス構造は、未反応の光重合性化合物、未反応の光開始剤、反応後の光開始剤等の残渣等を保持することができ、さらにインク液滴をピニングすることができる。それにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。
インクの液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時、たとえば80℃程度)において、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが好ましい。
ゲル化剤の例としては、
脂肪族ケトン化合物;脂肪族エステル化合物;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、及びホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン及び鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、及び水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体又はポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12−ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(たとえば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド;N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、及びN,N’−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミン又はオクタデシルアミン等の高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(たとえば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(たとえばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−(2−エチルヘキサノイル)−L−グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノ社より入手可能);1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化社より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報及び特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;等が含まれる。
ゲル化剤は、炭素数が9以上25以下の直鎖炭化水素基を含むことが好まし。炭素数が9以上25以下の直鎖炭化水素基を含むゲル化剤は、前述の「カードハウス構造」を形しやすい。ゲル化剤は、構造中に分岐鎖を有していてもよい。
炭素数が9以上25以下の直鎖炭化水素基を含むゲル化剤の具体例には、炭素数が9以上25以下の直鎖炭化水素基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド等が含まれる。
インクの表面硬化性を高める観点からは、ゲル化剤は、脂肪族ケトン化合物又は脂肪族エステル化合物であることが好ましい。つまり、下記一般式(G1)又は(G2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G1)及び(G2)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数9以上25以下の直鎖部分または、分岐部分を含む炭化水素基であることが好ましい。
一般式(G1)おいて、R1及びR2で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数9以上25以下の直鎖部分を含む炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、18−ペンタトリアコンタノン(C17−C17)、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22)、ジステアリルケトン(C18−C18)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(Alfa Aeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。インクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
一般式(G2)おいて、R3及びR4で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数9以上25以下の直鎖部分を含む炭化水素基であることが好ましい。
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C14)、ミリスチン酸セチル(C13−C16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、リノール酸アラキジル(C17−C20)等が含まれる。
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油社製)、ユニスターM−9796(日油社製)、エキセパールSS(花王社製)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業社製)、エキセパール MY−M(花王社製)、スパームアセチ(日油社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
インクに含まれるゲル化剤は二種類以上の混合物であってもよい。より好適な混合物の例は、下記の表1に示す化合物の中から選択されるゲル化剤の混合物である。
Figure 2017010464
本発明のインク中におけるゲル化剤の含有量は、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
また、マイグレーション量抑制の観点から、光重合性基を有する光開始剤の全質量に対する、ゲル化剤の含有量は、10質量%以上75質量%未満であることが好ましい。
2種類以上のゲル化剤を併用する場合の添加比率としては、ゲル化剤の全質量に対して各々のゲル化剤が5質量%以上95質量%未満の比率、より好ましくは20質量%以上80質量%未満の比率となるように調整することが好ましい。
[光重合性化合物]
光重合性化合物は、活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。
光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であり得る。好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。インク中にラジカル重合性化合物が一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。(メタ)アクリレートは、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、光重合性官能基を有するオリゴマー等であってよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」には、アクリレートモノマー及び/又はアクリレートオリゴマー、メタアクリレートモノマー及び/又はメタアクリレートオリゴマーが含まれる。
(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、感光性等の観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート;及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物の少なくとも一部がエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートであることが好ましい。エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは感光性が高く、インクが低温下でゲル化する際に、カードハウス構造を形成しやすいからである。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494;新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G;大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP;Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072;新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP及びトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、オリゴマーであってもよい。オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、及び直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
カチオン重合性化合物は、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、及びオキセタン化合物等でありうる。カチオン重合性化合物は、活性光線硬化型インクジェットインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、又は脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセン又はシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合性化合物は、実質的に多官能光重合性化合物からなることが好ましい。「多官能光重合性化合物」とは、光重合性官能基を二つ以上有する光重合性化合物を意味する。「実質的に」とは、光重合性官能基を一つのみ有する光重合性化合物(単官能光重合性化合物ともいう)の含有量が、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対して、0質量%以上5.0質量%未満であることを意味する。単官能光重合性化合物の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対し、マイグレーション量の抑制の観点から、5.0質量%未満であることが好ましく、1.0質量%未満であることがより好ましく、0.1質量%未満であることがさらに好ましい。
多官能光重合性化合物の含有量が多いと、光重合性化合物の反応効率が向上するため、未反応の光重合性化合物や未反応の光開始剤の残存を防ぐことができる。また、光重合性化合物の反応効率が向上すると、未反応の光重合性化合物の割合が低下するため、未反応の光重合性化合物がインク表面にブリードアウトしにくくなり、マイグレーション量を抑制できる。さらには、多官能光重合性化合物の含有量が多いと、硬化により光重合性化合物の架橋構造が形成されるため、未反応の光重合性化合物、未反応の光開始剤、反応後の光開始剤等の残渣等の移動が架橋構造よって阻害され、マイグレーション量が抑制される。
光重合性化合物の含有量は、本発明の効果が得られる範囲であればよく、たとえば、インクジェットインクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下とすることができる。上記観点からは、光重合性化合物の含有量は、インクジェットインクの全質量に対して30質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
[光開始剤]
(光重合性基を含有する光開始剤)
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、光開始剤が含まれ、光開始剤には、光重合性基を有する光開始剤が含まれる。光開始剤は、インクジェットインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。光重合性基を含有する光開始剤とは、一分子中に光重合性基を少なくとも一つ以上含有する光開始剤である。光重合性基は、(メタ)アクリル基などでありうる。硬化性の観点から、光重合性基を有する光開始剤は、光重合性基を1分子中に二つ以上五つ以下含有することが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに光重合性基を有する光開始剤が含まれることにより、マイグレーションの原因の一つである光開始剤を光重合性化合物と共重合させることができ、マイグレーション量を抑制することができる。また、光重合性基を有する光開始剤をゲル化剤とともに用いると、ゲル化剤が作り出す結晶構造により、活性光線硬化型インクジェットインクの粘度が増加して硬化時の酸素阻害が抑制される。そのため、活性光線硬化型インクジェットインクが、光重合性基を有する光開始剤を含有していても、インクの表面硬化性が向上し、インク表面の未反応の光重合性化合物や未反応の光開始剤等の割合が低下し、インク表面に起因するマイグレーション量が抑制されると考えられる。さらに室温では、ゲル化剤は結晶化し、上記活性光線硬化型インクジェットインクの粘度は高くなっている。そのため、インクの保存中の、光重合性基を有する光開始剤の分子運動は抑制され、光重合性基を有する光開始剤の分子内での反応が進行しづらい。そのため、室温下でインクを長期間保存しても良好な表面硬化性が得られ、マイグレーション量が抑制されると考えられる。
光開始剤は、分子内開裂型と水素引き抜き型とがある。分子内開裂型の光開始剤の例には、α−ヒドロキシケトン系化合物、アシルホスフィン系化合物、α‐アミノケトン系化合物等が含まれる。水素引き抜き型の光開始剤の例には、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が含まれる。分子内開裂型光開始剤と水素引き抜き型光開始剤は、インクの表面硬化性の観点から併用することが好ましい。また、水素引き抜き型の光開始剤であるベンゾフェノン系化合物及びチオキサントン系化合物は、分子内開裂型の光開始剤よりもマイグレーション量が抑制しづらいことがあるため、分子内開裂型の光開始剤が光重合性基を含有することで、マイグレーション量をより効果的に抑制できる。
<光重合性基を含有する分子内開裂型の光開始剤>
光重合性基を含有する分子内開裂型の光開始剤は、分子内開裂型であり、かつ光重合性基を含有する光開始剤であれば、特に制限されないが、たとえば、特開2014−70103号公報の段落番号0030〜0032、特開2014−70104号公報の段落番号0033〜0034及び米国特許第8883873号明細書のp15〜p16に記載されている化合物が含まれる。本願明細書において、特開2014−70103号公報、特開2014−70104号公報、米国特許第8883873号明細書を参考にすることができる。
<光重合性基を含有する水素引き抜き型の光開始剤>
光重合性基を含有する水素引き抜き型の光開始剤は、水素引き抜き型であり、かつ光重合性基を含有する光開始剤であれば、特に制限されないが、たとえば、欧州特許第2684876号明細書のTable1に記載されているTX1〜TX20、米国特許第8883873号明細書のp5〜p6に記載されている化合物が含まれる。本願明細書において、欧州特許第2684876号明細書、米国特許第8883873号明細書の明細書を参考にすることができる。
(その他の光開始剤)
本発明の効果が得られる範囲であればその他の光開始剤として、光重合性基を有する光開始剤以外の開始剤もさらに含まれていてもよい。たとえば、分子内開裂型の光開始剤の例には、α−ヒドロキシケトン系化合物、アシルホスフィン系化合物、α‐アミノケトン系化合物等が含まれる。水素引き抜き型の光開始剤の例には、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が含まれる。
<アシルホスフィン系化合物>
アシルホスフィン系化合物としては、たとえば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が含まれる。アシルホスフィン系化合物の市販品の例には、IRGACURE819(BASF社製)、DAROCURE TPO(BASF社製)が含まれる。その中でも、アシルホスフィン系化合物は、マイグレーション量の抑制及びインクの表面硬化性の観点から、IRGACURE819であることが好ましい。
<α‐アミノケトン系化合物>
α‐アミノケトン系化合物としては、たとえば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等が含まれる。α‐アミノケトン系化合物の市販品の例には、IRGACURE369(BASF社製)、IRGACURE907(BASF社製)等が含まれる。その中でも、α‐アミノケトン系化合物は、マイグレーション量の抑制及びインクの表面硬化性の観点から、IRGACURE369であることが好ましい。
水素引き抜き型光開始剤を下記の一例として示す。
<ベンゾフェノン系化合物>
ベンゾフェノン系化合物としては、たとえば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等が含まれる。ベンゾフェノン系化合物の市販品の例には、OmipolBP(Rahn AG社製)、SPEEDCURE BMS(Lambson社製)、SPEEDCURE PBZ(Lambson社製)等が含まれる。
<チオキサントン系化合物>
チオキサントン系化合物としては、たとえば、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等が含まれる。チオキサントン系化合物の市販品の例には、SPEEDCURE 7010(Lambson社製)、SPEEDCURE CPTX(Lambson社製)、SPEEDCURE ITX(Lambson社製)等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクにおける光開始剤の含有量は、活性光線や光重合性化合物の種類等にもよるが、0.01質量%以上12質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
また、マイグレーション量抑制の観点から、光重合性基を有する光開始剤の全質量に対する、ゲル化剤の含有量は、10質量%以上75質量%未満であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクは、光開始剤として、光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤の例には、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
[色材]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて色材をさらに含んでもよい。色材は、染料又は顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、たとえばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料又は無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
青又はシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50から選ばれる顔料又はその混合物が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製); KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、ColortexBlue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)等が挙げられる。
顔料の分散は、たとえばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、及びペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の体積平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、及び分散媒体の選定、分散条件、及びろ過条件等によって、調整される。
[顔料分散剤]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、顔料分散剤が含まれていてもよい。インクに顔料分散剤を含ませることで、顔料の分散性を高めることができる。顔料分散剤に、3級アミンを有するくし型ブロックコポリマー(以下、単にコポリマーともいう。)を含むとより好ましい。なお、本発明において、くし型ブロックコポリマーとは、主鎖を形成する直鎖状のポリマーに対し、主鎖を構成するモノマーの1単位ごとに側鎖として別の種類のポリマーがグラフト重合したコポリマーをいう。
顔料分散剤の含有量は、限定されないが、2.0質量%以上8.0質量%以下であることが好ましい。顔料分散剤の含有量は、2.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましい。
顔料分散剤は、コポリマーの他に、たとえば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテート等の顔料分散剤を含有してもよい。顔料分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
コポリマーは、3級アミンを有することで、顔料への吸着性を有する官能基であるアミンの電子密度が増大し、強い塩基性が発揮されるため、顔料表面の酸性基に強固に吸着することができる。そのため、インクジェットインクが射出される85℃近傍でも、本発明に係るコポリマーは顔料から解離しにくい。また、本発明に係るコポリマーとして、主鎖に3級アミンを有するものを用いると、側鎖が光重合性化合物と相溶し、顔料分散剤そのものが分散しやすいので、顔料分散剤が吸着した顔料の分散性をよくすることもできる。
アミンの置換基は特に限定されないが、炭素数1又は2のアルキル基等が好ましい。
コポリマーは、上記条件を満たす顔料分散剤であれば、その種類は特に限定されない。このような顔料分散剤の好ましい例には、ビックケミー社製のBYK−2164、BYK−168、BYK N−22024、アルタナ社製のBYK JET−9150、BYK JET−9151、BASF社製のEFKA 4310、EFKA 4320、EFKA 4401、Avecia社のSOLSPERSE 39000、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB−821等が含まれる。
2級又は1級のアミンを有するくし型ブロックコポリマーのアミンが有する水素を、公知の方法で他の置換基で置き換えて、アミンを3級化してもよい。たとえば、くし型ブロックコポリマーが有する2級アミン又は1級アミンを、還元触媒の存在下でデシルアルコール等のアルコールと反応させて、アルキル基で置換された3級アミンとすることができる。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
顔料分散剤及び分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
本発明による活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体をさらに含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような光重合性化合物(特に粘度の低いモノマー)を分散媒体として用いることが好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、OleosolFast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧社製)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
色材の含有量は、インク全量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。
[その他の成分]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて分散助剤がさらに含まれていてもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体がさらに含まれていてもよい。分散媒体として溶剤がインクに含まれてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、光重合性化合物が分散媒体であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて光開始剤助剤や重合禁止剤等がさらに含まれていてもよい。光開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。活性光線硬化型インクジェットインクに、これらの化合物が、一種のみ含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、硬化物の耐候性を高める観点から、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方をさらに含んでいてもよい。
紫外線吸収剤は、耐光性やオゾン耐性の観点から、吸収波長の長波端が410nm以下であることが好ましい。紫外線吸収剤の吸収波長は、紫外可視吸収スペクトルを測定することにより求めることができる。紫外線吸収剤の含有量は、硬化性の観点から、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。一方、照射された紫外線を吸収して、無機白色顔料の光触媒作用を十分に低減する観点から、紫外線吸収剤の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。
酸化防止剤の含有量は、硬化性の観点から、0.8質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。一方、インクの硬化膜に発生したラジカルを捕捉し、樹脂等の酸化を十分に抑制の観点から、酸化防止剤の含有量は0.05質量%以上であることが好ましい。
紫外線吸収剤と酸化防止剤の合計量は、吐出安定性や硬化性の観点から、インク全質量に対して2.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて上記以外にも他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン等の塩基性有機化合物等が含まれる。
他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂等が含まれ、たとえばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、及びゴム系樹脂等が含まれる。
[活性光線硬化型インクジェットインクの調製]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物、光開始剤及びゲル化剤と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。このとき、顔料及び分散剤を含む分散体をあらかじめ調製しておき、これに残りの成分を添加して加熱しながら混合してもよい。
[活性光線硬化型インクジェットインクの物性]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含むため、温度により可逆的にゾルゲル相転移することができる。ゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクは、高温(たとえば80℃程度)ではゾルであるため、インク吐出用記録ヘッドから吐出することができるが、記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの射出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、80℃におけるインクの粘度が3mPas以上20mPas以下であることが好ましく、6.0mPas以上15.0mPas以下であることがより好ましく、7.0以上12.0mPas以下であることがさらに好ましい。一方、隣り合うインク滴同士の合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPas以上であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で25℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPasとなる温度として求めることができる。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
(インクジェット記録方法)
インクジェット記録方法は、1)本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程と、2)記録媒体に吐出されたインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程とを含むことを特徴とする。
1)吐出工程においては、吐出用記録ヘッドに収納されたインクジェットインクを、ノズルを通して記録媒体に向けて液滴として吐出すればよい。
2)硬化工程においては、記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射する。照射される活性光線は、光重合性化合物の種類によって適宜選択すればよく、紫外線や電子線等でありうる。
記録媒体の搬送速度は、高速記録の観点から、30m/min以上120m/min以下であることが好ましい。
(記録媒体)
印刷物の記録媒体としては、通常の非コート紙、コート紙等の他、合成紙ユポ、軟包装に用いられる各種プラスチック及びそのフィルムを用いることが出来る。各種プラスチックフィルムとしては、たとえば、PPフィルム、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムがある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が使用出来る。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。食品包装用の記録媒体としては、プラスチックであることが好ましく、ポリプロピレンプラスチックであることがより好ましい。
インクジェット記録ヘッドからインク液滴を吐出することによって、記録媒体上にインク液滴が付着する。繰り返し再現性良く高画質を形成するためにインク液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、20℃以上40℃以下に設定されていることが好ましい。
(インクジェット記録装置)
本発明の活性光線硬化型インクジェットが用いられる、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置について説明する。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものとがある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
図1A及び図1Bは、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。このうち、図1Aは側面図であり、図1Bは上面図である。図1A及び図1Bに示されるように、インクジェット記録装置10は、複数のインク吐出用記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された活性光線照射部18と、記録媒体12の下面に配置された温度制御部19と、を有する。
ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置されており、各色ごとに設けられた複数のインク吐出用記録ヘッド14を収容する。吐出用記録ヘッド14にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジ等から、直接又は不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
吐出用記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置される吐出用記録ヘッド14の数は、吐出用記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。dpiとは、2.54cm当たりのインク滴(ドット)の数を表す。
活性光線照射部18は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。活性光線照射部18は、インク吐出用記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体に着弾した液滴に活性光線を照射し、液滴を硬化させる。
活性光線が紫外線である場合、活性光線照射部18(紫外線照射手段)の例には、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa以上1MPa以下までの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びLED等が含まれる。硬化性の観点から、照度100mW/cm以上の紫外線を照射する紫外線照射手段;具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びLED等が好ましく、消費電力、輻射熱の少ない観点から、LEDがより好ましい。紫外線を照射するLEDの例には、395nm、水冷LED、Phoseon Technology社製が含まれる。
活性光線が電子線である場合、活性光線照射部18(電子線照射手段)の例には、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等の電子線照射手段が含まれるが、処理能力の観点から、カーテンビーム方式の電子線照射手段が好ましい。電子線照射手段の例には、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等が含まれる。
温度制御部19は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、たとえば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像形成方法を説明する。記録媒体12を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次いで、ヘッドキャリッジ16のインク吐出用記録ヘッド14から高温のインクを吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、活性光線照射部18により、記録媒体12上に付着したインク滴に活性光線を照射して硬化させる。
インク吐出用記録ヘッド14からインクを吐出する際の、インク吐出用記録ヘッド14内のインクの温度は、インクの吐出性を高めるためには、インクのゲル化温度よりも10〜30℃高い温度に設定されることが好ましい。
インク吐出用記録ヘッド14の各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、インクの粘度等にもよるが、0.5pl以上10pl以下であることが好ましく、所望の領域のみに吐出するためには、0.5pl以上4.0pl以下であることがより好ましく、1.5pl以上4.0pl以下であることがさらに好ましい。このような量のインクを塗布しても、本発明に係るインクではゾルゲル相転移が行われるため、インクが過剰に濡れ広がらず、所望の箇所にのみ吐出することができる。
記録媒体上に付着したインクの液滴は冷却されてゾルゲル相転移により速やかにゲル化する。これにより、インクの液滴が過剰に濡れ広がらずに、ピニングすることができる。さらに、液滴が速やかにゲル化し、粘度が上昇するため、記録媒体上に付着したインク表面中に酸素が入り込みにくく、インク表面の硬化が酸素によって阻害されにくい。
ここで、インク吐出用記録ヘッド14からインクの液滴を吐出することによって、記録媒体上にインクの液滴が付着する。インクの液滴が付着する際の記録媒体の温度は、インクのゲル化温度よりも10℃以上20℃以下の低い温度に設定されていることが好ましい。
活性光線の照射は、隣り合うインク滴同士が合一するのを抑制するために、インク滴が記録媒体上に付着した後10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。活性光線の照射は、ヘッドキャリッジ16に収容された全てのインク吐出用記録ヘッド14からインクを吐出した後に行われることが好ましい。
活性光線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うために、30kV以上250kV以下であることが好ましく、30kV以上100kV以下であることがより好ましい。加速電圧が100kV以上250kV以下である場合、電子線照射量は30kGy以上100kGy以下であることが好ましく、30kGy以上60kGy以下であることがより好ましい。
硬化後の総インク膜厚は、2μm以上25μm以下であることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインク膜厚の最大値である。
図2は、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を示す上面図である。図2に示されるように、インクジェット記録装置20は、記録媒体の全幅を覆うように固定配置されたヘッドキャリッジ16の代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅であり、かつ複数のインク吐出用記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26と、ヘッドキャリッジ26を記録媒体12の幅方向に可動させるためのガイド部27と、を有する以外は図1A及び図1Bと同様に構成されうる。
シリアル記録方式のインクジェット記録装置20では、ヘッドキャリッジ26がガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動しながら、ヘッドキャリッジ26に収容された吐出用記録ヘッド24からインクを吐出する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送る。そして、活性光線照射部28により、記録媒体12上に付着したインク滴に活性光線を照射して硬化させる。これらの操作以外は、前述のライン記録方式のインクジェット記録装置10とほぼ同様にして画像を記録する。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。
[マゼンダ顔料分散液の調製]
以下の手順で、マゼンダ顔料分散液の調整をした。
顔料分散剤であるsolsperse 32000(BASF社製)を9質量%、多官能光重合性化合物であるポリエチレングリコール#400ジアクリレート(新中村化学社製)を71質量%、ステンレスビーカーに入れ、これを65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌した。
混合液を室温まで冷却し、さらに、顔料であるPigment Violet19(Fastogen Super Red BRZ、DIC社製)を20質量%加えた。この溶液を、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、マゼンダ顔料分散液を得た。
[インクの調製]
下記の表に記載された活性光線硬化型インクジェットインク成分にしたがって、下記に示す各成分と上記顔料分散液とを混合して、80℃に加熱して攪拌した。加熱下において、ADVANTEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで得られた溶液の濾過を行い、インク試料1〜16を得た。なお、表の成分の単位は質量%である。
[ゲル化剤]
ジステアリルケトン(カオーワックスT1:花王社製、C18−C18)
ステアリン酸ステアリル(ユニスターM−9796:日油社製、C17−C18)
ステアリン酸アミド(ダイヤミッドY:日本化成社製、C12)
ジステアリン酸エチレングリコール(EMALEX EG−di−S:日本エマルジョン社製、C17−C17)
[光重合性化合物]
(単官能光重合性化合物)
イソボニルアクリレート(IBXA:大阪有機化学社製)
(多官能光重合性化合物)
トリプロピレングリコールジアクリレート(M220:東亜合成社製)
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート(SR610:SARTOMER社製)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499:SARTOMER社製)
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(M360:MIWON社製)
ジペンタエリスリトールポリアクリレート(A9550:新中村化学社製)
[光開始剤]
(光重合性基を有する光開始剤)
<アシルホスフィン系化合物>
下記の光重合性基を有する光開始剤A1、A2は周知の方法、たとえば特開2014−70103号公報の実施例の欄、たとえば段落番号0097〜0099の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
下記の光重合性基を有する光開始剤A3は周知の方法、たとえば米国特許第8883873号明細書の実施例の欄、たとえば実施例4の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
下記の光重合性基を有する光開始剤A4は、周知の方法、たとえば特開2014−70104号公報の実施例の欄、たとえば段落番号0099〜0101の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
<チオキサントン系化合物>
光重合性基を有する光開始剤A5は、周知の方法、たとえば欧州特許第2684876号明細書の実施例の欄、たとえば段落番号0177、0178の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
下記の光重合性基を有する光開始剤A6は、周知の方法、たとえば欧州特許第2684876号明細書の実施例の欄、たとえば段落番号0179、0180の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
下記の光重合性基を有する光開始剤A7は、周知の方法、たとえば米国特許第8883873号明細書のp35−p36の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
<ベンゾフェノン系化合物>
下記の光重合性基を有する光開始剤A8は、周知の方法、たとえば米国特許第8883873号明細書の実施例の欄、たとえば実施例2の記載に準じて合成した。
Figure 2017010464
(その他の光開始剤)
<α−ヒドロキシケトン系化合物>
ESACURE KIP150(LAMBERTI社製)
<アシルホスフィン系化合物>
IRGACURE 819 (BASF社製)
<α‐アミノケトン系化合物>
IRGACURE 369 (BASF社製)
<チオキサントン系化合物>
SPEEDCURE ITX(DKSH社製)
[重合禁止剤]
Irgastab UV10(BASF社製)
[界面活性剤]
BYK307(ビックケミージャパン社製)
[インクジェット記録方法]
表に記載の各インク試料を用いて、解像度が600dpiのピエゾヘッド2つを搬送方向に配置し、1200×1200dpiの記録解像度として、液滴量が4plとなるように駆動し、100%ベタ画像の描画を行った。
(露光方法)
フィルム−OTP3162(A4サイズ、ポリプロピレンシート、40μm)を30m/minの速度で操作させ、メタルハライドランプランプ(メタハラ、GSユアサ社製)120W/cm、画像表面での最高照度280mW/cm、400mJ/cm(365nmセンサー、岩崎電気UVPF−A1で測定)又は、水冷式LEDランプ波長395nm(HOYA社製)、画像表面での最高照度1W/cm、400mJ/cm(395nmセンサー、岩崎電気UVPF−A1で測定)で硬化させた。
[評価方法]
(マイグレーション量評価)
金属容器に、10dmの大きさに切り取った印刷物を入れ、印刷物が浸るように、水:エタノール=5:95混合液10mlを加えた。混合液が揮発しないように、金属容器を密閉状態にし、60℃で10日間に放置した。その後、水、エタノール混合溶液中に含有する、印刷物からの各光重合性化合物、開始剤、反応後の光開始剤等の残渣等の全マイグレーション量を算出し、4段階で評価を行った。なお、全マイグレーション量の測定は、10日間放置後に、混合液を揮発させ、残存成分の質量を測定することにより行った。
◎:マイグレーション量が50ppb以下
〇:マイグレーション量が50ppbを超え200ppb以下
△:マイグレーション量が200ppbを超え1000ppb以下
×:マイグレーション量が1000ppbを超える
(表面硬化性)
表面硬化性は、「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載された方法に準じて、2cmとなる大きさに切り取った印刷物を載せて、800gの荷重をかけて擦り合わせた後に2cmとなる大きさに切り取った印刷用コート紙への色移り程度を目視観察し、印刷物の表面ベタつきは、得られたベタ画像を指で触診評価した。
◎:色移りがなく、表面のべたつきもなし
○:よく見るとごくわずかに色移りがあるが、表面のべたつきはなし
△:わずかに色移りがあり、やや表面のべたつきがあるが実用可能
×:色移りが激しく、表面のべたつきもあり実用不可能
(長期保管後の表面硬化性)
インクを40℃で3週間保管後、上記(表面硬化性)と同じ評価を行った。
◎:色移りがなく、表面のべたつきもなし
○:よく見るとごくわずかに色移りがあるが、表面のべたつきはなし
△:わずかに色移りがあり、やや表面のべたつきがあるが実用可能
×:色移りが激しく、表面のべたつきもあり実用不可能
評価結果を表2〜表4に示す。なお、表2〜表4において、「光源」の欄の記載は上記LEDおよびメタルハライドランプ(表2〜表4では、「メタルハライドランプ」を単に「メタハラ」と表記する。)のうちいずれを用いたかを、それぞれ示す。
Figure 2017010464
Figure 2017010464
Figure 2017010464
本出願は、2015年7月13日出願の特願2015−139702に基づく優先権を主張する。当該出願明細書、特許請求の範囲および図面に記載された内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクは、マイグレーション量を抑制し、表面硬化性も良好なため、たとえば、食品包装用の記録媒体へのインクジェット記録方法に好適である。
10、20 インクジェット記録装置
12 記録媒体
14、24 インク吐出用記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 活性光線照射部
19 温度制御部
27 ガイド部

Claims (6)

  1. 光重合性化合物、光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記光開始剤は、光重合性基を有する光開始剤を含有し、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクは、ゲル化剤を含有し、ゾルゲル相転移することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記光重合性基を有する光開始剤は、チオキサントン系化合物又はベンゾフェノン系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記ゲル化剤は、下記一般式(G1)で表される化合物または(G2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
    一般式(G1):R1−CO−R2
    一般式(G2):R3−COO−R4
    (R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数9以上25以下の直鎖部分または分岐部分を含む炭化水素基である。)
  4. 前記光重合性化合物は、実質的に多官能光重合性化合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  5. 前記光重合性基を有する光開始剤の全質量に対する、前記ゲル化剤の含有量は、10質量%以上75質量%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
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