JPWO2016194891A1 - 水性エマルション、水性エマルションの製造方法、水性粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents

水性エマルション、水性エマルションの製造方法、水性粘着剤組成物および粘着シート Download PDF

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Abstract

付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、前記工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを含み、且つ、以下の条件を満たす製造方法により得られる水性エマルション。付加開裂型連鎖移動剤の量が、第一重合性成分と第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部。第一重合性成分は、ガラス転移温度が−20℃以下の重合体を与え、全重合性成分中の70〜95質量%。第二重合性成分は、ガラス転移温度が50℃以上の重合体を与え、全重合性成分中の5〜30質量%。

Description

本発明は、水性エマルションおよび水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物、その水性粘着剤組成物を用いて形成された粘着層を有する粘着シートに関する。
本出願は、2015年6月4日に日本に出願された特願2015−114012に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、地球環境への負荷を低減するために、溶剤を用いない水性エマルションを用いた粘着剤の開発が進められている。
粘着剤として用いられる水性エマルションとして、例えば、特許文献1には、改良された耐水性および水白化耐性を示す多段エマルションポリマーの水性分散物が記載されている。
また、特許文献2には、加湿環境下でのハガレおよび経時ハガレを抑えることができる粘着剤層を形成できる光学フィルム用水分散型粘着剤組成物が記載されている。
また、従来、付加開裂型連鎖移動剤の存在下で単量体を重合させる技術が知られている。
例えば、特許文献3には、付加開裂型連鎖移動剤の存在下で不飽和単量体を重合して得られたエマルションを、透明フィルムに塗布することにより製造した光拡散フィルムが記載されている。
また、特許文献4〜特許文献6には、付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、不飽和単量体を重合させて得られたエマルションを含有する塗料組成物が記載されている。
また、特許文献7には、付加開裂型連鎖移動剤の存在下で単量体混合物を重合させて得られるアクリルゴムが記載されている。
特開2006−299260号公報 特開2012−128391号公報 特開2014−134735号公報 特開2006−193680号公報 特開2006−143763号公報 特許第5258293号公報 国際公開第2007/114108号
近年、強い粘着力を有し、かつ被着体に糊残りおよび貼り跡を残さず剥離できる粘着層を形成できる粘着剤に対する需要が高まっている。その粘着剤の原料として使用できる水性エマルションが要求されている。
しかしながら、従来の水性エマルションを用いた強い接着力を有する粘着剤では、被着体に糊残りおよび貼り跡を残さず剥離できる粘着層を形成することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、強い粘着力を有し、かつ被着体に糊残りおよび貼り跡を残さず剥離できる粘着層を有する粘着シート、前記粘着シートの粘着層に使用される水性粘着剤組成物、前記水性粘着剤組成物に好適に使用される水性エマルションを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、単独重合体でのガラス転移温度(Tg:glass transition temperature)が異なる複数の単量体成分を含む重合体のエマルションに着目し、鋭意検討した。具体的には、付加開裂型連鎖移動剤の存在下において、軟質重合体を与える単量体成分と、硬質重合体を与える単量体成分とを用いて、重合体のエマルションを製造した。軟質重合体は、Tgが低く、強い粘着力が得られる。硬質重合体は、Tgが高く、被着体への糊残りおよび貼り跡を低減できる効果が期待できる。本発明者は、製造したエマルションの性能を評価し、検討を重ねた。
その結果、以下に示す方法により得られた重合体のエマルションを用いて、粘着シートの粘着層を形成すればよいことを見出し、本発明を想到した。所定量の付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、軟質重合体を与える単量体成分を乳化重合した後、所定の割合で硬質重合体を与える単量体成分を加えて重合する方法。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1] 付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、前記工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを含み、且つ、以下の(1)〜(3)の条件を満たす製造方法により得られる水性エマルション。
(1)付加開裂型連鎖移動剤の量が、前記第一重合性成分と前記第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部である。
(2)前記第一重合性成分は、ガラス転移温度が−20℃以下の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の70〜95質量%である。
(3)前記第二重合性成分は、ガラス転移温度が50℃以上の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の5〜30質量%である。
[2] ゲル分率が90%以上である[1]に記載の水性エマルション。
[3] 前記第一重合性成分は、ガラス転移温度が−40℃以下の重合体を与える[1]または[2]に記載の水性エマルション。
[4] 前記第二重合性成分は、ガラス転移温度が70℃以上の重合体を与える[1]〜[3]のいずれかに記載の水性エマルション。
[5] 前記第二重合性成分が、メチルメタクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレートを50質量%超含む[1]〜[4]のいずれかに記載の水性エマルション。
[6] 前記第一重合性成分が、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートを50質量%超含む[1]〜[5]のいずれかに記載の水性エマルション。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物。
[8] 基材の片面または両面に粘着層を有し、前記粘着層が、[7]に記載の水性粘着剤組成物を用いて形成してなるものである粘着シート。
[9] 付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、前記工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを含み、且つ、以下の(1)〜(3)の条件を満たす水性エマルションの製造方法。
(1)付加開裂型連鎖移動剤の量が、前記第一重合性成分と前記第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部である。
(2)前記第一重合性成分は、ガラス転移温度が−20℃以下の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の70〜95質量%である。
(3)前記第二重合性成分は、ガラス転移温度が50℃以上の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の5〜30質量%である。
[10] 構造単位として軟質重合体と硬質重合体とを含有し、前記両重合体は付加開裂型連鎖移動剤に由来する官能基を有し、
前記軟質重合体はガラス転移温度が−20℃以下であり、前記重合体の構造単位中に70〜95質量%含まれ、
前記硬質重合体はガラス転移温度が50℃以上であり、前記重合体の構造単位中に5〜30質量%含まれ、
前記軟質重合体からなる軟質重合体部分と、前記硬質重合体からなる硬質重合体部分とが二層構造を有している水性エマルション。
本発明によれば、粘着シートの粘着層に使用される水性粘着剤組成物に好適に使用される水性エマルションを提供できる。
本発明の水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて、基材の片面または両面に粘着層を形成してなる粘着シートは、強い粘着力を有し、かつ被着体に糊残りおよび貼り跡を残さず剥離できる。
以下、本発明の水性エマルション、水性粘着剤組成物および粘着シートについて詳細に説明する。
<水性エマルション>
本実施形態の水性エマルションは、付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを含み、且つ、以下の(1)〜(3)の条件を満たす製造方法により得られた重合体の水性エマルションである。
本実施形態の水性エマルション中に含まれる重合体は、第一重合性成分が重合してなる軟質重合体と、第二重合性成分が重合してなる硬質重合体とを有する。水性エマルション中の重合体に硬質重合体が含まれているため、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて接着層を形成した場合、被着体に糊残りおよび貼り跡を残さずに被着体から接着層を剥離できる。また、水性エマルションの重合体中に軟質重合体が存在しているため、軟質重合体の柔軟性によって被着体に対する強い粘着力が得られる。
(1)付加開裂型連鎖移動剤の量が、第一重合性成分と第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部である。
(2)第一重合性成分は、Tgが−20℃以下の重合体を与えるものであって全重合性成分中の70〜95質量%である。
(3)第二重合性成分は、Tgが50℃以上の重合体を与えるものであって全重合性成分中の5〜30質量%である。
(付加開裂型連鎖移動剤)
本実施形態の水性エマルションを製造する際に使用する付加開裂型連鎖移動剤としては、例えば、α−ブロモメチルスチレン、α−フェノキシメチルスチレン、α−アルキルチオメチルスチレン、α−t−ブチルペルオキシメチルスチレン、α−ベンジルオキシスチレン、メチル−α−フェノキシメチルアクリレート、メチル−α−アルキルチオメチルアクリレート、メチル−α−t−ブチルペルオキシメチルアクリレート、メチル−α−ベンジルオキシアクリレート、α−ブロモメチルアクリロニトリルなどのα−置換不飽和単量体、α−メチルスチレンダイマー、メチルメタクリレートダイマー、メタクリロニトリルダイマーなどのα−置換二量体、ベンジルジチオベンゾエート、1−フェニルエチルジチオベンゾエート、2−フェニル−2−プロピニルジチオベンゾエート、1−アセトキシエチルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、t−ブチルジチオベンゾエート、2−シアノ−2−プロピニルジチオベンゾエート、クミルジチオベンゾエート、ジチオ脂肪酸エステルもしくはその誘導体、ジチオ安息香酸エステルもしくはその誘導体などのジチオ化合物などが挙げられる。
上記の付加開裂型連鎖移動剤の中でも特に、臭気が少ないために取り扱いやすく、比較的安価で工業的に入手しやすいため、α−置換二量体を用いることが好ましい。α−置換二量体としては、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。
上記の付加開裂型連鎖移動剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本実施形態の水性エマルションを製造する際には、付加開裂型連鎖移動剤を、第一重合性成分と第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部用いる。付加開裂型連鎖移動剤の使用量が、全重合性成分100質量部に対して0.05質量部以上であると、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に、被着体に糊残りおよび/または貼り跡が残りにくい粘着層となる。このため、付加開裂型連鎖移動剤の使用量は、全重合性成分100質量部に対して0.05質量部以上とし、0.1質量部以上とすることが好ましい。また、付加開裂型連鎖移動剤の使用量が、全重合性成分100質量部に対して1質量部以下であると、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に、粘着層が凝集破壊しにくい。このため、付加開裂型連鎖移動剤の使用量は、全重合性成分100質量部に対して1質量部以下とし、0.6質量部以下とすることが好ましく、0.4質量部以下とすることがより好ましい。
(重合性成分)
本実施形態の水性エマルションを製造する際に、第一重合性成分および/または第二重合性成分として用いられる単量体は、エチレン性不飽和単量体であることが好ましい。
なお、以下の説明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
エチレン性不飽和単量体としては、例えば、以下に示す公知のものが挙げられる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンレングリコール(メタ)アクリレート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アクリレート;
蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチツク酸ビニル等のビニルエステル化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;
ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物;
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン化合物;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジオレフィン化合物;
1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド等のアミンイミド基含有ビニル化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミド基もしくは置換アミド基含有α,β−エチレン性不飽和化合物;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマー、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸等のα,β−不飽和モノまたはジカルボン酸;
フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シュウ酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有ビニル化合物;
スルホン酸アリル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有α,β−エチレン性不飽和化合物。
第一重合性成分および/または第二重合性成分として用いられる単量体には、架橋構造を有する重合体を形成する架橋性モノマーが含まれていてもよい。
架橋性モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有α,β−エチレン性不飽和化合物;
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有α,β−エチレン性不飽和化合物;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物;
ダイアセトンアクリルアミドのようなカルボニル基含有α,β−エチレン性不飽和化合物などが挙げられる。
第一重合性成分および/または第二重合性成分に、架橋性モノマーが含まれている場合、重合後に得られる重合体の架橋構造は、使用した架橋性モノマーの種類に依存する。
例えば、架橋性モノマーを重合することにより形成された架橋構造であってもよいし、架橋性モノマーの有する官能基と、他の単量体もしくは架橋剤に含まれる活性水素基との結合により形成された架橋構造であってもよい。
本実施形態の水性エマルションを製造する際に用いる第一重合性成分は、Tgが−20℃以下の重合体を与える。第一重合性成分として、Tgが−20℃以下の重合体を与えるものを用いると、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に、優れた粘着力が得られる。このため、第一重合性成分は、Tgが−20℃以下の重合体、好ましくは−40℃以下の重合体を与えるものが良い。一方で、第一重合性成分は、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に高い凝集力および強い剥離強度が得られる点から、Tgが−70℃以上の重合体を与えるものが好ましく、−55℃以上の重合体を与えるものがより好ましい。
第一重合性成分は、Tgが−20℃以下の重合体を与えるものであればよく、単独の単量体であっても2種以上の単量体の混合物であってもよい。第一重合性成分が2種以上の単量体の混合物である場合、Tgが−20℃以下の重合体を与える2種以上の単量体を組み合わせて使用してもよいし、1種または2種以上のTgが−20℃以下の重合体を与える単量体と、1種または2種以上のTgが−20℃を超える重合体を与える単量体とを組み合わせてもよい。
第一重合性成分としては、上述した第一重合性成分および/または第二重合性成分として用いられる単量体の中でも、重合時の安定性に優れる点で、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレートなどの炭素数2〜10を有するアルキル基を有するアルキルアクリレート、およびメトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコキシ基またはヒドロキシ基で置換された炭素数1〜10のアルキル基を有する置換アルキルアクリレートを用いることが好ましい。
第一重合性成分としては、上記の単量体の中でも特に、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートを用いることが好ましい。
さらに、第一重合性成分は、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて形成した粘着層の粘着力を高めるために、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの炭素数3〜5の不飽和カルボン酸を含むことが好ましく、特に、アクリル酸、メタクリル酸またはイタコン酸から選ばれるいずれか一種または二種以上を含むことが好ましい。
第一重合性成分は、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とする(言い換えると、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートが、第一重合性成分中に合計で50質量%超含まれる)ことが好ましく、第一重合性成分中に70質量%以上含まれていることがより好ましい。
さらに、第一重合性成分は、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートとの共重合成分として、炭素数3〜5の不飽和カルボン酸を含むことが好ましい。この場合、第一重合性成分中に炭素数3〜5の不飽和カルボン酸が0.1〜10質量%含まれていることが好ましく、0.5〜5質量%含まれていることがより好ましい。
第一重合性成分が、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートと、炭素数3〜5の不飽和カルボン酸とを含む場合、これらが重合してなる共重合体が、水性エマルション中に含まれる重合体の軟質重合体となる。その結果、強い粘着力を有する粘着層を形成できる水性粘着剤組成物として使用できる水性エマルションが得られる。
本実施形態の水性エマルションを製造する際に用いる第二重合性成分は、Tgが50℃以上の重合体を与える。第二重合性成分として、Tgが50℃以上の重合体を与えるものを用いると、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に、十分な粘着力が得られやすい。このため、第二重合性成分は、Tgが50℃以上の重合体を与えるものとし、再剥離性(糊残りの少なさ)の点から好ましくは70℃以上の重合体を与えるものとする。
第二重合性成分は、Tgが50℃以上の重合体を与えるものであればよく、単独の単量体であっても2種以上の単量体の混合物であってもよい。第二重合性成分が2種以上の単量体の混合物である場合、Tgが50℃以上の重合体を与える2種以上の単量体を組み合わせて使用してもよいし、1種または2種以上のTgが50℃以上の重合体を与える単量体と、1種または2種以上のTgが50℃未満の重合体を与える重合体とを組み合わせてもよい。
第二重合性成分としては、上述した第一重合性成分および/または第二重合性成分として用いられる単量体の中でも、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートから選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
第二重合性成分が2種の単量体である場合、メチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの組み合わせ、またはn−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの組み合わせであることが好ましい。
第二重合性成分は、メチルメタクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレートを主成分とする(言い換えると、メチルメタクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレートが、第二重合性成分中に合計で50質量%超含まれる)ことが好ましく、第二重合性成分中に70質量%以上含まれていることがより好ましい。
第一重合性成分は、全重合性成分(第一重合性成分と第二重合性成分との合計)中に70〜95質量%含まれている。第二重合性成分は、全重合性成分中に5〜30質量%含まれている。さらに、第一重合性成分は、全重合性成分中に80〜95質量%含まれていることが好ましい。第二重合性成分は、全重合性成分中に5〜20質量%含まれていることが好ましい。
全重合性成分中の第一重合性成分の含有量が70質量%以上である(第二重合性成分が30質量%以下である)と、水性エマルション中に含まれる重合体に、第一重合性成分が重合してなる軟質重合体が十分に形成される。このため、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に、十分な粘着力が得られるという利点がある。
また、全重合性成分中の第一重合性成分の含有量が95質量%以下である(第二重合性成分が5質量%以上である)と、第二重合性成分が重合してなる硬質重合体が十分に形成される。このため、水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物を用いて粘着層を形成した場合に、凝集破壊が生じにくくなり、被着体への糊残りが生じにくくなる。
なお、本実施形態における重合体のガラス転移温度(Tg)は、重合体を構成する各単量体成分とその割合から、以下に示すFOXの式により計算して得た理論値である。
Tg=T−273
ただし、1/T=(W1/T1+W2/T2+W3/T3+・・・+Wn/Tn)
(式中、Tgは重合体のガラス転移温度(摂氏温度)であり、Tは重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。W1、W2、W3、Wnは、各単量体成分の重量分率であり、T1、T2、T3、Tnは、各単量体成分の単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。)
本発明において、第一重合性成分から得られる重合体(軟質重合体)および第二重合性成分から得られる重合体(硬質重合体)のTgの算出は、単官能単量体に基づいて算出されるものとする。すなわち、第一重合性成分および/または第二重合性成分に多官能単量体が含まれていても、その含有量は少量である。したがって、第一重合性成分および/または第二重合性成分に含まれている多官能単量体による重合体のTgへの影響は少ない。このため、重合体のTgの算出には、多官能単量体による影響は含めないものとする。
なお、上記FOXの式により求められるTgの理論値は、示差走査熱量測定(DSC)により求められる実測値に基づいて算出したガラス転移温度とよく一致する。
(ゲル分率)
本実施形態の水性エマルションは、ゲル分率が90%以上のものであることが好ましく、93%以上のものであることがより好ましい。ゲル分率が90%以上である水性エマルションは、これを含有する水性粘着剤組成物を用いて形成した接着層が、剥離時に被着体に糊残りおよび貼り跡がより一層残りにくいものとなる。
<水性エマルションの製造方法>
本実施形態の水性エマルションは、付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを、上記の条件で行うことにより製造できる。
工程(I)では、例えば、付加開裂型連鎖移動剤と水とを反応器に仕込み、第一重合性成分(単量体)とともに、必要に応じて、その他の成分を、反応器に供給して乳化重合する。その他の成分としては、水、乳化剤、重合開始剤、還元剤、付加開裂型でない連鎖移動剤、架橋剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
工程(I)において使用する乳化剤としては、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤、セシルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルピリジニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルベダイン等の両性界面活性剤、ポリエキシエチレン−1−(アリルオキシエチレン)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩などの反応性界面活性剤などが挙げられる。
これらの乳化剤の中でも特に、重合により重合体内部に取り込まれるため、反応性界面活性剤を用いることが好ましい。反応性界面活性剤を用いて製造した水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物は、これを用いて接着層を形成した場合に、接着層から被着体への乳化剤の滲み出しが少ない。このため、接着層から浸み出した成分による被着体の汚染が生じにくく、好ましい。これらの乳化剤は、単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
工程(I)において使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジ塩酸塩等の水溶性アゾ系開始剤、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類、過酸化水素等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
工程(I)において使用する還元剤としては、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物等が挙げられる。
工程(I)において使用する付加開裂型でない連鎖移動剤としては、2エチルヘキシルチオグリコレート、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。これらの付加開裂型でない連鎖移動剤の中でも特に、重合体の分子量を調整する効果が優れているため、2エチルヘキシルチオグリコレートを用いることが好ましい。これらの付加開裂型でない連鎖移動剤は、単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
工程(I)において使用する架橋剤の種類は、水性エマルションを製造する際に用いる単量体の種類に応じて適宜決定される。具体的には、架橋剤として、シランカップリング剤、ポリヒドラジン化合物、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物などを用いることができる。これらの架橋剤の中でも特に、共重合するだけで架橋構造が形成され、取扱いが容易であることからシランカップリング剤を用いることが好ましい。
架橋性モノマーとして、カルボニル基含有α,β−エチレン性不飽和化合物を含む場合、架橋剤として、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等の2つ以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジン化合物を用いて架橋構造を形成することが好ましい。
工程(I)では、工程(I)で使用する第一重合性成分および/またはその他の成分の全量を、予め反応器に仕込んで乳化重合してもよい。工程(I)では、第一重合性成分および/またはその他の成分を連続的または断続的に供給しながら乳化重合してもよい。工程(I)では、粒径の均一な重合体の粒子を含む水性エマルション得るために、第一重合性成分およびその他の成分を、連続的または断続的に反応器に供給しながら乳化重合することが好ましい。
工程(I)における乳化重合は、反応器内の温度を5〜100℃、好ましくは50〜90℃とし、反応器内の溶液を撹拌しながら行うことが好ましい。
工程(I)において、第一重合性成分およびその他の成分を、連続的または断続的に反応器に供給しながら乳化重合する場合、反応器内への第一重合性成分およびその他の成分の供給が終了した後、例えば5〜100℃、好ましくは50〜90℃の温度で、0.5〜5時間重合を継続してもよい。
工程(I)における乳化重合は、空気雰囲気下または不活性雰囲気下で行うことができる。
本実施形態では、工程(I)において、反応器内への第一重合性成分およびその他の成分の供給が終了した後、乳化重合中または乳化重合後の重合物を含む乳化物に、1種または2種以上の酸もしくは塩基を添加して、pHが6.5〜9.0となるように調整することが好ましい。乳化物のpHを6.5〜9.0とすることで、水性エマルションの安定性が高くなるとともに最終的に得られる水性エマルションの粗粒が少なくなるという効果が得られる。
工程(I)において乳化重合中または乳化重合後の重合物を含む乳化物のpH調整に使用される酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、燐酸、硫酸などが挙げられる。また、乳化物のpH調整に使用される塩基としては、トリエチルアミン、アンモニア、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール等のアミン化合物;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
工程(II)では、工程(I)で得られた重合物を含む重合系に第二重合性成分を供給して重合する。工程(II)では、必要に応じて、工程(I)で得られた重合物を含む重合系に、第二重合性成分(単量体)とともに、その他の成分を供給してもよい。その他の成分としては、水、乳化剤、重合開始剤、還元剤、付加開裂型でない連鎖移動剤、架橋剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
工程(II)において、工程(I)で得られた重合物を含む重合系に、第二重合性成分(単量体)とともに、上記のその他の成分を供給する場合、第二重合性成分と上記の一種以上のその他の成分とをミキサーなどを用いて混合して乳化物としてから、工程(I)の重合系に供給してもよい。
工程(II)において、その他の成分として使用する乳化剤、重合開始剤、還元剤、付加開裂型でない連鎖移動剤、架橋剤としては、上述した工程(I)において使用されるその他の成分と同じものを用いることができる。
なお、工程(I)および工程(II)において、その他の成分を用いる場合、両者におけるその他の成分は、全て同じであってもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。
工程(II)では、工程(II)で使用する第二重合性成分および/またはその他の成分の全量をまとめて工程(I)の重合系に供給して重合してもよい。工程(II)では、第二重合性成分および/またはその他の成分を連続的または断続的に供給しながら重合してもよい。工程(II)では、粒径の均一な重合体の粒子を含む水性エマルション得るために、第二重合性成分およびその他の成分を、連続的または断続的に工程(I)の重合系に供給しながら重合することが好ましい。
工程(II)における重合は、反応器内の温度を5〜100℃、好ましくは50〜90℃とし、反応器内の溶液を撹拌しながら行うことが好ましい。
本実施形態では、工程(II)において、第二重合性成分およびその他の成分を、連続的または断続的に工程(I)の重合系に供給しながら重合する場合、工程(I)の重合系への第二重合性成分およびその他の成分の供給が終了した後、例えば5〜100℃、好ましくは50〜90℃の温度で、0.5〜5時間重合を継続することが好ましい。
工程(II)における乳化重合は、空気雰囲気下または不活性雰囲気下で行うことができる。
工程(II)における反応条件は、工程(I)と全て同じであってもよいし、一部または全部が異なっていてもよい。
本実施形態では、工程(II)における重合後に得られた水性エマルションに、1種または2種以上の酸もしくは塩基を添加して、pHが4〜10となるように調整することが好ましい。水性エマルションのpHを4〜10とすることで、水性エマルションの表面電荷が高くなり、安定性が付与される。
水性エマルションのpHの調整に使用される酸としては、工程(I)において乳化重合中または乳化重合後の重合物を含む乳化物のpH調整に用いる酸と同じものが挙げられる。また、水性エマルションのpHの調整に使用される塩基としては、工程(I)においてpH調整に用いる塩基と同じものが挙げられる。
以上の工程を行うことにより、付加開裂型連鎖移動剤に由来する官能基を有する2層構造の重合体の粒子を含む本実施形態の水性エマルションが得られる。上記の2層構造の重合体は、構造単位として、第一重合性成分が重合してなる軟質重合体と、第二重合性成分が重合してなる硬質重合体とを有する。重合体の2層構造としては、例えばコアシェル、雪だるま型、金平糖型等が挙げられる。重合体の2層構造は、第一重合性成分および/または第二重合性成分の種類、割合などに応じて変化する。
このようにして得られた水性エマルション中における重合体の不揮発分率は、通常30〜70質量%となり、好ましくは40〜65質量%である。
<水性粘着剤組成物>
本実施形態の水性粘着剤組成物は、本実施形態の水性エマルションを含有する。
本実施形態においては、上述した工程(II)における重合後に得られた水性エマルションを、そのまま水性粘着剤組成物として使用できる。また、必要に応じて、上述した工程(II)における重合後に得られた水性エマルションの固形分濃度を溶媒等で薄めるなどして調節して、水性粘着剤組成物として使用してもよい。
また、水性粘着剤組成物として、上述した工程(II)における重合後に得られた水性エマルションのpHが4〜10となるように、上記の方法により調整したものを使用してもよい。
また、水性粘着剤組成物として、本実施形態の水性エマルションに、ロジン系、テルペン系、石油系などの粘着付与剤を添加したものを用いてもよい。これらの粘着付与剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。
さらに、水性粘着剤組成物として、本実施形態の水性エマルションに、添加剤を、1種または2種以上添加したものを用いてもよい。添加剤としては、架橋剤(多官能エポキシ、多官能イソシアネート、シランカップリング剤等)、粘性改良剤、増粘剤、消泡剤、顔料(体質顔料、着色顔料、中空バルーンなど)、分散剤、湿潤剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤などが挙げられる。
本実施形態の水性粘着剤組成物は、粘着剤として好適に用いることができる。
水性粘着剤組成物を粘着剤として用いる場合の被着体としては、紙、プラスチックフィルム、金属、ガラス、織布、不織布、プラスチックやゴムの発泡体などが挙げられる。また、本実施形態の水性粘着剤組成物は、自動車用製品、家電製品、電子部品に用いられる接着剤としても好適である。
<粘着シート>
本実施形態の粘着シートは、基材の片面または両面に粘着層を有するものである。
粘着シートを形成している粘着層は、本実施形態の水性粘着剤組成物を用いて形成したものである。粘着剤層の厚みは、粘着シートの用途、被着体の材質等に応じて、適宜決定することができる。粘着剤層の厚みは、例えば、5〜200μmとすることができ、好ましくは10〜100μmとする。
粘着シートに用いられる基材としては、特に限定されるものではなく、紙、プラスチックフィルム、樹脂発砲体、ゴム発泡体、金属、ガラス、織布、不織布、無機板などが挙げられる。
本実施形態の粘着シートは、粘着層を保護するために、粘着層の上に離型性の保護層が設けられたものであってもよい。
保護層としては、例えば、プラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などからなるものが挙げられる。
保護層に用いられるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
保護層に用いられるプラスチックフィルムの厚みは、例えば、5〜200μmとすることができ、好ましくは5〜100μmである。
本実施形態の粘着シートは、例えば、基材の片面または両面に、本実施形態の水性粘着剤組成物を塗布した後、乾燥させて粘着層を形成する方法により製造できる。
基材の水性粘着剤組成物が塗布される面には、水性粘着剤組成物を塗布する前に、基材と粘着層との間の密着性を向上させるために、アンカー層を形成したり、コロナ処理やプラズマ処理などの各種易接着処理を施したりしてもよい。
水性粘着剤組成物を塗布する方法としては、各種方法を用いることができる。具体的には、塗布方法として、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
基材に水性粘着剤組成物を塗布する際には、乾燥後に形成される粘着層が所定の厚みになるように、塗布量を制御して行う。
次いで、塗布した水性粘着剤組成物を常法にしたがって乾燥させて粘着層を形成する。
その後、必要に応じて、粘着層の表面に易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、粘着層の上に離型性の保護層を設けてもよい。
以上の工程により、本実施形態の粘着シートが得られる。
本実施形態の粘着シートは、例えば、粘着テープ、両面テープ、粘着ラベルなどの日用品、壁紙、床タイル、床シート(クッションフロアー)、カーペット、天井材、窓用粘着シート(たとえば、遮熱シート、反射シート、防犯シート)などの住宅用資材などの分野で好適に使用できる。このほか、本実施形態の粘着シートは、例えば、自動車用製品、家電製品、電子部品などの製造においても利用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は以下に示す実施例によってなんら制限を受けるものではない。
なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断りのない限り「質量部」および「質量%」を示す。
「実施例1」
撹拌機、温度計、還流凝縮機を備えた重合装置の反応器中に、表1に記載された割合で、イオン交換水と付加開裂型連鎖移動剤であるノフマーMSDとを仕込み、昇温した。そして、空気雰囲気下で、反応器内温を80℃に保ち、反応器内の溶液を約120rpmで撹拌しながら、重合開始剤として過硫酸カリウムを表1に記載のとおり添加した。
別途、表1の(A)乳化物および(B)乳化物の項に示す各成分を、表1に記載された割合で混合し、ホモミキサーを用いて乳化することにより、(A)乳化物および(B)乳化物を調製した。
「工程(I)」
上記の重合装置の反応器内に、(A)乳化物と2.5%過硫酸カリウム水溶液(滴下用触媒)とを連続的に滴下し、80℃の温度で約120rpmで撹拌しながら乳化重合した。さらに、(A)乳化物の滴下終了から30分間重合を継続し、乳化物を得た。
なお、(A)乳化物の滴下速度は約233部/時間(約233g/時間)とした。また、2.5%過硫酸カリウム水溶液(滴下用触媒)の滴下速度は、約11.1部/時間(約11.1g/時間)とした。そして、(A)乳化物および滴下用触媒の滴下が終了した直後に、中和剤としてアンモニア水を添加し、pH7〜8に調整した。
「工程(II)」
(A)乳化物の滴下終了から30分後、工程(II)を開始した。工程(II)では、工程(I)で得られた乳化物の入れられた重合装置の反応器内に、(B)乳化物を連続的に滴下し、80℃の温度で約120rpmで撹拌しながら乳化重合した。(B)乳化物の滴下速度は約194部/時間(約194g/時間)とした。さらに、(B)乳化物の滴下終了から1時間重合を継続し、その後室温(25℃)に冷却した。以上の工程により、実施例1の水性エマルションを得た。
「実施例2〜5、比較例1〜8」
付加開裂型連鎖移動剤の量および/または(A)乳化物および(B)乳化物の組成を、表1または表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして水性エマルションを調製した。
Figure 2016194891
Figure 2016194891
表1および表2に示す(A)乳化物および(B)乳化物、付加開裂型連鎖移動剤、重合開始剤、滴下用触媒、中和剤の数値は、質量であり、単位は(g)である。
表1および表2に示す第一重合性成分(A)の割合は、第一重合性成分(A)と第二重合性成分(B)とを合計した全重合性成分中の第一重合性成分(A)の割合(質量%)である。また、第二重合性成分(B)の割合は、上記全重合性成分中の第二重合性成分(B)の割合(質量%)である。
表1および表2に示す第一重合性成分(A)Tgの値、第二重合性成分(B)Tgの値は、表1、表2および下記に示す各単量体成分の単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度(絶対温度)であるTnを以下に示す値として、上述したFOXの式に基づいて算出した。
MMA(メチルメタクリレート):378K
BuA(n−ブチルアクリレート):221K
2EHA(2−エチルヘキシルアクリレート):203K
Aa(アクリル酸):379K
β−CEA(β−カルボキシエチルアクリレート):310K
2HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート):328K
実施例および比較例の水性エマルションの製造に使用した単量体成分以外の表1および表2に示す材料は、以下のとおりである。
ノフマーMSD(α−メチルスチレンダイマー):付加開裂型連鎖移動剤(日油株式会社製)
シリコンSCA-503:シランカップリング剤(Zhangjiagang Guotai-Huarong New Chemical Materials Co.,Ltd製)
アクアロンKH−10(ポリエキシエチレン−1−(アリルオキシエチレン)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩):界面活性剤(第一工業製薬製)
次に、実施例1〜5、比較例1〜8の各水性エマルションの性状を、以下に示す方法により評価した。その結果を表1および表2に示す。
(水性エマルションの性状)
(イ)不揮発分率:水性エマルションを105℃で1時間乾燥し、下記の式により算出した。
不揮発分率(%)=[乾燥後の質量/乾燥前の質量]×100
(ロ)粘度:BH型粘度計を用いて23℃、10rpmの条件下で測定した。
(ハ)pH:pHメーターにより測定した。
また、実施例1〜5、比較例1〜8の各水性エマルションを水性粘着剤組成物として用いて、以下に示す方法により、粘着シートを作製した。
基材として、片面にコロナ処理を施した厚み50μmのポリエステルフィルムを用意した。そして、ポリエステルフィルムのコロナ処理を施した面に、水性エマルション(水性粘着剤組成物)を、乾燥後の粘着層の膜厚が35μmとなるように塗布し、105℃で2分間乾燥して粘着層形成し、粘着シートを得た。
得られた粘着シートの剥離強度を以下に示す方法により測定した。その結果を表1および表2に示す。
(剥離強度(粘着力)の測定)
JIS−Z−0237に準拠した粘着力評価法を用いた。具体的には、上記の方法により作製した25mm×250mmの粘着シートの粘着層を、被着体であるステンレス(SUS304)板に対向させて、貼合面積が25mm×125mmとなるように重ねた。粘着シート上に、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgのローラーを1往復させることにより、粘着シートとステンレス板とを貼合し、同じ雰囲気下に放置した。貼合後、20分間放置したものと、24時間放置したものとを、それぞれ剥離速度300mm/分の条件で180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
なお、剥離強度の測定において、粘着シートの粘着層が凝集破壊した場合には、表1および表2に記載した180°剥離強度の数値の末尾に「c」を付した。
また、貼合後20分間放置した被着体(ステンレス板)の180°剥離強度(N/25mm)について、以下に示す基準により評価した。
「基準」
◎;12.0(N/25mm)以上
○;10.0(N/25mm)以上
×;10.0(N/25mm)未満
(再剥離性(糊残り))
粘着力の測定において使用した貼合後24時間放置してから剥離力を測定した被着体(ステンレス板)に、糊残りが生じているか否かを、目視により判定し、以下に示す基準により評価した。
「基準」
○;被着体に糊残り無し
△;被着体全体の5%未満の面積に糊残りがある
×;被着体全体の5%以上の面積に糊残りがある
(曇り(貼り跡)の有無)
粘着力の測定において使用した貼合後24時間放置してから剥離力を測定した被着体(ステンレス板)に、曇り(貼り跡)が生じているか否かを、目視により判定し、以下に示す基準により評価した。
「基準」
○;被着体に曇り(貼り跡)無し
×;被着体に曇り(貼り跡)有り
(ゲル分率の測定)
105℃で乾燥させた試料(水性エマルション)約1.0gを秤量し、これを約30mlのトルエン中に室温で1日浸漬した。その後、トルエン不溶分を取り出し、110℃にて約1時間乾燥して秤量し、以下に示す式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=[トルエン不溶分質量/試料質量]×100
表1に示すように、実施例1〜実施例5の水性エマルション(水性粘着剤組成物)を用いた粘着シートは、貼り合わせの初期(20分後剥離力)においても、24時間後においても高い粘着力を示した。特に、実施例1および実施例3の粘着シートは、貼り合せ20分後の粘着力が12.5(N/25mm)以上であり、非常に高い粘着力を示した。
また、実施例1〜実施例5の粘着シートは、被着体への糊残りが少なく、貼り跡を残さず剥離できた。
これに対し、表2に示すように、付加開裂型連鎖移動剤(ノフマーMSD)を使用しないで製造した比較例1の水性エマルションを用いた粘着シートは、被着体への糊残りが生じた。また、比較例1の粘着シートは、貼り合わせ24時間後の粘着力の評価の際に凝集破壊した。
また、付加開裂型連鎖移動剤を使用しないで製造した比較例2の水性エマルションを用いた粘着シートおよび付加開裂型連鎖移動剤の使用量が少ない比較例3の水性エマルションを用いた粘着シートは、ゲル分率が90%以上であるにも拘らず、貼り跡が残った。
また、(B)乳化物を使用しない比較例4の水性エマルションを用いた粘着シートは、被着体への糊残りが生じた。また、比較例4の粘着シートは、貼り合わせ20分後および24時間後の粘着力の評価の際に凝集破壊した。
(B)乳化物のTgが−52℃である比較例5の水性エマルションを用いた粘着シートは、被着体への糊残りが生じた。また、比較例5の粘着シートは、貼り合わせの初期(20分後剥離力)の粘着力が不十分であり、貼り合わせ24時間後の粘着力の評価の際に凝集破壊した。
また、付加開裂型連鎖移動剤の使用量が多すぎる比較例6の水性エマルションを用いた粘着シートは、被着体への糊残りが生じた。また、比較例6の粘着シートは、貼り合わせの初期(20分後剥離力)の粘着力が不十分であり、貼り合わせ24時間後の粘着力の評価の際に凝集破壊した。
また、(A)乳化物を使用しない比較例7の水性エマルションを用いた粘着シートは、被着体への糊残りが生じた。また、比較例7の粘着シートは、貼り合わせ20分後および24時間後の粘着力の評価の際に凝集破壊した。
また、(A)乳化物のTgが−8℃である比較例8の水性エマルションを用いた粘着シートは、貼り合わせの初期(20分後剥離力)の粘着力が不十分であり、貼り合わせ24時間後の粘着力も不十分であった。

Claims (10)

  1. 付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、前記工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを含み、且つ、以下の(1)〜(3)の条件を満たす製造方法により得られる水性エマルション。
    (1)付加開裂型連鎖移動剤の量が、前記第一重合性成分と前記第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部である。
    (2)前記第一重合性成分は、ガラス転移温度が−20℃以下の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の70〜95質量%である。
    (3)前記第二重合性成分は、ガラス転移温度が50℃以上の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の5〜30質量%である。
  2. ゲル分率が90%以上である請求項1に記載の水性エマルション。
  3. 前記第一重合性成分は、ガラス転移温度が−40℃以下の重合体を与える請求項1または請求項2に記載の水性エマルション。
  4. 前記第二重合性成分は、ガラス転移温度が70℃以上の重合体を与える請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水性エマルション。
  5. 前記第二重合性成分が、メチルメタクリレートおよび/またはn−ブチルアクリレートを50質量%超含む請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の水性エマルション。
  6. 前記第一重合性成分が、n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレートを50質量%超含む請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の水性エマルション。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の水性エマルションを含有する水性粘着剤組成物。
  8. 基材の片面または両面に粘着層を有し、前記粘着層が、請求項7に記載の水性粘着剤組成物を用いて形成してなるものである粘着シート。
  9. 付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、第一重合性成分を乳化重合する工程(I)と、前記工程(I)で得られた重合物に第二重合性成分を供給して重合する工程(II)とを含み、且つ、以下の(1)〜(3)の条件を満たす水性エマルションの製造方法。
    (1)付加開裂型連鎖移動剤の量が、前記第一重合性成分と前記第二重合性成分とを合計した全重合性成分100質量部に対して0.05〜1質量部である。
    (2)前記第一重合性成分は、ガラス転移温度が−20℃以下の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の70〜95質量%である。
    (3)前記第二重合性成分は、ガラス転移温度が50℃以上の重合体を与えるものであって前記全重合性成分中の5〜30質量%である。
  10. 構造単位として軟質重合体と硬質重合体とを含有し、前記両重合体は付加開裂型連鎖移動剤に由来する官能基を有し、
    前記軟質重合体はガラス転移温度が−20℃以下であり、前記重合体の構造単位中に70〜95質量%含まれ、
    前記硬質重合体はガラス転移温度が50℃以上であり、前記重合体の構造単位中に5〜30質量%含まれ、
    前記軟質重合体からなる軟質重合体部分と、前記硬質重合体からなる硬質重合体部分とが二層構造を有している水性エマルション。
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