JPWO2016143084A1 - 光計測装置及び光計測方法 - Google Patents

光計測装置及び光計測方法

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Abstract

多色CARSにおいて指紋領域は信号が密集している領域であり、これら信号の強度や空間分布の情報は細胞解析にとって重要であるが、信号強度が低いという課題があった。そこで、フォトニック結晶ファイバ705への入射光とポンプ光とのパワー分岐比調整機構702,703、ポンプ光の発散収束状態調整機構710,711、ストークス光の発散収束状態調整機構706,2101を備え、所望の波長帯域の強調調整を可能とした。

Description

本発明は、コヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱を利用する光計測装置及び光計測方法に関する。
光学顕微鏡は自然科学、工学、産業分野において必須の装置として発展してきた。特に近年は再生医療や創薬の分野で細胞観察用途として高機能化のニーズが高まっている。現在の細胞解析では試薬を用いて細胞を染色し、顕微鏡等で観察する方法が一般的である。しかし、この方法は染色による細胞への影響のため、同一の細胞の継続的な解析や検査した細胞をそのまま医療向けに用いることが困難である。
CARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)顕微鏡は、非線形光学効果の応用によってラマン顕微鏡と比較して高速に分子同定が可能であり、非侵襲特性を有することから細胞観察用途に好適である。以下にラマン散乱とCARSについて簡単に説明する。図1は、通常のラマン散乱におけるストークス散乱のエネルギー準位図である。ラマン散乱にはストークス散乱とアンチストークス散乱とがあるが、図1ではストークス散乱のみを示した。101は分子の基底状態を表し、102は振動励起状態を表す。周波数ωPのポンプ光を分子に照射すると、中間状態103を経て、周波数ωSの光を散乱する。このとき、分子は振動励起状態102の一つに帰着する。散乱光は、周波数ωSがポンプ光の周波数ωPより低いストークス光となっている。分子の振動励起状態の準位は複数あり、分子の種類によって振動励起状態が異なり、また中間状態から振動励起状態の準位への遷移確率が異なるため、分子特有のスペクトルが形成される。ラマンシフト周波数ΩはΩ=ωP−ωSで表され、ストークス散乱の場合は正の値となる。アンチストークス光の場合は、始状態が分子の振動励起状態102であり、中間状態103を経て分子の状態が基底状態101に帰着する。この場合、ωASをアンチストークス光の周波数とすると、ωP<ωASとなっており、アンチストークスラマン散乱光の方がポンプ光より周波数が高い。
上記のラマン散乱は得られる散乱光の強度が弱いため測定に時間を要する。強い散乱光が得られる方式として、非線形ラマン散乱であるCARSを利用する分光方法が挙げられる。CARS光の発生のためにはピークパワーの高いパルスレーザを用いる。このパルスレーザ光によって発生するCARSは非線形光学効果によるものであり、その強度はピークパワーの増加に伴ってラマン散乱と比べて桁違いに強いものとなる。これにより、高い信号雑音比の信号が得られ、計測時間を格段に短くすることができる。
CARSは3次の分極による発光であり、CARSを発生させるためには、ポンプ光、ストークス光、プローブ光が必要とされる。一般的には、光源の数を少なくするために、プローブ光はポンプ光で代用される。この場合、誘起される3次の分極は
AS (3)AS)=|χr (3)AS)+χnr (3)|EP 2P)E* SS)
で表される。ここに、χr (3)AS)は3次の電気感受率の分子振動の共鳴項であり、周波数依存性のないχnr (3)は非共鳴項である。また、ポンプ光及びプローブ光の電場をEPで表し、ストークス光の電場はESで表している。上式中でESの肩についたアスタリスクは複素共役を示す。CARS光の強度は以下のように表される。
CARSAS)∝|PAS (3)AS)|2
図2は、CARSにおけるエネルギー準位図である。CARS光が発生する機構を、図2に示した分子のエネルギー準位図を用いて説明する。本図は共鳴項のプロセスを示している。図1と同様に、101は分子の基底状態を表し、102は振動励起状態を表す。周波数ωPのポンプ光と周波数ωSのストークス光を同時に照射する。このとき分子は中間状態103を介して、102のある振動励起準位に励起される。この励起状態にある分子に周波数ωPのプローブ光を照射すると、中間状態104を介して周波数ωASのCARS光を発生しながら、分子は基底状態に戻る。このときのCARS光の周波数はωAS=2・ωP−ωSと表される。
上記3次の分極のうち非共鳴項χnr (3)に関係する一つのプロセスを図3に示す。周波数ωPのポンプ光と周波数ω’Sのストークス光の同時照射によって誘起される状態が振動励起状態ではなく、105の中間状態が励起されるプロセスである。周波数ωPのプローブ光を照射することにより、中間状態104を介して周波数ωASの非共鳴のCARS光が発生する。
CARS顕微鏡のうち、図4に示すようにストークス光として広帯域な光源を用い、発生するCARS光を分光検出するものは多色CARS顕微鏡(もしくはマルチプレックスCARS顕微鏡)と呼ばれる。多色CARS顕微鏡は、CARS光の分光スペクトルからラマンスペクトルを推定できるため、特許文献1のように特定のスペクトル成分のみを検出する方式(これを便宜的に単色CARSもしくはシングルCARSと呼ぶ)に比べて取得できる情報が多く、測定対象のより詳細な解析に適している。
図5は、従来の多色CARS顕微鏡の構成を示す図である。短パルスレーザ光源501からの出力はビームスプリッタ502で2分岐され、一方がフォトニック結晶ファイバ503などの光ファイバに導入され、内部で広帯域な光(スーパーコンティニューム光と呼ばれる)が発生する。スーパーコンティニューム光はファイバからの出射後に所望の波長成分(励起光よりも波長が長い成分)のみがロングパスフィルタ504により抽出され、これがストークス光として用いられる。もう一方の励起光とストークス光はダイクロイックミラー505等により合波され、サンプル506に集光、照射されてCARS光が発生し、これを分光器507で検出してスペクトルを取得する。
米国特許6108081号明細書 特開2009−222531号公報
前述のように、多色CARS顕微鏡は複数の分子振動に対応したCARS信号を同時に取得可能な方式であるが、その信号強度は波数帯域によって大きく異なる。図6は、従来のCARSスペクトルを示し、脂肪細胞のCARSスペクトルの例である。脂肪細胞からは、2900cm-1近傍のCH伸縮に対応する大きなCARS信号のほかに、約800〜1800cm-1の指紋領域内にアミドIII、CH変角、アミドIなどの信号が得られる。指紋領域は各分子振動に対応した信号が密集している領域であり、これら信号の強度や空間分布の情報は細胞解析にとって重要であるが、図6に示すように信号強度が弱いことが課題である。特に物質の空間分布を示すCARSスペクトルイメージを取得する場合には、信号強度の弱さに起因して測定時間が数分から数十分必要であった。
本発明者らは、多色CARS顕微鏡は調整によって所望波数帯域のS/Nが変化することを新たに見出した。
第一に、CARS信号強度はポンプ光強度の2乗とストークス光強度の1乗に比例する。従って、一つの短パルスレーザ光源からの出射光をポンプ光とフォトニック結晶ファイバへの入射光に分岐する場合、ストークス光となる広帯域光の強度を確保しながらポンプ光へパワー配分することが重要である。また、スーパーコンティニューム光のスペクトルは、フォトニック結晶ファイバへの入射光強度に依存して変化する。従って、必要なCARS光の波数帯域によってポンプ光とフォトニック結晶ファイバ入射光のパワー分岐比の最適値が変化することを見出した。
第二に、CARS過程は非線形光学効果の一つである。そのため、サンプル中でポンプ光とストークス光が同じ位置に集光することが重要である。多色CARSの場合、ストークス光は広帯域であるため対物レンズによる色収差が発生し、サンプル中でのポンプ光とストークス光の合波調整により生成されるCARS光スペクトルが変化することを見出した。
本発明は、これらの新たに見出された現象に対してなされたものであり、上記第一の課題に対応して、光計測装置にポンプ光とフォトニック結晶ファイバ入射光のパワー分岐比を調整する機構を設けた。また、第二の課題に対応して、光計測装置にサンプル中での広帯域ストークス光及び/又はポンプ光の集光位置を調整する機構を設けた。
すなわち、本発明の一態様の光計測装置は、短パルスレーザ光源と、短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐する分岐部と、第一の光束からスーパーコンティニューム光を生成させる光ファイバと、スーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし第二の光束をポンプ光として両者を合波する合波部と、合波部で合波された光をサンプルに集光する集光光学系と、サンプルより生じた光を検出する分光器と、分光器で検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて分岐部における第一の光束と第二の光束の光量比を調整する光量比調整部と、を有する。
また、本発明の別の態様の光計測装置は、短パルスレーザ光源と、短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐する分岐部と、第一の光束からスーパーコンティニューム光を生成させる光ファイバと、スーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし第二の光束をポンプ光として両者を合波する合波部と、合波部で合波された光をサンプルに集光する集光光学系と、サンプルより生じた光を検出する分光器と、分光器で検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいてストークス光のサンプル中の集光位置を調整する調整部と、を有する。
また、本発明の別の態様の光計測装置は、短パルスレーザ光源と、短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐する分岐部と、第一の光束からスーパーコンティニューム光を生成させる光ファイバと、スーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし第二の光束をポンプ光として両者を合波する合波部と、合波部で合波された光をサンプルに集光する集光光学系と、サンプルより生じた光を検出する分光器と、分光器で検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて前記ポンプ光のサンプル中の集光位置を調整する調整部と、を有する。
また、本発明による光計測方法は、短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐し、第一の光束から生成したスーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし第二の光束をポンプ光として同軸上に合波し、合波した光をサンプルに集光することによって生じるスペクトルを検出する光計測方法であって、検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて下記(1)(2)(3)の少なくともいずれかの調整を行う。
(1)第一の光束と第二の光束の光量比調整
(2)ストークス光のサンプル中の集光位置調整
(3)ポンプ光のサンプル中の集光位置調整
本発明によれば、CARSスペクトルのうち所望の物質に対応した波数帯域を強調することができ、高S/N化を図ることができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
通常のラマン散乱におけるストークス散乱のエネルギー準位図。 CARSにおけるエネルギー準位図。 CARSにおける非共鳴光の一例を説明するエネルギー準位図。 ブロードバンドのレーザ光をストークス光として使用した場合のCARSのエネルギー準位図。 従来の多色CARS顕微鏡の構成図。 従来のCARSスペクトルの例。 パワー分岐比調整機構を備えた光計測装置の基本的な構成例を示す模式図。 反射CARS光を検出する光計測装置の模式図。 ユーザインターフェースの例を示す模式図。 広帯域ストークス光のスペクトルの例を示す図。 パワー分岐比とCARS光強度の関係を示す図。 測定対象物質の指定を受けてから測定終了までの処理の例を示すフローチャートの例。 複数の波数帯域でパワー分岐比調整と測定を実施し、結果を表示する処理の例を示すフローチャート。 指紋領域のS/N向上の例を示す図。 脂肪細胞の明視野像とCARSスペクトル像。 スーパーコンティニューム光の発散収束状態調整機構を備えた光計測装置の基本的な構成例を示す模式図。 広帯域ストークス光とポンプ光を対物レンズでサンプルに集光する様子を示す模式図。 測定対象物質の指定を受けてから測定終了までの処理の例を示すフローチャート。 複数の波数帯域でフォーカス調整及び測定を実施し、結果を表示する処理の例を示すフローチャート。 ポンプ光の発散収束状態調整機構を備えた光計測装置の基本的な構成例を示す模式図。 ポンプ光の光路に光ファイバを用いた光計測装置の例を示す模式図。 ポンプ光の発散収束状態の調整に空間位相変調器を用いた光計測装置の例を示す模式図。 パワー分岐比調整機構及びポンプ光/スーパーコンティニューム光の発散収束状態調整機構を備えた光計測装置の基本的な構成例を示す模式図。 測定対象物質の指定を受けてからパワー分岐比調整及びポンプ光/スーパーコンティニューム光のフォーカス調整を行い測定を終了するまでの処理の例を示すフローチャート。 ポンプ光とストークス光のフォーカスの2次元マップの例を示す図。 測定時のスキャン動作の例を示す図。 複数の波数帯域でパワー分岐比調整及びポンプ光/スーパーコンティニューム光のフォーカス調整を実施し、測定を行って結果を表示する処理の例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
本実施例では、ポンプ光パワーとフォトニック結晶ファイバに集光するパワーの比を調整する装置や動作の例を説明する。
(装置構成)
図7は、パワー分岐比調整機構を備えた本実施例の光計測装置の基本的な構成例を示す模式図である。本装置は、1/2波長板702と偏光ビームスプリッタ703によるパワー分岐比調整機構を備えている。本調整機構は、分光器719からの信号を受け取るコントローラ700の指示に基づいて動作する。以下、各構成要素について詳細に説明する。
コントローラ700は、調整機構を含む装置全体の制御を行うとともに、ユーザからの測定指示の受け付けや測定結果の表示を行うインターフェースを備える。短パルスレーザ光源701は、コントローラ700の指示に基づいて短パルスレーザ光を出射する。短パルスレーザ光源701はチタンサファイアレーザやファイバレーザ、マイクロチップレーザなどであり、パルス幅はナノ秒以下である。また、ピークパワーは非線形光学効果を誘起可能なキロワットオーダ以上が望ましい。波長については測定対象の吸収帯域や用いる光学部品の対応波長から選定すればよいが、800nmや1064nmなどとすることができる。
レーザ光はパワー分岐比調整機構である1/2波長板702及び偏光ビームスプリッタ703に入射する。1/2波長板702はコントローラ700の指示に基づいてレーザ光の偏光方向を変化させ、偏光ビームスプリッタ703は偏光方向に基づいたパワー分岐比でレーザ光を透過成分と反射成分とに分岐する。偏光ビームスプリッタ703を透過したレーザ光は、集光レンズ704によってフォトニック結晶ファイバ705の端面に集光される。フォトニック結晶ファイバはコアの周囲に蜂の巣状の中空のクラッドが形成された光ファイバであり、入射光をコアに強く閉じ込める。短パルスレーザ光を入射することによって自己位相変調や四光波混合等の非線形光学現象が誘起され、幅広いスペクトルを有するスーパーコンティニューム光が生成される。生成されたスーパーコンティニューム光は、コリメートレンズ706によって平行光となり、ロングパスフィルタ707によって短波長成分がカットされたのち、ポンプ光波長を反射しそれ以外の波長の光を透過するダイクロイックミラー708を透過してストークス光として対物レンズ713に入射する。
一方、偏光ビームスプリッタ703を反射したレーザ光は、ミラー709、ミラー712、及びダイクロイックミラー708によって反射され、ポンプ光として対物レンズ713に入射する。対物レンズ713は、ダイクロイックミラー708によって同軸上に合波された広帯域ストークス光とポンプ光とをサンプル714に集光する。サンプル714内でのストークス光とポンプ光のエネルギー密度を増加させ、CARS光生成効率を向上させるため、対物レンズ713の開口数は例えば0.8以上など高いほうが望ましい。
サンプル714では前述のCARS過程が誘起され、サンプル714の分子種に対応する波長のCARS光が生成される。CARS光はコリメートレンズ715にて平行光となり、ノッチフィルタ717及びショートパスフィルタ718によってポンプ光及びストークス光の透過成分がカットされ、分光器719に入射する。分光器719はCARSスペクトルを検出し、コントローラ700にフィードバックを行う。
なお、図7ではポンプ光及びストークス光の入射方向と同方向に伝播するCARS光を検出する透過型CARSシステムを示したが、図8に示すように反射CARS光を検出してもよい。この場合には、ポンプ光波長より短波長成分を反射し、長波長成分を透過するロングパスフィルタ724を用いて反射CARS光を分光器719に導入すればよい。
図9は、コントローラ700に表示されるユーザインターフェースの例を示す模式図である。測定範囲の指定、測定開始の指示、再調整の実施指示などユーザからの指示を受け付けるとともに、「調整中」などのステータス表示や測定結果の表示機能を備える。なお、ユーザインターフェースは必ずしもコントローラに備わっている必要はなく、パーソナルコンピュータ用の制御ソフトなどを用意し、図示しないモニタに別途表示してもよい。
(調整機構とCARSスペクトルの関係)
パワー分岐比調整機構とCARSスペクトルの関係について説明する。図10は、フォトニック結晶ファイバ(以下PCFと略記する)によって生成した広帯域ストークス光のスペクトルをPCFへの入射パワーごとに示した図である。横軸はポンプ光の波長1064nmを基準とした波数で表示しており、生成されるCARS光の波数に直接対応する。なおPCF出射直後のスーパーコンティニューム光は負の波数側にもスペクトルが広がっているが、ここではロングパスフィルタ707によってカットした後のスペクトルを示した。
PCFへの入射パワーが増加するのに伴ってスペクトルが広がっており、3000cm-1以上のCARS光を得るためには50mW以上必要である。一方、必要なCARS光の波数帯域が1000cm-1までの場合には20mW以上入射すればよい。CARSは非線形光学効果の一つであり、その信号強度はポンプ光強度の2乗及びストークス光強度の1乗に比例する。したがって、一つの短パルスレーザ光源からスーパーコンティニューム光の生成光とポンプ光とに分岐する図7のシステムでは、両者のパワー分岐比がCARS光強度にとって重要となる。
以上のスーパーコンティニューム光及びCARS光の生成特性から、パワー分岐比とCARS光強度の関係をシミュレーションした。ここで、短パルスレーザ光源のパワー200mW、短パルスレーザ光源からPCF入射までの光利用効率0.75を仮定した。図11は、パワー分岐比とCARS光強度の関係を示す図である。1000cm-1までのCARS光が必要な場合に比べ、3000cm-1のCARS信号が必要な場合にはPCFへの入射パワーをより高く取る必要がある。すなわち、着目するCARS光の帯域によって最適な分岐比が異なることを示している。本実施例では、所望の波数帯域に応じてパワー分岐比を調整することにより高S/N化を図ることができる。
(装置動作)
図12は、光計測装置のコントローラがユーザによる測定対象物質の指定を受けてから測定終了までの処理の例を示すフローチャートである。S1401にてコントローラ700は、ユーザインターフェースを介してユーザからアミドIなどの測定対象物質の指定を受ける。S1402にてコントローラ700は、測定対象物質に対応するCARS光の波数を求める、すなわち測定対象物質を対応する波数に変換する。例えばアミドIでは1650cm-1などである。S1403にてコントローラ700は、ユーザインターフェースに「調整中」などの表示を行う。S1404にてコントローラ700は、1/2波長板702を回転することによりパワー分岐比を変化させながら、S1402で決定した波数における信号強度をモニタし両者の関係を取得する。ここで用いる信号は測定対象から得られるCARS光でもよいし、培地などから得られる非共鳴光でもよい。S1405にてコントローラ700は、S1404で求めた関係から信号強度最大となるパワー分岐比に設定する。S1408にてコントローラ700は、ユーザインターフェースに調整完了などの表示を行い、S1409にて測定を開始する。なお、ここで測定とは指定された領域のCARSスペクトル、又は指定された領域のCARSスペクトルイメージを取得することである。
S1410でコントローラ700は、ユーザインターフェースに測定結果を表示し、S1411にてユーザから再測定指示がなければS1412にてユーザからの再調整指示を確認し、指示がなければ終了する。コントローラ700は、S1411にて再測定指示があればS1409に戻り再測定を行う。また、S1412にて再調整指示があればS1403に戻り調整を再度実施する。
図12では所望の波数帯域のS/Nを向上させるフローチャートの例を示したが、複数の波数帯域で本動作を実施し、結果を連結することで全波数帯域にわたって高S/N化を図ることも可能である。図13は、複数の波数帯域でパワー分岐比調整と測定を実施し、結果を表示する処理の例を示すフローチャートである。
S1501にてコントローラ700は、対象物質の指定なしに測定開始指示を受ける。S1502にてコントローラ700は、調整及び測定を行う波数帯域を決定する。測定する波数帯域については、例えば測定する全波数帯域を適当な数で等分して決定すればよい。例えば、0−3000cm-1まで測定する場合には、0〜1000cm-1、1000〜2000cm-1、2000〜3000cm-1に分割し、それぞれS1503からS1409までの調整及び測定を行えばよい。S1503にてコントローラ700は、ユーザインターフェースに「波数帯域(1)測定中」などの表示を行う。S1404からS1409までは図12と同様なので説明を省略する。S1504にてコントローラ700は、分割した波数帯域の全ての測定が完了したかを確認し、完了していなければS1502に戻り次の波数帯域の調整と測定を行う。S1504の判定にて全ての測定が完了している場合にはコントローラ700は、S1505にてS1409で測定した各測定スペクトルを連結表示することで全ての波数帯域にわたって高S/Nなスペクトルが得られる。またCARSスペクトルイメージが必要な場合には、S1409で測定した各物質に対応したCARSスペクトルイメージを一覧表示する。なお、S1404の情報は装置の出荷時などに取得しておき、測定時にはその情報を用いて調整してもよい。
(効果)
本実施例の効果を図14に示す。図14は、指紋領域のS/N向上の例を示す図である。図14には、調整を行う前の脂肪細胞の図6に示したスペクトル1801も同時に示した。調整を行う前には2900cm-1近傍のCH伸縮に対応する信号が高強度で得られているが、指紋領域内の信号が殆ど得られていない。一方、スペクトル1802はスペクトル1801と同じ細胞の同じ位置において、本実施例に従う装置及び調整方法によって指紋領域の強調調整を行い得られたスペクトルである。本調整によって指紋領域内のアミドIII、CH変角、アミドIなどの信号が得られている。
図15は、脂肪細胞の明視野像と、本実施例に従う装置にて取得したアミドI(1650cm-1)の空間分布を示すCARSスペクトル像である。本実施例により細胞中の脂肪滴1901に対応してCARS像の強度が強く得られている。
本実施例によって、波長板や偏光ビームスプリッタなどの簡便な構成により必要十分な波長帯域を有する広帯域ストークス光を生成するとともに、ポンプ光に適切なパワーを配分することが可能となる。これにより、安価かつ短時間で所望の波数帯域の高S/N化を実現できる。
[実施例2]
本実施例では、ストークス光のフォーカス調整を行う装置や動作の例を説明する。なお実施例1と同様な内容については説明を省略する。
(装置構成)
図16は、本実施例の光計測装置の基本的な構成例を示す模式図である。本装置は、ストークス光のサンプル中の集光位置を調整する調整部として、コリメートレンズ706によるスーパーコンティニューム光の発散収束状態調整機構を備えている。本調整機構は、分光器719からの信号を受け取ったコントローラ700の指示に基づいて動作する。
PCF705によって生成されたスーパーコンティニューム光は、コリメートレンズ706のZ位置を変化させることにより発散収束状態が変化する。コリメートレンズ706のZ位置の調整にはステッピングモータを備えたステージ2101を用いてもよいし、ピエゾ等を用いてもよい。スーパーコンティニューム光はロングパスフィルタ707によって短波長成分がカットされたのち、ポンプ光波長を反射しそれ以外の波長の光を透過するダイクロイックミラー708を透過してストークス光として対物レンズ713に入射する。対物レンズ713に入射する際のストークス光の発散収束状態に応じて、ストークス光のサンプル714内のZ方向の集光位置が変化する。その他の構成については実施例1と同様であるので説明を省略する。
(調整機構とCARSスペクトルの関係)
スーパーコンティニューム光の発散収束状態調整機構とCARSスペクトルの関係について説明する。CARS過程は非線形光学効果の一つであり、サンプル中でポンプ光とストークス光の集光位置がずれている場合、CARS光生成効率が急激に低下する。すなわち、ポンプ光とストークス光が同じ位置に集光している領域のみからCARS光が生成される。
図17は、広帯域ストークス光とポンプ光を対物レンズでサンプルに集光する様子を示す模式図である。多色CARSではストークス光が広帯域のため、波長によって集光位置が変化する色収差が発生する。ストークス光のうち、ポンプ光と集光位置が一致している波長成分がCARS光生成に寄与するため、両者の合波状態によって生成されるCARS光の波長が変化し、結果としてスペクトルが変化する。本実施例では、コリメートレンズ706のZ位置を調整することによってストークス光の発散収束状態が変化する。これによってサンプル内のストークス光の集光位置を調整することができ、ポンプ光との合波状態を変化させることにより所望の波数帯域の高S/N化を図ることができる。なお、図17では説明を分かりやすくするため、広帯域ストークス光が3種類の波長のみ含むように表示しているが、実際には広帯域ストークス光は図10に示すような連続的なスペクトルを有している。また、ビーム径や対物レンズの大きさと色収差の大きさの関係は実際と異なり誇張して表現している。
(装置動作)
図18は、ユーザによる測定対象物質の指定を受けてから測定終了までの処理の例を示すフローチャートである。S1401からS1403までは実施例1と同様である。
S1406にてコントローラ700は、コリメートレンズ706のZ位置を変化させることによりストークス光の発散収束状態を変化させ、サンプル内でのストークス光のフォーカス位置を変化させる。コントローラ700は、フォーカス位置を変化させながらS1402で決定した波数における信号強度をモニタし、両者の関係を取得する。S1407にてコントローラ700は、S1406で取得した関係から信号強度最大となるフォーカス位置に設定する。なお、S1406の情報は装置の出荷時などに取得しておき、測定時にはその情報を用いて調整してもよい。以降の動作は実施例1と同様であるので説明を省略する。
図18では所望の波数帯域のS/Nを向上させるフローチャートの例を示したが、複数の波数帯域で本動作を実施し、結果を連結することで全波数帯域にわたって高S/N化を図ることも可能である。図19は、複数の波数帯域でスーパーコンティニューム光のフォーカス調整及び測定を実施し、結果を表示する処理の例を示すフローチャートである。図19に示したフローチャートは、図13に示したフローチャートのS1404及びS1405を図18のS1406及びS1407で置き換えたものに相当する。各ステップの詳細はこれまで説明したのと同様であるので説明を省略する。
(効果)
本実施例によってコリメートレンズのZ位置調整のみの簡便な構成および方法により広帯域ストークス光のポンプ光との合波状態およびサンプル中の集光状態を調整することが可能となる。これによって安価かつ短時間で所望の波数帯域の高S/N化を実現できる。なお実施例1とは原理が異なるが、調整によって誘起される現象については同様であるので具体的な例については説明を省略する。
[実施例3]
本実施例では、ポンプ光のフォーカス調整を行う装置や動作の例を説明する。なお実施例1と同様な内容については説明を省略する。
(装置構成)
図20は、本実施例の光計測装置の基本的な構成例を示す模式図である。本装置は、ポンプ光のサンプル中の集光位置を調整する調整部として、レンズ710及び711によるポンプ光の発散収束状態調整機構を備えている。本調整機構は、分光器719からの信号を受け取ったコントローラ700の指示に基づいて動作する。
レンズ710及び711はビームエキスパンダを構成しており、両者の相対Z位置によってレーザ光の発散収束状態を調整する。Z位置の調整にはステッピングモータを備えたステージ2301を用いてもよいし、ピエゾ等を用いてもよい。対物レンズ713に入射する際のポンプ光の発散収束状態に応じて、ポンプ光のサンプル714内でのZ方向の集光位置が変化する。その他の構成については実施例1と同様であるので説明を省略する。
なお図20では空間光学系を用いてポンプ光を伝播させる例を示したが、図21に示すように集光レンズ720、光ファイバ721、コリメートレンズ722によるファイバ光学系をポンプ光の光路に用いて装置の小型化を図ってもよい。この場合にはコリメートレンズ722のZ位置調整によってポンプ光の発散収束状態を調整可能である。
また、発散収束状態の調整には必ずしもレンズを用いる必要はなく、例えばレーザ光のビームプロファイル中のXY平面位置ごとに位相を変調することで発散収束状態を制御可能な空間位相変調器を用いてもよい。図22は、ポンプ光の発散収束状態の調整に空間位相変調器を用いた光学観察装置の例を示す図である。図22の例では、ビームエキスパンダを構成するレンズ710,711、及びミラー712を反射型の空間位相変調器723で置き換えている。
(調整機構とCARSスペクトルの関係)
ポンプ光の発散収束状態調整機構とCARSスペクトルの関係について説明する。実施例2で述べた通り、ポンプ光とストークス光の合波状態によって生成されるCARS光の波長が変化し、結果としてスペクトルが変化する。本実施例では、ポンプ光の発散収束状態が変化することにより、図17においてポンプ光のZ集光位置が変化する。そのため、サンプル714中でポンプ光と空間的に重なるストークス光の波長が変化し、その合波状態によりCARS光の発生条件が変化する。
(装置動作)
本実施例における装置動作は実施例2の図18の動作と同様である。S1406にてレンズ710とレンズ711の相対Z位置を変化させることによりポンプ光の発散収束状態を変化させ、サンプル内でのポンプ光のフォーカス位置を変化させる。フォーカス位置を変化させながらS1402で決定した波数における信号強度をモニタし、両者の関係を取得する。その他の動作については実施例2と同様であるため説明を省略する。
(効果)
本実施例によってコリメートレンズのZ位置調整のみの簡便な構成および方法によりポンプ光のストークス光との合波状態およびサンプル中の集光状態を調整することが可能となる。これによって安価かつ短時間で所望の波数帯域の高S/N化を実現できる。なお実施例1とは原理が異なるが、調整によって誘起される現象については同様であるので具体的な例については説明を省略する。
[実施例4]
本実施例では、ポンプ光パワーとフォトニック結晶ファイバに集光するパワーの比、ポンプ光のフォーカス、及びストークス光のフォーカスの調整を行う装置や動作の例を説明する。なお、実施例1と同様な内容については説明を省略する。
(装置構成)
図23は、本実施例の光計測装置の基本的な構成例を示す模式図である。本装置は、第一の調整機構である1/2波長板702及び偏光ビームスプリッタ703によるパワー分岐比調整機構、第二の調整機構であるコリメートレンズ706によるスーパーコンティニューム光の発散収束状態調整機構、第三の調整機構であるレンズ710及び711によるポンプ光の発散収束状態調整機構を備えている。それぞれの調整機構は、分光器719からの信号を受け取るコントローラ700の指示に基づいて動作する。その他の構成については実施例1と同様であるので説明を省略する。
(装置動作)
図24は、ユーザによる測定対象物質の指定を受けてから測定終了までの処理の例を示すフローチャートである。S1401からS1403までは実施例1と同様である。S1404にてコントローラ700は、第一の調整機によってパワー分岐比と、S1402で決定した波数における信号強度の関係を取得する。ここで用いる信号は測定対象から得られるCARS光でもよいし、培地などから得られる非共鳴光でもよい。S1405にてコントローラ700は、S1404で求めた関係から信号強度最大となるパワー分岐比に設定する。
S1406にてコントローラ700は、第二及び第三の調整機構であるポンプ光とストークス光の発散収束状態を変化させることにより、サンプル内のフォーカス位置をそれぞれ変化させ信号強度との関係を2次元的にマッピングする。S1407にてコントローラ700は、S1406で取得した関係から信号強度最大となるフォーカス位置に設定する。コントローラ700は、S1408にてユーザインターフェースに調整完了などの表示を行い、S1409にて測定を開始する。以降の動作は実施例1と同様であるので説明を省略する。
なお、S1404やS1406など、調整のための情報は装置の出荷時などに取得しておき、測定時にはその情報を用いて調整してもよい。特にS1406のポンプ光とストークス光の2次元スキャンを行う場合には完了までに時間を要する場合がある。従って、例えば図25に示すような2次元スキャンの結果である2次元マップを出荷時に取得しておき、測定時には図26に矢印1701で示すようにストークス光フォーカスあるいはポンプ光フォーカスの1軸スキャンを行い、信号最大となるフォーカス位置から矢印1702のように出荷時に取得した等高線の傾きなどポンプ光とストークス光の特徴的な関係に沿ってスキャンを行ってもよい。
図24では所望の波数帯域のS/Nを向上させるフローチャートの例を示したが、複数の波数帯域で本動作を実施し、結果を連結することで全波数帯域にわたって高S/N化を図ることも可能である。図27は、複数の波数帯域でパワー分岐比調整及びポンプ光/スーパーコンティニューム光のフォーカス調整を実施し、測定を行って結果を表示する処理の例を示すフローチャートである。S1501にてコントローラ700は、対象物質の指定なしに測定開始指示を受ける。その後の各ステップの詳細は実施例1〜3までと同様であるため説明を省略する。
(効果)
本実施例によって必要十分な波長帯域を有する広帯域ストークス光を生成するとともに、ポンプ光とストークス光との合波集光状態を調整することが可能となる。これらの調整によって、実施例1から3までと比較してより高S/N化を実現できる。本実施例の構成及び調整方法は、微小な信号が密集している指紋領域のスペクトル取得やイメージングに極めて有効である。なお調整によって誘起される現象については実施例1と同様であるので具体的な例については説明を省略する。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101 分子の基底状態
102 振動励起状態
103 中間状態
104 中間状態
105 中間状態
700 コントローラ
701 短パルスレーザ光源
702 1/2波長板
703 偏光ビームスプリッタ
704 集光レンズ
705 フォトニック結晶ファイバ
706 コリメートレンズ
707 ロングパスフィルタ
708 ダイクロイックミラー
709 ミラー
710 レンズ
711 レンズ
712 ミラー
713 対物レンズ
714 サンプル
715 コリメートレンズ
717 ノッチフィルタ
718 ショートパスフィルタ
719 分光器
720 集光レンズ
721 光ファイバ
722 コリメートレンズ
723 空間位相変調器
724 ロングパスフィルタ
1901 脂肪滴

Claims (13)

  1. 短パルスレーザ光源と、
    前記短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐する分岐部と、
    前記第一の光束からスーパーコンティニューム光を生成させる光ファイバと、
    前記スーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし前記第二の光束をポンプ光として両者を合波する合波部と、
    前記合波部で合波された光をサンプルに集光する集光光学系と、
    前記サンプルより生じた光を検出する分光器と、
    前記分光器で検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて前記分岐部における前記第一の光束と前記第二の光束の光量比を調整する光量比調整部と、
    を有する光計測装置。
  2. 請求項1記載の光計測装置において、
    前記ポンプ光となる前記第二の光束を伝播させる第二の光ファイバを有する光計測装置。
  3. 請求項1又は2記載の光計測装置において、
    前記ストークス光のサンプル中の集光位置を調整する調整部を有する光計測装置。
  4. 請求項1又は2記載の光計測装置において、
    前記ポンプ光のサンプル中の集光位置を調整する調整部を有する光計測装置。
  5. 請求項4記載の光計測装置において、
    前記調整部は空間光位相変調器を備える光計測装置。
  6. 短パルスレーザ光源と、
    前記短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐する分岐部と、
    前記第一の光束からスーパーコンティニューム光を生成させる光ファイバと、
    前記スーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし前記第二の光束をポンプ光として両者を合波する合波部と、
    前記合波部で合波された光をサンプルに集光する集光光学系と、
    前記サンプルより生じた光を検出する分光器と、
    前記分光器で検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて前記ストークス光のサンプル中の集光位置を調整する調整部と、
    を有する光計測装置。
  7. 請求項6記載の光計測装置において、
    前記調整部は前記ストークス光の発散収束量を調整する光計測装置。
  8. 請求項6記載の光計測装置において、
    前記ポンプ光となる前記第二の光束を伝播させる第二の光ファイバを有する光計測装置。
  9. 短パルスレーザ光源と、
    前記短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐する分岐部と、
    前記第一の光束からスーパーコンティニューム光を生成させる光ファイバと、
    前記スーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし前記第二の光束をポンプ光として両者を合波する合波部と、
    前記合波部で合波された光をサンプルに集光する集光光学系と、
    前記サンプルより生じた光を検出する分光器と、
    前記分光器で検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて前記ポンプ光のサンプル中の集光位置を調整する調整部と、
    を有する光計測装置。
  10. 請求項9記載の光計測装置において、
    前記調整部は前記ポンプ光の発散収束量を調整する光計測装置。
  11. 請求項9記載の光計測装置において、
    前記ポンプ光となる前記第二の光束を伝播させる第二の光ファイバを有する光計測装置。
  12. 請求項9記載の光計測装置において、
    前記調整部は空間光位相変調器を備える光計測装置。
  13. 短パルスレーザ光源からの出射光を第一の光束と第二の光束とに分岐し、
    前記第一の光束から生成したスーパーコンティニューム光のうちの長波長成分をストークス光とし前記第二の光束をポンプ光として同軸上に合波し、
    合波した光をサンプルに集光することによって生じるスペクトルを検出する光計測方法であって、
    前記検出されたスペクトルの所望帯域の強度に基づいて下記(1)(2)(3)の少なくともいずれかの調整を行う光計測方法。
    (1)前記第一の光束と前記第二の光束の光量比調整
    (2)前記ストークス光のサンプル中の集光位置調整
    (3)前記ポンプ光のサンプル中の集光位置調整
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