JPWO2016121711A1 - リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明は、黒鉛前駆体を粉砕する工程、及び粉砕後の黒鉛前駆体とアルカリ化合物との混合物を2800〜3500℃で加熱して黒鉛化処理をする工程を含む、リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法に関し、高い容量とサイクル特性を兼ね備え、かつ充放電による電極の膨張が小さいリチウムイオン電池、及びそれを実現するための高い容量と低配向性を兼ね備えたリチウムイオン電池用負極及び負極材を提供する。

Description

本発明は、黒鉛粉、リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極及びこれを用いてなるリチウムイオン二次電池に関する。より詳細には、リチウムイオン二次電池の電極材料として好適な黒鉛粉及び電池用負極材料、並びにその負極材料を用いた高容量、充放電サイクル特性に優れ、かつ、充放電による電極膨張が小さいリチウムイオン二次電池に関する。
携帯機器等の電源としてはリチウムイオン二次電池が主に用いられている。近年、携帯機器等はその機能が多様化し消費電力が大きくなってきている。そのため、リチウムイオン二次電池には、その電池容量を増加させ、同時に充放電サイクル特性を向上させることが求められている。
さらに、電動ドリル等の電動工具や、ハイブリッド自動車用等、高出力で大容量の二次電池への要求が高まってきている。この分野は従来、鉛二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池が主に使用されているが、小型軽量で高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池への期待は高く、大電流負荷特性に優れたリチウムイオン二次電池が求められている。
特に、バッテリー電気自動車(BEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等の自動車用途においては、10年間以上にわたる長期間のサイクル特性と、ハイパワーモーターを駆動させるための大電流負荷特性を主たる要求特性とし、さらに航続距離を伸ばすための高い体積エネルギー密度も要求され、モバイル用途に比して過酷なものとなっている。
このリチウムイオン二次電池は、一般に、正極活物質にコバルト酸リチウム等のリチウム塩が使用され、負極活物質に黒鉛等の炭素質材料が使用されている。
黒鉛には、天然黒鉛と人造黒鉛とがある。これらのうち天然黒鉛は安価に入手でき、結晶性が高いために放電容量が大きい。しかし、天然黒鉛は鱗片状を成しているので、バインダーとともにペーストにし、集電体に塗布すると、天然黒鉛が一方向に配向してしまう。配向性が高い天然黒鉛を炭素質材料とする電極を備える二次電池を充電すると、電極が一方向に膨張し、電池としての性能を低下させる。電極が膨張することは電池の膨張に繋がり、膨張に起因する負極の割れや、ペーストの集電体からの剥離により電池周囲の基板に損傷を与える可能性がある。電極の膨張に伴う損傷を防ぐために、電極に用いることができる低配向性の炭素質材料が求められている。天然黒鉛を造粒して球状にしたものが提案されているが、電極作製時の加圧によって球状化天然黒鉛が潰れて配向してしまう。また、球状化天然黒鉛の膨張収縮とともに粒子内部に電解液が入り込み、副反応が発生する。そのためサイクル特性が悪く、大型電池の大電流、長期サイクル特性といった要求を満たすことは非常に難しい。この問題を解決するため、特許文献1では、球状に加工した天然黒鉛の表面に炭素をコーティングする方法が提案されている。しかし、サイクル特性が十分ではない。
一方、人造黒鉛については、まず、特許文献2に記載されているメソカーボン小球体の黒鉛化品が挙げられるが、天然黒鉛等の鱗片状の黒鉛に比べて放電容量が小さく、適用範囲が限定的である。また大型電池に要求される、モバイル用途をはるかに超えた長期にわたるサイクル特性を達成することは困難である。
石油、石炭ピッチ、コークス等の黒鉛化品に代表される人造黒鉛も比較的安価に入手できる。しかし、結晶性の高い針状コークスは高い放電容量を示すが、鱗片状になり電極内で配向しやすい。この問題を解決するため、特許文献3に記載された方法が成果を上げている。この方法は、人造黒鉛原料の微粉の他、天然黒鉛等の微粉も使用可能であり、モバイル用負極材としては、非常に優れた性能を発揮する。しかし、製造方法が煩雑である。
また、特許文献4に記載されている、いわゆるハードカーボンや、非結晶質カーボンを用いた負極材料は、大電流に対する特性に優れ、またサイクル特性も比較的良好である。しかしながら、体積エネルギー密度があまりにも低く、また、価格も非常に高価なため、一部の特殊な大型電池にしか使用されていない。
特許文献5にはサイクル特性に優れた人造黒鉛が開示されているが、体積当たりのエネルギー密度に向上の余地がある。
特許文献6には生の針状コークスから製造された人造黒鉛負極が開示されている。従来の人造黒鉛に対して、初回充放電効率の改善は見られるものの、放電容量が天然黒鉛材料に比して劣る。
特許文献7には石油ピッチを液相でコーティングしたコークスから製造された人造黒鉛負極が開示されている。この負極では、電極の容量密度に課題が残っている。また、大量の有機溶剤を使用し、使用後に該有機溶剤を揮発させるという操作を伴い、製造方法が煩雑となる。
特許文献8にはコールタールピッチと酸化チタン等の黒鉛化触媒を混合させたのち、低温でコークス化、中温度で炭化し、さらに高温度で黒鉛化する工程を経て黒鉛粉を得るという方法を開示している。得られた黒鉛粉は放電容量、初期充放電効率が向上しているが、製造工程が多く、また黒鉛粉中の残存金属の含有量が高く長期間の使用可能性が不明である。
日本国特許第3534391号公報(米国特許第6632569号) 日本国特開平4−190555号公報 日本国特許第3361510号公報 日本国特開平7−320740号公報(米国特許第5587255号) WO2011/049199(米国特許第8372373号) 日本国特開2001−23638号公報 WO2003/064560(米国特許第7323120号) 日本国特開2002−025556号公報
鱗片状の天然黒鉛、球状化天然黒鉛及び特許文献1に記載の天然黒鉛は、高い放電容量を示すが、大型電池に要求される長期にわたるサイクル特性を達成することは困難である。
一方で石油、石炭ピッチ、コークス等の易黒鉛化性原料を黒鉛化することで、サイクル特性に優れた人造黒鉛が製造できることがわかっている。中でも結晶性の高い針状コークスは高い放電容量を示すが、鱗片状になり電極内で配向しやすい。そのため、高い放電容量、長期にわたるサイクル特性、電極内での低配向性を同時に達成するのは困難である。
本発明は以下の構成からなる。
[1]黒鉛前駆体を粉砕する工程、及び粉砕後の黒鉛前駆体とアルカリ化合物との混合物を2800〜3500℃で加熱して黒鉛化処理をする工程を含む、リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[2]前記アルカリ化合物がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物である前項1に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[3]前記アルカリ土類金属の水酸化物が水酸化カルシウムである前項2に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[4]前記混合物における黒鉛前駆体とアルカリ化合物の質量比が70:30〜97:3である前項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[5]前記黒鉛前駆体がコークスまたは石炭を含む前項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
[6]前項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる黒鉛粉。
[7]金属元素を実質的に含まない前項6に記載の黒鉛粉。
[8]前項6または7に記載の黒鉛粉を活物質として用いたリチウムイオン二次電池用負極。
[9]前項8に記載の負極を備えるリチウムイオン二次電池。
[10]前項1〜5のいずれかに記載の方法によりリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉を得る工程、及び得られた前記黒鉛粉を活物質として用いリチウムイオン二次電池用負極を得る工程を有する、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
[11]前項1〜5のいずれかに記載の方法によりリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉を得る工程、得られた前記黒鉛粉を活物質として用いリチウムイオン二次電池用負極を得る工程、及び得られた前記負極をリチウムイオン二次電池の負極とする工程を有する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明に係る黒鉛粉を電極用材料として用いると、高容量とサイクル特性を兼ね備え、かつ、充放電による電極の膨張が小さいリチウムイオン電池、及びそれを実現するための高容量と低配向性を兼ね備えたリチウムイオン電池用負極及び負極材を簡便な方法で得ることができる。
(1)リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法
リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法は、以下のような方法が好適である。黒鉛粉の原料に用いる黒鉛前駆体は、焼成によって黒鉛化が可能な炭素材料であれば特に限定されないが、取り扱いが容易である点でコークスまたは石炭が好ましい。また黒鉛前駆体は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コークスは生コークスまたはか焼コークスを用いることができる。コークスの原料としては、例えば石炭ピッチ、石油ピッチ、及びこれらの混合物等を用いることができる。中でも、特定の条件下でディレイドコーキング処理により得られる生コークスを、さらに不活性ガス雰囲気下で加熱することにより得られるか焼コークスが好ましい。
ディレイドコーキング処理を行う原料としては、例えば原油精製時の重質溜分に対して、流動床接触分解後に触媒を除去したデカントオイルや、瀝青炭等から抽出されたコールタールを200℃以上の温度で蒸留し、得られたタールを100℃以上に昇温することによって十分に流動性をもたせたタールが挙げられる。ディレイドコーキング処理中、少なくともドラム内入り口においては、デカントオイル等の液体状となった原料が450℃以上、さらには510℃以上に昇温されていることが好ましく、450℃まで昇温することによりコークスのか焼時に残炭率が高くなる。か焼とは、ディレイドコーキング処理により得られた生コークス等の原料に含まれる水分及び揮発性の有機成分を除去するために、加熱を行うことをいう。また、ドラム内での圧力は好ましくは常圧以上、より好ましくは300kPa以上、さらに好ましくは400kPa以上に維持する。ドラム内の圧力を常圧以上に維持することにより負極としての容量がより高まる。以上の通り、通常よりも過酷な条件においてコーキングを行うことにより、デカントオイル等の液体状となった原料をより反応させ、より重合度の高いコークスを得ることができる。
か焼は、電気による加熱や、LPG、LNG、灯油、重油等を用いた火炎加熱により行うことができる。原料に含まれる水分及び揮発性の有機化合物の除去には、2000℃以下の加熱で十分であるため、大量の生産を行う際にはより安価な熱源である火炎加熱が好ましい。特に大規模に処理を行う際には、ロータリーキルン内で燃料及び未加熱コークスがもつ有機化合物を燃焼させながら、内炎式または内熱式でコークスを加熱することにより、エネルギーコストを削減することが可能である。
石炭は発熱量及び燃料比によって無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭に分類される。黒鉛前駆体として用いる石炭は特に限定しないが、含有する揮発成分が少なく結晶が成長しやすい無煙炭が好適である。採掘された石炭は粗粉砕され、場合によっては乾燥される。粉砕及び乾燥設備は特に限定されないが、例えば粉砕設備として二軸ロールクラッシャーやジョークラッシャー、乾燥設備としてロータリーキルン等を用いることができる。
黒鉛化処理の前には、黒鉛前駆体の粉砕を行う。黒鉛前駆体が大きい場合には、まずは5cm程度の大きさまで粗粉砕を行うことが好ましい。
コーキング処理により黒鉛前駆体としてのコークスを得た場合には、得られた黒鉛前駆体をドラム内からジェット水流により切り出し、得られた塊を粗粉砕する。
粗粉砕は、金槌、二軸ロールクラッシャー、ジョークラッシャー等を用いることができ、粉砕後の塊を網の一辺の長さが1mmの篩(ふるい)にかけ、篩に残った部分が全体の90質量%以上となるように粉砕するのが好ましい。粒径1mm以下の微粉が大量に発生する程度にまで過粉砕を行うと、以降の加熱の工程等において、乾燥後微粉が舞い上がる、または焼損が増える等の不都合が生じるおそれがある。
粗粉砕を行った黒鉛前駆体をさらに細かく粉砕を行う。粉砕方法は特に限定されないが、公知のジェットミル、ハンマーミル、ローラーミル、ピンミル、振動ミル等を用いて行うことができる。
粉砕は、レーザー回析法による体積基準累積粒径分布におけるメジアン径D50が1〜50μmとなるように行うことが好ましい。D50が1μm未満になるまで粉砕するには特殊な機器を用いて大きなエネルギーが必要となる。また、D50を50μm以下とすることにより、電極とした場合のリチウム拡散が素早く行われ、充放電速度が高くなる。より好ましいD50は5〜35μmであり、更に好ましくは10〜25μmである。D50を10μm以上とすることにより、目的外反応が起きにくくなる。また、自動車等駆動電源として使う際には大電流発生が必要であるとの観点からは、D50は25μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉を製造するには、粉砕後の黒鉛前駆体をアルカリ化合物(アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物)と混合する。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムが挙げられ、好ましくはカルシウムである。化合物の種類は特に限定されず、酸化物、水酸化物、水素化物、炭化物等が挙げられ、好ましくは水酸化物である。アルカリ化合物としては、好ましくは水酸化カルシウムである。混合する手法は特に限定されないが、水やアルコール等の溶媒にアルカリ化合物を溶解させ、該溶液を粉砕後の黒鉛前駆体に噴霧させる手法や、単にアルカリ化合物の粉末と粉砕後の黒鉛前駆体を混合する手法等が挙げられる。アルカリ化合物は黒鉛粉内に残存すると不純物となるが、黒鉛化処理の際の高温加熱に伴い気化するためほとんど残存しない。
粉砕後の黒鉛前駆体とアルカリ化合物を混合する際の質量比について、アルカリ化合物の割合が小さすぎると後述の触媒黒鉛化の効果やアルカリ賦活の効果が十分でなく、また大きすぎると黒鉛化に要するエネルギーに対し、得られる黒鉛が少量となる。この観点から、黒鉛前駆体とアルカリ化合物の質量比は70:30〜97:3が好ましく、75:25〜95:5がより好ましく、さらに好ましくは80:20〜90:10である。
粉砕後の黒鉛前駆体とアルカリ化合物を混合し、その後に黒鉛化処理を行う。黒鉛化処理を行う温度は2800〜3500℃であり、好ましくは3050〜3500℃、さらに好ましくは3150〜3500℃である。処理時間は、例えば10分間〜100時間程度である。より高い温度で処理すると、黒鉛化の程度が大きくなり、黒鉛結晶が成長し、リチウムイオンをさらに高容量で蓄えることが可能な電極を得ることができる。また、より黒鉛前駆体とアルカリ化合物の混合物からアルカリ金属またはアルカリ土類金属を除去しやすい。一方、温度が高すぎると黒鉛粉が昇華するのを防ぐことが困難であり、温度上昇に必要とされるエネルギーが余りにも大きくなるため、黒鉛化温度は3500℃以下であることが好ましい。また2800℃未満では黒鉛化の程度が小さい。
アルカリ化合物には黒鉛化を促進する作用(触媒黒鉛化)がある。例えば酸化カルシウムは炭素と不安定な化合物を形成し、結晶性の高い黒鉛が再析出する。この触媒黒鉛化の効果によって結晶性が向上し、放電容量が向上する。
また使用するアルカリ化合物が水酸化物である場合、昇温過程で分解され、水を生じる。例えば水酸化カルシウムは580℃で熱分解し、水と酸化カルシウムを生じる。水蒸気とともに黒鉛化処理を行う手法(水蒸気賦活)を用いると、水蒸気によって炭素が酸化され、炭素材料の結晶子間に細孔が形成される。
さらに、炭化物の賦活にアルカリ化合物を利用するアルカリ賦活では、アルカリの蒸気が黒鉛の層間に侵入し、層間を押し広げて層間に細孔を形成する。このアルカリ賦活の効果は炭素材料の結晶子間に細孔があると高まる。層間に細孔が形成されることにより、結晶子のc軸方向の厚みLcが低下する。
以上の効果により、コークスや石炭等の黒鉛前駆体にアルカリ化合物を混合して黒鉛化処理を行うことで、結晶子のc軸方向の厚みLcを低下させ、その結果電極内での黒鉛の配向性が低下し、活物質として用いたときの電池のサイクル特性を向上させることができる。特にアルカリ化合物にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を用いることでより高い効果が得られる。
従来、黒鉛化処理は酸素を含まない雰囲気、例えば、窒素ガス封入環境やアルゴンガス封入環境で行われているが、本発明においては黒鉛化処理を酸素を一定濃度含む環境下で行うことも可能である。特に大気解放環境下で黒鉛化処理を行う場合には、黒鉛化炉の冷却時に空気が流入して、炉内の酸素濃度が1〜20%となるように炉を設計することが好ましい。
但し、反応炉内に酸素が含まれている状態で黒鉛化処理を行う場合、酸素と接する部分は、混合した黒鉛前駆体及びアルカリ化合物に由来する不純物成分が析出しやすく、除去することが好ましい。つまり、原料と酸素とが接する部分から所定深さまでの範囲を除去し、所定深さよりもさらに深い部分を黒鉛材料として取得する。所定深さとしては、表面から2cm、より好ましくは3cm、さらに好ましくは5cm以上である。
(2)リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、粉末X線回折法(XRD)による(002)面の平均面間隔d002が、0.33565〜0.33580nmであり、かつ結晶子のc軸方向の厚みLcが90nm以下であるか、またはd002が0.33540〜0.33564nmであり、かつLcが130nm以下である。また、本発明の一実施態様に係る黒鉛粉を負極の活物質として用いた電極の密度を1.3〜1.5g/cm3としたときの(004)面由来の回折線のピーク強度H004と、(110)面由来の回折線のピーク強度H110の強度比H004/H110が60以下であることが好ましい。H004/H110は配向性の指標であり、値が小さいほど電極内の活物質の配向性が低いことを示す。より好ましいH004/H110は10以下である。
002、Lc、及びH004/H110は、既知の方法により粉末X線回折法を用いて測定することができる(野田稲吉、稲垣道夫、日本学術振興会、第117委員会資料、117−71−A−1(1963)、稲垣道夫他、日本学術振興会、第117委員会試料、117−121−C−5(1972)、稲垣道夫、「炭素」、1963、No.36、25−34頁参照)。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、BET比表面積が0.4〜15m2/gであるのが好ましく、1〜11m2/gであるのがより好ましい。BET比表面積が0.4〜15m2/gの範囲にあることにより、結着剤を過剰に使用することなく、電解液と接触する面積を大きく確保し、リチウムイオンがスムーズに挿入脱離され、電池の反応抵抗を小さくするとともに急速充放電特性を向上させることができる。BET比表面積については、単位質量あたりのガスの吸着脱離量の計測という一般的な手法によって測定する。測定装置としては、例えばユアサアイオニクス株式会社製NOVA−1200を用い、窒素ガス分子の吸着により測定することができる。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、レーザー回折法による体積基準累積粒径分布におけるメジアン径D50が5〜35μmであるのが好ましい。D50が35μmであることにより、電極とした場合のリチウム拡散が素早く行われ、充放電速度が高くなる。好ましいD50は10〜30μmであり、より好ましくは15〜25μmである。D50を15μm以上とすることにより、目的外反応が起きにくくなるためより好ましい。自動車等駆動電源として使う際には大電流発生が必要であるとの観点からは、D50は25μm以下であることがより好ましい。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、水蒸気賦活やアルカリ賦活によって細孔の生成及び拡大が起こるため、液体窒素冷却下における窒素ガス吸着法による全細孔容積が10.0〜65.0μL/gとなる。細孔容積が大きい黒鉛粉を電極の材料として用いると、電極内に電解液が浸透しやすくなるとともに急速充放電特性が向上する。全細孔容積が10.0μL/g以上であると、黒鉛粉から得られる負極が、副反応が少なく初回充放電効率の高い負極となる。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、高い放電容量をもつ。この黒鉛粉を活物質とする作用極とリチウム金属対極とセパレータと電解液からなるコイン電池の作用極が、前記黒鉛粉を所定の圧力により圧縮する工程を含む方法により作製される場合、初回サイクルの前記活物質の質量あたりの放電容量を350mAh/g以上とすることが可能となる。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、該黒鉛粉を活物質とした電極を3t/cm2の圧力で圧縮したとき、前記作用極の電極密度が1.3〜2.1g/cm3となることが好ましい。より好ましい電極密度は1.5〜2.1g/cm3である。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、金属元素を実質的に含まないことが好ましい。なお「実質的に含まない」とは、ICP発光分光分析によって検出される金属元素量が、それぞれの金属元素で100質量ppm未満であることをいう。負極材に金属元素等の不純物が含まれると、電気抵抗の増大や副反応の発生が起こり、その結果電池特性の劣化や発熱が起こる危険性がある。そのため一般に不純物濃度は低いほど良く、好ましくは50質量ppm以下であり、より好ましくは30質量ppm以下であり、さらに好ましくは20質量ppm以下である。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉は、レーザーラマン分光法により求められるR値が0.05〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.15である。R値が0.05〜0.5の範囲にあることにより、リチウムイオンの挿入脱離が、スムーズに行われ、かつ内部に規則性をもった黒鉛構造をもつことにより、リチウムイオンの挿入量を確保することが可能である。
本明細書においてR値とは、レーザーラマン分光法により得られたスペクトルにおける1300〜1400cm-1の範囲にあるピーク強度IDと、1580〜1620cm-1の範囲にあるピーク強度IGとの強度比ID/IGのことをいう。R値が大きいほど結晶性が低いことを示す。
R値は、例えば、日本分光株式会社製レーザーラマン分光測定装置(NRS−3100)を用いて、励起波長532nm、入射スリット幅200μm、露光時間15秒、積算回数2回、回折格子600本/mmの条件で測定を行い、その結果得られた1360cm-1付近のピーク強度と1580cm-1付近のピーク強度に基づいて算出することができる。
(3)電極用黒鉛材料
本発明の一実施態様に係る電極用黒鉛材料は、上記黒鉛粉を含んでなる。上記黒鉛粉を電極用黒鉛材料に用いると、高容量、高クーロン効率、高サイクル特性を維持したまま、高エネルギー密度の電池電極を得ることができる。電極用黒鉛材料としては、例えば、リチウムイオン二次電池の負極活物質及び負極導電性付与材として用いることができる。
本発明の一実施態様に係る電極用黒鉛材料には、上記黒鉛粉のみを単独で使用することができるが、その他には上記黒鉛粉100質量部に対して、d002が0.3370nm以下の球状の天然黒鉛または人造黒鉛を0.01〜200質量部、好ましくは0.01〜100質量部配合したものや、あるいはd002が0.3370nm以下で、アスペクト比が2〜100の天然黒鉛または人造黒鉛(例えば、鱗片状黒鉛)を0.01〜120質量部、好ましくは0.01〜100質量部配合したものを使用することもできる。他の黒鉛材料を混合して用いることにより、上記黒鉛粉の優れた特性を維持した状態で、他の黒鉛材料が有する優れた特性を併せもつ黒鉛材料とすることが可能である。これらの混合は、要求される電池特性に応じて適宜、混合材料を選択し、混合割合を設定することができる。
また、電極用黒鉛材料には炭素繊維を配合することもできる。配合量は、上記黒鉛粉100質量部に対して、0.01〜20質量部であり、好ましくは0.5〜5質量部である。
炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の有機系カーボンファイバー、気相法炭素繊維等が挙げられる。これらのうち、炭素繊維を黒鉛粉の表面に接着させる場合には、特に結晶性が高く、熱伝導性の高い気相法炭素繊維が好ましい。
気相法炭素繊維は、例えば、有機化合物を原料とし、触媒としての有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、続いて熱処理して製造される(日本国特公昭62−49363号公報、日本国特許第2778434号公報等参照)。その繊維径は2〜1000nm、好ましくは10〜500nmであり、アスペクト比は好ましくは10〜15000である。
炭素繊維の原料となる有機化合物としては、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物が挙げられる。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含むものである。遷移金属としては、周期律表第3族から第11族の元素が挙げられる。有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等の化合物が好ましい。
炭素繊維は、気相法等で得られた長繊維を粉砕または解砕したものであってもよい。また、炭素繊維はフロック状に凝集したものであってもよい。
炭素繊維は、その表面に有機化合物等に由来する熱分解物が付着していないもの、または炭素構造の結晶性が高いものが好ましい。熱分解物が付着していない炭素繊維または炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、例えば、不活性ガス雰囲気下で、炭素繊維、好ましくは気相法炭素繊維を焼成(熱処理)することによって得られる。具体的には、熱分解物が付着していない炭素繊維は、約800〜1500℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。また、炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、好ましくは2000℃以上、より好ましくは2000〜3000℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。
炭素繊維は分岐状繊維が含まれているものが好ましい。また分岐部分においては連通した中空構造を有していてもよい。この場合、繊維の円筒部分を構成している炭素層は連続している。中空構造とは炭素層が円筒状に巻いている構造であって、完全な円筒でないもの、部分的な切断箇所を有するもの、積層した2層の炭素層が1層に結合したもの等を含む。また、円筒の断面は完全な円に限らず楕円や多角形に近いものを含む。
また炭素繊維は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が、好ましくは0.3440nm以下、より好ましくは0.3390nm以下、さらに好ましくは0.3380nm以下である。また、結晶子のc軸方向の厚さLcが40nm以下のものが好ましい。
電極用黒鉛材料として前記黒鉛粉以外にも黒鉛や炭素繊維を含む場合、電極用黒鉛材料の電極密度、ICP発光分光分析によって測定される金属元素量及びレーザーラマン分光法により測定されるR値は前記黒鉛粉で記載した範囲に含まれることが好ましい。
(4)電極用ペースト
本発明の一実施態様に係る電極用ペーストは、前記電極用黒鉛材料とバインダーとを含んでなる。この電極用ペーストは、前記電極用黒鉛材料とバインダーとを混練することによって得られる。混錬には、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等公知の装置が使用できる。電極用ペーストは、シート状、ペレット状等の形状に成形することができる。
電極用ペーストに用いるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系のポリマー等公知のものが挙げられる。
バインダーの使用量は、電極用黒鉛材料100質量部に対して1〜30質量部が適当であるが、特に3〜20質量部が好ましい。
混練する際に溶媒を用いることができる。溶媒としては、各々のバインダーに適した公知のもの、例えばフッ素系ポリマーの場合はトルエン、N−メチルピロリドン等;ゴム系のポリマーの場合は水等;その他のバインダーの場合にはジメチルホルムアミド、2−プロパノール等が挙げられる。溶媒として水を使用するバインダーの場合は、増粘剤を併用することが好ましい。溶媒の量は集電体に塗布しやすい粘度となるように調整する。
(5)電極
本発明の一実施態様に係る電極は前記電極用ペーストの成形体からなる。電極は例えば前記電極用ペーストを集電体上に塗布し、乾燥し、加圧成形することによって得られる。
集電体としては、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属箔、またはメッシュ等が挙げられる。ペーストの塗布厚は、通常50〜200μmである。塗布厚が大きくなりすぎると、規格化された電池容器に負極を収容できなくなることがある。ペーストの塗布方法は特に制限されず、例えばドクターブレードやバーコーター等が挙げられる。
加圧成形法としては、ロール加圧、プレス加圧等の成形法を挙げることができる。加圧成形するときの圧力は0.5〜5.0t/cm2が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0t/cm2、さらに好ましくは1.5〜3.0t/cm2である。電極の電極密度が高くなるほど体積あたりの電池容量が大きくなる。しかし電極密度を高くしすぎると電極用黒鉛材料が破壊され、サイクル特性が低下する。この電極用ペーストを用いて得られる電極の電極密度の最大値は、通常1.5〜1.9g/cm3である。このようにして得られた電極は、電池の負極、特に二次電池の負極に好適である。
(6)電池、二次電池
前記電極は電池または二次電池の電極として使用することができる。
リチウムイオン二次電池を具体例に挙げて、本発明の一実施態様に係る電池または二次電池を説明する。リチウムイオン二次電池は、正極と負極とが電解液または電解質の中に浸漬された構造をもつものであり、負極には本発明の一実施態様に係る電極が用いられる。
リチウムイオン二次電池の正極には、正極活物質として、通常、リチウム含有遷移金属酸化物が用いられ、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属元素のモル比が0.3〜2.2の化合物が用いられる。また、より好ましくはV、Cr、Mn、Fe、Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物である。
なお、主として存在する遷移金属に対し30モル%未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、B等を含有していてもよい。上記の正極活物質の中で、一般式LixMO2(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、x=0.02〜1.2)、またはLiy24(Nは少なくともMnを含む、y=0.02〜2)で表わされるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが好ましい。
さらに、正極活物質はLiya1-a2(MはCo、Ni、Fe、Mnの少なくとも1種、DはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの中のM以外の少なくとも1種、y=0〜1.2、a=0.5〜1)を含む材料、またはLiz(Mnb1-b24(EはCo、Ni、Fe、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、B、Pの少なくとも1種、b=1〜0.2、z=0〜2)で表わされるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
具体的には、LixCoO2、LixNiO2、LixFeO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a2、LixCob1-bz、LixCobFe1-b2、LixMn24、LixMncCo2-c4、LixMncNi2-c4、LixMnc2-c4、LixMncFe2-c4(ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)等が挙げられる。さらに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物としては、LixCoO2、LixNiO2、LixFeO2、LixMnO2、LixCoaNi1-a2、LixMn24、LixCob1-bz(x=0.02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01〜2.3)等が挙げられる。なお、xの値は充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
正極活物質の体積基準累積粒径分布におけるメジアン径D50は特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましく、かつ、0.5〜30μmの粒子群の占める体積が全体積の95%以上であることが好ましい。また、D50が3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつD50が15〜25μmの粒子群の占める体積が、全体積の18%以下であることがさらに好ましい。D50はマルバーン製マスターサイザー(登録商標)等のレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
正極活物質の比表面積は特に限定されないが、BET法で測定した比表面積が0.01〜50m2/gであることが好ましく、さらに0.2〜1m2/gであることが好ましい。また正極活物質5gを蒸留水100mlに溶解したときの上澄み液のpHが7〜12となることが好ましい。
リチウムイオン二次電池では正極と負極との間にセパレータを設けることがある。セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムまたはそれらを組み合わせたもの等を挙げることができる。
本発明の一実施態様に係るリチウムイオン二次電池を構成する電解液及び電解質としては公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質が使用できるが、電気伝導性の観点から有機電解液が好ましい。
有機電解液としては、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキルケトン;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N−メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の有機溶媒の溶液が好ましい。さらに、好ましくはエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、特に好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒の溶質(電解質)には、リチウム塩が使用される。一般的に知られているリチウム塩にはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22等がある。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘導体を含む重合体等が挙げられる。
なお、上記以外の電池構成上必要な部材の選択についてはなんら制約を受けるものではない。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例の黒鉛粉についての、X線回折法により求められる平均面間隔d002と結晶のc軸方向の厚みLcは前述の方法により測定した。また、その他の物性の測定方法は以下の通りである。
(1)体積基準累積粒径分布におけるメジアン径(D50)の測定方法
レーザー回折式粒度分布測定装置として、マルバーン製マスターサイザー(登録商標)を用いて測定した。
(2)元素分析方法
株式会社日立ハイテクサイエンス製ICP発光分光分析装置(SPS3520UV)によって、構成する元素の種類とその濃度を測定した。
(3)コイン電池による評価方法
a)ペースト作製:
黒鉛粉97質量部にSBR(スチレンブタジエンゴム)とCMC(カルボキシメチルセルロース;ダイセルファインケム株式会社製)それぞれの2質量%水溶液を各1.5質量部加え、プラネタリーミキサーにて混練し、主剤原液とした。
b)電極作製:
上記主剤原液に純水を加え、粘度を調整後、高純度銅箔上に塗布して120℃で1時間真空乾燥し、電極材料を得た。塗布の量は、黒鉛粉の量が5mg/cm2となる量とした。得られた電極材料を円形に打ち抜き、プレス加圧で約3t/cm2の圧力で10秒間圧縮し、電極を得た。
c)電池作製:
露点−80℃以下の乾燥アルゴンガス雰囲気下で、得られた電極を作用極、リチウム金属を対極として、さらにポリエチレンセパレータと電解液とケースから成るコイン電池を作製した。電解液にはEC(エチレンカーボネート)8質量部及びDEC(ジエチルカーボネート)12質量部の混合液に、電解質としてLiPF6を濃度が1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
d)コイン電池による充放電試験:
作製したコイン電池で前記作用極の充放電試験を25℃に設定した恒温槽内で行った。
はじめに、開回路電圧が0.002Vとなるまで0.05Cの電流を流し、0.002Vで維持し、電流値が25.4μAに低下した時点で停止させることで作用極の充電容量を測定した。次に、開回路電圧が1.5Vとなるまで0.05Cで電流を流すことで放電容量を測定した。
(4)配向性の評価方法
電極内の活物質の配向性の指標としてH004/H110の算出を行った。まずコイン電池による評価方法と同様の方法で電極材料を得た。得られた電極材料を円形に打ち抜き、約3t/cm2の圧力で10秒間圧縮し、3日間常温・常圧下で静置した。静置後、各電極における黒鉛粉の密度を計測し、密度1.3〜1.5g/cm3である電極についてX線回折法により求められる(004)面と(110)面由来の回折線のピーク強度比H004/H110を前述のX線回折法を用いて算出した。
実施例1:
石炭系か焼ニードルコークスをホソカワミクロン株式会社製バンタムミルで粉砕し、その後32μmの目開きの篩を用いて粗粉を除去した。次に、日清エンジニアリング株式会社製ターボクラシファイア(登録商標)TC−15Nで気流分級し、粒径が1.0μm以下の粒子を実質的に含まない粉末コークス1を得た。本発明において、実質的に含まないとはマルバーン製マスターサイザー(登録商標)を用いて測定した粒径が1.0μm以下の粒子が0.1質量%以下であることをいう。
粉末コークス1と水酸化カルシウム(関東化学株式会社製)の粉末とを質量比80:20の割合で混合し、混合物をアルゴン雰囲気下で黒鉛化処理温度3300℃で一時間加熱して黒鉛化処理を行った。得られた黒鉛粉を45μmの目開きの篩を用いて粗粉を除去した。
得られた黒鉛粉の体積基準累積粒径分布におけるメジアン径D50、ICP元素分析の結果、及びX線回折から平均面間隔d002、c軸方向の厚みLc、配向性の指標であるH004/H110を算出し、結果を表1に示した。また、得られた黒鉛粉を電極に用い、電極の圧縮圧力を3t/cm2として作製したコイン電池の放電容量を測定し、表1に併せて示した。
実施例2:
無煙炭をホソカワミクロン株式会社製バンタムミルで粉砕し、その後32μmの目開きの篩を用いて粗粉を除去した。次に、日清エンジニアリング株式会社製ターボクラシファイアTC−15Nで気流分級し、粒径が1.0μm以下の粒子を実質的に含まない粉末無煙炭1を得た。得られた粉末無煙炭1を1300℃の温度で焼成し、焼成粉末無煙炭1を得た。
焼成粉末無煙炭1と水酸化カルシウム(関東化学株式会社製)の粉末とを質量比80:20の割合で混合し、混合物をアルゴン雰囲気下で黒鉛化処理温度3300℃で一時間加熱して黒鉛化処理を行った。得られた黒鉛粉を45μmの目開きの篩を用いて粗粉を除去した。
メジアン径D50、ICP元素分析、d002、Lc及びH004/H110の算出結果を表1に示した。また、得られた黒鉛粉を電極に用いたコイン電池の放電容量を測定し、表1に併せて示した。
実施例3:
実施例2で得られた焼成粉末無煙炭1と水酸化カルシウムの粉末を質量比90:10の割合で混合した以外は、実施例2と同じ方法で黒鉛粉を得た。
メジアン径D50、ICP元素分析、d002、Lc及びH004/H110の算出結果を表1に示した。また、得られた黒鉛粉を電極に用いたコイン電池の放電容量を測定し、表1に併せて示した。
比較例1:
水酸化カルシウムを加えず実施例1で得られた粉末コークス1のみを黒鉛化処理をした以外は実施例1と同じ方法で黒鉛粉を得た。
メジアン径D50、ICP元素分析、d002、Lc及びH004/H110の算出結果を表1に示した。また、得られた黒鉛粉を電極に用いたコイン電池の放電容量を測定し、表1に併せて示した。
比較例2:
水酸化カルシウムを加えず実施例2で得られた焼成粉末無煙炭1のみを黒鉛化処理をした以外は実施例2と同じ方法で黒鉛粉を得た。
メジアン径D50、ICP元素分析、d002、Lc及びH004/H110の算出結果を表1に示した。また、得られた黒鉛粉を電極に用いたコイン電池の放電容量を測定し、表1に併せて示した。
比較例3:
黒鉛化処理温度を2700℃とした以外は実施例3と同じ方法で黒鉛粉を得た。
メジアン径D50、ICP元素分析、d002、Lc及びH004/H110の算出結果を表1に示した。また、得られた黒鉛粉を電極に用いたコイン電池の放電容量を測定し、表1に併せて示した。
Figure 2016121711
黒鉛化処理の際に炭素材料と水酸化カルシウムとの混合物を使用して作製した負極材用黒鉛粉(実施例1〜3)は、水酸化カルシウムを添加せず炭素材料のみを黒鉛化処理して作製した黒鉛粉(比較例1〜2)と同等の平均面間隔d002であるにも関わらず、結晶のc軸方向の厚みLcが抑制されている。また配向性の指標となるH004/H110の値も減少していることから、電極内の活物質の配向性が低くなっていることが示唆される。これは黒鉛化処理の際に水酸化カルシウムを添加したことによる、水蒸気賦活及びアルカリ賦活による効果である。これらの効果により配向性が低くなっていることから、本発明に係る黒鉛粉を負極材料に用いることで充放電に伴う電極の膨張を抑制し、サイクル特性を向上させることができると考えられる。
また、無煙炭を炭素材料とし、同じ最高到達温度となるように黒鉛化処理した場合(実施例2〜3及び比較例2)では、黒鉛化処理の際に水酸化カルシウムを加えた本発明の黒鉛粉を用いた電池における初回充放電容量の向上が確認できる。さらにICP発光分析の結果において、黒鉛粉に含まれるカルシウム元素量に違いが見られないことから、黒鉛化処理の際に水酸化カルシウムを混合したことによる影響は確認されない。これは黒鉛化処理時の3300℃という高温で処理したことにより、水酸化カルシウムが気化したためと考えられる。
一方、黒鉛化処理の際に炭素材料と水酸化カルシウムとの混合物を使用した場合でも、最高到達温度が2700℃と低い場合(比較例3)では、平均面間隔d002が大きくなってしまう。黒鉛化処理時の温度が低いために黒鉛化が進みにくいと考えられる。
以上から本発明の方法で作製した黒鉛粉を電極の活物質として用いると、電極内での黒鉛の配向性を低下させることで、本発明の黒鉛粉を用いたリチウムイオン二次電池は従来の黒鉛粉を用いた電池に対してより高いサイクル特性をもつと考えられる。
本発明の負極材用黒鉛粉を用いたリチウムイオン二次電池は、小型軽量であり高い放電容量及び高いサイクル特性をもつため、携帯電話から電動工具、またハイブリット自動車のような放電容量を要するものまで多岐にわたる範囲において好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 黒鉛前駆体を粉砕する工程、及び粉砕後の黒鉛前駆体とアルカリ化合物との混合物を2800〜3500℃で加熱して黒鉛化処理をする工程を含む、リチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  2. 前記アルカリ化合物がアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  3. 前記アルカリ土類金属の水酸化物が水酸化カルシウムである請求項2に記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  4. 前記混合物における黒鉛前駆体とアルカリ化合物の質量比が70:30〜97:3である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  5. 前記黒鉛前駆体がコークスまたは石炭を含む請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材用黒鉛粉の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる黒鉛粉。
  7. 金属元素を実質的に含まない請求項6に記載の黒鉛粉。
  8. 請求項6または7に記載の黒鉛粉を活物質として用いたリチウムイオン二次電池用負極。
  9. 請求項8に記載の負極を備えるリチウムイオン二次電池。
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