JPWO2016104270A1 - メタン価算出方法およびメタン価測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
LNGを利用した船舶の実用化に係る課題としては、LNGの組成が産出地により異なる点や、ガスエンジンの起動時や負荷変動時に燃料ガスの消費量の変動が生ずることによって燃料ガスの組成が変化する点などが挙げられる。燃料ガスの組成が変わると、燃料ガスの熱量やメタン価などの特性が変化し、エンジンのノッキングや失火などの異常燃焼を引き起こす原因になりうる。ここで、メタン価とは、ガソリンエンジンのオクタン価に対応するノッキングに対する抵抗値を示す指標であって、純メタンを100、水素を0として評価した指標である。
(a)AVL社が提案する方式(以下、「AVL基準」ともいう。)、
(b)カリフォルニア州大気資源評議会で規定された特定の演算式により算出する方式(以下、「CARB基準」ともいう。)、
(c)ISO/TR 22302 3.1.1に準拠した方法により算出する方式(以下、「GRI(Lc)基準」ともいう。)、
(d)ISO/TR 22302 3.1.2に準拠した方法により算出する方式(以下、「GRI(H/C)基準」ともいう。)
の4種類が主に利用されている。ここに、メタン価は、同一の燃料ガスであっても、算出方法によって異なる値を示し、例えば地域ごとに異なる基準によるメタン価が要請されている。
しかしながら、いずれの方法も、メタン価をガス組成に基づいて算出するものであることから、上述したように、ガス組成の変動が生じた場合には、メタン価の算出にあたってガス組成を測定することが必要となる。
然るに、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、燃料ガスとして利用される天然ガスの基礎熱量の値と、上記の各基準により算出されるメタン価の値との間に特定の相関関係が成立し、測定対象ガスである天然ガスの基礎熱量を測定することにより、各々の基準に対応するメタン価の近似解を得ることができることを見出した。ここに、「基礎熱量」とは、天然ガスから不燃ガス成分を除いたときの燃焼性ガス成分の燃焼熱量をいう。例えばLNG気化ガスの場合には、不燃ガス成分をN2 だけと見なすことができるため、LNG気化ガスの基礎熱量は、LNG気化ガスからN2 を除いた場合の燃焼熱量をいう。
また、本発明は、測定対象ガスである天然ガスについて、一応の信頼性を有するメタン価をガス組成に拘わらず容易に得ることができ、燃料ガスとして利用される天然ガスの燃料性状の監視を行うことのできるメタン価測定装置を提供することを目的とする。
測定対象ガスである天然ガスの基礎熱量を測定し、
測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値と、前記特定の関係式とから当該測定対象ガスのメタン価を算出することを特徴とする。
測定対象ガスである窒素ガスを含有する天然ガスの基礎熱量および当該測定対象ガスに含まれる窒素ガス濃度を測定し、
測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値および窒素ガスの濃度値と、前記特定の関係式とから当該測定対象ガスのメタン価を算出することを特徴とする。
予め取得しておいた、各々メタン価の値が異なる天然ガスよりなる複数種の基準ガスについてのメタン価と基礎熱量との特定の関係式と、前記熱量測定機構により測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値とから、当該測定対象ガスのメタン価を算出するメタン価算出機構と
を備えることを特徴とする。
当該測定対象ガスに含まれる窒素ガス濃度を算出する濃度測定機構と、
予め取得しておいた、各々メタン価の値が異なる窒素ガスを含有する天然ガスよりなる複数種の基準ガスについてのメタン価と基礎熱量との特定の関係式と、前記熱量測定機構により測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値および前記濃度測定機構により測定された窒素ガスの濃度値とから、当該測定対象ガスのメタン価を算出するメタン価算出機構と
を備えることを特徴とする。
さらに、測定対象ガスに含まれる窒素ガス濃度に基づいた補正がなされることにより、得られるメタン価は一層信頼性の高いものとなる。
本発明においては、天然ガス、具体的には例えばLNG気化ガスを測定対象ガスとし、窒素ガスなどの不燃ガス成分を含んだものであってもよく、また、LNG気化ガスの精製過程においてメタンより重質の炭化水素成分が除去またはその含有量が調整されたものも含む。
このメタン価測定装置は、測定対象ガスの熱量を測定する熱量測定機構20と、当該測定対象ガスのメタン価を算出するメタン価算出機構40と、測定対象ガスの熱量およびメタン価などの情報を表示する表示機構45とが、例えば防爆性容器10内に配設されて構成されている。
音速−熱量換算処理手段27は、測定対象ガスであるLNG気化ガスにおいて不燃ガス成分(N2 )を含まない燃焼性ガス成分(パラフィン系炭化水素ガス)のみからなる特定ガスについて、例えばグラフ化することなどによって予め取得された音速と熱量との相関関係を利用し、当該相関関係に対して、測定対象ガスについて得られた音速の値が特定ガスの音速である仮定して対照することにより音速換算熱量Qsを算出する。
屈折率−熱量換算処理手段23は、測定対象ガスであるLNG気化ガスにおいて不燃ガス成分(N2 )を含まない燃焼性ガス成分(パラフィン系炭化水素ガス)のみからなる特定ガスについて、例えばグラフ化することなどによって予め取得された屈折率と熱量との相関関係を利用し、当該相関関係に対して、測定対象ガスについて得られた屈折率の値が特定ガスの屈折率であると仮定して対照することにより屈折率換算熱量Qnを算出する。
上記式(1)におけるAは、−2.0〜2.0の範囲から選択される値である。このAについて設定される数値範囲は、式(1)においてA=0とした式で表される基準となるメタン価算出曲線自体の、実際のLNG気化ガスの燃料性状に即した補正が行われる実用的な許容範囲を示す。Aの値が上記数値範囲内であれば、後述する実験例の結果に示されるように、算出される近似解のAVL値に対する誤差率が5.0%以内となり、高い信頼度が得られる。
上記式(1)におけるAの値の具体的な設定方法としては、例えば、組成が既知の基準ガスについてメタン価を測定し、理論値(AVL値)との差分を「A」として設定(オフセット調整)することができる。
図2において破線で示す曲線は、式(1)においてA=2.0としたメタン価算出曲線であり、一点鎖線で示す曲線は、式(1)においてA=−2.0としたメタン価算出曲線である。
このようなメタン価算出曲線を利用することにより、算出されるメタン価の信頼性を一層高いものとすることができる。
次いで、メタン価算出機構40によって、熱量測定機構20によって得られた基礎熱量Q´の値と、上記の特定の関係式、例えばA=0とした基準となるメタン価算出曲線を表す式(1)とから、AVL値の近似解としてのメタン価が算出される。
以上のようにして得られた測定対象ガスのメタン価の値および熱量Qnsの値が表示機構45に表示される。
なお、測定対象ガスおよび参照ガスは、ガス排出部13を介して装置外部に排出される。
従って、このようなメタン価算出方法が実行される上記構成のメタン価測定装置によれば、熱量測定機構20によって測定対象ガスの基礎熱量Q´を連続的に測定することにより、実際の状況に即した測定対象ガスのAVL値の近似解としてのメタン価を連続的に取得することができるので、燃料ガスとしての天然ガスの実際の燃料性状の監視を行うことができる。従って、ガス組成の変動が生じた場合には、ガス組成の変動に伴うメタン価の変動を速やかに検出することができる。
上記式(2)におけるBについての数値範囲は、上記式(1)におけるAについての数値範囲と同様に、B=0とした基準となるメタン価算出曲線自体の、実際のLNG気化ガスの燃料性状に即した補正が行われる実用的な許容範囲を示す。Bの値が上記数値範囲内であれば、後述する実験例の結果に示されるように、算出されるメタン価(近似解)の、CARB基準のメタン価に対する誤差率が5.0%以内となり、高い信頼度が得られる。CARB基準に係るメタン価算出曲線の一例を図3に示す。図3における実線で示す曲線が、基準となるメタン価算出曲線である。この基準となるメタン価算出曲線は、上記式(e)および上記式(f)で表される曲線部分の各々が変曲点を生じることなく連続するものであって、例えば実在し得るLNG気化ガスのガス組成を考慮して、設定されている。図3における破線で示す曲線は、式(2)においてB=2.0としたメタン価算出曲線であり、一点鎖線で示す曲線は、式(2)においてB=−2.0としたメタン価算出曲線である。
上記式(2)におけるBの値は、例えば、上記式(1)におけるAの値の設定方法と同様の方法により設定することができる。
上記式(3)におけるCは、−2.0〜2.0の範囲から選択される値であり、この数値範囲は、上記式(1)におけるAについての数値範囲と同様に、C=0とした基準となるメタン価算出曲線自体の、実際のLNG気化ガスの燃料性状に即した補正が行われる実用的な許容範囲を示す。Cの値が上記数値範囲内であれば、後述する実験例の結果に示されるように、算出されるメタン価(近似解)の、GRI(Lc)基準のメタン価に対する誤差率が5.0%以内となり、高い信頼度が得られる。GRI(Lc)基準に係るメタン価算出曲線の一例を図4に示す。図4における実線で示す曲線が、式(3)においてC=0とした基準となるメタン価算出曲線である。また、破線で示す曲線は、式(3)においてC=2.0としたメタン価算出曲線であり、一点鎖線で示す曲線は、式(3)においてC=−2.0としたメタン価算出曲線である。
上記式(3)におけるCの値は、例えば、上記式(1)におけるAの値の設定方法と同様の方法により設定することができる。
上記式(4)におけるDは、−2.0〜2.0の範囲から選択される値であり、この数値範囲は、上記式(1)におけるAについての数値範囲と同様に、D=0とした基準となるメタン価算出曲線自体の、実際のLNG気化ガスの燃料性状に即した補正が行われる実用的な許容範囲を示す。Dの値が上記数値範囲内であれば、後述する実験例の結果に示されるように、算出されるメタン価(近似解)の、GRI(H/C)基準のメタン価に対する誤差率が5.0%以内となり、高い信頼度が得られる。GRI(H/C)基準に係るメタン価算出曲線の一例を図5に示す。図5における実線で示す曲線が、式(4)においてD=0とした基準となるメタン価算出曲線である。また、破線で示す曲線は、式(4)においてD=2.0としたメタン価算出曲線であり、一点鎖線で示す曲線は、式(4)においてD=2.0としたメタン価算出曲線である。
上記式(4)におけるDの値は、例えば、上記式(1)におけるAの値の設定方法と同様の方法により設定することができる。
上記式(5)において、MNはメタン価、具体的にはAVL値の近似解、f(Q´) は、測定対象ガスの基礎熱量Q´の値に応じて選択される上記式(g)〜上記式(j)で表されるいずれかの関数であり、Eは−2.0〜2.0の範囲から選択される値である。
上記式(g)〜上記式(j)における0.320XN2 の項は、窒素ガス濃度に基づくメタン価の補正量を示す。メタン価の補正量は、例えば図6に示すように、横軸を測定対象ガスに含まれる窒素ガスの、体積百分率で示される濃度〔vol%〕とし、縦軸をメタン価とする座標系において、メタン価の値が互いに異なる複数種の基準ガスの各々について、窒素ガスの濃度値XN2〔vol%〕とAVL値との関係を示す実測値を取得し、得られた実測値を例えば線形近似することにより取得された近似直線に基づいて設定されたものである。図6から明らかなように、各々の基準ガスについての近似曲線は、互いに同一の大きさの傾きを有していることが理解される。
上記式(5)におけるEについて設定される数値範囲は、式(5)においてE=0とした式で表される基準となるメタン価算出曲線自体の、実際のLNG気化ガスの燃料性状に即した補正が行われる実用的な許容範囲を示す。Eの値が上記数値範囲内であれば、後述する実験例の結果に示されるように、算出されるメタン価(近似解)の、AVL値に対する誤差が5.0%以内となり、高い信頼度が得られる。
上記式(5)におけるEの値は、例えば、上記式(1)におけるAの値の設定方法と同様の方法により設定することができる。
次いで、メタン価算出機構40によって、熱量測定機構20によって得られた基礎熱量Q´の値および窒素ガスの濃度値XN2〔vol%〕と、上記式(5)において例えばE=0とした特定の関係式とから、AVL値の近似解としてのメタン価が算出される。
従って、このようなメタン価算出方法が実行される上記構成のメタン価測定装置によれば、実際の状況に即した測定対象ガスのAVL値の近似解としてのメタン価を、一層高い信頼性をもって連続的に取得することができるので、燃料ガスとしての天然ガスの実際の燃料性状の監視を一層確実に行うことができる。
上記式(6)におけるFは、−2.0〜2.0の範囲から選択される値であり、この数値範囲は、上記式(1)におけるAについての数値範囲と同様に、F=0とした基準となるメタン価算出曲線自体の、実際のLNG気化ガスの燃料性状に即した補正が行われる実用的な許容範囲を示す。Fの値が上記数値範囲内であれば、後述する実験例の結果に示されるように、算出されるメタン価(近似解)の、GRI(Lc)基準のメタン価に対する誤差率が5.0%以内となり、高い信頼度が得られる。
上記式(6)におけるFの値は、例えば、上記式(1)におけるAの値の設定方法と同様の方法により設定することができる。
本発明においては、熱量測定機構は、上記構成のものに限定されるものではなく、熱伝導率換算熱量の値と、屈折率換算熱量の値とに基づいて熱量の値を求める構成を有する装置が用いられていてもよい。また、熱量と特定の対応関係を有する物性値の1つ、例えば屈折率、熱伝導率、音速のうちから選ばれる1つを測定し、その測定値に基づいて熱量を求める構成のものであってもよい。このようにして得られた測定対象ガスの熱量に基づいて算出される基礎熱量の値を利用しても、各基準に基づくメタン価の値に対して所定の許容範囲内のメタン価を得ることができる。
下記表1に示すガス組成を有する11種類の試料ガスを用意し、図1に示す構成のメタン価測定装置を用いて、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を測定した。メタン価の算出は、上記式(1)においてA=0とした特定の関係式を利用した。そして、試料ガスについて測定される基礎熱量Q´の値が42.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(a)を選択し、基礎熱量Q´の値が42.0〔MJ/m3 〕より大きく、55.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(b)を選択し、基礎熱量Q´の値が55.0〔MJ/m3 〕より大きく、63.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(c)を選択し、基礎熱量Q´の値が63.0〔MJ/m3 〕より大きい場合には、上記式(d)を選択した。また、上記式(1)においてA=−2.0とした特定の関係式、およびA=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。結果を下記表2に示す。
上記式(2)においてB=0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。メタン価の算出においては、試料ガスについて測定される基礎熱量Q´の値が55.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(e)を選択し、基礎熱量Q´の値が55.0〔MJ/m3 〕より大きい場合には、上記式(f)を選択した。また、上記式(2)においてB=−2.0とした特定の関係式、および、上記式(2)においてB=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。結果を下記表3に示す。
各々の試料ガスA〜Kについて、CARB基準に準拠した方法によって、ガス組成に基づいて算出されるメタン価を真値としたときの、基礎熱量に基づいて算出されたメタン価の値(熱量換算値)の当該真値に対する誤差率〔%〕を算出した。上記式(2)におけるBの値を−2.0〜2.0の範囲内で設定したときに算出されるメタン価の値(熱量換算値)の真値に対する誤差率の最大値を下記表3に示す。
上記式(3)においてC=0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。また、上記式(3)においてC=−2.0とした特定の関係式、および、上記式(3)においてC=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。結果を下記表4に示す。
各々の試料ガスA〜Kについて、GRI(Lc)基準に準拠した方法によって、ガス組成に基づいて算出されるメタン価を真値としたときの、基礎熱量に基づいて算出されたメタン価の値(熱量換算値)の当該真値に対する誤差率〔%〕を算出した。上記式(3)におけるCの値を−2.0〜2.0の範囲内で設定したときに算出されるメタン価の値(熱量換算値)の真値に対する誤差率の最大値を下記表4に示す。
上記式(4)においてD=0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。また、上記式(4)においてD=−2.0とした特定の関係式、および、上記式(4)においてD=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例1と同様の方法により、各々の試料ガスA〜Kのメタン価を算出した。結果を下記表5に示す。
各々の試料ガスA〜Kについて、GRI(H/C)基準に準拠した方法によって、ガス組成に基づいて算出されるメタン価を真値としたときの、基礎熱量に基づいて算出されたメタン価の値(熱量換算値)の当該真値に対する誤差率〔%〕を算出した。上記式(4)におけるDの値を−2.0〜2.0の範囲内で設定したときに算出されるメタン価の値(熱量換算値)の真値に対する誤差率の最大値を下記表5に示す。
下記表6に示すガス組成を有する11種類の試料ガスを用意し、図1に示す構成のメタン価測定装置を用いて、各々の試料ガスa〜kのメタン価を測定した。メタン価の算出は、上記式(5)においてE=0とした特定の関係式を利用した。そして、試料ガスについて測定される基礎熱量Q´の値が42.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(g)を選択し、基礎熱量Q´の値が42.0〔MJ/m3 〕より大きく、55.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(h)を選択し、基礎熱量Q´の値が55.0〔MJ/m3 〕より大きく、63.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(i)を選択し、基礎熱量Q´の値が63.0〔MJ/m3 〕より大きい場合には、上記式(j)を選択した。また、上記式(5)においてE=−2.0とした特定の関係式、およびE=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、同様の方法により、各々の各々の試料ガスa〜kのメタン価を測定した。結果を下記表7に示す。
上記式(2)においてB=0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例5と同様の方法により、各々の試料ガスa〜kのメタン価を算出した。メタン価の算出においては、試料ガスについて測定される基礎熱量Q´の値が55.0〔MJ/m3 〕以下である場合には、上記式(e)を選択し、基礎熱量Q´の値が55.0〔MJ/m3 〕より大きい場合には、上記式(f)を選択した。また、上記式(2)においてB=−2.0とした特定の関係式、および、上記式(2)においてB=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例5と同様の方法により、各々の試料ガスa〜kのメタン価を算出した。結果を下記表8に示す。
試料ガスa〜kの各々について、CARB基準に準拠した方法によって、ガス組成に基づいて算出されるメタン価を真値としたときの、基礎熱量に基づいて算出されたメタン価の値(熱量換算値)の当該真値に対する誤差率〔%〕を算出した。上記式(2)におけるBの値を−2.0〜2.0の範囲内で設定したときに算出されるメタン価の値(熱量換算値)の真値に対する誤差率の最大値を下記表8に示す。
上記式(6)においてF=0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例5と同様の方法により、各々の試料ガスa〜kのメタン価を算出した。また、上記式(6)においてF=−2.0とした特定の関係式、および、上記式(6)においてF=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例5と同様の方法により、各々の試料ガスa〜kのメタン価を算出した。結果を下記表9に示す。
試料ガスa〜kの各々について、GRI(Lc)基準に準拠した方法によって、ガス組成に基づいて算出されるメタン価を真値としたときの、基礎熱量に基づいて算出されたメタン価の値(熱量換算値)の当該真値に対する誤差率〔%〕を算出した。上記式(6)におけるFの値を−2.0〜2.0の範囲内で設定したときに算出されるメタン価の値(熱量換算値)の真値に対する誤差率の最大値を下記表9に示す。
上記式(4)においてD=0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例5と同様の方法により、各々の試料ガスa〜kのメタン価を算出した。また、上記式(4)においてD=−2.0とした特定の関係式、および、上記式(4)においてD=2.0とした特定の関係式を利用したことの他は、実験例5と同様の方法により、各々の試料ガスa〜kのメタン価を算出した。結果を下記表10に示す。
試料ガスa〜kの各々について、GRI(H/C)基準に準拠した方法によって、ガス組成に基づいて算出されるメタン価を真値としたときの、基礎熱量に基づいて算出されたメタン価の値(熱量換算値)の当該真値に対する誤差率〔%〕を算出した。上記式(4)におけるDの値を−2.0〜2.0の範囲内で設定したときに算出されるメタン価の値(熱量換算値)の真値に対する誤差率の最大値を下記表10に示す。
11 測定対象ガス導入部
12 参照ガス導入部
13 ガス排出部
20 熱量測定機構
21 屈折率換算熱量測定機構
22 屈折率測定手段
23 屈折率−熱量換算処理手段
25 音速換算熱量測定機構
26 音速測定手段
27 音速−熱量換算処理手段
30 窒素濃度測定機構
35 熱量計算機構
40 メタン価算出機構
45 表示機構
Claims (20)
- 各々天然ガスよりなる互いにメタン価の値が異なる複数種の基準ガスについてのメタン価と基礎熱量との特定の関係式を予め取得しておき、
測定対象ガスである天然ガスの基礎熱量を測定し、
測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値と、前記特定の関係式とから当該測定対象ガスのメタン価を算出することを特徴とするメタン価算出方法。 - 前記測定対象ガスである天然ガスは、液化天然ガスを気化させて得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のメタン価算出方法。
- 各々窒素ガスを含有する天然ガスよりなる互いにメタン価の値が異なる複数種の基準ガスについてのメタン価と基礎熱量との特定の関係式を予め取得しておき、
測定対象ガスである窒素ガスを含有する天然ガスの基礎熱量および当該測定対象ガスに含まれる窒素ガス濃度を測定し、
測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値および窒素ガスの濃度値と、前記特定の関係式とから当該測定対象ガスのメタン価を算出することを特徴とするメタン価算出方法。 - 前記測定対象ガスである天然ガスは、液化天然ガスを気化させて得られたものであることを特徴とする請求項7に記載のメタン価算出方法。
- 前記測定対象ガスの基礎熱量は、当該測定対象ガスの屈折率から得られる屈折率換算熱量と、当該測定対象ガスの音速から得られる音速換算熱量とに基づいて得られるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のメタン価算出方法。
- 測定対象ガスである天然ガスの基礎熱量を測定する熱量測定機構と、
予め取得しておいた、各々メタン価の値が異なる天然ガスよりなる複数種の基準ガスについてのメタン価と基礎熱量との特定の関係式と、前記熱量測定機構により測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値とから、当該測定対象ガスのメタン価を算出するメタン価算出機構と
を備えることを特徴とするメタン価測定装置。 - 前記測定対象ガスである天然ガスは、液化天然ガスを気化させて得られたものであることを特徴とする請求項12に記載のメタン価測定装置。
- カリフォルニア州大気資源評議会で規定された特定の演算式により算出されるメタン価の近似値を取得する下記式(2)で表される特定の関係式、ISO/TR 22302 3.1.1に準拠した方法により算出されるメタン価の近似値を取得する下記式(3)で表される特定の関係式、および、ISO/TR 22302 3.1.2に準拠した方法により算出されるメタン価の近似値を取得する下記式(4)で表される特定の関係式がさらに設定されていることを特徴とする請求項14に記載のメタン価測定装置。
- 測定対象ガスである窒素ガスを含有する天然ガスの基礎熱量を測定する熱量測定機構と、
当該測定対象ガスに含まれる窒素ガス濃度を測定する濃度測定機構と、
予め取得しておいた、各々メタン価の値が異なる窒素ガスを含有する天然ガスよりなる複数種の基準ガスについてのメタン価と基礎熱量との特定の関係式と、前記熱量測定機構により測定された当該測定対象ガスの基礎熱量の値および前記濃度測定機構により測定された窒素ガス濃度の値とから、当該測定対象ガスのメタン価を算出するメタン価算出機構と
を備えることを特徴とするメタン価測定装置。 - 前記測定対象ガスである天然ガスは、液化天然ガスを気化させて得られたものであることを特徴とする請求項16に記載のメタン価測定装置。
- カリフォルニア州大気資源評議会で規定された特定の演算式により算出されるメタン価の近似値を取得する下記式(2)で表される特定の関係式、ISO/TR 22302 3.1.1に準拠した方法により算出されるメタン価の近似値を取得する下記式(6)で表される特定の関係式、および、ISO/TR 22302 3.1.2に準拠した方法により算出されるメタン価の近似値を取得する下記式(4)で表される特定の関係式がさらに設定されていることを特徴とする請求項18に記載のメタン価測定装置。
- 前記熱量測定機構が、測定対象ガスの屈折率の値から屈折率換算熱量を求める屈折率換算熱量測定手段と、当該測定対象ガスの音速の値から音速換算熱量を求める音速換算熱量測定手段と、当該測定対象ガスの基礎熱量を屈折率換算熱量と音速換算熱量とに基づいて算出する熱量算出手段とを備えることを特徴とする請求項12乃至請求項19のいずれか一項に記載のメタン価測定装置。
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