JPWO2016080448A1 - セリアック病予防治療剤 - Google Patents

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Abstract

新たなセリアック病予防治療剤の提供。ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物を有効成分とするセリアック病予防治療剤。

Description

本発明は、セリアック病の予防治療剤に関する。
セリアック病は、小麦などに含まれるタンパク質であるグルテンに対する免疫反応が原因となって生じる疾患である。詳細には、ヒトの消化酵素で分解できないグルテンの一部が小腸上皮組織内にペプチド鎖のまま取り込まれる結果、免疫反応が生じ、これがきっかけとなって小腸上皮組織の炎症が生じる。その症状は、慢性腸疾患であり、小腸上皮組織に炎症が生じ、吸収不良、慢性下痢、体重減少、腹部膨満、成長遅延等を呈する。
セリアック病の治療法としては、グルテンを含まない食品を摂取することが基本であるが、グルテンは多くの食品に含まれており完全なグルテンフリー食生活は困難である。セリアック病の症状を改善するための手段として、一部のビフィドバクテリウム属細菌(ビフィドバクテリウム・ロンガム)の使用が報告されているが(特許文献1)、これは特定のビフィドバクテリウム・ロンガムの菌株がグルテンペプチドを取り込んで加水分解する能力を有しており、グルテンペプチドの毒性を低減することができるという知見に基づくものである。一方で、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・アニマリス等の他のビフィドバクテリウム属細菌はそのような毒性低減効果を有しないことが報告されている(特許文献1)。また、ビフィドバクテリウム属細菌が、グルテン刺激により透過性が亢進した小腸上皮組織の修復作用を有することについては何ら報告されていない。
特表2011−507540号公報
本発明の課題は、新たなセリアック病予防治療剤を提供することにある。
そこで本発明者は、種々のプロバイオティクスを用いて、グルテン刺激による小腸上皮細胞層の透過性亢進に対する阻害作用を検討してきたところ、ビフィドバクテリウム属細菌のうち、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムが強い阻害効果を有することを見出した。また、さらに、これらの細菌は、グルテン刺激により透過性が亢進した小腸上皮細胞層の修復作用も有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔8〕を提供するものである。
〔1〕ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物を有効成分とするセリアック病予防治療剤。
〔2〕ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である〔1〕記載のセリアック病予防治療剤。
〔3〕セリアック病予防治療剤製造のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物の使用。
〔4〕ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である〔3〕記載の使用。
〔5〕セリアック病を予防治療するための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物。
〔6〕ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である〔5〕記載の細菌並びに/又はその菌体処理物。
〔7〕ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物の有効量を投与することを特徴とする、セリアック病の予防治療方法。
〔8〕ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である〔7〕記載の方法。
本発明のビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ビフィダムを摂取すれば、グルテン刺激による小腸上皮細胞層の透過性の亢進が阻害され、かつ透過性の亢進した小腸上皮細胞層が修復されるため、安全にセリアック病が予防治療できる。
ペプシン・トリプシン消化グリアジン(PT−グリアジン)がCaco−2モノレイヤーの透過性に及ぼす影響(実験の模式図)を示す。 PT−グリアジンおよびペプシン・トリプシン消化BSA(PT−BSA)がCaco−2モノレイヤーの透過性に及ぼす影響を示す。PT−グリアジンあるいはPT−BSAをCaco−2モノレイヤーの管腔側へ添加した後、経上皮膜間電気抵抗(TEER)を経時的に測定した。 ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001(BbY)加熱死菌体がPT−グリアジン刺激によるCaco−2モノレイヤーの透過性亢進に及ぼす影響を示す。PT−グリアジンおよびBbY加熱死菌体をCaco−2モノレイヤーの管腔側へ添加した後、TEERを経時的に測定した。図には3回の実験の平均TEERと標準偏差を示した。 BbY加熱死菌体がPT−グリアジン刺激によるCaco−2モノレイヤーの透過性亢進に及ぼす影響を示す。PT−グリアジンをCaco−2モノレイヤーの管腔側へ添加し3時間インキュベートすることにより透過性が亢進した状態を作製した。次にPT−グリアジンを洗浄除去した後、BbY加熱死菌体をモノレイヤーの管腔側へ添加し、TEERを経時的に測定した。図には3回の実験の平均TEERと標準偏差を示した。 グリアジン刺激により透過性が亢進したCaco−2モノレイヤーに対する各種ビフィドバクテリウム菌株の修復効果を示す。棒グラフは3回の実験の平均TEERを示し、エラーバーは標準偏差を示す。 各種ビフィドバクテリウム菌株のCaco−2モノレイヤー修復率を示す。×印は3回の実験の平均値を示し、エラーバーは平均値の95%信頼区間を示す。統計解析にはt−検定を用いた。 各種ビフィドバクテリウム菌株(標準株)のCaco−2モノレイヤー修復率を示す。×印は3回の実験の平均値を示し、エラーバーは平均値の95%信頼区間を示す。統計解析にはt−検定を用いた。
本発明のセリアック病予防治療剤の有効成分は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物である。これらのビフィドバクテリウム属細菌のうち、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上がより好ましい。
また、これらの細菌又はその菌体処理物は、炎症性サイトカインであるTNF−α産生亢進を抑制し、粘膜固有層における炎症反応を抑制する方向に作用することから、炎症性疾患であるセリアック病の予防・治療に、より安全に利用できる。
さらに、これらの細菌又はその菌体処理物は、IL−10(炎症抑制性サイトカイン)の産生量を向上することから、炎症性疾患であるセリアック病の予防・治療に、より安全かつ有効に利用できる。
また、本発明のセリアック病予防治療剤の有効成分として用いるビフィドバクテリウム属細菌は、グルテン刺激による小腸上皮細胞層の透過性の亢進阻害剤、グルテンの透過性が亢進した小腸上皮組織の透過性修復剤としても利用できる。
本発明で用いるビフィドバクテリウム属細菌の調製方法は、特に限定されるものではなく、常法に従って行えばよい。
例えば、本発明に用いるビフィドバクテリウム属細菌は、当該細菌の種菌を増殖可能な培地に接種して培養し、培養後遠心分離やろ過等の菌体を単離・精製する手段を用いて調製することができる。また、当該細菌は、得られる生菌体をそのままで使用できる他、菌体を凍結乾燥した物、生菌体に加熱処理やアルコール処理等を施した死菌体、当該菌体を含む培養物、菌体からの抽出物やその分画物或いは更にそれらを粉砕等により加工した物ならびにこれらの混合物等に調製し、使用できる。
また、ビフィドバクテリウム属細菌の調製の際に増殖可能な培地として経口的に摂取可能な培地を用いる場合には、当該細菌を含む培養物をそのまま或いは加熱処理などの加工処理を施したものを本発明のセリアック病予防治療剤の有効成分として使用してもよい。
ここで、ビフィドバクテリウム属細菌の増殖可能な培地としては、特に制限されるものではなく、有機・無機の各種栄養源から構成される栄養培地、例えば、GAM培地、MRS培地、BL培地等を挙げることができる。また、これら以外にも、牛乳、山羊乳等の獣乳や脱脂乳、粉乳、脱脂粉乳、生クリーム等の乳製品、豆乳、大豆粉等の大豆加工品を好適な培地として用いることができ、これらはそのまま或いは必要に応じて適当な濃度に希釈または濃縮等して使用すればよい。なお、培地のpHは、特に制限されない。
一般に、ビフィドバクテリウム属細菌は、培地の種類によって、増殖性が必ずしも良好でない場合があるため、必要に応じて前記培地に、酵母エキス、大豆ペプチド、その他発酵助剤となり得る公知のビフィドバクテリウム属細菌の生育促進物質やビタミンC等の還元剤を添加することが好ましい。
また、前記培地を用いたビフィドバクテリウム属細菌の培養は、通常の培養条件をそのまま適用すればよく、特に限定されるものではない。すなわち、培地に接種するビフィドバクテリウム属細菌に適した温度、時間、培養雰囲気等の各種条件を適宜設定して行えばよい。例えば、培養温度は、25〜46℃、好ましくは35〜42℃、培養時間は6〜120時間、好ましくは24〜72時間とすればよい。また、培養雰囲気は、嫌気的な条件で行うことが好ましく、培養方法については静置、攪拌、振盪等、特に制限されることはなく、いずれを選択してもよい。
また、本発明に用いるビフィドバクテリウム属細菌は、生菌体及び/又は死菌体の状態に関係なく、経口的に摂取することにより、上記所望の効果を得ることができる。そのため、本発明で用いるビフィドバクテリウム属細菌は、必ずしも全て生菌体として用いる必要はなく、保存等による内外的な要因により、全部または一部が死滅した菌体を用いても上記所望の効果を得ることができるので、種々の加工(処理)を施した医薬用等の形態とすることができる。
本発明のセリアック病予防治療剤は、常法に従って、薬学的に許容される担体とともに種々の剤型の医薬組成物とすることができる。また、前記の細菌又はその菌体処理物は、セリアック病を予防又は改善するための機能性食品、健康食品、特定保健用食品等の食品としても使用できる。
例えば、上記菌株またはその加工物(処理物)等に、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、アルギン酸ナトリウム、カテキン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を加え、常法により顆粒剤、錠剤、カプセル剤等を製造することができる。更に、錠剤については、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或いは二重錠、多重錠とすることもできる。さらに、食品の形態としては、ヨーグルト、飲料等の形態が挙げられる。
更に、本発明のセリアック病予防治療剤には、経口摂取が可能であって生体に有益な機能を与える乳酸菌を含むものであってもよい。
本発明のセリアック病予防治療剤における前記ビフィドバクテリウム属細菌の1日当たりの使用量は、対象者の症状、年齢、体重等によっても異なるため、一概に決定することは出来ないが、生菌および/または死菌の菌数としておよそ103〜1013個程度或いは菌体処理物として前記菌数の菌体を処理して得られる量とすればよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
実施例1
A.材料および方法
(1)Caco−2の培養とモノレイヤーの作製
ヒト結腸ガン由来細胞株Caco−2はDSMZより購入し(Ref. No. ACC 169、Lot No. 10)、10%ウシ胎児血清(FCS、Sigma-Aldrich製)を含むDulbecco's Minimum essential medium(DMEM培地、Sigma-Aldrich製)を用いて培養した。100%集密化後、更に一晩培養した細胞をトリプシン(0.25% Trypsin-EDTA solution、Sigma-Aldrich製)処理により回収し、10%FCS添加DMEM培地を用いて5.8×105Cells/mLの細胞懸濁液を調製した。
Caco−2モノレイヤーはBD BioCoatTM HTS Caco−2アッセイシステム(BD製)を用いて次のように作製した。24−ウェルBD BioCoat Fibrillar Collagen Cell Culture Insertプレート上層の各ウェルに5.8×105Cells/mLの細胞懸濁液を0.34mL添加した(2.0×105cells/ウェル)。下層のトレイに10%FCS添加DMEM培地30mLを添加し、CO2インキュベーター(5%CO2、95% Air、37℃)内で培養した。48時間後、上層および下層の培地をデカンテーションにより廃棄し、上層にはMITO+Serum Extenderを含むEnterocyte Differentiation Mediumを各ウェルに0.35mLずつ添加した。下層のトレイにも同培地30mLを添加し、CO2インキュベーター内で培養した。24時間後、上層と下層の培地をデカンテーションにより廃棄し、再度MITO+Serum Extenderを含むEnterocyte Differentiation Mediumを前日と同様に添加した。CO2インキュベーター内でさらに24時間インキュベートした後、透過性実験に供した。
(2)ペプシン・トリプシン消化タンパクの調製
小麦由来グリアジン(Sigma-Aldrich製)とウシ血清アルブミン(BSA、Sigma-Aldrich製)の酵素消化はLindforsらの方法に従った〔Clin. Exp. Immunol. 2008; 152: 552-558〕。グリアジン(あるいはBSA)60mgを50mM酢酸緩衝液(pH4.0)10mLに懸濁した後、ペプシン(Sigma-Aldrich製)3mgを添加し、振とうしながら37℃で2時間インキュベートした。この溶液に71mgのNa2HPO4を加えた後、2N NaOHを用いてpH7.0に調整した。次にトリプシン(Sigma-Aldrich製)3mgを添加し、振とうしながら37℃でインキュベートした。2時間後、沸騰水浴中で10分間加熱することにより、酵素を失活させた。これらペプシン・トリプシン消化グリアジン(PT−グリアジン)および同BSA(PT−BSA)を凍結乾燥した後、実験に供した。
(3)加熱死菌体の調製
実験にはビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001(以下、BbY)の加熱死菌体を用いた。BbYは1%ラクトース添加変法GAM培地(日水製薬製)を用いて、嫌気グローブボックス内、37℃で18時間培養した。培養後、菌体を滅菌精製水で遠心洗浄した。洗浄後の菌体を滅菌精製水に懸濁し100℃で30分間加熱した後、凍結乾燥した。
(4)Caco−2モノレイヤーの透過性の測定
(i)ペプシン・トリプシン消化タンパクがモノレイヤーの透過性に及ぼす影響
Caco−2モノレイヤーの管腔側(上層)にPT−グリアジンあるいはPT−BSAを添加した後、経上皮膜間電気抵抗(TEER)の変化を経時的に調べた。図1に示したように、PT−グリアジンとのインキュベートによりモノレイヤーの透過性が亢進するとTEER値の低下が観察される。実験操作の詳細を以下に記す。
上記(1)で作製したCaco−2モノレイヤーの上層の培地をデカンテーションにより廃棄し、上記(2)で調製したPT−グリアジンあるいはPT−BSAを含むDMEM培地を各ウェルに0.35mLずつ添加した。下層の24−ウェルプレートの各ウェルにDMEM培地を0.75mLずつ添加し、その直後にTEERを測定した。その後、CO2インキュベーター内で培養し、経時的にTEERを測定した。TEERの変化量は、PT−グリアジンあるいはPT−BSAとのインキュベート開始前のTEERを100%として表した。なお、PT−グリアジンとPT−BSAを含まないDMEM培地のみを与えた細胞を陰性対照とした。
(ii)BbYがグリアジン刺激によるモノレイヤーの透過性亢進に及ぼす影響
Caco−2モノレイヤーの管腔側(上層)にPT−グリアジンと、BbYの加熱死菌体を添加した後、TEERの変化を経時的に調べた。菌体共存下でTEERの低下が抑制された場合、モノレイヤーの透過性の亢進も抑えられたと考えられる。実験操作の詳細を以下に記す。
上記(1)で作製したCaco−2モノレイヤーの上層の培地をデカンテーションにより廃棄し、上記(2)で調製したPT−グリアジンと上記(3)で調製した加熱死菌体を含むDMEM培地を各ウェルに0.35mLずつ添加した。下層の24−ウェルプレートの各ウェルにDMEM培地を0.75mLずつ添加し、その直後にTEERを測定した。その後、CO2インキュベーター内で培養し、経時的にTEERを測定した。TEERの変化量は、PT−グリアジンおよび加熱死菌体とのインキュベート開始前のTEERを100%として表した。なお、DMEM培地のみを与えた細胞を陰性対照、PT−グリアジンのみを含む培地を与えた細胞を陽性対照とした。
(iii)グリアジン刺激により透過性が亢進したモノレイヤーに対するBbYの効果
Caco−2モノレイヤーの管腔側(上層)にPT−グリアジンを添加してインキュベートすることにより、透過性が亢進した状態を作製した。次に、上層のグリアジンを洗浄除去した後、BbYの加熱死菌体を添加しTEERの変化を経時的に調べた。菌体とのインキュベートによりTEERが上昇した場合、モノレイヤーの透過性の亢進が修復されたと考えられる。実験操作の詳細を以下に記す。
上記(1)で作製したCaco−2モノレイヤーの上層と下層の培地をデカンテーションにより廃棄し、上記(2)で調製したPT−グリアジンを含むDMEM培地0.35mLを上層の各ウェルへ添加した。次に下層の24−ウェルプレートの各ウェルにDMEM培地を0.75mLずつ添加し、CO2インキュベーター内で3時間培養した。TEERを測定後、上層と下層の培地をデカンテーションにより廃棄した。次に新鮮なDMEM培地0.5mLを上層に添加し、再びデカンテーションによりその培地を廃棄した。この操作をもう一度繰り返し、上層のPT−グリアジンを除去した後、上記(3)で調製したBbYの加熱死菌体を含む培地0.35mLを上層の各ウェルへ添加した。下層の各ウェルにDMEMを0.75mLずつ添加し、その直後にTEERを測定した。その後、CO2インキュベーター内で培養し、経時的にTEERを測定した。なお、本実験中一貫してDMEM培地のみを与えた細胞を陰性対照、PT−グリアジンとインキュベート後、加熱死菌体を含まないDMEM培地を与えた細胞を陽性対照とした。
B.結果
(1)PT−グリアジンおよびPT−BSAがCaco−2モノレイヤーの透過性に及ぼす影響
PT−グリアジンあるいはPT−BSAをCaco−2モノレイヤーの管腔側へ添加し、その後のTEERの変化を指標としてこれらのタンパクが粘膜透過性に及ぼす影響を調べた。
図2に示したように、DMEM培地のみでインキュベートした場合、TEERはほとんど変化しなかった。PT−グリアジンを10mg/mLの濃度で添加するとTEERは経時的に低下し、5時間後には開始時の26%となった。また、2mg/mLおよび5mg/mLの濃度でPT−グリアジンを添加した場合の5時間後のTEERはそれぞれ開始時の96%および77%となり、透過性亢進作用に濃度依存性が認められた。しかし、10mg/mLの濃度に比べるとこれらの変化は著しく小さかった。一方PT−BSAを10mg/mLの濃度で添加しても、透過性にほとんど変化は認められなかった。
以上のように、Caco−2モノレイヤーの透過性の亢進は、PT−グリアジンが管腔側に存在する時に特異的に観察される現象だった。各種微生物がグリアジン刺激による透過性の亢進に対してどのような影響を及ぼすか解析する際には、PT−グリアジンを10mg/mLの濃度で管腔側へ添加することとした。
(2)BbYがグリアジン刺激によるCaco−2モノレイヤーの透過性亢進に及ぼす影響
BbYの加熱死菌体をPT−グリアジンと共存させた場合、1010cells/mLの濃度でTEERの低下が抑制された(図3)。インキュベート5時間後のTEERの低下抑制率は23%であった。
(3)グリアジン刺激により透過性が亢進したモノレイヤーに対するBbYの効果
PT−グリアジンをCaco−2モノレイヤーの管腔側へ添加し3時間インキュベートすることにより透過性が亢進した状態を作製した。次にPT−グリアジンを洗浄除去した後、BbYの加熱死菌体を添加してその後のTEERの変化を経時的に測定した。
PT−グリアジンで刺激前のCaco−2モノレイヤーのTEERは平均570Ω×cm2だったが(図4、刺激前)、3時間インキュベートすると平均330Ω×cm2(約60%)まで低下した(図4、PT−グリアジン刺激3時間後)。次にCaco−2モノレイヤーの管腔側の培地をデカンテーションによって廃棄し、新鮮なDMEM培地を添加した。この操作をもう一度繰り返しPT−グリアジンを除去した後、BbYの加熱死菌体を含む培地を添加し、直後のTEERを測定した。その結果、菌体の有無に関係なく、すべての培養ウェルのTEERが著しく低下した(図4、菌体とのインキュベーション開始直後)。今回用いたCaco−2モノレイヤーは大気に触れると顕著にTEERが低下するという性質を持つ。上記(2)の実験においても管腔側の培地を一度交換したが、TEERの低下は観察されなかった。一方ここではPT−グリアジンを除去するためDMEM培地による洗浄を2回実施し、合計3回培地を交換した。この操作で細胞が大気に触れる機会が多くなり、TEERが著しく低下したものと推測される。同じ実験を3回実施したが、いずれにおいても同様のTEERの顕著な低下が観察された。
培地交換後、PT−グリアジンとプレインキュベートしなかったCaco−2モノレイヤーのTEERは、24時間後にはPT−グリアジン刺激3時間後の値まで回復した(図4、培地/培地)。PT−グリアジンとプレインキュベートした後、DMEM培地を添加したCaco−2モノレイヤーのTEERも経時的に上昇した(図4、グリアジン/培地)。しかし、24時間後の値はPT−グリアジン刺激3時間後の値と同等でそれ以上高くならなかった。このことから、培地交換による一過性のTEERの低下は24時間のインキュベートで回復するが、PT−グリアジンにより誘導された傷害は修復されないまま残存したものと考えられる。
BbY(1010cells/mL)とインキュベートした場合には、TEERの回復が促進され、PT−グリアジン刺激3時間後の値よりも顕著に高くなった(図4)。これは、PT−グリアジンの刺激により透過性の亢進したモノレイヤーがBbYによって修復されたことを示唆している。
以上のように、BbYはPT−グリアジンの刺激による小腸粘膜の透過性の亢進を抑制するだけでなく傷害を受けた粘膜を修復する効果も示した。このことから、セリアック病の予防や治療に有効なプロバイオティクスとなると考えられる。
実施例2
実施例1(iii)と同様にして、グリアジン刺激により透過性が亢進したモノレイヤーに対する各種ビフィドバクテリウム属細菌の効果を検討した。
ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(B. breve YIT10001)の加熱死菌体を含むDMEM培地を添加したCaco−2モノレイヤーではTEERが陽性対照(PT−グリアジン刺激後DMEM培地のみ添加)よりも高かった(図5、グリアジン/B. breve YIT 10001)。このことから、PT−グリアジンの刺激により透過性の亢進したモノレイヤーが本菌株の添加によって修復されたと考えられる。B. breve YIT10001以外の菌株とインキュベートしたCaco−2モノレイヤーにおいても同様の修復効果が認められた(図5)。
各種ビフィズス菌株の添加によるモノレイヤーの修復率を比較した(図6)。B. breveの3菌株の平均修復率はいずれも約40%だった。B. bifidumの2菌株の平均修復率はB. breveよりも若干高く約50%だった。B. breve YIT4065とB. bifidum YIT4007の修復率は他の菌株に比べて実験間の差が大きかったが、平均値の95%信頼区間の下限値は0%を上回った。このことから、いずれの菌株も、グリアジン刺激により透過性を亢進したCaco−2モノレイヤーを有意に修復することが確認された。
また、各種ビフィズス菌標準株の添加によるモノレイヤーの修復率を比較した(図7)。その結果、B. bifidum(DSM20456)とB. breve(DSM20213)は40%を超える有意な修復率を示した。一方、B. catenulatumの修復率は平均値の95%信頼区間の下限値が0%を下回ったことから、有意な修復効果が認められなかった。
実施例3
A.材料および方法
(1)THP−1細胞の培養
ヒト単球系細胞株THP−1細胞はDSMZより購入し(Ref. No. ACC 16、Lot No. 19)、10% ウシ胎児血清(FCS、Sigma-Aldrich製)を含むRPMI-1640 MEDIUM(RPMI培地、Sigma-Aldrich製)を用いて培養した。
THP−1マクロファージモノレイヤーは、次のように作製した。96-ウェルMICROTESTTM Tissue Culture Plate(Falcon製)の各ウェルに1×106cells/mLの細胞懸濁液を0.1mL添加した(100,000cells/ウェル)。さらに、20nMに調製したPMA(Phorbol 12-myristate 13-acetate、Sigma-Aldrich製)を0.1mL添加し、CO2インキュベーター(5%CO2、95% Air、37℃)内で48時間インキュベートした。PMAによりマクロファージ様に分化したモノレイヤーを、以下の実験に供した。
(2)加熱死菌体の調製
実験にはビフィズス菌9株の加熱死菌体を用いた(表1)。ビフィズス菌は1%ラクトース添加変法GAM培地(日水製薬製)を用いて、嫌気グローブボックス内、37℃で18時間培養した。培養後、菌体を滅菌精製水で遠心洗浄した。洗浄後の菌体を滅菌精製水に懸濁し100℃で30分間加熱した後、凍結乾燥した。
(3)ペプシン消化グリアジンの調製
小麦由来グリアジン(Sigma-Aldrich 製)の酵素消化はJelinkova らの方法に従った(Jelinkova L, Tuckova L, Cinova J, Flegelova Z, Tlaskalova-Hogenova H. (2004) Gliadin stimulates human monocytes to production of IL-8 and TNF-α through a mechanism involving NF-κB. FEBS Letters 571:81-85)。グリアジン60mgを0.1 M HCI(pH1.8)100mLに懸濁した後、ペプシン−アガロース(Sigma-Aldrich 製)10mgを添加し、振とうしながら37℃で2時間インキュベートした。この溶液を1,500×gで10分間遠心分離することによりペプシン−アガロースを沈殿させ、上清を分取した。さらに12,000×gで10分間遠心分離後、上清を分取した。これを凍結乾燥した後、実験に供した。
(4)グリアジンと菌体がTHP−1マクロファージのサイトカインに及ぼす影響の解析
(1)で調製したTHP−1マクロファージモノレイヤーの上層の培地をデカンテーションにより廃棄し、250μLのPBS (-) Buffer で2回洗浄した。さらに、(2)で調製した加熱死菌体を含むRPMI 培地を各ウェルに0.2mLずつ添加した。CO2 インキュベーター内で24時間インキュベートした後、各サイトカインの産生量を測定した。測定後、培地をデカンテーションにより廃棄し、250μLのPBS (-) Buffer で2回洗浄した後、(3)で調製したグリアジンを含むRPMI 培地を各ウェルに0.2mLずつ添加した。CO2 インキュベーター内で24時間インキュベートした後、各サイトカイン(TNF-α、IL-10)の産生量を測定した。サイトカインの測定には、R&D Systems 社のELISA キットを用いた。なお、グリアジンと菌体を含まないRPMI 培地のみを与えた細胞を陰性対照、グリアジンのみを含む培地を与えた細胞を陽性対照とした。
B.結果
グリアジン刺激によるTHP−1マクロファージのTNF−αの産生亢進に対する抑制効果を検討した結果を表1に示す。
表1から明らかなように、B. bifidum及びB. breve(それぞれ1010cells/mL)は、炎症性サイトカインであるTNF−α産生亢進を抑制し、粘膜固有層における炎症反応を抑制する方向に作用したことから、炎症性疾患であるセリアック病の予防・治療に、より安全に利用できると考えられる。
一方、B. adolescentis、B. animalis ss.animalis、B. animalis ss.lactis、B. catenulatum(それぞれ1010cells/mL)は、TNF−α産生亢進を増悪し、粘膜固有層における炎症反応を活性化する方向に作用したことから、セリアック病の炎症反応を悪化させる危険性が示された。
また、データは示さなかったが、B. breve YIT10001は、グリアジン刺激によるTHP−1マクロファージのIL−10(炎症抑制性サイトカイン)の産生量を向上することを確認したことから、炎症性疾患であるセリアック病の予防・治療に、より安全かつ有効に利用できると考えられる。

Claims (8)

  1. ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物を有効成分とするセリアック病予防治療剤。
  2. ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である請求項1記載のセリアック病予防治療剤。
  3. セリアック病予防治療剤製造のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物の使用。
  4. ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である請求項3記載の使用。
  5. セリアック病を予防治療するための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物。
  6. ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である請求項5記載の細菌並びに/又はその菌体処理物。
  7. ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ビフィダムから選ばれる1種以上のビフィドバクテリウム属細菌並びに/又はその菌体処理物の有効量を投与することを特徴とする、セリアック病の予防治療方法。
  8. ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT10001株(FERM BP−8205)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT4065株(FERM BP−6223)、ビフィドバクテリウム・ブレーベYIT12272株(FERM BP−11320)、ビフィドバクテリウム・ブレーベDSM20213株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT4007株(FERM BP−791)、ビフィドバクテリウム・ビフィダムYIT10347株(FERM BP−10613)及びビフィドバクテリウム・ビフィダムDSM20456株から選ばれる1種以上である請求項7記載の方法。
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