JPWO2016038880A1 - 電池残容量演算装置、方法およびプログラム - Google Patents

電池残容量演算装置、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定する。蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した上記第1時刻の蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、第2時刻における蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した上記第2時刻の蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する。そして、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で上記第1時刻の蓄電池の残容量と上記第2時刻の蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する。そして、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて上記第1の差分残容量または上記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、上記第1の残容量と切替えた上記差分残容量との和を上記第2時刻の蓄電池の残容量として出力する。

Description

本発明は、電池残容量演算装置、方法および記録媒体に関し、特に、蓄電池の残容量を測定する電池残容量演算装置、方法および記録媒体に関する。
近年、二次電池のエネルギー密度の向上により、様々なところでリチウムイオン電池などの蓄電池が活用されている。蓄電池の単位体積あたりのエネルギー密度を高めた高エネルギー体積密度化および装置の低消費電力化により携帯電話などのポータブルデバイスの小型高性能化が達成されている。また、蓄電池の単位重量あたりのエネルギー密度を高めた高エネルギー重量密度化により電気自動車などの移動距離の延長が実現された。また安価な夜間電力により充電を行う事で昼間の電力を蓄電池でまかなうなど定置型蓄電池として一般家庭でも利用され始めている。
一般的に蓄電池は放電を行うと電池容量が減少し、充電を行うと電池容量が増加する。電気自動車で例えるならば、走行と同時に蓄電池の残容量が減り、それに合わせて残りの走行可能距離が少なくなる。また、家庭用蓄電池の例で言えば、掃除機、洗濯機、テレビ等を蓄電池の電力で賄うに従い蓄電池の残容量が減る。
蓄電池の残容量は、蓄電池が有する電気容量に対して充電している電気量を比率で表したSOC(State Of Charge)で表される。家庭用蓄電池の場合は、インジケータのLED(Light Emitting Diode)がSOCの減少に合わせて消灯していく事でユーザーに蓄電池の残量を知らせている。また自動車では、SOCから走行可能な距離等を算出し、ユーザーに知らせている。
一般的に蓄電池のSOCを算出する際は、蓄電池から流れるもしくは受け入れる電流を電流センサー等で計測しその時間分を積算したものを、蓄電池の満充電容量で除算する事でSOCを出している。近年では、電池を模擬した等価回路モデルや適応デジタルフィルタを用いて、端子電圧(電池電圧)から開放電圧を推定し、推定された開放電圧からSOCを算出する手法(例えば等価回路法)もある。また、前者の方法における電流積算時に誤差が累積される課題や、後者の方法における過渡電流時にSOC精度が悪化する課題を解決する技術も提案されている。この解決技術によれば、電流積算による方法と等価回路法の二つの方法で算出されるSOCを場合によって使い分ける事でSOCの精度を高める方法を提案している。
特許文献1は、電流積算による方法と等価回路法の二つの方法で算出されるSOCを所定のタイミングで切り替えて使用する方法において課題となる、その切り替えのタイミングを明確にした技術を開示する。特許文献1では、バッテリに大電流が流れているときや、急激な電流変動が生じた際に、等価回路法で算出されるSOCから、電流積算法で算出されるSOCに切り替える。当該技術によれば、等価回路法による電圧推定値と電圧センサーから取得される実電圧との誤差が所定値以下であること、および実電流、所定期間内の実電流変動値が所定値以下で、電池温度が所定値以上であるという条件のときに切り替えるとしている。
特許文献2は、蓄電デバイスの充放電状態と蓄電デバイスに接続される電気負荷との双方の状態を考慮して、電流積算に基づく残存容量と等価回路法による開放電圧の推定値に基づく残存容量との双方の利点を生かして精度よく残存容量を求める技術を開示する。当該技術によれば、電流積算に基づく残存容量と開放電圧の推定値に基づく残存容量とを重みづけ合成して最終的な残存容量として算出している。この重みとしては、蓄電デバイスの充放電電流の電流変化率と蓄電デバイスに接続される電気負荷の使用状況とのうちの何れかを使用するものとしている。
特開2011−106952号公報 特許第4638211号公報
特許文献1は、バッテリに大電流が流れているときや、急激な電流変動が生じた際に、等価回路法で算出されるSOCから電流積算法で算出されるSOCに切り替えることによりSOC検出精度を良好に保つことを目的としている。一般的に、急激な電流変動は等価回路法によるSOC算出精度を悪化させる事はよく知られている。しかし、電流積算法の場合は、電流センサーの誤差を電流積算の期間にわたって累積してしまうので積算誤差が大きい。このため特許文献1を用いたのでは、電流積算法で算出されるSOCに切り替える時点までに積み重なった積算誤差をそのままSOCが含むため、SOC精度が十分ではない。そのため、極力、等価回路法によるSOCを使用することが好ましい。例えば、電流の絶対値に関して言えば、急激な電流変動は内部抵抗による電圧降下に関与があるものの、等価回路のパラメータ推定や、ゲイン調整が適確に行われていれば、等価回路法によるSOC精度は、電流積算法で算出したSOCより精度が良い。
特許文献2は、電流積算法に基づく残存容量と、内部インピーダンスから推測した開放電圧の推定値に基づく残存容量とを重みづけ合成している。この重みづけ合成において、過渡的な電流の変化の量に応じて電流積算法による残存容量の割合を柔軟に加えるように構成している。これは、過渡的な電流の急激な変化による開放電圧に基づく残存容量の算出の精度悪化を抑えることを目的としている。しかし、電流積算法による残存容量には電流センサーの読み取り誤差やオフセット誤差が累積されて多量に誤差を含んでいる場合が多い。そのため、そのような誤差を多量に含んでいる残存容量に重みづけした値を用いることは、最終的な残存容量の算出の精度を悪化させてしまう恐れがある。
本発明の目的は、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる電池残容量演算装置、方法および記録媒体を提供することにある。
上記の目的を実現するために、本発明の一形態である電池残容量演算装置は、蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算装置であって、
蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、第2時刻における前記蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の他の形態である電池残容量演算方法は、蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算方法であって、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出し、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出し、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の別の形態である電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
コンピュータを、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算機能手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算機能手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算機能手段として機能させるための電池残容量演算プログラムが記録されていることを特徴とする。
本発明は、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる。
本発明の第1の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態の電池残容量演算装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が実現する機能手段の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が実現する機能手段の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。 ΔSOCiの荷重率を求めるための電流増減幅と温度との所定の相関関係を示すグラフである。 残容量測定の放電パターンの例を示す図である。 本発明の第3の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。 電流積算方式、電圧推定方式、関連技術の方式による電池残容量演算と本発明の第3の実施形態による電池残容量演算とのSOCの真値に対する誤差の相違を示す図である。 本発明の第4の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。 電圧推定方式における電流の急激な変動による精度悪化が収束するまでの収束時間を求めるための1周期前の荷重率と温度との所定の相関関係を示すグラフである。 電流積算方式、電圧推定方式、関連技術の方式による電池残容量演算と本発明の第4の実施形態による電池残容量演算とのSOCの真値に対する誤差の相違を示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
尚、実施の形態は例示であり、開示の装置等は、以下の実施の形態の構成には限定されない。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
また、実施形態の説明の蓄電池のSOCを算出する方法において、充電直後の満充電の状態のSOCを初期値とし、充放電電流を積算してSOCを推定する方法を電流積算方式と称する。また、電流積算方式以外のSOC算出方法であって、蓄電池の端子電圧(電池電圧)に基づいてSOCを算出する方法を電圧推定方式と称する。
電圧推定方式は、端子電圧とSOCを対応させたマップからSOCを算出する方法や、端子電圧から無負荷状態の開放電圧を推定して、その推定した開放電圧からSOCを算出する方法を含む。さらに、開放電圧を推定する方法として、端子電圧と電流から内部抵抗を算出し、算出した内部抵抗から電流を流した際の電圧降下分を加減して開放電圧を推定する方法や、電池の等価回路モデルや適応デジタルフィルタを用いて開放電圧を推定する方法を含む。
(用語の定義)
本件明細書の「時間周期」とは、主に、蓄電池から電圧と電流を取得する複数のタイミング(時刻、時点など)の間隔の最小値を示すものとする。例えば、第1時刻、第2時刻、第3時刻、……、など一定間隔で電圧と電流を取得する場合、第1時刻と第2時刻との間隔、第2時刻と第3時刻との間隔、……などを示すものとする。なお、本件明細書では後述するように、タイミング(時刻、時点など)を、第1時刻、第2時刻、時刻k、時刻k−1、時刻k+1などと、表記する。
本件明細書の「1周期前」とは、一定間隔で電圧と電流を取得しているような場合、例えば時刻k−1、時刻k、時刻k+1、……、の各時刻で電圧と電流を取得しているような場合には、時刻k+1から見た時刻kのことを指しているものとする。或いは、時刻kから見た時刻k−1のことを指しているものとする。
本件明細書の「直近1周期分」とは、電圧と電流を取得するタイミング(時刻、時点など)のうち、最新の取得タイミングと、最新の取得タイミングから見て1周期前の取得タイミングとの間の相当分を示すものとする。例えば、最新の取得タイミングが時刻k+1の場合には、時刻k+1と、時刻k+1から見て1周期前の時刻kとの間の相当分を示すものとする。
本発明の実施形態は、電池残容量の演算に関する。本発明の実施形態では、蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で、上記第1時刻の蓄電池の残容量を示す第1の残容量を算出する。この第1の残容量と、蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した上記第2時刻の蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する。さらに、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で上記第1時刻の蓄電池の残容量と上記第2時刻の蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する。
さらに、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出する。こうして算出された電流増減幅に基づいて、上記第1の差分残容量または上記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とする。例えば、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流増減幅が小さいときは、第1の差分残容量に切替えられ、差分残容量とする。例えば、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流増減幅が大きいときは、第2の差分残容量に切替えられ、差分残容量とする。そして、上記第1の残容量と切替えた上記差分残容量との和を上記第2時刻の蓄電池の残容量として出力する。
例えば、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流増減幅が大きい場合は、第2の差分残容量に切替えられ、差分残容量とする。そして、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流増減幅が小さい場合は、第1の差分残容量に切替えられ、差分残容量とする。これにより、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、電池残容量を精度良く演算することができる。以下、本発明のより具体的な実施形態について図面を参照しながら、説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の電池残容量演算装置の構成を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。
第1の実施形態の電池残容量演算装置1は、蓄電池3から所定の時間周期で電圧および電流を取得する。電池残容量演算装置1は、電圧推定方式で蓄電池3の残容量を算出する第1の演算手段11と電流積算方式で蓄電池3の残容量を算出する第2の演算手段12を含む。そして、電池残容量演算装置1は、電圧推定方式で算出した残容量と電流積算方式で算出した残容量を適宜切り替えて最終的な残容量として出力する第3の演算手段13をさらに含んで構成される。
第1の演算手段11は、所定の時間周期で蓄電池3から取得した電圧と電流とを入力し、電圧推定方式で蓄電池3の残容量を第1の残容量として算出する。例えば、蓄電池3の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で上記第1時刻の蓄電池3の残容量を示す第1の残容量を算出する。そして、第2時刻における蓄電池3からの電圧と電流とから電圧推定方式で上記第2時刻の蓄電池3の残容量を算出する。そして、1周期前に取得した電圧と電流とに基づいて電圧推定方式で算出した第1の残容量との差分値を第1の差分残容量として算出する。より具体的には、上記第1の残容量と、上記第2時刻における蓄電池3からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した上記第2時刻の蓄電池3の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する。
第2の演算手段12は、上記の時間周期で蓄電池3から取得した電流を入力し、直近1周期分の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で蓄電池3の残容量を第2の差分残容量として算出する。より具体的には、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で上記第1時刻の蓄電池3の残容量と上記第2時刻の蓄電池3の残容量との差分値を示す第2の差分残容量として算出する。
第3の演算手段13は、上記の時間周期で蓄電池3から取得した電流を入力し、直近1周期分の電流の増減を表す電流増減幅を算出する。ここで直近1周期分とは、例えば上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間に相当する分を指す。第3の演算手段13は、該電流増減幅に基づいて第1の差分残容量または第2の差分残容量を切り替えて当該周期分の差分残容量とする。そして、第3の演算手段13は、1周期前に出力した蓄電池3の残容量に当該周期分の差分残容量を加算して当該周期の蓄電池3の残容量として出力する。より具体的には、上記第1の残容量と切替えた上記差分残容量との和を、上記第2時刻の蓄電池3の残容量として出力する。
第1の実施形態の電池残容量演算方法を説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。
第1の実施形態の電池残容量演算方法は、第1の差分残容量算出ステップ(S101)、第2の差分残容量算出ステップ(S102)および蓄電池残容量算出ステップ(S103)を含んで処理される。
第1の差分残容量算出ステップは、所定の時間周期で蓄電池から取得した電圧と電流とを入力し、電圧推定方式で蓄電池の残容量を第1の残容量として算出する。そして、1周期前に取得した電圧と電流とに基づいて電圧推定方式で算出した第1の残容量との差分値を第1の差分残容量として算出する(S101)。
第1の差分残容量算出ステップでは、より具体的には例えば、蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で上記第1時刻の蓄電池の残容量を示す第1の残容量として算出する。そして、第2時刻における蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で上記第2時刻の蓄電池の残容量を算出する。そして、上記第1の残容量と、上記第2時刻における蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した上記第2時刻の蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する。
第2の差分残容量算出ステップは、上記時間周期で蓄電池から取得した電流を入力し、直近1周期分の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で蓄電池の残容量を第2の差分残容量として算出する(S102)。
第2の差分残容量算出ステップでは、より具体的には、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で上記第1時刻の蓄電池の残容量と上記第2時刻の蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量として算出する。
蓄電池残容量算出ステップは、上記時間周期で蓄電池から取得した電流を入力し、直近1周期分の電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて第1の差分残容量または第2の差分残容量を切り替えて当該周期分の差分残容量とする。そして、1周期前の蓄電池の残容量に当該周期分の差分残容量を加算して直近の蓄電池の残容量として出力する(S103)。なおここで、直近の蓄電池の残容量とは、1周期前の蓄電池の残容量から見て、1周期後の蓄電池の残容量である。
蓄電池残容量算出ステップでは、より具体的には、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出する。さらに、上記電流増減幅に基づいて第1の差分残容量または第2の差分残容量を切替えて、差分残容量とする。そして、上記第1の残容量と切替えた上記差分残容量との和を上記第2時刻の蓄電池の残容量として出力する。
なお、上記のステップS101、S102のそれぞれの処理に関しては相関がないので、処理の順序は規定されない。
第1の実施形態のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の電池残容量演算装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3を参照すると、電池残容量演算装置1は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができ、次の構成を備える。
ハードウェア構成として、制御部であるCPU(Central Processing Unit)21、主記憶部22、補助記憶部23を含む。主記憶部22は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、補助記憶部23は、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発メモリから構成されるハードディスク装置を含む。
また、ハードウェア構成として、外部からの情報を取り込む外部インタフェース部24、ディスプレイによる表示部25、キー操作を行う入力部26、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス27等を含む。
本実施形態の電池残容量演算装置1は、その動作を、電池残容量演算装置1の内部に各機能を実現するプログラムを組み込んだLSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品からなる回路部品を実装して実現してもよい。なお、このプログラムは、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記録デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体などの形態で、流通され得る。このような記録媒体に記録された電池残容量演算プログラムを読み込んで、コンピュータ処理装置上のCPU21で実行することにより、本実施形態の電池残容量演算装置1の機能をソフトウェア的に実現してもよい。また、本実施形態の電池残容量演算装置1は、各構成要素の各機能を提供するプログラムを、コンピュータ処理装置上のCPU21で実行することにより、ソフトウェア的に実現してもよい。
すなわち、CPU21は、補助記憶部23に格納されているプログラムを、主記憶部22にロードして実行し、あるいは補助記憶部23上で直接実行し、電池残容量演算装置1の動作を制御することにより、各機能をソフトウェア的に実現する。
本発明の第1の実施形態のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が実現する機能手段の構成を図4に示す。
本実施形態の記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータを、第1の演算機能手段31、第2の演算機能手段32および第3の演算機能手段33として機能させる。
第1の演算機能手段31は、所定の時間周期で蓄電池から取得した電圧と電流とを入力し、電圧推定方式で蓄電池の残容量を第1の残容量として算出する。そして、1周期前に取得した電圧と電流とに基づいて電圧推定方式で算出した第1の残容量との差分値を第1の差分残容量として算出する。
第1の演算機能手段31は、より具体的には例えば、蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で上記第1時刻の蓄電池の残容量を示す第1の残容量として算出する。そして、第2時刻における蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で上記第2時刻の蓄電池の残容量を算出する。そして、上記第1の残容量と、上記第2時刻における蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した上記第2時刻の蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する。
第2の演算機能手段32は、上記時間周期で蓄電池から取得した電流を入力し、直近1周期分の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で蓄電池の残容量を第2の差分残容量として算出する。
第2の演算機能手段32は、より具体的には、上記第1時刻と上記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で上記第1時刻の蓄電池の残容量と上記第2時刻の蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量として算出する。
第3の演算機能手段33は、上記時間周期で蓄電池から取得した電流を入力し、直近1周期分の電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて第1の差分残容量または第2の差分残容量を切り替えて当該周期分の差分残容量とする。そして、1周期前の蓄電池の残容量に当該周期分の差分残容量を加算して直近の蓄電池の残容量として出力する。なおここで、直近の蓄電池の残容量とは、1周期前の蓄電池の残容量から見て、1周期後の蓄電池の残容量である。
第3の演算機能手段33は、より具体的には、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出する。さらに、上記電流増減幅に基づいて第1の差分残容量または第2の差分残容量を切替えて、差分残容量とする。そして、上記第1の残容量と切替えた上記差分残容量との和を上記第2時刻の蓄電池の残容量として出力する。
以上に説明したように、本実施形態では、電流増減幅に基づいて電圧推定方式で算出された第1の差分残容量または電流積算方式で算出された第2の差分残容量を切り替えて、当該周期分の差分残容量として使用する。このことは、電流増減幅が大きいような場合は、残容量の算出精度が悪化する電圧推定方式で算出された第1の差分残容量を用いることなく、電流積算方式で算出された第2の差分残容量を使用する。逆に、電流増減幅が小さく、安定しているような場合は、残容量の算出精度が良い電圧推定方式で算出された第1の差分残容量を用いるようにしている。また、電流積算方式で残容量を算出する場合であっても、直近1周期分の電流の積算量のみに基づいて差分残容量を算出するので、電流積算方式での残容量算出の精度の悪化を防ぐことができる。つまり、電流積算方式の欠点となっている積算誤差は、所定の時間周期ごとに区切った直近1周期分の積算誤差のみに抑えられる。
したがって、本実施形態では、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態を説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の電池残容量演算装置2は、荷重率算出手段14をさらに含むことで第1の実施形態の電池残容量演算装置1と異なる。また、第3の演算手段15の機能内容が第1の実施形態の第3の演算手段13と異なる。
第1の実施形態との相違について以下に説明する。
荷重率算出手段14は、所定の時間周期で蓄電池3から取得した電流と温度とを入力し、直近1周期分の電流の増減を表す電流増減幅を算出する。より具体的には、荷重率算出手段14は、所定の時間周期で蓄電池3から取得した電流と温度とを入力し、例えば、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出する。そして、算出した該電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて、第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する。
第3の演算手段15は、第1の差分残容量と第2の差分残容量とを荷重率により重みづけ配分して当該周期分の残容量として第3の差分残容量を算出する。そして、1周期前の蓄電池3の残容量に第3の差分残容量を加算して、直近の蓄電池3の残容量として出力する。
より具体的には第3の演算手段15は、蓄電池3の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出された上記第1の残容量と、第3の差分残容量との和を上記第2時刻の蓄電池3の残容量として出力する。
なお、第1の差分残容量と第2の差分残容量とを荷重率により重みづけ配分するとは、荷重率の最大値を1とすると、荷重率に相当する割合の第2の差分残容量と、1から荷重率を減算した割合の第1の差分残容量を加算することを意味する。以下の説明においても同様である。
図6は、本発明の第2の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。
第2の実施形態の電池残容量演算方法は、荷重率算出ステップ(S203)をさらに含むことで第1の実施形態の電池残容量演算方法と異なる。また、蓄電池残容量算出ステップの処理内容が第1の実施形態と異なる。ステップS201とS202は、第1の実施形態のステップS101とS102の処理と同じである。
第1の実施形態との相違について以下に説明する。
荷重率算出ステップは、所定の時間周期で蓄電池から取得した電流と温度とを入力し、直近1周期分の電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて、第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する(S203)。
荷重率算出ステップは、より具体的には、所定の時間周期で蓄電池から取得した電流と温度とを入力し、例えば、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出する。そして電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて、第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する。
蓄電池残容量算出ステップは、第1の差分残容量と第2の差分残容量とを荷重率により重みづけ配分して当該周期分の残容量として第3の差分残容量を算出する。そして、1周期前の蓄電池の残容量に第3の差分残容量を加算して、直近の蓄電池の残容量として出力する(S204)。なおここで、直近の蓄電池の残容量とは、1周期前の蓄電池の残容量から見て、1周期後の蓄電池の残容量である。
図7は、本発明の第2の実施形態のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が実現する機能手段の構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の電池残容量演算プログラムは、荷重率算出機能手段34をさらに含むことで第1の実施形態の電池残容量演算プログラムと異なる。また、第3の演算機能手段35の機能内容が、第1の実施形態の第3の演算機能手段33と異なる。
第1の実施形態との相違について以下に説明する。
荷重率算出機能手段34は、所定の時間周期で蓄電池から取得した電流と温度とを入力し、直近1周期分の電流の増減を表す電流増減幅を算出する。より具体的には、荷重率算出機能手段34は、所定の時間周期で蓄電池から取得した電流と温度とを入力し、例えば、上記第1時刻の電流と上記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出する。そして、該電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて、第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する。
第3の演算機能手段35は、第1の差分残容量と第2の差分残容量とを荷重率により重みづけ配分して当該周期分の残容量として第3の差分残容量を算出する。そして、1周期前の蓄電池の残容量に第3の差分残容量を加算して、直近の蓄電池の残容量として出力する。
より具体的には演算機能手段35は、蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出された上記第1の残容量と、第3の差分残容量との和を上記第2時刻の蓄電池の残容量として出力する。
以上に説明したように、本実施形態では、当該周期分の差分残容量となる第3の差分残容量を、第1の差分残容量と第2の差分残容量とを荷重率により最適に重みづけ配分して算出する。つまり、本実施形態では、電流積算方式で算出した第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を、直近1周期分の電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて算出する。これは、電流増減幅が小さい場合は、極力、電圧推定方式により蓄電池の残容量を精度良く算出することを目的としている。また、電流増減幅が大きくなったときには、電流積算方式で蓄電池の残容量を算出する割合を大きくして、電圧推定方式による蓄電池の残容量算出の精度の悪化を補完するようにしている。
さらに、電流積算方式で蓄電池の残容量を算出する場合であっても、第1の実施形態と同様に、直近1周期分の電流の積算量のみに基づいて算出するので、電流積算方式での残容量算出の精度の悪化を防ぐことができる。
したがって、本実施形態では、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態を説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。
第3の実施形態は、第2の実施形態をより詳細に示す実施形態である。
第3の実施形態の電池残容量演算装置10は、所定の時間周期(例えば1秒周期)で蓄電部4の状態情報(電圧、電流、温度)を取得し、蓄電部4が有する電気容量に対して充電している電気量を比率で表した残容量であるSOCを算出して出力する。
蓄電部4は例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケル水素電池といった各種の二次電池または電気二重層キャパシタなど、様々な電力貯蔵デバイスである。蓄電部4には、1つの電力貯蔵デバイス、または、直列あるいは並列に接続された複数の電力貯蔵デバイスが含まれ得る。
電池残容量演算装置10は、蓄電部4の状態情報を取得する構成として、電圧取得部101、電流取得部102および温度取得部103を含む。
また、電池残容量演算装置10は、SOCを算出する構成として、SOCv演算部104、ΔSOCv演算部105、ΔSOCi演算部106、バランス演算部107、ΔSOC演算部108およびSOC演算部109を含む。
電圧取得部101は、例えばセル監視IC(Integrated Circuit)等の電圧測定器により蓄電部4のセル電圧または総電圧を測定する。
電流取得部102は、例えばホール素子や、シャント抵抗器等の電流測定器により蓄電部4から放電時の放電電流、および充電時の充電電流を測定する。電流取得部102は、ノイズ除去の為のローパスフィルタなどを有してもよい。
温度取得部103は、例えばサーミスターや熱電対などの温度測定器により蓄電部4の温度を測定する。
SOCv演算部104は、例えばマイコン等で構成される。時刻kで電圧取得部101で測定した電圧(端子電圧)と電流取得部102で測定した電流とから開放電圧を推定し、その推定した開放電圧に基づいてSOCvkを算出する。SOCvkは、時刻kで測定された電圧と電流とから、電圧推定方式により算出されたSOCを意味する。なお、開放電圧を推定する方法としては、前述したように、端子電圧と電流とから算出された内部抵抗に電流を流した際の電圧降下分を加減して開放電圧を推定する方法や、電池の等価回路モデルや適応デジタルフィルタを用いて開放電圧を推定する方法を含む。
つまり、SOCv演算部104は、所定の時間周期(例えば1秒間隔)で取得した蓄電部4の電圧と電流とに基づいて電圧推定方式で蓄電部4のSOCvkを算出する。なお、以降の説明において、当該時刻kに対する1周期前の時刻を時刻k−1、1周期後の時刻を時刻k+1と表す。時刻k−1で取得した蓄電部4の電圧と電流とに基づいて電圧推定方式で算出された蓄電部4のSOCを、SOCvk−1と記載する。時刻k+1で取得した蓄電部4の電圧と電流とに基づいて電圧推定方式で算出された蓄電部4のSOCを、SOCvk+1と記載する。
ΔSOCv演算部105は、例えばマイコン等で構成される。ΔSOCv演算部105は、SOCvkとSOCvk−1との差分値であるΔSOCvkを算出する。
時刻k−1に取得した蓄電部4の電圧と電流とに基づいてSOCv演算部104が算出したSOCvk−1は、SOCv演算部104で記憶しておいても良いし、ΔSOCv演算部105で記憶しておいても良い。
なお、SOCv演算部104とΔSOCv演算部105が第2の実施形態の第1の演算手段11に相当し、ΔSOCvkが第1の差分残容量に相当する。
ΔSOCi演算部106は、例えばマイコン等で構成され、電流取得部102で測定した電流から電流積算方式で、時間周期の1周期分の電流の積算量に基づいてΔSOCiを算出する。より具体的には例えば、時刻k−1と時刻kとの間の期間の電流の積算量に基づいてΔSOCiを算出する。つまり、ΔSOCiは下記の式により算出される。
ΔSOCi={(時刻kと1周期前の時刻k−1の間に流れた電流の積算量)/満充電量}×100
つまり、本実施形態では、ΔSOCiは直近1周期分の1秒間に流れた電流の積算量に基づいて算出される。
なお、ΔSOCi演算部106が第2の実施形態の第2の演算手段12に相当し、ΔSOCiが第2の差分残容量に相当する。
バランス演算部107は、例えばマイコン等で構成され、電流取得部102で取得した電流と温度取得部103で取得した蓄電部4の温度とを入力して、ΔSOCiに対する荷重率Aを算出する。この荷重率Aは、後述するように、ΔSOCiの使用割合を重みづけする際に用いる値である。
バランス演算部107は、直近1周期分である1秒前の電流と当該時刻の電流とから電流増減幅を算出する。そして、電流増減幅と温度との所定の相関関係から荷重率Aを求める。
図9は、ΔSOCiの荷重率Aを求めるための電流増減幅と温度との所定の相関関係を示すグラフである。このような電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて荷重率Aを求める。なお、低温になるほど、または電流増減幅が大きくなるほど荷重率Aは大きくなる。
バランス演算部107は、電流増減幅と温度との所定の相関関係から荷重率Aが求まるグラフやマップを格納しており、電流増減幅と温度を入力することで、該グラフやマップを参照して荷重率Aを求める。また、該グラフやマップの代わりに、該グラフやマップに相当する関数計算手段が格納されていてもよい。
なお、バランス演算部107が第2の実施形態の荷重率演算手段14に相当する。
ΔSOC演算部108は、ΔSOCv演算部105で算出したΔSOCvkとΔSOCi演算部106で算出したΔSOCiとを、バランス演算部107で算出したΔSOCiの荷重率Aにより、下記の式のように重みづけ配分してΔSOCkを算出する。なお、ΔSOCkは当該周期分の差分残容量で、第2の実施形態の第3の差分残容量に相当する。
ΔSOCk=(ΔSOCi×A)+{ΔSOCvk×(1−A)}
前述のように、低温になるほど、または電流増減幅が大きくなるほど荷重率Aは大きくなるので、電流増減幅が大きいほど積算電流方式で算出したΔSOCiの使用割合が大きくなる。例えば、図9を参照すると、蓄電部4の温度が5℃以下の場合は、電流増減幅が約20Aであれば100%の割合で、積算電流方式で算出したΔSOCiがΔSOCkとして使用される。また、逆に、電流増減幅が約5Aまでであれば、荷重率は0%となり、積算電流方式で算出したΔSOCiではなく、電圧推定方式で算出したΔSOCvkがΔSOCkとして使用される。
SOC演算部109は、1周期前(1秒前)に出力した蓄電部4の残容量であるSOCk−1に、ΔSOC演算部108で算出した当該周期分のΔSOCkを加算して、当該周期における蓄電部4の残容量であるSOCkとして出力する。言い換えるとここでは、SOCk−1とΔSOCkとの和を、時刻kの蓄電部4の残容量SOCkとして出力する。つまり、SOC演算部109は下記の式でSOCkを算出して出力する。
SOCk=(SOCk−1)+(ΔSOCk)
そして、SOC演算部109は当該周期で算出したSOCkを、次周期のSOCk+1の算出に使用するように記憶する。
なお、ΔSOC演算部108とSOC演算部109が、第2の実施形態の第3の演算手段15に相当する。
以上のように構成された第3の実施形態の電池残容量演算装置10が動作して実行される電池残容量演算方法を、図10および図11を参照して説明する。
図10は、残容量測定の放電パターンの例を示す図である。
本実施形態で用いた電池残容量測定の外部環境は、図10の最上部の点線で示すように蓄電部温度を25℃で一定とし、図10の最下部の実線で示すようなパターンで電流が変化するものとした。
最初の区間1では−10Aの定電流で放電を行い、次の区間2では−60Aの定電流で放電を行い、最後の区間3では−30Aの定電流で放電を行った。なお、図示していないが、充電電流の場合は+表示される。
上記の放電パターンに伴う蓄電部4の端子電圧の変化が、図10の中間の点線として示されている。
図11は、本実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。この処理は所定の周期で繰り返される。
まず、蓄電部4の電圧、電流および温度を、電圧取得部101、電流取得部102および温度取得部103により1秒間隔で取得する(S301)。
取得した電圧、電流および温度に基づいて、ステップS302とS303、ステップS304、およびステップS305の処理を実行する。これらステップS302及びS303による処理と、ステップS304による処理と、ステップS305による処理に関してはお互いに相関がないので、処理の順序は規定されない。
ステップS302では、SOCv演算部104が、時刻kで取得した電圧と電流とから電圧推定方式で、開放電圧を推定し、推定された開放電圧から時刻kにおけるSOCvkを算出する。そして、ステップS303で、ΔSOCv演算部105が、時刻kにおけるSOCvkと時刻kの1周期前である時刻k−1におけるSOCvk−1との差分値であるΔSOCvkを算出する。
ステップS304では、ΔSOCi演算部106が、電流積算方式により直近1周期分(1秒間)の電流の積算量にもとづいてΔSOCiを算出する。より具体的には例えば、時刻k−1と時刻kとの間の期間の電流の積算量に基づいてΔSOCiを算出する。
ステップS305では、バランス演算部107が、当該周期の電流と1周期前の電流との差分から電流増減幅を算出し、電流増減幅と蓄電部4の温度とからΔSOCiの荷重率Aを算出する。より具体的には、時刻k−1の電流と時刻kの電流との差分から、電流の増減を表す電流増減幅を算出し、電流増減幅と蓄電部4の温度とからΔSOCiの荷重率Aを算出する。
ΔSOCvk、ΔSOCiおよび荷重率Aが算出されると、ΔSOC演算部108が、ΔSOCvkおよびΔSOCiを荷重率Aで重みづけ配分して、当該周期分の差分残容量としてΔSOCkを算出する(S306)。
ΔSOCkが算出されると、SOC演算部109が、時刻k−1の蓄電部4の残容量であるSOCk−1に、そのΔSOCkを加算して、時刻kの蓄電部4の残容量であるSOCkとして出力する(S307)。
本実施形態による電池残容量演算の効果について図12を参照して説明する。
図12は、電流積算方式、電圧推定方式、関連技術の方式による電池残容量演算と本発明の第3の実施形態による電池残容量演算とのSOCの真値に対する誤差の相違を示す図である。
図12において、横軸は時間経過を示し、縦軸はSOCの真値に対する誤差の割合を示す。なお、SOCの真値とは、オフセットやノイズを含まない理想電流を積算したシミュレーション値である。
図12において、電流積算方式で算出した場合の誤差の変化を符号1の点線、電圧推定方式で算出した場合の誤差の変化を符号2の点線、関連技術の方式で算出した場合の誤差の変化を符号3の一点鎖線で示している。そして、本実施形態の方式で算出した場合の誤差の変化を符号4の実線で示している。
また、評価に使用した電流の変化パターンは、図12の下部の符号5の実線に示すとおりである。
なお、関連技術の方式とは、特許文献1が開示するように、バッテリに対して急激な電流変動が生じた際に、電圧推定方式で算出されるSOCから、電流積算方式で算出したSOCに切り替える方式を想定した。つまり、電流の急激な変化の発生を識別できる時刻kまでは電圧推定方式で算出されたSOCを使い、時刻kにおいて電流積算方式で算出されたSOCに切り替える。そして、電流が安定したことを識別できる時刻k+1で再度、電圧推定方式で算出されたSOCに切り替える。
まず、電流積算方式を単独で使用した場合(符号1の点線)は、電流積算時の積算誤差が時間の経過とともに積み重なって大きくなって行く。
また、電圧推定方式を単独で使用した場合(符号2の点線)は、電流の急激な変化が発生した時点(時刻k)で精度が悪化する。区間1と区間2の間の時刻kと、区間2と区間3の間の時刻kで精度が悪化し、前者の場合は電流増減幅50Aに対する精度の悪化となり、後者の場合は電流増減幅30Aに対する精度の悪化となっている。
関連技術の方式の場合(符号3の一点鎖線)は、電流の急激な変化が発生した時点(時刻k)で電流積算方式により算出したSOCに切り替えるが、その時点までに積み重なった積算誤差をそのまま含んだSOCとなってしまう。区間2と区間3の間の時刻kで切り替えられた電流積算方式によるSOCは、区間1と区間2の間の時刻kでのSOCと比べて、時間経過が進んでいるので積算誤差がより大きくなっている。
一方、本実施形態の方式を使用した場合(符号4の実線)は、電流の急激な変化が発生した時点(時刻k)で電流積算方式により算出したSOCに切り替える。しかし、そのときに算出されるSOCには、直近1周期分(時刻k−1から時刻kまでの1秒間)の電流積算による積算誤差が含まれるだけである。そのため、たとえ電流積算方式に切り替えたとしても、その誤差は小さく抑えられる。また、電流が安定した時点(時刻k+1)では、電圧推定方式で算出されたSOCに再度切り替えられる。
なお、時刻k+1で電圧推定方式によるSOCに切り替えた場合、電流の急激な変化が発生した時刻kでの精度悪化が完全に収束していないので、所定の収束時間の間は精度の悪化が継続する。この課題については第4の実施形態で後述する。
このように、本実施形態では、電圧推定方式で算出したΔSOCvkと電流積算方式で算出したΔSOCiとを、荷重率Aにより重みづけ配分して当該周期分のΔSOCkを算出する。そして、1周期前に出力された蓄電部4の残容量SOCk−1にΔSOCkを加算して当該周期の蓄電部4のSOCkを算出する。言い換えるとここでは、SOCk−1とΔSOCkとの和を、時刻kの蓄電部4の残容量SOCkとして出力する。
そして、電流積算方式で算出したΔSOCiの使用割合を示す荷重率Aは、直近1周期分(1秒間)の電流増減幅と温度との所定の相関関係に基づいて算出される。
これは、電流増減幅が小さい場合は、極力、電圧推定方式により蓄電部4のSOCを精度良く算出することを目的としている。また、電流増減幅が大きくなったときには、電流積算方式で蓄電部4のSOCを算出する割合を大きくして、電圧推定方式による蓄電部4のSOC算出の精度の悪化を補完するようにしている。
さらに、電流積算方式で蓄電部4のSOCを算出する場合であっても、直近1周期分の電流の積算量のみに基づいて算出するので、電流積算方式でのSOC算出の精度の悪化を防ぐことができる。つまり、電流積算方式の欠点となっている積算誤差は、所定の時間周期ごとに区切った直近1周期分(1秒間)の積算誤差のみに抑えられる。
したがって、本実施形態では、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態は、第3の実施形態では考慮されていない、電流の急激な変動によりSOCの算出精度が悪化し、それが収束するまでに時間がかかるという電圧推定方式の欠点を補完する構成を含む実施形態である。
図13は、本発明の第4の実施形態の電池残容量演算装置の構成を示すブロック図である。
第4の実施形態の電池残容量演算装置20は、所定の時間周期(例えば1秒周期)で蓄電部4の状態情報(電圧、電流、温度)を取得する電圧取得部201、電流取得部202および温度取得部203を含む構成になっている。なお、電圧取得部201、電流取得部202および温度取得部203は、図8に示した第3の実施形態の電池残容量演算装置10における対応する構成と同じなので説明を省略する。
電池残容量演算装置20は取得した蓄電部4の状態情報に基づいて、蓄電部4が有する電気容量に対して充電している電気量を比率で表した残容量であるSOCを算出して出力する。
電池残容量演算装置20は、SOCを算出する構成として、SOCv演算部204、ΔSOCv演算部205、ΔSOCi演算部206、バランス演算部207、ΔSOC演算部208およびSOC演算部209に加えて荷重率調整部210を含む。なお、SOCv演算部204、ΔSOCv演算部205およびΔSOCi演算部206は、図8に示した第3の実施形態の電池残容量演算装置10における対応する構成と同じなので、説明を省略する。なお、バランス演算部207、ΔSOC演算部208およびSOC演算部209は、図8に示した第3の実施形態の電池残容量演算装置10における対応する構成と同じなので、説明を省略する。
第4の実施形態の電池残容量演算装置20は、第3の実施形態の電池残容量演算装置10に荷重率調整部210が付加された構成になっている。
荷重率調整部210は、例えばマイコン等で構成され、電圧推定方式で算出したSOCを用いる場合、電流の急激な変動によるSOCの精度悪化が収束するまでの収束時間Gtを考慮した調整荷重率A’を算出してΔSOC演算部208に出力する。
電流の急激な変動が生じた場合には前述のように電流積算方式で算出したΔSOCiが用いられる。そして、電流変動が収まると電圧推定方式により算出したΔSOCvkが用いられる。この電流変動が収まったときに、即座に電圧推定方式により算出したΔSOCvkに切り替えることなく、電流の急激な変動によりSOCの精度が悪化した状態が収束するまでの収束時間Gtは電流積算方式で算出したΔSOCiも加味するように制御する。このとき使われる荷重率が調整荷重率A’である。
荷重率調整部210は、バランス演算部207が出力する荷重率を入力して荷重率の変化状況を監視している。荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔が算出される。そして、荷重率調整部210は、第1の荷重率がその所定の時間間隔内に第2の荷重率となるように各周期での減算量を算出する。つまり、第1の荷重率と第2の荷重率との差分値を所定の時間間隔で除算することで各周期での減算量を算出する。そして、第1の荷重率から該減算量を周期ごとに逐次累積減算した値を調整荷重率A’として算出して出力する。
第1の荷重率として判別するための所定の規定値は、電圧推定方式のSOC算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率である。そして、第2の荷重率として判別するための別の所定の規定値は、電圧推定方式のSOC算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率である。また、第1の荷重率に基づいて算出する所定の時間間隔は、第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した電圧推定方式のSOC算出精度の回復に必要な収束時間である。なお、第1の電流増減幅および第2の電流増減幅は、実験等による過去の知見により予め求められているものとする。
図14と図15を参照して荷重率調整部210が実行する処理を説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態の電池残容量演算方法の処理の流れを示すフロー図である。
図14において、ステップS401からステップS405の処理は、図11を参照して説明した第3の実施形態の電池残容量演算方法の処理のステップS301からステップS305と同じなので説明を省略する。
また、図14において、ステップS414とステップS415の処理は、図11を参照して説明した第3の実施形態の電池残容量演算方法の処理のステップS306とステップS307と同じなので説明を省略する。
ここでは、図14のステップS406からステップS413までの荷重率調整部210が実行する処理を説明する。
荷重率調整部210は、バランス演算部207がステップS405で算出して出力した荷重率Aと、1周期前にステップS405で算出されて記憶している荷重率Azとに基づいて、調整荷重率A’の算出の要否を判定する(S406)。
ステップS406では、荷重率Aの直近の1周期での変化が、所定の規定値以上の第1の荷重率であったものが別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化したか否かが判定される。つまり、1周期前にステップS405で算出された荷重率Azが第1の荷重率で、当該周期のステップS405で算出して出力した荷重率Aが第2の荷重率に相当するか否かが判定される。
このことは、電流の急激な変動が生じて電流積算方式で算出したΔSOCiが使われた状態から、電流の変動が安定して、主として電圧推定方式で算出したΔSOCvkが使われるような状態に戻ったことを監視している。例えば、1周期前に算出された荷重率が95%以上であったものが、当該周期の算出では荷重率が5%以下に変化したような場合が想定される。
前述したように、第1の荷重率とは、電圧推定方式のSOC算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された規定値以上の荷重率である。そして、第2の荷重率とは、電圧推定方式のSOC算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された規定値以下の荷重率である。なお、当該周期での荷重率Aの算出に使用した電流増減幅がほとんどないような安定した状態では第2の荷重率は0となり得る。
このように、1周期での荷重率の変化が急激な場合、電流増減幅が安定したことを意味する第2の荷重率が算出されたとしても、この状態で即座に電圧推定方式で算出したΔSOCvkの使用割合を大きくすることはしない。それは、1周期前の電流の急激な変動により電圧推定方式においてSOCの算出精度が悪化した状態がまだ収束しておらず、精度の悪いSOCが多く含まれることが懸念されるからである。
ステップS406の判定で、荷重率Aの変化が、前述した第1の荷重率であったものが第2の荷重率に変化したことを判定すると(S406、Y)、荷重率調整部210は、前述した収束時間Gtを求める処理を開始する。
荷重率調整部210は、1周期前に算出された荷重率Az(第1の荷重率)と温度を入力して(S407)、該荷重率Azと温度との相関関係に基づいて、電圧推定方式における精度の悪化が収まるまでの収束時間Gtを求める(S408)。この収束時間Gtは、電圧推定方式におけるフィードバック制御等によるゲイン収束時間や等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差を収束するために必要な時間である。
図15は、電圧推定方式における電流の急激な変動による精度悪化が収束するまでの収束時間Gtを求めるための、1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)と温度との所定の相関関係を示すグラフである。図15によれば、低温になるほど、また、1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)が大きいほど、収束時間Gtが長くなっている。
なお、1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)に基づいて求めた収束時間Gtは、1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した電圧推定方式のSOC算出精度の回復に必要な収束時間と言い換えることもできる。
荷重率調整部210は、1周期前の荷重率Azと温度との所定の相関関係から収束時間Gtが求まるグラフやマップを格納しており、1周期前の荷重率Azと温度を入力することで、該グラフまたはマップを参照して収束時間Gtを求める。また、該グラフまたはマップの代わりに、該グラフまたはマップに相当する関数計算手段が格納されていてもよい。
収束時間Gtを算出した荷重率調整部210は、この収束時間Gtから電圧推定方式で算出したSOCの精度が回復するまでに必要な周期を算出し、1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)を1周期ごとに減算するための減算量Gwを算出する(S409)。
この処理は、収束時間Gtを1周期の時間間隔dtで除算して、電流の急激な変動が生じた際に算出された1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)を、安定状態で算出された第2の荷重率に下げるまでに必要な周期数Snを求める(下記式参照)。
Sn=Gt/dt
そして、各周期の処理で、電流の急激な変動が生じた際に算出された1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)を第2の荷重率まで減算するための減算量Gwを算出する(下記式参照)。
Gw={1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)−第2の荷重率}/Sn
そして、1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)から減算量Gwを減算した荷重率を調整荷重率A’として出力し、当該処理を1周期前の荷重率Az(第1の荷重率)が第2の荷重率に等しくなるまで繰り返す。そのため、1周期前の電流の急激な変動が生じた際に算出された荷重率Az(第1の荷重率)を、以降の説明においては調整対象荷重率Azと称する。
一方、ステップS406の判定で、荷重率Aの1周期での変化がステップS406の判定条件に合致しなかった場合には、上記のステップS407からステップS409の処理は行われない(S406、N)。
次に、当該周期に算出された荷重率Aに基づいて、当該周期における調整対象荷重率Azから減算量Gwを減算する処理の継続の要否が判定される(S410)。つまり、調整対象荷重率Azが第2の荷重率に等しくなるまで繰り返される調整荷重率A’の算出処理の過程で、当該処理の継続の要否が判定される。
ここでは、当該周期に算出された荷重率Aが電流増減の安定状態を示す値であることと、その時点での調整対象荷重率Azがまだ第2の荷重率に達していないことが判定される。
前者は、電流増減の安定状態が継続しており、当該周期に算出された荷重率Aが前述の第2の電流増減幅に基づいて算出された規定値以下(第2の荷重率)であることが判定される。そして、後者は、調整対象荷重率Azが第2の荷重率に達していないこと、言い換えれば、電圧推定方式で算出したSOC精度の悪化が収まるまでの収束時間Gtに達していないことが判定される。
ステップS410の条件に合致しない場合は(S410、N)、これまで通り、当該周期のステップS405で算出された荷重率Aが荷重率調整部210から出力される。
一方、ステップS410の条件に合致する場合は(S410、Y)、その時点での調整対象荷重率Azから減算量Gwを減算して、その減算された荷重率を調整荷重率A’として出力する必要がある。しかし、その前に当該周期に算出された荷重率Aが、その時点での調整対象荷重率Azを上回っていないかどうかが判定される(S411)。
ステップS405で当該周期に算出された荷重率Aが、その時点での調整対象荷重率Azを上回って増大している場合は(S411、N)、電流積算方式で算出したSOCの使用割合が大きくなった状態を意味する。また、ステップS405で当該周期に算出された荷重率Aが増大していない場合は(S411、Y)、調整対象荷重率Azを減算する処理をそのまま継続する状態であることを意味する。
前者の場合は、当該周期のステップS405で算出された荷重率Aが荷重率調整部210から出力される。このとき、以降の周期の処理では調整対象荷重率Azは使用しないので、調整対象荷重率Azを初期化して0にして記憶する(S413)。
また、後者の場合、その時点での調整対象荷重率Azから減算量Gwを減算した値を当該周期の調整荷重率A’として出力する。そして、この調整荷重率A’を次の周期の処理で使用する調整対象荷重率Azとして記憶する(S413)。
このように、調整対象荷重率Azから減算量Gwを周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率A’を算出し、該調整荷重率A’を荷重率として出力する。ΔSOCkの算出(S414)、SOCkの算出(S415)の後、次の周期で電圧、電流および温度の取得(S401)から図14のステップを繰り返す。こうして、収束時間Gt内の各周期で、荷重率Azを減算量Gwだけ減算して調整荷重率A’を算出し、この調整荷重率A’でΔSOCiの使用割合を重みづけしながら、SOCkの算出を行う。なお、ステップS408とS409は毎周期行う必要はなく、第4の実施形態が想定している、電流の急激な変化が発生した後の、最初の周期にだけ行えばよい。
以上に説明したように、第4の実施形態では、荷重率Aの変化が前述した第1の荷重率であったものが第2の荷重率に変化したような場合には、即座に電圧推定方式で算出したSOCの使用割合を大きくすることがないように制御する。つまり、電流変動が収まったときに、即座に電圧推定方式により算出したSOCの使用割合を大きくすることなく、電流の急激な変動によりSOCの精度が悪化した状態が収束するまでの収束時間Gtは電流積算方式で算出したSOCも加味するように制御する。
そのため、第4の実施形態による電池残容量演算は、電流の急激な変動によりSOCの精度が悪化する電圧推定方式の欠点を補完している。
本実施形態による電池残容量演算の効果について図16を参照して説明する。
図16は、電流積算方式、電圧推定方式、関連技術の方式による電池残容量演算と本発明の第4の実施形態による電池残容量演算とのSOCの真値に対する誤差の相違を示す図である。
図16における諸条件は下記のとおりである。これらは図12において説明した諸条件と同じである。
図16において、横軸は時間経過を示し、縦軸はSOCの真値に対する誤差の割合を示す。なお、SOCの真値とは、オフセットやノイズを含まない理想電流を積算したシミュレーション値である。
図16において、電流積算方式で算出した場合の誤差の変化を符号1の点線、電圧推定方式で算出した場合の誤差の変化を符号2の点線、関連技術の方式で算出した場合の誤差の変化を符号3の一点鎖線で示している。そして、本実施形態の方式で算出した場合の誤差の変化を符号4の実線で示している。
また、評価に使用した電流の変化パターンは、図16の下部の符号5の実線に示すとおりである。
関連技術の方式とは、特許文献1が開示するように、バッテリに対して急激な電流変動が生じた際に、電圧推定方式で算出されるSOCから、電流積算方式で算出したSOCに切り替える方式を想定した。つまり、電流の急激な変化が発生した時刻kまでは電圧推定方式で算出されたSOCを使い、時刻kにおいて電流積算方式で算出されたSOCに切り替える。そして、電流が安定した時刻k+1で再度、電圧推定方式で算出されたSOCに切り替える。
まず、電流積算方式を単独で使用した場合(符号1の点線)は、電流積算時の積算誤差が時間の経過とともに積み重なって大きくなって行く。
また、電圧推定方式を単独で使用した場合(符号2の点線)は、電流の急激な変化が発生した時点で精度が悪化する。
関連技術の方式の場合(符号3の一点鎖線)は、電流の急激な変化が発生した時刻kで電流積算方式により算出したSOCに切り替えるが、その時点までに積み重なった積算誤差をそのまま含んだSOCとなってしまう。
以上の状況は、図12を参照して説明した第3の実施形態と同じである。
一方、本実施形態の方式を使用した場合(符号4の実線)は、電流の急激な変化が発生した時点(時刻k)で電流積算方式により算出したSOCに切り替える。
そのときに算出されるSOCには、直近1周期分(時刻k−1から時刻kまでの1秒間)の電流積算による積算誤差が含まれるだけである。これは、第1の実施形態乃至第3の実施形態に説明したとおりである。そのため、たとえ電流積算方式に切り替えたとしても、その誤差は小さく抑えられる。
また、電流が安定した時点(時刻k+1)では、電圧推定方式で算出されたSOCに再度切り替えるべきであるが、電圧推定方式では電流の急激な変化が発生した時点である時刻1や時刻2において悪化したSOC精度が収束するまでには時間がかかる。
そのため、時刻k+1からSOC精度の悪化が収束するまでの時間は、電流積算方式により算出したSOCと電圧推定方式により算出したSOCとの割合を最適化して使用している。特に、時刻k+1では電流積算方式によるSOCの割合が大きく、電流変化の安定状態が続く限り、収束時間内で時間経過とともに電圧推定方式によるSOCの割合を大きくするようにしている。
したがって、本実施形態の方式による電池残容量演算は、図12を参照して説明した第3の実施形態による電池残容量演算よりもさらにSOCの算出精度が向上している。
このように、本実施形態では、電流の急激な変動が収まった場合に、即座に電圧推定方式により算出したSOCに切り替えることなく、電流の急激な変動によりSOCの精度が悪化した状態が収束するまでの収束時間を考慮した制御を行う。この場合、1周期前の電流の急激な変動が生じた際に算出された荷重率を調整対象荷重率と定義して、該調整対象荷重率が収束時間内に安定状態を示す荷重率となるように各周期における減算量を算出する。そして、該調整対象荷重率から減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を荷重率として出力する。
このように、本実施形態では、電圧推定方式によるSOC精度の悪化が収束するまでは、電流積算方式により算出したSOCと電圧推定方式により算出したSOCとの割合を最適化して使用している。
以上に説明したように、本実施形態では、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる。
なお、第3の実施形態および第4の実施形態の電池残容量演算装置のハードウェア構成は、図3を参照して説明したブロック図と同様の構成を備える。
第3の実施形態および第4の実施形態の電池残容量演算装置は、その動作を、電池残容量演算装置の内部に各機能を実現するプログラムを組み込んだLSI等のハードウェア部品からなる回路部品を実装して実現してもよい。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体の形態で、流通され得る。
また、第3の実施形態および第4の実施形態の電池残容量演算装置は、各構成要素の各機能を提供するプログラムを、コンピュータ処理装置上のCPUで実行することにより、ソフトウェア的に実現してもよい。そして、各実施形態のプログラムは、コンピュータを、上述した各実施形態における各機能部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算装置であって、
蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、第2時刻における前記蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算手段と、を備えることを特徴とする電池残容量演算装置。
(付記2) 前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出手段をさらに備え、前記第3の演算手段は、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする付記1に記載の電池残容量演算装置。
(付記3) 前記荷重率算出手段は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかを備えることを特徴とする付記2に記載の電池残容量演算装置。
(付記4) 前記荷重率算出手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する荷重率調整手段をさらに備えることを特徴とする付記2または付記3に記載の電池残容量演算装置。
(付記5) 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする付記4に記載の電池残容量演算装置。
(付記6) 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、前記荷重率調整手段は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかを備えることを特徴とする付記5に記載の電池残容量演算装置。
(付記7) 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算方法であって、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の差分残容量算出ステップと、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の差分残容量算出ステップと、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する蓄電池残容量算出ステップと、を有することを特徴とする電池残容量演算方法。
(付記8) 前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出ステップをさらに備え、前記蓄電池残容量算出ステップは、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする付記7に記載の電池残容量演算方法。
(付記9) 前記荷重率は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかにより算出することを特徴とする付記8に記載の電池残容量演算方法。
(付記10) 前記荷重率算出手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する調整荷重率算出ステップをさらに有することを特徴とする付記8または付記9に記載の電池残容量演算方法。
(付記11) 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする付記10に記載の電池残容量演算方法。
(付記12) 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、該収束時間は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかにより算出することを特徴とする付記11に記載の電池残容量演算方法。
(付記13) 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
コンピュータを、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算機能手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算機能手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算機能手段として機能させるための電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記14) コンピュータを、前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出機能手段としてさらに機能させ、前記第3の演算機能手段は、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする付記13に記載の電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記15) 前記荷重率算出機能手段は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算機能手段のいずれかを備えることを特徴とする付記14に記載の電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記16) コンピュータを、前記荷重率算出機能手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する荷重率調整機能手段をさらに備えることを特徴とする付記14または付記15に記載の電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記17) 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする付記16に記載の電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記18) 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、前記荷重率調整機能手段は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算機能手段のいずれかを備えることを特徴とする付記17に記載の電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2014年9月11日に出願された日本出願特願2014−185039号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1、2、10、20 電池残容量演算装置
3 蓄電池
4 蓄電部
11 第1の演算手段
12 第2の演算手段
13、15 第3の演算手段
14 荷重率算出手段
21 CPU
22 主記憶部
23 補助記憶部
24 外部インタフェース部
25 表示部
26 入力部
27 システムバス
31 第1の演算機能手段
32 第2の演算機能手段
33、35 第3の演算機能手段
34 荷重率算出機能手段
101、201 電圧取得部
102、202 電流取得部
103、203 温度取得部
104、204 SOCv演算部
105、205 ΔSOCv演算部
106、206 ΔSOCi演算部
107、207 バランス演算部
108、208 ΔSOC演算部
109、209 SOC演算部
210 荷重率調整部
本発明は、電池残容量演算装置、方法およびプログラムに関し、特に、蓄電池の残容量を測定する電池残容量演算装置、方法およびプログラムに関する。
本発明の目的は、電圧に基づいて蓄電池の残存容量を算出する方式と電流積算により蓄電池の残容量を算出する方式とを組み合わせたとしても、残容量を精度良く測定することができる電池残容量演算装置、方法およびプログラムを提供することにある。
また、本発明の別の形態である電池残容量演算プログラムは、蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算プログラムであって、
コンピュータを、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算機能手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算機能手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算機能手段として機能させるための電池残容量演算プログラムであることを特徴とする。
なお、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算装置であって、
蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、第2時刻における前記蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算手段と、を備えることを特徴とする電池残容量演算装置。
(付記2) 前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出手段をさらに備え、前記第3の演算手段は、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする付記1に記載の電池残容量演算装置。
(付記3) 前記荷重率算出手段は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかを備えることを特徴とする付記2に記載の電池残容量演算装置。
(付記4) 前記荷重率算出手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する荷重率調整手段をさらに備えることを特徴とする付記2または付記3に記載の電池残容量演算装置。
(付記5) 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする付記4に記載の電池残容量演算装置。
(付記6) 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、前記荷重率調整手段は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかを備えることを特徴とする付記5に記載の電池残容量演算装置。
(付記7) 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算方法であって、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の差分残容量算出ステップと、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の差分残容量算出ステップと、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する蓄電池残容量算出ステップと、を有することを特徴とする電池残容量演算方法。
(付記8) 前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出ステップをさらに備え、前記蓄電池残容量算出ステップは、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする付記7に記載の電池残容量演算方法。
(付記9) 前記荷重率は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかにより算出することを特徴とする付記8に記載の電池残容量演算方法。
(付記10) 前記荷重率算出手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する調整荷重率算出ステップをさらに有することを特徴とする付記8または付記9に記載の電池残容量演算方法。
(付記11) 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする付記10に記載の電池残容量演算方法。
(付記12) 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、該収束時間は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかにより算出することを特徴とする付記11に記載の電池残容量演算方法。
(付記13) 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算プログラムであって、
コンピュータを、
前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算機能手段と、
前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算機能手段と、
前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算機能手段として機能させるための電池残容量演算プログラム
(付記14) コンピュータを、前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出機能手段としてさらに機能させ、前記第3の演算機能手段は、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする付記13に記載の電池残容量演算プログラム
(付記15) 前記荷重率算出機能手段は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算機能手段のいずれかを備えることを特徴とする付記14に記載の電池残容量演算プログラム
(付記16) コンピュータを、前記荷重率算出機能手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する荷重率調整機能手段をさらに備えることを特徴とする付記14または付記15に記載の電池残容量演算プログラム
(付記17) 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする付記16に記載の電池残容量演算プログラム
(付記18) 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、前記荷重率調整機能手段は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算機能手段のいずれかを備えることを特徴とする付記17に記載の電池残容量演算プログラム

Claims (10)

  1. 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算装置であって、
    蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、第2時刻における前記蓄電池からの電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算手段と、
    前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算手段と、
    前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算手段と、を備えることを特徴とする電池残容量演算装置。
  2. 前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出手段をさらに備え、
    前記第3の演算手段は、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする請求項1に記載の電池残容量演算装置。
  3. 前記荷重率算出手段は、前記電流増減幅と温度との所定の相関関係から前記荷重率が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかを備えることを特徴とする請求項2に記載の電池残容量演算装置。
  4. 前記荷重率算出手段が出力する前記荷重率を入力し、該荷重率が所定の規定値以上の第1の荷重率から、別の所定の規定値以下の第2の荷重率に変化した場合には、前記第1の荷重率に基づいて所定の時間間隔を算出し、前記第1の荷重率と前記第2の荷重率との差分値を前記所定の時間間隔で除算した各周期での減算量を算出し、前記第1の荷重率から前記減算量を周期ごとに逐次累積減算した調整荷重率を算出し、該調整荷重率を前記荷重率として出力する荷重率調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電池残容量演算装置。
  5. 前記所定の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出精度が悪化すると見なされる第1の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記別の規定値は前記電圧推定方式の残容量算出が適正に実行されると見なされる第2の電流増減幅に基づいて算出された荷重率であって、前記所定の時間間隔は前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因して悪化した前記電圧推定方式の残容量算出精度の回復に必要な収束時間であることを特徴とする請求項4に記載の電池残容量演算装置。
  6. 前記収束時間は、前記第1の荷重率の算出に用いた電流増減幅に起因する前記電圧推定方式におけるゲイン収束時間および等価回路のパラメータの誤差から生じる過渡応答時の誤差の収束時間であって、前記荷重率調整手段は、前記第1の荷重率と温度との所定の相関関係から前記収束時間が求まるグラフ、マップ、および該グラフまたはマップに相当する関数計算手段のいずれかを備えることを特徴とする請求項5に記載の電池残容量演算装置。
  7. 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算方法であって、
    前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出し、
    前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出し、
    前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する、ことを特徴とする電池残容量演算方法。
  8. 前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出し、
    前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する、ことを特徴とする請求項7に記載の電池残容量演算方法。
  9. 蓄電池から所定の時間周期で電圧及び電流を取得する電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    コンピュータを、
    前記蓄電池の第1時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第1時刻の前記蓄電池の残容量を示す第1の残容量と、前記蓄電池の第2時刻における電圧と電流とから電圧推定方式で算出した前記第2時刻の前記蓄電池の残容量と、の差分値を第1の差分残容量として算出する第1の演算機能手段と、
    前記第1時刻と前記第2時刻との間の期間の電流の積算量に基づいて、電流積算方式で前記第1時刻の前記蓄電池の残容量と前記第2時刻の前記蓄電池の残容量との差分値を示す第2の差分残容量を算出する第2の演算機能手段と、
    前記第1時刻の電流と前記第2時刻の電流から電流の増減を表す電流増減幅を算出し、該電流増減幅に基づいて前記第1の差分残容量または前記第2の差分残容量を切替えて差分残容量とし、前記第1の残容量と切替えた前記差分残容量との和を前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力する第3の演算機能手段として機能させるための電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. コンピュータを、
    前記時間周期で前記蓄電池から取得した電流と温度とから前記電流増減幅を算出し、該電流増減幅と前記温度との所定の相関関係に基づいて、前記第2の差分残容量の使用割合を示す荷重率を算出する荷重率算出機能手段としてさらに機能させ、
    前記第3の演算機能手段は、前記第1の差分残容量と前記第2の差分残容量とを前記荷重率により重みづけ配分して当該周期分の差分残容量として第3の差分残容量を算出し、前記第1の残容量に前記第3の差分残容量を加算して前記第2時刻の前記蓄電池の残容量として出力することを特徴とする請求項9に記載の電池残容量演算プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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