JPWO2016009548A1 - 光学分析装置 - Google Patents

光学分析装置

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Abstract

CARS顕微鏡の測定データから定量値を取得する従来の方法は、高速かつ正確にデータを取得することが困難であった。そこで、非共鳴成分が混在したCARSスペクトルから定量情報を取得するため、スペクトルの極大、極小に相当する電場の絶対値の差を定量値とする光学分析装置とする。

Description

本発明は、光学分析装置の高性能化に関する。
光学顕微鏡は言うまでも無く自然科学、工学、産業分野において無くてはならない観察ツールである。特に近年は、照明光源としてレーザを用いたより高機能な顕微鏡が先端技術開発において必須となりつつある。その代表例として、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡(特許文献1、2、非特許文献1)があり、CARS顕微鏡は、励起光とストークス光の2種類のレーザ光を試料に照射し、これらの光の差周波が試料分子の固有振動に共鳴した結果生じるアンチストークス光(以下CARS光と呼ぶ)を観測する顕微鏡である。CARS光のスペクトルにより試料中の物質を定量的に分析観測することができ、非侵襲な定量分析手段として注目されている。
ここでCARS顕微鏡の動作原理について説明する。CARSは3次の分極による発光であり、CARSを発生させるためには、励起光、ストークス光、プローブ光が必要とされる。多くの場合、光源の数を少なくするために、プローブ光は励起光で代用される。この場合、誘起される3次の分極はP(ω)=(χr (3)(ω)+χnr (3))EP 2P)E* SS) で表される。ここに、χr (3)(ω)は3次の電気感受率の分子振動の共鳴項であり、χnr (3)は非共鳴項である。また、励起光及びプローブ光の電場をEPで表し、ストークス光の電場はESで表されている。非共鳴項は周波数依存性がない。式(1)のESの肩についたアスタリスクは複素共役を示す。CARS光の強度はP(ω)の絶対値の自乗となる。図22に示した分子のエネルギー準位図を用いて、CARS光が発生する機構を説明する。図22は共鳴項のプロセスを示している。1401は分子の振動基底状態を表し、1402は振動励起状態を表す。周波数ωPの励起光と周波数ωSのストークス光を同時に照射する。このとき分子は仮想準位1403を介して、1402のある振動励起準位に励起される。この励起状態にある分子に周波数ωPのプローブ光を照射すると、仮想準位1404を介して周波数ωASのCARS光を発生しながら、分子は振動基底状態に戻る。このときのCARS光の周波数はω=2ωP−ωSと表される。
この共鳴CARS光は、図22から明らかなように、励起光とストークス光の周波数の差ωP−ωSが観測試料のある振動励起状態に一致する場合にのみ発生する。但し、ここではプランク単位系を採用しており、プランク定数は1としている。従って、ストークス光として広帯域な光源を用いた場合、発生するCARS光も広帯域な光となるが、振動励起状態に対応する波長において鋭いピークを持つスペクトルを有する。このスペクトルは試料中の分子の振動励起状態の分布を反映しており、分子種の同定に用いることができる。
図23は、式(1)の非共鳴項に関係する一つのプロセスを示す図である。ストークス光の周波数が振動励起状態ではなく、仮想準位1405を介したプロセスとなる。周波数ωPの励起光と周波数ω’Pのプローブ光の同時照射により電子等の関与する仮想準位1405が励起され、さらに周波数ω’Sのストークス光により、仮想準位1406を介して周波数ωの非共鳴のCARS光が発生する。この非共鳴のCARS光は振動励起状態と無関係に発生するため、広帯域なストークス光を使用した場合は、強度の波長依存性を持たない広帯域な非共鳴CARS光が発生する。これらの共鳴CARS光と非共鳴CARS光とは互いにコヒーレントであり、干渉することになる。このため取得された生データから共鳴成分のみに含まれる定量情報を取得する手段が必要であり、多くの方法が提案されている。非特許文献2では最大エントロピー法を用いてラマンスペクトルを抽出し、各ピーク値の大きさを定量情報として用いる。非特許文献3では想定される共鳴成分を用いたデータのフィッティングにより各共鳴成分の大きさを特定する。非特許文献4、5では特定の共鳴周波数に対応するデータの極大値、極小値に対し、それぞれ差、比を共鳴成分の定量値としている。非特許文献6では想定される共鳴周波数と、その周波数に正負に等しく離れた周波数の計3点のデータ値からの演算により定量値を算出する。
なお、励起光、ストークス光、CARS光の周波数の関係は図24のように図示される。所定の周波数を持った励起光と、それより小さな周波数領域にあるストークス光が試料に入射され、励起光よりも大きな周波数領域にCARS光が発生する。
CARS顕微鏡は、上記のようにして求められたラマンスペクトルを、励起光、ストークス光を集光する位置を変化させて複数測定を行い、結果的に分子種ごとの空間分布の画像を取得する。
US6108081 特許第5100461号
J. P. R. Day, K. F. Domke, G. Rago, H. Kano, H. Hamaguchi, E. M. Vartiainen, and M. Bonn, "Quantitative Coherent Anti-Stokes Scattering (CARS) Microscopy", J. Phys. Chem. B, Vol. 115, 7713-7725 (2011) M. Okuno et al., "Quantitative CARS molecular fingerprinting of single living cells with the use of the maximum entropy method", Angewandte Chemie International Edition 49, 6773-6777(2010) H.A. Rinia, M. Bonn, and M. Mu1ller, "Quantitative Multiplex CARS Spectroscopy in Congested Spectral Regions", J. Phys. Chem. B 110, 4472-4479 (2006) L. Li, H. Wang, and J-X Cheng, "Quantitative Coherent Anti-Stokes Raman Scattering Imaging of Lipid Distribution in Coexisting Domains" Biophysical Journal 89, 3480-3490 (2005) M. Zimmerley, C.-Y Lin, D. C. Oertel, J. M. Marsh, J. L. Ward, E. O. Potma, "Quantitative detection of chemical compounds in human hair with coherent anti-Stokes Raman scattering microscopy", J. Biomed. Opt. 14(4), 044019 (2009) C. Fang, F. Lu, W. Zheng, and Z. Huang, "Triple-frequency symmetric subtraction scheme for nonresonant background suppression in coherent anti-Stokes Raman scattering (CARS) microscopy", Optics Express, 18, 15714-15724 (2010) E.O. Potma, D.J. Jones, J.-X. Cheng, X. S. Xie, and J. Ye, "High-sensitivity coherent anti-Stokes Raman scattering microscopy with two tightly synchronized picosecond lasers", Optics Letters, Vol. 27, Issue 13, pp. 1168-1170 (2002) F. Ganikhanov, C.L. Evans, B.G. Saar, and X.S. Xie, "High-sensitivity vibrational imaging with frequency modulation coherent anti-Stokes Raman scattering (FM CARS) microscopy", Optics Letters, Vol. 31, Issue 12, pp. 1872-1874 (2006) C. L. Evans, E.O. Potma, and X.S. Xie, "Coherent anti-Stokes Raman scattering spectral interferometry: determination of the real and imaginary components of nonlinear susceptibility χ(3) for vibrational microscopy", Optics Letters, Vol. 29, Issue 24, pp. 2923-2925 (2004)
上に述べたCARS顕微鏡における定量情報の取得について、非特許文献2,3はデータ処理が複雑のため、特に多数のスペクトルを処理する場合に長時間を要するため、大量のデータを高速に処理するのに適さないという問題ある。これに対して非特許文献4,5,6はデータ処理が簡便のため、高速なデータ処理に適している。しかしながら、非特許文献4の定量値は共鳴成分が非共鳴成分に比べて十分に小さいという条件を前提としており、本条件が満たされない場合(例えば測定対象物質の濃度が高い場合)に定量値に誤差が生じ、適用可能な試料が限定されるという課題がある。また、非特許文献6で指摘されているように、取得される定量値は非共鳴成分の大きさにも依存するため、非共鳴成分の大きさにばらつきのある試料を評価する際に深刻なエラーを生じる。非特許文献5では予め測定対象物質の濃度と定量値の関係(校正データ)を測定しておくことで共鳴成分、非共鳴成分の大小によらず正確な定量値を取得するが、校正データの測定が事前に必要なことから分析過程が複雑化し、正味の分析時間が長時間になる問題がある。非特許文献6は測定対象の共鳴周波数を予め正確に知っている必要があるが、共鳴周波数は測定対象物質の濃度や周囲の環境により変化することが知られており(例えば非特許文献1を参照)、正確な定量値はごく限られた条件でのみしか得られないという課題がある。
以上のように、CARS顕微鏡の測定データから定量値を取得する従来の方法は、高速かつ正確にデータを取得することが困難である。この問題は、CARSによりイメージを取得するCARS顕微鏡だけでなく、1点または複数点のCARS光のスペクトル(以下、CARSスペクトルと呼ぶ)を取得する分析にも当てはまる。
上記の課題に鑑み、本発明の目的は、高速かつ正確に試料の分析を可能とする光学分析装置を提供することにある。
本発明の基礎となるのは、測定データより以下のような定量値を算出することである。すなわち、測定対象となる特定の共鳴成分に対し、共鳴周波数の前後におけるスペクトルの極大値と極小値の平方根を演算し、これらの差分を定量値とする。これにより、他の共鳴信号がスペクトル上で重なっていないような孤立共鳴成分に対し、高速かつ正確(共鳴成分と非共鳴成分の大小に関係なく)に定量を行うことができる。具体的には以下の手段を用いた。
(1)短パルスレーザやフォトニック結晶ファイバ、光パラメトリック発振器などの少なくとも2つの光源と、少なくとも2つの光源から生成される光束を試料の同一箇所に照射する対物レンズなどの照射光学系と、試料から生成されるコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を検出する分光器、CCDカメラや光電子増倍管などの検出器と、検出器の出力を取り込み、信号処理を行うコンピュータ等の信号処理部とを備え、信号処理部は、検出器における、コヒーレントアンチストークスラマン散乱が極大になる波長と極小になる波長におけるコヒーレントアンチストークスラマン散乱の電場の絶対値の差に比例する値を演算し、出力することとした。
これにより、従来より高速かつ精度の高い定量測定が可能となる。
(2)(1)において、検出器は前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光のスペクトルを取得するものであって、電場の絶対値の差は、前記スペクトルの極大値と極小値それぞれの平方根の差であることとした。
これにより、物質の濃度や周囲の環境などにより共鳴周波数が変化するような試料に対しても精度よく定量測定を行うことができる。
(3)(1)において、検出器はコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を少なくとも2つの波長で検出するものであって、電場の絶対値の差は、ユーザが指定する2種類の所定の波長における前記検出器の出力の平方根の差であることとした。
これにより、より簡素に定量値を出力することが可能であり、高速な定量分析が可能となる。
(4)(1)において、光源のうち少なくとも1つの波長を2種類の設定波長の間で交互に変調することとした。
これにより、より高速な定量分析が可能となる。
(5)(4)において、検出器の出力の変調成分を出力するロックインアンプを備えることとした。
これにより、より高いS/N比での測定が可能となり、データの質の向上や測定の高速化に寄与する。
(6)(1)において、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を別の光束と干渉させる干渉光学系と、干渉光学系から生成される少なくとも2つの干渉光を検出する少なくとも1つの検出器を備えることとした。
これにより、より高いS/N比での測定が可能となり、データの質の向上や測定の高速化に寄与する。
(7)光源と、試料として複数の細胞を保持する試料保持部と、試料保持部に保持された細胞を観察する観察部と、光源からの光束を試料保持部に保持された細胞に集光して照射する照射光学系と、光照射によって細胞から発生された光を分光する分光部と、分光部により分光された光を検出する検出部と、照射光学系による細胞への光照射位置を制御する照射制御部と、試料保持部に保持された細胞を破壊する細胞破壊手段と、破壊によって細胞から放出される細胞中の生体分子を捕捉する生体分子捕捉デバイスと、を備え、信号処理部は、検出器における、コヒーレントアンチストークスラマン散乱が極大になる波長と極小になる波長における前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱の電場の絶対値の差に比例する値を演算し、出力することとした。
これにより、生体試料の高速かつ高精度な解析が可能となる。
(8)(7)において細胞破壊手段はレーザ光照射によって細胞を破壊することした。
これにより、装置を小型化することができる。
本発明によると、従来よりも高速かつ正確な光学分析装置の提供が可能となる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
光学分析装置の構成例を示す模式図。 CCDカメラの受光部の模式図。 データ取得動作のシーケンス図。 典型的なCARSスペクトルを表す図 本発明の定量値算出の原理を表す図 測定された脂肪細胞のCARSスペクトルと、復元されたラマンスペクトル 本発明と従来の方法における定量値を比較する図。 スキャンミラーを用いる場合の構成図 CARS光の後方散乱を検出する光学分析装置の構成図。 ストークス光の波長を2種類に切り替えてデータを取得する実施形態の構成例を示す模式図 2種類の波長の設定値を高速に切り替える実施形態の構成例を示す模式図 ヘテロダイン検出を適用する実施形態の構成例を示す模式図 ヘテロダイン検出を適用する実施形態におけるCCDカメラ上の光の照射状態を表す図 ヘテロダイン検出を適用する実施形態における、定量値算出の原理を表す図 ヘテロダイン検出を適用する実施形態の別の構成例を示す模式図 光学分析装置の構成例を示す模式図。 光学分析装置の構成例を示す模式図。 細孔アレイシートの上面図。 生体分子解析装置の動作を説明するフローチャート。 遺伝子発現データ解析の手順を示すフローチャート。 主因子分析の結果を示す図。 共鳴CARS過程を表すエネルギーダイアグラム。 非共鳴CARS過程を表すエネルギーダイアグラム。 励起光、ストークス光、CARS光の周波数の関係を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の光学分析装置の基本的な構成例を示す模式図である。以下、図1に従って本実施例の動作を説明する。
コンピュータ11からの指示によりドライバ10を通して発光制御される光源すなわち短パルスレーザ光源101(中心波長1064nm、パルス幅900ps、繰り返し周波数30kHz、平均出力200mW)から出射したレーザ光は、ビームスプリッタ102により、励起光である透過光と反射光とに2分割される。反射光は集光レンズ103によりフォトニック結晶ファイバ104に結合され、ファイバ内部で広帯域なスーパーコンティニューム光が生成される。生成されたスーパーコンティニューム光はコリメートレンズ105により平行光とされた後、ロングパスフィルタ106に入射して短パルスレーザ光源の波長とそれより短い波長の成分が遮断される。ロングパスフィルタ106を通過した励起光よりも波長の長い成分であるストークス光は上記励起光とダイクロイックミラー108により合波される。ここでダイクロイックミラー108は励起光の波長とそれより短い波長域の光を反射し、励起光よりも長い波長域の光を透過する性質を有する。従って励起光は反射し、ストークス光は透過して結果的に合波される。
この合波光束は光源からの光束を試料に集光して照射する照射光学系を構成する対物レンズ109(NA0.9、倍率40倍)により試料110の一点に集光され、試料の集光箇所に存在する分子の共鳴振動を反映したCARS光が生成される。CARS光はコンデンサレンズ111(NA0.65)により平行光とされ、ショートパスフィルタ112を通過して同軸成分である励起光とストークス光が遮断された後、分光器113に入射し、分光部114により分光され、検出部115により波長ごとに別々に検出されて、スペクトルが検出信号として出力される。
ここで、分光器113の検出動作について説明する。分光器113は、入射した光を回折格子で波長ごとに異なる方向に回折させる分光部114と、分光部114により回折した光を1次元もしくは2次元の検出器アレイ(CCDカメラ、CMOSカメラ等)で検出する検出部115からなる。本実施例では検出部115としてCCDカメラを用いており、その受光部201は図2に示されるように画素202が2次元的に配列したものになっている。分光部114で分光された光は横長のビーム203として受光部に入射し、横方向の位置により波長が異なる。ここで検出部115のCCDカメラは外部からの制御により所定時間の間露光状態、すなわち各画素が入射した光に露光され入射光を電荷に変換して電荷を蓄積する状態となる。そして露光終了後、縦に並んだ画素列に蓄積された総電荷量がバッファ204に転送され(full vertical binning)、バッファ204の電荷が外部にシリアル信号として出力される。このため出力信号は入射光の波長ごとの強度に比例した信号、すなわち入射光のスペクトル信号となっている。
ここで本実施例では、試料110を保持しているXYZステージ12を駆動して、試料への励起光及びストークス光の集光位置が試料を3次元的もしくは2次元的に走査し、集光位置が変わる度にスペクトル信号を取得する。従って、最終的に試料の各位置からのスペクトルデータが得られる。
本実施例のデータ取得のシーケンスは図3のようになっており、露光、データ転送、位置移動の動作をデータ点数分だけ繰り返す。なお、データ転送と位置移動の順番は逆であっても構わないし、同時に行ってもよい。
データ取得終了後、測定された各スペクトルにおいて、測定対象の物質に対応する共鳴周波数の周囲の極大値Imax、極小値Iminを読み取り、これらの平方根の差、すなわち
Figure 2016009548
を測定対象物質の定量値(濃度もしくは分子数)として取得する。これを試料の各点に対応するスペクトルに対して算出する。この算出結果により、ユーザが測定対象物質の濃度分布や、試料全体に含まれる総分子量を取得し、各種の分析に用いる。
なお、本実施例ではImax, Iminとして各取得スペクトルの極大値、極小値を用いたが、設定の仕方はこの限りではない、例えば取得したスペクトルのうち代表的な1つを選び、これの極大値、極小値を生じる横軸の値(それぞれλ1、λ2とする。単位は波長もしくは波数)を用いて、全てのスペクトルにおいてλ1、λ2での値をそれぞれImax, Iminとしてもよい。極大値、極小値を生じる横軸の値が試料の全点にわたりほぼ一定であれば、これは実質的に極大値、極小値を読み取ることに等しく、このような設定方法が妥当となる。あるいは、対象物質の共鳴周波数と緩和定数(後述)、非共鳴成分の大きさが既知であれば、極大値、極小値を生じる横軸の値が予め理論計算により計算できるため、これらをλ1’、λ2’として、λ1’、λ2’におけるスペクトル値をImax, Iminとしてもよい。あるいは、事前の測定により取得したスペクトルからλ1’,λ2’を決定し、λ1’,λ2’でのスペクトル値をImax, Iminとしてもよい。
ここで数1により定量値が取得される原理とその特長について述べる。まず、測定対象物質の共鳴周波数が観測スペクトル範囲内でただ1つだとすると、CARSにより試料から発生する光の電場は
Figure 2016009548
と表される。ここでANRは非共鳴成分の電場、ARは共鳴成分の大きさを表す係数、ω分光器で観測される周波数、ω0は共鳴周波数、Γは緩和定数(共鳴成分に固有の値)である。ARは被測定物質の濃度や分子数に比例するため、これが定量すべき値である。ωは励起光の周波数ωp、ストークス光の周波数ωsとω=2ωp-ωsの関係があり、アンチストークス周波数と呼ばれる。上記いずれの変数も正の実数である。観測されるスペクトル(CARSスペクトル)は、この光の電場の強度、すなわち絶対値の自乗であり、
Figure 2016009548
と表される。典型的なCARSスペクトルを図4に示す。このように、CARSスペクトルは共鳴周波数ω0よりも低い周波数で極小値、高い周波数で極大値を取る。ここで、CARSの電場E(ω)のωを変化させたときの軌跡を複素平面上に図示すると図5のようになる。すなわち、実軸とANRで接する半径AR/Γの円であり、ωの増大によりANRを起点として時計回りに一周し、ω→+∞で再びANRに戻る。ここで、Γは非測定物質の量によらない定数なので、この円の直径AR/Γが物質の量に比例した定量値となる。ここで、スペクトルの極大、極小と円の直径の関係は以下のようになっている。観測されるスペクトルの値は数3により、図5の軌跡のある1点の絶対値の自乗、すなわち原点からの距離の自乗である。従って、スペクトルの極大値と極小値は、円の軌跡の中で原点から最も近い点と最も遠い点、すなわち図5のように原点から円の中心に向かって引いた直線と円の2つの交点に対応する。ここで幾何学的に明らかなように、円の直径はこれら2つの交点間の距離となるので、結局数1で表される。このように、定量値AR/Γが数1で表されることが示された。なお、試料が複数の共鳴周波数をもつ場合であっても、それぞれの共鳴周波数が十分離れていれば、個別の共鳴周波数に対して同様の定量を行うことが可能である。
数1とARが比例関係になっているということは、単に数1が定量値であるということ以上の意味を持つ。なぜなら、真に定量したい量(ここでは物質の濃度もしくは分子数)と定量値が比例関係であることにより、複数の空間点から取得された定量値の和を取ることで、試料全体の定量値となるからである。仮に数1がARに比例しない場合、測定点ごとの数1の値の和は全体の定量値とならず、全体の定量値を得るためには追加の演算もしくは校正が必要になる。(このことは、例えば仮に数1がARの自乗に比例する場合などを考えれば明白である。)従って本発明の定量方法は、所定の領域内の物質量を定量する際に特に有効である。
数1で表される定量値は以下のような特長がある。(1)非共鳴成分の大きさANRによらない(2)共鳴周波数が変化しても値が変化しない、(3)共鳴成分、非共鳴成分の大小関係によらず定量値として扱える、(4)共鳴周波数が未知であっても適用可能、(5)複雑な信号処理が不要。従来の定量方法でこれらの特長を同時に満たすものはなく、孤立した共鳴信号に対しては本定量値は従来に比べ高速、かつ正確な定量を可能とする。
上記の説明では共鳴信号が孤立していることを前提としていたが、厳密にはこれは必ずしも必要でなく、例えば類似した複数の共鳴周波数に対応する複数の物質の量の合計を求めるのにも有効である。このことを確かめるため、脂肪細胞に対してCARSスペクトル測定を行った。脂肪細胞は2900cm-1付近に脂肪分子のCH2,CH3骨格に由来する複数の共鳴周波数を有しており、これらが混在したスペクトルが観測される。脂肪分子の種類は複数存在し、観測場所により組成比が異なることが推定される(後述するラマンスペクトルの形状が場所により異なることから推定される。)取得されたCARSスペクトルの1例を図6に示す。本実施例では2900cm-1付近の極大値と極小値を読み取り、数1に基づき定量値を算出した。また比較のため、従来の定量値である極大値と極小値の差(非特許文献4)、比(非特許文献5)も併せて算出した。さらに定量性の指標として、最大エントロピー法と特異値分解を用いてラマンスペクトルを復元し、2900cm-1付近のピーク面積を参照値とした(この定量値の算出には数10分程度の時間を要する)。上記3種類の定量値と参照値との相関をプロットしたものを図7に示す。従来の定量値は参照値に対して比例関係が成立していないのに対し、本発明の定量値は明らかに線形な相関が認められる。従って複数の非測定分子が混在し、共鳴周波数が孤立していないような状況でも、それらの総量に対する定量値として数1を用いることができる。
本実施例では照射光学系による試料への光照射位置を制御する照射制御部としてXYZステージ12を用い、測定点の走査のために試料位置を走査したが、照射制御部による光照射位置の制御方法はこの限りではない。例えば、照射制御部として励起光・ストークス光の試料への入射角度を外部制御により走査するガルバノミラー、MEMSミラーなどのスキャンミラーを用いてもよいし、対物レンズ109の位置を走査しても構わない。あるいは上に述べた方法の組み合わせであっても構わない。特にガルバノミラーを用いて1軸をスキャンする場合の例について図8を用いて説明する。この場合、ダイクロイックミラー108と対物レンズ109の間にガルバノミラー1601を挿入し、励起光・ストークス光が反射してから対物レンズ109に入射する構成とする。ここで、ガルバノミラーはコンピュータ13からの外部制御により設置角度が制御され、これにより励起光・ストークス光の光束の角度を制御することができる。ガルバノミラーにより角度が変化した励起光・ストークス光は試料中で角度変化前と異なる位置に集光され、CCDカメラの受光面においても発生したCARS光が異なる位置に入射される。ここでガルバノミラーの角度走査方向を、CCDカメラの受光面においてCARS光の位置が図204の垂直方向(分光される方向と垂直な方向)に変化するように設定する。この場合、CARS光のビーム203が垂直方向に移動するが、上述のようにデータ取得時には垂直方向に積算されたデータが出力されるため、ビームの位置が変化しても出力信号には影響がない。他の軸はXYZステージ12を用いて走査する。この動作はMEMSミラーなどの他のスキャンミラーを用いても同様である。これらのスキャンミラーは通常、XYZステージなどに比べると高速に動作するため、これらを適用することにより、より高速な測定が可能である。
また、本実施例で分光器は励起光・ストークス光の試料への入射側と反対側に配置されているが、同じ側に配置し、試料からの後方散乱光を対物レンズ109で平行光として分光器で検出してもよい。この場合、図9の模式図に示すように、励起光・ストークス光とCARS光が同軸となるため、ビームスプリッタ301などを用いてCARS光を励起光・ストークス光と分離する必要がある。
本実施例では検出器としてCCDカメラを想定したが、検出器はこの限りではなく、COMSカメラや1次元の検出器アレイであるラインセンサを用いた場合も同様の効果を得ることができる。
本実施例は試料の位置ごとに異なるスペクトルを出力してイメージングが可能なものとなっているが、試料の1点あるいは複数点のスペクトルを分析する分析手段にも同一の方法が適用できることは言うまでもない。
本実施例では励起光源として短パルスレーザ、ストークス光源としてフォトニック結晶ファイバを用いたが、光源の構成に関してはこの限りではない。例えばフォトニック結晶の代わりにパルス幅10fs程度のモード同期レーザを用いてもよいし、励起光とプローブ光を別々の短パルスレーザ光源から用いてもよい。
本実施例は、ストークス光の波長を2種類に切り替えてデータを取得する実施形態である。本実施例の構成図を図10に示す。実施例1との違いは、ストークス光の発生源として光パラメトリック発振器1001を用いる点と、CARS信号の検出に光電子増倍管1002を用いている点である。光パラメトリック発振器1001は、励起光が非線形結晶1003を通過して半分の波長になったものが入力され、非線形光学過程のひとつであるパラメトリック過程により異なる波長のシグナル光、アイドラ光を出力するものであり、励起光、シグナル光、アイドラ光の周波数をそれぞれωp、ωsig、ωidlerとすると、
Figure 2016009548
の関係があり、この関係を保ったまま所定の範囲でシグナル光、アイドラ光の波長を調整することができるものである。本実施例ではこのうちシグナル光をストークス光として用いる。本実施例における励起光とストークス光のスペクトル幅は同程度であり、CARS光はω=2ωp-ωsのほぼ単一周波数となっている。ここで本実施例では光パラメトリック発振器の調整によりストークス光の波長を2通りに設定し、それぞれの波長においてCARS光を光電子増倍管で検出する。ストークス光の設定波長は、予備測定により予め以下のように定めておく。すなわち、光パラメトリック発振器の波長を、CARS光がちょうど測定対象の共鳴周波数に等しくなる波長の前後で連続的にスキャンをし、CARS信号が極大値と極小値を取る波長を設定波長とする。あるいは、想定される緩和定数、非共鳴信号の大きさなどからCARS信号が極大値、極小値になると推測される波長を任意に設定してもよい。これら2つの設定波長での試料の各点からのCARS信号の検出器出力をImax, Iminとし、実施例1と同様に数1により定量値を算出する。本実施例では実施例1におけるCARSスペクトルのうち定量値の算出に使用する2点のみを測定する場合と考えることができ、実施例1と同様の結果が得られることは自明である。
本実施例におけるストークス光の光源は光パラメトリック発振器とは限らず、別個に用意したもう一台の短パルスレーザ光源であっても構わない。この場合は2台の短パルス光源のパルス発振のタイミングを同期させる必要があるが、非特許文献7などで報告されているように実現可能である。また、CARS光の検出器としては光電子増倍管に限らず、アバランシェフォトダイオードもしくはPINフォトダイオードを用いてもよい。
本実施例は、実施例2における2種類の波長の設定値を高速に切り替える実施例である。本実施例の構成図を図11に示す。本実施例では実施例2の構成に加え、別の短パルスレーザ光源1101(本実施例では発振波長800nm付近のチタンサファイアレーザ)を備える。本実施例では実施例1,2で励起光として用いていた光をストークス光として用い、光パラメトリック発振器のアイドラ光を第一の励起光、短パルスレーザ光源の出射光を第二の励起光として用いる。第一の励起光と第二の励起光はそれぞれ偏光が直交した状態で偏光ビームスプリッタ1102により合波され、合波光束はポッケスルセル1103で所定の偏光状態に変換されたのち、ポラライザ1104を通過して励起光と同一の偏光成分のみが出力される。ポッケルスセル1103は駆動電圧に応じて入力される光の偏光状態を変換する素子であり、本実施例では2種類の駆動電圧に応じ、ポラライザ1104の出力が第一の励起光、第二の励起光のいずれかになるように設定されている。すなわち、励起光がポッケルスセルの駆動電圧に応じて切り替わる構成となっている。ポッケルスセルへの駆動電圧はファンクションジェネレータ1105により生成さており、周波数500kHz、デューティー比1の矩形波信号である。この矩形波信号の参照周波数信号はロックインアンプ1106に送られ、ロックインアンプに入力された光電子増倍管からの出力のうち参照周波数成分が増幅されて出力される。このように励起光の波長を高速に切り替えてCARS信号を測定する方法はFrequency Modulation CARS(FM-CARS)と呼ばれ、非特許文献8に詳しく述べられている。本実施例では第一の励起光、第二の励起光がそれぞれCARSスペクトルの極大値、極小値となるよう波長を予め設定しておく。従ってロックインンプ1106の出力aはImax-Iminとなる。また、光電子増倍管の出力は分岐されてローパスフィルタにも送られ、DC成分b=(Imax+Imin)/2が出力される。このとき、数1に相当する出力は
Figure 2016009548
により得られる。すなわち、ロックインアンプ1106とローパスフィルタ1107の出力はそれぞれコンピュータ11により取り込まれ、コンピュータ11において数5の演算が実施されて定量値が取得される。本実施例では実施例2に比べ、高速に波長を切り替えることができるため高速な測定が可能であり、またロックインアンプを使用することでS/N比の改善をはかることができる。
なお、データの取得方法としては上記に限らず、例えば光電子増倍管1002の出力を直接コンピュータ11で取り込み、最大値と最小値をそれぞれImax、Iminとして数1により定量値を算出してもよい。あるいは光電子増倍管1002の出力をアナログ平方根演算回路に入力し、その出力をロックインアンプで検出してもよい。また、光源の構成としては3種類の波長の光束が用意できればよく、3台の別々のレーザを用いるなどしてもよい。
本実施例はヘテロダイン検出を適用する実施形態である。本実施例の構成図を図12に示す。本実施例では実施例1と同様に励起光、ストークス光が生成さて合波されたのち、ビームスプリッタ1201により合波光束が2分岐され、それぞれ別の対物レンズ109,1202により別々の試料に110、1203に集光される。試料110が測定試料であり、実施例1と同様にCARS光が発生して対物レンズ111で平行光とされ、フィルタ112を通過して励起光、ストークス光が遮断される。試料1203(本実施例ではガラス板)は共鳴成分を含まない、非共鳴成分のみからなるCARS光を生成し、このCARS光は対物レンズ1204で平行光とされ、フィルタ1205を通過して励起光、ストークス光が遮断される。これら2つのCARS光はビームスプリッタ1206で合波され、2つの干渉光束が生成される。これらの干渉光束はともに分光器114に入射し、CCDカメラ115により検出される。ここで、2つの干渉光束は分光器の入射スリットおいてスリット方向の異なる位置に集光される。このためCCDカメラ上において図13の203、1301に示すように分離されて照射され、別々のスペクトル信号として出力される(これらの光を別々に検出するため、実施例1で述べたfull vertical binningは行わない)。これらのスペクトル(それぞれI1(ω)、I2(ω)とする)はコンピュータ11で取り込まれる。コンピュータ11においてこれらのスペクトルの差分ΔI(ω)=I1(ω)-I2(ω)をとり、ΔI(ω)の極大値ΔImax、極小値ΔIminの差ΔImax-ΔIminを計算し、これを定量値とする。これが実施例1の数1に相当することを以下に説明する。試料110から生成されたCARS光の電場をE1(ω)、試料1203から生成されたCARS光の電場をE2(ω)とすると、2つの干渉光束の電場は
Figure 2016009548
となり、これらの検出信号、すなわち強度の差は
Figure 2016009548
と表される。φはE1(ω)、E2(ω)の位相差である。数7は、電場E1(ω)を、複素平面上で原点を通り実軸と角度φをなす直線状に射影した値と|E2(ω)|の積である。E2(ω)は非共鳴成分のみを含むため、ここではωによらず一定値とみなす。ここで、図14のように、E1(ω)の複素平面上での軌跡は既に述べたように直径AR/Γの円なので、φの大きさによらず、この軌跡の射影は長さAR/Γの線分となる。この線分の両端は数7の最大値、最小値に相当するため、これらの差分はAR/Γに比例し、実施例1の数1と同様の定量値となる。加えて本実施例では定量値が|E2(ω)|との積となっているため、E2(ω)として強度の高い光を用いることで増幅効果がある。通常、このように観測対象となる光を別の同一波長の光と干渉させて検出するヘテロダイン検出においては、φの値により出力が変動するため、干渉させる2つの光の位相を安定化させるか、もしくは互いに異なる2通りの位相(多くの場合0度と90度)での干渉光を検出してφの変化を補正する必要があるが(例えば非特許文献9を参照のこと)、本実施例においてはE1(ω)の軌道が円形であることに由来し、φの値に関係なく数7の演算により定量値AR/Γを算出することが可能である。なお、φの値が0-2πの全範囲の値を取り得る場合、取得するスペクトル範囲は共鳴周波数の前後にわたり十分広くする必要がある(そうでない場合、円形の軌道のANRに近い部分が欠けることになるため)。
なお、試料110からのCARS光と干渉させる別の光は別の試料からのCARS光である必要はなく、例えばフォトニック結晶ファイバ104から発生するスーパーコンティニューム光のうち、CARS光と同一波長の成分を用いてもよい。また、実施例2のごとくストークス光の帯域が広くない場合においても、CARS光と同一波長の光を用意することによりヘテロダイン検出を行うことができ、本実施例と同様の定量値の算出が可能である。例えば実施例2において光パラメトリック発振器のアイドラ光はCARS光と同一の波長となるため、図15の構成によりこれをCARS光と干渉させ、干渉光を検出すればよい。この場合、2つの干渉光は別々の光電子増倍管1002、1501で検出され、これらの出力の差分が差動回路1502により演算され、その出力がコンピュータ11に入力される。差分の演算はコンピュータ上で行ってもよい。極大値、極小値にの設定波長については実施例2に述べた方法により同様に決定することができる。
本実施例では干渉光が2つ生成される構成としたが、干渉光が3つ以上であってもそのうち2つに対して上記のような検出を行えば同様の効果が得られることは言うまでもない。
本実施例は、本発明の光学分析装置を単一細胞解析に適用した生体分子解析装置の実施例であり、細胞解析の一つの形態としてCARSスペクトルを取得する実施例である。
図16、図17は、本実施例に係る生体分子解析装置の構成例を示す模式図である。図16は本装置の光学系部分を示した概略図であり、図17は生体分子採取システムの構成例を示す試料の周辺の詳細図である。図17には遺伝子発現解析を行うために試料である細胞のmRNAを捕捉する生体分子採取システム2が含まれている。光学系部分及び生体分子採取システムはコンピュータ11により制御され、またデータの取得が行われる。
(光学系部分の説明)
図16に示した装置の光学系部分は、構成に加え、微分観察系と、細胞破壊用レーザ5(波長355nm、平均出力2W、繰り返し周波数5kHzのパルスレーザ)及びドライバ602、レーザ5からの出射光を励起光と同軸にするためのダイクロイックミラー603を備える。光学系部分には、(1)微分干渉顕微鏡像の取得、(2)CARSスペクトルの取得、(3)細胞の破壊、の3つの機能が含まれる。それぞれについて以下に説明する。(1)について、まず照明401(ハロゲンランプ)からの照明光を、ウォラストンプリズム402を通過させてからダイクロイックミラー403で反射させてコンデンサレンズ111によって試料110に集光し、試料110の微分干渉像を対物レンズ109、ダイクロイックミラー404、ウォラストンプリズム405、ポラライザ406、結像レンズ407を用いてCCDカメラ408等の撮像装置上に結像させて試料のイメージを取得する。この構成はよく知られた微分干渉顕微鏡のそれと同一である。なお、ダイクロイックミラー403,404は照明401の可視光域の波長(400−700nm)は反射し、励起光、ストークス光、CARS光(いずれも700nm以上の近赤外域の波長を有する)は透過するように設計されており、CARS信号の生成、検出には影響を及ぼさない。(2)の機能については実施例1で述べたとおりである。(3)の機能は、細胞破壊用レーザ5からの出射光を対物レンズ109により観測対象の細胞に集光し、細胞を破壊して細胞内部のmRNA等の生体分子を外部に放出させる機能である。放出されたmRNAは、後述するように生体分子採取システム2により捕捉・解析される。
(生体分子採取システムの説明)
図17に示す生体分子採取システム2は、細胞から放出されたmRNA等の生体分子を捕捉するための領域が配列したアレイデバイスを備える。例えば、単一細胞ごとにアレイデバイスの複数の領域にmRNAを捕捉し、アレイデバイスにおいて逆転写反応を行うことによりcDNAライブラリーを構築することができる。本実施例では、アレイデバイスは、多数の貫通孔が面に垂直に形成された透明な多孔質メンブレンから構築され、以下、これを細孔アレイシート30と呼ぶ。また、細孔アレイシート30にcDNAライブラリーが形成されたものをcDNAライブラリー細孔アレイシートと呼ぶ。
本実施例においては、細孔アレイシート30として、直径0.2μmの貫通孔が陽極酸化によって多数形成された、厚さ80μm、大きさ2mm×2mmの酸化アルミニウム製多孔質メンブレンを用いている。細孔アレイシート30には、生体分子を捕捉する領域同士を分離するため分離壁31を形成することができる。この分離壁31は、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用い、半導体プロセスにより形成することができ、厚さは80μm程度で細孔アレイシート30に密着させることができる。
図18は、細孔アレイシート30の上面図である。細孔アレイシート30(大きさ2mm×2mm、厚さ80μm)には、多数の生体分子、例えばmRNAを捕捉するための領域300が形成される。領域300のサイズは、ここでは、一辺を100μmとし、間隔を80μmとしている(180μm周期で配置)。領域300のサイズは、捕捉対象とする生体分子の量や面内での拡散しやすさ(分子の大きさ)に応じて1μm程度から10mm程度まで自由に設計することが可能である。
アレイデバイスとしては、アルミニウムを陽極酸化することによって形成した多孔質メンブレンからなる細孔アレイシート30の他、シリコン等の材料を陽極酸化することによって多数の貫通孔を形成したものを用いても良い。さらに、半導体プロセスを用いて、シリコン酸化物やシリコン窒化物薄膜に多数の貫通孔を設けることによって、アレイデバイスを構築しても良い。
図17に示すように、細胞から放出される生体分子を、電気泳動によって細孔アレイシート30における特定の領域まで導く手段として、ループ状の白金電極32をシールド線33の先端に接合している。白金電極32の線材の直径は30μmであり、線材を2つ折にして、リード線接合部分を捻って一本化した後、ループ側を直径100μmの円形に加工する。このような電極を2つ作製し、細孔アレイシート30を挟むように配置し、電源35によって直流1.5Vを印加する。放出されるmRNA36は負の電荷を持つので、上側の白金電極32を正極とする。ただし、銀−塩化銀の参照電極39を設けて、下側の白金電極32に0.2Vを印加する。このような操作によって、生体分子を捕捉する領域300の内部にmRNA36を電気泳動によって誘導することができる。また、生体分子の捕捉効率をより向上するために、横方向の電気泳動によるmRNAの濃縮を実現するため、上側の白金電極32のループの直径を50μmにしても良い。この場合、線材の直径は10μmとする。
(動作フローの説明)
次に、本実施例に係る生体分子解析装置の動作フローについて説明する。図19にフローチャートの一例を示す。
最初に接着系培養細胞21,22,23からなる試料をシャーレ20に載せる。この実施例では測定対象が培養細胞であるから、シャーレ20を使って事前に培養し、測定対象の細胞が底面に接着するようにする。試料が凍結切片の場合には、これをシャーレ20の上に載せる。あるいは、複数の細胞をゲル中に3次元的に配置したものを試料としても良い。次に、顕微鏡システムを用いて、対象となる細胞群の微分干渉像を取得し、生体分子を採取、測定する対象細胞をユーザが決定する。次に、コンピュータ11は、ユーザから測定対象とする細胞又は細胞の部分に関する情報の入力を受ける。一般に、ユーザは複数の細胞を測定対象とする場合が多い。その場合には、生体分子を捕捉する細胞の順序をコンピュータ11が決定し、まず、1番最初に対象となった細胞が視野の中心に配置されるようにXYZステージ12を駆動する。ここで、実施例1に述べた方法により視野の中心に配置された細胞のCARSスペクトルを取得し、取得スペクトルから実施例1に述べる方法により得られた定量値データをコンピュータ11に保存する。
次に、コンピュータ11は、XYZステージ34を用いて、CARSスペクトルを取得した細胞の近傍(図17の例では細胞の直上)に細孔アレイシート30の特定の領域(例えば、(1,1)番地の領域300)を接近させる。本実施例では細孔アレイシート30の下面とシャーレ20との間の距離を300μmに設定しているが、この距離は、採取する生体分子の種類や、電極構造によって変化させることができる。例えば、1μmから10mm程度が好適である。XYZステージ34による細孔アレイシート30の移動は、コンピュータ11が事前のプログラムに従って自動的に行う。移動の完了をコンピュータ11が確認した後、電気泳動用の白金電極32に電圧を印加すると同時に、測定対象とする細胞の細胞膜を破壊するために、細胞破壊用レーザ光源5からのレーザ光を細胞に照射する。ここで照射時間は、例えば10秒とし、電気泳動駆動時間は60秒とすることができる。
一つの細胞の破壊とその細胞中の生体分子の捕捉が終了した後、コンピュータ11は、XYZステージ12を駆動して登録された2番目の対象細胞を視野の中心に位置づける。その後、2番目の細胞のCARSスペクトルを取得し、コンピュータ11にデータを保存する。次に、コンピュータ11は、XYZステージ34を駆動して2番目の対象細胞の近傍(図17の構成例では細胞の直上)に細孔アレイシート30の特定の領域(例えば、(1,2)番地の領域300)を接近させる。そして、コンピュータ11に登録された2番目の細胞へ細胞破壊用レーザ5からのレーザ光を照射する。このとき、前記と同様に、同時に白金電極32に電圧を印加する。その後、順次指定された細胞に対し、上記のCARSスペクトル取得を行い、細胞を破壊して、その細胞中の生体分子を細孔アレイシート30の特定の領域300に捕捉した後、捕捉した生体分子を測定するための処理を実行する。最後に、微分干渉像における破壊された細胞に相当する部分と、細孔アレイシート30における生体分子を捕捉した領域300、取得したCARSスペクトルとそこから取得した定量値を対応付けて、ユーザに提示する。
ここでは破壊する細胞を1細胞としたが、より粗い分解能のデータを取得したい場合は、アレイデバイス上の一つの領域300に対して、複数の細胞を破壊したときに放出され、電気泳動されるmRNAを捕捉しても良い。その際の破壊は複数の細胞を同時に破壊しても良いし、アレイデバイスを動かさずに1細胞ずつ順次破壊しても良い。また、本実施例ではCARSスペクトルの取得と生体分子の捕捉を異なる細胞に対して順次行うフローとしたが、例えば試料の微分干渉像の取得後、対象となる細胞のCARSスペクトルを全て測定したのち、各細胞を順次破壊して生体分子を補足する、というフローであっても構わない。
本実施例により、個々の細胞に対してCARSスペクトルと遺伝子発現データを取得することができる。この機能を利用して、細胞の動的特性を高い精度で確認することが可能となる。このような解析を実行するためのフローチャートを図20に示す。
まず、CARSスペクトルを取得する。取得したCARSスペクトルと細胞の詳細な状態との対応を確認したいと考えた時点で、ユーザが選択した細胞について細胞を破壊し、その細胞内の生体分子をアレイデバイス上に捕捉して、その量を計測する。この生体分子の定量によって詳細な細胞の状態や種類を同定し、CARSスペクトルとの対応をとることによって、CARSスペクトルと細胞の状態や種類との対応付けを高精度に行うことが可能となる。CARSスペクトルは、通常単一細胞の解析に用いられる蛍光共焦点顕微鏡に比べてラマンスペクトルを取得可能であるという点で測定対象の化学種に対してより多くの情報を得ることが可能であり、このような高精度な解析が可能となる。
次に、細胞の分類をCARSスペクトルで行うための方法について示す。CARSスペクトルとそこから得られる定量値を取得後、例えば180個の細胞の20個の遺伝子発現解析を行って、主因子分析を行い、上位2つの主因子についてプロットした図を図21に示す。図中のPCはprincipal componentの略であり、PC1が第一の主因子、PC2が第2の主因子を指す。個々の点は1つの細胞の遺伝子発現データに対応する。多くの場合に細胞の状態や種類に対応して複数のクラスター(この例では6個のクラスター)に分かれる。図21において、一つ一つの点は細胞に対応するので、どの細胞がどのような種類の細胞であるかをCARSスペクトルだけでは判定できなくても、遺伝子発現解析データに基づいて対応させることができる。この対応付けをメモリに保存しておくことで、どのようなCARSスペクトル、定量値が得られたときにどのような細胞の状態や種類になるかを判定させるような機械学習をコンピュータシステムにさせることができ、学習が完了した後はCARSスペクトルと定量値の取得のみで細胞の状態や種類の分類が可能となる。
なお、この例では、細胞の遺伝子発現に基づくクラスタリングに主因子分析を用いたが、階層的クラスタリングやk-means法等様々の方法を適用することができる。また、機械学習の方法としては、サポートベクタマシン等、データマイニングに用いられる様々な方法が知られており、それらのいずれを用いても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明により、大量の試料から高速に情報を取得可能な分析装置を提供することが可能となり、医療や製薬分野における研究開発を加速することができる。
2:生体分子採取システム、5:細胞破壊用レーザ、11:コンピュータ、21,22,23:接着系培養細胞、30:細孔アレイシート、32:白金電極、101:短パルスレーザ光源、104:フォトニック結晶ファイバ、109:対物レンズ、110:試料、113:分光器、114:分光部、115:検出部、201:CCDカメラ受光部、401:照明、407:結像レンズ、408:CCDカメラ

Claims (10)

  1. 少なくとも2つの光源と、
    前記少なくとも2つの光源から生成される光束を試料に照射する照射光学系と、
    前記試料から生成されるコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を検出する検出器と、
    前記検出器の出力を取り込み、信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、前記検出器における、コヒーレントアンチストークスラマン散乱が極大になる波長と極小になる波長における前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱の電場の絶対値の差に比例する値を演算し、出力することを特徴とする光学分析装置。
  2. 請求項1に記載の光学分析装置において、前記検出器は前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光のスペクトルを取得するものであって、
    前記電場の絶対値の差は、前記スペクトルの極大値と極小値それぞれの平方根の差であることを特徴とする光学分析装置。
  3. 請求項1に記載の光学分析装置において、前記検出器は前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を少なくとも2つの波長で検出するものであって、
    前記電場の絶対値の差は、指定された2種類の所定の波長における前記検出器の出力の平方根の差であることを特徴とする光学分析装置。
  4. 請求項1に記載の光学分析装置において、前記光源のうち少なくとも1つの波長を2種類の設定波長の間で交互に変調するものであることを特徴とする光学分析装置。
  5. 請求項4に記載の光学分析装置において、前記検出器の出力の変調成分を出力するロックインアンプを備えることを特徴とする光学分析装置。
  6. 請求項1に記載の光学分析装置において、前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を別の光束と干渉させる干渉光学系と、前記干渉光学系から生成される少なくとも2つの干渉光を検出する少なくとも1つの検出器を備えることを特徴とする光学分析装置。
  7. 請求項6の光学分析装置において、前記2つの干渉光のスペクトルをI1(ω)とI2(ω)、これらの差分をΔI(ω)、ΔI(ω)の極大値をΔImax、ΔI(ω)の極小値をΔIminとしたとき、前記電場の絶対値の差に相当する信号として、ΔImax−ΔIminを出力することを特徴とする光学分析装置。
  8. 光源と、
    試料として複数の細胞を保持する試料保持部と、
    前記試料保持部に保持された細胞を観察する観察部と、
    前記光源からの光束を前記試料保持部に保持された細胞に集光して照射する照射光学系と、
    光照射によって細胞から発生したコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を分光する分光部と、
    前記分光部により分光された光を検出する検出部と、
    前記検出器の出力を取り込み、信号処理を行う信号処理部と、
    前記照射光学系による細胞への光照射位置を制御する照射制御部と、
    前記試料保持部に保持された細胞を破壊する細胞破壊手段と、
    破壊によって細胞から放出される細胞中の生体分子を捕捉する生体分子捕捉デバイスと、を備え、
    前記検出部は、前記信号処理部は、前記検出器における、コヒーレントアンチストークスラマン散乱が極大になる波長と極小になる波長における前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱の電場の絶対値の差に比例する値を演算し、出力することを特徴とする生体分子解析装置。
  9. 請求項8に記載の生体分子解析装置において、
    前記細胞破壊手段はレーザ光照射によって細胞を破壊することを特徴とする生体分子解析装置。
  10. 請求項8に記載の生体分子解析装置において、
    前記出力されたスペクトルと、前記生体分子捕捉デバイスを用いて解析されたデータとを対応づけて保存するメモリを有することを特徴とする生体分子解析装置。
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