JPWO2015198603A1 - 有機el表示パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

基板を準備し、前記基板上に少なくとも第1電極を複数形成し、フォトリソグラフィ法により、前記第1電極が形成された前記基板上に、感光性レジスト材料からなり、前記第1電極のそれぞれに対応する箇所に開口を有する隔壁層を形成し、前記開口のそれぞれに対して機能性材料を含むインクを塗布し、さらに前記インクを乾燥させることにより、機能層を形成し、前記機能層上に少なくとも第2電極を形成する、有機EL表示パネルの製造方法であって、前記隔壁層を形成する際に、前記第1電極が形成された前記基板上に、前記感光性レジスト材料を塗布し、前記感光性レジスト材料をマスク露光した後に、現像処理を行うことにより、前記感光性レジスト材料における前記第1電極のそれぞれに対応する箇所を開口し、前記開口された前記感光性レジスト材料を全体露光し、前記全体露光された前記感光性レジスト材料を焼成する、有機EL表示パネルの製造方法。

Description

本発明は、有機EL表示パネルの製造方法に関し、特に、隔壁層の形成方法に関する。
近年、有機EL(Electroluminescence:電界発光)素子の発光を利用した有機EL表示パネルの大型化について、研究・開発が進められている。有機EL表示パネルでは、支持材である基板上に複数の有機EL素子が配列されており、各有機EL素子の発光が画素となって画像を表示する。有機EL素子は、機能性材料を含む機能層、例えば有機発光材料を含む有機発光層などを一対の電極で挟んだ構造をしている。フルカラー対応の有機EL表示パネルの有機発光層においては、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する有機発光材料を用いる3色塗り分け方式が、発光効率・発光寿命・色再現性などの観点から、主流となっている。なお、機能層は、有機発光層以外にも、正孔・電子注入層、正孔・電子輸送層、正孔・電子阻止層、バッファ層などがあり、含有する機能性材料及び有機EL素子中の位置によって、その機能が決定される。
機能層の形成方法は、真空蒸着法などの乾式プロセスと、インクジェット法などの湿式プロセスとに大別される。湿式プロセスは、機能性材料を含むインクの塗布及び乾燥により機能層を形成する方法であり、機能層の形成精度、材料利用率などの点から、3色塗り分け方式を用いた有機EL表示パネルの大型化に適した技術とされている。
湿式プロセスでは、所定の塗布位置からインクが流出することを抑制するため、基板上に複数の開口を有する隔壁層を形成した後に、開口のそれぞれに対してインクを塗布する。この隔壁層は、感光性レジスト材料からなり、フォトリソグラフィ法により形成されることが一般的である。具体的には、感光性レジスト材料の基板上への塗布、マスク露光、現像処理、焼成(ベーキング)などの工程を経て、複数の開口を有する隔壁層が形成される(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特に、現像後の感光性レジスト材料を焼成することにより、有機溶媒耐性が向上した隔壁層を形成でき、インクの隔壁層への浸食を抑制できる(例えば、特許文献1参照)。また、隔壁層が撥液性成分を含む場合、焼成により、撥液性成分が表面側へ移動するため、隔壁層表面の撥液性を向上させることができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−191483号公報 特開2014−75260号公報 特開2008−287251号公報
ところが、マスク露光及び現像処理によって開口された感光性レジスト材料を焼成すると、感光性レジスト材料の開口付近の部分が開口側へ流動し(以下、この現象を「熱ダレ」という)、開口の周囲に傾斜角度の小さい傾斜部が形成される。
傾斜部の傾斜角度が小さいと、傾斜部が開口から露出する面を広く覆うため、有機EL表示パネルにおける開口率を低下させてしまう。また、このような傾斜部は、インクが濡れ広がる際の障害物となり、機能層の膜厚むらや形成不良の原因となる。よって、有機EL表示パネルの製造においては、傾斜角度の小さい傾斜部が形成されないよう、熱ダレを低減することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、隔壁層形成の際の熱ダレを低減できる有機EL表示パネルの製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、基板を準備し、基板上に少なくとも第1電極を複数形成する。また、当該製造方法では、フォトリソグラフィ法により、第1電極が形成された基板上に、感光性レジスト材料からなり、第1電極のそれぞれに対応する箇所に開口を有する隔壁層を形成する。また、当該製造方法では、開口のそれぞれに対して機能性材料を含むインクを塗布し、さらにインクを乾燥させることにより、機能層を形成し、機能層上に少なくとも第2電極を形成する。そして、当該製造方法では、隔壁層を形成する際に、第1電極が形成された基板上に感光性レジスト材料を塗布し、感光性レジスト材料をマスク露光した後に、現像処理を行うことにより、感光性レジスト材料における第1電極のそれぞれに対応する箇所を開口する。さらに、当該製造方法では、開口された感光性レジスト材料を全体露光し、全体露光された感光性レジスト材料を焼成する。
上記態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、マスク露光によって半感光領域となった感光性レジスト材料の開口付近の部分が、現像処理後の全体露光によって、十分に感光される。したがって、その後の焼成による感光性レジスト材料の開口付近の部分の開口側への流動が低減する。すなわち、上記態様に係る有機EL表示パネルの製造方法によると、隔壁層形成の際の熱ダレを低減できる。
有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。 有機EL表示パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。 (a)は図2のX−X線に沿った模式断面図であり、(b)は図2のY−Y線に沿った模式断面図である。 有機EL表示パネル10の製造過程を示す模式断面図であって、(a)は第1電極及び正孔注入層形成工程を示す図であり、(b)は画素規制層形成工程を示す図であり、(c)は隔壁層形成工程を示す図である。 有機EL表示パネル10の製造過程を示す模式断面図であって、(a)は正孔輸送層形成におけるインク塗布工程を示す図であり、(b)は正孔輸送層形成におけるインク乾燥工程を示す図であり、(c)は有機発光層形成工程を示す図である。 有機EL表示パネル10の製造過程を示す模式断面図であって、(a)は電子輸送層形成工程を示す図であり、(b)は第2電極形成工程を示す図であり、(c)は薄膜封止層形成工程を示す図である。 有機EL表示パネル10の隔壁層形成工程を示す模式断面図であって、(a)は感光性レジスト材料塗布工程を示す図であり、(b)はマスク露光工程を示す図であり、(c)は現像工程を示す図である。 有機EL表示パネル10の隔壁層形成工程を示す模式断面図であって、(a)は全体露光工程を示す図であり、(b)は焼成工程を示す図であり、(c)は紫外線照射工程を示す図である。 全体露光量に対する焼成前後の隔壁層形状を比較する断面写真である。 インクの濡れ性を比較する平面写真である。 インクの濡れ性を比較する平面写真である。 有機EL表示パネル30の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。 有機EL表示パネルにおける隔壁層形成工程を示す模式断面図であって、(a)は感光性レジスト材料塗布工程を示す図であり、(b)はマスク露光(ネガ型)工程を示す図であり、(c)は現像工程を示す図である。 有機EL表示パネルにおける隔壁層形成工程を示す模式断面図であって、り、(a)は焼成工程を示す図であり、(b)は紫外線照射工程を示す図であり、(c)はマスク露光(ポジ型)工程を示す図である。 (a)は露光量200mJ/cm2における焼成後の傾斜部を示す断面写真であり、(b)は露光量300mJ/cm2における焼成後の傾斜部を示す断面写真であり、(c)は露光量400mJ/cm2における焼成後の傾斜部を示す断面写真である。
<本発明の一態様に至った経緯>
図13及び図14は、有機EL表示パネルにおける隔壁層形成工程を示す模式断面図である。図13及び図14では、第1電極12、正孔注入層13及び画素規制層14が形成された基板11上に、隔壁層95をフォトリソグラフィ法で形成する工程を示している。隔壁層95の形成は、塗布、マスク露光、現像、焼成、紫外線照射の順に行われる。
具体的には、まず、図13(a)に示すように、第1電極12、正孔注入層13及び画素規制層14が形成された基板11上に感光性レジスト材料15Pを塗布する。なお、感光性レジスト材料15Pはネガ型の感光性を有し、光の照射によって現像液に対する溶解性が低下するものとする。
次に、図13(b)に示すように、フォトマスク51を基板11の上方に配置した状態で、フォトマスク51の上方から基板11に対して光L0を照射し、感光性レジスト材料15Pを露光する(マスク露光)。フォトマスク51は、光L0を遮断する遮光部51aと、光L0を透過する透光部51bとを有しており、フォトマスク51の配置により、光L0は透光部51bを介してのみ感光性レジスト材料15Pに到達する。したがって、感光性レジスト材料15Pは、透光部51bの下方にある部分のみ感光し、当該部分の現像液に対する溶解性が低下する。
ここで、感光性レジスト材料15Pの感光箇所は、フォトマスク51の透光部51bの配置パターンと完全には一致しない。透光部51bの端を通過した光L0の一部は、透光部51bの外側、すなわち遮光部51a側へ広がる回折光L1となる。また、一部の光L0は、感光性レジスト材料15Pを透過し、その下方(第1電極12など)で散乱反射して、透光部51bの外側、すなわち遮光部51a側へ広がる反射光L2となる。この回折光L1及び反射光L2によって、感光性レジスト材料15Pでは、透光部51bの直下の部分だけでなく、その周囲も感光する。
回折光L1及び反射光L2は、透光部51bを直進して通過する光L0と比較して強度が低いため、透光部51b直下の感光性レジスト材料15Pと比べ、その周囲の感光性レジスト材料15Pの感光量は小さい。すなわちマスク露光によって感光性レジスト材料15Pには、透光部51b直下の感光領域15Paと、感光領域15Paの周囲にあり感光領域15Paより感光量の小さい半感光領域15Pbとが形成される。半感光領域15Pbでは、感光領域15Paと同様に、現像液に対する溶解性は低下するが、感光領域15Paと比べて硬化度は低い。
次に、図13(c)に示すように、現像処理を行うと、ネガ型の感光性レジスト材料15Pでは、感光しなかった部分が現像液に溶解して除去され、感光領域15Pa及び半感光領域15Pbが基板11上に残る。これにより、感光性レジスト材料15Pが開口され、開口された部分からは正孔注入層13及び画素規制層14が露出する。なお、図13(c)において、ハッチングを付さない画素規制層14はその表面を表しており、画素規制層14が図13(c)に示す断面ではなく、当該断面の紙面奥側に存在していることを表現している(以下、図14においても同様である)。
次に、図14(a)に示すように、感光性レジスト材料15Pを焼成すると、感光領域15Paと比較して硬化度の低い半感光領域15Pbが高い流動性を有し、開口側へ大きく流動する(熱ダレ)。これにより、開口の周囲に傾斜角度の小さい傾斜部95bを有する隔壁層95が形成される。ここで、「傾斜角度」とは、基板の上面に対する角度を指し、基板の上面と平行な場合を0°、基板の上面と垂直な場合を90°としている。
傾斜角度が小さい傾斜部95bは、開口から露出する正孔注入層13の上面を広く覆うため、有機EL表示パネルにおける開口率を低下させ、画素の高精細化の障害となる。また、このような傾斜部95bは、開口へのインクの塗布において、インクが濡れ広がる際の障害物となり、湿式プロセスで形成した機能層の膜厚むらや形成不良の原因となる。特に、湿式プロセスを用いる場合、一般に隔壁層95の表面は撥液性を有しており、傾斜部95bがインクの濡れ性に与える影響は大きい。したがって、隔壁層の傾斜部における傾斜角度はできるだけ大きい(90°に近い)ことが好ましい。
ここで、一般的なフォトリソグラフィ法においては、図14(b)に示すように、焼成後の基板11の上面側に紫外線UVを照射する方法が用いられる。一定の露光量を超えて紫外線UVを照射すると、傾斜部95bが分解除去され、開口から露出する正孔注入層13の上面を広げることができ、開口内の濡れ性を向上させることができる。
しかし、傾斜角度が小さく、開口側に広がった傾斜部95bを十分に分解除去するためには、紫外線UVの露光量を大きくする必要がある。この場合、傾斜部95b以外の隔壁層95の部分も相当量が分解除去され、当該部分の膜厚や撥液性が大きく減少する。一般的なフォトリソグラフィ法では、隔壁層に相当する部分はエッチング液の浸透防止や、隔壁層上の層の除去(リフトオフ)のためのものであり、傾斜部以外の部分の膜厚や撥液性が減少しても問題は少ない。一方、湿式プロセスを用いた有機EL表示パネルの製造においては、隔壁層の膜厚や撥液性が低下すると、インク塗布の際に、インクが隔壁層を越えて隣接する開口へ流出する場合がある。インクが隔壁層を越えて流出すると、機能層の膜厚むらや形成不良の原因となり、また3色塗り分け方式を採用する場合、インクの混色による画素の発色不良の原因ともなり、問題となる。よって、このような有機EL表示パネルの製造においては、紫外線UVの照射によって、傾斜角度の小さい傾斜部95bを十分除去することが難しく、紫外線照射などの後処理によらず、焼成後の傾斜部の傾斜角度を大きくすることが求められる。すなわち、隔壁層形成の際の熱ダレを低減することが望ましい。
なお、上記の大きな熱ダレの原因となる半感光領域は、ネガ型の感光性レジスト材料を用いた場合に限らず発生する。図14(c)は、ポジ型の感光性を有する感光性レジスト材料15Pxを遮光部61aと透光部61bとがパターニングされたフォトマスク61を用いて露光する工程を示す。感光性レジスト材料15Pxでは、光L0の照射によって透光部61bの下方にある部分のみ感光し、現像液に対する溶解性が増加する。
このとき、透光部61bの端を通過した光L0の一部は、透光部61bの外側、すなわち遮光部61a側へ広がる回折光L1となる。また、一部の光L0は、感光性レジスト材料15Pxを透過し、その下方で散乱反射して、透光部61bの外側、すなわち遮光部61a側へ広がる反射光L2となる。したがって、ポジ型の感光性レジスト材料15Pxを用いた場合においても、マスク露光によって、感光性レジスト材料15Pxには、透光部61b直下の部分(感光領域)の周囲に、半感光領域が形成される。
感光性レジスト材料15Pxの半感光領域では、感光しなかった領域と同様に、現像液に対する溶解性は比較的低いが、感光しなかった領域と比べて硬化度が低下している。よって、ポジ型の感光性レジスト材料15Pxを用いた場合でも、同様に開口の周囲に傾斜角度の小さい傾斜部が形成される。すなわち、ポジ型の感光性レジスト材料15Pxを用いる場合においても、隔壁層形成の際の熱ダレを低減することが望ましい。
ここで、熱ダレを防ぐために、マスク露光時の露光量を増やすことも考えられる。図15(a)、(b)、(c)は、それぞれ露光量200mJ/cm2、露光量300mJ/cm2、露光量400mJ/cm2における焼成後の傾斜部を示す断面写真である。図15(a)、(b)、(c)に示すように、露光量を増やしても、焼成後の傾斜部95bの傾斜角度はあまり変化しておらず、熱ダレが発生していることが分かる。これは以下の理由による。
露光量を増やすことにより、例えば図13(b)において、回折光L1及び反射光L2の光量は増加するため、感光領域15Pa近傍の半感光領域15Pbの硬化度は向上する。しかし、増加した回折光L1及び反射光L2は、さらに感光性レジスト材料15Pの外側(遮光部51a側)に浸透し、硬化度が向上した半感光領域15Pbの外側に硬化度の低い半感光領域15Pbを形成する。したがって、露光量を増やすと、熱ダレを低減できないばかりか、半感光領域15Pbが広がることで傾斜部95bの範囲が広がり、かえって開口率の低下、機能層の膜厚むらや形成不良の増加を引き起こす結果となる。
そこで、本願の発明者は、隔壁層形成の際の熱ダレを低減すべく、以下に説明する本発明の一態様に至ったのである。
<本発明の一態様の概要>
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、基板を準備し、基板上に少なくとも第1電極を複数形成する。また、当該製造方法では、フォトリソグラフィ法により、第1電極が形成された基板上に、感光性レジスト材料からなり、第1電極のそれぞれに対応する箇所に開口を有する隔壁層を形成する。また、当該製造方法では、開口のそれぞれに対して機能性材料を含むインクを塗布し、さらにインクを乾燥させることにより、機能層を形成し、機能層上に少なくとも第2電極を形成する。そして、当該製造方法では、隔壁層を形成する際に第1電極が形成された基板上に、感光性レジスト材料を塗布し、感光性レジスト材料をマスク露光した後に、現像処理を行うことにより、感光性レジスト材料における第1電極のそれぞれに対応する箇所を開口する。さらに、当該製造方法では、開口された感光性レジスト材料を全体露光し、全体露光された感光性レジスト材料を焼成する。
上記態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、マスク露光によって半感光領域となった感光性レジスト材料の開口付近の部分が、現像処理後の全体露光によって、十分に感光される。したがって、その後の焼成による感光性レジスト材料の開口付近の部分の開口側への流動が低減する。すなわち、上記態様に係る有機EL表示パネルの製造方法によると、隔壁層形成の際の熱ダレを低減できる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、感光性レジスト材料が、撥液性成分を含む。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、撥液性成分が、フッ素系化合物又はシロキサン系化合物である。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、隔壁層を形成する際に、感光性レジスト材料に、撥液性を付与する表面処理を行う。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、表面処理が、フッ素系ガス雰囲気下におけるプラズマ処理である。
上記態様に係る製造方法では、形成した隔壁層の表面が撥液性を有するため、隔壁層を越えてインクが流出することをより低減できる。また、当該製造方法では、隔壁層形成の際の熱ダレが低減されることにより、開口周囲の部分の傾斜角度が大きい隔壁層を形成でき、隔壁層が撥液性を有していても、開口内の濡れ性に与える影響を低減できる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、隔壁層を形成する際に、焼成の後に、基板の上面側に紫外線を照射する。上記態様に係る製造方法では、紫外線照射により、開口内の濡れ性を向上させることができる。また、当該製造方法では、隔壁層形成の際の熱ダレが低減されることにより、開口周囲の部分の傾斜角度が大きい隔壁層を形成できる。よって、当該製造方法では、過度な紫外線の照射によらず開口内の濡れ性を確保でき、製造条件に応じた紫外線照射量の最適化を図ることができる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、全体露光の際に、全体が透光性を有するフォトマスクを用いて露光を行う。上記態様に係る製造方法では、マスク露光と全体露光との露光条件が合わせやすくなり、感光性レジスト材料の感光領域の安定化、製造工程の簡略化などを実現できる。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルの製造方法では、上記態様において、感光性レジスト材料が、ネガ型の感光性を有する。上記態様に係る製造方法では、現像処理後の感光性レジスト材料が逆テーパー形状となり、隔壁層の開口周囲の部分の傾斜角度をより大きく形成しやすい。
なお、本願において「上」とは、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)を指すものではなく、有機EL表示パネルの積層構造における積層順を基に、相対的な位置関係により規定されるものである。具体的には、有機EL表示パネルにおいて、基板の主面に垂直な方向であって、基板から積層物側に向かう側を上方向とする。また、例えば「基板上」と表現した場合は、基板に直接接する領域のみを指すのではなく、積層物を介した基板の上方の領域も含めるものとする。
<実施の形態>
以下では、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面は模式的なものを含んでおり、各部材の縮尺や縦横の比率などが実際とは異なる場合がある。また、本願において、平面図、平面写真とは、対象物を垂直上方から見た図、写真であり、有機EL表示パネルにおいては、当該パネルを基板上面の垂直上方から見た図、写真である。
1.有機EL表示装置1の全体構成
図1は、有機EL表示装置1の全体構成を示すブロック図である。有機EL表示装置1は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などに用いられる表示装置である。有機EL表示装置1は、有機EL表示パネル10と、これに電気的に接続された駆動制御部20とを備える。
有機EL表示パネル10(以下、「パネル10」という。)は、例えば上面が長方形状の画像表示面であるトップエミッション型の表示パネルである。パネル10では、画像表示面に沿って複数の有機EL素子(不図示)が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。なお、パネル10は、一例として、アクティブマトリクス方式を採用している。
駆動制御部20は、パネル10に接続された駆動回路21と、計算機などの外部装置又はアンテナなどの受信装置に接続された制御回路22とを有する。駆動回路21は、各有機EL素子に電力を供給する電源回路、各有機EL素子への供給電力を制御する電圧信号を印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する箇所を切り替える走査回路などを有する。制御回路22は、外部装置や受信装置から入力された画像情報を含むデータに応じて、駆動回路21の動作を制御する。
なお、図1では、一例として、駆動回路21がパネル10の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部20の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路21の数や位置は適宜変更可能である。
2.パネル10の構成
(1)平面構成
図2は、パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。パネル10では、一例として、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する副画素SPR、SPG、SPBが順に配列され、一組の副画素SPR、SPG、SPBは、一つの画素Pを構成する。それぞれの輝度が階調制御された副画素SPR、SPG、SPBの発光を組み合わせることにより、画素Pはフルカラーを表現することが可能である。
パネル10では、一例として、ラインバンク方式を採用している。すなわち、パネル10は、図2のX軸方向に延伸する直線状の部分が、Y軸方向に間隔をあけて複数配列された形状の画素規制層14と、Y軸方向に延伸する直線状の部分が、X軸方向に間隔をあけて複数配列された形状の隔壁層15とを備える。そして、隔壁層15の直線状の部分同士の間の領域である開口15aでは、画素規制層14が存在しない領域ごとに、有機EL素子が形成されている。
副画素SPR、SPG、SPBは、具体的には、上記有機EL素子が形成された各開口15a内の領域であり、当該領域に形成された有機EL素子の発光を画像表示面側から取り出すことにより発光する。副画素SPR、SPG、SPBの発光色は、有機EL素子の発光色そのものでも良いし、有機EL素子の発光色をカラーフィルタによって補正したものであってもよい。
なお、開口15aのそれぞれには、副画素SPR、SPG、SPBのいずれか一種類のみが配列される。すなわち開口15aのそれぞれには、副画素SPRが並ぶ副画素列LR、副画素SPGが並ぶ副画素列LG、副画素SPBが並ぶ副画素列LBのいずれかが配置されている。
(2)断面構成
図3(a)は、図2のX−X線に沿った模式断面図であり、図3(b)は、図2のY−Y線に沿った模式断面図である。図3(a)、(b)では、一例として、副画素SPGの断面構成を中心に記載しているが、副画素SPR及びSPBについても図3(a)、(b)と同様の構成となっている。
パネル10は、基板11、第1電極12、正孔注入層13、画素規制層14、隔壁層15、正孔輸送層16A、有機発光層16B、電子輸送層17、第2電極18及び薄膜封止層19を備える。また、この内、正孔輸送層16A及び有機発光層16Bは湿式プロセスで形成されている。なお、この積層構成は、あくまで一例であって、この他に電子注入層、阻止層、バッファ層などが積層されていてもよい。また、上記の各層の一部が省略されていてもよい。また、電子注入輸送層のように、物理的に一つの層が、複数の機能を有していてもよい。
a.基板11
基板11は、パネル10の支持部材である。図示は省略するが、基板11では、長方形平板状の基板本体上に、TFT(Thin Film Transistor)層が形成されている。
基板本体は、電気絶縁性を有する材料又は電気絶縁性を有する材料をコーティングしたアルミニウムやステンレスなどの金属材料で形成される。電気絶縁性を有する材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英ガラスなどのガラス材料である。また当該材料は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂材料であってもよい。また当該材料は、例えば、酸化アルミニウムなどの金属酸化物材料であってもよい。
有機EL素子は水分や酸素などと反応して劣化する場合があるため、基板本体には水分透過度の低い材料、例えばガラスや金属などを用いて、有機EL素子下部からの水分や酸素の浸透を抑制することが好ましい。また、基板本体に樹脂材料を用いる場合は、樹脂材料の上面に、例えば窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの水分透過度の低い薄膜をコーティングすることが好ましい。
TFT層は、基板本体上に形成された電子回路の層であり、有機EL素子への電力供給回路や供給電力の制御回路などが配置されている。具体的には、TFT層は基板本体上に配置された半導体の層、導電体の層及び電気絶縁体の層からなる積層であり、この積層構成によって、TFT素子、コンデンサ素子、配線などの電子回路素子が構成される。また、TFT層の最上部には、層間絶縁層(不図示)が形成され、基板11の上面は平坦化されている。
半導体の層は、例えば、シリコンなどの一般的な半導体材料、インジウム−亜鉛−ガリウム酸化物などの酸化物半導体材料、多環芳香族化合物などの平面方向に広がったπ電子共役系を有する有機半導体材料などで形成される。導電体の層は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)などの金属材料、黒鉛、カーボンナノチューブなどの炭素材料、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などの導電性酸化物材料などで形成される。電気絶縁体の層は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機材料、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂などの有機材料などで形成される。層間絶縁層は、電気絶縁性を有するパターニング可能な材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂などの有機材料で形成される。
なお、TFT層には、層間絶縁層とは別にパッシベーション層として、TFT層の電子回路素子全体を覆う窒化シリコンや酸化アルミニウムなどを材料とする層が形成されてもよい。
b.第1電極12
第1電極12は、基板11上に複数形成された電極であり、有機発光層16Bに正孔を供給する陽極としての役割を有する。また、第1電極12のそれぞれは、各有機EL素子の配置を規定しており、各副画素SPR、SPG、SPBに対応して基板11上で行列状に配列されている。
第1電極12は、例えば、Al、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)などの金属材料で形成される。また、これらの金属材料を組み合わせた合金材料や、金属材料・合金材料を積層した多層構造で形成されていてもよい。さらに、第1電極12と正孔注入層13との接合性の向上や、第1電極12の酸化を防ぐ目的で、これらの層上にITO、IZOなどの透明導電性酸化物材料からなる層を形成してもよい。さらに、第1電極12の最下層には、ウェットエッチングによる浸食や、下層への水素の拡散などを抑制する目的で、酸化タングステンなどの金属酸化物材料からなるバリアメタル層を形成してもよい。
なお、正孔を供給する観点からは、第1電極12には仕事関数の高い材料を用いることが好ましい。また、トップエミッション型であるパネル10では、第1電極12に光反射性を付与することが好ましい。
c.正孔注入層13
正孔注入層13は、第1電極12上に形成された層であって、第1電極12から有機発光層16Bへの正孔の供給(正孔注入)におけるエネルギー障壁を低下させ、正孔注入を容易にする役割を有する。パネル10では、正孔注入層13が第1電極12ごとに独立して形成され、基板11上に行列状に配列されている。正孔注入層13は、機能性材料として、適切なイオン化エネルギーを有する材料を用いて形成される。このような材料としては、例えば、Ag、Mo、Cr、W、Ni、バナジウム(V)、イリジウム(Ir)などの酸化物である金属酸化物材料や、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などである。
d.画素規制層14
画素規制層14は、図3(b)に示すように、第1電極12及び正孔注入層13の端部を覆うように形成された電気絶縁性を有する層であって、各開口15a内で隣接する副画素SPR、SPG、SPB同士の間の電気絶縁性を向上させる役割を有する。また、画素規制層14は、正孔輸送層16Aの上面よりも低く形成され、正孔輸送層16A及び有機発光層16Bを開口15a内で区切らずに連続させる役割も有する。なお、パネル10では、画素規制層14は、各第1電極12及び各正孔注入層13の端部のうち、図2のY軸方向上下の端部を覆うようにX軸方向に連続して形成されている。このため、画素規制層14は、X軸方向に延伸する部分が、Y軸方向に間隔をあけて複数配列された形状となっている。
画素規制層14の材料は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機材料、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂などの有機材料などで形成される。また、正孔輸送層16Aを形成する際、開口15a内に機能性材料を含むインクが濡れ広がりやすいように、画素規制層14の表面はインクに対する親液性を有することが好ましい。すなわち、画素規制層14の材料は後述の撥液性成分を含まないことが好ましい。
e.隔壁層15
隔壁層15は、第1電極12、正孔注入層13及び画素規制層14が形成された基板11上に形成され、第1電極12のそれぞれに対応する箇所に開口15aを有する層である。より具体的には、パネル10では、開口15aは、各第1電極12の上方において正孔注入層13を露出するように形成される。また、開口15aは、図2のY軸方向に並ぶ正孔注入層13同士の間にある画素規制層14も露出させ、Y軸方向に連続するように形成されている。このため、隔壁層15は、Y軸方向に延伸する部分が、X軸方向に間隔をあけて複数配列された形状、いわゆるラインバンク形状となっている。
隔壁層15は、正孔輸送層16Aや有機発光層16Bを形成する際に、機能性材料を含むインクが所定の塗布位置から流出することを抑制し、また、形成後の正孔輸送層16Aや有機発光層16Bを区画して電気的に絶縁する役割を有する。
隔壁層15は、例えば、電気絶縁性を有し、フォトリソグラフィ法によりパターニングが可能な感光性レジスト材料からなる。感光性レジスト材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂などである。なお、隔壁層15は、感光性レジスト材料以外の材料を含有していてもよい。また、感光性レジスト材料の感光性は、感光によって現像液に対する溶解性が低下するネガ型、感光によって現像液に対する溶解性が増加するポジ型のいずれであってもよいが、ネガ型であることが好ましい。一般的に、上方から露光した場合の感光性レジスト材料の感光領域は、上方が広く、下方が狭い逆テーパー形状となりやすい。したがって、感光領域が残るネガ型では、現像処理後の感光性レジスト材料が逆テーパーに近い形状となり、隔壁層15の傾斜部の傾斜角度をより大きく形成しやすい。
なお、隔壁層15は、後述するパネル10の製造方法から、有機溶媒や熱に対する耐性を有することが好ましい。また、インクの流出を抑制するために、隔壁層15の表面は撥液性を有することが好ましく、例えば、隔壁層15に撥液性成分を含む材料を用いるか、隔壁層15に撥液性を付与する表面処理を行うことが好ましい。撥液性成分としては、例えば、フッ素系化合物、シロキサン系化合物である。この撥液性成分は、例えば独立した材料として、感光性レジスト材料15P中に混合されてもよいし、例えば、特許文献3に記載の撥液レジスト組成物などのように、感光性レジスト材料15Pの共重合体中に含有されてもよい。撥液性を付与する表面処理としては、例えばフッ素ガス雰囲気下におけるプラズマ処理などを用いることができる。
f.正孔輸送層16A
正孔輸送層16Aは、湿式プロセスによって隔壁層15の開口15aのそれぞれに形成された層であって、第1電極12から供給された正孔の有機発光層16Bへの輸送性を向上させる役割を有する。なお、ラインバンク方式を採用するパネル10では、正孔輸送層16Aは、各開口15aに沿って図2のY軸方向に延伸する形状であり、各開口15a内のすべての第1電極12(正孔注入層13)及び画素規制層14を覆うように連続する。すなわち、各副画素列LR、LG、LBに並ぶ副画素SPR、SPG、SPBは、正孔輸送層16Aを共有する。
正孔輸送層16Aは、機能性材料として、正孔の移動度が比較的高い有機材料を用いて形成される。このような材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)などである。
g.有機発光層16B
有機発光層16Bは、正孔輸送層16Aと同様に、湿式プロセスによって隔壁層15の開口15aのそれぞれに形成された層であって、第1電極12及び第2電極18から供給された正孔及び電子の再結合による発光(電界発光現象)が行われる層である。また、ラインバンク方式を採用するパネル10では、有機発光層16Bは、正孔輸送層16Aと同様に各開口15aに沿って図2のY軸方向に延伸する形状であり、各開口15a内の正孔輸送層16A全面を覆うように連続する。すなわち、各副画素列LR、LG、LBに並ぶ副画素SPR、SPG、SPBは、有機発光層16Bを共有する。ただし、有機発光層16Bは、第1電極12の上方にある部分のみが発光し、副画素SPR、SPG、SPBごとに独立して発光する。
有機発光層16Bは、機能性材料として、電界発光現象によって発光する有機発光材料を用いて形成される。有機発光材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物、アザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)などの公知の蛍光物質、燐光物質である。また、例えば、上記の蛍光物質、燐光物質をドーパントとした有機化合物の混合層であってもよい。なお、パネル10では、副画素列LR、LG、LBの有機発光層16Bに、それぞれ赤色、緑色、青色に発光する有機発光材料を用いる3色塗り分け方式を採用し、フルカラーに対応している。
h.電子輸送層17
電子輸送層17は、隔壁層15及び有機発光層16Bが形成された基板11全体を覆うように形成された層であって、第2電極18から供給された電子の有機発光層16Bへの輸送性を向上させる役割を有する。
電子輸送層17は、機能性材料として、電子の移動度が比較的高い有機材料を用いて形成される。このような材料としては、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)、リンオキサイド誘導体、トリアゾール誘導体、トジアジン誘導体、シロール誘導体、ジメシチルボロン誘導体、トリアリールボロン誘導体などである。
i.第2電極18
第2電極18は、有機発光層16B上に形成された電極であって、パネル10では、電子輸送層17を覆うように基板11全体に渡って形成されている。第2電極18は、有機発光層16Bに電子を供給する陰極としての役割を有する。
第2電極18は、例えば、ITOやIZOなどの透明導電性酸化物材料や、透明導電性酸化物材料からなる層に、Ag、Au、Ni、Cu、Al、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの金属材料又はこれらの合金材料の層を積層して形成される。
なお、電子を供給する観点からは、第2電極18には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。また、トップエミッション型であるパネル10では、第2電極18には、例えば光透過率80%以上などの高い光透過率を有する材料を用いることが好ましい。
j.薄膜封止層19
薄膜封止層19は、上記第1電極12から第2電極18までの各部材が形成された基板11全体を覆うように形成された層であり、各部材が水分や酸素などに晒されることを抑制する役割を有する。薄膜封止層19は、水分透過度の低い材料、例えば、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化炭素、窒化炭素、酸化アルミニウムなどの無機材料で形成される。また、トップエミッション型であるパネル10では、薄膜封止層19に、高い光透過性を有し、第2電極18との屈折率の差が小さい材料を用いることが好ましい。
k.その他
パネル10では、以上の部材が形成された基板11上に、ガラス材料などの水分透過性の低い材料で形成された封止板を配置してもよい。このとき、基板11と封止板との間は、例えば硬化性樹脂材料からなる接着層などによって接合される。これにより、基板11上の各有機EL素子に対する水分や酸素などの浸透をさらに抑制することができる。
また、封止板の副画素SPR、SPG、SPBに対応する位置に、カラーフィルタを配置してもよい。これにより、副画素SPR、SPG、SPBの発光色を補正することができる。さらに、封止板の副画素SPR、SPG、SPB同士の間に対応する位置及び封止板の周縁領域にブラックマトリクスを配置してもよい。これにより、パネル10の画像表示面における外光の反射を抑制し、また、画像表示面における画素Pとそれ以外の部分とのコントラストを向上させることができる。
なお、上記の断面構成はあくまで一例であって、例えば、図3(a)では電子輸送層17及び第2電極18は、複数の開口15aに渡って形成されているが、これらの全部又は一部が開口15aごと又は副画素SPR、SPG、SPBごとに形成されていてもよい。また、例えば、図3(a)、(b)では正孔注入層13が、副画素SPR、SPG、SPBごとに形成されていたが、開口15aごと又は複数の開口15aに渡って形成されていてもよい。
3.パネル10の製造方法
(1)全体工程
以下に、本発明の一態様であるパネル10の製造方法について、全体工程を説明する。図4、図5及び図6は、パネル10の製造過程を示す模式断面図である。なお、図4、図5及び図6に示す断面は図3(a)の副画素SPGの断面に相当するものである。また、図4(b)、(c)に示すハッチングを付さない画素規制層14は、当該断面に存在するものではなく、当該断面の紙面奥側に存在する画素規制層14の表面を表現している。
a.基板準備
最初に、基板11を準備する。具体的には、電気絶縁性材料を平板状に成形した基板本体を用意し、基板本体上にTFT層を形成する。TFT層の形成は、例えば、以下のようにすることができる。
まず、基板本体上に所定の形状にパターニングされた半導体材料の層、導電体材料の層又は電気絶縁体材料の層を形成し、これを繰り返して所定の電子回路を形成する。各層の形成には、各層の材料に応じて、例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、気層成長法などの乾式プロセスや、印刷法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンス法、ダイコート法などの湿式プロセスを用いることができる。各層のパターニングには、例えば、フォトリソグラフィ法、シャドウマスク法、メタルマスク法などを用いてもよいし、湿式プロセスで直接所定の形状に形成してもよい。また、必要に応じて形成した各層にプラズマ注入、イオン注入、ベーキングなどの処理を行ってもよい。
次に、当該電子回路を覆うように、パッシベーション層、層間絶縁層を順に形成する。パッシベーション層及び層間絶縁層の形成には、各層の材料に応じて、上記の乾式プロセス、湿式プロセスを用いることができる。なお、電子回路内のTFT素子と第1電極12とが電気的に接続できるよう、パッシベーション層及び層間絶縁層には、所定の位置に開口(コンタクトホール)を形成する。コンタクトホールの形成には、上記のパターニング法を用いることができる。
b.第1電極及び正孔注入層形成
次に、基板11上に、第1電極12及び正孔注入層13を複数形成する。例えば、まず、スパッタリング法で基板11上に金属薄膜を形成した後に、続けて反応性スパッタリング法で金属薄膜上に金属酸化物の薄膜を形成する。次に、金属酸化物の薄膜上にフォトレジスト材料を塗布した後に、フォトリソグラフィ法でフォトレジスト材料をパターニングし、副画素SPR、SPG、SPBを形成する行列状の領域にのみフォトレジスト材料を残す。次に、ドライエッチング法、ウェットエッチング法をこの順に続けて用い、フォトレジスト材料が配置されていない箇所において金属酸化物の薄膜、金属薄膜をエッチングする。最後に、金属酸化物の薄膜上のフォトレジスト材料及び残渣を除去すれば、行列状に配列された金属薄膜からなる第1電極12及び金属酸化物の薄膜からなる正孔注入層13を形成できる(図4(a))。このように第1電極12及び正孔注入層13を連続してエッチングすることで、製造プロセスを効率化することができる。また、同一のフォトレジストを用いてパターニングすることにより、第1電極12と正孔注入層13との位置合わせの精度が向上する。
なお、第1電極12及び正孔注入層13の形成方法は、上記のスパッタリング法、反応性スパッタリング法及びフォトリソグラフィ法の組み合わせに限られず、材料に応じて、上記に例示した乾式プロセス、湿式プロセス、パターニング法を用いることができる。また、第1電極12の最下層にバリアメタル層を配置する場合は、金属薄膜の形成前に金属酸化物の薄膜を形成しておき、金属薄膜をウェットエッチングした後に、さらに金属酸化物の薄膜をドライエッチングすればよい。なお、パネル10の製造方法においては、上記のように第1電極12及び正孔注入層13を連続してエッチングする方法に限定されず、第1電極12を形成した後に、金属酸化物の薄膜を形成・パターニングして正孔注入層13を形成してもよい。
c.画素規制層形成
次に、第1電極12及び正孔注入層13が形成された基板11上に画素規制層14を形成する。具体的には、例えば、上記に例示した乾式プロセスとパターニング法を組み合わせることにより、正孔注入層13の端部を覆いながら図2のX軸方向に延伸する無機材料の薄膜を、図2のY軸方向に間隔をあけて複数形成する。これにより、図2に示す形状を有する画素規制層14を形成できる(図14(b))。なお、画素規制層14に有機材料を用いる場合は、上記に例示した湿式プロセスやフォトリソグラフィ法などを用いて画素規制層14を形成できる。
d.隔壁層形成
次に、フォトリソグラフィ法により、第1電極12、正孔注入層13及び画素規制層14が形成された基板11上に、感光性レジスト材料からなり、第1電極12に対応する箇所に開口15aを有する隔壁層15を形成する(図4(c))。隔壁層15の形成方法の詳細については後述する。
e.インク塗布
次に、開口15aのそれぞれに対して、機能性材料、ここでは正孔輸送層16Aの材料を含むインク16aを塗布する(図5(a))。インク16aの塗布方法には、上記に例示した湿式プロセスを用いることができ、特にインクジェット法が好ましい。なお、インク16aは開口15a内で画素規制層14を超えて連続するように塗布される。これにより、開口15a内で図2のY軸方向にインク16aが流動可能となり、開口15a内のインク16aの塗布むらが低減される。すなわち、この後の乾燥において、開口15a内における正孔輸送層16Aの膜厚むらや形成不良の発生が低減する。
f.乾燥
次に、塗布されたインク16aを乾燥させる。具体的には、例えば、インク16a塗布後の基板11を真空チャンバーなどの真空環境に置くことによって、インク16aの溶媒を蒸発させる。これにより、開口15aのそれぞれに機能層である正孔輸送層16Aを形成できる(図5(b))。
g.有機発光層形成
次に、正孔輸送層16Aの形成方法と同様に、開口15aのそれぞれに対して、機能性材料、ここでは有機発光材料を含むインクを塗布し、さらに当該インクを乾燥させることにより、機能層である有機発光層16Bを形成する(図5(c))。また、塗布する際、インクは開口15a内の正孔輸送層16A全面に塗布し、開口15a内で図2のY軸方向にインクが流動できるようにする。これにより、開口15a内のインクの塗布むらが低減し、その後の乾燥において、開口15a内における有機発光層16Bの膜厚むらや形成不良の発生が低減する。
h.電子輸送層形成
次に、隔壁層15及び有機発光層16Bを覆うように電子輸送層17を形成する(図6(a))。電子輸送層17の形成には、電子輸送層17の材料に応じて、例えば上記に例示した乾式プロセスや湿式プロセスを用いることができる。
i.第2電極形成
次に、電子輸送層17を覆うように第2電極18を形成する(図6(b))。例えば、上記に例示した乾式プロセスにより、電子輸送層17上に透明導電性酸化物材料の薄膜を成膜して第2電極18を形成する。
j.封止
次に、第1電極12から第2電極18までを形成した基板11を封止する。具体的には、例えば、上記に例示した乾式プロセスにより、第2電極18までを形成した基板11の上面を覆うように無機材料の薄膜を成膜して薄膜封止層19を形成する(図6(c))。
以上の方法により、図2に示す断面構造を有するパネル10が完成する。
(2)隔壁層15の形成方法
以下に、パネル10の製造方法における、隔壁層15の形成方法の詳細を説明する。図7及び図8は、パネル10の隔壁層形成工程を示す模式断面図である。なお、図7(c)及び図8に示すハッチングを付さない画素規制層14は、当該断面に存在するものではなく、当該断面の紙面奥側に存在する画素規制層14の表面を表現している。
a.感光性レジスト材料塗布
まず、図7(a)に示すように、第1電極12、正孔注入層13及び画素規制層14が形成された基板11上に、感光性レジスト材料15Pを塗布する。塗布方法は、例えばスリットコート法などの上記に例示した湿式プロセスを用いることができる。また、塗布後には真空乾燥及び60℃〜120℃程度の低温加熱乾燥(プリベーク)などを行って不要な溶媒を除去し、感光性レジスト材料15Pを基板11に定着させることが好ましい。なお、本説明において、感光性レジスト材料15Pは、一例として、ネガ型の感光性を有するものを用いている。
b.マスク露光
次に、図7(b)に示すように、感光性レジスト材料15Pをマスク露光する。具体的には、露光機などを用いて、感光性レジスト材料15Pを塗布した基板11の上方にフォトマスク51を配置し、フォトマスク51の上方から基板11に対して光L0を照射する。
光L0には、通常ghi混合線(436nm、405nm、365nm)を用いるが、例えばg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、エキシマレーザ、EUV、X線などを用いてもよい。これら光L0の種類は、隔壁層15の形成パターンの線幅及び隔壁層15の材料に応じて設定する。また、光L0の露光量も感光性レジスト材料15Pに応じて適宜設定するが、例えば、100mJ/cm2〜500mJ/cm2とすることができる。
フォトマスク51は、光L0を遮断する遮光部51aと、光L0を透過する透光部51bとを有しており、フォトマスク51の第1電極12に対応する部分はすべて遮光部51aとなっている。具体的に、パネル10の製造方法においては、基板11の上方にフォトマスク51を配置した際、副画素列LR、LG、LBを形成する領域の上方が遮光部51aとなるようなフォトマスク51を用いる。
フォトマスク51の配置により、光L0は透光部51bを介してのみ感光性レジスト材料15Pに到達する。したがって、感光性レジスト材料15Pは、透光部51bの下方の部分のみ感光する。ただし、透光部51bを通過した光L0の一部は、回折光L1や反射光L2となって、透光部51bの外側(遮光部51a側)に広がるため、感光性レジスト材料15Pには、透光部51bの直下にある感光領域15Paと、その周囲にある半感光領域15Pbとが形成される。
c.現像処理
次に、図7(c)に示すように、現像処理を行い、感光性レジスト材料15Pの感光領域15Pa、半感光領域15Pbのみを残し、感光性レジスト材料15Pにおける第1電極12に対応する箇所を開口する。現像処理は、例えば、感光しなかった感光性レジスト材料15Pを溶解させる有機溶媒、アルカリ液などの現像液に基板11を浸し、その後、純水などのリンス液で基板11をすすぎ、現像液に溶解した感光性レジスト材料15Pを除去することによって行われる。これにより、感光性レジスト材料15Pは、正孔注入層13の端部を覆いながら図2のY軸方向に延伸する部分が、X軸方向に間隔をあけて複数並ぶ形状となる。
d.全体露光
次に、図8(a)に示すように、現像処理によって一部箇所が開口された感光性レジスト材料15Pを全体露光する。例えば、透光部のみからなるフォトマスク52を基板11の上方に配置し、フォトマスク52の上方から基板11に対して光L0を照射する。
これにより、半感光領域15Pbに十分な強度の光L0が照射され、基板11上に残った感光性レジスト材料がすべて感光領域15Paとなる。全体露光における露光量は、感光性レジスト材料15Pに応じて適宜設定され、例えば、50mJ/cm2〜500mJ/cm2とすることができる。
なお、上記に例示したように、全体が透光性を有するフォトマスクを用いて露光を行うことで、前述のマスク露光と全体露光との露光条件が合わせやすくなり、感光領域15Paの安定化、製造工程の簡略化などを実現できる。具体的には、例えば、光L0の照射量に対する感光性レジスト材料15Pの感光量を、マスク露光と全体露光とで合わせることにより、全体露光における感光性レジスト材料15Pの感光量の繊細な調整が可能となり、感光領域15Paの状態が安定する。また、例えば、マスク露光と全体露光とで同じ製造ライン(露光機)を流用でき、製造工程を合理化、簡略化できる。ただし、フォトマスク52を用いることは必須ではなく、フォトマスク52なしで直接感光性レジスト材料に光L0を照射してもよい。
なお、この全体露光における露光量は、半感光領域15Pbの硬化度を向上させる程度のものであって、後述する紫外線照射における露光量に比べて小さいため、全体露光において感光性レジスト材料15Pの分解除去はほとんど発生しない。
e.焼成
次に、図8(b)に示すように、感光性レジスト材料15Pを焼成する。具体的には、全体露光後の感光性レジスト材料15Pを、ホットプレート、熱風乾燥炉、赤外線ランプなどで加熱する。焼成温度及び焼成時間は感光性レジスト材料15Pに応じて適宜設定され、例えば、150〜250℃、30〜120分とすることができる。
上記焼成により、感光性レジスト材料15Pと基板11などの下地層との密着性が向上し、また感光性レジスト材料15Pの密度が増加するため、強度及び有機溶媒耐性の向上した隔壁層15を形成することができる。また、感光性レジスト材料15Pが撥液性成分を含む場合は、上記焼成により、感光性レジスト材料15Pの表面側に撥液性成分が移動し、撥液性に優れた隔壁層15を形成することができる。さらに、上記焼成により、現像処理において除去できなかった感光性レジスト材料15Pや現像液などの残渣を除去でき、開口15a内の濡れ性を向上させることができる。
ここで、焼成前の全体露光により、感光性レジスト材料15Pは全体が十分に感光した感光領域15Paとなっているため、焼成による感光性レジスト材料15Pの開口付近の部分の開口15a側への流動が低減する。すなわち、上記方法によると、熱ダレを低減でき、比較的傾斜角度の大きな傾斜部15bを有する隔壁層15を形成できる。
f.紫外線照射
次に、図8(c)に示すように、焼成後の基板11の上面側に紫外線UVを照射する。紫外線UVの照射により、傾斜部15bが分解除去され、パネル10の開口率及び開口15a内の濡れ性を向上させることができる。特に、隔壁層15が撥液性成分を含む場合は、紫外線UVの照射により、傾斜部15bの表面側に移動した撥液性成分が除去され、傾斜部15bの撥液性が低下するため、開口15aの周縁部分の濡れ性がより向上する。また、開口15a内に、現像処理や焼成において除去できなかった感光性レジスト材料15Pや現像液などの残渣がある場合は、紫外線UVの照射によって、当該残渣を分解除去でき、開口15a内の濡れ性を向上させることができる。
ここで、上記製造方法によると、隔壁層15形成の際の熱ダレが低減されることにより、開口15a内の濡れ性を低下させる要因(傾斜角度の小さい傾斜部、開口15a内の残渣)が発生しにくい。よって、過度な紫外線UVの照射によらず、開口15a内の濡れ性を確保することができる。したがって、隔壁層15の膜厚や撥液性が過度に低下することにより、機能性材料を含むインクが隔壁層15を越えて隣接する開口15aへ流出することを低減できる。
特に、上記製造方法では、焼成後に紫外線UVを照射することなく、開口15a内の濡れ性を確保することができる場合もあり、紫外線UVの照射は必須ではない。すなわち、上記製造方法では、隔壁層15及びインクの物性、開口15aの大きさ、開口15a内へのインク塗布数など、製造条件に応じて紫外線照射の有無を含めた照射量の最適化を図ることができる。なお、紫外線UVを照射する場合の照射量は、例えば、1000mJ/cm2〜10000mJ/cm2とすることができる。また、焼成後に紫外線UVを照射する場合は、照射後に基板11全体を再度焼成することが好ましい。これにより紫外線UVの照射によって分解された隔壁層15などの表面を安定化することができる。また、これにより、紫外線UVの照射によって分解された隔壁層15などの残渣を除去することができる。
以上の隔壁層15の形成方法により、隔壁層15形成の際の熱ダレを低減でき、隔壁層15の傾斜部15bの傾斜角度を比較的大きく形成できる。これによって、パネル10では、開口率の低下を抑制することができ、また正孔輸送層16A及び有機発光層16Bの膜厚むらや形成不良の発生も低減できる。
4.実施例
以下では、上記製造方法によって実際にパネル10の実施例を作成し、その効果を確認した。なお、実施例は、上記の全体露光における露光量を変化させることによって複数作成した。具体的には、全体露光における露光量をそれぞれ50mJ/cm2、100mJ/cm2、200mJ/cm2、500mJ/cm2とした実施例1〜4を作成した。また、比較例として、上記の全体露光を行わなかったものも作成した。比較例は全体露光を除いては、材料や製造方法を含め、実施例と同じ条件で作成した。
図9は、全体露光量に対する焼成前後の隔壁層形状を比較する断面写真である。図9の上段の断面写真は、実施例及び比較例における焼成前の基板11上の感光性レジスト材料15Pの形状を示している。また、図9の下段の断面写真は、実施例及び比較例における焼成後の基板11上の隔壁層15(実施例)又は隔壁層95(比較例)の形状を示している。
比較例では、焼成後の隔壁層95に傾斜角度の小さい傾斜部95bが形成されていることが分かる。一方、実施例1〜4では、焼成後の隔壁層15に比較例よりも傾斜角度の大きい傾斜部15bが形成されていることが分かる。すなわち、実施例1〜4では、比較例に比べて熱ダレが低減しており、本発明の一態様に係るパネル10の製造方法によって、隔壁層15形成の際の熱ダレを低減できることが実証された。なお、図9に示すように、全体露光の露光量と傾斜角度とは比例しており、露光量を増加させることにより、熱ダレの発生がより低減されることが分かる。
また、熱ダレの低減による効果を確認するため、上記の実施例2と比較例とを用いて、インクの濡れ性を確認した。図10及び図11は、インクの濡れ性を比較する平面写真である。平面写真は、隔壁層15、95に囲まれた開口15a、95aのうち、画素規制層14(図の灰色部)に挟まれた第1電極12及び正孔注入層13の上方となる領域(中央の黒色領域)の中心に機能性材料を含むインクを一滴滴下した際の状態を示している。なお、図10及び図11では、実施例2及び比較例において、焼成後の紫外線の照射時間を変化(0秒、120秒、220秒)させることによって複数の実施例及び比較例を作成した。また、図10と図11とでは、隔壁層15、95の材料を変更しており、図11の隔壁層15、95では、図10の隔壁層15、95より撥液性の高い材料を用いた。なお、図10及び図11の中央の黒色領域内に見える白色部は、インクが不均一となっている領域である。
図10に示すように、実施例21〜23では、紫外線照射の有無及び時間に関わらず、インクが開口15aの黒色領域内全体に均一に広がっている。一方、比較例21では、開口95aの黒色領域内に略長方形枠状の白色部が現れている。これは、比較例21では、白色部より内側までしかインクが広がっておらず、隔壁層95付近に未濡れが発生していることを示している。また、比較例22では、開口95aの黒色領域下方において白色部が現れている。これは比較例22では、開口95aの黒色領域下方においてインクが十分に広がっておらず、写真下方の隔壁層95付近に未濡れが発生していることを示している。
以上により、傾斜角度の大きい傾斜部15bを有する実施例21〜23では、傾斜角度の小さい傾斜部95bを有する比較例21〜23に比べてインクの濡れ性が向上し、正孔輸送層16A及び有機発光層16Bの膜厚むらや形成不良が発生しにくいことが分かる。なお、比較例23では、インクが開口95aの黒色領域全体に均一に広がっているが、前述したように、過度の紫外線照射は、隔壁層95の撥液性を過度に低下させ、インクが隔壁層95を越えて隣接する開口95aに流出する恐れがある。よって、実施例21〜23のように製造条件に応じて広い範囲から紫外線の照射時間(量)を選択できる方が好ましい。
また、図11では、紫外線を照射しなかった実施例24を除き、実施例25及び実施例26では、インクが開口15aの黒色領域全体に均一に広がっている。一方、比較例24〜26では、紫外線照射の有無及び時間に関わらず、開口95aの黒色領域内に白色部が現れており、インクが開口95aの黒色領域内に十分に広がらずに未濡れが発生している。
以上により、図11のように撥液性が向上した隔壁層材料を用いた場合であっても、熱ダレを低減することが濡れ性の向上に効果があることが分かる。なお、実施例24では未濡れが発生しているが、インクの滴下数を増やすことにより、隔壁層15付近の未濡れを改善することが可能である。一方、比較例24〜26のように濡れ性が悪い開口95aに対しては、隔壁層95付近へインクを滴下する必要があり、隣接する開口95aへのインクの流出が発生しやすくなってしまう。
5.備考
(1)隔壁層15の平面形状(ピクセルバンク形状)
パネル10では、隔壁層15の平面形状としてラインバンク形状を採用したが、これに限られず、例えば隔壁層の平面形状がピクセルバンク形状であっても、本発明の一態様である有機EL表示パネルの製造方法は同様の効果を奏する。図12は、有機EL表示パネル30の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。有機EL表示パネル30(以下、「パネル30」という。)は、ピクセルバンク方式を採用し、画素規制層14及び隔壁層15に代え、隔壁層35を備える。なお、パネル30では、隔壁層35を除いてはパネル10と同じ構成であり、パネル10と同じ部分については、パネル10と同一の符号を付し、説明は省略又は簡略する。
隔壁層35は、隔壁層15と同じ材料からなるが、形状が異なり、第1電極のそれぞれに一対一に対応する各開口35aを有する。開口35aには、副画素SPR、副画素SPG、副画素SPBのいずれかが一つ配置されている。すなわち、隔壁層35は有機EL素子ごとに正孔輸送層16A及び有機発光層16Bを区画する格子状となっている。
このような隔壁層35は、例えば、隔壁層15の形成方法において、マスク露光の際のフォトマスクのパターンを変更することによって形成できる。すなわち、例えばネガ型の感光性レジスト材料を用いる場合は、基板の上方に配置した際、遮光部が副画素SPR、SPG、SPBの形成領域の上方となり、透光部が遮光部を区画する格子状であるフォトマスクを用いてマスク露光すればよい。
隔壁層35の形成においても隔壁層15と同様に、現像処理と焼成との間に全体露光を行うと、熱ダレを低減できる。したがって、隔壁層35の傾斜部の傾斜角度を比較的大きく形成できる。これにより、パネル30では、パネル10と同様に、開口率の低下を抑制でき、正孔輸送層16A及び有機発光層16Bの膜厚むら、形成不良の発生も低減できる。
(2)その他
パネル10では、画素規制層14の延伸方向が図2のX軸方向、隔壁層15の延伸方向が図2のY軸方向であったが、画素規制層及び隔壁層の形状はこれに限られない。具体的には、画素規制層と隔壁層とは交差する関係にあればよく、90°以外の角度で交わってもよい。また、画素規制層及び隔壁層の延伸方向は、パネル10の画像表示面の辺と平行(図2のX軸方向又はY軸方向)に限定されず、いずれか又は両方の延伸方向が画像表示面の辺のいずれとも平行でない方向であってもよい。
パネル10の画素規制層14は、X軸方向に延伸する部分がY軸方向に間隔をあけて複数配列された形状であったが、画素規制層の形状はこれに限られない。例えば、隔壁層35と同じように、第1電極12と一対一に対応する開口を有する格子状であってもよい。この場合、副画素SPR、SPG、SPBに隣接する隔壁層15の下部付近にも画素規制層が配置され、この部分におけるインクの濡れ性を向上させることができる。ただし、画素規制層14のように、一方向に延伸する形状であると、パネル10の開口率や開口15a内の平坦性を向上させやすい。
パネル10、30では、隔壁層15、35を形成する際に、焼成又は紫外線照射の後に、感光性レジスト材料に前述の撥液性を付与する表面処理を行ってもよい。なお、パネル10、30では、隔壁層15、35の形成の際の熱ダレが低減されることにより、傾斜部の傾斜角度を比較的大きく形成できるため、隔壁層15、35が撥液性を有していても、開口15aの濡れ性に与える影響を低減できる(図11参照)。
パネル10、30では、開口15a、35aのそれぞれに対して、湿式プロセス、すなわち機能性材料を含むインクを塗布し、さらにインクを乾燥させることにより形成する機能層は、正孔輸送層16Aと有機発光層16Bとであったが、当該機能層はこれに限られない。少なくとも一つの機能層が、湿式プロセスを用いて隔壁層の開口内に形成されればよく、当該機能層は、有機発光層、正孔・電子注入層、正孔・電子輸送層、正孔・電子阻止層、バッファ層などのいずれであってもよい。また、湿式プロセスにより形成する機能層は、副画素あたり一つでも三つ以上であってもよい。例えば、湿式プロセスにより形成する機能層を正孔輸送層16A及び有機発光層16Bの一方のみとし、他方は乾式プロセスを用いて形成してもよい。この際、乾式プロセスで形成する機能層の形状は任意であって、例えば、副画素ごと又は隔壁層の開口ごとに独立して形成されてもよいし、複数の副画素又は複数の隔壁層の開口に共有されるように形成されてもよい。また、例えば、湿式プロセスにより形成する機能層を有機発光層16Bのみとし、正孔輸送層16Aは形成しない構成であってもよい。さらに、例えば、正孔注入層13や電子輸送層17が湿式プロセスを用いて開口15a、35a内に形成される構成であってもよい。
パネル10、30では、一例として画像表示面を長方形状としたが、画像表示面の形状に限定はなく、例えば、三角形、正方形、五角形などの多角形、円形、楕円形、またはこれらを組み合わせた形状であってもよい。なお、画像表示面における画像表示領域(副画素SPR、SPG、SPBの形成範囲)は、画像表示面に合わせた形状としてもよいし、まったく異なる形状、例えば長方形状の画像表示面に対して画像表示領域が楕円形などであってもよい。
パネル10、30では、図1及び図2に示すように、副画素SPR、SPG、SPBの配列方向が、パネル10、30の画像表示面の長手方向及び短手方向と平行であったが、これに限られない。例えば、副画素SPR、SPG、SPBが千鳥状に配列されていてもよい。
また、パネル10、30では、赤色、緑色、青色にそれぞれ発光する副画素SPR、SPG、SPBが配列されていたが、副画素の発光色はこれに限られず、例えば赤1色や、赤色、緑色、青色及び黄色の4色であってもよい。また、一つの画素Pにおいて、副画素は1色あたり1個に限られず、複数配置されてもよい。また、画素Pにおける副画素の配列は、図2、図14に示すような、赤色、緑色、青色の順番に限られず、これらを入れ替えた順番であってもよい。また、画素Pでは、副画素がX軸方向に並んでいたが、画素における副画素の配置はこれに限られず、例えば副画素がY軸方向に並んでもよいし、3つの副画素が三角形の頂点に位置する配置であってもよい。
また、パネル10、30では、第1電極12を陽極、第2電極18を陰極としたが、これに限られず、第1電極を陰極、第2電極を陽極とする逆構造であってもよい。
また、パネル10、30では、隔壁層15、35には、有機EL素子が配置される開口15a、35aのみが形成されていたが、第2電極18が有する抵抗成分による電圧降下の影響を低減するためのバスバー(補助電極)が配置される開口が形成されていてもよい。
また、パネル10、30では、トップエミッション型かつアクティブマトリクス方式の有機EL表示パネルとしたが、これに限られず、例えばボトムエミッション型又はパッシブマトリクス方式を採用してもよい。
なお、上記変更の際は、パネル10、30の構成・製造方法も適宜変更される。
本発明に係る有機EL表示パネルの製造方法は、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイなど様々な電子機器に用いられる表示パネルの製造方法として広く利用することができる。
10、30 有機EL表示パネル
11 基板
12 第1電極
15、35、95 隔壁層
15a、35a、95a 開口
15P、15Px 感光性レジスト材料
16A 正孔輸送層(機能層)
16B 有機発光層(機能層)
16a インク
18 第2電極
51、52、61 フォトマスク
UV 紫外線

Claims (8)

  1. 基板を準備し、
    前記基板上に少なくとも第1電極を複数形成し、
    フォトリソグラフィ法により、前記第1電極が形成された前記基板上に、感光性レジスト材料からなり、前記第1電極のそれぞれに対応する箇所に開口を有する隔壁層を形成し、
    前記開口のそれぞれに対して機能性材料を含むインクを塗布し、さらに前記インクを乾燥させることにより、機能層を形成し、
    前記機能層上に少なくとも第2電極を形成する、
    有機EL表示パネルの製造方法であって、
    前記隔壁層を形成する際に、
    前記第1電極が形成された前記基板上に、前記感光性レジスト材料を塗布し、
    前記感光性レジスト材料をマスク露光した後に、現像処理を行うことにより、前記感光性レジスト材料における前記第1電極のそれぞれに対応する箇所を開口し、
    前記開口された前記感光性レジスト材料を全体露光し、
    前記全体露光された前記感光性レジスト材料を焼成する、
    有機EL表示パネルの製造方法。
  2. 前記感光性レジスト材料が、撥液性成分を含む、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  3. 前記撥液性成分が、フッ素系化合物又はシロキサン系化合物である、
    請求項2に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  4. 前記隔壁層を形成する際に、
    前記感光性レジスト材料に、撥液性を付与する表面処理を行う、
    請求項1に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  5. 前記表面処理が、フッ素系ガス雰囲気下におけるプラズマ処理である、
    請求項4に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  6. 前記隔壁層を形成する際に、
    前記焼成の後に、前記基板の上面側に紫外線を照射する、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  7. 前記全体露光の際に、全体が透光性を有するフォトマスクを用いて露光を行う、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  8. 前記感光性レジスト材料が、ネガ型の感光性を有する、
    請求項1から請求項7のいずれかに記載の有機EL表示パネルの製造方法。
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