JPWO2015136656A1 - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スピーカ装置において、駆動音の増大と、更なる高品質化を可能にする。【解決手段】 筒形の本体フレーム31に第1の振動膜49を支持する。第1の振動膜49の一方の面側において、印加される音声信号によって第1の振動膜49を駆動させる第1の駆動部59を本体フレーム31内に配置する。第1の振動膜49の他方の面側において、第1の振動膜49と僅かな間隔を置くとともにその間を気密状態にして対面するように本体フレーム31側に第2の振動膜71を配置する。本体フレーム31側にあって、第2の振動膜71の第1の振動膜49とは反対面側に、印加される音声信号によって第1の駆動部59による第1の振動膜49の振動方向と同一方向に第2の振動膜71を駆動させる第2の駆動部79を、第1の駆動部59を囲む領域に配置する。【選択図】 図1

Description

本発明はスピーカ装置に係り、例えば、使用者の耳に装着するイヤホンやヘッドホン等のイヤホン装置に用いて好適するスピーカ装置の改良に関する。
従来、この種のスピーカ装置、例えば使用者の耳に装着するイヤホン装置としては、図6に示すように、ケース本体1内に配置したカップ状ヨーク3内に円柱状マグネット5の一方の端面を固定し、マグネット5の他方の端面との間で間隔を置いて対面するように薄い振動膜7をヨーク3の先端に固定してヨーク3の開口部を覆い、振動膜7に固定した円筒状コイル9をマグネット3の外周に僅かな間隔を置いて挿入配置した構成が良く知られている。
図6において、ケース本体1は、ロート状の基部1aとこの先端(図中右側)を覆う前面カバー1bからなり、ヨーク3の開口部先端が前面カバー1b内に固定されている。
図6中の符号11は振動膜7の前面にあって前面カバー1bに貫通形成された複数の音通孔、符号13は外部へ導出されるケーブルであって基部1a内で結び目13aが形成されている。
このイヤホン装置では、振動膜7を振動させる駆動部15をマグネット5およびコイル9によって形成し、外部からケーブル13でコイル9に音声信号を印加することによって振動膜7を振動させて発音させ、発音された音が振動膜7の前面の音通孔11から外部へ伝搬される。
そして、この種のイヤホン装置は、例えば外耳道挿入型の構成にして実際に製品化される。
外耳道挿入型イヤホン装置としては、例えば図7に示すように、図6の構成を若干変更した構成を有し、使用者の耳珠17、対珠19、耳甲介21で囲まれた耳甲介腔23に、振動膜7を耳甲介21に近接させるようにしてケース本体1を挿入するとともに、耳甲介腔23から鼓膜(図示せず)へ延びる外耳道25に、ケース本体1から突設させた音通筒体27を挿入して使用する構成を有している。
実際の製品としては、振動膜7の中心軸に音通筒体27の中心軸を揃えた同軸型(図7参照)と、振動膜7の中心軸に音通筒体27の中心軸を斜めに設定した非同軸型(図8参照)とがある。図7および図8ではイヤホン装置を左耳に装着した状態を示している。
なお、図7および図8中の符号29は音通筒体27外周に嵌めた可撓性のイヤーチップ(イヤパット、イヤピース)であって外耳道25内壁に弾性的に当接される。
ところで、イヤホン装置の公知例としては特開2010−283643号公報(特許文献1)がある。
特開2010−283643号公報
しかしながら、上述した何れのイヤホン装置も、ケース本体1内に配置したヨーク3、マグネット5、振動膜7およびコイル9を一組とした構成であるが、この構成では、駆動音の更なる高品質化や出力アップに係るユーザ要望に応えるには構成上から限界があると考えられている。
そこで、本発明者は、更なる高品質化を追求して種々の構成を鋭意検討した結果、複数のスピーカを組み合わせることにより、駆動音の高品質化および出力増加が可能である点を見いだし、本発明を完成させた。
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、駆動音の高品質化および出力増大が可能なスピーカ装置の提供を目的とする。
そのような課題を解決するために本発明のスピーカ装置は、筒形の本体フレームと、この本体フレームに支持された第1の振動膜と、その第1の振動膜の一方の面側においてその本体フレーム内に配置され、印加される音声信号によってその第1の振動膜を駆動させる第1の駆動部と、この第1の振動膜の他方の面側において、その第1の振動膜と僅かな間隔を置くとともにその間を気密状態にして対面するように本体フレーム側に配置された第2の振動膜と、この第2の振動膜の第1の振動膜とは反対面側において、その第1の駆動部を囲む領域にその本体フレーム側に環状配置され、印加される音声信号によってその第1の駆動部による第1の振動膜の振動方向と同一方向にその第2の振動膜を駆動させる第2の駆動部と、を具備している。
本発明のスピーカ装置は、上記第1の駆動部が、その一方の面側にて第1の振動膜の中央領域と対面するようその本体フレーム内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨークと、この第1のヨーク内に配置されその第1の振動膜の中央領域と対面する第1のマグネットと、その第1の振動膜にその一方の面側で固定され第1のマグネットの外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイルとを有し、上記第2の駆動部が、その反対面側にあって第2の振動膜における中央領域を囲む環状の外側領域と対面するようその本体フレーム側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨークと、この第2のヨークのその第2の振動膜側に配置されその外側領域と対面するリング状の第2のマグネットと、その第2の振動膜に反対面側にて固定され第2のマグネットの内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイルとを有する構成にすると好ましい。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2のコイルが、互いに逆位相の同じ音声信号によってそれら第1および第2の振動膜を駆動させる構成が可能である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2のコイルが、同形状および同位置でそれら第1、第2の振動膜上に固定された構成も可能である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2の振動膜が、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置された構成も可能である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2のマグネットが、それら第1および第2の振動膜に面する側が互いに異極性に着磁されてなり、その第1のヨークは、その第1のコイルを間においてその第1のマグネットの第1の振動膜近傍先端まで延びる環状の突出壁を有し、その第2のヨークは、内周部からその第2のコイルを間においてその第2のマグネットの第2の振動膜近傍先端まで延びる環状の内壁を有してなる構成も可能である。
このような本発明のスピーカ装置では、本体フレームに支持された第1の振動膜が、この第1の振動膜の一方の面側に配置された第1の駆動部によって振動駆動されるとともに、その第1の振動膜の他方の面側に配置された第2の駆動部により、第1の駆動部と同一方向に駆動されるから、駆動音の高品質化および出力増大が可能である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1の駆動部が、その一方の面側にて第1の振動膜の中央領域と対面するようその本体フレーム内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨークと、この第1のヨーク内に配置されその第1の振動膜の中央領域と対面する第1のマグネットと、その第1の振動膜にその一方の面側で固定され第1のマグネットの外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイルとを有し、上記第2の駆動部が、その反対面側にあって第2の振動膜における中央領域を囲む環状の外側領域と対面するようその本体フレーム側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨークと、この第2のヨークのその第2の振動膜側に配置されその外側領域と対面するリング状の第2のマグネットと、その第2の振動膜に反対面側にて固定され第2のマグネットの内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイルとを有する構成にすれば、マグネット構成において、第1および第2のコイルによって2枚の第1および第2の振動膜を駆動させ、奇数次の歪みを軽減して駆動音の高品質化が可能となるうえ、出力増大も容易である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2のコイルが、互いに逆位相の同じ音声信号によってそれら第1および第2の振動膜を駆動させる構成にすると、それら第1および第2の振動膜への音声信号の印加構成が簡単である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2の振動膜並びに上記第1および第2のコイルが、同形状および同じに形成、固定された構成にすれば、第1および第2の駆動部による第1および第2の振動膜の駆動にばらつきが少なく、より高品位音質の確保が可能である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2の振動膜が、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置されてなる構成にすれば、第1および第2の振動膜の間の間隔を狭めることが容易で、全体形状の薄型化が容易である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2のマグネットが、その第1および第2の振動膜に面する側で互いに異極性に着磁され、その第1のヨークが、外周部から第1のコイルを間において第1のマグネットの第1の振動膜近傍先端まで延びる環状の外壁を有し、その第2のヨークが、内周部から第2のコイルを間において第2のマグネットの第1の振動膜近傍先端まで延びる環状の内壁を有する構成にすれば、第1および第2のマグネットからの漏洩磁束を減少させるとともに磁束密度を向上させ、より一層の駆動力増大と高品位音質化が容易である。
本発明に係るスピーカ装置の実施の形態を示す縦断面図である。 図1のスピーカ装置を示す要部分解斜視図である。 図1のスピーカ装置の動作を説明する波形図である。 本発明および従来のスピーカ装置が示す動作波形図である。 図1のスピーカ装置の動作を説明する概略図である。 従来のスピーカ装置を示す縦断面図である。 従来のスピーカ装置を使用例とともに示す縦断面図である。 従来のスピーカ装置を使用例とともに示す縦断面図である。
以下、本発明に係るスピーカ装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明に係るスピーカ装置の実施の一形態を示す縦断面図および要部分解斜視図である。なお、図2中の符号Aとa、符号Bとb、符号Cとc、符号Dとdは、それぞれ見る方向を異ならせた同一のものである。
図1および図2において、本体フレーム31は、絶縁磁性体材料からカップ状に成形加工されて第1のヨーク33となっており、その底部には凹部35を有している。符号37は、第1のヨーク33(本体フレーム31)の凹部35開口縁から後述する第1の振動膜49近傍まで突出する環状の突出壁である。
第1のヨーク33の凹部35内底中央部には、円柱状の第1のマグネット39の一端面が重ねられており、第1のマグネット39の他方の端面(先端面)が第1のヨーク33の突出壁37の先端近傍に位置している。
第1のマグネット39の他方の端面には、磁性体材料からなる円板状の抑え板41が重ねられている。
第1のヨーク33の凹部35外底部には、放射形状の第1の回路基板43が重ねられており、第1の回路基板43には図示しないケーブル(図6参照)によって電子機器(図示せず。)から音声信号が供給されている。
第1のヨーク33、第1のマグネット39、抑え板41および第1の回路基板43は、これらの中央空所を貫通する円筒状のハトメ45によって一体的かつ共軸的に固定されており、第1のヨーク33の突出壁37先端と抑え板41がほぼ同じ位置に位置し、第1のヨーク33の突出壁37先端が後述する抑え板69(第2のマグネット67)にも対面している。
第1のマグネット39は、第1のヨーク33の凹部35側が例えばS極に、後述する第1の振動膜49側がN極に着磁されており、抑え板41もN極になっている。
本体フレーム31の底部側外面にあって、凹部35外周には半リング板状の第2の回路基板47が重ねられて本体フレーム31に固定されており、第2の回路基板47には図示しないケーブル(図6参照)によって電子機器(図示せず。)から音声信号が供給される。
第1の振動膜49は、従来公知のフィルム材料から円板状になっており、中央部をドーム状に図中上方向に凸状に膨らませた中央領域51と、この中央領域51を囲む環状の外側領域53とを有し、外側領域53の外縁を保持リング55の片面側にこれを塞ぐように固定支持されている。
第1の振動膜49の外側領域53は、いわゆるコルゲーション(corrugation)エッジと称される放射状の細かい凹凸条が形成されており、中央領域51に比べて若干凹状に窪んだ状態になっている。
第1の振動膜49は、本体フレーム31の開放先端部に保持リング55が載置固定されることにより、本体フレーム31の開放先端を塞ぐように支持されている。
第1の振動膜49の一方の面側(図中下面側)において、中央領域51と外側領域53の環状の境目には、導線を円筒状に巻いて一体化した第1のコイル(ボイスコイル)57の一方の端面側が、中央領域51を囲むように固定されており、第1のコイル57が第1のマグネット39の外周に僅かな間隔を置いて挿入配置されている。
そのため、第1のコイル57を挟むようにして、第1のマグネット39(抑え板41)と第1のヨーク33の突出壁37が環状に対面している。
第1の振動膜49において第1のコイル57と同じ面上には、第1のコイル57からリード線(図示省略)が外縁まで延びて第1の回路基板43に接続されており、リード線を介した音声信号の第1のコイル57への印加によって第1の振動膜49が振動するようになっている。
すなわち、第1のヨーク33、第1のマグネット39および第1のコイル57によって、第1の振動膜49を振動駆動させる第1の駆動部59が第1の振動膜49の一方の面側に形成されており、いわゆる内磁型スピーカが構成されている。
第1の振動膜49の他方の面側(図中上面側)には、金属材料や合成樹脂材料からキャップ状に成形されたカバー61が、第1のヨーク33に被せられるようにその開放先端部の外周に嵌め込まれて一体化、固定され、カバー61および第1のヨーク33が本体フレーム31を形成している。すなわち、カバー61も本体フレーム31の一部を形成している。
カバー61にあって頂部は大径に貫通されており、その頂部内側には、磁性体材料からリング板状に形成された第2のヨーク63が固定されている。この第2のヨーク63の内周部は、筒形の内壁65となって後述する第2の振動膜71方向へ垂下している。
カバー61の頂部内側における第2のヨーク63内壁65の内側には、リング状の第2のマグネット67が重ねられ、この第2のマグネット67には磁性体材料からリング板状に形成された抑え板69が重ねられて一体化されている。
抑え板69、第2のマグネット67および第2のヨーク63は、図示しない接着剤によって一体的かつ共軸的に固定されており、第2のヨーク63の内壁65の先端と抑え板69の外周縁がほぼ同じ位置に位置し、第2のヨーク63の内壁65先端が抑え板41の外周縁に対面している。
カバー61の頂部内側、第2のマグネット67および抑え板69は、第1の振動膜49の中央領域51を囲む環状の外側領域53に対面している。
抑え板69と上述した第1の振動膜49の間には、保持リング55を間においてこれに支持された第2の振動膜71が僅かな間隔を置いて対面しており、第1および第2の振動膜45、71の間が気密状態になっている。
第2の振動膜71は、第1の振動膜49と同様の材料から同様な形状を有し、中央部をドーム状に図中上方向に凸状に膨らませた中央領域73と、この中央領域73を囲む環状の外側領域75とを有し、外側領域73の外縁を保持リング55にこれを塞ぐように固定支持されている。
すなわち、第1および第2の振動膜45、71は、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置されている。
第2の振動膜71にあって第1の駆動部59とは反対面側において、中央領域73と外側領域53の環状の境目には、第1のコイル57と同形状に導線を筒状に巻いてなる第2のコイル(ボイスコイル)77の一方の端面側が、中央領域73を囲むように固定されている。
第2のコイル77は、第2のマグネット67の外周に僅かな間隔を置くとともに、第2のヨーク63の内壁65との間でも僅かな間隔を置いて挿入配置されている。
そのため、第2のコイル77を挟むようにして、第2のマグネット67(抑え板69)と第2のヨーク63の内壁65が環状に対面しており、第1および第2のコイル57、77は、同形状および同位置で第1および第2の振動膜49、71の互いの片面に背面状態で形成されている。
第2の振動膜71で第2のコイル77と同じ面上には、第2のコイル77からリード線(図1では図示省略)71aが外縁まで延びて第2の回路基板47に接続されており、これを介した音声信号の第2のコイル77への印加によって第2の振動膜71が振動するようになっている。
第2のマグネット67は、第1のマグネット39と略同程度の着磁力に着磁されており、第2のマグネット67は、第2の振動膜71側の端部が例えばS極に、第2のヨーク63側がN極に着磁されており、抑え板69もS極になる。
しかも、第2のコイル77に印加される音声信号は、第1のコイル57に印加される音声信号と同じであるが、逆位相で印加されるように接続供給されており、印加される音声信号によって第1のコイル57による第1の振動膜49の振動方向と同一方向に、第2の振動膜71が第2のコイル77によっても振動するようになっている。
すなわち、第2のマグネット67、第2のコイル77および第2のヨーク63により、第2の振動膜71を振動駆動させる第2の駆動部79が形成されており、いわゆる外磁型スピーカが構成されている。
上述した第1および第2のマグネット39、67は、全体が組み立てられた後、例えば、図示しない着磁装置で第1および第2のマグネット39、67を挟んで一度に着磁される。
このような構成のスピーカ装置は、例えば上述した図6および図7に示すように、第1のヨーク33側をケース本体1の基部1a側に配置し、第2のヨーク63を前面カバー1b側に配置し、本体フレーム31をケース本体1(基部1aおよび前面カバー1b)内壁に支持固定させ、例えばイヤホン装置として製品化される。
また、このようなスピーカ装置では、第1および第2のコイル57、77へ音声信号を印加することにより、第1および第2の駆動部59、79が第1および第2の振動膜49、71を同じ方向へ振動発音させ、振動音が外部へ伝搬される。
そして、本発明に係るスピーカ装置は、上述した図7に示したように、耳珠17、対珠19、耳甲介21で囲まれた耳甲介腔23にケース本体31を収納するとともに、先端のイヤーチップを外耳道に挿入して装着使用される。
しかも、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71を挟んで上下で内磁型スピーカ構成および外磁型スピーカ構成となってプッシュプル構成となっており、第1および第2のコイル57、77が、逆位相で同じ音声信号が各々印加されるように接続されているから、第1および第2のコイル57、77によって第1および第2の振動膜49、71が同じ方向に振動変位を発生させ、大きな振動音を生じさせる。
この点、従来構成のようにスピーカ単体では、スピーカ構造と第1の振動膜の形状からして、入力信号が大きい場合、第1の振動膜の動作は上(凸)方向と下(凹)方向で対称の振動とはならず、図3A又はBに示すように、一般的に振動の片側から歪が発生し出し易く、第1の振動膜の振動が対称になり難い。
しかし、本発明では、上述したように逆向きに対向された第1および第2の振動膜49、71が同時、かつ同じ方向へ同じ振動幅で振動することにより、互いにその歪が補完され、図3Cの合成波形に示すように、第1および第2の振動膜49、71の振動が対称になり易くて歪みが少なく、波形も大きくなる。
図4は、本発明および従来のスピーカ装置が示す動作波形図である。
図4において、同図Aはスピーカ装置のスピーカの動作反応の早さを見るためのトーンバースト信号(550Hz)の入力信号であり、同図Bはその入力信号によって本発明のスピーカ装置が駆動されたときの入力信号に対する出力信号波形(第1および第2の振動膜49、71からの振動波形)であり、同図Cはその入力信号によって従来のスピーカ装置が駆動されたときの出力信号波形である。
なお、図4中の横軸は時間軸、縦軸は波形の方向と大きさを現しており、同図は波形形状を比較するために別々に測定したものであって互いの時間軸では一致していない。
これによれば、本発明のスピーカ装置は、無信号時の安定性が良好であるうえ、信号の山の部分の乱れが少なく、特性の良好なことが分かる。
さらに、本発明のようなスピーカ装置は、第1および第2のマグネット39、67の対面する先端側が異極性例えばS極とN極に着磁されているから、互いに近い対面位置関係にある突出壁37先端と第2のマグネット67(抑え板69)どうし、および内壁65先端と第1のマグネット39(抑え板41)どうしが同極となり、磁極の反発が発生し易い。
そのため、図5Aに示すように、第1又は第2のマグネット39、67の先端側とこれに隣接する第1のヨーク33(又は第2のヨーク63)の突出壁37(又は内壁65)との間に発生する磁束が、対面する内壁65又は突出壁37のS極、N極の影響を受けて広がり難い。
それにより、第1のマグネット39と第1のヨーク33の突出壁37間、および第2のマグネット67と第2のヨーク63の内壁65間における漏れ磁束の発生を抑えることが容易であるうえ、磁束密度が上昇するから、第1および第2の振動膜49、71の駆動損失の軽減が可能である。
この点、従来構成のようにスピーカ単体では、図5Bに示すように、例えば第1のマグネット39の先端側と第1のヨーク33の突出壁37との間に磁束がある程度広がって形成され、漏れ磁束が発生し、損失を無視し難い。
なお、図5では、第1および第2のコイル57、77および第1および第2の振動膜49、71の図示は省略した。
このように、本発明のスピーカ装置では、筒形の本体フレーム31と、この本体フレームに支持された第1の振動膜49と、この第1の振動膜49の一方の面側においてその本体フレーム31内に配置され、印加される音声信号によってその第1の振動膜49を駆動させる第1の駆動部59と、その第1の振動膜49の他方の面側において、その第1の振動膜49と僅かな間隔を置くとともにその間を気密状態にして対面するように本体フレーム31側に配置された第2の振動膜71と、この第2の振動膜71の第1の振動膜49とは反対面側において、その第1の駆動部59を囲む領域にその本体フレーム31側に環状配置され、印加される音声信号によってその第1の駆動部59による第1の振動膜49の振動方向と同一方向にその第2の振動膜71を駆動させる第2の駆動部79と、を具備している。
しかも、上記第1の駆動部59が、その一方の面側にて第1の振動膜49の中央領域51と対面するようその本体フレーム31内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨーク33と、この第1のヨーク33内に配置されその第1の振動膜49の中央領域51と対面する第1のマグネット39と、その第1の振動膜49にその一方の面側で固定され第1のマグネット39の外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイル57とを有し、上記第2の駆動部79が、その反対面側にあって第2の振動膜71における中央領域73を囲む環状の外側領域75と対面するようその本体フレーム31(カバー61)側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨーク63と、この第2のヨーク63のその第2の振動膜71側に配置されその外側領域75と対面するリング状の第2のマグネット67と、その第2の振動膜71に反対面側にて固定され第2のマグネット67の内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイル77とを有する構成になっている。
そのため、第1および第2の駆動部59、79によってそれら第1および第2の振動膜49、71を同方向へ駆動させるから、それら第1および第2の振動膜49、71が大きく変位振動して出力増大が可能であるし、駆動音の高品質化が可能となる。
すなわち、2個の第1および第2のコイル57、77によって2枚のそれら第1および第2の振動膜49、71を駆動させ、音質に悪影響があるとされる奇数次の歪を低減させ、上方向および下方向でほぼ対称の振動を得ること容易であるから、応答性および歯切れの良い駆動音が得られ、駆動音の増大を維持しつつ駆動音の高品質化が可能である。
そして、第1および第2の駆動部59、79の第1および第2のコイル57、77は、互いに逆位相の同じ音声信号によってそれら第1および第2の振動膜49、71を駆動させるから、音声信号の接続供給だけで実施可能であり、第1および第2のコイル57、77への音声信号の接続供給構成が簡単である。
しかも、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71の開口面積が大きいから、主に高域のレスポンスの改善が可能であるうえ、2枚の第1および第2の振動膜49、71を使用するから、音質調整も容易である。
また、第1および第2の振動膜49、71ともに形状が同じで、同一方向へ凹凸配置されているので、第1および第2の振動膜49、71間の間隔を狭くすることが可能で、双方の第1および第2の駆動部59、79間距離も近付くため、上述したように磁気回路のギャップにはより高い磁束密度が得られる利点がある。
さらに、本発明のスピーカ装置では、第1および第2のマグネット39、67は、それら第1および第2の振動膜49、71に面する側が互いに異極性で着磁されてなり、第1のヨーク33は、第1のコイル57を間において第1のマグネット39の第1の振動膜49近傍先端まで延びる環状の突出壁37を有し、その第2のヨーク63は、内周部から第2のコイル77を間において第2のマグネット67の第2の振動膜71近傍先端まで延びる環状の内壁65を有してなるから、漏洩磁束を減少させるとともに磁束密度を向上させ、駆動力を増大することが可能で、高品位音質の確保が容易であるうえ、着磁構成や着磁作業も簡単である。
さらにまた、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71の支持構成も上述した構成に限定されないし、第1および第2の駆動部59、79も上述した構成に限定されず、 印加される同じ音声信号によって第1および第2の駆動部59、79が第1および第2の振動膜49、71を同一方向に振動駆動させる構成であればよい。
そして、第2の駆動部79の形成位置は、第2の振動膜71にあって第1の振動膜49とは反対面側において、第1の駆動部59を囲む領域、すなわち、第1の駆動部59の形成領域を外した領域に環状配置すればよい。
しかも、上記第2の駆動部79は、カバー61に配置する構成以外に、本体フレーム31に直接的又は間接的に配置される構成が可能であり、本体フレーム31側に配置されていればよい。
ところで、本発明に係るスピーカ装置は、イヤホン装置に応用する場合、上述した従来構成に示すように、第1および第2の振動膜49、71の中心軸に音通筒体27の中心軸を揃えた同軸型(図7参照)と、第1および第2の振動膜49、71の中心軸に音通筒体27の中心軸を斜めに設定した非同軸型(図8参照)において実施可能である。
そしてまた、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71間を気密構成とすることにより、外気の気圧変化に起因して第1および第2の振動膜49、71に変形が生じる心配があるかもしれない。
これに対応するために、第1および第2の振動膜49、71には、良好な振動周波数特性に影響しない程度の小孔(図示せず。)を形成するとよいであろう。例えば、内径500ミクロン以下の小孔、更に好ましくは内径50ミクロン以内(50〜500ミクロン)であれば、高音域に若干の変化があるものの、周波数特性にあまり影響し難い。
このように、第1および第2の振動膜49、71に、振動周波数特性に影響しない程度の小孔を貫通形成することにより、高音域に若干の変化をもたらす。
そのため、気圧変化による第1および第2の振動膜49、71の変形防止と、高音域の周波数特性とをコントロールさせたい場合、例えば第1の振動膜49に低音を受け持たせ、第2の振動膜71に高音を受け持たせる、という2つの目的のために、第1および第2の振動膜49、71の片方又は双方に、同一又は異なる内径50〜500ミクロン程度の小孔を設けることも可能である。
要は、それら第1および第2の振動膜49、71の少なくとも一方に、周波数特性に大きな影響を与え難い小孔を形成すれば、周波数特性に大きな影響を与えない範囲で周波数特性の微調整が可能である。
このように、本発明の装置において、第1および第2の振動膜49、71間の気密状態は、完全又は厳格な気密、密封状態ではなく、振動周波数特性に影響しない程度の状態であればよく、それら第1および第2の振動膜49、71が一体的に振動可能であれば、例えば上述した小孔や僅かな隙間を形成することが可能である。
本発明に係るスピーカ装置は、イヤホン装置に限らず、大型又は小型のヘッドホン又はハイファイスピーカ構成等に広く応用可能である。
1 ケース本体
1a 基部
1b 前面カバー
3 ヨーク
5 マグネット
7 振動膜
9 円筒状コイル
11 音通孔
13 ケーブル
15 駆動部
17 耳珠
19 対珠
21 耳甲介
23 耳甲介腔
25 外耳道
27 音通筒体
29 イヤーチップ(イヤパット、イヤピース)
31 本体フレーム
33 第1のヨーク
35 凹部
37 突出壁
39 第1のマグネット
41、69 抑え板
43 第1の回路基板
45 ハトメ
47 第2の回路基板
49 第1の振動膜
51、73 中央領域
53、75 外側領域
55 保持リング
57 第1のコイル(ボイスコイル)
77a リード線
59 第1の駆動部
61 カバー
63 第2のヨーク
65 内壁
67 第2のマグネット
71 第2の振動膜
77 第2のコイル(ボイスコイル)
79 第2の駆動部
本発明はスピーカ装置に係り、例えば、使用者の耳に装着するイヤホンやヘッドホン等のイヤホン装置に用いて好適するスピーカ装置の改良に関する。
従来、この種のスピーカ装置、例えば使用者の耳に装着するイヤホン装置としては、図6に示すように、ケース本体1内に配置したカップ状ヨーク3内に円柱状マグネット5の一方の端面を固定し、マグネット5の他方の端面との間で間隔を置いて対面するように薄い振動膜7をヨーク3の先端に固定してヨーク3の開口部を覆い、振動膜7に固定した円筒状コイル9をマグネット3の外周に僅かな間隔を置いて挿入配置した構成が良く知られている。
図6において、ケース本体1は、ロート状の基部1aとこの先端(図中右側)を覆う前面カバー1bからなり、ヨーク3の開口部先端が前面カバー1b内に固定されている。
図6中の符号11は振動膜7の前面にあって前面カバー1bに貫通形成された複数の音通孔、符号13は外部へ導出されるケーブルであって基部1a内で結び目13aが形成されている。
このイヤホン装置では、振動膜7を振動させる駆動部15をマグネット5およびコイル9によって形成し、外部からケーブル13でコイル9に音声信号を印加することによって振動膜7を振動させて発音させ、発音された音が振動膜7の前面の音通孔11から外部へ伝搬される。
そして、この種のイヤホン装置は、例えば外耳道挿入型の構成にして実際に製品化される。
外耳道挿入型イヤホン装置としては、例えば図7に示すように、図6の構成を若干変更した構成を有し、使用者の耳珠17、対珠19、耳甲介21で囲まれた耳甲介腔23に、振動膜7を耳甲介21に近接させるようにしてケース本体1を挿入するとともに、耳甲介腔23から鼓膜(図示せず)へ延びる外耳道25に、ケース本体1から突設させた音通筒体27を挿入して使用する構成を有している。
実際の製品としては、振動膜7の中心軸に音通筒体27の中心軸を揃えた同軸型(図7参照)と、振動膜7の中心軸に音通筒体27の中心軸を斜めに設定した非同軸型(図8参照)とがある。図7および図8ではイヤホン装置を左耳に装着した状態を示している。
なお、図7および図8中の符号29は音通筒体27外周に嵌めた可撓性のイヤーチップ(イヤパット、イヤピース)であって外耳道25内壁に弾性的に当接される。
ところで、イヤホン装置の公知例としては特開2010−283643号公報(特許文献1)がある。
特開2010−283643号公報
しかしながら、上述した何れのイヤホン装置も、ケース本体1内に配置したヨーク3、マグネット5、振動膜7およびコイル9を一組とした構成であるが、この構成では、駆動音の更なる高品質化や出力アップに係るユーザ要望に応えるには構成上から限界があると考えられている。
そこで、本発明者は、更なる高品質化を追求して種々の構成を鋭意検討した結果、複数のスピーカを組み合わせることにより、駆動音の高品質化および出力増加が可能である点を見いだし、本発明を完成させた。
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、駆動音の高品質化および出力増大が可能なスピーカ装置の提供を目的とする。
そのような課題を解決するために本発明のスピーカ装置は、筒形の本体フレームと、この本体フレームに支持された第1の振動膜と、その第1の振動膜の一方の面側においてその本体フレーム内に配置され、印加される音声信号によってその第1の振動膜を駆動させる第1の駆動部と、この第1の振動膜の他方の面側において、その第1の振動膜と僅かな間隔を置くとともにその間を気密状態にして対面するように本体フレームに配置された第2の振動膜と、この第2の振動膜の第1の振動膜とは反対面側において、その第1の駆動部を囲む外側領域にあってその本体フレームに環状配置され、印加される音声信号によってその第1の駆動部による第1の振動膜の振動方向と同一方向にその第2の振動膜を駆動させる第2の駆動部と、を具備している。
本発明のスピーカ装置は、上記第1の駆動部が、その一方の面側にて第1の振動膜の中央領域と対面するようその本体フレーム内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨークと、この第1のヨーク内に配置されその第1の振動膜の中央領域と対面する第1のマグネットと、その第1の振動膜にその一方の面側で固定され第1のマグネットの外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイルとを有し、上記第2の駆動部が、その反対面側にあって第2の振動膜における中央領域を囲む環状の外側領域と対面するようその本体フレーム側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨークと、この第2のヨークのその第2の振動膜側に配置されその外側領域と対面するリング状の第2のマグネットと、その第2の振動膜に反対面側にて固定され第2のマグネットの内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイルとを有する構成である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2のコイルが、互いに逆位相の同じ音声信号によってそれら第1および第2の振動膜を駆動させる構成が可能である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2のコイルが、同形状および同位置でそれら第1、第2の振動膜上に固定された構成も可能である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2の振動膜が、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置された構成も可能である。
本発明のスピーカ装置は、上記第1および第2のマグネットが、それら第1および第2の振動膜に面する側が互いに異極性に着磁されてなり、その第1のヨークは、その第1のコイルを間においてその第1のマグネットの第1の振動膜の先端近傍まで延びる環状の突出壁を有し、その第2のヨークは、内周部からその第2のコイルを間においてその第2のマグネットの第2の振動膜の先端近傍まで延びる環状の内壁を有してなる構成も可能である。
このような本発明のスピーカ装置では、本体フレームに支持された第1の振動膜が、この第1の振動膜の一方の面側に配置された第1の駆動部によって振動駆動されるとともに、その第1の振動膜の他方の面側に配置された第2の駆動部により、第1の駆動部と同一方向に駆動されるから、駆動音の高品質化および出力増大が可能である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1の駆動部が、その一方の面側にて第1の振動膜の中央領域と対面するようその本体フレーム内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨークと、この第1のヨーク内に配置されその第1の振動膜の中央領域と対面する第1のマグネットと、その第1の振動膜にその一方の面側で固定され第1のマグネットの外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイルとを有し、上記第2の駆動部が、その反対面側にあって第2の振動膜における中央領域を囲む環状の外側領域と対面するようその本体フレーム側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨークと、この第2のヨークのその第2の振動膜側に配置されその外側領域と対面するリング状の第2のマグネットと、その第2の振動膜に反対面側にて固定され第2のマグネットの内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイルとを有するので、マグネット構成において、第1および第2のコイルによって2枚の第1および第2の振動膜を駆動させ、奇数次の歪みを軽減して駆動音の高品質化が可能となるうえ、出力増大も容易である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2のコイルが、互いに逆位相の同じ音声信号によってそれら第1および第2の振動膜を駆動させる構成にすると、それら第1および第2の振動膜への音声信号の印加構成が簡単である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2の振動膜並びに上記第1および第2のコイルが、同形状および同じに形成、固定された構成にすれば、第1および第2の駆動部による第1および第2の振動膜の駆動にばらつきが少なく、より高品位音質の確保が可能である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2の振動膜が、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置されてなる構成にすれば、第1および第2の振動膜の間の間隔を狭めることが容易で、全体形状の薄型化が容易である。
本発明のスピーカ装置では、上記第1および第2のマグネットが、その第1および第2の振動膜に面する側で互いに異極性に着磁され、その第1のヨークが、外周部から第1のコイルを間において第1のマグネットの第1の振動膜近傍先端まで延びる環状の外壁を有し、その第2のヨークが、内周部から第2のコイルを間において第2のマグネットの第1の振動膜近傍先端まで延びる環状の内壁を有する構成にすれば、第1および第2のマグネットからの漏洩磁束を減少させるとともに磁束密度を向上させ、より一層の駆動力増大と高品位音質化が容易である。
本発明に係るスピーカ装置の実施の形態を示す縦断面図である。 図1のスピーカ装置を示す要部分解斜視図である。 図1のスピーカ装置の動作を説明する波形図である。 本発明および従来のスピーカ装置が示す動作波形図である。 図1のスピーカ装置の動作を説明する概略図である。 従来のスピーカ装置を示す縦断面図である。 従来のスピーカ装置を使用例とともに示す縦断面図である。 従来のスピーカ装置を使用例とともに示す縦断面図である。
以下、本発明に係るスピーカ装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明に係るスピーカ装置の実施の一形態を示す縦断面図および要部分解斜視図である。なお、図2中の符号Aとa、符号Bとb、符号Cとc、符号Dとdは、それぞれ見る方向を異ならせた同一のものである。
図1および図2において、本体フレーム31は、絶縁磁性体材料からカップ状に成形加工されて第1のヨーク33となっており、その底部には凹部35を有している。符号37は、第1のヨーク33(本体フレーム31)の凹部35開口縁から後述する第1の振動膜49近傍まで突出する環状の突出壁である。
第1のヨーク33の凹部35内底中央部には、円柱状の第1のマグネット39の一端面が重ねられており、第1のマグネット39の他方の端面(先端面)が第1のヨーク33の突出壁37の先端近傍に位置している。
第1のマグネット39の他方の端面には、磁性体材料からなる円板状の抑え板41が重ねられている。
第1のヨーク33の凹部35外底部には、放射形状の第1の回路基板43が重ねられており、第1の回路基板43には図示しないケーブル(図6参照)によって電子機器(図示せず。)から音声信号が供給されている。
第1のヨーク33、第1のマグネット39、抑え板41および第1の回路基板43は、これらの中央空所を貫通する円筒状のハトメ45によって一体的かつ共軸的に固定されており、第1のヨーク33の突出壁37先端と抑え板41がほぼ同じ位置に位置し、第1のヨーク33の突出壁37先端が後述する抑え板69(第2のマグネット67)にも対面している。
第1のマグネット39は、第1のヨーク33の凹部35側が例えばS極に、後述する第1の振動膜49側がN極に着磁されており、抑え板41もN極になっている。
本体フレーム31の底部側外面にあって、凹部35外周には半リング板状の第2の回路基板47が重ねられて本体フレーム31に固定されており、第2の回路基板47には図示しないケーブル(図6参照)によって電子機器(図示せず。)から音声信号が供給される。
第1の振動膜49は、従来公知のフィルム材料から円板状になっており、中央部をドーム状に図中上方向に凸状に膨らませた中央領域51と、この中央領域51を囲む環状の外側領域53とを有し、外側領域53の外縁を保持リング55の片面側にこれを塞ぐように固定支持されている。
第1の振動膜49の外側領域53は、いわゆるコルゲーション(corrugation)エッジと称される放射状の細かい凹凸条が形成されており、中央領域51に比べて若干凹状に窪んだ状態になっている。
第1の振動膜49は、本体フレーム31の開放先端部に保持リング55が載置固定されることにより、本体フレーム31の開放先端を塞ぐように支持されている。
第1の振動膜49の一方の面側(図中下面側)において、中央領域51と外側領域53の環状の境目には、導線を円筒状に巻いて一体化した第1のコイル(ボイスコイル)57の一方の端面側が、中央領域51を囲むように固定されており、第1のコイル57が第1のマグネット39の外周に僅かな間隔を置いて挿入配置されている。
そのため、第1のコイル57を挟むようにして、第1のマグネット39(抑え板41)と第1のヨーク33の突出壁37が環状に対面している。
第1の振動膜49において第1のコイル57と同じ面上には、第1のコイル57からリード線(図示省略)が外縁まで延びて第1の回路基板43に接続されており、リード線を介した音声信号の第1のコイル57への印加によって第1の振動膜49が振動するようになっている。
すなわち、第1のヨーク33、第1のマグネット39および第1のコイル57によって、第1の振動膜49を振動駆動させる第1の駆動部59が第1の振動膜49の一方の面側に形成されており、いわゆる内磁型スピーカが構成されている。
第1の振動膜49の他方の面側(図中上面側)には、金属材料や合成樹脂材料からキャップ状に成形されたカバー61が、第1のヨーク33に被せられるようにその開放先端部の外周に嵌め込まれて一体化、固定され、カバー61および第1のヨーク33が本体フレーム31を形成している。すなわち、カバー61も本体フレーム31の一部を形成している。
カバー61にあって頂部は大径に貫通されており、その頂部内側には、磁性体材料からリング板状に形成された第2のヨーク63が固定されている。この第2のヨーク63の内周部は、筒形の内壁65となって後述する第2の振動膜71方向へ垂下している。
カバー61の頂部内側における第2のヨーク63内壁65の側には、リング状の第2のマグネット67が重ねられ、この第2のマグネット67には磁性体材料からリング板状に形成された抑え板69が重ねられて一体化されている。
抑え板69、第2のマグネット67および第2のヨーク63は、図示しない接着剤によって一体的かつ共軸的に固定されており、第2のヨーク63の内壁65の先端と抑え板69の外周縁がほぼ同じ位置に位置し、第2のヨーク63の内壁65先端が抑え板41の外周縁に対面している。
カバー61の頂部内側、第2のマグネット67および抑え板69は、第1の振動膜49の中央領域51を囲む環状の外側領域53に対面している。
抑え板69と上述した第1の振動膜49の間には、保持リング55を間においてこれに支持された第2の振動膜71が僅かな間隔を置いて対面しており、第1および第2の振動膜45、71の間が気密状態になっている。
第2の振動膜71は、第1の振動膜49と同様の材料から同様な形状を有し、中央部をドーム状に図中上方向に凸状に膨らませた中央領域73と、この中央領域73を囲む環状の外側領域75とを有し、外側領域73の外縁を保持リング55にこれを塞ぐように固定支持されている。
すなわち、第1および第2の振動膜45、71は、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置されている。
第2の振動膜71にあって第1の駆動部59とは反対面側において、中央領域73と外側領域53の環状の境目には、第1のコイル57と同形状に導線を筒状に巻いてなる第2のコイル(ボイスコイル)77の一方の端面側が、中央領域73を囲むように固定されている。
第2のコイル77は、第2のマグネット67の外周に僅かな間隔を置くとともに、第2のヨーク63の内壁65との間でも僅かな間隔を置いて挿入配置されている。
そのため、第2のコイル77を挟むようにして、第2のマグネット67(抑え板69)と第2のヨーク63の内壁65が環状に対面しており、第1および第2のコイル57、77は、同形状および同位置で第1および第2の振動膜49、71の互いの片面に背面状態で形成されている。
第2の振動膜71で第2のコイル77と同じ面上には、第2のコイル77からリード線(図1では図示省略)71aが外縁まで延びて第2の回路基板47に接続されており、これを介した音声信号の第2のコイル77への印加によって第2の振動膜71が振動するようになっている。
第2のマグネット67は、第1のマグネット39と略同程度の着磁力に着磁されており、第2のマグネット67は、第2の振動膜71側の端部が例えばS極に、第2のヨーク63側がN極に着磁されており、抑え板69もS極になる。
しかも、第2のコイル77に印加される音声信号は、第1のコイル57に印加される音声信号と同じであるが、逆位相で印加されるように接続供給されており、印加される音声信号によって第1のコイル57による第1の振動膜49の振動方向と同一方向に、第2の振動膜71が第2のコイル77によっても振動するようになっている。
すなわち、第2のマグネット67、第2のコイル77および第2のヨーク63により、第2の振動膜71を振動駆動させる第2の駆動部79が形成されており、いわゆる外磁型スピーカが構成されている。
上述した第1および第2のマグネット39、67は、全体が組み立てられた後、例えば、図示しない着磁装置で第1および第2のマグネット39、67を挟んで一度に着磁される。
このような構成のスピーカ装置は、例えば上述した図6および図7に示すように、第1のヨーク33側をケース本体1の基部1a側に配置し、第2のヨーク63を前面カバー1b側に配置し、本体フレーム31をケース本体1(基部1aおよび前面カバー1b)内壁に支持固定させ、例えばイヤホン装置として製品化される。
また、このようなスピーカ装置では、第1および第2のコイル57、77へ音声信号を印加することにより、第1および第2の駆動部59、79が第1および第2の振動膜49、71を同じ方向へ振動発音させ、振動音が外部へ伝搬される。
そして、本発明に係るスピーカ装置は、上述した図7に示したように、耳珠17、対珠19、耳甲介21で囲まれた耳甲介腔23にケース本体31を収納するとともに、先端のイヤーチップを外耳道に挿入して装着使用される。
しかも、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71を挟んで上下で内磁型スピーカ構成および外磁型スピーカ構成となってプッシュプル構成となっており、第1および第2のコイル57、77が、逆位相で同じ音声信号が各々印加されるように接続されているから、第1および第2のコイル57、77によって第1および第2の振動膜49、71が同じ方向に振動変位を発生させ、大きな振動音を生じさせる。
この点、従来構成のようにスピーカ単体では、スピーカ構造と第1の振動膜の形状からして、入力信号が大きい場合、第1の振動膜の動作は上(凸)方向と下(凹)方向で対称の振動とはならず、図3A又はBに示すように、一般的に振動の片側から歪が発生し出し易く、第1の振動膜の振動が対称になり難い。
しかし、本発明では、上述したように逆向きに対向された第1および第2の振動膜49、71が同時、かつ同じ方向へ同じ振動幅で振動することにより、互いにその歪が補完され、図3Cの合成波形に示すように、第1および第2の振動膜49、71の振動が対称になり易くて歪みが少なく、波形も大きくなる。
図4は、本発明および従来のスピーカ装置が示す動作波形図である。
図4において、同図Aはスピーカ装置のスピーカの動作反応の早さを見るためのトーンバースト信号(550Hz)の入力信号であり、同図Bはその入力信号によって本発明のスピーカ装置が駆動されたときの入力信号に対する出力信号波形(第1および第2の振動膜49、71からの振動波形)であり、同図Cはその入力信号によって従来のスピーカ装置が駆動されたときの出力信号波形である。
なお、図4中の横軸は時間軸、縦軸は波形の方向と大きさを現しており、同図は波形形状を比較するために別々に測定したものであって互いの時間軸では一致していない。
これによれば、本発明のスピーカ装置は、無信号時の安定性が良好であるうえ、信号の山の部分の乱れが少なく、特性の良好なことが分かる。
さらに、本発明のようなスピーカ装置は、第1および第2のマグネット39、67の対面する先端側が異極性例えばS極とN極に着磁されているから、互いに近い対面位置関係にある突出壁37先端と第2のマグネット67(抑え板69)どうし、および内壁65先端と第1のマグネット39(抑え板41)どうしが同極となり、磁極の反発が発生し易い。
そのため、図5Aに示すように、第1又は第2のマグネット39、67の先端側とこれに隣接する第1のヨーク33(又は第2のヨーク63)の突出壁37(又は内壁65)との間に発生する磁束が、対面する内壁65又は突出壁37のS極、N極の影響を受けて広がり難い。
それにより、第1のマグネット39と第1のヨーク33の突出壁37間、および第2のマグネット67と第2のヨーク63の内壁65間における漏れ磁束の発生を抑えることが容易であるうえ、磁束密度が上昇するから、第1および第2の振動膜49、71の駆動損失の軽減が可能である。
この点、従来構成のようにスピーカ単体では、図5Bに示すように、例えば第1のマグネット39の先端側と第1のヨーク33の突出壁37との間に磁束がある程度広がって形成され、漏れ磁束が発生し、損失を無視し難い。
なお、図5では、第1および第2のコイル57、77および第1および第2の振動膜49、71の図示は省略した。
このように、本発明のスピーカ装置では、筒形の本体フレーム31と、この本体フレームに支持された第1の振動膜49と、この第1の振動膜49の一方の面側においてその本体フレーム31内に配置され、印加される音声信号によってその第1の振動膜49を駆動させる第1の駆動部59と、その第1の振動膜49の他方の面側において、その第1の振動膜49と僅かな間隔を置くとともにその間を気密状態にして対面するように本体フレーム31側に配置された第2の振動膜71と、この第2の振動膜71の第1の振動膜49とは反対面側において、その第1の駆動部59を囲む領域にその本体フレーム31側に環状配置され、印加される音声信号によってその第1の駆動部59による第1の振動膜49の振動方向と同一方向にその第2の振動膜71を駆動させる第2の駆動部79と、を具備している。
しかも、上記第1の駆動部59が、その一方の面側にて第1の振動膜49の中央領域51と対面するようその本体フレーム31内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨーク33と、この第1のヨーク33内に配置されその第1の振動膜49の中央領域51と対面する第1のマグネット39と、その第1の振動膜49にその一方の面側で固定され第1のマグネット39の外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイル57とを有し、上記第2の駆動部79が、その反対面側にあって第2の振動膜71における中央領域73を囲む環状の外側領域75と対面するようその本体フレーム31(カバー61)側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨーク63と、この第2のヨーク63のその第2の振動膜71側に配置されその外側領域75と対面するリング状の第2のマグネット67と、その第2の振動膜71に反対面側にて固定され第2のマグネット67の内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイル77とを有する構成になっている。
そのため、第1および第2の駆動部59、79によってそれら第1および第2の振動膜49、71を同方向へ駆動させるから、それら第1および第2の振動膜49、71が大きく変位振動して出力増大が可能であるし、駆動音の高品質化が可能となる。
すなわち、2個の第1および第2のコイル57、77によって2枚のそれら第1および第2の振動膜49、71を駆動させ、音質に悪影響があるとされる奇数次の歪を低減させ、上方向および下方向でほぼ対称の振動を得ること容易であるから、応答性および歯切れの良い駆動音が得られ、駆動音の増大を維持しつつ駆動音の高品質化が可能である。
そして、第1および第2の駆動部59、79の第1および第2のコイル57、77は、互いに逆位相の同じ音声信号によってそれら第1および第2の振動膜49、71を駆動させるから、音声信号の接続供給だけで実施可能であり、第1および第2のコイル57、77への音声信号の接続供給構成が簡単である。
しかも、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71の開口面積が大きいから、主に高域のレスポンスの改善が可能であるうえ、2枚の第1および第2の振動膜49、71を使用するから、音質調整も容易である。
また、第1および第2の振動膜49、71ともに形状が同じで、同一方向へ凹凸配置されているので、第1および第2の振動膜49、71間の間隔を狭くすることが可能で、双方の第1および第2の駆動部59、79間距離も近付くため、上述したように磁気回路のギャップにはより高い磁束密度が得られる利点がある。
さらに、本発明のスピーカ装置では、第1および第2のマグネット39、67は、それら第1および第2の振動膜49、71に面する側が互いに異極性で着磁されてなり、第1のヨーク33は、第1のコイル57を間において第1のマグネット39の第1の振動膜49近傍先端まで延びる環状の突出壁37を有し、その第2のヨーク63は、内周部から第2のコイル77を間において第2のマグネット67の第2の振動膜71近傍先端まで延びる環状の内壁65を有してなるから、漏洩磁束を減少させるとともに磁束密度を向上させ、駆動力を増大することが可能で、高品位音質の確保が容易であるうえ、着磁構成や着磁作業も簡単である。
さらにまた、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71の支持構成も上述した構成に限定されないし、第1および第2の駆動部59、79も上述した構成に限定されず、 印加される同じ音声信号によって第1および第2の駆動部59、79が第1および第2の振動膜49、71を同一方向に振動駆動させる構成であればよい。
そして、第2の駆動部79の形成位置は、第2の振動膜71にあって第1の振動膜49とは反対面側において、第1の駆動部59を囲む領域、すなわち、第1の駆動部59の形成領域を外した領域に環状配置すればよい。
しかも、上記第2の駆動部79は、カバー61に配置する構成以外に、本体フレーム31に直接的又は間接的に配置される構成が可能であり、本体フレーム31側に配置されていればよい。
ところで、本発明に係るスピーカ装置は、イヤホン装置に応用する場合、上述した従来構成に示すように、第1および第2の振動膜49、71の中心軸に音通筒体27の中心軸を揃えた同軸型(図7参照)と、第1および第2の振動膜49、71の中心軸に音通筒体27の中心軸を斜めに設定した非同軸型(図8参照)において実施可能である。
そしてまた、本発明のスピーカ装置では、第1および第2の振動膜49、71間を気密構成とすることにより、外気の気圧変化に起因して第1および第2の振動膜49、71に変形が生じる心配があるかもしれない。
これに対応するために、第1および第2の振動膜49、71には、良好な振動周波数特性に影響しない程度の小孔(図示せず。)を形成するとよいであろう。例えば、内径500ミクロン以下の小孔、更に好ましくは内径50ミクロン以内(50〜500ミクロン)であれば、高音域に若干の変化があるものの、周波数特性にあまり影響し難い。
このように、第1および第2の振動膜49、71に、振動周波数特性に影響しない程度の小孔を貫通形成することにより、高音域に若干の変化をもたらす。
そのため、気圧変化による第1および第2の振動膜49、71の変形防止と、高音域の周波数特性とをコントロールさせたい場合、例えば第1の振動膜49に低音を受け持たせ、第2の振動膜71に高音を受け持たせる、という2つの目的のために、第1および第2の振動膜49、71の片方又は双方に、同一又は異なる内径50〜500ミクロン程度の小孔を設けることも可能である。
要は、それら第1および第2の振動膜49、71の少なくとも一方に、周波数特性に大きな影響を与え難い小孔を形成すれば、周波数特性に大きな影響を与えない範囲で周波数特性の微調整が可能である。
このように、本発明の装置において、第1および第2の振動膜49、71間の気密状態は、完全又は厳格な気密、密封状態ではなく、振動周波数特性に影響しない程度の状態であればよく、それら第1および第2の振動膜49、71が一体的に振動可能であれば、例えば上述した小孔や僅かな隙間を形成することが可能である。
本発明に係るスピーカ装置は、イヤホン装置に限らず、大型又は小型のヘッドホン又はハイファイスピーカ構成等に広く応用可能である。
1 ケース本体
1a 基部
1b 前面カバー
3 ヨーク
5 マグネット
7 振動膜
9 円筒状コイル
11 音通孔
13 ケーブル
15 駆動部
17 耳珠
19 対珠
21 耳甲介
23 耳甲介腔
25 外耳道
27 音通筒体
29 イヤーチップ(イヤパット、イヤピース)
31 本体フレーム
33 第1のヨーク
35 凹部
37 突出壁
39 第1のマグネット
41、69 抑え板
43 第1の回路基板
45 ハトメ
47 第2の回路基板
49 第1の振動膜
51、73 中央領域
53、75 外側領域
55 保持リング
57 第1のコイル(ボイスコイル)
77a リード線
59 第1の駆動部
61 カバー
63 第2のヨーク
65 内壁
67 第2のマグネット
71 第2の振動膜
77 第2のコイル(ボイスコイル)
79 第2の駆動部

Claims (6)

  1. 筒形の本体フレームと、
    この本体フレームに支持された第1の振動膜と、
    この第1の振動膜の一方の面側において前記本体フレーム内に配置され、印加される音声信号によって前記第1の振動膜を駆動させる第1の駆動部と、
    前記第1の振動膜の他方の面側において、前記第1の振動膜と僅かな間隔を置くとともにその間を気密状態にして対面するように前記本体フレーム側に配置された第2の振動膜と、
    この第2の振動膜の前記第1の振動膜とは反対面側において、前記第1の駆動部を囲む領域に前記本体フレーム側に環状配置され、印加される前記音声信号によって前記第1の駆動部による前記第1の振動膜の振動方向と同一方向に前記第2の振動膜を駆動させる第2の駆動部と、
    を具備することを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記第1の駆動部は、前記一方の面側にて前記第1の振動膜の中央領域と対面するよう前記本体フレーム内に配置されカップ状に形成された磁性体性の第1のヨークと、この第1のヨーク内に配置され前記第1の振動膜の中央領域と対面する第1のマグネットと、前記第1の振動膜に前記一方の面側で固定され前記第1のマグネットの外周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第1のコイルとを有し、
    前記第2の駆動部は、前記反対面側にあって前記第2の振動膜における前記中央領域を囲む環状の外側領域と対面するよう前記本体フレーム側に配置されリング状に形成された磁性体性の第2のヨークと、この第2のヨークの前記第2の振動膜側に配置され前記外側領域と対面するリング状の第2のマグネットと、前記第2の振動膜に前記反対面側にて固定され前記第2のマグネットの内周に僅かな間隔を置いて挿入配置された円筒状の第2のコイルとを有してなる請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 前記第1および第2のコイルは、互いに逆位相の同じ前記音声信号によって前記第1および第2の振動膜を駆動させる請求項2記載のスピーカ装置。
  4. 前記第1および第2のコイルは、同形状および同位置で前記第1、第2の振動膜上に固定された請求項2又は3項記載のスピーカ装置。
  5. 前記第1および第2の振動膜は、互いに同形状に形成されるとともに同方向に向けて平行に配置されてなる請求項2〜4いずれか1項記載のスピーカ装置。
  6. 前記第1および第2のマグネットは、前記第1および第2の振動膜に面する側が互いに異極性に着磁されてなり、前記第1のヨークは、前記第1のコイルを間において前記第1のマグネットの前記第1の振動膜近傍先端まで延びる環状の突出壁を有し、前記第2のヨークは、内周部から前記第2のコイルを間において前記第2のマグネットの前記第2の振動膜近傍先端まで延びる環状の内壁を有してなる請求項2〜5いずれか1記載のスピーカ装置。
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