JPWO2015111724A1 - 蓄電デバイス用バインダー、バインダー組成物、電極合剤、電極および二次電池 - Google Patents

蓄電デバイス用バインダー、バインダー組成物、電極合剤、電極および二次電池 Download PDF

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Abstract

優れた結着性を有し、良好な充放電特性を実現できる蓄電デバイス用バインダー、これを用いたバインダー組成物、電極合剤、電極および二次電池の提供。下記単量体(a)に基づく構成単位(A)と、下記単量体(b)に基づく構成単位(B)とを有する含フッ素共重合体からなる蓄電デバイス用バインダー。単量体(a):テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、およびCF2=CF−O−Rfで表されるペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群より選ばれる少なくとも1種。単量体(b):下式(II)で表される化合物、および下式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種。[化1]

Description

本発明は、蓄電デバイス用バインダー、蓄電デバイス用バインダー組成物、蓄電デバイス用電極合剤、蓄電デバイス用電極、および二次電池に関する。
二次電池等の蓄電デバイスは、通常、電極、非水電解液、セパレーターなどを主要な部材として構成される。蓄電デバイス用電極は一般に、電極活物質、導電材、バインダーおよび液状媒体を含有する蓄電デバイス用電極合剤を集電体表面に塗布し、乾燥させることで製造される。
含フッ素重合体は、耐電圧性、耐酸化性、耐薬品性に優れる。そのため含フッ素重合体を、蓄電デバイスにおけるバインダーとして用いることが提案されている。
例えば、特許文献1には、テトラフルオロエチレンに基づく構成単位とプロピレンに基づく構成単位とを有し、特定の重量平均分子量を有する含フッ素共重合体をバインダーとする非水二次電池用バインダー組成物が提案されている。
近年、蓄電デバイスの高性能化への要求が非常に高まっている。具体的には、電子機器用または電気自動車用の、キャパシタ、一次電池または二次電池等の蓄電デバイスにおいて、高出力化、高容量化、サイクル特性の向上等が要求されている。
かかる要求に対し、最近電池の高容量化のために、電極を更に厚くしたり、電極における電極活物質の割合を増やす検討がなされている。
電極を更に厚くしたり電極活物質の割合を増やす場合、バインダーには、電極活物質間の密着性や電極活物質層と集電体との密着性を充分に確保するために、より優れた結着性が要求される。それらの密着性が不充分であると、初期容量の大きな蓄電デバイスが得られない。また、得られた蓄電デバイスに充放電を繰り返した際に電極から電極活物質が脱落するなどして電池の容量が低下する。
そこで、含フッ素共重合体からなるバインダーとして、電極を更に厚くしたり電極活物質の割合を増やすために、さらに結着性に優れたものが求められている。
国際公開第2011/055760号
本発明は、優れた結着性を有し、蓄電デバイスにおける良好な充放電特性を実現できる蓄電デバイス用バインダー、これを用いた畜電デバイス用バインダー組成物、蓄電デバイス用電極合剤、蓄電デバイス用電極、および二次電池を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の[1]〜[12]にある。
[1]含フッ素共重合体を含有する蓄電デバイス用バインダーであって、
前記含フッ素共重合体が、下記単量体(a)に基づく構成単位(A)と、下記単量体(b)に基づく構成単位(B)とを有することを特徴とする蓄電デバイス用バインダー。
単量体(a):テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、および下式(I)で表されるペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群より選ばれる少なくとも1種。
CF=CF−O−R ・・・(I)
ここで、Rは炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基、または炭素数2〜8のペルフルオロ(アルコキシアルキル)基を表す。
単量体(b):下式(II)で表される化合物、および下式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種。
Figure 2015111724
ここで、nは0または1であり、mは0〜2の整数であり、Rは炭素数1〜8の(m+2)価の飽和炭化水素基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8の(m+2)価の飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8の2価の飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8のアルキレン基を表す。
[2]前記式(II)において、Rが炭素数1または2の直鎖のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子1〜3個を有する炭素数2〜6のアルキレン基であり、前記式(III)において、Rが炭素数1〜4のアルキレン基である、[1]に記載の蓄電デバイス用バインダー。
[3]前記単量体(b)が、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル、および3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の蓄電デバイス用バインダー。
[4]前記構成単位(B)の含有量が、該構成単位(B)を除く全構成単位の合計に対してモル比で、0.0005/100〜10/100である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用バインダー。
[5]前記含フッ素共重合体が、下記単量体(c)に基づく構成単位(C)をさらに有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用バインダー。
単量体(c):プロピレンおよびエチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種。
[6]前記構成単位(A)と前記構成単位(C)とのモル比[(C)/(A)]が、1/99〜70/30である、[5]に記載の蓄電デバイス用バインダー。
[7]前記単量体(a)がテトラフルオロエチレンおよび/またはフッ化ビニリデンであり、前記単量体(c)がプロピレンである、[5]または[6]に記載の蓄電デバイス用バインダー。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用バインダーと、液状媒体とを含有する蓄電デバイス用バインダー組成物。
[9]前記液状媒体が水性媒体であり、
前記蓄電デバイス用バインダーが前記水性媒体中に分散している、[8]に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物。
[10][8]または[9]に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物と、電極活物質とを含有する蓄電デバイス用電極合剤。
[11]集電体と、前記集電体上に、[10]に記載の蓄電デバイス用電極合剤を用いて形成された電極活物質層とを有する蓄電デバイス用電極。
[12][11]に記載の蓄電デバイス用電極と、電解液とを備える二次電池。
本発明の蓄電デバイス用バインダーは、優れた結着性を有し、かつ、特定の含フッ素共重合体を含有するため、耐酸化性、耐還元性、耐電圧性、耐電解液性に優れる。
そのため、本発明のバインダーを含む蓄電デバイス用電極合剤は、電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性が良好であるとともに、電解液によるバインダーの膨潤が良好に抑えられた蓄電デバイス用電極を形成できる。
本発明の蓄電デバイス用電極は、電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性が良好であるとともに、電解液によるバインダーの膨潤が良好に抑えられており、蓄電デバイスにおける良好な充放電特性を実現できる。
本発明の二次電池は、電極における電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性が良好であるとともに、電解液によるバインダーの膨潤が良好に抑えられており、充放電特性が良好である。
本明細書では、テトラフルオロエチレンをTFE、ヘキサフルオロプロピレンをHFP、フッ化ビニリデンをVdF、クロロトリフルオロエチレンをCTFE、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)をPAVE、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)をPMVE、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)をPPVE、ヒドロキシエチルビニルエーテルをHEVE、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルをHBVE、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルをCHMVE、ジエチレングリコールモノビニルエーテルをDEGV、エチレンをE、プロピレンをP、と記す。
<蓄電デバイス用バインダー>
本発明の蓄電デバイス用バインダー(以下、単にバインダーとも記す。)は、単量体(a)に基づく構成単位(A)と、単量体(b)に基づく構成単位(B)とを有する含フッ素共重合体を含有する。
前記含フッ素共重合体は、単量体(c)に基づく構成単位(C)をさらに有することが好ましい。
前記含フッ素共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(A)〜(C)のほかに、単量体(a)〜(c)以外の単量体(d)に基づく構成単位(D)を有していてもよい。
単量体(a)は、TFE、HFP、VdF、CTFEおよび下式(I)で表されるPAVEからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
CF=CF−O−R ・・・(I)
ここで、Rは炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基、または炭素数2〜8のペルフルオロ(アルコキシアルキル)基を表す。
におけるペルフルオロアルキル基は、直鎖でも分岐状でもよく、その炭素数は1〜6が好ましく、1〜5がより好ましい。ペルフルオロ(アルコキシアルキル)基は、直鎖でも分岐状でもよく、その炭素数は2〜6が好ましく、2〜5がより好ましい。
前記PAVEの具体例としては、PMVE、PPVE、ペルフルオロ(3,6−ジオキサ−1−ヘプテン)、ペルフルオロ(3,6−ジオキサ−1−オクテン)、ペルフルオロ(5−メチル−3,6−ジオキサ−1−ノネン)等が挙げられる。
単量体(a)としては、TFE、HFP、VdFおよびPAVEからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、TFEおよび/またはVdFがより好ましく、TFEが最も好ましい。
単量体(b)は、下式(II)で表される化合物、および下式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2015111724
ここで、nは0または1であり、mは0〜2の整数であり、Rは炭素数1〜8の(m+2)価の飽和炭化水素基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8の(m+2)価の飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8の2価の飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8のアルキレン基を表す。
において、(m+2)価の飽和炭化水素基は、直鎖でも分岐でも環構造を含んでもよい。
mが0である場合、(m+2)価の飽和炭化水素基は2価の飽和炭化水素基であり、例えばアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基を含むアルキレン基等が挙げられる。アルキレン基は直鎖でも分岐でもよい。シクロアルキレン基としては、炭素数5〜8のシクロアルキレン基が好ましく、シクロヘキシレン基が特に好ましい。シクロアルキレン基を含むアルキレン基としては、例えば−CH−C−CH−等が挙げられる。
2価の飽和炭化水素基としては、炭素数1または2の直鎖のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子1〜3個を有する炭素数2〜6のアルキレン基(ただしアルキレン基の炭素数が2の場合に含まれるエーテル性酸素原子の数は1個であり、アルキレン基の炭素数が3の場合に含まれるエーテル性酸素原子の数は1個または2個である。)が好ましい。
mが1または2である場合、(m+2)価の飽和炭化水素基としては、前記2価の飽和炭化水素基からm個の水素原子を除いた基が挙げられる。
における2価の飽和炭化水素基としては、Rにおける2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
におけるアルキレン基は直鎖でも分岐でもよい。Rとしては、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
前記式(II)においては、Rが炭素数1または2の直鎖のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子1〜3個を有する炭素数2〜6のアルキレン基(ただしエーテル性酸素原子の数は3個以下である。)であることが好ましい。
前記式(III)においては、Rが炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましい。
単量体(b)の具体例としては、HEVE、HBVE、CHMVE、DEGV、アリルグリシジルエーテル、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、5−(2−プロペニルオキシ)−1−ペンタノール、6−(2−プロペニルオキシ)−1−ヘキサノール、2−(2−プロペニルオキシ)−1,4−ブタンジオール、4−(2−プロペニルオキシ)−1,2−ブタンジオール、2−[2−(3−ブテニル)エチル]オキシラン、2−[3−(2−ブテニル)プロピル]オキシラン、および2−[4−(2−ブテニル)ブチル]オキシランからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、HBVE、アリルグリシジルエーテル、および3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、HBVEが最も好ましい。
単量体(c)は、PおよびEからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
単量体(c)としては、Pが好ましい。
単量体(d)は、単量体(a)〜(c)以外の単量体である。
単量体(d)としては、フッ化ビニル、ペンタフルオロプロピレン、パーフルオロシクロブテン、CH=CHCF、CH=CHCFCF、CH=CHCFCFCF、CH=CHCFCFCFCF、CH=CHCFCFCFCFCF等の(パーフルオロアルキル)エチレン類等の含フッ素系単量体;
イソブチレン、ペンテンなどのα−オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル等のビニルエステル類等の非フッ素系単量体;等が挙げられる。
これらの単量体(d)はいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記含フッ素共重合体は、含フッ素弾性共重合体であっても、含フッ素弾性共重合体に該当しない含フッ素共重合体であってもよい。本発明のバインダーを含む電極合剤を用いて形成された電極活物質層を有する蓄電デバイス用電極の柔軟性をより向上できる点で、含フッ素弾性共重合体であることが好ましい。
含フッ素弾性共重合体は、一般にフッ素ゴムまたは含フッ素エラストマーとも称される含フッ素共重合体である。
含フッ素弾性共重合体に該当しない含フッ素共重合体は、一般にフッ素樹脂とも称される含フッ素共重合体である。
前記含フッ素共重合体が含フッ素弾性共重合体であるか否かは、含フッ素共重合体に含まれる構成単位(A)および構成単位(C)の種類および比率によって判断できる。
前記含フッ素共重合体において、構成単位(B)の含有量は、構成単位(B)を除く全構成単位の合計(構成単位(A)、(C)、(D)の合計)に対してモル比で、0.0005/100〜10/100であることが好ましい。該モル比が0.0005/100以上であると、バインダーは結着性がより優れ、良好な充放電特性を有する二次電池が得られやすい。該モル比が10/100以下であると、バインダーは耐酸化性に優れ、良好な充放電特性を有する二次電池が得られやすい。
該モル比は0.01/100以上が好ましく、0.05/100以上が好ましく、0.1/100以上がより好ましく、0.2/100以上が特に好ましい。
該モル比は5.0/100以下が好ましく、2.0/100以下がより好ましく、1.0/100以下が更に好ましく、0.5/100以下が特に好ましい。
前記含フッ素共重合体において、構成単位(B)を除く全構成単位の合計(構成単位(A)、(C)、(D)の合計)のうち、構成単位(A)と構成単位(C)との合計の割合は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましい。すなわち、構成単位(B)を除く全構成単位の合計のうち、構成単位(D)の割合は、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
前記含フッ素共重合体において、構成単位(A)と構成単位(C)とのモル比[(C)/(A)]は、1/99〜70/30であることが好ましく、10/90〜70/30がより好ましく、30/70〜60/40が特に好ましい。かかるモル比が前記範囲内にあると、本発明のバインダーは、良好な結着性(密着性)と優れた耐電解液性(膨潤抑制)と同時に備えるものとなりやすい。
前記含フッ素共重合体における構成単位(A)および構成単位(C)の組み合わせの具体例(構成単位(C)を含まない場合を含む。)としては、以下の(1)〜(16)等が挙げられる。各組み合わせにおいて「単位」は構成単位(単量体単位)を示す。
(1)VdFに基づく単位とHFPに基づく単位との組み合わせ。
(2)VdFに基づく単位とHFPに基づく単位とTFEに基づく単位との組み合わせ。
(3)VdFに基づく単位とTFEに基づく単位との組み合わせ。
(4)VdFに基づく単位とPに基づく単位とTFEに基づく単位との組み合わせ。
(5)TFEに基づく単位とPに基づく単位との組み合わせ。
(6)TFEに基づく単位とEに基づく単位とPに基づく単位との組み合わせ。
(7)TFEに基づく単位とHFPに基づく単位との組み合わせ。
(8)TFEに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(9)TFEに基づく単位とPに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(10)TFEに基づく単位とPに基づく単位とVdFに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(11)VdFに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(12)VdFに基づく単位とTFEに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(13)Eに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(14)Eに基づく単位とPに基づく単位とPAVEに基づく単位との組み合わせ。
(15)Eに基づく単位とHFPに基づく単位との組み合わせ。
(16)VdFに基づく単位とCTFEに基づく単位との組み合わせ。
上記のなかでは、耐酸化性、耐還元性、耐電圧性、耐電解液性、結着性のバランスに優れる点で、(1)〜(5)、(8)のいずれかの組み合わせが好ましく、(1)〜(5)のいずれかの組み合わせがより好ましい。
なかでも、耐電解液性と結着性に優れる点で、単量体(a)がTFEおよび/またはVdFであり、単量体(c)がPである組み合わせ、すなわち、TFEに基づく単位および/またはVdFに基づく単位と、Pに基づく単位との組み合わせが好ましく、(4)または(5)の組み合わせが最も好ましい。
(1)の組み合わせにおいて、VdFに基づく単位/HFPに基づく単位のモル比は、45/55〜88/15が好ましく、50/50〜80/20がより好ましい。
(2)の組み合わせにおいて、VdFに基づく単位/HFPに基づく単位/TFEに基づく単位のモル比は、40〜80/10〜35/10〜25が好ましく、55〜65/20〜25/15〜20がより好ましい(ただし、該モル比においては、VdFに基づく単位とHFPに基づく単位とTFEに基づく単位との合計を100とする。)。
(5)の組み合わせにおいて、TFEに基づく単位/Pに基づく単位のモル比は、30/70〜80/20が好ましく、40/60〜70/30がより好ましく、50/50〜65/35が最も好ましい。
前記含フッ素共重合体における構成単位(A)および構成単位(C)の組み合わせと各単位のモル比が上記の範囲内であると、本発明のバインダーは柔軟性および耐電解液性に優れる。
含フッ素共重合体の重量平均分子量は20000〜2000000が好ましく、50000〜1500000がより好ましく、100000〜1000000が更に好ましい。重量平均分子量が上記の範囲にあると本発明のバインダーは柔軟性と結着性、耐電解液性に優れる。
含フッ素共重合体が含フッ素弾性共重合体である場合、含フッ素弾性共重合体の貯蔵弾性率G’は、250kPa以上が好ましく、300kPa以上がより好ましく、350kPa以上がさらに好ましく、400kPa以上が最も好ましい。貯蔵弾性率G’は、含フッ素共重合体の分子量の尺度であり、分子量が高い含フッ素共重合体は、大きな貯蔵弾性率G’を示す。貯蔵弾性率G’が250kPa以上であると、含フッ素共重合体は、結着性、耐電解液性に優れる。含フッ素弾性共重合体の貯蔵弾性率G’の上限は、特に限定されないが、柔軟性に優れる点で、700kPa以下が好ましく、650kPa以下がより好ましい。
本明細書において、含フッ素共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、含フッ素共重合体に可溶な溶媒を用い測定することができ、ポリスチレン換算値として得られる値である。
〔含フッ素共重合体の製造方法〕
前記含フッ素共重合体は、前記の単量体(a)と、単量体(b)と、必要に応じて単量体(c)および/または単量体(d)を共重合することにより製造できる。
重合法としては、乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が挙げられる。含フッ素共重合体の重量平均分子量(又は分子量の指標となる貯蔵弾性率G’)や共重合体組成の調整が容易で、生産性に優れることから、水性媒体および乳化剤の存在下で単量体を重合する乳化重合法が好ましい。
乳化重合法では、水性媒体、乳化剤およびラジカル重合開始剤の存在下に、単量体(a)と単量体(b)とを含む単量体成分を重合(乳化重合)する工程(以下、乳化重合工程とも記す。)を経て含フッ素共重合体のラテックスを得る。乳化重合工程においては、pH調整剤を添加してもよい。
(水性媒体)
水性媒体とは、水単独、または水と水溶性有機溶剤との混合物が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、水と任意の割合で溶解できる公知の化合物を適宜用いることができる。水溶性有機溶剤としては、アルコール類が好ましく、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコール等が挙げられる。これらのうち、tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
(乳化剤)
乳化剤は、乳化重合法において使用される公知の乳化剤を適宜用いることができる。ラテックスの機械的及び化学的安定性に優れる点から、イオン性乳化剤が好ましく、アニオン性乳化剤がより好ましい。
アニオン性乳化剤としては、乳化重合法において公知のものが使用できる。具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等の炭化水素系乳化剤;ペルフルオロオクタン酸アンモニウム、ペルフルオロヘキサン酸アンモニウム等の含フッ素アルキルカルボン酸塩;下記式(V)で表わされる化合物(以下、化合物(V)と記す。)等が挙げられる。
F(CFO(CF(X)CFO)CF(X)COOA ・・・(V)。
式(V)中、Xはフッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基を表し、Aは、水素原子、アルカリ金属原子、またはNHを表し、pは1〜10の整数を表し、qは0または1〜3の整数を表す。
Xとしては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。Aとしては、NaまたはNHが好ましい。pは1〜5が好ましい。qは1または2が好ましい。
アニオン性乳化剤としては、重合特性、分散安定性に優れ、低コストであるため、ラウリル硫酸ナトリウムが特に好ましい。
アニオン性乳化剤の使用量は、乳化重合工程で生成される含フッ素共重合体の100質量部に対して、1.5〜5.0質量部が好ましく、1.5〜3.8質量部がより好ましく、1.7〜3.2質量部が特に好ましい。乳化重合で得られる含フッ素共重合体のラテックスにおける乳化剤の含有量がこの範囲内であると、ラテックスの安定性に優れる。また、該ラテックスをそのまま蓄電デバイス用バインダー組成物として用いた場合に、優れた充放電特性が得られやすい。
(pH調整剤)
pH調整剤は無機塩が好ましい。無機塩としては、乳化重合におけるpH調整剤として公知の無機塩を用いることができる。pH調整剤は、として具体的には、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;等が挙げられる。リン酸塩のより好ましい具体例としては、リン酸水素二ナトリウム2水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物等が挙げられる。
前記無機塩以外のpH調整剤を用いてもよい。例えば所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基類;硫酸、塩酸、硝酸などの酸類などを併用してもよい。
後述する乳化重合工程における水性媒体中のpHは、4〜12が好ましく、6〜11がより好ましい。
ただし、含フッ素共重合体のラテックス中の金属分の含有量を低減させる点では、pH調整剤の使用量はできるだけ少ない方が好ましい。
(ラジカル重合開始剤)
乳化重合で使用されるラジカル重合開始剤は、水溶性開始剤が好ましい。水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム塩等の過硫酸類;ジコハク酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩等の有機系開始剤;等が挙げられる。これらのうち、過硫酸アンモニウム塩等の過硫酸類が好ましい。
ラジカル重合反応を開始させるための機構は、(i)熱分解型ラジカル重合開始剤の存在下で熱を加えてラジカル分解を生じさせる熱分解型重合開始剤系でもよく、(ii)ラジカル重合開始剤と酸化還元系触媒(いわゆるレドックス触媒)とを併用するレドックス重合開始剤系でもよい。
いずれの系でも、水溶性重合開始剤の使用量は、乳化重合工程で生成される含フッ素共重合体の100質量部に対して、0.0001〜3質量部が好ましく0.001〜1質量部がより好ましい。
(i)の熱分解型重合開始剤系で用いる熱分解型ラジカル重合開始剤としては、水溶性であって、1時間半減期温度が50〜100℃のものが好ましい。通常の乳化重合に用いられる水溶性重合開始剤から適宜選択して使用することができる。熱分解型ラジカル重合開始剤として具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸類;ジコハク酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩等の有機系開始剤等が挙げられる。これらのうちで過硫酸類が好ましく、過硫酸アンモニウム塩が特に好ましい。
(ii)のレドックス重合開始剤系としては、過硫酸アンモニウムとヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物と硫酸第一鉄とを併用する系、過マンガン酸カリウムとシュウ酸とを併用する系、臭素酸カリウムと亜硫酸アンモニウムとを併用する系、または過硫酸アンモニウムと亜硫酸アンモニウムとを併用する系が好ましい。これらの中では、過硫酸アンモニウムとヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム(ロンガリットともいう。)とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物と硫酸第一鉄とを併用する系が特に好ましい。
(乳化重合工程)
乳化重合工程は、公知の乳化重合法により行うことができる。
乳化重合工程においては、水性媒体、乳化剤およびラジカル重合開始剤を仕込んだ反応器に、重合する単量体成分の一部(初期仕込みの単量体成分)を供給し、重合反応を開始した後、重合反応の進行に応じて前記単量体成分の残部(後添加の単量体成分)を供給することにより重合を進行させることが好ましい。また、前記単量体(b)の全量が、前記残部の単量体成分として前記反応器に供給されることが好ましい。
単量体(b)は、単量体(a)や単量体(c)と比べて重合速度が速く、単量体(b)の全量を一括で供給すると、含フッ素共重合体に導入される構成単位(B)の量や分布にばらつきが生じやすい。
単量体(b)を重合反応中に、重合反応の進行に応じて供給することで、構成単位(B)が均等に導入された含フッ素共重合体が得られやすい。このような含フッ素共重合体は、結着性、耐酸化性等がより優れる。
乳化重合工程は、例えば以下の手順で行うことができる。
まず耐圧反応器を脱気した後、該反応器内に水性媒体、乳化剤、ラジカル重合開始剤、必要に応じてpH調整剤、およびレドックス重合開始剤系ではレドックス触媒を仕込む。次いで、所定の重合温度に昇温させた後、単量体(a)および単量体(c)を含む単量体混合物(初期仕込みの単量体成分)を圧入する。また必要に応じて触媒(レドックス重合開始剤系ではロンガリット触媒等)を供給する。重合反応が開始されると、反応器内の圧力が低下し始める。
反応器内の圧力低下を確認してから、所定の重合温度を保ちつつ、単量体(a)および単量体(c)を含む単量体混合物を、所定の重合圧力が保たれるように追加供給し、それと共に単量体(b)を添加して、重合反応を行う。
重合中に反応器内に供給される単量体の組成は、得ようとする含フッ素共重合体における構成単位の比率と同じとすることが好ましい。
重合反応期間で反応器に供給される単量体の合計量が所定の値に達したら、反応器内を冷却して重合反応を停止させて、含フッ素共重合体ラテックスを得る。
こうして得られる含フッ素共重合体ラテックスは、水性媒体中に、含フッ素共重合体の粒子および乳化剤を含有する。
ラジカル重合反応を開始させるための機構が(i)熱分解型重合開始剤系の場合、重合反応期間における重合温度は50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましく、65℃〜80℃が特に好ましい。重合温度がこの範囲であると、重合速度が適切で制御しやすく、また生産性に優れ、ラテックスの良好な安定性が得られやすい。
重合反応期間における重合圧力は1.0〜10MPaGが好ましく、1.5〜5.0MPaGがより好ましく、1.7〜3.0MPaGが特に好ましい。重合圧力が1.0MPaG未満であると、重合速度が遅すぎる場合がある。上記の範囲であると重合速度が適切で制御しやすく、また生産性に優れる。なお、「MPaG」の「G」は、ゲージ圧を意味する。
ラジカル重合反応を開始させるための機構が(ii)レドックス重合開始剤系の場合、重合反応期間における重合温度は0℃〜100℃が好ましく10℃〜90℃がより好ましく、20℃〜60℃が特に好ましい。重合温度がこの範囲であると、重合速度が適切で制御しやすく、また生産性に優れ、ラテックスの良好な安定性が得られやすい。
重合反応期間における重合圧力は1.0〜10MPaGが好ましく、1.5〜5.0MPaGがより好ましく、1.7〜3.0MPaGが特に好ましい。重合圧力が1.0MPaG未満であると、重合速度が遅すぎる場合がある。上記の範囲であると重合速度が適切で制御しやすく、また生産性に優れる。
前記乳化重合工程で得られるラテックスに含まれる、含フッ素共重合体からなる粒子の平均粒子径は、10〜200nmが好ましく、20〜150nmがより好ましく、20〜130nmがさらに好ましく、30〜100nmが特に好ましい。該平均粒子径が200nm以下であると、電極活物質の良好な結着力が得られやすい。一方、該平均粒子径が10nmより小さいと、含フッ素共重合体をバインダーとして用いた時に、バインダーで電極活物質表面全体が密に覆われて、内部抵抗が増加し易くなる場合がある。内部抵抗が増加すると電池特性が低下する。
ラテックスに含まれる含フッ素共重合体の粒子の平均粒子径は、乳化剤の種類、添加量等、公知の方法にて調節することができる。
前記乳化重合工程で得られるラテックスはそのまま本発明のバインダー組成物として用いることができる。
前記乳化重合工程で得られるラテックス中の含フッ素共重合体を、公知の方法で凝集させて単離することもできる。凝集には、金属塩の添加、塩酸等の無機酸の添加、機械的せん断、凍結解凍等の公知の方法を用いることができる。
なお、ここでは構成単位(A)〜(C)からなる含フッ素共重合体を乳化重合法により製造する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。
たとえば含フッ素共重合体が構成単位(C)を含まない場合は、単量体(a)および単量体(c)を含む単量体混合物の代わりに単量体(a)のみを用いることで目的の含フッ素共重合体が得られる。含フッ素共重合体が構成単位(D)を含む場合は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)と同様に、単量体(d)を用いることにより目的の含フッ素共重合体が得られる。
乳化重合法以外の重合法により含フッ素共重合体を製造してもよい。
たとえば溶液重合法の場合、乳化重合工程における水性媒体および乳化剤の代わりに、重合する単量体を溶解する溶媒を用いることで、含フッ素共重合体を製造できる。
溶液重合法に用いる溶媒としては、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)、CFCHCFH (HFC−245fa)、CFCFCHCFH(HFC−365m fc)、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロ(2 −ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、CFCFCFCFCFCFH、CFCHOCFCFH、CFCHOCHCF、CFCFOCFCFOCFCF等 が挙げられる。
本発明のバインダーは、優れた結着性を有する。そのため、本発明のバインダーを含む電極合剤から形成された電極は、電極中の電極活物質の割合を多くしたり電極活物質層の厚さを厚くした場合でも、電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性が良好で、電極活物質層からの電極活物質の脱落等が生じにくい。
また、本発明のバインダーは、上記特定の含フッ素共重合体を含むため、耐酸化性、耐還元性、耐電圧性、耐電解液性に優れる。たとえばリチウムイオン二次電池の使用時の高電圧下において酸化しにくい。また、電解液による膨潤が生じにくい。
そのため、本発明のバインダーによれば、蓄電デバイスにおける良好な充放電特性を実現できる。たとえば電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性が良好であるため、長期の充放電サイクル特性が良好である。また、電極中の電極活物質の割合を多くしたり電極活物質層の厚さを厚くすることができ、これによって蓄電デバイスの初期容量を向上できる。
<蓄電デバイス用バインダー組成物>
本発明の蓄電デバイス用バインダー組成物(以下、単にバインダー組成物とも記す。)は、本発明のバインダーと、液状媒体とを含有する。
本発明のバインダー組成物に含まれる前記バインダーは1種でも2種以上でもよい。
液状媒体は、水性媒体でも非水性媒体でもよい。
液状媒体が水性媒体である場合、本発明のバインダーは、水性媒体に分散していることが好ましく、ラテックスの状態であることが特に好ましい。
水性媒体としては、前記乳化重合法に用いる水性媒体として挙げた水性溶媒が好適に用いられ、さらに必要に応じて、水溶性有機溶媒を加えてもよい。水溶性有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;トリエチルアミン、アニリン等のアミン類;N−メチル ピロリドン、ジメチルホルムアミド等のアミド類;メタノール、エタノール 、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの中でもアルコール類、またはアミ ド類が好ましく、アルコール類がより好ましい。アルコール類の中でも、メタノール、イソプロパノール、またはt−ブタノールが好ましい。水性媒体に使用する水溶性有機溶媒は1種のみでも2種以上でもよい。
非水性媒体としては、前記溶液重合法に用いる溶媒として挙げた有機溶媒のほか、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン 、ナフサ、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、アセチルピリジン、シクロペンタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、メチル ホルムアミド、メタノール、エタノール等がが挙げられる。これらの中でも、 N−メチルピロリドン、または酢酸ブチルが好ましく、N−メチルピロリドンがより好ましい。非水性媒体に使用する有機溶媒は1種のみでも2種以上でもよい。
本発明のバインダー組成物中の前記バインダーの含有量は、バインダー組成物の全量に対し、1〜60質量%が好ましい。
前記バインダーが有機溶媒に溶解している場合は、本発明のバインダー組成物中の前記バインダーの含有量は、バインダー組成物の全量に対し、1〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
前記バインダーが有機溶媒または水性媒体に分散している場合は、本発明のバインダー組成物中の前記バインダーの含有量は、バインダー組成物の全量に対し、5〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、15〜35質量%が特に好ましい。
バインダー組成物中の前記バインダーの含有量が上記範囲の下限値以上であると、バインダー組成物を用いて電極合剤を調製したときに、電極合剤の良好な粘度が得られやすく、集電体上に厚みの高い塗工を行うことができる。前記バインダーの含有量が上記範囲の上限値以下であると、バインダー組成物に電極活物質等を分散させて電極合剤を調製する際に、良好な分散安定性が得らやすく、電極合剤の良好な塗工性が得られやすい。
本発明のバインダー組成物は、前記バインダーおよび液状媒体以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分としては、たとえば、前記バインダーを構成する含フッ素共重合体の製造時に使用した乳化剤、開始剤、pH調整剤等が挙げられる。
本発明のバインダー組成物において、前記バインダーおよび液状媒体以外の他の成分の含有量は、バインダー組成物の全量に対し、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
バインダー組成物の製造方法については特に限定されないが、前記バインダーを構成する含フッ素共重合体を懸濁重合、乳化重合、溶液重合等で製造し、重合後の含フッ素共重合体が水性媒体に分散した状態、または有機溶媒に溶解もしくは分散した状態の組成物をそのまま使用することができる。この場合は、重合の際に用いる水性媒体または有機溶媒を、得ようとするバインダー組成物を構成する水性媒体または非水性媒体と同じにすることが好ましい。バインダー組成物が水性媒体を含有する場合、乳化重合により製造された、含フッ素共重合体が水性媒体に分散した組成物をそのまま使用することができる。バインダー組成物が非水性媒体を含有する場合、溶液重合で製造された、含フッ素共重合体の溶液をそのまま使用することができる。
また、バインダー組成物は、重合によって得られた含フッ素共重合体を精製して固体の状態とし、該固体を、水性媒体に分散させる、または非水性媒体に溶解もしくは分散させることによって製造してもよい。含フッ素共重合体の精製は、たとえば前述の凝集による単離等の公知の方法により行うことができる。
<蓄電デバイス用電極合剤>
本発明の蓄電デバイス用電極合剤(以下、単に電極合剤とも記す。)は、本発明のバインダー組成物と、電極活物質とを含有する。
本発明で用いられる電極活物質は特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。
正極活物質としては、MnO、V、V13等の金属酸化物;TiS、MoS、FeS等の金属硫化物;LiCoO、LiNiO、LiMn等の、Co、Ni、Mn、Fe、Ti等の遷移金属を含むリチウム複合金属酸化物等;これらの化合物中の遷移金属の一部を他の金属で置換した化合物;などが例示される。さらに、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。また、これらの表面の一部または全面に、炭素材料や無機化合物を被覆させたものも用いることができる。
負極活物質としては例えばコークス、グラファイト、メソフェーズピッチ小球体、フェノール樹脂、ポリパラフェニレン等の高分子化合物の炭化物;気相生成カーボンファイバー、炭素繊維等の炭素質材料;が挙げられる。また、リチウムと合金化可能なSi、Sn、Sb、Al、ZnおよびWなどの金属も挙げられる。電極活物質は、機械的改質法により表面に導電材を付着させたものも使用できる。
リチウムイオン二次電池用の電極合剤の場合、用いる電極活物質は、電解質中で電位をかけることにより可逆的にリチウムイオンを挿入放出できるものであればよく、無機化合物でも有機化合物でも用いることができる。
本発明の電極合剤は、必要に応じて、導電材を含有してもよい。特に、本発明の電極合剤が正極の製造に使用されるものである場合、本発明の電極合剤は、導電材を含有することが好ましい。電極合剤が導電材を含有することにより、電極活物質同士の電気的接触が向上し、電極活物質層内の電気抵抗を下げることができ、蓄電デバイスの放電レート特性を改善することができる。
導電材としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。たとえばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、及びカーボンナノチューブ等の導電性カーボンが挙げられる。
本発明の電極合剤は、本発明のバインダー組成物、電極活物質および導電材以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、電極合剤において公知の成分を用いることができる。具体例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
本発明の電極合剤中の電極活物質の割合は、電極合剤の全量に対し、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜70質量%が特に好ましい。
電極合剤中の本発明のバインダーの割合は、電極合剤の全量に対し、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜8質量%が特に好ましい。
電極合剤が導電材を含有する場合には、電極合剤中の導電材の割合は、電極合剤の全量に対し、20質量%以下が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、3〜8質量%が特に好ましい。
電極合剤中の固形分濃度は、30〜95質量%が好ましく、40〜85質量%がよりこのましく、45〜80質量%が特に好ましい。
<蓄電デバイス用電極>
本発明の蓄電デバイス用電極(以下、単に電極とも記す。)は、集電体と、前記集電体上に、本発明の蓄電デバイス用電極合剤を用いて形成された電極活物質層とを有する。
電極活物質層には、本発明のバインダーおよび電極活物質が含まれる。
電極活物質層の厚さは、目的とする電池容量に応じて適宜調節すれば良いが、通常は110〜300μmであることが好ましい。
集電体としては、導電性材料からなるものであれば特に限定されないが、一般的には、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチール、銅等の金属箔、金属網状物、金属多孔体等が挙げられる。正極集電体としては、アルミニウムが好適に、負極集電体としては銅が好適に用いられる。
集電体の厚さは1〜100μmであることが好ましい。
電極の製造方法としては、例えば、本発明の電極合剤を集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に塗布し、乾燥して電極合剤中の液状媒体を除去し、電極活物質層を形成することにより得られる。必要に応じて、乾燥後の電極活物質層をプレスして、所望の厚みに成形してもよい。
電極合剤を集電体に塗布する方法としては、種々の塗布方法が挙げられる。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法等の方法が挙げられる。塗布温度は、特に制限ないが、通常は常温付近の温度が好ましい。
乾燥は、種々の乾燥法を用いて行うことができ、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線等の照射による乾燥法が挙げられる。乾燥温度は、特に制限ないが、加熱式真空乾燥機等では通常室温〜200℃が好ましい。
電極活物質層のプレスは、金型プレスやロールプレス等を用いて行うことができる。
<蓄電デバイス>
本発明のバインダー、バインダー組成物、電極合剤および電極が用いられる蓄電デバイスとしては、たとえばリチウムイオン一次電池等の一次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。
<二次電池>
本発明の二次電池は、本発明の電極と、電解液とを備える。
本発明の二次電池は、正極および負極のいずれか一方または両方が本発明の電極であればよく、他の構成や構造については特に制限はなく、公知の構成、構造を有する二次電池に適用できる。
二次電池としては、密着性、耐電解液性、充放電特性等をより効果的に発現できる点で、リチウムイオン二次電池が好ましい。
(リチウムイオン二次電池)
本発明におけるリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、電解液とを備え、正極および負極のいずれか一方または両方が本発明の電極である。
正極および負極のいずれか一方の電極が本発明の電極である場合、他方の電極としては公知のものを使用できる。
電解液は電解質と溶媒を含む。
電解質としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、CFSOLi、(CFSONLi等のリチウム塩が挙げられる。
溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、及びメチルエチルカーボネート(MEC)等のアルキルカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル等のエステル類、1,2−ジメトキシエタン、及びテトラヒドロフラン等のエーテル類;スルホラン、及びジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物類;が用いられる。特に高いイオン伝導性が得易く、使用温度範囲が広いため、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。
リチウムイオン二次電池は、セパレーターをさらに備えることが好ましい。セパレーターとしては、微孔膜、不織布等の公知のものが挙げられる。セパレーターの材料としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、芳香族ポリアミド等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池は、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止を目的に、必要に応じて、エキスパンドメタル、ヒューズ、PTC素子等の過電流防止素子、リード板等を有していてもよい。
リチウムイオン二次電池の形状としては、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角筒型、扁平型等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池は、正極および負極の少なくとも一方の電極として本発明の電極を用いる以外は公知の方法により製造できる。
リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、たとえば、正極および負極を、必要に応じてセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例中の測定及び評価は以下の方法で行った。
〔含フッ素共重合体の共重合組成〕
各例で製造した含フッ素共重合体のラテックスを、塩化カルシウムの1.5質量%水溶液に添加して、塩析させて含フッ素共重合体を凝集析出させ、イオン交換水により洗浄後、100℃のオーブンで15時間乾燥させ含フッ素共重合体を得た。
得られた含フッ素共重合体の共重合組成を19F−NMRおよびH−NMRにより測定した。その結果から、含フッ素共重合体中の構成単位(A)と構成単位(C)とのモル比[(A)/(C)]、構成単位(B)以外の全構成単位の合計に対する構成単位(B)のモル比を算出した。
〔含フッ素共重合体の貯蔵弾性率〕
各例で製造した含フッ素共重合体のラテックスに1.5質量%の塩化カルシウム水溶液を加え塩析により含フッ素重合体を凝集させ、乾燥させて得られた含フッ素重合体を貯蔵弾性率G’の測定に用いた。含フッ素重合体の貯蔵弾性率G’(kPa)は、ASTM D6204に準拠して100℃、振動数0.83Hzの条件で、アルファテクノロジーズ社製「ラバープロセスアナライザ(RPA−2000)」を用いて測定した。
〔含フッ素共重合体粒子の粒子径〕
各例で製造した含フッ素共重合体のラテックスに含まれる含フッ素共重合体粒子の粒子径(ラテックス粒子径)は、大塚電子社製レーザーゼータ電位計ELS−8000を使用して、動的光散乱法により測定した。
〔密着性(剥離強度)〕
各例で、製造した電極(正極または負極)を幅2cm×長さ10cmの短冊状に切り、電極合剤の塗膜面を上にして固定した。電極合剤の塗膜面にセロハンテープを貼り付け、テープを10mm/minの速度で90℃方向に剥離したときの強度(N)を5回測定し、その平均値を剥離強度とした。この値が大きいほどバインダーによる密着性(結着性)に優れていることを示す。すなわち、バインダーにより結着されている電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性に優れていることを示す。
〔充放電特性(容量維持率)〕
二次電池の充放電特性の評価は、以下に示す(1)または(2)の方法により行った。
(1)正極の評価:
各例で製造した正極を18mmφの円形に切りぬき、これと同面積のリチウム金属箔、及びポリエチレン製のセパレーターを、リチウム金属箔、セパレーター、正極の順に2016型(直径20mm、厚さ1.6mm)コインセル内に積層して電池要素を作製した。これに非水電解液を添加し、これを密封することによりコイン型非水電解液二次電池を製造した。非水電解液としては、LiPFが1Mの濃度で溶媒(エチルメチルカーボネート:エチレンカーボネート=1:1(体積比)の混合溶媒)に溶解したものを使用した。
25℃において、0.2Cに相当する定電流で4.5V(電圧はリチウムに対する電圧を表す)まで充電し、さらに充電上限電圧において電流値が0.02Cになるまで充電を行い、しかる後に0.2Cに相当する定電流で3Vまで放電するサイクルを行った。1サイクル目の放電時の放電容量に対する、150サイクル目の放電容量の容量維持率(単位:%)を求め、電池の充放電特性の指標とした。容量維持率の値が高いほど優れる。
なお、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.5Cとはその1/2の電流値を表す。φは直径を示す。
(2)負極の評価:
各例で製造した負極を18mmφの円形に切りぬき、これと同面積のリチウム金属箔、及びポリエチレン製のセパレーターを、リチウム金属箔、セパレーター、負極の順に2016型(直径20mm、厚さ1.6mm)コインセル内に積層して電池要素を作製した。これに非水電解液を添加し、これを密封することによりコイン型非水電解液二次電池を製造した。非水電解液としては、LiPFが1Mの濃度で溶媒(エチルメチルカーボネート:エチレンカーボネート=1:1(体積比)の混合溶媒)に溶解したものを使用した。
25℃において、0.2Cに相当する定電流で0.02V(電圧はリチウムに対する電圧を表す)まで充電し、さらに充電上限電圧において電流値が0.02Cになるまで充電を行い、しかる後に0.2Cに相当する定電流で1.5Vまで放電するサイクルを行った。1サイクル目放電時の放電容量に対する、150サイクル目の放電容量の容量維持率(単位:%)を求め、電池の充放電特性の指標とした。容量維持率の値が高いほど優れる。
<製造例1:含フッ素共重合体Aの製造>
本例ではレドックス重合開始剤を用い、以下の手順で含フッ素共重合体Aを製造した。
すなわち、撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス鋼製の耐圧反応器の内部を脱気した後、該反応器に、1700gのイオン交換水、乳化剤として17.7gのラウリル硫酸ナトリウム、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム12水和物の60gおよび水酸化ナトリウムの0.9g、開始剤として過硫酸アンモニウムの8.4g(1時間半減期温度82℃)を加えた。さらに200gのイオン交換水に、レドックス触媒として0.4gのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩二水和物(以下、EDTAと記す。)および0.3gの硫酸第一鉄7水和物を溶解させた水溶液を反応器に加えた。このときの反応器内の水性媒体のpHは9.2であった。
ついで、25℃で、TFE/P=88/12(モル比)の単量体混合ガスを、反応器の内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、水酸化ナトリウム水溶液でpHを10.0に調整したヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム2水和物(以下、ロンガリットと記す。)を反応器に加え、重合反応を開始させた。
重合温度を40℃に維持して重合を進行させ、重合の進行に伴い反応器内の圧力が低下するので、反応器の内圧が2.49MPaGに降下した時点で、TFE/P=56/44(モル比)の単量体混合ガスを自圧で圧入し、反応器の内圧を2.51MPaGまで昇圧させた。この操作を繰り返し、反応器の内圧を2.49〜2.51MPaGに保持し、重合反応を続けた。
続いて、TFE/Pの単量体混合ガスの圧入量が20gになった時点で、HBVEのtert−ブタノール溶液(HBVE/tert−ブタノール=11/57(質量比))の2mLを、反応器内に窒素背圧で圧入した。次いで、TFE/Pの単量体混合ガスの圧入量が480gまで、20g毎に該HBVEのtert−ブタノール溶液の2mLを圧入し、合計48mL圧入した。TFE/Pの単量体混合ガスの圧入量の総量が500gとなった時点で、反応器の内圧を10℃まで冷却させ、含フッ素共重合体Aのラテックスを得た。重合時間は4.5時間であった。ラテックス中における含フッ素共重合体Aの含有量は21質量%であった。
また、該ラテックス中に残存するHBVEはガスクロマトグラフでは検出されなかった。このことから、反応器内に供給したHBVEはすべて反応したと推測できる。
含フッ素共重合体Aの共重合組成において、構成単位(A)(TFEに基づく単位)と構成単位(C)(Pに基づく単位)とのモル比[(A)/(C)]は56/44であり、構成単位(B)(HBVEに基づく単位)以外の全構成単位の合計(すなわち構成単位(A)と構成単位(C)との合計)に対する構成単位(B)のモル比[(B)/{(A)+(C)}]は0.5/100であった。含フッ素共重合体Aの物性(貯蔵弾性率G’およびラテックス粒子径)を表1に示す。
<製造例2:含フッ素共重合体Bの製造>
本例では、製造例1におけるHBVEの添加量を変更した。
すなわち、反応器へのTFE/Pの単量体混合ガスの圧入量20g毎に、HBVEのtert−ブタノール溶液(HBVE/tert−ブタノール=6/52(質量比))の2mLを、反応器内に窒素背圧で圧入し、合計22mL圧入した以外は製造例1と同様にして、含フッ素共重合体Bのラテックスを得た。重合時間は4.4時間であった。ラテックス中における含フッ素共重合体Bの含有量は21質量%であった。
含フッ素共重合体Bの共重合組成において、構成単位(A)(TFEに基づく単位)と構成単位(C)(Pに基づく単位)とのモル比[(A)/(C)]は56/44であり、構成単位(B)(HBVEに基づく単位)以外の全構成単位の合計(すなわち構成単位(A)と構成単位(C)との合計)に対する構成単位(B)のモル比[(B)/{(A)+(C)}]は0.2/100であった。含フッ素共重合体Bの物性を表1に示す。
<製造例3:含フッ素共重合体Cの製造>
HBVEからアリルグリシジルエーテルに変更した以外は製造例1と同様にして、含フッ素共重合体Cのラテックスを得た。重合時間は4.5時間であった。ラテックス中における含フッ素共重合体Cの含有量は22質量%であった。
含フッ素共重合体Cの共重合組成において、構成単位(A)(TFEに基づく単位)と構成単位(C)(Pに基づく単位)とのモル比[(A)/(C)]は56/44であり、構成単位(B)(アリルグリシジルエーテルに基づく単位)以外の全構成単位の合計(すなわち構成単位(A)と構成単位(C)との合計)に対する構成単位(B)のモル比[(B)/{(A)+(C)}]は0.2/100であった。含フッ素共重合体Cの物性を表1に示す。
<製造例4:含フッ素共重合体Dの製造>
HBVEから3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールに変更した以外は製造例1と同様にして、含フッ素共重合体Dのラテックスを得た。重合時間は4.5時間であった。ラテックス中における含フッ素共重合体Dの含有量は21質量%であった。
含フッ素共重合体Dの共重合組成において、構成単位(A)(TFEに基づく単位)と構成単位(C)(Pに基づく単位)とのモル比[(A)/(C)]は56/44であり、構成単位(B)(3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールに基づく単位)以外の全構成単位の合計(すなわち構成単位(A)と構成単位(C)との合計)に対する構成単位(B)のモル比[(B)/{(A)+(C)}]は0.5/100であった。含フッ素共重合体Dの物性を表1に示す。
<製造例5:含フッ素共重合体Eの製造>
HBVEを添加しなかった以外は、製造例1と同様にして、含フッ素共重合体Eのラテックスを得た。重合時間は4時間であった。ラテックス中における含フッ素共重合体Eの含有量は21質量%であった。
含フッ素共重合体Eの共重合組成において、構成単位(A)(TFEに基づく単位)と構成単位(C)(Pに基づく単位)とのモル比[(A)/(C)]は56/44であった。含フッ素共重合体Eの物性を表1に示す。
Figure 2015111724
<実施例1:正極合剤1および正極1の製造>
製造例1で得られた含フッ素共重合体Aラテックスをバインダー組成物として用いて、正極合剤を調製した。
すなわち、正極活物質として平均粒子径10μmのLiNi0.5Mn0.2Co0.3(AGCセイミケミカル社製、商品名:セリオン)の100質量部、導電材としてアセチレンブラックの7質量部を混合し、粘度調整剤とし濃度1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液の40質量部を加えて混練したのち、含フッ素共重合体Aラテックスを10質量部加えて正極合剤1を得た。
得られた正極合剤1を、厚さ15μmのアルミニウム箔(集電体)に、ドクターブレードで乾燥後の厚さが120μmとなるように塗布し、120℃の真空乾燥機に入れて乾燥し正極1とした。
得られた正極1について、上記の方法で、密着性(剥離強度)および充放電特性(容量維持率)を評価した。評価結果を表2に示す。
<実施例2:正極合剤2および正極2の製造>
製造例2で得られた含フッ素共重合体Bラテックスをバインダー組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして正極合剤2および正極2を製造し、同様に評価した。
<実施例3:正極合剤3および正極3の製造>
製造例3で得られた含フッ素共重合体Cラテックスをバインダー組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして正極合剤3および正極3を製造し、同様に評価した。
<実施例4:正極合剤4および正極4の製造>
製造例4で得られた含フッ素共重合体Dラテックスをバインダー組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして正極合剤4および正極4を製造し、同様に評価した。
<比較例1:正極合剤5および正極5の製造>
製造例5で得られた含フッ素共重合体Eラテックスをバインダー組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして正極合剤5及び正極5を製造し、同様に評価した。
Figure 2015111724
上記結果に示すとおり、実施例1〜4の正極は、比較例1の正極に比べて、電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性に優れており、これを用いた二次電池は、充放電特性に優れていた。
<実施例5:負極合剤1および負極1の製造>
製造例1で得られた含フッ素共重合体Aラテックスをバインダー組成物として用いて、負極合剤1を調製した。
すなわち、負極活物質として人造黒鉛の100質量部に、粘度調整剤として濃度1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液の40質量部を加えて混練したのち、含フッ素共重合体Aラテックスの10質量部を加えて負極合剤1を得た。
得られた負極合剤1を、厚さ20μmの銅箔(集電体)に、ドクターブレードで乾燥後の厚さが70μmとなるように塗布し、120℃の真空乾燥機に入れて乾燥し負極1とした。
上記の方法で、密着性(剥離強度)および充放電特性(容量維持率)を評価した。評価結果を表3に示す。
<比較例2:負極合剤2および負極2の製造>
製造例5で得られた含フッ素共重合体Eラテックスをバインダー組成物として用いた以外は、実施例5と同様にして負極合剤2および負極2を製造し、同様に評価した。
Figure 2015111724
上記結果に示すとおり、実施例5の負極は、比較例2の負極に比べて、電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性に優れており、これを用いた二次電池は、充放電特性に優れていた。
<実施例6:負極合剤3および負極3の製造>
製造例1で得られた含フッ素共重合体Aラテックスをバインダー組成物として用いて、負極合剤3を調製した。
すなわち、負極活物質として人造黒鉛の80質量部および一酸化シリコンの20質量部を混合し、粘度調整剤として濃度1質量%のカルボキシメチルセルロース水溶液の40質量部を加えて混練したのち、含フッ素共重合体Aラテックスの10質量部を加えて負極合剤3を得た。
得られた負極合剤3を、厚さ20μmの銅箔(集電体)に、ドクターブレードで乾燥後の厚さが70μmとなるように塗布し、120℃の真空乾燥機に入れて乾燥し負極3とした。
上記の方法で、密着性(剥離強度)および充放電特性(容量維持率)を評価した。評価結果を表4に示す。
<比較例3:負極合剤4および負極4の製造>
製造例5で得られた含フッ素共重合体Eラテックスをバインダー組成物として用いた以外は、実施例6と同様にして負極合剤4および負極4を製造し、同様に評価した。
Figure 2015111724
上記結果に示すとおり、実施例6の負極は、比較例3の負極に比べて、電極活物質間の密着性および電極活物質と集電体との密着性に優れており、これを用いた二次電池は、充放電特性に優れていた。
本発明の蓄電デバイス用バインダー、バインダー組成物、電極合剤、及び電極は、最終的には二次電池などとして、多くの電子機器や電気自動車に搭載され、広範な分野で使用される。
なお、2014年1月27日に出願された日本特許出願2014−012808号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. 含フッ素共重合体を含有する蓄電デバイス用バインダーであって、
    前記含フッ素共重合体が、下記単量体(a)に基づく構成単位(A)と、下記単量体(b)に基づく構成単位(B)とを有することを特徴とする蓄電デバイス用バインダー。
    単量体(a):テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、および下式(I)で表されるペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群より選ばれる少なくとも1種。
    CF=CF−O−R ・・・(I)
    ここで、Rは炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基、または炭素数2〜8のペルフルオロ(アルコキシアルキル)基を表す。
    単量体(b):下式(II)で表される化合物、および下式(III)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種。
    Figure 2015111724
    ここで、nは0または1であり、mは0〜2の整数であり、Rは炭素数1〜8の(m+2)価の飽和炭化水素基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8の(m+2)価の飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8の2価の飽和炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜8のアルキレン基を表す。
  2. 前記式(II)において、Rが炭素数1または2の直鎖のアルキレン基、またはエーテル性酸素原子1〜3個を有する炭素数2〜6のアルキレン基であり、前記式(III)において、Rが炭素数1〜4のアルキレン基である、請求項1に記載の蓄電デバイス用バインダー。
  3. 前記単量体(b)が、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル、および3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の蓄電デバイス用バインダー。
  4. 前記構成単位(B)の含有量が、該構成単位(B)を除く全構成単位の合計に対してモル比で、0.0005/100〜10/100である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用バインダー。
  5. 前記含フッ素共重合体が、下記単量体(c)に基づく構成単位(C)をさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用バインダー。
    単量体(c):プロピレンおよびエチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種。
  6. 前記構成単位(A)と前記構成単位(C)とのモル比[(C)/(A)]が、1/99〜70/30である、請求項5に記載の蓄電デバイス用バインダー。
  7. 前記単量体(a)がテトラフルオロエチレンおよび/またはフッ化ビニリデンであり、前記単量体(c)がプロピレンである、請求項5または6に記載の蓄電デバイス用バインダー。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用バインダーと、液状媒体とを含有する蓄電デバイス用バインダー組成物。
  9. 前記液状媒体が水性媒体であり、
    前記蓄電デバイス用バインダーが前記水性媒体中に分散している、請求項8に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物。
  10. 請求項8または9に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物と、電極活物質とを含有する蓄電デバイス用電極合剤。
  11. 集電体と、前記集電体上に、請求項10に記載の蓄電デバイス用電極合剤を用いて形成された電極活物質層とを有する蓄電デバイス用電極。
  12. 請求項11に記載の蓄電デバイス用電極と、電解液とを備える二次電池。
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