JPWO2015060211A1 - コンタクトレンズ - Google Patents
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Abstract
例えばコンタクトレンズに不慣れな初心者や子供であっても、装用に際しての恐怖心の軽減や涙液交換の促進による装用感の向上、更には衛生面の確保などが図られて、良好な装用が実現可能となる、新規な構造のコンタクトレンズを提供すること。柔軟材からなるソフトタイプで、3カ月以内の短期間の使用期限が設定された使い捨てタイプであり、レンズ外径寸法を10〜13.5mmの範囲内に設定すると共に、レンズ外径寸法に対する光学部14の直径寸法を0.6以上に設定した。
Description
本発明は、コンタクトレンズに関し、特に、コンタクトレンズを初めて使用する、或いは使用して間もない初心者にも好適に用いることのできるコンタクトレンズに関するものである。
従来から、近視や遠視、乱視等の視力矯正として、例えば特開平10−161070号公報(特許文献1)等に記載のコンタクトレンズが用いられている。コンタクトレンズを装用する際には、一般に、片方の手で上下の両眼瞼を押さえて目を大きく見開いた状態に保ちつつ、他方の手の指に乗せたレンズを目に近づけて、コンタクトレンズを角膜表面に重ね合わせることで表面張力等により角膜上に被着保持させるようにされる。また、片方の手の指の先にレンズを乗せ、他の指で下眼瞼を引き下げると共に、他方の手の指で上瞼眼を引き上げて、レンズを目に近づけて装用する方法も、広く採用されている。
ところで、コンタクトレンズを初めて使用する人や、使用を始めて間もない初心者にとって、目に異物を入れることは恐怖心を抱くものであり、装用するまでに時間がかかる場合があった。特に近年では、コンタクトレンズ使用者の低年齢化が進んでおり、コンタクトレンズを初めて使用する年齢が、10歳〜15歳程度の子供である場合も多く、そのような子供にとっては、より大きな恐怖心を抱き、コンタクトレンズの使用に抵抗感を抱く場合も多かった。また、恐怖心から過度に神経質となることで、コンタクトレンズ装用時の異物感に過敏になってしまう傾向があり、特にレンズ表面が乾燥してきたりレンズの角膜表面への吸着感が増加してくると大きな異物感を訴える傾向もあった。
しかしながら、コンタクトレンズを装用する際に使用者が抱く恐怖心や、過度に神経質な反応などに対して、未だ何等の対策もなされていないのが現状であり、コンタクトレンズを初めて使用する人や子供などに配慮した特別なコンタクトレンズは、全く提供されていなかったのである。
しかも、コンタクトレンズは、角膜細胞に直接に接して装用されるものであって、雑菌の繁殖が眼疾患の原因となりやすい。また、コンタクトレンズは、装用状態で涙液に晒されることで脂質やタンパク質等の汚れが付着して蓄積し易い。そこで、定期的な擦り洗いなどにより、衛生的に管理されることが重要である。
ところが、コンタクトレンズ初心者や子供の場合には、不慣れや雑な取り扱いにより、擦り洗い等のメンテナンスが不十分となり易い。そのために、汚れの付着や雑菌の繁殖が発生しやすく、衛生面が確保できないおそれが高くなるという問題もあった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、装用に際する恐怖心や装用時の異物感等が軽減されると共に、衛生面の確保も容易とされて、例えばコンタクトレンズ初心者や子供なども利用し易く配慮された、新規な構造のコンタクトレンズを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明の第一の態様は、中央領域の光学部の外周領域に周辺部が設けられており、眼に重ね合わされて装用されるコンタクトレンズであって、柔軟材からなるソフトタイプであると共に、3カ月以内の短期間の使用期限が設定された使い捨てタイプであり、レンズ外径寸法が10〜13.5mmの範囲内に設定されていると共に、該レンズ外径寸法に対する前記光学部の直径寸法が0.6以上に設定されていることを、特徴とする。
本発明に従う構造とされたコンタクトレンズは、使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズにおいて、10〜13.5mmの小さい外径寸法と、0.6以上の大きな光学部径割合(光学部直径/レンズ外径)とを、互いに組み合わせて採用したことを、構成上の大きな特徴の一つとする。そして、かかる特別な構成の組み合わせによって、例えばコンタクトレンズ初心者や子供なども利用し易く配慮された新規なコンタクトレンズを効果的に実現せしめ得たのである。
すなわち、本発明者は、コンタクトレンズ初心者等が抱く恐怖心と、それに伴う過度な神経質さ故の異物感とを、軽減することについて多くの実験と研究を重ねた結果、レンズ外径寸法を小さくすることが有効であろうとの知見を得るに至った。蓋し、レンズ外径が小さいことで、先ず第一印象での恐怖心を軽減できることは勿論であるし、レンズ外径を小さくすることで装用時の角膜上でのレンズの動きが積極的に許容されることとなり、レンズの動きに伴う涙液交換が促進されて、レンズ表面の乾燥やレンズの角膜表面への吸着が防止されることにより異物感の軽減も図られるからである。
ここにおいて、従来の一般的なソフトコンタクトレンズでは、コンタクトレンズの外径寸法を14mm程度と比較的に大きくすることで、装用時の角膜上での位置安定性を向上することにより、中央部分に設けられて眼光学系に対する光学特性を有する光学部を通じての見え方の安定化を図るのが基本である。これに対して、上述のようにレンズ外径寸法を小さくすると角膜上での動きが大きくなるのに伴って見え方の安定性が低下してしまう懸念があった。そこで、本発明者は、レンズ外径に対する光学部外径の割合を大きくすることで、そのような問題を回避できると考えて研究を重ねたところ、光学部径割合を0.6以上に設定することにより、小径レンズによる角膜上での動き量を大きく確保しつつ、見え方の質の低下を抑えて良好なQOVを維持することを達成し得たのである。
従って、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズでは、ソフトタイプで且つ小径とすることにより、第一印象での視覚上の恐怖心を軽減し得るだけでなく、特定の外径寸法と特定の光学部径割合とを組み合わせて採用したことで、涙液交換の促進に伴う優れた装用感と、良好なQOVの確保とを、両立して達成せしめ得たのである。それ故、例えばコンタクトレンズ初心者などにおける過度な神経質さ故の異物感も、良好な見え方を確保しつつ、軽減することができるのである。
さらに、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズでは、使用に際しての汚れの付着や雑菌の繁殖も抑えられて、衛生面の確保も容易となる。即ち、本発明のコンタクトレンズでは、上述のようにレンズ外径寸法が小さくされることで装用状態における角膜上での動き量が大きく確保されて涙液交換が促進されることから、涙液交換による眼内の老廃物の排出が促進され得るのである。
しかも、本発明のコンタクトレンズでは、小径とされるが故に、慣れない初心者や手指の小さい子供でも、レンズ外周縁部の洗い残しも軽減されてレンズ全面を効率的に擦り洗いすることができるから、衛生管理のメンテナンスの向上も期待できる。加えて、本発明のコンタクトレンズは、3カ月以内の短期間の使用期限が設定された使い捨てタイプであることから、使用期限で廃棄して新しいレンズと交換することによって、擦り洗いや衛生管理に不慣れなレンズ初心者でも、衛生面において著しい不具合の発生が回避され得る。
また、本発明のコンタクトレンズにおける別の効果として、光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径に対して、装用者の角膜曲率半径の適合範囲が広く確保され得ることが挙げられる。即ち、コンタクトレンズは涙液の表面張力等を利用して角膜表面へ被着状態に保持されて装用されることとなるが、角膜表面の曲率半径に比してベースカーブの曲率半径が小さ過ぎると角膜上でレンズが吸盤状に吸着されてしまって十分な涙液交換が確保され難く装用感が低下するおそれがある。反対に、角膜表面の曲率半径に比してベースカーブの曲率半径が大き過ぎると角膜上でのレンズの位置安定性が得られ難く、見え方や装用感に支障がでるおそれがある。
ここにおいて、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズでは、レンズ外径寸法が小さいことから、涙液の表面張力等に基づく角膜へのレンズ吸着力が比較的小さく設定され得る。それ故、レンズのベースカーブの曲率半径が角膜表面の曲率半径に比して十分に小さい場合でも、レンズの角膜に対する吸着力が抑えられて、角膜上でのレンズの動き量を適度に確保することが可能になる。
一方、レンズのベースカーブの曲率半径が角膜表面の曲率半径に比して大きい場合でも、レンズ外径寸法が小さいことから、瞬目に際してレンズに及ぼされる眼瞼との摩擦力や眼瞼への引っ掛かり作用力が小さく抑えられ得る。しかも、仮にレンズが比較的に大きく角膜上で動いた場合でも、光学部のレンズ外径に対する割合が大きくされていることにより、良好な見え方を維持することができる。
このように、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズでは、光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径に対して、装用者の角膜曲率半径の適合範囲を広く設定することも可能となる。そして、かかる適合範囲を広く設定した場合には、コンタクトレンズの製造主体や提供主体において、製造するレンズの規格数を少なくしたり、予め取り揃えておくレンズ種類を少なくすることが可能になり、角膜の曲率半径がそれぞれ相違する多くのレンズ使用者に対しても、適合するコンタクトレンズを効率的に提供することが可能になるのである。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径Xを超えて、装用者の角膜曲率半径Yの適合範囲の上限を設定可能とされているものである。
従来の比較的大径とされたコンタクトレンズでは、レンズのベースカーブの曲率半径が角膜の曲率半径より小さいと装用時に吸盤のように作用して吸着力が過大となり、十分な涙液交換が確保され難いことから、一般に、装用者の角膜曲率半径が、レンズのベースカーブの曲率半径を超えないことを条件として適合範囲が設定されていた。これに対して、本態様に係るコンタクトレンズでは、前述のとおり、レンズ外径寸法が小さくされて角膜へのレンズ吸着力が抑えられることなどから、レンズのベースカーブの曲率半径を超えて、適合する角膜の曲率半径の上限(レンズの角膜への適合範囲の上限)を設定することが出来るのであり、それによって、角膜の曲率半径がそれぞれ相違する多くのレンズ使用者に対して、適合するコンタクトレンズを効率的に提供することが可能になる。
なお、コンタクトレンズの角膜への適合状態の範囲は、見え方と装用感に悪影響が無い状態として、コンタクトレンズの提供主体が使用者に対して提示したものをいう。なお、例えば瞬目に際するレンズの動き量Δの平均値を指標として、かかる動き量が所定範囲に納まる状態(具体的には、0<Δ<1mm等)を適合状態とすることにより、客観的に特定することも可能である。
また、本態様においてコンタクトレンズの角膜への適合範囲の下限は、特に限定されるものでないが、前述のとおり、レンズ外径寸法が小さく且つ光学系割合が大きくされた本発明に係るコンタクトレンズでは、レンズが動いた際の見え方も有利に確保されることから、ベースカーブの曲率半径に適合する角膜曲率半径の下限値も十分に小さくすることができる。具体的には、例えばベースカーブの曲率半径に対して−0.7mm以下や−0.8mm以下にまで設定することも可能な場合があり、−0.9mm以下にまで広げて適合範囲を設定することも可能な場合がある。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るコンタクトレンズにおいて、装用者の角膜曲率半径Yの適合範囲の下限と上限を、前記光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径Xよりも小さい側と大きい側とに設定し、且つそれら上限と下限との間の適合範囲が0.65mmを超えた大きさの範囲で設定可能とされているものである。
本態様によれば、従来構造のコンタクトレンズに比して、角膜表面の曲率半径に対するベースカーブの曲率半径の適合範囲を、十分に広い範囲に設定することで、前述のように、コンタクトレンズの規格数やストック数を少なくして多くのレンズ使用者に対して適合するコンタクトレンズを一層効率的に提供することができる。
本発明の第四の態様は、前記第一〜三の何れかの態様に係るコンタクトレンズであって、前記光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径をXとして、少なくとも曲率半径がX+0.01mmの角膜への装用に際しての瞬目に伴う動き量が0mmより大きいものである。
本態様によれば、ベースカーブの曲率半径に対して適合する角膜の曲率半径の範囲を適切に設定することができるのであり、特に本発明ではレンズ外径寸法を13.5mm以下の比較的小径とすると共にレンズ外径寸法(DIA)に対する光学部の直径寸法(Doz)の値(Doz/DIA)が0.6以上に設定されていることにより、ベースカーブの曲率半径に対して適合する角膜の曲率半径の範囲が大きく確保され得る。なお、ベースカーブに比して大きな角膜曲率半径への良好な適合理由は、DIAが小さく設定されることで角膜への吸着面積ひいては吸着力が抑えられて、角膜上でレンズが動かないタイト状態が回避されること等に基づくと考えられる。
本発明の第五の態様は、前記第一〜四の何れかの態様に係るコンタクトレンズであって、装用状態下における瞬目に伴う動き量が0mmより大きく且つ1mmに満たない角膜曲率の範囲が0.65mmを超えて存在するものである。
本態様によれば、ベースカーブの曲率半径に対して適合する角膜の曲率半径の範囲を広く確保することができるのであり、特に本発明ではレンズ外径寸法を13.5mm以下の比較的小径とすると共にレンズ外径寸法(DIA)に対する光学部の直径寸法(Doz)の値(Doz/DIA)が0.6以上に設定されていることにより、ベースカーブの曲率半径に対して適合する角膜の曲率半径の範囲が、大きく確保され得る。なお、小さな角膜曲率半径にも良好な適合性を示す理由は、Doz/DIAが大きいことで、周辺部そのものの径方向幅寸法が小さくなり周辺部からエッジ部にかけてのリフト量も小さく設定されることから、涙液の流れによる浮き上がりやエッジ部への眼瞼の引っ掛かりなども抑制されて、角膜上でレンズが動きすぎるルーズ状態が回避されること等に基づくと考えられる。
上述のとおり、本発明では、使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズにおいて、特定範囲の小さい外径寸法と特定範囲の大きな光学部径割合とを互いに組み合わせて採用するなどの特徴的な構成を新規に採用したことで、小径故の第一印象による視覚的な恐怖心の払拭効果だけでなく、見え方の質を確保しつつ涙液交換の促進等による装用感の向上を図り、更には衛生面の改善も為し得たのであり、その結果、例えばコンタクトレンズ初心者や子供なども利用し易く配慮された新規なコンタクトレンズを効果的に実現せしめ得たのである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1および図2に、本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズ10を示す。コンタクトレンズ10は、全体として球冠形状を有しており、良く知られているように、図2に併せ示す眼球の角膜Cの表面に重ね合わされて装用されるようになっている。なお、装用とは、コンタクトレンズを人眼の角膜上に重ね合わせて使用することをいう。
より詳細には、本実施形態のコンタクトレンズ10は、ソフトタイプのコンタクトレンズであり、高含水性の柔軟材から形成されている。柔軟材としては、従来から公知の各種のソフトコンタクトレンズ用の素材が採用可能であり、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メタクリル酸(MAA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリジノン(MMP)、N−ビニルピロリドン(N−VP)等の親水性モノマー、トリス(トリメチルシロキン)シリルプロピルメタクリレート(TRIS)等のシリコーン化合物を含有し、架橋剤として例えばエチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、重合開始剤として例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(HMPPO)を用いたもの等が好適に採用され得る。
そして、かかるコンタクトレンズ10は、レンズ中心軸12が光軸とされており、レンズ中心軸12回りの略回転対称形状とされている。また、コンタクトレンズ10は、図1に示す正面視(軸方向視)でレンズ中心軸12を中心とする略円形状を有している。
ここにおいて、コンタクトレンズ10のレンズ外径寸法(DIA)は、10.0〜13.5mm、より好ましくは、11.0mm〜13.5mmの範囲内に設定されている。
レンズ外径寸法(DIA)が10.0mmよりも小さいと、装用時の角膜に対する動き量が大きくなり過ぎたり、後述する光学部14の面積を十分に確保できないおそれや、コンタクトレンズ10が小さくなり過ぎて取扱い性が低下するおそれがあるからである。
一方、レンズ外径寸法(DIA)が13.5mmよりも大きいと、コンタクトレンズ10が大きくなって、コンタクトレンズの初心者に装用時の恐怖心を与え易くなる。即ち、本発明に従うコンタクトレンズ10のレンズ外径寸法(DIA)は、一般的に広く用いられている使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズの最小のレンズ外径寸法(DIA)である13.8mmよりも小さく設定されている。
また、コンタクトレンズ10の中央領域には、視力矯正のための適当なレンズ度数が設定された光学部(optical zone)14が形成されている。光学部14は、図1に示す正面視(軸方向視)において、レンズ中心軸12を中心とする略円形状とされている。更に、コンタクトレンズ10において、光学部14を全周に亘って囲む外周領域には、略円環形状の周辺部(peripheral zone)16が形成されている。なお、周辺部16には、必要に応じて、従来公知の各種の形状を付与することが可能であり、例えばエッジリフト等が形成されていても良い。また、周辺部16の外周縁部には、レンズ前後面をつなぐエッジ部17が設けられている。
かかる光学部14は、装用状態で人眼の光学系に対して光学作用を及ぼす領域であり、想定される瞳孔径などを考慮して大きさが設定されることとなるが、この光学部14の直径寸法:Dozは、レンズ外径寸法(DIA)に対する0.6以上に設定されている。これにより、レンズ外径寸法(DIA)を小さくして角膜上での動き量が大きくなったとしても、光学部14の面積を有効に確保して、見え方を安定させることができる。
なお、光学部14の外周縁部、換言すると周辺部16との境界は、一般にレンズ前面およびレンズ後面においてそれぞれ縦断面上での曲率の変化点としてとらえることができる。しかし、例えば、光学部14のレンズ面が半径方向で漸変するような縦断面形状で設計される場合や、境界が径方向に所定幅をもって形成されてレンズ前後面間で光学部14と周辺部16を滑らかに繋ぐ接続領域等によって形成される場合等において、レンズ前後面における光学部14と周辺部16の境界は、形状的には必ずしも線(line)として明確である必要はなく、人眼の光学系に対して目的とする光学作用を及ぼすように設定された光学部の外周縁をもって把握される。
また、装用状態での見え方の安定性を十分に確保する目的は、光学部14の直径寸法:Dozをレンズ外径寸法(DIA)に対して0.5以上や0.55以上に設定することによりある程度の効果が認められるが、装用眼の涙液や角膜表面形状等の条件なども考慮すると、上述のとおり、かかるDoz/DIAの値を0.6以上に設定するのが良い。尤も、Doz/DIAの値を0.65以上や0.7以上に設定することが、見え方の安定性の向上効果を得るのにより好適な場合はある。
さらに、光学部14において、装用状態で角膜側に位置される後面となる後面光学部18には、装着される角膜の表面に対して装用状態下で略相似形となるように、レンズ中心軸12上でレンズ後方(図2中、右方)に曲率中心が設定されて、適当な曲率半径:Xをもった凹形の縦断面形状を有するベースカーブ(BC)が付されている。後面光学部18の縦断面形状には、角膜の形状やその他の装用条件或いは要求される光学特性等を考慮して、例えば曲率半径が一定であったり、曲率半径が周方向で変化したりする等の各種の略球状の湾曲凹面形状が採用される。後面光学部18に付されるベースカーブ(BC)の曲率半径:Xは、7.00mm〜9.00mm、より好ましくは、7.40mm〜8.80mm、更に好ましくは、7.90mm〜8.50mmの範囲内に設定されている。
特に本実施形態のコンタクトレンズ10は、装用者の角膜Cの曲率半径:Yの適合範囲の上限を、後面光学部18に付されたベースカーブ(BC)の曲率半径:Xを超えて設定することが可能とされている。ここにおいて、角膜曲率半径Yの適合範囲とは、コンタクトレンズの装用時における見え方と装用感に悪影響が無い角膜の曲率半径の範囲であって、例えば瞬目に際してのコンタクトレンズの角膜に対する動き量Δが、0<Δ<1mmであることをいう。なお、角膜が楕円形状を有する等して、角膜曲率半径:Yに異方性がある場合には、角膜曲率半径:Yは平均値を採用することができる。
角膜曲率半径:Yがベースカーブ(BC)の曲率半径:Xより大きい場合には、コンタクトレンズ10の角膜表面に対する吸着力が大きくなるおそれがあるが、本実施形態のコンタクトレンズ10によれば、レンズ外径寸法(DIA)が小さく設定されていることから、角膜表面上での動き量を確保することができ、ベースカーブ(BC)の曲率半径:Xを超えた曲率半径の角膜にも適応することができる。
加えて、コンタクトレンズ10は、装用者の角膜曲率半径:Yの適合範囲の下限を、後面光学部18に付されたベースカーブ(BC)の曲率半径:Xよりも小さい側に設定することができ、角膜曲率半径:Yの適合範囲の上限と下限との間の適合範囲を、0.65mmを超えた大きさの範囲で設定することができる。
例えば、後述の実施例3〜5にも示されるように、ベースカーブ(BC)の曲率半径:Xが8.30mmの場合において、角膜曲率半径:Yの適合範囲の上限が、8.30mmよりも大きい8.32mmにまで設定可能とされ得る。一方、角膜曲率半径:Yの適合範囲の下限が、8.30mmよりも小さい7.48mmにまで設定可能とされ得る。これにより、角膜曲率半径:Yの適合範囲の上限と下限との間の適合範囲は、7.48mm〜8.32mmの0.84mmに設定可能とされ得る。また、後述の実施例2にも示されるように、ベースカーブ(BC)の曲率半径:Xが8.10mmの場合において、角膜曲率半径:Yの適合範囲の上限が8.32mm、下限が7.48mmに設定可能とされ得て、角膜曲率半径:Yの適合範囲の上限と下限との間の適合範囲が、7.48mm〜8.32mmの0.84mmに設定可能とされ得る。
このようなコンタクトレンズ10は、例えば3カ月や1カ月、2週間、1週間や1日など、3カ月以内の短期間の使用期限が設定されており、使用期限の経過後は廃棄される使い捨てタイプとされている。
なお、コンタクトレンズ10は、従来からコンタクトレンズの製造に用いられている、切削研磨法やスピンキャスト法で製造することも可能であるが、好適には、従来から使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズの製造に広く用いられている、モールド重合法で製造される。モールド重合法は、目的とするレンズ形状に対応する成形キャビティを備える成形型内に重合性モノマー混合液を充填し重合することで、目的とするコンタクトレンズを製造する製法であり、レンズ種類が少なく、用意する成形型の種類が少なくて済むソフトコンタクトレンズを、安価に大量生産することができる。
このようなコンタクトレンズ10は、従来のコンタクトレンズと同様に、装用する眼の上下の両眼瞼を片方の手で広げた状態に保ちつつ、他方の手の指に乗せたコンタクトレンズ10を眼に接近させて角膜表面に張り付けたり、片方の手の指にコンタクトレンズ10を乗せて、他の指で下眼瞼を引き下げると共に、他方の手の指で上眼瞼を引き上げつつ、コンタクトレンズ10を眼に接近させて角膜表面に張り付けることにより装用される。そして、本実施形態のコンタクトレンズ10によれば、レンズ外径寸法(DIA)が、一般的に用いられている使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズに比して、小さくされている。これにより、眼に装用する際に、使用者に与える恐怖感を軽減することができ、例えばコンタクトレンズを初めて使用する人や、使用を開始して間もない初心者、恐怖感を抱き易い子供でも、レンズの装用を円滑に行なうことができる。
そして、コンタクトレンズ10は、3カ月以内の短期間の使用期限が設定された、使い捨てタイプとされている。したがって、コンタクトレンズの取り扱いに不慣れであったり、取り扱いが雑な使用者でも、コンタクトレンズ10に脂質やタンパク質等の汚れが眼に悪影響を与える程度に蓄積する前に、新しいレンズと交換することによって、衛生面を確保することができる。
さらに、レンズ外径寸法(DIA)が小さく、角膜表面への吸着作用が小さいことから、例えば角膜表面の曲率半径:Yがベースカーブ(BC)の曲率半径:Xより大きい場合でも、角膜上での動き量を確保することができる。一方、角膜表面の曲率半径:Yがベースカーブ(BC)の曲率半径:Xより小さい場合には、レンズ外径寸法(DIA)が小さく設定されていることにより、眼瞼との摩擦を小さくして必要以上の動きを抑えることができると共に、仮に動いた場合でも、光学部14がレンズ外径の0.6以上に設定されて、レンズ外径寸法(DIA)に対して大きな割合で形成されていることから、良好な見え方を維持することができる。これにより、より広い範囲の角膜表面の曲率半径:Yに対応することが可能となり、例えばレンズの種類を少なくして、製造コストを低減することができる。
本発明に従うコンタクトレンズの技術的効果について確認するために、従来構造に従う比較例としてのコンタクトレンズと、本発明に従う実施例としてのコンタクトレンズについて、[I]レンズ外径寸法(DIA)に対する光学部径寸法(Doz)の設定範囲と、[II]レンズベースカーブの曲率半径(X)に対する角膜曲率半径(Y)の適用範囲とについて、それぞれ、調査した結果を、以下に示す。
[I]レンズ外径寸法(DIA)に対する光学部径寸法(Doz)の設定範囲
実施例として、[表1]に示す実施例A、実施例Bおよび比較例Aの3種類のソフトコンタクトレンズを準備した。なお、[表1]中、レンズ材質として採用したメニコンソフト72材は、株式会社メニコンの商品名「メニコンソフト72」の材料であり、DMAA(ジメチルアクリルアミド)とN−VP(N−ビニルピロリドン)の共重合素材であって、酸素透過係数(Dk値)34(ISO電極法による。単位:×10-11(cm2 /秒)・(mLO2 /(mL・mmHg)))を示す非イオン性高含水素材である。かかる材料を用いて、実施例A、Bと比較例Aの計3種類のソフトコンタクトレンズを、旋盤を用いた公知のレースカット法にて試作した。なお、各コンタクトレンズは、膨潤状態で装用されるものであり、レンズ外径寸法(DIA)や光学部径寸法(Doz)、レンズベースカーブの曲率半径(X)などは、何れも、生理食塩水による膨潤状態での測定値とする。
実施例として、[表1]に示す実施例A、実施例Bおよび比較例Aの3種類のソフトコンタクトレンズを準備した。なお、[表1]中、レンズ材質として採用したメニコンソフト72材は、株式会社メニコンの商品名「メニコンソフト72」の材料であり、DMAA(ジメチルアクリルアミド)とN−VP(N−ビニルピロリドン)の共重合素材であって、酸素透過係数(Dk値)34(ISO電極法による。単位:×10-11(cm2 /秒)・(mLO2 /(mL・mmHg)))を示す非イオン性高含水素材である。かかる材料を用いて、実施例A、Bと比較例Aの計3種類のソフトコンタクトレンズを、旋盤を用いた公知のレースカット法にて試作した。なお、各コンタクトレンズは、膨潤状態で装用されるものであり、レンズ外径寸法(DIA)や光学部径寸法(Doz)、レンズベースカーブの曲率半径(X)などは、何れも、生理食塩水による膨潤状態での測定値とする。
そして、これら3種類のソフトコンタクトレンズを、P(付加度数)、BC(X) 、DIAが適合する被検者に装用させて、装用から15分経過後の見え方を、「安定性」と「鮮明性」の2項目について被検者の主観的観察によって評価した。前者の「安定性」評価は、見え方について、「安定」、「ほぼ安定」、「やや不安定」、「不安定」の4項目のなかから選択する評価方式を採用した。後者の「鮮明性」評価は、瞬目の直後から鮮明に見えるまでに2秒に満たないことを鮮明性の要件とし、鮮明に見えるまでに2秒以上要した場合に不良と評価した。「安定性」および「鮮明性」の評価結果を、以下の[表2]に示す。
かかる[表2]の結果から明らかなように、レンズ外径寸法(DIA)が13.20mmの小径コンタクトレンズであっても、光学部の直径寸法(Doz)が大きくされて、例えばDoz/DIAの比が0.6以上に設定されたコンタクトレンズにおいては、装用状態での見え方の安定性と鮮明性が、何れも良好に保たれ得ることがわかる。すなわち、実施例A、Bと比較例Aのコンタクトレンズは、何れも、レンズ材質やP(付加レンズ度数)だけでなくBCやDIAも同一とされているが、Doz/DIAの比が0.6未満の比較例Aのコンタクトレンズでは安定性と鮮明性の何れも十分に得られ難いのに対して、Doz/DIAの比が0.6以上の実施例A、Bのコンタクトレンズでは、良好な見え方が発揮されている。また、コンタクトレンズの角膜上での安定性については、本発明に従ってDoz/DIAの比を0.6以上として周辺部の割合を制限することで、レンズ外径寸法(DIA)の変更に際して、装用時の安定性や鮮明性に与える影響が軽減されることとなり、その結果、DIAが10mm〜13.5mmの広い範囲内で良好な安定性や鮮明性が発揮され得る。
[II]レンズベースカーブの曲率半径(X)に対する角膜曲率半径(Y)の適用範囲
実施例として、[表3]に示す実施例1〜6および比較例1の7種類のソフトコンタクトレンズを準備した。なお、これら7種類のソフトコンタクトレンズは、何れも、株式会社メニコンの商品名「2ウィークメニコン プレミオ」の材料であるシリコーンハイドロゲルからなり、酸素透過係数(Dk値)129(ISO電極法による。単位:×10-11(cm2 /秒)・(mLO2 /(mL・mmHg)))を示す素材である。かかる材料を用いて、実施例1〜6と比較例1の計7種類のソフトコンタクトレンズを、樹脂成形型を用いた公知のモールド成形法にて試作した。因みに、比較例1は、従来品である市販の使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズ(株式会社メニコン製の商品名:2ウィークメニコン プレミオ)を使用した。
実施例として、[表3]に示す実施例1〜6および比較例1の7種類のソフトコンタクトレンズを準備した。なお、これら7種類のソフトコンタクトレンズは、何れも、株式会社メニコンの商品名「2ウィークメニコン プレミオ」の材料であるシリコーンハイドロゲルからなり、酸素透過係数(Dk値)129(ISO電極法による。単位:×10-11(cm2 /秒)・(mLO2 /(mL・mmHg)))を示す素材である。かかる材料を用いて、実施例1〜6と比較例1の計7種類のソフトコンタクトレンズを、樹脂成形型を用いた公知のモールド成形法にて試作した。因みに、比較例1は、従来品である市販の使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズ(株式会社メニコン製の商品名:2ウィークメニコン プレミオ)を使用した。
なお、動き量に基づいて角膜への適用範囲を測定する本実施例では、何れのソフトコンタクトレンズにおいても、付加レンズ度数(P)を−3ディオプターとして条件をできるかぎり共通にした。また、比較例1のコンタクトレンズでは、DIAの値が14.00mmとされることでDoz/DIAの比も小さく0.6未満であった。
そして、これらBC(X値)が7.40〜8.40mmの範囲で異なると共にDIAが12.50〜13.50mmの範囲で異なる6種類の実施例と従来規格の比較例との計7種類のソフトコンタクトレンズを、角膜の曲率半径が異なる複数の被検者に装用させて、装用から15分経過後に角膜上での動き量を客観的に測定して評価した。かかる評価に際しては、瞬目に際してコンタクトレンズが角膜上で動いた距離を動き量として測定し、当該動き量の測定値が0より大きく且つ1mmに満たないノーマルの場合に「適合」と判定した。一方、動き量の測定値が0mmで動きがないタイトの場合と、動き量の測定値が1mm以上で動き過ぎるルーズの場合は、何れも「不適合」と判定した。測定と評価の結果を、以下の[表4]に示す。また、特定のBCを有するコンタクトレンズにおける、広い曲率半径範囲の角膜への適合性についての良否を判り易くする目的で、適合する角膜曲率半径の適合範囲が0.65mm以下の場合に不可(×)とし、かかる適合範囲が0.65mmを越える場合に可(○)として、動き量による判定結果を[表4]に併せ示した。
なお、被検者としては、角膜の曲率半径が7.48mm、7.69mm、8.07mm、8.32mm、8.41mmの者を含む複数人を採用した。[表4]にも示すとおり、実施例1〜6は、少なくとも0.84mmの角膜曲率半径の広い上下限範囲内において、動き量が0より大きく且つ1mm未満の範囲内であることが確認され得て良好であったが、比較例1はそれよりもずっと狭い0.38mmの適合範囲しか確認できず、かかる適合範囲を外れると動き量が0(動き無)か1mm以上となって不適合であった。
因みに、比較例1で適合した(動き量が0mmより大きく且つ1mm未満の範囲内となった)角膜曲率半径の上下限は8.07mmと7.69mmであり、上限はコンタクトレンズのBCよりも小さく、適合範囲も狭かった。また、何れの実施例のコンタクトレンズにおいても、7.48mmの曲率半径の角膜への装用状態で瞬目に際しての動き量が1mm未満に抑えられて適合性が良好であったのに対して、比較例1のコンタクトレンズでは、7.48mmの曲率半径の角膜でも動き量が1mmを越えて不適合であった。因みに、7.48mmの角膜への装用状態で測定された動き量は、実施例1で0.2mm、実施例2で0.4mm、実施例3で0.4mm、実施例4で0.1mm、実施例5で0.3mm、実施例6で0.3mmであった。一方、適合する角膜曲率半径の上限側では、8.32mmの曲率半径の角膜への装用状態で瞬目に際しての動き量が、実施例1で0.3mm、実施例2で0.5mm、実施例3で0.5mm、実施例4で0.5mm、実施例5で0.3mmであり、更に実施例6では8.41mmの曲率半径の角膜への装用状態でも瞬目に際しての動き量を0.3mm確保し得たのに対して、比較例1は8.07mmの曲率半径の角膜への装用状態でさえも瞬目に際しての動き量が0(無し)であった。
また、被検者の角膜の曲率半径の測定には、市販のオートケラトメーター(株式会社トプコン製、型式名:KR−8100P)を用いて、角膜中心から約3mmの領域内における角膜曲率半径を垂直方向と水平方向で行い、それら2方向の平均値を角膜曲率半径(R)の値とした。更にまた、コンタクトレンズのベースカーブは、単一屈折要素をもつ面の後面光学部の曲率半径であり、実施例および比較例のソフトコンタクトレンズは回転対象形状とされていることから、オプティメック社(Optimec Limited)製のJCF/TCU(装置型式名)を用いて、生理食塩水中に浸漬したソフトコンタクトレンズの真横からの像をスクリーン上に投影してベースカーブラディアス(BCOR)を読み取ることで測定した。
[表4]から明らかなように、従来の一般的なDIAのソフトコンタクトレンズである比較例1に比して、実施例1〜6のソフトコンタクトレンズでは、何れも2倍以上のより広い範囲の角膜曲率半径に適応可能であることが確認された。特に、適応範囲の上限および下限の何れについても、実施例1〜6の方が何れも比較例よりも広い範囲に適応可能であり、比較例は、ベースカーブ(BC)よりも大きな曲率半径には適用不能であるのに対して、各実施例によれば、ベースカーブ(BC)を超える曲率半径の角膜形状にも適用可能であることが確認された。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態に例示したコンタクトレンズは、単焦点のコンタクトレンズであるが、老視矯正用のバイフォーカルや累進多焦点(プログレッシブ)のコンタクトレンズ、乱視矯正用のトーリックコンタクトレンズなどにも、本発明は好適に適用され得る。
特に、乱視矯正用のトーリックコンタクトレンズでは、ベースカーブ側に円柱レンズ度数を設定することも可能であり、その場合にはベースカーブの曲率半径に異方性が生ずるが、角膜への適合範囲に関しては、角膜と同様に平均値を採用することで対応することができる。
また、コンタクトレンズの外周や光学部等の形状として、例えば楕円形などの円形以外の形状を採用することも可能であり、その場合には、円柱レンズ度数を設定する場合と同様に、スラブオフやプリズムバラスト等の公知の周方向位置決め手段が採用可能である。
10:コンタクトレンズ、12:レンズ中心軸、14:光学部、16:周辺部、17:エッジ部、18:後面光学部
Claims (5)
- 中央領域の光学部の外周領域に周辺部が設けられており、眼に重ね合わされて装用されるコンタクトレンズであって、
柔軟材からなるソフトタイプであると共に、3カ月以内の短期間の使用期限が設定された使い捨てタイプであり、
レンズ外径寸法が10〜13.5mmの範囲内に設定されていると共に、該レンズ外径寸法に対する前記光学部の直径寸法が0.6以上に設定されていることを特徴とするコンタクトレンズ。 - 前記光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径Xを超えて、装用者の角膜曲率半径Yの適合範囲の上限を設定可能である請求項1に記載のコンタクトレンズ。
- 装用者の角膜曲率半径Yの適合範囲の下限と上限を、前記光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径Xよりも小さい側と大きい側とに設定し、且つそれら上限と下限との間の適合範囲が0.65mmを超えた大きさの範囲で設定可能である請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ。
- 前記光学部の後面に付されたベースカーブの曲率半径をXとして、少なくとも曲率半径がX+0.01mmの角膜への装用に際しての瞬目に伴う動き量が0mmより大きい請求項1〜3の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
- 装用状態下における瞬目に伴う動き量が0mmより大きく且つ1mmに満たない角膜曲率の範囲が0.65mmを超えて存在する請求項1〜4の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
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2014
- 2014-10-17 WO PCT/JP2014/077680 patent/WO2015060211A1/ja active Application Filing
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A521 | Request for written amendment filed |
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A02 | Decision of refusal |
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