JPWO2015037513A1 - 撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルム - Google Patents

撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015037513A1
JPWO2015037513A1 JP2015536550A JP2015536550A JPWO2015037513A1 JP WO2015037513 A1 JPWO2015037513 A1 JP WO2015037513A1 JP 2015536550 A JP2015536550 A JP 2015536550A JP 2015536550 A JP2015536550 A JP 2015536550A JP WO2015037513 A1 JPWO2015037513 A1 JP WO2015037513A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
water
repellent
pores
porous structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015536550A
Other languages
English (en)
Inventor
博和 小山
博和 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2015037513A1 publication Critical patent/JPWO2015037513A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/28Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material
    • C03C17/30Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material with silicon-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C15/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by etching
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/0005Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation
    • C03C23/0025Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation by a laser beam
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/008Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments comprising a lixiviation step
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • C03C3/091Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/40Coatings comprising at least one inhomogeneous layer
    • C03C2217/42Coatings comprising at least one inhomogeneous layer consisting of particles only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2217/00Coatings on glass
    • C03C2217/70Properties of coatings
    • C03C2217/76Hydrophobic and oleophobic coatings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

本発明は、撥水性、透明性、および耐傷性に優れる撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびに該撥水性ガラスを用いた撥水性フィルムを提供する。本発明は、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面に、スピノーダル型多孔構造を有し、前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を有する撥水性ガラスであって、前記スピノーダル型多孔構造の表面における前記空孔の空孔径が10〜200nmであり、前記空孔は前記スピノーダル型多孔構造の表面から前記撥水性ガラスの厚さ方向に向かって前記空孔径が減少しており、前記空孔の深さが200〜500nmであり、かつ前記空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有する、撥水性ガラス、およびその製造方法、ならびに該撥水性ガラスを用いた撥水性フィルムである。

Description

本発明は、撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルムに関する。
一般的に、外部に露出された状態で使用される自動車の安全ガラス、建物用ガラス、鏡などの多様なガラスは、その表面に雨や各種の水分で汚染される場合が多くなり、それにより視野も悪くなる。したがって、これを防ぐために、そのガラス表面に撥水機能を付与した撥水性ガラスが用いられている。
撥水性ガラスとして、スピノーダル分解により得られる多孔質ガラスの表面および空孔部に撥水剤を有する撥水性多孔質ガラスは知られている。例えば、特開2011−251870号公報には、スピノーダル型多孔構造による平均空孔径が10nm以上100nm以下の空孔を有する多孔質ガラスの表面および内部に存在する空孔の表面に撥水剤を有する撥水性多孔質ガラスが提案されている。また、別の技術として、特表2008−508181号公報(米国特許第7258731号明細書)には、ガラス全体にスピノーダル型相分離構造を形成させ、そのスピノーダル型相分離構造の表面部分のみを酸処理し、相分離構造の表面部分に多孔構造を形成し、多孔構造部に撥水剤をコートすることが開示されている。さらに、米国特許出願公開第2012/0088066号明細書には、基材上にスピノーダル分解による多孔質ガラス層を形成し、撥水剤をコートすることが開示されている。
加えて、特開2012−131695号公報(米国特許出願公開第2013/0233018号明細書)には、表面からイオンを拡散させて表面ほどイオンの濃度を高めてエッチングされやすくすることで、深さ方向に遠くなるほど空孔率が小さくなっている多孔質ガラスの製造方法が提案されている。
しかしながら、特開2011−251870号公報に記載の技術では、ガラス全体を一定の温度に加熱することによりスピノーダル分解を行っているために、ガラス全体が相分離し、ガラス全体に亘って多孔化されている。空孔部は光を散乱の原因となるが、その空孔部がガラス全体に形成されているため、ヘイズが高いガラスとなってしまう。
特表2008−508181号公報(米国特許第7258731号明細書)に記載の技術では、空孔が形成される部分が限定されることから、ある程度ヘイズを低く抑えることができる。しかし、エッチングされてない相分離構造の部分は、異なる相間の屈折率差から光が散乱し、ヘイズが高くなってしまうという問題がある。
また、米国特許出願公開第2012/0088066号明細書に記載の技術では、高い撥水性を出すために、比較的大きな空孔径と比較的厚い相分離層とが必要となる。しかしながら、大きな空孔径と厚い相分離層は、ヘイズを高くする原因となるという問題がある。さらに、特許文献1〜3に記載の撥水性ガラスでは、主に微小な砂粒が高速でぶつかることが原因で生じる傷に対する耐性が低いことが判明した。
加えて、特開2012−131695号公報(米国特許出願公開第2013/0233018号明細書)に記載の技術では、穴の深さが数十μm〜数百μmのスケールであれば、空孔率の制御が可能であるが、それに伴い、多孔質ガラスのヘイズが低下するという問題があった。
このように、撥水性ガラスにおいて、高い撥水性を維持しながら透明性を向上させ、さらには耐傷性を向上させる技術が求められていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、撥水性、透明性、および耐傷性に優れる撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびに該撥水性ガラスを用いた撥水性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を行った。その結果、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面にスピノーダル型多孔構造を有し、前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を有する撥水性ガラスであって、前記スピノーダル型多孔構造の表面における前記空孔の空孔径および空孔の深さを特定の範囲とし、空孔の形が、スピノーダル型多孔構造の表面から撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径が減少している形態とし、かつ空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有する撥水性ガラスにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の上記課題は、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面にスピノーダル型多孔構造を有し、前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を有する撥水性ガラスであって、前記スピノーダル型多孔構造の表面における前記空孔の空孔径が10〜200nmであり、前記空孔は前記スピノーダル型多孔構造の表面から前記撥水性ガラスの厚さ方向に向かって前記空孔径が減少しており、前記空孔の深さが200〜500nmであり、かつ前記空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有する、撥水性ガラスにより達成される。
本発明は、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面に、スピノーダル型多孔構造を有し、前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を有する撥水性ガラスであって、前記スピノーダル型多孔構造の表面における前記空孔の空孔径が10〜200nmであり、前記空孔は前記スピノーダル型多孔構造の表面から前記撥水性ガラスの厚さ方向に向かって前記空孔径が減少しており、前記空孔の深さが200〜500nmであり、かつ前記空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有する、撥水性ガラスである。このような構成とすることにより、撥水性、透明性、および耐傷性に優れる撥水性ガラスが得られる。
本発明の撥水性ガラスにおける効果発現の詳細なメカニズムは不明であるが、以下のような理由によるものと考えられる。
すなわち、本発明の撥水性ガラスは、スピノーダル型多孔構造の表面における空孔の空孔径が10〜200nmである。これにより、撥水剤が容易に空孔内に入り込むことが可能となり、安定して撥水性が発現するものと考えられる。しかしながら、空孔径が10〜200nmの空孔は、透明性(ヘイズ)低下の原因となりうる。そこで、前記スピノーダル型多孔構造の表面から前記撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径を減少させることにより、透明性(ヘイズ)の低下を抑制することができた。また、ガラスが相分離した部分も透明性(ヘイズ)の低下の原因となりうるが、本発明の撥水性ガラスは、空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有しており、これによっても、透明性(ヘイズ)の低下を抑制することができたと考えられる。
さらに、本発明の撥水性ガラスは、耐傷性に優れる。このメカニズムの詳細は不明であるが、砂粒等がガラスの表面にぶつかった際、スピノーダル型多孔構造のそれぞれの突起が板バネのように変形してその力を吸収すると考えられる。本発明の撥水性ガラスのスピノーダル型多孔構造の空孔は、スピノーダル型多孔構造の表面から前記撥水性ガラスの厚さ方向に向かって前記空孔径が減少している。換言すれば、スピノーダル型多孔構造のそれぞれの突起は、撥水性ガラスの厚さ方向に向かって徐々に太くなり、最終的にその下部にあり、突起の土台となる相分離していない部分と一様の組成を形成することになる。したがって、それぞれの突起が壊れにくく、耐傷性が向上すると考えられる。例えば、特表2008−508181号公報(米国特許第7258731号明細書)や米国特許出願公開第2012/0088066号明細書に記載の撥水性ガラスの構造では、ガラスの厚さ方向で空孔径が一定であるため突起の強度が上がらず、また、ばね板と同じように表面から離れるほど砂粒等の衝突の応力が大きくなり、その応力に耐えられなくなると考えられ、耐傷性が低下すると考えられる。また、特表2008−508181号公報(米国特許第7258731号明細書)に記載の撥水性ガラスは、いわばガラス表面の突起が、相分離している土台につながっている構造になっていると言える。相分離している土台部におけるそれぞれの相は、突起と同様のナノオーダーの径であり強度が上がらず、さらに、相分離した不連続面が土台部に存在するために、その不連続面に応力が集中して突起が壊れやすく、耐傷性が低下すると考えられる。
なお、上記のメカニズムは推定によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら限定されるものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみには限定されない。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
[撥水性ガラス]
〔相分離可能なガラス〕
本発明で用いられる相分離可能なガラスの具体例としては、酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物、酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物−(アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム)、酸化ケイ素−リン酸塩−アルカリ金属酸化物、酸化ケイ素−酸化ホウ素−酸化カルシウム−酸化マグネシウム−酸化アルミニウム−酸化チタン、酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物−(酸化セリウム、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン))などを挙げることができる。中でも、比較的広い組成領域で相分離し、安定して相分離を起こしやすいことから、また、局所加熱に紫外光を用いる際は、紫外域に吸収を持つために効率的に表層から紫外光を吸収して熱に変換できることから、酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物、酸化ケイ素−酸化ホウ素−アルカリ金属酸化物−(アルカリ土類金属酸化物、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム)等のホウケイ酸塩ガラスを好ましく用いることができる。
特に好ましくは、酸化ケイ素(SiO);60〜85質量%、酸化ホウ素(B);10〜30質量%、NaO;3〜10質量%および他の組成を5質量%未満で含む、ホウケイ酸塩ガラスである。
これら相分離可能なガラスは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
相分離可能なガラスの製造方法は、上記の組成となるように原料を調製する他は、公知の方法が適宜採用されうる。例えば、各成分の供給源を含む原料を加熱溶融し、必要に応じて所望の形態に成形することにより製造することができる。加熱溶融する場合の加熱温度は、原料組成等により適宜設定すればよいが、通常は1350〜1450℃の範囲とすることが好ましい。
例えば、上記原料として炭酸ナトリウム、ホウ酸および二酸化ケイ素を均一に混合し、1350〜1450℃に加熱溶融すれば良い。この場合、原料は、上記の通りアルカリ金属酸化物、酸化ホウ素、および酸化ケイ素の成分を含むものであればどのような原料を用いてもよい。
また、相分離可能なガラスの製造方法として、ガラス、樹脂フィルム等の支持体上に原料を蒸着させる蒸着法も用いることができる。蒸着法としては、特に限定されず、公知の薄膜堆積技術を利用することが出来る。例えば、蒸着法、反応性蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法、化学気相堆積法などが挙げられる。
組成の均一性からスパッタ法が好ましい。例えば、所望する組成のガラスを用いてターゲットを作製し、マグネトロンスパッタ装置で成膜することができる。
上記支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等の二軸延伸ポリエステル系フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を用いることができる。中でも、高強度、高透明性、低熱膨張からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)であることが好ましく、特に、150℃、30分の熱収縮を0.5%以下に抑えたポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)は局所加熱処理による寸法変化の影響を受けにくいことから最も好ましい。
なお、支持体として樹脂フィルムを用いた場合、別途のガラスと基材との貼合を行わずとも、樹脂フィルムを基材として用いた本発明の撥水性フィルムとなりうる。
本発明に係る相分離可能なガラスの形状は、板状である。ガラスを板状に成形する場合は、ガラスを合成した後、溶融温度から自然冷却により温度を降下させて成形する方法を好適に採用することができる。
本発明に係る相分離可能なガラスの厚さは特に制限されないが、板状の場合は、取り扱い性から30μm〜10mmであることが好ましく、70μm〜5mmであることがより好ましい。フィルム上に本発明のガラスを形成する場合は、空孔の深さが200〜500nmであり、かつ前記空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有するためにはガラスの厚さは500nm以上であることが好ましく、700nm以上であることがより好ましい。ガラスの厚さの上限は特に制限ないが、フレキシブル性を持たせるためには200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
〔スピノーダル型多孔構造〕
本発明の撥水性ガラスは、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面に、スピノーダル型多孔構造を有する。
ガラスの相分離は、スピノーダル型とバイノーダル型とに分類される。バイノーダル型は母相と異なる第2ガラス相が球状組織を形成するのに対して、スピノーダル型は組成の異なる2つのガラス相が絡み合い3次元網目状組織を形成する。本発明において、スピノーダル型多孔構造とは、このスピノーダル型3次元網目状組織を、酸溶液等と接触させることにより酸可溶成分を溶出除去して形成した多孔構造を表している。酸化ケイ素、酸化ホウ素、アルカリ金属を有する酸化物を含むホウケイ酸塩ガラスを用いた場合は、アルカリ金属を有する酸化物と酸化ホウ素を相分離前の組成より多く含有する相(非シリカリッチ相)が酸により溶出除去できる。
スピノーダル型の相分離由来の空孔とバイノーダル型の相分離由来の空孔とは、電子顕微鏡による形態観察結果より判断され区別されうる。主に、ガラスの組成で、スピノーダル型の相分離かバイノーダル型の相分離かが決まる。
本発明の撥水性ガラスにおいては、その製造の際、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面に対して、後に説明する局所加熱を行う。これにより、スピノーダル型多孔構造の表面における空孔径が、10〜200nmの範囲となる。また、空孔がスピノーダル型多孔構造の表面から撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径が減少する構造を有する。さらに、空孔の深さが200〜500nmの範囲となり、かつ前記空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有している構造となる。このような構造を有することにより、安定して撥水性が発現し、また、透明性および耐傷性に優れた撥水性ガラスとなる。
本発明の撥水性ガラスのスピノーダル型多孔構造の表面における空孔径は、10〜200nmである。表面における空孔径が10nm未満では、撥水剤を空孔内部まで浸透させることができなくなり、撥水耐久性が低下する。一方、200nmを超えると、表面ヘイズが低下し、耐傷性も低下する。該空孔径は、好ましくは30〜180nmであり、より好ましくは40〜150nmであり、さらに好ましくは60〜100nmである。なお、本明細書において、該空孔径は、撥水性ガラスの超薄切片を作製し、その透過型電子顕微鏡(TEM)の断面写真から、最表面の突起構造の距離を50個測定し、その平均を算出した値とする。
本発明の撥水性ガラスのスピノーダル型多孔構造の空孔の深さは、200〜500nmである。空孔の深さが200nm未満である場合、撥水性のこすれに対する耐久性が悪くなる。一方、500nmを超えると、主に微小な砂粒が高速でぶつかることが原因で生じる傷に対する耐性が悪くなる。該空孔の深さは、好ましくは250〜480nmであり、より好ましくは270〜470nmであり、さらに好ましくは300〜450nmである。なお、本明細書において、該空孔の深さは、撥水性ガラスの超薄切片を作製し、その透過型電子顕微鏡(TEM)の断面写真から、空孔が見られなくなる深さを50個の空孔について測定し、その平均を算出した値とする。
また、本発明の撥水性ガラスのスピノーダル型多孔構造の空孔の形は、スピノーダル型多孔構造の表面から撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径が減少する構造となっている。このような構造とすることにより、たとえ表面の空孔径が10〜200nmの範囲であっても、透明性に優れた撥水性ガラスとなる。空孔径の減少がなく、空孔径が撥水性ガラスの厚さ方向で一定である場合、透明性が低下する。
このような空孔径の減少は、段階的であってもよいし連続的であってもよく、特に制限されない。なお、空孔の形は、撥水性ガラスの超薄切片を作製し、その透過型電子顕微鏡(TEM)の断面写真から、空孔の深さの50nmおきに、空孔径を50個測定し、その平均をその深さにおける空孔径とする。そして、表面から深さ方向に空孔径が減少しているかどうかを調べることにより、確認することができる。
該スピノーダル型多孔構造は、本発明に係る板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面に有していればよく、両面に有していてもよい。
さらに、本発明の撥水性ガラスは、空孔がなくかつ相分離が生じていない部分を一部に有する。これにより、相分離が生じている部分に起因する光の散乱が抑えられ、透明性が向上する。また、相分離が生じていない部分を有することによりガラスの強度が向上する。加えて、相分離が生じている部分は不連続面を有することになるため、表面のスピノーダル型多孔構造に砂粒等がぶつかった場合、その不連続面に応力が集中して、いわば空孔の壁となっている表面の突起構造が壊れやすくなる。本発明の撥水性ガラスは、相分離が生じていない部分を有するため、上記のような現象を抑えることができ、耐傷性が向上すると考えられる。なお、空孔がなくかつ相分離が生じていない部分の厚さ、大きさ等は特に制限されない。
相分離が生じていない部分を有しているかどうかは、撥水性ガラスのTEMの画像の目視による色の濃淡から判断することができる。濃淡がない部分があれば、そのガラス部分は、相分離していない構造を有すると判断することができる。
上記のようなスピノーダル型多孔構造の空孔の空孔径、空孔の深さ、空孔の形、および相分離が生じていない構造の制御は、相分離可能なガラスの構成材料の選択、局所加熱の条件の制御、エッチング処理の条件の制御等により制御することができる。
〔撥水剤〕
本発明の撥水性ガラスは、上記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を有する。撥水剤としては、特に制限されないが、単分子膜を形成する化合物であることが好ましい。単分子膜とは、自己組織化単分子膜(Self−Assembled Monolayer(SAM))に代表されるような物質であり、分子中の一官能基が基板と化学結合を形成し、その他の部分は分子間で化学結合を形成せず、一分子分の厚さの膜しか形成されないものである。
単分子膜を形成する化合物としては、シリコーン化合物、フッ素含有化合物であることが好ましく、フッ素含有化合物であることがより好ましい。
単分子膜を形成するフッ素含有化合物としては、フッ素結合基を有するとともに末端にはアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤であり、シランカップリング反応を経て、シラノール結合を形成することができる化合物であることがより好ましい。また、その化合物(シランカップリング剤)の中でも、シラン化合物中のフルオロアルキル基が、Si原子1つに対し、1つ以下の割合でSi原子と結合されており、残りは加水分解性基またはシロキサン結合基であるシラン化合物が好ましい。ここでいう加水分解性基としては、例えばアルコキシ基等であり、加水分解によってヒドロキシル基となり、それに応じてシラン化合物は重縮合物を形成する。
該撥水剤は、市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。例えば、上記したシラン化合物を、室温(25℃)〜100℃の範囲で副生するアルコールを留去しながら、水と(必要なら酸触媒の存在下)反応させる。これにより、アルコキシシランは(部分的に)加水分解し、一部縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を有する加水分解物として得ることができる。加水分解、縮合の程度は、反応させる水の量により適宜調節することができる。本発明においては、シラン化合物溶液に積極的には水を添加せず、調製後、主として乾燥時に、空気中の水分等により加水分解反応を起こさせるため、溶液の固形分濃度を薄く希釈して用いることが好ましい。
用いられる撥水剤の具体例としては、例えば、CF(CHSi(OCH、CF(CHSi(OC、CF(CHSi(OC、CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OC、CF(CF(CHSi(OCH)(OC、CF(CF(CHSi(OCHOC、CF(CF(CHSiCH(OCH、CF(CF(CHSiCH(OC、CF(CF(CHSiCH(OC、(CFCF(CF(CHSi(OCH、C15CONH(CHSi(OC、C17SONH(CHSi(OC、C17(CHOCONH(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(C)(OCH、CF(CF(CHSi(C)(OC、CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CHSi(CH)(OC、CF(CHSi(CH)(OC、CF(CF(CHSi(CH)(OCH、CF(CF(CHSi(CH)(OC、CF(CFO(CF(CHSi(OC)、C15CHO(CHSi(OC、C17SOO(CHSi(OC、C17(CHOCHO(CHSi(OCH、CF(CFCHCHSiClなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
また、アルコキシ基を有するパーフルオロアルキルシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−7803(化学式はCF(CFCHCHSi(OCH))、塩素原子を有するパーフルオロアルキルシラン(東芝シリコーン株式会社製:TSL8232(化学式はCF(CFCHCHSiCl)、オプツールシリーズ(ダイキン工業株式会社製)、FG−5020(株式会社フロロテクノロジー製)などを、市販品の例として挙げることができる。
これら撥水剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。中でも、CF(CFCHCHSiCl、CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCHが好ましい。
上記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を付与する方法としては、例えば、真空蒸着法に代表される乾式プロセスや、撥水剤を含む液を用いディップコート法やスピンコート法により塗布したり、含浸させたりする湿式プロセスがある。この空孔に撥水剤を付与する方法については、後述の[撥水性ガラスの製造方法]の項で詳述する。
[撥水性ガラスの製造方法]
本発明における撥水性ガラスの製造方法は、特に制限されないが、板状の相分離可能なガラスを準備する工程と、前記板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面を局所加熱する工程と、前記局所加熱後の前記板状の相分離可能なガラスをエッチング処理しスピノーダル型多孔構造を形成する工程と、前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を付与する工程と、を含む製造方法が好適に用いられる。以下、かような製造方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔板状の相分離可能なガラスを準備する工程〕
本工程では、板状の相分離可能なガラスを準備する。その方法としては、上述のような加熱溶融による方法、蒸着による方法等が挙げられ、特に制限されない。詳細は、上記の〔相分離可能なガラス〕の項で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
〔局所加熱する工程〕
本工程では、板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面を局所加熱する。局所加熱された部分は、スピノーダル型の相分離が生じる。
従来のような、ガラス全体を一定の温度に加熱する方法では、ガラス全体が相分離してしまうために、本発明の構造は得られない。本発明においては、相分離可能なガラスの表面のみを局所加熱することにより、表層ほどスピノーダル型の相分離が進み、空孔径が大きくすることができる。また、ガラスの厚さ方向の内部になるにつれ、加熱による温度の上昇が低く抑えられる。そのため、相分離の構造が厚さ方向の内部に行くほど成長せず、スピノーダル型多孔構造の表面から撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径が減少し(小さくなり)、空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有する構造とすることができる。
また、局所加熱を利用することにより、加熱する表面近傍のみしか高温にならないことから、高温には耐えられないような樹脂基材上にガラス層を形成し、そのガラス層の基材側とは反対側の表面を撥水性とすることにより、プラスチックフィルム上に撥水性ガラスの層が形成されている撥水性フィルムを製造することが可能となる。
局所加熱の方法としては、特に制限されないが、スピノーダル型多孔構造を形成させる表面の側から、パルス光を繰り返し照射する方法、マイクロ波を照射する方法、プラズマを照射する方法等を挙げることができる。中でも、光の吸収により加熱範囲を制御しやすいことから、パルス光を繰り返し照射することが好ましく、効率の点からレーザー光源から出射されるパルス光を用いることがより好ましい。
用いることができる活性エネルギー線としては、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)、Fエキシマレーザー(波長:157nm)、XeClレーザー(波長:308nm)、XeFレーザー(波長:351nm)もしくは固体UVレーザー(波長:355nm)等のレーザー光源から発せられる光、またはg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)、もしくはi線(波長:365nm)などが挙げられる。
レーザー光による照射処理の場合、用いるレーザー光の波長は、効率、素材の光吸収波長の観点から、150〜400nmの範囲が好ましい。また、レーザー光のエネルギー密度は10〜200mJ/cmが好ましく、レーザー光のパルス幅は5〜30nsecが好ましく、レーザー光のパルスの繰り返し周波数は1〜100Hzが好ましい。また、レーザー光の照射時間は、10〜60secが好ましい。
また、可視光域の波長を主体とするフラッシュ光照射を用いることもできる。フラッシュ光照射で用いられるフラッシュランプの放電管としては、キセノン、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の放電管を用いることが出来るが、キセノンランプを用いることが好ましい。
フラッシュランプの好ましいスペクトル帯域としては、240nm〜2000nmでフラッシュランプの光照射条件は任意であるが、光照射エネルギーの総計が0.1〜50J/cmであることが好ましく、0.5〜10J/cmであることがより好ましい。光照射時間は10μ秒〜100m秒が好ましく、100μ秒〜10m秒で行うのがより好ましい。光照射回数は1回でも複数回でも良く、1〜1000回の範囲で行うのが好ましい。
<光熱変換層>
本発明の製造方法においては、上記の局所加熱する工程の前に、局所加熱を施す表面上に光熱変換層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。局所加熱の際、ガラスが吸収できる波長の光源を利用する場合は、ガラス自身が光のエネルギーを吸収可能であり、かつ、表面に近いほど吸収する光の量が多くなるため、特に光熱変換層を設けなくてもよい。例えば、酸化ケイ素、酸化ホウ素、およびアルカリ金属を有する酸化物を含むホウケイ酸塩ガラスを用いた場合、270nmよりも短波長の光はある程度吸収するので、270nmよりも短波長の光源を用いる場合は、特に光熱変換層を設けなくてもよい。
しかしながら、ガラスが吸収できない波長の光源を利用する、あるいはガラスの吸収が弱い場合は、光熱変換層を設けることが好ましい。また、ガラスが吸収できる波長の光源を利用する場合でも、効率的に光を熱に変換する、加熱領域をより表面に制限する、あるいはガラスへのダメージを軽減する等の目的から、光熱変換層を設けることが好ましい。
光熱変換層は、光エネルギーを熱に変換する機能を有する層であり、局所加熱を行う前に、好ましくは板状の相分離可能なガラスの局所加熱を施す表面上に形成される。光熱変換層の層厚は、特に制限されないが、5〜1000nmであることが好ましく、10〜500nmであることがより好ましい。
光熱変換層の材料としては、光エネルギーを熱に変換する機能を光熱変換層に付与することができる限りにおいて、従来公知の任意の材料を用いることができる。光熱変換層の材料は、光照射によって効率よく発熱させることができるという観点から、バンドギャップが1.0eV以上4.0eV以下であることが好ましく、バンドギャップが2.0eV以上3.5eV以下であることがより好ましい。
このような性質の材料としては、金属材料や半導体材料を挙げることができる。金属材料としては、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等を挙げることができる。金属酸化物としては、TiO(3.1eV)(カッコ内はバンドギャップを表す、以下同様)、SrTiO(3.27eV)、ZnO(3.37eV)、WO(2.5eV)、Bi(2.8eV)、CeO(3.4eV)、BaTiO(3.3eV)、PbTiO(2.5−3.2eV)、CdO(2.42eV)、In(2.5eV)、ITO(3.75eV)、ZnO−Al(AZO)(3.4−3.8eV)等を用いることができる。また、金属窒化物としては、GaN(3.45eV)、AlN(6.2eV)、SiN(5.17eV)等を用いることができ、金属炭化物としては、TiC(4.62eV)、AlC(3.7eV)、SiC(3.0eV)等を用いることができる。なお、金属材料は、例えば、GaAsO、GaSbO、GaPO、InGaOなど、金属元素を2種以上含んでいてもよい。
半導体材料としては、CdS(2.42eV)、GaP(2.25eV)、InP(1.35eV)、ZnSe(2.6eV)、Si(1.2eV)、GaAs(1.43eV)、GaSb(0.67eV)等を用いることができる。
好ましくは、光熱変換層の材料は、Ti、Ga、As、PおよびSからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む。
光熱変換層の形成方法は、特に制限されず、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)による方法、蒸着法、反応性蒸着法、スパッタ法、反応性スパッタ法、化学気相堆積法等が挙げられる。中でも、成膜速度の速さから、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)による方法を好ましく利用できる。
フラッシュ光照射を用いる場合は、その波長に吸収を有する物質またはカーボンブラックのように広い吸収領域を有する物質が好ましい。中でも、カーボンブラックは熱分解温度が高く、広い吸収領域を有することから好ましく利用できる。
〔エッチング処理しスピノーダル型多孔構造を形成する工程〕
本工程では、上記局所加熱を行った後の板状のガラスに対しエッチング処理を行い、ガラスの少なくとも一方の面にスピノーダル型多孔構造を形成する。
エッチング処理は、局所加熱したガラスを酸溶液と接触(浸漬)させて、酸可溶成分(ホウケイ酸塩ガラスの場合は非シリカリッチ相)を溶出除去する。上記酸溶液としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等を単独または2種以上組み合わせて用いることができる。酸溶液の濃度は、好ましくは0.1〜5mol/L(0.1〜5規定)であり、より好ましくは0.5〜2mol/L(0.5〜2規定)である。浸漬の場合の酸溶液の温度は20〜100℃の範囲が好ましく、浸漬時間は5分〜12時間の範囲が好ましい。
ガラス組成によっては、ガラス表面にエッチングを阻害するシリカ層が数百nm程度の厚さで発生する場合がある。このシリカ層は、研磨やアルカリ処理などで除去することができる。また、ガラス組成によっては、シリカ骨格にシリカゲルが堆積する場合がある。この場合、必要であれば、酸性度が異なる酸エッチング液または水を用い、多段階でエッチングする方法を用いることもできる。また、必要であれば、エッチング処理中に超音波を印加して本工程を行うこともできる。
酸溶液との接触処理の後、ガラス中に付着した酸や溶出せずに残った酸可溶成分を除去する目的で、水によるリンスを行うのが一般的である。
なお、上記の光熱変換層を設けた場合は、このエッチング処理により光熱変換層も除去される。
〔スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を付与する工程〕
本工程では、スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を付与する。空孔に撥水剤を付与する方法としては、真空蒸着法に代表される乾式プロセスや、スピンコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、エアナイフコート法等の湿式プロセスが挙げられ、特に制限されない。しかしながら、空孔の内部まで撥水剤を存在させる簡便な方法であるという観点から、湿式プロセスが好ましく、撥水剤を溶剤中に溶解または分散させ、その中にガラスを浸漬して塗布するディップコート法がより好ましい。以下、ディップコート法について説明する。
上記の撥水剤を溶解または分散させる有機溶剤としては、特に制限されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;ヘプタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類等が挙げられる。これら有機溶剤は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
また、撥水剤としてフルオロアルキルシランを用いる場合は、上記有機溶剤に溶解させた上で、必要に応じて水を添加して加水分解させ、さらに縮合させたものを用いてもよい。水の添加量はフルオロアルキルシランに対して3〜5倍当量であることが好ましい。必要に応じて、フルオロアルキルシランの加水分解のための触媒として、適宜酸触媒やアルカリ触媒などを含有させてもよい。酸触媒としては塩酸、アルカリ触媒としてはアンモニア等が挙げられる。
上記撥水剤を溶解または分散させた液中の撥水剤の含有量は、特に制限されないが、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましく、0.05〜1質量%であることがさらに好ましい。この含有量であれば、撥水効果が十分発揮され、ガラスにクラックが発生したり、失透したりするのを抑制することができる。また、液の調製が容易となり、液の安定性が向上する。このような撥水剤を含む液中に、スピノーダル型多孔構造を形成したガラスを含浸させ、必要に応じて加熱、還流し、1分〜48時間含浸させておく。含浸後はガラスを液から引上げ、60〜200℃で、数時間程度乾燥または熱処理する。このようにして、スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤が付与される。
空孔に付与された撥水剤は、空孔表面に存在する官能基(シラノール基など)と静電的相互作用により吸着していてもよいし、または乾燥や熱処理により空孔表面の官能基と化学結合を形成して存在していてもよい。
〔撥水性フィルム〕
本発明の撥水性ガラスは、主に樹脂基材と組み合わせることにより、撥水性フィルムとすることができる。すなわち、本発明は、基材と、本発明の撥水性ガラスまたは本発明の製造方法により得られる撥水性ガラスと、を有する撥水性フィルムをも提供する。
基材としては、前述の〔相分離可能なガラス〕の項で例示した基材を利用することができる。基材の厚さは、特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましく、30〜250μmであることがより好ましい。
また、本発明に係る基材は、透明であることが好ましい。基材が透明であり、基材上に形成する撥水性ガラスも透明であることにより、透明な撥水性フィルムとすることが可能となる。
撥水性フィルムの製造方法としては、特に制限されず、基材と別途作製した撥水性ガラスとを、市販の光学用粘着シートを用いて貼合する方法が挙げられる。例えば、日東電工株式会社製のLUCIACS(登録商標)CS9622Tを用いることができる。また、上述したように、基材上に蒸着法等により撥水性ガラスの層を形成することによっても、撥水性フィルムを製造することができる。
このような構成を有する撥水性フィルムは、車の窓ガラス、太陽電池のフロントガラスなど屋外で使用されるガラスや、カーブミラー、集光型太陽電池用ミラーなどの屋外で使用されるミラーの表面保護フィルム、あるいはこれらガラスやミラーを樹脂化した際の表面保護フィルムとして使用することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、下記操作において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で行う。
(実施例1)
ガラス原料として、炭酸ナトリウム(NaO)、ホウ酸(B)、二酸化珪素(SiO)、およびアルミナ(Al)を、NaO:B:SiO:Al=6:28:63:3(質量比)で均一に混合し、1350〜1450℃で加熱溶融し、その後板状に成形した状態で自然冷却し、厚さ約1mmの板状ガラスを得た。
得られた板状ガラスの片方の表面に、KrFエキシマレーザーから波長248nm、パルス幅(同一領域に対する光の照射時間)20nsec、照射強度30mJ/cmの光を50Hzで30秒間照射した(局所加熱)。その後、80℃の1mol/L(1規定)の硝酸水溶液中に10分間浸漬し(エッチング)、流水で洗浄し、得られた板状ガラスの片方の表面にスピノーダル型多孔構造を形成した。
上記で作製したスピノーダル型多孔構造が形成された板状ガラスを、別途調製した撥水剤を含む液に室温(25℃)で24時間含浸させた後、取り出し60℃で乾燥させた。上記の撥水剤を含む液は、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリクロロシラン(CF(CFCHCHSiCl)を用い、溶剤としてヘキサンを用い、さらに希塩酸と水とを添加したものである。1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリクロロシランの濃度は0.1質量%とした。
(実施例2)
得られた板状ガラスをエキシマレーザーによる局所加熱処理をする前に、エキシマレーザー照射処理をする面に、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)により、層厚100nmの酸化チタン(TiO)からなる光熱変換層を形成した。さらに局所加熱の条件(KrFエキシマレーザーの照射条件)を表1に記載の条件に変更した。これらのこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(実施例3〜6)
局所加熱の条件(KrFエキシマレーザーの照射条件)を表1に記載の条件に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(実施例7)
実施例1の板状ガラスの代わりに、下記の方法により作製したスパッタ層を有する板状ガラスを用いた。
実施例1の板状ガラスから直径15cm、厚さ0.5cmの円形のターゲットを作製した。このターゲットを用いてマグネトロンスパッタ装置により、市販の厚さ1mmの白板ガラス上に、厚さ1μmの同様の組成のガラスを形成した。
作製したガラスに対して、さらに実施例2と同様の方法で、光熱変換層をガラスの上に形成した。表1に記載の条件でKrFエキシマレーザーを、光熱変換層の側から照射した。このこと以外は、実施例2と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(実施例8)
エッチングの際の硝酸への浸漬時間を3分に変更したこと以外は、実施例7と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(実施例9)
局所加熱の条件(KrFエキシマレーザーの照射条件)を表1に記載の条件に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(実施例10)
KrFエキシマレーザーの代わりにキセノンフラッシュランプを用い、表1に記載の条件で照射を行ったこと以外は、実施例2と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(実施例11)
以下の方法により、基材上にスパッタ層(ガラス層)を有するフィルムを作製した。
市販の厚さ100μmのPETフィルムA4300(東洋紡株式会社製)を準備した。白板ガラスの代わりに、この厚さ100μmのPETフィルムを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、PETフィルム上に厚さ1μmのスパッタ層(ガラス層)を形成した。
この得られたフィルムを用いて、さらに実施例2と同様の方法で、光熱変換層をスパッタ層(ガラス層)の上に形成した。表1に記載の条件でKrFエキシマレーザーを、光熱変換層の側から照射した。その後、実施例2と同様の条件でエッチングおよび撥水剤の付与を行い、撥水性フィルムを作製した。
(実施例12〜14)
局所加熱の条件を表1に記載の条件に変更したこと以外は、実施例11と同様にして、撥水性フィルムを作製した。
(比較例1)
実施例1で得られた板状ガラスを、600℃の加熱炉で50時間加熱処理した。その後、80℃の1mol/L(1規定)の硝酸水溶液中に24時間浸漬し(エッチング)、流水で洗浄した。
このこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(比較例2)
実施例7で得られたスパッタ層を有する板状ガラスを、600℃の加熱炉で50時間加熱処理した。その後、実施例7と同様の条件でエッチングを行い、流水で洗浄した。
このこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(比較例3)
実施例7で得られたスパッタ層を有する板状ガラスを、600℃の加熱炉で50時間加熱処理した。その後、80℃の1mol/L(1規定)の硝酸水溶液中に5分浸漬し(エッチング)、流水で洗浄した。
このこと以外は、実施例1と同様にして、撥水性ガラスを作製した。
(比較例4)
局所加熱の条件を表1に記載の条件に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、撥水性フィルムを作製した。
(比較例5〜6)
局所加熱の条件を表1に記載の条件に変更したこと以外は、比較例2と同様にして、撥水性フィルムを作製した。
(比較例7〜8)
局所加熱の条件を表1に記載の条件に変更したこと以外は、比較例11と同様にして、撥水性フィルムを作製した。
各実施例および各比較例の加熱または局所加熱の条件を、下記表1に示す。
[評価]
《空孔の測定、観察》
上記で作製した撥水性ガラスまたは撥水性フィルムについて、空孔の空孔径、空孔径の厚さ方向の変化、空孔の深さ、および空孔がなくかつ相分離が生じていない構造の有無について測定、観察を行った。
空孔の空孔径は、超薄切片を作製し、その透過型電子顕微鏡(TEM)の断面写真から、最表面の突起構造の距離を50個測定し、その平均を空孔の空孔径とした。
空孔の形(空孔径の厚さ方向の変化)は、超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面写真から、空孔の深さの50nmおきに、空孔径を50個測定し、その平均をその深さにおける空孔径とした。そして、表面から深さ方向に空孔径が小さくなっているかどうかを確認した。結果を下記表2の「空孔の形」の欄に示す。下記表2の「空孔の形」の欄中の「均一」とは、スピノーダル型多孔構造の表面から撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径が一定である構造を示し、「漸減」とは、スピノーダル型多孔構造の表面から撥水性ガラスの厚さ方向に向かって空孔径が減少する構造であることを示す。
空孔の深さは、超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面写真から、空孔が見られなくなる深さを50個の空孔について測定し、その平均を空孔の深さとした。
相分離が生じていない構造を有しているかどうかは、TEMの画像の目視による色の濃淡から判断した。濃淡がない部分があれば、そのガラス部分は、相分離していない構造を有すると判断した。下記表2の「未相分離構造」の欄の「なし」とは、相分離が生じていない構造を有さないことを、「あり」とは、相分離が生じていない構造を有することを示す。
《撥水性》
JIS R3257:1999に基づき、水を3μL滴下して各撥水性ガラスの表面の接触角を、接触角計DM300(協和界面科学株式会社製)を用いて測定し、以下の指標で評価した。
○;140°以上
○△;120°以上140°未満
△;90°以上120°未満
×;90°未満。
《撥水耐久性》
JIS R3257:1999に基づき、水を3μL滴下して各撥水性ガラスの表面の接触角を、接触角計DM300(協和界面科学株式会社製)を用いて測定する。次に、往復摩耗試験機(新東科学株式会社製、HEIDON 14DR)に不織布を取り付け、荷重300g/cmの条件で各撥水性ガラスの表面を速度10mm/secで1000回往復させた。往復処理後に再度接触角を測定し、その低下幅を撥水耐久性として下記の指標で評価した。
○:0°以上20°未満
○△;20°以上30°未満
△;30°以上40°未満
△×;40°以上60°未満
×;60°以上。
《ヘイズ》
各撥水性ガラスのヘイズ値を、有限会社東京電色製 HAZE METER NDH5000を用いて測定し、以下の指標で評価した。なお、撥水性フィルムについては、基材のPETのヘイズ値をあらかじめ測定し、撥水性フィルムのヘイズ値との差分をヘイズ値とした。
○:0%以上1%未満
○△;1%以上3%未満
△;3%以上5%未満
△×;5%以上10%未満
×;10%以上30%未満
××;30%以上。
《耐傷性(サンドブラスト試験)》
フィルムミラーの所定の位置に、傾斜角60°となるように作製した各撥水性ガラスを取り付け、そのフィルムミラーの反射面(撥水性ガラスの撥水剤を有する面)に向けて、#60のガラスビーズ(JIS Z8901:2006準拠のGBL#60)を、風速20m/秒で5分間吹き付けた。その後、エタノールにて表面に付着した砂を取り除いた試料(フィルムミラー)の反射率を測定した。そして、サンドブラスト試験前後の波長250〜2500nmの光の平均反射率の差を評価した。サンドブラスト試験前後の反射率の低下を、以下の指標で評価した。
○:0%以上2%未満
○△;2%以上4%未満
△;4%以上6%未満
△×;6%以上10%未満
×;10%以上。
各評価結果を、下記表2に示す。
上記表2から明らかなように、本発明の撥水性ガラスは、撥水性、撥水耐久性、透明性(ヘイズ)、および耐傷性に優れることが分かった。
なお、本出願は、2013年9月13日に出願された日本特許出願第2013−190911号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (9)

  1. 板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面に、スピノーダル型多孔構造を有し、前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を有する撥水性ガラスであって、
    前記スピノーダル型多孔構造の表面における前記空孔の空孔径が10〜200nmであり、
    前記空孔は前記スピノーダル型多孔構造の表面から前記撥水性ガラスの厚さ方向に向かって前記空孔径が減少しており、
    前記空孔の深さが200〜500nmであり、かつ
    前記空孔がなく相分離が生じていない部分を一部に有する、撥水性ガラス。
  2. 前記相分離可能なガラスがホウケイ酸ガラスである、請求項1に記載の撥水性ガラス。
  3. 板状の相分離可能なガラスを準備する工程と、
    前記板状の相分離可能なガラスの少なくとも一方の表面を局所加熱する工程と、
    前記局所加熱後の前記板状の相分離可能なガラスをエッチング処理しスピノーダル型多孔構造を形成する工程と、
    前記スピノーダル型多孔構造の空孔に撥水剤を付与する工程と、
    を含む、撥水性ガラスの製造方法。
  4. 前記局所加熱する工程は、パルス光を繰り返し照射することにより行う、請求項3に記載の撥水性ガラスの製造方法。
  5. 前記パルス光は、レーザー光源から出射される光である、請求項4に記載の撥水性ガラスの製造方法。
  6. 前記レーザー光源から出射される光の波長が150〜400nmである、請求項5に記載の撥水性ガラスの製造方法。
  7. 前記局所加熱する工程の前に、前記板状の相分離可能なガラスの前記局所加熱を施す表面上に光熱変換層を形成する工程をさらに含む、請求項3〜6のいずれか1項に記載の撥水性ガラスの製造方法。
  8. 前記光熱変換層は、バンドギャップが1.0eV以上4.0eV以下である材料を含む、請求項7に記載の撥水性ガラスの製造方法。
  9. 基材と、
    請求項1もしくは2に記載の撥水性ガラス、または請求項3〜8のいずれか1項に記載の製造方法により得られる撥水性ガラスと、
    を有する、撥水性フィルム。
JP2015536550A 2013-09-13 2014-09-04 撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルム Pending JPWO2015037513A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013190911 2013-09-13
JP2013190911 2013-09-13
PCT/JP2014/073385 WO2015037513A1 (ja) 2013-09-13 2014-09-04 撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2015037513A1 true JPWO2015037513A1 (ja) 2017-03-02

Family

ID=52665619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015536550A Pending JPWO2015037513A1 (ja) 2013-09-13 2014-09-04 撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2015037513A1 (ja)
WO (1) WO2015037513A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107879610B (zh) * 2017-11-14 2020-09-15 东南大学 具有防雾和露滴自洁功能的透明超疏水玻璃及其制备方法
DE102019134818A1 (de) * 2019-02-16 2020-08-20 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung eingetragener Verein Verfahren zum Erhöhen der Festigkeit eines Glassubstrates
JP7406750B2 (ja) * 2019-09-02 2023-12-28 高千穂シラス株式会社 多孔質堆積物の形成方法
US11724955B2 (en) 2020-07-29 2023-08-15 Waymo Llc Superomniphobic bulk optical glass

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321252A (ja) * 2002-04-25 2003-11-11 Japan Science & Technology Corp ガラス内部への分相領域の形成方法
JP2011251870A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Canon Inc 撥水性多孔質ガラスおよび光学部材
US20130236695A1 (en) * 2010-10-08 2013-09-12 Ut-Battelle, Llc Superhydrophobic transparent glass (stg) thin film articles

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321252A (ja) * 2002-04-25 2003-11-11 Japan Science & Technology Corp ガラス内部への分相領域の形成方法
JP2011251870A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Canon Inc 撥水性多孔質ガラスおよび光学部材
US20130236695A1 (en) * 2010-10-08 2013-09-12 Ut-Battelle, Llc Superhydrophobic transparent glass (stg) thin film articles

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ALEXANDER FLUGEL ET AL: "Graded pore size by ion exchange of phase-separated 6.5 Na2O・33.5 B2O3・60 SiO2 glass", GLASTECH. BER. GLASS SCI. TECHNOL., vol. 73, JPN7015002103, 17 January 2000 (2000-01-17), DE, pages 204 - 210, ISSN: 0003716352 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015037513A1 (ja) 2015-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2015037513A1 (ja) 撥水性ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた撥水性フィルム
BRPI0707817A2 (pt) sistema de revestimento
KR20170101230A (ko) 실리콘 다공체 및 그 제조 방법
BR122020004549B1 (pt) Artigo transparente revestido de antiembaçante
JP2007177328A (ja) 疎水性構造及びその製造方法
JP6826985B2 (ja) コーティング膜付きガラス板及びその製造方法
WO2012073685A1 (ja) 防曇性膜被覆物品
JP2010285574A (ja) 撥水膜被覆物品、建築用窓ガラス及び車両用窓ガラス
KR20180039583A (ko) 적층 필름, 광학 부재, 화상 표시 장치
JP5494656B2 (ja) 撥水部材、車載用ガラス、及び、撥水部材の製造方法
US20200399170A1 (en) Coated glass sheet and method for producing same
Zhang et al. Antifogging antireflective thin films: does the antifogging layer have to be the outmost layer?
JP2014035475A (ja) 光学部材および光学部材の製造方法
WO2012020295A1 (en) Optical elements having long-lasting hydrophilic and anti-fog properties and method for their preparation
JP5264914B2 (ja) 基体を大気圧でプラズマで透明コーティングする方法
JP2015229614A (ja) 車両用窓ガラス
JP6468696B2 (ja) 光学用部材およびその製造方法
JPH09309745A (ja) 撥水撥油性物品及びその製法
JP2015116772A (ja) 撥水性フィルムの製造方法および撥水性フィルム
JP2011251870A (ja) 撥水性多孔質ガラスおよび光学部材
JP2002138156A (ja) 撥水性及び親水性を有する被覆物及びその製造方法
JP5366953B2 (ja) 改善された光学的性質を有する透明な基体材料用の透明な多孔質SiO2コーティング
JP2007099828A (ja) コーティング材組成物及び塗装品
WO2023135997A1 (ja) ガラス物品
KR200483872Y1 (ko) 부착식 거울

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180724