JPWO2015033729A1 - 変速機のステータシャフト固定構造 - Google Patents

変速機のステータシャフト固定構造 Download PDF

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Abstract

変速機のステータシャフト固定構造において、入力軸(12)の外周にベアリング(43)を介して支持したステータシャフト(44)と一体のステータシャフトフランジ(49)を、ケーシング(11a)の側面(11b)に形成した凹部(11c)に嵌合して径方向に位置決めするとともに、側面(11b)にボルト(51)で締結した蓋部材(50)で軸方向に位置決めした。これにより入力軸(12)に支持したギヤ(38)が受ける径方向の噛合反力がベアリング(43)およびステータシャフト(44)を介してステータシャフトフランジ(49)に伝達されても、その荷重をケーシング(11a)の凹部(11c)で支持してボルト(51)に伝達されなくすることで、ボルト(51)の緩みを防止してステータシャフトフランジ(49)のガタを抑制することができる。

Description

本発明は、駆動源の駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータが、前記入力軸の外周に嵌合して一端にステータが接続されたステータシャフトと、前記ステータシャフトの他端に設けられてケーシングに固定されたステータシャフトフランジとを備え、前記入力軸に前記駆動源の駆動力を出力軸に伝達するギヤを支持した変速機のステータシャフト固定構造に関する。
エンジンの駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータのステータを、入力軸の外周に嵌合するステータシャフトの一端側にワンウェイクラッチを介して支持するとともに、ステータシャフトの他端側に一体に設けたステータシャフトフランジを、ケーシングの側面にボルトで締結したものが、下記特許文献1により公知である。
国際出願公開第WO2011/108316号
ところで、ステータシャフトは入力軸の外周にベアリングを介して支持しているため、入力軸に設けたギヤが受ける噛合反力により入力軸に径方向の荷重が作用すると、その荷重はベアリングからステータシャフトおよびステータシャフトフランジを介してボルトに伝達され、ボルトが緩んでステータシャフトフランジとケーシングの座面との間にガタが発生する可能性があった。これを防止するには、ボルトの本数を増やしたり、大径のボルトを使用したりすれば良いが、そのようにすると部品点数や重量が増加する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でトルクコンバータのステータシャフトフランジをケーシングに対して径方向に位置決めすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、駆動源の駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータが、前記入力軸の外周に嵌合して一端にステータが接続されたステータシャフトと、前記ステータシャフトの他端に設けられてケーシングに固定されたステータシャフトフランジとを備え、前記入力軸に前記駆動源の駆動力を出力軸に伝達するギヤを支持した変速機のステータシャフト固定構造であって、前記入力軸を、前記ギヤの軸方向一端側で第1ベアリングにより前記ステータシャフトに支持するとともに、前記ギヤの軸方向他端側で第2ベアリングにより前記ケーシングに支持し、前記ステータシャフトフランジを、前記ケーシングの側面に形成した凹部に嵌合して径方向に位置決めしたことを第1の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1の特徴に加えて、前記ケーシングの側面に蓋部材を締結し、前記凹部および前記蓋部材間に前記ステータシャフトフランジを挟んで軸方向に位置決めしたことを第2の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1また第2の特徴に加えて、前記ステータシャフトの外周に相対回転自在に支持されて前記駆動源の駆動力で駆動される駆動スプロケットと、オイルポンプのポンプ軸に設けられた従動スプロケットとを無端チェーンで接続したことを第3の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、前記変速機は、第1プーリおよび第2プーリ間に無端ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機構と、前記入力軸の回転を減速して前記第1プーリに伝達可能な第1減速経路と、前記第2プーリの回転を減速して前記出力軸に伝達可能な第2減速経路とを備え、前記ギヤは前記第2減速経路の出力ギヤであることを第4の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
尚、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態のミッションケース11は本発明のケーシングに対応し、実施の形態の第1出力軸13Aは本発明の出力軸に対応し、実施の形態の第1、第2リダクションギヤ36,37は本発明の第1減速経路に対応し、実施の形態の第1、第2インダクションギヤ38,39は本発明の第2減速経路に対応し、そのうち特に第1インダクションギヤ38は本発明のギヤに対応し、実施の形態のニードルベアリング43は本発明の第1ベアリングに対応し、実施の形態のボールベアリング59は本発明の第2ベアリングに対応する。
本発明の第1の特徴によれば、駆動源の駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータは、入力軸の外周に嵌合して一端にステータが接続されたステータシャフトと、ステータシャフトの他端に設けられてケーシングに固定されたステータシャフトフランジとを備え、入力軸に駆動源の駆動力を出力軸に伝達するギヤが支持される。入力軸を、ギヤの軸方向一端側で第1ベアリングによりステータシャフトに支持するとともに、ギヤの軸方向他端側で第2ベアリングによりケーシングに支持したので、ギヤが受ける噛合反力により第1、第2ベアリングに径方向の荷重が作用し、第1ベアリングから径方向の荷重を受けるステータシャフトと一体のステータシャフトフランジをケーシングに固定する部分が緩んでガタが発生し易くなる。しかしながら、ステータシャフトフランジを、ケーシングの側面に形成した凹部に嵌合して径方向に位置決めしたことにより、前記径方向の荷重をケーシングで直接支持してステータシャフトフランジのガタを抑制することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、ケーシングの側面に蓋部材を締結し、凹部および蓋部材間にステータシャフトフランジを挟んで軸方向に位置決めしたので、締結部材の緩みを防止できるとともに、ステータシャフトフランジの径方向のガタだけでなく、軸方向のガタも阻止することができる。
また本発明の第3の特徴によれば、ステータシャフトの外周に相対回転自在に支持されて駆動源の駆動力で駆動される駆動スプロケットと、オイルポンプのポンプ軸に設けられた従動スプロケットとを無端チェーンで接続したので、オイルポンプをステータシャフトおよびステータシャフトフランジから離れた位置に設けることが可能となる。その結果、オイルポンプが発生する油圧がステータシャフトあるいはステータシャフトフランジとケーシングとの結合面に作用することが防止され、ステータシャフトフランジを特別に強固に固定することなく油圧によるガタの発生を阻止することができる。
また本発明の第4の特徴によれば、変速機は、第1プーリおよび第2プーリ間に無端ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機構と、入力軸の回転を減速して第1プーリに伝達可能な第1減速経路と、第2プーリの回転を減速して出力軸に伝達可能な第2減速経路とを備えるので、入力軸の回転は、第1減速経路、ベルト式無段変速機構および第2減速経路で3段階に減速されて出力軸に伝達される。その結果、第2減速経路の出力ギヤである前記ギヤに大トルクが作用して入力軸に大きな径方向荷重が加わるが、上述した第1の特徴の効果によりステータシャフトフランジの径方向のガタの発生を効果的に阻止することができる。
図1は無段変速機のスケルトン図である。(第1の実施の形態) 図2は無段変速機の軸直角方向の断面図である。(第1の実施の形態) 図3は図1の3部拡大図である。(第1の実施の形態) 図4は図3の4−4線矢視図である。(第1の実施の形態)
E エンジン(駆動源)
V ベルト式無段変速機構
11 ミッションケース(ケーシング)
11b 側面
11c 凹部
12 入力軸
13A 第1出力軸(出力軸)
17 トルクコンバータ
20 第1プーリ
21 第2プーリ
22 無端ベルト
30 駆動スプロケット
31 オイルポンプ
32 ポンプ軸
33 従動スプロケット
34 無端チェーン
35 ステータ
36 第1リダクションギヤ(第1減速経路)
37 第2リダクションギヤ(第1減速経路)
38 第1インダクションギヤ(ギヤ、第2減速経路)
39 第2インダクションギヤ(第2減速経路)
43 ニードルベアリング(第1ベアリング)
44 ステータシャフト
49 ステータシャフトフランジ
50 蓋部材
59 ボールベアリング(第2ベアリング)
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態
図1および図2に示すように、自動車用の無段変速機Tは、ミッションケース11の内部に相互に平行に配置された入力軸12と、第1出力軸13Aと、第1副軸14と、第2副軸15と、アイドル軸16とを備えており、第1副軸14の外周には第2出力軸13Bが相対回転自在に嵌合する。エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17を介して伝達される入力軸12は両端に第1クラッチ18および第2クラッチ19を備えており、第1クラッチ18を係合すると入力軸12の駆動力が第1副軸14に伝達され、第2クラッチ19を係合すると入力軸12の駆動力が第2副軸15、第1ギヤ26およびアイドル軸16に伝達される。
第1副軸14に設けた第1プーリ20と第2副軸15に設けた第2プーリ21とが無端ベルト22で接続されており、第1、第2プーリ20,21の溝幅を変更することで、第1副軸14および第2副軸15間の変速比を変更可能である。第1プーリ20、第2プーリ21および無端ベルト22はベルト式無段変速機構Vを構成する。
第1出力軸13Aには第1シンクロ機構23が設けられており、第1シンクロ機構23を右動すると第1ギヤ26が第1出力軸13Aに結合され、第1シンクロ機構23を左動すると第2ギヤ27が第1出力軸13Aに結合される。また第1副軸14および第2出力軸13B間に第2シンクロ機構25が設けられており、第2シンクロ機構25を右動すると第1副軸14の駆動力が第2出力軸13BおよびディファレンシャルギヤDを介して車軸24に伝達される。
トルクコンバータ17のポンプインペラ29に固定された駆動スプロケット30とオイルポンプ31のポンプ軸32に固定された従動スプロケット33とが無端チェーン34で接続されており、エンジンEの駆動力でオイルポンプ31が常時駆動される。
入力軸12に対して、第2副軸15は前上方に配置され、第1副軸14および第2出力軸13Bは後上方に配置され、ポンプ軸32は前下方に配置され、アイドル軸16は下方に配置され、第1出力軸13Aは後下方に配置され、ディファレンシャルギヤDは前記各軸12,13A,13B,14,15,16,32の後方に配置される。
第1クラッチ18を係合し、第2クラッチ19を係合解除し、第1シンクロ機構23を右動し、第2シンクロ機構25を左動したLOWモードでは、エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17→入力軸12→第1クラッチ18→第1リダクションギヤ36→第2リダクションギヤ37→第1副軸14→第1プーリ20→無端ベルト22→第2プーリ21→第2副軸15→第2インダクションギヤ39→第1インダクションギヤ38→第1ギヤ26→第1シンクロ機構23→第1出力軸13A→ディファレンシャルギヤDの経路で車軸24に伝達される。このLOWモードで第1プーリ20および第2プーリ21の溝幅を変更することで、無段変速機Tの変速比をLOW側で無段階に変更することができる。
このとき、第1リダクションギヤ36および第2リダクションギヤ37は第1減速経路を構成し、第2インダクションギヤ39および第1インダクションギヤ38は第2減速経路を構成する。
第1クラッチ18を係合解除し、第2クラッチ19を係合し、第1シンクロ機構23を中立にし、第2シンクロ機構25を右動したHIモードでは、エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17→入力軸12→第2クラッチ19→第1インダクションギヤ38→第2インダクションギヤ39→第2副軸15→第2プーリ21→無端ベルト22→第1プーリ20→第1副軸14→第2シンクロ機構25→第2出力軸13B→ディファレンシャルギヤDの経路で車軸24に伝達される。このHIモードで第1プーリ20および第2プーリ21の溝幅を変更することで、無段変速機Tの変速比をHI側で無段階に変更することができる。
このとき、第1インダクションギヤ38および第2インダクションギヤ39は増速経路を構成する。
第1クラッチ18を係合し、第2クラッチ19を係合解除し、第1シンクロ機構23を左動し、第2シンクロ機構25を左動したRVSモードでは、エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17→入力軸12→第1クラッチ18→第1リダクションギヤ36→第2リダクションギヤ37→第1副軸14→第1プーリ20→無端ベルト22→第2プーリ21→第2副軸15→第2インダクションギヤ39→第1インダクションギヤ38→アイドル軸16→第2ギヤ27→第1シンクロ機構23→第1出力軸13A→ディファレンシャルギヤDの経路で逆回転となって車軸24に伝達され、車両は後進走行する。このRVSモードで第1プーリ20および第2プーリ21の溝幅を変更することで、無段変速機Tの変速比をRVS側で無段階に変更することができる。
以上のように、LOWモードおよびHIモードで第1プーリ20および第2プーリ21間の動力伝達方向を反転することで、無段変速機Tのトータルの変速比を二乗のレンジに拡大することができるだけでなく、RVSモードで車両を後進走行させることができる。
次に、図3および図4に基づいて、トルクコンバータ17のステータシャフト44の固定構造を説明する。
トルクコンバータ17は、エンジンEのクランクシャフトに図示しないドライブプレートを介して接続されたポンプインペラ29と、入力軸12の軸端にボス部42aを固定されてポンプインペラ29に軸方向に対向するタービンランナ42と、ポンプインペラ29およびタービンランナ42の径方向内側に配置されたステータ35とを備えており、ステータ35の内周は、入力軸12の外周にニードルベアリング43を介して同軸に嵌合するステータシャフト44の軸方向一端にワンウェイクラッチ45を介して支持される。
ポンプインペラ29の筒状のボス部29aはステータシャフト44の外周に相対回転自在に嵌合しており、そのボス部29aの外周にオイルポンプ31を駆動する駆動スプロケット30が固定される。駆動スプロケット30は、トルクコンバータ17を収納するトルクコンバータケース11aの内周面にボールベアリング46を介して相対回転自在に支持されており、ポンプインペラ29のボス部29aとトルクコンバータケース11aとの間にシール部材48が配置される。
トルクコンバータケース11aの側面11bには円形の凹部11cが形成されており、ステータシャフト44の軸方向他端から径方向外側に延びる板状のステータシャフトフランジ49がトルクコンバータケース11aの凹部11cに嵌合する。凹部11cの内周面およびステータシャフトフランジ49の外周面は径方向に隙間なく嵌合し、ステータシャフトフランジ49は凹部11cによって径方向に位置決めされる。
入力軸12の外周に嵌合する板状の蓋部材50がトルクコンバータケース11aの側面11bに当接し、例えば6本のボルト51…でトルクコンバータケース11aに締結される。その結果、ステータシャフトフランジ49は凹部11cの底面と蓋部材50との間に挟まれて軸方向に位置決めされる。このとき、ノックピン52が蓋部材50およびステータシャフトフランジ49に嵌合することで、蓋部材50に対してステータシャフトフランジ49が軸線まわりの回転方向に位置決めされる。尚、図4の符号41は、トルクコンバータケース11aに対して蓋部材50を位置決めするためのノックピンである。また蓋部材50にはアイドル軸16が支持される。
入力軸12の外周には、蓋部材50の軸方向他端側に隣接して第1クラッチ18が配置される。第1クラッチ18は、入力軸12に固設されたクラッチドラム53と、入力軸12にニードルベアリング54を介して相対回転自在に支持された第1インダクションギヤ38から軸方向一端側に延びるクラッチハブ55と、クラッチドラム53およびクラッチハブ55間に配置された複数の摩擦板56…と、複数の摩擦板56…を相互に係合する方向に付勢するクラッチピストン57と、クラッチピストン57を複数の摩擦板56…から離反する方向に付勢するクラッチスプリング58とを備える。
そして第1インダクションギヤ38を挟んでニードルベアリング43と反対側において、入力軸12がボールベアリング59(図1参照)を介してミッションケース11に支持される。つまり、入力軸12は、第1インダクションギヤ38の軸方向一端側でニードルベアリング43によりステータシャフト44に支持され、かつ第1インダクションギヤ38の軸方向他端側でボールベアリング59によりミッションケース11に支持される。ニードルベアリング43は本発明の第1ベアリングを構成し、ボールベアリング59は本発明の第2ベアリングを構成する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
エンジンEのトルクが第1インダクションギヤ38を介して伝達されるとき、第1インダクションギヤ38は第2インダクションギヤ39および第1ギヤ26から受ける噛合反力で径方向に付勢される。この噛合反力の一部は入力軸12からニードルベアリング43を介してステータシャフト44に伝達され、更にステータシャフト44からステータシャフトフランジ49を介してトルクコンバータケース11aに伝達されて支持される。
このとき、ステータシャフトフランジ49の外周面はトルクコンバータケース11aの側面11bに形成した凹部11cの内周面に嵌合しているため、ステータシャフトフランジ49を径方向に付勢する荷重は、蓋部材50を介してボルト51…に伝達されることなく、トルクコンバータケース11aの側面11bの凹部11cに直接支持される。その結果、ボルト51…はステータシャフトフランジ49に作用する軸方向の小さい荷重だけを支持すれば良いため、ボルト51…の本数を増やしたり、ボルト51…の直径を太くしたりすることなく緩みを防止し、ステータシャフトフランジ49を径方向および軸方向に位置決めしてガタの発生を抑制することができる。
特に、本実施の形態によれば、LOWモードあるいはRVSモードでの走行中に、入力軸12の回転は第1リダクションギヤ36および第2リダクションギヤ37よりなる第1減速経路で減速され、ベルト式無段変速機構Vの第1プーリ20および第2プーリ21間で減速され、かつ第2インダクションギヤ39および第1インダクションギヤ38よりなる第2減速経路で減速されるため、第2減速経路の終段の第1インダクションギヤ38には極めて大きなトルクが入力し、第1インダクションギヤ38に作用する噛合反力が大きくなってボルト51…の緩みが生じ易くなる。
しかしながら、本実施の形態によれば、ステータシャフトフランジ49を上述した構造でトルクコンバータケース11aに固定することで、ボルト51…の緩みを確実に阻止することが可能となる。
また従来の無段変速機Tでは、ステータシャフト44の外周を囲むようにオイルポンプを配置し、ステータシャフト44あるいはステータシャフトフランジ49とトルクコンバータケース11aとの合わせ面に高圧油路を形成する場合があった。このような構造を採用すると、前記高圧油路の油圧に耐えるようにステータシャフトフランジ49をトルクコンバータケース11aに締結するボルトの軸力を増加させる必要があるため、仮に本実施の形態の構造でステータシャフトフランジ49を固定しても、ボルト数の低減およびボルトの小径化は難しい。
しかしながら、本実施の形態によれば、オイルポンプ31をステータシャフト44やステータシャフトフランジ49から離れた位置に配置して無端チェーン34で駆動するため、オイルポンプ31が発生する油圧による荷重が蓋部材50を固定するボルト51…に作用することがなくなり、ボルト51…の緩みが一層確実に阻止される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の変速機は実施の形態の無段変速機Tに限定されず、有段変速機であっても良い。
本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、モータ・ジェネレータ等の他種の駆動源であっても良い。
また本発明の第1ベアリングは実施の形態のニードルベアリング43に限定されるものではなく、本発明の第2ベアリングは実施の形態のボールベアリング59に限定されるものではない。
本発明は、駆動源の駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータが、前記入力軸の外周に嵌合して一端にステータが接続されたステータシャフトと、前記ステータシャフトの他端に設けられてケーシングに固定されたステータシャフトフランジとを備え、前記入力軸に前記駆動源の駆動力を出力軸に伝達するギヤを支持した変速機のステータシャフト固定構造に関する。
エンジンの駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータのステータを、入力軸の外周に嵌合するステータシャフトの一端側にワンウェイクラッチを介して支持するとともに、ステータシャフトの他端側に一体に設けたステータシャフトフランジを、ケーシングの側面にボルトで締結したものが、下記特許文献1により公知である。
国際出願公開第WO2011/108316号
ところで、ステータシャフトは入力軸の外周にベアリングを介して支持しているため、入力軸に設けたギヤが受ける噛合反力により入力軸に径方向の荷重が作用すると、その荷重はベアリングからステータシャフトおよびステータシャフトフランジを介してボルトに伝達され、ボルトが緩んでステータシャフトフランジとケーシングの座面との間にガタが発生する可能性があった。これを防止するには、ボルトの本数を増やしたり、大径のボルトを使用したりすれば良いが、そのようにすると部品点数や重量が増加する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でトルクコンバータのステータシャフトフランジをケーシングに対して径方向に位置決めすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、駆動源の駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータが、前記入力軸の外周に嵌合して一端にステータが接続されたステータシャフトと、前記ステータシャフトの他端に設けられてケーシングに固定されたステータシャフトフランジとを備え、前記入力軸に前記駆動源の駆動力を出力軸に伝達するギヤを支持した変速機のステータシャフト固定構造であって、前記入力軸を、前記ギヤの軸方向一端側で第1ベアリングにより前記ステータシャフトに支持するとともに、前記ギヤの軸方向他端側で第2ベアリングにより前記ケーシングに支持し、前記ステータシャフトフランジを、前記ケーシングの側面に形成した凹部に嵌合して径方向に位置決めするとともに、前記ケーシングの前記側面に蓋部材を当接させてそれらケーシング及び蓋部材を互いに締結することにより、前記凹部および前記蓋部材間に前記ステータシャフトフランジを挟んで軸方向に位置決めしたことを第の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1の特徴に加えて、前記ステータシャフトの外周に相対回転自在に支持されて前記駆動源の駆動力で駆動される駆動スプロケットと、オイルポンプのポンプ軸に設けられた従動スプロケットとを無端チェーンで接続したことを第の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1またはの特徴に加えて、前記変速機は、第1プーリおよび第2プーリ間に無端ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機構と、前記入力軸の回転を減速して前記第1プーリに伝達可能な第1減速経路と、前記第2プーリの回転を減速して前記出力軸に伝達可能な第2減速経路とを備え、前記ギヤは前記第2減速経路の出力ギヤであることを第の特徴とする変速機のステータシャフト固定構造が提案される。
尚、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態のミッションケース11は本発明のケーシングに対応し、実施の形態の第1出力軸13Aは本発明の出力軸に対応し、実施の形態の第1、第2リダクションギヤ36,37は本発明の第1減速経路に対応し、実施の形態の第1、第2インダクションギヤ38,39は本発明の第2減速経路に対応し、そのうち特に第1インダクションギヤ38は本発明のギヤに対応し、実施の形態のニードルベアリング43は本発明の第1ベアリングに対応し、実施の形態のボールベアリング59は本発明の第2ベアリングに対応する。
本発明の第1の特徴によれば、駆動源の駆動力を入力軸に伝達するトルクコンバータは、入力軸の外周に嵌合して一端にステータが接続されたステータシャフトと、ステータシャフトの他端に設けられてケーシングに固定されたステータシャフトフランジとを備え、入力軸に駆動源の駆動力を出力軸に伝達するギヤが支持される。入力軸を、ギヤの軸方向一端側で第1ベアリングによりステータシャフトに支持するとともに、ギヤの軸方向他端側で第2ベアリングによりケーシングに支持したので、ギヤが受ける噛合反力により第1、第2ベアリングに径方向の荷重が作用し、第1ベアリングから径方向の荷重を受けるステータシャフトと一体のステータシャフトフランジをケーシングに固定する部分が緩んでガタが発生し易くなる。しかしながら、ステータシャフトフランジを、ケーシングの側面に形成した凹部に嵌合して径方向に位置決めしたことにより、前記径方向の荷重をケーシングで直接支持してステータシャフトフランジのガタを抑制することができる。
た、ケーシングの側面に蓋部材を当接させてそれらケーシング及び蓋部材を互いに締結することにより、凹部および蓋部材間にステータシャフトフランジを挟んで軸方向に位置決めしたので、締結部材の緩みを防止できるとともに、ステータシャフトフランジの径方向のガタだけでなく、軸方向のガタも阻止することができる。
また本発明の第の特徴によれば、ステータシャフトの外周に相対回転自在に支持されて駆動源の駆動力で駆動される駆動スプロケットと、オイルポンプのポンプ軸に設けられた従動スプロケットとを無端チェーンで接続したので、オイルポンプをステータシャフトおよびステータシャフトフランジから離れた位置に設けることが可能となる。その結果、オイルポンプが発生する油圧がステータシャフトあるいはステータシャフトフランジとケーシングとの結合面に作用することが防止され、ステータシャフトフランジを特別に強固に固定することなく油圧によるガタの発生を阻止することができる。
また本発明の第の特徴によれば、変速機は、第1プーリおよび第2プーリ間に無端ベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機構と、入力軸の回転を減速して第1プーリに伝達可能な第1減速経路と、第2プーリの回転を減速して出力軸に伝達可能な第2減速経路とを備えるので、入力軸の回転は、第1減速経路、ベルト式無段変速機構および第2減速経路で3段階に減速されて出力軸に伝達される。その結果、第2減速経路の出力ギヤである前記ギヤに大トルクが作用して入力軸に大きな径方向荷重が加わるが、上述した第1の特徴の効果によりステータシャフトフランジの径方向のガタの発生を効果的に阻止することができる。
図1は無段変速機のスケルトン図である。(第1の実施の形態) 図2は無段変速機の軸直角方向の断面図である。(第1の実施の形態) 図3は図1の3部拡大図である。(第1の実施の形態) 図4は図3の4−4線矢視図である。(第1の実施の形態)
E エンジン(駆動源)
V ベルト式無段変速機構
11 ミッションケース(ケーシング)
11b 側面
11c 凹部
12 入力軸
13A 第1出力軸(出力軸)
17 トルクコンバータ
20 第1プーリ
21 第2プーリ
22 無端ベルト
30 駆動スプロケット
31 オイルポンプ
32 ポンプ軸
33 従動スプロケット
34 無端チェーン
35 ステータ
36 第1リダクションギヤ(第1減速経路)
37 第2リダクションギヤ(第1減速経路)
38 第1インダクションギヤ(ギヤ、第2減速経路)
39 第2インダクションギヤ(第2減速経路)
43 ニードルベアリング(第1ベアリング)
44 ステータシャフト
49 ステータシャフトフランジ
50 蓋部材
59 ボールベアリング(第2ベアリング)
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態
図1および図2に示すように、自動車用の無段変速機Tは、ミッションケース11の内部に相互に平行に配置された入力軸12と、第1出力軸13Aと、第1副軸14と、第2副軸15と、アイドル軸16とを備えており、第1副軸14の外周には第2出力軸13Bが相対回転自在に嵌合する。エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17を介して伝達される入力軸12は両端に第1クラッチ18および第2クラッチ19を備えており、第1クラッチ18を係合すると入力軸12の駆動力が第1副軸14に伝達され、第2クラッチ19を係合すると入力軸12の駆動力が第2副軸15、第1ギヤ26およびアイドル軸16に伝達される。
第1副軸14に設けた第1プーリ20と第2副軸15に設けた第2プーリ21とが無端ベルト22で接続されており、第1、第2プーリ20,21の溝幅を変更することで、第1副軸14および第2副軸15間の変速比を変更可能である。第1プーリ20、第2プーリ21および無端ベルト22はベルト式無段変速機構Vを構成する。
第1出力軸13Aには第1シンクロ機構23が設けられており、第1シンクロ機構23を右動すると第1ギヤ26が第1出力軸13Aに結合され、第1シンクロ機構23を左動すると第2ギヤ27が第1出力軸13Aに結合される。また第1副軸14および第2出力軸13B間に第2シンクロ機構25が設けられており、第2シンクロ機構25を右動すると第1副軸14の駆動力が第2出力軸13BおよびディファレンシャルギヤDを介して車軸24に伝達される。
トルクコンバータ17のポンプインペラ29に固定された駆動スプロケット30とオイルポンプ31のポンプ軸32に固定された従動スプロケット33とが無端チェーン34で接続されており、エンジンEの駆動力でオイルポンプ31が常時駆動される。
入力軸12に対して、第2副軸15は前上方に配置され、第1副軸14および第2出力軸13Bは後上方に配置され、ポンプ軸32は前下方に配置され、アイドル軸16は下方に配置され、第1出力軸13Aは後下方に配置され、ディファレンシャルギヤDは前記各軸12,13A,13B,14,15,16,32の後方に配置される。
第1クラッチ18を係合し、第2クラッチ19を係合解除し、第1シンクロ機構23を右動し、第2シンクロ機構25を左動したLOWモードでは、エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17→入力軸12→第1クラッチ18→第1リダクションギヤ36→第2リダクションギヤ37→第1副軸14→第1プーリ20→無端ベルト22→第2プーリ21→第2副軸15→第2インダクションギヤ39→第1インダクションギヤ38→第1ギヤ26→第1シンクロ機構23→第1出力軸13A→ディファレンシャルギヤDの経路で車軸24に伝達される。このLOWモードで第1プーリ20および第2プーリ21の溝幅を変更することで、無段変速機Tの変速比をLOW側で無段階に変更することができる。
このとき、第1リダクションギヤ36および第2リダクションギヤ37は第1減速経路を構成し、第2インダクションギヤ39および第1インダクションギヤ38は第2減速経路を構成する。
第1クラッチ18を係合解除し、第2クラッチ19を係合し、第1シンクロ機構23を中立にし、第2シンクロ機構25を右動したHIモードでは、エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17→入力軸12→第2クラッチ19→第1インダクションギヤ38→第2インダクションギヤ39→第2副軸15→第2プーリ21→無端ベルト22→第1プーリ20→第1副軸14→第2シンクロ機構25→第2出力軸13B→ディファレンシャルギヤDの経路で車軸24に伝達される。このHIモードで第1プーリ20および第2プーリ21の溝幅を変更することで、無段変速機Tの変速比をHI側で無段階に変更することができる。
このとき、第1インダクションギヤ38および第2インダクションギヤ39は増速経路を構成する。
第1クラッチ18を係合し、第2クラッチ19を係合解除し、第1シンクロ機構23を左動し、第2シンクロ機構25を左動したRVSモードでは、エンジンEの駆動力がトルクコンバータ17→入力軸12→第1クラッチ18→第1リダクションギヤ36→第2リダクションギヤ37→第1副軸14→第1プーリ20→無端ベルト22→第2プーリ21→第2副軸15→第2インダクションギヤ39→第1インダクションギヤ38→アイドル軸16→第2ギヤ27→第1シンクロ機構23→第1出力軸13A→ディファレンシャルギヤDの経路で逆回転となって車軸24に伝達され、車両は後進走行する。このRVSモードで第1プーリ20および第2プーリ21の溝幅を変更することで、無段変速機Tの変速比をRVS側で無段階に変更することができる。
以上のように、LOWモードおよびHIモードで第1プーリ20および第2プーリ21間の動力伝達方向を反転することで、無段変速機Tのトータルの変速比を二乗のレンジに拡大することができるだけでなく、RVSモードで車両を後進走行させることができる。
次に、図3および図4に基づいて、トルクコンバータ17のステータシャフト44の固定構造を説明する。
トルクコンバータ17は、エンジンEのクランクシャフトに図示しないドライブプレートを介して接続されたポンプインペラ29と、入力軸12の軸端にボス部42aを固定されてポンプインペラ29に軸方向に対向するタービンランナ42と、ポンプインペラ29およびタービンランナ42の径方向内側に配置されたステータ35とを備えており、ステータ35の内周は、入力軸12の外周にニードルベアリング43を介して同軸に嵌合するステータシャフト44の軸方向一端にワンウェイクラッチ45を介して支持される。
ポンプインペラ29の筒状のボス部29aはステータシャフト44の外周に相対回転自在に嵌合しており、そのボス部29aの外周にオイルポンプ31を駆動する駆動スプロケット30が固定される。駆動スプロケット30は、トルクコンバータ17を収納するトルクコンバータケース11aの内周面にボールベアリング46を介して相対回転自在に支持されており、ポンプインペラ29のボス部29aとトルクコンバータケース11aとの間にシール部材48が配置される。
トルクコンバータケース11aの側面11bには円形の凹部11cが形成されており、ステータシャフト44の軸方向他端から径方向外側に延びる板状のステータシャフトフランジ49がトルクコンバータケース11aの凹部11cに嵌合する。凹部11cの内周面およびステータシャフトフランジ49の外周面は径方向に隙間なく嵌合し、ステータシャフトフランジ49は凹部11cによって径方向に位置決めされる。
入力軸12の外周に嵌合する板状の蓋部材50がトルクコンバータケース11aの側面11bに当接し、例えば6本のボルト51…でトルクコンバータケース11aに締結される。その結果、ステータシャフトフランジ49は凹部11cの底面と蓋部材50との間に挟まれて軸方向に位置決めされる。このとき、ノックピン52が蓋部材50およびステータシャフトフランジ49に嵌合することで、蓋部材50に対してステータシャフトフランジ49が軸線まわりの回転方向に位置決めされる。尚、図4の符号41は、トルクコンバータケース11aに対して蓋部材50を位置決めするためのノックピンである。また蓋部材50にはアイドル軸16が支持される。
入力軸12の外周には、蓋部材50の軸方向他端側に隣接して第クラッチ1が配置される。第クラッチ1は、入力軸12に固設されたクラッチドラム53と、入力軸12にニードルベアリング54を介して相対回転自在に支持された第1インダクションギヤ38から軸方向一端側に延びるクラッチハブ55と、クラッチドラム53およびクラッチハブ55間に配置された複数の摩擦板56…と、複数の摩擦板56…を相互に係合する方向に付勢するクラッチピストン57と、クラッチピストン57を複数の摩擦板56…から離反する方向に付勢するクラッチスプリング58とを備える。
そして第1インダクションギヤ38を挟んでニードルベアリング43と反対側において、入力軸12がボールベアリング59(図1参照)を介してミッションケース11に支持される。つまり、入力軸12は、第1インダクションギヤ38の軸方向一端側でニードルベアリング43によりステータシャフト44に支持され、かつ第1インダクションギヤ38の軸方向他端側でボールベアリング59によりミッションケース11に支持される。ニードルベアリング43は本発明の第1ベアリングを構成し、ボールベアリング59は本発明の第2ベアリングを構成する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
エンジンEのトルクが第1インダクションギヤ38を介して伝達されるとき、第1インダクションギヤ38は第2インダクションギヤ39および第1ギヤ26から受ける噛合反力で径方向に付勢される。この噛合反力の一部は入力軸12からニードルベアリング43を介してステータシャフト44に伝達され、更にステータシャフト44からステータシャフトフランジ49を介してトルクコンバータケース11aに伝達されて支持される。
このとき、ステータシャフトフランジ49の外周面はトルクコンバータケース11aの側面11bに形成した凹部11cの内周面に嵌合しているため、ステータシャフトフランジ49を径方向に付勢する荷重は、蓋部材50を介してボルト51…に伝達されることなく、トルクコンバータケース11aの側面11bの凹部11cに直接支持される。その結果、ボルト51…はステータシャフトフランジ49に作用する軸方向の小さい荷重だけを支持すれば良いため、ボルト51…の本数を増やしたり、ボルト51…の直径を太くしたりすることなく緩みを防止し、ステータシャフトフランジ49を径方向および軸方向に位置決めしてガタの発生を抑制することができる。
特に、本実施の形態によれば、LOWモードあるいはRVSモードでの走行中に、入力軸12の回転は第1リダクションギヤ36および第2リダクションギヤ37よりなる第1減速経路で減速され、ベルト式無段変速機構Vの第1プーリ20および第2プーリ21間で減速され、かつ第2インダクションギヤ39および第1インダクションギヤ38よりなる第2減速経路で減速されるため、第2減速経路の終段の第1インダクションギヤ38には極めて大きなトルクが入力し、第1インダクションギヤ38に作用する噛合反力が大きくなってボルト51…の緩みが生じ易くなる。
しかしながら、本実施の形態によれば、ステータシャフトフランジ49を上述した構造でトルクコンバータケース11aに固定することで、ボルト51…の緩みを確実に阻止することが可能となる。
また従来の無段変速機Tでは、ステータシャフト44の外周を囲むようにオイルポンプを配置し、ステータシャフト44あるいはステータシャフトフランジ49とトルクコンバータケース11aとの合わせ面に高圧油路を形成する場合があった。このような構造を採用すると、前記高圧油路の油圧に耐えるようにステータシャフトフランジ49をトルクコンバータケース11aに締結するボルトの軸力を増加させる必要があるため、仮に本実施の形態の構造でステータシャフトフランジ49を固定しても、ボルト数の低減およびボルトの小径化は難しい。
しかしながら、本実施の形態によれば、オイルポンプ31をステータシャフト44やステータシャフトフランジ49から離れた位置に配置して無端チェーン34で駆動するため、オイルポンプ31が発生する油圧による荷重が蓋部材50を固定するボルト51…に作用することがなくなり、ボルト51…の緩みが一層確実に阻止される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の変速機は実施の形態の無段変速機Tに限定されず、有段変速機であっても良い。
本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、モータ・ジェネレータ等の他種の駆動源であっても良い。
また本発明の第1ベアリングは実施の形態のニードルベアリング43に限定されるものではなく、本発明の第2ベアリングは実施の形態のボールベアリング59に限定されるものではない。

Claims (4)

  1. 駆動源(E)の駆動力を入力軸(12)に伝達するトルクコンバータ(17)が、前記入力軸(12)の外周に嵌合して一端にステータ(35)が接続されたステータシャフト(44)と、前記ステータシャフト(44)の他端に設けられてケーシング(11)に固定されたステータシャフトフランジ(49)とを備え、前記入力軸(12)に前記駆動源(E)の駆動力を出力軸(13A)に伝達するギヤ(38)を支持した変速機のステータシャフト固定構造であって、
    前記入力軸(12)を、前記ギヤ(38)の軸方向一端側で第1ベアリング(43)により前記ステータシャフト(44)に支持するとともに、前記ギヤ(38)の軸方向他端側で第2ベアリング(59)により前記ケーシング(11)に支持し、前記ステータシャフトフランジ(49)を、前記ケーシング(11)の側面(11b)に形成した凹部(11c)に嵌合して径方向に位置決めしたことを特徴とする変速機のステータシャフト固定構造。
  2. 前記ケーシング(11)の前記側面(11b)に蓋部材(50)を締結し、前記凹部(11c)および前記蓋部材(50)間に前記ステータシャフトフランジ(49)を挟んで軸方向に位置決めしたことを特徴とする、請求項1に記載の変速機のステータシャフト固定構造。
  3. 前記ステータシャフト(44)の外周に相対回転自在に支持されて前記駆動源(E)の駆動力で駆動される駆動スプロケット(30)と、オイルポンプ(31)のポンプ軸(32)に設けられた従動スプロケット(33)とを無端チェーン(34)で接続したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の変速機のステータシャフト固定構造。
  4. 前記変速機は、第1プーリ(20)および第2プーリ(21)間に無端ベルト(22)を巻き掛けたベルト式無段変速機構(V)と、前記入力軸(12)の回転を減速して前記第1プーリ(20)に伝達可能な第1減速経路(36,37)と、前記第2プーリ(21)の回転を減速して前記出力軸(13A)に伝達可能な第2減速経路(39,38)とを備え、前記ギヤ(38)は前記第2減速経路(39,38)の出力ギヤであることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の変速機のステータシャフト固定構造。
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