JPWO2014115251A1 - 金属被覆樹脂構造体とその製法 - Google Patents

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Abstract

有機材料を主成分とする大型・大面積の構造物に、健全な組織の金属皮膜を高速・高効率で形成する。樹脂基材と、前記樹脂基材を被覆する中間層と、前記中間層を被覆する金属層とを有し、前記中間層は樹脂またはガラスの少なくとも何れかと金属粒子とを含み、前記中間層に含まれる金属粒子と前記金属層とが冶金的に結合し、前記中間層に含まれる樹脂またはガラスと前記樹脂基材とが化学的に結合している。

Description

本発明は、金属被覆樹脂構造体とその製法に関する。
風力発電設備における風車のブレード表面は、一般に軽量で強度の高いガラス繊維強化プラスチック(Glass-Fiber Reinforced Plastics;以下、GFRP)からなる。GFRPはガラス繊維繊布に樹脂を含浸したもので、電気的に絶縁性を有する。風車ブレードの故障要因のほぼ1/3は落雷によるもので、このブレード破損は絶縁性のブレードに急激な高電圧-大電流が印加されることによる焼損・溶断、内部水分が膨張することによる破裂、衝撃波に誘発される破裂などによって生ずる。ブレードが破損すると、その間、発電ができなくなり、ブレードの交換・修理費用のみならず、電力供給中断に伴う賠償など、多大な経済的損害が発生する。
落雷防止策として、ブレード先端にレセプタと呼ばれる金属性の受雷部を埋設し、レセプタから地中(アース電位)までをつなぐ金属導体をブレード内部に設置する方策がとられている。しかしその効果は薄く、レセプタに限らずブレードの全体に渡ってランダムに落雷し、上記のようなブレード破損が多発している。そのため、ブレード全面に金属を被覆して導電性をもたせ、落雷電流をアースする対策が望まれる。また、有機材料を主成分とする構造体の表面を金属で被覆すれば、有機材料劣化の大きな要因の一つである紫外線劣化に対する有効な対策にもなり得る。
特開2010−100802号公報 特開2006−137143号公報 特開2006−150595号公報
GFRPをはじめ、樹脂などの有機材料を金属で被覆する一般的な方法として、めっき法(化学めっき)が挙げられるが、めっき法では成膜速度が遅く、数mmオーダの金属皮膜を形成するには多大な時間を要する。また、対象物をめっき液に浸漬する必要があり、長さが100m近い風車ブレードをめっき法で被覆することは現実的・工業的に困難である。
また他の方法として、溶射法が挙げられる。溶射法は、比較的短時間での厚膜成形が可能であるが、原料の金属粉末を溶融させた状態で基材(樹脂)に吹き付けるため、樹脂基材も溶融してしまい、健全な皮膜の密着状態が得られない。そのため、樹脂基材の上に予め中間層(または接着剤層)を設け、その中間層の上に溶射する必要がある。この中間層は、その後の溶射被覆に耐えるだけの耐熱性が求められるため、比較的高価なセラミック粒子などを含む必要があり、また、中間層の形成はスラリー吹き付けによるなど、溶射と別工程を要するため、製造コストの増大につながる。
そこで、本発明の目的は、有機材料を主成分とする大型・大面積の構造物に、健全な組織の金属皮膜を高速・高効率で形成することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、樹脂基材と、前記樹脂基材を被覆する中間層と、前記中間層を被覆する金属層とを有し、前記中間層は樹脂またはガラスの少なくとも何れかと金属粒子とを含み、前記中間層に含まれる金属粒子と前記金属層とが冶金的に結合し、前記中間層に含まれる樹脂またはガラスと前記樹脂基材とが化学的に結合している。
また、樹脂またはガラスの少なくとも何れかと金属粒子の各々の粉末をガス流で加速させる工程と、前記樹脂または前記ガラスの少なくとも何れかと前記金属粒子とを樹脂基材に衝突させて前記樹脂基材に付着堆積させ、前記樹脂基材を被覆する中間層を形成する工程と、前記金属粒子を前記中間層に衝突させて前記中間層に付着堆積させ、前記中間層を被覆する金属層を形成する工程とを有する。
本発明によれば、有機材料を主成分とする大型・大面積の構造物に、健全な組織の金属皮膜を高速・高効率で形成することができる。
金属被覆樹脂構造体の断面組織。 金属被覆樹脂構造体の他の断面組織。
金属被覆樹脂構造体は、有機材料を主成分とする樹脂基材の表面を金属層が覆うことにより導電性を付与し、風車ブレード等に用いた場合、金属層からアース(接地)をとることで落雷による損傷を防ぐことができる。有機材料と金属との間では冶金的あるいは化学的結合が生じないため、有機材料を主成分とする基材の表面に金属を直接被覆することは困難であるが、基材と金属層の間に金属と樹脂を混合した中間層、または金属と低融点ガラスを混合した中間層を設けることにより、金属被覆が可能となる。すなわち、中間層と基材の間では化学的結合が、中間層と金属層の間では冶金的結合がそれぞれ主な付着機構となり、中間層を介して有機材料基材への金属被覆が可能になる。また、中間層は、金属と樹脂と低融点ガラスの3種を混合してもよい。
金属と樹脂を含む中間層、または金属と低融点ガラスを含む中間層は、それらの配合比が基材と金属層との間で均一な単一組成でもよいが、組成が連続的あるいは段階的に変化し、基材に接する側では樹脂または低融点ガラスの組成が、金属層に接する側では金属の組成が多いことが望ましい。これにより、基材側の中間層と基材との間での化学的結合、および金属層側の中間層と金属層との間での冶金的結合がそれぞれ強くなり、密着強度の高い中間層と金属層の形成が可能になる。
基材は、一般的な有機材料系の構造材として広く用いられるガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂である。金属層は原子番号が12以上で、かつ融点が420℃以上の典型金属、遷移金属、またはそれらを主とする合金である。中間層に含まれる樹脂は、硬化材および触媒を含む熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂で、低融点ガラスはガラス転位点が600℃以下のガラスである。これらの材料で構成される基材、中間層および金属層の組合せにより、それぞれの層の間で上記の結合機構が生じ、高い密着強度で金属層が付着した金属被覆樹脂構造体が得られる。
金属層を構成する金属粒子は最小厚さに対する最大径の比が2以上で、金属粒子同士が冶金的に結合する。これは、後述する製法によって実現される。すなわち、金属層をなす金属の粒子を高速ガス流(キャリアガス)で加速し、中間層の上に衝突させて付着堆積させるため、金属粒子は衝突によって塑性変形し、ガス流と垂直に(中間層の面と平行に)偏平化する。また、隣接する粒子と衝突して接触することによっても互いが冶金的に結合する。これにより、緻密で強固な金属層が形成されて表面に導電性が付与される。さらに、金属層表面に腐食が生じると、偏平粒子が堆積した組織の方が球形粒子が堆積した場合に比べて、腐食が進むパスとなる被膜厚さ方向の粒子界面距離は長くなるため、耐腐食性も向上する。これらの金属粒子間の冶金的結合や腐食パスの延長効果は、粒子の最小厚さに対する最大幅の比が概ね2以上の場合に発現する。ここでは粒子の堆積方向における厚さ、中間層の面における幅を表す。
中間層に含まれる樹脂または低融点ガラスは、基材と化学的に一体化する。これは、樹脂または低融点ガラスの粒子が高速ガス流によって基材に衝突する際、その運動エネルギーが熱に変換され、樹脂または低融点ガラスの粒子の表面と基材の表面とが溶融し、凝固して一体化するためである。中間層の構成成分が樹脂である場合、後述するように液状の樹脂を用いて塗布・乾燥固化する方法によっても同様に一体化が生じる。これにより、高い密着強度の中間層が基材上に形成され、この中間層を介して強固に密着した金属層で基材が被覆される。
金属被覆樹脂構造体の製法は、金属等の粉末を高速ガス流で加速し、基材に衝突させて付着堆積させるもので、コールドスプレーやキネティックスプレーなどと呼ばれる手法である。これは、粉末を基材に高速で衝突させることにより、粒子を塑性変形させて基材上に付着・堆積させるものであるが、金属粉末を有機材料からなる基材に直接噴射しても堆積せず、金属皮膜は得られない。なぜならば、有機材料に比べて硬質な金属粒子が基材に衝突すると、基材を削り落して損耗させるためである。そこで、金属よりも軟質の樹脂あるいは低融点ガラスを金属粒子と混合することで、有機材料の基材上にも金属粒子が含まれた層(中間層)を形成することができる。中間層には金属粒子が含まれているので、中間層上に金属粒子を噴射しても中間層中の金属粒子と冶金的に結合するので、金属粒子の堆積が可能になり、金属皮膜が得られる。
中間層は金属-樹脂または金属-低融点ガラスの組成が基材に接する側から金属層の側へ連続的あるいは段階的に変化することが望ましい。すなわち、基材に接する側では樹脂または低融点ガラスが多く、金属層に向かって金属の量が増していく傾斜組成である。これは前述のように、中間層と基材の間での化学的結合、および中間層と金属層の間での冶金的結合が強固となり、密着強度の高い中間層並びに金属層の形成が可能になるためである。組成が傾斜したこの中間層は、基材に接する側から金属層の側へガス流速度と粉末供給量を連続的あるいは段階的に変化させることによって得られる。
有機材料を主成分とする基材に対し、樹脂や低融点ガラスの衝突速度が大きすぎると、運動エネルギーから変換される熱の発生量が多くなり、樹脂や低融点ガラスが過度に溶融し、基材に衝突すると同時に付着せずにガス流に沿って除去されてしまう。したがって基材に接する側では、樹脂や低融点ガラスを多く含む金属-樹脂または金属-低融点ガラスの原料粉末を、ガス温度や圧力を低くしてガス流速度を抑えた状態で基材に衝突させる必要がある。
一方、金属層を形成する金属粒子は樹脂や低融点ガラスに比べて硬質であるため、付着堆積するために粒子を塑性変形させるためには、比較的高い運動エネルギー(すなわち、比較的高い衝突速度)で衝突させる必要がある。そのため下地となる中間層は、硬質金属粒子の高速衝突によって損耗することのないような硬度を有する必要があり、金属の含有量の多い組成としなければならない。したがって、金属層に近い側では、金属量の多い金属-樹脂または金属-低融点ガラスの原料粉末を、ガス温度や圧力を高めて大きなガス流速度を用いて基材に衝突させる必要がある。よって、ガス温度や圧力で設定されるガス流速度は、基材に接する側から金属層の側へ徐々に、あるいは段階的に変化させることが望ましい。
また、金属-樹脂または金属-低融点ガラスの組成の変化は、金属と樹脂または低融点ガラスの粉末をそれぞれ別個の粉末供給器に充填し、高速ガス流と原料粉末を噴射するためのノズルに対し、金属粉末と樹脂粉末、あるいは金属粉末と低融点ガラス粉末の送り量を変化させることにより、中間層の組成を厚さ方向に変化させることができる。
上記の中間層が金属と樹脂からなる場合、中間層をなす金属粒子と液状の樹脂との混合体を基材の表面に塗布し、乾燥・硬化させて中間層を形成した後、金属粉末を高速ガス流で加速し、基材に衝突させて付着堆積させることによっても金属層を形成できる。この場合の中間層の組成は一般に単一組成となるが、金属粒子の含有量を変えた混合体を層状に塗布すれば、組成が厚さ方向に段階的に変化した中間層を作製することができる。これらの中間層を設けることにより、上記と同様に金属粒子の堆積が可能になり、最表面に金属皮膜が形成された構造体が得られる。
金属層および中間層の皮膜組織改善や緻密化は、基材上に中間層および金属層を形成した後、基材をなす有機材料の耐熱温度以下の温度に加熱することによっても可能である。すなわち、皮膜形成後に熱処理することによって、金属粒子間の焼結に伴う冶金的結合の増加、高速衝突によって生じた樹脂粒子あるいは低融点ガラス粒子内の微小クラックの修復、粒子間の気孔の消滅などが進行し、膜質改善や緻密化が図られる。
上記の金属被覆樹脂構造体は、風力発電用風車ブレード、航空機の機体、自動車の車体などの軽量かつ導電性を有することが望ましい構造物や、自動車燃料タンクなどの軽量かつ耐食性を必要とする部材に用いることで、それらの機能を有効に発揮する。
以下、発明を実施するための形態を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す条件で、エポキシ樹脂の表面をAlで被覆した構造体を試作した。表1において、Alからなる金属層の形成は、すべてコールドスプレーによる。
No.1は比較例として、エポキシ樹脂からなる基材の表面に直接Alの被覆を試みたものである。Alの原料粉には、粒径が20〜45μmの球形粉を用いた。キャリアガスに100℃、0.6MPaの圧縮空気を用い、噴射距離(コールドスプレー用ノズルの先端から基材までの距離)20mmでAl原料粉を樹脂基材に噴射したところ、基材はAl粒子によって削り落とされ、基材厚みが減少し、Al皮膜は形成されなかった。このことから、樹脂基材への直接の金属皮膜形成は困難であることがわかる。
No.2は、樹脂基材上に60体積%Al−40体積%エポキシ樹脂からなる単一組成の中間層をコールドスプレーで形成させた後、その上にAlを被覆したものである。図1は、この断面組織の一部である。1は金属層、2は中間層、3は基材、4はAl粒子、5はエポキシである。Alの原料粉は上記No.1と同様の球形粉、エポキシ樹脂の原料粉には硬化剤を含む30〜60μmの破砕粉を用い、コールドスプレーのキャリアガスは圧縮空気である。中間層の形成は、Al原料粉とエポキシ樹脂原料粉それぞれを別個の粉末供給器から上記の組成となるようにノズルに送り、キャリアガス温度100℃、圧力0.6MPa、噴射距離20mmで樹脂基材に噴射した。形成した中間層の厚さは250〜500μmで、その断面組織数箇所において画像処理により気孔率を求めたところ、概ね0.5%以下であった。さらにこの上にAl原料粉を同条件でコールドスプレーし、厚さ50μm未満の金属層を形成した。金属層の気孔率を断面組織において画像処理により測定した結果、約40%であった。
No.3は中間層の組成を基材側から金属層側へ60Al-40エポキシ〜80Al-20エポキシへと連続的に変化させたもの、No.4は60Al-40エポキシ〜100Al-0エポキシへと連続的に変化させたものである。これらは上記No.2と同様の条件で、Al原料粉およびエポキシ樹脂原料粉それぞれの供給量を上記の組成となるように連続的に調整した。これらの中間層の気孔率は、それぞれ0.7%以下、1%以下で、エポキシ樹脂量が少なくなると気孔率が増す傾向にあるが、実用上支障のない範囲である。これらの中間層の上に、No.2と同条件でAl金属層を形成し、その気孔率を測定した結果、No.3が約10%、No.4が1%以下で、中間層の金属量(Al量)が多いほど金属層が緻密化する。したがって、中間層はNo.2のような単一組成でも良いが、厚さ方向に組成が傾斜し、金属層側で金属量の多い(すなわち、硬さが大きい)組成とすることが金属層を緻密化する上で望ましいことが確認された。
No.5は、No.4と同様の中間層ならびに金属層をコールドスプレーによって形成する際、噴射箇所をレーザによって局所加熱しながら形成したものである。これにより、中間層および金属層の気孔率は、いずれもNo.4に比べて減少した。したがって、コールドスプレー箇所の局所加熱が緻密な金属層の形成に有効であることが確認された。
No.6は、No.4を形成後、大気中において250℃で1時間加熱したものである。この結果、中間層および金属層の気孔率は、いずれもNo.4に比べて減少した。したがって、中間層および金属層の形成後に基材の耐熱温度以下で加熱することは、金属層の緻密化に有効であることが確認された。
No.7は、Al粉末と硬化剤を含む液状のエポキシ樹脂の混合体(組成30Al-70エポキシ)を基材表面に塗布し、乾燥・硬化させて中間層を形成後、その表面にAl金属層をコールドスプレーによって形成したものである。図2は、この断面組織の一部である。No.8は、組成70Al-30エポキシの混合体を用い、No.7と同様の方法で中間層ならびに金属層を形成したものである。このように、金属粉末と液状樹脂の混合体を基材に塗布し、固化させる方法によっても中間層を形成できることが確認された。
なお、No.2〜No.8の金属層の断面組織から、Al粒子の最小厚さに対する最大径の比を測定したところ、いずれの場合もほぼ全ての粒子において2以上であった。また、いずれの場合も断面組織を観察した結果、中間層の樹脂は基材と化学的に一体化した組織をなし、金属層のAl粒子間は冶金的に結合していることが確認された。したがって、有機材料を主成分とする基材を金属で被覆した構造体が得られることが確認された。
基材が熱可塑性樹脂のほか、最表面が樹脂で覆われているGFRPや炭素繊維強化プラスチック(Carbon-Fiber Reinforced Plastics)などの場合においても、同様の方法で中間層および金属層の形成が可能である。また、中間層および金属層をなす金属が他の遷移金属の場合、あるいは中間層を構成する成分が低融点ガラスの場合にも、同様にそれぞれの層の形成が可能になる。
Figure 2014115251
1:金属層
2:中間層
3:基材
4:Al粒子
5:エポキシ

Claims (8)

  1. 樹脂基材と、前記樹脂基材を被覆する中間層と、前記中間層を被覆する金属層とを有し、
    前記中間層は樹脂またはガラスの少なくとも何れかと金属粒子とを含み、
    前記中間層に含まれる金属粒子と前記金属層とが冶金的に結合し、
    前記中間層に含まれる樹脂またはガラスと前記樹脂基材とが化学的に結合していることを特徴とする金属被覆樹脂構造体。
  2. 前記中間層は、前記樹脂基材側では前記金属粒子の組成よりも前記樹脂または前記ガラスの組成の方が多く、前記金属層側では前記金属粒子の組成よりも前記樹脂または前記ガラスの組成の方が少ないことを特徴とする請求項1に記載の金属被覆樹脂構造体。
  3. 前記樹脂基材は、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の少なくとも何れかであり、
    前記金属層は、原子番号が12以上で融点が420℃以上の典型金属、遷移金属、またはそれらを主とする合金の少なくとも何れかを含み、
    前記樹脂は、硬化材および触媒を含む熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の少なくとも何れかを含み、
    前記ガラスは、ガラス転位点が600℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属被覆樹脂構造体。
  4. 前記金属層に含まれる金属粒子のうちの90%以上は、最小厚さに対する最大幅の比が2以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の金属被覆樹脂構造体。
  5. 樹脂またはガラスの少なくとも何れかと金属粒子の各々の粉末をガス流で加速させる工程と、
    前記樹脂または前記ガラスの少なくとも何れかと前記金属粒子とを樹脂基材に衝突させて前記樹脂基材に付着堆積させ、前記樹脂基材を被覆する中間層を形成する工程と、
    前記金属粒子を前記中間層に衝突させて前記中間層に付着堆積させ、前記中間層を被覆する金属層を形成する工程とを有することを特徴とする金属被覆樹脂構造体の製法。
  6. 前記中間層を形成する工程での前記ガス流の速度は、前記樹脂基材側よりも前記金属層側の方が大きく、前記中間層を形成する工程での前記金属粒子の粉末供給量は、前記樹脂基材側よりも前記金属層側の方が多いことを特徴とする請求項5に記載の金属被覆樹脂構造体の製法。
  7. 前記金属層を形成する工程の後に、前記樹脂基材の耐熱温度以下の温度に加熱する工程を有することを特徴とする請求項5または6に記載の金属被覆樹脂構造体の製法。
  8. 風力発電用風車ブレード、航空機、自動車の何れかに用いられることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の金属被覆樹脂構造体。
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