JPWO2014097818A1 - タッチパネル用透明電極、タッチパネル、および表示装置 - Google Patents
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Abstract
導電性と視認性とを兼ね備えたタッチパネル用透明電極を提供する。チタン含有層と、チタン含有層に隣接して設けられた銀を主成分とする導電層とを備えるタッチパネル用透明電極を構成する。
Description
本発明は、タッチパネル用透明電極、このタッチパネル用透明電極を備えるタッチパネル、及び、表示装置に関する。
表示パネルの表示面側に配置されるタッチパネルには、抵抗膜式、表面型静電容量式、投影型静電容量式、光学式、超音波式などの様々な方式があるが、投影型静電容量式は多点入力できるという特徴を有しており、スマートフォンなどでの実用化が進んでいる。
ところで、投影型静電容量方式のように、パネル面の全面にわたって電極が配置される構成のタッチパネルにおいては、透明性の導電性材料を用いて電極を構成することにより、タッチパネルを介して配置される表示画像の視認性を確保している。このようなタッチパネル用透明電極としては、主としてインジウムスズ酸化物(ITO)のような金属酸化物が用いられてきた。しかしながら、ITO等の金属酸化物は、光透過性には優れるものの導電性が十分ではなく、パネルの中央付近で電圧降下が起こりやく、タッチパネルの大型化が阻害される。また、抵抗値を低く抑えようとした場合、ある程度の厚さが必要とされるため、投影型静電容量方式のように電極がパターンを有する場合、このパターンが視認され易くなり、結果として下地となる表示画像の視認性が低下する。
そこで近年においては、タッチパネル用透明電極として、ITOよりも導電性が高い金属ナノワイヤーを用いた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、金属ナノワイヤーを用いたタッチパネル用透明電極は、抵抗を下げるために金属ナノワイヤーの添加量を増加させると、金属ナノワイヤーの光散乱により下地となる表示画像の視認性が低下する課題を有していた。
そこで本発明は、十分な導電性と視認性とを兼ね備えたタッチパネル用透明電極を提供すること、並びに、このタッチパネル用透明電極を用いることによって視認性の向上が図られたタッチパネル、及び、表示装置を提供する。
本発明のタッチパネル用透明電極は、チタン含有層と、チタン含有層に隣接して設けられた銀を主成分とする導電層とを備える。
本発明のタッチパネルは、上記タッチパネル用透明電極を備える。
また、本発明の表示装置は、上記タッチパネルと、このタッチパネルに重ねて配置された表示パネルとを備える。
本発明のタッチパネルは、上記タッチパネル用透明電極を備える。
また、本発明の表示装置は、上記タッチパネルと、このタッチパネルに重ねて配置された表示パネルとを備える。
本発明のタッチパネル用透明電極によれば、チタン含有層に隣接させて、銀を主成分とした導電層が設けられる。このチタン含有層上に銀を主成分とする導電層を形成することにより、銀原子とチタン含有層を構成するチタン原子との相互作用を得ることができ、銀の凝集が抑えられ、薄いながらも均一な厚さの導電層が得られる。
従って、銀を用いた透明電極において、導電性の向上と視認性の向上との両立が可能となる。また、この透明電極を用いて、導電性と視認性とに優れるタッチパネル及び表示装置を構成することができる。
従って、銀を用いた透明電極において、導電性の向上と視認性の向上との両立が可能となる。また、この透明電極を用いて、導電性と視認性とに優れるタッチパネル及び表示装置を構成することができる。
本発明によれば、導電性と視認性とを兼ね備えたタッチパネル用透明電極、タッチパネル及び表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.タッチパネル用透明電極(第1実施形態)
2.タッチパネル用透明電極(第2実施形態)
3.タッチパネル用透明電極(第3実施形態)
4.タッチパネル(第4実施形態:2枚の透明基板を用いた構成)
5.タッチパネル(第5実施形態:透明基板の両面に導電層を設けた構成)
6.タッチパネル(第6実施形態:透明基板の片面に導電層を設けた構成)
7.表示装置(第7実施形態:タッチパネルを用いた構成)
なお、説明は以下の順序で行う。
1.タッチパネル用透明電極(第1実施形態)
2.タッチパネル用透明電極(第2実施形態)
3.タッチパネル用透明電極(第3実施形態)
4.タッチパネル(第4実施形態:2枚の透明基板を用いた構成)
5.タッチパネル(第5実施形態:透明基板の両面に導電層を設けた構成)
6.タッチパネル(第6実施形態:透明基板の片面に導電層を設けた構成)
7.表示装置(第7実施形態:タッチパネルを用いた構成)
〈1.タッチパネル用透明電極(第1実施形態)〉
本発明の第1実施形態について説明する。
図1に、第1実施形態のタッチパネル用透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図1に示すように、タッチパネル用透明電極10は、チタン含有層12と、導電層13とを備えて、透明基板11上に形成されている。タッチパネル用透明電極10は、チタン含有層12と導電層13との一方面同士が隣接して導電層13が形成されている。また、導電層13の多方面上には、保護層14が設けられている。そして、チタン含有層12の他方面側に透明基板11を備える。つまり、チタン含有層12と導電層13とからなる透明電極10が、透明基板11と保護層14とに挟持された構成である。
本発明の第1実施形態について説明する。
図1に、第1実施形態のタッチパネル用透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図1に示すように、タッチパネル用透明電極10は、チタン含有層12と、導電層13とを備えて、透明基板11上に形成されている。タッチパネル用透明電極10は、チタン含有層12と導電層13との一方面同士が隣接して導電層13が形成されている。また、導電層13の多方面上には、保護層14が設けられている。そして、チタン含有層12の他方面側に透明基板11を備える。つまり、チタン含有層12と導電層13とからなる透明電極10が、透明基板11と保護層14とに挟持された構成である。
以下に、本例のタッチパネル用透明電極10について、透明基板11、チタン含有層12、及び導電層13、及び、保護層14の順に、詳細な構成を説明する。なお、本例のタッチパネル用透明電極10において、透明とは波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
[透明基板]
タッチパネル用透明電極10が形成される透明基板11は、表示パネルの前面板を兼ねるものであってもよい。このような透明基板11としては、例えば、ガラス、石英、透明樹脂フィルムが挙げられる。
タッチパネル用透明電極10が形成される透明基板11は、表示パネルの前面板を兼ねるものであってもよい。このような透明基板11としては、例えば、ガラス、石英、透明樹脂フィルムが挙げられる。
ガラスとしては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、タッチパネル用透明電極10との密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理や、無機物または有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成される。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)又はアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。このような被膜及びハイブリッド被膜は、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m2・24時間)以下のバリア性フィルム(バリア膜等ともいう)であることが好ましい。またさらには、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が10−3ml/(m2・24時間・atm)以下、水蒸気透過度が10−5g/(m2・24時間)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
以上のようなバリア性フィルムを形成する材料としては、樹脂フィルムの劣化をもたらす水分や酸素等の浸入を抑制する機能を有する材料を用いる。例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該バリア性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア性フィルムの形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。特に、特開2004−68143号公報に記載の大気圧プラズマ重合法を好ましく用いることができる。
[チタン含有層]
チタン含有層12は、例えば、チタン、チタン含有化合物を用いて構成された層である。また、チタン含有層12は、導電層13に隣接して形成された層である。導電層13と接してチタン含有層12が形成されることにより、導電層13の主成分である銀と、チタン含有層12を構成するチタン原子との相互作用により、チタン含有層12表面における銀原子の拡散距離が減少し、銀の凝集が抑えられる。このため、一般的に、核成長型(Volumer-Weber:VW型)での成長により島状に孤立し易い薄銀層が、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって形成される。従って、チタン含有層12に接して、銀を主成分とする導電層13を形成することにより、薄いながらも、均一な厚さの導電層13が得られる。
チタン含有層12は、例えば、チタン、チタン含有化合物を用いて構成された層である。また、チタン含有層12は、導電層13に隣接して形成された層である。導電層13と接してチタン含有層12が形成されることにより、導電層13の主成分である銀と、チタン含有層12を構成するチタン原子との相互作用により、チタン含有層12表面における銀原子の拡散距離が減少し、銀の凝集が抑えられる。このため、一般的に、核成長型(Volumer-Weber:VW型)での成長により島状に孤立し易い薄銀層が、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって形成される。従って、チタン含有層12に接して、銀を主成分とする導電層13を形成することにより、薄いながらも、均一な厚さの導電層13が得られる。
このチタン含有層12としてチタン含有化合物を用いる場合には、チタン原子と銀原子とを相互作用させるため、チタン含有層12の全体において、特に導電層13との界面側において、チタン含有量が多いことが好ましい。チタン含有化合物としては、例えば、チタン合金、チタン酸化物、チタン窒化物が挙げられる。
チタン合金としては、チタンを主成分とした合金であり、チタンの含有率が50atm%以上であることが好ましい。チタン合金としては、例えば、アルミニウムチタン(TiAl)が挙げられる。
また、チタン酸化物としては、例えば、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti2O3)、五酸化三チタン(Ti3O5)、マグネリ相チタン酸化物(TinO2n−1:n≧3)が挙げられる。チタン含有層12にチタン酸化物を用いる際には、チタン含有量よりも酸素含有量が少ない材料を用いることが好ましい。
チタン窒化物としては、例えば窒化チタン(TiN)が挙げられる。
また、チタン酸化物としては、例えば、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti2O3)、五酸化三チタン(Ti3O5)、マグネリ相チタン酸化物(TinO2n−1:n≧3)が挙げられる。チタン含有層12にチタン酸化物を用いる際には、チタン含有量よりも酸素含有量が少ない材料を用いることが好ましい。
チタン窒化物としては、例えば窒化チタン(TiN)が挙げられる。
また、チタン含有層12は、チタンや上述したチタン含有化合物を用いて構成されていればよく、これらを2種以上用いて構成されていてもよい。さらに、チタン含有層12は、チタン以外の金属が添加されていてもよい。これらの金属としては、例えば、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、インジウム(In)、金(Au)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)等が添加されていてもよい。
以上のようなチタン含有層12は、タッチパネル用透明電極10の光透過性を阻害しない程度の厚さとし、例えば5nm以下とすることが好ましい。一方、チタン含有層12は、チタン含有層12上に形成される導電層13の膜均一性を確保することができる程度の厚さを必要とする。この厚さとしてチタン含有層12は、チタン原子が1原子層以上形成されていればよい。また、チタン含有層12は、連続膜であることが好ましい。なお、チタン含有層12においてチタンの連続相に欠陥があっても、この欠陥が導電層13を構成するAg原子よりも小さければ、導電層13の膜均一性を確保することができる。
尚、このようなチタン含有層12の形成方法が特に限定されることはないが、電子ビーム蒸着法、及びスパッタ法が好ましく適用される。
[導電層]
導電層13は、銀を主成分として構成された層であって、銀又は銀を主成分とした合金を用いて構成され、チタン含有層12に隣接して形成された層である。このような導電層13の形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。なかでも蒸着法が好ましく適用される。また、導電層13は、チタン含有層12上に形成されることにより、形成後の高温アニール処理等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、形成後に高温アニール処理等を行ったものであってもよい。
導電層13は、銀を主成分として構成された層であって、銀又は銀を主成分とした合金を用いて構成され、チタン含有層12に隣接して形成された層である。このような導電層13の形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。なかでも蒸着法が好ましく適用される。また、導電層13は、チタン含有層12上に形成されることにより、形成後の高温アニール処理等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、形成後に高温アニール処理等を行ったものであってもよい。
導電層13を構成する銀(Ag)を主成分とする合金は、一例として銀マグネシウム(AgMg)、銀銅(AgCu)、銀パラジウム(AgPd)、銀パラジウム銅(AgPdCu)、銀インジウム(AgIn)等が挙げられる。
以上のような導電層13は、銀又は銀を主成分とした合金の層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
さらに、タッチパネル用透明電極10の光透過性を阻害しないために、導電層13の厚さを15nm以下となるように設定することが好ましく、特に12nm以下とすることが好ましい。導電層13の厚さが15nm以下では、層の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、タッチパネル用透明電極10の光透過率が維持されるため好ましい。さらに、導電層13の厚さを12nm以下とすることにより、タッチパネル用透明電極10の光透過性がさらに向上する。また、導電層13は、少なくとも厚さが4nm以上あれば、タッチパネル用透明電極10の導電性が確保される。
また、上述の導電層13は、電極パターンを有することが好ましい。導電層13の電極パターンとしては、例えば、マトリクス状に複数の電極パターンが形成されていることが好ましい。マトリクス状の電極パターンとしては、複数のx電極パターン又はy電極パターンを有し、各x電極パターン又はy電極パターンが、それぞれx方向又はy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置される。これらの各x電極パターン又はy電極パターンは、例えばx方向に配列されたひし形やその他の形状のパターン部分を、x方向又はy方向に直線状に連結した形状とすることができる。また、各x電極パターン、y電極パターンの端部に、導電層13からなる配線パターンが接続され、透明基板11上における周縁領域から端縁に、この配線パターンが引き出されていてもよい。
また、タッチパネル用透明電極10は、x電極パターン又はy電極パターンのいずれか一方の電極パターンを有する構成としてもよく、x電極パターンとy電極パターンとの両方の電極パターンを有する構成としてもよい。さらに、電極パターンとしては、上記マトリクス状に限らず、他のパターンとしてもよい。
なお、導電層13が形成されるチタン含有層12は、チタン含有層12を構成する材料の特性に応じて、パターニングの要否が決められる。例えば、チタン含有層12の導電性が低く、導電性を無視できる場合には、チタン含有層12に導電層13のような電極パターンを形成しなくてもよい。また、チタン含有層12の導電性が高く、導電性を考慮する必要がある場合には、チタン含有層12に導電層13と同様の電極パターンを形成する必要がある。
[保護層]
上記チタン含有層12、及び、チタン含有層12に隣接して設けられた導電層13からなる積層構造のタッチパネル用透明電極10は、導電層13のチタン含有層12と接していない側に、保護層14を備える。この場合、タッチパネル用透明電極10の光透過性を損なうことのないように、保護層14が光透過性を有することが好ましい。また、保護層14は光学調整層として機能する層であってもよい。
上記チタン含有層12、及び、チタン含有層12に隣接して設けられた導電層13からなる積層構造のタッチパネル用透明電極10は、導電層13のチタン含有層12と接していない側に、保護層14を備える。この場合、タッチパネル用透明電極10の光透過性を損なうことのないように、保護層14が光透過性を有することが好ましい。また、保護層14は光学調整層として機能する層であってもよい。
保護層14は、タッチパネル用透明電極10の導電層13を覆う、板状又はフィルム状の部材や、導電層13を覆う無機材料、有機材料又は樹脂材料を用いて構成される。この保護層14は、タッチパネル用透明電極10において少なくとも導電層13を覆う状態で設けられている。
保護層14を構成する板状又はフィルム状の部材としては、上述の透明基板11と同様の部材を用いることができる。なかでも、タッチパネル用透明電極10を薄型化できることから、薄型の樹脂フィルムを好ましく使用することができる。
さらに樹脂フィルムは、透明基板11と同様に、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。被膜は、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m2・24h・atm)以下、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m2・24h)以下であることが好ましい。
また、無機材料、有機材料又は樹脂材料を用いて構成された保護層14としては、特に、水分や酸素等、導電層13やチタン含有層12の劣化をもたらす物質の浸入を抑制する機能を有する材料で構成されることが好ましい。このような材料として、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化炭化珪素等の無機材料が用いられる。さらに封止膜の脆弱性を改良するために、これら無機材料からなる膜や、有機材料からなる膜を用いて積層構造としてもよい。また、保護層14には導電層13の腐食を防ぐ防腐剤を添加していてもよい。
これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
[タッチパネル用透明電極の効果]
以上のように構成されたタッチパネル用透明電極10は、チタン含有層12に隣接させて、銀を主成分とした導電層13を設けた構成である。これにより、チタン含有層12に隣接させて導電層13を形成する際には、導電層13を構成する銀原子がチタン含有層12を構成するチタン原子と相互作用し、銀原子のチタン含有層12表面での拡散距離が減少し、銀の凝集が抑えられる。このため、一般的には核成長型(Volumer-Weber:VW型)での成長により島状に孤立し易い薄銀層が、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって形成されるようになる。従って、薄いながらも、均一な厚さの導電層13が得られるようになる。
以上のように構成されたタッチパネル用透明電極10は、チタン含有層12に隣接させて、銀を主成分とした導電層13を設けた構成である。これにより、チタン含有層12に隣接させて導電層13を形成する際には、導電層13を構成する銀原子がチタン含有層12を構成するチタン原子と相互作用し、銀原子のチタン含有層12表面での拡散距離が減少し、銀の凝集が抑えられる。このため、一般的には核成長型(Volumer-Weber:VW型)での成長により島状に孤立し易い薄銀層が、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって形成されるようになる。従って、薄いながらも、均一な厚さの導電層13が得られるようになる。
以上の結果、この様なチタン含有層12の上部に、薄く均一な厚さを有することで光透過性を確保しつつ、導電性を確保した導電層13が得られる。このため、銀を用いたタッチパネル用透明電極10における導電性を向上させ、さらに、光散乱を抑制して下地となる表示画像等の視認性を向上させることができる。
〈2.タッチパネル用透明電極(第2実施形態)〉
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図2に、第2実施形態のタッチパネル用透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図2に示すように、第2実施形態のタッチパネル用透明電極20は、高屈折率層24を備えることのみが、図1に示す第1実施形態のタッチパネル用透明電極10と異なる。以下、第1実施形態と同様の構成要素について重複する詳細な説明を省略し、第2実施形態のタッチパネル用透明電極の構成を説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図2に、第2実施形態のタッチパネル用透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図2に示すように、第2実施形態のタッチパネル用透明電極20は、高屈折率層24を備えることのみが、図1に示す第1実施形態のタッチパネル用透明電極10と異なる。以下、第1実施形態と同様の構成要素について重複する詳細な説明を省略し、第2実施形態のタッチパネル用透明電極の構成を説明する。
図2に示すように、タッチパネル用透明電極20は、高屈折率層24と、チタン含有層12と、導電層13とを備えて、透明基板11上に形成されている。チタン含有層12及び導電層13は、上述の第1実施形態と同様の構成である。また、タッチパネル用透明電極20は、チタン有層12と導電層13との一方面同士が隣接して形成されている。そして、高屈折率層24の一方面側がチタン含有層12の多方面側に接して形成され、高屈折率層24の他方面側に透明基板11を備えている。また、導電層13の他方面上には、保護層14が設けられている。透明基板11及び保護層14についても、上述の第1実施形態と同様の構成とすることができる。
[高屈折率層]
高屈折率層24は、波長550nmにおける屈折率(n)が2.0以上の層である。高屈折率層24は、導電層13との間にチタン含有層12を挟持して設けられた層である。このような高屈折率層24には金属酸化物が用いられ、例えば、二酸化チタン(TiO2:n=2.3〜2.4)、酸化ジルコニウム(ZrO2:n=2.4)、酸化カドミウム(CdO:n=2.49)、酸化インジウムスズ(ITO:n=2.1〜2.2)、酸化ハフニウム(HfO2:n=2.1)、五酸化タンタル(Ta2O5:n=2.16)、酸化ニオブ(Nb2O5:n=2.2〜2.4)、酸化セリウム(CeO2:n=2.2)等が用いられる。例えば、一般的に光学フィルムに用いられる高屈折率材料が好ましく用いられる。
高屈折率層24は、波長550nmにおける屈折率(n)が2.0以上の層である。高屈折率層24は、導電層13との間にチタン含有層12を挟持して設けられた層である。このような高屈折率層24には金属酸化物が用いられ、例えば、二酸化チタン(TiO2:n=2.3〜2.4)、酸化ジルコニウム(ZrO2:n=2.4)、酸化カドミウム(CdO:n=2.49)、酸化インジウムスズ(ITO:n=2.1〜2.2)、酸化ハフニウム(HfO2:n=2.1)、五酸化タンタル(Ta2O5:n=2.16)、酸化ニオブ(Nb2O5:n=2.2〜2.4)、酸化セリウム(CeO2:n=2.2)等が用いられる。例えば、一般的に光学フィルムに用いられる高屈折率材料が好ましく用いられる。
[チタン含有層]
高屈折率層24上にチタン含有層12を形成する場合にも、第1実施形態のタッチパネル用透明電極と同様に、チタン、チタン含有化合物を用いて構成することができる。
また、高屈折率層24上に、チタン酸化物を用いてチタン含有層12を形成する場合には、高屈折率層24に用いる金属酸化物よりも酸素含有量が少ないチタン酸化物を用いる。
高屈折率層24上にチタン含有層12を形成する場合にも、第1実施形態のタッチパネル用透明電極と同様に、チタン、チタン含有化合物を用いて構成することができる。
また、高屈折率層24上に、チタン酸化物を用いてチタン含有層12を形成する場合には、高屈折率層24に用いる金属酸化物よりも酸素含有量が少ないチタン酸化物を用いる。
例えば、高屈折率層24に二酸化チタン(TiO2)を用いる場合には、チタン含有層12に少なくとも二酸化チタンよりもチタン含有量の多いチタン酸化物を用いる。つまり、酸素に対するチタンの組成比が1/2を超えるチタン酸化物を、チタン含有層12に用いる。例えば、先に例示した一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti2O3)、五酸化三チタン(Ti3O5)、マグネリ相チタン酸化物(TinO2n−1:n≧3)等を用いる。
[低屈折率層]
また、タッチパネル用透明電極20は、高屈折率層24に接して低屈折率層(図示省略)を有していてもよい。図2に示す構成では、高屈折率層24のチタン含有層12が形成されている面と反対側の面、つまり、透明基板11と高屈折率層24との間に低屈折率層を有していてもよい。高屈折率層24に接して低屈折率層を有することにより、タッチパネル用透明電極20の光透過性がさらに向上する。
また、タッチパネル用透明電極20は、高屈折率層24に接して低屈折率層(図示省略)を有していてもよい。図2に示す構成では、高屈折率層24のチタン含有層12が形成されている面と反対側の面、つまり、透明基板11と高屈折率層24との間に低屈折率層を有していてもよい。高屈折率層24に接して低屈折率層を有することにより、タッチパネル用透明電極20の光透過性がさらに向上する。
低屈折率層は、高屈折率層よりも、低い屈折率を有する層である。さらに、波長550nmにおける屈折率が、高屈折率層よりも0.1以上低いことが好ましく、高屈折率層よりも0.3以上低いことが特に好ましい。このような低屈折率層は、低い屈折率と光透過性とを有する材料で構成される。例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)等の光学フィルムに一般的に用いられる低屈折率材料が用いられる。
[タッチパネル用透明電極の効果]
タッチパネル用透明電極20は、チタン含有層12及び導電層13に加え、高屈折率層24を有する。このため、タッチパネル用透明電極20は、上述の第1実施形態のタッチパネル用透明電極の有する効果に加えて、銀を主成分とする導電層13で生じる反射が抑制され、タッチパネル用透明電極20における光散乱がさらに抑制され、視認性をさらに向上させることができる。
タッチパネル用透明電極20は、チタン含有層12及び導電層13に加え、高屈折率層24を有する。このため、タッチパネル用透明電極20は、上述の第1実施形態のタッチパネル用透明電極の有する効果に加えて、銀を主成分とする導電層13で生じる反射が抑制され、タッチパネル用透明電極20における光散乱がさらに抑制され、視認性をさらに向上させることができる。
〈3.タッチパネル用透明電極(第3実施形態)〉
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図3に、第3実施形態のタッチパネル用透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図3に示すように、第3実施形態のタッチパネル用透明電極30は、保護層として光学調整層となる第1高屈折率層35を備え、さらに、第2高屈折率層34を備えることのみが、図1に示す第1実施形態のタッチパネル用透明電極10と異なる。以下、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成要素についての重複する詳細な説明は省略し、第3実施形態のタッチパネル用透明電極の構成を説明する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図3に、第3実施形態のタッチパネル用透明電極の概略構成図(断面図)を示す。図3に示すように、第3実施形態のタッチパネル用透明電極30は、保護層として光学調整層となる第1高屈折率層35を備え、さらに、第2高屈折率層34を備えることのみが、図1に示す第1実施形態のタッチパネル用透明電極10と異なる。以下、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成要素についての重複する詳細な説明は省略し、第3実施形態のタッチパネル用透明電極の構成を説明する。
図3に示すように、タッチパネル用透明電極30は、第2高屈折率層34、チタン含有層12、導電層13、及び、第1高屈折率層35をこの順に備えて、透明基板11上に形成されている。チタン含有層12及び導電層13は、上述の第1実施形態と同様の構成である。
タッチパネル用透明電極30は、チタン含有層12の一方面上に隣接して導電層13が形成され、チタン含有層12の他方面側に第2高屈折率層34を有している。さらに、導電層13において、チタン含有層12と接していない他方面側に、第1高屈折率層35を有する。また、第2高屈折率層34において、チタン含有層12と接していない面側に、透明基板11を備えている。
このように、タッチパネル用透明電極30は、チタン含有層12と導電層13とが、第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34からなる2層の高屈折率層により挟まれた構成である。
第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34は、ともに波長550nmにおける屈折率が2.0以上の層である。このような第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34としては、上述の第2実施形態のタッチパネル用透明電極における高屈折率層と同じ材料を使用できる。
第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34は、ともに波長550nmにおける屈折率が2.0以上の層である。このような第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34としては、上述の第2実施形態のタッチパネル用透明電極における高屈折率層と同じ材料を使用できる。
また、第2高屈折率層34上にチタン酸化物を用いたチタン含有層12を形成されている場合には、第2高屈折率層34に用いる金属酸化物よりも酸素含有量が少ないチタン酸化物が用いられることが好ましい。例えば、二酸化チタン(TiO2)を用いられる場合には、チタン含有層12に少なくとも二酸化チタンよりもチタン含有量の多いチタン酸化物を用いられる。つまり、酸素に対するチタンの組成比が1/2を超えるチタン酸化物が、チタン含有層12に用いられる。
さらに、タッチパネル用透明電極30は、第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34に接して低屈折率層を備えていてもよい。低屈折率層は、第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34の外側に形成されていることが好ましい。例えば、図3に示すタッチパネル用透明電極30では、第1高屈折率層35の上部や、第2高屈折率層34と透明基板11との間に形成されていることが好ましい。
[タッチパネル用透明電極の効果]
タッチパネル用透明電極30は、チタン含有層12及び導電層13が、第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34に挟まれた構成を有する。このため、タッチパネル用透明電極30は、上述の第1実施形態及び第2実施形態のタッチパネル用透明電極の有する効果に加えて、タッチパネル用透明電極を透過する光の散乱、つまり、タッチパネル用透明電極における入射側の光と射出側の光の両方において光散乱を抑制することができる。このため、タッチパネル用透明電極30の光透過率を向上させることができ、視認性を向上させることができる。
タッチパネル用透明電極30は、チタン含有層12及び導電層13が、第1高屈折率層35及び第2高屈折率層34に挟まれた構成を有する。このため、タッチパネル用透明電極30は、上述の第1実施形態及び第2実施形態のタッチパネル用透明電極の有する効果に加えて、タッチパネル用透明電極を透過する光の散乱、つまり、タッチパネル用透明電極における入射側の光と射出側の光の両方において光散乱を抑制することができる。このため、タッチパネル用透明電極30の光透過率を向上させることができ、視認性を向上させることができる。
〈4.タッチパネル(第4実施形態:2枚の透明基板を用いた構成)〉
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極30を用いたタッチパネルについて説明する。図4〜7に、本実施形態のタッチパネルの概略構成を示す。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極30を用いたタッチパネルについて説明する。図4〜7に、本実施形態のタッチパネルの概略構成を示す。
図4は、本実施形態のタッチパネルの概略構成を示す斜視図である。また、図5は、本実施形態のタッチパネルに用いられる、2枚のタッチパネル用透明電極の電極構成を示す平面図である。図6は、図4及び図5に示すタッチパネルの電極部分の平面配置を示す模式図である。そして、図7は、図6に示すA−A断面に相当する、本実施形態のタッチパネルの断面模式図である。
なお、本実施形態のタッチパネルは、第1タッチパネル用透明電極と第2タッチパネル用透明電極との、2つのタッチパネル用透明電極を用いる構成について説明する。
なお、本実施形態のタッチパネルは、第1タッチパネル用透明電極と第2タッチパネル用透明電極との、2つのタッチパネル用透明電極を用いる構成について説明する。
[タッチパネルの構成]
図4に示すタッチパネル40は、投影型静電容量式のタッチパネルである。このタッチパネル40は、第1基板43、第1タッチパネル用透明電極41、第2基板45、及び、第2タッチパネル用透明電極42がこの順に配置され、この上部が前面板47で覆われている。第1タッチパネル用透明電極41、及び、第2タッチパネル用透明電極42は、上述の図3を用いて説明した第3実施形態のタッチパネル用透明電極の構成である。従って、第1タッチパネル用透明電極41、及び、第2タッチパネル用透明電極42は、チタン含有層、導電層、及び、高屈折率層が積層された構成である。
図4に示すタッチパネル40は、投影型静電容量式のタッチパネルである。このタッチパネル40は、第1基板43、第1タッチパネル用透明電極41、第2基板45、及び、第2タッチパネル用透明電極42がこの順に配置され、この上部が前面板47で覆われている。第1タッチパネル用透明電極41、及び、第2タッチパネル用透明電極42は、上述の図3を用いて説明した第3実施形態のタッチパネル用透明電極の構成である。従って、第1タッチパネル用透明電極41、及び、第2タッチパネル用透明電極42は、チタン含有層、導電層、及び、高屈折率層が積層された構成である。
以下、タッチパネル40を構成する主要各層の詳細を説明する。なお、以下の説明は、図4及び図5と共に、図6の電極部分の平面模式図を用いて行う。また、図4〜6においては、第1タッチパネル用透明電極41及び第2タッチパネル用透明電極42の構成は、第1導電層44及び第2導電層46のみを示し、他のチタン含有層や高屈折率層の構成については図示を省略している。
[第1基板、第2基板]
第1基板43及び第2基板45は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態において説明した透明基板と同様の構成である。
第1基板43及び第2基板45は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態において説明した透明基板と同様の構成である。
[第1導電層]
第1導電層44は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した導電層であり、チタン含有層上においてパターニングされた複数のx電極パターンx1,x2,・・・として構成されている。各x電極パターンx1,x2,・・・は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターンx1,x2,・・・は、例えばx方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてx方向に直線状に連結した形状である。
第1導電層44は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した導電層であり、チタン含有層上においてパターニングされた複数のx電極パターンx1,x2,・・・として構成されている。各x電極パターンx1,x2,・・・は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターンx1,x2,・・・は、例えばx方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてx方向に直線状に連結した形状である。
また、各x電極パターンx1,x2,・・・には、それぞれの端部にx配線49xが接続されている。これらのx配線49xは、第1基板43の周縁領域に配線され、第1基板43の端縁に引き出されている。このような各x配線49xは、x電極パターンx1,x2,・・・と同様に、銀を主成分とする第1導電層44として構成されたものであってもよく、別途形成した導電層で構成されたものであってもよい。
[第2導電層]
第2導電層46は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した導電層であり、チタン含有層上においてパターニングされた複数のy電極パターンy1,y2,・・・として構成されている。各y電極パターンy1,y2,・・・は、それぞれがx電極パターンx1,x2,・・・と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターンy1,y2,・・・は、例えばy方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状である。
第2導電層46は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した導電層であり、チタン含有層上においてパターニングされた複数のy電極パターンy1,y2,・・・として構成されている。各y電極パターンy1,y2,・・・は、それぞれがx電極パターンx1,x2,・・・と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターンy1,y2,・・・は、例えばy方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状である。
ここで、図6に示すように、各y電極パターンy1,y2,・・・を構成するひし形のパターン部分は、x電極パターンx1,x2,・・・を形成するひし形のパターン部分に対して、平面視的に重ならない位置に配置され、重ならない範囲でできるだけ大きな範囲を占める形状とする。これにより、第2基板45の中央部の領域においては、第1導電層44で構成されたx電極パターンx1,x2,・・・、及び、第2導電層46で構成されたy電極パターンy1,y2,・・・が視認され難い構成となる。
各y電極パターンy1,y2,・・・は、ひし形の電極パターンの連結部分においてのみ、各x電極パターンx1,x2,・・・と積層される。これらの積層部分には、第2基板45等が挟持されるため、x電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・との絶縁性が確保される。
また、各y電極パターンy1,y2,・・・には、それぞれの端部にy配線49yが接続されている。これらのy配線49yは、第2基板45の周縁領域に配線され、x配線49xと並ぶように第2基板45の端縁に引き出されている。このような各y配線49yは、y電極パターンy1,y2,・・・と同様に、銀を主成分とする第2導電層46として構成されたものであってもよく、別途形成した導電層で構成されたものであってもよい。
尚、第1基板43又は第2基板45の端縁に引き出された、x配線49x及びy配線49yにはフレキシブルプリント基板などが接続される。
[前面板]
図4に示す前面板47は、タッチパネル40において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板47は、第1基板43及び第2基板45と同様に光透過性を有する板材が用いられる。また、この前面板47は、必要に応じて光学特性を備えた材料を選択して用いてもよい。このような前面板47は、例えば接着層(図示省略)等によって第2タッチパネル用透明電極42側に張り合わせられている。
図4に示す前面板47は、タッチパネル40において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板47は、第1基板43及び第2基板45と同様に光透過性を有する板材が用いられる。また、この前面板47は、必要に応じて光学特性を備えた材料を選択して用いてもよい。このような前面板47は、例えば接着層(図示省略)等によって第2タッチパネル用透明電極42側に張り合わせられている。
また、この前面板47には、第1基板43及び第2基板45の周縁を覆う遮光膜が設けられ、x電極パターンx1,x2,・・・から引き出されたx配線49x、及び、y電極パターンy1,y2,・・・から引き出されたy配線49yが、前面板47側から視認されることを防いでいる。
[タッチパネルの動作]
以上のようなタッチパネル40を動作させる場合、x配線49x及びy配線49yに接続させたフレキシブルプリント基板等から、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・に対して電圧を印加する。電圧を印加した状態で、前面板47の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル40内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・で指定された位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
以上のようなタッチパネル40を動作させる場合、x配線49x及びy配線49yに接続させたフレキシブルプリント基板等から、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・に対して電圧を印加する。電圧を印加した状態で、前面板47の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル40内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・で指定された位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
[タッチパネル用透明電極]
次に、図7に、図4〜6に示すタッチパネル40の断面構成、特に、図6に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。図7は、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極の構成を適用したタッチパネルの構成である。
次に、図7に、図4〜6に示すタッチパネル40の断面構成、特に、図6に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。図7は、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極の構成を適用したタッチパネルの構成である。
図7に示すように、タッチパネル40は、第1基板43、第1タッチパネル用透明電極41、第2基板45、第2タッチパネル用透明電極42、及び、前面板47がこの順に積層された構成である。第1タッチパネル用透明電極41は、第1基板43上において、第2高屈折率層53、第1チタン含有層51、第1導電層44、及び、第4高屈折率層55がこの順に積層された構成である。また、第2タッチパネル用透明電極42は、第2基板45上において、第3高屈折率層56、第2チタン含有層52、第2導電層46、及び、第1高屈折率層54がこの順に積層された構成である。
また、タッチパネル40において、第1タッチパネル用透明電極41と第2タッチパネル用透明電極42とは、第1基板43及び第2基板45に対して、第1導電層44及び第2導電層46が同じ方向となるように積層されている。そして、第1タッチパネル用透明電極41の第4高屈折率層55上に、第2タッチパネル用透明電極42の設けられた第2基板45が積層された構成である。
[第1チタン含有層、第2チタン含有層]
第1チタン含有層51、及び、第2チタン含有層52は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態において説明したチタン含有層と同様の構成である。
なお、図7では、第2チタン含有層52が第2導電層46と同じパターンに形成されている例を示すが、第2チタン含有層52は、第2チタン含有層52を構成する材料の特性に応じて、パターニングの要否が決められる。例えば、第2チタン含有層52の導電性が高い場合には、図7に示すように第2チタン含有層52を第2導電層46と同様のパターンに形成される必要がある。また、第2チタン含有層52の導電性が低く、導電性を無視できる場合には、第2チタン含有層52がパターニングされていなくてもよい。
また、第1チタン含有層51においても、第1チタン含有層51の導電性が高い場合には、第1導電層44と同様のパターンに形成される必要があり、導電性が低い場合には第1導電層44と同様のパターンに形成されていなくてもよい。
第1チタン含有層51、及び、第2チタン含有層52は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態において説明したチタン含有層と同様の構成である。
なお、図7では、第2チタン含有層52が第2導電層46と同じパターンに形成されている例を示すが、第2チタン含有層52は、第2チタン含有層52を構成する材料の特性に応じて、パターニングの要否が決められる。例えば、第2チタン含有層52の導電性が高い場合には、図7に示すように第2チタン含有層52を第2導電層46と同様のパターンに形成される必要がある。また、第2チタン含有層52の導電性が低く、導電性を無視できる場合には、第2チタン含有層52がパターニングされていなくてもよい。
また、第1チタン含有層51においても、第1チタン含有層51の導電性が高い場合には、第1導電層44と同様のパターンに形成される必要があり、導電性が低い場合には第1導電層44と同様のパターンに形成されていなくてもよい。
[第1〜4高屈折率層]
第2高屈折率層53、第1高屈折率層54、第4高屈折率層55、及び、第3高屈折率層56は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態において説明した高屈折率層と同様の構成である。
第2高屈折率層53、第1高屈折率層54、第4高屈折率層55、及び、第3高屈折率層56は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態において説明した高屈折率層と同様の構成である。
[タッチパネルの効果]
以上のようなタッチパネル40は、上述の第3実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、第1チタン含有層51又は第2チタン含有層52に隣接させて、銀を主成分とした第1導電層44又は第2導電層46が設けられる構成である。従って、銀原子とチタン原子との相互作用により、銀の拡散距離が減少し、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって、第1導電層44及び第2導電層46が形成される。
この結果、第1チタン含有層51又は第2チタン含有層52上に、薄く均一な厚さを有することで光透過性を確保しつつ、導電性を確保した第1導電層44及び第2導電層46が得られる。このため、タッチパネルにおいて、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
以上のようなタッチパネル40は、上述の第3実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、第1チタン含有層51又は第2チタン含有層52に隣接させて、銀を主成分とした第1導電層44又は第2導電層46が設けられる構成である。従って、銀原子とチタン原子との相互作用により、銀の拡散距離が減少し、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の成長によって、第1導電層44及び第2導電層46が形成される。
この結果、第1チタン含有層51又は第2チタン含有層52上に、薄く均一な厚さを有することで光透過性を確保しつつ、導電性を確保した第1導電層44及び第2導電層46が得られる。このため、タッチパネルにおいて、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
特に、このタッチパネル40は、x電極パターンx1,x2,・・・及びこれに直交して配置されたy電極パターンy1,y2,・・・を有する投影型静電容量式である。このため、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・には、高い導電性が要求される。本例のタッチパネルでは、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・が、銀を主成分とする透明導電層であるため、導電性を維持しつつ薄膜化が可能である。従って、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・自体が視認され難くなり、タッチパネル40を介した表示画像の視認性の劣化も防止できる。
[タッチパネルの変形例]
次に、第4実施形態のタッチパネルの変形例について説明する。図8に、第4実施形態のタッチパネルの変形例の断面構成、特に、図6に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。
次に、第4実施形態のタッチパネルの変形例について説明する。図8に、第4実施形態のタッチパネルの変形例の断面構成、特に、図6に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。
図8に示す変形例のタッチパネル40Aは、第1基板43、第1タッチパネル用透明電極41A、第2基板45、第2タッチパネル用透明電極42A、及び、前面板47がこの順に積層された構成である。第1タッチパネル用透明電極41Aは、第1基板43上において、第2高屈折率層53、第1チタン含有層51、及び、第1導電層44がこの順に積層された構成である。また、第2タッチパネル用透明電極42Aは、第2基板45上において、第2チタン含有層52、第2導電層46、及び、第1高屈折率層54がこの順に積層された構成である。
つまり、図8に示す変形例のタッチパネル40Aは、図7に示すタッチパネル40の構成から、第4高屈折率層55と第3高屈折率層56とを除いた構成である。
つまり、図8に示す変形例のタッチパネル40Aは、図7に示すタッチパネル40の構成から、第4高屈折率層55と第3高屈折率層56とを除いた構成である。
また、タッチパネル40Aにおいて、第1タッチパネル用透明電極41Aと第2タッチパネル用透明電極42Aとは、第1基板43及び第2基板45に対して、第1導電層44及び第2導電層46が同じ方向となるように積層されている。そして、第1タッチパネル用透明電極41Aの第1導電層44上に、第2タッチパネル用透明電極42の設けられた第2基板45が積層された構成である。
第1タッチパネル用透明電極41Aは、上述の第2実施形態として説明した図2に示すタッチパネル用透明電極20と同様の構成である。
第2タッチパネル用透明電極42Aは、上述の第1実施形態において説明した図1に示すタッチパネル用透明電極10において、導電層13上に高屈折率層を設けた構成である。或いは、第2タッチパネル用透明電極42Aは、上述の第3実施形態において説明した図3に示すタッチパネル用透明電極30において、透明基板11とチタン含有層12との間に形成された第2高屈折率層34を除いた構成である。
第2タッチパネル用透明電極42Aは、上述の第1実施形態において説明した図1に示すタッチパネル用透明電極10において、導電層13上に高屈折率層を設けた構成である。或いは、第2タッチパネル用透明電極42Aは、上述の第3実施形態において説明した図3に示すタッチパネル用透明電極30において、透明基板11とチタン含有層12との間に形成された第2高屈折率層34を除いた構成である。
[タッチパネルの効果]
以上のような変形例のタッチパネル40Aにおいても、上述の実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
以上のような変形例のタッチパネル40Aにおいても、上述の実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
さらに、タッチパネル40Aにおいても、第1チタン含有層51から第2導電層46までの構成が、第1高屈折率層54と第2高屈折率層53に挟まれた構成となる。このため、このタッチパネル40Aの下地となる表示画像等からの光の入射面と射出面との両方に、高屈折率層が設けられた構成となる。このため、タッチパネル40Aの光透過率を向上させることができ、光散乱を抑制して下地となる表示画像等の視認性を向上させることができる。
〈5.タッチパネル(第5実施形態:透明基板の両面に導電層を設けた構成)〉
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極30を用いたタッチパネルについて説明する。図9に、本実施形態のタッチパネルの構成を示す。
図9は、図6に示すA−A断面に相当する、本実施形態のタッチパネルの断面模式図である。なお、第5実施形態においても、タッチパネルの概略構成、タッチパネル用透明電極の電極構成、及び、タッチパネルの電極部分の平面配置については、図4〜6に示す構成と同様である。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極30を用いたタッチパネルについて説明する。図9に、本実施形態のタッチパネルの構成を示す。
図9は、図6に示すA−A断面に相当する、本実施形態のタッチパネルの断面模式図である。なお、第5実施形態においても、タッチパネルの概略構成、タッチパネル用透明電極の電極構成、及び、タッチパネルの電極部分の平面配置については、図4〜6に示す構成と同様である。
[タッチパネルの構成]
図9に示すように、本実施形態のタッチパネル50は、基板57の両面に第1タッチパネル用透明電極41と第2タッチパネル用透明電極42とが設けられた構成であり、それ以外の構成は上述の実施形態と同様である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態のタッチパネル50は、基板57の両面に第1タッチパネル用透明電極41と第2タッチパネル用透明電極42とが設けられた構成であり、それ以外の構成は上述の実施形態と同様である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
第1タッチパネル用透明電極41は、基板57側から、第2高屈折率層53、第1チタン含有層51、第1導電層44、及び、第4高屈折率層55がこの順に積層された構成である。
第2タッチパネル用透明電極42は、基板57側から、第3高屈折率層56、第2チタン含有層52、第2導電層46、及び、第1高屈折率層54がこの順に積層された構成である。
また、タッチパネル50において、第1タッチパネル用透明電極41と第2タッチパネル用透明電極42とは、基板57に対して、第1導電層44と第2導電層46とがそれぞれ異なる面に積層されている。
第2タッチパネル用透明電極42は、基板57側から、第3高屈折率層56、第2チタン含有層52、第2導電層46、及び、第1高屈折率層54がこの順に積層された構成である。
また、タッチパネル50において、第1タッチパネル用透明電極41と第2タッチパネル用透明電極42とは、基板57に対して、第1導電層44と第2導電層46とがそれぞれ異なる面に積層されている。
基板57は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した基板と同様の構成とすることができる。また、第1タッチパネル用透明電極41及び第2タッチパネル用透明電極42を構成する上記各層は、上述の第4実施形態のタッチパネルと同様の構成である。
さらに、第1導電層44及び第2導電層46の構成も、上述の第4実施形態のタッチパネルと同様であり、第1導電層44で構成されたx電極パターンx1,x2,・・・、及び第2導電層46で構成されたy電極パターンy1,y2,・・・が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。
[タッチパネルの効果]
以上のようなタッチパネル50は、上述の第3実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、上述の第4実施形態のタッチパネルと同様の効果を有し、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
以上のようなタッチパネル50は、上述の第3実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、上述の第4実施形態のタッチパネルと同様の効果を有し、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
[タッチパネルの変形例]
次に、第5実施形態のタッチパネルの変形例について説明する。図10に、第5実施形態のタッチパネルの変形例の断面構成、特に、図6に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。
次に、第5実施形態のタッチパネルの変形例について説明する。図10に、第5実施形態のタッチパネルの変形例の断面構成、特に、図6に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。
図10に示す変形例のタッチパネル50Aは、第1タッチパネル用透明電極41A、基板57、第2タッチパネル用透明電極42A、及び、前面板47がこの順に積層された構成である。また、タッチパネル50Aにおいて、第1タッチパネル用透明電極41Aと第2タッチパネル用透明電極42Aとは、基板57のそれぞれの主面上に、第1チタン含有層51又は第2チタン含有層52が形成された構成である。つまり、図10に示す変形例のタッチパネル40Aは、図9に示すタッチパネル50の構成から、第2高屈折率層53と第3高屈折率層56とを除いた構成である。
第1タッチパネル用透明電極41Aは、基板57側から、第1チタン含有層51、第1導電層44、及び、第4高屈折率層55がこの順に積層された構成である。また、第2タッチパネル用透明電極42Aは、基板57側から、第2チタン含有層52、第2導電層46、及び、第1高屈折率層54がこの順に積層された構成である。
このように、第1タッチパネル用透明電極41A、及び、第2タッチパネル用透明電極42Aは、上述の第1実施形態において説明した図1に示すタッチパネル用透明電極10において、導電層13上の保護層14として、光学調整層となる高屈折率層を設けた構成である。或いは、上述の第3実施形態において説明した図3に示すタッチパネル用透明電極30において、透明基板11とチタン含有層12との間に形成された第2高屈折率層34を除いた構成である。
[タッチパネルの効果]
以上のような変形例のタッチパネル50Aにおいても、上述の実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
以上のような変形例のタッチパネル50Aにおいても、上述の実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を2層備えて構成されている。このため、光透過性と共に充分な導電性を備え、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができる。
さらに、タッチパネル50Aにおいても、第1導電層44から第2導電層46までの構成が、第1高屈折率層54と第4高屈折率層55とに挟まれた構成となる。このため、このタッチパネル50Aの下地となる表示画像等からの光の入射面と射出面との両方に、高屈折率層が設けられた構成となる。このため、タッチパネル50Aの光透過率を向上させることができ、光散乱を抑制して下地となる表示画像等の視認性を向上させることができる。
〈6.タッチパネル(第6実施形態:透明基板の片面に導電層を設けた構成)〉
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態は、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極30を用いたタッチパネルについて説明する。図11〜13に、本実施形態のタッチパネルの構成を示す。なお、本例のタッチパネルでは、1層のタッチパネル用透明電極を用いる構成について説明する。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態は、上述の第3実施形態のタッチパネル用透明電極30を用いたタッチパネルについて説明する。図11〜13に、本実施形態のタッチパネルの構成を示す。なお、本例のタッチパネルでは、1層のタッチパネル用透明電極を用いる構成について説明する。
[タッチパネルの構成]
図11は、本実施形態のタッチパネルに用いられる、タッチパネル用透明電極の電極構成、及び、電極部分の平面配置を示す平面図である。図12は、タッチパネル用透明電極の電極部分の拡大図である。また、図13は、図11及び図12に示すB−B断面に相当する、本実施形態のタッチパネルの断面模式図である。
なお、第6実施形態のタッチパネルの構成は、図4に示すタッチパネルの構成において、使用するタッチパネル用透明電極を1層とすることを除き同様の構成である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11は、本実施形態のタッチパネルに用いられる、タッチパネル用透明電極の電極構成、及び、電極部分の平面配置を示す平面図である。図12は、タッチパネル用透明電極の電極部分の拡大図である。また、図13は、図11及び図12に示すB−B断面に相当する、本実施形態のタッチパネルの断面模式図である。
なお、第6実施形態のタッチパネルの構成は、図4に示すタッチパネルの構成において、使用するタッチパネル用透明電極を1層とすることを除き同様の構成である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11に示すタッチパネル60は、基板61の同一平面上に、y電極パターンy1,y2,・・・を有する第1導電層62と、x電極パターンx1,x2,・・・を有する第2導電層63とを有する構成である。なお、図11では、基板61上に形成される第1導電層62及び第2導電層63のみを示し、他のチタン含有層や高屈折率層の構成については図示を省略している。
すなわち、タッチパネル60は、図13に示すように、基板61と、基板61上に順に積層された、第2高屈折率層67、チタン含有層66、第1導電層62、第2導電層63、層間絶縁膜65、接続電極64及び第1高屈折率層68と、前面板47とを備える。
第1導電層62と第2導電層63とは、同一層に形成されている。また、第1導電層62及び第2導電層63は、第1導電層62及び第2導電層63と同じパターンに形成されたチタン含有層66に隣接して形成されている。
第1導電層62と第2導電層63とは、同一層に形成されている。また、第1導電層62及び第2導電層63は、第1導電層62及び第2導電層63と同じパターンに形成されたチタン含有層66に隣接して形成されている。
また、第1導電層62及び第2導電層63は、互いに絶縁状態を保って設けられたx電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・とを有する。
x電極パターンは、間隔を保ってマトリクス状に配列されたひし形パターンと、このひし形パターンの頂点付近から直線状にx方向に設けられ、隣接するひし形パターン同士をx方向に接続する連結部を有している。
x電極パターンは、間隔を保ってマトリクス状に配列されたひし形パターンと、このひし形パターンの頂点付近から直線状にx方向に設けられ、隣接するひし形パターン同士をx方向に接続する連結部を有している。
y電極パターンは、マトリクス状に配列されたひし形パターンと、このひし形パターンの頂点付近から直線状にy方向に設けられ、隣接するひし形パターン同士をy方向に接続する連結部とを有している。このy方向の連結部は、層間絶縁膜65を介してx方向の連結部上に設けられた接続電極64により構成されている。層間絶縁膜65は、第2導電層63のx方向の連結部上を覆う位置に設けられている。そして、接続電極64の端部が、ひし形パターンの頂点付近に接続されて、第1導電層62によるy電極パターンが構成されている。
[基板等]
基板61、チタン含有層66、第1高屈折率層68、及び、第2高屈折率層67は、それぞれ上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した各構成と同様の構成とすることができる。また、チタン含有層66は、一例として、第1導電層62及び第2導電層63と同一形状にパターニングされているが、x電極パターンとy電極パターンとの絶縁を確保できる構成であれば他のパターンとすることもできる。
基板61、チタン含有層66、第1高屈折率層68、及び、第2高屈折率層67は、それぞれ上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した各構成と同様の構成とすることができる。また、チタン含有層66は、一例として、第1導電層62及び第2導電層63と同一形状にパターニングされているが、x電極パターンとy電極パターンとの絶縁を確保できる構成であれば他のパターンとすることもできる。
[第1導電層、第2導電層]
第1導電層62及び第2導電層63は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した導電層であり、チタン含有層66上においてパターニングされた複数のx電極パターンx1,x2,・・・と複数のy電極パターンy1,y2,・・・とを有して構成されている。
第1導電層62及び第2導電層63は、上述のタッチパネル用透明電極の実施形態で説明した導電層であり、チタン含有層66上においてパターニングされた複数のx電極パターンx1,x2,・・・と複数のy電極パターンy1,y2,・・・とを有して構成されている。
y電極パターンは、x電極パターンx1,x2,・・・と重なることなく絶縁状態を保てる程度の間隔を有して配置される。これにより、x電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・とは、絶縁性が確保された状態となっている。またy電極パターンは、x電極パターンx1,x2,・・・と絶縁状態を保てる程度の間隔を有する範囲内で、できるだけ大きな範囲を占める形状となっている。これにより、基板61の中央部の領域においては、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・が視認され難い構成となっている。
また、各x電極パターンx1,x2,・・・及び各y電極パターンy1,y2,・・・には、上述のタッチパネルの各実施形態と同様に、それぞれの端部にx配線69x又はy配線69yが接続されている。
[層間絶縁膜、接続電極]
接続電極64は、各y電極パターンを構成する、例えばひし形のy電極パターンの頂点付近において、各y電極パターンをy方向に直線状に連結する。接続電極64は、x電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンの連結部と平面視的に交差する各位置に配置される。これらの交差部分において、層間絶縁膜65がx電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンの連結部を覆い、接続電極64がx電極パターンx1,x2,・・・上に層間絶縁膜65を介して積層されている。従って、x電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・との絶縁性が確保された状態となっている。なお、接続電極64には、銀等の一般的な電極材料、又はITO等の光透過性を有する電極材料を用いればよい。タッチパネル60を介しての下地の表示画像の視認性の観点から、好ましくは、第1導電層62及び第2導電層63と同様に、Agを主成分として光透過性を有する電極材料を用いる。
接続電極64は、各y電極パターンを構成する、例えばひし形のy電極パターンの頂点付近において、各y電極パターンをy方向に直線状に連結する。接続電極64は、x電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンの連結部と平面視的に交差する各位置に配置される。これらの交差部分において、層間絶縁膜65がx電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンの連結部を覆い、接続電極64がx電極パターンx1,x2,・・・上に層間絶縁膜65を介して積層されている。従って、x電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・との絶縁性が確保された状態となっている。なお、接続電極64には、銀等の一般的な電極材料、又はITO等の光透過性を有する電極材料を用いればよい。タッチパネル60を介しての下地の表示画像の視認性の観点から、好ましくは、第1導電層62及び第2導電層63と同様に、Agを主成分として光透過性を有する電極材料を用いる。
なお、本例では、接続電極64が第1導電層62及び第2導電層63の上層に設けられた例を説明したが、接続電極64は第1導電層62及び第2導電層63の下層に設けられてもよい。この際、接続電極64は、上述の例と同様に、x電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンを連結する部分と平面視的に交差する各位置に配置される。これらの交差する各位置において、接続電極64とx電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンの連結部との間には、少なくとも層間絶縁層が挟持される。従って、接続電極64が第1導電層62及び第2導電層63の下層に設けられた例においても、上述の例と同様に、x電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・との絶縁性が確保される。
[タッチパネルの効果]
上述のタッチパネル60は、光透過性と共に充分な導電性を備える上述の第3実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を用いたことにより、上述の実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル60を介した表示画像の視認性の劣化を防止できる。
上述のタッチパネル60は、光透過性と共に充分な導電性を備える上述の第3実施形態において説明したタッチパネル用透明電極を用いたことにより、上述の実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル60を介した表示画像の視認性の劣化を防止できる。
なお、本発明のタッチパネルは、上述した実施形態及び変形例の構成に限定されることはなく、タッチパネル用透明電極を用いた構成であれば、広く適用可能である。例えば、投影型静電容量式のタッチパネルであれば、x電極パターンx1,x2,・・・、及びこれらに直交して配置されたy電極パターンy1,y2,・・・が、絶縁性を保って配置されればよく、パターン形状が限定されることはない。また、タッチパネルは、べた膜状の導電層を備えた2枚のタッチパネル用透明電極を、スペーサを挟んで配置した抵抗膜式であってもよく、表面型静電容量式であってもよい。
〈7.表示装置(第7実施形態:タッチパネルを用いた構成)〉
次に、本発明の第7実施形態について説明する。第7実施形態は、上述の実施形態のタッチパネルを用いた表示装置について説明する。図14に、本実施形態の表示装置の構成の斜視図を示す。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。第7実施形態は、上述の実施形態のタッチパネルを用いた表示装置について説明する。図14に、本実施形態の表示装置の構成の斜視図を示す。
[タッチパネルを用いた構成]
図14に示す表示装置70は、表示パネル72の表示面上に、タッチパネル71を設けた情報入力機能付きの表示装置である。表示装置70のタッチパネル71には、上述の実施形態及び変形例のタッチパネルを適用することができる。
図14に示す表示装置70は、表示パネル72の表示面上に、タッチパネル71を設けた情報入力機能付きの表示装置である。表示装置70のタッチパネル71には、上述の実施形態及び変形例のタッチパネルを適用することができる。
表示パネル72は特に限定されず、例えば、液晶表示パネル、有機電界発光素子を用いた表示パネル等の平面型の表示パネルや、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイを用いることができる。また、表示パネル72は、動画を表示する表示パネルに限定されることはなく、静止画用の表示パネルであってもよい。
表示パネル72では、画像の表示面上に表示面を覆う状態でタッチパネル71が重ねて配置されている。また、タッチパネル71と表示パネル72とは、必要に応じてさらに枠状のケース部材73に収容されている。さらに、ケース部材73にさらに透明板材からなる前面板がもうけられていてもよい。
表示装置70では、ユーザがタッチパネル71を介して表示パネル72で表示された表示画像の一部に接触することにより、接触部分の位置情報をタッチパネル71に入力することができる。
[表示装置の効果]
本実施形態の表示装置70によれば、上述した実施形態及び各変形例のタッチパネル71を用いることにより、薄型化及び大型化が可能である。
本実施形態の表示装置70によれば、上述した実施形態及び各変形例のタッチパネル71を用いることにより、薄型化及び大型化が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[タッチパネル用透明電極の作製]
試料101〜124の各タッチパネル用透明電極(以下、透明電極と称する)を、面積が5cm×5cmとなるように透明基板上に作製した。透明基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板(試料101〜118、試料120〜124)とガラス基板(試料119)を用意した。下記表1に、試料101〜124の各透明電極における各層の構成を示した。以下に、試料101〜124の各透明電極の作製手順を説明する。
試料101〜124の各タッチパネル用透明電極(以下、透明電極と称する)を、面積が5cm×5cmとなるように透明基板上に作製した。透明基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板(試料101〜118、試料120〜124)とガラス基板(試料119)を用意した。下記表1に、試料101〜124の各透明電極における各層の構成を示した。以下に、試料101〜124の各透明電極の作製手順を説明する。
[試料101の透明電極の作製]
ポリエチレンテレフタレート(PET)製の透明基板の一主面上に、ITO膜(厚さ100nm)をスパッタ法によって形成した。これにより、ITO膜を導電層とした単層構造の透明電極を作製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)製の透明基板の一主面上に、ITO膜(厚さ100nm)をスパッタ法によって形成した。これにより、ITO膜を導電層とした単層構造の透明電極を作製した。
[試料102〜104の透明電極の作製]
試料102〜104のそれぞれにおいて、PET製の透明基板の一主面上に、銀ナノワイヤーを用いた導電層を塗布法によって形成した。これにより銀ナノワイヤーを用いた導電層のみの単層構造の透明電極を作製した。この際、銀ナノワイヤーの分散液を塗布し、乾燥処理した後の厚さが、試料102では50nm、試料103では100nm、試料104では150nmとなるように銀ナノワイヤー分散液の塗布厚を調整した。
試料102〜104のそれぞれにおいて、PET製の透明基板の一主面上に、銀ナノワイヤーを用いた導電層を塗布法によって形成した。これにより銀ナノワイヤーを用いた導電層のみの単層構造の透明電極を作製した。この際、銀ナノワイヤーの分散液を塗布し、乾燥処理した後の厚さが、試料102では50nm、試料103では100nm、試料104では150nmとなるように銀ナノワイヤー分散液の塗布厚を調整した。
[試料105〜107の透明電極の作製]
試料105〜107のそれぞれにおいて、PET製の透明基板の一主面上に、蒸着法によって銀(Ag)からなる導電層を、表1に示す各厚さに形成した。これにより、銀を導電層に用いた単層構造の透明電極を作製した。この際、透明基板を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、銀からなる導電層を、試料105では6nm、試料106では8nm、試料107では15nmの厚さで形成した。
試料105〜107のそれぞれにおいて、PET製の透明基板の一主面上に、蒸着法によって銀(Ag)からなる導電層を、表1に示す各厚さに形成した。これにより、銀を導電層に用いた単層構造の透明電極を作製した。この際、透明基板を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、銀からなる導電層を、試料105では6nm、試料106では8nm、試料107では15nmの厚さで形成した。
[試料108〜110の透明電極の作製]
試料108〜110のそれぞれにおいて、PET製の透明基板の一主面上に、酸化チタン(TiO2)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を、表1に示す各厚さに形成した。これにより、高屈折率層とこの上部の導電層との積層構造からなる透明電極を作製した。
試料108〜110のそれぞれにおいて、PET製の透明基板の一主面上に、酸化チタン(TiO2)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を、表1に示す各厚さに形成した。これにより、高屈折率層とこの上部の導電層との積層構造からなる透明電極を作製した。
この際、PET製の透明基板を市販の電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、酸化チタン(TiO2)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、酸化チタンの入った加熱ボートに電子ビームを照射して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で透明基板上に厚さ30nmの酸化チタンからなる高屈折率層を設けた。
次に、高屈折率層まで形成した透明基板を真空のまま真空蒸着装置の真空槽に移し、当該真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で、銀からなる導電層を、試料108では6nm、試料109では8nm、試料110では15nmの厚さで形成した。
[試料111の透明電極の作製]
以下のようにして、PET製の透明基板上に、二酸化チタン(TiO2)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にチタンからなるチタン含有層を0.1nmの厚さで形成し、さらに銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。
以下のようにして、PET製の透明基板上に、二酸化チタン(TiO2)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にチタンからなるチタン含有層を0.1nmの厚さで形成し、さらに銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。
先ず、PET製の透明基板を市販の電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、二酸化チタン(TiO2)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。次に、チタン(Ti)のターゲットをスパッタリング装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、二酸化チタンの入った加熱ボートに電子ビームを照射し加熱して、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基板上に厚さ30nmの二酸化チタンからなる高屈折率層を設けた。
続いて、高屈折率層まで形成した基板を真空のままスパッタリング装置の真空槽に移し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、チタンのターゲットに電圧を印加し、高屈折率層上にチタンからなるチタン含有層を0.1nmの厚さで設けた。
次に、チタン含有層まで形成した基材を真空のまま真空蒸着装置の真空槽に移し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚8nmの銀からなる導電層を形成した。
[試料112〜114の透明電極の作製]
チタン含有層を表1に示す厚さ(1nm、5nm、10nm)にそれぞれ変更した以外は、上記試料111と同様の手順で試料112〜114の各透明電極を得た。
チタン含有層を表1に示す厚さ(1nm、5nm、10nm)にそれぞれ変更した以外は、上記試料111と同様の手順で試料112〜114の各透明電極を得た。
[試料115の透明電極の作製]
チタン含有層に用いる材料を、TiAl合金(組成比Ti:Al=1:1)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料115の各透明電極を得た。
チタン含有層に用いる材料を、TiAl合金(組成比Ti:Al=1:1)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料115の各透明電極を得た。
[試料116の透明電極の作製]
チタン含有層に用いる材料を、マグネリ相チタン酸化物(TinO2n−1)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料116の各透明電極を得た。
チタン含有層に用いる材料を、マグネリ相チタン酸化物(TinO2n−1)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料116の各透明電極を得た。
[試料117の透明電極の作製]
チタン含有層に用いる材料を、三酸化二チタン(Ti2O3)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料117の各透明電極を得た。
チタン含有層に用いる材料を、三酸化二チタン(Ti2O3)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料117の各透明電極を得た。
[試料118の透明電極の作製]
チタン含有層に用いる材料を、窒化チタン(TiN)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料118の各透明電極を得た。
チタン含有層に用いる材料を、窒化チタン(TiN)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料118の各透明電極を得た。
[試料119の透明電極の作製]
以下のようにして、無アルカリガラス製の透明基板上に、二酸化チタン(TiO2)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで形成し、さらに銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。
以下のようにして、無アルカリガラス製の透明基板上に、二酸化チタン(TiO2)からなる高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで形成し、さらに銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。
先ず、無アルカリガラス製の透明基板を市販の電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、二酸化チタン(TiO2)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。次に、チタン(Ti)のターゲットをスパッタリング装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、二酸化チタンの入った加熱ボートに電子ビームを照射し加熱して、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基板上に厚さ30nmの二酸化チタンからなる高屈折率層を設けた。
続いて、高屈折率層まで形成した基板を真空のままスパッタリング装置の真空槽に移し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、チタンのターゲットに電圧を印加し、高屈折率層上にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで設けた。
次に、チタン含有層まで成膜した基材を真空のまま真空蒸着装置の真空槽に移し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚8nmの銀からなる導電層を形成した。
[試料120の透明電極の作製]
高屈折率層に用いる材料を酸化ニオブ(Nb2O5)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料120の各透明電極を得た。
高屈折率層に用いる材料を酸化ニオブ(Nb2O5)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料120の各透明電極を得た。
[試料121の透明電極の作製]
高屈折率層に用いる材料を酸化タンタル(Ta2O5)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料121の各透明電極を得た。
高屈折率層に用いる材料を酸化タンタル(Ta2O5)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料121の各透明電極を得た。
[試料122の透明電極の作製]
高屈折率層に用いる材料を酸化セリウム(CeO2)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料122の各透明電極を得た。
高屈折率層に用いる材料を酸化セリウム(CeO2)とした以外は、上記試料112と同様の手順で試料122の各透明電極を得た。
[試料123の透明電極の作製]
以下のようにして、PET製の透明基板の一主面上に、チタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。
以下のようにして、PET製の透明基板の一主面上に、チタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで形成し、この上部に銀からなる導電層を8nmの厚さで形成した。
先ず、PET製の透明基板を市販のスパッタリング装置の基材ホルダーに固定し、チタン(Ti)のターゲットをスパッタリング装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、スパッタリング装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、チタンのターゲットに電圧を印加し、透明基板上にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで設けた。
次に、チタン含有層まで形成した基板を、真空蒸着装置の真空槽に移し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で厚さ8nmの銀からなる導電層を形成した。
[試料124の透明電極の作製]
以下のようにして、PET製の透明基板上に、酸化ニオブ(Nb2O5)からなる第2高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで形成し、チタン含有層上に銀からなる導電層を8nmの厚さで形成し、さらに、導電層上に酸化ニオブ(Nb2O5)からなる第1高屈折率層を30nmの厚さで形成した。
以下のようにして、PET製の透明基板上に、酸化ニオブ(Nb2O5)からなる第2高屈折率層を30nmの厚さで形成し、この上部にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで形成し、チタン含有層上に銀からなる導電層を8nmの厚さで形成し、さらに、導電層上に酸化ニオブ(Nb2O5)からなる第1高屈折率層を30nmの厚さで形成した。
先ず、PET製の透明基板を市販の電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、酸化ニオブ(Nb2O5)を加熱ボートに入れ、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。次に、チタン(Ti)のターゲットをスパッタリング装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、酸化ニオブの入った加熱ボートに電子ビームを照射し加熱して、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で基板上に厚さ30nmの酸化ニオブからなる第2高屈折率層を設けた。
続いて、第2高屈折率層まで形成した基板を真空のままスパッタリング装置の真空槽に移し、スパッタリング装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、チタンのターゲットに電圧を印加し、透明基板上にチタンからなるチタン含有層を1nmの厚さで設けた。
次に、チタン含有層まで形成した基板を真空蒸着装置の真空槽に移し、真空蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った抵抗加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で厚さ8nmの銀からなる導電層を形成した。
次に、導電層まで形成した基板を電子ビーム蒸着装置の真空槽に移し、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、酸化ニオブの入った加熱ボートに電子ビームを照射し加熱して、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で導電層上に厚さ30nmの酸化ニオブからなる第1高屈折率層を設けた。
[実施例の各試料の評価]
上記方法により作製した試料101〜124の各透明電極について、文字の視認性、シート抵抗(面抵抗)を測定した。
文字の視認性は、文字を表した画像の上部に透明電極が形成された透明基板を重ね合わせ、これらを介しての文字の見えやすさを5段階評価した。5段階評価は、透明電極の電極面に対する方線方向を0°として0°と45°の2つの角度から行い、これを平均した。これらの評価結果を下記表1に合わせて示す。
シート抵抗の測定は、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式で行った。
結果を下記表1に合わせて示す。
上記方法により作製した試料101〜124の各透明電極について、文字の視認性、シート抵抗(面抵抗)を測定した。
文字の視認性は、文字を表した画像の上部に透明電極が形成された透明基板を重ね合わせ、これらを介しての文字の見えやすさを5段階評価した。5段階評価は、透明電極の電極面に対する方線方向を0°として0°と45°の2つの角度から行い、これを平均した。これらの評価結果を下記表1に合わせて示す。
シート抵抗の測定は、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式で行った。
結果を下記表1に合わせて示す。
[実施例の評価結果]
表1に示す結果から、導電層にAgを用いずに、ITOを用いた単層構造の試料101の透明電極は、100nmの厚膜でありながらも、シート抵抗が非常に高いことがわかる。また、銀ナノワイヤーを用いた単層構造の試料102〜104の透明電極では、厚さに対するシート抵抗の値が高く、さらに最もシート抵抗が低い試料104では、光散乱のために文字の視認性が1.5と極めて低い。
表1に示す結果から、導電層にAgを用いずに、ITOを用いた単層構造の試料101の透明電極は、100nmの厚膜でありながらも、シート抵抗が非常に高いことがわかる。また、銀ナノワイヤーを用いた単層構造の試料102〜104の透明電極では、厚さに対するシート抵抗の値が高く、さらに最もシート抵抗が低い試料104では、光散乱のために文字の視認性が1.5と極めて低い。
また、チタン含有層を有していない試料105〜110は、視認性が低いことがわかる。これらは、チタン含有層を備えていないことにより、導電層を構成するAgの凝集が起き、導電層の均一性が低下したためである。また、この試料105〜110では、Agの凝集により抵抗値が大きく、導電層を15nmと厚く形成した試料107と試料110以外は、抵抗値が測定できなかった。また、試料107と試料110では、導電層が15nmと厚いため、視認性が他の試料よりも低下している。
チタン含有層を形成し、さらに高屈折率層としてTiO2を形成した試料111〜114は、チタン含有層を形成していないことを除いて同じ条件で形成された試料109に比べて、面抵抗及び視認性が向上している。
この結果から、チタン含有層に接してAg導電層が形成されることにより、導電層を構成するAgの凝集が抑制され、薄く均一性の高い導電層が形成されたことがわかる。
この結果から、チタン含有層に接してAg導電層が形成されることにより、導電層を構成するAgの凝集が抑制され、薄く均一性の高い導電層が形成されたことがわかる。
また、試料111〜114において、チタン含有層の厚さが大きくなるほど、視認性が向上し、面抵抗が低下している。この結果から、チタン含有層は10nm以下であれば、チタン含有層の厚さが大きいほど、このチタン含有層上に形成される導電層の均一性が高くなり、視認性及び導電性の高い透明電極を形成することができる。
チタン含有層として、TiAl、マグネリ相チタン酸化物(TinO2n−1)、三酸化二チタン(Ti2O3)、又は、窒化チタン(TiN)を用いた試料115〜118においても、チタン含有層を除いて同じ構成の試料112に比べて、視認性及び抵抗値が劣るものの、十分に良好な結果が得られた。
また、この結果から、チタン酸化物を用いた試料116,117の透明電極は、視認性が4.1,4.0、シート抵抗値が11.5,12.1であり、試料112や試料115、試料118に比べると、視認性及び抵抗値が低下している。これは、チタン含有層が銀原子と結合しにくい酸素原子を含んでおり、チタン含有層上の電極層を構成する銀の膜質が低下するためと考えられる。このため、チタン含有層としては、酸素含有量が少ない材料を用いることが好ましい。
同様に、高屈折率層としたNb2O5、Ta2O5、又は、CeO2を用いた試料120〜122においても、高屈折率層を除いて同じ構成の試料112に比べて、視認性及び抵抗値が劣るものの、十分に良好な結果が得られた。
基板としてガラス基板を用いた試料119においても、試料112と同程度の結果が得られていることから、透明電極の基材としては、樹脂フィルムと同様にガラス基板を用いることができる。
高屈折率層が設けられていない試料123は、高屈折率層を有することを除き同じ構成の試料112に比べて、視認性が劣るものの、十分に良好な結果が得られた。また、この結果から、高屈折率層を有することにより、透明電極の視認性が向上することがわかる。
高屈折率層を2層形成し、導電層とチタン含有層とを第1高屈折率層と第2高屈折率層で挟んだ構成の試料124では、高屈折率層を1層設けた構成の試料120に比べて視認性が向上している。この結果から、導電層とチタン含有層の構成の上下に高屈折率層を設け、導電層を高屈折率層で挟む構成とすることにより、透明電極の視認性が向上することがわかる。
以上の結果から、本発明の構成のタッチパネル用透明電極によれば、光透過性を得るために薄膜でありながらも低抵抗な電極膜(すなわち透明電極)が得られることが確認された。さらに、均一な導電層が形成されることにより、光散乱を抑制することができ、下地となる表示画像等の視認性が向上することが確認された。特に、導電層とチタン含有層とを高屈折率層で挟んだ構成、つまり、導電層に対して光の入射側と射出側との両側に高屈折率層を形成した構成とすることにより、透明電極の視認性がさらに向上することが確認された。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,20,30・・・タッチパネル用透明電極、11・・・透明基板、12,66・・・チタン含有層、13・・・導電層、14・・・保護層、24・・・高屈折率層、34,53,67・・・第2高屈折率層、35,54,68・・・第1高屈折率層、40,40A,50,50A,60,71・・・タッチパネル、41,41A・・・第1タッチパネル用透明電極、42,42A・・・第2タッチパネル用透明電極、43・・・第1基板、44,62・・・第1導電層、45・・・第2基板、46,63・・・第2導電層、47・・・前面板、49x,69x・・・x配線、49y,69y・・・y配線、51・・・第1チタン含有層、52・・・第2チタン含有層、55・・・第4高屈折率層、56・・・第3高屈折率層、57,61・・・基板、64・・・接続電極、65・・・層間絶縁膜、70・・・表示装置、72・・・表示パネル、73・・・ケース部材、x1・・・x電極パターン、y1・・・y電極パターン
Claims (10)
- チタン含有層と、
前記チタン含有層に隣接して設けられた銀を主成分とする導電層と、を備える
タッチパネル用透明電極。 - 前記導電層の厚さが15nm以下である請求項1に記載のタッチパネル用透明電極。
- 前記チタン含有層の厚さが5nm以下である請求項1に記載のタッチパネル用透明電極。
- 前記導電層との間に前記チタン含有層を狭持して設けられた高屈折率層を備える請求項1に記載のタッチパネル用透明電極。
- 前記導電層と前記チタン含有層とが、高屈折率層により挟持されている請求項4に記載のタッチパネル用透明電極。
- 前記高屈折率層が、二酸化チタン又は酸化ニオブから構成されている請求項4に記載のタッチパネル用透明電極。
- 前記導電層上に保護層を備える請求項1に記載のタッチパネル用透明電極。
- 前記導電層がパターニングされている請求項1に記載のタッチパネル用透明電極。
- 請求項1に記載のタッチパネル用透明電極を備える
タッチパネル。 - 請求項9に記載のタッチパネルと、
前記タッチパネルに重ねて配置された表示パネルと、を備える
表示装置。
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