JPWO2014073291A1 - 光学反射フィルムおよびそれを用いた光学反射体 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の波長の光反射性に優れた光学反射フィルムとそれを用いた光学反射体を提供すること。【解決手段】基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムにおいて、前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が2種以上の鹸化度の異なるポリビニルアルコールを含有し、前記高屈折率層および前記低屈折率層がほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコールを含有し、前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度とが、異なることを特徴とする光学反射フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、金属光沢調フィルム、可視光着色フィルム、遮熱フィルムに好適に使用できる光学反射フィルムおよびそれを用いた光学反射体に関するものである。
近年、省エネルギー対策への関心が高まり、建物や車両の窓ガラスから、太陽光の中、熱線の透過を遮断する赤外遮蔽フィルムの開発が盛んに行われる様になってきている。これにより冷房設備にかかる負荷を減らすことが出来、省エネルギー対策として有効だからである。
従来、赤外遮蔽フィルムとして、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタ、などのドライ製膜法で作製する提案がされている。また、交互に積層させた積層膜の光学膜厚を調整することで、近赤外光に替えて可視光を反射するように設計できることも知られている。
しかし、ドライ製膜法は製造コストが高く、大面積化が困難であり、耐熱性素材に限定される等の課題がある。
そこでフィルムを塗布法で作製する方法として、熱硬化樹脂を用いる方法(特開平8−110401号公報)やUV硬化樹脂を用いる方法(特開2004−123766号公報)が開示されている。これらの方法は製造コストや大面積化などの点で有利であるが、どちらも大量に有機溶媒を用いる方法であり、環境保全上好ましくない。したがって、かような環境保全の観点からはフィルムの製造は水系塗布が好ましく、塗布液に用いられる樹脂は水系塗布が可能な水溶性高分子が好ましい。例えば、国際公開第2012/014607号では、水溶性高分子であるポリビニルアルコールおよび金属酸化物を含む屈折率層から形成される赤外遮蔽フィルムが開示されている。
ところで、一般に基材上に2層以上の積層膜を塗布で作製する方法としては、1層ずつ塗布・乾燥して積層する逐次塗布と、同時に複数の層を塗布する同時重層塗布がある。逐次塗布としては、スピンコート法、バーコート法、ブレード塗布、グラビア塗布などがあるが、光学反射フィルムのような多層膜を作成する場合には塗布・乾燥回数が多くなるため生産性が低い。一方、同時重層塗布としてはカーテン塗布やスライドビード塗布などを用いた方法があり、同時に複数の層が形成できるため生産性が高い。
しかしながら、重層塗布で得られる塗膜は、隣接する層間での混合や界面の乱れ(凹凸)がより発生しがちである。層間混合が大きすぎると特定波長の反射率の低下が起こり好ましくないため、適切なレベルに制御することが必要である。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、所望の波長の光反射性が優れており、さらに過酷な温度変化の環境におかれても良好な光反射特性および密着性を示す光学反射フィルムとそれを用いた光学反射体を提供することである。
本発明者が、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記構成を採ることにより本発明の目的が達成されることが判明した。
すなわち、本発明は、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムにおいて、前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が2種以上の鹸化度の異なるポリビニルアルコールを含有し、前記高屈折率層および前記低屈折率層がほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコールを含有し、前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度とが、異なることを特徴とする光学反射フィルムに関する。
本発明の一実施形態は、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムにおいて、前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が2種以上の鹸化度の異なるポリビニルアルコールを含有し、前記高屈折率層および前記低屈折率層がほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコールを含有し、前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度とが、異なることを特徴とする光学反射フィルムである。かような形態によれば、生産性が高く、所望の波長の光反射性に優れる。また、本発明の構成によれば、光反射特性に優れるとともに、隣接する層間の密着性が確保されたものとなる。光学反射フィルムは外気下で一年の温度変化に暴露される環境に配置されることが多く、高温および低温条件下でもフィルムとしての機能を維持することが求められる。本発明の光学反射フィルムは、過酷な温度変化の条件下であっても良好なフィルム特性(反射特性など)および密着性を示す。さらに、本発明の構成によれば、水系塗布が可能であるため、製造時の環境保全性に優れるとともに、生産性が高い同時重層塗布に適用可能である。
上述した本発明の構成による作用効果の発揮のメカニズムは以下のように推測される。
すなわち、本発明が対象とする光学反射フィルムは、通常、高屈折率層、低屈折率層を形成し得るそれぞれの塗布液を用い、前記各塗布液を逐次塗布または同時重層塗布によって高屈折率層と低屈折率層とを積層することによって製造される。しかしながら、重層塗布で得られる塗膜は、隣接する層間での混合や界面の乱れ(凹凸)が発生しがちである。逐次重層塗布の場合は、上層の塗布液を塗布した際に、形成された下層が再溶解し、上層および下層の液同士が混合し、隣接する層間での混合や界面の乱れ(凹凸)が発生する場合がある。また、同時重層塗布で得られる塗膜は、未乾燥の液状態で重ねられるために、隣接する層間での混合や界面の乱れ(凹凸)がより発生してしまう。光学反射フィルムのような多層膜では層間混合が大きすぎると反射率の低下が起こり好ましくないため、適切なレベルに制御することが必要である。
これに対し、本発明に係る光学反射フィルムにおいては、上記構成とすることにより、反射特性が向上する。このような効果は、層間混合が抑制された結果であると考えられる。鹸化度の異なるポリビニルアルコール樹脂を用いることによって、高屈折率層と低屈折率層とが未乾燥の液状態で重ねられた際に各層が多少混合したとしても、乾燥過程で溶媒である水が揮発して濃縮されると鹸化度の異なるポリビニルアルコール樹脂同士が相分離を起こし、各層の界面の面積を最小にしようとする力が働くようになるため、層間混合が抑制され界面の乱れも小さくなったものと推定される。このように層間混合が抑制され、界面の乱れが小さくなったことで本発明の光学反射フィルムは所望の波長の光反射性に優れたものとなる。また、層間混合が抑制されるために、フィルムのヘイズも低下するものと考えられる。
一方で、光学反射フィルムは、基体への接着時にフィルムが屈曲されることが多く、かような屈曲時や、接着後の経時変化においてもフィルム層間が剥離しないことが重要である。したがって、光学反射フィルムでは層間密着性が高いことが必要である。例えば、上記国際公開第2012/014607号のように同一の鹸化度のポリビニルアルコールを隣接する屈折率層で用いた場合には、層間密着性は高いものとなるが、過酷な温度変化条件下では層間密着性が低下する場合があり、一方で重層塗布時の層間分離という観点からは従来のフィルム塗布液では満足のいくものではなく、これに起因して反射特性の向上の余地があった。本発明では、高屈折率層と低屈折率層とが鹸化度がほぼ同一のポリビニルアルコールを含有し、かつ高屈折率層と低屈折率層とに含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度が異なるため、層間密着性と反射特性の双方が優れたものとなると考えられる。
ただし、上記メカニズムは推定であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
高屈折率層および低屈折率層の少なくとも一方に金属酸化物粒子を添加した際には金属酸化物粒子がポリビニルアルコールと結合し、鹸化度の異なるポリビニルアルコール樹脂同士が相分離するときに金属酸化物粒子も一緒に移動するためさらに反射特性を高めることができると推定している。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
〔ポリビニルアルコール〕
本発明の光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とがポリビニルアルコールを含有する。そして、本発明の光学反射フィルムは、(1)高屈折率層および低屈折率層の少なくとも一方が2種以上の鹸化度の異なるポリビニルアルコールを含有する、(2)高屈折率層および低屈折率層がほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコールを含有する、(3)高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度とが、異なる、という3つの要件を具備する。ここで鹸化度とはポリビニルアルコール中のアセチルオキシ基(原料の酢酸ビニル由来のもの)と水酸基の合計数に対する水酸基の割合のことである。
上記(1)において、高屈折率層および/または低屈折率層が、2種以上の鹸化度の異なるポリビニルアルコールを含む。上記(2)と(3)を同時満たすために(1)は必要条件となる。ここで2種以上とは、ポリビニルアルコールの鹸化度の観点からポリビニルアルコールの種類を分けるものであり、重合度や変性の有無は考慮しない。高屈折率層および/または低屈折率に含まれる鹸化度の異なるポリビニルアルコールの種類の上限は特に限定されるものではないが、生産性の観点から、通常10種以下である。
上記(2)における「ほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコール」(以下、単に同一のポリビニルアルコールとも称する)とは、「鹸化度の差が3mol%以内のポリビニルアルコール」を指す。すなわち、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールのうちいずれか1種の鹸化度と、高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールのうちいずれか1種の鹸化度との差が、3mol%以内であることをいう。高屈折率層および低屈折率層がともに複数のポリビニルアルコールを含む場合、同一の鹸化度のポリビニルアルコールが2組以上存在してもよい。
同一のポリビニルアルコールの含有量は、層間密着性向上の観点から、各屈折率層に含まれるポリビニルアルコール全量に対して固形分換算で10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。ここでいう、同一のポリビニルアルコールの含有量において、2組以上の同一のポリビニルアルコールが存在する場合、各組の同一の鹸化度のポリビニルアルコールの各ポリビニルアルコールの屈折率層中の含有量の合計量を指す。
また、高屈折率層および低屈折率層双方の同一のポリビニルアルコールの含有量が各屈折率層に含まれるポリビニルアルコール全量に対して固形分換算で10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。
例えば、低屈折率層が鹸化度95mol%、75mol%の2種のポリビニルアルコールを屈折率層中に各50質量%、50質量%ずつ含み、高屈折率層が鹸化度99.5mol%、93mol%、85mol%、78mol%の4種のポリビニルアルコールを屈折率層中に各40質量%、10質量%、40質量%、10質量%ずつ含む場合、低屈折率層における鹸化度95mol%のポリビニルアルコールおよび高屈折率層における鹸化度93mol%のポリビニルアルコールが同一のポリビニルアルコールであり、低屈折率層における鹸化度75mol%のポリビニルアルコールおよび高屈折率層における鹸化度78mol%のポリビニルアルコールが他の同一のポリビニルアルコールである。つまり、上記フィルムには2組の同一の鹸化度のポリビニルアルコールが存在する。ここで、同一のポリビニルアルコールの含有量とは、各屈折率層における各ポリビニルアルコールの含有量の合計量であり、低屈折率層においては、同一のポリビニルアルコールの含有量はポリビニルアルコール全量に対して100質量%、高屈折率層においては、同一のポリビニルアルコールの含有量はポリビニルアルコール全量に対して20質量%となる。
また、2組以上の同一のポリビニルアルコールが存在する場合、全ての組の同一のポリビニルアルコールの屈折率層中の含有量が各屈折率層に含まれるポリビニルアルコール全量に対して固形分換算で10質量%以上であることがより好ましい。
上記(3)における平均鹸化度は、屈折率層中の含有質量比を考慮して求められる。すなわち、平均鹸化度=Σ(各ポリビニルアルコールの鹸化度(mol%)×各ポリビニルアルコールの含有質量(%)/100質量(%))となる。例えば、屈折率層がポリビニルアルコールA(屈折率層中の含有質量比:Wa、鹸化度:Sa(mol%))、ポリビニルアルコールB(屈折率層中の含有質量比:Wb、鹸化度:Sb(mol%))、ポリビニルアルコールC(屈折率層中の含有質量比:Wc、鹸化度:Sc(mol%))を含む場合、平均鹸化度=(Wa×Sa+Wb×Sb+Wc×Sc/(Wa+Wb+Wc)となる。ここで、平均鹸化度は、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までの値とする。
高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度との差(絶対値)は、3mol%以上であることが好ましく、より好ましくは5mol%以上であり、さらに好ましくは8mol%以上である。かような範囲であれば、本発明の効果が一層高まり、フィルム特性(反射特性、赤外遮蔽フィルムの場合には可視光線透過率など)がより向上する。高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度との差は離れていれば離れているほど好ましいが、ポリビニルアルコールの水への溶解性の点からは20mol%以下であることが好ましい。
高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度および低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度のうち、一方が90mol%以上であり、他方が75mol%以上90mol%以下であることが好ましい。高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度および低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度のうち、一方が鹸化度90mol%以上であり、他方が90mol%以下であることで高屈折率層と低屈折率層との層間混合状態をより好ましいレベルにし、特定の波長の反射率が向上するために好ましい。ポリビニルアルコールの平均鹸化度は水への溶解性の点で75mol%以上であることが好ましい。なお、ポリビニルアルコールの鹸化度の上限は特に限定されるものではないが、通常100mol%以下であり、99.9mol%以下程度である。
また、高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度は低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度よりも高いことが好ましい。かような構成とすることで、高屈折率層と低屈折率層との層間混合状態をより好ましいレベルにし、特定の波長の反射率が向上するために好ましい。
低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールは、平均鹸化度が75mol%以上90mol%以下であることが好ましい。かようなポリビニルアルコールを低屈折率層が含むと、界面混合がより抑制される点で好ましい。これは塗膜のひび割れが少なく、かつセット性が向上するためであると考えられる。かような観点からは、本発明の好適な一実施形態は、高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度が90mol%以上であり、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度が、75mol%以上90mol%以下である。
各屈折率層に用いられるポリビニルアルコールの重合度は特に限定されるものではないが、重合度が5000以下であることが好ましい。重合度が5000以下であるとハンドリング性がよく作業効率性が向上するため好ましい。重合度の下限は特に限定されないが、通常300以上である。
ここで、重合度とは粘度平均重合度を指し、JIS−K6726(1994)に準じて測定され、PVAを完全に再鹸化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](dl/g)から次式により求められるものである。
各屈折率層に含まれるポリビニルアルコールは、各屈折率層の全質量(固形分)に対し、好ましくは5.0質量%以上で含有させることが好ましい。含有量が5.0質量%以上であると、本発明の効果である層間混合が抑制され界面の乱れが小さくなるという効果が顕著に現れる。また、各屈折率層に含まれるポリビニルアルコールは、屈折率層が金属酸化物を含む場合には、各屈折率層の全質量(固形分)に対し、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。含有量が50質量%以下であれば、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を大きくすることが容易になる。
本明細書にて単に「ポリビニルアルコール」という場合にはポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコール(未変性ポリビニルアルコール)の他に、一部が変性された変性ポリビニルアルコールも含む。ポリビニルアルコールは、水溶性ポリビニルアルコールであることが好ましい。水溶性ポリビニルアルコールを使用することで安定した塗布液が作製できるからである。なお、本明細書において、ポリビニルアルコールの「水溶性」とは、水媒体に対し1質量%以上溶解する化合物であり、好ましくは3質量%以上であることをいう。
未変性ポリビニルアルコールは、合成してもあるいは市販品を使用してもよい。後者の場合には、クラレポバール PVAシリーズ((株)クラレ製)、J−ポバール Jシリーズ(日本酢ビ・ポバール(株)製)などが使用できる。
変性ポリビニルアルコールとしては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、ノニオン変性ポリビニルアルコール、ビニルアルコール系ポリマーが挙げられる。変性ポリビニルアルコールを含むと、膜の密着性がより向上する場合がある。変性ポリビニルアルコールの含有量は、屈折率層の全ポリビニルアルコール中0〜70質量%であることが好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体および特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体、シラノール基を有するシラノール変性ポリビニルアルコール(例えば、クラレ社製「R−1130」)、アセトアセチル基、カルボニル基、またはカルボキシル基などの反応性基を有する反応性基変性ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学工業社製「ゴーセファイマー(登録商標)Z」)等が挙げられる。
またビニルアルコール系ポリマーとして、酢酸ビニル系樹脂(例えば、クラレ社製「エクセバール」)やニチゴーGポリマー(商品名:日本合成化学工業社製)などが挙げられる。
変性ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
また本発明の効果を損なわない限りにおいて、各屈折率層は、重合度が100〜1000、より好ましくは重合度100〜500で鹸化度が95mol%以上である低重合度高鹸化ポリビニルアルコール(以下、単に低重合度高鹸化ポリビニルアルコールとも称する)を含んでいてもよい。このような低重合度高鹸化ポリビニルアルコールを含有すると塗布液の安定性が向上する。低重合度高鹸化ポリビニルアルコールの含有量は、特に限定されるものではないが、各屈折率層の全質量(固形分)に対し、好ましくは0.5〜5質量%である。かような範囲であれば、上記効果がより発揮される。なお、低重合度高鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度の上限は特に限定されるものではないが、通常100mol%未満であり、99.9mol%以下程度である。
〔硬化剤〕
本発明においては、硬化剤を用いることが好ましい。ポリビニルアルコールと共に用いることのできる硬化剤としては、ポリビニルアルコールと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸およびその塩が好ましい。ホウ酸およびその塩以外にも公知のものが使用でき、一般的にはポリビニルアルコールと反応し得る基を有する化合物あるいはポリビニルアルコールが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬、ホウ砂等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸の水溶液またはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂との水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
本発明では、ホウ酸およびその塩並びに/またはホウ砂を用いることが層間混合をより抑制するという観点から好ましい。ホウ酸およびその塩並びに/またはホウ砂を用いた場合には、金属酸化物粒子と水溶性高分子であるポリビニルアルコールのOH基とが水素結合ネットワークを形成し、その結果として高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制され、好ましい遮蔽特性が達成されると考えられる。特に、高屈折率層と低屈折率層の多層重層をコーターで塗布後、一旦塗膜の膜面温度を15℃程度に冷やした後、膜面を乾燥させるセット系塗布プロセスを用いた場合には、より好ましく効果を発現することができる。
上記硬化剤の総使用量は、ポリビニルアルコール1g当たり1〜600mgが好ましく、ポリビニルアルコール1g当たり100〜600mgが好ましい。
〔樹脂バインダー〕
本発明においては、各屈折率層は樹脂バインダーとしてポリビニルアルコールを必須に含むが、その他の樹脂バインダーを含んでいてもよい。
樹脂バインダーの含有量は、特に限定されるものではないが、各屈折率層の全質量(固形分)に対し、好ましくは5〜50質量%である。
本発明においては、有機溶媒を用いる必要がなく、環境保全上好ましいことから、バインダー樹脂は水溶性高分子から構成されることが好ましい。すなわち、本発明ではその効果を損なわない限りにおいて、上記ポリビニルアルコールに加えて、ポリビニルアルコール以外の水溶性高分子をバインダー樹脂として用いてもよい。本発明の水溶性高分子とは、該水溶性高分子が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度に水に溶解させた際、G2グラスフィルタ(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量が、加えた該水溶性高分子の50質量%以内であるものを言う。そのような水溶性高分子の中でも特にゼラチン、セルロース類、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマーが好ましい。これらの水溶性高分子は単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。また、水溶性高分子は合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
以下にこれらの水溶性高分子について説明する。
(ゼラチン)
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチンおよびゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
(ゼラチンの硬膜剤)
ゼラチンを用いる場合、必要に応じてゼラチンの硬膜剤を添加することもできる。
用いることのできる硬膜剤としては、通常の写真乳剤層の硬膜剤として使用されている公知の化合物を使用でき、例えば、ビニルスルホン化合物、尿素−ホルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、活性オレフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬膜剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多価金属塩類などを挙げることができる。
(セルロース類)
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。
(増粘多糖類)
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類および合成複合多糖類を挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類である。さらに好適には金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加することにより好ましくは15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、より好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸およびアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。本発明においては、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用してもよい。
(反応性官能基を有するポリマー類)
本発明に適用可能な水溶性高分子としては、反応性官能基を有するポリマー類が挙げられ、例えば、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。
低屈折率層には、屈折率差を調整するために、含フッ素ポリマーを用いてもよい。含フッ素ポリマーとしては、フッ素含有不飽和エチレン性単量体成分を主として含有する重合物を挙げることが出来る。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体としては、含フッ素アルケン、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素ビニルエステル、含フッ素ビニルエーテル等を挙げることができ、例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ヘプタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロエチレン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−トリフルオロメトキシプロピルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロピロピルアクリレート、2−ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エチルアクリレート、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチルメタクリレート、2−トリフルオロエトキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルアクリレート、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタウルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート(以上のアクリレートはメタクリレートまたはα−フルオロアクリレートであってもよい)、ビニルトリフルオロアセテート、ビニル−2,2,2−トリフルオロプロピオネート、ビニル−3,3,3,2,2−ヘプタブチレート、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、1−(トリフルオロメチル)エテニルアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、アリル−1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、イソプロピル−2,2,2−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−2,2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナプロピルペンチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,3−ペンチルフルオロプロピルヘマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタジュルオロブチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナデカフルオロデシルフマレート、tert−ブチル3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、tert−ブチル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンチルフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート等の含フッ素不飽和エチレン性単量体を挙げることができる。
フッ素含有単量体と共重合し得る単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルエチルケトン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、エチル−α−フルオロアクリレート、プロピル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−フルオロアクリレート、シクロヘキシル−α−フルオロアクリレート、ヘキシル−α−フルオロアクリレート、ベンジル−α−フルオロアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、α−フルオロアクリル酸、スチレン、スチレンスルホン酸、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
フッ素含有エチレン性不飽和単量体の単独の樹脂の屈折率は、ほぼ1.33〜1.42の範囲にあり、又共重合し得るフッ素を含有しない単量体の単独樹脂ポリマーの屈折率は、1.44以上で、これらを任意の割合で共重合して目的の屈折率の含フッ素ポリマーとして用いることができ、上記ポリビニルアルコールと任意の割合で混合して目的の屈折率のものとして使用できる。かような含フッ素ポリマーとポリビニルアルコールとの屈折率層における含有質量比(固形分換算)は、好適にはポリビニルアルコール:含フッ素ポリマー=1:0.1〜5である。
〔金属酸化物〕
高屈折率層および低屈折率層のうち少なくとも一方はさらに金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子を含有することで反射特性が向上するとともに、界面混合抑制という本発明の効果がより発揮され、反射特性が一層向上する。高屈折率層および低屈折率層の双方が金属酸化物粒子を含有することがより好ましい。
(低屈折率層中の金属酸化物)
低屈折率層には金属酸化物としてシリカ(二酸化ケイ素)を用いることが好ましく、具体的な例として合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。これらのうち、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることがより好ましく、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが特に好ましい。また、屈折率をより低減させるために、低屈折率層の金属酸化物微粒子として、粒子の内部に空孔を有する中空微粒子を用いてもよく、特にシリカ(二酸化ケイ素)の中空微粒子が好ましい。また、シリカ以外の公知の金属酸化物粒子も使用することができる。
低屈折率層に含まれる金属酸化物粒子(好ましくは二酸化ケイ素)は、その平均粒径が3〜100nmであることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗布前の分散液状態での粒径)は、3〜50nmであるのがより好ましく、3〜40nmであるのがさらに好ましく、3〜20nmであるのが特に好ましく、4〜10nmであるのがもっとも好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本明細書において一次平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。
透過型電子顕微鏡から求める場合、粒子の一次平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
また、低屈折率層の金属酸化物粒子の粒径は、一次平均粒径の他に、体積平均粒径により求めることもできる。
本発明で用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、たとえば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号などに記載されているものである。
この様なコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
また、低屈折率層の金属酸化物粒子として、中空粒子を用いることもできる。中空微粒子を用いる場合には、平均粒子空孔径が、3〜70nmであるのが好ましく、5〜50nmがより好ましく、5〜45nmがさらに好ましい。なお、中空微粒子の平均粒子空孔径とは、中空微粒子の内径の平均値である。中空微粒子の平均粒子空孔径は、上記範囲であれば、十分に低屈折率層の屈折率が低屈折率化される。平均粒子空孔径は、電子顕微鏡観察で、円形、楕円形または実質的に円形は楕円形として観察できる空孔径を、ランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。なお、平均粒子空孔径は、円形、楕円形または実質的に円形もしくは楕円形として観察できる空孔径の外縁を、2本の平行線で挟んだ距離のうち、最小の距離を意味する。
低屈折率層における金属酸化物粒子の含有量は、低屈折率層の固形分100質量%に対して、20〜90質量%であることが好ましく、30〜85質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることがさらに好ましい。20質量%以上であると、所望の屈折率が得られ90質量%以下であると塗布性が良好となり好ましい。
(高屈折率層中の金属酸化物)
本発明に係る高屈折率層の金属酸化物粒子としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズなどが挙げられる。
本発明では透明でより屈折率の高い高屈折率層を形成するために、高屈折率層は、チタン、ジルコニア等の高屈折率金属酸化物微粒子、すなわち、酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子を含有することが好ましい。その場合には、体積平均粒径が100nm以下のルチル型(正方晶形)酸化チタン粒子を含有することが好ましい。
本発明の酸化チタン粒子としては、水系の酸化チタンゾルの表面を変性して分散状態を安定にしたものを用いることが好ましい。
水系の酸化チタンゾルの調製方法としては、従来公知のいずれの方法も用いることができ、たとえば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
また、酸化チタン粒子のその他の製造方法については、たとえば、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、またはWO2007/039953号明細書の段落番号0011〜0023に記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸物またはアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物および無機酸で処理する工程(2)からなる。
さらに、酸化チタン粒子を含めた金属酸化物粒子のその他の製造方法としては、特開2000−053421号公報(分散安定化剤としてアルキルシリケートを配合してなり、該アルキルシリケート中のケイ素をSiOに換算した量と酸化チタン中のチタンをTiOに換算した量との重量比(SiO/TiO)が0.7〜10である酸化チタンゾル)、特開2000−063119号公報(TiO−ZrO−SnOの複合体コロイド粒子を核としてその表面を、WO−SnO−SiOの複合酸化物コロイド粒子で被覆したゾル)等に記載された事項を参照にすることができる。
さらに、酸化チタン粒子を含ケイ素の水和酸化物で被覆してもよい。ここで、「被覆」とは、酸化チタン粒子の表面の少なくとも一部に、含ケイ素の水和酸化物が付着されている状態を意味する。すなわち、金属酸化物粒子として用いられる酸化チタン粒子の表面が、完全に含ケイ素の水和酸化物で被覆されていてもよく、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素の水和酸化物で被覆されていてもよい。被覆された酸化チタン粒子の屈折率が含ケイ素の水和酸化物の被覆量により制御される観点から、酸化チタン粒子の表面の一部が含ケイ素の水和酸化物で被覆されることが好ましい。
含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子の酸化チタンはルチル型であってもアナターゼ型であってもよい。含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子は、含ケイ素の水和酸化物で被覆されたルチル型の酸化チタン粒子がより好ましい。これは、ルチル型の酸化チタン粒子が、アナターゼ型の酸化チタン粒子より光触媒活性が低いため、高屈折率層や隣接した低屈折率層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高くなるという理由からである。
本明細書における「含ケイ素の水和酸化物」とは、無機ケイ素化合物の水和物、有機ケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物のいずれでもよいが、本発明の効果を得るためにはシラノール基を有することがより好ましい。
含ケイ素の水和酸化物の被覆量は、3〜30質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。被覆量が30質量%以下であると、高屈折率層の所望の屈折率化が得られ、被覆量が3%以上であると粒子を安定に形成することができるからである。
酸化チタン粒子を含ケイ素の水和酸化物で被覆する方法としては、従来公知の方法により製造することができ、例えば、特開平10−158015号公報(ルチル型酸化チタンへのSi/Al水和酸化物処理;チタン酸ケーキのアルカリ領域での解膠後酸化チタンの表面にケイ素および/又はアルミニウムの含水酸化物を析出させて表面処理する酸化チタンゾルの製造方法)、特開2000−204301号公報(ルチル型酸化チタンにSiとZrおよび/またはAlの酸化物との複合酸化物を被覆したゾル。水熱処理。)、特開2007−246351号公報(含水酸化チタンを解膠して得られる酸化チタンのヒドロゾルへ、安定剤として式R SiX4−n(式中RはC−Cアルキル基、グリシジルオキシ置換C−Cアルキル基またはC−Cアルケニル基、Xはアルコキシ基、nは1または2である。)のオルガノアルコキシシランまたは酸化チタンに対して錯化作用を有する化合物を添加、アルカリ領域でケイ酸ナトリウムまたはシリカゾルの溶液へ添加・pH調整・熟成することにより、ケイ素の含水酸化物で被覆された酸化チタンヒドロゾルを製造する方法)等に記載された事項を参照にすることができる。
高屈折率層で用いられる金属酸化物粒子は、体積平均粒径または一次平均粒径により求めることができる。高屈折率層で用いられる金属酸化物粒子の体積平均粒径は、30nm以下であることが好ましく、1〜30nmであることがより好ましく、5〜15nmであるのがさらに好ましい。体積平均粒径が30nm以下であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。ここで、上記含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子の場合、上記一次平均粒径は(含ケイ素の水和酸化物で被覆されていない)酸化チタン粒子の一次平均粒径を指す。また、高屈折率層で用いられる金属酸化物粒子に用いられる金属酸化物粒子の一次平均粒径は、30nm以下であることが好ましく、1〜30nmであることがより好ましく、5〜15nmであることがさらに好ましい。一次平均粒径が1nm以上30nm以下であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本明細書でいう体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd1、d2・・・di・・・dkの粒径を持つ粒子がそれぞれn1、n2・・・ni・・・nk個存在する金属酸化物粒子の集団において、粒子1個当りの体積をviとした場合に、体積平均粒径mv={Σ(vi・di)}/{Σ(vi)}で表される体積で重み付けされた平均粒径を算出する。
さらに、本発明で用いられる金属酸化物粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下であることをいう。この単分散度は、さらに好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%である。
高屈折率層における金属酸化物粒子の含有量としては、高屈折率層の固形分100質量%に対して、15〜90質量%であることが好ましく、20〜85質量%であることがより好ましく、30〜85質量%であることが反射率向上の観点から、さらに好ましい。
〔界面活性剤〕
各屈折率層には、塗布性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。
塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤としてアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができるが、アニオン系界面活性剤がより好ましい。好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基又はその塩を含有するものが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンまたはオレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、エーテルカルボキシレート、アルキルスルホコハク酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩よりなる群から選ばれる界面活性剤や、高級脂肪酸とアミノ酸との縮合物、ナフテン酸塩等を用いることができる。好ましく用いられるアニオン系界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩(とりわけ直鎖アルキルのもの)、アルカン又はオレフィンスルホン酸塩(とりわけ第2級アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩)、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩(とりわけポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩)、アルキル燐酸塩(とりわけモノアルキルタイプ)、エーテルカルボキシレート、アルキルスルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩よりなる群から選ばれる界面活性剤であり、特に好ましくは、アルキルスルホコハク酸塩である。
各屈折率層における界面活性剤の含有量は、屈折率層の固形分100質量%として、0.001〜0.5重量%であることが好ましく、0.005〜0.3重量%であることがより好ましい。
〔高分子分散剤〕
各屈折率層には、塗布液の分散安定性の観点から高分子分散剤を含有することが好ましい。高分子分散剤とは、重量平均分子量が10,000以上の高分子の分散剤を指す。好適には、側鎖または末端に水酸基が置換された高分子であり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。高分子分散剤は市販品を用いてもよく、かような高分子分散剤としては、マリアリムAKM−0531(日油社製)などが挙げられる。高分子分散剤の含有量は屈折率層に対して固形分換算で0.1〜10質量%であることが好ましい。
〔エマルジョン樹脂〕
高屈折率層または低屈折率層は、エマルジョン樹脂をさらに含有していてもよい。エマルジョン樹脂を含むことにより、膜の柔軟性が高くなりガラスへの貼りつけ等の加工性がよくなる。
エマルジョン樹脂とは、水系媒体中に微細な、例えば、平均粒径が0.01〜2.0μm程度の樹脂粒子がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性のモノマーを、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によって、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的な違いは見られない。エマルジョンの重合時に使用される分散剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤が挙げられる。水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なくとも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用いて重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学的、物理的性質が異なる。
水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜5000のものが好ましく、1500〜5000のものがより好ましく、3000〜4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものがより好ましい。
上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
〔屈折率層のその他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報および同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
〔光学反射フィルムの製造方法〕
本発明の光学反射フィルムの製造方法について特に制限はなく、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ形成することができるのであれば、いかなる方法でも用いられうる。
本発明の光学反射フィルムの製造方法では、基材上に高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを積層して形成されるが、具体的には高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを同時重層塗布したのち乾燥して積層体を形成することが好ましい。同時重層塗布の場合、前述したように、未乾燥の液状態で重ねられるため、層間混合等がより起こりやすいため、本発明の効果がより発揮されるためである。そして、前述したように、同時重層塗布の場合に、界面混合がより深刻に起こりやすいため、本発明は同時重層塗布により製造する場合に、より効果が発揮されやすい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。本発明においては、樹脂バインダーとしてポリビニルアルコールを主に用いるために、水系溶媒を用いることができる。水系溶媒は、有機溶媒を用いる場合と比較して、大規模な生産設備を必要とすることがないため、生産性の点で好ましく、また環境保全の点でも好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、特に水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。
水と少量の有機溶媒との混合溶媒を用いる際、当該混合溶媒中の水の含有量は、混合溶媒全体を100質量%として、80〜99.9質量%であることが好ましく、90〜99.5質量%であることがより好ましい。ここで、80質量%以上にすることで、溶媒の揮発による体積変動が低減でき、ハンドリングが向上し、また、99.9質量%以下にすることで、液添加時の均質性が増し、安定した液物性を得ることができるからである。
高屈折率層塗布液中の樹脂バインダーの濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
低屈折率層塗布液中の樹脂バインダーの濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、低屈折率層塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、金属酸化物粒子、樹脂バインダー、および必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、攪拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、攪拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、攪拌しながら一度に添加し混合してもよい。必要に応じて、さらに溶媒を用いて、適当な粘度に調製される。
本発明においては、体積平均粒径が100nm以下のルチル型の酸化チタンを添加、分散して調製した水系の高屈折率層塗布液を用いて、高屈折率層を形成することが好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の温度は、スライドビード塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。また、カーテン塗布方式を用いる場合は、25〜60℃の温度範囲が好ましく、30〜45℃の温度範囲がより好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度は、特に制限されない。しかしながら、スライドビード塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、上記の塗布液の好ましい温度の範囲において、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。このような粘度の範囲であれば、効率よく同時重層塗布を行うことができる。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法の条件は、特に制限されないが、例えば、逐次塗布法の場合は、まず、30〜60℃に加温した高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液のいずれか一方を基材上に塗布、乾燥して層を形成した後、もう一方の塗布液をこの層上に塗布、乾燥して積層膜前駆体(ユニット)を形成する。次に、所望の遮蔽性能を発現するために必要なユニット数を、前記方法にて逐次塗布、乾燥して積層させて積層膜前駆体を得る。乾燥する際は、形成した塗膜を、30℃以上で乾燥することが好ましい。例えば、湿球温度5〜50℃、膜面温度5〜100℃(好ましくは10〜50℃)の範囲で乾燥するのが好ましく、例えば、40〜60℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。乾燥方法としては、温風乾燥、赤外乾燥、マイクロ波乾燥が用いられる。また単一プロセスでの乾燥よりも多段プロセスの乾燥が好ましく、恒率乾燥部の温度<減率乾燥部の温度にするのがより好ましい。この場合の恒率乾燥部の温度範囲は30〜60℃、減率乾燥部の温度範囲は50〜100℃にするのが好ましい。
また、同時重層塗布を行う場合の塗布および乾燥方法の条件は、高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液を30〜60℃に加温して、基材上に高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を好ましくは1〜15℃にいったん冷却し(セット)、その後10℃以上で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。例えば、80℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
ここで、前記セットとは、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間および各層内の物質の流動性を低下させたり、またゲル化する工程のことを意味する。冷風を塗布膜に表面から当てて、塗布膜の表面に指を押し付けたときに指に何もつかなくなった状態を、セット完了の状態と定義する。
塗布した時点から、冷風を当ててセットが完了するまでの時間(セット時間)は、5分以内であることが好ましく、2分以内であることがより好ましい。また、下限の時間は特に制限されないが、45秒以上の時間をとることが好ましい。セット時間が短すぎると、層中の成分の混合が不十分となる虞がある。一方、セット時間が長すぎると、金属酸化物粒子の層間拡散が進み、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が不十分となるおそれがある。なお、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層の高弾性化が素早く起こるのであれば、セットさせる工程は設けなくてもよい。
セット時間の調整は、水溶性樹脂の濃度や金属酸化物粒子の濃度を調整したり、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギ−ナン、ゲランガム等の各種公知のゲル化剤など、他の成分を添加することにより調整することができる。
冷風の温度は、0〜25℃であることが好ましく、5〜10℃であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗膜の搬送速度にもよるが、好ましくは10〜360秒、より好ましくは10〜300秒、さらに好ましくは10〜120秒である。
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の塗布厚は、上記で示したような好ましい乾燥時の厚みとなるように塗布すればよい。
〔基材〕
光学反射フィルムの基材としては、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に用いられる基材の厚みは、10〜300μm、特に20〜150μmであることが好ましい。また、基材は、2枚重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
基材は、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。基材が上記透過率以上であることにより、赤外遮蔽フィルムとしたときのJIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率を50%以上にするという点で有利であり、好ましい。
また、上記樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、基材は、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理された基材は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
基材は、製膜過程で片面または両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。なお、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂およびゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
〔膜設計〕
本発明の光学反射フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む。好適には基材の片面上または両面上に、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層して形成された多層の光学干渉膜を有する。生産性の観点から、基材の片面あたりの好ましい高屈折率層および低屈折率層の総層数の範囲は、100層以下、より好ましくは45層以下である。基材の片面あたりの好ましい高屈折率層および低屈折率層の総層数の範囲の下限は特に限定されるものではないが、5層以上であることが好ましい。なお、前記の好ましい高屈折率層および低屈折率層の総層数の範囲は、基材の片面にのみ積層される場合においても適応可能であり、基材の両面に同時に積層される場合においても適応可能である。基材の両面に積層される場合において、基材一の面と他の面との高屈折率層および低屈折率層の総層数は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、本発明の光学反射フィルムにおいて、最下層(基材と接触する層)および最表層は、高屈折率層および低屈折率層のいずれであってもよい。しかしながら、低屈折率層が最下層および最表層に位置する層構成とすることにより、最下層の基材への密着性、最上層の吹かれ耐性、さらには最表層へのハードコート層等の塗布性や密着性に優れるという観点から、本発明の光学反射フィルムとしては、最下層および最表層が低屈折率層である層構成が好ましい。
一般に、光学反射フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で所望の光線に対する反射率を高くすることができるという観点から好ましい。本発明においては、少なくとも隣接した2層(高屈折率層および低屈折率層)の屈折率差が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.25以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、よりさらに好ましくは0.35以上であり、もっとも好ましくは0.4以上である。また、上限には特に制限はないが通常1.4以下である。
この屈折率差と、必要な層数とについては、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、近赤外線反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、故障なく製造することも非常に困難になる場合がある。
光学反射フィルムにおいて高屈折率層および低屈折率層を交互に積層する場合には、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が、上記好適な屈折率差の範囲内にあることが好ましい。ただし、例えば、最表層はフィルムを保護するための層として形成される場合または最下層が基板との接着性改良層として形成される場合などにおいて、最表層や最下層に関しては、上記好適な屈折率差の範囲外の構成であってもよい。
なお、本明細書において、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い方の屈折率層を高屈折率層とし、低い方の屈折率層を低屈折率層とすることを意味する。したがって、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、光学反射フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する2つの屈折率層に着目した場合に、各屈折率層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。
隣接した層界面での反射は、層間の屈折率比に依存するのでこの屈折率比が大きいほど、反射率が高まる。また、単層膜でみたとき層表面における反射光と、層底部における反射光の光路差を、n・d=波長/4、で表される関係にすると位相差により反射光を強めあうよう制御出来、反射率を上げることができる。ここで、nは屈折率、またdは層の物理膜厚、n・dは光学膜厚である。この光路差を利用することで、反射を制御出来る。この関係を利用して、各層の屈折率と膜厚を制御して、可視光や、近赤外光の反射を制御する。即ち、各層の屈折率、各層の膜厚、各層の積層のさせ方で、特定波長領域の反射率をアップさせることができる。
本発明の光学反射フィルムは反射率をアップさせる特定波長領域を変えることにより、可視光反射フィルムや近赤外線反射フィルムとすることができる。即ち、反射率をアップさせる特定波長領域を可視光領域に設定すれば可視光線反射フィルムとなり、近赤外領域に設定すれば近赤外線反射フィルムとなる。また、反射率をアップさせる特定波長領域を紫外光領域に設定すれば、紫外線反射フィルムとなる。本発明の光学反射フィルムを遮熱フィルムに用いる場合は、(近)赤外反射(遮蔽)フィルムとすればよい。赤外反射フィルムの場合、高分子フィルムに互いに屈折率が異なる膜を積層させた多層膜を形成し、JIS R3106−1998で示される可視光領域の550nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。また、1200nmでの透過率が35%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。かような好適な範囲となるように光学膜厚とユニットを設計することが好ましい。また、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
太陽直達光の入射スペクトルのうち赤外域が室内温度上昇に関係し、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることができる。日本工業規格JIS R3106に記載された重価係数をもとに赤外の最短波長(760nm)から最長波長3200nmまでの累積エネルギー比率をみてみると、波長760nmから最長波長3200nmまでの赤外全域の総エネルギーを100としたときの、760nmから各波長までの累積エネルギーをみると、760から1300nmのエネルギー合計が赤外域全体の約75%を占めている。従って、1300nmまでの波長領域を遮蔽することが熱線遮蔽による省エネルギー効果の効率がよい。
この近赤外光域(760〜1300nm)の反射率を最大ピーク値で約80%以上にすると体感温度の低下が官能評価により得られる。たとえば8月の午前中の南東方法を向く窓際での体感温度が近赤外光域の反射率を最大ピーク値で約80%にまで遮蔽したとき明確な差がでた。
このような機能を発現するのに必要となる多層膜構造を光学シミュレーション(FTG Software Associates Film DESIGN Version 2.23.3700)で求めた結果、1.9以上、望ましくは2.0以上の高屈折率層を利用し、6層以上積層した場合に優れた特性が得られることがわかっている。例えば、高屈折率層と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に8層積層したモデルのシミュレーション結果をみると、高屈折率層の屈折率が1.8では反射率が70%にも達しないが、1.9になると約80%の反射率が得られる。また、高屈折率層(屈折率=2.2)と低屈折率層(屈折率=1.35)を交互に積層したモデルでは、積層数が4では反射率が60%にも達していないが、6層になると約80%の反射率が得られる。
低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.50である。高屈折率層は、屈折率が1.80〜2.50であることが好ましく、より好ましくは1.90〜2.20である。
屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。
本発明の光学反射フィルムの全体の厚みは、好ましくは12μm〜315μm、より好ましくは15μm〜200μm、さらに好ましくは20μm〜100μmである。
〔光学反射フィルムの層構成〕
光学反射フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む。該ユニットは、基材の片面にのみ形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。特定波長の反射率が向上することから、該ユニットが基材の両面に形成されてなることが好ましい。
光学反射フィルムは、基材の下または基材と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、上記高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
反射フィルムにおける上述の各種の機能層の積層順は、特に制限されない。
例えば、窓ガラスの室内側に光学反射フィルムを貼る(内貼り)仕様では、基材表面に、上記高屈折率層および低屈折率層を積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射層、粘着層の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面にハードコート層を塗設する形態が好ましい一例として挙げられる。また、粘着層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の機能層、基材、または赤外吸収剤などを有していてもよい。また、窓ガラスの室外側に本発明の光学反射フィルムを貼る(外貼り)仕様でも好ましい一例を挙げると、基材表面に光学反射層、粘着層の順に積層し、さらにこれらの層が積層されている側とは逆の側の基材表面にハードコート層が塗設する構成である。内貼りの場合と同様に、粘着層、基材、光学反射層、ハードコート層の順であってもよく、さらに他の機能層基材、または赤外吸収剤などを有していてもよい。
〔光学反射フィルムの応用:光学反射体〕
本発明の光学反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。すなわち、本発明の好適な一実施形態は、上記光学反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられた、光学反射体である。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備(基体)に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。特に、本発明に係る光学反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂等の基体に貼合されている部材には好適である。
基体の具体的な例としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでも良く、これらを2種以上組み合わせて用いても良い。基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。基体の厚みは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
光学反射フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、光学反射フィルムを日光(熱線)入射面側に設置することが好ましい。また、光学反射フィルムを、窓ガラスと基体との間に挟持すると、水分等の周囲のガスから封止でき耐久性に優れるため好ましい。本発明に係る赤外遮蔽フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
光学反射フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、光学反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置することが好ましい。また光学反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の光学反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系およびエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール〔積水化学工業社製、三菱モンサント社製等〕、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン〕、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体〔東ソー社製、メルセンG〕等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
実施例1:赤外遮蔽フィルムの作製
[塗布液の調製]
(低屈折率層用塗布液L1の調製)
下記10質量%含フッ素ポリマー1水溶液45質量部に、3質量%ホウ酸水溶液10質量部を添加した後、45℃に加熱し、撹拌しながら、ポリビニルアルコール(JC−25(重合度2500、鹸化度99.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JM−17(重合度1700、鹸化度96.4mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−15(重合度1500、鹸化度89.8mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JL−25E(重合度2500、鹸化度79.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)との、43:5:9:43(固形分質量比)の混合物)の5質量%水溶液40質量部、界面活性剤(ラピゾールA30、日油製)の1質量%水溶液1質量部を添加し、純水2質量部を加えて低屈折率層用塗布液L1を調製した。
(含フッ素ポリマー1水溶液の調製)
窒素雰囲気下、還流冷却管を備えた1Lのフラスコに6.4gの1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートと、26.4gのメトキシポリエチレングリコール#1000メタクリレートと、34.9gのメチルメタクリレートを、150mlのイソプロパノールと100mlの純水の混合溶媒に加えた。1時間室温で撹拌した後、10mlの純水に溶かした1.2gの過硫酸アンモニウムを加え、65℃で16時間加熱撹拌した。得られた反応混合物を冷ました後、ロータリーエバポレーターでイソプロパノールを留去し、さらに純水を加えて、10質量%含フッ素ポリマー1水溶液を調製した。GPCを用いて分子量を測定したところ、16,000であった。
(低屈折率層用塗布液L2の調製)
コロイダルシリカ(スノーテックスOS、日産化学工業製、固形分20質量%)22.5質量部に、純水22.5質量部、ポリオキシアルキレン系分散剤(マリアリムAKM−0531、日油社製)の5質量%水溶液10質量部、3質量%ホウ酸水溶液10質量部をそれぞれ添加した後、45℃に加熱し、撹拌しながら、ポリビニルアルコール(JC−25(重合度2500、鹸化度99.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JM−17(重合度1700、鹸化度96.4mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−15(重合度1500、鹸化度89.8mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JL−25E(重合度2500、鹸化度79.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)との、43:5:9:43(固形分質量比)の混合物)の5質量%水溶液40質量部、界面活性剤(ラピゾールA30、日油製)の1質量%水溶液1質量部を添加し、純水2質量部を加えて低屈折率層用塗布液L2を調製した。
(低屈折率層用塗布液L3〜15の調製)
ポリビニルアルコール(JC−25(重合度2500、鹸化度99.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JM−17(重合度1700、鹸化度96.4mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−15(重合度1500、鹸化度89.8mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JL−25E(重合度2500、鹸化度79.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)との、43:5:9:43(固形分質量比)の混合物)の5質量%水溶液に代えて表1に記載のポリビニルアルコール(単体または混合物)の5質量%水溶液を使用したほかは低屈折率層用塗布液L2と同様にして低屈折率層用塗布液L3〜L15を調製した。
なお、表1中、PVA−613:重合度1300、鹸化度93.2mol%、クラレ社製、PVA−505:重合度500、鹸化度73.5mol%、クラレ社製、PVA−103:重合度300、鹸化度98.5mol%、クラレ社製、PVA−235:重合度3500、鹸化度88.0mol%、クラレ社製、Z−100:重合度500、鹸化度99.0mol%、ゴーセファイマー(登録商標)Z、日本合成化学社製、R−1130:重合度1700、鹸化度98.5mol%、クラレ社製である。
(高屈折率層用塗布液H1の調製)
ポリビニルアルコール(PVA−217、重合度1700、鹸化度88.0mol%、クラレ製)の5質量%水溶液80質量部を45℃で加熱・撹拌しているなかに、界面活性剤(ラピゾールA30、日油社製)の1質量%水溶液1質量部を添加し、純水19質量部を加えて高屈折率層用塗布液H1を調製した。
(高屈折率層用塗布液H2の調製)
ジルコニアゾル(SZR−W、固形分30質量%、堺化学工業製、粒子径(D50)3nm)30質量部に、ポリオキシアルキレン系分散剤(マリアリムAKM−0531、日油社製)の5質量%水溶液10質量部、3質量%ホウ酸水溶液10質量部、2質量%クエン酸水溶液10質量部を順に添加した後、45℃に加熱し、撹拌しながら、ポリビニルアルコール(PVA−217、重合度1700、鹸化度88.0mol%、クラレ製)の5質量%水溶液20質量部、界面活性剤(ラピゾールA30、日油社製)の1質量%水溶液1質量部を添加し、純水19質量部を加えて高屈折率層用塗布液H2を調製した。
(高屈折率層用塗布液H3〜H6、およびH14〜H16の調製) ポリビニルアルコール(PVA−217、重合度1700、鹸化度88.0mol%、クラレ製)の5質量%水溶液に代えて表1に記載のポリビニルアルコール(単体または混合物)の5質量%水溶液を使用したほかは高屈折率層用塗布液H2と同様にして高屈折率層用塗布液H3〜H6、およびH14〜H16を調製した。
(シリカ付着二酸化チタンゾルの調製)
15.0質量%酸化チタンゾル(SRD−W、体積平均粒径5nm、ルチル型二酸化チタン粒子、堺化学社製)0.5質量部に純水2質量部を加えた後、90℃に加熱した。次いで、ケイ酸水溶液(ケイ酸ソーダ4号(日本化学社製)をSiO濃度が2.0質量%となるように純水で希釈したもの)1.3質量部を徐々に添加し、ついでオートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、冷却後、限外濾過膜にて濃縮することにより、固形分濃度が、20質量%のSiOを表面に付着させた二酸化チタンゾル(以下シリカ付着二酸化チタンゾル)を得た。
(高屈折率層用塗布液H7の調製)
前記シリカ付着二酸化チタンゾル(固形分20.0質量%)45質量部に、ポリオキシアルキレン系分散剤(マリアリムAKM−0531、日油社製)の5質量%水溶液10質量部、3質量%ホウ酸水溶液10質量部、2質量%クエン酸水溶液10質量部を順に添加した後、45℃に加熱し、撹拌しながら、ポリビニルアルコール(JC−25(重合度2500、鹸化度99.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JM−17(重合度1700、鹸化度96.4mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−15(重合度1500、鹸化度89.8mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−33(重合度3300、鹸化度86.7mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JE−18E(重合度1800、鹸化度83.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JL−25E、重合度2500、鹸化度79.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製との、10:25:25:13:13:14(固形分質量比)の混合物)の5質量%水溶液20質量部、界面活性剤(ラピゾールA30、日油社製)の1質量%水溶液1質量部を添加し、純水4質量部を加えて高屈折率層用塗布液H7を調製した。
(高屈折率層用塗布液H8〜H13の調製)
ポリビニルアルコール(JC−25(重合度2500、鹸化度99.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JM−17、重合度1700、鹸化度96.4mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−15(重合度1500、鹸化度89.8mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JP−33(重合度3300、鹸化度86.7mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JE−18E(重合度1800、鹸化度83.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)と、JL−25E(重合度2500、鹸化度79.5mol%、日本酢ビ・ポバール社製)との、10:25:25:13:13:14(固形分質量比)の混合物)の5質量%水溶液に代えて表1に記載のポリビニルアルコール(単体または混合物)の5質量%水溶液を使用したほかは高屈折率層用塗布液H7と同様にして高屈折率層用塗布液H8〜H13を調製した。
なお、表1中、PVA−117:重合度1700、鹸化度98.5mol%、クラレ社製である。
[光学反射フィルムの作製]
(試料1の作製)
9層重層塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、低屈折率層用塗布液L1および高屈折率層用塗布液H1を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)上に、それぞれ交互に、乾燥時の膜厚が低屈折率層は各層150nm、高屈折率層は各層150nmになるように計9層の同時重層塗布を行った。
塗布直後、5℃の冷風を5分吹き付けたのち、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、9層からなる重層塗布品を作製した。
上記9層重層塗布品の上に、さらに9層重層塗布を2回行い、計27層からなる試料1を作製した。
(試料2〜17、19〜21の作製)
低屈折率層用塗布液L1および高屈折率層用塗布液H1の代わりに、表1に記載の組み合わせの低屈折率層用塗布液および高屈折率層用塗布液を用いて、試料2〜17、19〜21をそれぞれ作製した。
(試料18の作製)
9層重層塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、低屈折率層用塗布液L13および高屈折率層用塗布液H13を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)上に、それぞれ交互に、乾燥時の膜厚が低屈折率層は各層150nm、高屈折率層は各層150nmになるように計9層の同時重層塗布を行った。
塗布直後、5℃の冷風を5分吹き付けたのち、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、9層からなる重層塗布品を作製した。
上記9層重層塗布品の上に、さらに9層重層塗布を2回行ない、計27層からなる重層塗布品を作製した。
上記27層重層塗布品の裏面にさらに9層重層塗布を3回行ない、計54層からなる試料18を作製した。
《赤外遮蔽フィルムの評価》
上記で作製した各赤外遮蔽フィルム(試料1〜21)について、下記の性能評価を行った。
(各層の単膜屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層および低屈折率層の屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より、屈折率を求めた。
上記方法に従って各層の屈折率を測定した結果、高屈折率層、低屈折率層の屈折率差は、試料1は0.1未満、試料2〜21はいずれも0.1以上であることを確認した。
(密着性)
熱ショック試験(高温(60℃)環境に12時間保持した後、速やかに低温(−20℃)環境下で12時間保持を1サイクルとして50サイクル)を行なった後、常温(25℃)の環境に12時間保持した赤外遮蔽フィルムについて、JIS−K5600−5−6:1999のクロスカット法に従い、得られた試料の最表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で2mm間隔でクロスカットし、10mm角の碁盤目を作製した。日東電工(株)製のセロハンテープNo.29を貼り付けて、テープをはがし、膜の剥離状態を調べた。
クロスカットしたマス目の数をn、テープ剥離後に支持体に膜が残っているマス目の数をnとしたとき、F=n/n×100(%)を計算し、以下の基準で評価した。
◎:F≧90%
○:90%>F≧80%
△:80%>F≧70%
×:70%>F
なお、実使用においてはFが70%以上であれば層間密着性が確保されていると言える。
(可視光透過率および近赤外透過率の測定)
熱ショック試験(高温(60℃)環境に12時間保持した後、速やかに低温(−20℃)環境下で12時間保持を1サイクルとして50サイクル)を行なった後、常温(25℃)の環境に12時間保持した赤外遮蔽フィルムについて、分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、赤外遮蔽フィルム試料の300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、近赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
なお、上記評価では結果の差をより明確にするために熱ショック試験下で可視光線透過率および近赤外線透過率の測定を行った。
評価結果を表1に示す。
表1において、下線および二重下線は「ほぼ同一のポリビニルアルコール(群)」を示す。
表1の結果より明らかなように、本発明の光学反射フィルムである試料1〜18は、比較例の光学反射フィルムである試料19〜21に比べ、近赤外遮断性および可視光透過性に優れることが分かる。また、本発明の光学反射フィルムは層間密着性も高いものとなっている。
また、屈折率層に金属酸化物粒子を含有する試料2〜18では、赤外線透過率がより低いものとなっている。同一のポリビニルアルコールが10質量%以上である試料3〜18では、層間密着性が高いものとなっている。高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度との差が、3mol%以上である試料4〜18では、フィルム特性(赤外透過率または可視光線透過率)がよりよいものとなっている。
高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度および低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度のうち、一方が90mol%以上であり、他方が75mol%以上90mol%以下である試料7〜12では、赤外線透過率がさらに一層低いものとなっており、さらに高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度が低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度よりも高い試料9〜12ではさらに赤外線透過率が向上している。また、「ほぼ同一のポリビニルアルコール」の含有量が高、低屈折率層双方とも20質量%以上である試料10〜18は層間密着性がより向上している。反射層が基材の両面に形成された試料18は赤外線透過率が低いものとなっている。
〔赤外遮蔽体の作製〕
前記作製した光学反射フィルム1〜18の光学反射フィルムを用いて赤外遮蔽体1〜18を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、光学反射フィルム1〜18をアクリル接着剤で接着して、それぞれ光学反射体1〜18を作製した。
〔評価〕
上記作製した光学反射体1〜18は、サイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の光学反射フィルムを利用することで、優れた光反射性を確認することができた。
本出願は、2012年11月8日に出願された日本特許出願番号2012−246423号および2013年1月28日に出願された日本特許出願番号2013−013764号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。

Claims (12)

  1. 基材上に、高屈折率層と低屈折率層とを積層したユニットを少なくとも1つ含む光学反射フィルムにおいて、
    前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも一方が2種以上の鹸化度の異なるポリビニルアルコールを含有し、
    前記高屈折率層および前記低屈折率層がほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコールを含有し、
    前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度とが、異なることを特徴とする光学反射フィルム。
  2. 前記高屈折率層および前記低屈折率層のうち少なくとも一方がさらに金属酸化物粒子を含有し、
    前記高屈折率層と前記低屈折率層との屈折率差が0.1以上である、請求項1に記載の光学反射フィルム。
  3. 前記ほぼ同一の鹸化度のポリビニルアルコールの含有量が各屈折率層のポリビニルアルコール全量に対して10質量%以上である、請求項1または2に記載の光学反射フィルム。
  4. 前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度との差が、3mol%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  5. 前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度との差が、5mol%以上である、請求項4に記載の光学反射フィルム。
  6. 前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度と、前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度との差が、8mol%以上である、請求項5に記載の光学反射フィルム。
  7. 前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度および前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度のうち、一方が90mol%以上であり、他方が75mol%以上90mol%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  8. 前記高屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度が前記低屈折率層に含まれるポリビニルアルコールの平均鹸化度よりも高い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  9. 前記ユニットが前記基材の両面に形成されてなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  10. 同時重層塗布により製造される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学反射フィルム。
  11. 請求項1〜10に記載の光学反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられた、光学反射体。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学反射フィルムの製造方法であって、
    基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを同時重層塗布したのち乾燥して、高屈折率層と低屈折率層とを含む光学反射フィルムを形成する工程を含む、光学反射フィルムの製造方法。
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