JPWO2014034848A1 - 被覆金属材料の非破壊診断方法 - Google Patents

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Abstract

所定の厚さEを有するポリマー組成物により被覆された金属材料、特に金属ワイヤ及び/又は金属ケーブルにおける酸化膜発生を、非破壊診断装置を用いて診断するための非破壊診断方法を提供する。非破壊診断装置は、所定の偏光方向を有しサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを発振する発振部と、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを検出する検出部とを含む光学系を有し、発振部は電磁波ビームを発振する光源として電子デバイスを有し、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数が0.05〜0.2THzの周波数であり、非破壊診断方法は、診断対象となる被覆された金属材料を提供するステップと、金属材料を、所定の偏光方向が金属材料が延びる方向と同じになるように発振部に対して配置するステップと、発振部から電磁波ビームを被覆された金属材料に照射するステップと、被覆された金属材料で反射された電磁波ビームの反射強度を検出部により検出するステップと、検出ステップにより検出された診断対象の金属材料からの電磁波ビームの反射強度を、診断対象の金属材料と同じ厚さEを有するポリマー組成物により被覆され且つその金属材料の酸化膜が問題となる量未満のものである、比較基準となる被覆された金属材料からの電磁波ビームの反射強度と比較するステップと、を有する。

Description

本発明は、被覆金属材料の診断方法に関し、詳しくは、サブテラヘルツ帯域の周波数の電磁波ビームの照射による、被覆金属材料の非破壊診断方法に関する。
ポリマー組成物により被覆された金属ワイヤ及び/又は金属ケーブルは、絶縁電線やエクストラドーズド橋の斜材、タイヤ等の補強目的(複数の金属コードや金属ケーブルからなる補強ベルト層等)で広く利用されているが、ポリマー組成物の被覆に入ったクラックや、金属ワイヤ/ケーブルの接続部等から水分が浸入することにより錆等の酸化膜が発生する。金属ワイヤ/ケーブルに発生した酸化膜は被覆との接着性を低下させ、また酸化膜が金属ワイヤ/ケーブルの内部へと進行することにより断線に至ることもある。
このような問題となる酸化膜の発生を診断する方法として、局所的に被覆を剥がし、露出させた金属ワイヤ/ケーブルを目視観察する方法がある。しかしながら、この方法では診断後被覆を復元する作業が必要となり手間が掛かる上、復元後に、元の性能を確保することが難しい。特にタイヤの内部補強部材として使用されている被覆金属ワイヤ/ケーブルをこの方法で診断しようとする場合、被覆金属ワイヤ/ケーブルをタイヤのトレッドなど他の部材から露出させる必要があるため、タイヤの内部補強部材として使用されている被覆金属ワイヤ/ケーブルをこの方法で診断することは現実的ではない。
一方、タイヤの外方に配置されてミリ波やテラヘルツ帯域からなる電磁波を照射する発振部と、タイヤの内方部に配置されてタイヤのゴム層を透過したミリ波等を受信する受信部と、受信したミリ波等の透過強度を基にタイヤの品質の良否を判断する制御装置により、非破壊でタイヤの品質、特に、ゴムの内部における空洞や異物の有無を診断するようにした技術が知られている(特許文献1)。
また、特許文献2には、1.3〜2.3THzの範囲から選んだ周波数の判定用遠赤外線と、ある周波数の更正用遠赤外線とを、各々、基準電線及び診断対象電線に照射し、その反射強度を比較することにより診断対象絶縁電線の酸化膜の発生状態を診断するようにした技術が開示されている。
特開2006−153789号公報 特開2010−164475号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、タイヤを透過したミリ波等の透過強度を基にタイヤ内の空洞や異物を検出してタイヤの良否判定を行うものであるが、ミリ波等は金属ワイヤ/ケーブルを透過することが出来ないため、ミリ波等の透過強度に基づいて金属ワイヤ/ケーブルに発生した酸化膜の検出することは難しい。また、金属ワイヤ/ケーブルに発生した酸化膜がタイヤを透過したミリ波等の透過強度に与える影響は微小であるため、透過強度の変化に基づいて酸化膜の発生を検出することが難しい。
これらの問題により、特許文献1に開示された技術を用いても、酸化膜の発生を正確に診断することが難しいという問題点がある。
また、特許文献2に開示された技術では、テラヘルツ帯域の特定の周波数を有する電磁波を照射するようにしており、このような周波数帯の電磁波を照射するための光源としてレーザー光源を用いている。しかしながら、レーザー光源からテラヘルツ帯域の電磁波を発生する発生効率は極めて低く、強力な励起レーザーが必要となるため安全性の観点から厳重な養生が必要となり、消費電力も大きくなる、という問題点がある。また一般的には固体レーザーが用いられるため装置が大型になってしまうという問題点がある。
そこで本発明は、上述した従来技術が抱える問題点を解決するためになされたものであり、ポリマー組成物により被覆された金属材料、特に金属ワイヤ及び/またはケーブルにおける、問題となるような酸化膜の発生の有無を簡便且つ確実に診断するための非破壊診断方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、
所定の厚さEを有するポリマー組成物により被覆された金属材料、特に金属ワイヤ及び/又は金属ケーブルにおける酸化膜発生を、非破壊診断装置を用いて診断するための非破壊診断方法であって、
前記非破壊診断装置は、所定の偏光方向を有しサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを発振する発振部と、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを検出する検出部とを含む光学系を有し、
前記発振部は、前記電磁波ビームを発振する光源として電子デバイスを有し、前記サブテラヘルツ帯域の所定の周波数が0.05〜0.2THzの周波数であり、
前記非破壊診断方法は、
診断対象となる被覆された金属材料を提供するステップと、
前記金属材料を、前記所定の偏光方向が該金属材料が延びる方向と同じになるように、前記発振部に対して配置するステップと、
前記発振部から前記電磁波ビームを前記被覆された金属材料に照射するステップと、
前記被覆された金属材料で反射された電磁波ビームの反射強度を前記検出部により検出するステップと、
前記検出ステップにより検出された診断対象の金属材料からの電磁波ビームの反射強度を、前記診断対象の金属材料と同じ厚さEを有するポリマー組成物により被覆され且つその金属材料の酸化膜が問題となる量未満のものである、比較基準となる被覆された金属材料からの電磁波ビームの反射強度と比較するステップと、を有する、
ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、発振部から発振される電磁波ビームを診断対象となる被覆された金属材料に照射し、被覆された金属材料で反射される電磁波ビームの反射強度を検出部により検出し、検出された被覆された金属材料の反射強度を、診断対象となる被覆された金属材料と同じ厚さEを有するポリマー組成物により被覆され且つその金属材料の酸化膜が問題となる量未満のものである、比較基準となる被覆された金属材料の反射強度とを比較しているので、診断対象となる所定の厚さEを有するポリマー組成物により被覆された金属材料、特に金属ワイヤ及び/またはケーブルにおける酸化膜の発生状況を、被覆及び金属材料をいずれも破壊することなく診断することができる。
即ち、酸化膜の発生した金属材料は電磁波ビームの反射強度が低下するので、診断対象とする被覆された金属材料の反射強度を、金属材料の酸化膜が問題となる量未満である比較基準となる被覆された金属材料の反射強度と比較することにより、診断対象となる金属材料の酸化膜発生状況を把握することが出来るのである。
特に、基準となる被覆された金属材料として、診断対象である被覆された金属材料と同じ厚さEを有するポリマー組成物により被覆され且つその金属材料の酸化膜が問題となる量未満であるものが用いられるので、問題となるような酸化膜の発生の有無を簡便且つ確実に診断することが出来る。
ここで、「金属材料の酸化膜が問題となる量未満」とは、酸化膜が発生していない、または、酸化膜が発生していたとしても、発生量がわずかであるためポリマー組成物との接着性に問題がなく、また、金属材料の表面にクラック等が発生していない量を意味する。
さらに本発明においては、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数を0.05〜0.2THzとした電磁波ビームを用いているので、ポリマー組成物により被覆された金属材料に発生した酸化膜を、より正確に検出する事が出来る。
すなわち、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数が0.05THzを下回ると、電磁波を照射する事により金属材料に発生する、いわゆる表皮効果が減少するため、金属材料表面の状態に鈍感になり、金属材料表面に発生した酸化膜の検出が難しくなる。また、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数が0.2THzを上回ると、電磁波ビームが金属材料を被覆するポリマー組成物により減衰されやすくなり、また、金属材料表面に発生した酸化膜による凹凸により光散乱の影響が過大となるため、金属材料表面に発生した酸化膜の検出が難しくなる。
さらに本発明の非破壊診断方法においては、電磁波ビームの光源として電子デバイスを用いているので、小さな出力で十分な強度の電磁波ビームを発生させる事が出来る。これにより、より安全に非破壊診断が可能となり、また、電源も小型のものが使用できるため消費電力も小さく抑えた非破壊診断が可能となる。そして、電子デバイスとして、特にダイオード等の固体電子デバイスを用いると、非破壊診断装置の小型化が可能となる。
さらに本発明の非破壊診断方法においては、電磁波ビームは所定の偏光方向を有し、非破壊診断方法は、さらに、この所定の偏光方向と、診断対象となる被覆された金属材料が延びる方向が同じになるように、診断対象となる被覆された金属材料を配置し及び/又は非破壊診断装置を設定するステップを有する。
これにより、電磁波ビームの所定の偏光方向(例えば、直線偏光の方向や楕円偏光の長軸方向)と、ポリマー組成物により被覆された金属材料が延びる方向とが同じになるようにしているので、金属材料表面に発生した酸化膜をより正確に検出することが出来る。ここで、例えば、電磁波ビームの直線偏光の方向や楕円偏光の長軸方向が、金属材料が延びる方向に対して相対的な角度を有している場合、その相対的な角度の分、金属材料からの電磁波ビームの反射強度が小さくなる。このような場合でも、酸化膜の検出は可能であるが、偏光方向と金属材料が延びる方向とを同じにすることで、より大きな(より効率よく)反射強度を得て、より正確な診断が可能になるのである。
本発明において、好ましくは、反射強度検出ステップは、前記非破壊診断装置と前記金属材料とを、前記金属材料の長手方向軸線を中心に相対回転させながら行われる。
このように構成された本発明においては、測定対象となるポリマー組成物により被覆された金属材料の全周面に電磁波ビームを照射することが可能となり、金属材料の表面に発生した酸化膜をより確実に検出する事が出来る。
本発明において、好ましくは、非破壊診断装置は、さらに、前記反射強度検出ステップは、前記非破壊診断装置と前記金属材料を相対的に平面移動させながら行われる。
このように構成された本発明においては、例えば、複数のコードやワイヤを備えたタイヤの補強用のベルト層などにおいて、個々の金属材料(金属コードや金属ケーブルなど)の表面に発生した酸化膜の診断の効率を向上させることが出来る。
本発明において、好ましくは、金属材料が、鉄、銅、アルミニウム、銀、白金、金、亜鉛、カドミウム、スズ、ニッケル、クロム、真鍮、青銅、コバルト、ベリリウム及びこれらの金属の合金からなる群から選ばれる。
本発明において、好ましくは、金属材料は、その金属材料とは異なる材料からなる金属コーティング層を有し、金属コーティング層を形成する金属が、白金、金、銀、銅、亜鉛、カドミウム、スズ、ニッケル、クロム、真鍮、青銅、亜鉛合金鋼、亜鉛-ニッケル合金、スズ-亜鉛合金、スズ-銀合金およびスズ-コバルト合金からなる群から選ばれる。
本発明において、好ましくは、被覆の厚さEは0.5mmと20mmの間である。
このように構成された本発明においては、ポリマー組成物により被覆された金属材料に発生した酸化膜をより確実に検出する事が出来る。すなわち、被覆の厚さEを0.5mmよりも小さくすると、金属材料表面に発生した酸化膜による凹凸により光散乱の影響が過大となるため、金属材料表面に発生した酸化膜の検出が難しくなる。一方、被覆の厚さEを20mmよりも大きくすると、被覆による電磁波ビームの減衰の影響が大きくなり、金属材料に発生した酸化膜の検出が難しくなってしまう。従って、被覆の厚さEを0.5mmと20mmの間とすれば、ポリマー組成物により被覆された金属材料に発生した酸化膜をより確実に検出することができる。
さらに好ましくは、被覆の厚さEは0.5mmと15mmの間である。
本発明において、好ましくは、ポリマー組成物のポリマーがゴム材料もしくはプラスティック材料である。
本発明において、好ましくは、金属材料はゴム材料に埋設されたワイヤ及び/またはケーブルである。
本発明において、好ましくは、金属材料はプラスティック材料に埋設されたワイヤ及び/またはケーブルである。
本発明において、好ましくは、ゴム材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルはタイヤ補強用またはタイヤ用半製品である。
本発明において、好ましくは、プラスティック材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルは電線用である。
本発明において、好ましくは、プラスティック材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルは橋梁補強用である。
本発明による非破壊診断方法によれば、ポリマー組成物により被覆された金属材料、特に金属ワイヤ及び/またはケーブルにおける酸化膜の発生を簡便且つ確実に診断ことが出来る。
本発明の第一実施形態による非破壊診断方法を実施するための装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の第二実施形態による非破壊診断方法を実施するための装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の第三実施形態による非破壊診断方法を実施するための装置の構成を概略的に示す図である。 反射強度と熟練検査員の目視点検による判定との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態による非破壊診断方法を実施するための装置の構成を概略的に示す図である。
装置(非破壊診断装置)1は、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを照射する発振部2と、発振部2から照射され、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された金属ワイヤ、金属ケーブル等の細長い金属材料72で反射された電磁波ビームを検出し、反射強度を測定する検出部3とを備えている。この装置はさらに、発振部2から照射されるサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを平行に(コリメート)させる、また集光させるレンズ4と、同じくサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを反射し、また集光させるミラー5a、5b、5cと、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された細長い金属材料72を長手方向軸線を中心に回転させる回転装置6とを備えている。ミラー5aは複数枚のハーフミラー等によって構成されたミラー組立体であり、5bは平面ミラーであり、5cは所定の曲率を有する放物面状のハーフミラーである。
発振部2から照射されたサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビーム(図1では、その電磁波ビームの経路のみを一点鎖線で示す)は、図1に示すように、レンズ4を通過する事で平行光とされ、ミラー5a、ミラー5bで反射された後、ハーフミラー5cを通過して測定対象7に照射される。測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された金属材料72で反射されたサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームは、ハーフミラー5cにより集光されたのち平行光としてミラー5b、5aで反射され、レンズ4により集光され検出部3へと投影され、検出部3で、検出される。また、測定対象7であるポリマー組成物により被覆された金属材料72を、測定中に回転装置6により長手方向軸線を中心に回転させることで、ポリマー組成物71により被覆された測定対象7である金属材料72の円周方向の全面にわたり酸化膜の発生の診断する事が可能となる。
非破壊診断装置1では、発振部2から照射される電磁波ビームの光源を電子デバイスとしており、非破壊診断装置1では、タンネットダイオード(TUNNETT)を用いている。このような電子デバイスを用いることで、装置を小型化することが可能となり、また小さな出力で十分な強度の電磁波ビームを発生する事が出来るため安全であり、電源も小型のものが使用できるため消費電力も小さく抑えることが出来る。
装置1では、図示しない判定装置により、このような発振部2から照射された電磁波ビームの強度と、金属材料72で反射された電磁波ビームの検出部3により検出された反射強度との違い(差)を検知/判定するようにしている。このような違いは、上述したように回転されるようになっている金属材料72の反射強度の円周方向にわたって検知/判定される。本実施形態において、検出部3は焦電型検出器(DTGS)である。
次に、本実施形態では発振部2から照射されるサブテラヘルツ帯域の電磁波ビームの所定の周波数を0.05〜0.2THzとしている。このような0.05〜0.2THzというサブテラヘルツ帯域の周波数を用いることで、例えば、テラヘルツ帯域など他の周波数帯の電磁波ビームを用いる場合に比べて、電磁波ビームの照射により金属材料に発生するいわゆる表皮効果が減少して、電磁波ビームの反射が金属材料表面の状態に鈍感になることを抑制することが出来る。また、電磁波ビームが金属材料を被覆するポリマー組成物により減衰されることも抑制することが出来る。さらに、金属材料表面に発生した酸化膜による凹凸による光散乱の影響が過大になることも抑制可能となる。従って、0.05〜0.2THzというサブテラヘルツ帯域の周波数を用いることで、ポリマー組成物により被覆された金属材料表面に発生した酸化膜を、より正確に検出する事が可能となる。また、本実施形態では、図示しない共振器矩形導波管又は偏光子により、電磁波ビームを直線偏光としており、その電磁波ビームの偏光方向が、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された細長い金属材料72が延びる方向(金属材料の軸線方向)と同じとなるように設定されている。なお、導波管などにより、楕円偏光を作り出すようにしても良く、この場合、直線偏光の場合と同様に、その楕円偏光の長軸方向が、金属材料72が延びる方向と同じとなるように設定される。
このように、電磁波ビームの直線偏光の方向や楕円偏光の長軸方向と、金属材料72が延びる方向とが同じになるようにしているので、金属材料表面に発生した酸化膜をより正確に検出することが出来る。ここで、例えば、電磁波ビームの直線偏光の方向や楕円偏光の長軸方向が、金属材料72が延びる方向に対して相対的な角度を有している場合、その相対的な角度の分、金属材料72からの電磁波ビームの反射強度が小さくなる。このような場合でも、酸化膜の検出は可能であるが、電磁波ビームの偏光方向と金属材料が延びる方向とを同じにすることで、より効率よく、酸化膜の診断が十分可能な程大きな反射強度を得て、より正確な診断が可能になる。
電磁波ビームの偏光方向は、より正確な酸化膜の診断を行うための大きな反射強度を得るためには重要である。電磁波ビームの偏光方向と金属材料が延びる方向とを同じにすることで、誘導高周波電流は金属材料が延びる方向に誘導され、電磁波ビームが金属材料間で干渉することを防止し、その結果、電磁波ビームの偏光方向が金属材料が延びる方向と異なる場合と比較して、より大きな反射強度を得て、より正確な診断を可能とするものである。
この診断装置1を使用して、ポリマー組成物71により被覆された金属材料72の表面の酸化膜発生を診断する本発明の実施形態の方法を説明する。まず、診断対象である、酸化膜が発生していると考えられる所定の厚さEを有するポリマー組成物により被覆された金属材料72と、この診断対象と比較する比較基準となる、酸化膜が発生していないもしくは酸化膜の発生が問題となる量未満である、同じ所定の厚さEを有するポリマー組成物により被覆された金属材料72と、を用意する。
ここで、「酸化膜の発生が問題となる量未満」の金属材料とは、当然に酸化膜が発生していないものも含むが、酸化膜が発生していたとしても、発生量がわずかであるためポリマー組成物との接着性に問題がなく、また、酸化膜の発生の影響により金属材料の表面にクラック等が発生していない金属材料を意味する。
次に、ポリマー組成物71により被覆された基準となる金属材料72を、上述した光学系1に配置し、発振部2から照射されるサブテラヘルツ帯域の0.05〜0.2THzの周波数の電磁波ビームを金属材料72に照射し、検出部3により、その金属材料72で反射される電磁波ビームの反射強度を測定し、ポリマー組成物により被覆された基準となる金属材料の反射強度を得る。
さらに、装置1を用いて、ポリマー組成物により被覆された診断対象である金属材料72にサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを照射し、その反射強度を、基準となる金属材料と同様の手順で測定する。
上述したように、本実施形態では、図示しない共振器矩形導波管又は偏光子により、電磁波ビームが直線偏光とされ、その電磁波ビームの偏光方向が、測定対象7である細長い金属材料72が延びる方向(金属材料の軸線方向)と同じとなるように設定されている。
本実施形態では、診断対象の細長い金属材料72は、長手方向軸線を中心に連続的または断続的に回転させられながら電磁波ビームを照射され、金属材料72で反射した電磁波ビームの反射強度が測定される。
診断対象の金属材料72の反射強度を、基準となる金属材料の反射強度と比較し、診断対象の金属材料における酸化膜の発生状態を診断する。一般に、反射強度が、基準の属材料の反射強度より小さければ、酸化膜が発生していると判定される。
なお、診断対象と比較する基準(比較基準)となる測定対象7の反射強度については、上述した方法と同一の条件下であれば、例えば、製品製造時に、予め、データを取得しても良い。この場合、比較基準となり得るデータが得られるのであれば、上述した装置1とは異なる他の装置(例えば、後述する第二実施形態で用いる装置など)を用いても良い。
本実施形態にかかる光学系の配置は、測定対象7で金属材料72から広範囲の角度で反射されるサブテラヘルツ帯域の電磁波ビームを、放物面状のミラー5cによって高効率に集光する事が可能であるため、特に円柱状の測定対象物を診断する場合に好適である。
発振部2の光源となる電子デバイスの種類は特に限定されないが、0.05〜0.2THzのサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを発生するものであればよく、例えばタンネットダイオード(TUNNETT)、ガンダイオード(GUNN)、インパットダイオード(IMPATT)などの固定電子デバイスや、進行波管などの電子デバイスを用いる事が出来る。また、これら電子デバイスは基本波発振である必要はなく、逓倍器等により上述したサブテラヘルツ帯域の所定の周波数を得るものでも良い。これら電子デバイスは、電源も小型のものが使用でき、例えば1〜2W程度の消費電力で十分な強度のサブテラヘルツ帯域の電磁波ビームを発生させる事が可能である。また、発振部2の光源である電子デバイス自体または電子デバイスの組込まれた発振部2全体を回転させることによっても、電磁波ビームの偏光方向を容易に変更する事が可能である。
また、検出部3に用いられる検出器の種類は特に限定されないが、常温動作の検出器である焦電型検出器(例えばTGS、DTGS)や半導体デバイス検出器(例えばSBD)などを用いる事が出来る。
次に、図2により、本発明の第二実施形態による非破壊診断方法を説明する。
図2は、本発明の第二実施形態による非破壊診断方法を実施するための装置の構成を概略的に示す図である。なお、この第二実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第一実施形態と同様であるので、ここでは、第一実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第一実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。なお、図2中、電磁波ビームの経路を一点鎖線で示し、電磁波ビームの拡がり、平行光、収束、集光などは、破線で示す。
図2に示すように、第二実施形態では、発振部2により照射された0.05〜0.2THzのサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームは、レンズ4により平行光とされたのち収束され、ポリマー組成物71により被覆された測定対象7の金属材料72に対して角度を持って照射される。金属材料72で反射されたサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームは、ミラー5により集光され、レンズ4によりさらに収束され検出部3へと投影される。
本実施形態においても、細長い金属材料72が延びる方向(金属材料の軸線方向)と同じ偏光方向を有する電磁波ビームが、診断対象の金属材料72に照射される。そして、診断対象の金属材料72で反射した電磁波ビームの反射強度が測定され、基準となる金属材料72の反射強度と比較される。
この第二実施形態では、二次元平面的に配置された測定対象7に対して角度を持って0.05〜0.2THzのサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを照射することで、測定対象7のより広い範囲に電磁波ビームを照射する事が可能となる。即ち、測定対象7から広範囲の角度で反射される反射光をミラー5により集光検出することができるため、測定対象7の金属材料72に発生した酸化膜を効率的に診断する事が出来る。本実施形態においては、電磁波ビームは、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された金属材料72に対して45°の角度を持って照射されるようにしている。
本実施形態でも、図示しない共振器矩形導波管又は偏光子により、電磁波ビームが直線偏光とされ、その電磁波ビームの偏光方向が、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された細長い金属材料72が延びる方向(金属材料の軸線方向)と同じとなるように設定されている。
本実施形態では、より広範な角度範囲で集光することにより検出感度を高めつつ、測定対象7の金属材料72で反射された電磁波ビームをレンズを通すことなくミラーにより集光させることで損失が発生しないことから、より感度の高い光学系とすることが可能となる。
なお、本実施形態の光学系に、その光学系(装置1)自体を回転させるための回転装置を追加して、測定対象7に対する電磁波ビームの照射角度を可変にしたり、測定対象7を所定の平面内で移動させるための平面移動装置を追加して測定対象7を可動にし、診断の効率を向上させることも可能である。また、例えば、比較的大きな寸法の診断対象7に対しては、光学系(装置1)自体を所定の平面内で移動させるための平面移動装置を追加して、光学系を平面移動させながら、診断対象7を測定するようにしても良い。なお、このような装置1や測定対象7の回転や平面移動に関しては、適宜、測定対象7の寸法等に応じて、装置1及び測定対象7の両方を回転及び平面移動させるようにしても良い。
また、本実施形態の発振部1の直後にあるレンズ4を、集光と収束の両方の役割を持たせたひとつのレンズと置換するなど、適宜変更することも可能である。
次に、図3により、本発明の第三実施形態による非破壊診断方法を説明する。
図3は、本発明の第三実施形態による非破壊診断方法を実施するための装置の構成を概略的に示す図である。なお、この第三実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第一実施形態と同様であるので、ここでは、第一実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第一実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。なお、図3中、電磁波ビームの経路を一点鎖線で示し、電磁波ビームの拡がり、平行光、収束、集光などは、破線で示す。
図3に示すように、第三実施形態では、発振部1より照射された0.05〜0.2THzのサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームはレンズ4により収束され、チョッパー8を通過したのちレンズ4により平行光とされ、ハーフミラーであるミラー5を通過しさらにレンズ4で収束され、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された金属材料72に照射される。金属材料72で反射されたサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームは、レンズ4で平行光とされたのちハーフミラーであるミラー5により反射され角度を変え、レンズ4により収束され検出部3へと投影される。
また、本実施形態では、平面移動装置9が設けられ、この平面移動装置9は、測定対象7を、その測定対象7の複数の金属材料72がそれぞれ延びる方向且つ並ぶ方向における平面上で移動させ、このように、装置1は、測定対象7の位置を可変とするよう構成されている。
本実施形態においても、細長い金属材料72が延びる方向(金属材料の軸線方向)と同じ偏光方向を有する電磁波ビームが、診断対象の金属材料72に照射される。そして、診断対象の金属材料72で反射した電磁波ビームの反射強度が測定され、基準となる金属材料72の反射強度と比較される。
この第三実施形態では、電磁波ビームの照射焦点位置と反射位置を同一光学軸上に配置することにより空間分解能の向上が可能となり、さらに電磁波ビームは測定対象7に対してほぼ垂直に照射されることにより、ビーム径の広がりによる空間分解能の低下を抑制する
ことが出来るため、より精度の高い診断が可能となる。本実施形態でも、図示しない共振器矩形導波管又は偏光子により、電磁波ビームが直線偏光とされ、その電磁波ビームの偏光方向が、測定対象7であるポリマー組成物71により被覆された細長い金属材料72が延びる方向(金属材料の軸線方向)と同じとなるように設定されている。
また、本実施形態では、光学系にチョッパー8を追加する事により、より精度の高い診断を可能とする光学系となっている。ここで、サブテラヘルツ波は室温程度の熱源、例えば人体や室温にある周囲の壁などからも直流的かつほぼ一定に常時発生している。本実施形態では、チョッパー8により、測定のための目的とする周波数帯域の電磁波ビームを交流的な断続するサブテラヘルツ波として選択的に検出することで、そのような外界に存在する雑音的なサブテラヘルツ波を除外するようにしており、これにより、目的とする周波数帯のサブテラヘルツ波を高感度に測定する事が可能となる。なお、チョッパー8は、機械的に断続する構成、電気的に光源を変調する構成など、任意に選択する事が出来る。このようなチョッパーは、他の実施形態においても必要に応じて追加する事が可能である。
なお、上述した第二実施形態では、金属材料に照射する電磁波ビームを直線偏光としているが、本実施形態においては、発振部2により発振される電磁波ビームの偏光状態は、円偏光、楕円偏光、直線偏光など、特定の偏光に限定されない。上述した第一実施形態も同様である。
ここで、一般的には、円偏光、楕円偏光、直線偏光などを有する電磁波ビームは、金属材料に照射されると、所定条件のもと、その金属材料が偏光子として機能し得ることが確認されており、本実施形態では、検出部3では、特にこの直線偏光とされた電磁波ビームを検出するようにしている。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について記述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
次に、本発明の方法の有効性を確かめる実験例について説明する。まず、電線試料(被覆電線)を用い、図1に示した診断装置を使用して、内部ケーブルの診断に関する実験を行った。
まず、直径13mmの銅撚り線(撚り本数12本、コーティングなし)を、厚さ1.0mmのポリマー組成物(ポリエチレン)により絶縁被覆した絶縁電線の現場撤去品を6サンプル用意し、ポリマー組成物である絶縁被覆を部分的に除去して熟練検査員による目視点検を行った。この目視点検により、3段階、すなわち酸化膜の発生が認識できない「変色なし」、通常の使用状態での許容範囲内での酸化膜の発生が認められる「変色小」、通常の使用状態での許容範囲を超えた酸化膜の発生が認められる「変色大」とに分類し、「変色なし」と認められたサンプルのうちの一つを基準サンプルとした。
次に、各サンプルの絶縁被覆が除去されていない部分に対して、図1に示した診断装置を使用してサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを照射してその反射強度を測定し、基準サンプルを基準として各サンプルの電磁波ビームの反射強度を比較する段階に供した。各サンプルに対する測定は、回転系を利用して電線試料を0°〜355°まで5°刻みで回転させて反射強度を測定し、反射強度の積分値である反射積分強度を比較した。
診断装置の発振部には0.13THzタンネット(TUNNETT)を、また検出部には焦電型検出器(DTGS)を用いている。
図4は、各サンプルに対して電磁波ビームを照射して反射強度を測定して反射積分強度を求め、基準サンプルの反射積分強度を100とした場合の各サンプルの反射積分強度と、熟練検査員の目視点検による判定との関係を示すグラフである。数値が大きいほど反射強度が強い事を表している。
図4に示される如く、実施例による非破壊診断方法によれば、所定の厚さを有するポリマー組成物により被覆された金属材料の酸化膜発生を診断しうる事が確認できる。
次に、タイヤ試料を用い、図2に示した診断装置を使用して、内部ケーブルの診断に関する実験を行った。
205/65R15サイズのタイヤを用い、タイヤ内部の補強材料(ベルト層)として使用されている、ポリマー組成物(ゴム材料)により被覆され、真鍮によるコーティングのなされた直径0.3mmの素線を4本撚りした鉄製の金属ケーブルに、酸化膜が発生していないと推測される新品タイヤのトレッド部を切り出した基準サンプルと、同じサイズの同じモデルのタイヤで、酸化膜が発生している事が推測される使用済みタイヤのトレッド部を切り出した劣化サンプルとを用意した。なお、これらのサンプルは、後述する測定後に被覆を除去し、熟練検査員の目視点検により、基準サンプルには酸化膜の発生が認識できず、劣化サンプルには許容範囲を超えた酸化膜の発生が認められることを確認している。
劣化サンプルは使用済みタイヤから切り出されているため、トレッド部の高さが新品タイヤから切り出された基準サンプルと異なることから、基準サンプルのトレッド部高さが劣化サンプルと同様となるよう揃え、図2に示した診断装置を使用してサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを、偏光方向が金属ケーブルが延びる方向と同じになるように照射してその反射強度を測定し、基準サンプルを基準として劣化サンプルの電磁波ビームの反射強度を比較する段階に供した。測定は被覆厚さの異なるトレッド部及び溝部とで行われ、両サンプルのトレッド部から金属材料までの厚さは8.5mm(基準サンプルの調整前の厚さは10.5mm)、溝部での厚さは3.0mmである。
診断装置の発振部には0.118THzのタンネット(TUNNETT)を、また検出部には焦電型検出器(DTGS)を用いている。
表1は、基準サンプルと劣化サンプルの反射強度の違いの一例を示す表であり、両サンプルに対してトレッド部と溝部それぞれに対して電磁波ビームを照射して反射強度を測定し、基準サンプルの反射強度を100とした場合の劣化サンプルの反射強度を示す表である。数値が大きいほど反射強度が強い事を表している。
Figure 2014034848
表1に示される如く、実施例による非破壊診断方法によれば、所定の厚さを有するポリマー組成物により被覆された金属材料の酸化膜発生を診断しうる事が確認できる。
1 光学系、非破壊診断装置
2 発振部
3 検出部
4 レンズ
5 ミラー、ハーフミラー
6 回転装置
7 測定対象、診断対象
71 被覆であるポリマー組成物
72 金属材料、金属ワイヤ、金属ケーブル
8 チョッパー
9 平面移動装置

Claims (13)

  1. 所定の厚さEを有するポリマー組成物により被覆された金属材料、特に金属ワイヤ及び/又は金属ケーブルにおける酸化膜発生を、非破壊診断装置を用いて診断するための非破壊診断方法であって、
    前記非破壊診断装置は、所定の偏光方向を有しサブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを発振する発振部と、サブテラヘルツ帯域の所定の周波数の電磁波ビームを検出する検出部とを含む光学系を有し、
    前記発振部は、前記電磁波ビームを発振する光源として電子デバイスを有し、前記サブテラヘルツ帯域の所定の周波数が0.05〜0.2THzの周波数であり、
    前記非破壊診断方法は、
    診断対象となる被覆された金属材料を提供するステップと、
    前記金属材料を、前記所定の偏光方向が該金属材料が延びる方向と同じになるように、前記発振部に対して配置するステップと、
    前記発振部から前記電磁波ビームを前記被覆された金属材料に照射するステップと、
    前記被覆された金属材料で反射された電磁波ビームの反射強度を前記検出部により検出するステップと、
    前記検出ステップにより検出された診断対象の金属材料からの電磁波ビームの反射強度を、前記診断対象の金属材料と同じ厚さEを有するポリマー組成物により被覆され且つその金属材料の酸化膜が問題となる量未満のものである、比較基準となる被覆された金属材料からの電磁波ビームの反射強度と比較するステップと、を有する、
    ことを特徴とする非破壊診断方法。
  2. 前記反射強度検出ステップは、前記非破壊診断装置と前記金属材料とを、前記金属材料の長手方向軸線を中心に相対回転させながら行われる、請求項1に記載の非破壊診断方法。
  3. 前記反射強度検出ステップは、前記非破壊診断装置と前記金属材料を相対的に平面移動させながら行われる、請求項1または2に記載の非破壊診断方法。
  4. 前記金属材料が、鉄、銅、アルミニウム、銀、白金、金、亜鉛、カドミウム、スズ、ニッケル、クロム、真鍮、青銅、コバルト、ベリリウム及びこれらの金属の合金からなる群から選ばれる請求項1及至3の何れか1項に記載の非破壊診断方法。
  5. 前記金属材料は、その金属材料とは異なる材料からなる金属コーティング層を有し、前記金属コーティング層を形成する金属が、白金、金、銀、銅、亜鉛、カドミウム、スズ、ニッケル、クロム、真鍮、青銅、亜鉛合金鋼、亜鉛-ニッケル合金、スズ-亜鉛合金、スズ-銀合金およびスズ-コバルト合金からなる群から選ばれる請求項1及至4の何れか1項に記載の非破壊診断方法。
  6. 前記ポリマー組成物の被覆の厚さEが0.5mmと20mmの間である請求項1及至5の何れか1項に記載の非破壊診断方法。
  7. 前記ポリマー組成物の被覆の厚さEが0.5mmと15mmの間である請求項6に記載の非破壊診断方法。
  8. 前記ポリマー組成物のポリマーがゴム材料もしくはプラスティック材料である請求項1及至7の何れか1項に記載の非破壊診断方法。
  9. 前記金属材料はゴム材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルである請求項1及至8の何れか1項に記載の非破壊診断方法。
  10. 前記金属材料はプラスティック材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルである請求項1及至8の何れか1項に記載の非破壊診断方法。
  11. 前記ゴム材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルはタイヤ補強用またはタイヤ用半製品である請求項9に記載の非破壊診断方法。
  12. 前記プラスティック材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルは電線用である請求項10に記載の非破壊診断方法。
  13. 前記プラスティック材料に埋設されたワイヤおよび/またはケーブルは橋梁補強用である請求項10に記載の非破壊診断方法。
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