JPWO2013118534A1 - プリフォームおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
複数の強化繊維基材の積層構成を有し、加圧を介して層間に介在されたバインダーで強化繊維基材同士が固着されたプリフォームにおいて、プリフォーム周縁部のバインダーによる固着力の平均値の方が、その他のプリフォーム部分のバインダーによる固着力の平均値よりも高いことを特徴とするプリフォーム、およびその製造方法。FRP成形品の設計要求に関わらず、周囲部が十分に固着され、解れが防止された、取扱い性に優れたプリフォームを得ることができ、その所望形状に維持されたプリフォームを用いて高品質のFRP成形品を成形することが可能になる。
Description
本発明は、繊維強化プラスチック(以下、FRPと略称することもある。)の成形に用いられる強化繊維基材のプリフォームおよびその製造方法に関する。
生産性に優れたFRPの成形方法として、RTM法(Resin Transfer Molding)等の樹脂注入成形法が知られている。この成形方法では、マトリックス樹脂が含浸されていない(ドライな)強化繊維基材、とくに強化繊維基材の積層体を成形型内に配置し、マトリックス樹脂を注入して強化繊維基材内に含浸させ、マトリックス樹脂を硬化させてFRPを成形する。強化繊維基材の積層体は、予め最終成形品に近い所定形状のプリフォームに賦形されて、型内に配置されることが多い。
強化繊維基材の積層体からなるプリフォームを所定形状に維持するために、積層される強化繊維基材間に樹脂材料、とくに熱可塑性樹脂材料を付与して基材同士を接着する、とくに加熱および加圧して接着固定するプリフォームの製造方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。また、プリフォームをより高精度で所定形状に賦形するために、下型上に配置した強化繊維基材の積層体を分割上型で順次賦形するプリフォームの製造方法も知られている(例えば、特許文献3)。
このような強化繊維基材の積層体を固着一体化させたFRPの中間製品であるプリフォームには、次のようなことが要求される。すなわち、各強化繊維基材が解れることなくプリフォームを取り扱えるように、プリフォーム全体として十分な固着力があること、および、固着一体化されたプリフォームが、最終FRP成形品の品質に影響を及ぼさない、プリフォームとしての形状品質を備えていること、が要求される。
上記のような要求を満たすために、従来技術として、例えば上述のようなRTM法に用いる強化繊維基材の積層体からなるプリフォームを所定形状に賦形するに際し、積層強化繊維基材間に接着用樹脂材料を付与しておき、基材積層体全体を真空バッグし、十分な圧力をかけた状態(例えば、全体に大気圧をかけた状態)で加熱し、基材間に介在された樹脂材料を用いてプリフォーム全体を固着させる方法がある。
しかし、このような従来方法においては、次のような問題点が生じるおそれがある。
すなわち、とくに低繊維体積含有率(低Vf)の設計要求のFRP成形品において、プリフォーム賦形時にプリフォーム全体に均一に大気圧をかけてしまうと、プリフォーム厚みが薄くなり過ぎてしまい、成形品品質に影響する樹脂リッチを発生させる原因となってしまうおそれがある。逆に、プリフォーム賦形時の圧力を弱く制御すると、積層強化繊維基材間に十分に高い固着力が得られず、プリフォーム取扱い時等に強化繊維基材に解れが生じ、プリフォームを所望形状に維持できないおそれがある。
すなわち、とくに低繊維体積含有率(低Vf)の設計要求のFRP成形品において、プリフォーム賦形時にプリフォーム全体に均一に大気圧をかけてしまうと、プリフォーム厚みが薄くなり過ぎてしまい、成形品品質に影響する樹脂リッチを発生させる原因となってしまうおそれがある。逆に、プリフォーム賦形時の圧力を弱く制御すると、積層強化繊維基材間に十分に高い固着力が得られず、プリフォーム取扱い時等に強化繊維基材に解れが生じ、プリフォームを所望形状に維持できないおそれがある。
そこで本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、FRP成形品の設計要求に関わらず、十分に固着された、所望形状への維持が可能なプリフォームと、その製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るプリフォームは、複数の強化繊維基材の積層構成を有し、加圧を介して層間に介在されたバインダーで強化繊維基材同士が固着されたプリフォームにおいて、プリフォーム周縁部の前記バインダーによる固着力の平均値の方が、その他のプリフォーム部分の前記バインダーによる固着力の平均値よりも高いことを特徴とするものからなる。
このような本発明に係るプリフォームにおいては、強化繊維基材の積層体からなるプリフォームの周縁部が連続的に、もしくは部分的に、十分に高い固着力をもって固着されているので、従来解れが生じやすかった強化繊維基材の端部での解れが効率よく抑制あるいは防止され、解れを発生させることなく容易にプリフォームを取り扱えるようになる。そして、その他のプリフォーム部分、つまり、上記周縁部以外のプリフォーム中央部分の固着力は周縁部に比べ相対的に低くてもよいので、換言すれば、プリフォーム全体の大部分を占めるこのプリフォーム中央部分の固着力は低くてもよいので、プリフォームの賦形に際してこの部分に高い圧力をかける必要が無くなり、高圧力負荷によりこの部分が薄くなり過ぎるおそれが無くなって、FRP成形品の成形に際してこの部分に樹脂リッチが発生することが防止され、所望の成形品品質を達成することが可能になる。その結果、低Vf設計等のFRP成形品の設計要求に関わらず、プリフォーム段階での取扱い性の向上、FRP成形品段階での品質の向上の両方が達成可能となる。
上記本発明に係るプリフォームにおいて、上記プリフォーム周縁部の上記バインダーによるより高い固着力を実現するためには、上記プリフォーム周縁部が、その他のプリフォーム部分よりも高い圧力で加圧されていることが好ましい。すなわち、プリフォームの周縁部のみが相対的により高い加圧力をもって賦形されており、周縁部以外のプリフォーム中央部分は相対的により低い加圧力をもって賦形されていることが好ましい。プリフォームの周縁部のみが高い加圧力をもって賦形されていることにより、この部分に十分に高い固着力が発現され、従来解れが生じやすかったこの部分での解れが効率よく抑制あるいは防止され、解れを発生させることなく容易にプリフォームを取り扱えるようになる。そして、プリフォーム全体の大部分を占めるプリフォーム中央部分が低い加圧力をもって賦形されていることにより、高圧力負荷によりこの部分が薄くなり過ぎるおそれが無くなって、FRP成形品の成形に際してこの部分に樹脂リッチが発生することが防止され、所望の成形品品質を達成することが可能になる。
また、上記加圧力の相対的な高低とともに、あるいはそれとは別に、上記プリフォーム周縁部が、その他のプリフォーム部分よりも高い温度で加圧されていることも好ましい。すなわち、プリフォームの周縁部のみが相対的により高い温度で賦形されており、周縁部以外のプリフォーム中央部分は相対的により低い温度で賦形されていることが好ましい。プリフォームの周縁部のみが高い温度をもって賦形されていることにより、この部分において上記バインダーが十分に広がって十分に高い固着力が発現された状態が現出されており、従来解れが生じやすかったこの部分での解れが効率よく抑制あるいは防止され、解れを発生させることなく容易にプリフォームを取り扱えるようになる。
また、上記プリフォーム周縁部の方が、その他のプリフォーム部分よりも繊維体積含有率(Vf)が高いことも好ましい。上述の如く、従来このプリフォーム周縁部では解れがより生じやすかったので、この部分のみより高Vfとすることで、強化繊維同士の絡まり度合がより強くなり、解れがより効果的に抑制あるいは防止され、解れを発生させることなく容易にプリフォームを取り扱えるようになる。上述の加圧力の相対的な高低によっても、例えば加圧前の初期状態が同じであれば、プリフォーム周縁部がより高い加圧力をもって賦形されることにより、このプリフォーム周縁部の相対的な高Vf化が達成される。そして、プリフォーム全体の大部分を占めるプリフォーム中央部分は相対的に低いVfとされることになるが、この相対的な低Vf化も、上述の加圧力の相対的な高低によって達成可能である。その場合、上述したように、結果的にこのプリフォーム中央部分が高圧力負荷により薄くなり過ぎるおそれが無くなって、FRP成形品の成形に際してこの部分に樹脂リッチが発生することが防止され、所望の成形品品質を達成することが可能になる。
また、本発明に係るプリフォームにおいては、上記プリフォーム周縁部の方が、その他のプリフォーム部分よりもバインダーの目付が多いことも好ましい。バインダーの目付が多いと、強化繊維基材同士の単位接着面積当たりの接着力(固着力)を高くすることが可能になり、従来解れが生じやすかったこの部分における解れの発生が効率よく抑制あるいは防止され、解れを発生させることなく容易にプリフォームを取り扱えるようになる。そして、その他のプリフォーム部分、つまり、上記周縁部以外のプリフォーム中央部分でのバインダー目付は周縁部に比べ相対的に低くてもよいので、換言すれば、プリフォーム全体の大部分を占めるこのプリフォーム中央部分のバインダー目付は相対的に低くてもよいので、バインダーの使用量を必要最小限に抑えつつ、解れの発生のない取扱い性に優れたプリフォームが実現可能となり、生産性の面からもより好ましい形態を実現できる。このバインダーは、主としてプリフォーム段階における形態保持のために使用されるものであり、最終FRP成形品のマトリックス樹脂を構成するものではないから、最終FRP成形品の品質上、その使用量を必要最小限に抑えておくことが望ましい。
また、本発明に係るプリフォームにおいては、上記プリフォーム周縁部の方が、その他のプリフォーム部分よりもバインダーによる平面接着密度が高いことも好ましい。ここで、平面接着密度とは、平面的に見た場合のプリフォーム単位面積に対する強化繊維基材同士がバインダーにより接着されている面積の割合のことを言う。したがって、この平面接着密度は、上述のバインダーの目付、前述の賦形の際の加圧力の影響も受けることになる。バインダーによる平面接着密度が高い方が、より高い固着力が得られやすくなるので、この平面接着密度に所定の高低関係を持たせることで、本発明におけるプリフォーム周縁部とその他のプリフォーム部分とのバインダーによる固着力の高低関係をより実現しやすくなる。
また、本発明に係るプリフォームにおいては、上記バインダーが強化繊維基材1枚に対し1〜15重量%の範囲で付与されていることが好ましい。バインダー付与量が1重量%未満では、バインダーによる基材同士の接着力が低いため、本発明で目標としている十分に高い固着力が得られにくい。バインダー付与量が15重量%を超えると、プリフォーム段階における十分に高い固着力は得られるものの、最終FRP成形品に対してはマトリックス樹脂を構成しないバインダーの使用量が不必要に多くなりすぎるおそれがあり、製造コストや生産効率上、さらには最終FRP成形品の品質上、その使用量を必要最小限に抑えるために、バインダー付与量を上記範囲内とすることが望ましい。
上記バインダーとしては、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料からなるものが好ましい。ここで、「主成分とする」とは、樹脂材料の50重量%を超える成分、好ましくは60〜100重量%の成分が熱可塑性樹脂からなる状態を指す。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリビニルホルマール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびフェノキシから選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。中でも、ポリアミド、ポリビニルホルマール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種の化合物がとりわけ好ましい。
また、上記強化繊維基材における強化繊維としては、とくに限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等、さらにはこれらを組み合わせた強化繊維等の使用が可能であるが、とくに、炭素繊維を含むものであることが好ましい。炭素繊維を使用することにより、成形品の高い強度、弾性を確保することが可能であるが、炭素繊維は繊維自体の剛性が高く、他の強化繊維よりも解れやすいため、とくに強化繊維基材が炭素繊維を含む場合に本発明は有効である。
また、本発明における強化繊維基材としては、例えば3000本以上の炭素繊維からなる炭素繊維束を用いた基材の使用が好ましい。このような炭素繊維基材は、賦形後のプリフォーム全体の形状を維持しやすいとともに、FRP成形品の高い強度、剛性が得られやすい。
本発明に係るプリフォームの製造方法は、複数の強化繊維基材を積層し、加圧を介して層間に介在させたバインダーで強化繊維基材同士を固着しつつ全体を所定の形状に賦形するプリフォームの製造方法において、プリフォーム周縁部の前記バインダーによる固着力の平均値を、その他のプリフォーム部分の前記バインダーによる固着力の平均値よりも高くすることを特徴とする方法からなる。
この本発明に係るプリフォームの製造方法においても、上記プリフォーム周縁部を、その他のプリフォーム部分よりも高い圧力で加圧することが好ましい。
また、上記プリフォーム周縁部を、その他のプリフォーム部分よりも高い温度で加圧することも好ましい。
また、上記加圧後において、上記プリフォーム周縁部の繊維体積含有率を、その他のプリフォーム部分の繊維体積含有率よりも高くすることも好ましい。
また、上記加圧前において、上記プリフォーム周縁部の方を、その他のプリフォーム部分よりもバインダーの目付を多くすることも好ましい。
また、上記加圧後において、上記プリフォーム周縁部の方を、その他のプリフォーム部分よりもバインダーによる平面接着密度を高くすることも好ましい。
また、上記加圧前において、上記バインダーを強化繊維基材1枚に対し1〜15重量%の範囲で付与しておくことが好ましい。
また、上記バインダーとしては、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料を用いることが好ましい。
また、上記強化繊維基材の強化繊維としては、炭素繊維を用いることが好ましい。
また、上記強化繊維基材としては、3000本以上の炭素繊維からなる炭素繊維束を用いた基材を用いることが好ましい。
このような本発明に係るプリフォームの製造方法においては、上記複数の強化繊維基材をプリフォーム全体にわたって一様な積層形態で積層し、加圧を介して層間に介在させたバインダーで強化繊維基材同士を固着しつつ全体を所定の形状に賦形することにより、上述のいずれかの方法を実現することができる。
このように、本発明に係るプリフォームおよびその製造方法によれば、FRP成形品の設計要求に関わらず、周囲部が十分に固着され、解れが防止された、取扱い性に優れたプリフォームを得ることができ、その所望形状に維持されたプリフォームを用いて高品質のFRP成形品を成形することが可能になる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施態様に係るプリフォームの概略構成を示している。図において、1は、図1に示すような平面形状を有し、図2に示すような縦断面形状を有するプリフォームを示している。このプリフォーム1は、例えば図3に示すように、複数の強化繊維基材3の積層構成を有し、加圧を介して層間に介在されたバインダー4で強化繊維基材3同士が固着されたものからなる。複数の強化繊維基材3は、例えば前述の如く、炭素繊維を含むものからなり、バインダー4は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料からなり、1枚の強化繊維基材3に対し、1〜15重量%の範囲で付与されている。
図1〜図3は、本発明の一実施態様に係るプリフォームの概略構成を示している。図において、1は、図1に示すような平面形状を有し、図2に示すような縦断面形状を有するプリフォームを示している。このプリフォーム1は、例えば図3に示すように、複数の強化繊維基材3の積層構成を有し、加圧を介して層間に介在されたバインダー4で強化繊維基材3同士が固着されたものからなる。複数の強化繊維基材3は、例えば前述の如く、炭素繊維を含むものからなり、バインダー4は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料からなり、1枚の強化繊維基材3に対し、1〜15重量%の範囲で付与されている。
そして、例えば複数の強化繊維基材3がプリフォーム全体にわたって一様な積層形態で積層された積層体が、図1および図2に示すような形状を有する上記プリフォーム1に賦形される際に、プリフォーム周縁部2のバインダー4による固着力の平均値の方が、その他のプリフォーム部分(例えば、プリフォーム周縁部2で囲まれたプリフォーム中央部分)のバインダー4による固着力の平均値よりも高くなるように賦形されている。
上記のバインダー4による固着力の相対的な高低を実現するために、前述したような種々の手法を採用できる。すなわち、プリフォーム周縁部2を、その他のプリフォーム部分よりも高い圧力で加圧する手法、プリフォーム周縁部2を、その他のプリフォーム部分よりも高い温度で加圧する手法、プリフォーム周縁部2の繊維体積含有率(Vf)を、その他のプリフォーム部分の繊維体積含有率(Vf)よりも高くする手法、プリフォーム周縁部2の方を、その他のプリフォーム部分よりもバインダー4の目付を多くする手法、プリフォーム周縁部2の方を、その他のプリフォーム部分よりもバインダー4による平面接着密度を高くする手法、を組み合わせて、あるいは単独で、採用できる。
このようにプリフォーム周縁部2のバインダー4による固着力を、その他のプリフォーム部分(例えば、プリフォーム周縁部2で囲まれたプリフォーム中央部分)のバインダー4による固着力よりも高くすることにより、低Vf設計等のFRP成形品の設計要求に関わらず、プリフォーム段階での取扱い性の向上、FRP成形品段階での品質の向上(樹脂リッチの発生防止等)の両方が達成可能となる。
本発明に係るプリフォームおよびその製造方法は、実質的にあらゆるプリフォームの製造に適用でき、とくに、炭素繊維を用いたプリフォームの製造に好適なものである。
1 プリフォーム
2 プリフォーム周縁部
3 強化繊維基材
4 バインダー
2 プリフォーム周縁部
3 強化繊維基材
4 バインダー
Claims (21)
- 複数の強化繊維基材の積層構成を有し、加圧を介して層間に介在されたバインダーで強化繊維基材同士が固着されたプリフォームにおいて、プリフォーム周縁部の前記バインダーによる固着力の平均値の方が、その他のプリフォーム部分の前記バインダーによる固着力の平均値よりも高いことを特徴とするプリフォーム。
- 前記プリフォーム周縁部が、前記その他のプリフォーム部分よりも高い圧力で加圧されている、請求項1に記載のプリフォーム。
- 前記プリフォーム周縁部が、前記その他のプリフォーム部分よりも高い温度で加圧されている、請求項1または2に記載のプリフォーム。
- 前記プリフォーム周縁部の方が、前記その他のプリフォーム部分よりも繊維体積含有率が高い、請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォーム。
- 前記プリフォーム周縁部の方が、前記その他のプリフォーム部分よりも前記バインダーの目付が多い、請求項1〜4のいずれかに記載のプリフォーム。
- 前記プリフォーム周縁部の方が、前記その他のプリフォーム部分よりも前記バインダーによる平面接着密度が高い、請求項1〜5のいずれかに記載のプリフォーム。
- 前記バインダーが前記強化繊維基材1枚に対し1〜15重量%の範囲で付与されている、請求項1〜6のいずれかに記載のプリフォーム。
- 前記バインダーが、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料からなる、請求項1〜7のいずれかに記載のプリフォーム。
- 前記強化繊維基材が強化繊維として炭素繊維を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のプリフォーム。
- 前記強化繊維基材が、3000本以上の炭素繊維からなる炭素繊維束を用いた基材からなる、請求項1〜9のいずれかに記載のプリフォーム。
- 複数の強化繊維基材を積層し、加圧を介して層間に介在させたバインダーで強化繊維基材同士を固着しつつ全体を所定の形状に賦形するプリフォームの製造方法において、プリフォーム周縁部の前記バインダーによる固着力の平均値を、その他のプリフォーム部分の前記バインダーによる固着力の平均値よりも高くすることを特徴とするプリフォームの製造方法。
- 前記プリフォーム周縁部を、前記その他のプリフォーム部分よりも高い圧力で加圧する、請求項11に記載のプリフォームの製造方法。
- 前記プリフォーム周縁部を、前記その他のプリフォーム部分よりも高い温度で加圧する、請求項11または12に記載のプリフォームの製造方法。
- 前記加圧後において、前記プリフォーム周縁部の繊維体積含有率を、前記その他のプリフォーム部分の繊維体積含有率よりも高くする、請求項11〜13のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記加圧前において、前記プリフォーム周縁部の方を、前記その他のプリフォーム部分よりも前記バインダーの目付を多くする、請求項11〜14のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記加圧後において、前記プリフォーム周縁部の方を、前記その他のプリフォーム部分よりも前記バインダーによる平面接着密度を高くする、請求項11〜15のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記加圧前において、前記バインダーを前記強化繊維基材1枚に対し1〜15重量%の範囲で付与する、請求項11〜16のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記バインダーとして、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料を用いる、請求項11〜17のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記強化繊維基材の強化繊維として炭素繊維を用いる、請求項11〜18のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記強化繊維基材として、3000本以上の炭素繊維からなる炭素繊維束を用いた基材を用いる、請求項11〜19のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
- 前記複数の強化繊維基材をプリフォーム全体にわたって一様な積層形態で積層し、加圧を介して層間に介在させたバインダーで強化繊維基材同士を固着しつつ全体を所定の形状に賦形する、請求項11〜20のいずれかに記載のプリフォームの製造方法。
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