JPWO2013065645A1 - 放射線画像撮影装置、プログラムおよび放射線画像撮影方法 - Google Patents

放射線画像撮影装置、プログラムおよび放射線画像撮影方法 Download PDF

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Abstract

放射線の照射状態を高精度で検出することができる放射線画像撮影装置、プログラムおよび放射線画像撮影方法を提供する。
第1のTFT基板を用いて静止画撮影を行う場合に、動画撮影用に設けられた第2のTFT基板によって読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する。

Description

本発明は、放射線画像撮影装置、プログラムおよび放射線画像撮影方法に関し、特に、被写体を透過した放射線により示される放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置、プログラムおよび放射線画像撮影方法に関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、X線等の放射線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器が実用化されている。この放射線検出器を用いた放射線画像撮影装置は、従来のX線フイルムやイメージングプレートを用いた放射線画像撮影装置に比べて、即時に画像を確認でき、連続的に放射線画像の撮影を行う透視撮影(動画撮影)も行うことができるといったメリットがある。
この種の放射線検出器は、種々のタイプのものが提案されており、例えば、放射線を一度CsI:Tl、GOS(GdS:Tb)などのシンチレータで光に変換し、変換した光をフォトダイオードなどのセンサ部で電荷に変換して蓄積する間接変換方式がある。放射線画像撮影装置では、放射線検出器に蓄積された電荷を電気信号として読み出し、読み出した電気信号をアンプで増幅した後にA/D(アナログ/デジタル)変換部でデジタルデータに変換している。
ところで、この種の放射線画像撮影装置では、当該放射線画像撮影装置自身によって放射線の照射開始や照射停止、照射量等の照射状態を検出することができれば、放射線画像撮影装置および放射線源等を統括的に制御する撮影制御装置と放射線源との接続を行う必要がなくなるため、システム構成を簡略化したり、撮影制御装置による制御を簡略化したりするうえで好ましい。
この種の放射線の照射状態を検出することのできる放射線画像撮影装置に関する技術として、特許第4217443号公報には、入射する放射線を可視光に変換する蛍光体と、前記可視光を電気信号に変換する第1の光電変換素子と該第1の光電変換素子からの電気信号の出力動作を切り換えるスイッチング素子とを含む画素を基板上に複数有してなる画素エリアを含み、前記第1の光電変換素子から出力される電気信号に基づいて画像情報が生成される放射線画像撮影装置であって、前記放射線の入射量を検出するための第2の光電変換素子を有し、前記スイッチング素子および前記第2の光電変換素子は、前記画素エリア内において前記基板と前記第1の光電変換素子との間に配置されていることを特徴とする放射線画像撮影装置が開示されている。
また、特許第4217506号公報には、第1の変換素子を有する画素を複数備える変換部を基板の放射線が入射する側に有し、前記変換部に入射した放射線量に応じて画像情報を出力する放射線撮像装置であって、前記変換部内に入射した放射線の照射量、前記変換部内への放射線の入射および放射線の停止のうち、少なくともいずれか1つを検出するための第2の変換素子を有し、前記第2の変換素子は、前記基板の放射線が入射する側で、前記変換部内の隣接する画素の前記第1の変換素子の間に、一方の幅が前記画素のピッチよりも小さい形状で配置されていることを特徴とする放射線撮像装置が開示されている。
しかしながら、上記特許第4217443号および特許第4217506号に開示されている技術では、必ずしも放射線の照射状態を精度よく検出することができるとは限らない、という問題点があった。
すなわち、放射線画像の静止画像の撮影を行う場合には、被検者に対する被曝量を極力低減させるために、被検者の関心領域のみに絞って撮影を行う場合が多く、この場合、放射線の照射領域を関心領域のみとするように絞り込むコリメータが用いられる。
この場合、上記特許第4217443号および特許第4217506号に開示されている技術では、放射線画像の撮影を行う放射線検出器に放射線の照射状態を検出するためのセンサが設けられているため、放射線の照射状態を検出するために用いることのできるセンサがコリメータによって絞られる結果、必ずしも高精度で放射線の照射状態を検出することができるとは限らないのである。
なお、このコリメータにより放射線の照射領域を絞る場合の問題は、放射線検出器のセンサ部に対して印加されるバイアス電圧の変化に応じて放射線の照射状態を検出する形態や、各画素からのリーク電流の変化に基づいて放射線の照射状態を検出する形態等においても生じ得る問題である。
また、放射線画像の撮影用の画素の一部を放射線の照射状態を検出するために用いる技術も考えられるが、この技術では、撮影によって得られた放射線画像に欠陥画素が生じることになるため、余り多くの画素を放射線の照射状態を検出するために用いることはできず、この技術においても、必ずしも高精度で放射線の照射状態を検出することができるとは限らない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、放射線の照射状態を高精度で検出することができる放射線画像撮影装置、プログラムおよび放射線画像撮影方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る放射線画像撮影装置は、照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線感応層、前記放射線感応層に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第1光電変換部および当該第1光電変換部により発生された電荷を読み出すための第1スイッチング素子を備えた複数の第1画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第2スイッチング素子を備えた複数の第2画素がマトリクス状に設けられた静止画撮影用の第1基板、および前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第2光電変換部および当該第2光電変換部により発生された電荷を読み出すための第3スイッチング素子を備えた複数の第3画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第4スイッチング素子を備えた複数の第4画素がマトリクス状に設けられた動画撮影用の第2基板を有する放射線検出器と、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御する制御手段と、を備えている。
第1の態様に係る放射線画像撮影装置によれば、放射線感応層に積層された静止画撮影用の第1基板を用いて静止画撮影が行われる一方、前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層された動画撮影用の第2基板を用いて動画撮影が行われる。
ここで、本発明では、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、検出手段により、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態が検出され、制御手段により、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御される。
このように、第1の態様の放射線画像撮影装置によれば、第1基板を用いて静止画撮影を行う場合に、動画撮影用に設けられた第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出しているので、第1基板を用いて検出する場合に比較して、放射線の照射状態を高精度で検出することができる。
なお、本発明は、第2の態様として、前記第2基板を、前記第1基板に比較して低解像度および小サイズの少なくとも一方としてもよい。これにより、より高速に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本発明は、第3の態様として、前記第2基板が、前記放射線の照射状態を検出するための画素が放射線画像を撮影するための画素の間に設けられて構成されていてもよい。
また、本発明は、第4の態様として、給電された状態で、前記第1基板から読み出された電荷に対して予め定められた信号処理を行う第1信号処理手段と、給電された状態で、前記第2基板から読み出された電荷に対して予め定められた信号処理を行う第2信号処理手段と、をさらに備え、前記制御手段が、前記検出手段によって前記放射線の照射開始を検出する場合、前記第1基板に対する給電を停止するように制御してもよい。これにより、消費電力を低減することができる。
また、本発明は、第5の態様として、前記第2基板から読み出された電荷を隣接する画素単位で合成するビニング状態および当該合成を行わない非ビニング状態を選択的に設定可能に構成されたビニング設定手段をさらに備え、前記制御手段が、前記検出手段によって前記放射線の照射開始を検出する場合、前記ビニング状態に設定するように前記ビニング設定手段を制御してもよい。これにより、より高速に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本発明は、第6の態様として、前記制御手段が、前記検出手段によって前記放射線の照射状態を検出する場合、前記第2基板からの電荷の読み出し速度を、動画撮影を行う場合より増加させるように制御してもよい。これにより、より高速に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本発明は、第7の態様として、前記第1基板と前記第2基板との間、または前記第1基板の前記放射線感応層が積層されている面とは反対側の面、または前記第2基板の前記放射線感応層が積層されている面とは反対側の面に積層され、照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する第2放射線感応層をさらに備えてもよい。これにより、放射線の照射量も検出することができる。
特に、第7の態様は、第8の態様として、前記第2基板が、前記第2光電変換部として、各々光の検出感度が互いに異なる高感度光電変換部および低感度光電変換部を備え、前記検出手段が、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記高感度光電変換部によって得られた電荷に基づいて前記放射線の照射開始を検出し、前記低感度光電変換部によって得られた電荷に基づいて前記放射線の照射停止を検出してもよい。これにより、より高精度に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本発明は、第9の態様として、前記放射線検出器が、静止画像の撮影が行われる場合、前記第1基板が前記放射線感応層より放射線の入射される側に配置されるものとしてもよい。これにより、より高画質で静止画像の撮影を行うことができる。
さらに、本発明は、第10の態様として、前記放射線感応層が、照射された放射線に応じた光を発生する場合、柱状結晶を含んで構成されていてもよい。これにより、より高画質で静止画像の撮影を行うことができる。
一方、上記目的を達成するために、本発明の第11の態様に係るプログラムは、コンピュータを、照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線感応層、前記放射線感応層に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第1光電変換部および当該第1光電変換部により発生された電荷を読み出すための第1スイッチング素子を備えた複数の第1画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第2スイッチング素子を備えた複数の第2画素がマトリクス状に設けられた静止画撮影用の第1基板、および前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第2光電変換部および当該第2光電変換部により発生された電荷を読み出すための第3スイッチング素子を備えた複数の第3画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第4スイッチング素子を備えた複数の第4画素がマトリクス状に設けられた動画撮影用の第2基板を有する放射線検出器により、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御する制御手段と、として機能させるためのものである。
従って、第11の態様によれば、コンピュータを第1の態様に係る放射線画像撮影装置と同様に作用させることができるので、当該放射線画像撮影装置と同様に、放射線の照射状態を高精度で検出することができる。
さらに、上記目的を達成するために、第12の態様に係る放射線画像撮影方法は、照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線感応層、前記放射線感応層に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第1光電変換部および当該第1光電変換部により発生された電荷を読み出すための第1スイッチング素子を備えた複数の第1画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第2スイッチング素子を備えた複数の第2画素がマトリクス状に設けられた静止画撮影用の第1基板、および前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第2光電変換部および当該第2光電変換部により発生された電荷を読み出すための第3スイッチング素子を備えた複数の第3画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第4スイッチング素子を備えた複数の第4画素がマトリクス状に設けられた動画撮影用の第2基板を有する放射線検出器により、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する検出工程と、前記検出工程による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御する制御工程と、を有している。
従って、第12の態様によれば、第1の態様に係る放射線画像撮影装置と同様に作用するので、当該放射線画像撮影装置と同様に、放射線の照射状態を高精度で検出することができる。
本発明によれば、第1基板を用いて静止画撮影を行う場合に、動画撮影用に設けられた第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出しているので、第1基板を用いて検出する場合に比較して、放射線の照射状態を高精度で検出することができる、という効果を奏することができる。
実施の形態に係る放射線検出器の3画素部分の概略構成を示す断面模式図である。 実施の形態に係るシンチレータの結晶構成の一例を模式的に示す概略図である。 実施の形態に係る放射線検出器の1画素部分の信号出力部の構成を概略的に示した断面図である。 第1の実施の形態に係る放射線検出器の構成を示す概略側面図である。 第1の実施の形態に係るTFT基板の構成を示す平面図である。 実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す断面図である。 実施の形態に係る電子カセッテの電気系の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る信号処理部54Bの構成を示す回路図である。 実施の形態に係る信号処理部54Aの構成を示す回路図である。 実施の形態に係る静止画撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係るTFT基板の構成を示す平面図である。 他の実施の形態に係る放射線検出器の構成を示す概略側面図である。 他の実施の形態に係るTFT基板の構成を示す平面図である。 他の実施の形態に係るTFT基板の構成を示す平面図である。 高感度用放射線検出用画素および低感度用放射線検出用画素を有する場合の効果の説明に供するグラフである。 他の実施の形態に係る静止画撮影と動画撮影との切り替えの説明に供するグラフである。 他の実施の形態に係るTFT基板の構成を示す平面図および側面図である。 各種材料の感度特性の一例を示すグラフである。 各種材料の感度特性の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、最初に本実施の形態に係る間接変換方式の放射線検出器20の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である放射線検出器20の3つの画素部分の構成を概略的に示す断面模式図である。
この放射線検出器20は、絶縁性の基板1上に、信号出力部14、センサ部13、および透明絶縁膜7を順に形成することにより構成されたTFT基板30Aと、シンチレータ8と、接着層22と、TFT基板30Aと略同様の構成とされたTFT基板30Bと、がこの順に積層しており、TFT基板30AおよびTFT基板30Bの信号出力部14、センサ部13により画素部が構成されている。画素部は、基板1上に複数配列されており、各画素部における信号出力部14とセンサ部13とが重なりを有するように構成されている。
シンチレータ8は、センサ部13上に透明絶縁膜7を介して柱状結晶により形成されており、上方(TFT基板30B側)から入射してくる放射線を光に変換して発光する蛍光体を成膜したものである。このようなシンチレータ8を設けることで、被写体およびTFT基板30Bを透過した放射線を吸収して発光することになる。
シンチレータ8が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、この放射線検出器20によってモノクロ撮像を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。
シンチレータ8に用いる蛍光体としては、具体的には、放射線としてX線を用いて撮像する場合、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが、例えば、420nm〜700nmにあるCsI:Tlを用いることが特に好ましい。なお、CsI:Tlの可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
また、本実施の形態では、一例として図2に示すように、シンチレータ8を、放射線入射側(TFT基板30B側)に柱状結晶71Aからなる柱状部が形成され、シンチレータ8の放射線入射側とは反対側に非柱状結晶71Bからなる非柱状部が形成された構成としており、シンチレータ8としてCsIを含む材料を用い、当該材料をTFT基板30Aに直接蒸着させることで、柱状部および非柱状部が形成されたシンチレータ8を得ている。なお、本実施の形態に係るシンチレータ8は、柱状結晶71Aの平均径が柱状結晶71Aの長手方向に沿っておよそ均一とされている。
上記のように、シンチレータ8を柱状部が形成された構成にすることで、シンチレータ8で発生された光は柱状結晶71A内を進行し、非柱状結晶71Bを介してTFT基板30Aへ射出され、TFT基板30A側へ射出される光の拡散が抑制されることで、結果的に得られる放射線画像の鮮鋭度の低下が抑制される。また、シンチレータ8の柱状結晶71Aの先端部側に進行した光はTFT基板30Bに射出され、TFT基板30Bによる受光量の増加に寄与する。
なお、非柱状部の空隙率を0(零)に近づけることにより、当該非柱状部による光の反射を抑制することができ、好ましい。また、非柱状部はできるだけ薄く(10μm程度)することが好ましい。
なお、本実施の形態では、シンチレータ8の放射線照射面側にTFT基板30Bが配置されているが、シンチレータ8とTFT基板30Bとをこのような位置関係で配置する方式は「表面読取方式(ISS:Irradiation Side Sampling)」と称する。シンチレータは放射線入射側がより強く発光するので、シンチレータの放射線入射側にTFT基板を配置する表面読取方式(ISS)は、シンチレータの放射線入射側とは反対側にTFT基板を配置する「裏面読取方式(PSS:Penetration Side Sampling)」よりもTFT基板とシンチレータの発光位置とが接近することから、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高く、また、TFT基板の受光量が増大することで、結果として放射線画像の感度が向上する。
一方、センサ部13は、上部電極6、下部電極2、および該上下の電極間に配置された光電変換膜4を有し、光電変換膜4は、シンチレータ8が発する光を吸収して電荷が発生する有機光電変換材料により構成されている。
上部電極6は、シンチレータにより生じた光を光電変換膜4に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータの発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極6としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極6は、全画素部で共通の一枚構成としてもよく、画素部毎に分割してもよい。
光電変換膜4は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ8から発せられた光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。このように有機光電変換材料を含む光電変換膜4であれば、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ8による発光以外の電磁波が光電変換膜4に吸収されることがほとんどなく、X線等の放射線が光電変換膜4で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ8で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータの発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータの発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータから発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータの放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物およびフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ8の材料としてCsI:Tlを用いれば、上記ピーク波長の差を10nm以内にすることが可能となり、光電変換膜4で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
次に、本実施の形態に係る放射線検出器20に適用可能な光電変換膜4について具体的に説明する。
本実施の形態に係る放射線検出器20における電磁波吸収/光電変換部位は、1対の電極2,6と、該電極2,6間に挟まれた有機光電変換膜4を含む有機層により構成することができる。この有機層は、より具体的には、電磁波を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極、および層間接触改良部位等の積み重ねもしくは混合により形成することができる。
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。
有機p型半導体(化合物)は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体(化合物)であり、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
有機n型半導体(化合物)は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体(化合物)であり、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。
この有機p型半導体および有機n型半導体として適用可能な材料、および光電変換膜4の構成については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
光電変換膜4の厚みは、シンチレータ8からの光を吸収する点では膜厚は大きいほど好ましいが、ある程度以上厚くなると光電変換膜4の両端から印加されるバイアス電圧により光電変換膜4に発生する電界の強度が低下して電荷が収集できなくなるため、30nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは、50nm以上250nm以下、特に好ましくは80nm以上200nm以下である。
なお、図1に示す放射線検出器20では、光電変換膜4は、全画素部で共通の一枚構成であるが、画素部毎に分割してもよい。
下部電極2は、画素部毎に分割された薄膜とする。下部電極2は、透明又は不透明の導電性材料で構成することができ、アルミニウム、銀等を好適に用いることができる。
下部電極2の厚みは、例えば、30nm以上300nm以下とすることができる。
センサ部13では、上部電極6と下部電極2の間に所定のバイアス電圧を印加することで、光電変換膜4で発生した電荷(正孔、電子)のうちの一方を上部電極6に移動させ、他方を下部電極2に移動させることができる。本実施の形態の放射線検出器20では、上部電極6に配線が接続され、この配線を介してバイアス電圧が上部電極6に印加されるものとする。また、バイアス電圧は、光電変換膜4で発生した電子が上部電極6に移動し、正孔が下部電極2に移動するように極性が決められているものとするが、この極性は逆であってもよい。
各画素部を構成するセンサ部13は、少なくとも下部電極2、光電変換膜4、および上部電極6を含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜3および正孔ブロッキング膜5の少なくともいずれかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
電子ブロッキング膜3は、下部電極2と光電変換膜4との間に設けることができ、下部電極2と上部電極6間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極2から光電変換膜4に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
電子ブロッキング膜3には、電子供与性有機材料を用いることができる。
実際に電子ブロッキング膜3に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜4の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜4の材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIpもしくはそれより小さいIpを持つものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。なお、光電変換膜4は、さらにフラーレン若しくはカーボンナノチューブを含有させて形成してもよい。
電子ブロッキング膜3の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部13の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
正孔ブロッキング膜5は、光電変換膜4と上部電極6との間に設けることができ、下部電極2と上部電極6間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極6から光電変換膜4に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。
正孔ブロッキング膜5には、電子受容性有機材料を用いることができる。
正孔ブロッキング膜5の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させるとともに、センサ部13の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
実際に正孔ブロッキング膜5に用いる材料は、隣接する電極の材料および隣接する光電変換膜4の材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜4の材料の電子親和力(Ea)と同等のEaもしくはそれより大きいEaを持つものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
なお、光電変換膜4で発生した電荷のうち、正孔が上部電極6に移動し、電子が下部電極2に移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜3と正孔ブロッキング膜5の位置を逆にすればよい。また、電子ブロッキング膜3と正孔ブロッキング膜5は両方設けなくてもよく、いずれかを設けておけば、ある程度の暗電流抑制効果を得ることができる。
各画素部の下部電極2下方の基板1の表面には信号出力部14が形成されている。
図3には、信号出力部14の構成が概略的に示されている。
下部電極2に対応して、下部電極2に移動した電荷を蓄積するコンデンサ9と、コンデンサ9に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力する電界効果型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単に「薄膜トランジスタ」という。)10が形成されている。コンデンサ9および薄膜トランジスタ10の形成された領域は、平面視において下部電極2と重なる部分を有しており、このような構成とすることで、各画素部における信号出力部14とセンサ部13とが厚さ方向で重なりを有することとなる。なお、放射線検出器20(画素部)の平面積を最小にするために、コンデンサ9および薄膜トランジスタ10の形成された領域が下部電極2によって完全に覆われていることが望ましい。
コンデンサ9は、基板1と下部電極2との間に設けられた絶縁膜11を貫通して形成された導電性材料の配線を介して対応する下部電極2と電気的に接続されている。これにより、下部電極2で捕集された電荷をコンデンサ9に移動させることができる。
薄膜トランジスタ10は、ゲート電極15、ゲート絶縁膜16、および活性層(チャネル層)17が積層され、さらに、活性層17上にソース電極18とドレイン電極19が所定の間隔を開けて形成されている。
活性層17は、例えば、アモルファスシリコンや非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブなどにより形成することができる。なお、活性層17を構成する材料は、これらに限定されるものではない。
活性層17を構成可能な非晶質酸化物としては、In、GaおよびZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えばIn−O系)が好ましく、In、GaおよびZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えばIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、GaおよびZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)m(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層17を構成可能な非晶質酸化物は、これらに限定されるものではない。
活性層17を構成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報において詳細に説明されているため説明を省略する。
薄膜トランジスタ10の活性層17を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブで形成したものとすれば、X線等の放射線を吸収せず、あるいは吸収したとしても極めて微量に留まるため、信号出力部14におけるノイズの発生を効果的に抑制することができる。
また、活性層17をカーボンナノチューブで形成した場合、薄膜トランジスタ10のスイッチング速度を高速化することができ、また、可視光域での光の吸収度合の低い薄膜トランジスタ10を形成できる。なお、カーボンナノチューブで活性層17を形成する場合、活性層17に極微量の金属性不純物が混入するだけで、薄膜トランジスタ10の性能は著しく低下するため、遠心分離などにより極めて高純度のカーボンナノチューブを分離・抽出して形成する必要がある。
ここで、上述した非晶質酸化物、有機半導体材料、カーボンナノチューブや、有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、基板1としては、半導体基板、石英基板、およびガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、プラスチック等の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このようなプラスチック製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。
また、基板1には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
アラミドは、200度以上の高温プロセスを適用できるために,透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。また、アラミドは、ITO(indium tin oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて薄く基板を形成できる。なお、超薄型ガラス基板とアラミドを積層して基板1を形成してもよい。
バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂との複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60−70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3−7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄く基板1を形成できる。
本実施の形態に係るTFT基板30Bの構成は、TFT基板30Aと略同様であるが、図4に模式的に示すように、TFT基板30Aがシンチレータ8よりも一回りサイズが小さいのに対して、TFT基板30Bはシンチレータ8と略同一のサイズとされている点、およびTFT基板30BはTFT基板30Aより画素密度が高い(解像度が高い)ものとして構成されている点がTFT基板30Aとは異なっている。なお、この形態に限らず、これらの2点の何れか一方のみの相違とされていてもよい。
なお、前述したように、本実施の形態に係る放射線検出器20では、シンチレータ8をTFT基板30A上に直接蒸着により形成する一方、シンチレータ8のTFT基板30Aが設けられている面とは反対側の面にTFT基板30Bを、接着層22を介して接着することにより構成しているが、これに限らず、例えば、シンチレータ8をTFT基板30B上に直接蒸着により形成する一方、シンチレータ8のTFT基板30Bが設けられている面とは反対側の面にTFT基板30Aを、接着層22を介して接着することにより構成する方法等、他の方法により構成してもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態に係る放射線検出器20では、シンチレータ8の各柱状部の先端部は、できるだけ平坦になるように制御することが好ましい。具体的には、蒸着終了時の被蒸着基板の温度を制御することで実現できる。例えば、蒸着終了時の被蒸着基板の温度を110℃とすれば先端角度がおよそ170度となり、蒸着終了時の被蒸着基板の温度を140℃とすれば先端角度がおよそ60度となり、蒸着終了時の被蒸着基板の温度を200℃とすれば先端角度がおよそ70度となり、蒸着終了時の被蒸着基板の温度を260℃とすれば先端角度がおよそ120度となる。なお、この制御については、特開2010−25620号公報において詳細に説明されているため、これ以上の説明を省略する。
一方、TFT基板30AおよびTFT基板30Bには、図5に示すように、上述のセンサ部13、コンデンサ9、薄膜トランジスタ10を含んで構成される画素32が一定方向(図5の行方向)および当該一定方向に対する交差方向(図5の列方向)に2次元状に複数設けられている。
また、放射線検出器20には、上記一定方向(走査線方向)に延設され、各薄膜トランジスタ10をオン・オフさせるための複数本のゲート配線34と、上記交差方向(信号配線方向)に延設され、オン状態の薄膜トランジスタ10を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線36と、が各々TFT基板30AおよびTFT基板30Bに対応して2組分設けられている。
放射線検出器20は、平板状で平面視において外縁に4辺を有する四辺形状をしている。具体的には矩形状に形成されている。
次に、この放射線検出器20を内蔵し、放射線画像を撮影する可搬型の放射線画像撮影装置(以下、「電子カセッテ」という。)40の構成について説明する。図6には、本実施の形態に係る電子カセッテ40の構成を示す斜視図が示されている。
同図に示すように、この電子カセッテ40は、放射線を透過させる材料からなる平板状の筐体41を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。筐体41の内部には、放射線Xが照射される筐体41の照射面側から、被写体を透過した放射線Xを検出する放射線検出器20、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板43が順に配設される。筐体41は、平板状の一方の面の放射線検出器20の配設位置に対応する領域が放射線を検出可能な四辺形状の撮影領域41Aとされている。放射線検出器20は、図7に示すように、TFT基板30Bが撮影領域41A側となるように配置されており、撮影領域41Aを構成する筐体41内側に貼り付けられている。
また、筐体41の内部の一端側には、放射線検出器20と重ならない位置(撮影領域41Aの範囲外)に、後述するカセッテ制御部58や電源部70を収容するケース42が配置されている。
図8には、本実施の形態に係る電子カセッテ40の電気系の要部構成を示すブロック図が示されている。
TFT基板30A、30Bは、それぞれ隣り合う2辺の一辺側にゲート線ドライバ52が配置され、他辺側に信号処理部54が配置されている。以下、2つのTFT基板30A、30Bに対応して設けられたゲート線ドライバ52および信号処理部54を区別する場合、TFT基板30Aに対応するゲート線ドライバ52および信号処理部54に符号Aを付し、TFT基板30Bに対応するゲート線ドライバ52および信号処理部54に符号Bを付して説明する。
TFT基板30Aの個々のゲート配線34はゲート線ドライバ52Aに接続され、TFT基板30Aの個々のデータ配線36は信号処理部54Aに接続されており、TFT基板30Bの個々のゲート配線34はゲート線ドライバ52Bに接続されており、TFT基板30Bの個々のデータ配線36は信号処理部54Bに接続されている。
また、筐体41の内部には、画像メモリ56と、カセッテ制御部58と、無線通信部60とを備えている。
TFT基板30A、30Bの各薄膜トランジスタ10は、ゲート線ドライバ52A、52Bからゲート配線34を介して供給される信号により走査線単位で順にオンされ、オン状態とされた薄膜トランジスタ10によって読み出された電荷は、電気信号としてデータ配線36を伝送されて信号処理部54A、54Bに入力される。これにより、電荷は走査線単位で順に読み出され、二次元状の放射線画像が取得可能となる。
ここで、本実施の形態に係る信号処理部54Aおよび信号処理部54Bの構成について説明する。図9には、本実施の形態に係る信号処理部54Bの構成を示す回路図が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る信号処理部54Bは、TFT基板30Bのデータ配線36の各々に対応して、可変ゲインプリアンプ(チャージアンプ)82と、サンプルホールド回路86と、が備えられている。
可変ゲインプリアンプ82は、正入力側が接地されたオペアンプ82Aと、オペアンプ82Aの負入力側と出力側との間に、それぞれ並列に接続されるコンデンサ82Bと、リセットスイッチ82Cとを含んで構成されており、リセットスイッチ82Cは、カセッテ制御部58により切り換えられる。
また、本実施の形態に係る信号処理部54Bは、マルチプレクサ88およびA/D(アナログ/デジタル)変換器89が備えられている。なお、サンプルホールド回路86のサンプルタイミング、およびマルチプレクサ88に設けられたスイッチ88Aによる選択出力も、カセッテ制御部58により切り換えられる。
放射線画像を検出する際に、カセッテ制御部58は、まず、可変ゲインプリアンプ82のリセットスイッチ82Cを所定期間オン状態とすることにより、コンデンサ82Bに蓄積されていた電荷を放電する。
一方、放射線Xが照射されることによってTFT基板30Bの各画素32の各々のコンデンサ9に蓄積された電荷は、接続されている薄膜トランジスタ10がオン状態とされることにより電気信号として接続されているデータ配線36を伝送され、データ配線36を伝送された電気信号は、対応する可変ゲインプリアンプ82により、予め定められた増幅率で増幅される。
一方、カセッテ制御部58は、上述した放電を行った後、サンプルホールド回路86を所定期間駆動させることより、可変ゲインプリアンプ82によって増幅された電気信号の信号レベルをサンプルホールド回路86に保持させる。
そして、各サンプルホールド回路86に保持された信号レベルは、カセッテ制御部58による制御に応じてマルチプレクサ88により順次選択され、A/D変換器89によってA/D変換されることにより、撮影された放射線画像を示す画像データが生成される。
一方、信号処理部54Bには画像メモリ56が接続されており、信号処理部54BのA/D変換器89から出力された画像データは画像メモリ56に順に記憶される。画像メモリ56は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ56に順次記憶される。
一方、図10には、本実施の形態に係る信号処理部54Aの構成を示す回路図が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る信号処理部54Aは、TFT基板30Aのデータ配線36の各々に対応して、可変ゲインプリアンプ(チャージアンプ)92と、ビニング部94と、サンプルホールド回路96と、が備えられている。
可変ゲインプリアンプ92は、正入力側が接地されたオペアンプ92Aと、オペアンプ92Aの負入力側と出力側との間に、それぞれ並列に接続されるコンデンサ92Bと、リセットスイッチ92Cとを含んで構成されており、リセットスイッチ92Cは、カセッテ制御部58により切り換えられる。
また、ビニング部94は、隣り合う通信線間に接続されるスイッチ94Aと、通信線の途中に接続されるスイッチ94B,94Cとを含んで構成され、各スイッチ94A,94B,94Cも、カセッテ制御部58により切り換えられる。本実施の形態では、スイッチ94Aおよびスイッチ94Bをオン状態にすると共に、スイッチ94Cをオフ状態にすることによりビニング接続状態とされ、スイッチ94Bおよびスイッチ94Cをオン状態にすると共に、スイッチ94Aをオフ状態にすることにより通常接続状態とされる。
また、本実施の形態に係る信号処理部54Aは、マルチプレクサ98およびA/D変換器99が備えられている。なお、サンプルホールド回路96のサンプルタイミング、およびマルチプレクサ98に設けられたスイッチ98Aによる選択出力も、カセッテ制御部58により切り換えられる。
TFT基板30Aのデータ配線36の各々は、可変ゲインプリアンプ92、ビニング部94、およびサンプルホールド回路96を順に介してマルチプレクサ98の入力端に各々個別に接続される。そして、マルチプレクサ98の出力端は、出力端が画像メモリ56に接続されたA/D変換器99の入力端に接続されている。
放射線画像を検出する際に、カセッテ制御部58は、まず、可変ゲインプリアンプ92のリセットスイッチ92Cを所定期間オン状態とすることにより、コンデンサ92Bに蓄積されていた電荷を放電(リセット)する。
次に、カセッテ制御部58は、可変ゲインプリアンプ92のリセットスイッチ92Cをオフ状態にすると共に、ビニング部94のスイッチ94A〜94Cのオン/オフ状態の設定によってビニング接続状態または通常接続状態に設定する。
一方、放射線Xが照射されることによってTFT基板30Aの画素32の各々のコンデンサ9に蓄積された電荷は、接続されている薄膜トランジスタ10がオン状態とされることにより電気信号として接続されているデータ配線36を伝送され、データ配線36を伝送された電気信号は、対応する可変ゲインプリアンプ92により、予め定められた増幅率で増幅された後に、ビニング部94によって必要に応じて合成される。
一方、カセッテ制御部58は、上述したコンデンサ92Bの放電およびビニング部94の設定を行った後、サンプルホールド回路96を所定期間駆動させることより、可変ゲインプリアンプ92によって増幅され、必要に応じてビニング(合成)された電気信号の信号レベルをサンプルホールド回路96に保持させる。
そして、各サンプルホールド回路96に保持された信号レベルは、カセッテ制御部58による制御に応じてマルチプレクサ98により順次選択され、A/D変換器99によってA/D変換されることにより、撮影された放射線画像を示す画像データが生成される。
一方、信号処理部54Aには画像メモリ56が接続されており、信号処理部54AのA/D変換器99から出力された画像データは画像メモリ56に順に記憶される。画像メモリ56は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ56に順次記憶される。
画像メモリ56はカセッテ制御部58と接続されている。カセッテ制御部58はマイクロコンピュータによって構成され、CPU(中央処理装置)58A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ58B、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部58Cを備えており、電子カセッテ40全体の動作を制御する。
また、カセッテ制御部58には無線通信部60が接続されている。無線通信部60は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部58は、無線通信部60を介して、放射線撮影全体を制御するコンソールなどの外部装置と無線通信が可能とされており、コンソールとの間で各種情報の送受信が可能とされている。
また、電子カセッテ40には、電源部70が設けられており、上述した各種回路や各素子(ゲート線ドライバ52A、52B、信号処理部54A、54B、画像メモリ56、無線通信部60やカセッテ制御部58として機能するマイクロコンピュータ等)は、電源部70から供給された電力によって作動する。電源部70は、電子カセッテ40の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。なお、図8では、電源部70と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
なお、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、電源部70から信号処理部54Aへの給電および給電停止と、電源部70から信号処理部54Bへの給電および給電停止とを、カセッテ制御部58により各々個別に切り替えることができるものとされている。
ところで、本実施の形態に係る電子カセッテ40は、静止画像の撮影と動画像の撮影の双方を行うことができるものとして構成されている。ここで、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、TFT基板30Aが動画像の撮影用の基板として用いられ、TFT基板30Bが静止画像の撮影用の基板として用いられる。
そして、本実施の形態に係る電子カセッテ40は、放射線画像の撮影を行う場合、撮影領域41Aを上とし、図7に示すように、放射線を発生する放射線発生装置80と間隔を空けて配置され、撮影領域上に患者の撮影対象部位Bが配置される。放射線発生装置80は予め与えられた撮影条件等に応じた放射線量の放射線Xを射出する。放射線発生装置80から射出された放射線Xは、撮影対象部位Bを透過することで画像情報を担持した後に電子カセッテ40に照射される。
放射線発生装置80から照射された放射線Xは、撮影対象部位Bを透過した後に電子カセッテ40に到達する。これにより、電子カセッテ40に内蔵された放射線検出器20の各センサ部13には照射された放射線Xの線量に応じた電荷が発生し、コンデンサ9にはセンサ部13で発生した電荷が蓄積される。
一方、カセッテ制御部58は、静止画像の撮影を行う場合には、ゲート線ドライバ52Bを制御し、ゲート線ドライバ52BからTFT基板30Bの各ゲート配線34に1ラインずつ順にオン信号を出力させて画像情報の読み出しを行う。これにより、放射線検出器20のTFT基板30Bから読み出された画像情報は、信号処理部54Bを経た後に画像データ(以下、「静止画像データ」という。)として画像メモリ56に記憶されるので、カセッテ制御部58は、当該静止画像データを画像メモリ56から読み出し、無線通信部60を介してコンソールに送信する。コンソールは、受信した静止画像データを予め定められた記憶装置に記憶すると共に、当該画像データにより示される静止画をディスプレイ装置により表示させる。
これに対し、カセッテ制御部58は、動画像の撮影を行う場合には、ゲート線ドライバ52Aを制御し、ゲート線ドライバ52AからTFT基板30Aの各ゲート配線34に1ラインずつ順にオン信号を出力させて画像情報の読み出しを行うことを、予め定められたフレームレート(本実施の形態では、30フレーム/秒)に応じた速度で繰り返し実行する。これにより、放射線検出器20のTFT基板30Aから読み出された画像情報は、信号処理部54Aを経た後に画像データ(以下、「動画像データ」という。)として画像メモリ56に順次記憶されるので、カセッテ制御部58は、当該動画像データを画像メモリ56から連続的に読み出し、無線通信部60を介してコンソールにリアルタイムで送信する。コンソールは、電子カセッテ40から受信した動画像データにより示される動画像をディスプレイ装置によってリアルタイムで表示することにより、動画像(透視画像)の表示を行う。
なお、本実施の形態に係る電子カセッテ40では、TFT基板30Bから読み出された静止画像データとTFT基板30Aから読み出された動画像データとを、各々画像メモリ56の異なる記憶領域に記憶するものとされている。
ところで、本実施の形態に係る電子カセッテ40には、静止画像の撮影を行う際に、TFT基板30Aから読み出された情報に基づいて放射線の照射開始を検出し、当該照射開始を検出した時点で放射線画像の撮影を行う同期フリー機能が搭載されている。
次に、図11を参照して、同期フリー機能を働かせる場合の本実施の形態に係る電子カセッテ40の作用について詳細に説明する。なお、図11は、この際に電子カセッテ40のカセッテ制御部58におけるCPU58Aにより実行される静止画撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ58BのROMに予め記憶されている。
同図のステップ100では、カセッテ制御部58は、電源部70から信号処理部54Aへの給電を開始させるように制御し、次のステップ102では、信号処理部54Aのビニング部94をビニング接続状態となるように制御する。
次のステップ104では、カセッテ制御部58は、ゲート線ドライバ52Aを制御して、ゲート線ドライバ52Aから各ゲート配線34に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、TFT基板30Aの各画素32におけるコンデンサ9に蓄積された電荷を放電させることにより、TFT基板30Aの各画素32をリセットすると共に、TFT基板30Aからの電荷の読み出し速度(フレームレート)を、動画撮影を行う場合より増加させるように制御する。なお、本ステップ104の処理によって行われる各画素32のリセット動作は1回のみでもよく、複数回繰り返してもよい。
次のステップ105では、カセッテ制御部58は、前述した動画撮影時の動作を開始させる。これにより、画像メモリ56には、動画像データが順次記憶される。
そこで、次のステップ106では、カセッテ制御部58は、信号処理部54Aから画像メモリ56に記憶された動画像データを読み出し、当該動画像データに基づいて、照射されている放射線Xの線量(以下、「放射線量」という。)を導出し、次のステップ108にて、導出した放射線量が予め定められた閾値に達したか否かを判定することにより、放射線の照射が開始されたか否かを判定して、否定判定となった場合は上記ステップ106に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ109に移行する。なお、本実施の形態では、上記ステップ106による放射線量の導出を、信号処理部54Aから画像メモリ56に記憶された動画像データにおける全ての画素値を合算することにより行っている。しかし、これに限らず、当該動画像データにおける一部の画素値を合算することにより導出する形態や、当該動画像データにおける少なくとも一部の画素値の平均値を算出することにより導出する形態等としてもよい。
ステップ109では、カセッテ制御部58は、上記ステップ105の処理によって開始された動画撮影時の動作を停止させ、次のステップ110では、信号処理部54Aのビニング部94を通常接続状態となるように制御し、次のステップ112では、電源部70から信号処理部54Aへの給電を停止させるように制御する。
次のステップ114では、カセッテ制御部58は、電源部70から信号処理部54Bへの給電を開始させるように制御し、次のステップ116では、ゲート線ドライバ52Bを制御して、ゲート線ドライバ52Bから各ゲート配線34に1ラインずつ順にオン信号を出力させ、TFT基板30Bの各画素32におけるコンデンサ9に蓄積された電荷を放電させることにより、TFT基板30Bの各画素32をリセットする。なお、本ステップ116の処理によって行われる各画素32のリセット動作は1回のみでもよく、複数回繰り返してもよい。
次のステップ118では、カセッテ制御部58は、前述した静止画撮影時の動作を実行させ、次のステップ120にて、当該動作が終了するまで待機する。
次のステップ122では、カセッテ制御部58は、画像メモリ56に記憶された静止画像データを読み出し、次のステップ124にて、放射線検出器20の各画素32におけるコンデンサ9の上記ステップ122の処理による電荷の読み出しが終了した後の残留電荷や暗電流が蓄積された電荷を放電させることにより各画素32をリセットした後、上記ステップ114の処理によって開始した電源部70から信号処理部54Bへの給電を停止するように制御し、次のステップ126にて、読み出した静止画像データをコンソールに無線通信部60を介して送信した後に本静止画撮影処理プログラムを終了する。
ところで、本実施の形態に係る放射線検出器20では、シンチレータ8に非柱状部を設けているため、TFT基板30Aとの密着性を高くすることができる。但し、非柱状部は必須ではなく、非柱状部を設けない形態としてもよい。
また、本実施の形態に係る放射線検出器20は、光電変換膜4を有機光電変換材料により構成しており、光電変換膜4で放射線がほとんど吸収されない。このため、本実施の形態に係る放射線検出器20は、ISSの構成により放射線XがTFT基板30Bを透過するが、当該TFT基板30Bの光電変換膜4による放射線の吸収量が少ないため、放射線Xに対する感度の低下を抑えることができる。ISSでは、放射線XがTFT基板30Bを透過してシンチレータ8に到達するが、このように、TFT基板30Bの光電変換膜4を有機光電変換材料により構成した場合、光電変換膜4での放射線Xの吸収が殆どなく放射線Xの減衰を少なく抑えることができるため、ISSに適している。
また、薄膜トランジスタ10の活性層17を構成する非晶質酸化物や光電変換膜4を構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。このため、基板1を放射線の吸収が少ないプラスチック樹脂、アラミド、バイオナノファイバで形成することができる。このように形成された基板1は放射線の吸収量が少ないため、ISSにより放射線XがTFT基板30Bを透過する場合でも、放射線Xに対する感度の低下を抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、図7に示すように、放射線検出器20をTFT基板30Bが撮影領域41A側となるように筐体41内の撮影領域41A部分に貼り付けているが、基板1を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバで形成した場合、放射線検出器20自体の剛性が高いため、筐体41の撮影領域41A部分を薄く形成することができる。また、基板1を剛性の高いプラスチック樹脂やアラミド、バイオナノファイバで形成した場合、放射線検出器20自体が可撓性を有するため、撮影領域41Aに衝撃が加わった場合でも放射線検出器20が破損しづらい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、第1基板(本実施の形態では、TFT基板30B)を用いて静止画撮影を行う場合に、動画撮影用に設けられた第2基板(本実施の形態では、TFT基板30A)から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出しているので、第1基板を用いて検出する場合に比較して、放射線の照射状態を高精度で検出することができる。
また、本実施の形態では、前記第2基板が、前記第1基板に比較して低解像度および小サイズのものとしているので、より高速に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本実施の形態では、給電された状態で、前記第1基板から読み出された電荷に対して予め定められた信号処理を行う第1信号処理手段(本実施の形態では、信号処理部54B)と、給電された状態で、前記第2基板から読み出された電荷に対して予め定められた信号処理を行う第2信号処理手段(本実施の形態では、信号処理部54A)と、を有し、前記放射線の照射開始を検出する場合、前記第1基板に対する給電を停止するように制御しているので、消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態では、前記第2基板から読み出された電荷を隣接する画素単位で合成するビニング状態および当該合成を行わない非ビニング状態を選択的に設定可能に構成されたビニング設定手段(本実施の形態では、ビニング部94)をさらに備え、前記放射線の照射状態を検出する場合、前記ビニング状態に設定するように前記ビニング設定手段を制御しているので、より高速に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本実施の形態では、前記放射線の照射状態を検出する場合、前記第2基板からの電荷の読み出し速度を、動画撮影を行う場合より増加させるように制御しているので、より高速に放射線の照射状態を検出することができる。
また、本実施の形態では、前記放射線検出器が、静止画像の撮影が行われる場合、前記第1基板が放射線感応層(本実施の形態では、シンチレータ8)より放射線の入射される側に配置されるものとしているので、より高画質で静止画像の撮影を行うことができる。
さらに、本実施の形態では、前記放射線感応層が、照射された放射線に応じた光を発生する柱状結晶(本実施の形態では、CsI)を含んで構成されていているので、より高画質で静止画像の撮影を行うことができる。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、同期フリー機能を働かせる際にTFT基板30Aから読み出された全ての画像情報を放射線の照射開始の検出に用いる場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、TFT基板30Aにおける一部の画素32を放射線の照射状態を検出するための画素として適用する場合の形態例について説明する。
図12には、本第2の実施の形態に係る電子カセッテ40におけるTFT基板30A’の構成が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係るTFT基板30A’ には、上述したセンサ部13、コンデンサ9、および薄膜トランジスタ10を含んで構成される画素32が一定方向(図12の行方向、走査線方向)、および当該一定方向に対する交差方向(図12の列方向、信号配線方向)に2次元状に複数設けられている。
また、本実施の形態に係る放射線検出器20には、上記一定方向(走査線方向)に延設され、各薄膜トランジスタ10をオン・オフさせるための複数本のゲート配線34と、上記交差方向(信号配線方向)に延設され、オン状態の薄膜トランジスタ10を介して電荷を読み出すための複数本のデータ配線36と、が設けられている。なお、放射線検出器20は、平板状で、かつ平面視において外縁に4辺を有する四辺形状、より具体的には、矩形状に形成されている。
ここで、本実施の形態に係る放射線検出器20では、画素32の一部が放射線の照射状態を検出するために用いられており、残りの画素32によって放射線画像の動画像の撮影を行う。なお、以下では、放射線の照射状態を検出するための画素32を放射線検出用画素32Aといい、残りの画素32を放射線画像取得用画素32Bという。
本実施の形態に係る放射線検出器20では、画素32における放射線検出用画素32Aを除いた放射線画像取得用画素32Bにより放射線画像の動画撮影を行うため、放射線検出用画素32Aの配置位置における放射線画像の画素情報を得ることができない。このため、本実施の形態に係る放射線検出器20では、放射線検出用画素32Aを分散するように配置する一方、電子カセッテ40またはコンソールにより、放射線検出用画素32Aの配置位置における放射線画像の画素情報を、当該放射線検出用画素32Aの周囲に位置する放射線画像取得用画素32Bにより得られた画素情報を用いて補間することにより生成する欠陥画素補正処理を実行する。
ここで、本実施の形態に係る放射線検出器20には、放射線検出用画素32Aにおけるコンデンサ9と薄膜トランジスタ10との接続部が接続された、当該コンデンサ9に蓄積された電荷を直接読み出すための直接読出配線38が上記一定方向(走査線方向)に延設されている。なお、本実施の形態に係る放射線検出器20では、上記一定方向に並ぶ複数の放射線検出用画素32Aに対して1本の直接読出配線38が割り当てられており、当該複数の放射線検出用画素32Aにおけるコンデンサ9と薄膜トランジスタ10との接続部が共通(単一)の直接読出配線38に接続されている。
直接読出配線38の各々は、信号処理部54Aと同様の構成とされた信号処理部に接続されており、カセッテ制御部58は、当該信号処理部から出力された情報に基づいて放射線の照射状態を検出する。
なお、放射線検出器20以外の構成や、電子カセッテ40の作用は、上記第1の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明を各実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の各実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また各実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、上記各実施の形態では、本発明を可搬型の放射線画像撮影装置である電子カセッテ40に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、据置型の放射線画像撮影装置に適用してもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線検出器として、シンチレータとされた放射線感応層を1つのみ有するものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、シンチレータに代えてアモルファスセレン等により構成され、放射線を電荷に直接変換する放射線感応層を適用したり、放射線感応層を2つ有したりする放射線検出器を適用する形態としてもよい。
図13には、この場合の放射線検出器の構成例が示されている。
図13(A)に示す放射線検出器は、上記各実施の形態に係る放射線検出器20におけるシンチレータ8に代えてアモルファスセレンにより構成された放射線感応層8’を適用した場合の形態例が示されている。また、図13(B)〜図13(D)には、放射線感応層として2つのシンチレータ8Aおよびシンチレータ8Bが備えられている場合の形態例が示されている。また、図13(E)〜図13(G)には、放射線感応層として2つのアモルファスセレンにより構成された放射線感応層8A’および放射線感応層8B’が備えられている場合の形態例が示されている。さらに、図13(H)〜図13(J)には、放射線感応層として1つのシンチレータ8Bと1つのアモルファスセレンにより構成された放射線感応層8A’が備えられている場合の形態例が示されている。なお、直接変換型の放射線感応層の他の例として、アモルファスセレンに代えて、Si(シリコン)、CdTe(テルル化カドミュウム)等により構成してもよい。
これらの形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
特に、放射線感応層が2つ設けられており、動画撮影用のTFT基板30Aに専用の放射線感応層が設けられている形態では、一例として図14や図15に模式的に示すように、放射線検出用画素として、各々放射線の検出感度が互いに異なる高感度放射線検出用画素および低感度放射線検出用画素を備え、静止画撮影を行う場合に、高感度放射線検出用画素によって得られた電荷に基づいて放射線の照射開始を検出し、低感度放射線検出用画素によって得られた電荷に基づいて放射線の照射停止を検出する形態としてもよい。
この場合、一例として図16に示すように、放射線の照射開始を高速で検出することができると共に、放射線の照射停止の検出については画素に蓄積される電荷の飽和が生じ難いため、より高精度に当該照射停止を検出することができる。
また、上記各実施の形態では、静止画像の撮影を開始するタイミングについては特に言及しなかった。一方、一例として図17に示すように、動画撮影用のTFT基板30Aから読み出された電荷に基づいて動画撮影を行うと共に、当該電荷に基づいて、照射されている放射線の放射線量の増加の度合いを導出し、当該度合いが予め定められた閾値以上となった場合に、静止画撮影に移行するものと判断する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、放射線の照射状態を検出する画素を、TFT基板30Aの各画素間に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一例として図18に示すように、TFT基板30Aの周辺部に放射線の照射状態を検出する画素を設ける形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、本発明の放射線感応層としてCsIを含んで構成されたものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CsBr等の他の柱状結晶を含むものを適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、電子カセッテ40の筐体41の内部にカセッテ制御部58や電源部70をケース42と放射線検出器とを重ならないように配置した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、放射線検出器とカセッテ制御部58や電源部70を重なるように配置してもよい。
また、上記各実施の形態では特に言及しなかったが、TFT基板30AおよびTFT基板30Bの少なくとも一方がフレキシブル基板であることが好ましい。これにより、シンチレータ8の柱状結晶の先端部の位置が揃っていない場合でも、シンチレータ8と、当該シンチレータ8に積層されるTFT基板との密着性を向上させることができる。なお、この場合、適用するフレキシブル基板として、近年開発されたフロート法による超薄板ガラスを基材として用いたものを適用することが、放射線の透過率を向上させるうえで好ましい。なお、この際に適用できる超薄板ガラスについては、例えば、「旭硝子株式会社、“フロート法による世界最薄0.1ミリ厚の超薄板ガラスの開発に成功”、[online]、[平成23年8月20日検索]、インターネット<URL:http://www.agc.com/news/2011/0516.pdf>」に開示されている。
また、放射線検出器20のセンサ部13として、光電変換膜4を、有機光電変換材料を含む材料で構成した有機CMOSセンサを用いてもよく、放射線検出器20のTFT基板30A、30Bとして、薄膜トランジスタ10としての有機材料を含む有機トランジスタを、可撓性を有するシート上にアレイ状に配列した有機TFTアレイ・シートを用いてもよい。上記の有機CMOSセンサは、例えば、特開2009−212377号公報に開示されている。また、上記の有機TFTアレイ・シートは、例えば「日本経済新聞、“東京大学、「ウルトラフレキシブル」な有機トランジスタを開発”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A9C93819499E2EAE2E0E48DE2EAE3E3E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E7E2E6E0E2E3E2E2E0E2E0>」に開示されている。
各放射線検出器のセンサ部13としてCMOSセンサを用いる場合、高速に光電変換を行うことができる利点や、基板を薄くすることができる結果、ISS方式を採用した場合に放射線の吸収を抑制することができると共に、マンモグラフィによる撮影にも好適に適用することができる利点がある。
これに対し、各放射線検出器のセンサ部13としてCMOSセンサを用いる場合の欠点として、結晶シリコン基板を用いた場合において放射線に対する耐性が低いことが挙げられる。このため、従来は、センサ部とTFT基板との間にFOP(ファイバ光学プレート)を設ける等といった対策を行う技術もあった。
この欠点を踏まえて、放射線に対する耐性の高い半導体基板として、SiC(炭化ケイ素)基板を用いる技術が適用できる。SiC基板を用いることにより、ISS方式として用いることができる利点や、SiCはSiと比較して内部抵抗が小さく、発熱量が少ないため、動画撮影を行う際の発熱量の抑制、CsIの温度上昇に伴う感度低下を抑制することができる利点がある。
このように、SiC基板等の放射線に対する耐性が高い基板は一般にワイドキャップ(〜3eV程度)なので、一例として図19に示すように、吸収端が青領域に対応する440nm程度である。よって、この場合は、緑領域で発光するCsI:Tlや、GOS等のシンチレータを用いることができない。なお、図19は、有機光電変換材料としてキナクリドンを用いた場合の各種材料のスペクトルである。
これに対し、アモルファスシリコンの感度特性から、これらの緑領域で発光するシンチレータの研究が盛んに行われてきたため、当該シンチレータを用いることの要望が高い。このため、光電変換膜4を緑領域での発光を吸収する有機光電変換材料を含む材料で構成することにより、緑領域で発光するシンチレータを用いることができる。
光電変換膜4を、有機光電変換材料を含む材料により構成し、薄膜トランジスタ10を、SiC基板を用いて構成した場合、光電変換膜4と薄膜トランジスタ10との感度波長領域が異なるので、シンチレータによる発光が薄膜トランジスタ10のノイズとならない。
また、光電変換膜4として、SiCと有機光電変換材料を含む材料とを積層させれば、CsI:Naのような、主として青領域の発光を受光することに加えて、緑領域の発光も受光することができる結果、感度の向上に繋がる。また、有機光電変換材料は放射線の吸収が殆どないため、ISS方式に好適に用いることができる。
なお、SiCが放射線に対する耐性が高いのは、放射線が当たっても原子核が弾き飛ばされにくいためであり、この点は、例えば、「日本原子力研究所、“宇宙や原子力分野などの高放射線環境下で長く使える半導体素子を開発”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://www.jaea.go.jp/jari/jpn/publish/01/ff/ff36/sic.html>」に開示されている。
また、SiC以外の放射線に対する耐性が高い半導体材料として、C(ダイヤモンド)、BN、GaN、AlN、ZnO等が挙げられる。これらの軽元素半導体材料が耐放射線性が高いのは、主としてワイドギャップ半導体であるがために電離(電子−正孔対形成)に要するエネルギーが高く、反応断面積が小さいことや、原子間のボンディングが強く、原子変位生成が起こりにくいことに起因する。なお、この点については、例えば、「電子技術総合研究所、“原子力エレクトロニクスの新展開”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://www.aist.go.jp/ETL/jp/results/bulletin/pdf/62-10to11/kobayashi150.pdf>」や、「“酸化亜鉛系電子デバイスの耐放射線特性に関する研究”、平成21年度(財)若狭湾エネルギー研究センター 公募型共同研究 報告書,平成22年3月」等に開示されている。また、GaNの耐放射線性については、例えば、「東北大学、“窒化ガリウム素子の放射線耐性評価”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://cycgw1.cyric.tohoku.ac.jp/~sakemi/ws2007/ws/pdf/narita.pdf>」に開示されている。
なお、GaNは青色LED以外の用途として熱伝導性がよいことと、絶縁耐性が高いことから、パワー系の分野でIC化が研究されている。また、ZnOは、主に青〜紫外線領域で発光するLEDが研究されている。
ところで、SiCを用いる場合、バンドギャップEgがSiの約1.1eVから約2.8eVとなるため、光の吸収波長λが短波長側にシフトする。具体的には、波長λ=1.24/Eg×1000であるので、440nm程度までの波長に感度が変化する。よって、SiCを用いる場合、一例として図20に示すように、シンチレータも緑領域で発光するCsI:Tl(ピーク波長:約565nm)よりも青領域で発光するCsI:Na(ピーク波長:約420nm)の方が発光波長として適していることになる。蛍光体としては青発光がよいので、CsI:Na(ピーク波長:約420nm)、BaFX:Eu(XはBr,I等のハロゲン、ピーク波長:約380nm)、CaWO(ピーク波長:約425nm)、ZnS:Ag(ピーク波長:約450nm)、LaOBr:Tb、YS:Tb等が適している。特に、CsI:NaとCRカセッテ等で用いられているBaFX:Eu、スクリーンやフイルム等で用いられているCaWOが好適に用いられる。
一方、放射線に対する耐性が高いCMOSセンサとして、SOI(Silicon On Insulator)によりSi基板/厚膜SiO/有機光電変換材料の構成を用いてCMOSセンサを構成してもよい。
なお、この構成に適用可能な技術としては、例えば、「宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所、“民生用最先端SOI技術と宇宙用耐放射線技術の融合により耐放射線性を持つ高機能論理集積回路の開発基盤を世界で初めて構築”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101122_soi_j.html>」が挙げられる。
なお、SOIにおいては膜厚SOIの放射線耐性が高いため、高放射線耐久性素子としては、完全分離型厚膜SOI、部分分離型厚膜SOI等が例示される。なお、これらのSOIについては、例えば、「特許庁、“SOI(Silicon On Insulator)技術に関する特許出願技術動向調査報告”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/soi.pdf>」に開示されている。
また、放射線検出器20の薄膜トランジスタ10等が光透過性を有しない構成(例えば、アモルファスシリコン等の光透過性を有しない材料で活性層17を形成した構成)であっても、この薄膜トランジスタ10等を、光透過性を有する基板1(例えば合成樹脂製の可撓性基板)上に配置し、基板1のうち薄膜トランジスタ10等が形成されていない部分は光が透過するように構成することで、光透過性を有する放射線検出器20を得ることは可能である。光透過性を有しない構成の薄膜トランジスタ10等を、光透過性を有する基板1上に配置することは、第1の基板上に作製した微小デバイスブロックを第1の基板から切り離して第2の基板上に配置する技術、具体的には、例えばFSA(Fluidic Self-Assembly)を適用することで実現できる。上記のFSAは、例えば「富山大学、“微少半導体ブロックの自己整合配置技術の研究”、[online]、[平成23年5月8日検索]、インターネット<URL:http://www3.u-toyama.ac.jp/maezawa/Research/FSA.html>」に開示されている。
日本出願特願2011−239681の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
8、8A、8B シンチレータ(放射線感応層)
8’、8A’、8B’ 放射線感応層
10 薄膜トランジスタ
13 センサ部
14 信号出力部
20 放射線検出器
22 ベース
30A TFT基板(第2基板)
30B TFT基板(第1基板)
40 電子カセッテ
41 筐体
54A 信号処理部(第2信号処理手段)
54B 信号処理部(第1信号処理手段)
58A CPU(検出手段、制御手段)
71A 柱状結晶
71B 非柱状結晶
94 ビニング部(ビニング設定手段)

Claims (12)

  1. 照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線感応層、前記放射線感応層に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第1光電変換部および当該第1光電変換部により発生された電荷を読み出すための第1スイッチング素子を備えた複数の第1画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第2スイッチング素子を備えた複数の第2画素がマトリクス状に設けられた静止画撮影用の第1基板、および前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第2光電変換部および当該第2光電変換部により発生された電荷を読み出すための第3スイッチング素子を備えた複数の第3画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第4スイッチング素子を備えた複数の第4画素がマトリクス状に設けられた動画撮影用の第2基板を有する放射線検出器と、
    前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御する制御手段と、
    を備えた放射線画像撮影装置。
  2. 前記第2基板は、前記第1基板に比較して低解像度および小サイズの少なくとも一方である
    請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記第2基板は、前記放射線の照射状態を検出するための画素が放射線画像を撮影するための画素の間に設けられて構成されている
    請求項1または請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  4. 給電された状態で、前記第1基板から読み出された電荷に対して予め定められた信号処理を行う第1信号処理手段と、
    給電された状態で、前記第2基板から読み出された電荷に対して予め定められた信号処理を行う第2信号処理手段と、
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記検出手段によって前記放射線の照射開始を検出する場合、前記第1基板に対する給電を停止するように制御する
    請求項1から請求項3の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記第2基板から読み出された電荷を隣接する画素単位で合成するビニング状態および当該合成を行わない非ビニング状態を選択的に設定可能に構成されたビニング設定手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記検出手段によって前記放射線の照射開始を検出する場合、前記ビニング状態に設定するように前記ビニング設定手段を制御する
    請求項1から請求項4の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記制御手段は、前記検出手段によって前記放射線の照射状態を検出する場合、前記第2基板からの電荷の読み出し速度を、動画撮影を行う場合より増加させるように制御する
    請求項1から請求項5の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記第1基板と前記第2基板との間、または前記第1基板の前記放射線感応層が積層されている面とは反対側の面、または前記第2基板の前記放射線感応層が積層されている面とは反対側の面に積層され、照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する第2放射線感応層をさらに備えた
    請求項1から請求項6の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記第2基板は、前記第2光電変換部として、各々光の検出感度が互いに異なる高感度光電変換部および低感度光電変換部を備え、
    前記検出手段は、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記高感度光電変換部によって得られた電荷に基づいて前記放射線の照射開始を検出し、前記低感度光電変換部によって得られた電荷に基づいて前記放射線の照射停止を検出する
    請求項7記載の放射線画像撮影装置。
  9. 前記放射線検出器は、静止画像の撮影が行われる場合、前記第1基板が前記放射線感応層より放射線の入射される側に配置される
    請求項1から請求項8の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
  10. 前記放射線感応層は、照射された放射線に応じた光を発生する場合、柱状結晶を含んで構成されている
    請求項1から請求項9の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
  11. コンピュータを、
    照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線感応層、前記放射線感応層に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第1光電変換部および当該第1光電変換部により発生された電荷を読み出すための第1スイッチング素子を備えた複数の第1画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第2スイッチング素子を備えた複数の第2画素がマトリクス状に設けられた静止画撮影用の第1基板、および前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第2光電変換部および当該第2光電変換部により発生された電荷を読み出すための第3スイッチング素子を備えた複数の第3画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第4スイッチング素子を備えた複数の第4画素がマトリクス状に設けられた動画撮影用の第2基板を有する放射線検出器により、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御する制御手段と、
    として機能させるためのプログラム。
  12. 照射された放射線に応じた光を発生するか、または照射された放射線に応じた電荷を発生する放射線感応層、前記放射線感応層に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第1光電変換部および当該第1光電変換部により発生された電荷を読み出すための第1スイッチング素子を備えた複数の第1画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第2スイッチング素子を備えた複数の第2画素がマトリクス状に設けられた静止画撮影用の第1基板、および前記放射線感応層の前記第1基板とは反対側の面に積層され、当該放射線感応層が光を発生する場合に当該光に応じた電荷を発生する第2光電変換部および当該第2光電変換部により発生された電荷を読み出すための第3スイッチング素子を備えた複数の第3画素がマトリクス状に設けられるか、または前記放射線感応層が電荷を発生する場合に当該電荷を読み出すための第4スイッチング素子を備えた複数の第4画素がマトリクス状に設けられた動画撮影用の第2基板を有する放射線検出器により、前記第1基板を用いて静止画撮影を行う場合、前記第2基板から読み出された電荷に基づいて放射線の照射状態を検出する検出工程と、
    前記検出工程による検出結果に基づいて、前記放射線検出器により静止画撮影を行うように制御する制御工程と、
    を有する放射線画像撮影方法。
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