JPWO2013065450A1 - 微細孔を備えた基板の製造方法 - Google Patents

微細孔を備えた基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、所定のレーザー走査速度及びパルスピッチとなるようにレーザー光の繰り返し周波数を調整することにより、エッチング速度を従来と同等以上としつつ、レーザー光の走査速度を高めることを可能として、製造効率を向上させた、微細孔を備えた基板の製造方法である。本発明の基板の製造方法は、基板(1)に10ピコ秒未満のパルス時間幅を有するレーザー光(L)を照射してエッチング耐性が低下した改質部(2)を形成する改質工程と、改質部(2)をエッチングして基板(1)に微細孔を形成するエッチング工程とを含み、改質工程において、レーザー光(L)の走査速度を1〜4000?103μm/sec とし、{レーザー光の走査速度(μm/sec)}/{レーザー光の繰り返し周波数(Hz)}で表されるパルスピッチが0.08〜0.8μmとなるように、レーザー光(L)の繰り返し周波数を調整する。

Description

本発明は、微細孔を備えた基板の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、基板にピコ秒オーダー以下のパルス時間幅を有するパルスレーザー光を照射することによって、基板内にエッチング耐性を低下させた改質部を形成し、前記改質部をエッチングして微細孔を形成する、微細孔を備えた基板の製造方法に関する。本願は、2011年11月4日に、日本に出願された特願2011−242326号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、ガラス基板の内部にパルス状のレーザーを照射し、その焦点を1パルス毎の照射領域が重なるようにシフトさせながら一定の速度で走査することにより、前記焦点が通過した領域およびその近傍(前記領域の周囲)においてエッチング耐性が低下した改質部を形成した後、改質部を選択的又は優先的にエッチングすることにより微細孔を形成する方法が知られている(特許文献1参照;非特許文献1〜2参照)。
特開2006−303360号公報
一般に、基板の改質が不充分であると、基板に改質部を形成した後に行うエッチング工程におけるエッチング速度が遅くなる傾向がある。このため、従来の基板の改質工程においては、基板を充分に改質させるために、レーザー光の走査速度を抑え、単位面積当りの積算の照射エネルギーを高める必要があると一般に考えられていた。すなわち、パルスレーザー照射の繰り返し周波数を一定に保ったまま走査速度を上げると、先発の照射パルスによる照射位置(改質位置)と後発の照射パルスによる照射位置(改質位置)とが重なる領域が小さくなる。つまり、単位面積当たりの積算の照射エネルギーが低くなり、改質部における改質の程度が低くなる。その結果、エッチング速度が遅くなると考えられていた。
このため、従来方法では走査速度を低めに抑えて基板を念入りに改質することが行われていた。例えば、非特許文献1の製法では、走査速度が0.03mm/s(繰返し周波数=100kHz、パルスピッチ=0.0003μm)であり、非特許文献2の製法では、走査速度が0.1mm/s(繰返し周波数=250kHz、パルスピッチ=0.0004μm)である。これらの走査速度で例えば5mm長の改質部を形成する場合、それぞれ約167秒、50秒を要する。この所要時間は、エッチング工程に要する時間(数時間)に比べると短時間であるが、エッチング工程は、大型のエッチング槽を用いるなどして多数の基板を一括して処理できるため、基板1枚当たりに要する加工時間は少なくて済む。一方、レーザー照射装置は高価であるため、レーザー照射装置の台数を増やして大量生産を行うことはコスト的に見合わない。また、1台のレーザー照射装置を用いて複数の基板を同時並行で加工することも困難である。また、高精度加工を行うためのレーザー照射装置は、その光源や加工ステージを低速に動作させるものが主流であり、仮に高速動作させるような装置構成にしたとしても、高精度な加工が困難となる。したがって、微細孔を備えた基板を製造する場合においては、従来、レーザー照射工程の効率を向上させることが難しく、レーザー照射工程が製造工程全体の効率の律速になってしまうという問題があった。したがって、微細孔を備えた基板を製造する場合においては、レーザー照射工程が製造工程全体の効率の律速になる問題があった。
また、上記のようにレーザー照射の走査速度を低めに抑えて、単位面積あたりの積算の照射エネルギーを増やす従来方法は、加工スループットに劣るだけでなく、電力消費、設備投資の増大などの観点からも問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザー光の走査速度を高め、且つ、従来と同等以上のエッチング速度を得ることにより製造効率を向上させた、微細孔を備えた基板の製造方法の提供を課題とする。
本発明の第一態様の微細孔を備えた基板の製造方法は、微細孔を備えた基板の製造方法であって、
10ピコ秒未満のパルス時間幅を有するパルス状のレーザー光の焦点が移動する際の、基板に対する前記焦点の相対速度として定義される、前記レーザー光の走査速度(μm/sec)を
1×10μm/sec〜4000×10μm/secに設定し、
下記式(1)で表されるパルスピッチ(μm)が0.08μm〜0.8μmとなるように、前記レーザー光の繰り返し周波数(Hz)を調整し、
前記基板に、前記レーザー光を照射して、前記レーザー光が集光した焦点を前記基板の内部で、1パスル毎の前記焦点が重なるようにシフトさせながら一定の速度で走査し、前記焦点が通過した領域及びその近傍域にエッチング耐性が低下した改質部を形成し、
前記改質部をエッチング処理で除去することにより、前記基板に微細孔を形成することを特徴とする。
式(1)・・・パルスピッチ(μm)=
{前記レーザー光の走査速度(μm/sec)}/{前記レーザー光の繰り返し周波数(Hz)}
本発明の第一態様の微細孔を備えた基板の製造方法によれば、レーザー光の走査速度を従来よりも高めて、且つ従来と同等以上のエッチング速度を得ることにより製造効率を向上させることができる。
第一態様のレーザー走査速度は従来よりも高速である。さらに、レーザー光の繰り返し周波数を調整することによって、従来よりも広いパルスピッチで改質部を形成することができる。このような加工条件で形成された改質部は、従来と同等以上の速度でエッチングされる。換言すれば、従来と同等以上のエッチング速度で除去することができる改質部を、従来よりも短い時間(改質工程に要する時間)で形成することができる。したがって、改質工程とエッチング工程とを合わせた工程全体の時間を短縮することができ、微細孔を備えた基板の製造方法の製造効率を従来よりも向上させることができる。
本発明の第二態様の微細孔を備えた基板の製造方法は、第一態様において、前記レーザー光の1回の走査によって、前記レーザーの光軸方向に複数の改質部を形成することを特徴とする。
第二態様の製造方法によれば、レーザー光を1回だけ走査することによって、複数の改質部を光軸方向に並列させて形成できるので、製造効率をより高められる。
さらに、形成した複数の改質部の離間距離を、従来よりも短く(狭く)できる。つまり、従来よりもファインピッチで光軸方向に複数の改質部を並列させて、且つ、光軸方向とは異なる方向(長手方向)に長くされた(延設された)複数の改質部を形成できる。一方、従来方法によって複数の改質部を形成する場合、個々の改質部を順に形成していたので、形成する順番が後の改質部をレーザー光で形成する際、先に形成した改質部を避けるようにレーザー光を照射することが困難であった。例えば、先に形成した改質部に対して、レーザー光を照射した場合、先の改質部の改質の程度が変化して、エッチング速度が遅くなる場合があった。
本発明の第三態様の微細孔を備えた基板の製造方法は、第二態様において、前記複数の改質部をエッチングすることにより、複数の微細孔を形成することを特徴とする。
この製造方法によれば、複数の微細孔を光軸方向に並列させて形成できる。さらに、複数の微細孔の光軸方向の離間距離を、従来よりもファインピッチにできる。
本発明の第四態様の微細孔を備えた基板の製造方法は、第一態様〜第三態様のいずれか一項において、前記レーザー光の1パルスのピーク強度を7TW/cm以上に設定することを特徴とする。
この製造方法によれば、上記レーザー走査速度において、エッチング耐性が充分に低下した改質部をより容易に形成できる。
本発明の微細孔を備えた基板の製造方法によれば、従来よりも高速なレーザー走査速度において、レーザー光の繰り返し周波数を調整することによって、従来よりも広いパルスピッチで改質部を形成することができる。このような加工条件で形成された改質部は、従来と同等以上の速度でエッチング可能な改質部である。換言すれば、従来と同等以上のエッチング速度が得られる改質部を、従来よりも短い時間(改質工程に要する時間)で形成することができる。
したがって、改質工程とエッチング工程とを合わせた工程全体の時間が短縮化されるので、微細孔を備えた基板の製造方法の製造効率を従来よりも向上させることができる。
本発明にかかる製造方法の一例の概略を示す模式図である。 レーザー光の焦点の軌跡において、複数の改質部が非連続的に形成された様子を示す模式図である。 本発明にかかる製造方法の一例の概略を示す模式図である。 レーザー光内の強度分布とレーザー光の基板内における屈折率との関係を示すグラフである。 レーザー光が光軸方向に複数の集光部(焦点)を作る様子を示す模式図である。 試験例1の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例2の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例3の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例4の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例5の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例6の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例7の結果を示す、エッチング速度とパルスピッチとの関係を表すグラフである。 試験例1で形成した改質部の直径に相当する断面のSEM像である。 試験例1で形成した改質部の直径に相当する断面のSEM像である。 試験例1で形成した改質部の直径に相当する断面のSEM像である。 試験例1で形成した改質部の直径に相当する断面のSEM像(左)と、その改質部の長手方向の断面のSEM像(右)である。 試験例1で形成した改質部の直径に相当する断面のSEM像(左)と、その改質部の長手方向の断面のSEM像(右)である。 試験例1で形成した改質部の直径に相当する断面のSEM像(左)と、その改質部の長手方向の断面のSEM像(右)である。 試験例1で形成した第一の改質部と第二の改質部の直径に相当する断面のSEM像である。 試験例8の結果を示す、焦点のエッチング速度と走査速度との関係を示した図である。 試験例9の結果を示す、焦点のエッチング速度と走査速度との関係を示した図である。 繰り返し周波数と走査速度の組み合わせのうち、好適な組み合わせを斜線で示したグラフである。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。 製造装置の一例を示すブロック図である。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
本発明の製造方法の第1実施形態は、基板の内部に、ピコ秒オーダー以下(例えば10ピコ秒未満)のパルス時間幅を有するレーザー光を照射して、前記レーザー光が集光した焦点を走査し、前記焦点が通過した近傍域(周囲)にエッチング耐性が低下した改質部を形成する改質工程と、前記改質部をエッチング処理によって基板から除去することにより、前記基板に微細孔を形成するエッチング工程とを含む。さらに、前記改質工程において、前記基板内部を前記レーザー光の焦点が移動する際の、前記基板に対する前記焦点の相対速度として定義される、前記レーザー光の走査速度(μm/sec)を1×10μm/sec〜4000×10μm/secに設定し、下記式(1)で表されるパルスピッチ(μm)が0.08μm〜0.8μmとなるように、前記レーザー光の繰り返し周波数(Hz)を調整する方法である。
式(1);パルスピッチ(μm)=
{前記レーザー光の走査速度(μm/sec)}/前記レーザー光の繰り返し周波数(Hz)}
<改質工程>
図1に、改質工程の概念図を示す。基板1の第一の面1a側から、レーザー光Lを照射して、基板1の内部で、焦点Fを一定の速度で走査する。このレーザー光Lは、連続光ではなく、一定の繰り返し周波数と一定のパルス時間幅で出射するパルス状のレーザー光である。焦点Fが通過した領域及びその近傍域(周囲)に、エッチング耐性が低下した改質部2を形成できる。図中の矢印は、レーザー光Lの走査方向を表す。図中、レーザー光Lを集光させるレンズは省略して描いていない。図1では、焦点Fの走査方向を第一の面1aと平行にしているが、走査方向はこれに制限されず、所望の向きに設定することができる。
本発明の第一実施形態の改質工程において、ガラス基板を使用することが好ましい。ガラス基板に対して上記条件でレーザー光を照射することにより、エッチング耐性が充分に低下した改質部を形成できる。
前記ガラス基板としては、例えば、石英で構成されるガラス基板、珪酸塩を主成分とするガラス又はホウ珪酸ガラスで構成されるガラス基板、無アルカリガラス、バイコールガラス、マイクロシートガラス、パイレックス(登録商標)、ソーダライムガラス、ネオセラム等の公知のガラス基板が適用できる。これらの中でも、加工性に優れる石英ガラスがより好ましい。なお、基板の形状は平板に限らず、例えば球形であってもよい。この場合、前記基板を基材と呼ぶこともできる。
尚、感光性ガラスは反応メカニズムが異なるため、本発明に適用することはできない。ここで、「感光性ガラス」とは、紫外線照射及び焼成処理によりガラス内に金属コロイドが発生し、さらに結晶が析出するガラスをいう。結晶が生じた領域のHFに対する耐性が低下するため、当該領域をエッチングして除去することができる。前記感光性ガラスとしては、CeOが含有されたガラスが挙げられる。一般に、CeOを含むガラスに紫外線照射及び焼成処理することにより、ガラス内に含有される金、銀、銅などが金属コロイドになり、さらにメタケイ酸リチウムの結晶が析出すると考えられている。HFにより、メタケイ酸リチウムの結晶を含む領域が選択的に(優先的に)エッチングされる。
ピコ秒オーダー以下のパルス時間幅を有するレーザー光のパルス幅の範囲は特に制限されず、例えば1フェムト秒以上から10ピコ秒未満とすれば良い。上記パルス時間幅のうち3ピコ秒未満、より好ましくは2ピコ秒未満であると、より効果的である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において「ピコ秒オーダー以下」とは、「10ピコ秒未満」を意味する。
前記パルス幅を有するレーザー光を照射する装置としては、例えばチタンサファイアレーザー、ファイバーレーザー等が用いられる。また、本発明の製造方法で使用するレーザー装置は、レーザー光の繰り返し周波数を調整できる機構が備わっている装置が好ましい。
前記パルス時間幅がピコ秒オーダー以下であることで、集光部(焦点及びその周囲)において、基板(基材)の電子温度とイオン温度とが非平衡状態で加熱される、いわゆる非熱過程の加工が進行する。そして、熱拡散長を極限まで抑えることができる。さらには多光子吸収によって開始される非線形加工が支配的であるため、加工後に得られる改質部の形状は、ナノスケールからマイクロオーダースケール(例えば1nm〜500μm)の微細孔を得ることが可能である。
一方、ピコ秒オーダーを超えるパルスレーザー、例えば10ピコ秒以上のパルス時間幅を有するレーザー光を用いた場合では、基板(基材)の電子温度とイオン温度とが平衡状態になる熱的加工が支配的である。熱的加工においては熱拡散長が大きいため、ナノからマイクロオーダースケールの加工を行うことが困難である。
このように、パルス時間幅が約1〜10ピコ秒付近を境にして、全く異なる反応メカニズムとなる。
本発明の第1実施形態の改質工程では、レーザー光が基板内に焦点を結ぶように照射する。この際、レーザー光を集光するレンズを用いることができる。例えば、シリンドリカルレンズを用いれば、一度に基板の広範囲にレーザー照射できる。また、例えばコニカルレンズを用いれば、一度に基板の垂直方向の広範囲にレーザー光を照射できる。なお、レーザー光の焦点は一定の範囲に広がりを持つので、「レーザー光の集光部」と言い換えられる。この広がりを有するため、焦点が通過した領域及びその近傍域(周囲)に改質部を形成できる。
前記改質工程におけるレーザー光の偏波は、直線偏波、楕円偏波、円偏波のいずれであっても良い。レーザー光の偏波とレーザー光の焦点の走査方向との関係は特に制限されない。
しかし、より微細な微細孔を形成する場合は、レーザー光の偏波方向とレーザー光の焦点の走査方向との関係を考慮することが好ましい。高いアスペクト比の微細孔を形成するためには、改質部と非改質部との間のエッチング速度の差(エッチング選択性)を大きくすれば良い。エッチング選択性は、(1)照射するレーザー光が直線偏波であり、偏波方向と走査方向とが垂直、(2)照射するレーザー光が円偏波、(3)照射するレーザー光が直線偏波であり、偏波方向と走査方向とが平行、の順に高いエッチング選択性が得られる。
前記改質工程におけるレーザー光の照射強度を小さくするほど、焦点における照射エネルギーが小さくなり、上述した「電子温度とイオン温度とが非平衡状態で加熱される範囲」が小さくなる。その結果、改質部の領域が小さくなり、エッチングした後には径の小さな径の微細孔を形成することができる。しかし、レーザー光の照射強度を小さくし過ぎてしまうと、基板(基材)をエッチング可能な程度に改質することができず、微細孔を形成されない。基板をエッチング可能な程度に改質するためには、レーザーパルスのピーク強度を、ある一定値以上に設定する必要がある。その一定値以上の範囲における下限値近傍のパルスのピーク強度でレーザー照射することによって、非常に小さい孔径の微細孔を形成することができる。
前記下限値近傍のピーク強度で照射すれば、前述したレーザー光の偏波方向がエッチング選択性に与える影響(依存性)が大きくなる。一方、前記下限値よりも十分に大きいピーク強度、例えばピーク強度が40TW/cm以上の場合には、前述したレーザー光の偏波方向がエッチング選択性に与える影響(依存性)が殆どなくなる。
レーザー光の焦点を基板の内部で走査する方法としては、基板を固定してレーザー照射装置(レーザー光源)を動かす方法、レーザー照射装置を固定して基板を動かす方法、又は基板およびレーザー照射装置の両方を動かす方法が挙げられる。光源の駆動方式としては、例えばリニアーモーター、ピエゾアクチュエータ、ガルバノスキャナー、といった駆動方式を採用することができる。これらの駆動方式であれば、レーザー光の走査速度(μm/sec)を従来よりも速い1×10μm/sec〜4000×10μm/secに設定することができる。
本発明において、レーザー光の走査速度とは「基板内部をレーザー光の焦点が移動する際の、前記基板に対する前記焦点の相対速度」を意味する。基板及びレーザー照射装置の両方を動かして、レーザー光の焦点を走査する場合、前記レーザー光の走査速度は、レーザー照射装置と基板との相対的な速度である。
本発明において、レーザー光のパルスピッチは、下記(1)式で定義される。
式(1);パルスピッチ(μm)=
{レーザー光の走査速度(μm/sec)}/{レーザー光の繰り返し周波数(Hz)}
この式(1)によれば、パルスピッチは、レーザー光の焦点の走査方向において、先発のパルスと後発のパルスとの距離を意味する。
本発明で使用するレーザー光はパルスレーザーであり、1パルス毎にドット状の改質部が形成される。そして、1パルス毎の焦点が重なるように焦点をシフトさせながら一定の速度で走査する。その結果、レーザー光の焦点が基板内を走査する軌跡において、個々のパルスに対応する微小なドット状の改質部(以下、単にドットと呼ぶ。)が重り、ライン状の改質部が形成されると考えられる。しかし、前記焦点の走査速度を大きくし過ぎると、パルスピッチ(先発のパルスと後発のパルスとの距離)が大きくなり過ぎてしまい、前記軌跡において、先発のパルスによって形成されたドットと後発のパルスによって形成されたドットとが連結しない場合がある。つまり、前記軌跡において、複数のドットが断続的(非連続)(飛び石状)に形成される場合がある。このように断続的なドットが前記軌跡上に形成される模式的な様子を図2に示す。このように、複数のドットが断続的に離れて形成された場合は、エッチング工程において微細孔を形成することができない。通常、走査速度を遅くして、1パルス毎のドットが重なるようにした場合には、これらの各ドットは連結し、ライン状の改質部を形成することができる。する傾向がある。
図2において、レーザー光の焦点の軌跡L1上に、順に形成されたドット2a〜2eが並んでいる。基本的には、互いに隣接する各ドットの中心の距離(中心間距離)は、互いに隣接する箇所に照射された個々のレーザーパルスのパルスピッチ(先発のパルスと後発のパルスのパルスピッチ)に相当する。ただし、後述するように、先発のパルスによって形成されたドットに後発のパルスが閉じ込められる現象が起きる場合がある。この場合には中心間距離がパルスピッチに対応するとは限らない。互いに隣接する各ドットの端(縁)と端(縁)との距離(隣接距離)が短い場合には、後段のエッチング処理において、互いに隣接する各ドットが連結するようにエッチングが進行して、軌跡L1に相当する1本に連結した微細孔が形成される。
前記改質工程では、レーザー光の走査速度(μm/sec)を従来よりも速い1×10μm/sec〜4000×10μm/secに設定し、前記パルスピッチ(μm)が0.08μm〜0.8μmとなるように、レーザー光の繰り返し周波数(Hz)を調整することによって、従来よりもパルスピッチを大きくすることができる。このような加工条件によって改質部を形成することにより、従来と同等以上にエッチング速度が向上した改質部が得られる。
前記走査速度(μm/sec)としては、1×10μm/sec〜4000×10μm/secが好ましく、10×10μm/sec〜4000×10μm/secがより好ましく、20×10μm/sec〜4000×10μm/secがより好ましく、30×10μm/sec〜4000×10μm/secがより好ましく、30×10μm/sec〜2500×10μm/secが更に好ましく、30×10μm/sec〜800×10μm/secが最も好ましい。上記範囲の下限値以上(即ち、1×10μm/sec以上)の走査速度を採用することにより、従来よりも飛躍的に製造効率を向上させられる。上記範囲の上限値以下(即ち、4000×10μm/sec以下)であることにより、改質部のエッチング耐性を充分に低下させることができる。
前記レーザー光の繰り返し周波数(kHz)としては、1kHz〜50×10kHzが好ましく、10kHz〜30×10kHzがより好ましく、20kHz〜30×10kHzが更に好ましく、30kHz〜30×10kHzが一層好ましく、30kHz〜3×10kHzが更に一層好ましく、30kHz〜1×10kHzが最も好ましい。上記範囲(即ち、1kHz〜50×10kHz)であることにより、改質部のエッチング耐性を充分に低下させることができる。
前記パルスピッチ(μm)としては、0.08μm〜0.8μmが好ましく、0.1μm〜0.6μmがより好ましく、0.13μm〜0.5μmが更に好ましく、0.13μm〜0.4μmが特に好ましい。上記範囲(即ち、0.08μm〜0.8μm)であることにより、改質部のエッチング耐性を充分に低下させることができる。
本発明の第1実施形態において、レーザー光のピーク強度(1パルスあたりのレーザーフルエンス/パルス時間幅)は、7TW/cm以上であることが好ましい。7TW/cm以上であると、エッチング耐性を低下させた改質部を形成することができる。さらには、レーザー光のピーク強度を20TW/cm以上に設定することによって、エッチング耐性を充分に低下させた複数の改質部を、レーザーの光軸方向に並んで形成することができる。
レーザー光のピーク強度の上限は、基板が破壊されるような極端に高い強度でない限り特に制限されず、例えば700TW/cmが挙げられる。
本発明の第1実施形態において使用するレーザー光の波長(nm)は特に制限されないが、例えば300nm〜2000nmが好ましく、300nm〜1600nmがより好ましく、400nm〜1600nmが更に好ましい。
本発明の第1実施形態において使用するレーザー光のパルス時間幅は特に制限されないが、例えば1fs以上、10ps未満が好ましく、1fs以上、3ps未満がより好ましく、1fs以上、2ps未満が更に好ましい。
図3に、複数の改質部3,4をレーザー光Lの光軸方向D1に並列させて形成する場合の概念図を示す。基板1の第一の面1a側から、レーザー光Lを照射して、基板1の内部で、焦点Fを第一の面1aと平行に走査する。焦点Fが通過した近傍域(周囲)に、エッチング耐性が低下した第一の改質部3を形成するとともに、第二の改質部4を、第一の改質部3と平行に、基板1の第二の面側(第一の面の反対面側)に形成できる。図中の実線矢印は、レーザー光Lの走査方向を表し、図中の点線矢印は、レーザーの光軸方向D1を表す。図中、レーザー光Lを集光させるレンズは省略して描いていない。
図3に示すように複数の改質部をレーザーの光軸方向に並べて形成できる理由として、高いパルス尖頭値を有する強いレーザー光を基板内に入射させることによって、レーザーの強度に応じて屈折率が上昇することが一因として考えられる。図4に示すように、レーザービームは中心部が最も高いエネルギー分布を有するので、その屈折率の分布は、レーザーの中心部が最も高くなり、中心から外れるにつれて下がる。そのため、図5に示すように、集光されたレーザー光は、基板に入射すると、より高い開口数で集光して、自己収束するので、集光部F1(焦点)は僅かに光路手前側(光軸の手前側)に移動する。その後、集光部F1で発生するプラズマが、屈折率を低下させて自己発散するので、レーザー光が一時的に拡がり、光軸の先方向へさらにレーザー光が進むにつれて、再び自己収束する(F2)と考えられている。この現象は、一般にフィラメンテーションと呼ばれる。このように、レーザーの光軸方向において、自己収束と自己発散を繰り返すことにより、集光部が複数形成される。この状態で、レーザーを走査することによって、基板の内部に複数の改質部を同時に形成できる。
光軸方向において形成される集光部の繰り返しの数は、レーザーパワーの強度にも依るが、通常1〜6である。複数形成される集光部のうち、レーザーの光軸方向の先端側に形成される集光部ほど、基板を改質する力が低下する。すなわち、図5に示した複数の集光部における改質部の形成能力は、F1>F2>F3である。したがって、通常は、レーザーの光軸方向において手前側(光源側)に形成される改質部ほど、エッチング後に形成される微細孔の孔径が大きくなる。
前記集光部(焦点)の繰り返しの数は、レンズの開口数(N.A.)やパルスのピーク強度を調整することによって制御できる。
本発明の第1実施形態において、レーザー光を集光させるレンズの開口数(N.A.)を調整することによって、光軸方向に複数形成される改質部の離間距離を調整することができる。具体的には、開口数を大きくするほど、互いに隣接する前記複数の集光部の距離が短くなり、形成される複数の改質部の離間距離を短く(狭く)することができる。
具体的には、例えば図3に示す第一の改質部3と第二の改質部4との離間距離を、前記開口数を調整することによって、例えば0.7μm〜25μmの範囲で調整できる。
本発明の第1実施形態において、レーザーの光軸と走査方向とのなす角度は特に制限されないが、30〜90度が好ましく、45〜90度がより好ましく、60〜90度が更に好ましい。上記範囲であると、光軸方向に複数の改質部をより容易に形成することができる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、前記なす角度は0〜90度の範囲を取りうる角度である。ここで、前記レーザーの光軸と走査方向のなす角度とは、レーザーの光軸を表す直線と走査方向が表す直線とがなす角度のうち、鋭角側の角度を意味する。前記なす角度が、レーザーの光軸を表すベクトルと走査方向が表すベクトルとのなす角(両ベクトルがなす角の範囲は0〜180度)を表すことを意図してはいない。即ち前記レーザーの光軸と走査方向のなす角度が取りうる角度の範囲は0から90度である。
前記改質工程において、1回の走査で形成する改質部の長手方向に直交する断面形状を楕円に近似した場合、その短径は、例えば0.02μm〜10μmの範囲で調整(形成)できる。また、長径は、例えば0.3〜12μmの範囲で調整(形成)できる。調整する方法としては、レーザー光のピーク強度、レンズの開口数を変える等の方法が例示できる。ピーク強度が大きくなるほど、また開口数が小さいほど、改質部の径が大きくなる傾向がある。
レーザー照射後に形成される改質部の長手方向に直交する断面の形状は、おおよそ円又は楕円に近似できる形状である。本明細書で例示した改質部の径は、近似される円の直径又は近似される楕円の長径である。
<エッチング工程>
改質部をエッチングすることにより微細孔を形成する方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、公知の方法が適用できる。
例えば、基板の内部に形成した改質部の端部が基板の表面に露出する状態で、前記基板をエッチング液(エッチャント)に浸漬することによって、改質部を基板内部から除去し、微細孔を形成できる。前記エッチング液としては、例えばフッ酸(HF)や水酸化カリウム(KOH)の水溶液が用いられる。
エッチング後に形成される微細孔の孔径は、エッチング液に浸漬する時間を調整することによって、調整できる。例えば、改質部の短径を0.02μm〜10μmで形成した場合、前記改質部をエッチングすることにより、微細孔の孔径を0.04μm以上で形成することができる。また、前記基板の前記改質部以外の領域も、エッチング速度は遅いが、エッチングされうる。このため、エッチング液の濃度やエッチング時間などのエッチング条件を適宜調整することによって、微細孔の孔径を任意に変えることができる。また、エッチング時間を延ばすことで、一度のレーザー照射で形成される光軸に沿った複数の改質部を融合させ、一つの孔(微細孔)として形成することも可能である。
エッチング後に形成される微細孔の孔径の形状は、円又は楕円に近似できる形状となる。本明細書で例示した微細孔の孔径は、特に明示しない限り、近似される円の直径又は近似される楕円の長径である。
《製造装置》
本発明にかかる微細孔を備えた基板の製造方法に適した、製造装置の実施形態を以下に説明する。
前記製造装置の第1実施形態は、レーザー光源、光学系、加工ステージ、及び制御系を少なくとも備える。前記制御系は、レーザー光源の繰り返し周波数(kHz)とレーザー光の焦点の走査速度(mm/sec)との関係が、図15のグラフにおける斜線の範囲に含まれるように、レーザー光源、光学系又は加工ステージを制御することができる。
前記斜線の範囲は、横軸(x軸)にレーザー光源の繰り返し周波数(kHz)をとり、縦軸(y軸)にレーザー光の焦点の走査速度(mm/sec)をとった、x−y軸座標系において、下記式(a1)〜(a3)で表される3つの直線によって囲まれる領域である。
式(a1);y=0.8x
式(a2);y=0.08x
式(a3);x=1000
前記製造装置の一例(製造装置A)を図19に示すブロック図を参照して説明する。
製造装置Aは、レーザー光源、加工ステージ、及び前記制御系として演算部を備える。演算部としては公知の情報処理機器が適用できる。
所望の走査速度若しくは繰り返し周波数の数値、及び所望のパルスピッチをそれぞれ演算部に入力し、演算部において前記式(1)に基づいて、入力値に対応する繰り返し周波数又は走査速度を得る。次に、演算部で求められた走査速度及び繰り返し周波数で動作させるための出力信号を、それぞれ加工ステージ及びレーザー光源へ出力する。この結果、前記グラフの斜線の範囲で示された条件で、レーザー光の焦点を加工ステージ上に載せた基板内において走査し、改質部を形成することができる。
加工ステージの実際の走査速度、及びレーザー光源の実際の繰り返し周波数は、演算部によってモニターされても構わない。
前記製造装置の一例(製造装置B)を図20に示すブロック図を参照して説明する。
製造装置Bは、レーザー光源、加工ステージ、光学系、及び前記制御系として演算部を備える。光学系を有すること以外は、製造装置Aと同様である。
製造装置Bにおいては、レーザー光源が所定の繰り返し周波数に達するまで、光学系に設けられたシャッターにより、レーザー光が加工ステージ上の基板へ照射されることが防がれている。これに代わる方法として、シャッターで遮光する代わりに、レーザー強度を充分に下げることによって、レーザー光が基板へ照射されても、当該基板が加工されない(改質されない)ように制御しても構わない。
光学系のシャッターを閉じた状態で、加工ステージを移動させても構わない。この場合には、レーザー光によって基板を加工することなく、基板を所望の位置へ移動することができる。つまり、加工ステージを移動させながらシャッターを開閉することにより、レーザー光の焦点が基板内を移動しながら明滅することが可能である。レーザー光が十分な強度を有していれば、焦点の軌跡のうち、シャッターが開いている区間は改質され、シャッターが閉じている区間は改質されない。
前記製造装置の第1実施形態において、加工ステージの実際の走査速度、レーザー光源の実際の繰り返し周波数、又はシャッターの実際の開閉は、演算部によってモニターされても構わない。
図21のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、レーザー光の繰り返し周波数の実際の値がレーザー光源から演算部へ入力され、その入力を受けた演算部が加工ステージへ、前記式(1)を満たす走査速度の値又はその走査速度で動作させるための信号を出力する処理を示す。図示しないが、演算部が加工ステージの走査速度をモニターしても構わない。
図22のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、レーザー光の繰り返し周波数の実際の値がレーザー光源から演算部へ入力され、その入力を受けた演算部が加工ステージへ、前記式(1)を満たす走査速度の値又はその走査速度で動作させるための信号を出力する処理を示す。さらに、前記入力を受けた演算部は、前記入力が所定の繰り返し周波数に達した場合には、光学系へ、シャッターを開けるための信号又は基板へ照射されるレーザー光の強度を高めるための信号を出力する。前記入力が所定の繰り返し周波数未満である場合には、光学系へ、シャッターを閉じるための信号又は基板へ照射されるレーザー光の強度を弱める(レーザー加工が実質的にできない強度にする)ための信号を出力する。
レーザー光を遮光又は減光している間に加工ステージ及び基板を移動させても構わない。レーザー加工が行われない状態で、加工ステージを加速又は減速し、移動方向を変更しても構わない。加工ステージの移動に伴うレーザー焦点の軌跡の移動を演算部で算出しても構わない。
図23のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、演算部から加工ステージへ信号又は走査速度の数値を出力するだけでなく、加工ステージから演算部へ、実際の走査速度の数値をフィードバックする処理を示す。図示しないが、光学系から演算部へ実際のシャッターの開閉状態等をフィードバックしても構わない。
図24のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、加工ステージの移動速度(レーザー光の焦点の走査速度)の実際の値が加工ステージから演算部へ入力され、その入力を受けた演算部がレーザー光源へ、前記式(1)を満たす繰り返し周波数の値又はその繰り返し周波数で動作させるための信号を出力する処理を示す。
図25のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、加工ステージの移動速度の実際の値が加工ステージから演算部へ入力され、その入力を受けた演算部が加工ステージへ、前記式(1)を満たす繰り返し周波数の値又はその繰り返し周波数で動作させるための信号を出力する処理を示す。さらに、前記入力を受けた演算部は、前記入力が所定の走査速度に達した場合には、光学系へ、シャッターを開けるための信号又は基板へ照射されるレーザー光の強度を高めるための信号を出力する。前記入力が所定の速度未満又は所定の速度を超える場合には、光学系へ、シャッターを閉じるための信号又は基板へ照射されるレーザー光の強度を弱める(レーザー加工が実質的にできない強度にする)ための信号を出力する。
レーザー光を遮光又は減光している間にレーザー光源の繰り返し周波数を調整しても構わない。レーザー加工が行われない状態で、加工ステージを加速又は減速し、移動方向を変更しても構わない。加工ステージの移動に伴うレーザー焦点の軌跡の移動を演算部で算出しても構わない。
図26のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、演算部からレーザー光源へ信号又は繰り返し周波数の数値を出力するだけでなく、レーザー光源から演算部へ、実際の繰り返し周波数の数値をフィードバックする処理を示す。図示しないが、光学系から演算部へ実際のシャッターの開閉状態等をフィードバックしても構わない。
図27のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、レーザー光源、演算部及び加工ステージが相互に動作信号又は数値を送受信する処理を示す。
図28のブロック図は、前記製造装置の第1実施形態において、レーザー光源、演算部及び加工ステージが相互に動作信号又は数値を送受信する処理を示す。さらに、演算部が光学系に信号を送信する処理を示す。図示しないが、光学系から演算部へ信号を送信し、演算部と光学系が相互に信号を送受信しても構わない。
前記製造方法に適した製造装置の第2実施形態として、例えば、
10ピコ秒未満のパルス時間幅を有するレーザー光を発生する第一のユニットと、
基板内の所望の領域に対して前記レーザー光の焦点を走査する第二のユニットと、
を少なくとも備え、前記製造方法における前記改質工程に用いる装置、が挙げられる。
前記第一のユニットとして、例えば前記レーザー光源が挙げられる。
前記第二のユニットとして、例えば前記加工ステージが挙げられる。
前記製造方法に適した製造装置の第3実施形態として、例えば、
前記基板の支持ユニットと、前記レーザー光の照射ユニットと、前記焦点を走査する移動ユニットと、前記繰り返し周波数および前記走査速度を制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、前記走査速度が1×10μm/sec〜4000×10μm/secとなるように前記移動ユニットを制御し、且つ、前記式(1)に基づいて、パルスピッチが0.08μm〜0.8μmとなるように前記照射ユニットの前記レーザー光の繰返し周波数を制御する装置、が挙げられる。
前記支持ユニットとしては、例えば前記加工ステージが挙げられる。前記照射ユニットとしては、例えば前記レーザー光源が挙げられる。前記移動ユニットとしては、例えば前記加工ステージを動かす駆動部が挙げられる。前記制御ユニットとしては、例えば前記演算部が挙げられる。
前記制御ユニットは、前記グラフの斜線で囲まれた領域に含まれる、前記繰り返し周波数および前記走査速度の組み合わせによって、前記レーザー照射ユニットおよび前記移動ユニットを制御することが好ましい。
前記製造方法に適した製造装置の第4実施形態として、例えば、
基板に、10ピコ秒未満のパルス時間幅を有するレーザー光を照射して、前記レーザー光が集光した焦点を前記基板の内部で走査し、前記焦点が通過した領域及びその近傍域(周囲)にエッチング耐性が低下した改質部を形成する装置であって、
前記基板の支持ユニットと、
前記レーザー光を所定の繰り返し周波数(Hz)で照射する照射ユニットと、
前記支持ユニット又は前記レーザー照射ユニットを移動させることにより、前記基板内部を前記レーザー光の焦点が移動する際の、前記基板に対する前記焦点の相対速度として定義される前記レーザー光の走査速度(μm/sec)で、前記焦点を走査する移動ユニットと、
前記繰り返し周波数および前記走査速度を制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、前記走査速度が1×10μm/sec〜4000×10μm/secとなるように前記移動ユニットを制御し、且つ、前記式(1)に基づいて、パルスピッチが0.08μm〜0.8μmとなるように前記照射ユニットの前記レーザー光の繰返し周波数を制御する装置、が挙げられる。
前記支持ユニットとしては、例えば前記加工ステージが挙げられる。前記照射ユニットとしては、例えば前記レーザー光源が挙げられる。前記移動ユニットとしては、例えば前記加工ステージを動かす駆動部が挙げられる。前記制御ユニットとしては、例えば前記演算部が挙げられる。
前記制御ユニットは、前記グラフの斜線で囲まれた領域に含まれる、前記繰り返し周波数および前記走査速度の組み合わせによって、前記レーザー照射ユニットおよび前記移動ユニットを制御することが好ましい。
[試験例1]
チタンサファイアレーザーを用いて、以下の照射条件によって、図1に示した様に、石英ガラス基板1の第一の面1aに平行な改質部1を形成した。形成した改質部1の長手方向の長さは20mmであり、改質部の径は最大で5μm程度であった。
《照射条件》
・波長=800nm、スペクトル幅=10nm、パルス時間幅=〜220fs、対物レンズの開口数(N.A.)=0.5、偏波=円偏波、光軸と走査方向とのなす角度=90度、ピーク強度(1パルス当りのレーザーフルエンス/パルス時間幅)=50TW/cm
・走査速度(μm/sec)および繰り返し周波数(kHz)は、所定のパルスピッチとなる様に、500μm/sec〜20×10μm/secおよび10kHz〜200kHzの範囲で調整した。
・1パルス毎の前記焦点が重なるようにシフトさせながら一定の速度で走査した。
形成した改質部の、長手方向に直交する断面を基板表面に露出させて、エッチャント=KOH水溶液(15wt%)、温度=80度、エッチング時間=3時間、の条件でエッチングを行った。その結果を図6に示す。図6において、「○」で示されたプロット群は走査速度=500μm/secであり、「△」で示されたプロット群は走査速度=3000μm/secであり、「□」で示されたプロット群は走査速度=20000μm/secである。何れの走査速度の場合も、ピーク強度は50TW/cmである。
この結果から、本発明にかかる「□」で示されたプロット群は、パルスピッチが0.1μm〜0.5μmの範囲において、従来方法にかかる「○」で示されたプロット群と同等のエッチング速度を達成していることがわかる。
なお、「□」で示されたプロット群においては、いずれのパルスピッチの場合も、第一の改質部および第二の改質部、並びにそれに対応する2つの微細孔が形成された。第一の改質部の断面は楕円形に近似した場合、前記楕円の長径=2.5μm、前記楕円の短径=2μmであった。また、第一の改質部に対応する微細孔の断面は楕円形であり、前記楕円の長径=3.7μm、前記楕円の短径=3.2μmであった。
[試験例2]
レーザー光のピーク強度を70TW/cmに変更した以外は、試験例1と同様に試験例2を行った。その結果を図7に示す。ただし、図7において、「○」で示されたプロット群は走査速度=500μm/secであり、「△」で示されたプロット群は走査速度=3000μm/secであり、「□」で示されたプロット群は走査速度=20000μm/secである。
この結果から、本発明にかかる「□」で示されたプロット群は、パルスピッチが0.08μm〜0.8μmの範囲において、従来方法にかかる「○」で示されたプロット群と同等のエッチング速度を達成していることがわかる。
なお、「□」で示されたプロット群においては、いずれのパルスピッチの場合も、第一の改質部および第二の改質部、並びにそれに対応する2つの微細孔が形成された。第一の改質部の断面は楕円形に近似した場合、前記楕円の長径=2.5μm、前記楕円の短径=2μmであった。また、第一の改質部に対応する微細孔の断面は楕円形であり、前記楕円の長径=3.7μm、前記楕円の短径=3.2μmであった。
上記「○」で示されたプロット群のうち、パルスピッチを0.015μmにして形成した改質部の、長手方向に直交する断面のSEM像及び長手方向の断面のSEM像を、それぞれ図13A及び図14Aに示す。
上記「△」で示されたプロット群のうち、パルスピッチを0.06μmにして形成した改質部の、長手方向に直交する断面のSEM像及び長手方向の断面のSEM像を、それぞれ図13B及び図14Bに示す。
上記「□」で示されたプロット群のうち、パルスピッチを0.3μmにして形成した改質部の、長手方向に直交する断面のSEM像及び長手方向の断面のSEM像を、それぞれ図13C及び図14Cに示す。
図13A〜図13C及び図14A〜図14Cの断面は、改質部を形成した後で、基板を研磨して改質部を露出させ、その改質部が露出した面を、0.5wt%のフッ酸水溶液、常温、8分間のスライトエッチング処理を行った後で観察したSEM像である。このようなスライトエッチング処理を行うことにより、基板および改質部の最表面のみをエッチングすることができる。そして、改質部を顕在化させ、改質部の状態を容易に観察することができる。
図14A〜図14Cにおいて、左の断面(改質部の直径に相当する断面)に示した横線の位置は、右の断面(改質部の長手方向の断面)の位置を表す。
図13A及び図14Aから、上記「○」で示されたプロット群に対応するレーザー照射条件、すなわちパルスピッチが0.002μm以上0.02μm未満である場合、改質部の長手方向にドット状(球状)の改質部が連なって形成され、改質部の長手方向の全体に亘って均一な改質部が連続的に形成されている様子がわかる。
この範囲のパルスピッチで形成されたドット状の改質部内には、エッチング耐性が特に低くなったナノ構造(SEM像において改質部内の黒色の箇所)が形成されている。エッチング工程で、このナノ構造が選択的にエッチングされて、連続的に形成された互いに隣接するドット状の改質部が容易に繋がるため、改質部の長手方向(レーザーの走査方向)にエッチングが進行し易いと考えられる。
なお、前記SEM像からナノ構造の微細な部分を明確に読み取ることは難しいが、より高解像度のSEM像を観察した場合、ナノ構造と呼ぶことができる微細構造が観察される。
図13B及び図14Bから、上記「△」で示されたプロット群に対応するレーザー照射条件、すなわちパルスピッチが0.02μm以上0.08μm未満である場合、改質部の長手方向に、ドット状(球状)の改質部が断続的に形成されている様子がわかる。そして、互いに隣接するドット状の改質部の間は、レーザー光が照射されているにもかかわらず、レーザー光が照射されていない領域と同様なエッチング耐性を有しているように観察される。このため、改質部の長手方向(レーザーの走査方向)にエッチングが進行し難いと考えられる。
前記ドット状の改質部(以下、単にドットと呼ぶことがある。)の形成メカニズムは、未だ詳しくは解明されていないが、例えば以下のメカニズムが考えられる。
まず、(1)レーザーの集光部に発生するプラズマ波又はプラズモンが、周期的なナノ構造を形成して、さらに、その周期の僅かなズレによってモアレ状のパターンが形成された事、或いは、複数発のレーザーパルスが相互作用した事が要因(原因)になり、最初のドットを形成する。(2)次に、レーザー光の集光部が走査方向へ少し移動するが、後発のレーザーパルスが発生するプラズマ波又はプラズモンが、既に形成されたドットに引き戻されて、そのドットに閉じ込められ、既に形成されたドットの改質の程度を大きくする。また、さらに集光部が移動すると、レーザー光の集光が既に形成されたドットによって妨げられ、改質部が形成されない場合もあると考えられる。(3)その後、レーザー光の集光部が走査方向へさらに大きく移動することによって、後発のレーザーパルスが前記閉じ込めから開放され、既に形成されたドットに隣接する新たな位置にレーザーパルスが集光される。この結果、先に(既に)形成されたドットに隣接する位置において、新たなドットが形成される。以上の(1)〜(3)が繰り返されることにより。複数のドットが互いに間隔を空けて、連なって形成されると考えられる。
図13C及び図14Cから、上記「□」で示されたプロット群に対応するレーザー照射条件、すなわちパルスピッチが0.08μm以上0.8μm以下である場合、改質部の長手方向に、縞状に見えるサブミクロンオーダーの周期性を有する構造が形成される。このサブミクロンオーダーの周期性は、図14Cの右下段のSEM像において、顕著に現れている。この周期構造が形成されるメカニズムの詳細は未解明であるが、例えば以下のメカニズムが考えられる。
本発明の第1実施形態の製造方法では、レーザーの走査速度が従来よりも速いため、パルスピッチが0.08μm以上0.8μm以下の範囲であると、走査方向における単位長さ当りに照射されるレーザーパルス数は、比較的少ない。この結果、前記ドットが形成されないので又は前記ドットが形成されたとしても大きな影響力を有さないので、前記ドットによるプラズマ波又はプラズモンの閉じ込めが起こらない。前記ドットが形成される代わりに、改質部の長手方向に、前記プラズマ波又はプラズモンによってサブミクロンオーダーの周期構造が形成される。形成された改質部を長手方向に観察すると、改質の程度の疎密は比較的少なく、前記サブミクロンオーダーの周期構造が、均一に、連続的に形成されている。
図14Cの左図から、改質部の直径に相当する断面内において、エッチング選択性が特に低下している領域が上段と下段の二箇所に分かれていることがわかる。
前記領域のうち、微細孔の形成(に要するエッチング選択性)に大きく寄与すると考えられるのが、上段の領域である。図14Cの右上段のSEM像から明らかなように、前記上段の領域に形成された改質部は、その長手方向に滑らかに繋がっている。SEM像によれば、前記領域にクラック又は歪みが入っているように観察される。このようなクラック又は歪みが形成されていると、改質部のエッチング工程において、エッチング液がクラック又は歪みを伝って改質部の長手方向に侵入し易い(進行し易い)と考えられる。したがって、本発明の第1実施形態の製造方法によれば、パルスピッチを大きくすることにより単位面積当りの照射エネルギーが従来よりも低下しても、改質部内において前記クラック又は歪みが形成されるため、その長手方向のエッチング速度を従来と同等以上にできる、と考えられる。
このように単位面積あたりの積算のレーザー照射エネルギーを減らすことによって、いわゆるフォトンコストを削減(低減)することができる。フォトンコストの削減は、加工スループットの向上、省電力、省設備投資などの観点から極めて有用である。
さらに、上記「□」で示されたプロット群に対応するレーザー照射条件、すなわちパルスピッチが0.08μm以上0.8μm以下である場合、図14Cに示した改質部(第一の改質部3)の光軸方向側(レーザー光の進行方向側)に、別の改質部(第二の改質部4)が形成されている。つまり、図3に示した様に、第一の改質部3と第二の改質部4の2本の改質部が、基板平面と平行に、レーザー光の光軸方向おいて上下に並列して形成されている。第一の改質部3と第二の改質部4の直径に相当する断面のSEM像を図15に示す。
このように2本の改質部が形成されるメカニズムは、前述したように、レーザーの集光部が光軸方向に複数形成される現象(フィラメンテーション)によって生じた結果であると考えられる。エッチング処理によって、第一の改質部3に対応する微細孔と第二の改質部4に対応する微細孔とをそれぞれ形成できる。
一方、上記「△」で示されたプロット群に対応するレーザー照射条件、すなわちパルスピッチが0.02μm以上0.08μm未満である場合、及び上記「○」で示されたプロット群に対応するレーザー照射条件、すなわちパルスピッチが0.002μm以上0.02μm未満である場合は、第一の改質部3のみが形成される。
これらの条件においてもフィラメンテーションが起きている可能性はあるが、下側の改質部は何らかの理由によって消失してしまっているか、或いは十分なエッチング選択性を有さないため、微細孔を形成することが可能な改質部として形成されないと考えられる。このメカニズムは明確ではないが、改質部の単位長さ当りにおけるレーザーのパルス発数が増えると、上側の改質部がフィラメンテーションを阻害して、レーザー光を乱し、その乱れたレーザー光が下側に一時的に形成された改質部を消失させる事、或いは前記乱れたレーザー光は十分なエッチング選択性を有する改質部を形成できない事、が考えられる。
[試験例3]
ピーク強度を20,50,70,90TW/cmとした以外は、試験例1と同様に試験例3を行った。その結果を図8に示す。ただし、図8において、「×」で示されたプロット群(20TW/cm)、「□」で示されたプロット群(50TW/cm)、「△」で示されたプロット群(70TW/cm)、「○」で示されたプロット群(90TW/cm)の全てにおいて、走査速度=20mm/sである。
この結果から、パルスピッチが0.08μm〜0.8μmの範囲において、エッチング速度はピーク強度に依らないこと、及びパルスピッチが0.25μm前後(0.20〜0.30μm)において、エッチング速度は特に速くなることがわかる。また、ピーク強度が大きくなるにつれて、エッチング速度が特に速くなる領域が、パルスピッチの大きい側に拡大していることがわかる。
なお、いずれのピーク強度の場合も、第一の改質部および第二の改質部、並びにそれに対応する2つの微細孔が形成された。
「×」で示されたプロット群において、第一の改質部の断面は楕円形であると近似した場合、前記楕円の長径=2.5μm、前記楕円の短径=2μmであった。また、第一の改質部に対応する微細孔の断面は楕円形であり、前記楕円の長径=3.7μm、前記楕円の短径=3.2μmであった。
「□」で示されたプロット群において、第一の改質部の断面は楕円形であると近似した場合、前記楕円の長径=2.5μm、前記楕円の短径=2μmであった。また、第一の改質部に対応する微細孔の断面は楕円形であり、前記楕円の長径=3.7μm、前記楕円の短径=3.2μmであった。
「△」で示されたプロット群において、第一の改質部の断面は楕円形であると近似した場合、前記楕円の長径=2.5μm、前記楕円の短径=2μmであった。また、第一の改質部に対応する微細孔の断面は楕円形であり、前記楕円の長径=3.7μm、前記楕円の短径=3.2μmであった。
「○」で示されたプロット群において、第一の改質部の断面は楕円形であると近似した場合、前記楕円の長径=5.4μm、前記楕円の短径=3.3μmであった。また、第一の改質部に対応する微細孔の断面は楕円形であり、前記楕円の長径=6.4μm、前記楕円の短径=4.5μmであった。
上記の結果においては、ピーク強度が70TW/cm以下の各ピーク強度において形成される第一の改質部の径はほぼ同一の径であるが、70TW/cmを超えるピーク強度において形成される第一の改質部の径はより大きくなっている。したがって、70TW/cm 以下のピーク強度で照射を行う場合、レーザーのピーク強度を変化させても、その変化の影響を殆ど受けずに、同じ径を有する第一の改質部を形成し、安定したレーザー照射を行うことが可能である。
[試験例4]
レンズの開口数(N.A.)を0.25に変更した以外は、試験例3と同様に試験例4を行った。その結果を図9に示す。ただし、図9において、「□」で示されたプロット群(50TW/cm)、「△」で示されたプロット群(70TW/cm)の全てにおいて、走査速度=20mm/sである。
本試験例においては、対物レンズの開口径よりもレーザーのビーム径が小さいため、実際のレーザービームの開口数(N.A.)は、より小さくなると考えられる。したがって、実際のピーク強度も表記よりさらに小さいと考えられる。
50TW/cmの条件においては、第一の改質部及びそれに対応する1つの微細孔のみが形成され、70TW/cmの条件においては、第一の改質部および第二の改質部、並びにそれに対応する2つの微細孔が形成された。
[試験例5]
レンズの開口数(N.A.)を0.8に変更した以外は、試験例3と試験例5を同様に行った。その結果を図10に示す。ただし、図10において、「×」で示されたプロット群(20TW/cm)、「□」で示されたプロット群(50TW/cm)、「△」で示されたプロット群(70TW/cm)の全てにおいて、走査速度=20mm/sである。
試験例3〜5の結果から、レンズの開口数(N.A.)、すなわちレーザー光のスポット径を変化させても、エッチング速度が特に速くなるパルスピッチ(0.25μm前後)の範囲は変化しないことが理解される。つまり、最適なパルスピッチの範囲は、レーザーのスポット径に依存しない。
20TW/cm及び50TW/cmのピーク強度の条件においては、第一の改質部および第二の改質部並びに、各改質部に対応する微細孔が形成された。70TW/cmのピーク強度の条件においては、第一の改質部、第二の改質部、及び第三の改質部がレーザー光の光軸方向に並んで形成され、更に各改質部に対応する微細孔が形成された。
[試験例6]
レーザーの偏波を直線偏波に変更し、偏波の電場方向をレーザーの走査方向に対して直交する向きに設定した以外は、試験例1と同様に試験例6を行った。その結果を「□」で示されたプロット群で表すとともに、試験例1の結果を「◇」で示されたプロット群で表して、図11に示す。
この結果から、レーザーは直線偏波であっても良いし、円偏波であっても良いことがわかる。いずれのレーザー偏波の場合も、第一の改質部および第二の改質部、並びにそれに対応する2つの微細孔が形成された。
[試験例7]
レーザーの偏波を直線偏波又は円偏波に設定して、偏波の電場方向をレーザーの走査方向に対して直交する向きに設定して、さらにピーク強度を70TW/cmに設定した以外は、試験例1と同様に試験例7を行った。その結果を「□」で示されたプロット群(直線偏波)および「◇」で示されたプロット群(円偏波)で表して、図12に示す。
この結果から、レーザーは直線偏波であっても良いし、円偏波であっても良いことがわかる。
[試験例8]
照射条件を次のように変更した以外は、試験例1と同様に改質部を形成した。ピーク強度を50TW/cmに設定し、走査速度を0.5mm/s又は20mm/sに設定し、パルスレーザー光の繰り返し周波数を30kHz、50kHz又は100kHzに設定した。改質部の形成後、試験例1と同様にKOH水溶液でエッチングし、そのエッチングレート(μm/h)を求めた。その結果を図16に示す。
なお、焦点の走査速度が0.5mm/sの場合のデータは、いずれもパルスピッチが0.08μm未満であることから本発明には含まれない。
[試験例9]
ピーク強度を70TW/cmに変更した以外は、試験例8と同様に行い、そのエッチングレート(μm/h)を求めた。その結果を図17に示す。
なお、焦点の走査速度が0.5mm/sの場合のデータは、いずれもパルスピッチが0.08μm未満であることから本発明には含まれない。
図16及び図17は、焦点の走査速度と改質部のエッチング速度との関係を示したグラフである。焦点の走査速度を0.5mm/sから20mm/sへ高めたとしても、エッチング速度が大きく低下することなくエッチングが進行する。例えば、図16の繰り返し周波数100kHzのデータにおいては、焦点の走査速度を0.5mm/sから20mm/sへ速めたとしても、エッチング速度の低下は23%程度の低下に留まっている。この程度のエッチング速度の低下によるエッチング工程の効率低下は、走査速度の高速化による改質工程の効率向上に比べれば僅かである。つまり、改質工程を高速化することにより工程全体の効率化を達成することができる。さらに、繰り返し周波数が30kHzのデータにおいては、走査速度を速めることにより、エッチングの進行速度が大幅に高速化する結果となった。
また、図16及び図17の結果から、焦点の走査速度を高速化することによって、繰り返し周波数毎のエッチング速度のばらつきが低減する傾向があった。例えば、図16においては、走査速度0.5mm/sでは、エッチング速度は、最低75μm/h(30kHz)から最高460μm/h(100kHz)である。他方、走査速度20mm/Sにおいては、最低が290μm/h(30kHz)、最高が375μm/h(50kHz)である。焦点の走査速度が低速の場合と高速の場合とを比較すると、高速の場合の方が、エッチング速度のばらつきが低下するする傾向があった。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
L…レーザー光、F,F1,F2,F3…レーザーの焦点(集光部)、1…基板、1a…第一の面、2…改質部、3…第一の改質部、4…第二の改質部、D1…レーザー光の光軸の方向

Claims (4)

  1. 微細孔を備えた基板の製造方法であって、
    10ピコ秒未満のパルス時間幅を有するパルス状のレーザー光の焦点が移動する際の、基板に対する前記焦点の相対速度として定義される、前記レーザー光の走査速度(μm/sec)を
    1×10μm/sec〜4000×10μm/secに設定し、
    下記式(1)で表されるパルスピッチ(μm)が0.08μm〜0.8μmとなるように、前記レーザー光の繰り返し周波数(Hz)を調整し、
    前記基板に、前記レーザー光を照射して、前記レーザー光が集光した焦点を前記基板の内部で、1パスル毎の前記焦点が重なるようにシフトさせながら一定の速度で走査し、前記焦点が通過した領域及びその近傍域にエッチング耐性が低下した改質部を形成し、
    前記改質部をエッチング処理で除去することにより、前記基板に微細孔を形成することを特徴とする微細孔を備えた基板の製造方法。
    式(1)・・・パルスピッチ(μm)=
    {前記レーザー光の走査速度(μm/sec)}/{前記レーザー光の繰り返し周波数(Hz)}
  2. 請求項1に記載の微細孔を備えた基板の製造方法であって、
    前記レーザー光の1回の走査によって、前記レーザーの光軸方向に複数の改質部を形成することを特徴とする微細孔を備えた基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の微細孔を備えた基板の製造方法であって、
    前記複数の改質部をエッチングすることにより、複数の微細孔を形成することを特徴とする微細孔を備えた基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細孔を備えた基板の製造方法であって、
    前記レーザー光の1パルスのピーク強度を7TW/cm以上に設定することを特徴とする微細孔を備えた基板の製造方法。
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