以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムを示す図である。第1の実施の形態に係る無線通信システムは、無線通信装置10,20を含む。無線通信装置10,20は、第1・第2の周波数帯域を含む複数の周波数帯域を用いて、無線通信を行う。無線通信装置10は、無線通信装置20に対して制御信号を送信する。例えば、無線通信装置10を基地局または中継局、無線通信装置20を移動局として実現することが考えられる。
無線通信装置10は、制御部11と送信部12を有する。制御部11は、第1・第2の制御信号を何れの周波数帯域で送信するか決定する。第1の制御信号は、第1の周波数帯域で行う通信に用いられる信号であり、第2の制御信号は、第2の周波数帯域で行う通信に用いられる信号である。特に、制御部11は、第1・第2の制御信号を同一の周波数帯域(または、当該周波数帯域に設けられる同一のサーチスペース)で送信するか否かを、少なくとも、第1・第2の周波数帯域の帯域幅を参照して決定する。送信部12は、制御部11の決定に基づいて、第1・第2の制御信号を、同一または異なる周波数帯域を用いて、無線通信装置20に送信する。
無線通信装置20は、受信部21と制御部22と信号処理部23を有する。受信部21は、第1・第2の制御信号を含む信号を無線通信装置10から受信する。制御部22は、受信信号から第1・第2の制御信号を抽出できるよう、第1・第2の制御信号の信号長の候補を判定する。特に、第1・第2の制御信号が同一の周波数帯域(または、当該周波数帯域に設けられる同一のサーチスペース)で送信される場合に、第1・第2の制御信号に共通の信号長の候補を、第1・第2の周波数帯域の帯域幅を参照して判定する。信号処理部23は、少なくとも制御部22が判定した共通の信号長の候補について受信信号からの信号抽出を行うことで、第1・第2の制御信号を検出する。
ここで、制御信号の長さの候補は、その制御信号を用いる通信が行われる周波数帯域の帯域幅に依存する。従って、少なくとも帯域幅を参照して制御信号の送信に用いる周波数帯域を決定することで、周波数帯域1つ当たりの制御信号の長さの候補数を抑制することができる。例えば、制御部11は、第1・第2の周波数帯域の帯域幅が同一である場合には、第1・第2の制御信号を同一の周波数帯域(または、当該周波数帯域に設けられる同一のサーチスペース)で送信すると決定することが考えられる。なお、第1・第2の制御信号は、第1または第2の周波数帯域を用いて送信してもよいし他の周波数帯域を用いて送信してもよい。
また、制御信号の長さの候補は、更にその制御信号を用いる通信の送信モード(Transmission Mode)に依存することがある。その場合、制御部11は、帯域幅に加えて送信モードを参照して制御信号の送信に用いる周波数帯域を決定してもよい。例えば、制御部11は、第1・第2の周波数帯域について帯域幅が同一で且つ送信モードが同一である場合は、第1・第2の制御信号を同一の周波数帯域(または、当該周波数帯域に設けられる同一のサーチスペース)で送信すると決定することが考えられる。また、その場合、制御部22は、帯域幅に加えて送信モードを参照して、第1・第2の制御信号に共通の信号長の候補を判定してもよい。
なお、送信モードは、データ送信の方法を定義したものであり、予め用意された複数の送信モードの候補の中から選択される。送信モードでは、例えば、送信ダイバーシティの方法、MIMO(Multiple Input Multiple Output)の方法、無線リソースの割り当て方法、パイロット信号の送信方法などの各種方法が定義される。送信モードの例としては、LTE(Long Term Evolution)やLTE−A(LTE - Advanced)の仕様で定義されたものがある。送信モードは、通信を行う周波数帯域毎に選択してもよい。また、無線通信装置10が複数の無線通信装置と通信を行う場合、通信相手毎に送信モードを選択してもよい。
このような第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線通信装置10は、第1・第2の周波数帯域の帯域幅に基づいて、第1・第2の制御信号を、同一の周波数帯域で送信するか否か決定する。そして、決定に基づいて、第1・第2の制御信号を、1またはそれ以上の周波数帯域を用いて送信する。無線通信装置20は、第1・第2の制御信号が同一の周波数帯域で送信される場合に、第1・第2の周波数帯域の帯域幅に基づいて、第1・第2の制御信号に共通の信号長の候補を判定する。そして、少なくとも共通の信号長の候補について、受信信号からの信号抽出を行い、第1・第2の制御信号を検出する。
これにより、制御信号の長さが可変である場合に、制御信号が送信され得る周波数帯域1つ当たりの信号長の候補数を抑制することが可能となる。従って、無線通信装置20が行う信号抽出(例えば、ブラインド復号)の試行回数を低減することができ、無線通信装置20の負担を軽減することができる。
すなわち、帯域幅に基づいて第1・第2の制御信号を同一の周波数帯域で送信するか否か決定されるため、第1・第2の制御信号が同一の周波数帯域を用いて送信される場合には、両者に共通の信号長の候補が存在する可能性が高くなる。無線通信装置20は、共通の信号長の候補については、共通の信号抽出によって第1・第2の制御信号の両方をカバーすることができ、信号抽出の試行回数を抑制することができる。
以下に説明する第2〜第5の実施の形態では、第1の実施の形態の無線通信システムをLTE−Aの移動通信システムとして実現する場合を考える。ただし、第1の実施の形態の無線通信システムは、もちろん、固定無線通信システムや他の種類の移動通信システムとして実現することも可能である。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の移動通信システムを示す図である。第2の実施の形態に係る移動通信システムは、基地局100と移動局200,200aを含む。
基地局100は、移動局200,200aと無線通信を行う無線通信装置である。基地局100は、有線の上位ネットワーク(図示せず)に接続され、上位ネットワークと移動局200,200aとの間でデータを転送する。基地局100は、後述するように、無線通信に、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)と呼ばれる周波数帯域を複数(例えば、5つ)使用することができる。
移動局200,200aは、基地局100に接続して無線通信を行う無線端末装置であり、例えば、携帯電話機や携帯情報端末装置である。移動局200,200aは、基地局100からデータを受信すると共に、基地局100へデータを送信する。基地局100から移動局200,200aの方向のリンクを下りリンク(DL:DownLink)、移動局200,200aから基地局100の方向のリンクを上りリンク(UL:UpLink)と呼ぶことがある。移動局200,200aは、5つのCCの一部または全部を使用する。複数のCCを用いて通信を行うことを、キャリアアグリゲーションと呼ぶことがある。
なお、基地局100は第1の実施の形態の無線通信装置10の一例、移動局200,200aは第1の実施の形態の無線通信装置20の一例と考えることができる。また、第2の実施の形態では、移動局200,200aが基地局に接続する場合を考えるが、移動局200,200aは中継局に接続してもよい。その場合、中継局と移動局200,200aとの間で、後述する制御信号の送受信が行われる。
図3は、コンポーネントキャリアの設定例を示す図である。基地局100は、移動局200,200aとの通信に、例えば、最大で5つのCC(CC#1〜CC#5)を使用できる。
双方向通信に周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いる場合、DLとULそれぞれについて、CC#1〜#5の周波数帯域が確保される。単にCCと呼ぶ場合、DL用の周波数帯域とUL用の周波数帯域の組を指すことがある。双方向通信に時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を用いる場合、DLとULを区別せずに、5つの周波数帯域が確保される。図3は、FDDを用いる場合を示している。
基地局100は、収容予定の移動局数や要求される通信速度などを考慮して、CC#1〜#5それぞれの帯域幅を設定する。具体的には、1.4MHz,3MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの中から、CC#1〜#5の帯域幅を選択する。全てのCCを同一の帯域幅にしてもよいし、CCによって異なる帯域幅にしてもよい。基地局100は、CC#1〜#5それぞれについて無線リソースの割り当て管理を行う。
図4は、無線フレームの構造例を示す図である。基地局100と移動局200,200aの間では、CC毎に無線フレームが送受信される。1つの無線フレームは、複数のサブフレーム(例えば、10サブフレーム)を含む。
無線リソースは、基地局100によって、サブフレーム単位で割り当てが管理される。無線リソースの周波数方向の最小単位はサブキャリア、時間方向の最小単位はシンボルである。多重アクセス方式として、例えば、ULサブフレームにはSC−FDMA(Single Carrier - Frequency Division Multiple Access)が用いられる。DLサブフレームにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が用いられる。
ULサブフレームは、上りリンク物理共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)のための領域を含む。DLサブフレームは、下りリンク物理共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)のための領域と、下りリンク物理制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)のための領域を含む。PDCCHの領域は、DLサブフレームの先頭からNシンボル(Nは、CCの帯域幅に応じて1〜3または2〜4の間で可変)に設定され、PDSCHの領域は、PDCCHに続く残りのシンボルに設定される。
PUSCHは、移動局200,200aが基地局100に対してユーザデータや制御情報を送信するための物理チャネルである。移動局200,200aそれぞれに対してPUSCHが設定され得る。1つのULサブフレームには、周波数分割により複数の移動局分のPUSCHを設定できる。基地局100は、ULサブフレームの無線リソースを移動局200,200aに割り当てることで、動的にPUSCHを設定する。
PDSCHは、基地局100が移動局200,200aに対してユーザデータや上位レイヤの制御情報を送信するための物理チャネルである。移動局200,200aそれぞれに対してPDSCHが設定され得る。1つのDLサブフレームには、直交周波数分割により複数の移動局分のPDSCHを設定できる。基地局100は、DLサブフレームの無線リソースを移動局200,200aに割り当てることで、動的にPDSCHを設定する。
PDCCHは、基地局100が移動局200,200aに対してL1/L2(Layer 1 / Layer 2)制御信号を送信するための物理チャネルである。PDCCHで送信される制御信号には、PUSCHやPDSCHに関する制御信号が含まれる。PUSCHに関する制御信号が示す情報は、PUSCHが設定された無線リソースを示す情報、変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)などデータフォーマットを指定する情報、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)による上り再送制御を示す情報などを含む。PDSCHに関する制御信号が示す情報は、PDSCHが設定された無線リソースを示す情報、データフォーマットを示す情報、下り再送制御を示す情報などを含む。
PDCCHは、PUSCH,PDSCHそれぞれに対応して設定される。すなわち、PUSCHに関する制御信号とPDSCHに関する制御信号とは、異なるPDCCHで送信される。また、異なる移動局に対する制御信号は、異なるPDCCHで送信される。1つのDLサブフレームには、直交周波数分割により複数のPDCCHを設定できる。移動局200,200aは、自局宛ての制御信号が送信される可能性のあるCCのPDCCHの領域を監視することで、PUSCHやPDSCHに関する制御信号を検出する。
図5は、PDSCHとPUSCHとPDCCHの設定例を示す図である。ここでは、移動局200についてのPDSCH・PUSCH・PDCCHが設定される場合を考える。
この例では、移動局200は、CC#1,#2で基地局100からデータを受信すると共に、CC#1で基地局100にデータを送信する。すなわち、移動局200のPDSCHがDLのCC#1,#2に設定され、移動局200のPUSCHがULのCC#1に設定される。また、移動局200は、CC#1で基地局100から制御信号を受信する。すなわち、移動局200のPDCCHがDLのCC#1に設定される。移動局200は、CC#1のPDCCHの領域を監視することで、自局が受信すべきPDCCHを検出する。
この例では、1つのPDCCHの領域に、同一サブフレームに設けられたPDSCHに対応するPDCCHと、同一タイミングのCC#2のサブフレームに設けられたPDSCHに対応するPDCCHとが含まれる。更に、所定時間後(例えば、4サブフレーム後)のCC#1のサブフレームに設けられたPUSCHに対応するPDCCHが含まれる。移動局200は、当該1つのPDCCHの領域から、自局宛ての3つのPDCCHを検出して、2つのPDSCHの受信処理と1つのPUSCHの送信処理とを制御する。
このように、PDCCHの領域で、そのPDCCHの領域が属するCCとは異なるCCの物理チャネルに関する制御信号を送信することができる。すなわち、第2の実施の形態の移動通信システムでは、クロスキャリアスケジューリングが可能である。なお、移動局200aについても、移動局200と同様にPDSCH・PUSCH・PDCCHが設定され得る。その場合、PDCCHを設ける1またはそれ以上のCCの集合(モニタリングセット)は、移動局200と移動局200aとで独立に設定することができる。同一のCCに、移動局200,200aのPDCCHが混在してもよい。
ここで、データ通信が行われるCC毎に、送信モードが設定される。送信モードとしては、8個のモード(送信モード1〜8)が定義されている。送信モードでは、送信ダイバーシティの有無、MIMOの有無、無線リソースの割り当て方法、パイロット信号の送信方法などが定義される。送信モードは、移動局200と移動局200aとで独立に選択することができる。
(1)送信モード1では、1つのアンテナポートを用いてデータ通信を行う。
(2)送信モード2では、送信ダイバーシティを行う。
(3)送信モード3では、遅延の大きな巡回遅延ダイバーシティ(CDD:Cyclic Delay Diversity)または送信ダイバーシティを行う。CDDは、OFDMシンボルを巡回シフトした信号を送信することで、周波数ダイバーシティの利得を得られるようにする。
(4)送信モード4では、閉ループ空間多重を行う。
(5)送信モード5では、マルチユーザMIMOを実行する。
(6)送信モード6では、シングルトランスミッションレイヤを用いて閉ループ空間多重を行う。
(7)送信モード7では、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)を出力するアンテナポート数に応じて、1つのアンテナポートを用いたデータ通信または送信ダイバーシティを行う。
(8)送信モード8では、PBCHを送信するアンテナポート数などの条件に応じて、1つのアンテナポートを用いたデータ通信、送信ダイバーシティ、デュアルレイヤトランスミッションなどを行う。デュアルレイヤトランスミッションは、多重対象の2つの移動局から受信するUL信号の到来角情報を利用して、それぞれのDL送信信号のビームを形成する送信方法である。
次に、移動局200,200aがPDCCHを検出する方法について説明する。
移動局200,200aがPDCCHを効率的に検出できるように、監視すべき無線リソースの領域(サーチスペース)が定義される。サーチスペースには、複数の移動局に共通の制御信号を送信するための共通サーチスペースと、特定の移動局宛ての制御信号を送信するためのUE個別(User Equipment - specific)サーチスペースがある。移動局200,200aは、共通サーチスペースと自局に対応するUE個別サーチスペースを監視する。
図6は、サーチスペースに含まれるPDCCHの候補数を示す図である。サーチスペースに複数のPDCCHを含める方法として、集約レベルが定義されている。
共通サーチスペースでは、2通りの集約レベルの中から1つが選択される。集約レベル=4の場合、サーチスペース全体で16CCE(Control Channel Element)の大きさが用意され、各PDCCHは4CCEを使用する。よって、最大4個のPDCCHを送信できる。同様に、集約レベル=8の場合、最大2個のPDCCHを送信できる。
UE個別サーチスペースでは、4通りの集約レベルの中から1つが選択される。集約レベル=1の場合、サーチスペース全体で6CCEの大きさが用意され、各PDCCHは1CCEを使用する。よって、最大6個のPDCCHを送信できる。同様に、集約レベル=2の場合、最大6個のPDCCHを送信できる。集約レベル=4の場合、最大2個のPDCCHを送信できる。集約レベル=8の場合、最大2個のPDCCHを送信できる。
移動局200,200aは、各サーチスペースの集約レベルを事前に知らず、よって、サーチスペースに複数のPDCCHがどのように挿入されているかを知らない。そこで、移動局200,200aは、共通サーチスペースについては、2通りの集約レベルを想定し、サーチスペースの信号から4+2=6個のPDCCHの候補を抽出する。同様に、UE個別サーチスペースについては、4通りの集約レベルを想定し、サーチスペースの信号から6+6+2+2=16個のPDCCHの候補を抽出する。そして、PDCCHの候補それぞれについて、ブラインド復号を行う。
ここで、PDCCHのフォーマットとして、DCI(Downlink Control Information)フォーマット0,1,1A,1B,1C,1D,2,2A,2B,3,3Aが定義されている。制御信号の用途に応じて、これらDCIフォーマットが使い分けられる。
(0)DCIフォーマット0は、PUSCHのスケジューリングに用いられる。
(1)DCIフォーマット1は、PDSCHの通常のスケジューリングに用いられる。DCIフォーマット1では、不連続な無線リソースを指定することもできる。
(1A)DCIフォーマット1Aは、PDSCHのコンパクトスケジューリングに用いられる。コンパクトスケジューリングは、連続する無線リソースを、開始位置とサイズとによって指定するスケジューリング方法である。また、DCIフォーマット1Aは、ランダムアクセスの起動に用いられることもある。
(1B)DCIフォーマット1Bは、プリコーディング情報を含めて通知する場合の、PDSCHのコンパクトスケジューリングに用いられる。プリコーディングは、MIMO通信を行うとき、送信側で伝送路の状態に応じた線形処理を送信信号に施すことである。
(1C)DCIフォーマット1Cは、DCIフォーマット1Aよりも更に通知情報が小さくなるような、PDSCHのコンパクトスケジューリングに用いられる。
(1D)DCIフォーマット1Dは、プリコーディング情報と電力オフセット情報の両方を含めて通知する場合の、PDSCHのコンパクトスケジューリングに用いられる。
(2)DCIフォーマット2は、閉ループ制御によるMIMO(閉ループMIMO)を実行するときの、PDSCHのスケジューリングに用いられる。
(2A)DCIフォーマット2Aは、開ループ制御によるMIMO(開ループMIMO)を実行するときの、PDSCHのスケジューリングに用いられる。
(2B)DCIフォーマット2Bは、デュアルレイヤトランスミッションを実行するときの、PDSCHのスケジューリングに用いられる。
(3)DCIフォーマット3は、移動局宛ての2ビットの送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)コマンドを送信するために用いられる。
(3A)DCIフォーマット3Aは、移動局宛ての1ビットのTPCコマンドを送信するために用いられる。
基地局100は、移動局200,200aに割り当てるRNTI(Radio Network Temporary Identifier)と呼ばれる識別子に応じたスクランブル系列を用いて、PDCCHの制御信号をスクランブル処理する。RNTIの種類には、SI−RNTI,P−RNTI,RA−RNTI,C−RNTI,SPS C−RNTI,テンポラリC−RNTI,TPC−PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)−RNTI,TPC−PUSCH−RNTIが含まれる。
SI−RNTIは、システム情報の送信に用いられる識別子である。
P−RNTIは、移動局の呼び出し(ページング)に用いられる識別子である。
RA−RNTIは、ランダムアクセスに用いられる識別子である。
C−RNTIは、接続状態にある移動局に付与され、通常のデータ送信に用いられる。
SPS C−RNTIは、パーシステントスケジューリングによるデータ送信に用いられる識別子である。パーシステントスケジューリングは、一定周期の無線リソースを割り当てるスケジューリング方法であり、音声通信など間欠的な通信に適用される。
テンポラリC−RNTIは、正式なC−RNTIが付与される前のランダムアクセス手続中の通信に用いられる識別子である。
TPC−PUCCH−RNTI,TPC−PUSCH−RNTIは、それぞれ、PUCCH,PUSCHに関するTPCコマンドの送信に用いられる識別子である。
図7は、DCIフォーマットの使用条件(共通)を示す図である。共通サーチスペースには、DCIフォーマット0,1A,1C,3,3AのPDCCHが含まれ得る。DCIフォーマット0,1A,1C,3,3Aは、送信モードに依存しない。
DCIフォーマット0は、C−RNTI,SPS C−RNTIまたはテンポラリC−RNTIに基づいてスクランブル処理される。DCIフォーマット1Aは、SI−RNTI,P−RNTI,RA−RNTI,C−RNTI,SPS C−RNTIまたはテンポラリC−RNTIに基づいてスクランブル処理される。DCIフォーマット1Cは、SI−RNTI,P−RNTIまたはRA−RNTIに基づいてスクランブル処理される。DCIフォーマット3,3Aは、TPC−PUCCH−RNTIまたはTPC−PUSCH−RNTIに基づいてスクランブル処理される。
移動局200,200aは、共通サーチスペースでは、送信モードにかかわらず、DCIフォーマット0,1A,3,3AのPDCCHをサーチする。また、SI−RNTI,P−RNTI,RA−RNTIの何れかを用いてPDCCHを復号するよう上位レイヤから指示されたサブフレームでは、送信モードにかかわらず、DCIフォーマット1CのPDCCHをサーチする。
図8は、DCIフォーマットの使用条件(UE個別)を示す図である。UE個別サーチスペースには、DCIフォーマット0,1,1A,1B,1D,2,2A,2BのPDCCHが含まれ得る。DCIフォーマット0,1Aは、送信モードに依存しない。
一方、DCIフォーマット1は、送信モード1,2,7の通信のための制御信号に用いる。DCIフォーマット1Bは、送信モード6の通信のための制御信号に用いる。DCIフォーマット1Dは、送信モード5の通信のための制御信号に用いる。DCIフォーマット2は、送信モード4の通信のための制御信号に用いる。DCIフォーマット2Aは、送信モード3の通信のための制御信号に用いる。DCIフォーマット2Bは、送信モード8の通信のための制御信号に用いる。
DCIフォーマット0,2,2A,2Bは、C−RNTIまたはSPS C−RNTIに基づいてスクランブル処理される。DCIフォーマット1,1Aは、C−RNTI,SPS C−RNTIまたはテンポラリC−RNTIに基づいてスクランブル処理される。DCIフォーマット1B,1Dは、C−RNTIに基づいてスクランブル処理される。
移動局200,200aは、UE個別サーチスペースでは、送信モードにかかわらず、DCIフォーマット0,1AのPDCCHをサーチする。また、移動局200,200aがデータ通信を行っているCCの送信モードに応じて、DCIフォーマット1,1B,1D,2,2Aまたは2BのPDCCHをサーチする。
図9は、帯域幅とDCIフォーマットのサイズとの関係を示す図である。PDCCHのペイロードの長さは、DCIフォーマットと制御信号を適用するデータ通信が行われるCCの帯域幅とに依存する。帯域幅が大きいほど、原則としてペイロードが長くなる。図9は、ペイロードのビット数を示している。なお、図9のビット数は、FDDを用いる場合の例であり、CRC(Cyclic Redundancy Check)と3ビットのCIFが含まれている。
ただし、DCIフォーマット1Cには、CIFが含まれていないものとしている。これは、LTE−Aでは、クロスキャリアスケジューリングに関して以下の合意事項があるためである。
(1)P−RNTI,RA−RNTI,SI−RNTIまたはTemporary C−RNTIに基づいてCRCがスクランブル処理されるDCIフォーマットには、CIFを含めない。
(2)C−RNTIまたはSPS C−RNTIに基づいてCRCがスクランブル処理されるUE個別サーチスペースのDCIフォーマット0,1,1A,1B,1D,2,2A,2Bには、CIFを含めることができる。
(3)C−RNTIまたはSPS C−RNTIに基づいてCRCがスクランブル処理される共通サーチスペースのDCIフォーマット0,1Aには、CIFを含めない。
すなわち、共通サーチスペースのPDCCHではクロスキャリアスケジューリングは行われない。このため、図9の例において、DCIフォーマット1Cのサイズには、CIFは含まれない。
なお、図9において、RBはリソースブロックを表す。RB6個は1.4MHzに相当し、RB15個は3MHzに相当し、RB25個は5MHzに相当し、RB50個は10MHzに相当し、RB75個は15MHzに相当し、RB100個は20MHzに相当する。また、DCIフォーマット1B,1D,2,2Aのペイロード長は、基地局100がデータ送信に使用するアンテナポート数によって異なる。括弧外のビット数はアンテナポート数=2の場合であり、括弧内のビット数はアンテナポート数=4の場合である。
また、図9に示すように、DCIフォーマット0,1A,3,3Aの実際のペイロード長は、帯域幅が同じでも一致しない。しかし、基地局100は、PDCCHを送信する際にパディングビットを付加することで、DCIフォーマット0,1A,3,3Aのペイロード長が同じになるよう制御する。従って、移動局200,200aは、DCIフォーマット0,1A,3,3Aについては、一括してブラインド復号を行うことができる。
ここで、図6〜9の内容に基づいて、移動局200,200aがPDCCHを検出するために行うブラインド復号の回数について説明する。移動局200,200aが1つのCCのみを用いて通信を行う場合を考える。
共通サーチスペースでは、移動局200,200aは、送信モードにかかわらず、DCIフォーマット0,1A,1C,3,3AのPDCCHを復号する。DCIフォーマット0,1A,3,3Aの信号長は同じであることから、PDCCH1つ当たりの信号長の候補は、DCIフォーマット0,1Cと帯域幅との組み合わせから決まる2つとなる。共通サーチスペースから抽出されるPDCCHの候補は6個であるため、移動局200,200aは、最大2×6=12回のブラインド復号を行うことになる。
UE個別サーチスペースでは、移動局200,200aは、送信モードにかかわらず、DCIフォーマット0,1AのPDCCHを復号する。DCIフォーマット0,1Aの信号長は同じであることから、信号長の候補には、DCIフォーマット0と帯域幅の組み合わせから決まる長さが含まれる。更に、送信モードに応じて、DCIフォーマット1,1B,1D,2,2A,2Bの何れか1つのPDCCHを復号する。よって、信号長の候補には、送信モードに応じたDCIフォーマットと帯域幅の組み合わせから決まる長さが含まれる。UE個別サーチスペースから抽出されるPDCCHの候補は16個であるため、最大(1+1)×16=32回のブラインド復号を行うことになる。
以上より、移動局200,200aは、1つのCCのみを用いて通信を行う場合、同一の受信信号に対して、最大12+32=44回のブラインド復号を行うことになる。クロスキャリアスケジューリングを行う場合、送信モードと帯域幅の組み合わせが複数通り存在することにより、ブラインド復号の回数が更に増加する可能性がある。以下では、移動局200,200aのブラインド復号の回数を低減するための制御について説明する。
図10は、基地局から移動局に通知される情報を示す図である。移動局200,200aがPDCCHのブラインド復号を行うために参照する情報として、基地局100から移動局200,200aに、図10に示すような情報が通知される。基地局100から移動局200,200aへの通知情報には、移動局200,200aに共通に通知される報知情報と、移動局200,200aそれぞれに個別に通知される個別情報が含まれる。
報知情報には、DLのCC#1〜#5それぞれの中心周波数と帯域幅とを示す情報が含まれる。また、報知情報には、ULのCC#1〜#5それぞれの中心周波数と帯域幅とを示す情報が含まれる。基地局100は、DLのCC#1〜#5それぞれの帯域幅を各CCで送信される報知チャネル(PBCH)で送信し、ULのCC#1〜#5それぞれの中心周波数と帯域幅をPDCCHに付随するデータチャネル(PDSCH)で送信する。DLのCC#1〜#5それぞれの中心周波数は、PDSCHで送信される場合と、報知情報では通知せずに移動局200,200aがセルサーチにより自局で検出する場合とが考えられる。報知情報の内容は、通知先の移動局に依存しない。
個別情報には、CC#1〜#5をグループ分けしたときの各グループに付与されるIDと、CC#1〜#5それぞれに付与される識別子であるキャリアインディケータ(CI)とが含まれる。グループ分けについては後述する。また、個別情報には、モニタリングセットに含まれるCC(以下では、モニタリングCCと呼ぶ)の識別子、データ通信に使用するCCの識別子、モニタリングCCと使用CCとの対応関係を示す情報、および、使用CCそれぞれの送信モードの番号が含まれる。基地局100は、これら個別情報をデータチャネル(PDSCH)で移動局200,200aに送信する。個別情報の内容は、移動局毎に異なる可能性がある。
図11は、基地局の構造を示すブロック図である。基地局100は、制御部110、PBCH生成部120、スケジューラ130、PDCCH生成部140、PDSCH生成部150、無線送信部160、無線受信部170およびPUSCH処理部180を有する。
制御部110は、移動局200,200aとの間の無線通信を制御する。制御部110は、帯域幅設定部111、送信モード設定部112、グループ決定部113およびCI付与部114を有する。
帯域幅設定部111は、CC#1〜#5それぞれの帯域幅を設定する。帯域幅は、6RB(1.4MHz),15RB(3MHz),25RB(5MHz),50RB(10MHz),75RB(15MHz),100RB(20MHz)の中から選択される。帯域幅設定部111は、例えば、オペレータからの指示に応じて帯域幅を変更することができる。帯域幅設定部111は、設定した帯域幅を、PBCH生成部120およびPDCCH生成部140に通知する。
送信モード設定部112は、移動局200,200aが使用するCCそれぞれの送信モードを設定する。送信モードは移動局毎に設定される。送信モード設定部112は、移動局200,200aが備える機能や伝送路の状態などの通信条件に応じて、送信モード1〜8の中から適用する送信モードを選択する。送信モード設定部112は、設定した送信モードを、PDCCH生成部140およびPDSCH生成部150に通知する。
グループ決定部113は、帯域幅設定部111が設定した帯域幅と送信モード設定部112が設定した送信モードとに基づいて、移動局200,200aが使用するCCをグループ分けする。同一のグループに属するCCで行われる通信に関する制御信号は、同一のCC上の同一のサーチスペースに纏めて送信することを許可する。一方、異なるグループに属するCCで行われる通信に関する制御信号は、同一のCCで送信してもよいし、異なるCCで送信してもよい。CCのグループは移動局毎に決定される。グループ分けの方法は後述する。
また、グループ決定部113は、グループ毎に、当該グループに関する制御信号の送信に用いる少なくとも1つのモニタリングCCを選択する。また、各グループに識別子(グループID)を付与する。グループ決定部113は、データ通信に使用するCCとモニタリングCCとの対応関係を、PDCCH生成部140およびPDSCH生成部150に通知する。また、グループIDをPDSCH生成部150に通知する。
CI付与部114は、移動局200,200aが使用するCCそれぞれに、CIを付与する。CIは、基地局100から移動局200,200aに送信される通知情報やPDCCHの制御信号において、CC#1〜#5を識別するために用いられる。CIは、CC#1〜#5全体で一意になるように付与してもよいし、グループ内で一意になるように付与してもよい。同一のCCで制御信号を送るCC間では少なくとも一意になるようにするのが望ましい。CI付与部114は、CIをPDSCH生成部150に通知する。
PBCH生成部120は、制御部110から通知される情報に基づいて、PBCHで送信(報知)する報知情報の信号を生成する。報知情報には、前述の通り、DLのCCの帯域幅を示す情報が含まれる。報知情報はCC毎に生成される。PBCH生成部120は、生成した報知情報の信号を無線送信部160に出力する。
スケジューラ130は、無線リソースの割り当てを管理する。すなわち、スケジューラ130は、上位ネットワークから移動局200,200a宛てのユーザデータが到着すると、PDSCHの無線リソースを割り当てる。また、移動局200,200aから受信するユーザデータや制御情報があるとき、PUSCHの無線リソースを割り当てる。スケジューラ130は、スケジューリング結果をPDCCH生成部140に通知する。
PDCCH生成部140は、スケジューラ130から通知されるスケジューリング結果に応じて、PDCCHで送信する制御信号を生成する。制御信号には、前述の通り、PDSCHに対応する制御信号やPUSCHに対応する制御信号が含まれる。ここで、PDCCH生成部140は、制御部110から通知される帯域幅と送信モードとの組み合わせに基づいて、制御信号の長さを調整する。また、制御部110から通知される情報に基づいて、制御信号の送信に用いるCCを判断する。PDCCH生成部140は、生成した制御信号を無線送信部160に出力する。
PDSCH生成部150は、上位ネットワークから到着したユーザデータと制御部110から取得した通知情報を誤り訂正符号化し、データ信号を生成する。通知情報には、前述の通り、ULのCCの中心周波数や帯域幅、グループID、CI、モニタリングCC、使用CC、モニタリングCCと使用CCの対応関係および送信モードを示す情報が含まれる。PDSCH生成部150は、生成したデータ信号を無線送信部160に出力する。
無線送信部160は、PBCH生成部120から取得した報知情報の信号、PDCCH生成部140から取得した制御信号およびPDSCH生成部150から取得したデータ信号を、無線信号に変換(アップコンバート)してアンテナから出力する。無線信号への変換のために、無線送信部160は、例えば、D/A(Digital to Analog)変換器、周波数変換器、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)などの回路を備える。
無線受信部170は、移動局200,200aから受信した無線信号をベースバンド信号に変換(ダウンコンバート)し、ベースバンド信号をPUSCH処理部180に出力する。ベースバンド信号への変換のために、無線受信部170は、例えば、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)、周波数変換器、BPF、A/D(Analog to Digital)変換器などの回路を備える。
PUSCH処理部180は、無線受信部170から取得したベースバンド信号を、誤り訂正復号する。これにより、移動局200,200aがPUSCHで送信したユーザデータや上位レイヤの制御情報が抽出される。抽出されたユーザデータは、上位ネットワークに転送され、抽出された制御情報の一部は、スケジューラ130に渡される。
なお、PBCH生成部120、PDCCH生成部140、PDSCH生成部150、無線送信部160、無線受信部170およびPUSCH処理部180は、CC#1〜#5毎に個別に設けてもよい。
図12は、移動局の構造を示すブロック図である。移動局200は、無線受信部210、PBCH処理部220、PDCCH処理部230、PDSCH処理部240、報知情報処理部250、個別情報処理部260、制御部270、PUSCH生成部280および無線送信部290を有する。移動局200aも、移動局200と同様のブロック構造によって実現することができる。
無線受信部210は、基地局100から受信した無線信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号をPBCH処理部220、PDCCH処理部230およびPDSCH処理部240に出力する。ベースバンド信号への変換のために、無線受信部210は、例えば、LNA、周波数変換器、BPF、A/D変換器などの回路を備える。
PBCH処理部220は、無線受信部210から取得したベースバンド信号から、PBCHが設定されている無線リソース領域の信号(PBCHの信号)を抽出し、誤り訂正復号する。PBCHの無線リソース領域は既知である。PBCHはCC毎に抽出される。PBCH処理部220は、復号された報知情報を報知情報処理部250に出力する。
PDCCH処理部230は、無線受信部210から取得したベースバンド信号から、共通サーチスペースおよび自局のUE個別サーチスペースに含まれるPDCCHの候補の信号を抽出する。そして、抽出したPDCCHの候補に対してブラインド復号を行い、自局が参照すべき制御信号を検出する。ここで、ブラインド復号を行うCC(モニタリングCC)と制御信号の長さの候補は、制御部270から通知される。
制御信号には、前述の通り、PDSCHに関する制御信号とPUSCHに関する制御信号とが含まれる。PDSCHに関する制御信号では、PDSCHの無線リソースや適用されたデータフォーマットなどが通知される。PUSCHに関する制御信号では、PUSCHの無線リソースや適用されるデータフォーマットなどが指定される。PDCCH処理部230は、PDSCHに関する制御信号をPDSCH処理部240に出力し、PUSCHに関する制御信号をPUSCH生成部280に出力する。
PDSCH処理部240は、PDCCH処理部230から取得した制御信号を参照して、無線受信部210から取得したベースバンド信号から、PDSCHで送信されたデータ信号を抽出し誤り訂正復号する。これにより、基地局100が送信したユーザデータや通知情報が抽出される。PDSCH処理部240は、抽出された通知情報のうち、報知情報(ULのCCの中心周波数および帯域幅を示す情報)を報知情報処理部250に出力し、個別情報を個別情報処理部260に出力する。
報知情報処理部250は、PBCHで送信された報知情報をPBCH処理部220から取得し、PDSCHで送信された報知情報をPDSCH処理部240から取得する。そして、報知情報が示すCC#1〜#5の帯域幅を制御部270に通知する。また、報知情報処理部250は、PBCH処理部220による報知情報の信号処理の結果から、基地局100のアンテナポート数を推定して制御部270に通知する。例えば、アンテナポート数は、CRC(Cyclic Redundancy Check)のスクランブル処理に用いられているスクランブル系列から推定することができる。
個別情報処理部260は、PDSCHで送信された個別情報をPDSCH処理部240から取得し、個別情報が示すモニタリングCCやCCのグループ、データ通信を行うCCそれぞれの送信モードを、制御部270に通知する。
制御部270は、報知情報処理部250および個別情報処理部260から通知された情報に基づいて、PDCCH処理部230が行うブラインド復号を制御する。すなわち、制御部270は、モニタリングCCをPDCCH処理部230に通知する。また、制御部270は、モニタリングCC毎に、制御信号の長さの候補をデータ通信が行われるCCの帯域幅、送信モードおよび基地局100のアンテナポート数に基づいて算出する。そして、制御信号の長さの候補をPDCCH処理部230に通知する。
PUSCH生成部280は、PDCCH処理部230から取得した制御信号を参照して、基地局100に送信するユーザデータや上位レイヤの制御情報を誤り訂正符号化し、PUSCHのデータ信号を生成する。PUSCH生成部280は、生成したデータ信号を無線送信部290に出力する。なお、データ信号を送信するサブフレームは、PUSCHに関する制御信号を受信したサブフレームから所定数後(例えば、4サブフレーム後)である。
無線送信部290は、PUSCH生成部280から取得したデータ信号を、無線信号にアップコンバートしてアンテナから出力する。無線信号への変換のために、無線送信部290は、例えば、D/A変換器、周波数変換器、BPFなどの回路を備える。
なお、無線受信部210、PBCH処理部220、PDCCH処理部230、PDSCH処理部240、PUSCH生成部280および無線送信部290は、CC#1〜#5毎に個別に設けてもよい。
図13は、PDCCHの送受信の流れを示すフローチャートである。ここでは、基地局100と移動局200が通信を行う場合を考える。基地局100と移動局200aが通信を行う場合も同様である。図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS1)基地局100は、CC#1〜#5の帯域幅を設定する。基地局100は、CC#1〜#5のDLの帯域幅を示す報知情報をPBCHで送信する。また、CC#1〜#5のULの帯域幅を示す報知情報をPDSCHで送信する。
(ステップS2)移動局200は、基地局100から報知情報を受信し、CC#1〜#5の帯域幅と基地局100が使用しているアンテナポート数を検出する。
(ステップS3)基地局100は、移動局200についてキャリアアグリゲーションの設定を行う。すなわち、移動局200が使用する複数のCCをグループ分けし、グループ毎に少なくとも1つのモニタリングCCを設定する。基地局100は、キャリアアグリゲーションの設定を示す個別情報を、PDSCHで移動局200に送信する。
(ステップS4)移動局200は、基地局100から個別情報を受信し、自局がデータ通信に使用する複数のCCと各CCの送信モードとを検出する。
(ステップS5)移動局200は、データ通信に使用するCCそれぞれについて、ステップS4で検出した送信モードに基づいて、当該CCに関するPDCCHに用いられるDCIフォーマットの候補を特定する。特に、移動局200は、UE個別サーチスペースで使用され得るDCIフォーマットとして、DCIフォーマット1,1B,1D,2,2A,2Bの中から、送信モードに応じたものを選択する。
(ステップS6)移動局200は、モニタリングCCそれぞれについて、ステップS2で検出した帯域幅およびアンテナポート数とステップS5で特定したDCIフォーマットの候補とに基づいて、PDCCHの信号長の候補(すなわち、ブラインド復号のサイズ)を設定する。特に、複数のCCに関するPDCCHが当該モニタリングCCに設定される場合、移動局200は、ブラインド復号の回数を抑制するため、複数のCCに共通のサイズを判定する。以降、移動局200は、各モニタリングCCの共通サーチスペースと自局のUE個別サーチスペースとを監視する。
(ステップS7)基地局100は、移動局200がPDSCHまたはPUSCHの処理に用いる制御信号を生成する。そして、生成した制御信号を、共通サーチスペースまたはUE個別サーチスペース内のPDCCHにマッピングし、移動局200に送信する。
(ステップS8)移動局200は、ステップS6で設定されたサイズに基づいて、PDCCHのブラインド復号を行う。すなわち、移動局200は、モニタリングCCの共通サーチスペースおよび自局のUE個別サーチスペースから、PDCCHの候補を抽出する。そして、各PDCCHの候補に対し、複数の信号長の候補それぞれを想定した復号を試みる。誤り訂正復号に成功すると、復号結果として自局が参照すべき制御信号が得られる。
(ステップS9)移動局200は、ステップS8で抽出された制御信号に基づいて、基地局100との間のDL通信またはUL通信を制御する。すなわち、移動局200は、PDSCHに関する制御信号が抽出された場合、制御信号に応じて、PDSCHの受信処理を行う。PUSCHに関する制御信号が抽出された場合、制御信号に応じて、所定時間後のサブフレームでPUSCHの送信処理を行う。
なお、上記ステップS1の処理は、1回実行すれば、CC#1〜#5の帯域幅やアンテナポート数に変更がない限り再実行しなくてもよい。ステップS3〜S6の処理は、1回実行すれば、移動局200の使用するCCや送信モードに変更がない限り再実行しなくてもよい。ステップS7の処理は、基地局100と移動局200の間に接続が確立されている間、継続的に実行される。
図14は、第2の実施の形態の基地局制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、上記ステップS3の処理の具体例を示したものである。図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS11)送信モード設定部112は、移動局200に使用させるCC、すなわち、移動局200のPDSCHまたはPUSCHを設定し得るCCを設定する。また、送信モード設定部112は、使用CCそれぞれの送信モードを設定する。
(ステップS12)グループ決定部113は、1つのグループに含めることができるCCの最大数を設定する。最大数は、1つのCCで纏めて送信することができる制御信号の量を考慮して設定する。例えば、最大数=3とする。
(ステップS13)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中に、DLの帯域幅と送信モードの両方が同一である2以上のCCが存在するか判断する。存在する場合、処理をステップS14に進める。存在しない場合、処理をステップS16に進める。
(ステップS14)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中から、DLの帯域幅と送信モードの両方が同一である複数のCCを抽出する。ただし、ステップS12で設定した最大数を超えない数のCCのみを抽出する。
(ステップS15)グループ決定部113は、ステップS14で抽出したCCをグループ化する。そして、処理をステップS13に進める。
(ステップS16)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCが残っている場合、それらCCをグループ化する。ただし、各グループに属するCCの数が、ステップS12で設定した最大数を超えないようにする。
(ステップS17)グループ決定部113は、ステップS15,S16で定義したグループそれぞれにグループIDを付与する。また、グループ決定部113は、ステップS15,S16で定義したグループ毎に、少なくとも1つのモニタリングCCを選択する。モニタリングCCは、グループ内のCCから選択してもよいし、グループ外のCCから選択してもよい。例えば、移動局200で測定される通信品質が良好なCCをモニタリングCCとして選択することが考えられる。
(ステップS18)CI付与部114は、移動局200に使用させるCCそれぞれにCIを付与する。例えば、ステップS15,S16で定義したグループ内で一意になるようにCIを付与する。CIは、例えば、3ビットの数値で定義する。
このように、第2の実施の形態では、帯域幅と送信モードの組み合わせが同じCCは、できる限り同一グループに属するようグループ分けする。帯域幅と送信モードの組み合わせが異なるCCは、同じグループに属するようにしてもよいし、異なるグループに属するようにしてもよい。帯域幅と送信モードの組み合わせが同じCCに関するPDCCHは、信号長の候補も同じとなる。
ここで、前述の通り、同じグループに属するCCに関するPDCCHは同一のCCの同一のサーチスペースで送信され得る。そのため信号長が同じであるPDCCHのサーチスペースが複数に分散せず、1つのモニタリングCCの1つのサーチスペースに集約されるため、ブラインド復号回数の増加を抑制することができる。
なお、図14のフローチャートでは全てのCCをグループ化しているが、ステップS14で抽出されずに残ったCCについては、ステップS16でグループ化しないようにしてもよい。その場合、グループ化しなかったCCについては、クロスキャリアスケジューリングを行わなくてもよい。すなわち、PDSCHまたはPUSCHに関する制御信号を、PDSCHまたはPUSCHと同じCCで送信してもよい。
図15は、コンポーネントキャリアのグループ化の例を示す図である。この例では、移動局200が、4個のCC(CC#1〜#4)を用いて基地局100からデータを受信する場合を考えている。また、CC#1,#2のDLの帯域幅は共にA[RB]であり、CC#3,#4のDLの帯域幅は共にB[RB]である。CC#1,#2の送信モードは共に送信モードXであり、CC#3,#4の送信モードは共に送信モードYである。
この場合、基地局100は、例えば、CC#1,#2が同じグループ(グループ#1)に属し、CC#3,#4が同じグループ(グループ#2)に属するよう、CC#1〜#4をグループ分けする。グループ#1のモニタリングCCは、CC#1である。すなわち、CC#1,#2に設定されるPDSCH用の制御信号は、CC#1で送信される。また、グループ#2のモニタリングCCはCC#3である。すなわち、CC#3,#4に設定されるPDSCH用の制御信号は、CC#3で送信される。
また、図15の例では、各グループ内で一意なCIを各CCに付与している。具体的には、CC#1にCI=000(2進数表記)を付与し、CC#2にCI=001を付与する。また、CC#3にCI=000を付与し、CC#4にCI=001を付与する。ただし、CC#1にCI=000を付与し、CC#2にCI=001を付与し、CC#3にCI=010を付与し、CC#4にCI=011を付与するようにしてもよい。
図16は、第2の実施の形態のPDCCHの第1の送信例を示す図である。図16の例では、DLの帯域幅と送信モードとの組み合わせが、CC#1は(75RB,送信モード1)、CC#2は(75RB,送信モード1)、CC#3は(100RB,送信モード3)、CC#4は(100RB,送信モード3)である。CC#1,#2はグループ#1に属し、CC#3,#4はグループ#2に属する。CC#1がグループ#1のモニタリングCCであり、CC#3がグループ#2のモニタリングCCである。
この場合、移動局200は、CC#1の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースからPDCCHの候補を抽出して、ブラインド復号を行う。ブラインド復号のサイズは、帯域幅=75RBおよび送信モード1から決まるサイズとなる。帯域幅と送信モードの組み合わせがCC#1,#2で同じであるため、共通のサイズでCC#1に関するPDCCHとCC#2に関するPDCCHの両方をブラインド復号することができる。
すなわち、CC#1のブラインド復号では、共通サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長(30ビット)が長さの候補となる。共通サーチスペースには、6個のPDCCHの候補が含まれる。また、UE個別サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、送信モード1に対応するDCIフォーマット1の信号長(52ビット)が長さの候補となる。UE個別サーチスペースには、16個のPDCCHの候補が含まれる。以上より、移動局200は、最大で2×6+2×16=44回のブラインド復号を行う。
同様に、移動局200は、CC#3の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースからPDCCHの候補を抽出し、ブラインド復号を行う。ブラインド復号のサイズは、帯域幅=100RBおよび送信モード3から決まるサイズとなる。帯域幅と送信モードの組み合わせがCC#3,#4で同じであるため、共通のサイズでCC#3に関するPDCCHとCC#4に関するPDCCHの両方をブラインド復号することができる。
すなわち、CC#3のブラインド復号では、共通サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長(31ビット)が長さの候補となる。また、UE個別サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、送信モード3に対応するDCIフォーマット2Aの信号長(67ビットまたは69ビット)が長さの候補となる。CC#1の場合と同様、移動局200は、最大で2×6+2×16=44回のブラインド復号を行う。
このように、図16の例では、モニタリングCC1つ当たりのブラインド復号の回数は、最大で44回である。これに対し、もしCC#1〜#4のグループ分けを行わない場合、1つのサーチスペースに、CC#1〜#4に関するPDCCHが混在し得る。すなわち、移動局200は、各モニタリングCCで、帯域幅=75RBおよび送信モード1から決まるサイズと、帯域幅=100RBおよび送信モード3から決まるサイズの両方について、ブラインド復号を行うことになる。この場合、モニタリングCC1つ当たりのブラインド復号の回数は、最大で44×2=88回となる。よって、図16のようにCC#1〜#4をグループ分けすることで、フラインド復号の回数が抑制される。
図17は、第2の実施の形態のPDCCHの第2の送信例を示す図である。図17の例では、DLの帯域幅と送信モードとの組み合わせ、および、CC#1〜#4のグループ分けは、図16の例と同じである。ただし、CC#1,#2の両方がグループ#1のモニタリングCCであり、CC#3,#4の両方がグループ#2のモニタリングCCである。
このように、1つのグループに対して複数のモニタリングCCを設定することも可能である。これは、例えば、PDCCHで送信すべき制御信号の量が大きい場合や、CC#1〜#4の通信品質が安定しない場合などに有効である。移動局200は、図16と同様の理由により、CC#1〜#4それぞれについて最大44回のブラインド復号を行う。
図18は、第2の実施の形態のPDCCHの第3の送信例を示す図である。図18の例では、DLの帯域幅と送信モードとの組み合わせが、CC#1は(75RB,送信モード1)、CC#2は(100RB,送信モード3)、CC#3は(75RB,送信モード1)、CC#4は(100RB,送信モード3)である。CC#1,#3はグループ#1に属し、CC#2,#4はグループ#2に属する。CC#1がグループ#1のモニタリングCCであり、CC#2がグループ#2のモニタリングCCである。
この場合、移動局200は、CC#1の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースからPDCCHの候補を抽出し、ブラインド復号を行う。帯域幅と送信モードの組み合わせがCC#1,#3で同じであるため、ブラインド復号の回数は最大44回となる。また、移動局200は、CC#2の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースからPDCCHの候補を抽出して、ブラインド復号を行う。帯域幅と送信モードの組み合わせがCC#2,#4で同じであるため、CC#1の場合と同様に、ブラインド復号の回数は最大44回となる。このように、隣接していない複数のCCをグループ化してもよい。
図19は、第2の実施の形態のPDCCHの第4の送信例を示す図である。図19の例では、DLの帯域幅と送信モードとの組み合わせが、CC#1は(100RB,送信モード1)、CC#2は(100RB,送信モード1)、CC#3は(75RB,送信モード3)、CC#4は(75RB,送信モード3)である。CC#1〜#4のグループ分けは、図16の例と同じである。ただし、CC#1がグループ#1のモニタリングCCであり、CC#2がグループ#2のモニタリングCCである。
このように、グループ外のCCをそのグループのモニタリングCCに指定してもよい。これは、例えば、グループ外のCCに、グループ内の何れのCCよりも通信品質が良好なものが存在する場合に有効である。あるいは、グループ外のCCに、グループ内の何れのCCよりもPDCCHの容量が大きなものが存在する場合にも有効である。移動局200は、図16の場合と同様の理由により、CC#1,#2それぞれについて最大44回のブラインド復号を行う。
図20は、第2の実施の形態のPDCCHの第5の送信例を示す図である。図16〜19の例ではDLのCC#1〜#4のグループ分けについて説明したが、ULのCC#1〜#4をグループ分けすることもできる。ULのグループは、例えば、ULのCC#1〜#4の帯域幅(ULの送信モードが存在する場合には、帯域幅と送信モード)に基づいて、DLとは独立に設定する。または、DLとULを区別せず、DLのCC#1〜#4のグループ分け結果を用いて、ULのCC#1〜#4をグループ分けすることが考えられる。
この例では、ULのグループを、DLのグループに対応させている。すなわち、ULのCC#1,#2はDLと同様にグループ#1に属し、ULのCC#3,#4はDLと同様にグループ#2に属する。また、DLのCC#1がULのCC#1,#2(グループ#1)に対応するモニタリングCCであり、DLのCC#3がULのCC#3,#4(グループ#2)に対応するモニタリングCCである。
この場合、移動局200は、CC#1の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースからPDCCHの候補を抽出し、ブラインド復号を行う。これにより、CC#1,#2のPUSCHに関する制御信号が抽出され得る。また、CC#3の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースからPDCCHの候補を抽出し、ブラインド復号を行う。これにより、CC#3,#4のPUSCHに関する制御信号が抽出され得る。
なお、図20の例では、CC#1の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースには、CC#1,#2のPDSCHに関する制御信号も含まれる。また、CC#3の共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースには、CC#3,#4のPDSCHに関する制御信号も含まれる。ただし、PUSCHに関する制御信号とPDSCHに関する制御信号とを、異なるモニタリングCCで送信するようにしてもよい。
このような第2の実施の形態の移動通信システムによれば、移動局200,200aが複数のCCを用いてデータ通信を行い基地局100がクロスキャリアスケジューリングを行う場合であっても、モニタリングCC1つ当たりのPDCCHの信号長の候補数を抑制することができる。従って、移動局200,200aが行うブラインド復号の回数を抑制することができ、移動局200,200aの負担を軽減することができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第3の実施の形態に係る移動通信システムは、同一グループに纏めることができるCCの条件を、第2の実施の形態よりも緩和する。
第3の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第3の実施の形態の基地局および移動局は、図11,12に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、グループ決定部113によるグループ分けの方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図11,12と同様の符号を用いて、第3の実施の形態を説明する。
図21は、第3の実施の形態の基地局制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、図13のステップS3の処理の具体例を示したものである。図21に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS21)送信モード設定部112は、移動局200とのデータ通信に使用するCCを設定する。また、使用CCそれぞれの送信モードを設定する。
(ステップS22)グループ決定部113は、1つのグループに含めることができるCCの最大数を設定する。
(ステップS23)グループ決定部113は、ステップS21で設定した送信モードに対応するDCIフォーマットをCC毎に特定する。送信モードに依存するDCIフォーマットは、図8に示した通り、UE個別サーチスペースに含まれ得るDCIフォーマット1,1B,1D,2,2A,2Bである。
(ステップS24)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中に、DLの帯域幅とステップS23で特定したDCIフォーマットとの両方が同一である2以上のCCが存在するか判断する。存在する場合、処理をステップS25に進める。存在しない場合、処理をステップS27に進める。
(ステップS25)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中から、DLの帯域幅とDCIフォーマットの両方が同一である複数のCCを抽出する。ただし、ステップS22で設定した最大数を超えない数のCCのみを抽出する。
(ステップS26)グループ決定部113は、ステップS25で抽出したCCをグループ化する。そして、処理をステップS24に進める。
(ステップS27)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCが残っている場合、それらCCをグループ化する。ただし、各グループに属するCCの数が、ステップS22で設定した最大数を超えないようにする。
(ステップS28)グループ決定部113は、ステップS26,S27で定義したグループそれぞれにグループIDを付与する。また、グループ毎に、少なくとも1つのモニタリングCCを選択する。
(ステップS29)CI付与部114は、使用するCCそれぞれにCIを付与する。
このように、第3の実施の形態では、帯域幅と送信モードに対応するDCIフォーマットとの組み合わせが同じCCは、できる限り同一グループに属するようグループ分けを行う。図8に示す通り、UE個別サーチスペースでは、送信モード1,2,7に対してDCIフォーマット1が共通に使用される。よって、第3の実施の形態では、送信モードが異なるCCであっても、優先的にグループ化されることがある。
一方で、帯域幅とDCIフォーマットの組み合わせが同じCCに関するPDCCHは、信号長の候補も同じとなる。そのため、第2の実施の形態と同様に、モニタリングCCの1つのサーチスペースに含まれるPDCCHの信号長の候補数を抑制することができる。
図22は、第3の実施の形態のPDCCHの送信例を示す図である。図22の例では、DLの帯域幅と送信モードとの組み合わせが、CC#1は(75RB,送信モード1)、CC#2は(75RB,送信モード2)、CC#3は(100RB,送信モード1)、CC#4は(100RB,送信モード7)である。CC#1,#2がグループ#1に属し、CC#3,#4がグループ#2に属する。CC#1がグループ#1のモニタリングCCであり、CC#3がグループ#2のモニタリングCCである。
移動局200は、CC#1についてPDCCHのブラインド復号を行う。ブラインド復号のサイズは、帯域幅=75RBと送信モード1,2に対応するDCIフォーマットとから決まるサイズである。帯域幅とDCIフォーマットの組み合わせがCC#1,#2で同じになるため、共通のサイズでCC#1に関するPDCCHとCC#2に関するPDCCHの両方をブラインド復号することができる。
すなわち、CC#1のブラインド復号では、共通サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長(30ビット)が長さの候補となる。また、UE個別サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、送信モード1,2に対応する共通のDCIフォーマット1の信号長(52ビット)が長さの候補となる。以上より、移動局200は、最大で2×6+2×16=44回のブラインド復号を行う。
同様に、移動局200は、CC#3についてPDCCHのブラインド復号を行う。ブラインド復号のサイズは、帯域幅=100RBと送信モード1,7に対応するDCIフォーマットとから決まるサイズである。帯域幅とDCIフォーマットの組み合わせがCC#3,#4で同じであるため、共通のサイズでCC#3に関するPDCCHとCC#4に関するPDCCHの両方をブラインド復号することができる。
すなわち、CC#3のブラインド復号では、共通サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長(31ビット)が長さの候補となる。また、UE個別サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、送信モード1,7に対応する共通のDCIフォーマット1の信号長(58ビット)が長さの候補となる。CC#1の場合と同様に、移動局200は、最大で2×6+2×16=44回のブラインド復号を行う。
このような第3の実施の形態の移動通信システムによれば、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。更に、第3の実施の形態では、送信モードは異なるがPDCCHの信号長の候補が同じになるようなCCの集合を特定することができ、ブラインド復号の回数を低減できる可能性が高くなる。なお、第2および第3の実施の形態のグループ化方法を、組み合わせて使用することも可能である。例えば、送信モードが同一である複数のCCを抽出できなかった場合に、第3の実施の形態の方法を使用することが考えられる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第4の実施の形態に係る移動通信システムは、同一グループに纏めることができるCCの条件を、第3の実施の形態よりも更に緩和する。
第4の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第4の実施の形態の基地局および移動局は、図11,12に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、グループ決定部113によるグループ分けの方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図11,12と同様の符号を用いて、第4の実施の形態を説明する。
図23は、第4の実施の形態の基地局制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、図13のステップS3の処理の具体例を示したものである。図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS31)送信モード設定部112は、移動局200とのデータ通信に使用するCCを設定する。また、使用CCそれぞれの送信モードを設定する。
(ステップS32)グループ決定部113は、1つのグループに含めることができるCCの最大数を設定する。
(ステップS33)グループ決定部113は、ステップS31で設定した送信モードに対応するDCIフォーマットをCC毎に特定する。
(ステップS34)グループ決定部113は、帯域幅とビット数の関係(サイズ候補)が同じになるDCIフォーマットの組を特定する。図9に示した通り、DCIフォーマット1B,1Dのサイズ候補は同じである。また、アンテナポート数が2のときのDCIフォーマット2A,2Bのサイズ候補は同じである。
(ステップS35)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中に、DLの帯域幅とDCIフォーマットのサイズ候補との両方が同一である2以上のCCが存在するか判断する。存在する場合、処理をステップS36に進める。存在しない場合、処理をステップS38に進める。
(ステップS36)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中から、DLの帯域幅とDCIフォーマットのサイズ候補とが同じ複数のCCを抽出する。ただし、ステップS32で設定した最大数を超えない数のCCのみを抽出する。
(ステップS37)グループ決定部113は、ステップS36で抽出したCCをグループ化する。そして、処理をステップS35に進める。
(ステップS38)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCが残っている場合、それらCCをグループ化する。ただし、各グループに属するCCの数が、ステップS32で設定した最大数を超えないようにする。
(ステップS39)グループ決定部113は、ステップS37,S38で定義したグループそれぞれにグループIDを付与する。また、グループ毎に、少なくとも1つのモニタリングCCを選択する。
(ステップS40)CI付与部114は、使用するCCそれぞれにCIを付与する。
このように、第4の実施の形態では、帯域幅とDCIフォーマットのサイズ候補との組み合わせが同じCCは、できる限り同一グループに属するようグループ分けを行う。
ここで、図8に示す通り、UE個別サーチスペースでは、送信モード6のときにDCIフォーマット1Bが使用され、送信モード5のときにDCIフォーマット1Dが使用される。よって、送信モード5のCCと送信モード6のCCを、優先的にグループ化し得る。また、送信モード3のときにDCIフォーマット2Aが使用され、送信モード8のときにDCIフォーマット2Bが使用される。よって、基地局100のアンテナポート数が2の場合、送信モード3のCCと送信モード8のCCを、優先的にグループ化し得る。
図24は、第4の実施の形態のPDCCHの送信例を示す図である。図24の例では、DLの帯域幅と送信モードとの組み合わせが、CC#1は(75RB,送信モード5)、CC#2は(75RB,送信モード6)、CC#3は(100RB,送信モード3)、CC#4は(100RB,送信モード8)である。CC#1,#2がグループ#1に属し、CC#3,#4がグループ#2に属する。CC#1がグループ#1のモニタリングCCであり、CC#3がグループ#2のモニタリングCCである。なお、基地局100のアンテナポート数は2であるとする。
移動局200は、CC#1についてPDCCHのブラインド復号を行う。ブラインド復号のサイズは、帯域幅=75RBと送信モード5,6に対応するDCIフォーマットとから決まるサイズである。帯域幅とDCIフォーマットのサイズ候補の組み合わせがCC#1,#2で同じになるため、共通のサイズでCC#1に関するPDCCHとCC#2に関するPDCCHの両方をブラインド復号することができる。
すなわち、CC#1のブラインド復号では、共通サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長(30ビット)が長さの候補となる。また、UE個別サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1B,1Dに共通の信号長(49ビット)が長さの候補となる。以上より、移動局200は、最大で2×6+2×16=44回のブラインド復号を行う。
同様に、移動局200は、CC#3についてPDCCHのブラインド復号を行う。ブラインド復号のサイズは、帯域幅=100RBと送信モード3,8に対応するDCIフォーマットとから決まるサイズである。帯域幅とDCIフォーマットのサイズ候補の組み合わせがCC#3,#4で同じであるため、共通のサイズでCC#3に関するPDCCHとCC#4に関するPDCCHの両方をブラインド復号することができる。
すなわち、CC#3のブラインド復号では、共通サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長(31ビット)が長さの候補となる。また、UE個別サーチスペースについて、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、DCIフォーマット2A,2Bに共通の信号長(67ビット)が長さの候補となる。CC#1の場合と同様に、移動局200は、最大で2×6+2×16=44回のブラインド復号を行う。
このような第4の実施の形態の移動通信システムによれば、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。更に、第4の実施の形態では、送信モードや送信モードに対応するDCIフォーマットは異なるが、PDCCHの信号長の候補が同じになるようなCCの集合を特定することができ、ブラインド復号の回数を低減できる可能性が高くなる。なお、第2〜第4の実施の形態のグループ化方法を、組み合わせて使用することも可能である。例えば、送信モードが同一である複数のCCや、DCIフォーマットが同一になる複数のCCを抽出できなかった場合に、第4の実施の形態の方法を使用することが考えられる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第5の実施の形態に係る移動通信システムは、同一グループに纏めることができるCCの条件を、第4の実施の形態よりも更に緩和する。
第5の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第5の実施の形態の基地局および移動局は、図11,12に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、グループ決定部113によるグループ分けの方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図11,12と同様の符号を用いて、第5の実施の形態を説明する。
図25は、第5の実施の形態の基地局制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、図13のステップS3の処理の具体例を示したものである。図25に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS41)送信モード設定部112は、移動局200とのデータ通信に使用するCCを設定する。また、使用CCそれぞれの送信モードを設定する。
(ステップS42)グループ決定部113は、1つのグループに含めることができるCCの最大数を設定する。
(ステップS43)グループ決定部113は、ステップS41で設定した送信モードに対応するDCIフォーマットをCC毎に特定する。
(ステップS44)グループ決定部113は、ステップS43で特定したDCIフォーマットと帯域幅から、送信モードに応じて選択されるDCIフォーマット1,1B,1D,2,2A,2Bの信号長(DCIフォーマットのサイズ)をCC毎に特定する。
ここで、図9に示す通り、DCIフォーマット1,1B,1D,2,2A,2Bについてサイズが43ビットになる場合は5通りある。45ビットになる場合は4通りある。47ビットになる場合は6通りある。49ビットになる場合は7通りある。50ビットになる場合は6通りある。52,53,57,58ビットになる場合はそれぞれ2通りある。61ビットになる場合は4通りある。67ビットになる場合は3通りある。帯域幅が異なる場合でも、DCIフォーマットのサイズが同じになる場合がある。
(ステップS45)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中に、ステップS44で特定したサイズが同一である2以上のCCが存在するか判断する。存在する場合、処理をステップS46に進める。存在しない場合、処理をステップS48に進める。
(ステップS46)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCの中から、ステップS44で特定したサイズが同じ複数のCCを抽出する。ただし、ステップS42で設定した最大数を超えない数のCCのみを抽出する。
(ステップS47)グループ決定部113は、ステップS46で抽出したCCをグループ化する。そして、処理をステップS45に進める。
(ステップS48)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCが残っている場合、それらCCをグループ化する。ただし、各グループに属するCCの数が、ステップS42で設定した最大数を超えないようにする。
(ステップS49)グループ決定部113は、ステップS47,S48で定義したグループそれぞれにグループIDを付与する。また、グループ毎に、少なくとも1つのモニタリングCCを選択する。
(ステップS50)CI付与部114は、使用するCCそれぞれにCIを付与する。
このように、第5の実施の形態では、送信モードに応じて選択されるDCIフォーマットのサイズが同じCCは、できる限り同一グループに属するようグループ分けを行う。同一グループに属するCCの帯域幅が同じになるとは限らない。例として、上記ステップS46の基準でグループ化した2つのCCに関する制御信号を、1つのモニタリングCCで送信する場合を考える。
共通サーチスペースについては、前述のようにクロスキャリアスケジューリングが適用されないため、DCIフォーマット0,1A,3,3Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1Cの信号長のそれぞれ1種類が、長さの候補となる。一方、UE個別サーチスペースについては、DCIフォーマット0,1Aに共通の信号長と、DCIフォーマット1,1B,1D,2,2A,2Bのサイズ候補のうちの1つが、長さの候補となる。ただし、2つのCCの帯域幅が異なる可能性があるため、DCIフォーマット0,1Aの信号長の候補は最大2倍となる。以上より、移動局200は、当該モニタリングCCにおいて、最大で2×6+2×16+1×16=60回のブラインド復号を行う。
すなわち、第5の実施の形態では、送信モードに依存しないDCIフォーマットと送信モードに応じて選択されるDCIフォーマットのうち、後者のサイズが同一グループのCC間で同じになるようグループ化する。一方、前者のサイズが同一グループのCC間で同じになるようグループ化する方法も考えられる。その場合、送信モードにかかわらず、帯域幅の同じCCを同一のグループに纏めればよい。
このような第5の実施の形態の移動通信システムによれば、送信モードに依存しないDCIフォーマットと送信モードに応じて選択されるDCIフォーマットの少なくとも一方について、信号長の候補数を抑制することができる。従って、ブラインド復号の回数を抑制することができ、移動局200,200aの負担を軽減することができる。なお、第2〜第5の実施の形態のグループ化方法を、組み合わせて使用することも可能である。例えば、送信モードが同一である複数のCCやDCIフォーマットが同一になる複数のCCを抽出できなかった場合に、第5の実施の形態の方法を使用することが考えられる。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第6の実施の形態に係る移動通信システムは、第2〜第5の実施の形態のグループ化方法を組み合わせて使用するものである。
第6の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第6の実施の形態の基地局および移動局は、図11,12に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、グループ決定部113によるグループ分けの方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図11,12と同様の符号を用いて、第6の実施の形態を説明する。
第6の実施の形態では、複数のグループ化方法が、帯域幅と送信モードとの組み合わせに応じて複数のパターンに分類される。例えば、複数のグループ化方法が、ブラインド復号の回数を抑制できる程度に応じて、抑制の程度が大きい順に複数のパターンに分類される。各パターンは1以上のグループ化方法を含む。各グループ化方法は、例えば、第2〜第5の実施の形態のグループ化方法の何れかに相当する。具体的には、例えば、複数のグループ化方法が、帯域幅と送信モードとの組み合わせで決まるDCIフォーマットのサイズの、CC間での共通度に応じたパターンに、共通度の高い順に分類される。
ここでは、以下に示すように、3つのパターン(パターンn(n=1〜3))を定義する。パターン1は、3つのグループ化方法(グループ化方法m(m=1〜3))を含む。パターン2は、2つのグループ化方法(グループ化方法m(m=1,2)を含む。パターン3は、1つのグループ化方法(グループ化方法m(m=1))を含む。
(1)パターン1:送信モードに依存しないDCIフォーマットのサイズと、送信モードに依存するDCIフォーマットのサイズの、両方がCC間で共通する場合。
(1a)グループ化方法1:何れのグループにも属していないCCのうち、帯域幅および送信モードが共に同じCCをグループ化する。第2の実施の形態のグループ化方法に相当する。
(1b)グループ化方法2:何れのグループにも属していないCCのうち、帯域幅が同じであり、且つ、送信モードは異なるが送信モードに対応するDCIフォーマットが同じであるCCをグループ化する。第3の実施の形態のグループ化方法に相当する。
(1c)グループ化方法3:何れのグループにも属していないCCのうち、帯域幅が同じであり、且つ、送信モードや送信モードに対応するDCIフォーマットは異なるが、送信モードに対応するDCIフォーマットのサイズが同じであるCCをグループ化する。第4の実施の形態のグループ化方法に相当する。
(2)パターン2:送信モードに依存しないDCIフォーマットのサイズと、送信モードに依存するDCIフォーマットのサイズの、何れか一方が共通する場合。
(2a)グループ化方法1:何れのグループにも属していないCCのうち、帯域幅が同じであり、且つ、送信モードに依存するDCIフォーマットのサイズが異なるCCをグループ化する。
(2b)グループ化方法2:何れのグループにも属していないCCのうち、帯域幅が異なり、且つ、送信モードに依存するDCIフォーマットのサイズが同じであるCCをグループ化する。第5の実施の形態のグループ化方法に相当する。
(3)パターン3:送信モードに依存しないDCIフォーマットのサイズと、送信モードに依存するDCIフォーマットのサイズの、何れもが異なる。
(3a)グループ化方法3:何れのグループにも属していないCCのうち、帯域幅も、送信モードに依存するDCIフォーマットのサイズも異なるCCをグループ化する。ただし、各グループに属するCCの数が、設定した最大数を超えないようにする。
図26は、第6の実施の形態の基地局制御を示すフローチャートである。このフローチャートは、図13のステップS3の処理の具体例を示したものである。図26に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS51)送信モード設定部112は、移動局200とのデータ通信に使用するCCを設定する。また、使用CCそれぞれの送信モードを設定する。
(ステップS52)グループ決定部113は、1つのグループに含めることができるCCの最大数を設定する。
(ステップS53)グループ決定部113は、パターンの番号を示すパラメータnを1に初期化する。
(ステップS54)グループ決定部113は、パターン内におけるグループ化方法の番号を示すパラメータmを1に初期化する。
(ステップS55)グループ決定部113は、パターンnに含まれるグループ化方法mを適用して、未だ何れのグループにも属していないCCの中からCCの集合を抽出する。
(ステップS56)グループ決定部113は、ステップS56で抽出したCCをグループ化する。
(ステップS57)グループ決定部113は、パターンnに含まれる全てのグループ化方法を適用したか否か判断する。全て適用した場合、処理をステップS59に進める。未適用のものがある場合、処理をステップS58に進める。
(ステップS58)グループ決定部113は、パラメータmを1だけ増加(インクリメント)する。すなわち、パターンnに含まれる次のグループ化方法を選択する。そして、処理をステップS55に進める。
(ステップS59)グループ決定部113は、予め定義された全てのパターンを適用したか否か判断する。全て適用した場合、処理をステップS61に進める。未適用のものがある場合、処理をステップS60に進める。
(ステップS60)グループ決定部113は、パラメータnをインクリメントする。すなわち、次のパターンを選択する。そして、処理をステップS54に進める。
(ステップS61)グループ決定部113は、未だ何れのグループにも属していないCCが残っている場合、それらCCをグループ化する。ただし、各グループに属するCCの数が、ステップS52で設定した最大数を超えないようにする。
(ステップS62)グループ決定部113は、ステップS56,S61で定義したグループそれぞれにグループIDを付与する。また、グループ毎に、少なくとも1つのモニタリングCCを選択する。
(ステップS63)CI付与部114は、使用するCCそれぞれにCIを付与する。
第6の実施の形態によれば、移動局200,200aが複数のCCを用いてデータ通信を行い基地局100がクロスキャリアスケジューリングを行う場合であっても、モニタリングCC1つ当たりのPDCCHの信号長の候補数を抑制することができる。また、同じ信号長の候補をもつ制御信号を同一のモニタリングCC上の1つのサーチスペースに集約することが可能となる。従って、移動局200,200aが行うブラインド復号の回数を抑制することができ、移動局200,200aの負担を軽減することができる。特に、第6の実施の形態では、ブラインド復号の回数を抑制できる程度が大きなグループ化方法を優先して、グループ化を行うことができる。
なお、第6の実施の形態では、全てのパターンの全てのグループ化方法による処理を実行するとしたが、所定の条件を満たすような、一部のパターンや一部のグループ化方法のみによる処理を実行するものとしてもよい。
上記については単に本発明の原理を示すものである。更に、多数の変形や変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応する全ての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。