JPWO2011102053A1 - 成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法 - Google Patents

成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011102053A1
JPWO2011102053A1 JP2012500470A JP2012500470A JPWO2011102053A1 JP WO2011102053 A1 JPWO2011102053 A1 JP WO2011102053A1 JP 2012500470 A JP2012500470 A JP 2012500470A JP 2012500470 A JP2012500470 A JP 2012500470A JP WO2011102053 A1 JPWO2011102053 A1 JP WO2011102053A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
film forming
film
deposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012500470A
Other languages
English (en)
Inventor
研介 竹中
研介 竹中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Publication of JPWO2011102053A1 publication Critical patent/JPWO2011102053A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/44Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
    • C23C16/4401Means for minimising impurities, e.g. dust, moisture or residual gas, in the reaction chamber
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/18Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment of these devices or of parts thereof
    • H01L31/20Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment of these devices or of parts thereof such devices or parts thereof comprising amorphous semiconductor materials
    • H01L31/206Particular processes or apparatus for continuous treatment of the devices, e.g. roll-to roll processes, multi-chamber deposition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合にも膜質を低下させずに成膜可能とする成膜装置及び薄膜太陽電池の製造装置、さらには成膜方法及び薄膜太陽電池の製造方法を提供する。成膜室2内でのプラズマの発生により基板6に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜する成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置1及び製造方法に関して、第1の表面3a,4a,5aと、第1の表面3a,4a,5aと反対側の第2の表面3b,4b,5bとを有する防着板3,4,5を成膜室2の内壁面2a,2b,2cに配置して、基板6に非真性の導電型層を成膜する際には、防着板3,4,5を回動させて第1の表面3a,4a,5aをプラズマ発生側に向け、基板6に実質的に真性な層を成膜する際には、防着板3,4,5を回動させて第2の表面3b,4b,5bをプラズマ発生側に向ける。

Description

本発明は、成膜室内でプラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜する成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法に関する。
半導体、太陽電池等の製造に用いられる成膜装置では、成膜室内にてプラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層から成る複数の層が成膜されることがある。特に、薄膜太陽電池には、太陽電池としての特性を向上させるために、異なる吸収波長の半導体から成る複数の光電変換層を成膜した多接合体構造が採用されている。
薄膜太陽電池の複数の光電変換層には実質的に真性なi層と、ドープ層とが用いられている。i層は、太陽光を吸収する構成となっている。ドープ層は、i層内にて吸収された太陽光により励起され発生したキャリアを、ドリフト電流として取り出すとともに、光起電力を発生させる駆動力となる内部電界を、i層の空乏層に発生させる構成となっている。このドープ層には、空乏層に電子を与えることによってプラスに帯電するn層と、空乏層に正孔を与えることによってマイナスに帯電するp層とが用いられている。多くの場合、n層を成膜する際にはPH(ホスフィン)がドーピングガスとして用いられ、p層を成膜する際にはB(ジボラン)がドーピングガスとして用いられている。
例えば、SiH(シラン)ガス等を原料としてSi(シリコン)系の薄膜太陽電池を製造する場合に、プラズマCVD法による薄膜太陽電池の製造装置(以下、「製造装置」という)が用いられることがある。ここで製造装置が1つの成膜室を設けた単室型である場合、当該1つの成膜室内でi層、p層及びn層がそれぞれ基板に成膜される。このような製造装置では、ドープ層であるp層及びn層を基板に成膜した際に発生するドーパント成分が、i層を基板に成膜する際にも成膜室内に滞留する。そのため、このようなドーパント成分の不純物がi層に混入して、i層の膜質が低下するおそれがある。
そこで多くの場合、i層、p層及びn層をそれぞれ別々の環境で成膜するために複数の成膜室を設けた多室型の製造装置が用いられている。しかしながら、多室型の製造装置を用いた場合、成膜室数の増加によって、製造コストが増加し、装置が大型化し、装置を設置するための敷地面積が広くなるという問題がある。
このような問題を解決すべく、特許文献1に示すような単室型の製造装置では、プラズマ発生用の一対の平行平板電極を設けた成膜室内に、当該電極を覆う防着板として2つの可動壁が設けられている。2つの可動壁のそれぞれは、電極平面に対して垂直方向に延びるように筒状に形成されている。さらに2つの可動壁のそれぞれは、成膜する層の種類に応じて、一対の電極を覆う位置と当該一対の電極を覆う位置から退避した位置との間で、電極平面に対して垂直方向に沿って移動するように構成されている。
特公平5−5188号公報
しかしながら、特許文献1の製造装置は、可動壁の移動機構を設ける必要があり、さらに可動壁を退避させる空間を設ける必要がある。そのため、可動壁の移動機構の構造及び操作が複雑化して、製造装置に故障が発生し易いという問題がある。また、可動壁を退避させる空間を設けたことによって、単室型の製造装置であるにもかかわらず、成膜室が大型化し、製造装置が大型化するという問題がある。特に、大面積の基板を成膜する場合や、ロールツーロール方式、ステッピングロール方式等のようにフィルム状の長尺基板を搬送する方式を採用する場合には、製造装置の大型化が顕著となる。また、移動機構の複雑化、及び装置の大型化によって、製造コストが増加するという問題がある。さらに、複雑な移動機構を有し、かつ大型である可動壁をクリーニングすることは煩雑であるので、メンテナンス性も悪化し、問題となる。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜可能とする成膜装置及び薄膜太陽電池の製造装置を提供し、さらにシンプルな操作によって、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜可能とする成膜方法及び薄膜太陽電池の製造方法を提供することにある。
課題を解決するために本発明の成膜装置は、成膜室内でプラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜するように構成されている。さらに本発明の成膜装置では、第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有する防着板が前記成膜室の内壁面に配置され、非真性の導電型層を成膜する際には、前記第1の表面がプラズマ発生側を向く一方で、実質的に真性な層を成膜する際には、前記第2の表面がプラズマ発生側を向くように、前記防着板が回動可能に構成されている。
本発明の成膜装置では、前記防着板が複数箇所に設けられ、前記防着板の基端部が、前記成膜室の内壁面に回動可能に取付けられ、前記防着板の先端部が、前記第1の表面及び前記第2の表面をプラズマ発生側に向けたそれぞれの状態で、隣接する前記防着板の回動軸に対して、前記防着板の回動軸及び先端部間の長さ以下に間隔を空けて配置されている。
本発明の成膜装置では、前記基板がフィルム状の長尺基板となっており、前記基板の長手方向の一端が巻出しロールに巻き取られる一方で、前記基板の長手方向の他端が巻取りロールに巻き取られており、前記基板がロール搬送可能に構成されている。
本発明の成膜装置では、前記プラズマを発生させる一対の電極である放電電極及び接地電極が設けられ、前記基板に対向する内壁面及び前記基板幅方向の内壁面にて、前記一対の電極の基板長手方向中央から基板長手方向の一方側の所定距離及び他方側の所定距離の合計により定められる所定範囲内に、前記複数の防着板が配置されている。
本発明の成膜装置では、前記所定範囲は、非真性な導電型層の不純物が前記内壁面に付着し、かつ前記内壁面に付着した不純物が実質的に真性な層の成膜に影響を与える範囲を含んでいる。
本発明の成膜装置では、前記成膜する非真性の導電型層がn層又はp層となっており、前記成膜する実質的に真性な層がi層となっている。
本発明の成膜装置では、前記プラズマを発生させるプラズマ源が、容量結合プラズマ源、誘導結合プラズマ源、表面波プラズマ源、又はECRプラズマ源となっている。
課題を解決するために本発明の薄膜太陽電池の製造装置は、上述の成膜装置を用いている。
課題を解決するために本発明の成膜方法は、第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有する回動可能な防着板を、内壁面に配置した成膜室内で、プラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜するものである。当該成膜方法にて、前記基板に非真性の導電型層を成膜する際には、前記防着板を回動させて前記第1の表面をプラズマ発生側に向け、前記基板に実質的に真性な層を成膜する際には、前記防着板を回動させて第2の表面をプラズマ発生側に向ける。
課題を解決するために本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、上述の成膜方法を用いる。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明の成膜装置は、成膜室内でプラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜するように構成されている。さらに本発明の成膜装置では、第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有する防着板が前記成膜室の内壁面に配置され、非真性の導電型層を成膜する際には、前記第1の表面がプラズマ発生側を向く一方で、実質的に真性な層を成膜する際には、前記第2の表面がプラズマ発生側を向くように、前記防着板が回動可能に構成されている。
そのため、前記防着板の第1の表面が、実質的に真性な層を成膜する際には前記基板を成膜する側と反対側を向くので、前記第1の表面に付着した非真性の導電型層の不純物が、前記成膜室内に飛散することを防ぐことができる。従って、不純物が実質的に真性な層に混入することを確実に防ぐことができ、実質的に真性な層の膜質低下を防ぐことができる。
また、成膜する導電型層の種類に応じて前記防着板を回動させるだけというシンプルな構成であるので、前記成膜装置の製造コストを低減できる。さらに、シンプルな構成によって前記防着板のクリーニング等が容易になり、前記成膜装置のメンテナンス性を向上させることができる。加えて、前記防着板は常に使用された状態となるので、使用しない状態の防着板を退避させる空間を別途設ける必要がなく、成膜装置を小型化できる。
すなわち、前記成膜装置については、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の成膜装置では、前記防着板が複数箇所に設けられ、前記防着板の基端部が、前記成膜室の内壁面に回動可能に取付けられ、前記防着板の先端部が、前記第1の表面及び前記第2の表面をプラズマ発生側に向けたそれぞれの状態で、隣接する前記防着板の回動軸に対して、前記防着板の回動軸及び先端部間の長さ以下に間隔を空けて配置されているので、前記防着板が回動する際に、前記防着板と前記隣接する防着板とが接触することを防止できる。この場合、前記防着板と前記隣接する防着板との間で露出した内壁が、非真性の導電型層の成膜時に前記防着板によって覆われず、当該露出した内壁に非真性の導電型層の不純物が付着するが、当該露出した内壁は実質的に真性な層の成膜時には前記隣接する防着板によって覆われて、付着した不純物が前記成膜室内に飛散することを防止できる。従って、前記成膜装置について、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の成膜装置では、前記基板がフィルム状の長尺基板となっており、前記基板の長手方向の一端が巻出しロールに巻き取られる一方で、前記基板の長手方向の他端が巻取りロールに巻き取られており、前記基板がロール搬送可能に構成されているので、例えば、ロールツーロール方式、ステッピングロール方式等の成膜装置についても、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の成膜装置では、前記プラズマを発生させる一対の電極である放電電極及び接地電極が設けられ、前記基板に対向する内壁面及び前記基板幅方向の内壁面にて、前記一対の電極の基板長手方向中央から基板長手方向の一方側の所定距離及び他方側の所定距離の範囲内に、前記複数の防着板が配置されている。好ましくは、前記所定範囲は、非真性な導電型層の不純物が前記内壁面に付着し、かつ前記内壁面に付着した不純物が実質的に真性な層の成膜に影響を与える範囲を含んでいる。
そのため、前記成膜室の内壁全体に前記防着板を配置する必要がなく、前記内壁の一部に前記防着板を配置すればよいので、前記防着板の数を少なくすることができ、又は前記防着板の面積を小さくすることができる。従って、前記成膜装置について、さらにコストを低減し、かつさらにメンテナンス性を向上させながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の成膜装置では、前記成膜する非真性の導電型層がn層又はp層となっており、前記成膜する実質的に真性な層がi層となっているので、例えば、nip接合構造、pin接合構造等の多接合体構造を有する製品の製造に用いられる成膜装置が、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の成膜装置では、前記プラズマを発生させるプラズマ源が、容量結合プラズマ源、誘導結合プラズマ源、表面波プラズマ源、又はECRプラズマ源となっているので、これらのプラズマ源のいずれかを用いた成膜装置についても、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の薄膜太陽電池の製造装置は、前記成膜装置を用いている。
そのため、薄膜太陽電池の製造装置についても、前記成膜装置と同様に、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室及び多室のいずれの場合でも膜質を低下させずに実質的に真性な層及び非真性の導電型層を成膜できる。
本発明の成膜方法は、第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有する回動可能な防着板を、内壁面に配置した成膜室内で、プラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜するものである。当該成膜方法にて、前記基板に非真性の導電型層を成膜する際には、前記防着板を回動させて前記第1の表面をプラズマ発生側に向け、前記基板に実質的に真性な層を成膜する際には、前記防着板を回動させて第2の表面をプラズマ発生側に向ける。
そのため、前記防着板を回動させるというシンプルな操作によって、前記防着板の第1の表面が実質的に真性な層を成膜する際には前記基板を成膜する側と反対側を向くため、前記第1の表面に付着した不純物が、前記成膜室内に飛散することを防ぐことができる。従って、不純物が実質的に真性な層に混入することを確実に防ぐことができ、単室及び多室のいずれの場合にも膜質を低下させずに成膜された製品を提供できる。
本発明の薄膜太陽電池の製造方法は、上述の成膜方法を用いる。
そのため、前記成膜方法と同様に、当該薄膜太陽電池の製造方法によって、単室及び多室のいずれの場合にも膜質を低下させずに成膜された薄膜太陽電池を提供できる。
本発明の実施形態における薄膜太陽電池の製造装置を模式的に示す上面視断面図である。 (a)は、非真性の導電型層の成膜時における図1の成膜室の内壁底面を示す図であり、(b)は、図2(a)のB矢視図である。 (a)は、実質的に真性な層の成膜時における図1の成膜室の内壁底面を示す図であり、(b)は、図3(a)のC矢視図である。 (a)は、非真性の導電型層の成膜時における図1のA−A断面図であり、(b)は、図4(a)のD矢視図である。 (a)は、実質的に真性な層の成膜時における図1のA−A断面図であり、(b)は、図5(a)のE矢視図である。
本発明の実施形態における成膜装置を以下に説明する。なお、本実施形態では、成膜装置の一例として、プラズマCVD方式を用いた薄膜太陽電池の製造装置について説明する。しかしながら、成膜装置が、半導体、ダイオード、薄型ディスプレイ、電磁波シールド膜等の製造装置に用いられてもよい。
図1に示すように、本実施形態の薄膜太陽電池の製造装置(以下、「製造装置」という)1は、1つの成膜室2を有しており、単室型の製造装置1となっている。成膜室2には、第1の表面3a,4a,5aと、第1の表面3a,4a,5aと反対側の第2の表面3b,4b,5bとを有する複数の防着板3,4,5が設けられている。
製造装置1には、フィルム状の長尺基板(以下、「基板」という)6が、その幅方向を製造装置1の上下方向に沿わせて配置されている。基板6の長手方向の一端は、製造装置1の上下方向に沿って延びる巻出しロール7に巻き取られる一方で、基板6の長手方向の他端は、製造装置1の上下方向に沿って延びる巻取りロール8に巻き取られている。このような基板6は、巻出しロール7から巻き出されて、巻出し用ガイドロール9及び巻取り用ガイドロール10に案内された後に、巻取りロール8に巻き取られている。このような製造装置1は、基板6をロール搬送可能に構成されている。
巻出し用ガイドロール9と巻取り用ガイドロール10との間における基板6の搬送区間には、容量結合方式の一対の平行平板電極として放電電極(アノード電極)11及び接地電極(カソード電極)12が配置されており、放電電極11と接地電極12との間にプラズマが発生するように構成されている。基板6は、放電電極11と接地電極12との間を通過するように搬送される。
放電電極11は、シャワーヘッド電極として構成され、放電電極11と当該放電電極11側の内壁側面2cとの間には、略円筒状のガス供給管13が配置されている。成膜用ガスは、ガス供給管13から放電電極11に供給されて、放電電極11の基板6側の表面11aから成膜室2内に供給されることとなる。また、接地電極12と、当該接地電極12側の内壁側面2bとの間には、略円柱状の支持部材14が配置されている。なお、特に図示しないが、図1の製造装置1には、装置内部を真空排気する機構が設けられており、プラズマCVD成膜時に当該排気機構を制御することによって、未反応のガスを除外装置に排気するように構成されている。
このように製造装置1は、成膜室2内における放電電極11と接地電極12との間でプラズマを発生させることによって、基板6に非真性の導電型層であるn層及びp層を成膜し、かつ実質的に真性な層であるi層を成膜可能に構成されている。
ここで図2〜図5を参照して、防着板3〜5の構成を説明する。
図2(a)、図2(b)、図3(a)及び図3(b)に示すように、基板6の表面に対向する一方の内壁面である内壁底面2aには、複数の第1の防着板3が設けられている。本実施形態では、5枚の第1の防着板3が設けられた場合について記載するが、これに限定されない。5枚の第1の防着板3は、基板長手方向に互いに間隔を空けて、内壁底面2aに配置されている。
詳細には、第1の防着板3は、内壁底面2aの基板幅方向全体に延びる長方形の板状に形成されている。第1の防着板3にて、基板長手方向の基端部3cは、内壁底面2aに、基板幅方向に延びる回動軸3dを中心として回動可能に取付けられている。その一方で、第1の防着板3にて、基板長手方向の先端部3eは、第1の表面3aを内壁底面2aに当接させた状態、及び第2の表面3bを内壁底面2aに当接させた状態のそれぞれで、隣接する第1の防着板3の回動軸3dに対して距離Lの間隔を空けて配置されている。ここで、第1の防着板3の回動軸3d及び先端部3e間の長さを距離Lとすると、距離Lは距離L以下となっている。
さらに5枚の第1の防着板3は、内壁底面2aにて、一対の電極11,12における基板長手方向の中央から基板長手方向の一方側に距離Rの範囲と、一対の電極11,12における基板長手方向の中央から基板長手方向の他方側に距離Rの範囲とを保護できるように配置されている。距離R及び距離Rは、成膜時に、非真性の導電型層であるn層及びp層の不純物が成膜室2の内壁底面2aに付着し、かつ内壁底面2aに付着した不純物が実質的に真性な層の成膜に影響を与える範囲を含むように定められるとよい。
このような第1の防着板3は、第1の表面3aを一対の電極11,12側に向けた姿勢(図2(a)及び図2(b)を参照)と、第2の表面3bを一対の電極11,12側に向けた姿勢(図3(a)及び図3(b)を参照)との間で回動可能となっている。なお、第1の表面3aを一対の電極11,12側に向けた姿勢では、第2の表面3bは内壁底面2aに当接している。その一方で、第2の表面3bを一対の電極11,12側に向けた姿勢では、第1の表面3aは内壁底面2aに当接している。また、特に図示はしないが、第1の防着板3を回動させるための駆動機構が設けられており、当該駆動機構を制御することによって、第1の防着板3が回動制御されるように構成されている。
なお、基板6の表面に対向するもう一方の内壁面である内壁天井面(図示せず)にも、内壁底面2aと同様に第1の防着板3が設けられている。
また、図4(a)、図4(b)、図5(a)及び図5(c)に示すように、基板幅方向の接地電極12側の内壁面である内壁側面2bには、第2の防着板4、及び第3の防着板5が設けられている。本実施形態では、複数の第2の防着板4、及び複数の第3の防着板5が設けられているものとし、特に4枚の第2の防着板4と、2枚の第3の防着板5とが設けられている場合について記載するが、これに限定されない。4枚の第2の防着板4のうち2枚は、内壁側面2bにて、接地電極12の支柱部材14に対して基板長手方向の一方側に配置されている。4枚の第2の防着板4のうち他の2枚は、内壁側面2bにて、支柱部材14に対して基板長手方向の他方側に配置されている。2枚の第3の防着板5は、内壁側面2bにて、支柱部材14に対して上側及び下側にそれぞれ配置されている。
第2の防着板4は、内壁側面2bの基板厚さ方向全体に延びる長方形の板状に形成されている。2枚の第3の防着板5のうち一方は、支柱部材14と内壁側面2bの上端部との間で延びる長方形の板状に形成されている。2枚の第3の防着板5のうち他方は、支柱部材14と内壁側面2bの下端部との間で延びる長方形の板状に形成されている。
第2の防着板4にて、基板長手方向の基端部4cは内壁側面2bに基板厚さ方向に延びる回動軸4dを中心として回動可能に取付けられている。第3の防着板5にて、基板長手方向の基端部5cは内壁側面2bに基板厚さ方向に延びる回動軸5dを中心として回動可能に取付けられている。その一方で、第2の防着板4にて、基板長手方向の先端部4eは、第1の表面4aを内壁側面2bに当接させた状態、及び第2の表面4bを内壁側面2bに当接させた状態のそれぞれで、隣接する第2の防着板4の回動軸4d、又は隣接する第3の防着板5の回動軸5dに対して距離Lの間隔を空けて配置されている。第3の防着板5にて、基板長手方向の先端部5eもまた、第1の表面5aを当接させた状態、及び第2の表面5bを内壁側面2bに当接させた状態のそれぞれで、隣接する第2の防着板4の回動軸4dに対して距離Lの間隔を空けて配置されている。ここで、第2の防着板4の回動軸4d及び先端部4e間の長さと、及び第3の防着板5の回動軸5d及び先端部5e間の長さを距離Lとすると、距離Lは距離L以下となっている。
このような第2の防着板4は、第1の表面4aを一対の電極11,12側に向けた姿勢(図2(a)及び図2(b)を参照)と、第2の表面4bを一対の電極11,12側に向けた姿勢(図3(a)及び図3(b)を参照)との間で回動可能となっている。また、第3の防着板5は、第1の表面5aを一対の電極11,12側に向けた姿勢(図2(a)及び図2(b)を参照)と、第2の表面5bを一対の電極11,12側に向けた姿勢(図3(a)及び図3(b)を参照)との間で回動可能となっている。なお、第2の防着板4及び第3の防着板5におけるそれぞれの第1の表面4a,5aを一対の電極11,12側に向けた姿勢では、それぞれの第2の表面4b,5bは内壁側面2bに当接している。その一方で、第2の防着板4及び第3の防着板5におけるそれぞれの第2の表面4b,5bを一対の電極11,12側に向けた姿勢では、それぞれの第1の表面4a,5aは内壁側面2bに当接している。また、特に図示はしないが、第2の防着板4及び第3の防着板5を回動させるための駆動機構がそれぞれ設けられており、当該駆動機構を制御することによって、第2の防着板4及び第3の防着板5がそれぞれ回動制御されるように構成されている。
さらに4枚の第2の防着板4、及び2枚の第3の防着板5は、内壁側面2bにおける、一対の電極11,12の基板長手方向の中央から基板長手方向の一方側に距離Rの範囲と、一対の電極11,12の基板長手方向の中央から基板長手方向の他方側に距離Rの範囲とを保護できるように配置されている。距離R及び距離Rは、成膜時に、非真性の導電型層であるn層及びp層の不純物が内壁側面2bに付着し、かつ内壁側面2bに付着した不純物が実質的に真性な層の成膜に影響を与える範囲であるとよい。
なお、図示はしないが、基板幅方向の放電電極11側の内壁面である内壁側面2cにも接地電極12側の内壁底面2bと同様に第2の防着板4及び第3の防着板5が設けられている。
本実施形態の製造装置1を用いることによって、基板6に非真性の導電型層であるn層及びp層と、実質的に真性な層であるi層とを成膜する方法を説明する。
非真性の導電型層であるn層又はp層を成膜する際には、n層又はp層のプレデポを行う前に、図2(a)、図2(b)、図4(a)及び図4(b)に示すように、防着板3,4,5を回動させて第1の表面3a,4a,5aを一対の電極11,12側に向けた状態にする。このような状態で、プレデポを行った後にn層又はp層を基板6に成膜する。
実質的に真性な層であるi層を成膜する際には、i層のプレデポを行う前に、図3(a)、図3(b)、図5(a)及び図5(b)に示すように、防着板3,4,5を回動させて、第2の表面3b,4b,5bを一対の電極11,12側に向けた状態にする。このような状態で、プレデポを行った後にi層を基板6に成膜する。
本実施形態のさらに好ましい構成を説明する。
薄膜太陽電池には、サブストレート型のnip接合構造、スーパーストレート型のpin構造等が用いられるとよい。半導体層である導電型層には、微結晶Si、アモルファスSi、アモルファスSiO等が用いられるとよい。基板6には、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、アクリル、アラミド等の絶縁性プラスチックフィルムが用いられるとよい。
基板6は、一方向に搬送可能、及び双方向に搬送可能のいずれであってもよい。基板6の搬送方式は、連続的に基板6を搬送するロールツーロール方式、基板6を一定距離ステップ搬送した後に成膜をし、さらに成膜完了後に再び一定距離ステップ搬送するステッピングロール方式等であるとよい。
また、一例として、第1の防着板3の配置範囲に関する距離R及び距離Rの合計により定められる範囲と、第2の防着板4及び第3の防着板5の配置範囲に関する距離R及び距離Rの合計により定められる範囲とが、非真性な導電型層の不純物が内壁面に付着し、かつ内壁面に付着した不純物が実質的に真性な層の成膜に影響を与える範囲を含んでいると好ましい。
さらなる一例として、サブストレート型のnip接合構造を有する薄膜太陽電池を製造する場合、次の構成であると好ましい。
基板6の一方面に予め成膜される裏面電極層が、Ag(銀)、Ag合金、Al(アルミニウム)等の金属電極、透明導電性電極等から成る多層構造、又は金属膜/透明導電膜の積層構造から成る電極であるとよい。また、裏面電極層を成膜する方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー成膜法、ミスト成膜、印刷法、塗布法、メッキ法等であるとよい。基板6に成膜されたnip接合構造の半導体層上に成膜される透明電極層の材料には、ITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)、TiO(酸化チタン)、SnO(酸化スズ)、IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)等が用いられるとよい。透明電極層を成膜する方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー成膜法、ミスト成膜、印刷法、塗布法、メッキ法等であるとよい。基板6の他方面に成膜される集電極層は、単層膜及び多層膜のいずれであってもよい。集電極層は、Ag,Al、Ni(ニッケル)等の金属、又はそれらのうちいずれかの金属から成る合金を用いてもよい。また、集電極層は、Ag,Al、Ni等の金属、又はそれらのうちいずれかの金属から成る合金を用いた多層膜であってもよく、又は単層膜であってもよい。集電極層を成膜する方法は、マスクを用いた電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー成膜法、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法等であるとよい。さらに、集電電極7を用いずに、SCAF(Series Connection through Apertures formed on Film)構造を用いた直列接続構造としてもよい。
以上のように本実施形態の薄膜太陽電池の製造装置によれば、防着板3,4,5の第1の表面3a,4a,5aが実質的に真性な層を成膜する際には基板6を成膜する側と反対側を向くので、第1の表面3a,4a,5aに付着した非真性の導電型層の不純物が前記成膜室内に飛散することを防ぐことができる。従って、実質的に真性な層に混入することを確実に防ぐことができ、i層の膜質低下を防止できる。また、成膜する導電型層の種類に応じて防着板3,4,5を回動させるだけというシンプルな構成であるので、成膜装置1の製造コストを低減できる。さらに、シンプルな構成によって防着板3,4,5のクリーニング等が容易になり、成膜装置1のメンテナンス性を向上させることができる。加えて、防着板3,4,5は常に使用された状態となるので、使用しない状態の防着板3,4,5を退避させる空間を別途設ける必要がなく、成膜装置1を小型化できる。すなわち、成膜装置1については、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室の場合にも膜質を低下させずに実質的に真性なi層と、非真性な導電型層であるドープ層とを成膜できる。
本実施形態の薄膜太陽電池の製造装置によれば、防着板3,4,5同士が一定の間隔を空けて配置されているので、防着板3,4,5が回動する際に、隣接する防着板3,4,5同士が接触することを防止できる。この場合、隣接する防着板3,4,5同士の間で露出した内壁が、非真性の導電型層の成膜時に防着板3,4,5によって覆われず、当該露出した内壁に非真性の導電型層の不純物が付着するが、当該露出した内壁は実質的に真性な層の成膜時には隣接する防着板3,4,5によって覆われて、付着した不純物が成膜室2内に飛散することを防止できる。従って、成膜装置1について、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室の場合にも膜質を低下させずに実質的に真性なi層と、非真性な導電型層であるドープ層とを成膜できる。
本実施形態の薄膜太陽電池の製造装置によれば、基板6がロール搬送可能に構成されているので、例えば、ロールツーロール方式、ステッピングロール方式等の製造装置1についても、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室の場合にも膜質を低下させずに実質的に真性なi層と、非真性な導電型層であるドープ層とを成膜できる。
本実施形態の薄膜太陽電池の製造装置によれば、内壁底面2a及び内壁天井面にて、第1の防着板3は、実質的に真性な層の成膜に影響する不純物が付着する距離R及び距離Rの範囲のみに配置されている。また、内壁底面2b,2cにて、第2の防着板4及び第3の防着板5は、実質的に真性な層の成膜に影響する不純物が付着する距離R及び距離Rの範囲に配置されている。そのため、成膜室2の内壁全体に防着板3,4,5を配置する必要がなく、内壁底面2a、内壁側面2b,2c、及び内壁天井面の一部にのみ防着板3,4,5を配置することができる。従って、防着板3,4,5の数を少なくすることができ、又は防着板3,4,5の面積を小さくすることができる。よって、製造装置1について、さらにコストを低減し、かつさらにメンテナンス性を向上させながら、単室の場合にも膜質を低下させずに実質的に真性なi層と、非真性な導電型層であるドープ層とを成膜できる。
本実施形態の薄膜太陽電池の製造装置によれば、非真性の導電型層がn層又はp層となっており、実質的に真性な層がi層となっているので、例えば、nip接合構造、pin接合構造等の多接合体構造を有する薄膜太陽電池の製造に用いられる製造装置1についても、シンプルな構成で、小型化可能で、低コストで、かつメンテナンス性に優れながら、単室の場合にも膜質を低下させずに実質的に真性なi層と、非真性な導電型層であるドープ層とを成膜できる。
本実施形態の薄膜太陽電池の製造方法によれば、防着板3,4,5を回動させるというシンプルな操作によって、防着板3,4,5の第1の表面3a,4a,5aが実質的に真性な層を成膜する際には基板6を成膜する側と反対側を向くため、第1の表面3a,4a,5aに付着した不純物が、成膜室2内に飛散することを防ぐことができる。従って、不純物が実質的に真性な層に混入することを確実に防ぐことができ、単室の場合にもi層の膜質を低下させずに成膜された薄膜太陽電池を提供できる。
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、本発明の実施形態の第1変形例として、製造装置1が、基板6をロール搬送する方式でなく、基板を固定する方式であってもよい。本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態の第2変形例として、基板6が、その幅方向を製造装置1の水平方向に沿わせて配置されていてもよい。すなわち、製造装置1の基板搬送方式が平置き搬送方式であってもよい。本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態の第3変形例として、放電電極11及び接地電極12のプラズマ源が、容量結合プラズマを発生させる平行平板型の方式以外であってもよく、誘導結合プラズマ、表面波プラズマ、ECRプラズマ等を発生させる方式であってもよい。本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態の第4変形例として、防着板3,4,5が、成膜室2の内壁全体を保護するように配置されていてもよい。本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態の第5変形例として、複数の成膜室を有する多室型の製造装置にて、複数の成膜室の少なくとも1つに、防着板3,4,5が設けられていてもよい。多室型の製造装置の場合にも、本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態の第6変形例として、内壁側面2b,2cに第2の防着板4のみが設けられていてもよい。本実施形態と同様の効果が得られる。
[実施例]
本発明の実施例では、サブストレート型のnip接合構造を有するアモルファスSi薄膜太陽電池を製造する。当該nip接合構造は、厚さ20nmのn型アモルファスSi層であるn層と、厚さ300nmのi型アモルファスSi層であるi層と、厚さ20nmのp型アモルファスSi層であるp層とを有する。
基板6には、厚さ50μmのポリイミドフィルムを用いる。基板6の一方面には、裏面電極層として厚さ200nmのAgがスパッタリング法により成膜されている。このような基板6をステッピングロール方式で搬送する。さらに、放電電極11と接地電極12との電極間距離を20mmとし、放電周波数を27.12MHzとする。n層を成膜する際には、放電電極11からの放電パワーを5Wとし、成膜温度を300℃とする。i層を成膜する際には、放電電極11からの放電パワーを20Wとし、成膜温度を280℃とする。p層を成膜する際には、放電電極11からの放電パワーを5Wとし、成膜温度を160℃とする。
まず、基板6の裏面電極層上にn層を形成するためのプレデポ及び成膜を実施するが、当該プレデポ及び成膜を開始する前に、防着板3,4,5を回動させて第1の表面3a,4a,5aを放電電極11及び接地電極12側に向ける。SiHガス、H(水素)ガス及びPHガスを用いた混合ガスを、放電電極11と接地電極12との間に供給する。基板6をn層プレデポ用の所定位置に搬送して、プレデポを10分間実施する。その後、基板6の成膜対象部を放電電極11と接地電極12との間に搬送して、基板6にn層を成膜する。
次に、基板6に成膜したn層上にi層を形成するためのプレデポ及び成膜を実施するが、当該プレデポ及び成膜を開始する前に、防着板3,4,5を回動させて第2の表面3b,4b,5bを放電電極11及び接地電極12側に向ける。SiHガス及びHガスを用いた混合ガスを、放電電極11と接地電極12との間に供給する。基板6をi層プレデポ用の所定位置に搬送して、プレデポを30分間実施する。その後、基板6の成膜対象部を放電電極11と接地電極12との間に搬送して、基板6にi層を成膜する。
さらに、基板6に成膜したi層上にp層を形成するためのプレデポ及び成膜を実施するが、当該プレデポ及び成膜を開始する前に、再び防着板3,4,5を回動させて第1の表面3a,4a,5aを放電電極11及び接地電極12側に向ける。SiHガス、Hガス及びBガスを用いた混合ガスを、放電電極11と接地電極12との間に供給する。基板6をi層プレデポ用の所定位置に搬送して、プレデポを10分間実施する。その後、基板6の成膜対象部を放電電極11と接地電極12との間に搬送して、基板6にp層を成膜する。
このようにnip接合構造の半導体層を成膜した後に、Arガスを用いたRFスパッタリング法により当該半導体層上に厚さ70nmのITO透明電極を成膜する。さらに、基板6の他方面に、マスクを用いた電子ビーム蒸着法により厚さ100nmのTi(チタン)層、及び厚さ500nmのAg層を用いた集電極層を成膜する。
[比較例]
比較例では、回動可能な防着板3,4,5を用いないということ以外は、上述の実施例と同様の条件にて薄膜太陽電池を製造する。
実施例及び比較例にて製造した薄膜太陽電池について、それぞれの初期変換効率をソーラーシミュレータにより測定した。その結果、実施例の薄膜太陽電池の初期変換効率が8.0%であるのに対して、比較例の薄膜太陽電池の初期変換効率が7.0%となった。よって、実施例の初期変換効率は比較例の初期変換効率より高く、本発明の回動可能な防着板3,4,5を用いることによってi層の膜質低下を防止できることが確認できた。
1 薄膜太陽電池の製造装置
2 成膜室
2a 内壁底面
2b,2c 内壁側面
3 第1の防着板
3a,4a,5a 第1の表面
3b,4b,5b 第2の表面
3c,4c,5c 基端部
3d,4d,5d 回動軸
3e,4e,5e 先端部
4 第2の防着板
5 第3の防着板
6 基板
11 放電電極
12 接地電極
,L,L,L,R,R,R,R 距離

Claims (10)

  1. 成膜室内でプラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜する成膜装置において、
    第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有する防着板が前記成膜室の内壁面に配置され、
    非真性の導電型層を成膜する際には、前記第1の表面がプラズマ発生側を向く一方で、実質的に真性な層を成膜する際には、前記第2の表面がプラズマ発生側を向くように、前記防着板が回動可能に構成されていることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記防着板が複数箇所に設けられ、
    前記防着板の基端部が、前記成膜室の内壁面に回動可能に取付けられ、
    前記防着板の先端部が、前記第1の表面及び前記第2の表面をプラズマ発生側に向けたそれぞれの状態で、隣接する前記防着板の回動軸に対して、前記防着板の回動軸及び先端部間の長さ以下に間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記基板がフィルム状の長尺基板となっており、
    前記基板の長手方向の一端が巻出しロールに巻き取られる一方で、前記基板の長手方向の他端が巻取りロールに巻き取られており、前記基板がロール搬送可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記プラズマを発生させる一対の電極である放電電極及び接地電極が設けられ、
    前記基板に対向する内壁面及び前記基板幅方向の内壁面にて、前記一対の電極の基板長手方向中央から基板長手方向の一方側の所定距離及び他方側の所定距離の合計により定められる所定範囲内に、前記複数の防着板が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記所定範囲は、非真性な導電型層の不純物が前記内壁面に付着し、かつ前記内壁面に付着した不純物が実質的に真性な層の成膜に影響を与える範囲を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記成膜する非真性の導電型層がn層又はp層となっており、
    前記成膜する実質的に真性な層がi層となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成膜装置。
  7. 前記プラズマを発生させるプラズマ源が、容量結合プラズマ源、誘導結合プラズマ源、表面波プラズマ源、又はECRプラズマ源となっていることを特徴とする請求項1〜
    6に記載の成膜装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の成膜装置を用いた薄膜太陽電池の製造装置。
  9. 第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面とを有する回動可能な防着板を、内壁面に配置した成膜室内で、プラズマを発生させることによって基板に非真性の導電型層及び実質的に真性な層を成膜する成膜方法であって、
    前記基板に非真性の導電型層を成膜する際には、前記防着板を回動させて前記第1の表面をプラズマ発生側に向け、実質的に真性な層を成膜する際には、前記防着板を回動させて第2の表面をプラズマ発生側に向ける成膜方法。
  10. 請求項9の成膜方法を用いた薄膜太陽電池の製造方法。
JP2012500470A 2010-02-18 2010-12-21 成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法 Pending JPWO2011102053A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010033546 2010-02-18
JP2010033546 2010-02-18
PCT/JP2010/072984 WO2011102053A1 (ja) 2010-02-18 2010-12-21 成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011102053A1 true JPWO2011102053A1 (ja) 2013-06-17

Family

ID=44482662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012500470A Pending JPWO2011102053A1 (ja) 2010-02-18 2010-12-21 成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2011102053A1 (ja)
WO (1) WO2011102053A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102057813B1 (ko) * 2012-05-24 2019-12-19 가부시키가이샤 니콘 미스트 성막장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56114387A (en) * 1980-02-13 1981-09-08 Sanyo Electric Co Ltd Manufacture of photovoltaic force element
JPS60110176A (ja) * 1983-11-21 1985-06-15 Agency Of Ind Science & Technol 太陽電池製造装置
JPH06206795A (ja) * 1993-01-13 1994-07-26 Hitachi Ltd 分子線エピタキシ装置
JP2000323411A (ja) * 1999-05-13 2000-11-24 Sharp Corp 分子線エピタキシャル装置
JP2010001530A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Fujitsu Ltd 成膜装置及び成膜方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56114387A (en) * 1980-02-13 1981-09-08 Sanyo Electric Co Ltd Manufacture of photovoltaic force element
JPS60110176A (ja) * 1983-11-21 1985-06-15 Agency Of Ind Science & Technol 太陽電池製造装置
JPH06206795A (ja) * 1993-01-13 1994-07-26 Hitachi Ltd 分子線エピタキシ装置
JP2000323411A (ja) * 1999-05-13 2000-11-24 Sharp Corp 分子線エピタキシャル装置
JP2010001530A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Fujitsu Ltd 成膜装置及び成膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011102053A1 (ja) 2011-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2310405T3 (es) Procedimiento de fabricacion de una celula fotovoltaica a base de silicio en capa delgada.
EP2315262A2 (en) Solar cell and method for manufacturing same
WO2009038372A2 (en) Thin film type solar cell and method for manufacturing the same
US20110168259A1 (en) Thin film solar cell and manufacturing method thereof
US20130037099A1 (en) Device for generating solar power and method for manufacturing same
US20160329446A1 (en) Device for manufacturing integrated thin film solar cell
US20150357486A1 (en) Solar cell including multiple buffer layer formed by atomic layer deposition and method of fabricating the same
CN102576757A (zh) 太阳能电池设备及其制造方法
WO2009008674A2 (en) Solar cell and method of manufacturing the same
US20100314705A1 (en) Semiconductor device module, method of manufacturing a semiconductor device module, semiconductor device module manufacturing device
WO2011102053A1 (ja) 成膜装置及び成膜方法、並びに薄膜太陽電池の製造装置及び製造方法
JP4712127B2 (ja) 太陽電池の製造方法及び製造装置
US20110265847A1 (en) Thin-film solar cell module and manufacturing method thereof
KR20090038186A (ko) 태양전지 모듈
KR101369920B1 (ko) 태양전지 및 태양전지의 제조방법
KR20110008873A (ko) 박막형 태양전지 및 그 제조방법
KR20170097440A (ko) 태양전지 및 그 제조방법
CN114342090A (zh) 积层结构体及积层结构体的制造方法
KR101091317B1 (ko) 태양전지 제조용 롤투롤 장치
US20110253189A1 (en) Thin-film solar cell
JP4775869B1 (ja) 光電変換装置
KR101196350B1 (ko) 박막형 태양전지와 그 제조 방법 및 이를 제조하기 위한 스퍼터링장치
KR20190118379A (ko) 다층 투명 전극 및 이를 포함하는 유기 태양전지
WO2015029864A1 (ja) 太陽電池の製造方法、めっき用治具、並びに、めっき装置
EP2362427A2 (en) Thin-film solar cell

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140124