JPWO2010109764A1 - 基地局および無線通信システム - Google Patents

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Abstract

基地局10は、バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信中の移動端末から送信される測定報告を受信する測定報告受信部12と、測定報告に基づいてハンドオーバが必要か否かを判定するハンドオーバ判定部13と、ハンドオーバが必要と判定された場合に、ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信中のバンドとは異なるバンドに通信を一時的に切り替えるギャップ期間を設定するギャップ期間設定部14とを備える。ギャップ期間設定部14は、測定報告を行ったバンド以外の通信中のバンドにもギャップ期間を設定する。これにより、複数バンド使用時において、効果的なギャップ期間の設定を行う基地局および端末を提供することができる。

Description

関連する出願
本出願では、2009年3月27日に日本国に出願された特許出願番号2009−078313および2010年1月7日に日本国に出願された特許出願番号2010−001763の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
本発明は、バンドアグリゲーション(「Band Aggregation」または「Carrier Aggregation」ともいう)に対応した端末を制御する基地局に関する。
近年、標準化団体3GPPは、LTEと互換性のある次世代の無線通信規格として、LTE−Advanced(以下、「LTE−A」という)の標準化を進めている。LTE−Aでは、移動端末が1つの基地局の複数のキャリア周波数を使用するバンドアグリゲーションの導入が検討されている。バンドアグリゲーションは、移動端末が複数のコンポーネントキャリア(component carrier)を利用して、スループットを向上させる技術である。
図9は、バンドアグリゲーションの概要を示す図である。図9に示す例では、3つのコンポーネントキャリア(キャリア周波数がf1,f2,f3)のうち、キャリア周波数がf1とf3の2つのコンポーネントキャリアを、端末が使用する例が示されている。このように、複数のコンポーネントキャリアを使用することにより、端末と基地局間の通信のスループットの向上が期待されている。
バンドアグリゲーション対応の移動端末でも、異なる周波数間でハンドオーバ(以下、「HO」)することができる。この場合、HO先を選定するために、異なる周波数の測定のための設定が重要になる。以下、この点について説明する。
バンドアグリゲーション時も、基地局は移動端末から送られてきた測定報告(measurement report)に基づいて、HOを行うか否かを決定し、HOを行う場合には移動端末に指示する。移動端末は、基地局が周波数毎に決めた測定対象を示すmeasObject(Measurement Object)を基に品質測定を実行し、設定された条件を満たすと、測定報告を基地局に送信する。
一般に、HO先としては、現在接続中のセルと同じ周波数を測定対象とすることが優先される。同じ周波数に条件を満たすHO先が存在しない場合に、異なる周波数の測定が実行されるようになっている場合が多い。
ところで、異なる周波数の測定を行うためには、現在使用しているキャリアの通信を一時中断する必要がある。このデータ通信のリソースを割り当てない期間を「ギャップ期間」と呼ぶ。測定対象を示すmeasObjectに、測定項目として異なる周波数が記載されていたとしても、ギャップ期間が設定されていない状態では、異なる周波数の測定を開始できない。従って、移動端末は、異なる周波数の測定のためのギャップ期間を基地局に設定してもらう。
基地局は、ギャップ期間を一定周期で設ける等して、移動端末が必要な情報を収集できるようにする。この期間は、少なくとも、移動端末の受信装置は、現在通信中の周波数とは異なる周波数に切り替わるため、移動端末と通信中の基地局との通信が途絶えてしまう。このため、基地局は測定を行う期間にはデータ通信のリソースを割り当てず、移動端末の品質測定の実行を指示する。なお、都度の品質測定の実行指示は、明示的ではなく、あらかじめ定められた条件をもとに実行するようになっていることもある。さらに、間欠送受信(消費電力の低減などを目的として、非通信期間を設けること)の非通信期間をギャップ期間と同様に(もしくはギャップ期間として)異周波数の測定に使用することも可能である。
上記したとおり、異周波数の測定を行うためのギャップ期間は通信を行えないため、通信の遅延が生じると共に、再送制御に影響が出ることが予測される。アプリケーションレベル等のように遅延に対して比較的大きな耐性のある機能ブロックにおいては、性能への影響は少ないが、HARQ(Hybrid ARQ)などの短い時間での再送制御においては再送データの遅延が性能(データの誤り率、中間データの廃棄率)などに影響を及ぼしてしまう。
図10および図11は、データ通信とギャップ期間の関係する課題が発生する状況を示す図である。まず、移動端末は異周波測定の必要性を検出する。異周波数測定の必要性は、例えば、(1)1つ以上の現在使用中の周波数(ある基地局が構成するセル)での通信品質が劣化または混雑してきてリソース割り当てが十分にできない状況になる。(2)ハンドオーバの優先順位として、ハンドオーバの処理負荷が比較的少ない同一周波数での他のセルの品質測定を試みるが、同一周波数においては必要な品質を満たすセルを検出できなかった場合などに異周波数の品質測定が必要であると判断される。移動端末は、通信品質が劣化している周波数以外の周波数を測定する手順を開始する。なお、劣化している周波数以外の周波数は、異なるアクセスネットワーク(RAT: Radio Access Technology)のセルの場合もあり得る。
図10に示す例では、周波数f1の通信品質の劣化により、異なる周波数f2の測定の必要性を検出している。移動端末は、Inter-frequency(異周波数)/Inter-RAT(3Gにおける異なるRAT)の品質測定を行う。まず、基地局はギャップ期間を設定し、品質測定を指示する。この指示を受けて、移動端末は、ギャップ期間に周波数を切換えて品質測定を行なう。移動端末は、元の周波数に戻り、必要な情報がそろうと、基地局に測定結果報告(MR: Measurement Report)を送信する。報告に必要な情報が十分に測定できていない場合には、ギャップ期間が複数回にわたり設定され、一旦データ通信の状態に戻った後に再度、異周波数の品質測定を行なう。図10に示す例では、周波数f2の測定を2回行っている。
ギャップ期間には、通信(送受信)のためのリソースは割り当てられない。従って、ギャップ期間の直前の送受信データの再送データには、移動端末が元の周波数に戻ってくるまでの間はリソースを割り当てることができない。これにより、再送データの移動端末への到着あるいは移動端末からの送信が頻繁に遅れてしまう。これは、特に再送周期の早さが性能に大きく係わるHARQには、データの送受信、応答信号(Ack/Nack)の送受信の遅延と共に性能劣化の原因となってしまう。
図11は、HARQの動作について説明する図である。最初に、HARQについて説明する。HARQは、RLCでの再送に比べ、フィードバックが早いMACレイヤ、PHYレイヤで実行される再送制御方式である。HARQでは、送信信号を受信側で重ね合わせていき、誤りを低減する。ダウンリンク(down-link)では、再送タイミングを通知して、送信方法を変更しながら再送する(これをasynchronous-adaptiveという)。具体的には、HARQでは、受信したデータの尤度を計算し、尤度が所定の閾値より小さい場合には、受信したデータをバッファに格納しておくと共にデータの再送を促す。データが再送されてくると、受信したデータをバッファに格納し、前に受信したデータと重ね合わせて、尤度の高い受信データを求める。この処理を、尤度が所定の閾値以上になるまで繰り返し行う。HARQでは、並行して複数の再送プロセスを持つことができる。
次に、図11を用いて、ギャップ期間がHARQの動作に与える影響について説明する。図11に示すように、HARQでは、データを正しく受信するまで、同じデータが再送される。HARQでは、受信データの尤度が所定の閾値以上になるまで、複数回再送データを受信する。ギャップ期間の前までに受信データの尤度が閾値以上になれば、その時点でHARQプロセスが完了する。ところが、データの再送中にギャップ期間が入ると、HARQの動作が中断してしまう。ギャップ期間に、それまでにバッファに格納した再送データが破棄されてしまう恐れがある。もし、バッファに格納された再送データが破棄されてしまうと、データ受信を最初からやり直さなければならなくなり、データの受信効率が悪くなる。
ギャップ期間中にバッファ内のデータを保持しておくことも考えられるが、そのための電力消費が発生してしまう。HARQではデータ列確定前の受信データ(例えば、尤度を含むデータ)を保持して繰り返し受信を行うため、確定したデータ列そのものを保持することに比べて電力消費が大きくなる。
ギャップ期間終了直後に(送信側において)送信データが集中し、送信リソースの割り当てに関して、輻輳状態が発生する可能性がある。一般に、輻輳状態においては、通常の状態に比べ処理効率が大きく低下する。従って、送信データがギャップ期間の分だけ遅延するのではなく、より大きな遅延となって現れることが起こり得る。
遅延による送信データの集中(滞留)が完全に解消されない時点で、次のギャップ期間が始まった場合には、その影響が次第に増加し、上位レイヤに影響を及ぼすことも懸念される。具体的には、上位レイヤでの送信失敗となることも考えられる。
基地局側で設定するHARQの再送上限回数が比較的大きく、これに対してギャップ期間の設定間隔が短い場合は、上述の遅延の増大により、再送上限回数に達する前に待ち時間(タイマにより設定される)が満了する可能性がある。この場合、HARQプロセスは連続して失敗となり、その都度バッファ内のデータが破棄されるので、実質的には通信不能の状態となってしまうことも起こり得る。場合によっては、上位レイヤでの再送手順が必要となる。
本発明は、上記背景に鑑み、複数バンド使用時において、効果的なギャップ期間の設定を行う基地局および端末を提供することを目的とする。
本発明の基地局は、バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信中の移動端末から送信される測定報告を受信する測定報告受信部と、前記測定報告に基づいてハンドオーバが必要か否かを判定するハンドオーバ判定部と、ハンドオーバが必要と判定された場合に、ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信中のバンドの通信を一時的に中断しギャップ期間を設定するギャップ期間設定部とを備え、前記ギャップ期間設定部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中のバンドにもギャップ期間を設定する。
本発明によれば、ハンドオーバを必要とするバンドのみならず、通信中の別のバンドにもギャップ期間を設定するので、ギャップ期間が複数のバンドに分散され、ギャップ期間による通信中断の影響を低減できる効果を有する。
以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図 図2は、3つの周波数f1,f2,f3を用いた通信状況を示す図 図3は、受信品質を測定するためのギャップ期間の設定例を示す図 図4は、ギャップ期間の設定のバリエーションを示す図 図5は、ギャップ期間の設定のバリエーションを示す図 図6は、第4の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図 図7は、基地局10に要望情報を送信するタイミングを示す図 図8は、アップリンクとダウンリンクの対応付けを示す図 図9は、バンドアグリゲーションの概要を示す図 図10は、データ通信とギャップ期間の関係する課題が発生する状況を示す図 図11は、データ通信とギャップ期間の関係する課題が発生する状況を示す図 図12Aは、従来のシグナリングのメッセージ例を示す図 図12Bは、ギャップ設定の順番を明示するシグナリングの具体的なメッセージ例を示す図 図13は、ギャップ設定の頻度を多くする動作の例を示す図 図14は、ギャップ設定の頻度を多くする動作を実現するシグナリングのメッセージの例を示す図 図15は、CQIを用いたギャップ設定の動作の概要を示す図 図16は、CQIを用いたギャップ設定の別の動作の概要を示す図 図17は、第7の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図
以下に、本発明の詳細な説明を述べる。以下に説明する実施の形態は本発明の単なる例であり、本発明が様々な態様に変形することができる。従って、以下に開示する特定の構成および機能は、請求の範囲を限定するものではない。
以下、本発明の実施の形態の基地局および端末について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システムは、基地局10と移動端末20とを有している。基地局10は、異なる周波数で通信を行う3つの通信インターフェース11と、測定報告受信部12と、ハンドオーバ判定部(以下、「HO判定部」という)13と、ギャップ期間設定部14とを有している。
測定報告受信部12は、移動端末20から送信されてきた測定報告を受信し、受信した測定報告をHO判定部13に渡す。HO判定部13は、受信した測定報告に基づいてHOが必要か否かを判定する。ギャップ期間設定部14は、移動端末20との間で通信中の周波数の受信品質が悪くなりHOが必要と判定されたときに、受信品質を測定すべき別の周波数と、その周波数を測定するためのギャップ期間を設定する。ギャップ期間設定部14は、設定したギャップ期間の設定情報を移動端末20に送信する。
移動端末20は、異なる周波数で通信を行う2つの通信インターフェース21と、受信品質を測定し、測定報告を送信する測定部22と、測定部22にて測定する周波数を切り替える周波数切替部23とを有する。周波数切替部23は、基地局10から送信されるギャップ期間の設定情報に基づいて周波数の切り替えを行う。
図2は、バンドアグリゲーション可能な3つの周波数f1,f2,f3と、移動端末20の通信状況を示す図である。移動端末20は、2つの通信インターフェース21を有しているので、3つの周波数f1,f2,f3のうちの2つの周波数を同時に用いて通信を行うことができる。図2に示す例では、移動端末20は、周波数f1,f3を用いて通信を行っている。ここで、周波数f1の受信品質が悪くなった場合の動作について説明する。
移動端末20は、周波数f1,f3を用いた基地局10との通信中に、周波数f1の受信品質が悪くなった場合に、基地局10に対して測定報告を送信する。基地局10は、移動端末20が異なる周波数の品質測定を行う必要であると判断した場合、移動端末20が現在バンドアグリゲーションの状態にあるかどうかを確認する。
同一基地局10内の異なるセル(主に周波数が異なる)においてバンドアグリゲーションしている場合は基地局10での確認で完了する。しかし、異なる基地局10が提供するセルにおいてバンドアグリゲーションしているようなシステムにおいては、基地局10間でのバンドアグリゲーションを確認するために、別途シグナリングが必要になる。
移動端末20にバンドアグリゲーションしているセルがある場合、基地局10は、測定する周波数とともに、ギャップ期間を設定する周波数およびギャップ期間の配置を適切に設定する。すなわち、基地局10は、通信品質劣化を報告してきた周波数f1以外の周波数f3にもギャップ期間を設定する可能性を探り、最適のギャップ期間を設定する。ギャップ期間の配置に関しては、規定の周期や任意のタイミングで、規定の期間や任意の期間を設定することが可能である。特に、異周波数の品質測定によって、移動端末20の受信動作だけでなく移動端末20からの送信動作も停止してしまう場合には、ギャップ期間の配置には、送信データのHARQと受信データのHARQおよびそれらのAck/Nackの送受信をも考慮する。
基地局10は、ギャップ期間を設定する周波数およびギャップ期間の設定情報を移動端末20に通知する。この設定情報には、例えば、ギャップ期間に関するパラメータ、異周波数の品質測定指示、どの周波数においてギャップ期間が設定されるかなどの情報が含まれる。基地局10から移動端末20へのギャップ期間設定情報の送信は、通信品質の劣化している周波数f1とは異なるバンドアグリゲーション中の周波数f3を通じて行ってもよい。移動端末20は、基地局10から送信される設定情報に従って、ギャップ期間を設定し、周波数f2の受信品質の測定を行う。
ギャップ期間、ギャップの場所を設定する方法であるが、現在のLTE(36.331)の仕様では、40ms周期と80ms周期が準備されている。40ms周期の場合には、0-39の値がgapOffsetとして示され、ギャップの開始場所は、System frame number (SFN) mod 40 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNのradio frameの中のgapOffset mod 10 となるsubframeである。80msの周期の場合には、0-79の値がgapOffsetとして示され、ギャップの開始場所は、Systemframe number (SFN) mod 40 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNのradio frameの中のgapOffset mod 10となるsubframeである。
本方式では、ギャップを設定すべき周波数が複数存在するため、どのような順番でギャップを設定するかを端末と基地局が共に知っておく必要がある。例えばギャップ期間が40ms、すなわち周波数f1と周波数f3のギャップ期間が40msの場合に、周波数f1についてはSystem frame number (SFN) mod 80 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNの中のradio frameのgapOffset mod 10となるsubframeからギャップを開始し、周波数f3については、それ以外のSystem frame number (SFN) mod 40 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNのradio frameの中のgapOffset mod 10となるsubframeからギャップを開始するというように決めることが考えられる。このどのような順番でギャップを設定するかを明示的に通知する動作を以下に示す。
図12Bは、ギャップ設定の順番を明示するシグナリングの具体的なメッセージ例を示す図である。図12Aは、従来のシグナリングのメッセージ例を示す図である。図12Aに示すように、ギャップを設定する際には「setup」を指定し、ギャップの長さが40msの場合には、「gp0」、80msの場合には「gp1」を指定する。ギャップの場所は、ギャップの長さが40msの場合には0-39、ギャップの長さが80msの場合には0-79で選択する。次に、図12Bを参照して本例のシグナリングメッセージ例について説明する。図12Bに示すように、シグナリングメッセージは、「GapFreqList」にギャップを設定すべき複数の周波数を設定している。基地局は、ギャップを設定する順番に従って、「GapFreqList」に周波数の情報を入れる。例えば、「GapFreqList」に周波数f1、周波数f3の順番に情報を入れた場合には、周波数f1に先にギャップを設定する動作を行い、逆に周波数f3、周波数f1の順番で情報を入れた場合には、周波数f3に先にギャップを設定する動作を行う。「ARFCN-ValueEUTRA」は、周波数を示す情報である。各周波数について、ギャップは1種類であり、その設定の仕方は、図12Aに示す例と同じである。ここでは、シグナリングメッセージの一例を示したが、本発明はこのメッセージ例に限定されるものではなく、他の方法によって同様の制御を行うことも可能である。
図3は、移動端末20の周波数f2の受信品質を測定するためのギャップ期間の設定例を示す図である。図3に示す例では、周波数f1にギャップ期間を設定して周波数f2の受信品質を測定すると共に、周波数f3にもギャップ期間を設けて周波数f2の受信品質を測定する。通常は、HOが必要と判定された周波数f1にギャップ期間を設定して周波数f2の受信品質を測定するが、図3に示す例では、周波数f3にもギャップ期間を設定するので、通常よりギャップ期間を配置する間隔を広くできる。
本実施の形態では、受信品質が劣化した周波数f1のみならず、周波数f3にもギャップ期間を設定するので、ギャップ期間が複数の周波数に分散される。それぞれの周波数において、HARQプロセスに対するギャップ期間の影響を低減できる。周波数f3は、受信品質が劣化しているわけではないので、少ない再送回数で尤度の高い受信データを取得できる。従って、周波数f3では、ギャップ期間によってHARQプロセスのためのバッファ内のデータが廃棄される可能性が低い。
以上、第1の実施の形態の基地局10および無線通信システムについて説明した。上記では、周波数f1と周波数f3に交互にギャップ期間を設定する例について説明したが、ギャップ期間の設定の仕方は、各周波数の受信品質や各周波数で起動しているHARQプロセス数、各周波数で通信中のデータを用いて実行中のアプリケーション等の様々な要素により、適切にギャップ期間を設定することができる。以下に、様々な要素を考慮したギャップ期間の設定のバリエーションについて説明する。
図4は、ギャップ期間の設定のバリエーションを示す図である。上記した実施の形態では、周波数f1に設定したギャップ期間と周波数f3に設定したギャップ期間とが時間的に分離していたが、図4に示すように、ギャップ期間が時間的に連続するように設定し、周波数f2での1回の測定期間が長くなるようにしてもよい。1回の測定時間を長くすることにより、必要な情報を探索するのに一定の測定時間が必要な場合に、効率的に情報の探索を行える。必要な情報を探索するのに一定の測定時間が必要な一例は、移動端末20が報知タイミングを知らない状態で、所望の報知情報が報知されるまで、一定の期間にわたって測定を続けなければならない場合である。
上記した第1の実施の形態では、3つの周波数でバンドアグリゲーションしている場合を例としたが、4つ以上の周波数でバンドアグリゲーションしている場合も同様に、ギャップ期間の設定を分散することが可能である。例えば4つの周波数f1〜f4でバンドアグリゲーションしている場合、例えば、周波数f2の受信品質を測定するためのギャップ期間を周波数f1に設定し、周波数f4の受信品質を測定するためのギャップ期間を周波数f3に設定してもよい。
図5は、異なる2つの周波数に対して同時にギャップ期間を設定する例を示す図である。このように、測定対象となる複数の周波数f2,f4がある場合に、周波数f1,f3におけるギャップ期間をほぼ同時に設定してもよい。これにより、基地局10は、単一のギャップ設定もしくは異周波数測定の指示をするだけで、同時に複数の異周波数の品質測定を行うことができるため、シグナリング量を削減できる。
移動端末20が3つの周波数f1,f2,f3を用いて通信中の場合には、周波数f4の受信品質を測定するためのギャップ期間を、周波数f1,f2,f3に設定し、単一の周波数f1にギャップ期間を設定する場合に比べて、ギャップの間隔を3倍にしてもよい。
ギャップを設ける周波数間でギャップを設ける頻度を変えることも可能である。例えば、周波数f1,f3にギャップを設ける際に、ギャップを設定する順番を周波数f1,f1,f3,f1,f1,f3,のようにして周波数f1にギャップを設定する頻度を多くすることも可能である。図13は、ギャップ設定の頻度を多くする動作の例を示す図、図14はギャップ設定の頻度を多くする動作を実現するシグナリングのメッセージの例を示す図である。図14に示すように、シグナリングメッセージは、「gapRatio」のパラメータを有しており、このパラメータにギャップ設定の頻度を指定する。図13に示す例では、周波数f1:周波数f3=2:1なので、周波数f1に「2」、周波数f3に「1」を指定する。
これにより、周波数f1の方が品質が悪く、周波数f3をより長い時間利用して通信を行いたい場合等に周波数f3でのギャップを少なくするという効果がある。なお、本発明はこのメッセージ例に限定されるものではなく、他の方法によって同様の制御を行うことも可能である。
上記した実施の形態では、複数のバンドにギャップ期間を分散して設定する例について説明したが、必ずしも全バンドにギャップ期間を設定する必要はない。例えば、ギャップ期間を設定可能な3つのバンドがある場合に、3つのうちの2つのバンドにギャップ期間を設定し、残りの1つのバンドにギャップ期間を設定しないこととしてもよい。これにより、残り1つのバンドでは、HARQへの影響がないようにすることができる。
通信品質劣化が起こっていない周波数のみにギャップ期間を設定することも可能である。この方法では、ギャップ期間は通信品質が劣化している周波数f1ではなく、残りの周波数f3側にギャップ期間を設定する。一般的に通信品質が良い方が、HARQの繰り返し送信回数が少なく、HARQのプロセスが短期に終了するので、ギャップ期間が発生してもその直前までにHARQプロセスが完了していたり、中断したとしてもギャップ期間の終了後、即座に回復可能であったりする可能性が高い。品質劣化している周波数f1にギャップ期間を設定しないことにより、HARQ動作をできるだけ安定させることができる。
上記した実施の形態において、受信品質の劣化した周波数f1の通信に、一定以上の影響が発生しないようにするために閾値を設定し、閾値より短い間隔でギャップ期間を設定しないようにしてもよい。
通信品質が劣化した方の周波数f1にのみギャップ期間を設定する通常の方法と、本実施の形態で説明したギャップ期間の設定方法を適宜組み合わせてもよい。基地局10がいずれの方法を用いることが効率的かを判断して、ギャップ期間を設定する。例えば、通信品質が劣化した方の周波数f1の劣化の度合いがあまりに大きい(所定の閾値を下回っている)場合には、すでに通信の維持自体に問題が発生している可能性がある。この場合、データ通信を引き続き行って通信レートを下げたり、再送制御に通信コストを割いたり、誤り訂正の処理を増加させる代わりに、異周波数の品質測定に注力するように、周波数f1にギャップ期間を集中して設定してもよい。
上記した実施の形態では、周波数f1に通信品質の劣化が発生した場合について説明しているが、周波数f1,f3の両方が品質劣化している場合にも、これまでの説明と同様に、一方の周波数のみにギャップ期間を設定して異周波数の品質測定を行うか、両方にギャップ期間を設定して異周波数の品質測定を行うか、また、そのタイミングなどは、上記と同様に設定することが可能である。
上記したギャップ期間の設定方法は、いずれか1つのみを行なうようにすることも可能であるが、品質劣化の度合いに応じて切換えて動作するようになっていてもよい。例えば、品質劣化が周波数f1のみで、度合いが比較的軽度な場合はその周波数f1と周波数f3にギャップ期間を設定し、劣化の度合いが中程度の場合は周波数f3のみにギャップ期間を設定し、劣化の度合いが重度の場合は周波数f1のみとしてもよい。閾値を利用して、受信品質等の状態を判別し、その状態に応じてギャップ期間を設定する周波数を切り替えることにより、トータルで見て効率の良い通信を行うことが可能となる。以上に説明したギャップ期間設定のバリエーションは、以下に説明する第2の実施の形態以降の実施の形態にも適用することができる。
上記した実施の形態において、測定対象が周波数f2ではなく、バンドアグリゲーションしている周波数f3である可能性もある(例えば、図3参照)。基地局10は、品質測定の必要がある異周波数がバンドアグリゲーションしているセルの周波数と同じかどうかを確認する処理を行ってもよい。これにより、品質測定の対象である周波数とバンドアグリゲーションしている周波数が同じである場合、すでに測定対象の周波数を使用できていることが分かる。従って、ハンドオーバ先の周波数として品質測定の対象から外したり、異周波数の品質測定のためのギャップ期間を設定することなしに、すでに使用中の周波数での品質測定で十分な情報を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第2の無線通信システムの基本的な構成および動作は、第1の実施の形態と同じである(図1参照)。第2の実施の形態では、移動端末20におけるHARQの状態を勘案し、HARQの処理への影響を低減することで、更に効率的な動作を行う。
移動端末20は、基地局10から送信されたデータの受信、チェックを行いデータ伝送単位が確定したときに、送信元に対してAckを送信する。本実施の形態の移動端末20は、データ伝送単位が確定したときに、該当するHARQプロセスが完了したことが分かるので、ギャップ期間を設定する。基地局10は、移動端末20から送信されるAckを受信したときに、ギャップ期間を設定する。
HARQでは、繰り返し受信したデータがHARQプロセス上で確定した場合、すなわち、正しく受信でき、上位レイヤに渡せる状態になった場合に、送信元に対してAckを応答するか、または、新規のデータ伝送単位を送信する(新規のデータ伝送単位であることを示す情報を含む)ことにより、次のHARQプロセスを開始する。HARQの繰り返し送信中およびそれに対する応答中にギャップ期間が開始すると、HARQプロセスの中断がHARQプロセスの性能に影響を及ぼすと考えられる。本実施の形態では、ちょうどHARQプロセスが完了した時点でギャップ期間を設定する。これにより、ギャップ期間によりHARQプロセスそのものが分断されることを極力避けるようにすることができるので、効率的にHARQを行なうことができる。
本実施の形態では、基地局10はAckを受信した時点(または、基地局10のHARQプロセスがOKとなって確定した時点)でギャップ期間を設定することとしたが、別のタイミングでギャップ期間を設定してもよい。例えば、一定回数の再送を行なったにもかかわらず受信側でデータ伝送単位が確定しない(誤りが解消されない)場合に、移動端末20が次のデータ伝送単位にプロセスを移す処理を行う端末である場合には、一定回数の再送後にギャップ期間を設定してもよい。
上記では、移動端末20側で実行中のHARQプロセスに対するギャップ期間による中断の影響を低減することを想定して説明しているが、移動端末20から基地局10に対してデータを送信中の場合には、基地局10において実行中のHARQプロセスが受けるギャップ期間の影響を低減できるように、ギャップ期間を設定する。例えば、基地局にて実行中のプロセス数が少ないバンドに対してギャップ期間を設定してもよい。また、基地局のHARQプロセスがOKになったタイミングでギャップ期間を設定してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第3の無線通信システムの基本的な構成および動作は、第1の実施の形態と同じである(図1参照)。
第3の実施の形態の実施の形態では、ギャップ期間を設定する必要が発生した時点から最も早いタイミングでHARQプロセスの完了、あるいは、Ackを受信した周波数にギャップ期間を設定する。第2の実施の形態では、ギャップ期間を任意のタイミングで設定したのに対し、本実施の形態では、複数のバンドのうち、どのバンドにギャップ期間を設定するかを決定する。
第3の実施の形態では、基地局10のギャップ期間設定部14は、移動端末20から送信されるAckを一番初めに受信したバンド、あるいは、所定回数の再送を行ったバンドに対して、ギャップ期間を設定する。これにより、HARQプロセスが一段落したバンドに対してギャップ期間を設定するので、HARQプロセスが中断される可能性が低い。また、仮に、HARQプロセスが中断されてバッファに格納されたデータが廃棄されても、新たなHARQプロセスが開始したばかりで、廃棄されるデータ量は少ないので、中断による影響が小さい。
第3の実施の形態の無線通信システムは、第2の実施の形態と同様に、HARQプロセスの状態に基づいてギャップ期間を設定するので、ギャップ期間によりHARQプロセスそのものが分断されることを極力避け、効率的にHARQを行なうことができる。
第3の実施の形態の無線通信システムは、ギャップ期間の設定タイミングは決まっているので、従来の周期的なギャップ期間の設定との変更点が少ないという効果がある。なお、ギャップ期間を設定する周波数は、HARQプロセスの状態が送受信双方(データを送信する側と、受信する側)でほぼ同じタイミングで一致する(HARQプロセスがOKになる:Ackを受信する、何回目の再送データであるか、など)。この判断をもとに、基地局と移動端末の間で特別なシグナリングなしに決定できるようになっていることが望ましい。
(第4の実施の形態)
図6は、第4の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図である。第4の実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は、第1の実施の形態の無線通信システムと同じであるが、第4の実施の形態では、移動端末20がギャップ期間の設定に関する要望情報を基地局10に送信する点が異なる。
第4の実施の形態の移動端末20は、第1の実施の形態の移動端末20の構成に加え、ギャップ期間に関する要望を基地局10に送信する要望送信部24を有している。要望送信部24は、各バンドで用いているアプリケーションやHARQの状況などから、ギャップ期間の設定を要望する周波数を求め、その周波数を示すデータを要望として基地局10に送信する。要望送信部24は、単純にギャップ設定を要望する周波数ではなく、条件によって異なる周波数を要望する情報(すなわち、ギャップ期間の設定ルール)を送信してもよい。
要望送信部24は、移動端末20におけるアプリケーションの使用状況やHARQの状況に基づいて、ギャップ期間を設定する周波数を示す要望情報を生成する。例えば、ファイルのダウンロードは遅延に対して耐性があり、音声通話は遅延の影響による品質劣化が大きい。周波数f1で音声通話を行い、周波数f3でファイルのダウンロードを行っている場合には、周波数f3にギャップ期間を設定する要望情報を生成し、基地局10に送信してもよい。このような遅延に対する耐性といった情報は、QoSパラメータにも反映されているため、QoSパラメータを参照して判断することもできる。
図7は、要望送信部24が基地局10に要望情報を送信するタイミングを示す図である。本実施の形態においては、要望送信部24は、例えば、使用中の周波数の測定結果の報告の時点で要望情報を送信する。この時点で、将来、異なる周波数の測定をする場合、どの周波数にギャップ期間を設けると良いかを示す要望を送信する。要望送信部24は、通知すべき要望情報を測定結果の報告メッセージの追加データフィールドに含める。ここでは、要望情報を測定結果の報告メッセージに追加する例について説明しているが、要望情報を送信する新しいメッセージを送信することとしてもよい。
図6に示すように、基地局10は、移動端末20からの要望を受信する要望受信部15を有している。要望受信部15は、移動端末20から送信されてきた要望情報を受信すると、受信した要望情報をギャップ期間設定部14に入力する。ギャップ期間設定部14は、入力された要望情報をパラメータとして用いて、各バンドにギャップ期間を設定する。なお、基地局10は、ギャップ期間を設定する権限を有している。ギャップ期間は、移動端末20からの要望のみに基づいて設定されるわけではない。基地局10は、上記した第1の実施の形態にて説明したような判断基準に加えて、移動端末20からの要望を加味して、ギャップ期間を設定するバンドを決定すると共に、ギャップ期間の配置を決定する。
例えば、2つの周波数f1,f3が同程度の品質を有している場合、ギャップ期間設定部14は、両方のバンドに2倍の周期でギャップ期間を設定して、ギャップ期間を分散させてもよい。また、測定が単一の周波数の1回のギャップ期間で終わらない場合は、両方のバンドに設定するギャップ期間を連結してもよい。このような第1の実施の形態で説明した判断基準に加えて、移動端末20から周波数f1が音声通信、周波数f3がデータ通信であるので、周波数f3により多くのギャップ期間を設定したいとの要望情報を受信している場合には、例えば、周波数f3に周波数f1の3倍の(期間、頻度、もしくはその両方の)ギャップ期間を設定してもよい。例えば、移動端末20から周波数f1はHARQが4プロセス動作しており、周波数f3はHARQが2プロセス動作しているので、周波数f3により多くのギャップ期間を設定したいとの要望情報を受信している場合には、例えば、周波数f3に周波数f1の2倍の(期間、頻度、もしくはその両方の)ギャップ期間を設定してもよい。このように、ギャップ期間の設定を希望する周波数と共に、その周波数を選択した理由を送信することにより、基地局では、ギャップ期間を設定すべき周波数を適切に選択することができる。
本実施の形態によれば、アプリケーションの内容やHARQの状況といった移動端末20の上位レベルの情報をも勘案して、ギャップ期間を設定する。移動端末20の上位レベルの情報は、基地局10では判別がつかないが、本実施の形態によれば、基地局10では判断できないアプリケーション等の要素を用いてギャップ期間を設定することができる。
本実施の形態ではギャップ期間を設定する周波数、もしくは設定の仕方を要望するように要望情報を使用する例について述べたが、あらかじめ、使用中の周波数の測定結果を通知する方の周波数にギャップ期間を設定するよう要望していることを示すように定めておくこともできる。この場合、移動端末はf3にギャップ期間を設定してもらいたいことを通知するために、使用中の周波数f1の品質測定の報告をf3に対応付けられている周波数側を用いて報告する。この方法では、バンドアグリゲーションの対象となる基地局が同一で、移動端末の送信用周波数と受信用周波数との対応付けを把握している必要がある。対応付けの詳細な設定の仕方については、別途通知する必要がある場合があるが、簡易的にギャップ期間を設定する周波数を要望できるようになる。
本実施の形態では、要望情報として送信する移動端末の要望を、HARQプロセス数や移動端末で起動中のアプリケーションに基づいて決定する例について説明したが、上記した第1〜第3の実施の形態において、基地局が行ったような判断基準を適用して要望の内容を決定することができる。また、移動端末は、上記した第1〜第3の実施の形態にて説明した複数の判断基準のうちのどの判断基準を使ってギャップ期間を設定してほしいかを要望する要望情報を基地局に送信することとしてもよい。
本実施の形態において、要望情報においてギャップ期間の設定を希望しているバンドを通じて要望情報を送信してもよい。
なお、本実施の形態における、要望情報は、周波数の品質情報であってもよい。例えば、特定の閾値が決められていて、その閾値を下回った周波数の品質情報を、要望情報として送ることが可能である。これにより、基地局は、所定閾値より品質が下回った周波数に対してギャップを割り当てることが可能となる。また、閾値1<閾値2となるような複数の閾値1,2を決めておき、閾値1を下回る周波数があった場合に、閾値2を下回るような周波数の品質を全て要望情報として送るという動作も考えられる。なお、複数の閾値1,2は基地局が端末に対して設定するものでもよいし、あらかじめ決まっているものでもよい。閾値1と閾値2の両方を設定するのではなく、その差分を設定することも可能である。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第5の実施の形態では、移動端末20から基地局10にデータ伝送を行う例について説明する。HARQの再送タイミングは、周期的に定められているものとする。
第5の実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は、第1の実施の形態の無線通信システムと同じである(図1参照)。本実施の形態では、HARQプロセスが完了した時点で受信データがOKになったか、送信側がAckを受け取った時点でその都度ギャップ期間を開始する。これにより、HARQプロセスがギャップ期間により分断される事態を回避できる。ただし、通常は、一の周波数には複数の実行中のHARQプロセスが存在するので、すべてのHARQプロセスがOKとなることを待つか、優先すべきHARQプロセスをあらかじめ定めたり、HARQプロセスがOKになることを待つ時間の上限を設けたりすることで、確定的にギャップ期間を開始できるようにすることが望ましい。
なお、ギャップ期間が周期的である場合である場合には、いずれのバンドにギャップ期間を設定するかを決定すればよい。この場合、例えば、直前に送信または受信されたAckまたはNackの数に基づいてどのバンドにギャップ期間を設定するか決定することとしてもよい。AckまたはNackを受信した時点で複数の使用中の周波数のうち、完了したHARQプロセスの多い(Ackが多い)周波数にギャップ期間を設けるようにする。これにより、ギャップのタイミングが決まっていても、HARQプロセスに対する影響の少ない方の周波数にギャップ期間を設定できる。なお、Ackの数は、送信側と受信側で共通に判断できる情報なので、基地局10と移動端末20でその判断が食い違うことは基本的にはない。
また、Nackを受信した場合には、続行中のHARQプロセスが存在することを意味するので、Nackの数が少ないほど続行中のHARQプロセスが少なく、遅延の影響は小さいと考えられる。従って、完了していないHARQプロセスの少ない(Nackが少ない)周波数にギャップ期間を設けるようにしてもよい。
複数の周波数のうちAckまたはNackが送受信されるべきところにギャップ期間が重ならないように選択する。これにより、HARQがOKであるにもかかわらず、Ackが遅れてしまうことでバッファにデータが残ったままになる時間が増加してしまうことを回避できる。
この構成により、最初のギャップ期間のスケジュールのみならず、HARQプロセスが始まった時点で設定される後のギャップ期間まで最適化することができる。
上記では、移動端末20側で実行中のHARQプロセスに対するギャップ期間による中断の影響を低減することを想定して説明しているが、移動端末20から基地局10に対してデータを送信中の場合には、基地局10において実行中のHARQプロセスが受けるギャップ期間の影響を低減できるように、ギャップ期間を設定するバンドを決定する。例えば、基地局のHARQプロセスがOKになったバンドにギャップ期間を設定してもよい。また、基地局にてOKになったHARQプロセスが多いバンドに対してギャップ期間を設定してもよい。
(第6の実施の形態)
上記した実施の形態では、アップリンク(up-link)、ダウンリンク(down-link)によらず、データの送信側、受信側として相互に並行して動作可能である。第6の実施の形態では、アップリンク、ダウンリンクが並行して行なわれていることを考慮したギャップ期間の設定方法について説明する。第6の実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は第1の実施の形態の無線通信システムと同じである。
なお、3GPP、LTEでのHARQやギャップ期間の詳細な設定パラメータによってアップリンクとダウンリンクで動作が異なる場合があるが、それらのパラメータ等は当業者が必要に応じて適宜設計することができる。
本実施の形態におけるアクセス方式は、アップリンクとダウンリンクとで周波数分割しているため、移動端末20は基地局10が構成するセルに接続する時点で、受信するダウンリンク周波数に対応して、送信するアップリンク周波数を把握する。通常、このダウンリンク周波数とアップリンク周波数とは対応付けされている。この状況において、少なくともデータ送信とそのデータに対するAck/Nackは、上述のダウンリンク周波数とアップリンク周波数との対応付けに従って通信がなされている。
図8は、アップリンクとダウンリンクの対応付けを示す図である。図8に示す例では、ダウンリンクfd1はアップリンクfu1と対応付けられており、ダウンリンクfd2,fd3はアップリンクfu2と対応付けられており、ダウンリンクfd3はアップリンクfu3と対応付けられている。
図8に示す例では、ダウンリンクfd1にギャップ期間が設定されると、対応するアップリンクfu1のAck/Nackの通信も停止する。同様に、ダウンリンクfd2にギャップ期間が設定されると、対応するアップリンクfu2のAck/Nackの通信も停止し、その結果、ダウンリンクfd2の通信も遅延する。このように異周波数測定のためのギャップ期間を移動端末20の受信用周波数において設定すると、結果として、アップリンクにおけるAck/Nackの送信が遅延し、さらに、Ack/Nackに対する次のデータ送信も遅延する。
特に、図8に示すようにダウンリンク周波数の数とアップリンク周波数の数が非対称な状況(例えば、ダウンリンク用周波数が4つ、アップ用周波数が3つ)においては、ダウンリンクとの対応付けの多いアップリンクfu2にギャップ期間を設定すると、それにより遅延するダウンリンクの数が多くなってしまう。
第6の実施の形態では、ダウンリンクとの対応付けの多いアップリンクfu2を避けてギャップ期間を設定する。このように、ダウンリンク周波数とアップリンク周波数との対応付けを考慮することで、バンドアグリゲーション時の通信の効率の低下を抑制できる。
以上、本発明の基地局10および移動端末20について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記した実施の形態では、ギャップ期間を設定するための様々な判断基準について説明したが、上記した判断基準以外を用いてギャップ期間を設定してもよい。
例えば、各バンドで実行中のHARQプロセス数に基づいてギャップ期間を設定してもよい。HARQプロセスが少ない方のバンドに多くのギャップ期間を設定することにより、影響を受けるHARQプロセス数を低減できる。
測定に必要なギャップ期間の長さによってバンドを選択してもよい。ギャップ期間における測定対象としては、例えば、Measurement用/Inter-RAT用/CSG-ID確認用などがあるが、用途によって測定に必要な時間が異なり、また、ギャップ期間が長い方が好ましいものと、短く区切って分散してもよいものがある。これらの測定対象によってギャップ期間を設定するバンドを選択してもよい。
移動端末20がDRX(間欠受信)を行っている場合には、ギャップ期間のタイミングを間欠受信の非通信期間のタイミングに合わせてもよい。
測定対象の周波数に切換える際の処理コスト(受信器切換えや同期のために必要な時間や電飾消費)によって、ギャップ期間を設定するバンドを選択してもよい。例えば、(1)測定対象の周波数に近い周波数の方にギャップ期間を設定してもよいし、(2)測定対象の周波数に受信器を切換えやすい方にギャップ期間を設定してもよいし、(3)測定対象の周波数と同じ周波数帯周波数の方にギャップ期間を設定してもよい。
上記した第4の実施の形態では、移動端末20がギャップ期間の設定に関する要望情報を送信する例について説明したが、要望情報を送信するタイミングは、上記した実施の形態に限定されるものではない。例えば、移動端末20が基地局10に接続する時に要望のデフォルト値を送信するようにしてもよい。デフォルト値としては、例えば、受信品質に応じてどのギャップ期間を設定するかを示すルールであってもよい。
移動端末20が所定の基準に従って品質測定を行うことを決定したタイミングで、要望情報を送信してもよい。
移動端末20は、ギャップ期間の要望情報として、劣化しているバンド(品質の測定報告において、品質が悪いと報告されたバンド)にギャップ期間を設定するという従来方式から本発明の方式への切り替えを要求してもよい。これにより、基地局10は、従来方式から本発明の方式に切り替えることができる。
上記した第6の実施の形態では、アップリンクとダウンリンクが周波数分割されているシステムの例について説明したが、アップリンクとダウンリンクの形態は上記した実施の形態に限定されるものではない。例えば、アップリンクとダウンリンクが時間分割されているシステムの場合は、バンドアグリゲーションした周波数のうち、ダウンリンクのみに使用されている周波数があればその周波数を選択したり、アップリンクとダウンリンクを一括してデータ伝送とAck/Nack伝送を考慮して選択したりすることができる。
(第7の実施の形態)
本実施の形態では、CQI (Channel Quality Indicator)の情報を用いてギャップを割り当てる周波数を決定する。CQIは、端末が受信品質を測定し、品質の良い周波数をその品質とともに基地局に通知することで、基地局がスケジューリングを実施するための情報である。ここで、CQIは、周波数全般の品質を指す情報とすることも可能であるし、周波数の一部分のみの品質を示す情報とすることも可能である。ここでスケジューリングとは、基地局が複数の端末に対して効率良くデータ送信を実施させるために、端末毎に無線リソースの割り当てを動的に実施することである。
ここで、端末がCQIを送っていない周波数に対してギャップを割り当てるようにすることが考えられる。これにより、基地局は、CQIを受信した周波数以外には、ギャップがあると想定される場所では送信をしないという動作となる。逆に言うと、CQIを受信した周波数に対しては、基地局はギャップの場所を気にすることなく、スケジューリングが可能となる。図15は、CQIを用いたギャップ設定の動作の概要を示す図である。図15に示すように、周波数f3に対するCQI報告を受信した場合には、次のギャップを周波数f3には設定しないで周波数f1に設定し、周波数f1に対するCQI報告を受信した場合には、次のギャップを周波数f1には設定しないで周波数f3に設定する。
なお、基地局側で、CQIの受信に失敗することも考えられる。そのため、複数のCQIの結果をもとに判断するようにすることも可能である。具体例としては、基地局は、連続する複数のCQI(例えば6)のうち、特定回数(例えば4)以上の回数CQI報告された周波数に対してギャップを設定しない、という動作である。このような場合には、端末は、特定の回数(この例では4)以上のCQI報告を行った周波数に対しては、スケジューリングを行われる可能性があるため、ギャップを割り当てず、CQI報告が特定の回数未満の周波数に対してはギャップを割り当てるなどである。図16は、CQIを用いたギャップ設定の別の動作の概要を示す図である。図16に示すように、基地局は、所定の期間内に各周波数で受信したCQI報告の回数をカウントしておき、CQI報告が4回以上あった周波数(この例では、周波数f1,f3)にはギャップを設定しないように制御している。また、全ての周波数に対してCQIが報告された場合には、予め決まっている周波数にギャップを割り当てるようにする、一番CQIの報告回数が少ない周波数にギャップを割り当てるようにする、一番CQI報告値が低い周波数にギャップを割り当てるようにする、等の動作も可能である。
図17は、本実施の形態の無線通信システムを実現するブロック図を示す図である。本実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は、第4の実施の形態の無線通信システムの構成(図6参照)と同じであるが、基地局10の測定報告受信部15aと移動端末20の周波数切替部23aおよび要望送信部24aの動作が異なる。
測定報告受信部15aは、移動端末20からCQI報告を受け取り、それをもとにギャップを設定する周波数を決定する。測定報告受信部15の動作は上記したとおりである。要望送信部24aは、CQIを作成し、通信インターフェース21を通じて基地局10に報告する機能を持っている。周波数切替部23aは、要望送信部24aで作成したCQIの値をもとにギャップを設定する周波数を決定する。周波数切替部23aの動作は上記したとおりである。
上記した実施の形態では、ギャップ期間を設定するための様々な判断基準について説明したが、上記した判断基準を組み合わせてギャップ期間を設定してもよい。例えば、基地局において、使用しているアプリケーションをもとに移動端末からのギャップ期間を設定する周波数の要望を受けつつ、品質劣化の状況の閾値をもとに要望を加味した閾値を再設定し、ギャップ期間を設定する周波数を決定することができる。
上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能であり、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
以上説明したように、本発明はギャップ期間による通信中断の影響を低減できるという効果を有し、バンドアグリゲーションに対応した端末を制御する基地局として有用である。
10 基地局
11 通信I/F
12 測定報告受信部
13 HO判定部
14 ギャップ期間設定部
15 要望受信部
20 移動端末
21 通信インターフェース
22 測定部
23 周波数切替部
24 要望送信部
関連する出願
本出願では、2009年3月27日に日本国に出願された特許出願番号2009−078313および2010年1月7日に日本国に出願された特許出願番号2010−001763の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。
本発明は、バンドアグリゲーション(「Band Aggregation」または「Carrier Aggregation」ともいう)に対応した端末を制御する基地局に関する。
近年、標準化団体3GPPは、LTEと互換性のある次世代の無線通信規格として、LTE−Advanced(以下、「LTE−A」という)の標準化を進めている。LTE−Aでは、移動端末が1つの基地局の複数のキャリア周波数を使用するバンドアグリゲーションの導入が検討されている。バンドアグリゲーションは、移動端末が複数のコンポーネントキャリア(component carrier)を利用して、スループットを向上させる技術である。
図9は、バンドアグリゲーションの概要を示す図である。図9に示す例では、3つのコンポーネントキャリア(キャリア周波数がf1,f2,f3)のうち、キャリア周波数がf1とf3の2つのコンポーネントキャリアを、端末が使用する例が示されている。このように、複数のコンポーネントキャリアを使用することにより、端末と基地局間の通信のスループットの向上が期待されている。
バンドアグリゲーション対応の移動端末でも、異なる周波数間でハンドオーバ(以下、「HO」)することができる。この場合、HO先を選定するために、異なる周波数の測定のための設定が重要になる。以下、この点について説明する。
バンドアグリゲーション時も、基地局は移動端末から送られてきた測定報告(measurement report)に基づいて、HOを行うか否かを決定し、HOを行う場合には移動端末に指示する。移動端末は、基地局が周波数毎に決めた測定対象を示すmeasObject(Measurement Object)を基に品質測定を実行し、設定された条件を満たすと、測定報告を基地局に送信する。
一般に、HO先としては、現在接続中のセルと同じ周波数を測定対象とすることが優先される。同じ周波数に条件を満たすHO先が存在しない場合に、異なる周波数の測定が実行されるようになっている場合が多い。
ところで、異なる周波数の測定を行うためには、現在使用しているキャリアの通信を一時中断する必要がある。このデータ通信のリソースを割り当てない期間を「ギャップ期間」と呼ぶ。測定対象を示すmeasObjectに、測定項目として異なる周波数が記載されていたとしても、ギャップ期間が設定されていない状態では、異なる周波数の測定を開始できない。従って、移動端末は、異なる周波数の測定のためのギャップ期間を基地局に設定してもらう。
基地局は、ギャップ期間を一定周期で設ける等して、移動端末が必要な情報を収集できるようにする。この期間は、少なくとも、移動端末の受信装置は、現在通信中の周波数とは異なる周波数に切り替わるため、移動端末と通信中の基地局との通信が途絶えてしまう。このため、基地局は測定を行う期間にはデータ通信のリソースを割り当てず、移動端末の品質測定の実行を指示する。なお、都度の品質測定の実行指示は、明示的ではなく、あらかじめ定められた条件をもとに実行するようになっていることもある。さらに、間欠送受信(消費電力の低減などを目的として、非通信期間を設けること)の非通信期間をギャップ期間と同様に(もしくはギャップ期間として)異周波数の測定に使用することも可能である。
上記したとおり、異周波数の測定を行うためのギャップ期間は通信を行えないため、通信の遅延が生じると共に、再送制御に影響が出ることが予測される。アプリケーションレベル等のように遅延に対して比較的大きな耐性のある機能ブロックにおいては、性能への影響は少ないが、HARQ(Hybrid ARQ)などの短い時間での再送制御においては再送データの遅延が性能(データの誤り率、中間データの廃棄率)などに影響を及ぼしてしまう。
図10および図11は、データ通信とギャップ期間の関係する課題が発生する状況を示す図である。まず、移動端末は異周波測定の必要性を検出する。異周波数測定の必要性は、例えば、(1)1つ以上の現在使用中の周波数(ある基地局が構成するセル)での通信品質が劣化または混雑してきてリソース割り当てが十分にできない状況になる。(2)ハンドオーバの優先順位として、ハンドオーバの処理負荷が比較的少ない同一周波数での他のセルの品質測定を試みるが、同一周波数においては必要な品質を満たすセルを検出できなかった場合などに異周波数の品質測定が必要であると判断される。移動端末は、通信品質が劣化している周波数以外の周波数を測定する手順を開始する。なお、劣化している周波数以外の周波数は、異なるアクセスネットワーク(RAT: Radio Access Technology)のセルの場合もあり得る。
図10に示す例では、周波数f1の通信品質の劣化により、異なる周波数f2の測定の必要性を検出している。移動端末は、Inter-frequency(異周波数)/Inter-RAT(3Gにおける異なるRAT)の品質測定を行う。まず、基地局はギャップ期間を設定し、品質測定を指示する。この指示を受けて、移動端末は、ギャップ期間に周波数を切換えて品質測定を行なう。移動端末は、元の周波数に戻り、必要な情報がそろうと、基地局に測定結果報告(MR: Measurement Report)を送信する。報告に必要な情報が十分に測定できていない場合には、ギャップ期間が複数回にわたり設定され、一旦データ通信の状態に戻った後に再度、異周波数の品質測定を行なう。図10に示す例では、周波数f2の測定を2回行っている。
ギャップ期間には、通信(送受信)のためのリソースは割り当てられない。従って、ギャップ期間の直前の送受信データの再送データには、移動端末が元の周波数に戻ってくるまでの間はリソースを割り当てることができない。これにより、再送データの移動端末への到着あるいは移動端末からの送信が頻繁に遅れてしまう。これは、特に再送周期の早さが性能に大きく係わるHARQには、データの送受信、応答信号(Ack/Nack)の送受信の遅延と共に性能劣化の原因となってしまう。
図11は、HARQの動作について説明する図である。最初に、HARQについて説明する。HARQは、RLCでの再送に比べ、フィードバックが早いMACレイヤ、PHYレイヤで実行される再送制御方式である。HARQでは、送信信号を受信側で重ね合わせていき、誤りを低減する。ダウンリンク(down-link)では、再送タイミングを通知して、送信方法を変更しながら再送する(これをasynchronous-adaptiveという)。具体的には、HARQでは、受信したデータの尤度を計算し、尤度が所定の閾値より小さい場合には、受信したデータをバッファに格納しておくと共にデータの再送を促す。データが再送されてくると、受信したデータをバッファに格納し、前に受信したデータと重ね合わせて、尤度の高い受信データを求める。この処理を、尤度が所定の閾値以上になるまで繰り返し行う。HARQでは、並行して複数の再送プロセスを持つことができる。
次に、図11を用いて、ギャップ期間がHARQの動作に与える影響について説明する。図11に示すように、HARQでは、データを正しく受信するまで、同じデータが再送される。HARQでは、受信データの尤度が所定の閾値以上になるまで、複数回再送データを受信する。ギャップ期間の前までに受信データの尤度が閾値以上になれば、その時点でHARQプロセスが完了する。ところが、データの再送中にギャップ期間が入ると、HARQの動作が中断してしまう。ギャップ期間に、それまでにバッファに格納した再送データが破棄されてしまう恐れがある。もし、バッファに格納された再送データが破棄されてしまうと、データ受信を最初からやり直さなければならなくなり、データの受信効率が悪くなる。
ギャップ期間中にバッファ内のデータを保持しておくことも考えられるが、そのための電力消費が発生してしまう。HARQではデータ列確定前の受信データ(例えば、尤度を含むデータ)を保持して繰り返し受信を行うため、確定したデータ列そのものを保持することに比べて電力消費が大きくなる。
ギャップ期間終了直後に(送信側において)送信データが集中し、送信リソースの割り当てに関して、輻輳状態が発生する可能性がある。一般に、輻輳状態においては、通常の状態に比べ処理効率が大きく低下する。従って、送信データがギャップ期間の分だけ遅延するのではなく、より大きな遅延となって現れることが起こり得る。
遅延による送信データの集中(滞留)が完全に解消されない時点で、次のギャップ期間が始まった場合には、その影響が次第に増加し、上位レイヤに影響を及ぼすことも懸念される。具体的には、上位レイヤでの送信失敗となることも考えられる。
基地局側で設定するHARQの再送上限回数が比較的大きく、これに対してギャップ期間の設定間隔が短い場合は、上述の遅延の増大により、再送上限回数に達する前に待ち時間(タイマにより設定される)が満了する可能性がある。この場合、HARQプロセスは連続して失敗となり、その都度バッファ内のデータが破棄されるので、実質的には通信不能の状態となってしまうことも起こり得る。場合によっては、上位レイヤでの再送手順が必要となる。
本発明は、上記背景に鑑み、複数バンド使用時において、効果的なギャップ期間の設定を行う基地局および端末を提供することを目的とする。
本発明の基地局は、バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信中の移動端末から送信される測定報告を受信する測定報告受信部と、前記測定報告に基づいてハンドオーバが必要か否かを判定するハンドオーバ判定部と、ハンドオーバが必要と判定された場合に、ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信中のバンドの通信を一時的に中断しギャップ期間を設定するギャップ期間設定部とを備え、前記ギャップ期間設定部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中のバンドにもギャップ期間を設定する。
本発明によれば、ハンドオーバを必要とするバンドのみならず、通信中の別のバンドにもギャップ期間を設定するので、ギャップ期間が複数のバンドに分散され、ギャップ期間による通信中断の影響を低減できる効果を有する。
以下に説明するように、本発明には他の態様が存在する。したがって、この発明の開示は、本発明の一部の提供を意図しており、ここで記述され請求される発明の範囲を制限することは意図していない。
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図 図2は、3つの周波数f1,f2,f3を用いた通信状況を示す図 図3は、受信品質を測定するためのギャップ期間の設定例を示す図 図4は、ギャップ期間の設定のバリエーションを示す図 図5は、ギャップ期間の設定のバリエーションを示す図 図6は、第4の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図 図7は、基地局10に要望情報を送信するタイミングを示す図 図8は、アップリンクとダウンリンクの対応付けを示す図 図9は、バンドアグリゲーションの概要を示す図 図10は、データ通信とギャップ期間の関係する課題が発生する状況を示す図 図11は、データ通信とギャップ期間の関係する課題が発生する状況を示す図 図12Aは、従来のシグナリングのメッセージ例を示す図 図12Bは、ギャップ設定の順番を明示するシグナリングの具体的なメッセージ例を示す図 図13は、ギャップ設定の頻度を多くする動作の例を示す図 図14は、ギャップ設定の頻度を多くする動作を実現するシグナリングのメッセージの例を示す図 図15は、CQIを用いたギャップ設定の動作の概要を示す図 図16は、CQIを用いたギャップ設定の別の動作の概要を示す図 図17は、第7の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図
以下に、本発明の詳細な説明を述べる。以下に説明する実施の形態は本発明の単なる例であり、本発明が様々な態様に変形することができる。従って、以下に開示する特定の構成および機能は、請求の範囲を限定するものではない。
以下、本発明の実施の形態の基地局および端末について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図である。無線通信システムは、基地局10と移動端末20とを有している。基地局10は、異なる周波数で通信を行う3つの通信インターフェース11と、測定報告受信部12と、ハンドオーバ判定部(以下、「HO判定部」という)13と、ギャップ期間設定部14とを有している。
測定報告受信部12は、移動端末20から送信されてきた測定報告を受信し、受信した測定報告をHO判定部13に渡す。HO判定部13は、受信した測定報告に基づいてHOが必要か否かを判定する。ギャップ期間設定部14は、移動端末20との間で通信中の周波数の受信品質が悪くなりHOが必要と判定されたときに、受信品質を測定すべき別の周波数と、その周波数を測定するためのギャップ期間を設定する。ギャップ期間設定部14は、設定したギャップ期間の設定情報を移動端末20に送信する。
移動端末20は、異なる周波数で通信を行う2つの通信インターフェース21と、受信品質を測定し、測定報告を送信する測定部22と、測定部22にて測定する周波数を切り替える周波数切替部23とを有する。周波数切替部23は、基地局10から送信されるギャップ期間の設定情報に基づいて周波数の切り替えを行う。
図2は、バンドアグリゲーション可能な3つの周波数f1,f2,f3と、移動端末20の通信状況を示す図である。移動端末20は、2つの通信インターフェース21を有しているので、3つの周波数f1,f2,f3のうちの2つの周波数を同時に用いて通信を行うことができる。図2に示す例では、移動端末20は、周波数f1,f3を用いて通信を行っている。ここで、周波数f1の受信品質が悪くなった場合の動作について説明する。
移動端末20は、周波数f1,f3を用いた基地局10との通信中に、周波数f1の受信品質が悪くなった場合に、基地局10に対して測定報告を送信する。基地局10は、移動端末20が異なる周波数の品質測定を行う必要であると判断した場合、移動端末20が現在バンドアグリゲーションの状態にあるかどうかを確認する。
同一基地局10内の異なるセル(主に周波数が異なる)においてバンドアグリゲーションしている場合は基地局10での確認で完了する。しかし、異なる基地局10が提供するセルにおいてバンドアグリゲーションしているようなシステムにおいては、基地局10間でのバンドアグリゲーションを確認するために、別途シグナリングが必要になる。
移動端末20にバンドアグリゲーションしているセルがある場合、基地局10は、測定する周波数とともに、ギャップ期間を設定する周波数およびギャップ期間の配置を適切に設定する。すなわち、基地局10は、通信品質劣化を報告してきた周波数f1以外の周波数f3にもギャップ期間を設定する可能性を探り、最適のギャップ期間を設定する。ギャップ期間の配置に関しては、規定の周期や任意のタイミングで、規定の期間や任意の期間を設定することが可能である。特に、異周波数の品質測定によって、移動端末20の受信動作だけでなく移動端末20からの送信動作も停止してしまう場合には、ギャップ期間の配置には、送信データのHARQと受信データのHARQおよびそれらのAck/Nackの送受信をも考慮する。
基地局10は、ギャップ期間を設定する周波数およびギャップ期間の設定情報を移動端末20に通知する。この設定情報には、例えば、ギャップ期間に関するパラメータ、異周波数の品質測定指示、どの周波数においてギャップ期間が設定されるかなどの情報が含まれる。基地局10から移動端末20へのギャップ期間設定情報の送信は、通信品質の劣化している周波数f1とは異なるバンドアグリゲーション中の周波数f3を通じて行ってもよい。移動端末20は、基地局10から送信される設定情報に従って、ギャップ期間を設定し、周波数f2の受信品質の測定を行う。
ギャップ期間、ギャップの場所を設定する方法であるが、現在のLTE(36.331)の仕様では、40ms周期と80ms周期が準備されている。40ms周期の場合には、0-39の値がgapOffsetとして示され、ギャップの開始場所は、System frame number (SFN) mod 40 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNのradio frameの中のgapOffset mod 10 となるsubframeである。80msの周期の場合には、0-79の値がgapOffsetとして示され、ギャップの開始場所は、Systemframe number (SFN) mod 40 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNのradio frameの中のgapOffset mod 10となるsubframeである。
本方式では、ギャップを設定すべき周波数が複数存在するため、どのような順番でギャップを設定するかを端末と基地局が共に知っておく必要がある。例えばギャップ期間が40ms、すなわち周波数f1と周波数f3のギャップ期間が40msの場合に、周波数f1についてはSystem frame number (SFN) mod 80 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNの中のradio frameのgapOffset mod 10となるsubframeからギャップを開始し、周波数f3については、それ以外のSystem frame number (SFN) mod 40 = FLOOR (gapOffset/10)となるSFNのradio frameの中のgapOffset mod 10となるsubframeからギャップを開始するというように決めることが考えられる。このどのような順番でギャップを設定するかを明示的に通知する動作を以下に示す。
図12Bは、ギャップ設定の順番を明示するシグナリングの具体的なメッセージ例を示す図である。図12Aは、従来のシグナリングのメッセージ例を示す図である。図12Aに示すように、ギャップを設定する際には「setup」を指定し、ギャップの長さが40msの場合には、「gp0」、80msの場合には「gp1」を指定する。ギャップの場所は、ギャップの長さが40msの場合には0-39、ギャップの長さが80msの場合には0-79で選択する。次に、図12Bを参照して本例のシグナリングメッセージ例について説明する。図12Bに示すように、シグナリングメッセージは、「GapFreqList」にギャップを設定すべき複数の周波数を設定している。基地局は、ギャップを設定する順番に従って、「GapFreqList」に周波数の情報を入れる。例えば、「GapFreqList」に周波数f1、周波数f3の順番に情報を入れた場合には、周波数f1に先にギャップを設定する動作を行い、逆に周波数f3、周波数f1の順番で情報を入れた場合には、周波数f3に先にギャップを設定する動作を行う。「ARFCN-ValueEUTRA」は、周波数を示す情報である。各周波数について、ギャップは1種類であり、その設定の仕方は、図12Aに示す例と同じである。ここでは、シグナリングメッセージの一例を示したが、本発明はこのメッセージ例に限定されるものではなく、他の方法によって同様の制御を行うことも可能である。
図3は、移動端末20の周波数f2の受信品質を測定するためのギャップ期間の設定例を示す図である。図3に示す例では、周波数f1にギャップ期間を設定して周波数f2の受信品質を測定すると共に、周波数f3にもギャップ期間を設けて周波数f2の受信品質を測定する。通常は、HOが必要と判定された周波数f1にギャップ期間を設定して周波数f2の受信品質を測定するが、図3に示す例では、周波数f3にもギャップ期間を設定するので、通常よりギャップ期間を配置する間隔を広くできる。
本実施の形態では、受信品質が劣化した周波数f1のみならず、周波数f3にもギャップ期間を設定するので、ギャップ期間が複数の周波数に分散される。それぞれの周波数において、HARQプロセスに対するギャップ期間の影響を低減できる。周波数f3は、受信品質が劣化しているわけではないので、少ない再送回数で尤度の高い受信データを取得できる。従って、周波数f3では、ギャップ期間によってHARQプロセスのためのバッファ内のデータが廃棄される可能性が低い。
以上、第1の実施の形態の基地局10および無線通信システムについて説明した。上記では、周波数f1と周波数f3に交互にギャップ期間を設定する例について説明したが、ギャップ期間の設定の仕方は、各周波数の受信品質や各周波数で起動しているHARQプロセス数、各周波数で通信中のデータを用いて実行中のアプリケーション等の様々な要素により、適切にギャップ期間を設定することができる。以下に、様々な要素を考慮したギャップ期間の設定のバリエーションについて説明する。
図4は、ギャップ期間の設定のバリエーションを示す図である。上記した実施の形態では、周波数f1に設定したギャップ期間と周波数f3に設定したギャップ期間とが時間的に分離していたが、図4に示すように、ギャップ期間が時間的に連続するように設定し、周波数f2での1回の測定期間が長くなるようにしてもよい。1回の測定時間を長くすることにより、必要な情報を探索するのに一定の測定時間が必要な場合に、効率的に情報の探索を行える。必要な情報を探索するのに一定の測定時間が必要な一例は、移動端末20が報知タイミングを知らない状態で、所望の報知情報が報知されるまで、一定の期間にわたって測定を続けなければならない場合である。
上記した第1の実施の形態では、3つの周波数でバンドアグリゲーションしている場合を例としたが、4つ以上の周波数でバンドアグリゲーションしている場合も同様に、ギャップ期間の設定を分散することが可能である。例えば4つの周波数f1〜f4でバンドアグリゲーションしている場合、例えば、周波数f2の受信品質を測定するためのギャップ期間を周波数f1に設定し、周波数f4の受信品質を測定するためのギャップ期間を周波数f3に設定してもよい。
図5は、異なる2つの周波数に対して同時にギャップ期間を設定する例を示す図である。このように、測定対象となる複数の周波数f2,f4がある場合に、周波数f1,f3におけるギャップ期間をほぼ同時に設定してもよい。これにより、基地局10は、単一のギャップ設定もしくは異周波数測定の指示をするだけで、同時に複数の異周波数の品質測定を行うことができるため、シグナリング量を削減できる。
移動端末20が3つの周波数f1,f2,f3を用いて通信中の場合には、周波数f4の受信品質を測定するためのギャップ期間を、周波数f1,f2,f3に設定し、単一の周波数f1にギャップ期間を設定する場合に比べて、ギャップの間隔を3倍にしてもよい。
ギャップを設ける周波数間でギャップを設ける頻度を変えることも可能である。例えば、周波数f1,f3にギャップを設ける際に、ギャップを設定する順番を周波数f1,f1,f3,f1,f1,f3,のようにして周波数f1にギャップを設定する頻度を多くすることも可能である。図13は、ギャップ設定の頻度を多くする動作の例を示す図、図14はギャップ設定の頻度を多くする動作を実現するシグナリングのメッセージの例を示す図である。図14に示すように、シグナリングメッセージは、「gapRatio」のパラメータを有しており、このパラメータにギャップ設定の頻度を指定する。図13に示す例では、周波数f1:周波数f3=2:1なので、周波数f1に「2」、周波数f3に「1」を指定する。
これにより、周波数f1の方が品質が悪く、周波数f3をより長い時間利用して通信を行いたい場合等に周波数f3でのギャップを少なくするという効果がある。なお、本発明はこのメッセージ例に限定されるものではなく、他の方法によって同様の制御を行うことも可能である。
上記した実施の形態では、複数のバンドにギャップ期間を分散して設定する例について説明したが、必ずしも全バンドにギャップ期間を設定する必要はない。例えば、ギャップ期間を設定可能な3つのバンドがある場合に、3つのうちの2つのバンドにギャップ期間を設定し、残りの1つのバンドにギャップ期間を設定しないこととしてもよい。これにより、残り1つのバンドでは、HARQへの影響がないようにすることができる。
通信品質劣化が起こっていない周波数のみにギャップ期間を設定することも可能である。この方法では、ギャップ期間は通信品質が劣化している周波数f1ではなく、残りの周波数f3側にギャップ期間を設定する。一般的に通信品質が良い方が、HARQの繰り返し送信回数が少なく、HARQのプロセスが短期に終了するので、ギャップ期間が発生してもその直前までにHARQプロセスが完了していたり、中断したとしてもギャップ期間の終了後、即座に回復可能であったりする可能性が高い。品質劣化している周波数f1にギャップ期間を設定しないことにより、HARQ動作をできるだけ安定させることができる。
上記した実施の形態において、受信品質の劣化した周波数f1の通信に、一定以上の影響が発生しないようにするために閾値を設定し、閾値より短い間隔でギャップ期間を設定しないようにしてもよい。
通信品質が劣化した方の周波数f1にのみギャップ期間を設定する通常の方法と、本実施の形態で説明したギャップ期間の設定方法を適宜組み合わせてもよい。基地局10がいずれの方法を用いることが効率的かを判断して、ギャップ期間を設定する。例えば、通信品質が劣化した方の周波数f1の劣化の度合いがあまりに大きい(所定の閾値を下回っている)場合には、すでに通信の維持自体に問題が発生している可能性がある。この場合、データ通信を引き続き行って通信レートを下げたり、再送制御に通信コストを割いたり、誤り訂正の処理を増加させる代わりに、異周波数の品質測定に注力するように、周波数f1にギャップ期間を集中して設定してもよい。
上記した実施の形態では、周波数f1に通信品質の劣化が発生した場合について説明しているが、周波数f1,f3の両方が品質劣化している場合にも、これまでの説明と同様に、一方の周波数のみにギャップ期間を設定して異周波数の品質測定を行うか、両方にギャップ期間を設定して異周波数の品質測定を行うか、また、そのタイミングなどは、上記と同様に設定することが可能である。
上記したギャップ期間の設定方法は、いずれか1つのみを行なうようにすることも可能であるが、品質劣化の度合いに応じて切換えて動作するようになっていてもよい。例えば、品質劣化が周波数f1のみで、度合いが比較的軽度な場合はその周波数f1と周波数f3にギャップ期間を設定し、劣化の度合いが中程度の場合は周波数f3のみにギャップ期間を設定し、劣化の度合いが重度の場合は周波数f1のみとしてもよい。閾値を利用して、受信品質等の状態を判別し、その状態に応じてギャップ期間を設定する周波数を切り替えることにより、トータルで見て効率の良い通信を行うことが可能となる。以上に説明したギャップ期間設定のバリエーションは、以下に説明する第2の実施の形態以降の実施の形態にも適用することができる。
上記した実施の形態において、測定対象が周波数f2ではなく、バンドアグリゲーションしている周波数f3である可能性もある(例えば、図3参照)。基地局10は、品質測定の必要がある異周波数がバンドアグリゲーションしているセルの周波数と同じかどうかを確認する処理を行ってもよい。これにより、品質測定の対象である周波数とバンドアグリゲーションしている周波数が同じである場合、すでに測定対象の周波数を使用できていることが分かる。従って、ハンドオーバ先の周波数として品質測定の対象から外したり、異周波数の品質測定のためのギャップ期間を設定することなしに、すでに使用中の周波数での品質測定で十分な情報を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第2の無線通信システムの基本的な構成および動作は、第1の実施の形態と同じである(図1参照)。第2の実施の形態では、移動端末20におけるHARQの状態を勘案し、HARQの処理への影響を低減することで、更に効率的な動作を行う。
移動端末20は、基地局10から送信されたデータの受信、チェックを行いデータ伝送単位が確定したときに、送信元に対してAckを送信する。本実施の形態の移動端末20は、データ伝送単位が確定したときに、該当するHARQプロセスが完了したことが分かるので、ギャップ期間を設定する。基地局10は、移動端末20から送信されるAckを受信したときに、ギャップ期間を設定する。
HARQでは、繰り返し受信したデータがHARQプロセス上で確定した場合、すなわち、正しく受信でき、上位レイヤに渡せる状態になった場合に、送信元に対してAckを応答するか、または、新規のデータ伝送単位を送信する(新規のデータ伝送単位であることを示す情報を含む)ことにより、次のHARQプロセスを開始する。HARQの繰り返し送信中およびそれに対する応答中にギャップ期間が開始すると、HARQプロセスの中断がHARQプロセスの性能に影響を及ぼすと考えられる。本実施の形態では、ちょうどHARQプロセスが完了した時点でギャップ期間を設定する。これにより、ギャップ期間によりHARQプロセスそのものが分断されることを極力避けるようにすることができるので、効率的にHARQを行なうことができる。
本実施の形態では、基地局10はAckを受信した時点(または、基地局10のHARQプロセスがOKとなって確定した時点)でギャップ期間を設定することとしたが、別のタイミングでギャップ期間を設定してもよい。例えば、一定回数の再送を行なったにもかかわらず受信側でデータ伝送単位が確定しない(誤りが解消されない)場合に、移動端末20が次のデータ伝送単位にプロセスを移す処理を行う端末である場合には、一定回数の再送後にギャップ期間を設定してもよい。
上記では、移動端末20側で実行中のHARQプロセスに対するギャップ期間による中断の影響を低減することを想定して説明しているが、移動端末20から基地局10に対してデータを送信中の場合には、基地局10において実行中のHARQプロセスが受けるギャップ期間の影響を低減できるように、ギャップ期間を設定する。例えば、基地局にて実行中のプロセス数が少ないバンドに対してギャップ期間を設定してもよい。また、基地局のHARQプロセスがOKになったタイミングでギャップ期間を設定してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第3の無線通信システムの基本的な構成および動作は、第1の実施の形態と同じである(図1参照)。
第3の実施の形態の実施の形態では、ギャップ期間を設定する必要が発生した時点から最も早いタイミングでHARQプロセスの完了、あるいは、Ackを受信した周波数にギャップ期間を設定する。第2の実施の形態では、ギャップ期間を任意のタイミングで設定したのに対し、本実施の形態では、複数のバンドのうち、どのバンドにギャップ期間を設定するかを決定する。
第3の実施の形態では、基地局10のギャップ期間設定部14は、移動端末20から送信されるAckを一番初めに受信したバンド、あるいは、所定回数の再送を行ったバンドに対して、ギャップ期間を設定する。これにより、HARQプロセスが一段落したバンドに対してギャップ期間を設定するので、HARQプロセスが中断される可能性が低い。また、仮に、HARQプロセスが中断されてバッファに格納されたデータが廃棄されても、新たなHARQプロセスが開始したばかりで、廃棄されるデータ量は少ないので、中断による影響が小さい。
第3の実施の形態の無線通信システムは、第2の実施の形態と同様に、HARQプロセスの状態に基づいてギャップ期間を設定するので、ギャップ期間によりHARQプロセスそのものが分断されることを極力避け、効率的にHARQを行なうことができる。
第3の実施の形態の無線通信システムは、ギャップ期間の設定タイミングは決まっているので、従来の周期的なギャップ期間の設定との変更点が少ないという効果がある。なお、ギャップ期間を設定する周波数は、HARQプロセスの状態が送受信双方(データを送信する側と、受信する側)でほぼ同じタイミングで一致する(HARQプロセスがOKになる:Ackを受信する、何回目の再送データであるか、など)。この判断をもとに、基地局と移動端末の間で特別なシグナリングなしに決定できるようになっていることが望ましい。
(第4の実施の形態)
図6は、第4の実施の形態の無線通信システムの構成を示す図である。第4の実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は、第1の実施の形態の無線通信システムと同じであるが、第4の実施の形態では、移動端末20がギャップ期間の設定に関する要望情報を基地局10に送信する点が異なる。
第4の実施の形態の移動端末20は、第1の実施の形態の移動端末20の構成に加え、ギャップ期間に関する要望を基地局10に送信する要望送信部24を有している。要望送信部24は、各バンドで用いているアプリケーションやHARQの状況などから、ギャップ期間の設定を要望する周波数を求め、その周波数を示すデータを要望として基地局10に送信する。要望送信部24は、単純にギャップ設定を要望する周波数ではなく、条件によって異なる周波数を要望する情報(すなわち、ギャップ期間の設定ルール)を送信してもよい。
要望送信部24は、移動端末20におけるアプリケーションの使用状況やHARQの状況に基づいて、ギャップ期間を設定する周波数を示す要望情報を生成する。例えば、ファイルのダウンロードは遅延に対して耐性があり、音声通話は遅延の影響による品質劣化が大きい。周波数f1で音声通話を行い、周波数f3でファイルのダウンロードを行っている場合には、周波数f3にギャップ期間を設定する要望情報を生成し、基地局10に送信してもよい。このような遅延に対する耐性といった情報は、QoSパラメータにも反映されているため、QoSパラメータを参照して判断することもできる。
図7は、要望送信部24が基地局10に要望情報を送信するタイミングを示す図である。本実施の形態においては、要望送信部24は、例えば、使用中の周波数の測定結果の報告の時点で要望情報を送信する。この時点で、将来、異なる周波数の測定をする場合、どの周波数にギャップ期間を設けると良いかを示す要望を送信する。要望送信部24は、通知すべき要望情報を測定結果の報告メッセージの追加データフィールドに含める。ここでは、要望情報を測定結果の報告メッセージに追加する例について説明しているが、要望情報を送信する新しいメッセージを送信することとしてもよい。
図6に示すように、基地局10は、移動端末20からの要望を受信する要望受信部15を有している。要望受信部15は、移動端末20から送信されてきた要望情報を受信すると、受信した要望情報をギャップ期間設定部14に入力する。ギャップ期間設定部14は、入力された要望情報をパラメータとして用いて、各バンドにギャップ期間を設定する。なお、基地局10は、ギャップ期間を設定する権限を有している。ギャップ期間は、移動端末20からの要望のみに基づいて設定されるわけではない。基地局10は、上記した第1の実施の形態にて説明したような判断基準に加えて、移動端末20からの要望を加味して、ギャップ期間を設定するバンドを決定すると共に、ギャップ期間の配置を決定する。
例えば、2つの周波数f1,f3が同程度の品質を有している場合、ギャップ期間設定部14は、両方のバンドに2倍の周期でギャップ期間を設定して、ギャップ期間を分散させてもよい。また、測定が単一の周波数の1回のギャップ期間で終わらない場合は、両方のバンドに設定するギャップ期間を連結してもよい。このような第1の実施の形態で説明した判断基準に加えて、移動端末20から周波数f1が音声通信、周波数f3がデータ通信であるので、周波数f3により多くのギャップ期間を設定したいとの要望情報を受信している場合には、例えば、周波数f3に周波数f1の3倍の(期間、頻度、もしくはその両方の)ギャップ期間を設定してもよい。例えば、移動端末20から周波数f1はHARQが4プロセス動作しており、周波数f3はHARQが2プロセス動作しているので、周波数f3により多くのギャップ期間を設定したいとの要望情報を受信している場合には、例えば、周波数f3に周波数f1の2倍の(期間、頻度、もしくはその両方の)ギャップ期間を設定してもよい。このように、ギャップ期間の設定を希望する周波数と共に、その周波数を選択した理由を送信することにより、基地局では、ギャップ期間を設定すべき周波数を適切に選択することができる。
本実施の形態によれば、アプリケーションの内容やHARQの状況といった移動端末20の上位レベルの情報をも勘案して、ギャップ期間を設定する。移動端末20の上位レベルの情報は、基地局10では判別がつかないが、本実施の形態によれば、基地局10では判断できないアプリケーション等の要素を用いてギャップ期間を設定することができる。
本実施の形態ではギャップ期間を設定する周波数、もしくは設定の仕方を要望するように要望情報を使用する例について述べたが、あらかじめ、使用中の周波数の測定結果を通知する方の周波数にギャップ期間を設定するよう要望していることを示すように定めておくこともできる。この場合、移動端末はf3にギャップ期間を設定してもらいたいことを通知するために、使用中の周波数f1の品質測定の報告をf3に対応付けられている周波数側を用いて報告する。この方法では、バンドアグリゲーションの対象となる基地局が同一で、移動端末の送信用周波数と受信用周波数との対応付けを把握している必要がある。対応付けの詳細な設定の仕方については、別途通知する必要がある場合があるが、簡易的にギャップ期間を設定する周波数を要望できるようになる。
本実施の形態では、要望情報として送信する移動端末の要望を、HARQプロセス数や移動端末で起動中のアプリケーションに基づいて決定する例について説明したが、上記した第1〜第3の実施の形態において、基地局が行ったような判断基準を適用して要望の内容を決定することができる。また、移動端末は、上記した第1〜第3の実施の形態にて説明した複数の判断基準のうちのどの判断基準を使ってギャップ期間を設定してほしいかを要望する要望情報を基地局に送信することとしてもよい。
本実施の形態において、要望情報においてギャップ期間の設定を希望しているバンドを通じて要望情報を送信してもよい。
なお、本実施の形態における、要望情報は、周波数の品質情報であってもよい。例えば、特定の閾値が決められていて、その閾値を下回った周波数の品質情報を、要望情報として送ることが可能である。これにより、基地局は、所定閾値より品質が下回った周波数に対してギャップを割り当てることが可能となる。また、閾値1<閾値2となるような複数の閾値1,2を決めておき、閾値1を下回る周波数があった場合に、閾値2を下回るような周波数の品質を全て要望情報として送るという動作も考えられる。なお、複数の閾値1,2は基地局が端末に対して設定するものでもよいし、あらかじめ決まっているものでもよい。閾値1と閾値2の両方を設定するのではなく、その差分を設定することも可能である。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の無線通信システムについて説明する。第5の実施の形態では、移動端末20から基地局10にデータ伝送を行う例について説明する。HARQの再送タイミングは、周期的に定められているものとする。
第5の実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は、第1の実施の形態の無線通信システムと同じである(図1参照)。本実施の形態では、HARQプロセスが完了した時点で受信データがOKになったか、送信側がAckを受け取った時点でその都度ギャップ期間を開始する。これにより、HARQプロセスがギャップ期間により分断される事態を回避できる。ただし、通常は、一の周波数には複数の実行中のHARQプロセスが存在するので、すべてのHARQプロセスがOKとなることを待つか、優先すべきHARQプロセスをあらかじめ定めたり、HARQプロセスがOKになることを待つ時間の上限を設けたりすることで、確定的にギャップ期間を開始できるようにすることが望ましい。
なお、ギャップ期間が周期的である場合である場合には、いずれのバンドにギャップ期間を設定するかを決定すればよい。この場合、例えば、直前に送信または受信されたAckまたはNackの数に基づいてどのバンドにギャップ期間を設定するか決定することとしてもよい。AckまたはNackを受信した時点で複数の使用中の周波数のうち、完了したHARQプロセスの多い(Ackが多い)周波数にギャップ期間を設けるようにする。これにより、ギャップのタイミングが決まっていても、HARQプロセスに対する影響の少ない方の周波数にギャップ期間を設定できる。なお、Ackの数は、送信側と受信側で共通に判断できる情報なので、基地局10と移動端末20でその判断が食い違うことは基本的にはない。
また、Nackを受信した場合には、続行中のHARQプロセスが存在することを意味するので、Nackの数が少ないほど続行中のHARQプロセスが少なく、遅延の影響は小さいと考えられる。従って、完了していないHARQプロセスの少ない(Nackが少ない)周波数にギャップ期間を設けるようにしてもよい。
複数の周波数のうちAckまたはNackが送受信されるべきところにギャップ期間が重ならないように選択する。これにより、HARQがOKであるにもかかわらず、Ackが遅れてしまうことでバッファにデータが残ったままになる時間が増加してしまうことを回避できる。
この構成により、最初のギャップ期間のスケジュールのみならず、HARQプロセスが始まった時点で設定される後のギャップ期間まで最適化することができる。
上記では、移動端末20側で実行中のHARQプロセスに対するギャップ期間による中断の影響を低減することを想定して説明しているが、移動端末20から基地局10に対してデータを送信中の場合には、基地局10において実行中のHARQプロセスが受けるギャップ期間の影響を低減できるように、ギャップ期間を設定するバンドを決定する。例えば、基地局のHARQプロセスがOKになったバンドにギャップ期間を設定してもよい。また、基地局にてOKになったHARQプロセスが多いバンドに対してギャップ期間を設定してもよい。
(第6の実施の形態)
上記した実施の形態では、アップリンク(up-link)、ダウンリンク(down-link)によらず、データの送信側、受信側として相互に並行して動作可能である。第6の実施の形態では、アップリンク、ダウンリンクが並行して行なわれていることを考慮したギャップ期間の設定方法について説明する。第6の実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は第1の実施の形態の無線通信システムと同じである。
なお、3GPP、LTEでのHARQやギャップ期間の詳細な設定パラメータによってアップリンクとダウンリンクで動作が異なる場合があるが、それらのパラメータ等は当業者が必要に応じて適宜設計することができる。
本実施の形態におけるアクセス方式は、アップリンクとダウンリンクとで周波数分割しているため、移動端末20は基地局10が構成するセルに接続する時点で、受信するダウンリンク周波数に対応して、送信するアップリンク周波数を把握する。通常、このダウンリンク周波数とアップリンク周波数とは対応付けされている。この状況において、少なくともデータ送信とそのデータに対するAck/Nackは、上述のダウンリンク周波数とアップリンク周波数との対応付けに従って通信がなされている。
図8は、アップリンクとダウンリンクの対応付けを示す図である。図8に示す例では、ダウンリンクfd1はアップリンクfu1と対応付けられており、ダウンリンクfd2,fd3はアップリンクfu2と対応付けられており、ダウンリンクfd3はアップリンクfu3と対応付けられている。
図8に示す例では、ダウンリンクfd1にギャップ期間が設定されると、対応するアップリンクfu1のAck/Nackの通信も停止する。同様に、ダウンリンクfd2にギャップ期間が設定されると、対応するアップリンクfu2のAck/Nackの通信も停止し、その結果、ダウンリンクfd2の通信も遅延する。このように異周波数測定のためのギャップ期間を移動端末20の受信用周波数において設定すると、結果として、アップリンクにおけるAck/Nackの送信が遅延し、さらに、Ack/Nackに対する次のデータ送信も遅延する。
特に、図8に示すようにダウンリンク周波数の数とアップリンク周波数の数が非対称な状況(例えば、ダウンリンク用周波数が4つ、アップ用周波数が3つ)においては、ダウンリンクとの対応付けの多いアップリンクfu2にギャップ期間を設定すると、それにより遅延するダウンリンクの数が多くなってしまう。
第6の実施の形態では、ダウンリンクとの対応付けの多いアップリンクfu2を避けてギャップ期間を設定する。このように、ダウンリンク周波数とアップリンク周波数との対応付けを考慮することで、バンドアグリゲーション時の通信の効率の低下を抑制できる。
以上、本発明の基地局10および移動端末20について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記した実施の形態では、ギャップ期間を設定するための様々な判断基準について説明したが、上記した判断基準以外を用いてギャップ期間を設定してもよい。
例えば、各バンドで実行中のHARQプロセス数に基づいてギャップ期間を設定してもよい。HARQプロセスが少ない方のバンドに多くのギャップ期間を設定することにより、影響を受けるHARQプロセス数を低減できる。
測定に必要なギャップ期間の長さによってバンドを選択してもよい。ギャップ期間における測定対象としては、例えば、Measurement用/Inter-RAT用/CSG-ID確認用などがあるが、用途によって測定に必要な時間が異なり、また、ギャップ期間が長い方が好ましいものと、短く区切って分散してもよいものがある。これらの測定対象によってギャップ期間を設定するバンドを選択してもよい。
移動端末20がDRX(間欠受信)を行っている場合には、ギャップ期間のタイミングを間欠受信の非通信期間のタイミングに合わせてもよい。
測定対象の周波数に切換える際の処理コスト(受信器切換えや同期のために必要な時間や電飾消費)によって、ギャップ期間を設定するバンドを選択してもよい。例えば、(1)測定対象の周波数に近い周波数の方にギャップ期間を設定してもよいし、(2)測定対象の周波数に受信器を切換えやすい方にギャップ期間を設定してもよいし、(3)測定対象の周波数と同じ周波数帯周波数の方にギャップ期間を設定してもよい。
上記した第4の実施の形態では、移動端末20がギャップ期間の設定に関する要望情報を送信する例について説明したが、要望情報を送信するタイミングは、上記した実施の形態に限定されるものではない。例えば、移動端末20が基地局10に接続する時に要望のデフォルト値を送信するようにしてもよい。デフォルト値としては、例えば、受信品質に応じてどのギャップ期間を設定するかを示すルールであってもよい。
移動端末20が所定の基準に従って品質測定を行うことを決定したタイミングで、要望情報を送信してもよい。
移動端末20は、ギャップ期間の要望情報として、劣化しているバンド(品質の測定報告において、品質が悪いと報告されたバンド)にギャップ期間を設定するという従来方式から本発明の方式への切り替えを要求してもよい。これにより、基地局10は、従来方式から本発明の方式に切り替えることができる。
上記した第6の実施の形態では、アップリンクとダウンリンクが周波数分割されているシステムの例について説明したが、アップリンクとダウンリンクの形態は上記した実施の形態に限定されるものではない。例えば、アップリンクとダウンリンクが時間分割されているシステムの場合は、バンドアグリゲーションした周波数のうち、ダウンリンクのみに使用されている周波数があればその周波数を選択したり、アップリンクとダウンリンクを一括してデータ伝送とAck/Nack伝送を考慮して選択したりすることができる。
(第7の実施の形態)
本実施の形態では、CQI (Channel Quality Indicator)の情報を用いてギャップを割り当てる周波数を決定する。CQIは、端末が受信品質を測定し、品質の良い周波数をその品質とともに基地局に通知することで、基地局がスケジューリングを実施するための情報である。ここで、CQIは、周波数全般の品質を指す情報とすることも可能であるし、周波数の一部分のみの品質を示す情報とすることも可能である。ここでスケジューリングとは、基地局が複数の端末に対して効率良くデータ送信を実施させるために、端末毎に無線リソースの割り当てを動的に実施することである。
ここで、端末がCQIを送っていない周波数に対してギャップを割り当てるようにすることが考えられる。これにより、基地局は、CQIを受信した周波数以外には、ギャップがあると想定される場所では送信をしないという動作となる。逆に言うと、CQIを受信した周波数に対しては、基地局はギャップの場所を気にすることなく、スケジューリングが可能となる。図15は、CQIを用いたギャップ設定の動作の概要を示す図である。図15に示すように、周波数f3に対するCQI報告を受信した場合には、次のギャップを周波数f3には設定しないで周波数f1に設定し、周波数f1に対するCQI報告を受信した場合には、次のギャップを周波数f1には設定しないで周波数f3に設定する。
なお、基地局側で、CQIの受信に失敗することも考えられる。そのため、複数のCQIの結果をもとに判断するようにすることも可能である。具体例としては、基地局は、連続する複数のCQI(例えば6)のうち、特定回数(例えば4)以上の回数CQI報告された周波数に対してギャップを設定しない、という動作である。このような場合には、端末は、特定の回数(この例では4)以上のCQI報告を行った周波数に対しては、スケジューリングを行われる可能性があるため、ギャップを割り当てず、CQI報告が特定の回数未満の周波数に対してはギャップを割り当てるなどである。図16は、CQIを用いたギャップ設定の別の動作の概要を示す図である。図16に示すように、基地局は、所定の期間内に各周波数で受信したCQI報告の回数をカウントしておき、CQI報告が4回以上あった周波数(この例では、周波数f1,f3)にはギャップを設定しないように制御している。また、全ての周波数に対してCQIが報告された場合には、予め決まっている周波数にギャップを割り当てるようにする、一番CQIの報告回数が少ない周波数にギャップを割り当てるようにする、一番CQI報告値が低い周波数にギャップを割り当てるようにする、等の動作も可能である。
図17は、本実施の形態の無線通信システムを実現するブロック図を示す図である。本実施の形態の無線通信システムの基本的な構成は、第4の実施の形態の無線通信システムの構成(図6参照)と同じであるが、基地局10の測定報告受信部12aと移動端末20の周波数切替部23aおよび要望送信部24aの動作が異なる。
測定報告受信部12aは、移動端末20からCQI報告を受け取り、それをもとにギャップを設定する周波数を決定する。測定報告受信部12aの動作は上記したとおりである。要望送信部24aは、CQIを作成し、通信インターフェース21を通じて基地局10に報告する機能を持っている。周波数切替部23aは、要望送信部24aで作成したCQIの値をもとにギャップを設定する周波数を決定する。周波数切替部23aの動作は上記したとおりである。
上記した実施の形態では、ギャップ期間を設定するための様々な判断基準について説明したが、上記した判断基準を組み合わせてギャップ期間を設定してもよい。例えば、基地局において、使用しているアプリケーションをもとに移動端末からのギャップ期間を設定する周波数の要望を受けつつ、品質劣化の状況の閾値をもとに要望を加味した閾値を再設定し、ギャップ期間を設定する周波数を決定することができる。
上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
以上に現時点で考えられる本発明の好適な実施の形態を説明したが、本実施の形態に対して多様な変形が可能であり、そして、本発明の真実の精神と範囲内にあるそのようなすべての変形を添付の請求の範囲が含むことが意図されている。
以上説明したように、本発明はギャップ期間による通信中断の影響を低減できるという効果を有し、バンドアグリゲーションに対応した端末を制御する基地局として有用である。
10 基地局
11 通信I/F
12 測定報告受信部
13 HO判定部
14 ギャップ期間設定部
15 要望受信部
20 移動端末
21 通信インターフェース
22 測定部
23 周波数切替部
24 要望送信部

Claims (46)

  1. バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信中の移動端末から送信される測定報告を受信する測定報告受信部と、
    前記測定報告に基づいてハンドオーバが必要か否かを判定するハンドオーバ判定部と、
    ハンドオーバが必要と判定された場合に、ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信中のバンドの通信を一時的に中断しギャップ期間を設定するギャップ期間設定部と、
    を備え、
    前記ギャップ期間設定部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中のバンドにもギャップ期間を設定する基地局。
  2. 前記ギャップ期間設定部は、複数のバンドに設定するギャップ期間が連続するようにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  3. 前記ギャップ期間設定部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中のバンドにのみギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  4. 前記ギャップ期間設定部は、複数のバンドのそれぞれの通信において前記移動端末で実行中のHARQプロセス数に基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  5. 前記ギャップ期間設定部は、複数のバンドのそれぞれの通信において前記基地局で実行中のHARQプロセス数に基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  6. 前記ギャップ期間設定部は、複数のバンドのそれぞれの通信により前記移動端末で実行中のアプリケーションに基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  7. 前記ギャップ期間設定部は、複数のバンドのそれぞれの通信に設定されたQoS情報に基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  8. 前記ギャップ期間設定部は、前記移動端末からAckが送信されたときにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  9. 前記ギャップ期間設定部は、前記基地局側のHARQプロセスがOKになったときにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  10. 前記ギャップ期間設定部は、前記移動端末へのデータの再送回数が上限に達したバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  11. 前記ギャップ期間設定部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中の複数のバンドがある場合に、前記複数のバンドのうちの一部のバンドにギャップ期間を設定する請求項1〜10のいずれかに記載の基地局。
  12. 前記ギャップ期間設定部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、次のギャップ期間を設定する直前にAckを受信したバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  13. 前記ギャップ期間設定部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、次のギャップ期間を設定する直前に前記基地局のHARQプロセスがOKになったバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  14. 前記ギャップ期間設定部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、次のギャップ期間を設定する直前にデータの再送回数の上限に達したバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  15. 前記ギャップ期間設定部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、前のギャップ期間から次のギャップ期間までの間に受信したAckの数が多いバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  16. 前記ギャップ期間設定部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、前記基地局においてOKになったHARQプロセスが多いバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  17. 前記ギャップ期間設定部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、前のギャップ期間から次のギャップ期間までの間に受信したNAckの数が少ないバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  18. 前記ギャップ期間設定部は、通信中のバンドの品質劣化の度合いに応じて、ギャップ期間を設定するバンドを変える請求項1に記載の基地局。
  19. 前記ギャップ期間設定部は、ダウンリンクによって送信したデータに対する応答を返すアップリンクの対応関係の情報を記憶しており、
    前記複数のバンドのうち、対応するダウンリンクの数が少ないバンドにギャップ期間を設定する請求項1に記載の基地局。
  20. 前記ギャップ期間設定部は、AckまたはNackが送受信されるタイミングに重ならないようにギャップ期間を設定する請求項1〜19のいずれかに記載の基地局。
  21. 前記移動端末から、ギャップ期間の設定に関する要望情報を受信する要望情報受信部を備え、
    前記ギャップ期間設定部は、前記要望情報をも用いてギャップ期間を設定する請求項1〜20のいずれかに記載の基地局。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の基地局と、
    移動端末と、
    を備える無線通信システム。
  23. バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信を行う移動端末であって、
    通信に用いているバンドの受信品質を測定する測定部と、
    前記測定部にて測定した受信品質を測定報告として送信する送信部と、
    ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信を一時的に中断してギャップ期間を設定するバンドに関し、前記測定部での測定の対象となったバンド以外の通信中のバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する要望送信部と、
    を備える移動端末。
  24. 前記要望送信部は、複数のバンドに設定するギャップ期間が連続するようにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  25. 前記要望送信部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中のバンドにのみギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  26. 前記要望送信部は、前記移動端末からAckが送信されたときにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  27. 前記要望送信部は、前記移動端末へのデータの再送回数が上限に達したバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  28. 前記要望送信部は、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中の複数のバンドがある場合に、前記複数のバンドのうちの一部のバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  29. 前記要望送信部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、次のギャップ期間を設定する直前にAckを受信したバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  30. 前記要望送信部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、次のギャップ期間を設定する直前にデータの再送回数の上限に達したバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  31. 前記要望送信部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、前のギャップ期間から次のギャップ期間までの間に受信したAckの数が多いバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  32. 前記要望送信部は、一定の間隔でギャップ期間を設定し、前記複数のバンドのうち、前のギャップ期間から次のギャップ期間までの間に受信したNackの数が少ないバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  33. 前記要望送信部は、通信中のバンドの品質劣化の度合いに応じて、ギャップ期間を設定するバンドを変えることを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  34. 前記要望送信部は、前記複数のバンドのうち、対応するダウンリンクの数が少ないバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  35. 前記要望送信部は、複数のバンドのそれぞれの通信において前記移動端末で実行中のHARQプロセス数に基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  36. 前記要望送信部は、複数のバンドのそれぞれの通信により前記移動端末で実行中のアプリケーションに基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  37. 前記要望送信部は、複数のバンドのそれぞれの通信に設定されたQoS情報に基づいて、前記各バンドに設定するギャップ期間の割合を決定し、決定した割合でギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  38. 前記要望送信部は、前記移動端末のHARQプロセスがOKになったときに、そのバンドに対してギャップ期間を設定するように要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  39. 前記要望送信部は、前記移動端末のHARQプロセスのデータ再送回数が上限に達したときに、そのバンドに対してギャップ期間を設定するように要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  40. 前記要望送信部は、通信中のバンドの品質劣化の度合いに応じて、ギャップ期間を設定するバンドを決定し、そのバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  41. 前記要望送信部は、前記複数のバンドのうち、対応するダウンリンクの数が少ないバンドを求め、そのバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23に記載の移動端末。
  42. 前記要望送信部は、ギャップ期間を設定すべきバンドの情報に加えて、ギャップ期間の設定対象としてそのバンドを選択した理由を送信する請求項35〜41のいずれかに記載の移動端末。
  43. 前記要望送信部は、AckまたはNackが送受信されるタイミングに重ならないようにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信する請求項23〜42のいずれかに記載の移動端末。
  44. 前記送信部は、ギャップ期間の設定を要望する周波数に対応している送信用周波数で使用中の周波数の品質測定報告を送信する請求項23〜43のいずれかに記載の移動端末。
  45. バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信中の移動端末から送信される測定報告を受信するステップと、
    前記測定報告に基づいてハンドオーバが必要か否かを判定するステップと、
    ハンドオーバが必要と判定された場合に、ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信中のバンドの通信を一時的に中断しギャップ期間を設定するステップであって、前記ハンドオーバが必要と判定されたバンド以外の通信中のバンドにもギャップ期間を設定するステップと、
    を備えるギャップ期間設定方法。
  46. バンドアグリゲーションにより複数のバンドを用いて通信を行う通信端末が、ギャップの設定に関する要望を送信する方法であって、
    通信に用いているバンドの受信品質を測定するステップと、
    測定した受信品質を測定報告として送信するステップと、
    ハンドオーバ先のバンドを探索するために、通信を一時的に中断してギャップ期間を設定するバンドに関し、前記測定部での測定の対象となったバンド以外の通信中のバンドにギャップ期間を設定することを要望する要望情報を送信するステップと、
    を備える要望送信方法。
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