JPWO2010021331A1 - レーザー投射装置 - Google Patents

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Abstract

レーザー光源(1)からの光を偏向装置(3)のミラー部(10)によって互いに直交する第1の走査方向および第2の走査方向に偏向してスクリーン(SC)を2次元に走査することにより、スクリーン(SC)に2次元画像を表示する。偏向装置(3)は、第1の走査方向(例えば水平方向)よりも走査速度の遅い第2の走査方向(例えば鉛直方向)において、斜めに傾けて配置され、スクリーン(SC)に対して斜め投射を行う。このとき、第2の走査方向において、偏向装置(3)にて偏向された光線のスクリーン(SC)への入射角度が小さいほうから大きいほうに向かう方向を正としたとき、レーザー光源(1)からの光は、偏向装置(3)に対して第2の走査方向の負側から入射し、画面中心表示状態における偏向装置(3)のミラー部(10)の法線が、スクリーン(SC)の法線に対して第2の走査方向の負側に傾いている。

Description

本発明は、レーザー光で被投射面を2次元に走査することにより、被投射面に2次元画像を表示するレーザー投射装置に関するものである。
従来から、偏向装置としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等を用い、レーザー光を偏向装置によって2次元に偏向して被投射面を2次元に走査することにより、被投射面に2次元画像を表示するレーザー投射装置が種々提案されている。このようなレーザー投射装置では、偏向装置に対する入射光と反射光とを分離する方式として、偏光分離方式と角度分離方式とがある。
偏光分離方式は、偏光を利用して入射光と反射光とを分離する方式である。例えば特許文献1には、偏光分離方式を採用したプロジェクタが開示されている。このプロジェクタでは、レーザー光(例えばS偏光)をPBSで反射させ、これを1/4波長板で円偏光に変換した後、MEMSミラーに垂直に入射させる一方、MEMSミラーから垂直に射出される反射光を上記1/4波長板でP偏光に変換し、上記PBSを透過させてスクリーンに垂直に投射している。
このような偏光分離方式では、MEMSミラーからの光をスクリーンに垂直に投射するので、スクリーンに表示された画像(投影画像)の台形歪みは少ないという利点があるが、以下のような欠点がある。すなわち、プロジェクタを机上または床面に置いて使用すると、投影画像の下半分は机上または床面に表示されるため、プロジェクタを手に持って使用しないと、スクリーン全体に画像を表示(投影)することができない。プロジェクタを手に持って使用する場合は、プロジェクタが揺れやすく、プロジェクタの長時間の使用もしづらくなる。このような問題に対処すべく、プロジェクタ自体を斜めに傾けて机上に置いて使用すると、今度は斜め投射に起因する台形歪みが発生する。また、投影画像をカラー化する場合は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光を用いる必要があるが、上記のPBSや1/4波長板を全ての色光に対して良好な光学特性が得られるように設計することは困難であり、設計波長とは異なる波長の光でロスが生じやすく、明るい投影画像を得ることが困難となる。
一方、角度分離方式は、偏向装置に対してレーザー光を斜めから入射することで、入射光と反射光とを分離する方式である。この角度分離方式では、偏向装置で反射される光がスクリーンに対して斜めに投射されるので、プロジェクタを机上に置いて使用する場合でも、スクリーン全体に画像を表示することができる。また、上述したPBSや1/4波長板のような光学部材が不要なので、上記のような光量ロスの問題も生じない。したがって、プロジェクタの使いやすさ、投影画像の明るさの点では、角度分離方式は偏光分離方式よりも優れていると言える。
米国特許出願公開第2008/0037090号明細書
ところで、角度分離方式は、スクリーンに対して光を斜めに投射することから、投影画像の台形歪みの問題を常に抱えており、台形歪みを抑える何らかの工夫が必要である。この点、例えば、偏向装置のスクリーン側に投射光学系を配置すれば、この投射光学系で台形歪みを補正することが可能である。しかし、偏向装置のスクリーン側に投射光学系を配置することは、プロジェクタの薄型化を阻害する要因となる。したがって、スクリーンに対して光を斜めに投射する構成では、投射光学系を配置することなく台形歪みを抑えることが望まれる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、被投射面に対して斜め投射の構成で、投射光学系を配置することなく投影画像の台形歪みを抑えることができる薄型のレーザー投射装置を提供することにある。
本発明のレーザー投射装置は、レーザー光源と、前記レーザー光源からの光を反射部材によって互いに直交する第1の走査方向および第2の走査方向に偏向して被投射面を2次元に走査する偏向装置とを備え、前記偏向装置の偏向状態に応じて前記レーザー光源の出力を調整することにより、前記被投射面に2次元画像を表示するレーザー投射装置であって、前記偏向装置の第1の走査方向の走査速度は、第2の走査方向の走査速度よりも速く、前記偏向装置は、前記レーザー光源からの光を偏向することにより、前記被投射面に対して第2の走査方向において斜めから投射し、前記レーザー光源からの光線が前記偏向装置にて偏向されて前記被投射面の画面中心に入射するときの前記偏向装置の偏向状態を画面中心表示状態とし、第2の走査方向において、前記偏向装置にて偏向された光線の前記被投射面への入射角度が小さいほうから大きいほうに向かう方向を正としたとき、前記レーザー光源からの光は、前記偏向装置に対して第2の走査方向の負側から入射し、前記画面中心表示状態における前記偏向装置の前記反射部材の法線は、前記被投射面の法線に対して第2の走査方向の負側に傾いていることを特徴としている。
本発明のレーザー投射装置において、前記第2の走査方向は、鉛直方向であることが望ましい。
本発明のレーザー投射装置は、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。すなわち、
0.25<θmems/θin<0.75 ・・・(1)
ただし、
θmems;画面中心表示状態における前記偏向装置の前記反射部材の法線
と前記被投射面の法線とが第2の走査方向でなす角度
θin ;画面中心表示状態において前記レーザー光源からの主光線が前
記偏向装置の前記反射部材に入射するときの第2の走査方向の
入射角度
である。
本発明のレーザー投射装置は、以下の条件式(1a)をさらに満足することがさらに望ましい。すなわち、
0.3<θmems/θin<0.7 ・・・(1a)
である。
本発明のレーザー投射装置において、前記レーザー光源の光の射出方向は、画面中心表示状態における前記偏向装置の前記反射部材の法線方向と直交しており、前記レーザー光源からの光をねじれた方向に打ち上げる打ち上げミラーと、前記打ち上げミラーにて打ち上げられた光を前記偏向装置に打ち下ろす打ち下ろしミラーとをさらに備えている構成であってもよい。
本発明のレーザー投射装置において、前記偏向装置は、圧電素子への電圧印加によって前記反射部材を回動させることにより、前記反射部材に入射する前記レーザー光源からの光を偏向する圧電駆動方式で駆動されることが望ましい。
本発明のレーザー投射装置は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。すなわち、
θin/θscan(V) >1.5 ・・・(2)
ただし、
θin ;画面中心表示状態において前記レーザー光源からの主光線が前
記偏向装置の前記反射部材に入射するときの第2の走査方向の
入射角度
θscan(V) ;前記偏向装置の画面中心表示状態からの第2の走査方向の
機械走査角度である。
本発明のレーザー投射装置は、以下の条件式(2a)をさらに満足することが望ましい。すなわち、
θin/θscan(V) >2 ・・・(2a)
である。
本発明のレーザー投射装置は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。すなわち、
θin≦35° ・・・(3)
である。
本発明のレーザー投射装置は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。すなわち、
1.1<cos(θin)×θscan(H) /θscan(V) <1.5 ・・・(4)
ただし、
θin ;画面中心表示状態において前記レーザー光源からの主光線が前
記偏向装置の前記反射部材に入射するときの第2の走査方向の
入射角度
θscan(H) ;前記偏向装置の画面中心表示状態からの第1の走査方向の
機械走査角度
θscan(V) ;前記偏向装置の画面中心表示状態からの第2の走査方向の
機械走査角度である。
本発明によれば、レーザー光源からの光は、偏向装置(例えばMEMSミラー)の反射部材にて第1の走査方向(例えば水平方向)および第2の走査方向(例えば鉛直方向)の両方向に反射偏向され、被投射面に導かれる。このとき、偏向装置の第1の走査方向の走査速度は、第2の走査方向の走査速度よりも速いが、これは、第1の走査方向の駆動を例えば正弦駆動とし、第2の走査方向の駆動を例えば線形駆動とすることにより実現可能である。偏向装置によって被投射面を2次元に走査しながら、偏向装置の偏向状態に応じてレーザー光源の出力を調整することにより、被投射面に2次元画像が表示される。
ここで、レーザー光源からの光は、偏向装置に対して第2の走査方向の負側から入射し、偏向装置は、上記の光を偏向することにより、第2の走査方向において、被投射面に対して斜め投射を行う。一般に、斜め投射の構成では、投影画像(投影画面)の台形歪みが生じやすくなるが、本発明の構成では、画面中心表示状態における偏向装置の反射部材の法線が、被投射面の法線に対して第2の走査方向の負側に傾いているので、被投射面に対する斜め投射の程度を軽減することができる。これにより、台形歪みを補正するための投射光学系を配置しなくても台形歪みを抑えることが可能となる。その結果、装置の薄型化を図りながら、偏向装置から被投射面に至るまでに投射光学系を配置しなくても、台形歪みを抑えることが可能となる。
本発明の実施の形態1のレーザー投射装置の全体構成を示す垂直断面図である。 上記レーザー投射装置の主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。 本発明の実施の形態2のレーザー投射装置の全体構成を示す垂直断面図である。 上記レーザー投射装置の主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。 本発明の実施の形態3のレーザー投射装置の全体構成を示す垂直断面図である。 上記レーザー投射装置の主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。 本発明の実施の形態4のレーザー投射装置の全体構成を示す垂直断面図である。 上記レーザー投射装置の主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。 上記各レーザー投射装置が備える偏向装置の概略の構成を示す平面図である。 (a)〜(e)は、上記偏向装置の断面図である。 θinおよびθscan(V) を説明するための説明図である。 θmemsを説明するための説明図である。 θscan(H) を説明するための説明図である。 投影画面の台形歪みおよび走査歪みを説明するための説明図である。 台形歪みが最小となるときのθinとθmemsとの関係を示すグラフである。 台形歪みが最小となるとき、および±5%のときのそれぞれについてのθinとθmemsとの関係を示すとともに、θinとθmemsとの関係を直線で近似したときの種々の直線を示すグラフである。 (a)は、実施の形態4のレーザー投射装置の変形例の構成を示す正面図であり、(b)は、上記レーザー投射装置の側面図である。 上記レーザー投射装置における光路を模式的に示す斜視図である。 θin/θscan(V) =1.5のときの、偏向装置のミラー部への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。 θin/θscan(V) =2のときの、偏向装置のミラー部への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。 θinと走査歪みとの関係を示すグラフである。 θin=20°で台形歪みが最小となるときの投影画面の歪曲図である。 θin=25°で台形歪みが最小となるときの投影画面の歪曲図である。 θin=35°で台形歪みが最小となるときの投影画面の歪曲図である。 θin=40°で台形歪みが最小となるときの投影画面の歪曲図である。 cos(θin)×θscan(H) /θscan(V) の値と投影画面の縦横比との関係を示すグラフである。 実施例1のレーザー投射装置における偏向装置のミラー部への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。 実施例2のレーザー投射装置における偏向装置のミラー部への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。 実施例3のレーザー投射装置における偏向装置のミラー部への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。 実施例4のレーザー投射装置における偏向装置のミラー部への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。
本発明の各実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、被投射面の画面長辺方向をH方向(水平方向)とし、画面短辺方向をV方向(垂直方向、鉛直方向)とする。なお、被投射面は、ここではスクリーンを想定しているが、壁であってもよい。
(1.レーザー投射装置の構成)
図1は、実施の形態1のレーザー投射装置PJの全体構成を示す垂直断面図であり、図2は、上記レーザー投射装置PJの主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。図3は、実施の形態2のレーザー投射装置PJの全体構成を示す垂直断面図であり、図4は、上記レーザー投射装置PJの主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。図5は、実施の形態3のレーザー投射装置PJの全体構成を示す垂直断面図であり、図6は、上記レーザー投射装置PJの主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。図7は、実施の形態4のレーザー投射装置PJの全体構成を示す垂直断面図であり、図8は、上記レーザー投射装置PJの主要部の構成を拡大して示す垂直断面図である。
各実施の形態1〜4のレーザー投射装置PJは、レーザー光源1と、入射光学系2と、偏向装置3とを備えている。これらのレーザー投射装置PJは、偏向装置3に対してレーザー光を斜めから入射させて、入射光と反射光とを分離する角度分離方式を採用している。そして、各レーザー投射装置PJでは、偏向装置3がレーザー光源1からの光を偏向することにより、スクリーンSCに対してV方向の斜めから投射する構成となっている。
レーザー光源1は、レーザー光を射出する光源装置であり、ここでは、RGBの3色のレーザー光を射出する光源と、色合成手段とで構成されている。色合成手段は、RGBのレーザー光の光路を合成して射出するものであり、例えばダイクロイックプリズムやダイクロイックミラーで構成されている。
入射光学系2は、レーザー光源1と偏向装置3との間の光路中に設けられる、例えば凸レンズからなる集光レンズである。この入射光学系2は、レーザー光源1から射出された光を偏向装置3を介してスクリーンSCに投射したときに、スクリーンSC上でビーム径を最小にする目的で設けられている。
偏向装置3は、レーザー光源1から射出されて入射光学系2を介して入射する光を、互いに直交するH方向(第1の走査方向)およびV方向(第2の走査方向)に偏向して、スクリーンSCを2次元に走査する2次元偏向手段であり、例えばMEMSミラーで構成されている。なお、偏向装置3の詳細については後述する。偏向装置3は、H方向には正弦駆動(高速共振駆動)され、V方向には線形駆動(低速駆動)される。つまり、偏向装置3のH方向の走査速度は、V方向の走査速度よりも速い。
上記の構成によれば、レーザー光源1からの光は、入射光学系2を介して偏向装置3に斜めから入射し、偏向装置3の反射部材(後述するミラー部10)にてH方向およびV方向に反射偏向され、スクリーンSCに対してV方向の斜めから投射される。偏向装置3により、スクリーンSCを上記光で2次元に走査しながら、偏向装置3の偏向状態に応じて(反射部材の傾き位置に応じて)レーザー光源1の出力を調整することにより、スクリーンSCに2次元画像を表示することができる。
(2.偏向装置の詳細)
次に、上記した偏向装置3の詳細について説明する。図9は、偏向装置3の概略の構成を示す平面図である。また、図10(a)〜図10(e)は、図9の偏向装置3をX軸に垂直な断面で切ったときの断面図である。偏向装置3は、ミラー部10、可動枠30および固定枠70を有するMEMSミラーである。固定枠70は、偏向装置3を筐体(図示せず)に固定するための部分であり、その固定枠70の内側に可動部分として可動枠30が枠状に形成されており、可動枠30の内側にミラー部10が方形状に形成されている。
ミラー部10は、レーザー光源1からの光を2次元的に偏向する反射部材を構成しており、トーションバー21・22を介して、外側の可動枠30に弾性的に支持されている。トーションバー21・22は、ミラー部10の中心を通るY軸に沿って、ミラー部10の対向する2辺から外方へ延びている。
可動枠30は、曲がり梁41〜44を介して、外側の固定枠70に弾性的に支持されている。曲がり梁41〜44の一端は、可動枠30における、Y軸と直交するX軸(トーションバー21・22と直交し、かつ、ミラー部10の中心を通る)の近傍の接続部30a〜30dにそれぞれ接続されている。ミラー部10、トーションバー21・22、可動枠30、曲がり梁41〜44および固定枠70は、シリコン基板の異方性エッチングにより一体的に形成されている。
曲がり梁41〜44の表面には、圧電素子51〜54が接着等により貼り付けられて、4つのユニモルフ部61〜64が形成されている。図10(a)に示すように、圧電素子51の表裏には、上部電極51aと下部電極51bとがそれぞれ設けられており、圧電素子52の表裏には、上部電極52aと下部電極52bとがそれぞれ設けられている。また、圧電素子53・54の表裏にも、同様に、上部電極および下部電極がそれぞれ設けられている。
例えば、上部電極51aおよび下部電極51bに、分極反転を起こさない範囲で交流の電圧を印加することにより、圧電素子51が伸縮し、ユニモルフ的に厚み方向に変位する。したがって、各電極への電圧印加によって生ずる圧電素子51〜54の曲げ変形により、曲がり梁41〜44は、可動枠30に対しY軸回りおよびX軸回りに独立した回転トルクを作用させ、これによって、可動枠30をY軸およびX軸を2軸として回動させることが可能となる。以下、このような回動動作の詳細について説明する。
まず、X軸回りの回動動作について説明する。圧電素子51・52が伸び縮みしていない図10(a)の状態で、圧電素子51に伸びる方向の電圧を印加し、圧電素子52に縮む方向の電圧(圧電素子51への印加電圧とは逆位相の電圧)を印加する。すると、各ユニモルフ部61・62の一端は、固定枠70に固定・保持されているので、図10(b)に示すように、ユニモルフ部61は他端が下方に変位するように曲がる一方、ユニモルフ部62は他端が上方に変位するように曲がる。
同様に、圧電素子53・54にも圧電素子51・52に印加される電圧と同じ位相の電圧をそれぞれ印加すると、各ユニモルフ部63・64の一端は、固定枠70に固定・保持されているので、ユニモルフ部63は他端が下方に変位するように曲がる一方、ユニモルフ部64は他端が上方に変位するように曲がる。これにより、可動枠30にはX軸を中心とした回転トルクが作用し、可動枠30はX軸を中心として一方向(P方向)に傾く。また、圧電素子51〜54に上記と逆位相の電圧を印加すると、同様の原理で、図10(c)に示すように、可動枠30にX軸を中心とした逆方向の回転トルクが作用し、X軸を中心として上記とは逆方向(Q方向)に傾く。
圧電素子51〜54に上記位相関係を保った交流電圧を印加すると、ユニモルフ部61〜64は交流電圧に追従して上下方向の振動を繰り返し、可動枠30にシーソー的な回転トルクが作用し、可動枠30はX軸を中心として所定変位角度まで回転振動する。ユニモルフ部61〜64が可動枠30に接続される接続部30a〜30dは、幅が狭くなっているので、他の部分より曲がりやすい。このため、ユニモルフ部61〜64の僅かな撓みで、図10(b)(c)に示したように可動枠30のX軸近傍が大きく傾き、ミラー部10を大きく傾けることができる。なお、接続部30a〜30dは幅を狭くするほかに厚みを他の部分より薄くしてもよい。
次に、Y軸回りの回動動作について説明する。圧電素子51・52のいずれにも伸びる方向の電圧を印加すると、ユニモルフ部61・62の一端は固定枠70に固定・保持されているので、図10(d)に示すように、ユニモルフ部61・62はいずれも他端が下方に変位するように曲がる。一方、圧電素子53・54に圧電素子51・52とは逆位相の電圧(縮む方向の電圧)を印加すると、ユニモルフ部63・64の一端は固定枠70に固定・保持されているので、図10(e)に示すように、ユニモルフ部63・64はいずれも他端が上方に変位するように曲がる。なお、図10(e)では、便宜上、ミラー部10の図示を省略している。これにより、可動枠30にはY軸を中心とした回転トルクが作用し、可動枠30はY軸を中心として傾く。
圧電素子51〜54に上記位相関係を保った交流電圧を印加すると、ユニモルフ部61〜64は交流電圧に追従して上下方向の振動を繰り返し、可動枠30にシーソー的な回転トルクが作用し、可動枠30はY軸を中心として所定変位角度まで回転振動する。したがって、4つのユニモルフ部61〜64にそれぞれ所定の電圧を印加することにより、可動枠30によって支持されているミラー部10のX軸・Y軸回りの傾きを任意に制御することができる。
以上のように、偏向装置3は、圧電素子51〜54への電圧印加によってミラー部10を回動させることにより、ミラー部10に入射するレーザー光源1からの光を偏向する圧電駆動方式で駆動される。ここで、MEMSミラーの駆動方式としては、上記の圧電駆動方式のほかに、電磁駆動方式、静電駆動方式がある。電磁駆動方式では、反射部材の裏面に永久磁石を配置する必要があり、偏向装置が大型化するため、装置の薄型化には不利となる。また、静電駆動方式は、反射部材に対向する電極の静電力を利用して反射部材を駆動する方式のため、駆動電圧が高いというデメリットがある。これに対して、上述した圧電駆動方式では、薄い圧電素子への電圧印加によって反射部材を回動させ、入射光を偏向することができ、また、その駆動電圧も低くて済む。したがって、偏向装置3の駆動方式として圧電駆動方式を採用することにより、装置の薄型化に貢献することができ、また、消費電力も低減することができる。
なお、ここでは、ミラー部10の形状を方形状としているが、この形状に限定されるわけではなく、例えば直径が1.5mm程度の円形で構成されていてもよい。
(3.台形歪みを抑える構成について)
次に、レーザー投射装置PJにおいて、斜め投射に起因して発生する台形歪みを抑える構成について説明する。なお、以下での説明の便宜上、用語を以下のように定義しておく。
まず、レーザー光源1から射出された光線が偏向装置3にて偏向されてスクリーンSCの画面中心に入射するときの偏向装置3の偏向状態(ミラー部10の傾き状態)を画面中心表示状態とする。そして、図11に示すように、画面中心表示状態においてレーザー光源1からの主光線(中心光線)が偏向装置3のミラー部10に入射するときのV方向の入射角度をθin(°)とし、図12に示すように、画面中心表示状態における偏向装置3のミラー部10の法線とスクリーンSCの法線とがV方向でなす角度をθmems(°)とする。また、図11に示すように、偏向装置3の画面中心表示状態からのV方向の機械走査角度をθscan(V) (°)とし、図13に示すように、偏向装置3の画面中心表示状態からのH方向の機械走査角度をθscan(H) (°)とする。なお、θscan(V) 、θscan(H) を正の符号の値で記載したときは、その値そのものを指す場合もあるし、機械走査角度の絶対値を指す場合もある。
また、台形歪みの評価は、図14に示すように、画面左上の角部と画面右上の角部とを結んだ直線の長さをB3(mm)とし、画面左下の角部と画面右下の角部とを結んだ直線の長さをB1(mm)とし、画面中心を通る投影画面の水平方向の長さをB2(mm)としたときに、以下の式で算出される量で行っている。
台形歪み(%)={(B3−B1)/B2}×100
スクリーンSCに対して偏向装置3を平行に配置した状態でスクリーンSCに対して斜め投射を行うと、原理的に投影画像に台形歪みが生じる。しかし、偏向装置3をスクリーンSCに対して傾けて配置した状態で、スクリーンSCに対して斜め投射を行うことにより、スクリーンSCに対する斜め投射の程度を軽減することができる。これにより、上記の台形歪みを抑えることができる。
例えば、図15は、台形歪みが最小となるときのθinとθmemsとの関係を示すグラフである。なお、台形歪みが最小とは、上述した台形歪みの式によって導き出される値の絶対値が最小、すなわち0であることを示す。また、ここでは、θscan(H) が例えば±8°であり、θscan(V) が例えば±6°であるとする。同図より、角度分離方式では、θmemsが生じるようにすれば、すなわち、画面中心表示状態で偏向装置3のミラー部10がスクリーンSCに対してV方向で光入射側に傾くようにすれば、台形歪みを最小にできることが分かる。
以上の点に鑑み、各レーザー投射装置PJでは、偏向装置3を以下のように配置している。つまり、スクリーンSCに対する斜め投射方向であるV方向において、偏向装置3にて偏向された光線のスクリーンSCへの入射角度が小さいほうから大きいほうに向かう方向を正としたとき(その逆方向を負とする)、レーザー光源1からの光が偏向装置3に対してV方向の負側から入射する場合に、画面中心表示状態における偏向装置3のミラー部10の法線が、スクリーンSCの法線に対してV方向の負側に傾くように偏向装置3を配置している(図11参照)。これにより、台形歪みを補正するための投射光学系を偏向装置3のスクリーンSC側に配置しなくても、台形歪みを抑えることが可能となり、投射光学系を不要とする分、装置の薄型化および小型化を図りながら、台形歪みを抑えることが可能となる。
特に、スクリーンSC等の被投射面は、V方向に平行に位置するのが一般的であるが、偏向装置3を被投射面に対してV方向に傾けて配置することにより、そのような被投射面に対して斜め投射を行う最も一般的な投射形態において、上述した効果を得ることができ、有効である。
また、一般的に、θscan(H) はθscan(V) よりも大きいので、第2の走査方向をV方向とし、機械走査角度の小さいV方向で光路を折り曲げて斜め投射を行う構成とすることにより、偏向装置3での偏向分離(入射光と反射光との光線分離)に必要な、偏向装置3に入射する光の入射角度を、H方向で斜め投射を行う構成よりも小さくすることができ、さらに装置の薄型化を図ることができる。このことは、装置全体の小型化にもつながる。
ところで、図15より、台形歪みが最小となるときのθinとθmemsとは、略比例関係にあることが分かる。図15では、ほぼ、θmems/θin=0.5の関係となっているので、この関係を満たすようにθinおよびθmemsを設定すれば、台形歪みを最小に抑えることができることになる。ただし、台形歪みが±5%の範囲内であれば、人間の目で観察する際に投影画像の台形歪みはあまり目立たない。
図16は、台形歪みが最小となるとき、および±5%のときのそれぞれについてのθinとθmemsとの関係を示すとともに、θinとθmemsとの関係を直線で近似したときの種々の直線を示すグラフである。なお、直線A1〜A7は、θmems/θin=0.75、0.7、0.65、0.5、0.35、0.3、0.25となる直線をそれぞれ示している。また、ここでは、θscan(H) は例えば±8°であり、θscan(V) が例えば±6°であるとする。同図より、(θin,θmems)の座標が直線A1と直線A7とで挟まれる領域内にあれば、台形歪みがほぼ±5%の範囲内になると言える。このことから、投影画像の台形歪みを抑えるための条件として、以下の条件式(1)を満足することが望ましいと言える。
0.25<θmems/θin<0.75 ・・・(1)
すなわち、条件式(1)の上限および下限を超えると、台形歪みが±5%を越えることとなり、台形歪みが大きくなるので、条件式(1)を満足することにより、台形歪みを±5%以内に小さく抑えて、良好な投影画像を得ることができる。なお、同図より、以下の条件式(1a)を満足することがより望ましく、以下の条件式(1b)を満足することがより一層望ましいと言える。
0.3<θmems/θin<0.7 ・・・(1a)
0.35<θmems/θin<0.65 ・・・(1b)
(4.偏向装置への入射光の光路の折り曲げについて)
図17(a)は、実施の形態4のレーザー投射装置PJの変形例の構成を示す正面図であり、図17(b)は、上記レーザー投射装置PJの側面図である。また、図18は、上記レーザー投射装置PJにおける光路を模式的に示す斜視図である。上記レーザー投射装置PJにおいては、上述したレーザー光源1、入射光学系2および偏向装置3に加えて、打ち上げミラー4および打ち下ろしミラー5をさらに備えている。打ち上げミラー4は、レーザー光源1から射出された光をねじれた方向に打ち上げる第1のミラーである。打ち下ろしミラー5は、上記の打ち上げミラー4にて打ち上げられた光を偏向装置3に打ち下ろす第2のミラーである。ここで、レーザー光源1の構成の詳細について説明する。
レーザー光源1は、光源1B・1G・1Rと、レンズ6B・6G・6Rと、ミラー7と、ダイクロイックミラー8・9とを有している。光源1BからH方向に射出されるBのレーザー光は、レンズ6Bを介してミラー7に入射し、そこでV方向に光路を折り曲げられ、ダイクロイックミラー8に入射する。光源1GからH方向に射出されるGのレーザー光は、レンズ6Gを介してダイクロイックミラー8に入射し、そこでBのレーザー光と光路合成されてV方向に射出され、ダイクロイックミラー9に入射する。光源1RからH方向に射出されるRのレーザー光は、レンズ6Rを介してダイクロイックミラー9に入射し、そこでBおよびGのレーザー光と光路合成されてH方向に射出され、入射光学系2に入射する。したがって、レーザー光源1全体から射出される光の射出方向としては、H方向となる。
上記のレーザー投射装置PJでは、画面中心表示状態における偏向装置3のミラー部10の法線方向(図17(b)で紙面に平行な方向)を、レーザー光源1の光の射出方向(H方向)と直交させている。そして、レーザー光源1からの光を打ち上げミラー4でねじれた方向に打ち上げ、続いて、打ち下ろしミラー5で偏向装置3に打ち下ろす構成としている。このような構成により、レーザー光源1からH方向に射出される光の光路を装置の厚さ方向(H方向およびV方向に垂直な方向)で折り曲げることができるので、装置全体を薄型化することが可能となる。
(5.θin/θscan(V) について)
偏向装置3にて入射光と反射光との光線分離を行うためには、原理的には、θinは、θscan(V) よりも大きければよい。しかし、θinが小さすぎると、光線分離に必要な距離、すなわち、偏向装置3の法線方向の距離が大きくなり、装置全体としての厚さが増大する。装置の薄型化の目安として、光線分離に必要な距離は、偏向装置3のミラー部10の径の10倍以下であることが望ましい。また、上述した折り返しミラー(打ち上げミラー4、打ち下ろしミラー5)等の設置を考慮した場合、光線分離に必要な距離は、ミラー部10の径の8倍以下であることがさらに望ましい。
ここで、図19は、θscan(V) =6°のときにθin=9°としたとき、すなわち、θin/θscan(V) =1.5のときの、偏向装置3のミラー部10への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。なお、同図の縦軸は偏向装置3のミラー部10のV方向の長さ(mm)を示し、横軸は、光線分離に必要な距離(mm)を示している。また、同図において、偏向されたレーザー光が通過する領域とは、ミラー部10によってθscan(V) =±6°の範囲内でレーザー光を偏向したときに、偏向されたレーザー光が通過する領域を示している。ミラー部10のV方向の長さが1.5mmである場合、光線分離に必要な距離は、同図より14.15mmとなり、これは、ミラー部10のV方向の長さの10倍以下(9.4倍)となっている。
また、図20は、θscan(V) =6°のときにθin=12°としたとき、すなわち、θin/θscan(V) =2のときの、偏向装置3のミラー部10への入射光と反射光の光路を模式的に示す説明図である。ミラー部10のV方向の長さが1.5mmである場合、光線分離に必要な距離は、同図より7.06mmとなり、これは、ミラー部10のV方向の長さの8倍以下(4.7倍)となっている。
以上のことから、各実施の形態1〜4のレーザー投射装置PJは、以下の条件式(2)を満足することが望ましいと言え、条件式(2a)を満足することがさらに望ましいと言える。条件式(2)を満足することにより、光線分離を確実に行いながら、光線分離に必要な距離をミラー部10のV方向の長さの10倍以下にして、装置を薄型化することが可能となる。また、条件式(2a)をさらに満足することにより、光線分離に必要な距離をミラー部10のV方向の長さの8倍以下にして、折り返しミラーの設置スペースを確保しながら装置を薄型化することが可能となる。
θin/θscan(V) >1.5 ・・・(2)
θin/θscan(V) >2 ・・・(2a)
なお、走査型のレーザー投射装置PJにおいて、スクリーンSC上でのスポットサイズの最小値は、絞り面(偏向装置3のミラー部10が絞りを兼ねている場合が多い)の径で決定するため、V方向の画像の解像度はθscan(V) から決定される。ミラー部10が絞りを兼ねている場合、ミラー部10の直径は1〜2mm程度であるので、VGAやXGAを実現しようとすると、θscan(V) は5°以上となる。そうすると、条件式(2)より、θinは1.5×θscan(V) =7.5°よりも大きければよいことになる。
(6.走査歪みを抑える構成について)
偏向装置3によってスクリーンSCを2次元に走査すると、走査に伴う下向きに凸型の歪曲、すなわち、スクリーンSC上でH方向の1ラインが湾曲する走査歪みが発生する。この走査歪みは、斜め投射角度が大きくなるほど、つまり、画面上部において顕著に現れる。また、図21は、θinと走査歪みとの関係を示すグラフであるが、θinが増大すると、走査歪みも増大することが分かる。なお、図21における走査歪みは、図14において、投影画面の画面中心を通るV方向の長さをA(mm)とし、投影画面の画面中心を通るV方向の最上部と画面右上(または左上)の角部とのV方向の距離をa(mm)としたときの以下の式で算出している。
走査歪み(%)=(a/A)×100
ここで、図22〜図25は、台形歪みが最小となるときの投影画面の歪曲図であって、θin=20°、25°、35°、40°のときの歪曲図をそれぞれ示している。なお、これらの図では、投影画面の右半分の歪曲のみを示しているが、全画面では左右対称の歪曲である。また、横軸(X軸)はH方向に対応しており、縦軸はV方向に対応している。これらの図より、θin=20°、25°、35°では走査歪みは小さいが、θin=40°では走査歪みが大きく、良好な投影画像が得られないと言える。
以上のことから、各実施の形態1〜4のレーザー投射装置PJは、以下の条件式(3)を満足することが望ましいと言える。この条件式(3)を満足することにより、投影画面の走査歪みが顕著に現れるのを抑えることができる。
θin≦35° ・・・(3)
以上より、条件式(2)(2a)(3)をまとめると、θinに関する条件式は、以下のように表現することもできる。
1.5×θscan(V) <θin≦35°
2 ×θscan(V) <θin≦35°
(7.投影画面の縦横比について)
各実施の形態1〜4のレーザー投射装置PJは、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。すなわち、
1.1<cos(θin)×θscan(H) /θscan(V) <1.5 ・・・(4)
である。その理由は以下の通りである。
図26は、cos(θin)×θscan(H) /θscan(V) の値と投影画面の縦横比との関係を示すグラフである。同図より、cos(θin)×θscan(H) /θscan(V) の値が1.1を下回ると、投影画面が縦長になる。この場合、通常の横長の画像(例えば縦:横=3:4)を投影するためには、投影画面の上下を切り取って使用することになり、投影画面全体を有効に利用することができない。一方、cos(θin)×θscan(H) /θscan(V) の値が1.5を上回ると、投影画面の画面サイズが縦方向よりも横方向で長くなりすぎて、通常の横長の画像を投影する場合でも、投影画面の左右を切り取って使用することになり、やはり、投影画面全体を有効に利用することができない。したがって、条件式(4)を満足することにより、投影画面の縦横比を良好にして、投影画面全体を有効に利用することが可能となる。特に、通常の横長の画像の縦横比(3/4(=0.75))は、条件式(4)の上限および下限に対応する範囲内(0.65〜1.0)に入っているので、通常の横長の画像を投影する場合でも、投影画面全体を有効に利用することができる。
(8.実施例について)
次に、各実施の形態1〜4のレーザー投射装置PJの実施例について、実施例1〜4として、コンストラクションデータ等を挙げてさらに具体的に説明する。なお、実施例1〜4は、各実施の形態1〜4にそれぞれ対応する数値実施例であり、各実施の形態1〜4を表す光学構成図(図1〜図8)は、対応する実施例1〜4にもそのまま適用される。
なお、以下に示すコンストラクションデータにおいて、Si(i=1,2,3,・・・)は、入射光学系2の集光レンズの光入射面を基準面(S1)とし、そこからスクリーンSC側に向かってi番目の面を示している。また、各面Siの配置は、面頂点座標(x,y,z)と回転角度α(X回転tilt)および必要に応じて回転角度β(Y回転tilt)の各面データでそれぞれ特定される。面Siの面頂点座標は、その面頂点をローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点として、グローバルな直交座標系(x,y,z)におけるローカルな直交座標系(X,Y,Z)の原点の座標(x,y,z)で表されており(単位はmmとする)、その面頂点を中心とするX軸回りの回転角度(°)およびY軸回りの回転角度(°)で面Siの傾きが表されている。
なお、X軸の進行方向に向いたときに(負側から正側に向いたときに)反時計回りの方向が、X軸回りの回転角度の正方向とする。また、Y軸の進行方向に向いたときに(負側から正側に向いたときに)時計回りの方向が、Y軸回りの回転角度の正方向とする。ただし、座標系はすべて右手系で定義されており、グローバルな直交座標系(x,y,z)は、基準面(S1)のローカルな直交座標系(X,Y,Z)と一致した絶対座標系になっている。
なお、Rは、曲率半径(mm)を示しており、Ndおよびνdは、d線に対する屈折率およびアッベ数をそれぞれ示している。また、全ての実施例1〜4において、偏向装置3はH方向に正弦駆動、V方向に線形駆動するものとしている。ただし、H方向については、1周期の走査時間のうち75%を使用し、V方向については、1周期の走査時間のうちの90%を使用するものとした。また、各実施例1〜4のデータにおいて、偏向装置3の偏心データは、偏向装置3の偏向角が、H方向およびV方向について0°の場合の値を示している。
Figure 2010021331
Figure 2010021331
Figure 2010021331
Figure 2010021331
Figure 2010021331
また、図27〜図30は、各実施例1〜4における偏向装置3のミラー部10への入射光と反射光の光路をそれぞれ模式的に示す説明図である。なお、同図の縦軸は偏向装置3のミラー部10のV方向の長さ(mm)を示し、横軸は、光線分離に必要な距離(mm)を示している。各実施例1〜4では、θscan(V) の値は同じ5.4°であるが、θinの値が互いに異なっている。具体的には、各実施例1〜4でのθinは、図27〜図30の図中および後述する表2に示す通りである。なお、これらの図において、偏向されたレーザー光が通過する領域とは、ミラー部10によってθscan(V) =±5.4°の範囲内でレーザー光を偏向したときに、偏向されたレーザー光が通過する領域を示す。
ミラー部10のV方向の長さをL1=1.5(mm)とし、光線分離に必要な距離をL2(mm)としたとき、各実施例1〜4ごとのL2およびL2/L1の値は、表1に示す通りである。表1より、各実施例1〜4では、L2/L1の値は、折り返しミラーの設置を考慮したときの上述した値(L2/L1=8)よりも確実に小さい値であり、装置の薄型化が確実に達成されていることが分かる。
Figure 2010021331
また、表2は、各実施例1〜4での各パラメータ(条件式を含む)の値を示している。表2より、各実施例1〜4のレーザー投射装置PJは、上述した各種の条件式を全て満足していることが分かる。なお、表2中のθscan(H)_all、θscan(V)_allは、それぞれ、偏向装置3のミラー部10の機械走査角度の最大値(絶対値)を示している。つまり、実際の投影では、その範囲内の角度をθscan(H) 、θscan(V) として使用している。
Figure 2010021331
なお、以上では、レーザー投射装置PJを机上に置き、スクリーンSCに対してレーザー光を下から投射することを想定しているが、例えばレーザー投射装置PJを天井に固定して、スクリーンSCに対してレーザー光を上から投射する場合でも、本発明の効果を得ることができる。
本発明は、レーザー光源からの光を偏向して被投射面を2次元に走査する偏向装置を用いて、被投射面に2次元画像を表示するレーザー投射装置に利用可能である。
1 レーザー光源
3 偏向装置
4 打ち上げミラー
5 打ち下ろしミラー
10 ミラー部(反射部材)
51 圧電素子
52 圧電素子
53 圧電素子
54 圧電素子
SC スクリーン(被投射面)

Claims (10)

  1. レーザー光源と、
    前記レーザー光源からの光を反射部材によって互いに直交する第1の走査方向および第2の走査方向に偏向して被投射面を2次元に走査する偏向装置とを備え、前記偏向装置の偏向状態に応じて前記レーザー光源の出力を調整することにより、前記被投射面に2次元画像を表示するレーザー投射装置であって、
    前記偏向装置の第1の走査方向の走査速度は、第2の走査方向の走査速度よりも速く、
    前記偏向装置は、前記レーザー光源からの光を偏向することにより、前記被投射面に対して第2の走査方向において斜めから投射し、
    前記レーザー光源からの光線が前記偏向装置にて偏向されて前記被投射面の画面中心に入射するときの前記偏向装置の偏向状態を画面中心表示状態とし、第2の走査方向において、前記偏向装置にて偏向された光線の前記被投射面への入射角度が小さいほうから大きいほうに向かう方向を正としたとき、
    前記レーザー光源からの光は、前記偏向装置に対して第2の走査方向の負側から入射し、
    前記画面中心表示状態における前記偏向装置の前記反射部材の法線は、前記被投射面の法線に対して第2の走査方向の負側に傾いていることを特徴とするレーザー投射装置。
  2. 前記第2の走査方向は、鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー投射装置。
  3. 以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー投射装置;
    0.25<θmems/θin<0.75 ・・・(1)
    ただし、
    θmems;画面中心表示状態における前記偏向装置の前記反射部材
    の法線と前記被投射面の法線とが第2の走査方向でなす
    角度
    θin ;画面中心表示状態において前記レーザー光源からの主光
    線が前記偏向装置の前記反射部材に入射するときの第2
    の走査方向の入射角度
    である。
  4. 以下の条件式(1a)をさらに満足することを特徴とする請求項3に記載のレーザー投射装置;
    0.3<θmems/θin<0.7 ・・・(1a)
    である。
  5. 前記レーザー光源の光の射出方向は、画面中心表示状態における前記偏向装置の前記反射部材の法線方向と直交しており、
    前記レーザー光源からの光をねじれた方向に打ち上げる打ち上げミラーと、
    前記打ち上げミラーにて打ち上げられた光を前記偏向装置に打ち下ろす打ち下ろしミラーとをさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレーザー投射装置。
  6. 前記偏向装置は、圧電素子への電圧印加によって前記反射部材を回動させることにより、前記反射部材に入射する前記レーザー光源からの光を偏向する圧電駆動方式で駆動されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレーザー投射装置。
  7. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のレーザー投射装置;
    θin/θscan(V) >1.5 ・・・(2)
    ただし、
    θin ;画面中心表示状態において前記レーザー光源からの主光
    線が前記偏向装置の前記反射部材に入射するときの第2
    の走査方向の入射角度
    θscan(V) ;前記偏向装置の画面中心表示状態からの第2の走
    査方向の機械走査角度
    である。
  8. 以下の条件式(2a)をさらに満足することを特徴とする請求項7に記載のレーザー投射装置;
    θin/θscan(V) >2 ・・・(2a)
    である。
  9. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項7または8に記載のレーザー投射装置;
    θin≦35° ・・・(3)
    である。
  10. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のレーザー投射装置;
    1.1<cos(θin)×θscan(H)/θscan(V)<1.5・・・(4)
    ただし、
    θin ;画面中心表示状態において前記レーザー光源からの主光
    線が前記偏向装置の前記反射部材に入射するときの第2
    の走査方向の入射角度
    θscan(H) ;前記偏向装置の画面中心表示状態からの第1の走
    査方向の機械走査角度
    θscan(V) ;前記偏向装置の画面中心表示状態からの第2の走
    査方向の機械走査角度
    である。
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