JPWO2009078472A1 - 通信方法、システム及び通信装置 - Google Patents
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Abstract
空間多重通信に伴う通信阻害を軽減することである。複数の空間ストリームに、伝搬路予測に基づいて優先度を付け、優先度の高い空間ストリームに優先度の高いデータを割り当てる空間多重通信方法が得られる。このような構成の採用により、伝搬路特性の時間変化に追従するための逆方向の通信頻度を減らす事により、通信阻害せずに逆方向の通信リソースを有効活用でき、また、通信阻害が発生しにくく再送制御による遅延を生じにくくする目的を達成する。
Description
本発明は、空間多重通信方法、システム、及び送受信機等の通信装置に関する。
この種の空間多重通信は映像情報、音声情報等のマルチメディア情報を送受するために用いられている。このようなマルチメディア情報には、重要さに応じて優先度が設定できる。例えば、映像情報として音声と画像が同時に送信される時は、音声情報は画像情報より優先度が高い。また、スケーラブル符号化は、同じマルチメディア情報から量子化の粗さの異なる複数の情報を生成し、これによって、優先度が異なる情報を生成している。更に、画像符号化には、興味範囲(ROI:Region of interest)という優先度の高い範囲の概念がある。解像度を上げるとデータ量が増えるが、アニメ画像の境界や文字などの重要部分のみの解像度を上げることはデータ量を上げないで解像度を上げる有効な手段である(非特許文献1、非特許文献2参照)。このように、マルチメディア情報はその情報の特徴による優先度がある(非特許文献12参照)。例えば、データの品質を保証しない優先度をバックグラウンド、ベストエフォート、データの品質を保証する優先度はギャランティといい、データにより更に細かく優先度が規定されている(非特許文献13参照)。
スケーラビリティには、SNRスケーラビリティ、空間スケーラビリティ、時間スケーラビリティ、ROIスケーラビリティがある。
スケーラビリティ符号化は、同じ情報元から品質の低い少ない量のデータを生成できると共に、品質の高い多いデータを生成することができる。
これは、放送通信において、同一データ配信で、品質の異なる複数のタイプの通信を可能にするものである。
具体的には、JPEG2000,H.264,MPEG4,MPEG4 AACなどの多くの標準方式がある。例として、空間スケーラビリティを用いて説明すると、スケーラブル符号化は、最も解像度の低い基本レイヤと、それと合わせて解像度を上げるための拡張レイヤのデータ列を送信する。
受信側では、各々の装置の処理能力に応じて選択的に受信する。解像度の低い携帯端末は基本レイヤのみを受信し、他の情報は受信せず破棄する。大きな表示部を持つ装置は基本レイヤに加えて拡張レイヤのデータ列を全て受信して解像度を高める。(非特許文献1、非特許文献2参照)。
一方、特定の1つもしくは複数の送受信機間で通信を行うパーソナル通信では、空間多重通信(MIMO:Multi Input Multi Output)が行なわれる。MIMOには、受信側で伝搬路計算をするSDM(Space Division Multiplexing)の他に、送受信機間の伝搬路特性から計算したウェイトを送信側で乗算して高速化するE−SDM(Eigenbeam−Space Division Multiplexing)やW−SDM(Weighted−Space Division Multiplexing)がある(特許文献2参照)。
例として、図11に固有値を用いた空間多重方法であるE−SDMを示す。
M本の送信アンテナ703、N本の受信アンテナ705で構成する伝搬路の空間多重ストリーム数mの最大値はm≦min(M,N)で与えられる。min(M,N)は、MかNのどちらか小さい数値である。伝搬路特性の相互相関が問題とならない時はm=min(M,N)が得られ、問題となる場合は固有値の数が減りm<min(M,N)となる。
周波数分割複信方式(FDD方式)では、上りと下りの周波数が異なるために伝搬路特性が異なるため、受信側で、送信側から受信側に送られた既知信号(もしくは擬似的に既知信号として取り扱うことのできる正しく受信された信号)を受信する際、受信側で既知信号の複素共役を乗算し、雑音の影響を除くために平均化して伝搬路特性を計算する。結果として、送信アンテナjと受信アンテナk間の伝搬路計算値hkj(k=1,2,…N,j=1,2,…M)を得る。
既知信号は、アンテナ毎に伝搬路を判別するための信号であり、同一時間に送信の場合はアンテナ毎に異なる信号であるが、上りのサウンディングなど時間指定するときは同じ信号でも良い。この伝搬路計算値を用いて伝搬路行列H(704)を得る。
特異値分解などを用いて、相関行列HHHとHHHの共通の固有値λi(i=1,2,…m)を求める。
{・}Hは行列の複素共役転置を表す。
相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルet,i、相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルer,iを用いて、送信側ウェイトEt(702)及び受信側ウェイトEr H(706)を以下に設定する事で固有値伝送を行う。
固有値、固有ベクトルの求め方には、特異値分解の他に、ラグランジュ法、QR分解、シュール分解、Householder法、BD法など多くの方法が提案されている(非特許文献5参照)。
このとき、第i空間ストリームに割り付ける信号Siにより構成するS(703)と、送信アンテナ(または偏波)jで伝送する信号xjの関係は以下になる。
ここで、yt,i,j(i=1,2,…,m,j=1,2,…M)は空間ストリームλiの固有ベクトルet,iの要素であり、αiは各空間ストリームの電力制御に用いるゲインである。
αiは、各空間ストリームの固有値と受信側の雑音情報と空間ストリームの総電力にから、注水定理により決定する。これにより、第i空間ストリームの信号対雑音比SNRiが決定すると、通信容量の上限Ciを決定できる(特許文献3参照)。
このとき、Wは通信帯域、σ2は受信側の雑音、Piは送信側で設定する電力である。
実際のシステムの例では、受信側の移動局が伝搬路情報によって、システムで用意される離散的な値の中から電力及びデータレートを指定する。伝搬路情報の従来例としては単位ブロック当たりのデータ量を選択するCQI(Channel Quality Indicator)、ウェイトを通知するPCI(Precoding control indicator)やCodebook Indexがあり、ウェイト更新間隔Precoding update Intervalについても検討されている(非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12参照)。
その後に、スケジューラがデータレートに合わせてデータを割り付ける。
受信信号R(707)は、以下のように与えられる。
W−SDMでは、伝搬路特性に基づいて送信側では送信電力制御及び伝送レート制御のみを行う。従って、空間ストリーム数m=Mであり、αiを空間ストリーム毎に制御するのみである。
受信側では、いくつかの方法があり、例えばZF(Zero forcing)とMMSE(Minimum Mean Square Error)がある。
ZFの受信ウェイトをWr_ZF、MMSEの送信ウェイトをWr_MMSEとすると、以下のようである。
ここでσ2は受信側雑音、Iは単位行列である。
送信する情報を各空間ストリームで送信可能なデータレートに分配して送信する事で、無線リソースを有効活用して伝送できる(非特許文献7、非特許文献8参照)。
また、周波数分割複信方式(FDD)においては、上りと下りで周波数が異なる為、伝搬路特性も異なる。従って、下りで固有値伝送を行う場合は上りから下りに、上りで固有値伝送を行う場合は下りから上りにEtを通知する必要がある(特許文献1参照)。
この通知する信号を削減するためのコードブックという符号化方法がある(非特許文献3参照)。
時分割複信方式(TDD)においては、FDDと同じ方法を用いる場合もあるが、上りと下りの伝搬路特性が等しい為、送信側で伝搬路特性を計算できる。この場合は、伝搬路計算を行う元になる信号を受信側から送信側に送信する必要がある。送信信号は、プリアンブルやサウンディングという既知信号の送信を行う方法が一般的であるが、先に述べる再送制御において、ACK、NACKなどの制御信号を代わりに用いた無線リソース削減方法も提案されている(非特許文献7参照)。
送信側で符号化し、受信側で復号する事により復号データ誤りを含むかどうかを判定出来る。そして、受信側から送信側に受信データが誤りを含むかどうかをACK、NACK信号で通知し、再送制御を行う方法がある(特許文献1参照)。
また、送信ウェイト更新を頻繁に行わない時、最大固有値の空間ストリームは劣化しやすい事が報告されている(非特許文献4参照)。
関連する技術として、伝搬路の変動を予測するチャネル行列変動予測と(特許文献4参照)、送信順序を受信側から送信側に指定するオーダリング(特許文献5参照)、データの優先度に応じた適応変調を行う優先度制御(特許文献6参照)がある。
特開2007−166633号公報 ([0017]−[0021]、図1)
特表2005−502223号公報 ([0079]−[0096]、図1、図5)
特開2005−252834号公報 ([0018]−[0022])
特開2006−303625号公報 ([0044]、図1)
特開2006−13680号公報 ([0024]−[0029]、図4、図5)
特開2006−333283号公報 ([0033]−[0037]、図1、表2)
高村 誠之,八島 由幸,「H.264に基づくスケーラブル動画像可逆符号化」信学会D誌、2006年2月、Vol.J89−D No.2 pp.314−322
金 弘林,藤吉 正明,関 裕介,貴家 仁志,「法演算を用いるJPEG2000符号化画像への情報埋込法」 信学会A誌、2006年3月、Vol.J89−A No.3 pp.234−242(ROI)
3GPP,TS 36.211 v.8.0,(6.3.4.2.3.Codebook for precoding,p.29)2007年9月
森,田邊,佐藤,"SVD−MIMOシステムにおける伝搬路時間変動にロバストなリンクアダプテーション方式",B−5−39,ソ大論文,2007年9月
Y.Karasawa,″Innovative Antennas and Propagation Studies for MIMO Systems,″IEICE Trans.Communs.,Special Section:2006 International Symposium on Antennas and Propagation(ISAP2006),vol.E90−B,no.9,pp.2194−2202,2007年3月 2.1章
三上学,藤井輝也,"フィードバック遅延およびアンテナ相関の影響を考慮したMIMO伝送方式の性能評価",B−5−80,信学総合大会,2005年3月(図2)
堤貴彦,西村寿彦,大鐘武雄,"各種空間多重方式におけるチャネル情報誤差の影響に関する検討",Vol.J89−B No.9,pp.1496−1504,電子通信学会論文誌B,2004年9月
衣斐信介,三瓶政一,森永 規彦,"伝送容量制御型MIMO適応変調方式",Vol.J88−B No.6 pp.1090−1101,電子通信学会論文誌B,2005年6月 pp.1092−1093,式(9)
水谷慶,坂口啓,高田潤一,荒木純道,"リアルタイム伝搬測定にもとづくMIMO固有モード間相関解析",B−1−247,信学ソサイエティ大会,2005年9月 (式(2)、式(3))
3GPP,TS 25.214 v.7.6,(9.p.71−72,MIMOブロック図,6.A.2.2−6.a.4,p.44−55 HARQ,PCI)2007年9月
3GPP,R1−072843"Way Forward on 4−Tx Antenna Codebook for SU−MIMO"2007年6月
3GPP,R1−070093"Investigations on Codebook Size for MIMO Precoding in E−UTRA Downlink"2007年1月 Figurel
守倉正博,久保田周治,"802.11高速無線LAN教科書",2004年12月,インプレス
スケーラビリティには、SNRスケーラビリティ、空間スケーラビリティ、時間スケーラビリティ、ROIスケーラビリティがある。
スケーラビリティ符号化は、同じ情報元から品質の低い少ない量のデータを生成できると共に、品質の高い多いデータを生成することができる。
これは、放送通信において、同一データ配信で、品質の異なる複数のタイプの通信を可能にするものである。
具体的には、JPEG2000,H.264,MPEG4,MPEG4 AACなどの多くの標準方式がある。例として、空間スケーラビリティを用いて説明すると、スケーラブル符号化は、最も解像度の低い基本レイヤと、それと合わせて解像度を上げるための拡張レイヤのデータ列を送信する。
受信側では、各々の装置の処理能力に応じて選択的に受信する。解像度の低い携帯端末は基本レイヤのみを受信し、他の情報は受信せず破棄する。大きな表示部を持つ装置は基本レイヤに加えて拡張レイヤのデータ列を全て受信して解像度を高める。(非特許文献1、非特許文献2参照)。
一方、特定の1つもしくは複数の送受信機間で通信を行うパーソナル通信では、空間多重通信(MIMO:Multi Input Multi Output)が行なわれる。MIMOには、受信側で伝搬路計算をするSDM(Space Division Multiplexing)の他に、送受信機間の伝搬路特性から計算したウェイトを送信側で乗算して高速化するE−SDM(Eigenbeam−Space Division Multiplexing)やW−SDM(Weighted−Space Division Multiplexing)がある(特許文献2参照)。
例として、図11に固有値を用いた空間多重方法であるE−SDMを示す。
M本の送信アンテナ703、N本の受信アンテナ705で構成する伝搬路の空間多重ストリーム数mの最大値はm≦min(M,N)で与えられる。min(M,N)は、MかNのどちらか小さい数値である。伝搬路特性の相互相関が問題とならない時はm=min(M,N)が得られ、問題となる場合は固有値の数が減りm<min(M,N)となる。
周波数分割複信方式(FDD方式)では、上りと下りの周波数が異なるために伝搬路特性が異なるため、受信側で、送信側から受信側に送られた既知信号(もしくは擬似的に既知信号として取り扱うことのできる正しく受信された信号)を受信する際、受信側で既知信号の複素共役を乗算し、雑音の影響を除くために平均化して伝搬路特性を計算する。結果として、送信アンテナjと受信アンテナk間の伝搬路計算値hkj(k=1,2,…N,j=1,2,…M)を得る。
既知信号は、アンテナ毎に伝搬路を判別するための信号であり、同一時間に送信の場合はアンテナ毎に異なる信号であるが、上りのサウンディングなど時間指定するときは同じ信号でも良い。この伝搬路計算値を用いて伝搬路行列H(704)を得る。
特異値分解などを用いて、相関行列HHHとHHHの共通の固有値λi(i=1,2,…m)を求める。
{・}Hは行列の複素共役転置を表す。
相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルet,i、相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルer,iを用いて、送信側ウェイトEt(702)及び受信側ウェイトEr H(706)を以下に設定する事で固有値伝送を行う。
固有値、固有ベクトルの求め方には、特異値分解の他に、ラグランジュ法、QR分解、シュール分解、Householder法、BD法など多くの方法が提案されている(非特許文献5参照)。
このとき、第i空間ストリームに割り付ける信号Siにより構成するS(703)と、送信アンテナ(または偏波)jで伝送する信号xjの関係は以下になる。
ここで、yt,i,j(i=1,2,…,m,j=1,2,…M)は空間ストリームλiの固有ベクトルet,iの要素であり、αiは各空間ストリームの電力制御に用いるゲインである。
αiは、各空間ストリームの固有値と受信側の雑音情報と空間ストリームの総電力にから、注水定理により決定する。これにより、第i空間ストリームの信号対雑音比SNRiが決定すると、通信容量の上限Ciを決定できる(特許文献3参照)。
このとき、Wは通信帯域、σ2は受信側の雑音、Piは送信側で設定する電力である。
実際のシステムの例では、受信側の移動局が伝搬路情報によって、システムで用意される離散的な値の中から電力及びデータレートを指定する。伝搬路情報の従来例としては単位ブロック当たりのデータ量を選択するCQI(Channel Quality Indicator)、ウェイトを通知するPCI(Precoding control indicator)やCodebook Indexがあり、ウェイト更新間隔Precoding update Intervalについても検討されている(非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12参照)。
その後に、スケジューラがデータレートに合わせてデータを割り付ける。
受信信号R(707)は、以下のように与えられる。
W−SDMでは、伝搬路特性に基づいて送信側では送信電力制御及び伝送レート制御のみを行う。従って、空間ストリーム数m=Mであり、αiを空間ストリーム毎に制御するのみである。
受信側では、いくつかの方法があり、例えばZF(Zero forcing)とMMSE(Minimum Mean Square Error)がある。
ZFの受信ウェイトをWr_ZF、MMSEの送信ウェイトをWr_MMSEとすると、以下のようである。
ここでσ2は受信側雑音、Iは単位行列である。
送信する情報を各空間ストリームで送信可能なデータレートに分配して送信する事で、無線リソースを有効活用して伝送できる(非特許文献7、非特許文献8参照)。
また、周波数分割複信方式(FDD)においては、上りと下りで周波数が異なる為、伝搬路特性も異なる。従って、下りで固有値伝送を行う場合は上りから下りに、上りで固有値伝送を行う場合は下りから上りにEtを通知する必要がある(特許文献1参照)。
この通知する信号を削減するためのコードブックという符号化方法がある(非特許文献3参照)。
時分割複信方式(TDD)においては、FDDと同じ方法を用いる場合もあるが、上りと下りの伝搬路特性が等しい為、送信側で伝搬路特性を計算できる。この場合は、伝搬路計算を行う元になる信号を受信側から送信側に送信する必要がある。送信信号は、プリアンブルやサウンディングという既知信号の送信を行う方法が一般的であるが、先に述べる再送制御において、ACK、NACKなどの制御信号を代わりに用いた無線リソース削減方法も提案されている(非特許文献7参照)。
送信側で符号化し、受信側で復号する事により復号データ誤りを含むかどうかを判定出来る。そして、受信側から送信側に受信データが誤りを含むかどうかをACK、NACK信号で通知し、再送制御を行う方法がある(特許文献1参照)。
また、送信ウェイト更新を頻繁に行わない時、最大固有値の空間ストリームは劣化しやすい事が報告されている(非特許文献4参照)。
関連する技術として、伝搬路の変動を予測するチャネル行列変動予測と(特許文献4参照)、送信順序を受信側から送信側に指定するオーダリング(特許文献5参照)、データの優先度に応じた適応変調を行う優先度制御(特許文献6参照)がある。
しかしながら、特許文献1〜6、及び、非特許文献1〜13に記載された方法はいずれも、次のような問題点を有している。第1の問題点は、伝搬路特性の変化に追従するために頻繁に逆方向の通信を行うため、リソースを無駄に使用してしまうということである。
具体的に説明すると、周波数複信方式(FDD)においては、受信側で計算した伝搬路特性を符号化した伝搬路情報が送信側へ通知されている。また、時分割複信方式(TDD)においては、FDDと同様の方法が採用される一方、また別な方法として、送信側で伝搬路特性を計算する為に、受信側から送信側に送られる既知信号もしくは既知信号の代わりの信号の送信が行われる方法が採用されることもある。
第2の問題点は、再送制御によって生じる遅延である。
その理由は、通信中に誤りが発生すると、受信側から送信側に再送要求し、送信側から再送して再度受信するために時間が掛かるためである(再送制御は非特許文献6参照)。
第3の問題点は、E−SDMでは、ウェイト更新のための計算が頻繁に行われるということである。その理由は、伝搬路特性の変化に追従するために、伝搬路特性の取得とそれに基づくウェイト計算を頻繁に行う為である。
このような問題点のために、従来の通信方法では、マルチメディア通信の停止、例えば、映像停止等の通信阻害が発生する場合があった。
具体的に説明すると、周波数複信方式(FDD)においては、受信側で計算した伝搬路特性を符号化した伝搬路情報が送信側へ通知されている。また、時分割複信方式(TDD)においては、FDDと同様の方法が採用される一方、また別な方法として、送信側で伝搬路特性を計算する為に、受信側から送信側に送られる既知信号もしくは既知信号の代わりの信号の送信が行われる方法が採用されることもある。
第2の問題点は、再送制御によって生じる遅延である。
その理由は、通信中に誤りが発生すると、受信側から送信側に再送要求し、送信側から再送して再度受信するために時間が掛かるためである(再送制御は非特許文献6参照)。
第3の問題点は、E−SDMでは、ウェイト更新のための計算が頻繁に行われるということである。その理由は、伝搬路特性の変化に追従するために、伝搬路特性の取得とそれに基づくウェイト計算を頻繁に行う為である。
このような問題点のために、従来の通信方法では、マルチメディア通信の停止、例えば、映像停止等の通信阻害が発生する場合があった。
更に、特許文献4及び6は、伝搬路の予測に基づいて送信データの優先度に応じた伝送方式を選択することを開示しているだけである。
本発明では、複数の空間ストリームの劣化予測と送信データの優先度を明確に関連づけることによって、優先度付きデータの通信を阻害せず、無線リソースを有効に活用し、再送制御による遅延を削減し、送信ウェイト計算頻度を削減できる。
具体的に云えば、本発明の原理は、複数の空間ストリームに空間の劣化予測(伝搬路予測)に基づいて、空間ストリームに優先度を与え、当該空間ストリームの優先度を考慮して送信データを割り付けることにより、再送制御等による悪影響を軽減することにある。
即ち、本発明によれば、複数の多重ストリームに、伝搬路予測に基づいて優先順位を付け、優先順位の高い多重ストリームに優先度の高いデータを割り当てる通信方法が得られる。具体的には、本発明の特定送受信機間の優先度付きデータの空間多重通信方法は、優先度割付部と、空間多重送信部と、空間多重受信部と、優先度付き復号手段と、伝搬路推定手段と、伝搬路予測優先度判定手段とを備え、劣化しにくい空間ストリームに高い優先度の優先度付きデータを割り付けるように動作する。
このような構成を採用し、優先度付きデータの通信の場合は、伝搬路特性の時間変化に追従するための逆方向の通信頻度を減らす事により、通信阻害せずに逆方向の通信リソースを有効活用でき、E−SDMなどの送信側でも伝搬路特性追従のためのウェイト計算が必要な方法を用いる場合には、伝搬路特性追従ためのウェイト計算処理回数を低減でき、また、通信阻害の発生を少なくし、再送制御による遅延を軽減できる。
本発明では、複数の空間ストリームの劣化予測と送信データの優先度を明確に関連づけることによって、優先度付きデータの通信を阻害せず、無線リソースを有効に活用し、再送制御による遅延を削減し、送信ウェイト計算頻度を削減できる。
具体的に云えば、本発明の原理は、複数の空間ストリームに空間の劣化予測(伝搬路予測)に基づいて、空間ストリームに優先度を与え、当該空間ストリームの優先度を考慮して送信データを割り付けることにより、再送制御等による悪影響を軽減することにある。
即ち、本発明によれば、複数の多重ストリームに、伝搬路予測に基づいて優先順位を付け、優先順位の高い多重ストリームに優先度の高いデータを割り当てる通信方法が得られる。具体的には、本発明の特定送受信機間の優先度付きデータの空間多重通信方法は、優先度割付部と、空間多重送信部と、空間多重受信部と、優先度付き復号手段と、伝搬路推定手段と、伝搬路予測優先度判定手段とを備え、劣化しにくい空間ストリームに高い優先度の優先度付きデータを割り付けるように動作する。
このような構成を採用し、優先度付きデータの通信の場合は、伝搬路特性の時間変化に追従するための逆方向の通信頻度を減らす事により、通信阻害せずに逆方向の通信リソースを有効活用でき、E−SDMなどの送信側でも伝搬路特性追従のためのウェイト計算が必要な方法を用いる場合には、伝搬路特性追従ためのウェイト計算処理回数を低減でき、また、通信阻害の発生を少なくし、再送制御による遅延を軽減できる。
本発明によれば、優先度付きデータの通信を阻害せず、受信側から送信側への無線リソースを有効活用できることにある。その理由は、空間ストリームの時間変化による品質劣化を予測して優先度を空間ストリームに設定し、空間ストリームの優先度に従って優先度付きデータを割り付ける事で、伝搬路特性の追従頻度を減らしても、優先度付きデータの通信は阻害されないためである。
更に、本発明では、E−SDMでは、優先度付きデータの通信を停止しないで、送信ウェイト計算頻度を削減できることにある。その理由は、伝搬路特性の時間変化に追従するための送信ウェイトの計算頻度を減らしても、優先度の高い優先度付きデータが誤り無く通信でき通信阻害されないためである。
更に、本発明では、E−SDMでは、優先度付きデータの通信を停止しないで、送信ウェイト計算頻度を削減できることにある。その理由は、伝搬路特性の時間変化に追従するための送信ウェイトの計算頻度を減らしても、優先度の高い優先度付きデータが誤り無く通信でき通信阻害されないためである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムを説明するためのブロック図である。
図2は、本発明に係る通信システムの動作を概略的に説明刷るフローチャートである。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る通信システムを説明するブロック図である。
図4は、第1の実施形態に係る通信システムの動作を具体的に説明するフローチャートである。
図5は、第1の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
図6は、第1の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
図7A〜図7Eは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示すブロック図である。
図8A〜図8Eは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示すブロック図である。
図9A〜図9Dは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示すブロック図である。
図10A及び図10Bは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示す模式図である。
図11は、従来例を説明するための模式図である。
図12A及び図12Bは、本発明の第3の実施形態を説明するブロック図である。
図13は、第3の実施形態に係るシステムの動作を説明するフローチャートである。
図2は、本発明に係る通信システムの動作を概略的に説明刷るフローチャートである。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る通信システムを説明するブロック図である。
図4は、第1の実施形態に係る通信システムの動作を具体的に説明するフローチャートである。
図5は、第1の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
図6は、第1の発明を実施するための最良の形態の動作を示す流れ図である。
図7A〜図7Eは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示すブロック図である。
図8A〜図8Eは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示すブロック図である。
図9A〜図9Dは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示すブロック図である。
図10A及び図10Bは、本発明の他の実施例を説明するための構成を示す模式図である。
図11は、従来例を説明するための模式図である。
図12A及び図12Bは、本発明の第3の実施形態を説明するブロック図である。
図13は、第3の実施形態に係るシステムの動作を説明するフローチャートである。
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る通信システムは、特定の一つ又は複数の送受信機間の優先度付きデータ通信を行う。図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、優先度割付部101と、空間多重送信部102と、空間多重受信部103と、優先度付き復号部104と、伝搬路推定部106と、伝搬路予測優先度設定部105とを含む。
伝搬路107は、特定の一つ又は複数の送受信機間の通信を行う空間多重伝搬路であり、時間と共に変化する場合がある。
伝搬路予測優先度設定部105と伝搬路推定部106は、送信側及び受信側のどちらにあっても良い。例えば、周波数分割複信方式(FDD方式)では伝搬路推定部は受信側に必要だが、時間分割複信方式(TDD方式)では、上りと下りは同じ伝搬路となるため、送受信側どちらでも可能である。
図1に示された第1の実施の形態における動作を概略的に説明する。
まず、優先度付きデータは、各々関連する異なる優先度の複数のデータ列で構成される。
ここで、データの優先度は、データの重要度に応じて付けられる。例えば、音声情報と画像情報の混在するビデオ情報においては、音声情報の方が画像情報より優先度が高く、また、スケーラブル符号化データでは、基本レイヤと呼ばれる最も品質が低く量の小さいデータの優先度は、品質を上げる為の拡張レイヤより優先度が高い。
優先度付きデータの通信の場合は、以下の動作を行い、伝搬路情報の更新周期を長くする。まず、優先度割付部101は優先度付きデータの優先度の高いものから順次、空間ストリームに割り付ける。
ここで、本発明では、空間ストリームにも優先度が付けられており、この実施形態の優先度割付部101は、優先度付きデータは、その優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。
空間多重送信部102は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の複数偏波を用いて複数空間ストリームを形成し、空間多重送信を行う。空間多重方法には、ウェイト乗算をしない方法(SDMなど)と、ウェイト乗算をする方法(W−SDM,E−SDMなど)がある。
伝搬路推定部106は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、その既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により、各々の送受信アンテナ(もしくは偏波)間における空間多重伝搬路の特性を計算し、伝搬路計算値を出力する。
伝搬路予測優先度設定部105は、伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付ける。
空間多重受信部103は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の偏波を用いて受信し、信号処理によって空間多重された信号を分離する。
優先度付き復号部104は、優先度付き符号化信号を復号する。優先度付き復号は、伝搬路特性の変化によって優先度の高い情報が誤る場合は通信阻害となるが、優先度の低い情報が誤り、優先度の高い情報が正しく伝搬されると品質劣化となり通信成功となる。
従って、本発明では、空間ストリームに優先度を割り付けることにより、伝搬路特性の追従性低下による誤りを、優先度付きデータの優先度の低い部位に偏らせることができる。これにより、通信を阻害せず、伝搬路情報の更新のための逆方向の通信頻度を減らして通信リソースを有効利用し、E−SDMにおいては伝搬路特性の送信ウェイトへの反映頻度を減らして計算回数を低減し、通信阻害し難くすることで再送制御による遅延の発生を低減する事が可能となる。
次に、図1及び図2を参照して本実施の形態の全体の動作について詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態は、特定の一つ又は複数の送受信機間のパーソナル通信の優先度付きデータを通信する場合におけるものである。
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態で送受される優先度付きデータは、各々関連する優先度の付いた複数のデータ列で構成されている。データ列の優先度は、情報の重要度に応じて付けられる。前述したように、音声情報と画像情報の混在するビデオ情報においては、音声情報は画像情報より優先度が高く、また、スケーラブル符号化データでは、基本レイヤと呼ばれる最も品質が低く量の小さいデータの優先度は、品質を上げる為の拡張レイヤより優先度が高い。
優先度付きデータは、優先度割付部101において、優先度の高いデータ列から順次、優先度の高い空間ストリームに割り付けられる。
各空間ストリームに割り付けられた優先度付きデータは、空間多重送信部102において、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の複数偏波を用いて、伝搬路計算値から計算したウェイトを乗算され空間多重送信される。
ウェイトを乗算する方法の一つであるE−SDMについて具体的にウェイト計算方法を説明すると、伝搬路推定部106から送信される送信アンテナjと受信アンテナk間の伝搬路計算値hkj(k=1,2,…N,j=1,2,…M)から、伝搬路行列Hを得る。
特異値分解などを用いて、相関行列HHHとHHHの共通の固有値λi(i=1,2,…m)を求める。
{・}Hは行列の複素共役転置を表す。
相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルet,i、相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルer,iを用いて、送信側ウェイトEt及び受信側ウェイトEr Hを以下に設定する事で固有値伝送を行う。
このとき、第i空間ストリームに割り付ける情報Siと、送信アンテナ(または偏波)jで伝送する信号xjの関係は以下になる。
ここで、yt,i,j(i=1,2,…,m,j=1,2,…M)は空間ストリームλiの固有ベクトルet,iの要素であり、αiは各空間ストリームの電力制御に用いるゲインである。
W−SDMは、伝搬路特性に基づいて送信側で送信電力制御及び伝送レート制御のみを行う。従って、空間ストリーム数m=Mであり、αiを空間ストリーム毎に制御するのみである。
X=S 式27
伝搬路107は空間多重伝搬路である。
伝搬路推定部106は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、その既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により、各々の送受信アンテナ(もしくは偏波)間における空間多重伝搬路の特性を計算し、伝搬路計算値を出力する。
即ち、伝搬路推定部106では、伝搬路を通った信号に既知信号もしくは疑似既知信号の複素共役を乗算し、雑音の影響を除くために平均化して伝搬路特性を計算する動作が行われる。結果として、送信アンテナjと受信アンテナk間の伝搬路計算値hkj(k=1,2,…N,j=1,2,…M)を得る。この伝搬路計算値を用いて伝搬路行列Hを得る。
次に、伝搬路予測優先度設定部105は、伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を空間ストリームの優先度として割り付ける。
図2のフローチャートに基づいて、伝搬路予測優先度設定部105における劣化予測方法について説明すると、伝搬路計算値が入力されると(ステップa1)、空間ストリームの劣化しやすさの指標を計算し(ステップa2)、劣化しやすさに基づいて各空間ストリームの優先度を設定する(ステップa3)。
上記した伝搬路推定部106、伝搬路予測優先度設定部105、及び、優先度割付部101の動作は、ハードウェア回路によって実現できるだけでなく、ソフトウェアによっても実現できる。このことは、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
空間多重受信部103は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の偏波を用いて受信し、信号処理によって空間多重送信された信号を分離する。優先度付き復号部104は、優先度付き符号化信号を復号する。
優先度付き復号は、伝搬路特性の変化によって優先度の高い情報が誤る場合は通信阻害となるが、優先度の低い情報が誤っていても優先度の高い情報が正しく伝搬されると品質劣化となるだけで通信成功となる。
従って、本発明に係る方式は、優先度割付により、伝搬路特性の追従性低下による誤りを、優先度付きデータの優先度の低い部位に偏らせる事ができる。この結果、優先度の低い情報が誤っていても、通信は阻害されることがなく、また、伝搬路特性の送信ウェイトに対する反映頻度を減らすことが可能になる。
次に、本発明の第2の発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第2の実施の形態は、特定の一つ又は複数の送受信機間における優先度付きデータ通信に関するものであり、図3を参照すると、本発明の第2の実施の形態の動作は、優先度付きデータは、各々関連する異なる優先度の複数のデータ列で構成される情報である。
データ列に付けられる優先度は、この実施形態においても、データ列の重要度に応じて付けられる。例えば、音声情報と画像情報の混在するビデオ情報においては、音声情報は画像情報より優先度が高く、また、スケーラブル符号化データでは、基本レイヤと呼ばれる最も品質が低く量の小さいデータの優先度は、品質を上げる為の拡張レイヤより優先度が高い。
優先度付きデータは、優先度割付部201において、優先度の高いデータ列から順次、優先度の高い空間ストリームに割り付けられる。
各空間ストリームに割り付けられた優先度付きデータは、多重送信部202において、多重送信される。多重方法は、空間多重、周波数多重、時間多重がある。
伝搬路推定部206は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、伝搬路を通った信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により、各々の伝搬路の特性を計算し、伝搬路計算値を出力する。
この実施形態では、伝搬路計算値は伝搬路予測優先度設定部205に通知され、多重送信部202には通知されていない点で、図1とは相違している。
伝搬路予測優先度設定部205は、通知される伝搬路特性から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付け、各空間ストリームの優先度を出力する。
ここで言う伝搬路特性とは、信号対雑音比などであり、1度の計算から予測する場合は、値が比較値と比べて低いなどである。
また、繰り返し通信中においては、今回と前回の伝搬路計算値の変化から、各空間ストリームの安定性を判断して、安定した空間ストリームにはそうでない空間ストリームより高い優先度を設定するなどである。
通信中においてパケットを繰り返し送受信する状態では、伝搬路計算値を繰り返し計算して空間ストリームの優先度を設定し直す。
図2に示されたフローチャートを再度参照して、図3に示された伝搬路予測優先度設定部205で行われる劣化予測方法について説明する。伝搬路計算値が伝搬路予測優先度設定部205に入力されると(ステップa1)、空間ストリームの劣化しやすさの指標を計算し(ステップa2)、劣化しやすさに基づいて各空間ストリームの優先度を設定する(ステップa3)。
本実施の形態における空間ストリームは、空間多重における空間ストリームと各アンテナ間伝搬路と、また、周波数、時間多重による無線リソースを含む。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムを具体的に説明する。
本発明の第3の実施の形態に係る通信システムは、特定の一つ又は複数の送受信機間における優先度付きデータの通信を行う。
ここで、説明の都合上、図12Aを参照すると、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムは、切り換え部801、データ割付部802、優先度割付処理部803、切り換え部804、多重送信部805、制御部806、伝搬路推定部807、多重受信部809、優先度付き復号部810で構成される。
更に、優先度割付処理部803は、図12Bに示すように、優先度割付部813,伝搬路予測優先度設定部814によって構成されている。
図12A,図12B及び図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムの動作を説明する。尚、図12A及び図12Bの破線は制御信号であり、図13は制御部806の処理フローを表す。
制御部806は、データが入力されると(ステップb1)、優先度付きデータかどうかを判断し(ステップb2)、優先度付きデータでない場合は、切り換え部801、804に指示して優先度付き割付を無効にするように、データ割付部802にデータを送る(ステップb5)。制御部806はハードウェアで実現できるだけでなく、プログラムによって動作するマイクロプロセッサによっても実現できる。
ここで、優先度付きデータの定義は、各々関連する異なる優先度の複数のデータ列で構成されるデータである。優先度付きデータの優先度は、前述したように、重要度に応じて付けられる。
ここで、ステップb5の優先度付き割付を無効にするとは、従来通りの割付を行う事である。
データ割付部802は、伝搬路推定部808から送られる伝搬路情報に従って、データを空間ストリームに割り付ける。データ割付部802はハードウェアで構成されても良いし、ソフトウェアで実現されても良い。
多重送信部805は、各空間ストリームに割り付けられたきデータを、多重送信する。多重方法は、空間多重、周波数多重、時間多重がある。伝搬路807を通った信号は多重受信部809で受信され、優先度付き復号部810は受信信号を復号し、データを出力する。
また、制御部806は、伝搬路情報通知間隔τを初期値τ0に設定するよう伝搬路推定部808に指示する(ステップb6)。
伝搬路推定部808は、伝搬路807の特性を計算した伝搬路特性と、そこから求めた伝搬路情報を出力する。連続通信の場合の、伝搬路情報通知間隔をτとする。伝搬路特性は、伝搬路計算値、雑音情報、信号対雑音比などである。
伝搬路計算値は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、伝搬路を経た受信信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により計算する。
また、伝搬路推定部808は、伝搬路情報通知間隔τに従って、伝搬路計算値と雑音計算値もしくは信号対雑音比から、システムで取り決めた値より選択して伝搬路情報を出力する。伝搬路情報は、伝搬路計算値及び雑音から計算される空間ストリーム毎の通信容量の指定であり、伝搬路情報の従来例として、通信レートを指定するCQI(Channel Quality Indicator)がある。
雑音計算値は、伝搬路計算値を用いて、受信信号電力から伝搬路電力値を引いて得られ、信号対雑音比は、伝搬路電力と雑音電力の比として得られる。
図13のステップb2において、優先度付きデータの場合は、制御部806は、切り換え部801、804に指示して優先度付き符号化処理部803を有効にし、多重送信部805に出力することで優先度付き割付を有効にする(ステップb3)。
優先度割付処理部803の優先度度付きデータ割付部813(図12B))は、優先度付きデータの優先度の高いデータ列から順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。
優先度付きデータ割付には、伝搬路推定部808からの伝搬路情報で与えられる各空間ストリームに割り付けるデータ量も用いる。
図12Bに示された優先度割付処理部803の伝搬路予測優先度設定部814は、伝搬路推定部808から通知される伝搬路特性から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付け、各空間ストリームの優先度を出力する。
ここで、伝搬路特性とは、伝搬路計算値、雑音情報、信号対雑音比などであり、1度の計算から劣化しやすさを予測する場合は、値が比較値と比べて低いなどである。
また、繰り返し通信中においては、今回と前回の伝搬路計算値の変化から、各空間ストリームの安定性を判断して、安定した空間ストリームにはそうでない空間ストリームより高い優先度を設定する等の動作が行なわれる。
多重送信部805は、各空間ストリームに割り付けられたデータを、多重送信する。多重方法は、空間多重、周波数多重、時間多重がある。伝搬路807を通った信号は多重受信部809で受信され、優先度付き復号部810は受信信号を復号し、データを出力する。
また、図13において、制御部806は、入力されたデータが優先度付きデータの場合は、伝搬路推定部808に指示して、伝搬路情報通知間隔τを初期値τ0より長い値に設定する(ステップb4)。
優先度付きデータの場合は、優先度付きデータ割付を行い、伝搬路情報通知間隔を長くする事により、逆方向の無線リソースを有効に活用する。
本実施の形態における空間ストリームは、空間多重における空間ストリームと各アンテナ間伝搬路と、また、周波数、時間多重による無線リソースを含む。
また、ステップb2における判断には、リアルタイム性が必要なデータかどうかを含んでも良い。例としては、リアルタイムアプリケーション用QoSであるRT−VRなど(参考文献12参照)。
本発明の第1の実施の形態に係る通信システムは、特定の一つ又は複数の送受信機間の優先度付きデータ通信を行う。図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、優先度割付部101と、空間多重送信部102と、空間多重受信部103と、優先度付き復号部104と、伝搬路推定部106と、伝搬路予測優先度設定部105とを含む。
伝搬路107は、特定の一つ又は複数の送受信機間の通信を行う空間多重伝搬路であり、時間と共に変化する場合がある。
伝搬路予測優先度設定部105と伝搬路推定部106は、送信側及び受信側のどちらにあっても良い。例えば、周波数分割複信方式(FDD方式)では伝搬路推定部は受信側に必要だが、時間分割複信方式(TDD方式)では、上りと下りは同じ伝搬路となるため、送受信側どちらでも可能である。
図1に示された第1の実施の形態における動作を概略的に説明する。
まず、優先度付きデータは、各々関連する異なる優先度の複数のデータ列で構成される。
ここで、データの優先度は、データの重要度に応じて付けられる。例えば、音声情報と画像情報の混在するビデオ情報においては、音声情報の方が画像情報より優先度が高く、また、スケーラブル符号化データでは、基本レイヤと呼ばれる最も品質が低く量の小さいデータの優先度は、品質を上げる為の拡張レイヤより優先度が高い。
優先度付きデータの通信の場合は、以下の動作を行い、伝搬路情報の更新周期を長くする。まず、優先度割付部101は優先度付きデータの優先度の高いものから順次、空間ストリームに割り付ける。
ここで、本発明では、空間ストリームにも優先度が付けられており、この実施形態の優先度割付部101は、優先度付きデータは、その優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。
空間多重送信部102は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の複数偏波を用いて複数空間ストリームを形成し、空間多重送信を行う。空間多重方法には、ウェイト乗算をしない方法(SDMなど)と、ウェイト乗算をする方法(W−SDM,E−SDMなど)がある。
伝搬路推定部106は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、その既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により、各々の送受信アンテナ(もしくは偏波)間における空間多重伝搬路の特性を計算し、伝搬路計算値を出力する。
伝搬路予測優先度設定部105は、伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付ける。
空間多重受信部103は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の偏波を用いて受信し、信号処理によって空間多重された信号を分離する。
優先度付き復号部104は、優先度付き符号化信号を復号する。優先度付き復号は、伝搬路特性の変化によって優先度の高い情報が誤る場合は通信阻害となるが、優先度の低い情報が誤り、優先度の高い情報が正しく伝搬されると品質劣化となり通信成功となる。
従って、本発明では、空間ストリームに優先度を割り付けることにより、伝搬路特性の追従性低下による誤りを、優先度付きデータの優先度の低い部位に偏らせることができる。これにより、通信を阻害せず、伝搬路情報の更新のための逆方向の通信頻度を減らして通信リソースを有効利用し、E−SDMにおいては伝搬路特性の送信ウェイトへの反映頻度を減らして計算回数を低減し、通信阻害し難くすることで再送制御による遅延の発生を低減する事が可能となる。
次に、図1及び図2を参照して本実施の形態の全体の動作について詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態は、特定の一つ又は複数の送受信機間のパーソナル通信の優先度付きデータを通信する場合におけるものである。
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態で送受される優先度付きデータは、各々関連する優先度の付いた複数のデータ列で構成されている。データ列の優先度は、情報の重要度に応じて付けられる。前述したように、音声情報と画像情報の混在するビデオ情報においては、音声情報は画像情報より優先度が高く、また、スケーラブル符号化データでは、基本レイヤと呼ばれる最も品質が低く量の小さいデータの優先度は、品質を上げる為の拡張レイヤより優先度が高い。
優先度付きデータは、優先度割付部101において、優先度の高いデータ列から順次、優先度の高い空間ストリームに割り付けられる。
各空間ストリームに割り付けられた優先度付きデータは、空間多重送信部102において、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の複数偏波を用いて、伝搬路計算値から計算したウェイトを乗算され空間多重送信される。
ウェイトを乗算する方法の一つであるE−SDMについて具体的にウェイト計算方法を説明すると、伝搬路推定部106から送信される送信アンテナjと受信アンテナk間の伝搬路計算値hkj(k=1,2,…N,j=1,2,…M)から、伝搬路行列Hを得る。
特異値分解などを用いて、相関行列HHHとHHHの共通の固有値λi(i=1,2,…m)を求める。
{・}Hは行列の複素共役転置を表す。
相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルet,i、相関行列HHHの固有値λiに対する固有ベクトルer,iを用いて、送信側ウェイトEt及び受信側ウェイトEr Hを以下に設定する事で固有値伝送を行う。
このとき、第i空間ストリームに割り付ける情報Siと、送信アンテナ(または偏波)jで伝送する信号xjの関係は以下になる。
ここで、yt,i,j(i=1,2,…,m,j=1,2,…M)は空間ストリームλiの固有ベクトルet,iの要素であり、αiは各空間ストリームの電力制御に用いるゲインである。
W−SDMは、伝搬路特性に基づいて送信側で送信電力制御及び伝送レート制御のみを行う。従って、空間ストリーム数m=Mであり、αiを空間ストリーム毎に制御するのみである。
X=S 式27
伝搬路107は空間多重伝搬路である。
伝搬路推定部106は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、その既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により、各々の送受信アンテナ(もしくは偏波)間における空間多重伝搬路の特性を計算し、伝搬路計算値を出力する。
即ち、伝搬路推定部106では、伝搬路を通った信号に既知信号もしくは疑似既知信号の複素共役を乗算し、雑音の影響を除くために平均化して伝搬路特性を計算する動作が行われる。結果として、送信アンテナjと受信アンテナk間の伝搬路計算値hkj(k=1,2,…N,j=1,2,…M)を得る。この伝搬路計算値を用いて伝搬路行列Hを得る。
次に、伝搬路予測優先度設定部105は、伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を空間ストリームの優先度として割り付ける。
図2のフローチャートに基づいて、伝搬路予測優先度設定部105における劣化予測方法について説明すると、伝搬路計算値が入力されると(ステップa1)、空間ストリームの劣化しやすさの指標を計算し(ステップa2)、劣化しやすさに基づいて各空間ストリームの優先度を設定する(ステップa3)。
上記した伝搬路推定部106、伝搬路予測優先度設定部105、及び、優先度割付部101の動作は、ハードウェア回路によって実現できるだけでなく、ソフトウェアによっても実現できる。このことは、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
空間多重受信部103は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の偏波を用いて受信し、信号処理によって空間多重送信された信号を分離する。優先度付き復号部104は、優先度付き符号化信号を復号する。
優先度付き復号は、伝搬路特性の変化によって優先度の高い情報が誤る場合は通信阻害となるが、優先度の低い情報が誤っていても優先度の高い情報が正しく伝搬されると品質劣化となるだけで通信成功となる。
従って、本発明に係る方式は、優先度割付により、伝搬路特性の追従性低下による誤りを、優先度付きデータの優先度の低い部位に偏らせる事ができる。この結果、優先度の低い情報が誤っていても、通信は阻害されることがなく、また、伝搬路特性の送信ウェイトに対する反映頻度を減らすことが可能になる。
次に、本発明の第2の発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第2の実施の形態は、特定の一つ又は複数の送受信機間における優先度付きデータ通信に関するものであり、図3を参照すると、本発明の第2の実施の形態の動作は、優先度付きデータは、各々関連する異なる優先度の複数のデータ列で構成される情報である。
データ列に付けられる優先度は、この実施形態においても、データ列の重要度に応じて付けられる。例えば、音声情報と画像情報の混在するビデオ情報においては、音声情報は画像情報より優先度が高く、また、スケーラブル符号化データでは、基本レイヤと呼ばれる最も品質が低く量の小さいデータの優先度は、品質を上げる為の拡張レイヤより優先度が高い。
優先度付きデータは、優先度割付部201において、優先度の高いデータ列から順次、優先度の高い空間ストリームに割り付けられる。
各空間ストリームに割り付けられた優先度付きデータは、多重送信部202において、多重送信される。多重方法は、空間多重、周波数多重、時間多重がある。
伝搬路推定部206は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、伝搬路を通った信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により、各々の伝搬路の特性を計算し、伝搬路計算値を出力する。
この実施形態では、伝搬路計算値は伝搬路予測優先度設定部205に通知され、多重送信部202には通知されていない点で、図1とは相違している。
伝搬路予測優先度設定部205は、通知される伝搬路特性から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付け、各空間ストリームの優先度を出力する。
ここで言う伝搬路特性とは、信号対雑音比などであり、1度の計算から予測する場合は、値が比較値と比べて低いなどである。
また、繰り返し通信中においては、今回と前回の伝搬路計算値の変化から、各空間ストリームの安定性を判断して、安定した空間ストリームにはそうでない空間ストリームより高い優先度を設定するなどである。
通信中においてパケットを繰り返し送受信する状態では、伝搬路計算値を繰り返し計算して空間ストリームの優先度を設定し直す。
図2に示されたフローチャートを再度参照して、図3に示された伝搬路予測優先度設定部205で行われる劣化予測方法について説明する。伝搬路計算値が伝搬路予測優先度設定部205に入力されると(ステップa1)、空間ストリームの劣化しやすさの指標を計算し(ステップa2)、劣化しやすさに基づいて各空間ストリームの優先度を設定する(ステップa3)。
本実施の形態における空間ストリームは、空間多重における空間ストリームと各アンテナ間伝搬路と、また、周波数、時間多重による無線リソースを含む。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムを具体的に説明する。
本発明の第3の実施の形態に係る通信システムは、特定の一つ又は複数の送受信機間における優先度付きデータの通信を行う。
ここで、説明の都合上、図12Aを参照すると、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムは、切り換え部801、データ割付部802、優先度割付処理部803、切り換え部804、多重送信部805、制御部806、伝搬路推定部807、多重受信部809、優先度付き復号部810で構成される。
更に、優先度割付処理部803は、図12Bに示すように、優先度割付部813,伝搬路予測優先度設定部814によって構成されている。
図12A,図12B及び図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る通信システムの動作を説明する。尚、図12A及び図12Bの破線は制御信号であり、図13は制御部806の処理フローを表す。
制御部806は、データが入力されると(ステップb1)、優先度付きデータかどうかを判断し(ステップb2)、優先度付きデータでない場合は、切り換え部801、804に指示して優先度付き割付を無効にするように、データ割付部802にデータを送る(ステップb5)。制御部806はハードウェアで実現できるだけでなく、プログラムによって動作するマイクロプロセッサによっても実現できる。
ここで、優先度付きデータの定義は、各々関連する異なる優先度の複数のデータ列で構成されるデータである。優先度付きデータの優先度は、前述したように、重要度に応じて付けられる。
ここで、ステップb5の優先度付き割付を無効にするとは、従来通りの割付を行う事である。
データ割付部802は、伝搬路推定部808から送られる伝搬路情報に従って、データを空間ストリームに割り付ける。データ割付部802はハードウェアで構成されても良いし、ソフトウェアで実現されても良い。
多重送信部805は、各空間ストリームに割り付けられたきデータを、多重送信する。多重方法は、空間多重、周波数多重、時間多重がある。伝搬路807を通った信号は多重受信部809で受信され、優先度付き復号部810は受信信号を復号し、データを出力する。
また、制御部806は、伝搬路情報通知間隔τを初期値τ0に設定するよう伝搬路推定部808に指示する(ステップb6)。
伝搬路推定部808は、伝搬路807の特性を計算した伝搬路特性と、そこから求めた伝搬路情報を出力する。連続通信の場合の、伝搬路情報通知間隔をτとする。伝搬路特性は、伝搬路計算値、雑音情報、信号対雑音比などである。
伝搬路計算値は、既知信号もしくは、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、伝搬路を経た受信信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化する事により計算する。
また、伝搬路推定部808は、伝搬路情報通知間隔τに従って、伝搬路計算値と雑音計算値もしくは信号対雑音比から、システムで取り決めた値より選択して伝搬路情報を出力する。伝搬路情報は、伝搬路計算値及び雑音から計算される空間ストリーム毎の通信容量の指定であり、伝搬路情報の従来例として、通信レートを指定するCQI(Channel Quality Indicator)がある。
雑音計算値は、伝搬路計算値を用いて、受信信号電力から伝搬路電力値を引いて得られ、信号対雑音比は、伝搬路電力と雑音電力の比として得られる。
図13のステップb2において、優先度付きデータの場合は、制御部806は、切り換え部801、804に指示して優先度付き符号化処理部803を有効にし、多重送信部805に出力することで優先度付き割付を有効にする(ステップb3)。
優先度割付処理部803の優先度度付きデータ割付部813(図12B))は、優先度付きデータの優先度の高いデータ列から順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。
優先度付きデータ割付には、伝搬路推定部808からの伝搬路情報で与えられる各空間ストリームに割り付けるデータ量も用いる。
図12Bに示された優先度割付処理部803の伝搬路予測優先度設定部814は、伝搬路推定部808から通知される伝搬路特性から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付け、各空間ストリームの優先度を出力する。
ここで、伝搬路特性とは、伝搬路計算値、雑音情報、信号対雑音比などであり、1度の計算から劣化しやすさを予測する場合は、値が比較値と比べて低いなどである。
また、繰り返し通信中においては、今回と前回の伝搬路計算値の変化から、各空間ストリームの安定性を判断して、安定した空間ストリームにはそうでない空間ストリームより高い優先度を設定する等の動作が行なわれる。
多重送信部805は、各空間ストリームに割り付けられたデータを、多重送信する。多重方法は、空間多重、周波数多重、時間多重がある。伝搬路807を通った信号は多重受信部809で受信され、優先度付き復号部810は受信信号を復号し、データを出力する。
また、図13において、制御部806は、入力されたデータが優先度付きデータの場合は、伝搬路推定部808に指示して、伝搬路情報通知間隔τを初期値τ0より長い値に設定する(ステップb4)。
優先度付きデータの場合は、優先度付きデータ割付を行い、伝搬路情報通知間隔を長くする事により、逆方向の無線リソースを有効に活用する。
本実施の形態における空間ストリームは、空間多重における空間ストリームと各アンテナ間伝搬路と、また、周波数、時間多重による無線リソースを含む。
また、ステップb2における判断には、リアルタイム性が必要なデータかどうかを含んでも良い。例としては、リアルタイムアプリケーション用QoSであるRT−VRなど(参考文献12参照)。
次に、各実施形態に係る通信システムの具体的な実施例について説明する。
図4に戻ると、図1及び図2に示された実施形態で使用されるE−SDMの劣化予測方法を具体的に説明するフローチャートが示されており、ここでは、図1に示された伝搬路予測優先度設定部105の動作が示されている。尚、伝搬路予測優先度設定部105及び優先度割付部101は、ハードウェアによって実現されても良いし、ソフトウェアプログラムによって実現されても良い。また、当該ソフトウェアプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されているものであっても良い。
図4において、伝搬路計算値hkjが入力されると(ステップS1)、伝搬路計算値hkjを配置して伝搬路行列Hを作成し(ステップS2)、固有値計算を行い、固有値数m及び固有値λi(i=1,2,…,m)を計算する(ステップS3)。固有値の計算方法には、特異値分解、Householder、QR分解、DB法などがある。
第i空間ストリームの優先度PSiを初期化する(ステップS4)。
PSi=1(i=1,2,…,m) 式29
mの値が1以下の場合は優先度は無効なため終了する(ステップS5)。mが2以下の場合(ステップS6)、最大固有値λmaxを求め(ステップS7)、関連する空間ストリームの優先度PSmaxを下げる(ステップS8)。
PSmax=2 式30
ここで、空間ストリームの優先度は1が最も高く、値が大きくなるほど優先度は低いとしている。最大固有値の空間ストリームは時間と共に劣化し易いためである。最大固有値のストリームは最大電力が割り当てられ、時間変化による干渉は他の空間ストリームより大きくなるためである(非特許文献9参照)。
mの値が2より大きい場合は(ステップS6)、最大固有値λmaxと最小固有値λminを求め(ステップS9)、関連する空間ストリームの優先度PSmax、PSminを下げる(ステップS10)。
PSmin=2 式31
最小固有値は少しの変動があっても無くなり易いため、通信が誤る可能性が高いためである。
表1に、m=2の場合の優先度設定例を示す。最大固有値λmax=4であり、このときi=1なので、PS1=2とする。
表2に、m=4の場合の優先度設定例を示す。最大固有値λmax=9であり、このときi=2なので、PS2=2とし、λmin=0.25で、このときi=1なのでPS2=2とし、最大固有値の空間ストリームと最小固有値の空間ストリームの優先度を下げる。
また、伝搬路行列作成(ステップS3)と固有値計算(ステップS4)は、受信側の送信多重部もしくは送信側の送信多重部との共用ができる。
図5のフローチャートに基づいて、繰り返し通信中のE−SDMの劣化予測方法について説明する。ここで云う繰り返し通信中とは、例えば、複数パケットにまたがるデータ通信である。これは、図2の具体例であり、図1の伝搬路予測優先度設定部105の動作である。
繰り返し通信中において、前回の伝搬路計算値から計算した固有値、固有ベクトルと今回の伝搬路計算値から計算した固有値、固有ベクトルの変化から、各空間ストリームの安定度を予測し安定度の高い空間ストリームの優先度を上げ、不安定な空間ストリームの優先度を下げる方法である。
まず、前回の固有ベクトルeu(n−1)(i=1,2,…m,u=1,2,…,m(n−1))が保持されている(ステップS11)。ここでm(n−1)は、前回の固有値の数である。
伝搬路予測優先度設定部105は、第n回の伝搬路計算値hkj(n)が入力されると(ステップS12)、伝搬路計算値hkj(n)を配置して伝搬路行列H(n)を作成し(ステップS13)、固有ベクトル計算を行い、固有値数m及び固有ベクトルei(i=1,2,…,m)を決定する(ステップS14)。固有ベクトルの計算方法には、特異値分解、Householder、QR分解、DB法などがある。各固有ベクトルeiの長さは送信側固有ベクトルでは送信側アンテナ数Mとなり、受信側固有ベクトルで行う場合は、受信側アンテナ数Nとなる。劣化予測はどちらを用いることも可能なため、本説明では、どちらの場合も固有ベクトル相関量計算を行い、空間ストリーム毎に最大の固有ベクトル相関量を選択する事で、前回の空間ストリーム番号uと今回の固有ストリーム番号iの関連づけを行う。
ただし、ここでei(n),eu(n−1)は正規化された値である。つまり、
各iに対してΔeiuが最大となるuを選択し、そのときのuをi(n−1)とする(ステップS16)。
更に、しきい値ΔethLを定め、Δeii(n−1)がしきい値ΔethLより低い場合(ステップS18)、前回の第i(n−1)空間ストリームと今回の第i空間ストリームは連続する空間ストリームではないと判断し、第i空間ストリームは不安定であると判断して低い優先度を設定する(ステップS19)。
PSi=3 式35
また、しきい値ΔethHを定め、Δeii(n−1)がしきい値ΔethHより高い場合(ステップS20)、前回の固有ベクトルと今回の固有ベクトルの相関が充分に高いと判断し、高い優先度を設定する(ステップS21)。
PSi=1 式36
Δeii(n−1)がΔethL<Δeii(n−1)<ΔethHの空間ストリームには、中程度の優先度を設定する。
PSi=2 式37
i=1からmまでの全空間ストリームに関して行う(ステップS17,S23)。
最大固有値λmaxを求め(ステップS24)、関連する空間ストリームの優先度PSmaxを下げる(ステップS25)。
これは、最大固有値は劣化しやすく、また、特に記載してないが最大送信電力を割り付けるために、相関の劣化によるストリーム間干渉電力も大きくなるためである(非特許文献3参照)。
図6のフローチャートに基づいて、図2の具体例である繰り返し通信中のW−SDMの劣化予測方法について説明する。
これは、図3の伝搬路予測優先度設定部205の動作である。
W−SDMは、伝搬路特性から送信電力制御や適応変調を行うのみであるため、空間ストリームは送信アンテナ毎になり、空間ストリーム番号iはアンテナ番号jと等しいと考える。
先の時間に計算した伝搬路計算値hjk(n−1)が保持されている(ステップS26)。今回計算した伝搬路計算値hjk(n)が入力される(ステップ27)。アンテナjの伝搬路変化量Δhj(n)を計算する(ステップS28)。但し、この式は伝搬路計算値が規格化された値でない場合に用いる。
各アンテナの伝搬路変化量を比較し、大きな値のアンテナから順次高い優先度を設定する(ステップS29)。
特に、Δhj(n)がマイナスの値の場合は縮小した事を示すので、劣化すると予測し、低い優先度を設定する。
具体例を表3に示すと、伝搬路変化量Δhj(n)が最も大きい空間ストリーム番号3の優先度を最大の1とし、続いて空間番号2,1、4の順に優先度を低く設定する。
図1の伝搬路予測優先度設定部105の動作及び図2の具体例として、繰り返し通信中の例を示すと、先の回に計算した伝搬路計算値から求めた先の固有値と、今回の伝搬路計算値から求めた今回の固有値を比較し、大きく変化した固有値に関連する空間ストリームは、あまり変化しない固有値の空間ストリームより劣化しやすいと予測して優先度を低く設定する。
また、縮小した固有値に関連する空間ストリームは劣化すると予測して優先度を低く設定する等、空間ストリームの優先度の割付には種々の手法を使用することができる。
図7A〜図7Eを参照して、本発明に係る他の実施例を説明する。
ここでは、優先度付きデータが特定の送信側301から受信側無線局302に送信される例が示されている。優先度付きデータは、各々異なる優先度の複数のデータ列で構成されているものとする。
伝搬路予測優先度設定部305は、伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付ける。
優先度割付部304は、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。割付の際、データ数が合わないとデータ配分の調整を行う。上記した伝搬路予測優先度設定部305及び優先度割付部304は、前述した実施例と同様に、ハードウェアによって実現されても良いし、ソフトウェアプログラムによって実現されても良い。
以下に表を用いて具体的に説明する。
表4,表5に優先度付きデータとそのビット数、空間ストリームの優先度と送信ビット数の例を示す。
優先度付きデータは、本明細書の背景技術で説明したように空間スケーラビリティ、時間スケーラビリティ、SNRスケーラビリティ、ROIスケーラビリティ等に基くものがあり、また、ビデオ配信において音声と画像が同時配信される場合は、音声の優先度は画像より高いとする。また、これらのスケーラビリティ、データタイプの複合型もある。優先度の表し方はシステムにより異なるが、この例では、優先度が高い事を小さな番号で表している。
表4によると、最も解像度が低い基本レイヤと、その解像度を順次上げる冗長データの第1拡張レイヤと第2拡張レイヤがある。優先度は情報の重要度に従い、基本レイヤがもっとも高く、1とする。サービス品質(QoS)が低いものほど、優先度は高い傾向となる。一方、第i空間ストリームの優先度は、伝搬路予測優先度設定部305が設定する。
送信ビット数は、伝搬路情報によって指定される。表5はその例である。
優先度割付部304は、最も優先度の高い優先度付きデータから順次、優先度の高い空間ストリームに割り振るので、優先度1の基本レイヤを優先度1の第2空間ストリームに割り振る。
データ列のデータ数が異なるため、第2空間ストリームには、基本レイヤ128ビットに引き続いて第1拡張レイヤの冗長データの前半256ビットの合計384ビットが割り振られる。続いて、第1拡張レイヤの冗長データの残り126ビットを優先度2の第3空間ストリームに割り振り、続いて、第2拡張レイヤの冗長データを優先度3及び4の第1空間ストリームと第4空間ストリームに割り振られる。
このように、優先度割付部304は、データ調整機能を有する場合がある。
図7A〜図7Eに示されたチャネル符号化部302は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、空間多重送信部306に送る。
空間多重送信部306は図7Bに示されたように、ウェイト乗算部320、既知信号挿入変調部321、ウェイト生成部322を備えている。ウェイト生成部322は伝搬路情報からM×mの送信ウェイトWtを設定し、ウェイト乗算部320で各々の空間ストリームで送信するチャネル符号化したデータbi(i=1,2,…,m)に送信ウェイトを掛けてアンテナ送信信号ti(i=1,2,…,m)とする。
既知信号挿入変調部321はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMAなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信空間多重アンテナ307から空間多重伝搬路308に送信する。
送信空間多重アンテナ307は、複数アンテナ素子による構成と、単一アンテナの複数偏波を利用する構成方法がある。
空間多重伝搬路308で、多重送信した複数のデータ列は、複数ストリームによって伝送されるが、空間多重伝搬路308では、伝搬損失やマルチパスやフェージング、シャドウイングなどが生じる。
受信側302では、電波を受信空間多重アンテナ309を介して空間多重受信部310で受信する。受信する際、熱雑音も加わる。
空間多重受信部310は、図7Cに示されているように、復調部323とウェイト乗算部324とを備え、復調部323では、送信側の変調に合わせてCDMA、OFDM等の復調を行い、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換する。一方、空間多重受信部310のウェイト乗算部324では復調信号にウェイトを乗算する。
受信側無線局302の伝搬路推定部314は、図7Dに示すように、伝搬路計算部325、ウェイト生成部326、及び、伝搬路情報生成部327を備えている。伝搬路推定部314の伝搬路計算部325では、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得、伝搬路推定値としてウェイト生成部326に出力する。ウェイト生成部326は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。ウェイトの計算方法は、E−SDM、ZF、MMSEなどがある。
伝搬路推定部314の伝搬路情報生成部327は、伝搬路計算値もしくはウェイトを元に送信側に送る伝搬路情報を、システムで取り決めた値より選択し出力する。
伝搬路情報は、伝搬路計算値及び雑音から計算される空間ストリーム毎の通信容量と送信側ウェイトの指定であり、伝搬路情報の従来例としては通信レートを表示するCQI(Channel Quality Indicator)、ウェイトを通知するPCI(Precoding control indicator)やCodebook Indexがある。
伝搬路情報から空間ストリームの劣化しやすさを予測し優先度を決定する。劣化しやすさは、最大ウェイトを掛ける空間ストリームは劣化しやすい、先の伝搬路情報と比較して容量やウェイト設定の変化の大きい空間ストリームは劣化しやすいなどである。
図7Aに示された優先度付きチャネル復号部311は、空間ストリームの優先度に従い、空間ストリーム毎にチャネル復号する。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部316に通知される。
受信側再送制御部316は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部312では、優先度付きチャネル復号部311において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部313に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先度付きチャネル復号部312が通信阻害信号を出力する。通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、通信阻害信号は出力しない。表示部313は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。
受信側無線局302からの伝搬路情報は、アンテナ318と逆方向伝搬路319を通してアンテナ328で受信され、送信側受信部329で受信され、空間多重送信部306のウェイト生成部322と、伝搬路予測優先度設定部305に通知される。
また、通信阻害が発生した場合、再送要求信号が受信側送信部317、アンテナ318、逆方向伝搬路319、アンテナ328、送信側受信部329を経て送信側再送制御部330に伝えられ、送信側再送制御部は、通信阻害のあったデータを再送する。
このとき、逆方向伝搬路319は、FDD方式では伝搬路308とは異なる周波数であり、TDD方式では同一周波数である。
また、アンテナ318、327が空間多重アンテナで逆方向伝搬路319が空間多重伝搬路の場合もそうでない場合もある。
図7Eには、図7Bに示された空間多重送信部306とは異なる構成を有する空間多重送信部306の例が示されている。図7Eに示された空間多重送信部306は、既知信号挿入部331、ウェイト乗算部332、変調部333を備えると共に、図7Bと同様にウェイト生成部322を有している。図7Eからも明らかなように、既知信号挿入部331で挿入される既知信号の挿入位置が異なっている例である。
図7Eに示された例では、空間多重送信部306に設けられた既知信号挿入部331は、空間ストリーム毎に符号化した信号に既知信号を挿入し、その後、ウェイト乗算部332はウェイトを乗算し、変調部333はCDMA、OFDMなどの変調を行う。
この例では、優先度の低いデータは確実な送信を保証しないバックグラウンドやベストエフォートであり、ここでは代表してベストエフォートと呼ぶことにする。また、優先度の高いデータは確実な送信を保証するデータであり、代表してギャランティと呼ぶことにする。
一方、優先度の低いデータのQoSがバックグラウンドで優先度の高いデータのQoSも送信を保証しないタイプのベストエフォートの場合は、
再送制御は行わない。その場合は、送信側制御部330、受信側送信部317は不要であり、遅延時間は更に削減できる。全てのデータがベストエフォートであっても、ベストエフォートの中で優先度の高いデートを優先度の高い空間ストリームに割り当てることによって優先度の高いデータが伝送し易くなるという効果が得られる。
これは、ベストエフォートの定義が、ベストエフォートとそれよりQoSの低いバックグラウンドを含む場合、また、同じベストエフォートの中でもレベルと言われる更に細かい段階分けをする場合に相当する。
この実施例の効果は、送信側での伝搬路推定頻度を減らしても、再送制御による遅延を削減できる事である。その理由は、伝搬路特性の時間変化によって劣化しにくい空間ストリームに優先度の高い優先度付きデータを割り振るために、誤りを優先度の低い優先度付きデータに偏らせる事ができるため、優先度の高い優先度付きデータは正しく通信でき、再送制御を行わないためである。
図8A〜図8Eを参照して、本発明に係る他の実施例を説明する。
図示された実施例は、優先度付きデータを、特定の送信側無線局401から受信側無線局402に通信する例である。優先度付きデータは、重要度に応じた優先度を設定された複数のデータ列で構成される。優先度割付部404は、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。空間ストリームの優先度情報は優先度付き伝搬路情報で与えられる。その際、データ数が合わない時のデータ配分調整方法は、図7Aに示した優先度割付部304と同様な方法で行われる。
チャネル符号化部405は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、変調空間多重送信部406に送る。
空間多重送信部406では、図8Bに示すように、優先度付き伝搬路情報からウェイト生成部422がm×mの送信ウェイトWtを設定し、ウェイト乗算部420で各々の空間ストリームで送信するチャネル符号化したデータbi(i=1,2,…,m)に送信ウェイトを掛けてアンテナ送信信号ti(i=1,2,…,m)とする。
詳細動作は図7A〜図7Eに示した空間多重送信部306と同様である。
即ち、図8Bに示すように、空間多重送信部406の既知信号挿入変調部421はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMAなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信空間多重アンテナ407から空間多重伝搬路408に送信する。
送信空間多重アンテナ407は、複数アンテナ素子による構成と、単一アンテナの複数偏波を利用する構成方法がある。
空間多重伝搬路408で、多重送信した複数のデータ列は、複数ストリームによって伝送される。空間多重伝搬路408では、伝搬損失やマルチパスやフェージング、シャドウイングなどが生じ、空間多重伝搬路408の特性は時間と共に変化する。
受信側無線局402では、受信空間多重アンテナ409で電波を受信する。
このとき熱雑音が加わる。図8Cに示されているように、空間多重受信部410の復調部423では、送信側の変調に合わせてCDMA、OFDM等の復調を行い、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換する。ウェイト乗算部424では復調信号にウェイトを乗算する。
次に、図8Dに示された伝搬路推定部414では、伝搬路計算部425で、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得る。
更に、図8Dに示された伝搬路推定部414のウェイト生成部426は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。ウェイトの計算方法は、E−SDM、ZF、MMSEなどがある。
優先度付き伝搬路情報生成部427は、伝搬路計算値もしくはウェイトを元に送信側に送る伝搬路情報を、システムで取り決めた値より選択する。また、伝搬路予測優先度設定部415から受け取った空間ストリーム優先度情報を合わせて優先度付き伝搬路情報を出力する。
伝搬路情報は、伝搬路計算値及び雑音から計算される空間ストリーム毎の通信容量と送信側ウェイトの指定であり、伝搬路情報の従来例としてはCQI、PCIなどがある。
このとき、伝搬路情報のビット数をfビットとすると、優先度付き伝搬路特性は、伝搬路情報fビットに優先度情報gビットを付加する。
例として、空間ストリームの個数がm=4の場合に、最も優先度の高い空間ストリーム番号を優先度情報として付加すると、2ビットで通知可能なので、g=2ビットを付加する。伝搬路情報が6ビットの場合、それに優先度情報2ビットを足して8ビットで通知する。
図8Aに示された伝搬路予測優先度設定部415は、伝搬路計算値から空間ストリームの劣化しやすさを予測して優先度を決定する。劣化しやすさの予測方法としては、先に図7A〜図7E及び図4を参照して説明した方法がある。
更に、最大ウェイトを掛ける空間ストリームは劣化しやすいこと、先の伝搬路情報と比較して容量やウェイト設定の変化の大きい空間ストリームは劣化しやすいこと等を利用して、劣化しやすさを予測しても良い。
優先度付きチャネル復号部411は、空間ストリームの優先度に従い、空間ストリーム毎にチャネル復号する。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部416に通知される。
受信側再送制御部416は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部412では、優先度付きチャネル復号部411において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部413に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先度付きチャネル復号部412が通信阻害信号を出力する。通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、通信阻害信号は出力しない。表示部413は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。
図示された例では、伝搬路情報は、アンテナ418と逆方向伝搬路419を通してアンテナ428で受信され、送信側受信部429で受信され、図8Bに示された空間多重送信部406のウェイト生成部422と、図8Aの優先度割付部404に通知される。
また、通信阻害が発生した場合、再送要求信号が受信側送信部417、アンテナ418、逆方向伝搬路419、アンテナ428、送信側受信部429を経て送信側再送制御部430に伝えられ、送信側再送制御部430は、通信阻害のあったデータを再送する。
このとき、逆方向伝搬路419は、FDD方式では伝搬路408とは異なる周波数であり、TDD方式では同一周波数である。
また、アンテナ418、428が空間多重アンテナで逆方向伝搬路419が空間多重伝搬路の場合もそうでない場合もある。
図8Eに示された空間多重送信部406は図8Bと既知信号挿入の位置が異なっている。
この例では、空間多重送信部406において、既知信号挿入部431は、空間ストリーム毎に符号化した信号に既知信号を挿入し、その後ウェイト乗算部432はウェイトを乗算し、変調部433はCDMA、OFDMなどの変調を行う。
これは優先度の低いデータがベストエフォートであり、優先度の高いデータが再送制御を必要とするギャランティの場合の例であり、優先度の高いデータのQoSもベストエフォートの場合は、再送制御は行わない。その場合は、送信側再送制御部330、受信側318は不要であり、遅延時間は更に削減できる。
全てのデータがベストエフォートであっても、ベストエフォートの中で優先度の高いデータを優先度の高い空間ストリームに割り当てることによって優先度の高いデータが伝送し易くなるという効果が得られる。
これは、ベストエフォートの定義が、ベストエフォートとそれよりQoSの低いバックグラウンドを含む場合、また、同じベストエフォートの中でもレベルと言われる更に細かい段階分けをする場合に相当する。
この実施例のように、送信側において伝搬路の予測頻度を減らし、受信側において伝搬路の予測を行わなくても、再送制御による遅延を削減できると言う効果を有している。
図9A〜図9Dを参照して、更に他の実施例を説明する。ここでは、第1無線局501と第2無線局502は時分割複信方式(TDD方式)で通信をしているものとする。
入力部530はカメラやマイクである。優先度付き符号化部503はスケーラブル符号化を行い、優先度付きデータを出力する。データ保持部531は再送のためのデータ保持を行う。優先度付きデータは、重要度に応じた優先度を設定された複数のデータ列で構成される。
優先度割付部504は、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。伝搬路予測優先度設定部533が空間ストリームの優先度を与える。その際、データ数が合わない時のデータ配分調整方法は、先に述べた優先度割付部304と同様である。
チャネル符号化部505は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、空間多重送信部506に送る。
空間多重送信部506では、図9Bに示された制御信号挿入部545が再送制御部532からの再送要求信号がある場合は再送要求信号を挿入する。無い場合は挿入しない。
ウェイト乗算部520では、伝搬路推定部534からの送信ウェイトを乗算し、既知信号挿入変調部521はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMA、OFDMなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部543を通して、空間多重アンテナ507から空間多重伝搬路508に送信する。
TDD方式では同じ周波数リソースを時間によって順方向と逆方向に切り替えて使うため、アンテナ切り替え部543及び544は、同じアンテナ507及び509に対して、時間により、空間多重送信部506、510からの入力と、空間多重受信部529、510への出力を切り替えて有効活用する。
空間多重アンテナ507は、複数アンテナ素子による構成と、単一アンテナの複数偏波を利用する構成方法がある。伝搬路は、空間多重伝搬路で、多重送信した複数のデータ列は、複数ストリームによって伝送され。また、伝搬損失やマルチパスやフェージング、シャドウイングが生じる。
第2無線局502は、空間多重アンテナ509で電波を受信する。このとき熱雑音が加わる。
アンテナ切り替え部544を通った信号は、図9Cに示された空間多重受信部510の復調部523に送られ、復調部523では、送信側の変調に合わせてCDMA、OFDM等の復調を行い、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換する。
ウェイト乗算部524では復調信号にウェイトを乗算し、制御信号分離部546では、再送要求信号を分離し、再送制御部516に伝える。
伝搬路推定部514では、図9Dに示された伝搬路計算部525で、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得る。
更に、ウェイト生成部526は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。ウェイトの計算方法は、E−SDM、ZF、MMSEなどがある。
図9Aの伝搬路予測優先度設定部515は、伝搬路計算値から空間ストリームの劣化しやすさを予測して優先度を決定する。劣化しやすさの予測は、先に説明した図(フローチャート)の方法がある。
最大固有値の空間ストリームは劣化しやすい空間ストリームであり、例えば、先の回の伝搬路計算値と比較して変化の大きい空間ストリーム等である。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部516に通知する。
再送制御部516は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部512では、優先度付きチャネル符号部537において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部513に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先付きチャネル符号化部537が通信阻害信号を出力する。通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、通信阻害信号は出力しない。
第2無線局502の表示部513は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。
一方、通信阻害がある場合は、再送制御部516は再送要求信号を出力する。TDD方式における逆方向の通信に割り当てられた時間において、再送要求信号は、図9Bに示された空間多重送信部517の制御信号挿入部545で送信信号に挿入される。
再送制御信号は、更に、図9Bに示されたウェイト乗算部520、既知信号挿入変調部521を通じて、送信方向に切り替えたアンテナ切り替え部544を通じて空間多重アンテナ509から、伝送路508を通して逆方向に伝搬され、第1基地局501の空間多重アンテナ507で受信され、逆方向に切り替えられたアンテナ切り替え部543を通って、空間多重受信部529で受信される。受信された後、再送制御信号は復調部523で復調され、ウェイト乗算部524でウェイトを掛けられたあと、制御信号分離部546から、再送制御部532に送られる。
再送制御部532は、データ保持部531に保持されている優先度情報付きデータを、再度、順方向の通信タイミングで再送する。
この場合、優先度割付部504を通じて優先度情報付きデータを再度空間ストリームに割り付け、優先度付きチャネル符号化部505、空間多重送信部506、送信方向に設定されたアンテナ切り替え部543を通して、空間多重伝搬路508を順方向に伝搬し、送信する。
第1無線局501からの優先度情報付きデータは、第2無線局502の空間多重アンテナ509で受信され、受信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部544を通って空間多重受信部510を通り、優先度付きチャネル復号部511で復号される。この時、再送された信号の優先度の高い空間ストリームの信号が正しく復号できて通信阻害がないと、チャネル復号部は、チャネル復号信号を出力する。優先度付き復号部512は優先度付き復号した信号を出力し、表示部513は表示を行う。
逆方向の動作も同様である。第1無線局501と第2無線局502は同じ構成及び動作である。
第2無線局502の入力部536もカメラやマイクである。優先度付き符号化部537はスケーラブル符号化を行い、優先度付きデータを出力する。データ保持部531は再送のためのデータ保持を行う。優先度付きデータは、重要度に応じた優先度を設定された複数のデータ列で構成される。
優先度割付部538は、優先度付きデータの優先度の高いものから、順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。
伝搬路予測優先度設定部515が空間ストリームの優先度を与える。その際、データ数が合わない時のデータ配分調整方法は、先に説明した方法と同様である。
チャネル符号化部539は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、空間多重送信部517に送る。
図9Bに示すように、第2無線局502の空間多重送信部517では、制御信号挿入部545で再送制御部516からの再送要求信号がある場合は再送要求信号を挿入し、ウェイト乗算部520では、伝搬路推定部514からの送信ウェイトを乗算し、既知信号挿入変調部521はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMA、OFDMなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信に切り替えたアンテナ切り替え部544を通して空間多重アンテナ509から送信し、空間多重伝搬路508を逆方向に伝搬する。
第1無線局501は、空間多重アンテナ507で電波を受信する。受信方向に切り替えたアンテナ切り替え部543を通った信号は、図9Cに示された空間多重受信部529の復調部523で復調され、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換される。
続いて、空間多重受信部529のウェイト乗算部524では復調信号にウェイトを乗算し、制御信号分離部546では、再送要求信号がある場合は再送要求信号を分離して再送制御部532に出力し、再送要求信号が無い場合には、再送制御部532に出力しない。
伝搬路推定部534では、図9Dに示された伝搬路計算部525で、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得る。ウェイト生成部526は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。
伝搬路予測優先度設定部533は、伝搬路計算値から空間ストリームの劣化しやすさを予測して優先度を決定する。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部532に通知する。
再送制御部532は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部541では、優先度付きチャネル符号部505において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部542に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先付きチャネル符号部が通信阻害信号を出力する。
通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、第1無線局501は通信阻害信号を出力しない。表示部542は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。通信阻害がある場合は、再送制御部532は、再送要求信号を出力する。
空間多重送信部506は、図9Bに示すように、順方向送信タイミングにおいて、制御信号挿入部545で再送要求信号を挿入する。更に、再送制御信号は、ウェイト乗算部520、既知信号挿入変調部521を通じて、送信方向に切り替えたアンテナ切り替え部543から空間多重アンテナ507を通じて伝送路508を順方向に伝搬する。伝搬された再送要求信号は、第2無線局502のアンテナ部509で受信され、受信側に切り替えたアンテナ切り替え部544を通って、空間多重受信部510で受信され、復調部523で復調され、ウェイト乗算部524でウェイトを掛けられたあと、制御信号分離部546から、再送制御部532に送られる。
逆方向送信タイミングにおいて、第2無線局502の再送制御部516は、優先度割付部538を通じて、データ保持部540の優先度情報付きデータを再送する。
優先度情報付きデータは優先度割付部538を通じて、再度、空間ストリームに割り付け、優先度付きチャネル符号化部539、空間多重送信部517、送信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部544を通して、空間多重伝搬路508を逆方向に伝搬する。
第1無線局501では、優先度情報付きデータを空間多重アンテナ507で受信し、受信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部543を通って空間多重受信部529を通り、優先度付きチャネル復号部540で復号される。この時、再送された信号の優先度の高い空間ストリームの信号が正しく復号できて通信阻害がないと、チャネル復号部は、チャネル復号信号を出力する。優先度付き復号部541は優先度付き復号後の信号を出力し、表示部542は表示を行う。
これは優先度の低いデータがベストエフォートであり、優先度の高いデータが再送制御を必要とするギャランティの場合の例であり、優先度の高いデータのQoSもベストエフォートの場合は、再送制御は行わない。その場合は、再送制御部532,538は不要であり、遅延時間は更に削減できる。
全てのデータがベストエフォートであっても、ベストエフォートの中で優先度の高いデータを優先度の高い空間ストリームに割り当てることによって優先度の高いデータが伝送し易くなるという効果が得られる。
これは、ベストエフォートの定義が、ベストエフォートとそれよりQoSの低いバックグラウンドを含む場合、また、同じベストエフォートの中でもレベルと言われる更に細かい段階分けをする場合に相当する。
図10A及び図10Bを参照して、複数無線局を含むシステムに本発明を適用した場合の実施例を説明する。
図10Aでは、第1無線局601と第2無線局602、第3無線局603は空間多重通信をする。この方法はマルチユーザMIMO、複数基地局協調MIMOとして知られている。図10Aはこのようなシステムに本発明を適用した例である。
第1無線局601から第2無線局602、第3無線局603への伝搬を順方向と呼び、反対を逆方向という。前述した例と同様に、各無線局は送信時に既知信号を送信する。
受信側では既知信号もしくは疑似既知信号として用いることの出来る判定後信号を用いて、伝搬路特性を計算する。
第2無線局602、第3無線局603は伝搬路特性を第1無線局601に通知し、第1無線局601では、それぞれの伝搬路特性を組み合わせてウェイトを生成する。
図10Aの例において、第1無線局601の第j送信アンテナと、第u無線局の第k受信アンテナ間の伝搬路特性をh(u−1)×K+k,jとする。このときu=2,3であり、Kは、第2無線局602と第3無線局603の受信アンテナ数である。このとき、伝搬路行列Hは以下に得る事が出来るため、ウェイト計算、固有値計算は1対1通信と同様に行える。
図10Bは協調通信の例であり、優先度付き情報を第4無線局604と第5無線局605から、第6無線局606と第7無線局607に伝達する。この方法では、第4無線局604と第5無線局605、第6無線局606と第7無線局607はそれぞれ送信信号及び受信信号を共有する。
第l無線局の第j送信アンテナと、第u無線局の第k受信アンテナ間の伝搬路特性をh(u−4)×K+k,(l−6)×L+jとする。このとき、l=4,5、u=6,7であり、Lは第4無線局、第5無線局の送信アンテナ数、Kは第6無線局、第7無線局の受信アンテナ数である。このとき、伝搬路行列Hは以下に得る事が出来るため、ウェイト計算、固有値計算は1対1通信と同様に行える。
送信側から複数の宛先へのデータがある場合、優先度には、各々の宛先毎の優先度を用いる必要があり、また、宛先のユーザの優先度情報も加味される。宛先の優先度の例としては、3GPPにおける端末のクラスなどがある。
このような複数局通信においても本発明は適用できる。すなわち、2以上の複数局間の空間ストリームにおいても、これまで述べた2局間の空間ストリームのように優先度を付けて、優先度付きデータの優先度に応じて割り付け通信する事ができる。
図4に戻ると、図1及び図2に示された実施形態で使用されるE−SDMの劣化予測方法を具体的に説明するフローチャートが示されており、ここでは、図1に示された伝搬路予測優先度設定部105の動作が示されている。尚、伝搬路予測優先度設定部105及び優先度割付部101は、ハードウェアによって実現されても良いし、ソフトウェアプログラムによって実現されても良い。また、当該ソフトウェアプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されているものであっても良い。
図4において、伝搬路計算値hkjが入力されると(ステップS1)、伝搬路計算値hkjを配置して伝搬路行列Hを作成し(ステップS2)、固有値計算を行い、固有値数m及び固有値λi(i=1,2,…,m)を計算する(ステップS3)。固有値の計算方法には、特異値分解、Householder、QR分解、DB法などがある。
第i空間ストリームの優先度PSiを初期化する(ステップS4)。
PSi=1(i=1,2,…,m) 式29
mの値が1以下の場合は優先度は無効なため終了する(ステップS5)。mが2以下の場合(ステップS6)、最大固有値λmaxを求め(ステップS7)、関連する空間ストリームの優先度PSmaxを下げる(ステップS8)。
PSmax=2 式30
ここで、空間ストリームの優先度は1が最も高く、値が大きくなるほど優先度は低いとしている。最大固有値の空間ストリームは時間と共に劣化し易いためである。最大固有値のストリームは最大電力が割り当てられ、時間変化による干渉は他の空間ストリームより大きくなるためである(非特許文献9参照)。
mの値が2より大きい場合は(ステップS6)、最大固有値λmaxと最小固有値λminを求め(ステップS9)、関連する空間ストリームの優先度PSmax、PSminを下げる(ステップS10)。
PSmin=2 式31
最小固有値は少しの変動があっても無くなり易いため、通信が誤る可能性が高いためである。
表1に、m=2の場合の優先度設定例を示す。最大固有値λmax=4であり、このときi=1なので、PS1=2とする。
図5のフローチャートに基づいて、繰り返し通信中のE−SDMの劣化予測方法について説明する。ここで云う繰り返し通信中とは、例えば、複数パケットにまたがるデータ通信である。これは、図2の具体例であり、図1の伝搬路予測優先度設定部105の動作である。
繰り返し通信中において、前回の伝搬路計算値から計算した固有値、固有ベクトルと今回の伝搬路計算値から計算した固有値、固有ベクトルの変化から、各空間ストリームの安定度を予測し安定度の高い空間ストリームの優先度を上げ、不安定な空間ストリームの優先度を下げる方法である。
まず、前回の固有ベクトルeu(n−1)(i=1,2,…m,u=1,2,…,m(n−1))が保持されている(ステップS11)。ここでm(n−1)は、前回の固有値の数である。
伝搬路予測優先度設定部105は、第n回の伝搬路計算値hkj(n)が入力されると(ステップS12)、伝搬路計算値hkj(n)を配置して伝搬路行列H(n)を作成し(ステップS13)、固有ベクトル計算を行い、固有値数m及び固有ベクトルei(i=1,2,…,m)を決定する(ステップS14)。固有ベクトルの計算方法には、特異値分解、Householder、QR分解、DB法などがある。各固有ベクトルeiの長さは送信側固有ベクトルでは送信側アンテナ数Mとなり、受信側固有ベクトルで行う場合は、受信側アンテナ数Nとなる。劣化予測はどちらを用いることも可能なため、本説明では、どちらの場合も固有ベクトル相関量計算を行い、空間ストリーム毎に最大の固有ベクトル相関量を選択する事で、前回の空間ストリーム番号uと今回の固有ストリーム番号iの関連づけを行う。
ただし、ここでei(n),eu(n−1)は正規化された値である。つまり、
各iに対してΔeiuが最大となるuを選択し、そのときのuをi(n−1)とする(ステップS16)。
更に、しきい値ΔethLを定め、Δeii(n−1)がしきい値ΔethLより低い場合(ステップS18)、前回の第i(n−1)空間ストリームと今回の第i空間ストリームは連続する空間ストリームではないと判断し、第i空間ストリームは不安定であると判断して低い優先度を設定する(ステップS19)。
PSi=3 式35
また、しきい値ΔethHを定め、Δeii(n−1)がしきい値ΔethHより高い場合(ステップS20)、前回の固有ベクトルと今回の固有ベクトルの相関が充分に高いと判断し、高い優先度を設定する(ステップS21)。
PSi=1 式36
Δeii(n−1)がΔethL<Δeii(n−1)<ΔethHの空間ストリームには、中程度の優先度を設定する。
PSi=2 式37
i=1からmまでの全空間ストリームに関して行う(ステップS17,S23)。
最大固有値λmaxを求め(ステップS24)、関連する空間ストリームの優先度PSmaxを下げる(ステップS25)。
これは、最大固有値は劣化しやすく、また、特に記載してないが最大送信電力を割り付けるために、相関の劣化によるストリーム間干渉電力も大きくなるためである(非特許文献3参照)。
図6のフローチャートに基づいて、図2の具体例である繰り返し通信中のW−SDMの劣化予測方法について説明する。
これは、図3の伝搬路予測優先度設定部205の動作である。
W−SDMは、伝搬路特性から送信電力制御や適応変調を行うのみであるため、空間ストリームは送信アンテナ毎になり、空間ストリーム番号iはアンテナ番号jと等しいと考える。
先の時間に計算した伝搬路計算値hjk(n−1)が保持されている(ステップS26)。今回計算した伝搬路計算値hjk(n)が入力される(ステップ27)。アンテナjの伝搬路変化量Δhj(n)を計算する(ステップS28)。但し、この式は伝搬路計算値が規格化された値でない場合に用いる。
各アンテナの伝搬路変化量を比較し、大きな値のアンテナから順次高い優先度を設定する(ステップS29)。
特に、Δhj(n)がマイナスの値の場合は縮小した事を示すので、劣化すると予測し、低い優先度を設定する。
具体例を表3に示すと、伝搬路変化量Δhj(n)が最も大きい空間ストリーム番号3の優先度を最大の1とし、続いて空間番号2,1、4の順に優先度を低く設定する。
また、縮小した固有値に関連する空間ストリームは劣化すると予測して優先度を低く設定する等、空間ストリームの優先度の割付には種々の手法を使用することができる。
図7A〜図7Eを参照して、本発明に係る他の実施例を説明する。
ここでは、優先度付きデータが特定の送信側301から受信側無線局302に送信される例が示されている。優先度付きデータは、各々異なる優先度の複数のデータ列で構成されているものとする。
伝搬路予測優先度設定部305は、伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付ける。
優先度割付部304は、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。割付の際、データ数が合わないとデータ配分の調整を行う。上記した伝搬路予測優先度設定部305及び優先度割付部304は、前述した実施例と同様に、ハードウェアによって実現されても良いし、ソフトウェアプログラムによって実現されても良い。
以下に表を用いて具体的に説明する。
表4,表5に優先度付きデータとそのビット数、空間ストリームの優先度と送信ビット数の例を示す。
優先度付きデータは、本明細書の背景技術で説明したように空間スケーラビリティ、時間スケーラビリティ、SNRスケーラビリティ、ROIスケーラビリティ等に基くものがあり、また、ビデオ配信において音声と画像が同時配信される場合は、音声の優先度は画像より高いとする。また、これらのスケーラビリティ、データタイプの複合型もある。優先度の表し方はシステムにより異なるが、この例では、優先度が高い事を小さな番号で表している。
表4によると、最も解像度が低い基本レイヤと、その解像度を順次上げる冗長データの第1拡張レイヤと第2拡張レイヤがある。優先度は情報の重要度に従い、基本レイヤがもっとも高く、1とする。サービス品質(QoS)が低いものほど、優先度は高い傾向となる。一方、第i空間ストリームの優先度は、伝搬路予測優先度設定部305が設定する。
送信ビット数は、伝搬路情報によって指定される。表5はその例である。
優先度割付部304は、最も優先度の高い優先度付きデータから順次、優先度の高い空間ストリームに割り振るので、優先度1の基本レイヤを優先度1の第2空間ストリームに割り振る。
データ列のデータ数が異なるため、第2空間ストリームには、基本レイヤ128ビットに引き続いて第1拡張レイヤの冗長データの前半256ビットの合計384ビットが割り振られる。続いて、第1拡張レイヤの冗長データの残り126ビットを優先度2の第3空間ストリームに割り振り、続いて、第2拡張レイヤの冗長データを優先度3及び4の第1空間ストリームと第4空間ストリームに割り振られる。
このように、優先度割付部304は、データ調整機能を有する場合がある。
空間多重送信部306は図7Bに示されたように、ウェイト乗算部320、既知信号挿入変調部321、ウェイト生成部322を備えている。ウェイト生成部322は伝搬路情報からM×mの送信ウェイトWtを設定し、ウェイト乗算部320で各々の空間ストリームで送信するチャネル符号化したデータbi(i=1,2,…,m)に送信ウェイトを掛けてアンテナ送信信号ti(i=1,2,…,m)とする。
既知信号挿入変調部321はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMAなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信空間多重アンテナ307から空間多重伝搬路308に送信する。
送信空間多重アンテナ307は、複数アンテナ素子による構成と、単一アンテナの複数偏波を利用する構成方法がある。
空間多重伝搬路308で、多重送信した複数のデータ列は、複数ストリームによって伝送されるが、空間多重伝搬路308では、伝搬損失やマルチパスやフェージング、シャドウイングなどが生じる。
受信側302では、電波を受信空間多重アンテナ309を介して空間多重受信部310で受信する。受信する際、熱雑音も加わる。
空間多重受信部310は、図7Cに示されているように、復調部323とウェイト乗算部324とを備え、復調部323では、送信側の変調に合わせてCDMA、OFDM等の復調を行い、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換する。一方、空間多重受信部310のウェイト乗算部324では復調信号にウェイトを乗算する。
受信側無線局302の伝搬路推定部314は、図7Dに示すように、伝搬路計算部325、ウェイト生成部326、及び、伝搬路情報生成部327を備えている。伝搬路推定部314の伝搬路計算部325では、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得、伝搬路推定値としてウェイト生成部326に出力する。ウェイト生成部326は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。ウェイトの計算方法は、E−SDM、ZF、MMSEなどがある。
伝搬路推定部314の伝搬路情報生成部327は、伝搬路計算値もしくはウェイトを元に送信側に送る伝搬路情報を、システムで取り決めた値より選択し出力する。
伝搬路情報は、伝搬路計算値及び雑音から計算される空間ストリーム毎の通信容量と送信側ウェイトの指定であり、伝搬路情報の従来例としては通信レートを表示するCQI(Channel Quality Indicator)、ウェイトを通知するPCI(Precoding control indicator)やCodebook Indexがある。
伝搬路情報から空間ストリームの劣化しやすさを予測し優先度を決定する。劣化しやすさは、最大ウェイトを掛ける空間ストリームは劣化しやすい、先の伝搬路情報と比較して容量やウェイト設定の変化の大きい空間ストリームは劣化しやすいなどである。
図7Aに示された優先度付きチャネル復号部311は、空間ストリームの優先度に従い、空間ストリーム毎にチャネル復号する。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部316に通知される。
受信側再送制御部316は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部312では、優先度付きチャネル復号部311において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部313に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先度付きチャネル復号部312が通信阻害信号を出力する。通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、通信阻害信号は出力しない。表示部313は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。
受信側無線局302からの伝搬路情報は、アンテナ318と逆方向伝搬路319を通してアンテナ328で受信され、送信側受信部329で受信され、空間多重送信部306のウェイト生成部322と、伝搬路予測優先度設定部305に通知される。
また、通信阻害が発生した場合、再送要求信号が受信側送信部317、アンテナ318、逆方向伝搬路319、アンテナ328、送信側受信部329を経て送信側再送制御部330に伝えられ、送信側再送制御部は、通信阻害のあったデータを再送する。
このとき、逆方向伝搬路319は、FDD方式では伝搬路308とは異なる周波数であり、TDD方式では同一周波数である。
また、アンテナ318、327が空間多重アンテナで逆方向伝搬路319が空間多重伝搬路の場合もそうでない場合もある。
図7Eには、図7Bに示された空間多重送信部306とは異なる構成を有する空間多重送信部306の例が示されている。図7Eに示された空間多重送信部306は、既知信号挿入部331、ウェイト乗算部332、変調部333を備えると共に、図7Bと同様にウェイト生成部322を有している。図7Eからも明らかなように、既知信号挿入部331で挿入される既知信号の挿入位置が異なっている例である。
図7Eに示された例では、空間多重送信部306に設けられた既知信号挿入部331は、空間ストリーム毎に符号化した信号に既知信号を挿入し、その後、ウェイト乗算部332はウェイトを乗算し、変調部333はCDMA、OFDMなどの変調を行う。
この例では、優先度の低いデータは確実な送信を保証しないバックグラウンドやベストエフォートであり、ここでは代表してベストエフォートと呼ぶことにする。また、優先度の高いデータは確実な送信を保証するデータであり、代表してギャランティと呼ぶことにする。
一方、優先度の低いデータのQoSがバックグラウンドで優先度の高いデータのQoSも送信を保証しないタイプのベストエフォートの場合は、
再送制御は行わない。その場合は、送信側制御部330、受信側送信部317は不要であり、遅延時間は更に削減できる。全てのデータがベストエフォートであっても、ベストエフォートの中で優先度の高いデートを優先度の高い空間ストリームに割り当てることによって優先度の高いデータが伝送し易くなるという効果が得られる。
これは、ベストエフォートの定義が、ベストエフォートとそれよりQoSの低いバックグラウンドを含む場合、また、同じベストエフォートの中でもレベルと言われる更に細かい段階分けをする場合に相当する。
この実施例の効果は、送信側での伝搬路推定頻度を減らしても、再送制御による遅延を削減できる事である。その理由は、伝搬路特性の時間変化によって劣化しにくい空間ストリームに優先度の高い優先度付きデータを割り振るために、誤りを優先度の低い優先度付きデータに偏らせる事ができるため、優先度の高い優先度付きデータは正しく通信でき、再送制御を行わないためである。
図8A〜図8Eを参照して、本発明に係る他の実施例を説明する。
図示された実施例は、優先度付きデータを、特定の送信側無線局401から受信側無線局402に通信する例である。優先度付きデータは、重要度に応じた優先度を設定された複数のデータ列で構成される。優先度割付部404は、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。空間ストリームの優先度情報は優先度付き伝搬路情報で与えられる。その際、データ数が合わない時のデータ配分調整方法は、図7Aに示した優先度割付部304と同様な方法で行われる。
チャネル符号化部405は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、変調空間多重送信部406に送る。
空間多重送信部406では、図8Bに示すように、優先度付き伝搬路情報からウェイト生成部422がm×mの送信ウェイトWtを設定し、ウェイト乗算部420で各々の空間ストリームで送信するチャネル符号化したデータbi(i=1,2,…,m)に送信ウェイトを掛けてアンテナ送信信号ti(i=1,2,…,m)とする。
詳細動作は図7A〜図7Eに示した空間多重送信部306と同様である。
即ち、図8Bに示すように、空間多重送信部406の既知信号挿入変調部421はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMAなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信空間多重アンテナ407から空間多重伝搬路408に送信する。
送信空間多重アンテナ407は、複数アンテナ素子による構成と、単一アンテナの複数偏波を利用する構成方法がある。
空間多重伝搬路408で、多重送信した複数のデータ列は、複数ストリームによって伝送される。空間多重伝搬路408では、伝搬損失やマルチパスやフェージング、シャドウイングなどが生じ、空間多重伝搬路408の特性は時間と共に変化する。
受信側無線局402では、受信空間多重アンテナ409で電波を受信する。
このとき熱雑音が加わる。図8Cに示されているように、空間多重受信部410の復調部423では、送信側の変調に合わせてCDMA、OFDM等の復調を行い、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換する。ウェイト乗算部424では復調信号にウェイトを乗算する。
次に、図8Dに示された伝搬路推定部414では、伝搬路計算部425で、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得る。
更に、図8Dに示された伝搬路推定部414のウェイト生成部426は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。ウェイトの計算方法は、E−SDM、ZF、MMSEなどがある。
優先度付き伝搬路情報生成部427は、伝搬路計算値もしくはウェイトを元に送信側に送る伝搬路情報を、システムで取り決めた値より選択する。また、伝搬路予測優先度設定部415から受け取った空間ストリーム優先度情報を合わせて優先度付き伝搬路情報を出力する。
伝搬路情報は、伝搬路計算値及び雑音から計算される空間ストリーム毎の通信容量と送信側ウェイトの指定であり、伝搬路情報の従来例としてはCQI、PCIなどがある。
このとき、伝搬路情報のビット数をfビットとすると、優先度付き伝搬路特性は、伝搬路情報fビットに優先度情報gビットを付加する。
例として、空間ストリームの個数がm=4の場合に、最も優先度の高い空間ストリーム番号を優先度情報として付加すると、2ビットで通知可能なので、g=2ビットを付加する。伝搬路情報が6ビットの場合、それに優先度情報2ビットを足して8ビットで通知する。
図8Aに示された伝搬路予測優先度設定部415は、伝搬路計算値から空間ストリームの劣化しやすさを予測して優先度を決定する。劣化しやすさの予測方法としては、先に図7A〜図7E及び図4を参照して説明した方法がある。
更に、最大ウェイトを掛ける空間ストリームは劣化しやすいこと、先の伝搬路情報と比較して容量やウェイト設定の変化の大きい空間ストリームは劣化しやすいこと等を利用して、劣化しやすさを予測しても良い。
優先度付きチャネル復号部411は、空間ストリームの優先度に従い、空間ストリーム毎にチャネル復号する。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部416に通知される。
受信側再送制御部416は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部412では、優先度付きチャネル復号部411において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部413に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先度付きチャネル復号部412が通信阻害信号を出力する。通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、通信阻害信号は出力しない。表示部413は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。
図示された例では、伝搬路情報は、アンテナ418と逆方向伝搬路419を通してアンテナ428で受信され、送信側受信部429で受信され、図8Bに示された空間多重送信部406のウェイト生成部422と、図8Aの優先度割付部404に通知される。
また、通信阻害が発生した場合、再送要求信号が受信側送信部417、アンテナ418、逆方向伝搬路419、アンテナ428、送信側受信部429を経て送信側再送制御部430に伝えられ、送信側再送制御部430は、通信阻害のあったデータを再送する。
このとき、逆方向伝搬路419は、FDD方式では伝搬路408とは異なる周波数であり、TDD方式では同一周波数である。
また、アンテナ418、428が空間多重アンテナで逆方向伝搬路419が空間多重伝搬路の場合もそうでない場合もある。
図8Eに示された空間多重送信部406は図8Bと既知信号挿入の位置が異なっている。
この例では、空間多重送信部406において、既知信号挿入部431は、空間ストリーム毎に符号化した信号に既知信号を挿入し、その後ウェイト乗算部432はウェイトを乗算し、変調部433はCDMA、OFDMなどの変調を行う。
これは優先度の低いデータがベストエフォートであり、優先度の高いデータが再送制御を必要とするギャランティの場合の例であり、優先度の高いデータのQoSもベストエフォートの場合は、再送制御は行わない。その場合は、送信側再送制御部330、受信側318は不要であり、遅延時間は更に削減できる。
全てのデータがベストエフォートであっても、ベストエフォートの中で優先度の高いデータを優先度の高い空間ストリームに割り当てることによって優先度の高いデータが伝送し易くなるという効果が得られる。
これは、ベストエフォートの定義が、ベストエフォートとそれよりQoSの低いバックグラウンドを含む場合、また、同じベストエフォートの中でもレベルと言われる更に細かい段階分けをする場合に相当する。
この実施例のように、送信側において伝搬路の予測頻度を減らし、受信側において伝搬路の予測を行わなくても、再送制御による遅延を削減できると言う効果を有している。
図9A〜図9Dを参照して、更に他の実施例を説明する。ここでは、第1無線局501と第2無線局502は時分割複信方式(TDD方式)で通信をしているものとする。
入力部530はカメラやマイクである。優先度付き符号化部503はスケーラブル符号化を行い、優先度付きデータを出力する。データ保持部531は再送のためのデータ保持を行う。優先度付きデータは、重要度に応じた優先度を設定された複数のデータ列で構成される。
優先度割付部504は、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。伝搬路予測優先度設定部533が空間ストリームの優先度を与える。その際、データ数が合わない時のデータ配分調整方法は、先に述べた優先度割付部304と同様である。
チャネル符号化部505は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、空間多重送信部506に送る。
空間多重送信部506では、図9Bに示された制御信号挿入部545が再送制御部532からの再送要求信号がある場合は再送要求信号を挿入する。無い場合は挿入しない。
ウェイト乗算部520では、伝搬路推定部534からの送信ウェイトを乗算し、既知信号挿入変調部521はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMA、OFDMなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部543を通して、空間多重アンテナ507から空間多重伝搬路508に送信する。
TDD方式では同じ周波数リソースを時間によって順方向と逆方向に切り替えて使うため、アンテナ切り替え部543及び544は、同じアンテナ507及び509に対して、時間により、空間多重送信部506、510からの入力と、空間多重受信部529、510への出力を切り替えて有効活用する。
空間多重アンテナ507は、複数アンテナ素子による構成と、単一アンテナの複数偏波を利用する構成方法がある。伝搬路は、空間多重伝搬路で、多重送信した複数のデータ列は、複数ストリームによって伝送され。また、伝搬損失やマルチパスやフェージング、シャドウイングが生じる。
第2無線局502は、空間多重アンテナ509で電波を受信する。このとき熱雑音が加わる。
アンテナ切り替え部544を通った信号は、図9Cに示された空間多重受信部510の復調部523に送られ、復調部523では、送信側の変調に合わせてCDMA、OFDM等の復調を行い、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換する。
ウェイト乗算部524では復調信号にウェイトを乗算し、制御信号分離部546では、再送要求信号を分離し、再送制御部516に伝える。
伝搬路推定部514では、図9Dに示された伝搬路計算部525で、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得る。
更に、ウェイト生成部526は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。ウェイトの計算方法は、E−SDM、ZF、MMSEなどがある。
図9Aの伝搬路予測優先度設定部515は、伝搬路計算値から空間ストリームの劣化しやすさを予測して優先度を決定する。劣化しやすさの予測は、先に説明した図(フローチャート)の方法がある。
最大固有値の空間ストリームは劣化しやすい空間ストリームであり、例えば、先の回の伝搬路計算値と比較して変化の大きい空間ストリーム等である。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部516に通知する。
再送制御部516は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部512では、優先度付きチャネル符号部537において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部513に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先付きチャネル符号化部537が通信阻害信号を出力する。通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、通信阻害信号は出力しない。
第2無線局502の表示部513は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。
一方、通信阻害がある場合は、再送制御部516は再送要求信号を出力する。TDD方式における逆方向の通信に割り当てられた時間において、再送要求信号は、図9Bに示された空間多重送信部517の制御信号挿入部545で送信信号に挿入される。
再送制御信号は、更に、図9Bに示されたウェイト乗算部520、既知信号挿入変調部521を通じて、送信方向に切り替えたアンテナ切り替え部544を通じて空間多重アンテナ509から、伝送路508を通して逆方向に伝搬され、第1基地局501の空間多重アンテナ507で受信され、逆方向に切り替えられたアンテナ切り替え部543を通って、空間多重受信部529で受信される。受信された後、再送制御信号は復調部523で復調され、ウェイト乗算部524でウェイトを掛けられたあと、制御信号分離部546から、再送制御部532に送られる。
再送制御部532は、データ保持部531に保持されている優先度情報付きデータを、再度、順方向の通信タイミングで再送する。
この場合、優先度割付部504を通じて優先度情報付きデータを再度空間ストリームに割り付け、優先度付きチャネル符号化部505、空間多重送信部506、送信方向に設定されたアンテナ切り替え部543を通して、空間多重伝搬路508を順方向に伝搬し、送信する。
第1無線局501からの優先度情報付きデータは、第2無線局502の空間多重アンテナ509で受信され、受信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部544を通って空間多重受信部510を通り、優先度付きチャネル復号部511で復号される。この時、再送された信号の優先度の高い空間ストリームの信号が正しく復号できて通信阻害がないと、チャネル復号部は、チャネル復号信号を出力する。優先度付き復号部512は優先度付き復号した信号を出力し、表示部513は表示を行う。
逆方向の動作も同様である。第1無線局501と第2無線局502は同じ構成及び動作である。
第2無線局502の入力部536もカメラやマイクである。優先度付き符号化部537はスケーラブル符号化を行い、優先度付きデータを出力する。データ保持部531は再送のためのデータ保持を行う。優先度付きデータは、重要度に応じた優先度を設定された複数のデータ列で構成される。
優先度割付部538は、優先度付きデータの優先度の高いものから、順次、優先度の高い空間ストリームに割り付ける。
伝搬路予測優先度設定部515が空間ストリームの優先度を与える。その際、データ数が合わない時のデータ配分調整方法は、先に説明した方法と同様である。
チャネル符号化部539は、空間ストリーム毎に割り振られたデータそれぞれに、受信側で誤りがないか検査できるようにチャネル符号化し、空間多重送信部517に送る。
図9Bに示すように、第2無線局502の空間多重送信部517では、制御信号挿入部545で再送制御部516からの再送要求信号がある場合は再送要求信号を挿入し、ウェイト乗算部520では、伝搬路推定部514からの送信ウェイトを乗算し、既知信号挿入変調部521はウェイトを掛けた信号に既知信号を挿入し、方式によって、CDMAもしくはOFDMA、OFDMなどの変調を行い、必要に応じて無線搬送波周波数に周波数変換し、送信に切り替えたアンテナ切り替え部544を通して空間多重アンテナ509から送信し、空間多重伝搬路508を逆方向に伝搬する。
第1無線局501は、空間多重アンテナ507で電波を受信する。受信方向に切り替えたアンテナ切り替え部543を通った信号は、図9Cに示された空間多重受信部529の復調部523で復調され、必要に応じて信号処理可能な周波数に変換される。
続いて、空間多重受信部529のウェイト乗算部524では復調信号にウェイトを乗算し、制御信号分離部546では、再送要求信号がある場合は再送要求信号を分離して再送制御部532に出力し、再送要求信号が無い場合には、再送制御部532に出力しない。
伝搬路推定部534では、図9Dに示された伝搬路計算部525で、送信側で挿入された既知信号もしくは疑似既知信号として扱うことのできる判定後信号を用い、復調信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化して伝搬路計算値を得る。ウェイト生成部526は、伝搬路推定値から、ウェイトを計算する。
伝搬路予測優先度設定部533は、伝搬路計算値から空間ストリームの劣化しやすさを予測して優先度を決定する。優先度の最も高い空間ストリームの復号が失敗すると通信阻害信号を出力し、成功すると通信阻害信号を出力しない。通信阻害信号は受信側再送制御部532に通知する。
再送制御部532は、通信阻害がなければ再送要求せず、通信阻害があると受信側送信部に再送要求信号を出力する。
優先度付き復号部541では、優先度付きチャネル符号部505において通信阻害信号の出力がないとき、優先度付きチャネル復号を行う。同一情報の優先度付きデータの場合、基本レイヤが通信できておらず拡張レイヤを復号しても無効なため、以降の復号を中断し、復号したデータのみを表示部542に送る。
優先度が最高の優先度付きデータが優先度の最も高い空間ストリームで終了せず、続く空間ストリームの復号が失敗した場合は、優先付きチャネル符号部が通信阻害信号を出力する。
通信阻害がある場合は、復号処理を停止して再送データの受信を待つ。
優先度が最高の優先度付きデータは正しく復号でき優先度の低い優先度付きデータの復号に失敗した場合は、第1無線局501は通信阻害信号を出力しない。表示部542は、画像の場合はディスプレイ、音声の場合はマイクなどである。通信阻害がある場合は、再送制御部532は、再送要求信号を出力する。
空間多重送信部506は、図9Bに示すように、順方向送信タイミングにおいて、制御信号挿入部545で再送要求信号を挿入する。更に、再送制御信号は、ウェイト乗算部520、既知信号挿入変調部521を通じて、送信方向に切り替えたアンテナ切り替え部543から空間多重アンテナ507を通じて伝送路508を順方向に伝搬する。伝搬された再送要求信号は、第2無線局502のアンテナ部509で受信され、受信側に切り替えたアンテナ切り替え部544を通って、空間多重受信部510で受信され、復調部523で復調され、ウェイト乗算部524でウェイトを掛けられたあと、制御信号分離部546から、再送制御部532に送られる。
逆方向送信タイミングにおいて、第2無線局502の再送制御部516は、優先度割付部538を通じて、データ保持部540の優先度情報付きデータを再送する。
優先度情報付きデータは優先度割付部538を通じて、再度、空間ストリームに割り付け、優先度付きチャネル符号化部539、空間多重送信部517、送信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部544を通して、空間多重伝搬路508を逆方向に伝搬する。
第1無線局501では、優先度情報付きデータを空間多重アンテナ507で受信し、受信方向に切り替えられたアンテナ切り替え部543を通って空間多重受信部529を通り、優先度付きチャネル復号部540で復号される。この時、再送された信号の優先度の高い空間ストリームの信号が正しく復号できて通信阻害がないと、チャネル復号部は、チャネル復号信号を出力する。優先度付き復号部541は優先度付き復号後の信号を出力し、表示部542は表示を行う。
これは優先度の低いデータがベストエフォートであり、優先度の高いデータが再送制御を必要とするギャランティの場合の例であり、優先度の高いデータのQoSもベストエフォートの場合は、再送制御は行わない。その場合は、再送制御部532,538は不要であり、遅延時間は更に削減できる。
全てのデータがベストエフォートであっても、ベストエフォートの中で優先度の高いデータを優先度の高い空間ストリームに割り当てることによって優先度の高いデータが伝送し易くなるという効果が得られる。
これは、ベストエフォートの定義が、ベストエフォートとそれよりQoSの低いバックグラウンドを含む場合、また、同じベストエフォートの中でもレベルと言われる更に細かい段階分けをする場合に相当する。
図10A及び図10Bを参照して、複数無線局を含むシステムに本発明を適用した場合の実施例を説明する。
図10Aでは、第1無線局601と第2無線局602、第3無線局603は空間多重通信をする。この方法はマルチユーザMIMO、複数基地局協調MIMOとして知られている。図10Aはこのようなシステムに本発明を適用した例である。
第1無線局601から第2無線局602、第3無線局603への伝搬を順方向と呼び、反対を逆方向という。前述した例と同様に、各無線局は送信時に既知信号を送信する。
受信側では既知信号もしくは疑似既知信号として用いることの出来る判定後信号を用いて、伝搬路特性を計算する。
第2無線局602、第3無線局603は伝搬路特性を第1無線局601に通知し、第1無線局601では、それぞれの伝搬路特性を組み合わせてウェイトを生成する。
図10Aの例において、第1無線局601の第j送信アンテナと、第u無線局の第k受信アンテナ間の伝搬路特性をh(u−1)×K+k,jとする。このときu=2,3であり、Kは、第2無線局602と第3無線局603の受信アンテナ数である。このとき、伝搬路行列Hは以下に得る事が出来るため、ウェイト計算、固有値計算は1対1通信と同様に行える。
図10Bは協調通信の例であり、優先度付き情報を第4無線局604と第5無線局605から、第6無線局606と第7無線局607に伝達する。この方法では、第4無線局604と第5無線局605、第6無線局606と第7無線局607はそれぞれ送信信号及び受信信号を共有する。
第l無線局の第j送信アンテナと、第u無線局の第k受信アンテナ間の伝搬路特性をh(u−4)×K+k,(l−6)×L+jとする。このとき、l=4,5、u=6,7であり、Lは第4無線局、第5無線局の送信アンテナ数、Kは第6無線局、第7無線局の受信アンテナ数である。このとき、伝搬路行列Hは以下に得る事が出来るため、ウェイト計算、固有値計算は1対1通信と同様に行える。
送信側から複数の宛先へのデータがある場合、優先度には、各々の宛先毎の優先度を用いる必要があり、また、宛先のユーザの優先度情報も加味される。宛先の優先度の例としては、3GPPにおける端末のクラスなどがある。
このような複数局通信においても本発明は適用できる。すなわち、2以上の複数局間の空間ストリームにおいても、これまで述べた2局間の空間ストリームのように優先度を付けて、優先度付きデータの優先度に応じて割り付け通信する事ができる。
本発明によれば、パーソナル移動体通信におけるマルチメディア情報の配信といった用途に適用できる。また、複数無線局の協調通信といった用途にも適用可能である。
この出願は、2007年12月17日に出願された日本出願特願第2007−325330号及び2008年7月24日に出願された日本出願特願第2008−191303号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
この出願は、2007年12月17日に出願された日本出願特願第2007−325330号及び2008年7月24日に出願された日本出願特願第2008−191303号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
Claims (26)
- それぞれ優先度の付いた複数のデータ列で構成された優先度付きデータを複数の空間ストリームとして空間多重伝搬路を介して送信し、
前記空間多重伝搬路を介して受信された複数の空間ストリームを多重分離して受信すると共に、
前記空間多重伝搬路に既知信号又は判定済の疑似的な既知信号を送信することにより、前記空間多重伝搬路の特性を計算して、伝搬路計算値として求め、
前記伝搬路計算値から各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い空間ストリームの優先度を割り付け、
前記空間ストリームの優先度に従って、前記優先度の付いたデータの優先度の高いものから、順次、優先度の高い空間ストリームに割り付けることを特徴とする通信方法。 - 請求項1において、前記空間多重伝搬路の特性の計算は、前記空間多重伝搬路を通った信号に、前記既知信号又は前記疑似的な既知信号の複素共役を乗算して平均化することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項1において、前記複数の空間ストリームの送信は、複数アンテナ素子を用いるか、或いは、単一アンテナ素子の複数偏波を用いて、前記複数空間ストリームを形成し、空間多重送信を行うことを含んでいることを特徴とする通信方法。
- 前記複数の空間ストリームの多重分離受信は、複数アンテナ素子もしくは単一アンテナ素子の偏波を用いて受信し、前記複数の空間ストリームを分離受信することを含んでいることを特徴とする通信方法。
- 請求項1において、前記空間ストリームの優先度の割付は、前記伝搬路計算値から計算した固有値の大きい空間ストリームに低い優先度を設定することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項1において、前記空間ストリームの優先度の割付は、前記空間ストリームが3以上ある場合、前記伝搬路計算値から計算した固有値が最大の空間ストリームに低い優先度を設定すると共に、固有値の小さい空間ストリームに低い優先度を設定することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項1において、前記空間ストリームの優先度の割付は、前回の伝搬路計算値から、不安定な空間ストリームと安定した空間ストリームを検出し、安定した空間ストリームには高い優先度を、不安定な空間ストリームには低い優先度を設定することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項7において、繰り返し通信する場合において、前記空間ストリームの優先度の割付は、前回の伝搬路計算値から計算した前回の固有ベクトルと今回の伝搬路計算値から計算した固有ベクトルの固有ベクトル相関量を計算し、固有ベクトル相関量が大きい場合、空間ストリームが安定していると判断して高い優先度を設定し、小さい場合に、空間ストリームが不安定と判断して低い優先度を設定することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項8において、繰り返し通信する場合において、前記空間ストリームの優先度の割付は、前回の伝搬路計算値と今回の伝搬路計算値から計算した伝搬路変化量を比較し、前記今回の伝搬路変化量が大きい場合には不安定と判断し、低い優先度を設定し、前記今回の伝搬路変化量が小さい場合には安定していると判断し、高い優先度を設定することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項1において、更に、前記優先度付きデータを含む前記複数の空間ストリームを前記空間ストリーム毎に、符号化すると共に、前記符号化された空間ストリームを復号し、前記復号において、前記優先度が最大のデータの復号に失敗すると通信阻害信号を出力し、前記通信阻害信号を受けて、再送要求信号を出力することを含むことを特徴とする通信方法。
- 請求項10において、前記符号化された空間ストリームの復号において、優先度が最大でないデータの復号に失敗した場合には通信阻害信号を出力せず、前記再送要求信号も出力しないことを含むことを特徴とする通信方法。
- 入力データに応答し、当該入力データが優先度の付いた複数のデータ列で構成されている優先度付きデータであるかどうかを判定し、
前記入力データが優先度付きデータでないことが判定されると、優先度付き割付を行うことなく、伝搬路情報通知間隔を所定の間隔に設定すると共に、
他方、前記入力データが優先度付きデータであることが判定されると、優先度付き割付を行うと共に、前記伝搬路情報通知間隔を前記優先度付きデータでない場合における前記所定の間隔より長く設定して、
空間多重伝搬路を通して、複数空間ストリームの空間多重送受信を行い、
更に、既知信号を用いるか、判定済み信号を疑似的に既知信号として用いて、伝搬路を通った信号に既知信号の複素共役を乗算して平均化することにより、伝搬路計算値を計算し、前記伝搬路計算値に基づいた伝搬路情報を伝搬路情報通知間隔で出力する一方、
前記伝搬路計算値に基づき各空間ストリームの劣化し易さを予測し、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い空間ストリームの優先度を割り付けることにより、伝搬路予測優先度設定を行い、
前記伝搬路情報の指定する通信容量に従い、データの優先度と、前記伝搬路予測優先度設定によって得られる前記空間ストリームの優先度を用いて、優先度付きデータの優先度の高いものから順次、優先度の高い空間ストリームに割り付けることを特徴とする通信方法。 - 請求項1から12のいずれか一つに記載の通信方法を利用した通信システム。
- 請求項1から12のいずれか一つに記載の通信方法に使用される通信装置。
- 複数の空間ストリームに、伝搬路予測に基づいて空間ストリームの優先度を付け、前記空間ストリームの優先度に基づいてデータを割り当てることを特徴とする通信方法。
- 請求項15において、前記データは優先度を有するデータであり、前記空間ストリームの優先度と前記データの優先度の双方に基づいて、前記データを前記空間ストリームに割り当てることを特徴とする通信方法。
- 空間多重伝搬路の特性を推定し、伝搬路計算値を出力する伝搬路推定手段と、前記伝搬路計算値から各空間ストリームの優先度を予測し、各空間ストリームに優先度を設定する伝搬路予測優先度設定手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
- 請求項17において、前記伝搬路予測優先度設定手段は、空間ストリームの劣化し易さを予測し、前記空間ストリームに、劣化しにくいものに高く、劣化しやすいものに低い優先度を割り付ける手段を有することを特徴とする通信装置。
- 請求項17において、前記伝搬路推定手段は、既知信号又は判定済み信号を疑似的な既知信号を生成する生成手段と、前記空間多重伝搬路を通った前記既知信号又は前記疑似的な既知信号に、これらの信号の複素共役を乗算して平均化することにより、前記空間多重伝搬路の特性をあらわす伝搬路計算値を出力する手段とを有することを特徴とする通信装置。
- 請求項17において、更に、前記空間ストリームの優先度に応じて、入力データを割り付けるデータ割付手段を備えていることを特徴とする通信装置。
- 請求項20において、前記データ割付手段は、優先度付きデータを前記入力データとして受け、前記入力データのうち、優先度の高いデータに対して、優先度の高い前記空間ストリームを割り付ける優先度割付手段を有していることを特徴とする通信装置。
- 請求項20において、前記データ割付手段は、前記入力データの優先度を判定する優先度付きデータ判定手段と、前記入力データが優先度付きデータである場合に、前記優先度割付手段を有効にすると共に、伝搬路情報通知間隔を前記入力データが優先度付きデータでない場合に比較して長くする手段を有することを特徴とする通信装置。
- 空間多重伝搬路の特性を推定し、伝搬路計算値を出力する伝搬路推定回路部と、前記伝搬路計算値から各空間ストリームの優先度を予測し、各空間ストリームに優先度を設定する伝搬路予測優先度設定回路部とを備えていることを特徴とする通信装置。
- 複数の空間ストリームを含む空間多重伝搬路を介して送受信を行う通信装置を制御するのに使用されるプログラムにおいて、各空間ストリームに関する前記空間多重伝搬路の特性を推定し、前記各空間ストリームに関する前記空間多重伝搬路の推定値を算出するステップと、前記推定値に基づいて前記各空間ストリームに優先度を割り付けるステップとを含むことを特徴とするプログラム。
- 請求項24において、前記優先度を割り付けるステップは、前記各空間ストリームの劣化し易さを予測するステップと、劣化しにくい空間ストリームに高い優先度を割り付け、劣化し易い空間ストリームに低い優先度を割り付けるステップとを有することを特徴とするプログラム。
- 複数の空間ストリームを含む空間多重伝搬路を介して送受信を行う通信装置を制御するのに使用されるプログラムを格納した記録媒体において、各空間ストリームに関する前記空間多重伝搬路の特性を推定し、前記各空間ストリームに関する前記空間多重伝搬路の推定値を算出するステップと、前記推定値に基づいて前記各空間ストリームに優先度を割り付けるステップとを含むプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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