JPWO2009075249A1 - ディーゼル燃料組成物 - Google Patents

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Abstract

ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物であって、一般に普及しているディーゼル自動車に使用でき、且つスラッジの発生を大幅に低減できるディーゼル燃料組成物を提供する。芳香族分を含有するディーゼル軽油と、バイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物であって、前記ディーゼル燃料組成物中の前記バイオディーゼルの含有率が10容量%〜50容量%であり、前記ディーゼル軽油中の前記芳香族分の含有率が30容量%以上であることを特徴とするディーゼル燃料組成物を提供する。

Description

本発明は、ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物に関し、特に、一般に普及しているディーゼル自動車に使用でき、且つスラッジの発生を大幅に低減できるディーゼル燃料組成物に関する。
近年、地球温暖化対策の観点から、ディーゼルエンジンの燃料としてバイオディーゼルが注目されている。バイオディーゼルは、各種方法により生物由来油脂をメチルエステル化して得られた脂肪酸メチルエステル(Fatty Acid Methyl Ester;FAME)組成を有する燃料である。このようなバイオディーゼルを、ディーゼル軽油中に所定量添加、混合してなるディーゼル燃料組成物の検討が進められている。
カーボンニュートラルの観点からは、ディーゼル軽油中に添加されるバイオディーゼルの添加量は多い方が好ましい。しかしながら、バイオディーゼルの添加量がある一定量を超えると、ディーゼルエンジンの発熱量が低下し、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)を高温化できなくなる。このため、DPFの再生能力が低下し、粒子状物質(PM)がDPFで捕集されたまま蓄積する結果、排ガスの排出自体が困難となる。
例えば、高濃度バイオディーゼル燃料は、コモンレール式ディーゼルエンジンシステムでは使用できないとされている。これは、上述した事象の他、インジェクタデポジット・燃焼デポジットの発生、燃料フィルタの目詰まりによるレール圧の低下、樹脂製の燃料ホース等の劣化が発生し易くなり、自動車の安全運行の実現に支障を来たすためである。このため、高濃度のバイオディーゼルを利用するに当たっては、自動車側での部品交換等の特別な手当てが必要となるのが現状である。
従って、一般に普及しているディーゼル自動車に支障なく用いることができる範囲内で、バイオディーゼルを多く含有するディーゼル燃料組成物が望まれる。しかしながら、現状、ディーゼル軽油中に添加されるバイオディーゼルの添加量は、EUでは一般流通燃料として、5容量%以下に制約されている。バイオディーゼルの高濃度化は、酸化劣化に伴うスラッジの発生の原因になり、インジェクタ、燃料フィルタ、配管等の目詰まりを引き起こし、ひいては自動車性能に悪影響を与える場合がある。
このように、混合軽油からなるディーゼル燃料組成物においては、異なる燃料を混合することにより生じるスラッジ等の種々の不具合を回避すべく、燃料組成物の特性改善が求められている。例えば、バイオディーゼルの代わりに、特定の必須成分からなる接触分解軽油を、ディーゼル軽油に添加、混合してなるディーゼル燃料組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、従来使用され難いとされてきた接触分解軽油の有効活用を図れると同時に、燃焼時の発生熱量を高めてPMの発生量を低減できるうえ、貯蔵時におけるスラッジの発生を抑制できるとされている。
また、ディーゼル軽油にバイオディーゼルを添加、混合してなる混合軽油において、酸化防止剤(BHT等)を添加する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、内燃機関用燃料系部品であるゴムシール材の膨潤を抑制できるディーゼル燃料組成物を提供できるとされている。
また、動植物、鉱物由来の燃料油の低温条件化での流動性を向上させるための燃料用添加剤が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この添加剤によれば、特に燃料中のパラフィン分の分散性を向上させることができるとされている。
特許第3218785号公報 特開2007−16089号公報 特開2006−307222号公報
しかしながら、特許文献1の技術を、バイオディーゼルを配合したディーゼル燃料組成物に適用しても、スラッジ発生のメカニズムの相違から、スラッジの発生を抑制することはできなかった。また、特許文献2の技術では、十分なスラッジ低減効果を発揮するには大量の添加剤が必要となる。酸化防止剤等の添加剤の使用はコスト上昇の要因にもなり、さらに新たな析出物発生の要因にもなり得た。また、特許文献3は、高温時のスラッジ発生の増大に対する対策を開示するものではなく、バイオディーゼル混合軽油を単に例示したものにすぎなかった。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物であって、一般に普及しているディーゼル自動車に使用でき、且つスラッジの発生を大幅に低減できるディーゼル燃料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ディーゼル軽油に添加されるバイオディーゼルの添加量がある一定の範囲内において、ディーゼル軽油の組成を調整することにより、従来に比してスラッジの発生を大幅に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 芳香族分を含有するディーゼル軽油と、バイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物であって、前記ディーゼル燃料組成物中の前記バイオディーゼルの含有率が、10容量%〜50容量%であり、前記ディーゼル軽油中の前記芳香族分の含有率が、30容量%以上であることを特徴とするディーゼル燃料組成物。
日本国内の強制規格で規定される酸化安定性試験(揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則(平成19年経済産業省令第3号))を応用した本出願人の調査により、ディーゼル軽油に添加されるバイオディーゼルの添加量が10容量%〜50容量%である場合に、最も多くのスラッジが発生することが確認されている(詳細は後述する)。このため、バイオディーゼルの添加量がこの範囲内であれば、一般に普及しているディーゼル自動車に使用できるところ、スラッジの発生により実際には使用できないのが現状である。
この点、(1)のディーゼル燃料組成物によれば、バイオディーゼルの含有量が10容量%〜50容量%の範囲内であるにも関わらず、ディーゼル軽油の組成を調整することによりスラッジの発生を抑制できる。具体的には、(1)のディーゼル燃料組成物によれば、ディーゼル軽油中の芳香族分の含有率を30容量%以上とすることにより、スラッジの発生を抑制できる。これは、ディーゼル燃料組成物中に含まれる芳香族分は、パラフィン分及びナフテン分に比してスラッジに対する溶解性能が高いため、芳香族分の含有率を高めることにより、ディーゼル燃料組成物のスラッジに対する溶解性能が高まる結果、スラッジの発生を抑制できるからであると考えられる。
また、(1)のディーゼル燃料組成物によれば、芳香族分を多量に含有する軽油をディーゼル軽油として用いることができる。例えば、芳香族分を多量に含み、世界的に需要が伸び悩んでいるLCO(Light Cycle Oil)を有効利用できる。
(2)前記バイオディーゼルが、ヨウ素価50〜200の植物性油脂をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルであることを特徴とする(1)記載のディーゼル燃料組成物。
本出願人の調査によれば、ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物で問題となるスラッジは、バイオディーゼル由来の不飽和脂肪酸メチルエステルの酸化劣化が原因と考えられる。即ち、不飽和脂肪酸メチルエステルの酸化劣化により二重結合が開裂する等して、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、及び劣化生成物同士が重合した高粘性酸化物等のパラフィン分に対して溶解性能が低い酸化劣化物が生じる結果、スラッジが発生するものと考えられる。
この点、(2)のディーゼル燃料組成物では、ヨウ素価50〜200で二重結合を多く含む植物性油脂をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルを配合した場合であっても、ディーゼル軽油の組成を調整することによりスラッジの溶解性能を調整できるため、従来に比してスラッジの発生を顕著に抑制できる。
(3) 前記植物性油脂が、アマニ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、及びジャトロファ油よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(2)記載のディーゼル燃料組成物。
アマニ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、及びジャトロファ油よりなる群から選ばれる少なくとも1種の植物性油脂は、ヨウ素価50〜200の範囲内にある代表的な植物性油脂であるところ、(3)のディーゼル燃料組成物によれば、これらの植物性油脂をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルを配合した場合であっても、ディーゼル軽油の組成を調整することによりスラッジの溶解性能を調整できるため、従来に比してスラッジの発生をより顕著に抑制できる。
本発明によれば、ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物であって、一般に普及しているディーゼル自動車に使用でき、且つスラッジの発生を大幅に低減できるディーゼル燃料組成物を提供できる。ひいては、燃料フィルタの閉塞等の不具合発生を回避できるディーゼル燃料組成物を提供できる。
市販軽油の芳香族分及びパラフィン分の濃度を示す図である。 バイオディーゼルから発生するスラッジの分子量分布を示す図である。 バイオディーゼルの濃度とスラッジ発生量との関係を示す図である。 本実施例において、バイオディーゼルの濃度が10容量%のときの、ディーゼル燃料組成物の芳香族分の濃度とスラッジの濃度の関係を示す図である。 本実施例において、バイオディーゼルの濃度が20容量%のときの、ディーゼル燃料組成物の芳香族分の濃度とスラッジの濃度の関係を示す図である。 本実施例において、バイオディーゼルの濃度が30容量%のときの、ディーゼル燃料組成物の芳香族分の濃度とスラッジの濃度の関係を示す図である。 擬似軽油中のセタンの濃度が100容量%のときの、バイオディーゼルの濃度とスラッジの濃度の関係を示す図である。 擬似軽油中のセタンの濃度が90容量%のときの、バイオディーゼルの濃度とスラッジの濃度の関係を示す図である。 擬似軽油中のセタンの濃度が80容量%のときの、バイオディーゼルの濃度とスラッジの濃度の関係を示す図である。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明のディーゼル燃料組成物は、ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなり、ディーゼル燃料組成物中のバイオディーゼルの含有率が10容量%〜50容量%、ディーゼル軽油中の芳香族分の含有率が30容量%以上であることを特徴とする。
<ディーゼル軽油>
本発明では、主として芳香族分、並びに飽和分であるパラフィン分及びナフテン(シクロパラフィン類)分等を含有し、芳香族分の含有率が30容量%以上のディーゼル軽油が用いられる。芳香族分の含有率を30容量%以上とすることにより、スラッジの発生を抑制できる。これは、ディーゼル燃料組成物中に含まれる芳香族分は、パラフィン分等に比してスラッジに対する溶解性能が高いため、芳香族分の含有率を高めることにより、ディーゼル燃料組成物のスラッジに対する溶解性能が高まる結果、スラッジの発生を抑制できるからであると考えられる。このため、従来はバイオディーゼルの含有量が5容量%以下に制約されていたところ、本発明によれば、バイオディーゼルの含有量が10容量%〜50容量%の範囲内であっても、スラッジの発生を抑制できる。
市販のディーゼル軽油の組成を調べた結果を図1に示す。図1に示される通り、通常のディーゼル軽油は、芳香族分、パラフィン分、及びナフテン分からなり、生産地や規格等の違いにより、これら各成分の含有率が異なる。本発明では、芳香族分を30容量%以上含有するディーゼル軽油が用いられることから、例えば、図1に示される市販軽油のうち(a)アメリカ市販軽油を用いることができる。また、芳香族分を多量に含み、世界的に需要が伸び悩んでいるLCO(Light Cycle Oil)を用いることもでき、資源を有効活用できる。
なお、本発明における芳香族分の含有率は、英国石油協会(The Institute of Petroleum)規格IP標準法391/95(屈折率検出器を用いた高速液体クロマトグラフによる中間留出物の芳香族炭化水素の分析法)に準拠して測定される芳香族分の含有量より換算された容量百分率(容量%)を意味する。
芳香族分の含有率が30容量%以上のディーゼル軽油を配合した本発明のディーゼル燃料組成物によれば、バイオディーゼルの添加量を10容量%以上とすることができるため、バイオディーゼルの有効利用が図れる。また、バイオディーゼルの添加量を50容量%以下に留めることにより、インジェクタデポジット、燃料フィルタの目詰まりや樹脂製の燃料ホースの劣化を回避でき、自動車の安全運行が可能である。
また、本発明では、パラフィン分及びナフテン分の含有率の合計が70容量%以下であるディーゼル軽油が好ましく用いられる。ディーゼル軽油中のパラフィン分及びナフテン分の含有率の合計を70容量%以下とすることにより、スラッジの発生を抑制できる。これは、ディーゼル燃料組成物中に含まれるパラフィン分及びナフテン分は、芳香族分に比してスラッジに対する溶解性能が低いため、パラフィン分及びナフテン分の含有率を低くすることにより、ディーゼル燃料組成物のスラッジに対する溶解性能が高まり、スラッジの発生をより効果的に抑制できるからであると考えられる。
<バイオディーゼル>
バイオディーゼルとしては、生物由来油脂からなるFAMEを広く用いることができるが、その中でもヨウ素価50〜200の植物性油脂、特に好ましくはヨウ素価50〜150の植物性油脂からなるFAMEを好ましく用いることができる。ヨウ素価50〜200で二重結合を多く含む植物性油脂をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルを配合した場合であっても、ディーゼル軽油の組成を調整することによりスラッジの溶解性能を調整できるため、従来に比してスラッジの発生を顕著に抑制することができる。特に、ヨウ素価が50〜150の範囲にある植物性油脂であれば、発生するスラッジの量に対して十分なスラッジ抑制効果を発揮することができる。ここで、植物性油脂としては、例えば以下の表1に示すものが挙げられるが、このうちヨウ素価50〜200の植物性油脂としては、具体的には、アマニ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、及びジャトロファ油を挙げることができる。これらの中でも特に、パーム油、大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油、コーン油、及びジャトロファ油は、ヨウ素価が50〜150の範囲に属しており、生産量が多い、供給量が安定している、流通価格が安い、生産性が高い等といった面で原材料として優れていることから、好ましく用いることができる。
Figure 2009075249
二重結合を含む植物性油脂をメチルエステル化して得られるバイオディーゼルは、酸化により劣化する性質を有する。下記化学反応式(I)、(I’)、(II)で示されるように、バイオディーゼルは酸化により二重結合が開裂し、パラフィンに対して不溶性のアルコール類、アルデヒド類、ケトン類、及び劣化生成物同士が重合した高粘性酸化物等を生成する性質を有する。即ち、(I)及び(I’)は分解反応、(II)は重合反応であり、両者が競争反応として起こっている。その具体例として、ナタネ油をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルを、ヨーロッパ市販軽油(欧州規格EN590準拠)に、20容量%添加して、115℃に加熱してスラッジを抽出し、そのスラッジに対して、詳細なスラッジ成分の分析を行うため、「Shodex K2002」2本、「Shodex K2003」1本を備えたGPC装置にて分子量分布を測定した結果を図2に示す。図2に示されるように、重量平均分子量が300〜1800の範囲に、高粘性酸化物等が生成されていることが分かる。これら生成物が、パラフィン分に不溶性であるため、これら生成物がスラッジ発生の原因となっている。
Figure 2009075249
Figure 2009075249
ここで、ASTM D2274酸化安定性試験及び日本国内の強制規格で規定される酸化安定性試験(揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則(平成19年経済産業省令第3号))を応用し(詳細は後述する)、バイオディーゼルの添加量とスラッジ発生量との関係を調査した結果を図3に示す。
図3に示されるように、通常、ディーゼル軽油中に添加されるバイオディーゼルの添加量を10容量%〜50容量%の範囲内にすると、大量のスラッジが発生する。特に、スラッジ発生量の極大点では、バイオディーゼルを含有しない場合に比して、スラッジ発生量は100〜数100倍にも増大する。コモンレールインジェクター近傍又はバックフローで循環される燃料温度を考慮すると、スラッジ発生のポテンシャルは実機においてはさらに増大する。
これに対して、本発明のディーゼル燃料組成物では、バイオディーゼルの添加量が10容量%〜50容量%の範囲内であっても、ディーゼル軽油中の芳香族分、パラフィン分の含有率を調整することにより、スラッジの発生量を大幅に低減することができる。また、二重結合の割合が多いFAME(例えば、大豆油メチルエステル)からなるバイオディーゼルを用いた場合であっても、スラッジの発生量を大幅に低減することができる。
<その他成分>
本発明のディーゼル燃料組成物には、別途添加剤を併用して添加することもできる。添加剤としては、例えばBHT等の酸化防止剤を挙げることができる。このような添加剤を併用することにより、さらにスラッジの発生を低減することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<芳香族分及びパラフィン分の含有率の検討>
芳香族分の代替としてテトラリン(和光純薬工業(株)製、1級テトラリン)を用い、パラフィン分の代替としてセタン(関東高圧化学(株)製、標準燃料セタン)を用い、これらテトラリンとセタンとを所定の割合で配合した擬似軽油を調製した。調製した擬似軽油に、リノール酸メチル又はリノレイン酸メチルを各々加え(B20のみオレイン酸メチルも加えた。)、これら脂肪酸メチルの添加濃度が10容量%、20容量%、及び30容量%であるディーゼル燃料組成物を調製した。
ここで、ナフテン分、パラフィン分、芳香族分の3種類の主要成分は、スラッジの発生と次のような関係にある。芳香族分は、スラッジ溶解性が高いためにスラッジを溶解・分散させる効果を発揮する。他方、ナフテン分及びパラフィン分はスラッジ溶解性が低いために、スラッジの発生量を増加させている。パラフィン分は、ナフテン分よりもスラッジ溶解性が低いとされているため、本発明の実施例においては、前記主要成分の組成が多様なベース軽油に対する効果を検証するために、よりスラッジ溶解性の低いパラフィン分でナフテン分を代替させた擬似軽油を用いている。従って、本発明のべース軽油として、ナフテン分が含まれる軽油を用いた場合も、実施例の擬似軽油と同等以上の効果を得ることができる。
上述のディーゼル燃料組成物について、ASTM D2274酸化安定性試験及び日本国内の強制規格で規定される酸化安定性試験(揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則(平成19年経済産業省令第3号))を応用し、スラッジ発生量を調べた。具体的には、調製したディーゼル燃料組成物の各々について、PTFEフィルタ(東洋製紙(株)製)を用いて全量濾過した後、115℃で16時間に亘って酸化雰囲気下でディーゼル燃料組成物を劣化させた。熱により劣化させたディーゼル燃料組成物を5時間に亘り、氷水(約0℃)中にて0℃付近まで冷却した後、ディーゼル燃料組成物の上澄み部分を取り出してPTFEフィルタを用いて濾過した。PTFEフィルタに捕捉されたスラッジを、オクタンで洗浄して乾燥し、その重量を計測した。
一方、上澄み部分を取り出した後の粘着性の不溶解分を、有機溶剤により洗浄し、実在ガム試験機((株)離合社製)により乾燥してスラッジを取り出し、その重量を測定した。
これらスラッジの重量の総和から、ディーゼル燃料組成物中のスラッジの濃度[g/m]を求めた。擬似軽油のテトラリンとセタンとの含有比率を変化させたときのスラッジ発生量の変化を図4〜6に示す。図5では、脂肪酸メチルエステル添加濃度が20容量%の場合を示しているが、擬似軽油の他に、比較としてアロマ量をIP391にて測定した市販軽油を用い、スラッジ発生量をプロットした。
図4〜6に示されるように、脂肪酸メチルの添加濃度が10容量%〜50容量%である場合において、擬似軽油中のテトラリンの含有率が30容量%以上、即ちパラフィン分の含有率が70容量%以下であるときに、スラッジ発生量を大幅に抑制できることが分かった。この結果から、本発明のディーゼル燃料組成物によれば、バイオディーゼルの添加量が10容量%〜50容量%の範囲内であっても、スラッジの発生を大幅に低減できることが確認された。
<バイオディーゼルの検討>
本発明のバイオディーゼルとして用いることができるFAMEの種類について検討を行った。上記実施例と同様に、芳香族分の代替としてテトラリン(和光純薬工業(株)製、1級テトラリン)を用い、パラフィン分の代替としてセタン(関東高圧化学(株)製、標準燃料セタン)を用い、セタンの濃度が100容量%、90容量%、及び80容量%の擬似軽油を調製した。この擬似軽油にオレイン酸メチル、リノール酸メチル、又はリノレイン酸メチルを各々加えたディーゼル燃料組成物を調製した。調製したディーゼル燃料組成物の各々について、上記実施例と同様の方法でスラッジ発生量の測定を行った。その結果を図7〜9に示す。
図7〜9に示されるように、セタン濃度が100容量%、90容量%、80容量%のいずれの擬似軽油においても、二重結合の割合が少ないオレイン酸メチルをバイオディーゼルとして用いたときにスラッジの発生量が少なく、他方二重結合の多いリノレイン酸メチルをバイオディーゼルとして用いたときにスラッジの発生量が多いことが分かった。このため、二重結合を多く含みヨウ素価が高い植物性油脂をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルを用いた場合に、本発明の効果がより発揮されることが分かった。
以上の結果から、ディーゼル軽油とバイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物において、バイオディーゼルの含有率を10容量%〜50容量%とし、ディーゼル軽油中の芳香族分の含有率を30容量%以上とすることにより、従来に比してスラッジの発生を顕著に抑制できることが確認された。

Claims (3)

  1. 芳香族分を含有するディーゼル軽油と、バイオディーゼルとを混合してなるディーゼル燃料組成物であって、
    前記ディーゼル燃料組成物中の前記バイオディーゼルの含有率が、10容量%〜50容量%であり、
    前記ディーゼル軽油中の前記芳香族分の含有率が、30容量%以上であることを特徴とするディーゼル燃料組成物。
  2. 前記バイオディーゼルが、ヨウ素価50〜200の植物性油脂をメチルエステル化して得られたバイオディーゼルであることを特徴とする請求項1記載のディーゼル燃料組成物。
  3. 前記植物性油脂が、アマニ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、ゴマ油、コーン油、ナタネ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヒマワリ油、及びジャトロファ油よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のディーゼル燃料組成物。
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