JPWO2008152945A1 - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

第1の主面とその第1の主面に対向する第2の主面とを有し、第1の主面と第2の主面間の側面が粗面である透明基板と、透明基板の第1の主面上に配置され、窒化物半導体を積層してなる窒化物半導体層を有する半導体発光素子とを備える。

Description

本発明は、半導体発光装置に係り、特に窒化物半導体のウェハ上に形成された半導体発光素子を有する半導体発光装置及びその製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)等に、III族窒化物半導体からなる半導体発光装置が使用されている。III族窒化物半導体の例としては、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等がある。代表的なIII族窒化物半導体は、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される。III族窒化物半導体を用いた半導体発光装置には、例えば、n型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導体層(n型半導体層)、発光層(活性層)及びp型ドーパントをドープしたIII族窒化物半導体層(p型半導体層)をこの順に積層した構造を有する半導体発光素子等がある。
透明基板であるサファイア等のウェハ上に窒化物半導体を積層して、ウェハ上に複数の半導体発光装置が形成される。ウェハ状態での製造工程が終了した後、ウェハは複数のチップに分割され、透明基板上に窒化物半導体が積層された半導体発光装置が製造される。
従来、ウェハを複数のチップに分割する場合は、ウェハの裏面を研磨してウェハの厚さを350μmから100μm程度に薄くした後、窒化物半導体が形成されたウェハの表面にダイヤモンドカッター等でスクライブラインを形成する。そして、裏面からスクライブラインに衝撃を加え、ブレークによりウェハをチップに分割していた(例えば、特許文献1参照。)。ここで「ブレーク」とは、ワリ(破断)、切断等の、ウェハを複数のチップに分割することをいう。
特許第3449201号公報
しかしながら、サファイア等のウェハの表面にスクライブラインを形成した後、ウェハから透明基板上に形成された窒化物半導体を含むチップにブレークする場合、透明基板の側面(切断面)は鏡面になる。そのため、透明基板上に形成された半導体発光素子の活性層で生成されて透明基板に入射した光が、透明基板の側面で反射されて透明基板から外部に出力されにくいという問題があった。
また、サファイアのような硬いウェハの一方の面のみにスクライブラインを形成してウェハから各チップにブレークする場合、衝撃の加わる具合により割れる方向が一定でなく、スクライブラインを形成しなかった面の切断箇所付近にクラックが発生する場合もある。そのため、チップ表面に割れや欠け(チッピング)が生じてチップの形状がばらつき、半導体発光装置の歩留まりが低下するという問題が生じていた。
上記問題点を鑑み、本発明は、透明基板上の半導体発光素子から透明基板に入射した光を透明基板の外部に効率良く出力でき、ウェハをチップに分割する場合における切断箇所でのクラックの発生を抑制可能な半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、第1の主面とその第1の主面に対向する第2の主面とを有し、第1の主面と第2の主面間の側面が粗面である透明基板と、透明基板の第1の主面上に配置され、窒化物半導体を積層してなる半導体発光素子とを備える半導体発光装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、窒化物半導体層が形成された第1の主面とその第1の主面に対向する第2の主面とを有し、サファイアからなるウェハを複数のチップに分割する半導体発光装置の製造方法であって、切断装置を準備するステップと、ウェハを粘着テープに貼り付けるステップと、ウェハが複数のチップに分割されるまで、切断装置によって第1の主面及び第2の主面の一方から他方までウェハを切断するステップとを含む半導体発光装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、透明基板上の半導体発光素子から透明基板に入射した光を透明基板の外部に効率良く出力でき、ウェハをチップに分割する場合における切断箇所でのクラックの発生を抑制可能な半導体発光装置及びその製造方法を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の活性層の構造例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の活性層の結晶成長におけるガスフローパターン図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の例を説明するための工程断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の他の例を説明するための工程断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の他の例を説明するための工程断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法と関連技術により製造される半導体発光装置の特性を示す表である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法と関連技術の製造方法により製造される半導体発光装置の特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法による基板の切断面の画像データである。 関連技術の製造方法による基板の切断面の画像データである。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法による基板の切断面の画像データである。 本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法による基板の切断面の画像データである。 本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の例を説明するための工程断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法で使用するレーザのビーム幅を説明するための模式図である。 デフォーカス量とカーフ幅の関係を示す表である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法によるチップの切断面の画像データである。 関連技術の製造方法によるチップの切断面の画像データである。 本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法の他の例を説明するための工程断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す第1及び第2の実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置は、図1に示すように、第1の主面111とその第1の主面111に対向する第2の主面112とを有し、第1の主面111と第2の主面112間の側面が粗面である透明基板1と、透明基板1の第1の主面111上に配置され、窒化物半導体を積層してなる窒化物半導体層30を有する半導体発光素子とを備える。図2(a)〜図2(b)に示すように、透明基板1の側面101は、後述するように、ウェハを切断してチップ化するためのダイシング工程により生じた凹凸により粗面になっている。図2(a)は図1に示した半導体発光装置の斜視図であり、図2(b)は透明基板1の側面101を拡大したSEM写真である(倍率は約6000倍)。
図1に示した窒化物半導体層30は、n型ドーパントがドープされたn型半導体層2と、n型半導体層上に配置された活性層3と、活性層3上に配置されたp型半導体層4とを備える半導体発光素子である。
透明基板1には、例えば窒化物半導体からなる基板等が採用可能である。具体的には、サファイア透明を透明基板1に使用できる。透明基板1の厚みは40μm〜700μm程度であり、好ましくは350μm程度である。
n型半導体層2、活性層3及びp型半導体層4にはそれぞれIII族窒化物半導体が採用可能である。n型半導体層2は電子を活性層3に供給し、p型半導体層4は正孔を活性層3に供給する。供給された電子及び正孔が活性層3で再結合することにより、光が発生する。
n型半導体層2は、n型ドーパントであるシリコン(Si)等をドープした膜厚0.2〜5μm程度のIII族窒化物半導体、例えばGaN層等が採用可能である。p型半導体層4は、p型ドーパントをドープした膜厚0.05〜1μm程度のIII族窒化物半導体、例えばGaN層等が採用可能である。p型ドーパントとしては、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、カルシウム(Ca)、ベリリウム(Be)、炭素(C)等が使用可能である。
活性層3は、井戸層32を井戸層32よりもバンドギャップの大きなバリア層31でサンドイッチ状に挟んだ量子井戸構造を有する。また、活性層3は、井戸層をバリア層でサンドイッチ状に挟んだ量子井戸構造を単位構造とし、この単位構造をn回積層した多重量子井戸(MQW)構造としてもよい(n:2以上の整数)。MQW構造にした場合、活性層3は、例えば図3に示すように、第1バリア層311〜第nバリア層31n及び最終バリア層310でそれぞれ挟まれた第1井戸層321〜第n井戸層32nを有する。具体的には、第1井戸層321は第1バリア層311と第2バリア層312の間に配置され、図示を省略する第2井戸層は第2バリア層312と第3バリア層(不図示)の間に配置される。そして、第n井戸層32nは第nバリア層31nと最終バリア層310の間に配置される。活性層3の第1バリア層311は、n型半導体層2上に配置され、活性層3の最終バリア層310上にp型半導体層4が配置される。
以下において、MQW構造の場合に活性層3が有する第1バリア層311〜第nバリア層31n及び最終バリア層310を総称して「バリア層31」という。また、活性層3に含まれるすべての井戸層を総称して「井戸層32」という。バリア層31は、例えばGaN膜からなり、井戸層32は、例えば窒化インジウムガリウム(InGaN)膜からなる。なお、井戸層32におけるインジウム(In)の組成比率は、発生させたい光の波長に応じて適宜設定される。また、バリア層31として、井戸層32よりもInの組成比が小さいInGaN膜を採用してもよい。
図1に示す半導体発光装置は、n型半導体層2に電圧を印加するn側電極50と、p型半導体層4に電圧を印加するp側電極40を更に備える。図1に示すように、p型半導体層4、活性層3及びn型半導体層2の一部領域をメサエッチングして露出させたn型半導体層2の表面に、n側電極50が配置される。p側電極40は、p型半導体層4上に配置される。n側電極50は、例えばアルミニウム(Al)膜からなり、p側電極40は、例えばチタン(Ti)膜やニッケル(Ni)膜、又はインジウムスズ酸化物(ITO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜等の透明電極、或いはパラジウム(Pd)−金(Au)合金膜からなる。そして、n側電極50はn型半導体層2に、p側電極40はp型半導体層4に、それぞれオーミック接続される。
以下に、図1に示した半導体発光装置の製造方法の例を説明する。なお、以下に述べる半導体発光装置の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
製造方法としては、良く知られた有機金属気相成長(MOCVD)法等で透明基板1上にGaNを成長させる。例えば、サファイア基板等の透明基板1をサーマルクリーニングした後、例えばGaN膜或いはAlN膜からなるバッファ層を介して、基板温度を1000°C程度に設定して、透明基板1上にn型半導体層2として、Siを3×1018原子/cm3程度の濃度でドープしたGaN膜を1〜5μm程度成長させる。このとき、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)及びシラン(SH4)を原料ガスとして供給して、n型半導体層2を形成する。
次に、例えばGaN膜からなるバリア層31とInGaN膜からなる井戸層32を交互に積層して、n型半導体層2上に活性層3を形成する。具体的には、活性層3を形成する際の基板温度及び原料ガスの流量を調整しながら、バリア層31と井戸層32を交互に連続して成長させ、バリア層31と井戸層32が積層してなる活性層3が形成される。活性層3がMQW構造の場合は、基板温度及び原料ガスの流量を調節することによって井戸層32及び井戸層32よりバンドギャップが大きいバリア層31を積層する工程を単位工程とし、この単位工程をn回、例えば8回程度繰り返して、バリア層31と井戸層32が交互に積層された積層構造を得る。
図4に、バリア層31と井戸層32を積層する例を示す。図4に示す基板温度Taでバリア層31が形成され、基板温度Tbで井戸層32が形成される。即ち、基板温度がTaに設定された時刻t10〜t11において第1バリア層311が形成される。次いで、時刻t11〜t12において基板温度Tbになるまで基板温度が下げられる。そして時刻t12〜時刻t13において、基板温度Tbで第1井戸層321が形成される。その後、時刻t13〜t20において基板温度Taになるまで基板温度が上げられ、第2バリア層312が形成される。その後も同様にして、バリア層31と井戸層32がそれぞれ基板温度Taと基板温度Tbで交互に形成される。そして、時刻tn0〜tn1において第nバリア層31nが形成され、時刻tn1〜tn2において基板温度Tbになるまで基板温度が下げられ、時刻tn2〜時刻tn3において第n井戸層32nが形成される。そして、時刻tn3〜te0において基板温度Taになるまで基板温度が上げられ、時刻te0〜te1において最終バリア層310が形成されて活性層3が完成する。なお、基板温度の昇温時や降温時では、バリア層31或いは井戸層32を成長させることも、成長を中断することもできる。
バリア層31を形成する場合は、原料ガスとして、例えばTMGガス及びNH3ガスを成膜用の処理装置に供給する。一方、井戸層32を形成する場合は、原料ガスとして、例えばTMGガス、トリメチルインジウム(TMI)ガス、及びNH3ガスを処理装置に供給する。なお、TMGガスはGa原子の原料ガス、TMIガスはIn原子の原料ガス、NH3ガスは窒素原子の原料ガスとして供給される。
次いで、基板温度を800℃〜1000℃程度にして、活性層3上に、p型ドーパントをドープしたp型半導体層4を0.05〜1μm程度形成する。p型半導体層4は、例えばp型ドーパントとしてMgを3×1019原子/cm3程度の濃度でドープしたGaN層等が採用可能である。Mgをドープする場合は、TMGガス、NH3ガス及びビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)ガスを原料ガスとして供給して、p型半導体層4を形成する。
そして、p型半導体層4〜n型半導体層2の途中までを反応性イオンエッチング等によりメサエッチングして除去し、n型半導体層2の表面を露出させる。その後、露出したn型半導体層2の表面にn側電極50を蒸着により形成し、p型半導体層4上にp側電極40を蒸着により形成して、図1に示した半導体発光装置の半導体発光素子が完成する。
次に、図5(a)〜図5(c)を参照して、上記の半導体発光素子が複数形成されたウェハ20を、切断装置を用いてチップに分割して図1に示した半導体発光装置を製造する方法を説明する。以下に説明する本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法は、窒化物半導体層30が形成された第1の主面とその第1の主面に対向する第2の主面とを有し、サファイアからなるウェハ20を複数のチップに分割する半導体発光装置の製造方法であって、切断装置を準備するステップと、ウェハ20を粘着テープ10に貼り付けるステップと、ウェハ20がチップ201とチップ202に分割されるまで、切断装置によって第1の主面及び第2の主面の一方から他方までウェハ20を切断するステップとを含む。図5(a)〜図5(c)に示した製造方法は、ブレードを備えるダイサーを切断装置として用いて、ウェハ20が複数のチップに分割されるまで、ウェハの対向する第1の主面と第2の主面の一方から他方まで切断するダイシング工程である。
ウェハ20の第1の主面上には図1に示した窒化物半導体層30が積層され、半導体発光素子が形成されている。ここでは、ダイサーによって第1の主面から第2の主面に向けてウェハを切断する場合を例示的に説明する。つまり、第1の主面を切断開始面とし、第2の主面を切断終了面として、ウェハ20がチップ201とチップ202に分割されるまでダイシング工程を実施することにより、ウェハ20が複数の図1に示した半導体発光装置に切断される。チップ201及びチップ202は、それぞれが図1に示した半導体発光装置である。
先ず、図5(a)に示すように、ウェハ20の第2の主面を、テープ基材11と粘着剤12を積層してなる粘着テープ10の粘着剤12側に貼り付ける。
次に、図5(b)に示すように、ダイサーの有する第1のブレード100により、第1の主面から第2の主面まで、チップ201とチップ202に分割されるまでウェハ20が切断される。つまり、ウェハ20はフルカットされ、第1のブレード100の先端は粘着テープ10に達する。
次いで、図5(c)に示すように、粘着テープ10が拡張(エキスバンド)され、図1に示した半導体発光装置としてチップ201とチップ202を取得できる。
第1のブレード100の刃厚は、例えば50〜200μm程度であり、第1のブレード100には、レジン及びメタル内に複数のダイヤモンドを配置したレジン及びメタルブレード等が採用可能である。レジン及びメタルブレードは透明基板1に採用可能なサファイア基板より硬度が低いが、ダイヤモンドの粒径、集中度(配置)を設定することによりサファイア基板を切断できる。メタルブレードのボンド材はメタルであり、レジンブレードのボンド材は熱硬化性樹脂(フェノールレジン等)である。
粘着テープ10のテープ基材11は、例えば硬質ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用可能である。また、粘着剤12の厚みは5〜10μm程度が好ましい。粘着剤12が厚すぎると、貼り付けたウェハ20が動きやすいためである。
上記では、ウェハ20の第1の主面から第2の主面までを第1のブレード100によってフルカットする例を説明したが、第2の主面から第1の主面までを第1のブレード100によってフルカットしてもよいことは勿論である。
また、ウェハから各チップをブレークする方法ではウェハの厚みを100μm程度、例えば80μmにする必要があるが、図5(a)〜図5(c)を参照して説明したウェハの分割方法によれば、厚みが350μm程度であってもウェハ20をフルカットできる。そのため、ウェハ20を薄くする工程を省略できる。更に、ウェハからチップにブレークするための衝撃を加える必要がないため、製造工程を短縮することができる。
次に、第1のブレード及びその第1のブレードより刃厚の薄い第2のブレードを備えるダイサーを切断装置として用いて、ウェハ20をチップに分割するダイシング工程の例を説明する。具体的には、ウェハ20の第1の主面又は第2の主面の一方を切断開始面、他方を切断終了面として、第1のブレードによって切断開始面からウェハ20中の中間地点まで溝を形成する。そして、ウェハ20が複数のチップ(半導体発光装置)に分割されるまで、第2のブレードによって中間地点から切断終了面まで溝を形成してウェハ20を切断する。
図6(a)〜図6(d)を参照して、第1のブレード及び第2のブレードを備えるダイサーを用いたウェハ切断方法の詳細を説明する。ここでは、第1の主面から第2の主面に向けてウェハ20を切断する例を説明する。つまり、第1の主面を切断開始面とし、第2の主面を切断終了面として、ウェハ20が複数のチップに切断される。
先ず、図6(a)に示すように、第1の主面上に窒化物半導体層30が形成された分割対象のウェハ20の第2の主面を、テープ基材11と粘着剤12を積層してなる粘着テープ10の粘着剤12側に貼り付ける。
次に、図6(b)に示すように、第1のブレード100により、第1の主面からウェハ20の厚さ方向の途中まで溝を形成する。
次いで、図6(c)に示すように、第1のブレード100より刃厚の薄い第2のブレード110により、チップ201とチップ202に分割されるまで、ウェハ20の第1のブレード100により形成された溝の底部から第2の主面まで溝を形成する。つまり、ウェハ20はフルカットされ、第2のブレード110の先端は粘着テープ10に達する。
次いで、図6(d)に示すように、粘着テープ10が拡張(エキスバンド)され、図1に示した半導体発光装置としてチップ201とチップ202を取得できる。
第1のブレード100の刃厚は、例えば50〜200μm程度である。第2のブレード110の刃厚は、例えば20〜100μm程度であり、第1のブレード100より薄い刃厚が選択される。第1のブレード100、第2のブレード110には、例えばレジン及びメタル内に複数のダイヤモンドを配置したレジン及びメタルブレード等が採用可能である。
第2のブレード110によってウェハ20のフルカットの最終段階を行うため、図6(c)に示すように、第2のブレード110が第2の主面に達する時点ではウェハ20に形成される溝の側面が第2のブレード110に接触しない。そのため、チッピングの少ない、良好な形状のチップが取得可能である。ウェハ20の厚みが350μm程度の場合は、例えば300μm程度の深さの溝を第1のブレード100で形成し、残りの50μm程度を第2のブレード110で削ってウェハ20を切断することが好ましい。
図6(d)に示すように、チップ201及びチップ202の透明基板1の第1の主面に垂直方向の切断面はテーパ形状になるが、このテーパ形状は第1のブレード100の先端部の形状に依存する。例えばテーパ形状の傾斜をきつくしたい場合は、第1のブレード100の先端部の断面形状を小さいアール或いはV字形状にし、テーパ形状の傾斜を緩くしたい場合は、第1のブレード100の先端部の断面形状を大きいアールにする。
上記では、ウェハ20の第1の主面から第2の主面までを第1のブレード100及び第2のブレード110によってフルカットする例を説明したが、第2の主面から第1の主面までをフルカットしてもよいことは勿論である。図7(a)〜図7(d)に、第2の主面を切断開始面とし、第1の主面を切断終了面として、第2の主面から第1の主面に向けてウェハ20を切断する例を示す。
先ず、図7(a)に示すように、窒化物半導体層30が形成された第1の主面を、テープ基材11と粘着剤12を積層してなる粘着テープ10の粘着剤12側に貼り付ける。
次に、図7(b)に示すように、第1のブレード100により、第2の主面からウェハ20の厚さ方向の途中まで溝を形成する。
次いで、図7(c)に示すように、第1のブレード100より刃厚の薄い第2のブレード110により、チップ201とチップ202に分割されるまで、ウェハ20の第1のブレード100により形成された溝の底部から第1の主面まで溝を形成する。
次いで、図7(d)に示すように、粘着テープ10が拡張(エキスバンド)され、半導体発光装置としてチップ201とチップ202を取得できる。
以上に説明したウェハ切断方法によれば、フルカットによりウェハ20を分割することができる。そのため、スクライブラインを形成した後にウェハから各チップをブレークする方法と異なり、切断箇所付近でのクラックの発生を抑制でき、チップ表面の形状がばらつかないため、半導体発光装置の歩留まりを向上できる。更に、刃厚の異なる2つのブレードを使用することにより、チッピングが抑制された良好な形状のチップを取得することができる。
図6(a)〜図6(d)或いは図7(a)〜図7(d)を参照して説明した方法によっても、ウェハがダイサーによってフルカットされるため、透明基板1の側面は、ダイシング工程において切断することにより生じた凹凸により図2(b)に示すような粗面になる。そのため、半導体発光素子の活性層3から透明基板1に入射した光は透明基板1の側面で反射されずに透明基板から外部に出力されやすくなり、半導体発光装置の出力効率を改善できる。
既に述べたように、第1のブレード100の先端部の形状等に依存して、半導体発光装置の側面はテーパ形状になる。図8に、図6(a)〜図6(d)を参照して説明した方法、つまりウェハ20の第1の主面を切断開始面、第2の主面の切断終了面として製造された半導体発光装置の例を示す。図8に示すように、半導体発光装置の第1主面側の面積が第2主面側より小さくなり、第1の主面に垂直方向の半導体発光装置の側面(切断面)がテーパ形状になる。
又、図9に、図7(a)〜図7(d)を参照して説明した方法、つまりウェハ20の第2の主面を切断開始面、第1の主面の切断終了面として製造された半導体発光装置の例を示す。図9に示すように、半導体発光装置の第1主面側の面積が第2主面側より大きくなり、第1の主面に垂直方向の側面(切断面)がテーパ形状になる。
なお、図8及び図9に示した例では、側面のテーパ形状が曲線であるが、直線になるようにテーパ形状を形成してもよい。図10に、ウェハ20の第1の主面を切断開始面、第2の主面を切断終了面とし、側面のテーパ形状が直線になるように製造された半導体発光装置の例を示す。又、図11に、ウェハ20の第2の主面を切断開始面、第1の主面を切断終了面とし、側面のテーパ形状が直線になるように製造された半導体発光装置の例を示す。
<実施例>
図5(a)〜図5(c)を参照して説明したウェハ切断方法、つまり1つのブレードを用いたダイサーによってウェハを切断する方法(以下において「フルカット切断」という。)、図6(a)〜図6(d)を参照して説明したウェハ切断方法、つまり刃厚の異なる2つのブレードを用いたダイサーにより第1の主面から第2の主面までウェハを切断する方法(以下において「第1テーパ型切断」という。)、図7(a)〜図7(d)を参照して説明したウェハ切断方法、つまり刃厚の異なる2つのブレードを用いたダイサーにより第2の主面から第1の主面までウェハを切断する方法(以下において「第2テーパ型切断」という。)、及びウェハから各チップをブレークする方法(以下において「スクライバ切断」という。)の各方法によりウェハを切断して製造された半導体発光装置の特性、及び形状の比較を以下に示す。
図12に、「フルカット切断」、「第1テーパ型切断」、「第2テーパ型切断」及び「スクライバ切断」の各方法で製造された半導体発光素子のチップ厚と発光される光の出力を比較した表を示す。図12の「サファイア厚さ」の欄はサファイアからなる透明基板の厚みを示し、「出力比」の欄はサファイア厚さが40μmのウェハをスクライバで切断した場合の半導体発光素子の出力を1として示している。
図13に、図12に示した特性をグラフ化した結果を示す。図13において、黒丸印は「フルカット切断」、黒三角印は「第1テーパ型切断」、黒四角印は「第2テーパ型切断」、ひし形印は「スクライバ切断」のデータである。
図12、図13に示したように、いずれの切断方法によっても、サファイア厚さを厚くすると出力が増大する。サファイア厚さは60μm以上が好ましく、大きな出力を得るためには350μm程度であるとより好ましい。「スクライバ切断」で切断できるサファイア厚さは80μm程度が限界であるため、図5〜図7を参照して説明したブレードによりウェハをフルカットする方法が、ウェハから各チップをブレークする方法に比べて有利である。
また、図12、図13から、サファイア厚さが同等である場合は、ブレードによりウェハをフルカットする方法の方が、ウェハから各チップをブレークする方法に比べて大きな出力が得られることが分かる。これは、ブレードによりウェハをフルカットして得られる半導体発光装置の側面が粗面であり、ウェハから各チップをブレークする方法で得られる半導体発光装置の側面が鏡面であることによる。つまり、ウェハをダイサーによってフルカットすることにより、透明基板1の側面に、ダイシング工程において切断することによる凹凸が生じて、図2(b)に示すように粗面になる。そのため、半導体発光素子の活性層3で生成されて透明基板1に入射した光が透明基板1の側面で反射されずに、側面から外部に出力されやすく、出力が向上する。
図14(a)に、「フルカット切断」によりサファイア厚さ350μmのウェハを切断した場合のチップの切断面を示す。図14(b)は図11(a)の一部を拡大(約6000倍)したSEM写真である。
図15(a)に、「スクライバ切断」によりサファイア厚さ80μmのウェハを切断した場合のチップの切断面を示す。図15に示すように、スクライブラインとして表面に形成された溝の切断面には凹凸があるが、その溝より深い部分の切断面では凹凸が小さく、鏡面になっている。図15(b)は図15(a)の鏡面の一部を拡大(約6000倍)したSEM写真である。
図14(b)及び図15(b)に示すように、「スクライバ切断」によるチップの切断面はすべらかな鏡面が大部分であるのに対し、「フルカット切断」によるチップの切断面は全体が粗面である。そのため、「スクライバ切断」による場合は、半導体発光素子の活性層で生成されてサファイア基板に入射した光がチップの切断面で反射されてサファイア基板から出力されにくいのに対し、「フルカット切断」による場合は、チップの切断面が粗面であるために、サファイア基板に入射した光がチップの側面(切断面)から外部に出力されて、出力が大きくなる。ブレード表面に配置されたダイヤモンドの粒径を調整することにより、チップ切断面の粗さを調整することができる。
図16に、「第1テーパ型切断」によりサファイア厚さ350μmのウェハを切断した場合のチップの切断面を示す。図16に示すように、「第1テーパ型切断」によれば、第2の主面側の方が第1の主面側よりチップ幅が広くなる。
図17は、「第2テーパ型切断」によりサファイア厚さ350μmのウェハを切断した場合のチップの切断面を示す。図14に示すように、「第2テーパ型切断」によれば、第1の主面側の方が第2の主面側よりチップ幅が広くなる。
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置は、ウェハをダイサーによってフルカットすることにより、図2(b)に示すように透明基板1の側面が、ダイシング工程において切断することにより生じた凹凸により粗面になっている。そのため、図1に示した半導体発光装置では、透明基板1上に形成された窒化物半導体層30の活性層3で生成され透明基板1に入射した光が、透明基板1の側面で反射されずに外部に出力されやすく、効率良く光を出力できる。更に、本発明の第1の実施形態に係る製造方法によれば、ウェハ20をチップに分割して半導体発光装置を製造する場合に、切断箇所でのクラックの発生を抑制できる。
(第2の実施形態)
図18(a)〜図18(c)を参照して、切断装置としてレーザを使用し、第1の主面から第2の主面に向けてウェハ20を切断する本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を説明する。つまり、切断装置としてレーザを使用する点が、切断装置としてブレードを備えるダイサーを使用する第1の実施形態に係る製造方法と異なる。ここでは、第1の主面を切断開始面とし、第2の主面を切断終了面として、ウェハ20が複数のチップに切断される例を説明する。なお、後述するように第2の主面を切断開始面とし、第1の主面を切断終了面として、ウェハ20を切断することもできる。
先ず、図18(a)に示すように、第1の主面上に窒化物半導体層30が形成された分割対象のウェハ20の第2の主面を、テープ基材11と粘着剤12を積層してなる粘着テープ10の粘着剤12側に貼り付ける。
次に、図18(b)に示すように、第1の主面と第2の主面のうちのレーザに近い面、即ち切断を開始する第1の主面とレーザとの中間地点Pにレーザの焦点を設定する。以下において、中間地点Pと第1の主面との距離の値を「デフォーカス量」という。デフォーカス量と、レーザのビームによってウェハ20がエッチングされて形成される溝の幅(カーフ幅)との間には相関があり、カーフ幅が所望の値になるようにデフォーカス量が設定される。デフォーカス量の設定値については後述する。
次いで、図18(c)に示すように、図18(b)で説明したように焦点が設定されたレーザから出力されるビームによって第1の主面から第2の主面までウェハ20がフルカットされ、それぞれに窒化物半導体層30が形成されたチップ201及びチップ202を得る。
図19に示すように、レーザの焦点におけるビーム幅D0、入射ビーム径Din、焦点距離Fとする場合、ビーム幅D0は以下の式(1)によって表される:

D0=4×F×λ/(π×Din) ・・・(1)

式(1)でλはレーザ波長である。レーザとして、レーザ波長λ=532nmのYAG(yttrium-aluminum-garnet)レーザ等が採用可能であるが、レーザ波長λが266nm或いは355nmであってもよい。
例えば、レーザの仕様がF=1.5cm、λ=532nm、Din=5.98μmである場合、ビーム幅D0=5.98μmである。つまり、理論上は焦点でのビーム幅は約6μmであり、第1の主面上にレーザの焦点を設定した場合は、カーフ幅も同様に約6μmになる。
図20に、上記仕様のレーザでのデフォーカス量とカーブ幅の関係を示す。図20に示すように、例えばデフォーカス量を1μmに設定した場合、カーフ幅は9μmになる。
通常、レーザによってウェハを切断する際に生じる物体(デブリ)が切断中の溝の側面に付着するが、カーフ幅が狭い場合にデブリが溝を埋めてしまい、ウェハの切断を困難にする場合がある。そのため、デブリによって溝が埋められない程度のカーフ幅になるように、例えばカーフ幅が10μm程度になるようにデフォーカス量を設定することが好ましい。
図21に、上記に説明した方法によって切断された厚さ80μmのチップの切断面を示す。図21に示すように、チップの切断面全体にレーザによる切断による凹凸が生じている。
比較のため、図22に、スクライブラインを形成した後にウェハからチップにブレークした場合のチップの切断面を示す。図22は、20μmの深さまでレーザで溝を形成した後、厚さ80μmのチップを切断した例である。図22に示すように、レーザにより形成された溝の切断面には凹凸があるが、その溝より深い部分の切断面の凹凸は小さく、切断面が鏡面になっている。
上記では、ウェハ20の第1の主面から第2の主面までをレーザによってフルカットする例を説明したが、第2の主面から第1の主面までをレーザによってフルカットしてもよいことは勿論である。この場合、所望のカーフ幅になるように適当なデフォーカス量を設定して、切断開始面になる第2の主面とレーザとの間にレーザの焦点を設定する。具体的な方法を、図23(a)〜図23(c)を参照して以下に説明する。
先ず、図23(a)に示すように、ウェハ20の第1の主面を、粘着テープ10の粘着剤12側に貼り付ける。
次に、図23(b)に示すように、切断を開始する第2の主面とレーザとの中間地点Pにレーザの焦点を設定する。中間地点Pと第2の主面との距離であるデフォーカス量は、カーフ幅が所望の値になるように設定される。
次いで、図23(c)に示すように、図23(b)で説明したように焦点が設定されたレーザから出力されるビームによって第2の主面から第1の主面までウェハ20がフルカットされ、それぞれに窒化物半導体層30が形成されたチップ201及びチップ202を得る。
以上に説明した本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法によれば、フルカットによりウェハ20を分割することができる。そのため、スクライブラインを形成した後にウェハから各チップをブレークする方法と異なり、切断箇所付近でのクラックの発生を抑制でき、チップ表面の形状がばらつかないため、半導体発光装置の歩留まりを向上できる。
また、ウェハから各チップをブレークする方法ではウェハの厚みを100μm程度、例えば80μmにする必要があるが、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法によれば、ウェハの厚みが350μm程度であってもウェハ20をフルカットできる。そのため、ウェハ20を薄くする工程を省略できる。更に、ウェハからチップにブレークするための衝撃を加える必要がないため、製造工程を短縮することができる。他は、第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法によれば、ウェハをレーザによってフルカットすることにより、半導体発光素子の活性層3で生成され透明基板1に入射した光を効率良く出力できる半導体発光装置を、切断箇所でのクラックの発生を抑制してウェハ20から分割できる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
既に述べた実施の形態の説明においては、半導体発光素子が活性層3をn型半導体層2とp型半導体層4とでサンドイッチ状に挟んだ量子井戸構造を有する例を示したが、発光素子がn型半導体層とp型半導体層とが直接接合するpn接合等の他の構造を有してもよい。また、サファイアのウェハ上に窒化物半導体を積層した例を示したが、それ以外の半導体層や構造であってもウェハがブレークしにくい場合にも、上記のスクライブ方法を適用できる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
産業上の利用の可能性
本発明の半導体発光装置及びその製造方法は、半導体基板上に配置された半導体層を含む発光装置を製造する製造業を含む半導体産業や電子機器産業に利用可能である。

Claims (12)

  1. 第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有し、前記第1の主面と前記第2の主面間の側面が粗面である透明基板と、
    前記透明基板の第1の主面上に配置され、窒化物半導体を積層してなる半導体発光素子と
    を備えることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記半導体発光素子が、n型半導体層、活性層及びp型半導体層がこの順に積層された構造を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記透明基板の厚さが40μm以上700μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  4. 前記第1の主面と前記第2の主面の面積が異なり、前記透明基板の前記第1の主面に垂直方向の切断面がテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  5. 前記側面が、前記透明基板をダイシング工程により切断することによって生じた凹凸により粗面になっていることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  6. 窒化物半導体層が形成された第1の主面と該第1の主面に対向する第2の主面とを有し、サファイアからなるウェハを複数のチップに分割する半導体発光装置の製造方法であって、
    切断装置を準備するステップと、
    前記ウェハを粘着テープに貼り付けるステップと、
    前記ウェハが前記複数のチップに分割されるまで、前記切断装置によって前記第1の主面及び前記第2の主面の一方から他方まで前記ウェハを切断するステップと
    を含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
  7. 前記切断装置がレーザであり、前記ウェハを切断するステップが、前記第1の主面と前記第2の主面のうちの前記レーザに近い面と前記レーザとの中間地点に前記レーザの焦点を設定し、前記焦点が設定された前記レーザから出力されるビームによって前記レーザに近い面から前記レーザに近い面に対向する面まで前記ウェハを切断することを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  8. 前記レーザの波長が、532nm、266nm及び355nmのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光装置の製造方法。
  9. 前記切断装置がブレードを備え、前記ウェハを切断するステップが、前記ブレードによって前記第1の主面及び前記第2の主面の一方から他方まで前記ウェハを切断することを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  10. 前記ブレードが、レジン及びメタル内に複数のダイヤモンドを配置したレジン及びメタルブレードであることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光装置の製造方法。
  11. 前記切断装置が第1のブレード及び該第1のブレードより刃厚の薄い第2のブレードを備え、前記ウェハを切断するステップが、前記第1のブレードによって前記第1の主面及び前記第2の主面の一方から前記ウェハ中の中間地点まで溝を形成し、前記第2のブレードによって前記中間地点から前記第1の主面及び前記第2の主面の他方まで溝を形成して、前記ウェハを切断することを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  12. 前記第1及び第2のブレードが、レジン及びメタル内に複数のダイヤモンドを配置したレジン及びメタルブレードであることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光装置の製造方法。
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