JPWO2008090727A1 - 窒化物系半導体光素子 - Google Patents

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Abstract

信頼性の高い高出力半導体レーザを提供する。一実施形態に係る半導体レーザは、Gaを構成元素として含むIII族窒化物半導体からなる活性層を有し、当該活性層の端面からレーザ光を出射する半導体レーザである。この半導体レーザは、レーザ光が出射される上記端面上に設けられており、誘電体膜からなる保護膜を備えている。前記端面に接する誘電体膜の一部の領域には、炭素が含まれている。

Description

本発明は、III族窒化物系半導体光素子に関する。
窒化ガリウムに代表されるIII族窒化物半導体は、高効率の青紫色発光が得られることから、発光ダイオード(light emitting diode, LED)やレーザーダイオード(laser diode, LD)の構成材料として注目を浴びてきた。なかでもLDは大容量光ディスク装置の光源として期待され、近年では書き込み用光源として高出力LDの開発が精力的に進められている。
図7に典型的な窒化物ガリウム系レーザ構造を示す。GaN基板101上にn型クラッド層102、光ガイド層103,105、活性層104、p型クラッド層106等のレーザ構造を積層後、p型クラッド層106をドライエッチングによりリッジ状に加工し作製される。リッジ部(ridge part)は、ストライプ状開口部を有する絶縁膜107でカバーされ、開口部にp型電極108が設けられる。電流狭窄はストライプ状電極でなされ、リッジ幅およびリッジ高さを調整することにより横モードの制御がなされる。レーザ光は、劈開(ヘキカイ)により形成された共振ミラーから出射される。半導体レーザでは、一般に端面保護のため誘電体保護膜を形成する。高出力用途では出射効率を上げるため、出射側端面に低反射(Anti-reflecting, AR)膜、反対側の端面には高反射(High-reflecting, HR)膜を形成する。
一般的な端面保護膜材料の要件は、レーザ光の吸収がないこと、所望の反射率が得られること、および半導体との密着がよいこと等が挙げられる。また製造上の観点から制御性、生産性のよい成膜が可能であることも重要である。このような観点から一般的にスパッタ、CVD、蒸着等の手法で成膜したAl、SiO、TiO、ZrO、Ta、Nb等の酸化物、MgF、CaF等のフッ化物、AlN、Si等の窒化物が用いられる。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、特許文献1(特開平10−190139号公報)が挙げられる。
特開平10−190139号公報
上述した誘電体膜をAR膜としてレーザ出射端面に形成することによって、初期的にはCOD(Catastrophic Optical Damage)のない高出力特性が実現可能である。しかし、100mW以上の高出力長時間駆動を行うと、CODレベルの低下によって突発故障が発生してしまうという信頼性上の問題があった。本発明者は詳細な検討の結果、GaN系半導体レーザにおける高出力長時間駆動時のCODレベル劣化が保護膜中へのGa拡散に起因することを見出した。
本発明による窒化物系半導体光素子は、ガリウム(Ga)を構成元素として含むIII族窒化物半導体からなる活性層を有し、上記活性層の端面からレーザ光を出射する窒化物系半導体光素子であって、上記レーザ光が出射される上記端面上に設けられ、単層または多層の誘電体膜からなる保護膜を備え、上記端面に接する上記誘電体膜の一部の領域には、炭素(C)が含まれていることを特徴とする。
Cを含有しない従来の保護膜の場合、次のメカニズムによりCODレベル劣化が発生する。劈開によって形成された共振器端面には、Gaの酸化物を主体とする層(自然酸化膜)が形成される。この上に誘電体膜を保護膜として堆積して得たレーザを高出力動作させると、半導体端面のGaがイオン化してGaとなる。当該ガリウムイオンGaが保護膜との界面において保護膜中の構造欠陥(酸素欠損等)に起因して誘起された電子を受け取って中性化すると、当該中性化されたGaは保護膜中へと拡散する。この結果半導体端面が劣化、深い準位が発生し、これによりレーザ光の吸収による温度上昇が生じる。一方保護膜中にCを添加すると、保護膜中に深い準位(たとえば、禁制帯の中央付近に形成されたエネルギー準位)が形成され、この準位が構造欠陥によって誘起された電子をトラップするため、Gaは中性化せずに拡散が抑制される。この結果深い準位が発生せず、CODレベルの低下も抑制される。
本発明によれば、高出力動作におけるCODレベルの低下が抑制された、信頼性の高い窒化物系半導体光素子が実現される。
図1(a)および図1(b)は、本発明の実施形態に係る半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。 図2(a)〜図2(c)は、実施例に係るレーザ構造の作製工程を示す図である。 図3(a)〜図3(c)は、実施例に係るレーザ構造の作製工程を示す図である。 図4(a)および図4(b)は、実施例に係るレーザ構造の作製工程を示す図である。 図5は、Al/半導体界面の炭素濃度と素子寿命の関係を示すグラフである。 図6は、炭素を含まないAl保護膜を用いた場合の発振波長と素子寿命の関係を示す図である。 図7は、リッジ型導波路構造を有する従来の半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明による窒化物系半導体光素子の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1(a)および図1(b)は、本発明による窒化物系半導体光素子の一実施形態を示す断面図である。図1(a)は、共振器方向に垂直な断面から見た素子構造の概略図を示している。また、図1(b)は、図1(a)中のx−x'線の位置における共振器方向に平行な断面のレーザ出射端面近傍を示す。本実施形態においては、窒化物系半導体光素子の一例として半導体レーザを示している。
この半導体レーザは、Gaを構成元素として含むIII族窒化物半導体からなる活性層を有し、当該活性層の端面からレーザ光を出射する半導体レーザであって、レーザ光が出射される上記端面上に設けられ、誘電体膜からなる保護膜を備えている。上記端面に接する誘電体膜の一部の領域には、炭素が含まれている。
より詳細には、この半導体レーザは、n型GaN基板201上にSiドープn型GaN層202(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm)、Siドープn型Al0.1Ga0.9N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm)からなるn型クラッド層203、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ0.1μm)からなるn型GaN光閉じ込め層204、In0.15Ga0.85N(厚さ3nm)を井戸層としSiドープIn0.01Ga0.99N(Si濃度1×1018cm−3、厚さ4nm)をバリア層として含む3周期多重量子井戸(MQW)層205(活性層)、Mgドープp型Al0.2Ga0.8N(Mg濃度2×1019cm−3、厚さ10μm)からなるキャップ層206、Mgドープp型GaN(Mg濃度2×1019cm−3、厚さ0.1μm)からなるp型GaN光閉じ込め層207、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層208、Mgドープp型GaN(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.02μm)からなるp型GaNコンタクト層209が積層した構造を有する。
p型クラッド層208とp型コンタクト層209はドライエッチングを用いたリッジ構造がストライプ状に形成されている。リッジトップのp型コンタクト層209の上面に、p型電極214が、n型GaN基板201の下部にn型電極216が、それぞれ設けられている。劈開によって形成された共振器端面には誘電体保護膜が形成されている。ここでレーザ光出射側端面にはAR膜211(保護膜)、反対側の端面にはHR膜を形成する。
各端面の反射率は誘電体材料の屈折率、膜厚、層数を適切に選択することにより1%から98%の範囲で制御可能である。HR膜の反射率は70%以上、より好適には90%以上とすることが望ましい。AR膜211の反射率は70%未満とすることが好ましく、より好適には1%以上50%以下、さらに好適には5%以上30%以下の範囲とすることが望ましい。
AR膜211は多層の誘電体膜からなり、少なくとも半導体光素子本体(以下、単に「半導体」と呼ぶ。)に接する誘電体膜211a(第1の誘電体膜)の当該半導体光素子本体との界面近傍に炭素(C)が添加されている。誘電体膜211a中の炭素が含まれている領域の炭素濃度は、好ましくは0.01at.%(原子数濃度)以上、より好ましくは0.1at.%以上10at.%以下である。これによって高出力レーザ動作による誘電体膜中へのGa拡散が抑制される。なおC濃度が高すぎると炭素のクラスターができてしまうため、レーザ特性を悪化させる。
誘電体膜211a中で炭素(C)が含有されている領域は半導体との界面近傍のみで良い。炭素(C)による深い準位はレーザ光を吸収するため初期CODレベルの低下を招く。そのため、C濃度が1at.%以上の領域が誘電体膜211aの厚みの1/2よりも薄い領域に限定されるような濃度分布を有することが好ましい。すなわち、誘電体膜211a中の、炭素濃度が1at.%以上の領域は、レーザ出射端面からの距離が誘電体膜211aの厚みの1/2未満である領域に限られていることが好ましい。こうすることで初期CODレベルの低下を抑制しつつ、高出力長時間駆動が可能となる。なお、上述の如く、炭素のクラスターの生成を抑制する観点からは、当該領域のC濃度は、10at.%以下にすることが好ましい。
誘電体膜211aには、酸化物、窒化物、酸窒化膜、フッ化物系の誘電体膜を用いることができる。上記C添加による効果はこれらの膜種には依存しないものの、端面に形成された自然酸化膜を良好に保護するという観点から、酸化物もしくは酸窒化物の使用が好ましい。さらに、膜と半導体の密着性を高めるという観点から、Tiを含む酸化膜(TiO,SrTiO等)、酸窒化膜(TiO1−x等)がより好ましい。
酸化チタン系の材料を誘電体膜211aに用いた場合、レーザ出射端面の最表面は誘電体膜211aとは異なる誘電体膜211b(第2の誘電体膜)で覆う多層構造を採用するのが望ましい。誘電体膜211bは、誘電体膜211aより大きなバンドギャップを有する誘電体によって形成することができる。特に405nm帯のレーザでは、雰囲気に含まれる有機不純物とレーザ光による光化学反応とによって端面が汚染される。誘電体膜211bを設けない場合、酸化チタンの光触媒機能によって、端面汚染が顕在化する。これはレーザ出射側の最表面をバンドギャップの大きな膜で終端することによって抑制される。したがって、この誘電体膜211bにはAl、SiO、Nb、Ta、ZrO等の、誘電体膜211aの構成材料よりもバンドギャップの大きな酸化物系材料を用いることが望ましい。
一般的に酸化チタン系材料は、3.2eV程度と比較的小さいバンドギャップを有しているため、405nm帯(395〜410nm,3.1〜3.0eV)のレーザにおいても自然放出光(発振閾値未満の光出力)の短波長成分を吸収してしまい、初期的なCODレベルが低下することがある。そのため酸化チタン系材料を誘電体膜211aに用いる場合、その膜厚はなるべく薄いほうが初期CODレベルの低下を抑制することができる。しかしながら薄すぎると制御性が悪化するため、10nm以上50nm以下の膜厚とすることが好ましい。加えて前面反射率を5%以上とすることによって閾値光出力を低減することができ、初期CODレベルの低下をさらに抑制可能である。
誘電体膜211bは厚すぎると誘電体膜211a、および半導体との熱膨張係数差に起因して剥がれを生じることがあり、薄すぎると膜厚制御性が困難となるため、10nm以上、100nm以下が望ましい。10nm以上、50nm以下の厚さの酸化チタン系の誘電体膜211aを用いた場合、誘電体膜211bには反射率制御の観点からはAl、SiO等低屈折率材料が好ましく、熱膨張係数差の観点からAlがより好ましい。例えば405nm帯のレーザであれば、誘電体膜211aに10nm以上50nm以下の厚さのTiO(屈折率2.3〜2.7)を用い、誘電体膜211bに10nm以上60nm以下のAl(屈折率1.6〜1.7)を用いることにより反射率は1〜25%の範囲で制御可能である。
本実施形態によれば、少なくとも半導体との界面近傍に炭素(C)を含有する端面保護膜をレーザ出射端面に設けたことにより、保護膜中へのGa拡散を抑制し、100mW以上の高出力下でも安定した長時間駆動が可能となる。また、本実施形態の半導体レーザは、少なくとも界面近傍にCを含有するTiと酸素を含む第1の誘電体膜211aをレーザ出射端面に設け、当該第1の誘電体膜211aを覆うように形成され、かつ第1の誘電体膜211aよりも大きなバンドギャップを有する第2の誘電体膜211bを設けたことにより、保護膜中へのGa拡散を抑制しつつ、膜剥がれや端面の汚染の少ない高出力高信頼動作が可能となる。
ところで、AlInGaAs系半導体レーザ(0.98nm帯)に関しては、CODレベルの低下を抑制する保護膜材料として酸化物系、窒化物系、炭化物系材料を混合した誘電体薄膜(AlSiTa1−x−y1−m−n)が上記特許文献1に報告されている。同文献によると、Al(酸化物材料)、SiN(窒化物材料)、TaC(炭化物材料)単体では、以下のような長所、短所があり、混合することによってそれぞれの短所を補うことができるとしている。なお、同文献には上記混合薄膜はAlInGaN系半導体レーザ(400nm帯)にも適用可能と記載されているが、その場合の組成比等の記載は無い。
・Al(酸化物材料):化学的には安定であるが、成膜ダメージが導入されやすい。
・SiN(窒化物材料):成膜ダメージは少ないが、誘電体/半導体界面の密着性が劣る。
・TaC(炭化物材料):界面の密着性は優れているが、誘電体/半導体界面での相互拡散が生じやすく、熱的安定性に問題がある。
一方、GaN系半導体レーザでは成膜ダメージの影響は少ないため、上記Al(酸化物材料)を保護膜として用いた場合でも初期的にはCODのない高出力特性が安定して得られるが、高出力長時間駆動時にはやはり突発故障が発生し得る。その素子寿命は成膜ダメージには依存せず、発振波長に強く依存する(図6)。図6のグラフから、発振波長410nm以下で波長が短いほど寿命が短くなることがわかる。発振波長が短くなるほど短寿命化することから、短波長帯固有の劣化要因が存在することが推測された。この点、本実施形態によれば、発振波長が410nm以下である場合にも、素子寿命の長い半導体レーザを実現することが可能である。
第一の実施例として、本発明によるリッジストライプレーザについて記す。図2〜図4を参照しつつ、本実施例による半導体レーザの製造方法を説明する。基板としてn型GaN(0001)基板301を用いた。素子構造の作製には300hPaの減圧MOVPE装置を用いた。キャリアガスには水素と窒素の混合ガスを用い、Ga,Al,Inソースとしてそれぞれトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、n型ドーパントにシラン(SiH)、p型ドーパントにビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いた。
n型GaN基板301を成長装置に投入後、NHを供給しながら基板を昇温し、成長温度まで達した時点で成長を開始した。Siドープn型GaN層302(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm)、Siドープn型Al0.1Ga0.9N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm)からなるn型クラッド層303、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ0.1μm)からなるn型光閉じ込め層304、In0.15Ga0.85N(厚さ3nm)井戸層とSiドープIn0.01Ga0.99N(Si濃度1×1018cm−3、厚さ4nm)バリア層からなる3周期多重量子井戸(MQW)層305、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層306、Mgドープp型GaN(Mg濃度2×1019cm−3、厚さ0.1μm)からなるp型光閉じ込め層307を順次堆積した。
ひきつづきMgドープp型Al0.1Ga0.9N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.5μm)からなるp型クラッド層308を堆積し、Mgドープp型GaN(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.02μm)からなるコンタクト層309を堆積した(図2(a))。GaN成長は、基板温度1080℃,TMG供給量58μmol/min,NH供給量0.36mol/minにて,AlGaN成長は、基板温度1080℃,TMA供給量36μmol/min,TMG供給量58μmol/min,NH供給量0.36mol/minにて、それぞれおこなった。InGaN系MQW層の成長は、基板温度800℃,TMG供給量8μmol/min,NH0.36mol/minにておこない、このとき、TMIn供給量は井戸層で48μmol/min、バリア層で3μmol/minとした。
上記のように作製したレーザウエハ上にSiO層310を形成し(図2(b))、フォトリソグラフィーにより幅1.3μmのSiOストライプ311を形成した(図2(c))。このSiOストライプ311をマスクとしてドライエッチングによりpクラッド層308を一部除去し、リッジ構造を形成した(図3(a))。引続きSiOマスク311を除去し、あらたにSiO層312をウエハ全面に堆積した。次にレジスト313を厚く塗布し(図3(b))、酸素プラズマ中でエッチバックによりリッジトップの頭出しをおこなった(図3(c))。
リッジトップのSiOをバッファードフッ酸で除去後、Pd/Pt層314を電子ビームで堆積し、リフトオフによりpコンタクトを形成した。次に窒素雰囲気中600℃で30秒のRTA(Rapid Thermal Annealing)をおこないpオーミック電極を形成した(図4(a))。この後、膜厚50nmのTi膜、膜厚100nmのPt膜、膜厚2μmのAu膜をスパッタにより堆積し、カバー電極315とした(図4(b))。上記p電極工程の後、ウエハ裏面を100μm厚まで薄膜化し、膜厚5nmのチタン(Ti)膜、膜厚20nmのAl膜、膜厚10nmのTi膜、膜厚500nmのAu膜をこの順で真空蒸着しn電極とした。電極形成後の試料をストライプに垂直な方向に劈開し、共振器長600μmのレーザバーを形成した。
上記レーザバーをRFマグネトロンスパッタ装置に導入し、出射端面に後述のAR膜211を形成した。次に、レーザーバーを一旦スパッタ装置から取り出した後、再びスパッタ装置にて反対側の端面にSiO/TiO多層膜からなる反射率95%のHR膜を形成した。その後素子分離をおこない、素子幅300μmのレーザチップを作製した。
ARコーティング材料にはAl単層膜(22nm厚)を用いた。スパッタターゲットは高純度Alを用いた。半導体との界面近傍においてAR膜211中にCをドーピングするためにプラズマガスとして、まずArと(O+CO)との混合ガスを用いた。所望の膜厚の1/5程度を成膜した後、一旦プラズマを落として成膜を中断した。そして、再度Ar+Oの混合ガスを用いて所望の膜厚まで成膜した。ここでAr流量(30sccm)とトータルの流量(45sccm)は一定であり、OとCOの比率を変化させることでAl膜中のC量を変化させた。前端面の反射率は波長405nmで約15%と見積もられた。
以上の工程により得られたレーザチップをヒートシンクに融着し、評価素子とした。典型的なレーザ初期特性は、発振波長405nm、発振しきい電流密度3.2kA/cm、しきい電圧4.0Vであった。これらの素子について150mWの信頼性試験をおこない素子寿命を評価した。
図5は、Al/半導体界面のC濃度と素子寿命の関係を示す図である。膜中のC濃度は堆積した膜を2次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)測定することにより決定した。図5より明らかなように、Al/半導体界面のC濃度が0.1at.%より高くなると突発劣化が抑制され、素子寿命が急激に改善されることがわかる。この改善効果の要因を調べるため、AR膜211中のC濃度0.03at.%の素子と0.1at.%の素子を80℃、出力100mWで100時間駆動し、透過型電子顕微鏡による断面観察分析(断面TEM−EDX)によりAR端面近傍の分析を行った。この結果C濃度0.03at.%の素子ではAR膜211中にGaが検出されたのに対し、C濃度0.1at.%の素子ではGaは検出されなかった。これらの結果より、AR膜211/半導体界面のC濃度を0.1at.%以上とすることで、Gaの拡散を防ぎ、半導体側の非発光中心濃度の増加を抑制することが可能となることがわかった。
AR端面において誘電体膜211aとしてTiO層(39nm厚)、誘電体膜211bとして、Al層(25nm厚)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして半導体レーザを作製し評価した。比較のため、AR保護膜をTiO単層(43nm厚)とした素子も作成した。ここでTiO/半導体界面のGa濃度は3%(at.%)であった。前面反射率は2層(TiO/Al)AR素子で約15%、単層(TiO)AR素子で約16%と見積もられた。
150mWの信頼性試験を行ったところ、どちらの素子も1000h未満で突発劣化は発生しなかった。しかし、TiO単層AR素子では駆動電流の変動が確認され、劣化素子の端面をTEM観察したところ、端面にSiを含む堆積物が確認された。
2層(TiO/Al)AR素子と実施例1に記載の単層(Al)AR素子について200mWの信頼性評価を行った。その結果、どちらの素子も1000h未満で突発劣化は発生しなかった。しかし、Al単層AR素子の中に、約800hを経過した時点でスロープ効率が劣化している素子があった。劣化した素子のTEM観察を行ったところ、Alと半導体の膜剥がれが生じていることが判った。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば上記実施形態においては保護膜が多層の誘電体膜からなる例を示したが、保護膜は単層の誘電体膜からなっていてもよい。

Claims (7)

  1. ガリウム(Ga)を構成元素として含むIII族窒化物半導体からなる活性層を有し、前記活性層の端面からレーザ光を出射する窒化物系半導体光素子であって、
    前記レーザ光が出射される前記端面上に設けられ、単層または多層の誘電体膜からなる保護膜を備え、
    前記端面に接する前記誘電体膜の一部の領域には、炭素が含まれていることを特徴とする窒化物系半導体光素子。
  2. 請求項1に記載の窒化物系半導体光素子において、
    前記端面に接する前記誘電体膜中の、炭素濃度が1at.%以上の領域は、前記端面からの距離が当該誘電体膜の厚みの1/2未満である領域に限られている窒化物系半導体光素子。
  3. 請求項2記載の窒化物系半導体光素子において、前記領域の炭素濃度は、10at.%以下である窒化物系半導体光素子。
  4. 請求項1記載の窒化物系半導体光素子において、
    前記炭素が含まれている前記領域の炭素濃度は、0.1at.%以上10at.%以下である窒化物系半導体光素子。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の窒化物系半導体光素子において、
    前記保護膜は、
    前記端面に接し、チタン(Ti)を含む酸化物からなる第1の誘電体膜と、
    前記第1の誘電体膜上に設けられ、前記第1の誘電体膜よりもバンドギャップの大きな誘電体からなる第2の誘電体膜と、
    によって構成されている窒化物系半導体光素子。
  6. 請求項5記載の窒化物系半導体光素子において、前記第1の誘電体膜は、酸化チタン系材料からなり、前記第1の誘電体膜の厚みが10nm以上50nm以下の範囲内である窒化物系半導体光素子。
  7. 請求項5または6記載の窒化物系半導体光素子において、前記第2の誘電体膜の厚みが10nm以上100nm以下の範囲内である窒化物系半導体光素子。
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