JPWO2008075624A1 - テラヘルツ帯用光学部品 - Google Patents

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Abstract

耐熱性が極めて高く、線膨張係数や湿度等の諸特性に優れた新規なテラヘルツ帯用光学部品を提供する。雲母の薄板状基板2の一主面2a上に所定の導体パターンとしての周期的な島状のパターン4を形成し、耐熱性が極めて高く、線膨張係数や湿度等の諸特性に優れた新規なテラヘルツ帯用光学部品1aを形成する。

Description

この発明は、テラヘルツ帯の光学的フィルタとしてのテラヘルツ帯用光学部品に関し、詳しくは、新規な構成に基づく特性の向上等に関する。
近年、癌治療等の医療分野を始めとする種々の分野において、略0.1〜10THz(1THzは1012Hz)のテラヘルツ帯が注目され、各種のテラヘルツ帯利用技術が開発されつつある。
そして、前記テラヘルツ帯の測定や検出には、フィルタや偏光子等となるテラヘルツ帯用光学部品が必須であり、このテラヘルツ帯用光学部品には、種々の形式があるが、その一つとして薄い基板の一主面に導体の周期的なパターンを印刷等して形成しても作製できる。
ところで、前記の薄い基板は、テラヘルツ帯の光に対し、高い透過率を有していることが必要であり、また、基板へ入射した光が干渉(等傾角干渉)を起こさないことも重要である。従って、基板の材質や厚みは、高い透過率が得られるように、かつ、干渉を起こさないように選定する必要があるが、後述する通り、基板の厚みは波長に比較して十分薄いことが好ましい。
そして、強度や柔軟性、作製の容易さ等を考慮して、前記薄い基板を紙、プラスチック等の有機材料で形成し、テラヘルツ帯用光学部品を図10に示す構造に形成することが提案されている。
同図はテラヘルツ帯用光学部品の一例である光学素子110を示し、この光学素子110は、電磁波が透過する薄い基体112に電磁波を反射するライン114を周期的に形成した構造であり、基体112には印刷用紙等の紙が使用され、ライン114にはアルミニウム、金、銀、銅等の金属が使用され、該金属を含有するインクを用紙上に印刷してライン114が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−29153号公報(請求項1、4、段落[0031]−[0035]、[0050]、図1等)
従来提案のテラヘルツ帯用光学部品である前記図10の光学素子110の場合、薄い基板が紙やプラスチック等の有機材料で形成されるため、(1)耐熱性に乏しく、導体のパターンであるライン114を金属ペーストの印刷等に熱処理を施して形成することは困難である。(2)基板の線膨張係数が大きく、温度による変形が生じ易いので、前記導体のパターンであるライン114を高精度に形成して正確に所望の特性を得ることが困難である。(3)湿度に弱く、湿度の高い環境下での使用に向かない。(4)基板が外力で容易に変形するため、製造や使用の過程において変形等が容易に生じる、などいった問題点がある。
したがって、この種のテラヘルツ帯用光学部品において、紙やプラスチック等の有機材料で基板を形成することは適当でなく、関心の高い0.1〜2.5THz前後のテラヘルツ波に対しても、等傾角干渉や強度等を考慮すると、紙やプラスチック等の有機材料の基板を用いることは実用上は困難であると考えられる。
本発明は、耐熱性や耐湿性が極めて高く、線膨張係数等の諸特性に優れた新規なテラヘルツ帯用光学部品を提供することを目的とし、とくに従来は困難であった0.1〜2.5THz前後のテラヘルツ波に対して実用上から好適なテラヘルツ帯用光学部品を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のテラヘルツ帯用光学部品は、雲母の薄板状基板を備え、該薄板状基板の一主面上に周期性がある導体パターンを形成したことを特徴としている(請求項1)。
前記薄板状基板は、波長λ(μm)のテラヘルツ波に対して、厚みt(μm)がt≦λ/10であることが等傾角干渉を避ける面から好ましく(請求項2)、とくに0.1〜2.5THz前後のテラヘルツ波に対しては、強度等も考慮して前記薄板状基板が、3〜12(μm)の厚みであることが実用的で好ましい(請求項3)。
そして、周波数カットフィルタを形成する場合、導体パターンは、周期性がある島状のパターンであることが好ましく(請求項4)、ワイヤ−グリッドを形成する場合、前記導体パターンは、平行なストライプ状のパターンであることが好ましい(請求項5)。さらに、バンドパスフィルタを形成する場合、前記導体パターンは、周期性がある島状の空孔が形成された穴あきパターンであることが好ましい(請求項6)。
請求項1の発明によれば、紙やプラスチック等の有機材料の基板ではなく雲母の薄板状基板を使用し、その一主面上に周期性がある導体パターンを形成してテラヘルツ帯用光学部品が形成される。
この場合、雲母は薄く剥がれ易い性質がある無機材料であり、耐熱性に優れた極めて薄い薄板状基板に形成することが可能である。
しかも、この雲母の薄板状基板は、実験等によってテラヘルツ帯の光透過率が高いことが確かめられた。
そして、本発明は、雲母の薄板状基板の上記特性に着目してなされたものであり、前記雲母の薄板状基板が耐熱性に優れるため、薄板状基板上の導体パターンを、紙やプラスチック等の有機材料の基板を使用した場合は不可能であった金属ペーストの印刷等に加熱処理を施して形成することを可能とする。
この場合、前記雲母の薄板状基板は、紙やプラスチック等の有機材料の基板に比して、線膨張係数が小さく、湿度に強く、外力で容易には変形しない等の優れた特性を備える。
したがって、紙やプラスチック等の有機材料の基板では実現困難な、薄くて耐熱性が高く、十分な引っ張り強度等を有する優れた特性を備えた新規な構造のテラヘルツ帯用光学部品を提供することができる。
請求項2の発明によれば、雲母の薄板状基板を等傾角干渉が生じないλ/10(μm)以下の具体的な厚みt(μm)に形成して請求項1の効果を奏するテラヘルツ帯用光学部品を提供することができる。
請求項3の発明によれば、雲母の薄板状基板を3〜12(μm)の厚みにするため、関心の高い0.1〜2.5THz前後のテラヘルツ波に対して、等傾角干渉や基板強度等を考慮した最も好ましい基板厚さのテラヘルツ帯用光学部品を提供することができる。
請求項4の発明によれば、導体パターンを周期性がある島状のパターンにすることで、上記請求項1〜3の効果を奏する周波数カットフィルタ構造のテラヘルツ帯用光学部品を提供することができる。
請求項5の発明によれば、導体パターンを平行なストライプ状のパターンにすることで、上記請求項1〜3の効果を奏するワイヤーグリッド構造のテラヘルツ帯用光学部品を提供することができる。
請求項6の発明によれば、導体パターンを周期性がある島状の空孔が形成された穴あきパターンにすることで、上記請求項1〜3の効果を奏するバンドパスフィルタ構造のテラヘルツ帯用光学部品を提供することができる。
第1の実施形態のテラヘルツ帯用光学部品の模式的な斜視図である。 図1のテラヘルツ帯用光学部品の一主面側の部分的な拡大正面図である。 図1のテラヘルツ帯用光学部品が備える雲母の薄板状基板の一例の透過特性図である。 図1のテラヘルツ帯用光学部品が備える雲母の薄板状基板の一例の反射特性図である。 図1のテラヘルツ帯用光学部品が備える雲母の薄板状基板の厚みを変化させた場合の、透過率特性図である。 図1のテラヘルツ帯用光学部品の雲母の透過特性図である。 第2の実施形態のテラヘルツ帯用光学部品の模式的な斜視図である。 図7のテラヘルツ帯用光学部品の透過特性図である。 第3の実施形態のテラヘルツ帯用光学部品の一部の模式的な斜視図である。 従来例の説明図である。
符号の説明
1a、1b、1c テラヘルツ帯用光学部品
2 薄板状基板
2a 一主面
4 島状のパターン
5 穴あきパターン
8 ストライプ
9 縦縞のパターン
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、実施形態について、図1〜図9にしたがって詳述する。
(第1の実施形態)
請求項1〜4に対応する第1の実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は特定周波数カットフィルタ構造に形成されたテラヘルツ帯用光学部品1aを示し、図2はテラヘルツ帯用光学部品1aの一主面側の部分的な拡大正面図である。なお、図1においては、後述の島状のパターンを誇張して示し、実際の寸法関係とは異なる。
図3、図4はテラヘルツ帯用光学部品1aの薄板状基板2の一例の透過特性、反射特性を示し、図5、図6はテラヘルツ帯用光学部品1aの透過特性を示す。
図1のテラヘルツ帯用光学部品1aは、テラヘルツ帯の所定周波数を遮断する特定周波数カットフィルタ構造に形成されたものであり、白雲母[KAl(SiAl)O10(OH)]の薄板状基板2を備え、この薄板状基板2の一主面2a上に、所定の導体パターンとして、銀の円形ドット3が散点した周期的な島状のパターン4が形成されている。以下に、構造等を詳述する。
(薄板基板2)
まず、薄板状基板2について説明する。
前記白雲母を始めとする各種雲母は薄くはがれやすい性質がある無機材料であり、光透過率及び耐熱性に優れた極めて薄い薄板状に形成することが可能であり、紙やプラスチック等の有機材料の基板に比して、線膨張係数が小さく、湿度に強く、外力で容易には変形しない等の優れた特性を備える。なお、雲母の融点は1200℃程度であり、また、天然雲母の場合でも、700℃から800℃で脱水するが、700℃以下の温度では、極めて安定といわれている。
そして、白雲母の薄板状基板2は、この種のフィルタの量産に適した基板サイズである10cm(縦)×10cm(横)の10cm角の正方形である。
また、薄板状基板2の厚みは、つぎに説明するように設定される。
まず、薄板状基板2の厚みをt(μm)、光の波長をλ(μm)、雲母の屈折率をn(λ)、雲母の誘電率を ε(λ)とすると、光が薄板状基板2で等傾角干渉を起こさないようにするための厚みtの基本式は、よく知られているように、つぎの数1の式(1)で表わすことができ、その誘電率ε(λ)は数2の式(2)で表わすことができる。
Figure 2008075624
Figure 2008075624
そして、雲母の誘電率ε(λ)は、マイクロ波帯ではよく知られているように6.5(文献値)であり、テラヘルツ帯では実験等によって7(測定値)であることが判明した。
そこで、雲母のテラヘルツ帯の屈折率n(λ)は2.5とすることが適当であり、上記式(1)において、n(λ)=2.5とすることで、薄板状基板2の厚みは、テラヘルツ波が薄板状基板2で等傾角干渉を起こさないようにするため、つぎの数3の式(3)を満足するように設定すればよいことが判明した。
Figure 2008075624
したがって、薄板状基板2の厚みは、等傾角干渉を起こさないようにするため、波長λ(μm)のテラヘルツ波に対してλ/10以下の厚みt(μm)に設定すればよい。
ところで、薄板状基板2の厚みは、実用上からは、等傾角干渉の面からだけでなく強度その他の面から総合的に判断して設定することが望ましい。
そこで、本実施形態においては、注目度が高い略0.1〜2.5THz(波長λ=3000〜120μm)のテラヘルツ波に対して、薄板状基板2の厚みを、つぎに説明するように、t=3〜12μmに設定する。
すなわち、薄板状基板2の厚みが8μmの場合、テラヘルツ帯の光に対して、「THz−TDS法」と称される周知のテラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy)で透過特性、反射特性を実測したところ、図3の透過特性、図4の反射特性の実測結果が得られた。なお、図3の実線aは波数に対する透過率の特性であり、実線bは透過光の位相特性である。また、図4の実線cは波数に対する反射率の特性であり、実線dは反射光の位相特性である。
この図3、図4の実測結果から、雲母の薄板状基板2は、10μm前後の厚みより薄い場合にテラヘルツ帯で高い透過率を示すことが判明した。このことから、雲母の薄板状基板2は、0.1THz(波数で3.3cm−1)〜2.5THz(波数で83cm−1、波長で120μm)前後のテラヘルツ帯に好適な基板であるといえる。
そして、2.5THz以下のテラヘルツ波に対しては、等傾角干渉を起こさないための前記式(3)の0<t≦λ/10という条件から、薄板状基板2の厚みは12μmが上限となり、実用上は、略2.5THz以下のテラヘルツ波に対して、薄板状基板2の厚みの上限が12μmとなると考えられる。
一方、雲母の剥離限界や強度等を考慮すると、薄板状基板2の厚みの下限は3μm程度であると考えられる。
同一の白雲母片から厚み、23μm、18μm、12μm、4μmの厚みの薄板状基板2を取り出してTHz−TDS法により透過率の測定を行った。その結果を図5に示す。図中の実線j、k、l、mは23μm、18μm、12μm、4μmの透過率特性である。そして、厚みが23μm、18μmの場合は、透過率にピークが現れ、これは等傾角干渉によるものである。波長が短くなるとこのピークは高周波側に位置するようになるが、厚みを12μm以下にすれば、注目度が高い0.1〜2.5THzでこのピークはなくなり、その結果、この領域での等傾角干渉の影響が排除できる。そこで、本実施形態においては、薄板状基板2の厚みを、注目度の高い0.1THz〜2.5THz前後の範囲のテラヘルツ波に好適な3〜12μmの適当な厚みに設定する。具体的には、前記の8μmとする。
そして、材料の白雲母を冶具を使って薄く剥がし、上述の10cm×10cmの矩形で厚みt=8μmの薄板状基板2を形成する。
(島状のパターン4)
つぎに、前記導体パターンとしての島状のパターン4について説明する。
まず、薄板状基板2が耐熱性に優れるので、導体パターンとしての銀の円形ドット3の周期的な島状のパターン4は、薄板状基板2の例えば入射側の一主面2aに、金属ペーストを印刷し、その金属ペーストを加熱処理する実用的で量産に適した手法で形成される。
このとき、例えば1THzの周波数をカットするため、各円形ドット3は直径200μmであり、図1に示すように300μmピッチの正三角形格子状に配列される。
つぎに、島状のパターン4の具体的な形成手法を説明する。
まず、直径200μmの空孔を300μmピッチの正三角形格子状に配列したメタルマスクを用意する。
つぎに、用意した白雲母の薄板状基板2の一主面2a上に前記メタルマスクを密着状態に接触させ、この状態で銀ペーストを塗布する。その後、前記メタルマスクを薄板状基板2から取り外し、薄板状基板2の一主面2a上に銀ペーストの円形ドット3を散点状に印刷する。
つぎに、銀ペーストの円形ドット3が散点状に印刷された薄板状基板2をオーブンに入れ、例えば300℃1時間の加熱処理を施す。このとき、図2の部分拡大図に示すように、薄板状基板2に各円形ドット3が強固に付着する。
(テラヘルツ帯用光学部品1aの特性)
上記のようにして形成されたテラヘルツ帯用光学部品1aにつき、前記の「THz−TDS法」によって透過特性を測定したところ、図6に示す測定結果が得られた。なお、図6の実線eが周波数に対する透過率の特性であり、実線fが透過光の位相の特性である。
図6からも明らかなようにテラヘルツ帯用光学部品1aは、図中の矢印線gに示す略1000GHz(=1THz)を銀の円形ドット3によって吸収する特性であり、1THzを良好にカットするテラヘルツ帯の特定周波数カットフィルタを形成する。
また、テラヘルツ帯用光学部品1aの−25℃〜75℃の温度依存性を測定したところ。つぎの表1の結果が得られた。
Figure 2008075624
この表1からも明らかなように、テラヘルツ帯用光学部品1aは−25℃〜75℃の範囲において、カット周波数がほとんど変らず、温度係数が0.3GHz/℃で温度依存性が極めて小さいことも確かめられた。
したがって、本実施形態の場合、紙やプラスチック等の有機材料の基板ではなく、テラヘルツ帯の光透過率が高く、しかも、耐熱性が高い白雲母の薄板状基板2を使用することにより、基板2上の導体パターンとしての島状のパターン4を、紙やプラスチック等の有機材料の基板を使用した場合は不可能であった金属ペーストの印刷、加熱処理で形成して、周波数カットフィルタ構造を形成することができる。
このとき、薄板状基板2は10cm×10cmの大きさとすることで、銀ペーストの印刷に適した大きさであり、この銀ペーストの印刷によりパターン4を簡単かつ安価に高精度に形成できる。
しかも、薄板状基板2は、紙やプラスチック等の有機材料の基板に比して、線膨張係数が小さく、湿度に強く、外力で容易には変形しない等の優れた特性を備える。
そのため、テラヘルツ帯用光学部品1aは、紙やプラスチック等の有機材料の基板では実現困難な、薄くて耐熱性が高く、線膨張係数が小さく、十分な引っ張り強度等を有する優れた特性を備え、その上、簡単かつ安価に、しかも精度よく形成することができる。
(第2の実施形態)
請求項1〜3、6に対応する第2の実施形態について、図7、図8を参照して説明する。
図7はバンドパスフィルタ構造に形成されたテラヘルツ帯用光学部品1bを示し、図8はテラヘルツ帯用光学部品1bの透過特性を示す。なお、図7においては、後述の穴あきパターンを誇張して示し、実際の寸法関係とは異なる。
そして、図7において、図1と同一符号は同一又は相当するものを示し、同図のテラヘルツ帯用光学部品1bは、白雲母の薄板状基板2を使用してテラヘルツ帯の所定周波数を通すバンドパスフィルタ構造に形成されたものであり、図1のテラヘルツ帯用光学部品1aと異なる点は、薄板状基板2の一主面2aに周期的な導体パターンとして、図1の円形ドット3の島状のパターン4に代え、周期性がある島状の空孔が形成された穴あきパターン5を形成した点である。
穴あきパターン5は、1THzのバンドパスフィルタを形成するため、図6に示すようにアルミ薄膜6に直径200μmの空孔7を300μmピッチで正三角形格子状に散点配置した形状である。
つぎに、穴あきパターン5の具体的な形成手法を説明する。
まず、10cm角で8μm厚の薄板状基板2を用意し、その一主面2aにレジストを塗布し、リソグラフィーの工程で直径200μmのドット状にレジストパターンを形成する。
つぎに、そのレジストパターンの表面にアルミ蒸着を行い、その後、リフトオフの工程で不用部分をフォトレジストと共に除去し、穴あきパターン5を形成する。
そして、この穴あきパターン5が形成された薄板状基板2を例えば120℃で熱処理する。
上記のようにして形成されたテラヘルツ帯用光学部品1bにつき、前記の「THz−TDS法」によって透過特性を測定したところ、図8に示す測定結果が得られた。なお、図8の実線hが波数に対する透過率の特性であり、実線iが透過光の位相の特性である。
図8からも明らかなようにテラヘルツ帯用光学部品1bは、1THzで透過率が70%、半値幅300GHzの良好なバンドパスフィルタを形成する。
そして、本実施形態の場合、紙やプラスチック等の有機材料の基板ではなく、テラヘルツ帯の光透過率が高く、しかも、耐熱性が高い白雲母の薄板状基板2を使用することにより、薄板状基板2上の導体パターンとしての穴あきパターン5を、紙やプラスチック等の有機材料の基板を使用した場合は不可能であった金属蒸着膜の加熱処理で形成することができ、導体パターンを簡単かつ安価に高精度に形成してバンドパスフィルタ構造を形成することができる。
しかも、薄板状基板2は、紙やプラスチック等の有機材料の基板に比して、線膨張係数が小さく、湿度に強く、外力で容易には変形しない等の優れた特性を備えるため、テラヘルツ帯用光学部品1bも、紙やプラスチック等の有機材料の基板では実現困難な、薄くて耐熱性が高く、線膨張係数が小さく、十分な引っ張り強度等を有する優れた特性を備え、その上、簡単かつ安価に、しかも精度よく形成することができる。
(第3の実施形態)
請求項1〜3、5に対応する第3の実施形態について、図9を参照して説明する。
図9はワイヤーグリッド構造に形成されたテラヘルツ帯用光学部品1cの一部の斜視図であり、同図においては、後述の縦縞のパターンを誇張して示し、実際の寸法関係とは異なる。
そして、図9のテラヘルツ帯用光学部品1cは白雲母の薄板状基板2を使用してテラヘルツ帯の例えば0.1〜0.5THz近傍で偏光子となる構造に形成されたものである。
具体的には、白雲母の薄板状基板2と、幅50μmの上下方向のストライプ状の空孔が200μmピッチで平行に配列されたメタルマスクとを用意し、このメタルマスクを薄板状基板2の一主面2aに密着状態に接触させ、この状態で銀ペーストを塗布する。その後、前記メタルマスクを薄板状基板2から取り外し、薄板状基板2の一主面2a上に銀ペーストによって上下方向のストライプ8の縦縞のパターン9を形成する。そして、縦縞のパターン9が形成された薄板状基板2をオーブンに入れ、例えば300℃、1時間の加熱処理を施してテラヘルツ帯用光学部品1cを形成する。
このテラヘルツ帯用光学部品1cについて、前記の「THz−TDS法」により透過特性を測定したところ、0.1〜0.3THzで偏光子として動作することが確かめられた。
そして、本実施形態の場合も、紙やプラスチック等の有機材料の基板ではなく、テラヘルツ帯の光透過率が高く、しかも、耐熱性が高い白雲母の薄板状基板2を使用することにより、薄板状基板2上の導体パターンとしての縦縞のパターン9を、紙やプラスチック等の有機材料の基板を使用した場合は不可能であった金属パターンの加熱処理で形成することができ、導体パターンを簡単かつ安価に高精度に形成してワイヤーグリッド構造を形成することができる。
しかも、薄板状基板2は、紙やプラスチック等の有機材料の基板に比して、線膨張係数が小さく、湿度に強く、外力で容易には変形しない等の優れた特性を備えるため、テラヘルツ帯用光学部品1cも、紙やプラスチック等の有機材料の基板では実現困難な、薄くて耐熱性が高く、線膨張係数が小さく、十分な引っ張り強度等を有する優れた特性を備え、その上、簡単かつ安価に、しかも精度よく形成することができる。
そして、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えば、薄板状基板2の材料としての雲母は、白雲母に限られるものではなく、金雲母[K(Mg,Fe)(SiAl)O10(OH)]、合成雲母[フッ素金雲母KMg(SiAl)O10、K型フッ素四ケイ素雲母KMg2.5Si10]であってもよい。
そして、薄板状基板2は主面がどのような大きさ、形状であってもよいが、実用上は、上記したような10cm角程度のある程度の大きさの量産に向く定型状であることが好ましく、そのような大きさとするためには、実際には薄板状基板2の材料は白雲母と合成雲母とに限られると考えられる。
また、薄板状基板2の一主面2aは、テラヘルツ帯用光学部品の用途や機能によっては出射光側の主面であってもよい。
つぎに、前記の周期的な導体パターンの形状や大きさ、配置等は、テラヘルツ帯用光学部品の用途等にしたがって適当に設定してよく、具体的には、テラヘルツ帯用光学部品1aの島状のパターン4のドット形状やテラヘルツ帯用光学部品1bの穴あきパターン5の空孔形状は円形に限られるものではなく、矩形状等であってもよく、また、パターン4、5のピッチ等は所望する周波数特性に応じて適当に設定すればよい。
また、薄板状基板2の厚みは、前記式(3)の条件を満足するものであればよく、0.1〜2.5THzのテラヘルツ波に対しても3〜12μmの厚みに限るものではない。
さらに、導体パターンは種々の金属、金属化合物等の導電体材料で形成してよいのは勿論であり、その形成手法も前記各実施形態の手法に限られるものではない。
本発明は、種々の機能、特性のテラヘルツ帯用光学部品に適用することができる。

Claims (6)

  1. 雲母の薄板状基板を備え、該薄板状基板の一主面上に周期性がある導体パターンを形成した構造であることを特徴とするテラヘルツ帯用光学部品。
  2. 前記薄板状基板は、波長λ(μm)に対して、厚みt(μm)が0<t≦λ/10であることを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ帯用光学部品。
  3. 前記薄板状基板は、3〜12(μm)の厚みであることを特徴とする請求項1記載のテラヘルツ帯用光学部品。
  4. 前記導体パターンは、周期性がある島状のパターンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ帯用光学部品。
  5. 前記導体パターンは、平行なストライプ状のパターンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ帯用光学部品。
  6. 前記導体パターンは、周期性がある島状の空孔が形成された穴あきパターンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ帯用光学部品。
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