JPWO2007135774A1 - 生薬配合経口液剤組成物 - Google Patents
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Abstract
低温条件下で長期間安定な生薬配合経口液剤組成物の提供。次の成分(A)〜(F):(A)人参、ショウキョウ、タイソウ、シャクヤク、トウキ及びケイヒから選ばれる1種又は2種以上の生薬(B)ショ糖脂肪酸エステル(C)モノグリセリン脂肪酸エステル(D)グリチルリチン酸又はその塩(E)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(F)ポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする経口液剤組成物。
Description
本発明は、低温条件下における安定性が良好な生薬配合経口液剤組成物に関する。
人参、シャクヤク等の生薬は、滋養強壮等の作用を有することから、例えばドリンク剤などとして広く用いられている。ところが、生薬の中には水に対する溶解性が低い成分も多く含まれていることから、沈殿が生じる等の問題がある。かかる問題を解決するため、非イオン性界面活性剤に代表される可溶化剤を配合する技術が報告されている。例えば、特許文献1には、ペオニフロリン含有液体組成物では、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルを配合すると長期間安定になることが記載されている。特許文献2には、ジンセノサイド類を可溶化するには、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤及び油成分の組み合わせがよいことが記載されている。特許文献3には、生薬抽出物に、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤及び油成分を配合し、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤の配合量を、ポリグリセリン脂肪酸エステル1質量部に対して6分の1〜1質量部とした可溶化液体組成物が記載されている。また、特許文献4には、生薬エキスに、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とポリオキシエチレンポリオキシプロピレン縮合物を配合することが記載されている。
特開2000−247890号公報
特開2002−193825号公報
特開2002−128703号公報
特公平5−9408号公報
しかしながら、生薬成分配合液剤の保存安定性は、前記特許文献1及び2のように、配合される生薬成分によっても大きく相違し、特に複数の生薬成分を配合した経口液剤の安定化は困難である。また、冬期や寒冷地の流通過程においては、5℃もの低温になることもあることから、低温条件下で長期間保存した場合でも沈殿や白濁が生じない安定な経口液剤の開発が望まれていた。
従って、本発明は、低温条件下における長期安定性が良好な生薬配合経口液剤組成物を提供することにある。
従って、本発明は、低温条件下における長期安定性が良好な生薬配合経口液剤組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、生薬成分を配合した液剤の安定性について検討してきたところ、ショ糖脂肪酸エステルと、モノグリセリン脂肪酸エステルと、グリチルリチン酸又はその塩を組み合せて配合すれば、高温条件下だけでなく低温条件下でも約1ヶ月沈殿を生じず、安定な経口液剤が得られることを見出した。さらに検討を続けた結果、上記ショ糖脂肪酸エステルと、モノグリセリン脂肪酸エステルと、グリチルリチン酸又はその塩に加えて、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ポリビニルピロリドンとを組み合せて配合すれば、低温条件で2ヶ月以上もの長期間沈殿や白濁を生じず、特に、沈殿の生じやすい、冬期や寒冷地での流通において有用な生薬成分配合液剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(F):
(A)人参、ショウキョウ、タイソウ、シャクヤク、トウキ、及びケイヒから選ばれる1種又は2種以上の生薬
(B)ショ糖脂肪酸エステル
(C)モノグリセリン脂肪酸エステル
(D)グリチルリチン酸又はその塩
(E)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(F)ポリビニルピロリドン
を含有することを特徴とする経口液剤組成物を提供するものである。
(A)人参、ショウキョウ、タイソウ、シャクヤク、トウキ、及びケイヒから選ばれる1種又は2種以上の生薬
(B)ショ糖脂肪酸エステル
(C)モノグリセリン脂肪酸エステル
(D)グリチルリチン酸又はその塩
(E)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(F)ポリビニルピロリドン
を含有することを特徴とする経口液剤組成物を提供するものである。
本発明の経口液剤組成物は、低温条件において長期間沈殿及び白濁を生じることなく安定である。従って、本発明の経口液剤組成物は、冬期や寒冷地において安定に流通させることができる。
本発明において使用される生薬成分(A)は、人参、ショウキョウ、タイソウ、シャクヤク、トウキ、及びケイヒから選ばれる1種又は2種以上である。ここで人参としては、ウコギ科のオタネニンジンの根の抽出物が用いられる。ショウキョウとしては、ショウガ科のショウガの根茎の抽出物が用いられる。タイソウとしては、クロウメモドキ科のナツメの果実の抽出物が用いられる。シャクヤクとしては、ボタン科のシャクヤクの根の抽出物が用いられる。トウキとしては、セリ科のトウキの根の抽出物が用いられる。ケイヒとしては、クスノキ科のシナモンカシアの樹皮の抽出物が用いられる。抽出物の形態は特に限定されず、例えば乾燥エキス、流エキス、軟エキスなどが挙げられるが、本発明においては流エキス、又は軟エキスを用いるのが好ましい。なお、これらの抽出物を得るための抽出溶媒としては、水、エタノール等が挙げられる。
これらの生薬成分(A)は、本発明の経口液剤組成物中に1種又は2種以上を配合することができるが、人参を配合し、これに必要に応じて他の前記生薬成分を配合するのが好ましく、さらには人参及びショウキョウを配合し、これに必要に応じてタイソウ、シャクヤク、トウキ及びケイヒから選ばれる1種又は2種以上を配合するのが好ましい。
これらの生薬成分(A)の原生薬換算値としての合計の含有量は、特に制限されるものではないが、薬理効果の点から、本発明の経口液剤組成物中の5〜25質量%、さらに10〜25質量%、特に15〜25質量%であるのが好ましい。
本発明において使用されるショ糖脂肪酸エステル(B)としては、ショ糖C14−C18脂肪酸エステルが好ましい。ショ糖脂肪酸エステル(B)の市販品としては、DKエステルSS(第一工業製)等が挙げられる。本発明の経口液剤組成物中における生薬成分(A)とショ糖脂肪酸エステル(B)の含有量の相対質量比率は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中における生薬成分(A)の含有量(原生薬換算値)を1とした場合に、ショ糖脂肪酸エステル(B)の含有量を0.00004〜0.02の範囲内とすることが好ましい。また、ショ糖脂肪酸エステル(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中の0.001〜0.1質量%、さらに0.005〜0.04質量%、特に0.01〜0.02質量%であるのが好ましい。
本発明において使用されるモノグリセリン脂肪酸エステル(C)としては、モノグリセリンC14−C18脂肪酸エステルが好ましい。モノグリセリン脂肪酸エステル(C)の市販品としては、ポエムM−100(理研ビタミン製)等が挙げられる。本発明の経口液剤組成物における生薬成分(A)とモノグリセリン脂肪酸エステル(C)の含有量の相対質量比率は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中における生薬成分(A)の含有量(原生薬換算値)を1とした場合に、モノグリセリン脂肪酸エステル(C)の含有量を0.00004〜0.02の範囲内とすることが好ましい。また、モノグリセリン脂肪酸エステル(C)の含有量は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明経口液剤組成物中の0.001〜0.1質量%、さらに0.005〜0.04質量%、特に0.01〜0.02質量%であるのが好ましい。
本発明において使用されるグリチルリチン酸又はその塩(D)には、グリチルリチン酸そのもののほか、その薬学的に許容される塩が含まれ、塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。グリチルリチン酸又はその塩(D)としては、例えばグリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウムなどが例示される。本発明においては、沈殿防止効果の観点からグリチルリチン酸二カリウムが好ましい。グリチルリチン酸又はその塩(D)の市販品としては、グリチルリチン酸二カリウム(アルプス薬品製)等が挙げられる。本発明の経口液剤組成物における生薬成分(A)とグリチルリチン酸又はその塩(D)の含有量の相対質量比率は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中における生薬成分(A)の含有量(原生薬換算値)を1とした場合に、グリチルリチン酸又はその塩(D)の含有量を0.00004〜0.02の範囲内とすることが好ましい。また、グリチルリチン酸又はその塩(D)の含有量は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中の0.001〜0.1質量%、さらに0.005〜0.04質量%、特に0.01〜0.02質量%であるのが好ましい。
本発明において使用されるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E)としては、例えばポリオキシエチレン平均付加モル数が5〜120の硬化ヒマシ油が挙げられ、特にポリオキシエチレン平均付加モル数が20〜80の硬化ヒマシ油が好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の市販品としては、HCO−60(日本サーファクタント製)、エマレックスHC−60(日本エマルジョン製)等が挙げられる。本発明の経口液剤組成物における生薬成分(A)とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E)の含有量の相対質量比率は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中における生薬成分(A)の含有量(原生薬換算値)を1とした場合に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E)の含有量を0.00004〜0.2の範囲内とすることが好ましい。また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E)の含有量は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止の点から、本発明経口液剤組成物中の0.001〜1質量%、さらに0.005〜0.5質量%、特に0.01〜0.1質量%であるのが好ましい。
本発明に用いられるポリビニルピロリドン(F)としては、平均分子量10,000〜2,000,000のポリビニルピロリドンが挙げられ、特に平均分子量20,000〜50,000のポリビニルピロリドンが好ましい。ポリビニルピロリドンの市販品としては、コリドン25(BASFジャパン製)、アイフタクトK−30(第一工業製薬製)等が挙げられる。本発明の経口液剤組成物における生薬成分(A)とポリビニルピロリドン(F)の含有量の相対質量比率は、特に制限されるものではないが、白濁発生防止の点から、本発明の経口液剤組成物中における生薬成分(A)の含有量(原生薬換算値)を1とした場合に、ポリビニルピロリドン(F)の含有量を0.0004〜0.4の範囲内とすることが好ましい。また、ポリビニルピロリドン(F)の含有量は、特に制限されるものではないが、白濁発生防止の点から、本発明経口液剤組成物中に0.01〜2質量%、さらに0.05〜1質量%、特に0.1〜0.5質量%であるのが好ましい。
本発明の経口液剤組成物においては、生薬成分(A)に、ショ糖脂肪酸エステル(B)、モノグリセリン脂肪酸エステル(C)、及びグリチルリチン酸又はその塩(D)だけでなく、さらにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E)、及びポリビニルピロリドン(F)を組み合せて配合することにより、低温条件下での長期保存安定化効果が得られるものである。本発明経口液剤組成物における上記各成分の含有量の相対質量比率は、特に制限されるものではないが、生薬成分の沈殿発生防止、及び白濁発生防止の点から、本発明経口液剤組成物中における生薬成分(A)の含有量(原生薬換算値)を1とした場合に、ショ糖脂肪酸エステル(B)、モノグリセリン脂肪酸エステル(C)、及びグリチルリチン酸類又はその塩(D)の含有量をそれぞれ0.00004〜0.02、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(E)の含有量を0.00004〜0.2、ポリビニルピロリドン(F)の含有量を0.0004〜0.4の範囲内とすることが好ましい。
本発明の経口液剤組成物には、さらに他の薬効成分、甘味剤、pH調整剤、抗酸化剤、着色剤、香料、矯味剤、保存料、水などを配合することができる。ここで、他の薬効成分としては、アロエ、ウイキョウ、ウコン、ウヤク、エンゴサク、エイジツ、オウギ、オウセイ、オンジ、ガラナ、クコシ、ジオウ、トチュウ、アマロゲンチン、オウゴン、オウバク、オウレン、ガジュツ、カスカラサグラダ、カッコウ、カスカリラノキ、カノコ草、カロウコン、キキョウ、キジツ、キョウニン、キハダ、クコ、クジン、ケイガイ、ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウジン、コウブシ、コウボク、ゴオウ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴミシ、コロンボ、コンズランゴ、サイコ、サンシシ、サフラン、サンショウ、サンズコン、ジオウ、シコン、ジシュユ、シソシ、シャゼン(オオバコ)、ジャ香、ショウマ、セイヒ、セキショウコン、セネガ、センキュウ、センコツ、センタウリウム草、センブリ、センボウ、センソ、センナ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ソヨウ、ダイオウ、大蒜、チモ、チレッタ草、チンピ、トウヒ、トウニン、トコン、ニガキ、ビャクシャク、ビャクジュツ、ベラドンナコン、ヘノポジ油、ヤクチ、ユウタン、ヨモギ、ニガヨモギ、苦味チンキ、ホップ、ホミカ、ボウイ、マオウ、モクツウ、モッコウ、ヨクイニン、リュウタン、リンドウ、ルソンカ、レンギョウ、ロクジョウ、及び、ローヤルゼリー等が挙げられる。
甘味剤としては、ショ糖、乳糖、果糖、ブドウ糖、ハチミツ、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、サッカリン及びその塩、アスパルテーム、アセスルファムK、ステビア抽出物等が挙げられる。
pH調整剤としては、pHを4〜7、特に5〜6に調整できるものが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、エデト酸及びその塩、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル等が挙げられる。
着色剤としては、例えばタール色素、三二酸化鉄、カラメル等が挙げられる。
香料としては、例えばアップルフレーバー等が挙げられる。
矯味剤としては、例えばクエン酸及びその塩、L−グルタミン酸及びその塩、l−メントール等が挙げられる。
保存剤としては、例えば安息香酸及びその塩、パラベン等が挙げられる。
甘味剤としては、ショ糖、乳糖、果糖、ブドウ糖、ハチミツ、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、サッカリン及びその塩、アスパルテーム、アセスルファムK、ステビア抽出物等が挙げられる。
pH調整剤としては、pHを4〜7、特に5〜6に調整できるものが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、エデト酸及びその塩、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル等が挙げられる。
着色剤としては、例えばタール色素、三二酸化鉄、カラメル等が挙げられる。
香料としては、例えばアップルフレーバー等が挙げられる。
矯味剤としては、例えばクエン酸及びその塩、L−グルタミン酸及びその塩、l−メントール等が挙げられる。
保存剤としては、例えば安息香酸及びその塩、パラベン等が挙げられる。
本発明の経口液剤組成物は、前記の原料を混合して水溶液の形態にすることにより製造することができる。本発明により得られる液剤組成物は、配合される生薬等の薬理作用により、例えば滋養強壮用の経口液剤組成物などとして利用できる。
次に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
精製水20mLに、人参エキス(人参エキス・日本粉末製)450mg(原生薬換算値3000mg)、シャクヤクエキス(シャクヤクエキス−A・日本粉末製)125mg(原生薬換算値500mg)、トウキエキス(トウキ軟エキス・アルプス薬品製)151.5mg(原生薬換算値500mg)、ショウキョウエキス(ショウキョウ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、タイソウエキス(タイソウ流エキス・日本粉末製)1.0mL(原生薬換算値1000mg)、ケイヒエキス(ケイヒ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルSS・第一工業製)5.0mg、モノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムM−100・理研ビタミン製)5.0mg、グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸二カリウム・アルプス薬品製)5.0mg、クエン酸30mgを加え、攪拌溶解した。これにクエン酸ナトリウムを加えpH5.5に調節し、さらに精製水(常温)適量を加えて全量30mL(比重:1.05)として経口液剤を製造した。
精製水20mLに、人参エキス(人参エキス・日本粉末製)450mg(原生薬換算値3000mg)、シャクヤクエキス(シャクヤクエキス−A・日本粉末製)125mg(原生薬換算値500mg)、トウキエキス(トウキ軟エキス・アルプス薬品製)151.5mg(原生薬換算値500mg)、ショウキョウエキス(ショウキョウ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、タイソウエキス(タイソウ流エキス・日本粉末製)1.0mL(原生薬換算値1000mg)、ケイヒエキス(ケイヒ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルSS・第一工業製)5.0mg、モノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムM−100・理研ビタミン製)5.0mg、グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸二カリウム・アルプス薬品製)5.0mg、クエン酸30mgを加え、攪拌溶解した。これにクエン酸ナトリウムを加えpH5.5に調節し、さらに精製水(常温)適量を加えて全量30mL(比重:1.05)として経口液剤を製造した。
比較例1
表1の処方に従い、モノグリセリン脂肪酸エステルを加えない他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
表1の処方に従い、モノグリセリン脂肪酸エステルを加えない他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
比較例2
表1の処方に従い、ショ糖脂肪酸エステルを加えない他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
表1の処方に従い、ショ糖脂肪酸エステルを加えない他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
比較例3
表1の処方に従い、グリチルリチン酸二カリウムを加えない他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
表1の処方に従い、グリチルリチン酸二カリウムを加えない他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
比較例4
表1の処方に従い、モノグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルに代替し、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルを加える他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
表1の処方に従い、モノグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルに代替し、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルを加える他は参考例1と同様に経口液剤を製造した。
試験例1
参考例1及び比較例1〜4で得られた経口液剤を製造直後並びに5℃及び60℃で1ヶ月間暗所保存した後、各経口液剤の外観安定性を目視にて評価した。外観安定性は、沈殿が生じなかったものを○、沈殿が生じたものを×で示した。結果を表1に示す。
参考例1及び比較例1〜4で得られた経口液剤を製造直後並びに5℃及び60℃で1ヶ月間暗所保存した後、各経口液剤の外観安定性を目視にて評価した。外観安定性は、沈殿が生じなかったものを○、沈殿が生じたものを×で示した。結果を表1に示す。
ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル及びグリチルリチン酸二カリウムを配合した人参及びシャクヤク等の生薬含有経口液剤(参考例1)においては、5℃1ヶ月及び60℃1ヶ月の双方で沈殿を認めず、外観安定性が良好であった。一方、参考例1からモノグリセリン脂肪酸エステル(比較例1)、ショ糖脂肪酸エステル(比較例2)、グリチルリチン酸二カリウム(比較例3)を配合しない経口液剤では、5℃1ヶ月で沈殿を認めた。また、比較例1及び2では、60℃1ヶ月でも沈殿を認めた。さらに、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステルのかわりにポリエチレングリコール脂肪酸エステルを配合した経口液剤(比較例4)においては5℃1ヶ月で沈殿を認めた。
実施例1
精製水20mLに、人参エキス(人参エキス・日本粉末製)450mg(原生薬換算値3000mg)、シャクヤクエキス(シャクヤクエキス−A・日本粉末製)125mg(原生薬換算値500mg)、トウキエキス(トウキ軟エキス・アルプス薬品製)151.5mg(原生薬換算値500mg)、ショウキョウエキス(ショウキョウ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、タイソウエキス(タイソウ流エキス・日本粉末製)1.0mL(原生薬換算値1000mg)、ケイヒエキス(ケイヒ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルSS・第一工業製)5.0mg、モノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムM−100・理研ビタミン製)5.0mg、グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸二カリウム・アルプス薬品)5.0mg、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60・日本サーファクタント)20.0mg、ポリビニルピロリドン(コリドン25・BASFジャパン)100.0mg、クエン酸30mgを加え、攪拌溶解した。これにクエン酸ナトリウムを加えpH5.5に調節し、さらに精製水(常温)適量を加えて全量30mL(比重:1.05)として経口液剤を製造した。
精製水20mLに、人参エキス(人参エキス・日本粉末製)450mg(原生薬換算値3000mg)、シャクヤクエキス(シャクヤクエキス−A・日本粉末製)125mg(原生薬換算値500mg)、トウキエキス(トウキ軟エキス・アルプス薬品製)151.5mg(原生薬換算値500mg)、ショウキョウエキス(ショウキョウ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、タイソウエキス(タイソウ流エキス・日本粉末製)1.0mL(原生薬換算値1000mg)、ケイヒエキス(ケイヒ流エキス・日本粉末製)0.5mL(原生薬換算値500mg)、ショ糖脂肪酸エステル(DKエステルSS・第一工業製)5.0mg、モノグリセリン脂肪酸エステル(ポエムM−100・理研ビタミン製)5.0mg、グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸二カリウム・アルプス薬品)5.0mg、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60・日本サーファクタント)20.0mg、ポリビニルピロリドン(コリドン25・BASFジャパン)100.0mg、クエン酸30mgを加え、攪拌溶解した。これにクエン酸ナトリウムを加えpH5.5に調節し、さらに精製水(常温)適量を加えて全量30mL(比重:1.05)として経口液剤を製造した。
比較例5
表2の処方に従い、ポリビニルピロリドンを加えない他は実施例1と同様に経口液剤を製造した。
表2の処方に従い、ポリビニルピロリドンを加えない他は実施例1と同様に経口液剤を製造した。
比較例6
表2の処方に従い、ポリビニルピロリドン及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加えない他は実施例1と同様に経口液剤を製造した。
表2の処方に従い、ポリビニルピロリドン及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加えない他は実施例1と同様に経口液剤を製造した。
試験例2
実施例1及び比較例5、6で得られた経口液剤を製造直後、5℃で1ヶ月間及び2ヶ月間暗所保存した後、各経口液剤の沈殿又は白濁についての外観安定性を目視にて評価した。外観安定性は、沈殿に関しては、沈殿が生じなかったものを○、沈殿が生じたものを×で示した。白濁に関しては、澄明なものを○、白濁を生じたものを×で示した。結果を表2に示す。
実施例1及び比較例5、6で得られた経口液剤を製造直後、5℃で1ヶ月間及び2ヶ月間暗所保存した後、各経口液剤の沈殿又は白濁についての外観安定性を目視にて評価した。外観安定性は、沈殿に関しては、沈殿が生じなかったものを○、沈殿が生じたものを×で示した。白濁に関しては、澄明なものを○、白濁を生じたものを×で示した。結果を表2に示す。
ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル及びグリチルリチン酸二カリウムを配合した人参及びシャクヤク等の生薬配合経口液剤(比較例6)では、5℃1ヶ月では沈殿を認めなかったが、5℃2ヶ月後に沈殿を生じた。そこで、沈殿を抑制するためにポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合(比較例5)し沈殿を抑制したが、新たに白濁が生じるとの問題が生じた。ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、グリチルリチン酸二カリウム及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合した人参及びシャクヤク等の生薬配合経口液剤にポリビニルピロリドンを配合(実施例1)することにより、5℃2ヶ月後に沈殿も白濁も認めず、外観安定性が良好な経口液剤処方を得ることができた。
以上より、人参及びシャクヤク等の生薬を配合した経口液剤にショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、グリチルリチン酸又はその塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリビニルピロリドンを配合することにより、長期間の低温条件下において外観安定性が良好な生薬配合経口液剤を得ることができた。
Claims (3)
- 次の成分(A)〜(F):
(A)人参、ショウキョウ、タイソウ、シャクヤク、トウキ、及びケイヒから選ばれる1種又は2種以上の生薬
(B)ショ糖脂肪酸エステル
(C)モノグリセリン脂肪酸エステル
(D)グリチルリチン酸又はその塩
(E)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(F)ポリビニルピロリドン
を含有することを特徴とする経口液剤組成物。 - 各成分の含有量の相対質量比率が、成分(A)の原生薬換算値としての含有量を1とした場合、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の含有量がそれぞれ0.00004〜0.02の範囲内であり、成分(E)の含有量が0.00004〜0.2の範囲内であり、成分(F)の含有量が0.0004〜0.4の範囲内である請求項1記載の経口液剤組成物。
- 成分(A)の原生薬換算値としての含有量が5〜25質量%であり、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の含有量がそれぞれ0.001〜0.1質量%であり、成分(E)の含有量が0.001〜1質量%であり、成分(F)の含有量が0.01〜2質量%である請求項1又は2記載の経口液剤組成物。
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