JPWO2007100079A1 - 三環性トリアゾロベンゾアゼピン誘導体を含有する、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、またはそれら薬理学的に許容される塩を含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物に関する。本発明による医薬組成物は、副作用が少なく、かつ、既存の点眼薬に治療抵抗性を示す遅発相における強い予防効果と治療効果を奏するものであり、局所投与に好適に使用することができる。
Description
本願は、先行する日本国特許出願である特願2006−055706号(出願日:2006年3月2日)および特願2006−055711号(出願日:2006年3月2日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体は参照することによりここに組み込まれる。
発明の分野
本発明は、三環性トリアゾロベンゾアゼピン誘導体を含有する、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤に関する。詳しくは、本発明は、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩を含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物に関する。
本発明は、三環性トリアゾロベンゾアゼピン誘導体を含有する、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤に関する。詳しくは、本発明は、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩を含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物に関する。
背景技術
アレルギー性眼疾患とは、免疫反応などの種々の刺激により引き起こされるアレルギー反応に基づく眼やその周辺組織に関連する症状をいい、具体的には、季節性アレルギー性結膜炎、通年性アレルギー性結膜炎、春季カタル、アトピー性角結膜炎、巨大乳頭結膜炎等が挙げられる。このうち、アレルギー性結膜炎の病態の基本は、I型アレルギー反応を主体とした結膜・角膜の炎症性疾患である。I型アレルギー反応は、即時相(即時型反応)と遅発相(遅発型反応)とからなる二相性の反応である。
アレルギー性眼疾患とは、免疫反応などの種々の刺激により引き起こされるアレルギー反応に基づく眼やその周辺組織に関連する症状をいい、具体的には、季節性アレルギー性結膜炎、通年性アレルギー性結膜炎、春季カタル、アトピー性角結膜炎、巨大乳頭結膜炎等が挙げられる。このうち、アレルギー性結膜炎の病態の基本は、I型アレルギー反応を主体とした結膜・角膜の炎症性疾患である。I型アレルギー反応は、即時相(即時型反応)と遅発相(遅発型反応)とからなる二相性の反応である。
即時相は、抗原侵入後、15〜30分で出現し、1〜2時間で消失する。遅発相は、即時相の消失後、6〜12時間後に現れ、24〜48時間持続する(Hansen I. Et al.,: Mediaotrs of inflammation in the early and the late phase of allergic rhinitis. Curr. Opin. Allergy Clin. Immunol. 4; 159-163, 2004、参照)。即時相では、肥満細胞から放出されるヒスタミン等の化学的伝達物質により、痒み、流涙、充血、結膜や眼瞼の浮腫等の症状が現れる。一方、遅発相は、T細胞や好酸球等の炎症細胞の浸潤と、それらから産生されるサイトカイン/ケモカイン、好酸球から放出される組織障害蛋白によって引き起こされる、持続的な炎症反応である。遅発相は、病態の重症化、遷延化に関与すると考えられている(東こずえ、大野重昭: アレルギー性結膜疾患概説 “NEW MOOK眼科 アレルギー性眼疾患6”、大野重昭ら編集、金原出版, 1-5, 2003、参照)。
即時相に対しては、ヒスタミンの放出を抑制するクロモグリク酸塩(cromoglycate)や抗ヒスタミン剤が有効であることが知られている(King H.C. : Pharmacotherapy of allergic rhinitis. in “Allergy in ENT Practice The basic guide 2nd ” ed. by King H.C. et al. Thieme Medical Publisher, Inc. 178-204, 2005, 参照)。一方、遅発相は、ヒスタミンに加えて、サイトカイン/ケモカイン、組織障害蛋白等によって誘発され(Kramer M.F. et al., : Nasal IL-16 and MIP-1a in late-phase allergic response. Allergy and Asthma Proc. 22; 127-132, 2001; Economides A and Kaliner M.A. : Chapter 5 Allergic rhinitis. in“Current Review of Rhinitis”ed by Kaliner M.A. Current Medicine, Inc. 35-51, 2002, 参照)、これらが遅発相における炎症の主役を担う。このため、最も強力な抗ヒスタミン剤であるレボカバスチン(levocabastine)であっても遅発相を抑制し得ないことが報告されている(Hingorani M. and Lightman S. : Ocular Allergy in “ Allergy and Allergic Diseases” ed by A.B.Kay Blackwell Science, Inc. 1645-1670, 1997, 参照)。
ステロイドは、強いサイトカイン/ケモカインの産生阻害作用を持ち、遅発相に対し極めて強い効果を発揮する(Ciprandi G.B et al., : Defrazacort protects against late-phase but early-phase reactions induced by the allergen-specific conjunctival provocation test. Allergy 48;421-430, 1993, 参照)。しかしながら、ステロイドは、眼圧上昇、緑内障の発症等の副作用のリスクがあることから、短期的な使用が推奨されており、また定期的な眼の専門医による副作用のチェックも必要とされる(高村悦子 : アレルギー性結膜疾患の眼のかゆみの成因と治療. アレルギー科 19 ;444-449, 2005; Barney N.P. and Graziano F.M. : Allergic and immunological diseases of eye, in Middleton’s Allergy principles & practice 6th edition ed. by Adkinson N.F. et al Mosby, Inc. 1599-1617, 2003, 参照)。このため、アレルギー性眼疾患へのステロイドの使用は、制約が多く煩雑となる。
よって、遅発相にも有効であって、副作用の少ない、アレルギー性眼疾患の治療予防用の医薬品の開発が依然として望まれている。
よって、遅発相にも有効であって、副作用の少ない、アレルギー性眼疾患の治療予防用の医薬品の開発が依然として望まれている。
アレルギー性鼻疾患とは、免疫反応などの種々の刺激により引き起こされるアレルギー反応に基づく鼻やその周辺組織に関連する症状をいい、具体的には、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、アレルギー性副鼻腔炎等が挙げられる。アレルギー性鼻炎の病態の基本もやはりI型アレルギー反応である。
I型アレルギー反応の即時相では、肥満細胞から放出されるヒスタミン等の化学的伝達物質により、くしゃみ、痒み、鼻汁、鼻粘膜の浮腫等が現れる。即時相においても、眼疾患の場合と同様、ヒスタミンの放出を抑制するクロモグリク酸塩や抗ヒスタミン剤が有効である。しかしながら、遅発相においては、T細胞や好酸球等の炎症細胞の浸潤とそれらから産生されるヒスタミンに加えて、サイトカイン/ケモカイン、組織障害蛋白等によって誘発されることから、ヒスタミンの作用を遮断するだけでは充分な効果が得られないことが報告されている(Bensch G.W. et al., : Evaluation of cytokines in nasal secretions after nasal antigen challenge: lack of influence of antihistamines. Ann. Allergy Asthma immunol. 88; 457-462, 2002, 参照)。遅発相は、病態の重症化、遷延化に関与すると考えられており、事実、鼻炎の基礎処方薬として抗ヒスタミン剤の内服薬が汎用されている。しかしながら、鼻炎患者に抗ヒスタミン剤の点鼻剤を上乗せしても、効果が向上しなかったことが報告されており(Bereger W.E. et al., : Efficacy of azelastine nasal spray in patients with an unsatisfactory response to loratadine. Ann. Allergy Asthma Immunol. 91; 205-211, 2003; LaForce C.F. et al., : Efficacy of azelastine nasal spray in seasonal allergic rhinitis patients who remain symptomatic after treatment with fexofenadine. Ann. Allergy Asthma Immunol. 93; 154-159, 2004, 参照)、遅発相で浸潤した炎症細胞による症状に対しては、抗ヒスタミン剤での制御が難しいことを裏付けている。
ステロイドは、強いサイトカイン/ケモカインの産生阻害作用を持ち、アレルギー性鼻炎のアレルギー反応の遅発相に、極めて強い効果を発揮する(Drain K.L. and Li J.T.C. : chapter 17 Corticosteroids and their use in rhinitis. in “Current Review of Rhinitis”ed by Kaliner M.A. Current Medicine, Inc. 163-173, 2002, 参照)。鼻炎における臨床効果も、ステロイドが抗ヒスタミン剤を凌ぐことが確認されている(Schleimer R.P. et al., : glucocorticoids in “Middleton’s Allergy Princples & Practice Sixth edition” ed by Adkinson Jr. N.F. et al Mosby, Inc. 870-913, 2003, 参照)。しかしながら、ステロイドは、鼻出血、局所刺激性、乾燥等の鼻局所での副作用をともなうことがある(前記したDrain K.L. and Li J.T.C. : chapter 17 Corticosteroids and their use in rhinitis. in “Current Review of Rhinitis”ed by Kaliner M.A. Current Medicine, Inc. 163-173, 2002, 参照)。また、喘息やアトピー性湿疹等の他のアレルギー性疾患を合併し既にステロイドを使用している患者においては、点鼻ステロイドの追加により、ステロイドの暴露量が過剰となって、全身性の副作用(視床下部−下垂体−副腎系の抑制、思春期の成長抑制)のリスクが増大することがある。このため、アレルギー性鼻疾患へのステロイドの使用には制約が多い。
よって、遅発相にも有効であって、副作用の少ない、アレルギー性鼻疾患の治療予防用の医薬品の開発が依然として望まれている。
よって、遅発相にも有効であって、副作用の少ない、アレルギー性鼻疾患の治療予防用の医薬品の開発が依然として望まれている。
7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン(本明細書において「化合物A」といういうことがある)は、下記の構造を示す化合物であり、抗アレルギー作用を有することが知られている(WO95/18130公報(日本特許第3290664号公報、米国特許第5686442号公報)参照)。
しかしながら、この文献(前記WO95/18130公報)は、アレルギー性疾患予防用の経口剤(錠剤およびカプセル剤)の有効成分に関するものであり、実際に薬理試験例も、化合物Aを含む三環性ベンゾアゼピン誘導体の経口投与によるアレルギー性反応抑制の予防的効果のみが示されている。具体的には、ここには、三環性ベンゾアゼピン誘導体をアレルギー反応の発症前に経口投与することによる、足の皮膚におけるアレルギー反応の予防効果が開示されている。またここには、その発症抑制効果(抑制率)は50%程度であったことが記載されている。
前述したように、ヒスタミンの放出を抑制するクロモグリク酸塩(cromoglycate)は、アレルギー反応の即時相に有効である。しかしながら、クロモグリク酸塩は、抗原暴露前に投与された場合には有効であるが、アレルギー反応の惹起後では効果がなくなることから、作用発現が遅く、作用も穏やかな(moderateな)ものとされている。臨床上は、有症状の状態から治療が開始されるため、予防効果のみでは充分な臨床効果を期待し難いと考えられる。したがって、アレルギー反応の発症後に薬物を投与した場合の治療効果を有することは極めて重要である。
2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン(本明細書において「化合物B」ということがある)は、化合物Aのプロドラッグであり、下記の構造を示す。化合物Bは、消化管の粘膜を透過後、生体内で化合物Aに変換され、その薬効である抗アレルギー作用を発現することが知られている。化合物Bは化合物Aと比較して、経口投与時の吸収性を7倍に向上させることが明らかにされている(WO99/16770公報(日本特許第3188482号公報、米国特許第6372735号公報)参照)。
しかしながら、この文献(前記WO99/16770公報)もまた、アレルギー性疾患予防用の経口剤の有効成分に関するものであり、開示されている製剤例も錠剤および細粒のような経口剤のみである。また、開示されている薬理試験例も経口剤に関するものである。
一般的に、消化管等の粘膜を通じて有効成分が生体内へ吸収され優れた効果を奏したとしても、非経口による場合についても、そのまま同等以上の優れた効果を奏するとは必ずしも言えない。例えば、アレルギー性疾患の標的器官での粘膜等に局所投与する場合には、目的とする有効成分を、患部に直接作用させることになるため、その用量や適用形態には充分な配慮が必要であり、また直接作用させることに伴う副作用の可能性も無視できない。通常、これらは経口投与で得られた知見とは別個に検討する必要がある。
本発明者らは今般、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防および治療に有効で、かつ、副作用の少ない医薬品の探索を行った。その結果、化合物Aをアレルギー反応の発症前に(すなわち予防的に)眼または鼻に局所投与することで、ほぼ完全に遅発相を抑制することを見出した。また、化合物Aをアレルギー性の炎症が進行中に(すなわち治療的に)眼または鼻に局所投与した場合にも強力に遅発相を抑制することを見出した。さらに、生体内で化合物Aに変換される化合物Bについても、化合物Aと同様の効果を有し、使用できることがわかった。本発明はこれら知見に基づくものである。
よって本発明は、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防および治療に有効で、かつ、副作用の少ない医薬品であって、局所投与に好適な医薬品の提供をその目的とする。
本発明によるアレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物は、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン(化合物A)、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩を含んでなる。
また、本発明によるアレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物は、2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン(化合物B)、またはその薬理学的に許容される塩を含んでなる。なおこの化合物Bは化合物Aのプロドラッグである。
本発明の好ましい態様によれば、前記予防または治療用医薬組成物は、点眼投与されるものである。また本発明の別の好ましい態様によれば、前記予防または治療用医薬組成物は、点鼻投与されるものである。
本発明のより好ましい態様によれば、前記予防または治療用医薬組成物は、薬理学的に許容されうる担体をさらに含んでなる。
本発明によるアレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療方法は、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩の予防上または治療上の有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる。
本発明の別の態様によれば、2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、またはその薬理学的に許容される塩の予防上または治療上の有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療方法が提供される。
さらに本発明によれば、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤を製造するための、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤を製造するための、2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、またはその薬理学的に許容される塩の使用が提供される。
さらに本発明は、(1)7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピンまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、アレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤; (2) 2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピンまたはその薬理学的に許容される塩を含有する、アレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤; (3) 点眼投与される前記(1)または(2)に記載のアレルギー性眼疾患の予防または治療剤;または、(4) 点鼻投与される前記(1)または(2)に記載のアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤と表現することもできる。
本発明によるアレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物は、副作用が少なく、かつ、既存の点眼薬もしくは点鼻薬に治療抵抗性を示す遅発相において強い予防効果と治療効果を奏する。
化合物
本発明における有効成分である化合物A(7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン)は、公知化合物であり、例えば、前記したWO95/18130公報における化合物の製造方法に関する記載および実施例43に記載の方法にしたがって、得ることができる。
本発明における有効成分である化合物A(7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン)は、公知化合物であり、例えば、前記したWO95/18130公報における化合物の製造方法に関する記載および実施例43に記載の方法にしたがって、得ることができる。
本発明における有効成分は、化合物Aのプロドラッグ、または該化合物もしくはそのプロドラッグの薬理学的に許容される塩であることができる。ここで化合物Aのプロドラッグは、化合物Aの1,2,3−トリアゾール基が修飾された形態をタイプのものであり、前記したWO99/16770公報にしたがって製造することができる。
本発明において好ましいプロドラッグは、化合物B(2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン)であり、例えば、前記したWO99/16770公報の実施例20に記載の方法にしたがって、得ることができる。
本発明において、有効成分である化合物Aまたは化合物Bは、その薬理学的に許容される塩とすることができ、そのような塩を有効成分として使用することができる。化合物Aまたは化合物Bの薬理学的に許容される塩としては、医学上許容される非毒性塩が挙げられる。そのような非毒性塩として、好適にはナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩;フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩(ここで「低級アルキル」は好ましくはC1−3アルキルである);ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩;フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;およびグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩等を挙げることができる。
医薬組成物
実施例に示したように、本発明における有効成分の一つである化合物Aを、実験動物に局所投与(点眼投与)したところ、アレルギー性眼疾患、特にアレルギー性結膜炎、に対する予防効果および治療効果が実際に確認された。この効果は、既存薬に比べて顕著に優れたものであり、遅発型のアレルギー反応も抑制できるものであった(試験例1および2)。また化合物Aおよび化合物Bを点眼投与したところ、経口投与の場合に比べて局所において長時間、高濃度を維持することができた(試験例3)。
化合物Aを実験動物に局所投与(点鼻投与)したところ、アレルギー性鼻疾患、特にアレルギー性鼻炎、に対する予防効果および治療効果が実際に確認された。この効果は、既存薬に比べて顕著に優れたものであった(試験例4−1,4−2および5)。化合物AおよびBを、点鼻投与と経口投与したところ、点鼻投与の場合の方が低用量で高い抑制効果を得ることができた(特に、試験例4−2および4−3)。
なお化合物Bが化合物Aのプロドラッグであることは、WO99/16770公報に示されている。
実施例に示したように、本発明における有効成分の一つである化合物Aを、実験動物に局所投与(点眼投与)したところ、アレルギー性眼疾患、特にアレルギー性結膜炎、に対する予防効果および治療効果が実際に確認された。この効果は、既存薬に比べて顕著に優れたものであり、遅発型のアレルギー反応も抑制できるものであった(試験例1および2)。また化合物Aおよび化合物Bを点眼投与したところ、経口投与の場合に比べて局所において長時間、高濃度を維持することができた(試験例3)。
化合物Aを実験動物に局所投与(点鼻投与)したところ、アレルギー性鼻疾患、特にアレルギー性鼻炎、に対する予防効果および治療効果が実際に確認された。この効果は、既存薬に比べて顕著に優れたものであった(試験例4−1,4−2および5)。化合物AおよびBを、点鼻投与と経口投与したところ、点鼻投与の場合の方が低用量で高い抑制効果を得ることができた(特に、試験例4−2および4−3)。
なお化合物Bが化合物Aのプロドラッグであることは、WO99/16770公報に示されている。
さらに安全性の面では、経口投与に比べ、全身への暴露量が局所(点眼・点鼻)では遥かに少ない用量で強い作用が発現することから、全身性の副作用は大きく軽減できると考えられた。また局所刺激性試験の結果から、化合物Aおよび化合物Bの安全性は高いと考えられた。すなわち、ヒトの眼の角質上皮細胞に対する障害性を検討したところ、24時間の細胞生存率は、100nMから0.3mMの濃度まで何等の障害性も認められなかった。これは化合物Aが充分な効果を発現する0.1%液を点眼した際の最高眼組織濃度1.29μg/g(4.7μM)の60倍以上の濃度である。また、ウサギを用いた30分間隔で1日に6回の点眼を2日間行うという過酷な眼刺激性試験を実施した場合にも、3%の化合物Aおよび1%の化合物Bでごく軽微な結膜の発赤が見られたのみで、0.5%の化合物Aでは全く刺激性が認められず、安全性の高い薬物であると考えられた。
したがって、本発明における有効成分は、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患に対して、好ましくは局所投与した場合に、優れた予防または治療効果を奏する。よって、前記したように、本発明によれば、化合物A、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩、あるいは化合物Bまたはその薬理学的に許容される塩を含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物が提供される。
ここでアレルギー性眼疾患としては、例えば、季節性アレルギー性結膜炎、通年性アレルギー性結膜炎、春季カタル、アトピー性角結膜炎、巨大乳頭結膜炎等が挙げられる。
また、アレルギー性鼻疾患としては、例えば季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、アレルギー性副鼻腔炎、花粉症等が挙げられる。
本発明によるアレルギー性眼疾患の予防または治療用医薬組成物は、眼粘膜等の局所に投与できるものであればよく、点眼投与されることが好ましい。局所投与、特に点眼投与は、アレルギー性眼疾患の標的器官である結膜での炎症反応に対して強い抑制作用を示すことができるため有利である。したがって、本発明による医薬組成物は、好ましくは点眼剤の形態で用いられる。
本発明のアレルギー性眼疾患の予防または治療用医薬組成物を点眼投与する場合、それ自体公知の薬理学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤等と混合して、公知の方法にしたがって点眼剤として製剤化することができる。
なお本発明においては、賦形剤、希釈剤を含めて、薬理学的に許容され得る担体ということがある。
なお本発明においては、賦形剤、希釈剤を含めて、薬理学的に許容され得る担体ということがある。
本発明のアレルギー性眼疾患の予防または治療用医薬組成物を、点眼剤として用いる場合、点眼剤として通常使用されているあらゆる形態で提供することができる。例えば、点眼剤は、水性点眼液、水性懸濁点眼液、粘性点眼液、可溶化点眼液等の水性点眼剤、非水性点眼液、非水性懸濁液等の非水性点眼剤の形で提供されうる。本発明においては、水性点眼液がより好ましい。
本発明のアレルギー性眼疾患の予防または治療用医薬組成物を、例えば水性点眼液として製剤化する場合、水性点眼液に通常用いられる各種添加剤を適宜含有することができる。添加剤としては、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、保存剤、溶解補助剤(安定化剤)、pH調整剤、増粘剤、キレート剤等が挙げられる。
本発明によるアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物は、鼻粘膜等の局所に投与できるものであればよく、点鼻投与されることが好ましい。局所投与、特に点鼻投与は、アレルギー性鼻疾患の標的器官である鼻粘膜での炎症反応に対して強い抑制作用を示すことができるため有利である。したがって、本発明による医薬組成物は、好ましくは点鼻剤の形態で用いられる。
本発明のアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物を点鼻投与する場合、それ自体公知の薬理学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤等と混合して、公知の方法にしたがって点眼剤として製剤化することができる。
本発明のアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物を、点鼻剤として用いる場合、点鼻剤として使用されているあらゆる形態で提供することができる。例えば、点鼻剤は、水性点鼻液、水性懸濁点鼻液、非水性点鼻液、非水性懸濁点鼻液、またはゲル点鼻液等の点鼻剤の形で提供されうる。
本発明のアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物を、例えば点鼻剤として製剤化する場合、点鼻剤に通常用いられる各種添加剤を適宜含有することができる。添加剤としては、緩衝剤、等張化剤、保存剤、溶解補助剤(安定化剤)、pH調整剤、増粘剤、キレート剤等が挙げられる。
本発明において使用可能な緩衝剤としては、例えばホウ酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、酒石酸塩緩衝剤、酢酸塩緩衝剤等があげられる。
等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム等の塩類、ソルビトール、マンニトール、グルコース等の糖類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等のパラオキシ安息香酸エステル類が挙げられる。
保存剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、塩酸、酢酸、リン酸等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩等が挙げられる。
これらは2種以上を組み合わせて使用しても良い。
これらは2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明のアレルギー性眼疾患の予防または治療用医薬組成物を、眼軟膏剤として用いる場合、その眼軟膏基剤としては、精製ラノリン、ワセリン、プラスチナベース、流動パラフィン等が適宜に用いられる。
本発明のアレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物には、本発明の目的に反しない限り、本発明における有効成分に加えて、他の眼科学的化学薬品、例えばマレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ナファゾリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸等や、鼻疾患治療用の化学薬品等を適宜組み合わせて使用しても良い。
本発明による医薬組成物の投与量は、そこに含まれる有効成分の量に着目して適宜変更することができ、目的とするアレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療ためには、患者に対して、予防上または治療上の有効量の有効成分を投与する。
ここで、「予防上または治療上の有効量」とは、目的とするアレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療の効果が患者において奏されるために必要な量をい、通常、患者の年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定できる。
ここで、「予防上または治療上の有効量」とは、目的とするアレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療の効果が患者において奏されるために必要な量をい、通常、患者の年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定できる。
本発明において、化合物Aが用いられる場合、その量は、その効果が発揮できるものであれば良く、その症状や年齢等によって異なる。好ましくは0.001〜3重量%の範囲であり、より好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。点眼投与の場合には、化合物Aを1日2〜4回、1度に1〜数滴量を点眼等すればよい。より重篤な場合は、1日数回点眼等してもよい。代表的な点眼量は約30μLである。点鼻投与の場合には、これを一日1〜4回、一回につき、10〜200μLを点鼻またはスプレー容器に充填してスプレーする等すればよい。
本発明において、化合物Bが用いられる場合、その量は、その効果が発揮できるものであれば良く、その症状や年齢等によって異なる。好ましくは0.001〜3重量%の範囲であり、より好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。点眼投与の場合には、化合物Bを1日2〜4回、1度に1〜数滴量を点眼等すればよい。より重篤な場合は、1日数回点眼等してもよい。代表的な点眼量は約30μLである。点鼻投与の場合には、これを一日1〜4回、一回につき、10〜200μLを点鼻またはスプレー容器に充填してスプレーする等すればよい。
本発明のアレルギー性眼疾患もしくはアレルギー性鼻疾患の予防または治療医薬組成物のpHは、点眼剤もしくは点鼻剤として通常に用いられる範囲内であれば良く、好ましくは該pHは4.0〜8.0である。
以下、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に何ら制限されるものではない。
試験例1: アレルギー性結膜炎に対する予防効果
試験例1−1: 化合物Aのアレルギー性結膜炎に対する予防効果(用量反応性の検討)
雄性SD系ラットを用意し、百日咳菌4×1010個とジニトロフェニル化卵白アルブミン(以下「DNP−OA」と略すことがある)1mgを、ラットの四肢足蹠皮下に投与した。その8〜10日後に、3% DNP−OA溶液をラットの右目に投与し、アレルギー反応を惹起した。一部の実験では色素の漏出と浮腫の存在部位を確認するため、色素を注射し、解剖時に色素漏出と浮腫部位が一致することを確認した。色素のエバンスブルー(25mg/kg)を、アレルギー反応の惹起6時間後に静脈内投与した。
試験例1−1: 化合物Aのアレルギー性結膜炎に対する予防効果(用量反応性の検討)
雄性SD系ラットを用意し、百日咳菌4×1010個とジニトロフェニル化卵白アルブミン(以下「DNP−OA」と略すことがある)1mgを、ラットの四肢足蹠皮下に投与した。その8〜10日後に、3% DNP−OA溶液をラットの右目に投与し、アレルギー反応を惹起した。一部の実験では色素の漏出と浮腫の存在部位を確認するため、色素を注射し、解剖時に色素漏出と浮腫部位が一致することを確認した。色素のエバンスブルー(25mg/kg)を、アレルギー反応の惹起6時間後に静脈内投与した。
アレルギー反応惹起の9時間後にラットの眼球を摘出し、さらに眼球よりレンズ、眼房水、硝子体内容物を取り除き、組織重量を測定した。また、摘出した眼組織の色素漏出量を測定した。色素測定のため、眼組織を1NのKOH 0.15mLに浸し、37℃にて2、3日融解した。組織の融解液に、0.9mLの0.6Nリン酸・アセトン混液を加え、1750gにて15分間遠心分離した。上清中のエバンスブルーの吸光度(630nm)をMultiskan JX (Labsystem社製)を用いて測定した。得られた色素量を色素漏出量とした。
化合物Aは、0.15Mの炭酸水素ナトリウムに溶解し、これをpH7.2に調整した。コントロール(Control)群では、pH7.2に調整した0.15Mの炭酸水素ナトリウムを投与した。また、陰性対照群(非感作群)として、感作していないラットに3% DNP−OA溶液を右目に投与し、溶媒はコントロール群と同様に処置した。
薬物または溶媒はアレルギー反応の惹起15分前に5μL/eyeを右目に投与した。化合物Aについては、用量反応性を検討するため、0.01%、0.1%、1%の濃度で投与した。
薬物または溶媒はアレルギー反応の惹起15分前に5μL/eyeを右目に投与した。化合物Aについては、用量反応性を検討するため、0.01%、0.1%、1%の濃度で投与した。
結果は表1に示されるとおりであった。
表中、抑制率の算出は次式に従った。
% inhibition(抑制率) = 100×{(B−A)−(C−A)}÷(B−A)
[A:陰性対象群(非感作群)、B:control群、C:薬物投与群]
表中、抑制率の算出は次式に従った。
% inhibition(抑制率) = 100×{(B−A)−(C−A)}÷(B−A)
[A:陰性対象群(非感作群)、B:control群、C:薬物投与群]
結果に示されるように、色素の漏出量と組織重量の変動がほぼ相関すること、肉眼観察で、色素漏出部位と浮腫は結膜に集中していることが確認された。解剖時に、色素が結膜に集中して漏出していたことから、このアレルギー反応は結膜に限局していると判断した。またアレルギー反応を惹起した眼組織の重量は主に結膜に生じる浮腫によって増加することから、以後の試験では眼組織重量の増加を遅発相の指標として、薬物の効果を検討することとした。
試験例1−2: 化合物Aと既存薬とのアレルギー性結膜炎に対する予防効果における比較
アレルギー性結膜炎に対する予防効果について、化合物Aと既存薬との比較試験を行った。比較例として、以下のアレルギー性結膜炎用の既存薬(市販の点眼剤)を用いた。
1) 肥満細胞安定化剤 (ヒスタミン遊離抑制剤): Cromoglycate(cromoglycate sodium、アステラス製薬社製)。
2) 抗ヒスタミン剤: Ketotifen(ketotifen fumarate、ノバルティス社製)、Levocabastine(levocabastine hydrochloride、参天製薬社製)。
3) ステロイド: Betamethazone(betamethazone sodium phosphate、塩野義製薬社製)、 Fluorometholone(fluorometholone、参天製薬社製)。
アレルギー性結膜炎に対する予防効果について、化合物Aと既存薬との比較試験を行った。比較例として、以下のアレルギー性結膜炎用の既存薬(市販の点眼剤)を用いた。
1) 肥満細胞安定化剤 (ヒスタミン遊離抑制剤): Cromoglycate(cromoglycate sodium、アステラス製薬社製)。
2) 抗ヒスタミン剤: Ketotifen(ketotifen fumarate、ノバルティス社製)、Levocabastine(levocabastine hydrochloride、参天製薬社製)。
3) ステロイド: Betamethazone(betamethazone sodium phosphate、塩野義製薬社製)、 Fluorometholone(fluorometholone、参天製薬社製)。
化合物Aおよび既存薬を表2にそれぞれ記載した濃度で投与し、試験例1−1と同様にアレルギー性結膜炎に対する予防効果の確認を行った。
結果は表2に示されるとおりであった。
結果に示されるように、ステロイドを除く、アレルギー性結膜炎用の既存薬(市販の点眼剤)は遅発型アレルギー反応を抑制しなかった。
試験例2: 化合物Aのアレルギー性結膜炎に対する治療効果(用量反応性の検討)
臨床では通常、症状発症後に投薬することも多い為、化合物Aのアレルギー性結膜炎に対する治療効果についての試験を行った。
試験例1−2の結果から、ステロイドを除く、既存のアレルギー性結膜炎の点眼剤は遅発型アレルギー反応を抑制しなかったことから、治療効果(発症後に投薬した際の効果)については、比較例として、試験例1−2で予防効果を示したBetamethasoneについてのみ評価した。
臨床では通常、症状発症後に投薬することも多い為、化合物Aのアレルギー性結膜炎に対する治療効果についての試験を行った。
試験例1−2の結果から、ステロイドを除く、既存のアレルギー性結膜炎の点眼剤は遅発型アレルギー反応を抑制しなかったことから、治療効果(発症後に投薬した際の効果)については、比較例として、試験例1−2で予防効果を示したBetamethasoneについてのみ評価した。
化合物A、Betamethasone、コントロール群、陰性対象群は、試験例1−1と同じ濃度で投与し、Betamethasoneは表3に示した濃度で投与した。
試験方法は、アレルギー反応の惹起3時間後に、化合物A、Betamethasone、コントロール群、陰性対象群をそれぞれ薬液5μL/eyeを右目に投与した以外は、試験例1−1と同様の方法で行った。
試験方法は、アレルギー反応の惹起3時間後に、化合物A、Betamethasone、コントロール群、陰性対象群をそれぞれ薬液5μL/eyeを右目に投与した以外は、試験例1−1と同様の方法で行った。
結果は表3に示されるとおりであった。
表3に示したように、化合物AとBetamethasoneは、アレルギー性結膜炎に対し、強力な治療効果を示した。
試験例3: 投与された化合物Aおよび化合物Bの眼組織における濃度推移
試験例3−1: 点眼投与された化合物Aおよび化合物Bの眼組織における濃度推移
pH7.4に調整した等張ホウ酸緩衝液において、化合物Aを0.1%または1%の濃度に、化合物Bを0.1%の濃度に調整した薬物液をそれぞれ用意し、各薬物液50μLを、雄性ウサギに点眼した。
点眼後の眼組織中の化合物Aの濃度は、下記のようにして測定した。まず、実験動物より組織または血液を採取し凍結保存した後、適量の凍結組織等に精製水0.1mLを加え粉砕した後、1%リン酸0.5mL、内標準液(WO95/18130に記載の所定の内標準物質10.1μg/mL)0.05mL、アセトニトリル0.05mLおよび精製水0.05mLを加えた。ここに、抽出溶媒(25%クロロホルム/ジエチルエーテル)8mLを加え、振とうして遠心分離の後、有機相7mLを減圧留去し、残渣を移動相0.3mLに溶解し検体を得た。移動相としては、アセトニトリル450mL、10mMリン酸緩衝液450mL、およびメタノール100mLに、テトラオキシルアンモニウムブロマイド0.55gを混和溶解した液を用いた。測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(測定条件:蛍光励起270nm、発光466nm)を用い、検体0.025mLを注入した。
なお化合物Bは化合物Aのプロドラッグであるため、眼組織中の濃度は化合物Aのみについて測定した。
試験例3−1: 点眼投与された化合物Aおよび化合物Bの眼組織における濃度推移
pH7.4に調整した等張ホウ酸緩衝液において、化合物Aを0.1%または1%の濃度に、化合物Bを0.1%の濃度に調整した薬物液をそれぞれ用意し、各薬物液50μLを、雄性ウサギに点眼した。
点眼後の眼組織中の化合物Aの濃度は、下記のようにして測定した。まず、実験動物より組織または血液を採取し凍結保存した後、適量の凍結組織等に精製水0.1mLを加え粉砕した後、1%リン酸0.5mL、内標準液(WO95/18130に記載の所定の内標準物質10.1μg/mL)0.05mL、アセトニトリル0.05mLおよび精製水0.05mLを加えた。ここに、抽出溶媒(25%クロロホルム/ジエチルエーテル)8mLを加え、振とうして遠心分離の後、有機相7mLを減圧留去し、残渣を移動相0.3mLに溶解し検体を得た。移動相としては、アセトニトリル450mL、10mMリン酸緩衝液450mL、およびメタノール100mLに、テトラオキシルアンモニウムブロマイド0.55gを混和溶解した液を用いた。測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(測定条件:蛍光励起270nm、発光466nm)を用い、検体0.025mLを注入した。
なお化合物Bは化合物Aのプロドラッグであるため、眼組織中の濃度は化合物Aのみについて測定した。
結果は表4に示されるとおりであった。
試験例3−2: 経口投与された化合物Bの血中および眼組織中における濃度推移
化合物Bを1%ヒドロキシメチルセルロースに懸濁し、0.2mg/mLに調整した。この薬物液を5mL/kgの投与容量として、雄性ラットに経口投与した(投与用量として1mg/kg(200μg/rat))。経口投与後の化合物Aの血中および眼組織中における濃度を経時的に測定した。
化合物Bを1%ヒドロキシメチルセルロースに懸濁し、0.2mg/mLに調整した。この薬物液を5mL/kgの投与容量として、雄性ラットに経口投与した(投与用量として1mg/kg(200μg/rat))。経口投与後の化合物Aの血中および眼組織中における濃度を経時的に測定した。
結果は表5に示されるとおりであった。
表4および表5に示された結果から、化合物Aおよび化合物Bを点眼投与することによって、化合物Bを経口投与した場合よりもはるかに高濃度、かつ長時間(8時間以上)にわたって化合物Aの組織中濃度が維持されることが明らかとなった。
製剤例: アレルギー性眼疾患の予防または治療剤
本発明によるアレルギー性眼疾患の予防または治療剤の製剤を調製する一般的な方法およびその製造例を以下に記載する。
化合物Aまたは化合物Bと、等張化剤とを滅菌精製水に加え、必要に応じて、防腐剤、緩衝剤、安定剤、増粘剤等を溶媒に加えて、そこに溶解させる。具体的な処方例を下記に示す。
本発明によるアレルギー性眼疾患の予防または治療剤の製剤を調製する一般的な方法およびその製造例を以下に記載する。
化合物Aまたは化合物Bと、等張化剤とを滅菌精製水に加え、必要に応じて、防腐剤、緩衝剤、安定剤、増粘剤等を溶媒に加えて、そこに溶解させる。具体的な処方例を下記に示す。
試験例4: アレルギー性鼻炎に対する予防効果
試験例4−1: 化合物Aのアレルギー性鼻炎に対する予防効果(用量反応性の検討)
雄性Sprague Dawley系ラット(n=6)を用意して、百日咳菌4×1010個とジニトロフェニル化卵白アルブミン(以下DNP−OAという)1mgをラットの四肢足蹠皮下に投与した。その9日後に13.3% DNP−OA溶液を両側の鼻腔内に15μLずつ投与して、アレルギー反応を惹起した。抗原投与の6時間後に色素のエバンスブルー(50mg/kg)を静脈内投与した。
試験例4−1: 化合物Aのアレルギー性鼻炎に対する予防効果(用量反応性の検討)
雄性Sprague Dawley系ラット(n=6)を用意して、百日咳菌4×1010個とジニトロフェニル化卵白アルブミン(以下DNP−OAという)1mgをラットの四肢足蹠皮下に投与した。その9日後に13.3% DNP−OA溶液を両側の鼻腔内に15μLずつ投与して、アレルギー反応を惹起した。抗原投与の6時間後に色素のエバンスブルー(50mg/kg)を静脈内投与した。
アレルギー反応惹起の9時間後にラットの鼻中隔粘膜を摘出し、組織重量を測定した。鼻粘膜組織は1NのKOHで融解し、色素の漏出量を測定し、アレルギー性鼻炎の遅発相における血管透過性の指標とした。
化合物Aは生理食塩液に溶解した。薬物を処置しないコントロール群は、化合物Aの溶媒に用いた生理食塩液を用いた。また、アレルギーを惹起しない陰性対照群は、saline群とし、抗原の代わりに生理食塩液を投与した。化合物Aおよびコントロール群(生理食塩液)をそれぞれアレルギー反応の惹起直前に、5μLづつ、両側の鼻腔に点鼻投与した。化合物Aについては、用量反応性を検討するため、0.01%、0.1%、1%の濃度で投与した。
結果は表8に示されるとおりであった。
表中、抑制率の算出は次式に従った。
% inhibition(抑制率) = 100×{(B−A)−(C−A)}÷(B−A)
[A:陰性対象群(非感作群)、B:control群、C:薬物投与群]
表中、抑制率の算出は次式に従った。
% inhibition(抑制率) = 100×{(B−A)−(C−A)}÷(B−A)
[A:陰性対象群(非感作群)、B:control群、C:薬物投与群]
結果から、化合物Aを予防的に点鼻投与することにより、アレルギー性鼻炎に対し、用量依存的に効果が示されることが確認された。
試験例4−2:化合物Aと既存薬とのアレルギー性鼻炎に対する予防効果における比較
アレルギー性鼻炎に対する予防効果について、化合物Aと既存薬との比較試験を行った。比較例として、以下のアレルギー性鼻炎用の既存薬(市販の点鼻液)を用いた。
アレルギー性鼻炎に対する予防効果について、化合物Aと既存薬との比較試験を行った。比較例として、以下のアレルギー性鼻炎用の既存薬(市販の点鼻液)を用いた。
1) 肥満細胞安定化剤 (ヒスタミン遊離抑制剤): Cromoglycate(cromoglycate sodium、アステラス製薬社製)、Amlexanox(武田薬品工業社製)。
2) 抗ヒスタミン剤: Ketotifen(ketotifen fumarate、ノバルティス社製)、Levocabastine(levocabastine hydrochloride、、日本新薬社製)。
3) ステロイド: Fluticasone propionate(fluticasone propinate、グラクソ・スミスクライン社製)。
2) 抗ヒスタミン剤: Ketotifen(ketotifen fumarate、ノバルティス社製)、Levocabastine(levocabastine hydrochloride、、日本新薬社製)。
3) ステロイド: Fluticasone propionate(fluticasone propinate、グラクソ・スミスクライン社製)。
化合物Aおよび既存薬を表9にそれぞれ記載した濃度で、抗原投与(アレルギーの開始)直前に投与し、試験例4−1と同様にアレルギー性結膜炎に対する予防効果の確認を行った。
結果は表9に示されるとおりであった。
結果から、化合物A、Amlexanox、およびKetotifenにアレルギー性鼻炎に対する予防効果が認められた。
試験例4−3: 化合物Bを経口投与した場合のアレルギー性鼻炎に対する予防効果
化合物Bをヒドロキプロピルメチルセルロースに懸濁し、それぞれを経口投与する以外は試験例4−1と同様にアレルギー性結膜炎に対する予防効果の確認を行った。なお薬物は抗原投与(アレルギーの開始)15分前に投与した。
化合物Bをヒドロキプロピルメチルセルロースに懸濁し、それぞれを経口投与する以外は試験例4−1と同様にアレルギー性結膜炎に対する予防効果の確認を行った。なお薬物は抗原投与(アレルギーの開始)15分前に投与した。
結果は表10に示されるとおりであった。
表9および表10から分かるとおり、化合物Bが生体内で化合物Aにそのまま変換されると仮定すると、点鼻投与の場合の方が低投与量で高い抑制率を達成できたといえる。したがって、化合物Aを点鼻剤とすることで、より確かな薬効が0.1%以上の濃度から得られ、また総暴露量の軽減により全身性の副作用が改善されることが予想された。
試験例5: 化合物Aのアレルギー性鼻炎に対する治療効果
臨床では症状を呈する状態においても効果を有することが重要であることから、化合物Aのアレルギー性鼻炎に対する治療効果についての試験を行った。比較例として、試験例3−2の予防効果で有効性が認められたAmlexanoxおよびKetotifenについても評価した。
試験例4−1と同様の方法でアレルギー反応を惹起し、アレルギー性鼻炎の遅発相における血管透過性を測定した。ただし、それぞれの治療効果を評価するため、アレルギー反応の惹起1時間後に、化合物A、AmlexanoxおよびKetotifenを投与した。また、鼻汁が漏出していることから、薬物の鼻腔内での分散を阻害されないよう投与容量を2倍の10μLとし、薬物濃度は予防実験の1/2に生理食塩液で調整することにより個体あたりの投与量を同量とした。
臨床では症状を呈する状態においても効果を有することが重要であることから、化合物Aのアレルギー性鼻炎に対する治療効果についての試験を行った。比較例として、試験例3−2の予防効果で有効性が認められたAmlexanoxおよびKetotifenについても評価した。
試験例4−1と同様の方法でアレルギー反応を惹起し、アレルギー性鼻炎の遅発相における血管透過性を測定した。ただし、それぞれの治療効果を評価するため、アレルギー反応の惹起1時間後に、化合物A、AmlexanoxおよびKetotifenを投与した。また、鼻汁が漏出していることから、薬物の鼻腔内での分散を阻害されないよう投与容量を2倍の10μLとし、薬物濃度は予防実験の1/2に生理食塩液で調整することにより個体あたりの投与量を同量とした。
結果は表11に示されるとおりであった。
結果から、化合物Aの点鼻投与により、アレルギー性鼻炎に対し、治療効果が示された。
製剤例: アレルギー性鼻疾患の予防または治療剤
本発明のアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤の製剤を調製する一般的な方法、およびその製造例を以下に記載する。
化合物Aまたは化合物Bと、等張化剤とを滅菌精製水に加え、必要に応じて、防腐剤、緩衝剤、安定剤、増粘剤等を溶媒に加え、そこに溶解させる。具体的な処方例を下記に示す。
本発明のアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤の製剤を調製する一般的な方法、およびその製造例を以下に記載する。
化合物Aまたは化合物Bと、等張化剤とを滅菌精製水に加え、必要に応じて、防腐剤、緩衝剤、安定剤、増粘剤等を溶媒に加え、そこに溶解させる。具体的な処方例を下記に示す。
Claims (15)
- 7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩を含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療用医薬組成物。
- 2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、またはその薬理学的に許容される塩を含んでなる、請求項1に記載の医薬組成物。
- 点眼投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 点鼻投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 薬理学的に許容されうる担体をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩の予防上または治療上の有効量を、哺乳類に投与することを含んでなる、アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療方法。
- 投与する化合物が、2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、またはその薬理学的に許容される塩である、請求項6に記載の方法。
- 投与が点眼投与である、請求項6または7に記載の方法。
- 投与が点鼻投与である、請求項6または7に記載の方法。
- 化合物の有効量を、薬理学的に許容されうる担体と共に投与することを含んでなる、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
- アレルギー性眼疾患またはアレルギー性鼻疾患の予防または治療剤を製造するための、7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、そのプロドラッグ、またはそれら薬理学的に許容される塩の使用。
- 化合物が、2−(1−イソプロポキシカルボニルオキシ−2−メチルプロピル)−7,8−ジメトキシ−4(5H),10−ジオキソ−2H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−c][1]ベンゾアゼピン、またはその薬理学的に許容される塩である、請求項11に記載の使用。
- 予防または治療剤が点眼投与用である、請求項11または12に記載の使用。
- 予防または治療剤が点鼻投与用である、請求項11または12に記載の使用。
- 予防または治療剤が、薬理学的に許容されうる担体をさらに含んでなる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の使用。
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