JPWO2007083721A1 - ポリカーボネートオリゴマーの連続製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートオリゴマーの連続製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、簡単な設備で、安価に生産性良くポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法を提供することにある。本発明は、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)とホスゲンガス(iii)とを、有機溶媒(i)の存在下で反応させてポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法であって、(1)塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.01〜1.3モルの割合で反応させ、一酸化炭素を1〜30容量%含有するホスゲンガス(iii)を得る工程、(2)有機溶媒(i)、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)および得られたホスゲンガス(iii)を連続的に反応させ、気液混相の初期生成物を得る工程、(3)初期生成物を2〜25℃に冷却する工程、並びに(4)初期生成物を気液分離しポリカーボネートオリゴマーを含有する生成溶液を得る工程、を含む方法である。

Description

本発明はポリカーボネートオリゴマーの連続製造方法および該ポリカーボネートオリゴマーを原料とする高品質のポリカーボネート樹脂の製造方法に関する。
ポリカーボネートオリゴマーの製造方法として、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを、有機溶媒の存在下で反応させて製造する方法が知られている。この方法では、急激に反応が進行するため、反応熱の除去、局部加熱の防止について注意を払う必要があり、これらの改良について種々の提案がされている。
例えば特許文献1には、液状の水相、液状の有機相およびホスゲンを含有する気相を、充填塔物を有する反応器内で反応させてポリカーボネート樹脂を連続的に製造する方法が提案されている。この方法は、多量の不活性ガスを用いることによって反応熱を除去することを特徴とする。しかし反応温度を30℃程度まで下げるためには多量の不活性ガスが必要であり、大容量の気液分離器が必要となる。また工程が複雑となり経済的に不利となる。また、充填塔物を有する反応器で生産量を調整すると、得られるオリゴマーおよびポリマーの品質のバラツキが大きいという欠点がある。
特許文献2には、ビスフェノールAのアルカリ水溶液と塩化メチレンとを管型反応器に導入し、これにホスゲンを並流反応させる際、ホスゲンに対し1〜10モル%の不活性ガスをホスゲンとともに管型反応器に導入してポリカーボネートオリゴマーを製造する方法が記載されている。しかしながら、この方法は、反応率が低く、ホスゲンの分解率が高い。また得られるオリゴマーおよびポリマーの品質のバラツキが大きいという欠点がある。
特許文献3には、ジオキシ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを有機溶剤の存在下、2〜20℃の温度範囲に維持された管型反応器を用いてポリカーボネートオリゴマーを連続して製造する方法が記載されている。この方法は、管長と管径との比を大きくし反応熱を除去することを特徴とする。この方法は生産量が少ない場合においては有効である。しかし、生産量が多くなると管長と管径の比を極めて大きくしなければ反応熱の除去が困難である。従ってこの方法では、生産量の変動により、得られるオリゴマーおよびポリマーの品質のバラツキが大きくなる。
一方、特許文献4は、液化ホスゲンを用いてポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法が例示されている。しかし、液化ホスゲンを用いる方法は、毒性の高いホスゲンを工程内に一定量貯蔵しなければならない。またこの方法は、ホスゲンガスを冷却し液化する装置が必要になる。
特開昭47−014297号公報 特公昭56−044091号公報 特開昭58−108225号公報 特公昭54−040280号公報
本発明の目的は、一酸化炭素と塩素を反応させ得られたホスゲンガスを液化することなく、そのままポリカーボネートオリゴマーの製造に用いる方法を提供することにある。
本発明の目的は、簡単な設備で、安価に生産性良くポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)とホスゲンガス(iii)とを有機溶媒(i)の存在下で反応させてポリカーボネートオリゴマーを製造する方法について検討した。
その結果、ホスゲンガス(iii)として、塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.01〜1.3モルの割合で反応させ、一酸化炭素を1〜30容量%含有するホスゲンガスを用いると、未反応塩素が少なくかつ反応後の気液分離を容易に行うことができることを見出した。
また、反応を静止型混合器内で行うと気液の接触を効率的に行うことができることを見出した。
また、反応により得られた初期生成物を2〜25℃に冷却することにより、ホスゲンガスの副反応を抑制し、効率的にポリカーボネートオリゴマーを製造できることを見出した。また、初期生成物の冷却を、すでに冷却され気液分離され得られた生成溶液と接触せしめると急速な冷却が可能になり。ホスゲンガスの副反応を抑制し、効率的にポリカーボネートオリゴマーを製造できることを見出した。
また、生成溶液を反応器の上流側に循環させることにより、反応温度の制御および生産量の調節が容易になることを見出した。
さらにポリカーボネートオリゴマーを用いて製造したポリカーボネート樹脂も優れた品質であることを見出した。
すなわち、本発明によれば、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)とホスゲンガス(iii)とを、有機溶媒(i)の存在下で反応させてポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法であって、
(1)塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.01〜1.3モルの割合で反応させ、一酸化炭素を1〜30容量%含有するホスゲンガス(iii)を得る工程、
(2)有機溶媒(i)、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)および得られたホスゲンガス(iii)を連続的に反応させ、気液混相の初期生成物を得る工程、
(3)初期生成物を2〜25℃に冷却する工程、並びに
(4)初期生成物を気液分離しポリカーボネートオリゴマーを含有する生成溶液を得る工程、
を含む方法が提供される。
また本発明によれば、得られた生成溶液中のポリカーボネートオリゴマーを、さらに重合させて粘度平均分子量10,000〜50,000のポリカーボネート樹脂を製造する方法が提供される。
図1は、ホスゲンガスの製造工程の一例を示すフローシートである。
図2は、ポリカーボネートオリゴマーの製造工程の一例を示すフローシートである。
符号の説明
a.一酸化炭素供給配管
b.塩素供給配管
c.混合器
d.反応塔
e.ガス流量計
f.ガス抜取り管
g.ガス導通管
h.冷却器
i.液体ホスゲン貯槽
j.定量ポンプ
k.気化器
l.ホスゲンガス抜取り管
m.ガス抜取り管
1〜3.それぞれ任意に二価フェノ―ル化合物のアルカリ水溶液供給配管、有機溶媒供給配管またはホスゲン供給配管
4.混合反応器
5.混合槽
6.循環ポンプ
7.冷却器
8−1および8−2.循環配管
9−1、9−2、9−3、9−4および9−5.反応液返送配管
10.廃ガス放出管
11.生成溶液溢流口
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液とホスゲンとを、有機溶媒の存在下で反応させてポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法である。該方法は以下の工程(1)〜(4)を含む。
工程(1)
工程(1)は、塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.01〜1.3モルの割合で反応させ、一酸化炭素を1〜30容量%含有するホスゲンガス(iii)を得る工程である。
一酸化炭素は、コークス、石油、天然ガス、アルコール等と酸素とを反応させて製造し、純度95容量%以上に精製したものが好ましい。特に、硫黄成分の含有量が50ppm以下のものが好ましい。
反応は、例えば特公昭55−14044号公報等に記載の公知の方法によって行うことができる。触媒として活性炭を用いることができる。
塩素と一酸化炭素との比率は、塩素1モルに対し一酸化炭素1.01〜1.3モル、好ましくは塩素1モルに対し一酸化炭素1.02〜1.2モルである。
塩素1モルに対し一酸化炭素が1.01モル未満の場合はホスゲンガス中の未反応塩素が多くなり、得られるポリカーボネートオリゴマーの品質が悪くなるので好ましくない。一酸化炭素が1.3モルを超えると一酸化炭素の使用量が多くなり、一酸化炭素の原単位が低下するとともに、気液分離する際に一酸化炭素と同伴するホスゲン量が多くなり、その処理設備が極大化および複雑化するため好ましくない。
即ち、ホスゲンガス(iii)を得る工程(1)は、塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.02〜1.2モルの割合で反応させ、一酸化炭素を2〜20容量%含有するホスゲンガスを得る工程であることが好ましい。
ホスゲンガスは、一酸化炭素を1〜30容量%、好ましくは2〜20容量%含有する。すなわち純度99〜70容量%のホスゲンガスである。反応に用いるホスゲンガスの温度は、ホスゲンの沸点(7.8℃)〜90℃の範囲が好ましい。
本発明においては得られたホスゲンガスを冷却することなくそのまま反応に用いることを特徴とする。そのため冷却、気化に使うエネルギーが要らないという利点がある。
工程(2)
工程(2)は、有機溶媒(i)、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)およびホスゲンガス(iii)を連続的に反応させ、気液混相の初期生成物を得る工程である。
有機溶媒(i)としては、ポリカーボネートオリゴマーおよびポリカーボネート樹脂を溶解する溶媒が挙げられる。具体的にはジクロロメタン(塩化メチレン)、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられ、特にジクロロメタン(塩化メチレン)が好ましい。反応に供する有機溶媒(i)の温度は0〜(有機溶媒の沸点−5)℃の範囲が好ましい。
二価フェノール化合物(ii)としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、4,4−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェノール)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェノール)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(通称ビスフェノールZ)、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。なかでも改善効果が大きい点でビスフェノールAが好ましい。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよい。また少量の三官能化合物を分岐剤として用いても、脂肪族二官能性化合物を少量共重合してもよい。
本発明で用いるアルカリ水溶液は、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水溶液が好ましく用いられる。特に水酸化ナトリウムの水溶液が好ましく用いられる。
アルカリ水溶液に用いるアルカリ量は、二価フェノール化合物1モルに対し1.7〜4.0モルが好ましく、1.9〜3.0モルがより好ましい。また、アルカリ水溶液中のアルカリ濃度は5.5〜8.5重量%が好ましい。アルカリ量が二価フェノール化合物に対し1.7モル未満であるとホスゲン化反応や重合反応の進行が極めて悪くなるとともにポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量のバラツキが大きくなるので好ましくない。アルカリ量が二価フェノール化合物に対し4.0モルを超える場合はホスゲンの分解反応が多くなるので好ましくない。また、アルカリ水溶液中のアルカリ濃度が5.5重量%未満であると反応速度が遅くなり、装置も大型化するので好ましくない。
アルカリ水溶液中の二価フェノール化合物濃度は、100〜190g/リットルが好ましく、150〜180g/リットルがより好ましい。二価フェノール化合物濃度が100g/リットル未満の場合は反応速度が遅くなり、装置も大型化するので好ましくなく、二価フェノール化合物濃度が190g/リットル超える場合は二価フェノール化合物の溶解速度が遅くなるので好ましくない。また、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液温度は0〜40℃が好ましい。アルカリ水溶液の温度が0℃未満の場合は二価フェノール化合物が析出し、運転トラブルの原因となるので好ましくなく、アルカリ水溶液温度が40℃を超えるとホスゲン化反応時ホスゲンの分解反応が進行するので好ましくない。
反応させる二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)と有機溶媒(i)との割合は1.0:0.5〜1.5(容量比)の範囲が好ましい。また、反応させる二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)とホスゲンガス(iii)との割合は1.0:1.0〜1.5(モル比)の範囲が好ましい。上記(i)〜(iii)を混合した際の流体の温度は0℃以上溶媒の沸点以下の範囲が好ましい。
また、反応促進のために、例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることができる。
本発明において、有機溶媒(i)、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)および(iii)ホスゲンガスは、それぞれ別個にあるいは任意の組み合わせの混合物として、連続的に混合反応器に供給することが好ましい。
混合反応器は、静止型混合器(stationary mixer)、即ちスタティックミキサー(static mixer)であることが好ましい。静止型混合器は、動く部分を持たない混合器である。混合反応器は、管型のものが好ましい。
静止型混合器は、流体を分割、転換、反転させる作用を有するエレメントを内部に有する。エレメントは一般的に、長方形の板を180度ねじった形状を有する。流体は、ひとつのエレメントを通過するごとに2分割される(分割)。また流体は、エレメント内のねじれ面に沿って管中央部から壁部へ、管壁部から中央部へと並び替えられる(転換)。また、流体は、1エレメントごとに回転方向が替わり、急激な慣性力の反転を受け乱流撹拌される(反転)。
スタティックミキサー内では、液体中の気泡が微細化され、接触界面が大きくなる。これに反応効率が飛躍的に高まる。
静止型混合器として、SMパック(ノリタケカンパニー(株)製)、ハイミキサー(東レ(株)製)等が挙げられる。また、混合反応器は、動く部分を有する動力型のラインミキサーであってもよい。これらの混合反応器は単独で用いても二種以上併用してもよい。混合反応器の設置においては水平、直立または斜めに設置されていてもよい。混合反応器内の反応温度は0℃以上、溶媒の沸点以下の範囲が好ましい。
反応時の流体のレイノルズ数(Re)は、好ましくは800以上(乱流域)、より好ましくは5,000〜800,000、さらに好ましくは10,000〜600,000である。特に静止型混合器を用いる場合は、レイノルズ数が、好ましくは3,000〜200,000、より好ましくは5,000〜150,000である。レイノルズ数が800未満の場合は混合度が悪いために反応速度が遅くなる。レイノルズ数が800,000を超えると圧力損失が大きくなり、動力的に無駄が生じる。
Reは、以下の式で算出する。混合反応器に供給する流体の容量、密度、粘度に基づき算出する。
Re=Duρ/μ
D:混合反応器の内径(m)
u:流体の平均流速(m/s)
ρ:流体の密度(kg/m
μ:流体の粘度(Pa・s)
反応により生じた初期生成物は、ポリカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液と未反応の二価フェノールを少量含有するアルカリ水溶液とからなる液相および一酸化炭素と一酸化炭素中に含まれる微量の不純物ガスからなる気相が混ざった気液混相である。かかる気液混相の初期生成物は、30〜40℃の温度にすることが好ましい。初期生成物の温度は冷却された生成溶液を混合反応器にリサイクルする量で制御することが好ましい。
工程(3)、(4)
反応により生じた気液混相の初期生成物は、混合槽に導入する。混合槽は、初期生成物を冷却する機能および気液分離する機能を有する。また混合槽は、冷却および気液分離されて得られた生成溶液を貯留する機能を有する。混合槽には攪拌機を備えておくことが好ましい。混合槽内の生成溶液の温度は2〜25℃に維持することが好ましい。
混合槽内の生成溶液は、循環ポンプを用いて外部熱交換器を経由し冷却することが好ましい。生成溶液の循環流量は、混合槽内の液温を、好ましくは2〜25℃の範囲にコントロールできる流量であれば問題はない。循環流量は冷却器の能力と原料供給量すなわちポリカーボネートオリゴマーの生産量によって決定される。液温が低すぎると溶液が凍結し運転が困難となる。液温が高すぎると溶媒の蒸発が多くなることや分解反応が促進することが起こり安定した品質のものが得られないので好ましくない。即ち、生成溶液を混合槽に貯め、外部熱交換器を経由して循環させながら冷却することが好ましい。
混合槽はジャケット式や内部コイル式等の冷却機能を有していてもよい。混合槽での生成溶液の滞留時間は0.5〜60分が好ましく、1〜30分がさらに好ましく、1.5〜20分がより好ましい。滞留時間が短すぎると溢流口からの溢流溶液が不均一となり、長すぎると分解反応が起こり易くなり安定した品質のものが得られ難く、また装置が極大化する。
工程(3)は、初期生成物を2〜25℃に冷却する工程である。反応熱により温度の上昇した初期生成物は出来るだけ速やかに冷却し、ホスゲンの副反応を抑制することが好ましい。初期生成物は反応後、迅速に混合槽へ導入し冷却することが好ましい。初期生成物を混合反応器から混合槽へ導入する際は、液中に導入しても気相中に導入してもよいが、得られるオリゴマーおよびポリマーの品質のばらつきが若干少なくなることから液中への導入が好ましい。
即ち、初期生成物の冷却は、冷却され気液分離して得られた生成溶液と接触せしめることにより行うことが好ましい。
工程(4)は、初期生成物を気液分離し、生成溶液を得る工程である。反応により生じた気液混相の初期生成物は、混合槽へ導入されることにより気液分離される。分離された気相は混合槽のベント口(廃ガス放出管)から排出される。即ち、初期生成物を、すでに冷却され気液分離され得られた生成溶液を貯槽した混合槽に導入し、気液分離を行うことが好ましい。
生成溶液は、ポリカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液と未反応の二価フェノールを少量含有するアルカリ水溶液とからなる液相である。
冷却された生成溶液は、混合反応器の上流側、下流側またはこれらの双方に返送することが好ましい。この方法を採用することにより、生産量を調整、変更する際に、得られるオリゴマーおよびポリマーの品質のばらつきが小さくなる。混合反応器の上流側に返送することがより好ましく、原料供給箇所より上流側に返送することが特に好ましい。また、反応溶液の返送量は特に制限はないが、反応混合器内における反応混合物のレイノルズ数(Re)が上記範囲内に維持できる流量がより好ましい。即ち、反応に供する(i)有機溶媒、(ii)二価フェノール化合物のアルカリ水溶液および(iii)ホスゲンガスに、生成溶液の一部を添加することが好ましい。
本発明で製造されるポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量は、好ましくは500〜8,000、より好ましくは800〜5,000である。
(ポリカーボネート樹脂)
本発明で得られるポリカーボネートオリゴマーの有機溶媒溶液は、アルカリ水溶液の存在下に重合させポリカーボネート樹脂を製造することができる。また重合反応促進のために、例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることもできる。分子量調整剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換フェノール等公知の末端停止剤を用いることができる。反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
即ち本発明によれば、得られた生成溶液中のポリカーボネートオリゴマーを、さらに重合させて粘度平均分子量10,000〜50,000のポリカーボネート樹脂を製造する方法が提供される。
得られるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で好ましくは10,000〜50,000、より好ましくは15,000〜35,000である。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
次に、本発明の方法の一態様を示すフローシートを図1および図2に示す。
図1は、ホスゲンガスを製造する工程の一例を示すフローシートである。図2はポリカーボネートオリゴマーの製造工程の一例を示すフローシートである。
図1において、aは一酸化炭素供給配管、bは塩素供給配管、cは混合器、dは反応塔、eはガス流量計、fはガス抜取り管、gはガス導通管、hは冷却器、iは液体ホスゲン貯槽、jは定量ポンプ、kは気化器、lはホスゲンガス抜取り管、mはガス抜取り管である。
図2において、1、2または3はそれぞれ任意に二価フェノール化合物のアルカリ水溶液供給配管、有機溶媒供給配管またはホスゲン供給配管であり、4は混合反応器、5は混合槽、6は循環ポンプ、7は冷却器、8−1および8−2は循環配管、9−1、9−2、9−3、9−4および9−5は反応液返送配管、10は廃ガス放出管、11は生成溶液溢流口である。
以下に実施例により本発明を更に説明する。なお、実施例中の部は重量部である。各物性は以下の方法で測定した。
(1)ホスゲンガス中の一酸化炭素(CO)濃度(容量%)の測定
ガス100mlをホスゲン吸収液(25重量%NaOH水溶液)に吸収させ、残ガスの体積:A(ml)を測定し、次に一酸化炭素吸収液(塩化第一銅600g、塩化アンモニウム750g、濃アンモニア水1,500g、純水2,280g、銅50gで調合した溶液)に吸収させ、残ガスの体積:B(ml)を測定して一酸化炭素濃度を次式に挿入して求めた。
一酸化炭素濃度(容量%)=A−B
(2)生成溶液の水相中のビスフェノールA(BPA)濃度の測定
生成溶液100mlを塩化メチレン500mlで希釈した後、静置分離して得られた水相10mlを分取し、紫外分光光度計(UV計)を用いて、吸収波長294nmでビスフェノールAの吸収ピークを測定した。検量線は、紫外分光光度計(UV計)を用いて、吸収波長294nmでビスフェノールAのNaOH水溶液濃度の検量線を作成した。
(3)水相中のNaOH、NaCO濃度の測定
生成溶液100mlを塩化メチレン500mlで希釈した後、静置分離して得られた水相10mlを分取し、1規定塩酸水溶液で中和滴定して測定した。
(4)ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量の測定
ポリカーボネートオリゴマー有機溶媒溶液をイオン交換水で、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで洗浄した後、ポリカーボネートオリゴマー有機溶媒溶液を分取し、有機溶媒を蒸発除去させた後、120℃で5時間乾燥させて粘度平均分子量を測定した。粘度平均分子量の測定は、塩化メチレン100mlにポリカーボネートオリゴマー0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
(5)ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の測定
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
(6)YI値の測定
ポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度で340度、1分サイクルでYI値測定用平板(70mm×50mm×2mm)板を成形し、その平板を色差計(日本電色(株)製:Z−1001DP型)を用いて測定したX、Y、ZからASTM−E1925に基づき、下記式を用いて算出した。
YI=[100(1.28X−1.06Z)]/Y
(7)b値の測定
ペレットのb値は日本電色(株)製 型式SE−2000を用いて、JIS K−7105に準じて測定した。
実施例1
(ホスゲンの製造)
図1に示すホスゲン製造フローを用いた。反応塔(d)はシェル・チューブ型反応塔である。チューブ側に充填密度0.430g/ml、比表面積1,300m/g、細孔容積0.98ml/g、粒密度0.69g/ml、平均細孔径17.0nmの椰子殻活性炭50kgを充填した。シェル側に20℃の冷水を通水して反応熱を除去した。
反応塔(d)の上流には、混合器(c)を設けた。混合器(c)には、一酸化炭素供給配管(a)、塩素供給配管(b)で、原料が供給される。
反応塔(d)の下流には、ガス流量計(e)、ガス抜取り管(f)、−25℃のブラインを通液した冷却器(h)、液化ホスゲン貯槽(i)、定量ポンプ(j)、液化ホスゲンを気化するための気化器(k)、ホスゲンガス抜取り管(l)を基本的に直列に接続した。
CO/Clのモル比が1.045になるように、配管(a)から純度98.5容量%のCOガス5.73Nm/Hrを、配管(b)からClガス5.40Nm/Hrを供給し、それらのガスを静止型混合器(c)で混合し、反応塔(d)に通気して反応させた。ホスゲンガスは反応塔(d)から排出される温度30℃のガスをガス抜取り管(f)から抜取り用いた。
(反応)
図2に示す製造フローを用いて実施した。
混合反応器(4)として、静止型管型反応器(ノリタケカンパニー(株)製スタティックミキサー 1−N10−331型、エレメント数6)を用いた。原料は、原料供給配管(1〜3)により混合反応器(4)へ供給される。
混合反応器(4)の下流側には、溢流口(11)を有した有効容量50リットルの混合槽(5)を設けた。混合槽(5)は、生成溶液を循環および返送する循環ポンプ(6)および反応溶液を循環冷却する多管式熱交換器(7)を設置した。混合反応器(4)からの初期生成物は、混合槽(5)の液中に導入した。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)50重量部、水酸化ナトリウム18.2重量部、水251.0重量部およびハイドロサルファイト0.1重量部を混合して20℃にコントロールした溶液(170g/リットル)294リットル/hrを配管(1)から混合反応器(4)を経由して混合槽(5)に供給した。
塩化メチレン110リットル/hrを配管(2)から混合反応器(4)を経由して混合槽(5)に供給した。
ビスフェノールA溶液と塩化メチレンの混合溶液が混合槽(5)の溢流口(11)から溢流し始めたときに、混合槽(5)内のビスフェノールA溶液と塩化メチレンとの混合溶液を混合槽(5)下部から一部を抜き取り、循環ポンプ(6)で冷却器(7)への送液を開始した。冷却された溶液の一部を配管(9−1)から500リットル/hrで返送し、残りの溶液12,000リットル/hrは配管(8−1)から混合槽(5)に戻した。
混合槽(5)内の液温が20℃にコントロールされた時点で、ガス抜取り管(f)から抜取った一酸化炭素濃度5.76容量%、温度30℃のホスゲンガス(純ホスゲン量23.9kg/hr)を配管(3)から供給し始めた。このとき混合反応器(4)内の流体のレイノルズ数は約36,000であった(流体の密度(ρ)を1,140kg/m、粘度(μ)を0.001Pa・sで算出)。
生成溶液を混合槽の溢流口(11)から連続的に抜き取り、ホスゲンガス供給開始30分後、混合反応器(4)の出口温度が35.3±0.2℃で安定したので混合槽の溢流口(11)から生成溶液を分取した。混合槽(5)内での生成溶液の滞留時間は約15分であった。生成溶液中のポリカーボネートオリゴマーの分子量および生成溶液の各種評価結果を表1に示した。
(ポリカーボネート樹脂の製造)
次に混合槽(5)の溢流口(11)から導出した生成溶液、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液5.9リットル/hrおよび10重量%のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液18.2kg/hrをホモミキサーに連続的に供給し、混合乳化させた。この乳化液を、溢流口を有した撹拌機付重合塔(滞留時間は1.5時間)の下部から送入し、重合反応を行った。上部溢流口から重合生成液を連続的に抜き取り、該重合生成液に塩化メチレンを150リットル/hr加えて希釈した後、遠心分離機で有機溶媒溶液相と水相とを分離し、ポリカーボネート樹脂濃度14.5重量%の有機溶媒溶液を得た。この有機溶媒溶液300リットルにイオン交換水200リットルを加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相とを分離した。この操作を水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで(4回)繰返した。得られた精製ポリカーボネート樹脂溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
(ペレットの製造)
次に、軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けた内壁の材質がSUS316L製の1000Lニーダーにイオン交換水100Lを投入し、水温42℃にて該有機溶媒溶液を滴下しながら塩化メチレンを蒸発させて粉粒体とした。粉粒体と水との混合物を水温95℃にコントロールされた攪拌機付熱水処理槽に投入し、粉粒体25部、水75部の混合比で30分間攪拌混合した。次いで、粉粒体と水との混合物を遠心分離機で分離して塩化メチレン0.5重量%、水45重量%を含有する粉粒体を得た。
次に、この粉粒体を140℃にコントロールされているSUS316L製の伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/hr(ポリカーボネート樹脂換算)で連続供給して、平均乾燥時間6時間の条件で乾燥し、粘度平均分子量15000、塩化メチレン含有量50ppmの粉粒体を得た。この粉粒体に下記リン系安定剤(a)を300ppmとステアリン酸モノグリセリドを0.06重量%加え混合した。次に、かかる粉粒体をベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度260℃、ベントガス吸引度−667Paで脱気しながら溶融混練しペレットを得、その評価結果を表1に示した。
リン系熱安定剤(a):以下のa−1成分、a−2成分およびa−3成分の71:15:14(重量比)の混合物
a−1成分:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの100:50:10(重量比)混合物
a−2成分:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの5:3(重量比)混合物
a−3成分:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
実施例2
冷却された溶液の一部の返送を配管(9−1)から配管(9−3)に変更する以外は実施例1と同じ方法で実施した。このとき混合反応器(4)内の流体のレイノルズ数は約36,000であった。得られたオリゴマーおよびポリマーの評価結果を表1に示した。
実施例3
混合反応器(4)を静止型管型混合器(ノリタケカンパニー製SMパック)に変更した以外は実施例1と同じ方法で実施した。このとき混合反応器(4)内の流体のレイノルズ数は約24,000であった。得られたオリゴマーおよびポリマーの評価結果を表1に示した。
実施例4
10重量%のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液の流量を9.85kg/hrに変更する以外は実施例1と同じ方法で実施した。得られたオリゴマーおよびポリマーの評価結果を表1に示した。
実施例5
実施例1における全ての材料の投入量、流量および返送量を2倍量にした以外は実施例1と同じ方法で実施した。このとき混合反応器(4)内の流体のレイノルズ数は約72,000であった。得られたオリゴマーおよびポリマーの評価結果を表1に示した。
比較例1
混合槽(5)内の液温を35℃にコントロールした以外は実施例1と同じ方法でポリカーボネートオリゴマーを製造したところ、表1に示すごとく未反応ビスフェノールAとホスゲンの分解により生じるNaCOが極めて多くなり、生産性が低下した。
Figure 2007083721
発明の効果
本発明によれば、一酸化炭素と塩素を反応させ得られたホスゲンガスを冷却することなく、そのままポリカーボネートオリゴマーの製造に用いることができる。
また本発明によれば、簡単な設備で、安価に生産性良くポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造することができる。具体的には、本発明によれば、反応後の気液分離を容易に行うことができる。また、ホスゲンガスの副反応を抑制し、効率的にポリカーボネートオリゴマーを製造できる。また、初期生成物を急速に冷却することができ、ホスゲンガスの副反応を抑制し、効率的にポリカーボネートオリゴマーを製造できる。また、生成溶液を反応器の上流側に循環させることにより、反応温度の制御、生産量の調節を容易に行える。
さらに本発明によれば、優れた品質のポリカーボネートオリゴマーおよびポリカーボネート樹脂を製造することができる。
本発明によれば、簡単な設備で、安価に生産性良くポリカーボネートオリゴマーを製造することができるので、ポリカーボネート樹脂の製造工程に適用することができる。

Claims (14)

  1. 二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)とホスゲンガス(iii)とを、有機溶媒(i)の存在下で反応させてポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法であって、
    (1)塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.01〜1.3モルの割合で反応させ、一酸化炭素を1〜30容量%含有するホスゲンガス(iii)を得る工程、
    (2)有機溶媒(i)、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)および得られたホスゲンガス(iii)を連続的に反応させ、気液混相の初期生成物を得る工程、
    (3)初期生成物を2〜25℃に冷却する工程、並びに
    (4)初期生成物を気液分離しポリカーボネートオリゴマーを含有する生成溶液を得る工程、
    を含む方法。
  2. 二価フェノール化合物が、ビスフェノールAである請求項1記載の方法。
  3. アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウムの水溶液である請求項1記載の方法。
  4. 有機溶媒(i)が、塩化メチレンである請求項1記載の方法。
  5. ホスゲンガス(iii)を得る工程(1)は、塩素および一酸化炭素を、塩素1モルに対し一酸化炭素1.02〜1.2モルの割合で反応させ、一酸化炭素を2〜20容量%含有するホスゲンガスを得る工程である請求項1記載の方法。
  6. 初期生成物を得る工程(2)を、静止型混合器内で行う請求項1記載の方法。
  7. 反応時の流体のレイノルズ数が、10,000〜600,000である請求項1記載の方法。
  8. 初期生成物の温度が、30〜40℃である請求項1記載の方法。
  9. 初期生成物の冷却を、すでに冷却され気液分離されて得られた生成溶液と接触せしめることにより行う請求項1記載の方法。
  10. 初期生成物を、すでに冷却され気液分離されて得られた生成溶液を貯槽した混合槽に導入し、気液分離する請求項1記載の方法。
  11. 生成溶液を混合槽に貯め、外部熱交換器を経由して循環させながら冷却する請求項1記載の方法。
  12. 反応に供する有機溶媒(i)、二価フェノール化合物のアルカリ水溶液(ii)およびホスゲンガス(iii)に、生成溶液の一部を添加する請求項1記載の方法。
  13. ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量が500〜8,000の範囲である請求項1記載の方法。
  14. 請求項1記載の方法で得られた生成溶液中のポリカーボネートオリゴマーを、さらに重合させて粘度平均分子量10,000〜50,000のポリカーボネート樹脂を製造する方法。
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