JPWO2007080935A1 - バイオプロダクトの製造用宿主環境の検査・判定方法 - Google Patents

バイオプロダクトの製造用宿主環境の検査・判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バイオプロダクト特にワクチン等の原料であるインフルエンザウイルス株等を孵化鶏卵 等の宿主中で高力価へ増殖させるに際し、増殖過程における宿主環境を経時的に検定可能な手段を提供すること。【解決手段】 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光をバイオプロダクトを製造をすることが可能な宿主に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環境について予測を可能とした。

Description

本発明は、バイオプロダクトの製造用宿主環境の検査・判定方法に関する。例えば、バ
イオプロダクトとしてワクチンの原料であるインフルエンザウイルス株等を孵化鶏卵等の
宿主中で高力価へ増殖させるに際し、宿主環境を近赤外線分光法により検査・判定する方
法、同方法を使ったバイオプロダクトの製造方法、及び同方法に使用する装置に関するも
のである。
現在、バイオプロダクト例えば抗ウイルスワクチンの製造は孵化鶏卵等の宿主中で増殖
される。増殖の効果判定の力価測定には、フォーカスフォーミング活性等を指標に行われ
るが、大量のサンプルを測定しなければならないために、個々の宿主の適合性、発育状況
などの検定は行われることなく、最終バルクの検定だけがおこなわれている。しかし、宿
主適合性のない場合、発育の悪い場合、増殖が不十分の場合、宿主の途中死亡等の場合に
も、最終的な結果をみないと目的の達成が確認できず、ワクチン等のバイオプロダクトの
製造の効率の悪い原因をもたらしている。
したがって、ワクチン等のバイオプロダクトの作成のため好ましい宿主におけるウイル
ス等のバイオプロダクト原料の発育状況の監視のための改善された方法は、抗ウイルスワ
クチン等のバイオプロダクトの開発および製造過程にとって大いに有益である。
ところで最近では、種々の分野で近赤外線を用いた成分分析が行われている。例えば、
可視光及び/又は近赤外線を宿主に照射して、特定成分に吸収される波長帯を検出するこ
とで、各種特定成分を定量分析することが行われている。これは、例えば石英セル中にサ
ンプルを注入し、これに近赤外分光器(例えば、ニレコ社製近赤外分光器NIRSystem6500
)を用いて、400nm〜2500nmの波長範囲の可視光及び/又は近赤外線を照射し
て、その透過光、反射光、又は透過反射光を分析することで行う。一般に、近赤外線は、
物質の吸光係数が非常に小さく散乱を受け難く、エネルギーの低い電磁波であるので、サ
ンプルにダメージを与えることなく化学的・物理的情報を得ることができる。そのために
、サンプルからの透過光等を検出して、サンプルの吸光度データを求めて、得られた吸光
度データを多変量解析することで、直ちにサンプルの情報を得ることができ、例えば生体
分子の構造や機能の変化の過程を直接的にまたリアルタイムに捉えることができる。この
ような近赤外線分光法に関する従来技術として、下記の特許文献1・2記載のものが挙げ
られる。特許文献1には、可視−近赤外線を用いて被検体から情報を得る方法、具体的に
は、未知の被検体が属する群を判別する方法、未知の被検体を同定する方法、及び被検体
における経時変化をリアルタイムでモニターする方法が開示されている。特許文献2には
、可視光及び/又は近赤外線領域における水分子の吸収バンドを用いて、得られた吸光度
データを多変量解析することで、牛乳または***中の体細胞を測定して牛の***炎の診断
を行う方法が開示されている。
また、特許文献3には、動物およびヒトの組織における伝達性海綿状脳症(TSE)に
誘導された変化を該組織の赤外線スペクトルを測定することによって診断する方法が開示
されている。この方法も死後の病理組織片を検査対象とするものであり、死後検査である
特開2002−5827号公報 国際公開WO01/75420号公報 特表2003−500648号公報
本発明の課題は、バイオプロダクト特にワクチン等の原料であるインフルエンザウイル
ス株等を孵化鶏卵 等の宿主中で高力価へ増殖させるに際し、増殖過程における宿主環境
を経時的に検定可能な手段を提供することにある。
本発明は、以下からなる;
1. 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光をバイオプロダ
クトを製造をすることが可能な宿主に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検
出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度
を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環境について以下から選
ばれる情報の少なくとも1を得る方法;
1)宿主の腐乱度の判定
2)宿主の新鮮度の判定
3)宿主のバイオプロダクトの製造担体としての適合性の判定
4)宿主でのバイオプロダクト製造における力価及び/又は正常判定
2. 宿主が、卵又は培養細胞である前項1の方法。
3. 卵が、発育鶏卵である前項2の方法。
4. 卵の尿膜腔内にバイオプロダクトとしてワクチンの原料が接種される前項3の方法

5. 卵を縦方向に測定する前項2〜4の何れか一に記載の方法。
6. 卵の気室側が光出力部側である前項5の方法。
7. 透過光である前項6の方法。
8. 前項1〜7の何れか一に記載の方法によってバイオモニターされたバイオプロダク
ト製品の製造方法。
9. 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を宿主に照射す
る投光手段と、
投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記宿主に照射された光の反射光、透
過光または透過反射光を検出する検出手段と、
検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光
度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環境を定量的または定
性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置。
10.前項1〜8何れか一に記載の方法に使用される前項9の装置。
本発明によれば、バイオプロダクトを製造をすることが可能な宿主の環境を簡易迅速か
つ高精度に検査・判定することができ、各種バイオプロダクトの製造或いは宿主の適合性
判定に広く利用することができる。簡易迅速であるため、大量の宿主を一斉に検査する必
要がある場合などに有用である。また、検査は、宿主に対し非侵襲的に実施可能なため、
例えば力価の上昇した宿主のみからサンプルを選択的に回収し、目的のバイオプロダクト
の製造に用いることができる。しかも、迅速性、簡便性に優れているため、バイオプロダ
クトの製造目的のみならず、宿主である例えば鶏卵自体の検定、あるいは様々なバイオプ
ロダクト製造における大量培養時のバイオプロセスモニターとしても応用可能である。
鶏卵の構造示す図である。 鶏卵を宿主として、気室側から照射し、下側の卵白側で受光し、吸光度スペクトルデータを取得する装置の図である。 H5接種後24時間卵で希釈段階でのPLSモデルを示す。 Factor Selectを行った結果を示す図である。 定量モデルとして作成した重回帰式の全偏回帰係数を示す図である。 H5接種後24時間鶏卵について、各希釈段階で経時的な予測価を示す図である。 H5接種後24時間鶏卵について、各希釈段階で経時的な予測価を示す図である。 PLS法による回帰分析を行い、PR8接種後24時間卵で希釈段階でのPLSモデルを示す図である。 Factor Selectを行った結果を示す図である。 定量モデルとして作成した重回帰式の全偏回帰係数を示す図である。 PR8接種後24時間鶏卵について、各希釈段階で経時的な予測価を示す図である。 PR8接種後24時間鶏卵について、各希釈段階で経時的な予測価を示す図である。 H5とPR8の回帰係数の比較を示す図である。
本発明の対象の一は、近赤外光である波長400nm〜2500nmの範囲またはその
一部範囲の波長光をバイオプロダクトの製造をすることが可能な宿主に照射し、その反射
光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定
全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによ
って宿主環境について以下から選ばれる情報の少なくとも1を得る方法である。
1)宿主の腐乱度の判定
2)宿主の新鮮度の判定
3)宿主のバイオプロダクトの製造担体としての適合性の判定
4)宿主でのバイオプロダクト製造における力価及び/又は正常判定
本発明において、バイオプロダクトとは、宿主を使って調製可能な生物学的製剤をいう
。生物学的製剤の代表的なものはワクチンであり、あるいは生体内各種タンパク質である
。具体的には、インフルエンザワクチン、 HIV、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイル
スなどの肝炎ウイルス、BDV(Borna diseasevirus:ボルナ病ウイルス)、SARSコ
ロナウイルス、成人T細胞白血病ウイルス、ヒトパルボウイルス、エンテロウイルス、ア
デノウイルス、コクサッキーA群・B群ウイルス、エコーウイルス、単純ヘルペスウイル
ス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルス、麻疹ウイ
ルス、風疹ウイルスなど、ヒト又は家畜のウイルス性疾患の各種原因ウイルスを例示する
ことができる。また、動植物を利用した農林水産業においてのみならず,醸造,食品,化
学,医療生産などの工学分野において生物を利用したバイオプロダクトが生産されている
。例えば、植物から抽出されるTPAやビタミンなどの生理活性有機化合物、大腸菌で大量
生産されるインスリン、成長ホルモン、IFNやTGF等の生理活性蛋白質、かびなどの細菌の
培養上清から回収されるペニシリンなどの抗菌性物質、ハイブリドーマなどの哺乳動物細
胞の培養上清から回収される抗体などの生理活性蛋白質などがあげられる。
本発明で宿主とは、鶏卵(発育鶏卵)、培養細胞等の広くバイオプロダクトを生産可能
な宿主を意味し、大腸菌などの原核生物、酵母などの真核生物、カイコなどの多細胞生物
、ウシやヒツジなどの哺乳動物などがあげられる。また、それらの生物由来の初代培養細
胞、株化細胞、卵、***、卵子なども宿主に相当し、ヒトの場合、倫理上個体をバイオプ
ロダクト生産場所として利用できないため、培養細胞としての利用が有効である。これら
のように、細胞工学、遺伝子工学、発生工学の技術を利用し、医薬品の原料が大量生産さ
れている。
本発明で宿主の腐乱度とは、バイオプロダクトの製造に供される宿主である鶏卵或いは
組織細胞が、バイオプロダクトの製造の宿主としては使用できない程度の損傷を被ってい
ることであり、一般的な意味での腐乱の意味を含む広い概念である。健康或いは正常な状
態の宿主から不健康或いは異常な状態の宿主に対して近赤外照射を行いモデル吸光度スペ
クトルデータを得、それとの比較において宿主の環境を確認するものである。無論、本発
明は、バイオプロダクトの製造用宿主の検定に限定されるものではなく、例えば一般の商
用鶏卵の腐乱度、異常度を検定する手段をも対象とする。
本発明で宿主の新鮮度とは、バイオプロダクトの製造に供される宿主である鶏卵或いは
組織細胞が、バイオプロダクトの製造の宿主としての新しさの程度を意味する。分取直後
或いは生産直後の状態の宿主から一定期間経過後の宿主に対して近赤外照射を行いモデル
吸光度スペクトルデータを得、それとの比較において宿主の環境変化を新鮮度として確認
するものである。無論、本発明は、バイオプロダクトの製造用宿主の検定に限定されるも
のではなく、例えば一般の商用鶏卵の新鮮を検定する手段をも対象とする。
本発明で宿主のバイオプロダクトの製造担体としての適合性とは、バイオプロダクトの
製造に供される宿主である鶏卵或いは組織細胞が、バイオプロダクトの製造の宿主として
の適合性を意味する。予め適合性が確定された宿主から不適合の宿主に対して近赤外照射
を行いモデル吸光度スペクトルデータを得、それとの比較において宿主の適合の可能性を
適合性として確認するものである。
本発明で宿主でのバイオプロダクト製造における力価及び/又は正常判定とは、バイオ
プロダクトの製造に供された宿主である鶏卵或いは組織細胞について、バイオプロダクト
の製造のために培養若しくは生育を行い、その培養若しくは生育の過程において、バイオ
プロダクトの力価(活性)及び/又は宿主自体の正常性の判定を行うことを意味する。培
養若しくは生育開始直後からその培養若しくは生育期間の一定時毎に宿主に対して近赤外
照射を行いモデル吸光度スペクトルデータを得、それとの比較において宿主内でのバイオ
プロダクトの生産状況を確認するものである。また、培養若しくは生育開始直後からその
培養若しくは生育期間の一定時毎に宿主に対して近赤外照射を行いモデル吸光スペクトル
を得、それとの比較において宿主自体の正常性などの環境変化を確認するものである。
本発明の態様の一は、鶏卵特に発育鶏卵を使ったバイオプロダクト生産への応用である
。鶏卵は、産卵後数日間例えば4〜10日好ましくは6〜9日、30〜40℃好ましくは
35℃〜38℃で恒温保存し、これを宿主としてバイオプロダクト原料の接種が行われる
。鶏卵の構造は、気室(3)、卵白(1)、羊膜腔(2)、尿膜腔(4)、卵黄(5)か
らなる図1に示すようなものであり、接種は、尿膜腔(4)内に行われる。接種量は、例
えばバイオプロダクトとしてInfluenza A virus A/PR/834(H1N1)、Influenza A vir
us A/crow/Kyoto/53/2004(H5N1)等を各種濃度を調整し、モデル吸光度スペクトルデータ
が作成される。
接種前及び接種後一定時間毎に、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部
範囲の波長光を宿主に照射することで近赤外照射による吸光度スペクトルデータから宿主
内部環境が推定される。照射は、例えば、鶏卵であれば、縦方向におこない測定する。そ
して、図1の気室(3)を上にして、気室(4)側から光照射が行われる。光照射に対し
、透過光、反射光、及び透過反射光のいずれもが利用出来るが、より一般的には透過光で
ある。図2には、鶏卵を宿主として、気室(4)側から照射し、下側の卵白(1)側で受
光し、吸光度スペクトルデータを取得する装置を示した。近赤外測定条件は格別である必
要はなく、広く近赤外測定として一般的な条件がそのまま適用される。
このように、近赤外光照射により、えられる吸光度スペクトルデータは、標準吸光度ス
ペクトルデータとの比較により、宿主環境の変化を、宿主を非侵襲的に、検定でき、バイ
オモニターが可能となる。そして、この方法を使えば効率的なバイオプロダクト製品の製
造方法が提供される。
本発明に使用する装置は、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の
波長光を宿主に照射する投光手段と、投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前
記宿主に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、検出に
より得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予
め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環境を定量的または定性的に分
析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置である。各文言の定
義は上述のとおりである。
実施の一形態として、インフルエンザウイルス等のワクチン製造における本発明の実施
態様を説明する。
スペクトル測定の概略
本装置による検査・診断は、(a)波長400nm〜2500nmの範囲またはその一
部範囲の波長光を宿主に照射し、(b)その反射光、透過光または透過反射光を検出して
吸光度スペクトルデータを得た後、(c)その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度
を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによってインフルエンザウイルス等の
ワクチン原料の宿主内での生育状況或いは宿主の環境を定量的または定性的に検査・判定
する。
本発明の第1の特徴点は、簡易迅速かつ高精度に宿主内情報を入手可能な点にあり、鶏
卵などを使用したワクチン生産において、あるいは鶏卵自体の性状検定も可能である。宿
主に照射する波長の範囲は、400nm〜2500nmの範囲またはその一部の範囲(例
えば600〜1000nm)である。この波長の範囲は、解析モデルを作成した後、この
解析モデルによる検査・判定に必要な波長光を含む、1又は複数の波長域として設定する
ことができる。
光源としては、ハロゲンランプ・LED等を使用できるが、特に限定されるものではな
い。光源から発せられた光は、直接またはファイバープローブ等の投光手段を介して宿主
に照射される。宿主に照射する前に分光器によって分光する前分光方式を採用してもよい
し、照射後に分光する後分光方式を採用してもよい。前分光方式の場合は、光源からの光
をプリズムで一度に同時に分光する方法と、回折格子のスリット間隔を変化させることに
より連続的に波長を変化させる方法とがある。後者の方法の場合には、光源からの光を所
定の波長幅で分解することによって、連続的に波長を変化させた連続波長光が宿主に照射
される。例えば、600〜1000nmの範囲の波長光を波長分解能1nmで分解し、波
長を1nmずつ連続的に変化させた光を宿主に照射することが可能である。
宿主に照射された光の反射光、透過光または透過反射光が検出器により検出され、生の
吸光度スペクトルデータが得られる。生の吸光度スペクトルデータをそのまま使用して解
析モデルによる検査・判定を行ってもよいが、得られたスペクトル中のピークを分光学的
手法あるいは多変量解析手法により要素ピークに分解するなどのデータ変換処理を行い、
変換後の吸光度スペクトルデータを使用して解析モデルによる検査・判定を行うことが好
ましい。分光学的手法としては、例えば、2次微分処理やフーリエ変換があり、多変量解
析手法としてはウェブレット変換、ニューラルネットワーク法等が例示されるが、特に限
定されるものではない。
なお、本装置によるスペクトル測定においては、宿主に対し、所定の条件を付加するこ
とで摂動(perturbation)を与えることも可能である。
データの解析方法(解析モデルの作成)
本発明において装置は、得られた吸光度スペクトルデータの中の特定波長(または測定
全波長)の吸光度を解析モデルで解析することによって、宿主自体の状態検定及び宿主に
よるバイオプロダクトの生育状態の検定を行う。つまり、最終的な検定を行うには、解析
モデルが予め作成されていることが好ましい。無論、この解析モデルはスペクトル測定時
にあわせて作成することとしてもよい。
解析モデルは測定前に予め作成しておくことが望ましいが、測定時に取得するスペクト
ルデータを解析モデル作成用と検定用とに2分割し、解析モデル作成用データをもとに得
られた解析モデルを使用して検定を行ってもよい。例えば、大量の宿主を一斉に検査する
場合、宿主の一部を解析モデル作成用とする。この場合は、測定時に解析モデルを作成す
ることになる。この手法では教師データが無くても解析モデルを作成できる。定量および
定性モデルの両方に対応可能である。
解析モデルは多変量解析によって作成可能である。例えば、インフルエンザウイルスワ
クチン原料の生育のため宿主中の原料力価(濃度)を予測する場合、スペクトル測定によ
り取得した全波長の吸収スペクトルを格納するデータ行列を特異値分解によりスコアとロ
ーディングとに分解し、宿主中のワクチン原料量の変動を要約する主成分を抽出する(主
成分分析)。これにより、共線性(=説明変量間の相関が高いこと)の少ない独立な成分
を重回帰分析に使用できるようになる。そして説明変量をスコアあるいはローディング、
目的変量をワクチン原料量とする重回帰分析を適用する。これにより、測定全波長あるい
は特定波長の吸収スペクトルからワクチン原料量を推定する解析モデルを作成できる。こ
れら一連の作業(多変量解析)は主成分回帰法(PCR: Principal Component Regressi
on)あるいはPLS(PartialLeast Squares)回帰法として確立されている(参考文献:
尾崎幸洋、宇田明史、赤井俊男「化学者のための多変量解析−ケモメトリックス入門」、
講談社、2002年)。回帰分析法としてはこのほかにCLS(Classical LeastSquares)法
、クロスバリデーション法などが挙げられる。
多変量解析を使用した解析モデルの作成は、自作ソフトや市販の多変量解析ソフトを用
いて行うことができる。また、使用目的に特化したソフトの作成により、迅速な解析が可
能になる。
このような多変量解析ソフトを用いて組み立てられた解析モデルをファイルとして保存
しておき、異なるバイオプロダクト原料を使用した宿主の検定時にこのファイルを呼び出
し、当該宿主に対して解析モデルを用いた定量的または定性的な検定を行う。これにより
、簡易迅速なバイオプロダクトの生産のための宿主環境の検定が可能になる。なお解析モ
デルは、定量モデル、定性モデルなど複数の解析モデルをファイルとして保存しておき、
各モデルは適宜更新されることが好ましい。
解析モデルが作成されれば、当該解析モデルによる検定に必要な波長光が決定される。
本装置は、こうして決定された1又は複数の波長域を宿主に照射する構成とすることで装
置構成をより単純化することができる。
本発明による好適な宿主測定方法とデータ解析方法
本発明によるスペクトル測定においては、宿主に対し、所定の条件を付加することで摂
動(perturbation)を与えることが出来る。また、本装置によるデータ解析においては、
この摂動の効果を引き出すようなデータ解析が好適に例示される。
摂動(perturbation)
「摂動」とは、ある条件について複数の種類・条件を設定し測定することで試料の吸光
度変化をもたらし、互いに異なる複数のスペクトルデータを取得することをいう。条件と
しては、濃度変更(濃度希釈を含む)、光の繰り返し照射、照射時間の延長、電磁力付加
、光路長変更、温度、pH、圧力、機械的振動、その他その条件の変更によって物理的ま
たは化学的な変化をもたらすもののいずれか、または、それらの組み合わせを挙げること
ができ、(1)光照射の仕方に関するものと、(2)宿主の準備・調製の仕方に関するも
のとに大別される。(1)については光の繰り返し照射、(2)については濃度希釈の場
合を例に挙げ、以下説明する。
光の繰り返し照射は、連続して又は一定の時間間隔で光を繰り返し照射して複数回の測
定という摂動を与えて宿主検体のスペクトル測定を行う方法である。例えば、光を3回連
続照射することにより、宿主の吸光度が微妙に変化し(揺らぎ)、互いに異なる複数のス
ペクトルデータが得られる。これらのスペクトルデータをSIMCA法やPLS法等の多
変量解析に用いることにより、解析精度を向上することができ、高精度な検査・診断が可
能になる。なお、通常スペクトルを測定するときは、光を複数回照射し測定するが、これ
は平均値を出すことが目的であり、ここでいう「摂動」とは異なる。
摂動による宿主の吸光度変化は、宿主中の水分子の吸収に変化(揺らぎ)が生じるため
と考えられる。すなわち摂動として光を3回繰り返し照射することによって、1回目、2
回目、3回目それぞれ水の応答、吸収に微妙に異なる変化が起こり、その結果スペクトル
に揺らぎが生じるものと考えられる。
このような3回繰り返し照射によりそれぞれ得られた吸光度スペクトルデータを使用し
てPLS法による回帰分析を行うことによって、各宿主のインフルエンザウイルスワクチ
ン原料の量を良好に定量することができた。
また、このように光を3回繰り返し照射した場合、得られた3回の吸光度スペクトルデ
ータのうち少なくとも2回の吸光度スペクトルデータを使用してSIMCA法によるクラ
ス判別を行うことによって、各宿主を良好に分類することができ、高精度な検査・診断が
可能である。光照射回数は特に3回に制限されないが、データ解析の煩雑さ等を考慮する
と、3回程度が好ましい。
他方、濃度希釈による摂動は、宿主に投与するバイオプロダクト原料を数段階に希釈し
たものを準備し、各宿主のスペクトル測定を行う。これにより、1つの検体宿主について
複数のスペクトルデータが得られ、これらのスペクトルデータを多変量解析に用いること
により、高精度な検査・診断が可能になる。この場合の多変量解析例としては、まず各検
体宿主につき希釈度を目的変量とするPLS回帰分析を行い、次いで、得られた回帰ベク
トルをSIMCA法などのパターン認識を用いて分類する。こうして作成されたクラス判
別モデルを用いて、宿主の回帰ベクトルがいずれのクラスの回帰ベクトル(パターン)に
近いかを判別・分類することによって、検査・診断が可能である。
希釈数や希釈の程度は特に制限されるものではない。濃度希釈による摂動によって取得
するスペクトルに揺らぎが生じればよいので、これらの数値は任意に設定することができ
る。
濃度希釈、光の繰り返し照射以外の摂動の条件についても同様に、取得するスペクトル
に揺らぎを生じさせるよう、各条件について複数の種類・条件を設定し、スペクトル測定
を行えばよい(特願2003−379517号参照)。
摂動効果を引き出すデータ解析方法
「摂動効果を引き出すデータ解析」とは、1つの宿主につき摂動により得られた複数の
スペクトルデータを使用して解析モデルを作成すること、および、その解析モデルを使用
してデータ解析を行うことをいうが、そのデータ解析方法の具体例として、下記3つの方
法を挙げることができる。
(a)定量的解析:PLS法などの回帰分析により作成した定量モデルを用いて、インフ
ルエンザワクチン原料量など宿主中の目的物質を定量する方法
定量モデルは、1つの宿主につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用し
て作成する。宿主中のバイオプロダクト原料の定量により、バイオプロダクト生産量の推
移、バイオプロダクト生産能力などを予測することができる。
(b)定性的解析1:SIMCA法などのクラス判別解析により作成した定性モデルを用
いて、宿主を検定する方法
定性モデルは、1つの宿主につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用し
て作成する。3クラス以上のクラス判別モデルを作成することにより、宿主環境、宿主生
育状況、宿主の正常性、生育度合い、新鮮性、宿主適合性などを予測することができる。
(c)定性的解析2:(1)濃度希釈値(希釈度)など摂動の各値(摂動を与えるため条
件を振った各値)を目的変量とする回帰分析(PLS法など)を行い、(2)同分析によ
り得られた回帰ベクトルに対して、SIMCA法などのクラス判別解析を行うことで作成
した定性モデルを用いて、宿主を検定する方法
回帰分析は、上記のように、1つの宿主につき摂動により得られた複数のスペクトルデ
ータを使用して行う。3クラス以上のクラス判別モデルを作成し、パターン認識により分
類することによって、上記同様の宿主検定をすることができる。
本発明における測定装置の具体的構成
本発明に係る装置の検査・診断システムの構成としては、プローブ(投光部)、分光・
検出部、データ解析部および結果表示部の4つの要素を備えて構成することができる。
プローブ(投光手段)
プローブは、ハロゲンランプ・LED等の光源からの光(波長400nm〜2500n
mの全範囲またはその一部範囲)を測定対象である宿主に導く機能を有する。例えばファ
イバープローブとし、柔軟な光ファイバーを介して測定対象(宿主)に投光する構成が挙
げられる。一般に近赤外線分光器のプローブは安価に作製することができ、低コストであ
る。
なお、光源から発せられた光を直接測定対象である宿主に投光する構成としてもよいが
、その場合プローブは不要であり、光源が投光手段として機能する。
前述のように、解析モデルが作成されれば、当該解析モデルによる検査・診断に必要な
波長光が決定される。本装置は、こうして決定された1又は複数の波長域を宿主に照射す
る構成とすることで装置構成をより単純化することができる。
また、本装置は、摂動を与えながらスペクトル測定を行うことを好適な態様としており
、摂動付与に必要な構成を適宜備えることが好ましい。
分光・検出部(分光手段および検出手段)
本装置は、測定システムとして近赤外線分光器の構成を有する。近赤外線分光器は一般
に、光を測定対象物である宿主に照射し、この対象物からの反射光や透過光あるいは透過
反射光を検出部で検出する。さらに、検出された光について波長別に入射光に対する吸光
度が測定される。
分光方式には前分光と後分光とがある。前分光は、測定対象物に投光する前に分光する
。後分光は、測定対象物からの光を検出し分光する。本装置の分光・検出部は、前分光、
後分光いずれの分光方式を採用するものであってもよい。
検出方法には3種類あり、反射光検出、透過光検出および透過反射光検出がある。反射
光検出および透過光検出は、それぞれ、測定対象物からの反射光と透過光とを検出器によ
って検出する。透過反射光検出は、入射光が測定対象物内に入射した屈折光が物体内で反
射し、再び物体外に放射された光が反射光と干渉する光を検出する。本装置の分光・検出
部は、反射光検出、透過光検出および透過反射光検出のいずれの検出方式を採用するもの
であってもよい。
分光・検出部内の検出器は、例えば半導体素子であるCCD(Charge Coupled Device
)などによって構成することができるが、勿論これに限定されるものではなく、他の受光
素子を使用してもよい。分光器についても公知の手段によって構成することができる。
データ解析部(データ解析手段)
分光・検出部から波長別の吸光度、即ち吸光度スペクトルデータが得られる。データ解
析部は、この吸光度スペクトルデータをもとに、予め作成した解析モデルを使用して、宿
主環境の変化の検定を行う。
解析モデルは、定量モデル、定性モデルなど複数の解析モデルを用意しておき、定量評
価を行うか、あるいは定性的評価を行うかに応じて、異なるものを使用してもよい。また
、解析モデルは、各バイオプロダクト原料毎に、及び/又は宿主毎にモデルを作成してお
き、1つの装置でいずれの検査も可能な構成としてもよい。
データ解析部は、スペクトルデータ、多変量解析用プログラム、解析モデルなどの各種
データを記憶する記憶部と、これらのデータおよびプログラムに基づき演算処理を行う演
算処理部とによって構成することができ、例えばICチップなどによって実現可能である
。したがって、本装置を携帯型とするため小型化することも容易である。上記の解析モデ
ルも、ICチップなどの記憶部に書き込まれる。
結果表示部(表示手段)
結果表示部は、データ解析部における解析結果を表示する。具体的には、解析モデルに
よる解析の結果得られた宿主中のインフルエンザワクチン原料量などのバイオプロダクト
濃度値を表示する。あるいは、定性モデルの場合は、そのクラス判別結果に基づき「宿主
正常」「宿主異常の可能性高い」「宿主異常」「原料成育正常」「原料生育異常」「原料
生育異常の可能性高い」などといった表示を行う。なお、本装置を携帯型とする場合は、
結果表示部を液晶等のフラットディスプレイとすることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定され
るものではない。
実施例1:近赤外線分光法による検査
吸収スペクトルの測定
本実施例では、以下の測定方法により、各宿主の吸収スペクトルを測定した。
健康鶏卵の産卵後直後に入手し、これを7日間37℃で恒温保管し、試験用の検査室で
さらに1日37℃で保管後バイオプロダクト原料としてインフルエンザを鶏卵の尿膜腔に
接種し、バイオプロダクト原料の生育を鶏卵を使っておこなった。なお、接種時のembryo
は、親指の先程の大きさであった。インフルエンザは、Influenza Avirus A/PR/8/34(H1N
1)の原液10FFU/mlを、PBS緩衝液で適宜希釈し、例えば1宿主に100μlづつ
接種し、最終的に10倍ずつ段階的に5段階までの終接種量(10,10,10
10,10FFU)を各3例づつでおこなった。別のインフルエンザとして、Influenza
Avirus A/crow/Kyoto/53/2004(H5N1) の原液10FFU/mlを、PBS緩衝液で適宜希
釈し、例えば1宿主に100μlづつ接種し、最終的に10倍ずつ段階的に5段階までの
終接種量(10,10,10,10,10−1FFU)を各3例づつでおこなった
。なお、FFUは、Focus Forming Unitで測定にはMDCK細胞を使用した。
接種後、宿主としての鶏卵を37℃で恒温保存し、検卵器によって観察をした。H5N1の
10,10,10PFU接種群及びPR/8 10PFU接種群では、接種後、48時間で
embryoが死亡した。各群について接種後、72時間で漿尿液を回収し、感染価を測定した
感染価(HA価)の測定は以下の方法により行った。
1.アルゼバ液に保存されているニワトリ赤血球を均一化し2〜3mlをとり、5倍量のPBS(-)
に懸濁する。
2.赤血球の懸濁液を2k rpmで5分間遠沈し上清を捨て、5倍量のPBS(-)で懸濁する。これ
をさらに2回繰り返す。
3.上清を捨てP1000のピペットマンで2〜3滴を2mlのPBS(-)に懸濁する。
4.この液を10倍希釈し、0.5% ニワトリ赤血球懸濁液として用いる。
5.50mlの2倍段階希釈のウイルス液をU字またはV字の96ウェルプレートに用意する。
6.50mlの0.5% ニワトリ赤血球懸濁液を各ウェルに加え、緩やかに撹拌する。
7.約1時間後に赤血球の凝集の有無を確認する。
8.2の何乗希釈まで赤血球の凝集が観察されるかで、HA価を決定する。
一方、各群について、宿主である鶏卵について近赤外線を使い縦方向に測定した。気室側
が光出力部側とした。
図2のように、宿主をおき、近赤外線分光装置(製品名「Fruit-Tester-20 (FT-20)(J
apan Fantec Research Institute, Shizuoka,Japan)」)を使用して光繰り返し照射の摂
動を与えながら測定を行った。具体的には、600〜1100nmの波長光を連続して3
回宿主に照射することで、各透過光を検出することによって吸収スペクトルを測定した。
波長分解能は2nmである。光出力部と光検出部で卵を挟むことにより、宿主を透過する
光路長は卵の大きさに設定した。積算時間は卵8000msec, 漿尿液20msecである。
吸収スペクトルの解析
本実施例では、解析1として、接種後24時間鶏卵について、各希釈段階でPLS(partia
l least squaresregression analysis)モデルを作成し、高FFUサンプル卵(PR8 10F
FU,H5 10FFU)、低FFUサンプル卵(PR8 10FFU,H5 10−1FFU)を経時的
に予測し、検討した。
解析2としては、接種後24時間鶏卵について、各希釈段階でPLSモデルを作成し、PR8
10FFU〜10FFU、H5 10FFU〜10−1FFUを経時的に予測し、濃度依存性を
検討した。
PLSの解析条件は、H5について、cross validation, smoothing(17)、Factor7,SECV=0.8
2611, RVAL=0.81604 、PR8について、crossvalidation, smoothing(17)、Factor9, SE
CV=0.6089, RVAL=0.9049である。バリデーションはサンプルを取り除き、モデルの有
効性を検証する方法で、主にstep validationとcross validationがある。Step validati
onは連続するサンプル順番の組みを除外し、crossはとびとびの順番で除外してモデルを
作成した後に、除外されたサンプルが正しく判定されるかを検証する。Smoothing(17)は
「Smooth」は平滑化をしたことを示す。平滑化の変換はSavitzky-Golayの多項式フィルタ
ーの原理に基づき、中心データの点と片側のn個のポイントを含むウインドウ内の説明変
数への回旋を行っており、n=17を選択したことを示している。Factor数は使用した主成
分の数を示す。SECVはクロスバリデーションの標準偏差を示す。RVALはクロスバリデーシ
ョンを行った際の予測的相関係数を示す。
解析方法:接種後24時間鶏卵について、各希釈段階でPLSモデルを作成
得られた吸収スペクトルについて、希釈度ごとにPLS法による解析を行った。
解析モデル作成のため、各宿主(10倍希釈)におけるH5抗原量をELISA法により
測定した。
PLS法による回帰分析を行い、H5接種後24時間卵で希釈段階でのPLSモデルを作成し
た(RVAL=0.81)。図3にモデル図を示し、横軸に既存の測定法で感染価FFU(Log10)
を、縦軸に近赤外分光法により予測された感染価FFU(log10)を表示し、モデルを作成し
た。H5 5-3 24h-2はH5N1の原液漿尿液(10 FFU/ml)を10の5乗希釈した液を100ul
接種した(つまり、10 FFU接種した)3つの卵のうちの3番目のものを24時間培養後に
測定したもので、3回連続測定のうち2回目の測定であることを示す。
図4は、Factor Selectを行った結果であり、横軸にFactor数、縦軸に誤差(SECV:Sta
ndard Error of cross-Validation:クロスバリデーションの標準偏差)を示す。SECVが
最小のときのPLSモデルが最良であるので、このFactor Select でSECVが最小になるFacto
r数7(このとき、相関係数rは0.82611)を選び、このときのPLSモデルを使用し解析を
おこなった。
図5に定量モデルとして作成した重回帰式の全偏回帰係数(回帰ベクトル(Regression
Vector))を示している。横軸が波長(nm)を、縦軸が回帰係数の値を示す。使用し
た波長は600nmから1100nmで、波長の分解能は2nmである。回帰係数は、感染価に対し、
どの波長が最も重要で、どれがほとんど役にたたないかを示す。回帰係数の高い波長は、
その波長の吸光度が高感染価のものほど高くなっていることを示す。回帰係数が負の値の
ものは、その波長の吸光度が低感染価のものほど高くなっていることを示す。回帰係数が
0のものは、その波長の吸光度が感染価の高低に関係ないことを示す。
図6及び7にH5接種後24時間鶏卵で作成したPLSモデルをもちいて、経時的に得た近赤
外スペクトルをから算出された予測価〔NIRS法:FFU(log10)〕の変化を示した。
図6は、FFU10およびFFU10−1の結果であり、図中H5 3-1 H5 3-2 H5 3-3及び
H5 7-1 H5 7-2 H5 7-3は、H5について、3回連続照射にて各々得られた3つの吸光度デ
ータを使用したことを意味する。PLS解析により得られた解析モデルを用いて、各宿主
のH5力価を高精度に予測することができた。こうして組み立てられた解析モデルをファイ
ルとして保存しておき、未知サンプルの検査・診断時にこのファイルを呼び出し、対象宿
主のH5力価を解析モデルで予測する。これにより、簡易迅速な宿主環境の検査が可能にな
る。「Log10」はそれぞれの説明変数を常用対数で変換したことを示す。本解析において
、目的変数(Dependent variable)を10倍希釈はlog10(101)=1と定義し、以下同様に
、10倍希釈はlog10(102)=2、10倍希釈はlog10(103)= 3と定義した。サンプル名
については、たとえば、H5 3-2はH5N1 10 FFUを接種した3つの卵のうちの2番目の
ものであることをしめす。H5 7-1はH5N1 10-FFUを接種した3つの卵のうちの1番目
のものであることをしめす。
図7は、FFU10、FFU10、FFU10、およびFFU10の結果であり、図中H5 3
-1 H5 3-2 H5 3-3、H5 4-1 H5 4-2 H5 4-3、H5 5-1 H5 5-2 H5 5-3、H5 6-1 H5 6
-2 H5 6-3は、H5について、3回連続照射にて各々得られた3つの吸光度データを使用し
たことを意味する。PLS解析により得られた解析モデルを用いて、各宿主のH5力価を高
精度に予測することができた。こうして組み立てられた解析モデルをファイルとして保存
しておき、未知サンプルの検査・診断時にこのファイルを呼び出し、対象宿主のH5力価を
解析モデルで予測する。これにより、簡易迅速な宿主環境の検査が可能になる。「Log10
」はそれぞれの説明変数を常用対数で変換したことを示す。本解析において、目的変数(
Dependent variable)を10倍希釈はlog10(101)=1と定義し、以下同様に、10倍希
釈はlog10(102)=2、10倍希釈はlog10(103)= 3と定義した。サンプル名については、
たとえば、H5 4-2はH5N1 10 FFUを接種した3つの卵のうちの2番目のものであるこ
とをしめす。H5 6-1はH5N1 10 FFUを接種した3つの卵のうちの1番目のものである
ことをしめす。
解析モデル作成のため、各宿主(10倍希釈)におけるPR8抗原量をELISA法によ
り測定した。
PLS法による回帰分析を行い、PR8接種後24時間卵で希釈段階でのPLSモデルを作成し
た(RVAL=0.905)。図8にモデル図を示し、横軸に既存の測定法で感染価FFU(Log10)
を、縦軸に近赤外分光法により予測された感染価FFU(log10)を表示し、モデルを作成し
た。PR8 5-3 24h-2はPR8の原液漿尿液(10FFU/ml)を10の5乗希釈した液を100ul
接種した(つまり、10FFU接種した)3つの卵のうちの3番目のものを24時間培養後
に測定したもので、3回連続測定のうち2回目の測定であることを示す。
図9は、Factor Selectを行った結果であり、横軸にFactor数、縦軸に誤差(SECV:Sta
ndard Error of cross-Validation:クロスバリデーションの標準偏差)を示す。SECVが
最小のときのPLSモデルが最良であるので、このFactor Select でSEVが最小になるFactor
数9(このとき、相関係数rは0.6089)を選び、このときのPLSモデルを使用し解析をお
こなった。
図10に定量モデルとして作成した重回帰式の全偏回帰係数(回帰ベクトル(Regressi
on Vector))を示している。横軸が波長(nm)を、縦軸が回帰係数の値を示す。使用
した波長は600nmから1100nmで、波長の分解能は2nmである。回帰係数は、感染価に対し、
どの波長が最も重要で、どれがほとんど役にたたないかを示す。回帰係数の高い波長は、
その波長の吸光度が高感染価のものほど高くなっていることを示す。回帰係数が負の値の
ものは、その波長の吸光度が低感染価のものほど高くなっていることを示す。回帰係数が
0のものは、その波長の吸光度が感染価の高低に関係ないことを示す。
図11及び12にPR8接種後24時間鶏卵について、各希釈段階で経時的な予測価〔NIRS
法:FFU(log10)〕を示した。
図11は、FFU10およびFFU10の結果であり、図中PR8 3-1 PR8 3-2 PR8 3-3
及びPR8 7-1 PR8 7-2 PR8 7-3は、PR8について、3回連続照射にて各々得られた3
つの吸光度データを使用したことを意味する。PLS解析により得られた解析モデルを用
いて、各宿主のPR8力価を高精度に予測することができた。こうして組み立てられた解析
モデルをファイルとして保存しておき、未知サンプルの検査・診断時にこのファイルを呼
び出し、対象宿主のPR8力価を解析モデルで予測する。これにより、簡易迅速な宿主環境
の検査が可能になる。「Log10」はそれぞれの説明変数を常用対数で変換したことを示す
。本解析において、目的変数(Dependent variable)を10倍希釈はlog10(101)=1と定
義し、以下同様に、10倍希釈はlog10(102)=2、10倍希釈はlog10(103)= 3と定義
した。サンプル名については、たとえば、PR8 3-2はPR8 10 FFUを接種した3つの卵
のうちの2番目のものであることをしめす。PR8 7-1はPR8 10 FFUを接種した3つの
卵のうちの1番目のものであることをしめす。
図12は、FFU10、FFU10、FFU10、およびFFU10の結果であり、図中PR
8 3-1 PR8 3-2 PR8 3-3 、PR8 4-1 PR8 4-2 PR8 4-3、PR8 5-1 PR8 5-2 PR8
5-3、PR8 6-1 PR8 6-2 PR8 6-3はPR8について、3回連続照射にて各々得られた3つ
の吸光度データを使用したことを意味する。PLS解析により得られた解析モデルを用い
て、各宿主のPR8力価を高精度に予測することができた。こうして組み立てられた解析モ
デルをファイルとして保存しておき、未知サンプルの検査・診断時にこのファイルを呼び
出し、対象宿主のPR8力価を解析モデルで予測する。これにより、簡易迅速な宿主環境の
検査が可能になる。「Log10」はそれぞれの説明変数を常用対数で変換したことを示す。
本解析において、目的変数(Dependent variable)を10倍希釈はlog10(101)=1と定義
し、以下同様に、10倍希釈はlog10(102)=2、10倍希釈はlog10(103)= 3と定義し
た。サンプル名については、たとえば、PR8 4-2はPR8 10 FFUを接種した3つの卵の
うちの2番目のものであることをしめす。PR8 6-1はPR8 10 FFUを接種した3つの卵
のうちの1番目のものであることをしめす。
図13には、H5とPR8の回帰係数の比較を行った。
H5とPR8で共通する回帰係数の山および谷に対応する波長はインフルエンザウイルスの
卵への接種により共通して変化する波長である。
H5とPR8で異なる回帰係数の山および谷に対応する波長はそれぞれのインフルエンザウ
イルス株の卵への接種により特異的に変化する波長である。
(実施例2)
本発明のモデルは24時間時点のスペクトルデータをもとに作成したPLSモデルに、0
時間から72時間までのスペクトルデータを入れて予測値を算出すると、インフルエンザ
ウイルス感染かの予測が行える。よって、モデルに含めていないスペクトルデータもうま
く予測数値をだすことができていることから、未知サンプルにも適応できる。
以上のように、本発明は、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の
波長光をバイオプロダクトの製造をすることが可能な宿主に照射し、その反射光、透過光
または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長ある
いは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環
境について簡易迅速かつ高精度に検査・判定することができ、バイオプロダクト生産宿主
の監視などに広く利用できるものである。

Claims (10)

  1. 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光をバイオプロダクト
    の製造をすることが可能な宿主に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出し
    て吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、
    予め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環境について以下から選ばれ
    る情報の少なくとも1を得る方法;
    1)宿主の腐乱度の判定
    2)宿主の新鮮度の判定
    3)宿主のバイオプロダクト製造用宿主としての適合性の判定
    4)宿主でのバイオプロダクト製造工程における力価及び/又は正常性判定
  2. 宿主が、卵又は培養細胞である請求項1の方法。
  3. 卵が、発育鶏卵である請求項2の方法。
  4. 卵の尿膜腔内にバイオプロダクトとしてワクチンの原料が接種される請求項3の方法。
  5. 卵を縦方向に測定する請求項2〜4の何れか一に記載の方法。
  6. 卵の気室側が光出力部側である請求項5の方法。
  7. 透過光である請求項6の方法。
  8. 請求項1〜7の何れか一に記載の方法によってバイオモニターされたバイオプロダクト
    の製造方法。
  9. 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光をバイオプロダクト
    製造用宿主に照射する投光手段と、
    投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記試料に照射された光の反射光、透
    過光または透過反射光を検出する検出手段と、
    検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光
    度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって宿主環境を定量的または定
    性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置。
  10. 請求項1〜8何れか一に記載の方法に使用される請求項9の装置。
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