JPWO2007080627A1 - 移動通信端末装置および通信システム - Google Patents

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Abstract

周波数帯の異なる複数の通信方式のそれぞれでスムーズに通信可能であるとともに省電力化を図ることができる移動通信端末装置。この装置において、移動通信端末装置100では、制御部170はバッテリ195の電池残量と3G、S3G及び4Gの受信状態情報に基づいて、3G、S3G及び4G用データ受信処理部140、150、160うち一つ又は二つのデータ受信処理部に対して受信状態の測定周期を設定し、設定した測定周期により前記一つ又は二つのデータ受信処理部を制御して受信状態を測定させる。受信状態情報比較部174は、測定された受信状態を示す受信状態情報を用いて3G、S3G及び4Gの通信方式における受信電力の大小を比較する。最適方式選択制御部176は、受信状態情報比較部174の比較結果に基づいて、3G、S3G及び4Gの通信方式のうち、受信状態を測定する通信方式を選択して、3G、S3G及び4Gのデータ受信処理部のうち選択した通信方式に対応するデータ受信処理部に対して測定周期を設定する。最適方式選択部174が選択した通信方式に対応するデータ受信処理部を制御部170が制御して受信状態を測定する。

Description

本発明は、複数の通信方式により通信を行うことができる移動通信端末装置および通信システムに関する。
従来から通信方式の異なる複数のサービスが混在している地域において、すでにある一つのネットワークに接続している移動端末が、移動に伴ってそのネットワークへの接続が困難になった場合に、異なった種類の別のネットワークに切り替えて、接続を継続できるようにすることが考えられている。
複数の通信方式の異なる通信システムと通信可能な移動端末の通信方法としては、例えば、特許文献1に示すものがある。この特許文献1には、無線LAN(Local Area Network)と第3世代移動体通信システム(以下「3G」という)であるW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の双方の方式と通信可能な移動端末を備える無線通信システムが開示されている。この特許文献1における移動端末は、受信した下り信号の受信品質に基づいて、移動先となる無線アクセス局を収容する方式の通信システムを決定する。また、特許文献1では、移動端末から通知される無線システムの種別情報に基づいてネットワーク内のデータベースを参照し、サーバ側で、移動端末の要求を満たすハンドオーバの方式を選択する。
また、特許文献2では、CDMA(Code Division Multiple Access)通信方式を用いた異なる世代の基地局がエリア毎に分かれて配置され、あるエリアから世代の異なるエリアへ移動局が移動した場合に、基地局を切り替えて、切断なく基地局間のハンドオーバを実現する方法が記載されている。
特開2004−260444号公報 特開2000−201369号公報
ところで、移動体通信システムにおいては、第4世代移動体通信システム(以下、「4G」という)のサービスインが予定されている。4Gへ至る過程において、既存の第3世代移動体通信システム(以下、「3G」という)から円滑に移行することを狙い、3Gと4Gとの間に中間的な位置付けであるSuper3G(以下、「S3G」という)の導入が提案されている。
なお、3Gは、W−CDMAやCDMA2000を代表とする通信方式であり、周波数帯域は2GHz帯であり、幹線ネットワークはATMネットワークである。また、S3Gは、1.7又は2.5GHz帯を利用周波数帯として検討されている通信方式である。S3Gでは、下りに「VSF−OFDM(Variable Spreading Factor, Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)」、上りに「DS−CDMA(Direct Spread Code Division Multiple Access)」が用いられ、データ転送速度は静止時に100Mbps、移動時に30Mbps、遅延時間は現行の約10msに対して2.0ms以下となっている。S3Gの幹線ネットワークはIPネットワークである。さらに、4Gは、利用周波数帯を5GHzとしてS3Gと同様の技術を用いてなり、下り用に4.635GHzを中心とする100MHz分、上り用に4.9GHzを中心とする30MHz分の周波数帯が用いられている。この4Gは、複数のアンテナを使うMIMO(Multiple Input,Multiple Output)を既存の無線システムに追加する形で導入してなり、データ転送速度は静止時に1Gbps、移動時に100Mbpsとなっており、幹線ネットワークはIPネットワークである。
このような3G、S3G及び4G等のような周波数帯及び伝送速度(ビットレート)の異なる複数の通信方式のエリアが混在する地域においては、それぞれの通信方式で通信可能な移動端末な通信システムを実現したいという要望がある。
これを実現するためには、3Gエリア、S3Gエリア、4Gエリアという通信方式の異なる複数のサービスが混在している地域では、移動端末は、3G、S3G、4Gといった異なる周波数用の受信装置、送信装置を具備することになる。特に、周波数が異なる通信方式の基地局のそれぞれが、それぞれのエリアにおけるセル情報を相互にやり取りしていない場合、移動端末側において最初に全通信方式の基地局分のセルサーチを行う必要が生じる。加えて、その後、常にそれぞれの方式の信号を受信及び復号する必要が生じるため、消費電力が増大する。
また、移動端末により通信方式の異なる複数のサービスを利用できる通信システムを実現するために、移動端末では、周波数帯が異なる複数の通信方式のネットワークに対して、ビットレートを優先して、選択する通信方式を決定する場合が考えられる。この場合、まず基本は全通信方式(3G、S3G、4G)においてそれぞれセルサーチを行って各々の通信状態を測定し、常にスピードの出る通信方式に切り替えていくことになるが、常に全通信方式(3G、S3G、4G)の信号を受信、復調することが必要となるため、消費電力が増大してしまう。
さらに、3GとS3Gと4G等のそれぞれ通信方式の異なる基地局同士が相互にセル情報をやり取りしている場合では、下りリンクのパイロットチャネルの受信レベルが最大なセルに接続した後、このセルからの報知情報を受信、復号することで周辺のセル情報を得ることになる。そして、3つの周波数帯の異なる通信方式の基地局のうち、最大受信レベルの基地局に接続した後、随時周辺セル情報を入手して適切なセルへハンドオーバすることが考えられる。
しかしながら、近隣にセルがあることは分かってもその端末にとって最適条件かの判断のためにセルサーチを行う必要がある。このため、移動端末では各通信方式の基地局からそれぞれ送信される信号の受信レベルを定期的に全てチェックすることが必要となり、その分、消費電力が増大することとなる。
このように、3Gエリア、S3Gエリア、4Gエリアという通信方式の異なる複数のサービスが混在している地域では、移動端末は、3G、S3G、4Gといった異なる周波数用の受信装置、送信装置を使用して、それぞれ異なる周波数帯の電波を常に監視することになるため、それぞれ周波数帯の異なる方式の送受信用の受信装置及び送信装置のそれぞれで電力を消費するため、消費電力量が非常に大きくなるという問題が発生する。
また、3Gエリア、S3Gエリア、4Gエリアという複数のサービスが混在している地域では、セルサーチやハンドオーバはどの通信方式間移動に対応したものを選択すべきか等の処理が多く困難になる。
特許文献1では、移動端末から通知される無線システムの種別情報に基づいてサーバ側で、移動端末の要求を満たすハンドオーバの方式を選択するため、移動端末側でハンドオーバ方式を選択しなくてもよいが、決定する無線システムの諸別情報について、どのように受信品質を判断しどのように決定するかについては具体的に開示されていない。
また、特許文献2では、移動端末が行う通信方式が異なる複数の世代(2G、3G)の基地局の選択方法は開示されているが、基地局を選択する際の省電力化を図る記載は一切開示されていない。
本発明の目的は、周波数帯の異なる複数の通信方式のそれぞれでスムーズに通信可能であるとともに省電力化が図られた移動通信端末装置及び通信システムを提供することである。
本発明の移動通信端末装置は、電池と、前記電池により駆動し、利用周波数帯及び通信エリアが異なる第1、第2及び第3の通信方式の信号を、アンテナを介してそれぞれ受信するとともに、受信した信号から、前記第1、第2及び第3の通信方式毎の受信状態をそれぞれ測定し、それぞれ受信電力値を含む受信状態情報として出力する第1、第2及び第3受信手段と、前記電池の電池残量と前記第1、第2及び第3受信手段毎の受信状態情報に基づいて、前記第1、第2及び第3受信手段のうち一つ又は二つの受信手段に対して受信状態の測定周期を設定し、設定した測定周期により前記一つ又は二つの受信手段を制御して受信状態を測定させる制御手段と、前記測定された受信状態を示す前記受信状態情報を用いて前記第1、第2及び第3の通信方式における受信電力の大小を比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1、第2及び第3の通信方式のうち、受信状態を測定する通信方式を選択して、前記第1、第2及び第3受信手段のうち選択した通信方式に対応する受信手段に対して前記測定周期を設定する方式選択部とを具備し、前記制御手段は、前記方式選択部が選択した通信方式に対応する受信手段を制御して受信状態を測定させる構成を採る。
以上説明したように、本発明によれば、周波数帯がそれぞれ異なる複数の通信方式のそれぞれで通信可能であるとともに、省電力化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る移動通信端末を有する通信システムの一例を示す図 図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と受信位置の関係の一例を示す図 図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と周波数の関係の一例を示す図 本発明の一実施の形態に係る移動通信端末装置としての移動端末の概略構成を示すブロック図 図2に示す移動通信端末における制御部の要部構成を示すブロック図 メモリに格納されるバッテリの電力残量と、通信状態を測定する際の時間周期との関係を示す図 本実施の形態に係る移動端末の基本的な処理を説明するフローチャート 3G用データ受信処理部の変形例を示す図 3G用データ受信処理部の別の変形例を示す図 本発明に係る移動端末の処理としての通信方式の選択方法の一例を説明するためのフローチャート 移動端末が、通信システム内においてA方向に移動する際に、4Gの通信方式の信号レベルをチェックする処理の一例を説明するフローチャート 移動端末における通信方式の選択方法の別の例を示す図 最初に測定した受信信号の電力レベル差が小さい場合の処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る通信システムに属する移動通信端末装置の別例である移動端末の概略構成を示すブロック図 図12に示す移動端末における制御部の要部構成を示すブロック図 異なる通信方式の受信信号を測定した際に、同じ電力値であり且つ電力ピークが異なる通信方式の受信信号の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態における移動通信端末装置(以下、「移動端末」という)は、利用周波数帯と通信エリアの大きさがそれぞれ異なる複数の通信方式に対応しており、これら通信方式のエリア(サービスネットワーク)は重なっている。
ここでは、利用周波数帯が異なり、利用周波数及び通信エリアの大きさがそれぞれ異なる複数の通信方式のエリアを、第1〜第3通信方式のエリアとし、これら通信方式のエリアは、第1から第3までの順にビットレートが高いものする。さらに、第1から第3通信方式の通信エリアは、第1から第3の順に狭いものとなっている。
詳細には、第1通信方式のエリア圏内に、第1通信方式と利用周波数帯が異なると共に第1通信方式よりもビットレートの高い第2通信方式のエリアが存在する。また、この第2通信方式のエリア圏内に、第2通信方式と利用周波数帯が異なるとともに第2通信方式よりもビットレートの高い第3通信方式のエリアが存在している。
図1は、本発明の一実施の形態に係る移動通信端末100の通信システム200における通信状態を説明する図であり、図1Aは本発明の一実施の形態に係る移動通信端末を有する通信システムの一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と受信位置の関係の一例を示す図、図1Cは、図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と周波数の関係の一例を示す図である。
図1Aに示す本実施の形態の移動端末100は、複数の通信方式のそれぞれに対応して通信可能なものである。通信に利用される周波数帯及びビットレートがそれぞれ異なる複数の通信方式を、ここでは、第1〜第3通信方式とし、それぞれの通信エリアが重なるともに、ビットレートが順に高くなる3G、S3G、4Gとする。
まず、移動端末100が属する通信システムについて説明する。
図1Aに示す移動端末100の属する通信システム200では、3G基地局210による3Gの通信エリア(3Gのサービスエリア211)内に、S3Gの基地局220及びS3Gの通信エリア(S3Gのサービスエリア221)が配置されている。そして、このS3Gの通信エリア(S3Gのサービスエリア221)内に、4Gの基地局230が配置されるとともに、この4Gの基地局230による通信エリア(4Gのサービスエリア231)が配置されている。なお、図1B及び図1Cは、図1Aに示す通信システム200内において移動端末100が矢印方向(矢印A方向)に移動していく場合に対応する。
つまり、図1Bは、移動端末100が図1Aの通信システム200においてA方向に移動する場合において、各通信方式の基地局210〜230からそれぞれ送信された信号を受信したときの信号強度を示している。具体的には、図1B中、グラフ212は、周波数が2GHz帯の信号である3G基地局210からの無線信号を受信した場合の移動端末100における信号強度の一例を示している。また、グラフ222は、周波数が1.7もしくは2.5GHz帯の信号であるS3G基地局220からの無線信号を受信した場合の移動端末100における信号強度の一例を示している。さらに、グラフ232は、周波数が5GHz帯の信号である4G基地局230からの無線信号を受信した場合の移動端末100における受信強度の一例を示している。
また、図1Cは、各基地局210〜230から発信している拡散信号を移動端末100にて受信した時の信号強度と周波数の関係を示しており、グラフ213は3G基地局から出されている変調信号の一例、グラフ223はS3G基地局から出されている変調信号の一例、グラフ233は4G基地局から出されている変調信号の一例をそれぞれ示す。
図2は、本発明の一実施の形態に係る移動通信端末装置としての移動端末の概略構成を示すブロック図である。
図2に示す移動端末100は、通信システム200における複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを送受信する機能を有する。移動端末100では、データを送受信する際に利用する通信方式は、通信方式毎に基地局210、220、230からの信号を測定する時間間隔を変えて測定し、その測定した値に基づいて判定される。
図2に示す移動端末100は、データ送信方式選択部102、複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを送信するデータ送信処理部110、120、130、複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを受信するデータ受信処理部140、150、160、フィルタ105、106、合分波器107、アンテナ108、制御部170、メモリ190、バッテリ(図では電池195で示す)195を備える。
なお、データ送信処理部110、120、130及びデータ受信処理部140、150、160は、それぞれ3G、S3G、4Gに対応している。3Gの基地局210と送受信処理を行う各処理部を3G用データ送信処理部110、3G用データ受信処理部140、S3Gの基地局220と送受信処理を行う各処理部をS3G用データ送信処理部120、3G用データ受信処理部150、4Gの基地局230と送受信処理を行う各処理部を4G用データ送信処理部130、4G用データ受信処理部160として説明する。
データ送信方式選択部102は、制御部170から入力される制御情報に基づいて、入力される入力信号を、複数の通信方式のうち、どの通信方式の情報として送信するかを選択する。そして、データ送信方式選択部102は、選択した通信方式に対応するデータ送信処理部に、送信する情報を出力する。詳細には、情報を送信する通信方式が3G、S3G及び4Gの通信方式のうちの一つである場合、データ送信方式選択部102に入力される入力信号は、3G用データ送信処理部110、S3G用データ送信処理部120及び4G用データ送信処理部130の一つに出力される。
3G用データ送信処理部110、S3G用データ送信処理部120及び4G用データ送信処理部130は、データ送信方式選択部102を介して入力される入力信号を、それぞれ対応する通信方式の情報として送信できるように処理してフィルタ105に出力する。そして、フィルタ105に入力される信号は、合分波器107を介してアンテナ108から無線信号として送信する。
ここで、3G用データ送信処理部110、S3G用データ送信処理部120及び4G用データ送信処理部130は、入力される信号を、それぞれの通信方式で処理し、それぞれの通信方式で送信できる情報にする。具体的な構成としては、各データ送信処理部110、120、130は、データ送信方式選択部102から入力される入力信号に対して、それぞれの通信方式で処理する符号化処理部112、122、132、変調処理部113、123、133、送信処理部114、124、134、増幅器115、125、135を有する。なお、増幅器115、125、135は、それぞれの処理に用いる通信方式に対応して、図2では、3G用増幅器115、S3G用増幅器125、4G用増幅器135として示している。
符号化処理部112、122、132は、それぞれの通信方式で、入力される信号を符号化し、変調処理部113、123、133に出力する。
変調処理部113、123、133は、それぞれの通信方式で、符号化処理部112、122、132から入力される信号に変調処理を施して、送信処理部114、124、134に出力する。
送信処理部114、124、134は、変調処理部113、123、133から入力される信号をアップコンバートして、それぞれの通信方式で利用される周波数の信号に変換して、各通信方式用増幅器115、125、135に出力する。
3G用増幅器115、S3G用増幅器125、4G用増幅器135は、送信処理部114、124、134から入力される信号を、それぞれの通信方式で利用される送信周波数に適した信号レベルとなるように増幅してフィルタ105に出力する。
各通信方式に対応するデータ受信処理部140、150、160は、ここでは、3G、S3G、4Gのそれぞれに対応しており、それぞれの通信方式(3G、S3G、4G)に対応して信号(データ)を受信する。なお、ここでは、各通信方式に対応するデータ受信処理部140、150、160をそれぞれ3G用データ受信処理部140、S3G用データ受信処理部150、4G用データ受信処理部160として図示している。
各データ受信処理部140、150、160は、アンテナ108、合分波器107を経た後、フィルタ106を介して3G、S3G、4Gのそれぞれの利用周波数毎に分配された無線信号(データ)が入力される。そして、各データ受信処理部140、150、160は、入力された無線信号に基づいて、制御部170において、利用する通信方式を選択する際の指標となる無線信号の受信状態情報を測定し制御部170に出力するとともに、受信した信号をデータとして外部に出力する。図2では、各データ受信処理部140、150、160は、受信状態情報として、制御部170により設定される所定の時間周期で各通信方式のそれぞれにおける全受信電力を測定している。
各データ受信処理部140、150、160について詳細に説明する。
3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160は、それぞれの通信方式で処理を行う3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162、3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163、受信処理部144、154、164、復調処理部145、155、165、復号化処理部146、156、166を具備する。
3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162は、入力される信号を、付加雑音を少なく保ちながら増幅して、3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163及び受信処理部144、154、164に出力する。
受信処理部144、154、164は、3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162からの入力信号に対して、ダウンコンバートや自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)処理を行う。そして、受信処理部144、154、164は、処理を施した入力信号を復調処理部145、155、165に出力する。
復調処理部145、155、165は、入力された信号に対して、逆拡散処理などの処理を行い復調し、復調された信号は、復号化処理部146、156、166に出力され、復号化処理部146、156、166において復号化される。
復号化処理部146、156、166において復号化された信号はデータとして、移動端末100が備える外部出力装置104を介して外部に出力される。なお、外部出力装置104としては、LED(Light-Emitting Diode)、液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声を出力する音声出力装置、記憶装置などが挙げられる。
3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163は、それぞれ入力される信号の電力強度、具体的には、それぞれ対応する通信方式の利用周波数帯における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastを測定する。これら測定結果は、制御部170に出力される。なお、「_last」は、本実施の形態では測定結果の最新データを意味することとする。
これら測定結果を受けて、制御部170は、利用する通信方式を選択し、選択する通信方式での受信処理を行うために、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160のうち対応するデータ受信処理部を制御して、受信処理を行わせ、受信処理が行われたデータを外部出力装置104に出力させる。
図3は、図2に示す移動通信端末における制御部170の要部構成を示すブロック図である。
制御部170は、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160から入力される信号、メモリ190からの情報、バッテリ195の情報に基づいて通信をどの通信方式(ここでは、3G、S3G、4G)で行うかを選択し、その選択結果を用いて、データ送信方式選択部102において、データ送信方式選択部102に入力される入力信号をどの送信方式により情報として送信するかを決定する。
図3に示すように制御部170は、バッテリ残量検知部172と、受信状態情報比較部174と、最適方式選択制御部176とを有する。
バッテリ残量検知部172は、制御部170に接続されているバッテリ195の電力残量状態を検知し、最適方式選択制御部176によって、最適方式選択制御部176に出力するように制御される。
受信状態情報比較部174は、3G用データ受信処理部140、S3G用データ受信処理部150、4G用データ受信処理部160から入力される信号である受信状態情報を用いて、各通信方式の基地局210、220、230からの信号の受信状態を比較し、その比較結果を最適方式選択制御部176に出力する。
なお、この受信状態情報比較部174は、各データ受信処理部140、150、160から入力される信号をそのまま比較対象として用いてもよいし、入力される信号から別の基準となる情報を抽出して、抽出した情報同士を比較してもよい。さらに、入力される信号と予め設定された閾値と比較してもよいし、入力信号から抽出した情報と、予め設定された閾値とを比較してもよい。この受信状態情報比較部174は、最適方式選択制御部176により制御される。
ここでは、受信状態情報は、3G用電力強度測定部143、S3G用電力強度測定部153、4G用電力強度測定部163からそれぞれ入力される信号の電力強度(受信電力)つまり、各通信方式(3G、S3G、4G)で受信する信号の受信電力レベルである。
よって、本実施の形態では、受信状態情報比較部174は、3G、S3G、4Gにおける信号の電力強度を比較している。
最適方式選択制御部176は、バッテリ残量検知部172、受信状態情報比較部174及びメモリ190に格納される制御テーブルなどの情報に基づいて、実際の電波伝搬環境状態において最も通信に適した通信方式を選択する。
具体的に最適方式選択制御部176は、受信状態情報比較部174により出力される比較結果として出力される各通信方式からの受信信号の電力値が異なる場合、大きい順に、受信信号を測定する時間周期T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する時間周期設定部177を備える。このとき、時間周期設定部177は、T3=∞として、実際の測定は、時間周期がT1、T2の通信方式のみで行われるようにする。すなわち、T3=∞とすることで、3つの通信方式のうち最も受信信号の電力値が小さい通信方式、言い換えれば、3つの通信方式のうち最も受信電力強度が小さい通信方式に対しては時間周期を設定しないようにする。なお、このように、所定の信号方式の受信信号を測定する時間周期を設定しない場合は、時間周期T=∞に代えてT=0としてもよい。
また、複数の通信方式における受信信号の電力値が同じである場合、最適方式選択制御部176は、デフォルト値として設定された通信方式を選択する。
そして、最適方式選択制御部176は、選択した通信方式によってデータの送受信を行うために、3G用データ受信処理部140、S3G用データ受信処理部150、4G用データ受信処理部160に、時間周期設定部177によって、それぞれ設定された時間周期で受信状態の測定を行わせる制御信号を出力して制御する。
つまり、最適方式選択制御部176では、時間周期設定部177が、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160毎に、それぞれ対応する基地局210、220、230からの信号を測定する時間周期(T1、T2、T3)を設定する。
これら設定した時間周期を、各データ受信処理部140、150、160に割り当てることによって、最適方式選択制御部176は、実際に受信状態(ここでは、受信信号強度)が測定される通信方式を選択している。
この最適方式選択制御部176において、時間周期設定部177における時間周期の設定は、バッテリ195の電力残量に関連付けられており、メモリ190に格納されるバッテリ195の電力残量(バッテリ残量)と基地局チェック時間Tとの関係に基づいて設定される。具体的には、時間周期の設定は、3G、S3G、4Gの基地局210、220、230からの受信信号のうち、どの受信信号に対して受信状態の測定を行うかの設定と同義となる。
図4は、メモリ190に格納されるバッテリ195の電力残量(バッテリ残量)と、通信状態を測定する際の時間周期との関係の一例を示す図である。この図は、バッテリ残量と移動端末100が各通信方式の基地局をチェックする時間周期(T_3G、T_S3G、T_4G)との関連付けを示している。
図4に示すように、移動端末100のバッテリ195の電力残量が多い場合は、各通信方式毎の受信状態(信号強度)測定時間周期Tは短くなっており、全ての通信方式の基地局210、220、230からの信号を測定する。また、図4に示すように、バッテリ残量が小さくなるにつれて、受信状態の測定対象とする通信方式の数は小さくなる。
メモリ190は、バッテリ195の電力残量(バッテリ残量)と、通信状態を測定する際の時間周期との関係を示すテーブル(図4参照)等の制御テーブルの他、通信で用いられる情報を格納し、最適方式選択制御部176の制御により読み書き可能である。メモリ190が格納する制御テーブルにおいて、バッテリ195の電池残量や時間周期に、受信電力レベル或いは伝搬ロス、SIR値(Signal to Interference power Ratio)、各通信方式のデータ送受信部を構成する回路の平均消費電力値が関連づけられている。SIR値に代えてBER(Bit Error Rate)値、FER(Flame Error Rate)値を関連づけてもよい。これら制御テーブルにおいて関連づけられる要素は必要に応じた要素のみ関連づけられた構成としても良いことは勿論である。また、メモリ190が格納する通信で用いられる情報としては、各電力強度測定部143、153、163や、通信方式の異なる各基地局210、220、230(図1参照)からの送信情報等である。
次いで、上記構成を有する移動端末100の動作について、図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態に係る移動端末100の基本的な処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS101にて移動端末100の電源をオンにし、ステップS102にて3G用データ受信処理部140が、3G方式で利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定して、ステップS103に移行する。なお、「_last」は測定結果の最新データを意味することとする。
ステップS103では、S3G用データ受信処理部150が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、4G用データ受信処理部160が、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定し、ステップS105に移行する。
ステップS105では、バッテリ残量検知部172が、バッテリ195の電力残量を測定するとともに、受信状態情報比較部174が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_last、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを用いて各通信方式(3G、S3G、4G)の受信状態を比較して、ステップS106に移行する。ステップS106における各通信方式の受信状態の比較は、例えば、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_last、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastの大小を比較である。
ステップS106では、受信状態情報比較部174による比較結果及びメモリ190からの情報に基づいて最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177を用いて、3G、S3G、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastの中で、電力値の大きい順に受信信号を測定(チェック)する時間周期(T_3G、T_S3G、T_4G)に時間T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する。
なお、このステップS106において、各通信方式(3G、S3G、4G)のそれぞれにおける全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastが同等であり、バッテリ残量が少ない場合、最適方式選択制御部176は、各方式の送受信回路の平均消費電力値の低い順に、時間周期T1、T2、T3を設定する。
これは、各通信方式において、使用する周波数帯における増幅器(アンプ)、変調部、復調部などを構成する電子回路の消費電力量が異なることに起因する。つまり、各通信方式のデータ送受信処理部110、120、130、140,150、160のうち、処理部を構成する電子回路での平均消費電力が低い通信方式が選択されるように時間周期を設定する。このステップS106の後、ステップS107に移行する。
ステップS107では、最適方式選択制御部176は、ステップS106により設定された時間周期T1〜T3を、各データ受信処理部140、150、160に出力し、各データ受信処理部140、150、160では、入力される時間周期に基づいて、各通信方式の基地局毎の受信信号の受信状態(ここでは受信電力値)をチェックする。各通信方式の基地局毎に、これら基地局から送信される信号の受信状態をチェックする時間周期を設定するため、時間周期を変化させることによって、測定する通信方式の送信信号が決定される。例えばT3=無限大に設定する場合、時間周期T1及びT2が設定された通信方式の受信信号の受信状態のみチェックすることとなる。
最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177を用いて各通信方式の受信信号をチェックする時間周期を設定することで、複数の通信方式(3G、S3G、4G)からどの通信方式を通信で使用するかを決定することとなり、この決定した通信方式の情報を、データ送信方式選択部102に出力する。また、決定した情報を、対応する各送信処理部110、120、130に出力する。
このように各送受信処理部110、120、130,140、150、160に、基地局からの信号を測定する時間周期T1、T2、T3として、各通信方式毎に、信号の測定時間周期を変化させている。ここで、時間周期をT1≦T2≦T3、T3=無限大としているため、時間周期がT3である通信方式は実際には測定する時間周期は設定されず、移動端末100では、時間周期がT1とT2の通信方式のみを、実際には測定することになる。
よって、常に全ての通信方式の基地局からの信号を測定することなく、受信電力が大きい通信方式の受信信号を測定するため、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させることが可能となる。
なお、本実施の形態の各データ受信処理部140、150、160では、電力強度測定部143、153、163は、それぞれ各処理部140、150、160における低雑音増幅器142、152、162の後に配置される構成したが、これに限らない。
例えば、各データ受信処理部140、150、160と同様の構成において、低雑音増幅器142、152、162の後ではなく、復調処理部145、155、165の後に配置される構成としてもよい。
この一例を図6に示す。図6は、データ受信処理部の変形例1を示す図である。
図6は、3G用データ受信処理部140の変形例1である3G用データ受信処理部140aを示す図であり、このデータ受信処理部140aにおいて、3G用電力強度測定部143は復調処理部145の後に配置されている。
この構成によれば、3G用電力強度測定部143が電力強度を測定する際の対象とする受信信号には、電力強度を測定する前に、復調処理部145において、逆拡散処理などの復調処理が施されることとなる。このため、図2で示す3G用データ受信処理部140において電力強度を測定する際に、より正確な電力強度が測定可能となる。
なお、移動端末100において、3G用データ受信処理部140を3G用データ受信処理部140aにする場合、他の通信方式であるS3G、4G用データ受信処理部150、160(図2参照)も、3G用データ受信処理部140aと同様の構成とする。つまり、S3G、4G用データ受信処理部150、160(図2参照)の各々において、S3G、4G用電力強度測定部は、それぞれ、低雑音増幅器152、162の後ではなく、復調処理部155、165の後に配置され、入力信号に処理を行うものとする。この構成により、3G用データ受信処理部140aを3G用データ受信処理部140に変えた場合の効果と同様の作用効果、つまり、S3G、4Gにおいても正確な電力強度が測定される。
さらに、本実施の形態の各データ受信処理部140、150、160では、制御部に出力する受信状態情報を、各通信方式で利用される周波数帯域における全受信電力としたが、これに限らず各通信方式における伝搬ロスとしてもよい。この場合、各データ受信処理部140、150、160は、各通信方式用の電力強度測定部に換えて、各通信方式用の伝搬ロス測定部をそれぞれ備えるものとなる。
図7は、3G用データ受信処理部の変形例2としての3G用データ受信処理部140bを示す図であり、変形例2としての受信処理部は、図6の3G用データ受信処理部140aにおいて、3G用電力強度測定部143を3G用伝搬ロス測定部147に換えた構成を有する。つまり、データ受信処理部140bでは、3G用伝搬ロス測定部は復調処理部145の後に配置されている。
このように変形例2としてのデータ受信処理部140bの構成を、それぞれ異なる通信方式毎に対応したデータ受信処理部として備える移動端末は、制御部(図2で示す制御部170に対応)では、通信方式の異なるデータ受信処理部がそれぞれ備える伝搬ロス測定部から出力される情報に基づいて実際に通信する通信方式を判定している。
つまり、この変形例2のデータ受信処理部140bの構成を有する移動端末は、電力強度の代わりに伝搬ロスを基準に制御が行われる。なお、伝搬ロスは、一般的に、基地局から送信される基地局出力電力と移動端末100における受信電力から算出される。この場合、制御部における処理は、図5で示した「P_ALL_last」を伝搬ロスの逆数に置き換えるなどして行われるものである。
すなわち、所定の通信方式のデータ受信処理部から受信状態情報比較部174に入力される受信状態情報には伝搬ロスが含まれ、受信状態情報比較部174は、第1、第2及び第3の通信方式における受信状態情報の伝搬ロスと予め設定された伝搬ロスの規定値とを比較する伝搬ロス比較部を備えた構成する。このように構成された制御部は、最適方式選択部によって1番目に受信電力の大きい通信方式を選択し、選択した通信方式の受信状態を測定した後、受信状態情報比較部174によって、選択した通信方式の伝搬ロスと当該伝搬ロスの規定値とを比較し、選択した通信方式の受信状態情報の伝搬ロスが伝搬ロスの規定値より小さい場合、最適方式選択制御部176によって先に選択した通信方式以外の他の通信方式を選択して、選択した他の通信方式に対応する受信手段に受信状態を測定させる。
また、本実施の形態では、各受信処理部140、150、160に、基地局からの信号を測定する時間周期T1、T2、T3をT1≦T2≦T3として、T3=無限大とし、時間周期がT1とT2の通信方式のみを実際には測定することにしているが、これに限らず、常に全ての通信方式の基地局からの信号を測定することなく、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させるものであればどのように構成されていてもよい。
詳細には、まず、全ての通信方式のデータ受信処理部140、150、160を用いて、各通信方式の全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastを測定する。その後、最適方式選択制御部176は、1番高い信号レベルのものと2番に高い信号レベルのもののみチェックする。
そして、1番と2番の差が、予め設定された一定値より小さくなった場合(逆転含む)3番目の信号レベルであった通信方式における信号レベルを測定する。そして、最適方式選択制御部176は、全ての方式の受信電力を用いて再度順位付けをして1番目、2番目に高い信号レベルが測定された通信方式における受信電力のみ測定する。
この処理を詳細に説明する。
図8は、本発明に係る移動端末100の処理としての通信方式の選択方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図8に示す処理の前には、図5に示す処理と同様に、まず、移動端末100の電源をオンにした後、3G用データ受信処理部140が3G方式で利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定し、S3G用データ受信処理部150が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定し、4G用データ受信処理部160が、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定している。そして、バッテリ残量検知部174が、バッテリ195の電力残量を測定するとともに、通信方式選択処理が行われる。
この通信方式の選択方法では、ステップS201において、受信状態情報比較部174は、まず、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力(以下、「P_ALL_3G_last」として説明する)がS3Gで利用される周波数帯域における全受信電力(以下、「P_ALL_S3G_last」として説明する)より大きいか否かを判断し大きければステップS202移行し、否であれば、ステップS203に移行する。
ステップS202では、P_ALL_S3G_lastが、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力(以下、「P_ALL_4G_last」として説明する)より大きいか否かを判断し、大きければステップS204に移行し、そうでなければ、ステップS205に移行する。
ステップS204では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_3G_last>P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_lastという比較判断結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS206に移行する。
ステップS206では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS207に移行する。詳細には、ステップS206では、T_3G=T1、T_S3G=T2、T_4G=T3=∞に設定している。
ステップS207では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_3G_last-P_ALL_S3G_last<規定値P1であるか否かを判断し、P_ALL_3G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P1よりも小さい場合、ステップS208に移行し、P_ALL_3G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P1以上である場合、処理を終了する。
ステップS208では、4G用データ受信処理部160が4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
一方、ステップS205では、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastを判断し、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastであれば、ステップS209に移行し、満たしていなければステップS210に移行する。
ステップS209では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_last>P_ALL_S3G_lastという比較判断結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS211に移行する。
ステップS211では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS212に移行する。詳細には、ステップS211では、T_3G=T1、T_4G=T2、T_S3G=T3=∞に設定している。
ステップS212では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_last<規定値P2であるか否かを判断し、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P2よりも小さい場合、ステップS213に移行し、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P2以上である場合、処理を終了する。
ステップS213では、S3G用データ受信処理部150がS3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
ステップS210では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_4G_last>P_ALL_3G_last>P_ALL_S3G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS214に移行する。
ステップS214では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS215に移行する。詳細には、ステップS214では、T_4G=T1、T_3G =T2、T_S3G=T3=∞に設定している。
ステップS215では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_4G_last-P_ALL_3G_last<規定値P3であるか否かを判断し、P_ALL_4G_last-P_ALL_3G_lastが規定値P3よりも小さい場合、ステップS213に移行し、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P3以上である場合、処理を終了する。
また、ステップS203では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_lastであるか否かを判断し、P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_lastであれば、ステップS216に移行し、満たしていなければ、ステップS217に移行する。
ステップS216では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastであるか否かを判断し、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastであれば、ステップS218に移行し、満たしていなければ、ステップS219に移行する。
ステップS218では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_S3G_last>P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS220に移行する。
ステップS220では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS221に移行する。詳細には、ステップS220では、T_S3G=T1、T_3G =T2、T_4G=T3=∞に設定している。
ステップS221では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_S3G_last-P_ALL_3G_last<規定値P4であるか否かを判断し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_3G_lastが規定値P4よりも小さい場合、ステップS208に移行し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_3G_lastが規定値P4以上である場合、処理を終了する。
ステップS219では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_last>P_ALL_3G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS222に移行する。
ステップS222では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS223に移行する。詳細には、ステップS222では、T_S3G=T1、T_4G =T2、T_3G=T3=∞に設定している。
ステップS223では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_S3G_last-P_ALL_4G_last<規定値P5であるか否かを判断し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P5よりも小さい場合、ステップS224に移行し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P5以上である場合、処理を終了する。
ステップS224では、3G用データ受信処理部140が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
ステップS217では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_4G_last>P_ALL_S3G_last>P_ALL_3G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS225に移行する。
ステップS225では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS226に移行する。詳細には、ステップS225では、T4=T1、T_S3G =T2、T_3G=T3=∞に設定している。
ステップS226では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_4G_last-P_ALL_S3G_last<規定値P6であるか否かを判断し、P_ALL_4G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P6よりも小さい場合、ステップS224に移行し、P_ALL_4G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P6以上である場合、処理を終了する。
ステップS224では、3G用データ受信処理部140が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
すなわち、上述の通信方式の選択方法は、3G、S3G、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力の大小のパターン毎に、ステップS204、S209、S210、S217〜S219の場合を分類する。この後、ステップS206、S211、S214、S220、S222、S225においては、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3、T3=無限大)とし、チェックする時間周期をそれぞれ方式ごとに変化させる。
次いで、ステップS207、S212、S215、S221、S223、S226では、ステップS206、S211、S214、S220、S222、S225で信号チェック周期としてT1とT2を選択した方式の受信電力差、つまり、受信電力(真数)比が規定した値Pn(n=1、2、3・・・)よりも、小さいかどうかを判断する。この判断の結果、T1とT2を選択した方式の受信電力差がPnより小さい場合は、ステップS206、S211、S214、S220、S222、S225で信号チェック周期としてT3を選択した方式で利用される周波数帯域における全受信電力を測定した後でステップS201へと戻り再度、各方式の受信信号の順位付けを行う。大きい場合は、処理を終了する。このように本実施の形態では、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させることが可能となる。
また、通信システム200では、移動端末100は、S3G基地局220のエリア221内に4G基地局230のエリア231が存在すると仮定しているため、4Gの通信方式については、S3Gの信号レベルが3Gよりも高くなったときに、信号レベルをチェックするようにしてもよい。
図9は、移動端末100が、通信システム200内においてA方向に移動する際に、4Gの通信方式の信号レベルをチェックする処理の一例を説明するフローチャートである。
図9に示すように、ステップS301では、3G用受信データ処理部140が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定する。次いで、ステップS302において、3G用受信データ処理部150が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定し、ステップS303に移行する。
ステップS303では、受信状態情報比較部174は、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastとS3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastの差が規定の値P7と比較して大きいか小さいかを比較する。この差が小さい場合、ステップS304に移行し、差が大きい場合は、ステップS305に移行して、3G、S3G、4Gの基地局210、220、230からの信号をチェックする時間周期をそれぞれT1、T2、T3(=∞)とした後に処理を終了する。
ステップS304では、4G用受信データ処理部160が、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定して、ステップS306に移行する。
ステップS306では、受信状態情報比較部174が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastと、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastとの差が規定の値P8と比較し、差が小さい場合、ステップS307に移行し、差が大きい場合ステップS308に移行する。
(P_ALL_S3G_last)−(P_ALL_4G_last)<P8の場合の処理であるステップS307では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177を用いて、4G、S3G、3Gの基地局210、220、230からの信号をチェックする時間周期をそれぞれT1、T2、T3(=∞)とし、その後、処理を終了する。
(P_ALL_S3G_last)−(P_ALL_4G_last)≧P8の場合の処理であるステップS308では、S3G、4G、3Gの基地局210、220、230からの信号をチェックする時間周期をそれぞれT1、T2、T3(=∞)とし、その後、処理は終了する。
このように、移動端末100における4Gの通信方式については、S3Gの信号レベルが3Gよりも高くなったときに、信号レベルをチェックするようにしているため、常に、3つの通信方式の受信信号レベルをチェックする必要がなく、通信システム200における移動端末100において、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させることが可能となる。
また、移動端末100では、最初に全ての通信方式の受信状態を測定し、その時点で1番目のみそれ以降もチェックするようにしてもよい。つまり、使用している通信方式が切れそうになったとき(別の規定値より小さくなったとき)のみ他の通信方式をチェックするようにしてもよい。
図10は、移動端末100における通信方式の選択方法の別の例を示す図である。
まず、最初に、3G、S3G、4G用データ受信処理部140、150、160が、3G、S3G、4Gでそれぞれ利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastを各々測定する。また、バッテリ残量検知部172が、バッテリ195の電力残量を測定する。これらの処理の後、移動端末100は、図10に示すような通信方式の選択処理を行う。
すなわち、図10に示すように、ステップS401〜ステップS403において、受信状態情報比較部174は、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_last、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastの大小を比較するとともに判断する。
その後、ステップS404、S411、S417において、受信状態情報比較部174の判断結果に基づいて、最適方式選択制御部176は、3G、S3G、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力のうち最大である方式の信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大とする。
その後、ステップS405、S412、S418において、受信状態情報比較部174は、信号チェック時間周期をT1とした方式の受信信号電力が規定値よりも小さいか否かを判断する。これらの各ステップS405、S412、S418において、判断結果が大きい場合は、ステップS405、S412、S418にそれぞれ戻り、そのままのチェック時間T1で、他の通信方式に変更することなく、信号チェック時間周期をT1とした方式の基地局からの信号をチェックする。
一方、これらの各ステップS405、S412、S418において、判断結果が小さい場合、ステップS406、S413、S419にそれぞれ移行する。
ステップS406、S407、S413、S414、S419、S420では、先のステップS404、S411、S417でチェック時間を∞とした方式で利用される周波数帯域における全受信電力をそれぞれ測定する。
ステップS408、S415、S421では、受信状態情報比較部174は、それぞれの先のステップS404、S411、S417でチェック時間を∞とした方式、例えば、ステップS417ではS3Gと4G、で利用される周波数帯域における全受信電力を比較する。
その結果、受信状態情報比較部174からの比較結果に基づいて、最適方式選択制御部176はステップS409、S410、S416において、より受信電力が大きい方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大とした後、処理を終了する。例えばステップS409ではS3G方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大としている。
なお、図10に示す移動端末100における通信方式の選択方法のバリエーションとしては、最適方式選択制御部176が、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報における受信電力値と受信電力値の規定値とを比較して、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の前記受信電力値が前記受信電力値の規定値より小さい場合、第1、第2及び第3の通信方式のうち、受信電力を通信レートで除算したときの商が最も大きい通信方式を受信状態の測定をする通信方式として選択する方法も考えられる。
すなわち、測定した通信方式の周波数帯域における受信電力値が、当該受信電力値の規定値より小さい場合であっても、測定した通信方式の通信レートが小さい場合であれば、エラーレートを低くできるため、受信電力に対する電力/通信レートの比が最も大きい通信方式を測定(チェック)するものである。よって、移動端末100では、最初に全ての通信方式の受信状態を測定し、その時点で1番目のみチェックし、それ以降も一番目のみチェックし、使用している通信方式が切れそうになったとき(規定値より小さくなったとき)のみ他の通信方式をチェックする。
このように通信方式を選択するため、受信可能な全ての通信方式の信号の受信状態をチェックする必要がないため、移動端末100における低消費電力化が可能となる。
また、上記構成の移動端末100では、最初に測定した3つ(3G、S3G、4G)の方式の信号受信電力レベル差が同じである場合、デフォルト値、つまりデフォルト測定周波数である方式のみ測るとしたが、最初に測定した3つ(3G、S3G、4G)の方式の信号受信電力レベル差が小さい(MAX(a,b,c)−MIN(a,b,c)<規定値)場合も、デフォルト測定周波数である(その時の主流の)方式のみ測る構成としても良い。
例えば、デフォルト測定周波数として設定された信号の通信方式が3Gである場合、3G基地局からの信号のみ測定する。なお、デフォルトの基地局はファームの書き換えで対応する。
図11は、最初に測定した受信信号の電力レベル差が小さい場合の処理を説明するフローチャートである。
ステップS601では、受信状態情報比較部174は、測定した全受信電力のうち最大値をとる方式の値と最小値をとる方式の値の差と、予め設定された規定値P12と比較する(MAX(P_ALL_3G_last,P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)−MIN(P_ALL_3G_last,P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)<P12)。
ステップS601では、測定した全受信電力のうち最大値をとる方式の値と最小値をとる方式の値の差が、規定値P12より大きい場合、ステップS602に移行する。ステップS602〜ステップS622までの処理は、図10で説明したステップS401〜ステップS421までの処理と同様の処理であるため説明は省略する。
ステップS601において、測定した全受信電力のうち最大値をとる方式の値と最小値をとる方式の値の差が規定値P12より小さい場合、ステップS623に移行する。
ステップS623では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177によって、デフォルトでチェックすべきと規定されている基地局の信号のみを規定の時間周期でチェックするように設定し、デフォルトで規定されたデータ受信処理部に測定させる。なお、図11では、デフォルトのチェックする方式を3G方式としたが、これに限らず、S3G方式、4G方式としても良い。
次いで、ステップS624では、受信状態情報比較部174によって、そのデフォルトで利用される周波数帯域における全受信電力(ここでは、3Gの全受信電力P_ALL_3G_last)と規定値P13とを比較し、規定値P13以上であれば、ステップS623へと戻り再度デフォルト方式で利用される周波数帯域における全受信電力(ここでは、3Gの全受信電力P_ALL_3G_last)をチェックする。
一方、ステップS624において、デフォルトで利用される周波数帯域における全受信電力(ここでは、3Gの全受信電力P_ALL_3G_last)が規定値P13より小さいと判断された場合、ステップS625、S626と順に移行し、デフォルトでない方式(図11では、S3G,4G方式)で利用される周波数帯域における各通信方式の全受信電力(図11では、P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)を測定する。
ステップS627では、測定したデフォルトでない方式(図11では、S3G,4G方式)で利用される周波数帯域における全受信電力(図11では、P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)を比較する。具体的に、ステップS627では、S3Gの全受信電力P_ALL_S3G_lastが、4Gの全受信電力P_ALL_4G_lastより大きいか否かを判断し、大きい場合、ステップS610に移行し、4Gの全受信電力P_ALL_4G_last以下の場合、ステップS611に移行する。
ステップS610、S611では、それぞれ、比較した全受信電力のうち、大きい受信電力の通信方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大とした後、処理を終了する。例えばステップS610ではS3G方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大としている。
すなわち、ステップS610、S611、S617では、デフォルトでない通信方式のうち受信電力が大きい方式の信号チェック時間周期をT1としそれ以外を∞として処理を終了している。
ここで、デフォルトで測定すべき方式は、基地局からの制御信号に基づいてファームの書き換えを行うなどで対応できる。これにより、サービスがまだ開始されていない、もしくは、サービスが終了された場合に、移動端末100の操作者が意識および煩雑な操作をすることなく端末における制御方式が変更され無駄な電力消費を抑えることが出来る。
図12は、本発明の実施の形態の通信システム200に属する移動端末装置の別例である移動端末500の概略構成を示すブロック図である。
図12に示す移動端末500は、通信システム200における複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを送受信する機能を有する。
移動端末500は、通信方式毎に基地局210、220、230からの信号を測定する時間間隔を変えて測定し、その測定した値に基づいてデータを送受信する際に利用する通信方式を判断する。
移動端末500における判断の方法は、SIR(希望波信号電力対干渉電力比、Signal to Interference power Ratio)を用いるものであり、通信可能な通信方式の受信状態(SIR)を、最初に全部測定し、その時点での1番目に受信状態(ここでは、SIR)のみそれ以降もチェックする。SIRが規定値より小さくなったら他の通信方式のSIRを測定するよう制御される。
図12に示す移動端末500は、図2に示す一実施の形態に対応する移動端末100と同様の基本的構成を有し、各通信方式の受信状態情報を測定する測定部と、これら測定部により測定される受信状態情報に基づいて最適な通信方式を選択する制御部の構成のみ異なる。よって、以下では、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
すなわち、移動端末500は、各通信方式用データ受信処理部140、150、160は、3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163に代えて、3G用、S3G用、4G用SIR測定部148、158、168を備える。
そして、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160aは、それぞれの通信方式で処理を行う3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162、受信処理部144、154、164、復調処理部145、155、165、復号化処理部146、156、166、3G用、S3G用、4G用SIR測定部148、158、168を具備する。
3G用、S3G用、4G用SIR測定部148、158、168は、それぞれ入力される信号を用いて、復調後にそれぞれ入力される信号のSIRを測定する。これら測定結果は、制御部170aに出力される。
また、移動端末500は、各SIR測定部148、158、168からの測定情報に基づいて通信方式選択の処理を行う制御部170aを備える。
移動端末500は、複数の通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aにおいて、制御部170aにより設定される所定の時間周期で各通信方式のそれぞれにおけるSIR値を測定する。測定した全受信電力及びSIR値は、受信状態情報として制御部170aに出力する。
図13は、図12に示す移動端末500における制御部170aの要部構成を示すブロック図である。
図13に示すように制御部170aは、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160aから入力される信号、メモリ190からの情報、バッテリ195の情報に基づいて通信をどの通信方式(ここでは、3G、S3G、4G)で行うかを選択し、その選択結果を用いて、データ送信方式選択部102において、データ送信方式選択部102に入力される入力信号をどの送信方式により情報として送信するかを決定する。
制御部170aは、バッテリ残量検知部172と、受信状態情報比較部174aと、最適方式選択制御部176aとを有し、受信状態比較部174aは、SIR比較部1742を有する。
SIR比較部1742は、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aから入力される信号である受信状態情報のうち通信方式の利用周波数帯におけるSIRを比較して、各通信方式の基地局210、220、230からの信号の受信状態の比較結果として最適方式選択制御部176aに出力する。
最適方式選択制御部176aは、バッテリ残量検知部172、受信状態情報比較部174aのSIR比較部1742及びメモリ190に格納される制御テーブルなどからの情報に基づいて、実際の電波伝搬環境状態において最も通信に適した通信方式を選択する。
詳細には、最適方式選択制御部176aは、受信状態情報比較部174aにより比較結果として出力される各通信方式からの受信信号のSIR値が異なる場合、大きい順に、受信信号に基づくSIRを測定する時間周期T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する時間周期設定部177を備える。このとき、時間周期設定部177は、T2=T3=∞として、実際の測定は、時間周期がT1の通信方式のみで行われるようにする。なお、複数の通信方式における受信信号のSIR値が同じである場合、最適方式選択制御部176aは、デフォルト値として設定された通信方式を選択する。
そして、最適方式選択制御部176aは、選択した通信方式によってデータの送受信を行うために、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aに、時間周期設定部177によって、それぞれ設定された時間周期で受信状態、ここではSIRの測定を行わせる制御信号を出力して制御する。
つまり、最適方式選択制御部176aでは、時間周期設定部177が、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160a毎に、それぞれ対応する基地局210、220、230のSIRを測定する時間周期(T1、T2、T3)を設定する。なお、本実施の形態におけるT1、T2、T3は、0<T1、T2、T3≦∞、且つ、T1≦T2≦T3を満たす任意の期間とする。
これら設定した時間周期を、時間周期設定部177が、各データ受信処理部140c、150a、160aに割り当てることによって、最適方式選択制御部176aでは、実際に受信状態(ここでは、SIR)を測定する通信方式を選択している。
この最適方式選択制御部176aにおいて、時間周期設定部177における時間周期の設定は、バッテリ195の電力残量、SIR値に関連付けられており、メモリ190に格納されるバッテリ195の電力残量(バッテリ残量)、SIR値、基地局チェック時間T及びSIRとの関係に基づいて設定される。具体的には、時間周期の設定は、通信方式を選択するためのものであり、3G、S3G、4Gの基地局210,220、230からの受信信号のうち、どの受信信号を受信して受信状態(SIR)の測定を行うかの設定と同義となる。
このように、移動端末500の制御部170aは、まず、各データ受信処理部140c、150a、160aにより、それぞれ通信方式毎の全受信電力を測定させる。そして、測定された各通信方式毎の受信電力を、受信状態情報比較部174aのSIR比較部1742により比較させて、その比較結果から最適方式選択制御部176aが、最もSIR値が高い通信方式の信号を使用する通信方式として選択する。そして、最もSIR値が高い通信方式のデータ受信処理部を用いて、それ以降の選択した信号のSIRを測定させる。この最も受信信号が高かった通信方式における受信信号のSIRをSIR比較部1742が監視し、予め設定された規定値より小さい場合、他の通信方式のSIRを測定するよう制御する。
このように通信方式を選択するため、受信可能な全通信方式の信号の受信状態をチェックする必要がないため、移動端末500における低消費電力化とともにQoS(Quality of Service )の向上化を図ることができる。
上記移動端末500において、各通信方式のSIRを測定する構成としたが、これに限らず、通信相手である基地局(例えば図1では210、220、230で示す基地局)で行い、SIR値のみ移動端末500に通知する構成としても良い。この場合、SIR測定部148、458、168に代えて受信信号からSIR値を取得するSIR値取得部を配置する構成とする。
また、上記移動端末500において、各通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aは、受信情報状態検出のための手段として、SIR測定部148、158、168を備える構成としたが、これに限らず、各SIR測定部148、158、168に代えて、受信信号のビットレートを測定するビットレート測定部を設けた構成としても良い。この場合、制御部170aでは、受信状態情報比較部174aは、SIR比較部1742に代えてビットレート比較部を設けた構成となる。この場合、比較する対象が、各通信方式におけるSIRが、各通信方式におけるビットレートに代わり、その他比較の方法などは同様であるため説明は省略する。また、移動端末500において、各通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aは、検出する受信情報状態をSIRではなく、BER、FERとしてもよい。この場合、各SIR測定部148、158、168に代えて、受信信号のBER或いはFERを測定する測定部を設けた構成とし、制御部側に比較部においても、SIR比較部に代えて、BER比較部或いはFER比較部を配置する構成とする。
また、移動端末500は、各通信方式におけるSIR値とともに受信電力値を比較し、これらの比較結果に基づいて使用する通信方式を選択する構成としてもよい。例えば、移動端末500は、複数の通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aが、SIR値とともに電力強度、具体的には、それぞれ対応する通信方式の利用周波数帯における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastをそれぞれ測定し、制御部170aに出力する構成とする。一方、制御部170aは、受信状態情報比較部174aを、全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastの大小比較も行う構成とする。
詳細には、制御部170aにおいて、SIR比較部1742は、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aから入力される信号である受信状態情報のうち通信方式の利用周波数帯におけるSIRを比較するとともに、これら入力されるSIR値と比較するために予め設定された規定値を有し、各通信方式のSIRを、予め設定された規定値と比較して、各通信方式の基地局210、220、230からの信号の受信状態の比較結果として最適方式選択制御部176aに出力する。
そして、最適方式選択制御部176aは、バッテリ残量検知部172、受信状態情報比較部174aのSIR比較部1742及びメモリ190に格納される制御テーブルなどからの情報に基づいて、実際の電波伝搬環境状態において最も通信に適した通信方式を選択する。詳細には、最適方式選択制御部176aは、受信状態情報比較部174aにより比較結果として出力される各通信方式からの受信信号の電力値が異なる場合、大きい順に、受信信号に基づくSIRを測定する時間周期T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する時間周期設定部177を備える。このとき、時間周期設定部177は、T2=T3=∞として、実際の測定は、時間周期がT1の通信方式のみで行われるようにする。
なお、複数の通信方式における受信信号の電力値が同じである場合、最適方式選択制御部176aは、デフォルト値として設定された通信方式を選択する。次いで、最適方式選択制御部176aは、選択した通信方式によってデータの送受信を行うために、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aに、時間周期設定部177によって、それぞれ設定された時間周期で受信状態、ここではSIRの測定を行わせる制御信号を出力して制御する。
つまり、最適方式選択制御部176aでは、時間周期設定部177が、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160a毎に、それぞれ対応する基地局210、220、230のSIRを測定する時間周期(T1、T2、T3)を設定する。なお、本実施の形態におけるT1、T2、T3は、0<T1、T2、T3≦∞、且つ、T1≦T2≦T3を満たす任意の期間とする。
これら設定した時間周期を、各データ受信処理部140c、150a、160aに割り当てることによって、最適方式選択制御部176aは、実際に受信状態(ここでは、SIR)を測定する通信方式を選択する。
このように、移動端末500の制御部170aは、まず、各データ受信処理部140c、150a、160aにより、それぞれ通信方式毎の全受信電力を測定させる。そして、測定された通信方式毎の受信電力を比較し、この比較結果から最適方式選択制御部176aが、最も受信電力レベルが高い通信方式の信号を使用する通信方式として選択する。
そして、最も受信電力レベルが高い通信方式のデータ受信処理部を用いて、それ以降の選択した信号のSIRを測定させる。この最も受信信号が高かった通信方式における受信信号のSIRをSIR比較部1742が監視し、予め設定された規定値より小さい場合、他の通信方式のSIRを測定するよう制御する。このように通信方式が選択されるため、受信可能な通信方式の信号の受信状態を全てチェックする必要がなく、移動端末500における低消費電力化とともにQoS(Quality of Service )の向上化を図ることができる。
また、移動端末100、500において、3G用データ受信処理部140、140c、S3G用データ受信処理部150、150a、4G用データ受信処理部160、160aは、RAKE受信での1系統(フィンガ等)で構成されてもよい。
なお、各通信方式のデータ受信処理部140、140a〜140c、150、150a、160、160aにおいてそれぞれ測定される利用周波数帯域における受信信号についてであるが測定した各通信方式の受信信号の電力値が同じである場合、最適方式選択制御部176、176aは、それぞれデフォルト値として設定された通信方式を選択するものとしたが、これに限らず、受信信号の電力ピークが高い方の通信方式を選択する構成としても良い。
例えば、本実施の形態における移動端末100、500において、電力強度測定部143、153、163もしくはSIR測定部148、158、168にピーク電力測定機能を付加することによって、受信信号の帯域は狭いが信号の強い方式を優先するようにする。
図14は、電力強度測定部143、153、163もしくはSIR測定部148、158、168にピーク電力測定機能を付加することによって、異なる通信方式の受信信号を測定した際に、同じ電力値であり且つ電力ピークが異なる通信方式の受信信号の一例を示す図である。
図14では、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastの電力値801と、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastの電力値802とが示されており、電力値801の面積=電力値802の面積となっている。
この図14に示すようにS3G方式の方が高い場合、電力強度測定部143、153、163もしくはSIR測定部148、158、168から制御部170、170aに出力される情報を用いて、受信状態情報比較部174、174aでは、電力ピークを含めた比較を行い、最適方式選択制御部176、176aでは、電力ピークの高いS3Gの通信方式を選択する。このように、ピーク電力が高い方式を優先するため、通信速度及び品質の向上化を図ることができるとともに、省電力化及び利用通信方式における高ビットレート化を図ることができる。
また、上記制御部170は、受信状態情報比較部174において、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報における受信電力値と受信電力値の規定値とを比較して、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の受信電力値が、予め設定された受信電力値の規定値より小さい場合、最適方式選択制御部176において、3G、S3G及び4Gの通信方式のうち、受信電力を通信レートで除算したときの商が最も大きい通信方式を受信状態の測定をする通信方式として選択して、受信状態を測定させる構成としてもよい。
なお、本実施の形態は通信方式の異なる通信システムとして、主にセルラシステムについて説明したが、無線LANや固定無線システムのような他の無線通信システムと併合したシステムとしても良い。
本発明に係る移動通信端末装置及び通信システムは、周波数帯がそれぞれ異なる複数の通信方式のそれぞれで通信可能であるとともに、省電力化を図る効果を有し、周波数帯がそれぞれ異なり混在している地域に用いられるものとして有用である。
本発明は、複数の通信方式により通信を行うことができる移動通信端末装置および通信システムに関する。
従来から通信方式の異なる複数のサービスが混在している地域において、すでにある一つのネットワークに接続している移動端末が、移動に伴ってそのネットワークへの接続が困難になった場合に、異なった種類の別のネットワークに切り替えて、接続を継続できるようにすることが考えられている。
複数の通信方式の異なる通信システムと通信可能な移動端末の通信方法としては、例えば、特許文献1に示すものがある。この特許文献1には、無線LAN(Local Area Network)と第3世代移動体通信システム(以下「3G」という)であるW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の双方の方式と通信可能な移動端末を備える無線通信システムが開示されている。この特許文献1における移動端末は、受信した下り信号の受信品質に基づいて、移動先となる無線アクセス局を収容する方式の通信システムを決定する。また、特許文献1では、移動端末から通知される無線システムの種別情報に基づいてネットワーク内のデータベースを参照し、サーバ側で、移動端末の要求を満たすハンドオーバの方式を選択する。
また、特許文献2では、CDMA(Code Division Multiple Access)通信方式を用いた異なる世代の基地局がエリア毎に分かれて配置され、あるエリアから世代の異なるエリアへ移動局が移動した場合に、基地局を切り替えて、切断なく基地局間のハンドオーバを実現する方法が記載されている。
特開2004−260444号公報 特開2000−201369号公報
ところで、移動体通信システムにおいては、第4世代移動体通信システム(以下、「4G」という)のサービスインが予定されている。4Gへ至る過程において、既存の第3世代移動体通信システム(以下、「3G」という)から円滑に移行することを狙い、3Gと4Gとの間に中間的な位置付けであるSuper3G(以下、「S3G」という)の導入が提案されている。
なお、3Gは、W−CDMAやCDMA2000を代表とする通信方式であり、周波数帯域は2GHz帯であり、幹線ネットワークはATMネットワークである。また、S3Gは、1.7又は2.5GHz帯を利用周波数帯として検討されている通信方式である。S3Gでは、下りに「VSF−OFDM(Variable Spreading Factor, Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)」、上りに「DS−CDMA(Direct Spread Code Division Multiple Access)」が用いられ、データ転送速度は静止時に100Mbps、移動時に30Mbps、遅延時間は現行の約10msに対して2.0ms以下となっている。S3Gの幹線ネットワークはIPネットワークである。さらに、4Gは、利用周波数帯を5GHzとしてS3Gと同様の技術を用いてなり、下り用に4.635GHzを中心とする100MHz分、上り用に4.9GHzを中心とする30MHz分の周波数帯が用いられている。この4Gは、複数のアンテナを使うMIMO(Multiple Input,Multiple
Output)を既存の無線システムに追加する形で導入してなり、データ転送速度は静止時
に1Gbps、移動時に100Mbpsとなっており、幹線ネットワークはIPネットワークである。
このような3G、S3G及び4G等のような周波数帯及び伝送速度(ビットレート)の異なる複数の通信方式のエリアが混在する地域においては、それぞれの通信方式で通信可能な移動端末な通信システムを実現したいという要望がある。
これを実現するためには、3Gエリア、S3Gエリア、4Gエリアという通信方式の異なる複数のサービスが混在している地域では、移動端末は、3G、S3G、4Gといった異なる周波数用の受信装置、送信装置を具備することになる。特に、周波数が異なる通信方式の基地局のそれぞれが、それぞれのエリアにおけるセル情報を相互にやり取りしていない場合、移動端末側において最初に全通信方式の基地局分のセルサーチを行う必要が生じる。加えて、その後、常にそれぞれの方式の信号を受信及び復号する必要が生じるため、消費電力が増大する。
また、移動端末により通信方式の異なる複数のサービスを利用できる通信システムを実現するために、移動端末では、周波数帯が異なる複数の通信方式のネットワークに対して、ビットレートを優先して、選択する通信方式を決定する場合が考えられる。この場合、まず基本は全通信方式(3G、S3G、4G)においてそれぞれセルサーチを行って各々の通信状態を測定し、常にスピードの出る通信方式に切り替えていくことになるが、常に全通信方式(3G、S3G、4G)の信号を受信、復調することが必要となるため、消費電力が増大してしまう。
さらに、3GとS3Gと4G等のそれぞれ通信方式の異なる基地局同士が相互にセル情報をやり取りしている場合では、下りリンクのパイロットチャネルの受信レベルが最大なセルに接続した後、このセルからの報知情報を受信、復号することで周辺のセル情報を得ることになる。そして、3つの周波数帯の異なる通信方式の基地局のうち、最大受信レベルの基地局に接続した後、随時周辺セル情報を入手して適切なセルへハンドオーバすることが考えられる。
しかしながら、近隣にセルがあることは分かってもその端末にとって最適条件かの判断のためにセルサーチを行う必要がある。このため、移動端末では各通信方式の基地局からそれぞれ送信される信号の受信レベルを定期的に全てチェックすることが必要となり、その分、消費電力が増大することとなる。
このように、3Gエリア、S3Gエリア、4Gエリアという通信方式の異なる複数のサービスが混在している地域では、移動端末は、3G、S3G、4Gといった異なる周波数用の受信装置、送信装置を使用して、それぞれ異なる周波数帯の電波を常に監視することになるため、それぞれ周波数帯の異なる方式の送受信用の受信装置及び送信装置のそれぞれで電力を消費するため、消費電力量が非常に大きくなるという問題が発生する。
また、3Gエリア、S3Gエリア、4Gエリアという複数のサービスが混在している地域では、セルサーチやハンドオーバはどの通信方式間移動に対応したものを選択すべきか等の処理が多く困難になる。
特許文献1では、移動端末から通知される無線システムの種別情報に基づいてサーバ側で、移動端末の要求を満たすハンドオーバの方式を選択するため、移動端末側でハンドオーバ方式を選択しなくてもよいが、決定する無線システムの諸別情報について、どのように受信品質を判断しどのように決定するかについては具体的に開示されていない。
また、特許文献2では、移動端末が行う通信方式が異なる複数の世代(2G、3G)の基地局の選択方法は開示されているが、基地局を選択する際の省電力化を図る記載は一切開示されていない。
本発明の目的は、周波数帯の異なる複数の通信方式のそれぞれでスムーズに通信可能であるとともに省電力化が図られた移動通信端末装置及び通信システムを提供することである。
本発明の移動通信端末装置は、電池と、前記電池により駆動し、利用周波数帯及び通信エリアが異なる第1、第2及び第3の通信方式の信号を、アンテナを介してそれぞれ受信するとともに、受信した信号から、前記第1、第2及び第3の通信方式毎の受信状態をそれぞれ測定し、それぞれ受信電力値を含む受信状態情報として出力する第1、第2及び第3受信手段と、前記電池の電池残量と前記第1、第2及び第3受信手段毎の受信状態情報に基づいて、前記第1、第2及び第3受信手段のうち一つ又は二つの受信手段に対して受信状態の測定周期を設定し、設定した測定周期により前記一つ又は二つの受信手段を制御して受信状態を測定させる制御手段と、前記測定された受信状態を示す前記受信状態情報を用いて前記第1、第2及び第3の通信方式における受信電力の大小を比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1、第2及び第3の通信方式のうち、受信状態を測定する通信方式を選択して、前記第1、第2及び第3受信手段のうち選択した通信方式に対応する受信手段に対して前記測定周期を設定する方式選択部とを具備し、前記制御手段は、前記方式選択部が選択した通信方式に対応する受信手段を制御して受信状態を測定させる構成を採る。
以上説明したように、本発明によれば、周波数帯がそれぞれ異なる複数の通信方式のそれぞれで通信可能であるとともに、省電力化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態における移動通信端末装置(以下、「移動端末」という)は、利用周波数帯と通信エリアの大きさがそれぞれ異なる複数の通信方式に対応しており、これら通信方式のエリア(サービスネットワーク)は重なっている。
ここでは、利用周波数帯が異なり、利用周波数及び通信エリアの大きさがそれぞれ異なる複数の通信方式のエリアを、第1〜第3通信方式のエリアとし、これら通信方式のエリアは、第1から第3までの順にビットレートが高いものする。さらに、第1から第3通信方式の通信エリアは、第1から第3の順に狭いものとなっている。
詳細には、第1通信方式のエリア圏内に、第1通信方式と利用周波数帯が異なると共に第1通信方式よりもビットレートの高い第2通信方式のエリアが存在する。また、この第2通信方式のエリア圏内に、第2通信方式と利用周波数帯が異なるとともに第2通信方式よりもビットレートの高い第3通信方式のエリアが存在している。
図1は、本発明の一実施の形態に係る移動通信端末100の通信システム200における通信状態を説明する図であり、図1Aは本発明の一実施の形態に係る移動通信端末を有する通信システムの一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と受信位置の関係の一例を示す図、図1Cは、図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と周波数の関係の一例を示す図である。
図1Aに示す本実施の形態の移動端末100は、複数の通信方式のそれぞれに対応して通信可能なものである。通信に利用される周波数帯及びビットレートがそれぞれ異なる複数の通信方式を、ここでは、第1〜第3通信方式とし、それぞれの通信エリアが重なるともに、ビットレートが順に高くなる3G、S3G、4Gとする。
まず、移動端末100が属する通信システムについて説明する。
図1Aに示す移動端末100の属する通信システム200では、3G基地局210による3Gの通信エリア(3Gのサービスエリア211)内に、S3Gの基地局220及びS3Gの通信エリア(S3Gのサービスエリア221)が配置されている。そして、このS3Gの通信エリア(S3Gのサービスエリア221)内に、4Gの基地局230が配置されるとともに、この4Gの基地局230による通信エリア(4Gのサービスエリア231)が配置されている。なお、図1B及び図1Cは、図1Aに示す通信システム200内において移動端末100が矢印方向(矢印A方向)に移動していく場合に対応する。
つまり、図1Bは、移動端末100が図1Aの通信システム200においてA方向に移動する場合において、各通信方式の基地局210〜230からそれぞれ送信された信号を受信したときの信号強度を示している。具体的には、図1B中、グラフ212は、周波数が2GHz帯の信号である3G基地局210からの無線信号を受信した場合の移動端末100における信号強度の一例を示している。また、グラフ222は、周波数が1.7もしくは2.5GHz帯の信号であるS3G基地局220からの無線信号を受信した場合の移動端末100における信号強度の一例を示している。さらに、グラフ232は、周波数が
5GHz帯の信号である4G基地局230からの無線信号を受信した場合の移動端末100における受信強度の一例を示している。
また、図1Cは、各基地局210〜230から発信している拡散信号を移動端末100にて受信した時の信号強度と周波数の関係を示しており、グラフ213は3G基地局から出されている変調信号の一例、グラフ223はS3G基地局から出されている変調信号の一例、グラフ233は4G基地局から出されている変調信号の一例をそれぞれ示す。
図2は、本発明の一実施の形態に係る移動通信端末装置としての移動端末の概略構成を示すブロック図である。
図2に示す移動端末100は、通信システム200における複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを送受信する機能を有する。移動端末100では、データを送受信する際に利用する通信方式は、通信方式毎に基地局210、220、230からの信号を測定する時間間隔を変えて測定し、その測定した値に基づいて判定される。
図2に示す移動端末100は、データ送信方式選択部102、複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを送信するデータ送信処理部110、120、130、複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを受信するデータ受信処理部140、150、160、フィルタ105、106、合分波器107、アンテナ108、制御部170、メモリ190、バッテリ(図では電池195で示す)195を備える。
なお、データ送信処理部110、120、130及びデータ受信処理部140、150、160は、それぞれ3G、S3G、4Gに対応している。3Gの基地局210と送受信処理を行う各処理部を3G用データ送信処理部110、3G用データ受信処理部140、S3Gの基地局220と送受信処理を行う各処理部をS3G用データ送信処理部120、3G用データ受信処理部150、4Gの基地局230と送受信処理を行う各処理部を4G用データ送信処理部130、4G用データ受信処理部160として説明する。
データ送信方式選択部102は、制御部170から入力される制御情報に基づいて、入力される入力信号を、複数の通信方式のうち、どの通信方式の情報として送信するかを選択する。そして、データ送信方式選択部102は、選択した通信方式に対応するデータ送信処理部に、送信する情報を出力する。詳細には、情報を送信する通信方式が3G、S3G及び4Gの通信方式のうちの一つである場合、データ送信方式選択部102に入力される入力信号は、3G用データ送信処理部110、S3G用データ送信処理部120及び4G用データ送信処理部130の一つに出力される。
3G用データ送信処理部110、S3G用データ送信処理部120及び4G用データ送信処理部130は、データ送信方式選択部102を介して入力される入力信号を、それぞれ対応する通信方式の情報として送信できるように処理してフィルタ105に出力する。そして、フィルタ105に入力される信号は、合分波器107を介してアンテナ108から無線信号として送信する。
ここで、3G用データ送信処理部110、S3G用データ送信処理部120及び4G用データ送信処理部130は、入力される信号を、それぞれの通信方式で処理し、それぞれの通信方式で送信できる情報にする。具体的な構成としては、各データ送信処理部110、120、130は、データ送信方式選択部102から入力される入力信号に対して、それぞれの通信方式で処理する符号化処理部112、122、132、変調処理部113、123、133、送信処理部114、124、134、増幅器115、125、135を有する。なお、増幅器115、125、135は、それぞれの処理に用いる通信方式に対
応して、図2では、3G用増幅器115、S3G用増幅器125、4G用増幅器135として示している。
符号化処理部112、122、132は、それぞれの通信方式で、入力される信号を符号化し、変調処理部113、123、133に出力する。
変調処理部113、123、133は、それぞれの通信方式で、符号化処理部112、122、132から入力される信号に変調処理を施して、送信処理部114、124、134に出力する。
送信処理部114、124、134は、変調処理部113、123、133から入力される信号をアップコンバートして、それぞれの通信方式で利用される周波数の信号に変換して、各通信方式用増幅器115、125、135に出力する。
3G用増幅器115、S3G用増幅器125、4G用増幅器135は、送信処理部114、124、134から入力される信号を、それぞれの通信方式で利用される送信周波数に適した信号レベルとなるように増幅してフィルタ105に出力する。
各通信方式に対応するデータ受信処理部140、150、160は、ここでは、3G、S3G、4Gのそれぞれに対応しており、それぞれの通信方式(3G、S3G、4G)に対応して信号(データ)を受信する。なお、ここでは、各通信方式に対応するデータ受信処理部140、150、160をそれぞれ3G用データ受信処理部140、S3G用データ受信処理部150、4G用データ受信処理部160として図示している。
各データ受信処理部140、150、160は、アンテナ108、合分波器107を経た後、フィルタ106を介して3G、S3G、4Gのそれぞれの利用周波数毎に分配された無線信号(データ)が入力される。そして、各データ受信処理部140、150、160は、入力された無線信号に基づいて、制御部170において、利用する通信方式を選択する際の指標となる無線信号の受信状態情報を測定し制御部170に出力するとともに、受信した信号をデータとして外部に出力する。図2では、各データ受信処理部140、150、160は、受信状態情報として、制御部170により設定される所定の時間周期で各通信方式のそれぞれにおける全受信電力を測定している。
各データ受信処理部140、150、160について詳細に説明する。
3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160は、それぞれの通信方式で処理を行う3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162、3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163、受信処理部144、154、164、復調処理部145、155、165、復号化処理部146、156、166を具備する。
3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162は、入力される信号を、付加雑音を少なく保ちながら増幅して、3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163及び受信処理部144、154、164に出力する。
受信処理部144、154、164は、3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162からの入力信号に対して、ダウンコンバートや自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)処理を行う。そして、受信処理部144、154、164は、処理を施した入力信号を復調処理部145、155、165に出力する。
復調処理部145、155、165は、入力された信号に対して、逆拡散処理などの処理を行い復調し、復調された信号は、復号化処理部146、156、166に出力され、復号化処理部146、156、166において復号化される。
復号化処理部146、156、166において復号化された信号はデータとして、移動端末100が備える外部出力装置104を介して外部に出力される。なお、外部出力装置104としては、LED(Light-Emitting Diode)、液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声を出力する音声出力装置、記憶装置などが挙げられる。
3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163は、それぞれ入力される信号の電力強度、具体的には、それぞれ対応する通信方式の利用周波数帯における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastを測定する。これら測定結果は、制御部170に出力される。なお、「_last」は、本実施の形態では測定結果の最新データを意味することとする。
これら測定結果を受けて、制御部170は、利用する通信方式を選択し、選択する通信方式での受信処理を行うために、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160のうち対応するデータ受信処理部を制御して、受信処理を行わせ、受信処理が行われたデータを外部出力装置104に出力させる。
図3は、図2に示す移動通信端末における制御部170の要部構成を示すブロック図である。
制御部170は、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160から入力される信号、メモリ190からの情報、バッテリ195の情報に基づいて通信をどの通信方式(ここでは、3G、S3G、4G)で行うかを選択し、その選択結果を用いて、データ送信方式選択部102において、データ送信方式選択部102に入力される入力信号をどの送信方式により情報として送信するかを決定する。
図3に示すように制御部170は、バッテリ残量検知部172と、受信状態情報比較部174と、最適方式選択制御部176とを有する。
バッテリ残量検知部172は、制御部170に接続されているバッテリ195の電力残量状態を検知し、最適方式選択制御部176によって、最適方式選択制御部176に出力するように制御される。
受信状態情報比較部174は、3G用データ受信処理部140、S3G用データ受信処理部150、4G用データ受信処理部160から入力される信号である受信状態情報を用いて、各通信方式の基地局210、220、230からの信号の受信状態を比較し、その比較結果を最適方式選択制御部176に出力する。
なお、この受信状態情報比較部174は、各データ受信処理部140、150、160から入力される信号をそのまま比較対象として用いてもよいし、入力される信号から別の基準となる情報を抽出して、抽出した情報同士を比較してもよい。さらに、入力される信号と予め設定された閾値と比較してもよいし、入力信号から抽出した情報と、予め設定された閾値とを比較してもよい。この受信状態情報比較部174は、最適方式選択制御部176により制御される。
ここでは、受信状態情報は、3G用電力強度測定部143、S3G用電力強度測定部153、4G用電力強度測定部163からそれぞれ入力される信号の電力強度(受信電力)
つまり、各通信方式(3G、S3G、4G)で受信する信号の受信電力レベルである。
よって、本実施の形態では、受信状態情報比較部174は、3G、S3G、4Gにおける信号の電力強度を比較している。
最適方式選択制御部176は、バッテリ残量検知部172、受信状態情報比較部174及びメモリ190に格納される制御テーブルなどの情報に基づいて、実際の電波伝搬環境状態において最も通信に適した通信方式を選択する。
具体的に最適方式選択制御部176は、受信状態情報比較部174により出力される比較結果として出力される各通信方式からの受信信号の電力値が異なる場合、大きい順に、受信信号を測定する時間周期T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する時間周期設定部177を備える。このとき、時間周期設定部177は、T3=∞として、実際の測定は、時間周期がT1、T2の通信方式のみで行われるようにする。すなわち、T3=∞とすることで、3つの通信方式のうち最も受信信号の電力値が小さい通信方式、言い換えれば、3つの通信方式のうち最も受信電力強度が小さい通信方式に対しては時間周期を設定しないようにする。なお、このように、所定の信号方式の受信信号を測定する時間周期を設定しない場合は、時間周期T=∞に代えてT=0としてもよい。
また、複数の通信方式における受信信号の電力値が同じである場合、最適方式選択制御部176は、デフォルト値として設定された通信方式を選択する。
そして、最適方式選択制御部176は、選択した通信方式によってデータの送受信を行うために、3G用データ受信処理部140、S3G用データ受信処理部150、4G用データ受信処理部160に、時間周期設定部177によって、それぞれ設定された時間周期で受信状態の測定を行わせる制御信号を出力して制御する。
つまり、最適方式選択制御部176では、時間周期設定部177が、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140、150、160毎に、それぞれ対応する基地局210、220、230からの信号を測定する時間周期(T1、T2、T3)を設定する。
これら設定した時間周期を、各データ受信処理部140、150、160に割り当てることによって、最適方式選択制御部176は、実際に受信状態(ここでは、受信信号強度)が測定される通信方式を選択している。
この最適方式選択制御部176において、時間周期設定部177における時間周期の設定は、バッテリ195の電力残量に関連付けられており、メモリ190に格納されるバッテリ195の電力残量(バッテリ残量)と基地局チェック時間Tとの関係に基づいて設定される。具体的には、時間周期の設定は、3G、S3G、4Gの基地局210、220、230からの受信信号のうち、どの受信信号に対して受信状態の測定を行うかの設定と同義となる。
図4は、メモリ190に格納されるバッテリ195の電力残量(バッテリ残量)と、通信状態を測定する際の時間周期との関係の一例を示す図である。この図は、バッテリ残量と移動端末100が各通信方式の基地局をチェックする時間周期(T_3G、T_S3G、T_4G)との関連付けを示している。
図4に示すように、移動端末100のバッテリ195の電力残量が多い場合は、各通信方式毎の受信状態(信号強度)測定時間周期Tは短くなっており、全ての通信方式の基地局210、220、230からの信号を測定する。また、図4に示すように、バッテリ残
量が小さくなるにつれて、受信状態の測定対象とする通信方式の数は小さくなる。
メモリ190は、バッテリ195の電力残量(バッテリ残量)と、通信状態を測定する際の時間周期との関係を示すテーブル(図4参照)等の制御テーブルの他、通信で用いられる情報を格納し、最適方式選択制御部176の制御により読み書き可能である。メモリ190が格納する制御テーブルにおいて、バッテリ195の電池残量や時間周期に、受信電力レベル或いは伝搬ロス、SIR値(Signal to Interference power Ratio)、各通信方式のデータ送受信部を構成する回路の平均消費電力値が関連づけられている。SIR値に代えてBER(Bit Error Rate)値、FER(Flame Error Rate)値を関連づけてもよい。これら制御テーブルにおいて関連づけられる要素は必要に応じた要素のみ関連づけられた構成としても良いことは勿論である。また、メモリ190が格納する通信で用いられる情報としては、各電力強度測定部143、153、163や、通信方式の異なる各基地局210、220、230(図1参照)からの送信情報等である。
次いで、上記構成を有する移動端末100の動作について、図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態に係る移動端末100の基本的な処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS101にて移動端末100の電源をオンにし、ステップS102にて3G用データ受信処理部140が、3G方式で利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定して、ステップS103に移行する。なお、「_last」は測定結果の最新データを意味することとする。
ステップS103では、S3G用データ受信処理部150が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、4G用データ受信処理部160が、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定し、ステップS105に移行する。
ステップS105では、バッテリ残量検知部172が、バッテリ195の電力残量を測定するとともに、受信状態情報比較部174が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_last、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを用いて各通信方式(3G、S3G、4G)の受信状態を比較して、ステップS106に移行する。ステップS106における各通信方式の受信状態の比較は、例えば、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_last、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastの大小を比較である。
ステップS106では、受信状態情報比較部174による比較結果及びメモリ190からの情報に基づいて最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177を用いて、3G、S3G、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastの中で、電力値の大きい順に受信信号を測定(チェック)する時間周期(T_3G、T_S3G、T_4G)に時間T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する。
なお、このステップS106において、各通信方式(3G、S3G、4G)のそれぞれにおける全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastが同等であり、バッテリ残量が少ない場合、最適方式選択制御部176は、各方式の送受信回路の平均消費電力値の低い順に、時間周期T1、T2、T3を設定する。
これは、各通信方式において、使用する周波数帯における増幅器(アンプ)、変調部、復調部などを構成する電子回路の消費電力量が異なることに起因する。つまり、各通信方式のデータ送受信処理部110、120、130、140,150、160のうち、処理部を構成する電子回路での平均消費電力が低い通信方式が選択されるように時間周期を設定する。このステップS106の後、ステップS107に移行する。
ステップS107では、最適方式選択制御部176は、ステップS106により設定された時間周期T1〜T3を、各データ受信処理部140、150、160に出力し、各データ受信処理部140、150、160では、入力される時間周期に基づいて、各通信方式の基地局毎の受信信号の受信状態(ここでは受信電力値)をチェックする。各通信方式の基地局毎に、これら基地局から送信される信号の受信状態をチェックする時間周期を設定するため、時間周期を変化させることによって、測定する通信方式の送信信号が決定される。例えばT3=無限大に設定する場合、時間周期T1及びT2が設定された通信方式の受信信号の受信状態のみチェックすることとなる。
最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177を用いて各通信方式の受信信号をチェックする時間周期を設定することで、複数の通信方式(3G、S3G、4G)からどの通信方式を通信で使用するかを決定することとなり、この決定した通信方式の情報を、データ送信方式選択部102に出力する。また、決定した情報を、対応する各送信処理部110、120、130に出力する。
このように各送受信処理部110、120、130,140、150、160に、基地局からの信号を測定する時間周期T1、T2、T3として、各通信方式毎に、信号の測定時間周期を変化させている。ここで、時間周期をT1≦T2≦T3、T3=無限大としているため、時間周期がT3である通信方式は実際には測定する時間周期は設定されず、移動端末100では、時間周期がT1とT2の通信方式のみを、実際には測定することになる。
よって、常に全ての通信方式の基地局からの信号を測定することなく、受信電力が大きい通信方式の受信信号を測定するため、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させることが可能となる。
なお、本実施の形態の各データ受信処理部140、150、160では、電力強度測定部143、153、163は、それぞれ各処理部140、150、160における低雑音増幅器142、152、162の後に配置される構成したが、これに限らない。
例えば、各データ受信処理部140、150、160と同様の構成において、低雑音増幅器142、152、162の後ではなく、復調処理部145、155、165の後に配置される構成としてもよい。
この一例を図6に示す。図6は、データ受信処理部の変形例1を示す図である。
図6は、3G用データ受信処理部140の変形例1である3G用データ受信処理部140aを示す図であり、このデータ受信処理部140aにおいて、3G用電力強度測定部143は復調処理部145の後に配置されている。
この構成によれば、3G用電力強度測定部143が電力強度を測定する際の対象とする受信信号には、電力強度を測定する前に、復調処理部145において、逆拡散処理などの復調処理が施されることとなる。このため、図2で示す3G用データ受信処理部140において電力強度を測定する際に、より正確な電力強度が測定可能となる。
なお、移動端末100において、3G用データ受信処理部140を3G用データ受信処理部140aにする場合、他の通信方式であるS3G、4G用データ受信処理部150、160(図2参照)も、3G用データ受信処理部140aと同様の構成とする。つまり、S3G、4G用データ受信処理部150、160(図2参照)の各々において、S3G、4G用電力強度測定部は、それぞれ、低雑音増幅器152、162の後ではなく、復調処理部155、165の後に配置され、入力信号に処理を行うものとする。この構成により、3G用データ受信処理部140aを3G用データ受信処理部140に変えた場合の効果と同様の作用効果、つまり、S3G、4Gにおいても正確な電力強度が測定される。
さらに、本実施の形態の各データ受信処理部140、150、160では、制御部に出力する受信状態情報を、各通信方式で利用される周波数帯域における全受信電力としたが、これに限らず各通信方式における伝搬ロスとしてもよい。この場合、各データ受信処理部140、150、160は、各通信方式用の電力強度測定部に換えて、各通信方式用の伝搬ロス測定部をそれぞれ備えるものとなる。
図7は、3G用データ受信処理部の変形例2としての3G用データ受信処理部140bを示す図であり、変形例2としての受信処理部は、図6の3G用データ受信処理部140aにおいて、3G用電力強度測定部143を3G用伝搬ロス測定部147に換えた構成を有する。つまり、データ受信処理部140bでは、3G用伝搬ロス測定部は復調処理部145の後に配置されている。
このように変形例2としてのデータ受信処理部140bの構成を、それぞれ異なる通信方式毎に対応したデータ受信処理部として備える移動端末は、制御部(図2で示す制御部170に対応)では、通信方式の異なるデータ受信処理部がそれぞれ備える伝搬ロス測定部から出力される情報に基づいて実際に通信する通信方式を判定している。
つまり、この変形例2のデータ受信処理部140bの構成を有する移動端末は、電力強度の代わりに伝搬ロスを基準に制御が行われる。なお、伝搬ロスは、一般的に、基地局から送信される基地局出力電力と移動端末100における受信電力から算出される。この場合、制御部における処理は、図5で示した「P_ALL_last」を伝搬ロスの逆数に置き換えるなどして行われるものである。
すなわち、所定の通信方式のデータ受信処理部から受信状態情報比較部174に入力される受信状態情報には伝搬ロスが含まれ、受信状態情報比較部174は、第1、第2及び第3の通信方式における受信状態情報の伝搬ロスと予め設定された伝搬ロスの規定値とを比較する伝搬ロス比較部を備えた構成する。このように構成された制御部は、最適方式選択部によって1番目に受信電力の大きい通信方式を選択し、選択した通信方式の受信状態を測定した後、受信状態情報比較部174によって、選択した通信方式の伝搬ロスと当該伝搬ロスの規定値とを比較し、選択した通信方式の受信状態情報の伝搬ロスが伝搬ロスの規定値より小さい場合、最適方式選択制御部176によって先に選択した通信方式以外の他の通信方式を選択して、選択した他の通信方式に対応する受信手段に受信状態を測定させる。
また、本実施の形態では、各受信処理部140、150、160に、基地局からの信号を測定する時間周期T1、T2、T3をT1≦T2≦T3として、T3=無限大とし、時間周期がT1とT2の通信方式のみを実際には測定することにしているが、これに限らず、常に全ての通信方式の基地局からの信号を測定することなく、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させるものであればどのように構成されていてもよい。
詳細には、まず、全ての通信方式のデータ受信処理部140、150、160を用いて
、各通信方式の全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastを測定する。その後、最適方式選択制御部176は、1番高い信号レベルのものと2番に高い信号レベルのもののみチェックする。
そして、1番と2番の差が、予め設定された一定値より小さくなった場合(逆転含む)3番目の信号レベルであった通信方式における信号レベルを測定する。そして、最適方式選択制御部176は、全ての方式の受信電力を用いて再度順位付けをして1番目、2番目に高い信号レベルが測定された通信方式における受信電力のみ測定する。
この処理を詳細に説明する。
図8は、本発明に係る移動端末100の処理としての通信方式の選択方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図8に示す処理の前には、図5に示す処理と同様に、まず、移動端末100の電源をオンにした後、3G用データ受信処理部140が3G方式で利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定し、S3G用データ受信処理部150が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定し、4G用データ受信処理部160が、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定している。そして、バッテリ残量検知部174が、バッテリ195の電力残量を測定するとともに、通信方式選択処理が行われる。
この通信方式の選択方法では、ステップS201において、受信状態情報比較部174は、まず、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力(以下、「P_ALL_3G_last」として説明する)がS3Gで利用される周波数帯域における全受信電力(以下、「P_ALL_S3G_last」として説明する)より大きいか否かを判断し大きければステップS202移行し、否であれば、ステップS203に移行する。
ステップS202では、P_ALL_S3G_lastが、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力(以下、「P_ALL_4G_last」として説明する)より大きいか否かを判断し、大きければステップS204に移行し、そうでなければ、ステップS205に移行する。
ステップS204では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_3G_last>P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_lastという比較判断結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS206に移行する。
ステップS206では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS207に移行する。詳細には、ステップS206では、T_3G=T1、T_S3G=T2、T_4G=T3=∞に設定している。
ステップS207では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_3G_last-P_ALL_S3G_last<規定値P1であるか否かを判断し、P_ALL_3G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P1よりも小さい場合、ステップS208に移行し、P_ALL_3G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P1以上である場合、処理を終了する。
ステップS208では、4G用データ受信処理部160が4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
一方、ステップS205では、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastを判断し、P_ALL_3G_las
t>P_ALL_4G_lastであれば、ステップS209に移行し、満たしていなければステップS210に移行する。
ステップS209では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_last>P_ALL_S3G_lastという比較判断結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS211に移行する。
ステップS211では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS212に移行する。詳細には、ステップS211では、T_3G=T1、T_4G=T2、T_S3G=T3=∞に設定している。
ステップS212では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_last<規定値P2であるか否かを判断し、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P2よりも小さい場合、ステップS213に移行し、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P2以上である場合、処理を終了する。
ステップS213では、S3G用データ受信処理部150がS3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
ステップS210では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_4G_last>P_ALL_3G_last>P_ALL_S3G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS214に移行する。
ステップS214では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS215に移行する。詳細には、ステップS214では、T_4G=T1、T_3G =T2、T_S3G=T3=∞に設定している。
ステップS215では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_4G_last-P_ALL_3G_last<規定値P3であるか否かを判断し、P_ALL_4G_last-P_ALL_3G_lastが規定値P3よりも小さい場合、ステップS213に移行し、P_ALL_3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P3以上である場合、処理を終了する。
また、ステップS203では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_lastであるか否かを判断し、P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_lastであれば、ステップS216に移行し、満たしていなければ、ステップS217に移行する。
ステップS216では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastであるか否かを判断し、P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastであれば、ステップS218に移行し、満たしていなければ、ステップS219に移行する。
ステップS218では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_S3G_last>P_ALL_3G_last>P_ALL_4G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS220に移行する。
ステップS220では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS221に移行する。詳細には、ステップS220では、T_S3G=T1、T_3G =T2、T_4G=T3=∞に設定している。
ステップS221では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_S3G_last-P_ALL_3G_last<規定値P4であるか否かを判断し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_3G_lastが規定値P4よりも小さい場合、ステップS208に移行し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_3G_lastが規定値P4以上である場合、処理を終了する。
ステップS219では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_S3G_last>P_ALL_4G_last>P_ALL_3G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS222に移行する。
ステップS222では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS223に移行する。詳細には、ステップS222では、T_S3G=T1、T_4G =T2、T_3G=T3=∞に設定している。
ステップS223では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_S3G_last-P_ALL_4G_last<規定値P5であるか否かを判断し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P5よりも小さい場合、ステップS224に移行し、P_ALL_S3G_last-P_ALL_4G_lastが規定値P5以上である場合、処理を終了する。
ステップS224では、3G用データ受信処理部140が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
ステップS217では、受信状態情報比較部174は、P_ALL_4G_last>P_ALL_S3G_last>P_ALL_3G_lastという比較結果を最適方式選択制御部176に出力し、ステップS225に移行する。
ステップS225では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177により、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(T1≦T2≦T3でかつT3=無限大)を設定し、ステップS226に移行する。詳細には、ステップS225では、T4=T1、T_S3G =T2、T_3G=T3=∞に設定している。
ステップS226では、受信状態情報比較部174を用いて、P_ALL_4G_last-P_ALL_S3G_last<規定値P6であるか否かを判断し、P_ALL_4G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P6よりも小さい場合、ステップS224に移行し、P_ALL_4G_last-P_ALL_S3G_lastが規定値P6以上である場合、処理を終了する。
ステップS224では、3G用データ受信処理部140が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定し、ステップS201に移行する。
すなわち、上述の通信方式の選択方法は、3G、S3G、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力の大小のパターン毎に、ステップS204、S209、S210、S217〜S219の場合を分類する。この後、ステップS206、S211、S214、S220、S222、S225においては、基地局からの信号をチェックする時間周期を受信電力の高い方式から順に、T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3、T3=無限大)とし、チェックする時間周期をそれぞれ方式ごとに変化させる。
次いで、ステップS207、S212、S215、S221、S223、S226では、ステップS206、S211、S214、S220、S222、S225で信号チェック周期としてT1とT2を選択した方式の受信電力差、つまり、受信電力(真数)比が規定し
た値Pn(n=1、2、3・・・)よりも、小さいかどうかを判断する。この判断の結果、T1とT2を選択した方式の受信電力差がPnより小さい場合は、ステップS206、S211、S214、S220、S222、S225で信号チェック周期としてT3を選択した方式で利用される周波数帯域における全受信電力を測定した後でステップS201へと戻り再度、各方式の受信信号の順位付けを行う。大きい場合は、処理を終了する。このように本実施の形態では、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させることが可能となる。
また、通信システム200では、移動端末100は、S3G基地局220のエリア221内に4G基地局230のエリア231が存在すると仮定しているため、4Gの通信方式については、S3Gの信号レベルが3Gよりも高くなったときに、信号レベルをチェックするようにしてもよい。
図9は、移動端末100が、通信システム200内においてA方向に移動する際に、4Gの通信方式の信号レベルをチェックする処理の一例を説明するフローチャートである。
図9に示すように、ステップS301では、3G用受信データ処理部140が、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastを測定する。次いで、ステップS302において、3G用受信データ処理部150が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastを測定し、ステップS303に移行する。
ステップS303では、受信状態情報比較部174は、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastとS3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastの差が規定の値P7と比較して大きいか小さいかを比較する。この差が小さい場合、ステップS304に移行し、差が大きい場合は、ステップS305に移行して、3G、S3G、4Gの基地局210、220、230からの信号をチェックする時間周期をそれぞれT1、T2、T3(=∞)とした後に処理を終了する。
ステップS304では、4G用受信データ処理部160が、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastを測定して、ステップS306に移行する。
ステップS306では、受信状態情報比較部174が、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastと、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastとの差が規定の値P8と比較し、差が小さい場合、ステップS307に移行し、差が大きい場合ステップS308に移行する。
(P_ALL_S3G_last)−(P_ALL_4G_last)<P8の場合の処理であるステップS307では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177を用いて、4G、S3G、3Gの基地局210、220、230からの信号をチェックする時間周期をそれぞれT1、T2、T3(=∞)とし、その後、処理を終了する。
(P_ALL_S3G_last)−(P_ALL_4G_last)≧P8の場合の処理であるステップS308では、S3G、4G、3Gの基地局210、220、230からの信号をチェックする時間周期をそれぞれT1、T2、T3(=∞)とし、その後、処理は終了する。
このように、移動端末100における4Gの通信方式については、S3Gの信号レベルが3Gよりも高くなったときに、信号レベルをチェックするようにしているため、常に、3つの通信方式の受信信号レベルをチェックする必要がなく、通信システム200における移動端末100において、低消費電力化、処理量削減と高ビットレートを両立させることが可能となる。
また、移動端末100では、最初に全ての通信方式の受信状態を測定し、その時点で1番目のみそれ以降もチェックするようにしてもよい。つまり、使用している通信方式が切れそうになったとき(別の規定値より小さくなったとき)のみ他の通信方式をチェックするようにしてもよい。
図10は、移動端末100における通信方式の選択方法の別の例を示す図である。
まず、最初に、3G、S3G、4G用データ受信処理部140、150、160が、3G、S3G、4Gでそれぞれ利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastを各々測定する。また、バッテリ残量検知部172が、バッテリ195の電力残量を測定する。これらの処理の後、移動端末100は、図10に示すような通信方式の選択処理を行う。
すなわち、図10に示すように、ステップS401〜ステップS403において、受信状態情報比較部174は、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_last、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_last、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_4G_lastの大小を比較するとともに判断する。
その後、ステップS404、S411、S417において、受信状態情報比較部174の判断結果に基づいて、最適方式選択制御部176は、3G、S3G、4Gで利用される周波数帯域における全受信電力のうち最大である方式の信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大とする。
その後、ステップS405、S412、S418において、受信状態情報比較部174は、信号チェック時間周期をT1とした方式の受信信号電力が規定値よりも小さいか否かを判断する。これらの各ステップS405、S412、S418において、判断結果が大きい場合は、ステップS405、S412、S418にそれぞれ戻り、そのままのチェック時間T1で、他の通信方式に変更することなく、信号チェック時間周期をT1とした方式の基地局からの信号をチェックする。
一方、これらの各ステップS405、S412、S418において、判断結果が小さい場合、ステップS406、S413、S419にそれぞれ移行する。
ステップS406、S407、S413、S414、S419、S420では、先のステップS404、S411、S417でチェック時間を∞とした方式で利用される周波数帯域における全受信電力をそれぞれ測定する。
ステップS408、S415、S421では、受信状態情報比較部174は、それぞれの先のステップS404、S411、S417でチェック時間を∞とした方式、例えば、ステップS417ではS3Gと4G、で利用される周波数帯域における全受信電力を比較する。
その結果、受信状態情報比較部174からの比較結果に基づいて、最適方式選択制御部176はステップS409、S410、S416において、より受信電力が大きい方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大とした後、処理を終了する。例えばステップS409ではS3G方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大としている。
なお、図10に示す移動端末100における通信方式の選択方法のバリエーションとし
ては、最適方式選択制御部176が、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報における受信電力値と受信電力値の規定値とを比較して、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の前記受信電力値が前記受信電力値の規定値より小さい場合、第1、第2及び第3の通信方式のうち、受信電力を通信レートで除算したときの商が最も大きい通信方式を受信状態の測定をする通信方式として選択する方法も考えられる。
すなわち、測定した通信方式の周波数帯域における受信電力値が、当該受信電力値の規定値より小さい場合であっても、測定した通信方式の通信レートが小さい場合であれば、エラーレートを低くできるため、受信電力に対する電力/通信レートの比が最も大きい通信方式を測定(チェック)するものである。よって、移動端末100では、最初に全ての通信方式の受信状態を測定し、その時点で1番目のみチェックし、それ以降も一番目のみチェックし、使用している通信方式が切れそうになったとき(規定値より小さくなったとき)のみ他の通信方式をチェックする。
このように通信方式を選択するため、受信可能な全ての通信方式の信号の受信状態をチェックする必要がないため、移動端末100における低消費電力化が可能となる。
また、上記構成の移動端末100では、最初に測定した3つ(3G、S3G、4G)の方式の信号受信電力レベル差が同じである場合、デフォルト値、つまりデフォルト測定周波数である方式のみ測るとしたが、最初に測定した3つ(3G、S3G、4G)の方式の信号受信電力レベル差が小さい(MAX(a,b,c)−MIN(a,b,c)<規定値)場合も、デフォルト測定周波数である(その時の主流の)方式のみ測る構成としても良い。
例えば、デフォルト測定周波数として設定された信号の通信方式が3Gである場合、3G基地局からの信号のみ測定する。なお、デフォルトの基地局はファームの書き換えで対応する。
図11は、最初に測定した受信信号の電力レベル差が小さい場合の処理を説明するフローチャートである。
ステップS601では、受信状態情報比較部174は、測定した全受信電力のうち最大値をとる方式の値と最小値をとる方式の値の差と、予め設定された規定値P12と比較する(MAX(P_ALL_3G_last,P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)−MIN(P_ALL_3G_last,P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)<P12)。
ステップS601では、測定した全受信電力のうち最大値をとる方式の値と最小値をとる方式の値の差が、規定値P12より大きい場合、ステップS602に移行する。ステップS602〜ステップS622までの処理は、図10で説明したステップS401〜ステップS421までの処理と同様の処理であるため説明は省略する。
ステップS601において、測定した全受信電力のうち最大値をとる方式の値と最小値をとる方式の値の差が規定値P12より小さい場合、ステップS623に移行する。
ステップS623では、最適方式選択制御部176は、時間周期設定部177によって、デフォルトでチェックすべきと規定されている基地局の信号のみを規定の時間周期でチェックするように設定し、デフォルトで規定されたデータ受信処理部に測定させる。なお、図11では、デフォルトのチェックする方式を3G方式としたが、これに限らず、S3G方式、4G方式としても良い。
次いで、ステップS624では、受信状態情報比較部174によって、そのデフォルト
で利用される周波数帯域における全受信電力(ここでは、3Gの全受信電力P_ALL_3G_last)と規定値P13とを比較し、規定値P13以上であれば、ステップS623へと戻り再度デフォルト方式で利用される周波数帯域における全受信電力(ここでは、3Gの全受信電力P_ALL_3G_last)をチェックする。
一方、ステップS624において、デフォルトで利用される周波数帯域における全受信電力(ここでは、3Gの全受信電力P_ALL_3G_last)が規定値P13より小さいと判断された場合、ステップS625、S626と順に移行し、デフォルトでない方式(図11では、S3G,4G方式)で利用される周波数帯域における各通信方式の全受信電力(図11では、P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)を測定する。
ステップS627では、測定したデフォルトでない方式(図11では、S3G,4G方式)で利用される周波数帯域における全受信電力(図11では、P_ALL_S3G_last,P_ALL_4G_last)を比較する。具体的に、ステップS627では、S3Gの全受信電力P_ALL_S3G_lastが、4Gの全受信電力P_ALL_4G_lastより大きいか否かを判断し、大きい場合、ステップS610に移行し、4Gの全受信電力P_ALL_4G_last以下の場合、ステップS611に移行する。
ステップS610、S611では、それぞれ、比較した全受信電力のうち、大きい受信電力の通信方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大とした後、処理を終了する。例えばステップS610ではS3G方式の基地局信号チェック時間周期をT1とし、それ以外の方式のチェック時間を無限大としている。
すなわち、ステップS610、S611、S617では、デフォルトでない通信方式のうち受信電力が大きい方式の信号チェック時間周期をT1としそれ以外を∞として処理を終了している。
ここで、デフォルトで測定すべき方式は、基地局からの制御信号に基づいてファームの書き換えを行うなどで対応できる。これにより、サービスがまだ開始されていない、もしくは、サービスが終了された場合に、移動端末100の操作者が意識および煩雑な操作をすることなく端末における制御方式が変更され無駄な電力消費を抑えることが出来る。
図12は、本発明の実施の形態の通信システム200に属する移動端末装置の別例である移動端末500の概略構成を示すブロック図である。
図12に示す移動端末500は、通信システム200における複数の通信方式のそれぞれに対応してデータを送受信する機能を有する。
移動端末500は、通信方式毎に基地局210、220、230からの信号を測定する時間間隔を変えて測定し、その測定した値に基づいてデータを送受信する際に利用する通信方式を判断する。
移動端末500における判断の方法は、SIR(希望波信号電力対干渉電力比、Signal
to Interference power Ratio)を用いるものであり、通信可能な通信方式の受信状態(SIR)を、最初に全部測定し、その時点での1番目に受信状態(ここでは、SIR)のみそれ以降もチェックする。SIRが規定値より小さくなったら他の通信方式のSIRを測定するよう制御される。
図12に示す移動端末500は、図2に示す一実施の形態に対応する移動端末100と同様の基本的構成を有し、各通信方式の受信状態情報を測定する測定部と、これら測定部
により測定される受信状態情報に基づいて最適な通信方式を選択する制御部の構成のみ異なる。よって、以下では、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
すなわち、移動端末500は、各通信方式用データ受信処理部140、150、160は、3G用、S3G用、4G用電力強度測定部143、153、163に代えて、3G用、S3G用、4G用SIR測定部148、158、168を備える。
そして、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160aは、それぞれの通信方式で処理を行う3G用、S3G用、4G用低雑音増幅器142、152、162、受信処理部144、154、164、復調処理部145、155、165、復号化処理部146、156、166、3G用、S3G用、4G用SIR測定部148、158、168を具備する。
3G用、S3G用、4G用SIR測定部148、158、168は、それぞれ入力される信号を用いて、復調後にそれぞれ入力される信号のSIRを測定する。これら測定結果は、制御部170aに出力される。
また、移動端末500は、各SIR測定部148、158、168からの測定情報に基づいて通信方式選択の処理を行う制御部170aを備える。
移動端末500は、複数の通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aにおいて、制御部170aにより設定される所定の時間周期で各通信方式のそれぞれにおけるSIR値を測定する。測定した全受信電力及びSIR値は、受信状態情報として制御部170aに出力する。
図13は、図12に示す移動端末500における制御部170aの要部構成を示すブロック図である。
図13に示すように制御部170aは、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160aから入力される信号、メモリ190からの情報、バッテリ195の情報に基づいて通信をどの通信方式(ここでは、3G、S3G、4G)で行うかを選択し、その選択結果を用いて、データ送信方式選択部102において、データ送信方式選択部102に入力される入力信号をどの送信方式により情報として送信するかを決定する。
制御部170aは、バッテリ残量検知部172と、受信状態情報比較部174aと、最適方式選択制御部176aとを有し、受信状態比較部174aは、SIR比較部1742を有する。
SIR比較部1742は、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aから入力される信号である受信状態情報のうち通信方式の利用周波数帯におけるSIRを比較して、各通信方式の基地局210、220、230からの信号の受信状態の比較結果として最適方式選択制御部176aに出力する。
最適方式選択制御部176aは、バッテリ残量検知部172、受信状態情報比較部174aのSIR比較部1742及びメモリ190に格納される制御テーブルなどからの情報に基づいて、実際の電波伝搬環境状態において最も通信に適した通信方式を選択する。
詳細には、最適方式選択制御部176aは、受信状態情報比較部174aにより比較結
果として出力される各通信方式からの受信信号のSIR値が異なる場合、大きい順に、受信信号に基づくSIRを測定する時間周期T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する時間周期設定部177を備える。このとき、時間周期設定部177は、T2=T3=∞として、実際の測定は、時間周期がT1の通信方式のみで行われるようにする。なお、複数の通信方式における受信信号のSIR値が同じである場合、最適方式選択制御部176aは、デフォルト値として設定された通信方式を選択する。
そして、最適方式選択制御部176aは、選択した通信方式によってデータの送受信を行うために、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aに、時間周期設定部177によって、それぞれ設定された時間周期で受信状態、ここではSIRの測定を行わせる制御信号を出力して制御する。
つまり、最適方式選択制御部176aでは、時間周期設定部177が、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160a毎に、それぞれ対応する基地局210、220、230のSIRを測定する時間周期(T1、T2、T3)を設定する。なお、本実施の形態におけるT1、T2、T3は、0<T1、T2、T3≦∞、且つ、T1≦T2≦T3を満たす任意の期間とする。
これら設定した時間周期を、時間周期設定部177が、各データ受信処理部140c、150a、160aに割り当てることによって、最適方式選択制御部176aでは、実際に受信状態(ここでは、SIR)を測定する通信方式を選択している。
この最適方式選択制御部176aにおいて、時間周期設定部177における時間周期の設定は、バッテリ195の電力残量、SIR値に関連付けられており、メモリ190に格納されるバッテリ195の電力残量(バッテリ残量)、SIR値、基地局チェック時間T及びSIRとの関係に基づいて設定される。具体的には、時間周期の設定は、通信方式を選択するためのものであり、3G、S3G、4Gの基地局210,220、230からの受信信号のうち、どの受信信号を受信して受信状態(SIR)の測定を行うかの設定と同義となる。
このように、移動端末500の制御部170aは、まず、各データ受信処理部140c、150a、160aにより、それぞれ通信方式毎の全受信電力を測定させる。そして、測定された各通信方式毎の受信電力を、受信状態情報比較部174aのSIR比較部1742により比較させて、その比較結果から最適方式選択制御部176aが、最もSIR値が高い通信方式の信号を使用する通信方式として選択する。そして、最もSIR値が高い通信方式のデータ受信処理部を用いて、それ以降の選択した信号のSIRを測定させる。この最も受信信号が高かった通信方式における受信信号のSIRをSIR比較部1742が監視し、予め設定された規定値より小さい場合、他の通信方式のSIRを測定するよう制御する。
このように通信方式を選択するため、受信可能な全通信方式の信号の受信状態をチェックする必要がないため、移動端末500における低消費電力化とともにQoS(Quality of Service )の向上化を図ることができる。
上記移動端末500において、各通信方式のSIRを測定する構成としたが、これに限らず、通信相手である基地局(例えば図1では210、220、230で示す基地局)で行い、SIR値のみ移動端末500に通知する構成としても良い。この場合、SIR測定部148、458、168に代えて受信信号からSIR値を取得するSIR値取得部を配置する構成とする。
また、上記移動端末500において、各通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aは、受信情報状態検出のための手段として、SIR測定部148、158、168を備える構成としたが、これに限らず、各SIR測定部148、158、168に代えて、受信信号のビットレートを測定するビットレート測定部を設けた構成としても良い。この場合、制御部170aでは、受信状態情報比較部174aは、SIR比較部1742に代えてビットレート比較部を設けた構成となる。この場合、比較する対象が、各通信方式におけるSIRが、各通信方式におけるビットレートに代わり、その他比較の方法などは同様であるため説明は省略する。また、移動端末500において、各通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aは、検出する受信情報状態をSIRではなく、BER、FERとしてもよい。この場合、各SIR測定部148、158、168に代えて、受信信号のBER或いはFERを測定する測定部を設けた構成とし、制御部側に比較部においても、SIR比較部に代えて、BER比較部或いはFER比較部を配置する構成とする。
また、移動端末500は、各通信方式におけるSIR値とともに受信電力値を比較し、これらの比較結果に基づいて使用する通信方式を選択する構成としてもよい。例えば、移動端末500は、複数の通信方式のデータ受信処理部140c、150a、160aが、SIR値とともに電力強度、具体的には、それぞれ対応する通信方式の利用周波数帯における全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastをそれぞれ測定し、制御部170aに出力する構成とする。一方、制御部170aは、受信状態情報比較部174aを、全受信電力P_ALL_3G_last、P_ALL_S3G_last、P_ALL_4G_lastの大小比較も行う構成とする。
詳細には、制御部170aにおいて、SIR比較部1742は、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aから入力される信号である受信状態情報のうち通信方式の利用周波数帯におけるSIRを比較するとともに、これら入力されるSIR値と比較するために予め設定された規定値を有し、各通信方式のSIRを、予め設定された規定値と比較して、各通信方式の基地局210、220、230からの信号の受信状態の比較結果として最適方式選択制御部176aに出力する。
そして、最適方式選択制御部176aは、バッテリ残量検知部172、受信状態情報比較部174aのSIR比較部1742及びメモリ190に格納される制御テーブルなどからの情報に基づいて、実際の電波伝搬環境状態において最も通信に適した通信方式を選択する。詳細には、最適方式選択制御部176aは、受信状態情報比較部174aにより比較結果として出力される各通信方式からの受信信号の電力値が異なる場合、大きい順に、受信信号に基づくSIRを測定する時間周期T1、T2、T3(但し、T1≦T2≦T3)を設定する時間周期設定部177を備える。このとき、時間周期設定部177は、T2=T3=∞として、実際の測定は、時間周期がT1の通信方式のみで行われるようにする。
なお、複数の通信方式における受信信号の電力値が同じである場合、最適方式選択制御部176aは、デフォルト値として設定された通信方式を選択する。次いで、最適方式選択制御部176aは、選択した通信方式によってデータの送受信を行うために、3G用データ受信処理部140c、S3G用データ受信処理部150a、4G用データ受信処理部160aに、時間周期設定部177によって、それぞれ設定された時間周期で受信状態、ここではSIRの測定を行わせる制御信号を出力して制御する。
つまり、最適方式選択制御部176aでは、時間周期設定部177が、3G用、S3G用、4G用データ受信処理部140c、150a、160a毎に、それぞれ対応する基地局210、220、230のSIRを測定する時間周期(T1、T2、T3)を設定する。なお
、本実施の形態におけるT1、T2、T3は、0<T1、T2、T3≦∞、且つ、T1≦T2≦T3を満たす任意の期間とする。
これら設定した時間周期を、各データ受信処理部140c、150a、160aに割り当てることによって、最適方式選択制御部176aは、実際に受信状態(ここでは、SIR)を測定する通信方式を選択する。
このように、移動端末500の制御部170aは、まず、各データ受信処理部140c、150a、160aにより、それぞれ通信方式毎の全受信電力を測定させる。そして、測定された通信方式毎の受信電力を比較し、この比較結果から最適方式選択制御部176aが、最も受信電力レベルが高い通信方式の信号を使用する通信方式として選択する。
そして、最も受信電力レベルが高い通信方式のデータ受信処理部を用いて、それ以降の選択した信号のSIRを測定させる。この最も受信信号が高かった通信方式における受信信号のSIRをSIR比較部1742が監視し、予め設定された規定値より小さい場合、他の通信方式のSIRを測定するよう制御する。このように通信方式が選択されるため、受信可能な通信方式の信号の受信状態を全てチェックする必要がなく、移動端末500における低消費電力化とともにQoS(Quality of Service )の向上化を図ることができる。
また、移動端末100、500において、3G用データ受信処理部140、140c、S3G用データ受信処理部150、150a、4G用データ受信処理部160、160aは、RAKE受信での1系統(フィンガ等)で構成されてもよい。
なお、各通信方式のデータ受信処理部140、140a〜140c、150、150a、160、160aにおいてそれぞれ測定される利用周波数帯域における受信信号についてであるが測定した各通信方式の受信信号の電力値が同じである場合、最適方式選択制御部176、176aは、それぞれデフォルト値として設定された通信方式を選択するものとしたが、これに限らず、受信信号の電力ピークが高い方の通信方式を選択する構成としても良い。
例えば、本実施の形態における移動端末100、500において、電力強度測定部143、153、163もしくはSIR測定部148、158、168にピーク電力測定機能を付加することによって、受信信号の帯域は狭いが信号の強い方式を優先するようにする。
図14は、電力強度測定部143、153、163もしくはSIR測定部148、158、168にピーク電力測定機能を付加することによって、異なる通信方式の受信信号を測定した際に、同じ電力値であり且つ電力ピークが異なる通信方式の受信信号の一例を示す図である。
図14では、3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_3G_lastの電力値801と、S3Gで利用される周波数帯域における全受信電力P_ALL_S3G_lastの電力値802とが示されており、電力値801の面積=電力値802の面積となっている。
この図14に示すようにS3G方式の方が高い場合、電力強度測定部143、153、163もしくはSIR測定部148、158、168から制御部170、170aに出力される情報を用いて、受信状態情報比較部174、174aでは、電力ピークを含めた比較を行い、最適方式選択制御部176、176aでは、電力ピークの高いS3Gの通信方式を選択する。このように、ピーク電力が高い方式を優先するため、通信速度及び品質の向上化を図ることができるとともに、省電力化及び利用通信方式における高ビットレート
化を図ることができる。
また、上記制御部170は、受信状態情報比較部174において、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報における受信電力値と受信電力値の規定値とを比較して、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の受信電力値が、予め設定された受信電力値の規定値より小さい場合、最適方式選択制御部176において、3G、S3G及び4Gの通信方式のうち、受信電力を通信レートで除算したときの商が最も大きい通信方式を受信状態の測定をする通信方式として選択して、受信状態を測定させる構成としてもよい。
なお、本実施の形態は通信方式の異なる通信システムとして、主にセルラシステムについて説明したが、無線LANや固定無線システムのような他の無線通信システムと併合したシステムとしても良い。
本発明に係る移動通信端末装置及び通信システムは、周波数帯がそれぞれ異なる複数の通信方式のそれぞれで通信可能であるとともに、省電力化を図る効果を有し、周波数帯がそれぞれ異なり混在している地域に用いられるものとして有用である。
本発明の一実施の形態に係る移動通信端末を有する通信システムの一例を示す図 図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と受信位置の関係の一例を示す図 図1Aに示す移動通信端末が受信する各方式の受信信号強度と周波数の関係の一例を示す図 本発明の一実施の形態に係る移動通信端末装置としての移動端末の概略構成を示すブロック図 図2に示す移動通信端末における制御部の要部構成を示すブロック図 メモリに格納されるバッテリの電力残量と、通信状態を測定する際の時間周期との関係を示す図 本実施の形態に係る移動端末の基本的な処理を説明するフローチャート 3G用データ受信処理部の変形例を示す図 3G用データ受信処理部の別の変形例を示す図 本発明に係る移動端末の処理としての通信方式の選択方法の一例を説明するためのフローチャート 移動端末が、通信システム内においてA方向に移動する際に、4Gの通信方式の信号レベルをチェックする処理の一例を説明するフローチャート 移動端末における通信方式の選択方法の別の例を示す図 最初に測定した受信信号の電力レベル差が小さい場合の処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る通信システムに属する移動通信端末装置の別例である移動端末の概略構成を示すブロック図 図12に示す移動端末における制御部の要部構成を示すブロック図 異なる通信方式の受信信号を測定した際に、同じ電力値であり且つ電力ピークが異なる通信方式の受信信号の一例を示す図

Claims (7)

  1. 電池と、
    前記電池により駆動し、利用周波数帯及び通信エリアが異なるとともに前記通信エリアが重なり順に狭くなる第1、第2及び第3の通信方式の信号を、アンテナを介してそれぞれ受信するとともに、受信した信号から、前記第1、第2及び第3の通信方式毎の受信状態をそれぞれ測定し、それぞれ受信電力値を含む受信状態情報として出力する第1、第2及び第3受信手段と、
    前記電池の電池残量と前記第1、第2及び第3受信手段毎の受信状態情報に基づいて、前記第1、第2及び第3受信手段のうち一つ又は二つの受信手段に対して受信状態の測定周期を設定し、設定した測定周期により前記一つ又は二つの受信手段を制御して受信状態を測定させる制御手段と、
    前記測定された受信状態を示す前記受信状態情報を用いて前記第1、第2及び第3の通信方式における受信電力の大小を比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づいて、前記第1、第2及び第3の通信方式のうち、受信状態を測定する通信方式を選択して、前記第1、第2及び第3受信手段のうち選択した通信方式に対応する受信手段に対して前記測定周期を設定する方式選択部とを具備し、
    前記制御手段は、前記方式選択部が選択した通信方式に対応する受信手段を制御して受信状態を測定させる移動通信端末装置。
  2. 前記方式選択部は、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報における受信電力値と受信電力値の規定値とを比較して、前記1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の前記受信電力値が前記受信電力値の規定値より小さい場合、前記第1、第2及び第3の通信方式のうち、受信電力を通信レートで除算したときの商が最も大きい通信方式を受信状態の測定をする通信方式として選択する請求項1記載の移動通信端末装置。
  3. 前記方式選択部は、1番目及び2番目に受信電力の大きい2つの通信方式の受信状態情報の受信電力値の比と受信電力比の規定値とを比較して、前記受信電力値の比が前記受信電力比の規定値より小さい場合、1番目に受信電力の大きい通信方式以外の他の通信方式を選択する請求項1記載の移動通信端末装置。
  4. 前記受信状態情報にはSIR値が含まれ、
    前記比較部は、前記第1、第2及び第3の通信方式における前記受信状態情報のSIR値と予め設定されたSIRの規定値とを比較するSIR比較部を備え、
    前記方式選択部は、1番目に受信電力の大きい通信方式の前記SIR値と前記SIRの規定値とを比較し、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の前記SIR値が前記SIRの規定値より小さい場合、1番目に受信電力の大きい通信方式以外の他の通信方式を選択する請求項1記載の移動通信端末装置。
  5. 前記受信状態情報には伝搬ロスが含まれ、
    前記比較部は、前記第1、第2及び第3の通信方式における前記受信状態情報の伝搬ロスと予め設定された伝搬ロスの規定値とを比較する伝搬ロス比較部を備え、
    前記方式選択部は、1番目に受信電力の大きい通信方式の前記伝搬ロスと前記伝搬ロスの規定値とを比較し、1番目に受信電力の大きい通信方式の受信状態情報の前記伝搬ロスが前記伝搬ロスの規定値より小さい場合、1番目に受信電力の大きい通信方式以外の他の通信方式を選択する請求項1記載の移動通信端末装置。
  6. 前記制御手段は、前記受信状態の測定周期を前記第1及び第2受信手段に設定して第1通信方式及び第2通信方式の信号の受信状態を測定させ、第2通信方式の受信電力値が第1通信方式の受信電力値より高い場合、前記第1受信手段に代えて前記第3受信手段に前記測定周期を設定する請求項1記載の移動通信端末装置。
  7. 請求項1記載の移動通信端末装置と、
    前記移動通信端末装置に対し第1通信方式の信号で通信を行う第1基地局装置と、
    前記移動通信端末装置に対し前記第1通信方式と利用周波数帯が異なり前記第1通信方式の通信エリアより通信エリアが狭い第2通信方式の信号で通信を行う第2基地局装置と、
    前記移動通信端末装置に対し前記第1及び第2通信方式と利用周波数帯が異なり前記第2通信方式の通信エリアより通信エリアが狭い第3通信方式の信号で通信を行う第3基地局装置と、
    を具備し、
    前記第2基地局装置は、前記第1通信方式のエリア内に配置され、前記第3基地局装置は、前記第2通信方式の通信エリア内に配置されている通信システム。
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