JPWO2007069495A1 - 電磁波遮蔽材料、電磁波遮蔽材料の製造方法及びプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料 - Google Patents

電磁波遮蔽材料、電磁波遮蔽材料の製造方法及びプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、高い電磁波遮蔽性と高い赤外遮蔽性とを同時に備えた電磁波遮蔽材料を提供でき、更に、細線状画像の形成が容易で、迅速かつ簡便な工程で電磁波遮蔽材料が製造できる電磁波遮蔽材料の製造方法及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料を提供することを目的とする。この電磁波遮蔽材料は、支持体上に導電性金属層を有し、(a)該導電性金属層の空隙率が0.1%以上、15%以下であること、(b)該導電性金属層表面の光沢度が50%以上、300%以下であること、(c)該導電性金属層表面の中心線平均粗さ(Ra)が1nm以上、50nm以下であること、の条件のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする。

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPともいう)の前面に使用する近赤外線吸収性及び可視光透過性を有する電磁波遮蔽材料とその製造方法に関する。
近年、電子機器の使用増大のために電磁波障害(以下、EMIともいう)を低減する必要性が高まっている。EMIは、電子機器や電気機器の誤動作、障害の原因になるほか、人体に対しても影響を与えることが指摘されている。このため、電子機器では、電磁波放出の強さを規格又は規制内に抑えることが要求されている。
特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、希ガスをプラズマ状態にして紫外線を放射させ、この紫外線で蛍光体を発光させる原理に基づくために原理的に電磁波を発生する。又、このとき、同時に近赤外線も放射されるので、リモコン等の操作素子の誤動作を引き起こすので、電磁波遮蔽能と同時に近赤外線の遮蔽も求められている。電磁波遮蔽能は、簡便には表面抵抗値で表すことができ、PDP用の透光性電磁波遮蔽材料では、10Ω/□以下が要求され、PDPを用いた民生用プラズマテレビにおいては、2Ω/□以下とする必要性が高く、より望ましくは0.2Ω/□以下という極めて高い導電性が要求されている。
また、近赤外線放出に対する遮蔽効果の要求レベルは、60%以上のカット能、好ましくは80%以上のカット能が要求されており、更により高い遮蔽性が望まれている。
更に、PDPの機能を向上させるため、近赤外線吸収の他に薄膜ガラス製のPDP本体に対する機械的強度の付与、外光の反射防止、色調補正が求められている。
上記要望に対し、機械的強度を付与する目的で複数の透明基板を合わせたり、電磁波遮蔽目的で導電性層を、近赤外線遮蔽のために近赤外線吸収層を、外光の反射防止のために反射防止層を、色調補正目的で可視光領域に吸収のある色素を含有した層が組合わされ使用される。
上記の問題のうち、特に電磁波と近赤外線の課題を解決するために、開口部を有する金属メッシュを利用した電磁波遮蔽能と近赤外線染料を使用した遮蔽能とを両立させる方法がこれまで提案されている。例えば、開口率の高い金属メッシュを焼き付けた硝子板に赤外線吸収フィルムを貼付して作製するという方法は、金属メッシュの焼き付けの製造工程が煩雑かつ複雑で、生産に熟練度が要求され又工程時間が長くかかるという間題点があった。
一方、ハロゲン化銀粒子から得られる現像銀は金属銀であることから、製法次第では金属銀のメッシュを作製することが可能である。例えば、ハロゲン化銀粒子を含む層を有する感光材料をメッシュ状の画像様に露光して現像処理すれば、銀粒子がメッシュ状に集合した導電性金属銀層が形成される。通常、銀粒子間にはバインダーが充填されており、導電性を阻害するので、バインダーを少なくする必要があるが、それのみでは導電性が向上しない。そのために、導電性金属銀層にメッキ処理を施して導電性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかし、メッキ処理という工程はメッキ液を調製する必要があり、重金属を含む有害な廃液が発生するという問題があった。
特開2004−221564号公報 特開2004−221565号公報
上記のように、ハロゲン化銀を利用する方法は、粒子であるが故に粒子形状を小さくしてもバインダーを少なくしても導電性の線としての機能が不充分である。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、高い電磁波遮蔽性と高い赤外遮蔽性とを同時に備えた電磁波遮蔽材料を提供でき、更に、細線状画像の形成が容易で、迅速かつ簡便な工程で電磁波遮蔽材料が製造できる電磁波遮蔽材料の製造方法及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.支持体上に導電性金属層を有し、(a)該導電性金属層の空隙率が0.1%以上、15%以下であること、(b)該導電性金属層表面の光沢度が50%以上、300%以下であること、(c)該導電性金属層表面の中心線平均粗さ(Ra)が1nm以上、50nm以下であること、の条件のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする電磁波遮蔽材料。
2.前記導電性金属層が、金属として銀を含有することを特徴とする前記1に記載の電磁波遮蔽材料。
3.前記支持体上に、近赤外線吸収層を有することを特徴とする前記1に記載の電磁波遮蔽材料。
4.前記近赤外線吸収層は、前記支持体と前記導電性金属層との間、または前記支持体の前記導電性金属層を有する面とは反対側の面に設けられていることを特徴とする前記3に記載の電磁波遮蔽材料。
5.前記導電性金属層の表面抵抗値が、10Ω/□以下であることを特徴とする前記1に記載の電磁波遮蔽材料。
6.前記導電性金属層の表面抵抗値が、2Ω/□以下であることを特徴とする前記1に記載の電磁波遮蔽材料。
7.支持体上に、線幅が20μm以下で、線間隔が50μm以上で、厚さが20μm以下で、かつ開口率が85%以上の導電性金属メッシュを有することを特徴とする前記1に記載の電磁波遮蔽材料。
8.前記1乃至7のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽材料を製造する電磁波遮蔽材料の製造方法であって、導電性金属層が、ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理することにより形成されることを特徴とする電磁波遮蔽材料の製造方法。
9.前記1乃至7のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽材料を製造する電磁波遮蔽材料の製造方法であって、導電性金属層が、ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理した後、加圧処理を施すことにより形成されることを特徴とする電磁波遮蔽材料の製造方法。
10.前記加圧処理は、圧力が0.49kN/cm以上、4.9kN/cm以下のカレンダ処理であることを特徴とする前記9に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
11.前記ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理した後、物理現像処理またはめっき処理を施すことを特徴とする前記8に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
12.前記ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理した後、物理現像処理またはめっき処理を施し、次いで、加圧処理を施すことを特徴とする前記9に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
13.前記物理現像処理またはめっき処理後の乾燥温度が、53℃以上、100℃以下であることを特徴とする前記11に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
14.前記物理現像処理またはめっき処理後の乾燥温度が、53℃以上、100℃以下であることを特徴とする前記12に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
15.前記1乃至7のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽材料を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料。
本発明によれば、高い電磁波遮蔽性と高い赤外遮蔽性とを同時に備えた電磁波遮蔽材料を提供でき、更に、細線状画像の形成が容易で、迅速かつ簡便な工程で電磁波遮蔽材料が製造できる電磁波遮蔽材料の製造方法及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料を提供することができる。
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の電磁波遮蔽材料は、支持体上に導電性金属層を有することを特徴とするが、本発明に係る導電性金属層に用いられる金属としては銀、銅、鉄、コバルト、ニッケル、それらの合金が挙げられるが、本発明においては、導電性の観点からは銀及び銅が、また強磁性をもつ観点からは鉄が好ましく用いられる。本発明において最も好ましく用いられる金属は銀であり、金属として銀により導電性金属層を形成する場合には、ハロゲン化銀を露光及び現像処理して得られる金属銀として活用することができる。
以下、本発明に係る導電性金属層の形成に好適に用いられるハロゲン化銀感光材料(以下、単に感光材料ともいう)について説明する。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子のほか、バインダー、活性剤等を含有することができる。
本発明で用いられるハロゲン化銀粒子としては、ハロゲン化銀などの無機ハロゲン化銀粒子及びベヘン酸銀などの有機ハロゲン化銀粒子が挙げられるが、導電性金属銀を得やすい観点から、無機ハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるハロゲン化銀は、例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、導電性に優れた金属銀を得るためには、感度の高い微粒子が好ましく、沃素を含むAgBrを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。沃素を多く含むようにすると、高感度の微粒子ハロゲン化銀を得ることができる。
ハロゲン化銀粒子が現像され金属銀粒子になる場合、銀粒子から銀粒子へと電気が流れるためには、粒子同士の接触面積をできるだけ大きくする必要がある。そのためには粒子サイズが小さい程よいが、小さい粒子は凝集して大きな塊状になりやすく、接触面積は逆に少なくなってしまうので最適な粒子径が存在する。本発明においては、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。感度を高くするためにアスペクト比が2以上や4以上、更に8以上であって16以下であるような平板粒子も好ましく使用することができる。粒子サイズの分布は、広くても狭くてもよいが、高い導電性を得て開口率を大きくするには、狭い分布が好ましい。写真業界で知られる単分散度で100以下、更には30以下が好ましい。粒子の形状は、電気が流れ易くする観点からは、生成した粒子間の接触面積が大きい程よいのであるので、扁平でアスペクト比が大きい程よいが、アスペクト比を大きくしすぎると濃度が得られにくくなるため、自ずと最適なアスペクト比が存在する。
本発明で用いられるハロゲン化銀は、さらに他の元素を含有していてもよい。例えば、写真乳剤において、硬調な乳剤を得るために用いられる金属イオンをドープすることも有用である。特に、ロジウムイオン、ルテニウムイオンやイリジウムイオンなどの遷移金属イオンは、金属銀像の生成の際に露光部と未露光部の差が明確に生じやすくなるため好ましく用いられる。ロジウムイオン、イリジウムイオンに代表される遷移金属イオンは、各種の配位子を有する化合物とすることもできる。そのような配位子としては、例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオンなどを挙げることができる。具体的な化合物の例としては、臭化ロジウム酸カリウムやイリジウム酸カリウムなどが挙げられる。
本発明において、ハロゲン化銀に含有されるロジウム化合物またはイリジウム化合物の含有量は、ハロゲン化銀の銀のモル数に対して、10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
その他、本発明では、Pdイオン、Ptイオン、Pd金属またはPt金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用いることができる。PdやPtはハロゲン化銀粒子内に均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有させることが好ましい。
本発明において、ハロゲン化銀に含まれるPdイオまたはPd金属の含有量は、ハロゲン化銀の銀のモル数に対して10−6〜0.1モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
本発明では、さらに感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感としては、例えば、金、パラジウム、白金増感などの貴金属増感、無機イオウ、または有機イオウ化合物によるイオウ増感などのカルコゲン増感、塩化錫、ヒドラジン等還元増感等を利用することができる。
また、化学増感されたハロゲン化銀粒子を分光増感することができる。好ましい分光増感色素としては、シアニン、カルボシアニン、ジカルボシアニン、複合シアニン、ヘミシアニン、スチリール色素、メロシアニン、複合メロシアニン、ホロポーラー色素等を挙げることができ、当業界で用いられている分光増感色素を単用或いは併用して使用することができる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メロシアニン色素である。これらの色素類には、その塩基性異節環核として、シアニン色素類に通常利用される核の何れをも通用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核及びこれらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などである。これらの核は、炭素原子上で置換されてもよい。
メロシアニン色素又は複合メロシアニン色素には、ケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5から6員異節環核を適用することができる。特に好ましい増感色素は近赤外増感色素である。これらの色素は特開2000−347343号公報、特開2004−037711号公報及び特開2005−134710号公報を参考にすることができる。好ましい具体例を下記に示す。
これらの増感色素は単独に用いても良いが、それらの組み合わせを用いても良い。増感色素の組み合わせは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。
これらの増感色素をハロゲン化銀乳剤中に含有せしめるには、それらを直接ハロゲン化銀乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、プロパノール、メチルセロソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解してハロゲン化銀乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−23389号、同44−27555号、同57−22089号等に記載の様に酸又は塩基を共存させて水溶液としたり、米国特許第3,822,135号、同4,006,025号等に記載の様にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を共存させて水溶液或いはコロイド分散物としたものをハロゲン化銀乳剤へ添加してもよい。また、フェノキシエタノール等の実質上水と非混和性の溶媒に溶解した後、水又は親水性コロイド分散したものをハロゲン化銀乳剤に添加してもよい。特開昭53−102733号、同58−105141号に記載の様に親水性コロイド中に直接分散させ、その分散物をハロゲン化銀乳剤に添加してもよい。
ハロゲン化銀粒子を硬調化する方法として、塩化銀含有量を高くして粒径の分布を狭くする方法等があるが、製版用では更に硬調にするために、ヒドラジン化合物やテトラゾリウム化合物を硬調化剤として使用することが知られており、これらの方法を適用することもできる。ヒドラジン化合物は、−NHNH−基を有する化合物であり、代表的なものを下記一般式で示す。
T−NHNHCO−V、T−NHNHCOCO−V
式中、Tは各々置換されてもよいアリール基、ヘテロ環基を表す。Tで表されるアリール基はベンゼン環やナフタレン環を含むもので、この環は置換基を有してもよく、好ましい置換基として直鎖、分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20のメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ドデシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数2〜21のメトキシ基、エトキシ基等)、脂肪族アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜21のアルキル基を持つ、アセチルアミノ基、ヘプチルアミノ基等)、芳香族アシルアミノ基等が挙げられ、これらの他に例えば上記の様な置換又は未置換の芳香族環が−CONH−、−O−、−SO2NH−、−NHCONH−、−CH2CHN−、等の連結基で結合しているものも含む。Vは水素原子、置換されてもよいアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル、トリフロロメチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(ピリジル基、ピペリジル基、ピロリジル基、フラニル基、チオフェン基、ピロール基等)を表す。
ヒドラジン化合物は、米国特許第4,269,929号の記載を参考にして合成することができる。
特に好ましいヒドラジン化合物を下記に挙げる。
(H−1):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{〔4−(3−n−ブチルウレイド)フェニル〕}ヒドラジン
(H−2):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−3):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−4):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルスルホンアミドフェニル}ヒドラジン
(H−5):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−(4−(3−(4−クロロフェニル−4−フェニル−3−チア−ブタンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニル)ヒドラジン
(H−6):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−(4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニルヒドラジン
(H−7):1−(1−メチレンカルボニルピリジニウム)−2−(4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニルヒドラジンクロライド。
ヒドラジン化合物は、T基としてスルホンアミドフェニル基、V基としてトリフロロメチル基が置換されているものが特に好ましい。またヒドラジンに結合するオキザリル基には、置換されてもよいピペリジルアミノ基が特に好ましい。
テトラゾリウム化合物の具体例を下記に示す。
(T−1):2,3−ジ(p−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウムクロリド
(T−2):2,3−ジ(p−エチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウムクロリド
(T−3):2,3,5−トリ−p−メチルフェニルテトラゾリウムクロリド
(T−4):2,3−ジフェニル−5−(p−メトキシフェニル)テトラゾリウムクロリド
(T−5):2,3−ジ(o−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウムクロリド
(T−6):2,3,5−トリ−p−メトキシフェニルテトラゾリウムクロリド
(T−7):2,3−ジ(o−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウムクロリド
(T−8):2,3−ジ(m−メチルフェニル)−5−フェニルテトラゾリウムクロリド
(T−9):2,3,5−トリ−p−エトキシメチルフェニルテトラゾリウムクロリド
これらは、特公平5−58175の記載を参考に使用することができ、場合によってはヒドラジン化合物と併用することもできる。
硬調化剤としてヒドラジンを使用するときに、ヒドラジンの還元作用を強化するためにアミン化合物又はピリジン化合物が使用される。代表的なアミン化合物は少なくとも一つの窒素原子を含む下記一般式で表すことができる。
R−N(Z)−Q
又は
R−N(Z)−L−N(W)−Q
式中のR、Q、Z、Wは各々炭素数2〜30の置換されてもよいアルキル基を表す。又これらのアルキル基鎖は窒素、硫黄、酸素等のヘテロ原子で結合されてもよい。RとZ、或いはQとWは互いに飽和及び不飽和の環を形成してもよい。Lは2価の連結基を表す。この連結基の中には、硫黄、酸素、窒素等のヘテロ原子が含まれてもよい。Lの連結基の中の炭素数は1から200まで可能であり、硫黄原子は、1から30まで、窒素原子は1から20まで、酸素原子は1から40までであるが特に限定されるものではない。これらのアミン化合物の具体例を下記に示す。
(A−1):ジエチルアミノエタノール
(A−2):ジメチルアミノ−1
(A−3):2−プロパンジオール
(A−4):5−アミノ−1−ペンタノール
(A−5):ジエチルアミン
(A−6):メチルアミン
(A−7):トリエチルアミン
(A−8):ジプロピルアミン
(A−9):3−ジメチルアミノ−1−プロパノール
(A−10):1−ジメチルアミノ−2−プロパノール
(A−11):ビス(ジメチルアミノテトラエトキシ)チオエーテル
(A−12):ビス(ジエチルアミノペンタエトキシ)チオエ−テル
(A−13):ビス(ピペリジノテトラエトキシ)チオエーテル
(A−14):ビス(ピペリジノエトキシエチル)チオエーテル
(A−15):ビス(ニペコチンジエトキシ)チオエーテル
(A−16):ビス(ジシアノエチルアミノジエトキシ)エーテル
(A−17):ビス(ジエトキシエチルアミノテトラエトキシ)エーテル
(A−18):5−ジブチルアミノエチルカルバモイルベンゾトリアゾール
(A−19):5−モルホリノエチルカルバモイルベンゾトリアゾール
(A−20):5−(2−メチルイミダゾール−2−エチレン)カルバモイルベンゾトリアゾール
(A−21):5−ジメチルアミノエチルウレイレンベンゾトリアゾール
(A−22):5−ジエチルアミノエチルウレイレンベンゾトリアゾール
(A−23):1−ジエチルアミノ−2−(6−アミノプリン)エタン
(A−24):1−(ジメチルアミノエチル)−5−メルカプトテトラゾール
(A−25):1−ピペリジノエチル5−メルカプトテトラゾール
(A−26):1−ジメチルアミノ−5−メルカプトテトラゾール
(A−27):2−メルカプト−5−ジメチルアミノエチルチオチアジアゾール
(A−28):1−メルカプト−2−モルホリノエタン
アミン化合物としては、分子中にピペリジン環又はピロリジン環が少なくとも1個、チオエーテル結合が少なくとも1個、エーテル結合が少なくとも2個あることが特に好ましい。
ヒドラジンの還元作用を促進する化合物として、ピリジニウム化合物やホスホニウム化合物がアミン化合物の他に使用される。オニウム化合物は、正電荷を帯びているため、負電荷に帯電しているハロゲン化銀粒子に吸着して、現像時の現像主薬からの電子注入を促進することにより硬調化を促進するものと考えられている。
好ましいピリジニウム化合物は、特開平5−53231号、同6−242534号公報に記載のビスピリジニウム化合物を参照することができる。特に好ましいピリジニウム化合物は、ピリジニウムの1位又は4位で連結してビスピリジニウム体を形成しているものである。塩としては、ハロゲンアニオンとして、塩素イオンや臭素イオン等が好ましく、他に4フッ化ほう素イオン、過塩素酸イオン等が挙げられるが塩素イオン又は4フッ化ほう素イオンが好ましい。下記に好ましいビスピリジニウム化合物を示す。
(P−1):1,1′−ジメチル−4,4′−ビピリジニウムジクロライド
(P−2):1,1′−ジベンジル−4,4′−ビピリジニウムジクロライド
(P−3):1,1′−ジヘプチル−4,4′−ビピリジニウムジクロライド
(P−4):1,1′−ジ−n−オクチル−4,4′−ビピリジニウムジクロライド
(P−5):4,4′−ジメチル−1,1′−ビピリジニウムジクロライド
(P−6):4,4′−ジベンジル−1,1′−ビピリジニウムジクロライド
(P−7):4,4′−ジヘプチル−1,1′−ビピリジニウムジクロライド
(P−8):4,4′−ジ−n−オクチル−1,1′−ビピリジニウムジクロライ
(P−9):ビス(4,4′−ジアセトアミド−1,1′−テトラメチレンピリジニウム)ジクロライド
ヒドラジン化合物は高濃度部の硬調化に作用するが、脚部の硬調化が不十分であるため、これを改良する試みとして、現像時に生成する現像主薬の酸化体を利用する技術が考えられている。現像主薬の酸化体と反応するレドックス化合物を存在させて、この化合物から脚部を抑制する抑制剤を放出させることにより画像の鮮明性を高めるのである。現像主薬の酸化体の発生は、現像の進行により発生するので、粒子の還元速度が関係してくる。化学増感剤で還元速度の早い現像核を形成しておくと、この効果を高めることができるので、良い化学増感剤が求められる。本発明の化合物を使用するとレドックス化合物を使用する際に、顕著な効果をあげることができる。
レドックス化合物は、レドックス基としてハイドロキノン類、カテコール類、ナフトハイドロキノン類、アミノフェノール類、ピラゾリドン類、ヒドラジン類、レダクトン類等を有する。好ましいレドックス化合物はレドックス基として−NHNH−基を有する化合物であり、次の一般式で示すものが代表的である。
T−NHNHCO−V−(Time)n−PUG
T−NHNHCOCO−V−(Time)n−PUG
式中、T及びVは各々前記ヒドラジン化合物と同義の基を表す。PUGは写真有用性基を表し、例えば、5−ニトロインダゾール、4−ニトロインダゾール、1−フェニルテトラゾール、1−(3−スルホフェニル)テトラゾール、5−ニトロベンズトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール、5−ニトロイミダゾール、4−ニトロイミダゾール等が挙げられる。これらの現像抑制化合物は、T−NHNH−CO−のCO部位にNやS等のヘテロ原子を介して直接又は(Time)で表される、アルキレン、フェニレン、アラルキレン、アリール基を介して更にNやSのヘテロ原子を介して接続することができる。その他に、バラスト基がついたハイドロキノン化合物にトリアゾール、インダゾール、イミダゾール、チアゾール、チアジアオールなどの現像抑制基を導入したものも使用できる。例えば、2−(ドデシルエチレンオキサイド)チオプロピオン酸アミド−5−(5−ニトロインダゾール−2−イル)ハイドロキノン、2−(ステアリルアミド)−5−(1−フェニルテトラゾール−5−チオ)ハイドロキノン、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノプロピオン酸アミド)−5−(5−ニトロトリアゾール−2−イル)ハイドロキノン、2−ドデシルチオ−5−(2−メルカプトチオチアジアゾール−5−チオ)ハイドロキノン等が挙げられる。尚、nは1又は0を表す。レドックス化合物は、米国特許第4,269,929号の記載を参考にして合成することができる。特に好ましいレドックス化合物を下記に挙げる。
(R−1):1−(4−ニトロインダゾール−2−イル−カルボニル)−2−{〔4−(3−n−ブチルウレイド)フェニル〕}ヒドラジン
(R−2):1−(5−ニトロインダゾール−2−イル−カルボニル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tertペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(R−3):1−(4−ニトロトリアゾール−2−イル−カルボニル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(R−4):1−(4−ニトロイミダゾール−2−イル−カルボニル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルスルホンアミドフェニル}ヒドラジン
(R−5):1−(1−スルホフェニルテトラゾール−4−メチルオキサゾール)−2−{3−〔1−フェニル−1′−p−クロロフェニルメタンチオグリシンアミドフェニル〕スルホンアミドフェニル}ヒドラジン
(R−6):1−(4−ニトロインダゾール−2−イル−カルボニル)−2−{〔4−(オクチル−テトラエチレンオキサイド)−チオ−グリシンアミドフェニル−スルホンアミドフェニル〕}ヒドラジン。
ヒドラジン化合物、アミン化合物、ピリジニウム化合物、テトラゾリウム化合物及びレドックス化合物は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6〜5×10-2モル含有するのが好ましく、特に1×10-4〜2×10-2モルが好ましい。これらの化合物の添加量を調節して硬調化度γを6以上にすることは容易である。γは更に乳剤の単分散性、ロジウムの使用量、化学増感等によって調節することができる。ここに、γは濃度0.1と3.0を与えるそれぞれの露光量の差に対する濃度差とする。
これらの化合物は、感光材料のハロゲン化銀乳剤層又は他の親水性コロイド層に添加して使用する。水溶性の場合には水溶液にして、水不溶性の場合にはアルコール類、エステル類、ケトン類等の水に混和しうる有機溶媒の溶液としてハロゲン化銀乳剤溶液又は親水性コロイド溶液に添加すればよい。又、これらの有機溶媒に溶けないときには、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等で0.01〜10μmの大きさの微粒子にして添加することができる。微粒子分散の方法は、写真添加剤である染料の固体分散の技術を好ましく応用することができる。
感光材料には、近赤外線吸収層を設けることができる。近赤外線吸収層をつけるに際しては、支持体上に接着層/帯電防止層/近赤外線染料含有層/保護層を設けるのが一般的である。接着層としてコロナ放電した支持体上に塩化ビニリデン共重合体やスチレン−グリシジルアクリレート共重合体を0.1〜1μmの厚さで塗布した後、帯電防止層としてインジウムやリンをドープした平均粒子径0.01〜1μmの酸化錫、5酸化バナジウムの微粒子を含むゼラチン層やアクリル又はメタクリルポリマー層或いは非アクリルポリマー層を塗布することができる。又、スチレンスルホン酸とマレイン酸共重合体を前述したアジリジンやカルボニル活性型の架橋剤で造膜して設けることができる。これら帯電防止層の上に染料層を設けて近赤外線吸収層とする。近赤外線吸収層中には、コロイダルシリカ更にはコロイダルシリカの表面をメタクリレートやアクリレートポリマー又はスチレンポリマーやアクリルアミド等の非アクリレートポリマー、等で被覆した複合コロイダルシリカ等で寸法安定のための無機又は複合充填物や接着防止のシリカやメタクリル酸メチルマット剤、搬送性の制御のためのシリコン系滑り剤或いは剥離剤等を含有させることができる。バッキング染料としては、ベンジリデン染料やオキソノール染料が使用される。これらアルカリ可溶性或いは分解性染料を微粒子にして固定しておくこともできる。ハレーション防止のための濃度としては、各感光性波長で0.1〜2.0の濃度であることが好ましい。
近赤外線吸収層に使用した帯電防止剤は、乳剤層側にも使用する事ができ、乳剤上層の保護層や保護層が2層ある場合には何れかの層に又は両層に添加したり、乳剤下層のハレーション防止層や抑制剤放出層又はタイミング層等に使用することができる。
感光材料は、化学工学における乾燥理論を適用して乾燥する事ができる。乾燥するときの湿度の与え方は、感光材料の特性により異なるので適宜選択する必要がある。早い乾燥は、しばしばかぶりを高くしたり保存性を劣化したりして性能を劣化させるからである。本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、相対湿度20%以下で、30℃以上90℃以下で10秒から2分以内に乾燥するのが好ましく、更には35℃以上50℃以下で30秒から50秒以内に乾燥するのが好ましい。特に温度湿度の設定に関しては恒率乾燥と減率乾燥を好ましく制御するのがよい。恒率乾燥は感光材料表面から水分が蒸発しながら乾燥していくプロセスで、このプロセスの間は表面温度が一定であるので恒率乾燥と呼ばれる。この次のプロセスは、感光材料内部から水分が蒸発して乾燥していくので湿球温度が、感光材料の表面温度、即ち乾球温度に近づき、最後に同じになるプロセスを減率乾燥と呼ぶ。ゼラチン膜の乾燥は、水分がゼラチン質量の300から400倍含まれている点が恒率乾燥と減率乾燥の堺になっている。300倍以下の水分量の乾燥条件は減率乾燥部分の乾燥条件として重要な意味をもっている。この減率乾燥部分を高い温度と低い湿度で乾燥ができるほど生産性は向上するのでこの部分の写真性能の変動が少ないか、性能が劣化しないのがよい。
感光材料は、塗布乾燥されて後、加熱処理をすることにより、支持体の巻き癖を改良することができる。巻き癖を改良するには、30℃以上、90℃以下の温度で1時間から10日間加熱処理する。特に好ましくは、35℃以上、50℃以下の温度で60時間から5日間加熱処理する。
ハロゲン化銀乳剤層と支持体との間に近赤外線吸収染料層を設けること、或いは、支持体に対して乳剤層とは反対側に近赤外線吸収染料層を設けることにより、近赤外線による電子機器の誤動作を防止することができる。
近赤外線吸収剤の具体例としては、ポリメチン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、イモニウム系、ジイモニウム系、アンスラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系の化合物などが挙げられる。PDP用光学フィルタで近赤外線吸収能が要求されるのは、主として熱線吸収や電子機器のノイズ防止である。このためには、最大吸収波長が750〜1100nmである近赤外線吸収能を有する色素が好ましく、金属錯体系、アミニウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系が特に好ましい。
従来知られているニッケルジチオール錯体系化合物またはフッ素化フタロシアニン系化合物の吸収極大は、700〜900nmであり、実用化するに当たっては、通常、上記化合物よりも長波長域に吸収極大を有するアミニウム系化合物、特にはジインモニウム系化合物と組み合わせて用いることにより、有効な近赤外線吸収効果を得ることができる(例えば、特開平10−283939号公報、特開平11−73115号公報、特開平11−231106号公報等)。その他に、特開平9−230931号公報のビス(1−チオ−2−フェノレート)ニッケル−テトラブチルオニウム塩錯体、特開平10−307540号公報のビス(1−チオ−2−ナフトレート)ニッケル−テトラブチルアンモニウム塩錯体等を挙げることができる。
ジイモニウム系化合物として具体的な化合物を下記に示す。
(IR−1):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
(IR−2):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・過塩素酸)
(IR−3):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−アミルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
(IR−4):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
(IR−5):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−n−ヘキシルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
(IR−6):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−iso−プロピルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
(IR−7):7N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−n−ペンチルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
(IR−8):N,N,N′,N′−テトラキス(4−ジ−メチルアミノフェニル)−1,4−ベンゾキノン−ビス(イモニウム・ヘキサフルオロアンチモン酸)
なお、近赤外線吸収能を有する色素を、色調補正層に含有させる場合、上記の色素のうちいずれか1種類を含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよい。近赤外線吸収染料の経時劣化を避けるために紫外線吸収染料を使用することが好ましい
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、S−トリアジン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく使用することができる。これらの中、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、環状イミノエステル系化合物が好ましい。ポリエステルに配合するものとしては、特に環状イミノエステル系化合物が好ましい。
好ましい具体例としては、
(UV−1):2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−2):5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−第三−ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−3):5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−4):5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−5):5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−6):2−(3−第三ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−7):5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−8):5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−9):5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−10):メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート
(UV−11):5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−12):5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−第三ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−13):2,4−ビス(4−ビフェニルイル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン
(UV−14):2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ※−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(※はオクチルオキシ基、ノニルオキシ基およびデシルオキシ基の混合物を示す。)
(UV−15):2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン
(UV−16):ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−17):2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(UV−18):2−(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等である。
上記染料は、後述する微粒子化装置で平均粒子径0.01〜10μmの微粒子にして染料層に固定化するのが好ましく、添加量としては光学濃度が、極大波長で0.05から3.0濃度の範囲で使用するのが好ましい。
本発明に係る導電性金属層を形成するハロゲン化銀粒子含有層において、バインダーは、ハロゲン化銀粒子を均一に分散させ、かつハロゲン化銀粒子含有層と支持体との密着を補助する目的で用いることができる。本発明においては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)およびその誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本発明に係るハロゲン化銀粒子含有層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。ハロゲン化銀粒子含有層中のバインダーの含有量は、Ag/バインダー質量比で0.2〜100であることが好ましく、導電性向上の観点からはAg/バインダー質量比が高いことが好ましいが、ハロゲン化銀粒子含有層の塗膜強度の観点も考慮すると、0.3〜30であることがより好ましく、0.5〜15であることがさらに好ましい。
本発明では、支持体として、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラスなどを用いることができる。プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレンなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及び価格の点から、上記プラスチックフィルムはPET、PEN、TACであることが好ましい。
ディスプレイ用の電磁波遮蔽材では透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフィルム又はプラスチック板の全可視光透過率は好ましくは85%以上であり、より好ましくは88%以上であり、さらに好ましくは90%で以上である。また、本発明では、色気調節剤として前記プラスチックフィルム及びプラスチック板を本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤層の塗布液調製に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、含まれるハロゲン化銀粒子、バインダー等の合計質量に対して30〜90質量%の範囲であることが好ましく、40〜80質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明では、導電性金属層を形成するため、支持体上に設けられたハロゲン化銀乳剤層の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光、電子線、X線などの放射線等が挙げられるが、紫外線または近赤外線が好ましい。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、波長分布の狭い光源を用いてもよい。
可視光線は必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種又は2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線等も利用される。
また、本発明においては、露光は種々のレーザービームを用いて行うことができる。例えば、本発明における露光は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザー又は半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合せた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、さらにKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fレーザー等も用いることができる。システムをコンパクトで、迅速なものにするために、露光は、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合せた第二高調波発生光源(SHG)を用いて行うことが好ましい。特にコンパクトで、迅速、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザーを用いて行うことが好ましい。
レーザー光源としては、具体的には、紫外半導体、青色半導体レーザー、緑色半導体レーザー、赤色半導体レーザー、近赤外レーザーなどが好ましく用いられる。
ハロゲン化銀粒子含有層を画像状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた集光式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、面々接触露光、近接場露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。レーザーの出力は、ハロゲン化銀を感光させるのに適した量であればよいのでμW〜5Wレベルでよい。
本発明では、ハロゲン化銀乳剤層を露光した後、さらに現像処理(以下、白黒現像処理ともいう)が行われる。現像処理は、ハロゲン化銀粒子写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の白黒現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることができる。
本発明では、上記の露光及び現像処理を行うことにより、金属銀部、好ましくは画像状金属銀部が形成されると共に、後述する光透過性部が形成される。
本発明における現像処理は、未露光部分のハロゲン化銀粒子を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、ハロゲン化銀粒子を用いた写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
本発明に用いる現像組成物は、現像主薬としてハイドロキノン、ハイドロキノンスルホン酸ナトリウム、クロルハイドロキノン等のハイドロキノン類の他に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン等のピラゾリドン類及びN−メチルパラアミノフェノール硫酸塩等の超加成性現像主薬と併用することができる。又、ハイドロキノンを使用しないでアスコルビン酸やイソアスコルビン酸などレダクトン類化合物を上記超加成性現像主薬と併用することが好ましい。
保恒剤として亜硫酸ナトリウム塩や亜硫酸カリウム塩、緩衝剤として炭酸ナトリウム塩や炭酸カリウム塩、現像促進剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノプロパンジオール等を含むことができる。
現像液は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤でpHを9〜12の範囲に調節することができる。pHは一般的には、保存性が良い10±0.5の範囲とされるが、迅速処理用としてpH11±0.5とすることもできる。現像処理は、20〜40℃、1〜90秒の処理条件で実施することができる。また現像促進剤や増感剤を使用して現像液や定着液の補充量をそれぞれ1m2当たり5〜216mlの範囲或いはこれ以下にすることができる。
現像処理で用いられる現像液は、画質を向上させる目的で、画質向上剤を含有することができる。画質向上剤としては、例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5−メチルベンゾトリアゾールなどの含窒素へテロ環化合物を挙げることができる。
本発明における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、3.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が3.0を超えると、光透過性部の透明性を高く保ったまま、導電性金属層の導電性を高めることができる。階調を3.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
本発明に使用する定着液は、定着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等を使用することができる。定着時の硬膜剤として、硫酸アルミウム、硫酸クロミウム等を使用することができる。定着剤の保恒剤としては、現像組成物で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸等を使用することができ、その他にクエン酸、蓚酸等を使用することができる。
本発明に使用する水洗水には、防黴剤としてN−メチル−イソチアゾール−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−5−クロロ−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−4,5−ジクロロ−3−オン、2−ニトロ−2−ブロム−3−ヒドロキシプロパノール,2−メチル−4−クロロフェノール、過酸化水素等を使用することができる。
本発明においては、上述の現像処理によって形成された現像銀同士の接触を補助し、導電性を高めるために物理現像処理およびめっき処理の少なくとも一つを行うことが好ましい。これは、現像処理中、あるいは処理後に、予め感光材料中に含有されていない導電性物質源を外部から供給し、導電性を高める処理である。物理現像処理は、潜像を有するハロゲン化銀乳剤を含有する感光材料または物理現像開始点となりうる物質を含有する材料を、銀イオンあるいは銀錯イオンと還元剤を含有する処理液に浸漬することで、これを施すことができる。本発明においては、物理現像の現像開始点が潜像核だけでなく、現像銀が物理現像開始点となった場合についても物理現像と定義し、これを好ましく用いることができる。
本発明において、めっき処理には従来公知の種々のめっき方法を用いることができ、例えば電解めっき及び無電解めっきを単独、あるいは組み合わせて実施することができる。無電解めっきは、電流分布ムラによるめっきムラが発生しにくいという特徴を有する。電解めっきは、めっき速度が早く、強固な金属皮膜が形成でき、めっき液の安定性に優れるという特徴を有する。
めっきに用いることができる金属としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト、すず、銀、金、白金、その他各種合金を用いることができるが、めっき処理が比較的容易であり、かつ高い導電性を得やすいという観点から、銅めっきを用いることが特に好ましい。
なお、上記物理現像処理、メッキ処理は、前記現像中、現像後定着前、定着処理後のいずれのタイミングにおいても実施可能であるが、フィルムの透明性を高く維持するという観点から、定着処理後に実施することが好ましい。
本発明において、物理現像または金属めっきにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍以上100倍以下である態様が好ましい。この値は、物理現像または金属めっきを施す前後において、感光材料中に含有される金属を、例えば、蛍光X線分析などで定量することによって求めることができる。物理現像または金属めっきにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍未満である場合、導電性がやや低下する傾向となりやすく、また、100倍より大きい場合には、導電性メッシュパターン部以外の不要な部分への金属析出による透過率の低下が生じやすい傾向となる。尚、本発明においては、白黒現像処理後に、物理現像及び金属めっきの両方の処理を施すことが好ましい。
次に、本発明に係る導電性金属層について説明する。
本発明では、導電性金属層は、(1)導電性金属層の空隙率が0.1〜15%であること、(2)導電性金属層表面の光沢度が50〜300%であること、(3)導電性金属層表面の中心線平均粗さ(Ra)が1〜50nmであること、3つの条件うち少なくとも1つを満たすことを特徴とし、2つ以上の条件を満たすことがより好ましく、3条件のすべてを満たすことが最も好ましい。尚、1つの条件を満たす場合は、それが(1)導電性金属部の空隙率が0.1〜15%であることが好ましい。また、2つの条件を満たす場合は、それが(1)導電性金属部の空隙率が0.1〜15%であることと、(2)導電性金属部表面の光沢度が50〜300%であることが好ましい。
(1)の空隙率は好ましくは0.2〜10%であり、より好ましくは0.5〜5%であ
る。圧縮率をこの範囲とすることで導電性に優れるとともに膜の靱性を維持することができる。
空隙率は以下のようにして測定、算出することができる。すなわち、形成された導電性金属層において、導電性金属層から切片を切り出して単位体積あたりの質量を測定し、各金属層の比重Dを算出する。
他方、導電性金属層を形成する各成分の比重を、それぞれd1、d2、…、dnとし、それらの質量比をw1、w2、…、wnとしたとき、これらの成分がすきまなく充填されたときの導電性金属層の比重D0は、次式により表される。
0=(d11+d22+…+dnn)/(w1+w2+…+wn
したがって、導電性金属層の空隙率V%は、次式により算出される。
V=|D−D0|×100/D0
また(2)の光沢度は、100〜250%が好ましく、150〜220%がより好ましい。光沢度をこの範囲とすることで導電性に優れるとともに膜の靱性を維持することができる。光沢度は、通常の光沢度測定機器にて測定できる。
また(3)の中心線平均粗さ(Ra)は2〜30nmであることが好ましく、3〜20nmであることがより好ましい。Raをこの範囲とすることで導電性にすぐれるとともに膜の靱性を維持することができる。中心線平均粗さ(Ra)は、通常の表面粗さ測定機器にて測定できる。
本発明で規定する上記条件を満たすためには、下記に挙げる技術手段を適宜組み合わせて用いることで達成することができる。
1)導電性金属層を形成するために用いる金属層(例えば、感光性ハロゲン化銀を含む乳剤層、脂肪族カルボン酸銀塩を含む層、Fe−Co合金をバインダー中に分散させた層など)の分散性を向上させる。分散性向上のためにはバインダーとして、例えば、スルホン酸基やリン酸基、カルボキシル基等の極性基を含む分散性に優れたバインダーを使用したり、分散助剤を使用したり、サンドミルやニーダー、プラネタリーミキサー等の分散性にすぐれる分散機を使用する。
2)カレンダ処理(加圧処理)を行う。
前述した露光及び現像処理により形成された金属銀部に圧力をかけて処理し、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させることにより形成される。加圧に際しては、プレート上で加圧する面−面加圧方式やロール間に本発明の電磁波遮蔽材料を通過させながら加圧させるニップロール加圧方式や、プレート上をロールで加圧する方式等を組み合わせた加圧を採用することができる。加圧の大きさは0.49kN/cmから4.9kN/cmの範囲で任意に可能であるが、好ましくは0.98kN/cm〜3.92kN/cmの範囲、より好ましくは、1.47kN/cm〜3.92kN/cmの範囲である。加圧が0.49kN/cm未満であると粒子同士の接触の効果が得られないし、4.9kN/cm超では、ハロゲン化銀含有層に亀裂が発生したり、ヘイズが上昇するので好ましくない。
また、加圧に際して加熱すると効果的になるので、40℃〜120℃の範囲で加熱することが好ましい。カレンダ時のヒートロールの温度は70〜110℃が好ましく、80℃から100℃がより好ましい。コンプライアントロールとしては、ナイロン、コットン、メタル等が用いられるが圧縮率を高めるためにはメタルロールを使用することが好ましい。加熱の時間は温度、カレンダ速度との関係で調節される。
カレンダ速度は通常5〜300m/分であり、生産性の点からは速い方が好ましいが、膜の圧縮率や表面性を高めるためには遅いほうが好ましい。
カレンダの効果を高めるためには、バインダーに熱可塑性材料を添加することが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が−30〜40℃のポリマーを併用するとよい。そのようなポリマーとしては、単独のホモポリマー、2成分以上の多成分のコポリマーを使用できる。例えば塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、アクリル樹脂等が用いられる。特に、ガラス転位温度の低い水溶性ポリウレタンが好ましい。また、カルバナウワックスのような天然のワックスや鎖延長した人工のワックス或いはロジン類、脂肪酸エステル、リン酸エステル等を使用して膜を可塑化しても良い。
3)乾燥温度
本発明において、白黒現像処理後に物理現像処理やめっき処理を行うことによって、導電性金属層の空隙率、表面の光沢度、表面の中心線平均粗さを、本発明で規定する範囲内とすることができる。これは、物理現像処理やめっき処理によって、導電性金属層が改質されると考えられる。特に、物理現像処理後の乾燥温度、またはめっき処理後の乾燥温度を高くすることによって、導電性金属層の空隙率、表面の光沢度、表面の中心線平均粗さを、本発明の好ましい範囲内とすることができる。乾燥温度としては、50℃以上、好ましくは53℃以上、100℃以下、特に好ましくは55℃以上、90℃以下である。
透光性の電磁波遮蔽材料の用途において、上記導電性金属層の線幅は20μm以下、線間隔は50μm以上であることが好ましい。また、導電性金属層は、アース接続などの目的においては、線幅は20μmより広い部分を有していてもよい。また画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属層の線幅は18μm未満であることが好ましく、15μm未満であることがより好ましく、14μm未満であることがさらに好ましく、10μm未満であることがさらにより好ましく、7μm未満であることが最も好ましい。
本発明における導電性金属層は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、メッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅10μm、ピッチ200μmの正方形の格子状メッシュの開口率は、90%である。
本発明における「光透過性部」とは、透光性電磁波遮蔽材料のうち導電性金属層以外の透明性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた400〜750nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が85%以上、好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
本発明の透光性電磁波遮蔽材料における支持体の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜200μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、かつ取り扱いも容易である。
導電性金属層に形成された金属メッシュの厚さは、高い導電性を得るためには厚いほど良いが、デイスプレイの視野角を広げるためには、薄いほど好ましい。本発明では、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.1〜10μmであることが最も好ましい。
本発明では、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレイ用電磁波遮蔽材用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレア層またはアンチグレア層(共にぎらつき防止機能を有する)特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、ハロゲン化銀粒子含有層と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、プラズマディスプレイパネル本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板などの透明基板に貼合してもよい。これらの機能性膜を光学フィルタと呼ぶことができる。
反射防止機能を付与した反射防止層は、外光の反射を抑えてコントラストの低下を抑えるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを該フィルター上に張り付けることもできる。また、ノングレア処理またはアンチグレア処理をしたフィルムを該フィルター上に張り付けることもできる。更に必要で有ればハードコート層を設けることもできる。
特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層は、PDPが青色を発光する蛍光体が青色以外に僅かであるが赤色を発光する特性を有しているため、青色に表示されるべき部分が紫がかった色で表示されるという問題があり、この対策として発色光の補正を行う層であり、595nm付近の光を吸収する色素を含有する。このような特定波長を吸収する色素としては、具体的には例えば、アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系などの周知の有機顔料および有機染料、無機顔料が挙げられる。これらの中でも、耐候性が良好であることから、フタロシアニン系、アンスラキノン系色素が特に好ましい。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例1
《ハロゲン化銀感光材料の作製》
〔試料101〜114の作製〕
水媒体中に、Ag100gに対してゼラチン100gを含む球相当径平均0.044μmの沃臭化銀粒子(I=2.5モル%)を含有する乳剤を調製した。この際、Ag/ゼラチン質量比は1/1とし、ゼラチンとしては平均分子量4万のアルカリ処理低分子量ゼラチンを用いた。また、この乳剤中には、臭化ロジウム酸カリウム及び塩化イリジウム酸カリウムを、濃度として1×10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤に塩化パラジウム酸ナトリウムを添加し、更に塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、近赤外増感色素をハロゲン化銀1モル当たり10−4モル添加し、近赤外増感(色素種類の具体例を、表1に示す)をした後、硬調化剤としてヒドラジン又はテトラゾリウム化合物(具体例の番号を表1に示す)、促進剤としてアミン化合物又はピリジン化合物(具体例の番号を表1に示す)、レドックス化合物として表1に示す例示化合物R−1またはR−2を添加し、更に加圧時に銀粒子接触を促進するために、ロジンとカルバナウワックスをそれぞれ0.1g/m、ビニルスルホン系のゼラチン硬膜剤(ゼラチン1g当たり0.1モル)と共に、銀の塗布量が1g/m(ゼラチン付き量1g/m)となるように、ハロゲン化銀乳剤層(導電性金属層)をポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布した。PETは塗布前にあらかじめ両面にコロナ放電処理(100mw/m)を施し親水化処理したものを用い、上記導電性金属層を設ける面とは反対側の面に、ジイモニウム系化合物である近赤外線吸収染料(付き量:0.1g/m、具体例を表1に示す)及び平均粒子径として100nm以下に固体分散させた紫外線吸収染料(付き量:0.1g/m、具体例を表1に示す)を含むゼラチン層(付き量:1g/m)と、保護層(ゼラチン層付き量:1g/m、平均粒子径3μmのシリカマット剤を含む)を予め設けた。乾燥して、表1に示す試料101〜114のハロゲン化銀感光材料を作製した。
得られた、試料101〜114をライン/スペース=5μm/195μmの現像銀像を与えうる格子状の描画パターンを与えるイメージセッタを使用して近赤外半導体レーザー露光(810nm)し、下記の現像液を用いて25℃で45秒間現像し、さらに下記定着液を用いて25℃で2分間処理した後、純水でリンスした。その後50℃の温風で3分間乾燥した。
(現像液組成)
ハイドロキノン 30g
1−フェニル−3,3−ジメチルピラゾリドン 1.5g
臭化カリウム 3.0g
亜硫酸ナトリウム 50g
水酸化カリウム 30g
硼酸 10g
N−n−ブチルジエタノールアミン 15g
水を加えて1Lとし、pHは10.20に調節した。
(定着液組成)
チオ硫酸アンモニウム72.5%水溶液 240ml
亜流酸ナトリウム 17g
酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g
硼酸 6.0g
クエン酸ナトリウム・2水塩 2.0g
酢酸90%水溶液 13.6ml
硫酸50%水溶液 4.7g
硫酸アルミニウム(Al23換算含量が、8.1%質量/体積の水溶液)
26.5g
水を加えて1Lとし、pHを5.0に調節した。
現像後に、表1に記載のカレンダ処理条件で、コンプライアントロールとして金属ロールを使用して、金属−金属のカレンダ処理を行った。
〔試料115の作製〕
上記試料109の作製において、用いるゼラチン量を減らして、銀/ゼラチンの質量比を10とした以外は同様にして、試料115を作製した。
〔試料116の作製〕
上記試料109の作製において、用いるゼラチン量を減らして、銀/ゼラチン質量比を50とした以外は同様にして、試料116を作製した。
〔試料117の作製〕
上記試料109の作製において、用いるゼラチン量を減らして、銀/ゼラチン質量比を100とした以外は同様にして、試料117を作製した。
〔試料118の作製〕
上記試料109の作製において、ゼラチン量の50質量%を水溶性ポリウレタン(Tg=20℃)に変更した以外は同様にして、試料118を作製した。
〔試料119の作製〕
上記試料109の作製において、ゼラチン量の50質量%を水溶性ポリウレタン(Tg=0℃)に変更した以外は同様にして、試料119を作製した。
〔試料120の作製〕
上記試料109の作製において、ゼラチン量の50質量%を水溶性ポリウレタン(Tg=−20℃)に変更した以外は同様にして、試料120を作製した。
なお、試料115〜117は、メッシュをなす金属細線の線幅は、それぞれ10μm、厚さは6.2μmであった。
《試料の評価》
以上のようにして作製した導電性金属層と光透過性部とを有する各試料の導電性金属層について、下記に示す方法に従って、各特性値の測定を行った。
〔表面抵抗値の測定〕
表面抵抗値は、横川電機製デジタルマルチメーター7541を用い抵抗値を測定した。抵抗値の測定は23℃相対湿度50%の部屋で行った。尚、表面抵抗値は10Ω/□以下が好ましく、2Ω/□以下がより好ましく、0.2Ω/□以下が特に好ましい。
〔可視光透過率の測定〕
可視光透過率は、JIS R 1635に従い、日立製作所製分光光度計1U−4000型を用いて400〜750nmの波長で透過率(%)を測定し、該測定波長域での最小透過率を求め、これを可視光透過率とした。
〔近赤外吸収の測定〕
近赤外線吸収の測定には、赤外吸収分光計(島津FTIR−8300)を使用し、800nm〜1000nmの近赤外線遮蔽性(近赤外線カット率)を求めた。
〔空隙率の測定〕
空隙率は、前述の方法(空隙率V(%)=|D−D0|×100/D0)に従って測定した。
〔光沢度の測定〕
光沢度の測定は、JIS−Z−8741に従い、入射角45度において、屈折率1.567のガラス表面の鏡面光沢度を100%として測定した。
〔中心線平均粗さ(Ra)の測定〕
導電性金属層の中心線平均粗さ(Ra)は、触針式表面粗さ計(東京精密K、K製サ−フコム800A型)により測定した。この時、カットオフ値は0.08mmで、JIS−B0601に準拠して測定した。
以上により得られた各測定結果を表2に示す。
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の電磁遮蔽材料は導電性に優れ、電磁波遮蔽能を向上することができた。また、本発明の電磁遮蔽材料は、いずれも近赤外線吸収能として、誤動作をさせない充分な吸収能を有していることが分かる。
実施例2
《ハロゲン化銀感光材料の作製》
〔試料200の作製〕
実施例1のハロゲン化銀感光材料である試料109の作製において、ハロゲン化銀乳剤層の形成におけるゼラチン量を減らして銀/ゼラチン質量比を2とし、かつ近赤外増感色素を下記SD−1に変更し、更に、ハロゲン化銀乳剤層とは反対側の面には、近赤外線吸収染料と紫外線吸収染料を含むゼラチン層および保護層の形成を行わなかった以外は同様にして、ハロゲン化銀感光材料である試料200を作製した。
〔試料201〜216の作製〕
上記作製したハロゲン化銀感光材料である試料200を用いて、線幅が10μm、線間隔が240μmの格子状となるように、発振波長440nmのレーザー光(日亜化学(株)製の青色半導体レーザーダイオード)を用いてメッシュ露光を行い、次いで下記白黒現像液を用いて25℃で60秒間の白黒現像処理を行った後、下記定着液を用いて25℃で120秒間の定着処理を行い、最後に水洗処理を行った。
(白黒現像液)
純水 500ml
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
ハイドロキノン 4g
ホウ砂 4g
チオ硫酸ナトリウム 10g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1Lとした。
(定着液)
純水 750ml
チオ硫酸ナトリウム 250g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
氷酢酸 15ml
カリミョウバン 15g
水を加えて全量を1Lとした。
次いで、上記白黒現像処理により、導電性金属メッシュを形成した試料200について、表3に記載の組み合わせで、下記物理現像液を用いた物理現像処理、下記電解めっき液を用いたメッキ処理を行い、各処理を施した後、水洗処理を行った後、表3に記載の乾燥温度に制御した温風循環ボックス内で3分間の乾燥を行った。次いで、乾燥を行った各試料について、実施例1と同様の方法でカレンダ処理を行い、試料201〜216を作製した。なお、加圧速度はすべて20m/分で、ニップ数は4とした。
(物理現像処理)
下記物理現像液を用いて、25℃で5分間の物理現像を行い、次いで水洗処理を行った。
〈物理現像液〉
純水 800ml
クエン酸 5g
ハイドロキノン 7g
硝酸銀 3g
水を加えて全量を1Lとした。
(めっき処理)
下記電解めっき液を用いて、25℃、3A/cmの条件で2分間の銅めっきを行い、次いで水洗処理を行った。
〈電解めっき液〉
硫酸銅(五水和物) 180g
濃硫酸 50g
塩化ナトリウム 70mg
水を加えて全量を1Lとした。
《試料の評価》
以上のようにして作製した試料201〜216について、実施例1に記載の方法と同様にして、表面抵抗値の測定、可視光透過率の測定、空隙率の測定、光沢度の測定及び中心線平均粗さ(Ra)の測定を行い、得られた各測定結果を表4に示す。
表4に記載の結果より明らかなように、本発明の電磁波遮蔽材料は、白黒現像処理に引き続いて、物理現像処理やめっき処理を施すことにより、優れた導電性を示すことが分かる。
実施例3
実施例1及び実施例2で作製した本発明の電磁波遮蔽材料を、プラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料として、プラズマディスプレイパネル前面に装着し、その効果を確認した結果、いずれも優れた電磁波遮蔽遮断性能を備えていることを確認することができた。

Claims (15)

  1. 支持体上に導電性金属層を有し、(a)該導電性金属層の空隙率が0.1%以上、15%以下であること、(b)該導電性金属層表面の光沢度が50%以上、300%以下であること、(c)該導電性金属層表面の中心線平均粗さ(Ra)が1nm以上、50nm以下であること、の条件のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とする電磁波遮蔽材料。
  2. 前記導電性金属層が、金属として銀を含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電磁波遮蔽材料。
  3. 前記支持体上に、近赤外線吸収層を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電磁波遮蔽材料。
  4. 前記近赤外線吸収層は、前記支持体と前記導電性金属層との間、または前記支持体の前記導電性金属層を有する面とは反対側の面に設けられていることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の電磁波遮蔽材料。
  5. 前記導電性金属層の表面抵抗値が、10Ω/□以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電磁波遮蔽材料。
  6. 前記導電性金属層の表面抵抗値が、2Ω/□以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電磁波遮蔽材料。
  7. 支持体上に、線幅が20μm以下で、線間隔が50μm以上で、厚さが20μm以下で、かつ開口率が85%以上の導電性金属メッシュを有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電磁波遮蔽材料。
  8. 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽材料を製造する電磁波遮蔽材料の製造方法であって、導電性金属層が、ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理することにより形成されることを特徴とする電磁波遮蔽材料の製造方法。
  9. 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽材料を製造する電磁波遮蔽材料の製造方法であって、導電性金属層が、ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理した後、加圧処理を施すことにより形成されることを特徴とする電磁波遮蔽材料の製造方法。
  10. 前記加圧処理は、圧力が0.49kN/cm以上、4.9kN/cm以下のカレンダ処理であることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
  11. 前記ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理した後、物理現像処理またはめっき処理を施すことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
  12. 前記ハロゲン化銀感光材料を露光及び現像処理した後、物理現像処理またはめっき処理を施し、次いで、加圧処理を施すことを特徴とする請求の範囲第9項に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
  13. 前記物理現像処理またはめっき処理後の乾燥温度が、53℃以上、100℃以下であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
  14. 前記物理現像処理またはめっき処理後の乾燥温度が、53℃以上、100℃以下であることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の電磁波遮蔽材料の製造方法。
  15. 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽材料を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料。
JP2007550138A 2005-12-16 2006-12-05 電磁波遮蔽材料、電磁波遮蔽材料の製造方法及びプラズマディスプレイパネル用電磁波遮蔽材料 Pending JPWO2007069495A1 (ja)

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