JPWO2006101103A1 - 造血器腫瘍治療剤 - Google Patents
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Abstract
一般式(I)[式中、nは1〜3の整数を表し、R1は水素原子を表し、R2は低級アルキルを表すか、またはR1とR2が一緒になってアルキレンを表し、R3は低級アルキルを表し、R4はNHSO2R6(式中、R6はヒドロキシなどを表す)などを表し、R5はアリールなどを表す]で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する造血器腫瘍の治療および/または予防剤などを提供する。
Description
本発明は、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する造血器腫瘍の治療および/または予防剤に関する。
癌の化学療法においては、タキサン、ビンカアルカロイドなどの微小管作用薬、トポイソメラーゼ阻害剤、アルキル化剤など種々の抗腫瘍剤が用いられている。これらの抗腫瘍剤は、適応癌腫が限定的であること、骨髄毒性や神経障害などの副作用が認められること、耐性腫瘍の出現することなど種々の問題を有している[ネイチャー・レビューズ・キャンサー(Nature Reviews Cancer)、3巻、p.502(2003年)]。
近年、特定の癌種に有効性を示す分子標的型の抗腫瘍剤が報告されている。チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブやゲフィチニブは、既存抗腫瘍剤が無効な慢性骨髄性白血病や非小細胞肺癌に対しても有効性を示している。しかし、有効性を示す癌腫は限定的であり、かつ、獲得耐性が認められるケースも報告されている。[ネイチャー・レビューズ・ドラッグ・ディスカバリー(Nature Reviews Drug Discovery)、3巻、p.1001(2004年)]。従って、このような問題を改善した新規抗腫瘍剤が求められている。
一方、M期キネシンはM期紡錘体制御に関わる蛋白質であり、細胞周期のM期進行において必須の役割を担っている。このM期キネシンの一つであるM期キネシンイージーファイブ(Eg5)は、ホモ四量体の双極性分子であって、2本の同じ向きの微小管を架橋して+(プラス)端方向へ移動させ、逆平行に並んだ2本の微小管の間でスライディングを起こし、微小管の−(マイナス)端同士を遠ざけることで、紡錘体極を分離し、双極性の紡錘体構造の形成に関与することが知られている[セル(Cell)、83巻、p.1159(1995年)、ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(J.Cell Biol.)、150巻、p.975(2000年)、実験医学、17巻、p.439(1999年)]。従って、Eg5の阻害剤は細胞増殖が関わる疾患の治療剤として有望であると考えられている[WO2001/98278、WO2002/56880、WO2002/57244、トレンズ・イン・セル・バイオロジー(Trends in Cell Biology)、12巻、p.585(2002年)]。Eg5阻害剤としては、例えば、キナゾリン−4−オン誘導体(WO2001/30768、WO2003/039460など)、トリフェニルメタン誘導体(WO2002/56880)、チアジアゾリン誘導体(特許文献1〜3参照)などが知られている。
さらに、2位に低級アルカノイルアミノ基、4位に低級アルカノイル基、5位に置換もしくは非置換のアリール基と低級アルキル基を有するチアジアゾリン誘導体が知られている(非特許文献1〜3参照)。また、抗腫瘍剤として有用なチアジアゾリン誘導体が知られている(特許文献2〜4参照)。例えば、下記式(P)〜(U)で表される化合物などが、大腸癌細胞の増殖を抑制することが知られている(特許文献4参照)。
国際公開第2004−092147号パンフレット
国際公開第2004−111023号パンフレット
国際公開第2004−111024号パンフレット
国際公開第2003−051854号パンフレット
「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ・ケミカル・コミュニケーションズ(J.Chem.Soc.Chem.Comm.)」、1982年、p.901
「アーカイブズ・ファーマシューティカル・リサーチ(Arch.Pharm.Res.)」、2002年、第25巻、p.250
CASレジストリー・データベース(CAS REGISTRY Database)[ケミカルライブラリーとして登録されている(レジストリー番号:352225−16−2、332389−23−8、332389−24−9、332389−25−0、443105−83−7、443105−73−5、443105−51−9、443105−46−2、443105−41−7、443105−34−8、443105−88−2、443105−78−0、443105−56−4、432536−58−8)]
本発明の目的は、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する造血器腫瘍(例えば急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病などの白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫などのリンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群、慢性骨髄増殖性疾患など)の治療および/または予防剤を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(19)に関する。
(1) 一般式(I)
{式中、nは1〜3の整数を表し、
R1は水素原子を表し、
R2は低級アルキルを表すか、
またはR1とR2が一緒になってアルキレンを表し、
R3は低級アルキルを表し、
R4は水素原子、
NHSO2R6(式中、R6はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、または低級アルケニルを表す)、
NHR7[式中、R7はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、COR8(式中、R8はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、カルボキシ、フェニル、ヒドロキシフェニル、イミダゾリル、グアニジル、メチルチオおよび低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、低級アルコキシカルボニルもしくはオキソで置換されていてもよい含窒素脂肪族複素環基、または低級アルコキシを表す)または水素原子を表す]または
CONHR9(式中、R9はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)を表し、
R5は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノおよびカルボキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよいアリールを表す}
で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する造血器腫瘍の治療および/または予防剤。
(1) 一般式(I)
R1は水素原子を表し、
R2は低級アルキルを表すか、
またはR1とR2が一緒になってアルキレンを表し、
R3は低級アルキルを表し、
R4は水素原子、
NHSO2R6(式中、R6はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、または低級アルケニルを表す)、
NHR7[式中、R7はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、COR8(式中、R8はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、カルボキシ、フェニル、ヒドロキシフェニル、イミダゾリル、グアニジル、メチルチオおよび低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、低級アルコキシカルボニルもしくはオキソで置換されていてもよい含窒素脂肪族複素環基、または低級アルコキシを表す)または水素原子を表す]または
CONHR9(式中、R9はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)を表し、
R5は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノおよびカルボキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよいアリールを表す}
で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する造血器腫瘍の治療および/または予防剤。
(2) チアジアゾリン誘導体が、メタノールに溶解したときのナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度が負の値を示す下記式(II)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるチアジアゾリン誘導体である(1)記載の治療および/または予防剤。
(3) R5がフェニルである(1)または(2)記載の治療および/または予防剤。
(4) R3がメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである(1)〜(3)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(5) R1が水素原子である(1)〜(4)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(6) R2がメチルまたはtert−ブチルである(1)〜(5)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(7) R1とR2が一緒になってトリメチレンまたはテトラメチレンである(1)〜(4)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(8) R4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)である(1)〜(7)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(9) R4がCONHR9(式中、R9は前記と同義である)である(1)〜(7)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(10) nが1または2である(1)〜(9)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(3) R5がフェニルである(1)または(2)記載の治療および/または予防剤。
(4) R3がメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである(1)〜(3)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(5) R1が水素原子である(1)〜(4)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(6) R2がメチルまたはtert−ブチルである(1)〜(5)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(7) R1とR2が一緒になってトリメチレンまたはテトラメチレンである(1)〜(4)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(8) R4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)である(1)〜(7)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(9) R4がCONHR9(式中、R9は前記と同義である)である(1)〜(7)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(10) nが1または2である(1)〜(9)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(12) 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(1)〜(11)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(13) 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(1)〜(11)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(14) (1)〜(11)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを含む造血器腫瘍の治療および/または予防方法。
(15) 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(14)記載の方法。
(16) 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(14)記載の方法。
(13) 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(1)〜(11)のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
(14) (1)〜(11)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを含む造血器腫瘍の治療および/または予防方法。
(15) 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(14)記載の方法。
(16) 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(14)記載の方法。
(17) 造血器腫瘍の治療および/または予防剤の製造のための(1)〜(11)のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(18) 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(17)記載の使用。
(19) 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(17)記載の使用。
(18) 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(17)記載の使用。
(19) 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である(17)記載の使用。
本発明により、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する造血器腫瘍(例えば急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病などの白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫などのリンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群、慢性骨髄増殖性疾患など)の治療および/または予防剤を提供することができる。
以下、一般式(I)で表される化合物および一般式(II)で表される化合物をそれぞれ化合物(I)および化合物(II)という。他の式番号の化合物についても同様である。
一般式(I)および一般式(II)の各基の定義において、
(i)低級アルキル、ならびに低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオにおける低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。ジ低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオの2つの低級アルキル部分は、同一でも異なっていてもよい。
(ii)低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニルがあげられ、より具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどがあげられる。
(iii)アリールとしては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、より具体的にはフェニル、ナフチルなどがあげられる。
(iv)アルキレンとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキレンがあげられ、より具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、プロピレン、エチルエチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレンなどがあげられる。
一般式(I)および一般式(II)の各基の定義において、
(i)低級アルキル、ならびに低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオにおける低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。ジ低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオの2つの低級アルキル部分は、同一でも異なっていてもよい。
(ii)低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニルがあげられ、より具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどがあげられる。
(iii)アリールとしては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、より具体的にはフェニル、ナフチルなどがあげられる。
(iv)アルキレンとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキレンがあげられ、より具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、プロピレン、エチルエチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレンなどがあげられる。
(v)含窒素脂肪族複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性脂肪族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性脂肪族複素環基などがあげられ、より具体的にはアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、パーヒドロアゼピニル、パーヒドロアゾシニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオモルホリノ、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリニル、ジヒドロイソインドリニルなどがあげられる。
(vi)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
(vii)アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオにおけるアルキレン部分は、前記(iv)アルキレンと同義である。
(vi)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
(vii)アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオにおけるアルキレン部分は、前記(iv)アルキレンと同義である。
化合物(I)または(II)の各基において、
R1としては、好ましくは水素原子があげられる。
R2としては、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどがあげられ、より好ましくはメチル、tert−ブチルなどがあげられる。
R1とR2が一緒になって形成されるアルキレンとしては、好ましくはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンなどがあげられる。
R3としては、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどがあげられ、より好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルなどがあげられる。
R1としては、好ましくは水素原子があげられる。
R2としては、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどがあげられ、より好ましくはメチル、tert−ブチルなどがあげられる。
R1とR2が一緒になって形成されるアルキレンとしては、好ましくはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンなどがあげられる。
R3としては、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどがあげられ、より好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルなどがあげられる。
R4としては、好ましくはNHSO2R6B[式中、R6Bはメチル、エチル、プロピル、ビニル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、メチルアミノメチル、1−(メチルアミノ)エチル、2−(メチルアミノ)エチル、1−(メチルアミノ)プロピル、2−(メチルアミノ)プロピル、3−(メチルアミノ)プロピル、ジメチルアミノメチル、1−(ジメチルアミノ)エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、1−(ジメチルアミノ)プロピル、2−(ジメチルアミノ)プロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、エチルアミノメチル、1−(エチルアミノ)エチル、2−(エチルアミノ)エチル、1−(エチルアミノ)プロピル、2−(エチルアミノ)プロピル、3−(エチルアミノ)プロピル、ジエチルアミノメチル、1−(ジエチルアミノ)エチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、1−(ジエチルアミノ)プロピル、2−(ジエチルアミノ)プロピル、3−(ジエチルアミノ)プロピル、プロピルアミノメチル、2−(プロピルアミノ)エチル、3−(プロピルアミノ)プロピル、イソプロピルアミノメチル、2−(イソプロピルアミノ)エチル、3−(イソプロピルアミノ)プロピル、ビニル、アミノメチルチオメチル、アミノエチルチオメチル、メチルアミノメチルチオメチル、ジメチルアミノエチルチオメチル、アミノメチルチオエチル、アミノエチルチオエチル、メチルアミノメチルチオエチル、メチルアミノエチルチオエチル、ジメチルアミノメチルチオエチル、ジメチルアミノエチルチオエチル、アミノメチルチオプロピル、アミノエチルチオプロピルなどを表す]、NHR7B[式中、R7Bは水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、メチルアミノメチル、1−(メチルアミノ)エチル、2−(メチルアミノ)エチル、1−(メチルアミノ)プロピル、2−(メチルアミノ)プロピル、3−(メチルアミノ)プロピル、ジメチルアミノメチル、1−(ジメチルアミノ)エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、1−(ジメチルアミノ)プロピル、2−(ジメチルアミノ)プロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、エチルアミノメチル、1−(エチルアミノ)エチル、2−(エチルアミノ)エチル、3−(エチルアミノ)プロピル、ジエチルアミノメチル、1−(ジエチルアミノ)エチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、3−(ジエチルアミノ)プロピル、プロピルアミノメチル、2−(プロピルアミノ)エチル、3−(プロピルアミノ)プロピル、イソプロピルアミノメチル、2−(イソプロピルアミノ)エチル、3−(イソプロピルアミノ)プロピルなどを表す]、NHCOR8B(式中、R8Bはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、アミノエチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、アミノプロピル、メチルアミノプロピル、ジメチルアミノプロピル、ピロリジニル、2−オキソピロリジニル、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどを表す)、CONHR9B[式中、R9Bはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−n−ブチル、3−ヒドロキシ−n−ブチル、4−ヒドロキシ−n−ブチル、2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、メチルアミノメチル、1−(メチルアミノ)エチル、2−(メチルアミノ)エチル、1−(メチルアミノ)プロピル、2−(メチルアミノ)プロピル、3−(メチルアミノ)プロピル、ジメチルアミノメチル、1−(ジメチルアミノ)エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、1−(ジメチルアミノ)プロピル、2−(ジメチルアミノ)プロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、エチルアミノメチル、1−(エチルアミノ)エチル、2−(エチルアミノ)エチル、3−(エチルアミノ)プロピル、ジエチルアミノメチル、1−(ジエチルアミノ)エチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、3−(ジエチルアミノ)プロピル、プロピルアミノメチル、2−(プロピルアミノ)エチル、3−(プロピルアミノ)プロピル、イソプロピルアミノメチル、2−(イソプロピルアミノ)エチル、3−(イソプロピルアミノ)プロピルなどを表す]などがあげられ、より好ましくはNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHCOR8B(式中、R8Bは前記と同義である)、CONHR9B(式中、R9Bは前記と同義である)などがあげられ、さらに好ましくはNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHCOR8BB(式中、R8BBはメトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどを表す)、CONHR9B(式中、R9Bは前記と同義である)などがあげられ、さらにより好ましくはNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHCOR8BB(式中、R8BBは前記と同義である)などがあげられる。
R5としては、好ましくはフェニルなどがあげられる。
nは、1または2であるのが好ましい。
R5としては、好ましくはフェニルなどがあげられる。
nは、1または2であるのが好ましい。
さらに、化合物(I)または(II)としては、上記で示した好ましい置換基がそれぞれ組み合わされた化合物がより好ましい。例えば、R1が水素原子であり、R2がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどであるか、またはR1とR2が一緒になってトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンなどを表し、R3がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどであり、R4がNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHR7B(式中、R7Bは前記と同義である)、NHCOR8B(式中、R8Bは前記と同義である)、CONHR9B(式中、R9Bは前記と同義である)などであり、R5がフェニルであり、nが1または2である化合物が好ましく、R1が水素原子であり、R2がメチル、tert−ブチルなどであるか、またはR1とR2が一緒になってトリメチレン、テトラメチレンなどを表し、R3がメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルなどであり、R4がNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHCOR8B(式中、R8Bは前記と同義である)、CONHR9B(式中、R9Bは前記と同義である)などであり、R5がフェニルであり、nが1または2である化合物がより好ましく、R1が水素原子であり、R2がtert−ブチルなどであるか、またはR1とR2が一緒になってトリメチレン、テトラメチレンなどを表し、R3がメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルなどであり、R4がNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHCOR8BB(式中、R8BBはは前記と同義である)、CONHR9B(式中、R9Bは前記と同義である)などであり、R5がフェニルであり、nが1または2である化合物がさらに好ましく、R1が水素原子であり、R2がtert−ブチルなどであるか、またはR1とR2が一緒になってトリメチレン、テトラメチレンなどを表し、R3がメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルなどであり、R4がNHSO2R6B(式中、R6Bは前記と同義である)、NHCOR8BB(式中、R8BBは前記と同義である)などであり、R5がフェニルであり、nが1または2である化合物がさらにより好ましい。
また、化合物(I)において、メタノールに溶解したときのナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度が負の値を示す化合物が好ましい。
さらに、化合物(I)および(II)において、nが1の場合、R5が結合している不斉中心はR配置、nが2または3の場合、R5が結合している不斉中心がS配置であることが好ましい。即ち、化合物(I)および(II)は以下の式(Z)で表される立体配置を有する化合物が好ましい。
さらに、化合物(I)および(II)において、nが1の場合、R5が結合している不斉中心はR配置、nが2または3の場合、R5が結合している不斉中心がS配置であることが好ましい。即ち、化合物(I)および(II)は以下の式(Z)で表される立体配置を有する化合物が好ましい。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩は、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。化合物(I)の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
化合物(I)の塩としては、例えば上記で示した薬理学的に許容される塩に加え、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩などがあげられる。
化合物(I)の塩としては、例えば上記で示した薬理学的に許容される塩に加え、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩などがあげられる。
次に、化合物(I)および(II)の製造方法について説明する。
製造法1
化合物(I)は、WO2003/051854、WO2004/092147、WO2004/111024などに記載の方法により製造することができる。
製造法2
化合物(II)は、WO2003/051854、WO2004/092147、WO2004/111024などに記載の方法によって得られるラセミ体(Ia)を例えば光学異性体分離カラム[例えばCHIRALPAK AD(ダイセル化学工業社製)など]を用いた分取高速液体クロマトグラフィーに付し、それぞれの立体異性体を分割することにより製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnはそれぞれ前記と同義である)
製造法3
製造法1
化合物(I)は、WO2003/051854、WO2004/092147、WO2004/111024などに記載の方法により製造することができる。
製造法2
化合物(II)は、WO2003/051854、WO2004/092147、WO2004/111024などに記載の方法によって得られるラセミ体(Ia)を例えば光学異性体分離カラム[例えばCHIRALPAK AD(ダイセル化学工業社製)など]を用いた分取高速液体クロマトグラフィーに付し、それぞれの立体異性体を分割することにより製造することができる。
製造法3
化合物(II)は、以下の工程に従い製造することもできる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnはそれぞれ前記と同義であり、R10は、1つの不斉中心を有する光学活性な置換基であり、例えば光学活性なC1-10アルキル、光学活性なヒドロキシ置換C1-10アルキル、光学活性なC1-10アルコキシ置換C1-10アルキル、光学活性なフェニル置換C1-10アルキル、光学活性なナフチル置換C1-10アルキルなどを表す。ここで、C1-10アルキルおよびC1-10アルコキシのC1-10アルキル部分としては、例えば前記低級アルキルで例示した基があげられる)
WO2003/051854、WO2004/092147、WO2004/111024などに記載の方法によって得られる化合物(A;ラセミ体)を光学活性なアシル化剤[R10COX(式中、R10は前記と同義であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを表す)、(R10CO)2O(式中、R10は前記と同義である)など;例えば塩化(R)−(−)−2−フェニルプロピオニル、塩化(S)−(+)−2−フェニルプロピオニルなど]と、例えば新実験化学講座、第14巻、p.1142(1978年)、丸善株式会社などに記載の方法に準じて反応させることにより化合物(B;ジアステレオ混合物)を得る(工程1)。次いで得られた化合物(B)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶などの手段によりそれぞれのジアステレオマーを分割し化合物(C;一方のジアステレオマー)を得る(工程2)。そして、得られた化合物(C)を例えばWO2003/051854などに記載の方法に準じて、例えば水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤などで処理し化合物(D)へ変換し(工程3)、最後に例えばWO2003/051854などに記載の方法に準じてアシル化などを行うことにより(工程4)、化合物(II)を製造することができる。
製造法4
化合物(II)のうち、nが1でR4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)またはNHR7(式中、R7は前記と同義である)である化合物(IIa)は、以下の工程に従い製造することもできる。
(式中、R4aはNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)またはNHR7(式中、R7は前記と同義である)を表し、R1、R2、R3およびR5はそれぞれ前記と同義である)
化合物(II)のうち、nが1でR4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)またはNHR7(式中、R7は前記と同義である)である化合物(IIa)は、以下の工程に従い製造することもできる。
WO2003/051854、WO2004/092147、WO2004/111024などに記載の方法に準じて得られる化合物(Ib;ラセミ体)を光学異性体分離カラム[例えばCHIRALPAK AD(ダイセル化学工業社製)など]を用いた分取高速液体クロマトグラフィーに付すことにより化合物(Ic;一方のエナンチオマー)を得る(工程1)。次いで、得られた化合物(Ic)を例えばWO2004/111024などに記載の方法に準じて、例えば塩酸、トリフルオロ酢酸などの酸で処理し化合物(Id)へ変換した後(工程2)、化合物(Id)を例えばWO2004/111024などに記載の方法に準じてスルホニル化、アシル化またはアルキル化などを行うことにより(工程3)、化合物(IIa)を製造することができる。
製造法5
化合物(I)のうち、R1が水素原子であり、R2がR3と同一の低級アルキルであり、R4がtert−ブトキシカルボニルアミノである化合物(IA)は、以下の工程に従い製造することもできる。
(式中、n、R1、R3およびR5はそれぞれ前記と同義である)
工程1
化合物(XI)は、化合物(X)を適当な溶媒中、塩基の存在下、ジ−tert−ブチル ジカーボネートと反応させることにより製造することができる。
化合物(I)のうち、R1が水素原子であり、R2がR3と同一の低級アルキルであり、R4がtert−ブトキシカルボニルアミノである化合物(IA)は、以下の工程に従い製造することもできる。
工程1
化合物(XI)は、化合物(X)を適当な溶媒中、塩基の存在下、ジ−tert−ブチル ジカーボネートと反応させることにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(X)を適当な溶媒に溶解し、ジ−tert−ブチル ジカーボネート、次いで塩基を加え、好ましくは0℃と80℃の間の温度で、より好ましくは0℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは30分間〜4時間反応させることにより、化合物(XI)を製造することができる。
ジ−tert−ブチル ジカーボネートは、化合物(X)に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜3当量、さらに好ましくは1〜1.2当量用いられる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジンなどの親水性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)などの非親水性有機溶媒、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、非親水性有機溶媒または非親水性有機溶媒と水との混合溶媒があげられ、より好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどの有機溶媒、またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒があげられ、さらに好ましくは、酢酸エチルと水(2:1〜1:2、好ましくは4:3〜3:4、より好ましくは、5:4〜1:1、さらに好ましくは1:1)の混合溶媒があげられる。また、用いる溶媒の総量は、例えば化合物(X)が10〜600g/L、好ましくは20〜200g/L、より好ましくは30〜80g/Lの濃度となる量である。
ジ−tert−ブチル ジカーボネートは、化合物(X)に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜3当量、さらに好ましくは1〜1.2当量用いられる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジンなどの親水性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)などの非親水性有機溶媒、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、非親水性有機溶媒または非親水性有機溶媒と水との混合溶媒があげられ、より好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどの有機溶媒、またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒があげられ、さらに好ましくは、酢酸エチルと水(2:1〜1:2、好ましくは4:3〜3:4、より好ましくは、5:4〜1:1、さらに好ましくは1:1)の混合溶媒があげられる。また、用いる溶媒の総量は、例えば化合物(X)が10〜600g/L、好ましくは20〜200g/L、より好ましくは30〜80g/Lの濃度となる量である。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などがあげられ、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどがあげられ、より好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどがあげられる。塩基は、化合物(X)に対して、好ましくは大過剰量、より好ましくは1〜30当量、さらに好ましくは1〜5当量、さらにより好ましくは1〜1.2当量用いられる。また、好ましくは、塩基は適当な量の水に溶解し、例えば1〜6mol/L、好ましくは1.5〜2.5mol/Lの濃度の水溶液として化合物(X)およびジ−tert−ブチル ジカーボネートが溶解している溶液に、激しく攪拌しながら、好ましくは0℃と40℃、より好ましくは0℃と10℃の間の温度でゆっくり添加される。
化合物(X)は、市販品としてまたは例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、25巻、p.1045(1982年);シンセシス(Synthesis)、28巻、p.615(1990年)などに記載の方法に準じて得ることができる。
化合物(X)は、市販品としてまたは例えばジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、25巻、p.1045(1982年);シンセシス(Synthesis)、28巻、p.615(1990年)などに記載の方法に準じて得ることができる。
工程2
化合物(XII)は、上記工程1で得られる化合物(XI)を、適当な溶媒中、チオセミカルバジドと反応させることにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(XII)は、上記工程1で得られる化合物(XI)を、適当な溶媒に溶解し、好ましくは−10℃と60℃、より好ましくは0℃と20℃の間の温度で、チオセミカルバジドの塩酸水溶液を滴下し、好ましくは室温で、5分間〜72時間、好ましくは30分間〜4時間攪拌した後、氷冷下30分間〜24時間、好ましくは30分間〜4時間攪拌し、析出した固体を集め、得られた固体を洗浄し、乾燥させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどの親水性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、THF、DMEなどの非親水性溶媒、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、親水性溶媒または親水性溶媒と水との混合溶媒があげられ、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなど、またはこれらと水との混合溶媒があげられ、さらに好ましくはメタノールまたはエタノールなど、またはこれらと水との混合溶媒があげられる。水との混合溶媒が特に好ましく、中でもメタノールまたはエタノールと水との混合溶媒(例えば9:1〜1:9、好ましくは8:2〜5:5、より好ましくは7:3〜6:4(メタノールまたはエタノール:水))がさらに好ましい。用いる溶媒の量は、例えば化合物(XI)が50〜600g/L、好ましくは80〜300g/L、より好ましくは100〜200g/Lの濃度となる量である。
化合物(XII)は、上記工程1で得られる化合物(XI)を、適当な溶媒中、チオセミカルバジドと反応させることにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(XII)は、上記工程1で得られる化合物(XI)を、適当な溶媒に溶解し、好ましくは−10℃と60℃、より好ましくは0℃と20℃の間の温度で、チオセミカルバジドの塩酸水溶液を滴下し、好ましくは室温で、5分間〜72時間、好ましくは30分間〜4時間攪拌した後、氷冷下30分間〜24時間、好ましくは30分間〜4時間攪拌し、析出した固体を集め、得られた固体を洗浄し、乾燥させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどの親水性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、THF、DMEなどの非親水性溶媒、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、親水性溶媒または親水性溶媒と水との混合溶媒があげられ、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなど、またはこれらと水との混合溶媒があげられ、さらに好ましくはメタノールまたはエタノールなど、またはこれらと水との混合溶媒があげられる。水との混合溶媒が特に好ましく、中でもメタノールまたはエタノールと水との混合溶媒(例えば9:1〜1:9、好ましくは8:2〜5:5、より好ましくは7:3〜6:4(メタノールまたはエタノール:水))がさらに好ましい。用いる溶媒の量は、例えば化合物(XI)が50〜600g/L、好ましくは80〜300g/L、より好ましくは100〜200g/Lの濃度となる量である。
チオセミカルバジドは、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1〜3当量、さらに好ましくは1.1〜2.2当量用いられる。また、好ましくは、チオセミカルバジドは塩酸酸性水溶液として用いられ、例えば0.5〜12mol/L、好ましくは0.5〜6mol/L、より好ましくは2〜3mol/Lの塩酸にチオセミカルバジドを例えば100g〜1kg/L、好ましくは150〜300g/L、より好ましくは190〜230g/Lの濃度になるように溶解して用いられる。
また、さらに好ましくは、必要に応じ、チオセミカルバジドを例えば使用量の20〜90%、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜60%加えられた時点、または全量が加えられた時点で、別途製造した化合物(XII)の結晶を添加することで、生成した化合物(XII)の結晶化を促進させることができ、より効率的に反応を行うことができる。反応条件によっては、溶媒に溶解した化合物(XII)の安定性は満足いくものでないことがあり、化合物(XII)が生成後、反応溶液から直ちに結晶化させることが好ましい。
上記の好ましい反応条件では、生成物(化合物(XII))は反応混合物中に固体として析出するが、析出した固体は、例えばろ過などの手法により取得することができる。また、得られた固体の洗浄には、例えば反応に用いた溶媒、水またはこれらの混合溶媒などが用いられ、好ましくはこれらの洗浄溶媒は冷却して用いられる。氷冷した水および氷冷した水とメタノールの混合溶媒(1:2〜2:1、好ましくは1:1)で洗浄することが好ましい。
得られた固体の乾燥は、例えば減圧下、好ましくは10℃と60℃の間の温度で30分間〜72時間行われる。
また、さらに好ましくは、必要に応じ、チオセミカルバジドを例えば使用量の20〜90%、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜60%加えられた時点、または全量が加えられた時点で、別途製造した化合物(XII)の結晶を添加することで、生成した化合物(XII)の結晶化を促進させることができ、より効率的に反応を行うことができる。反応条件によっては、溶媒に溶解した化合物(XII)の安定性は満足いくものでないことがあり、化合物(XII)が生成後、反応溶液から直ちに結晶化させることが好ましい。
上記の好ましい反応条件では、生成物(化合物(XII))は反応混合物中に固体として析出するが、析出した固体は、例えばろ過などの手法により取得することができる。また、得られた固体の洗浄には、例えば反応に用いた溶媒、水またはこれらの混合溶媒などが用いられ、好ましくはこれらの洗浄溶媒は冷却して用いられる。氷冷した水および氷冷した水とメタノールの混合溶媒(1:2〜2:1、好ましくは1:1)で洗浄することが好ましい。
得られた固体の乾燥は、例えば減圧下、好ましくは10℃と60℃の間の温度で30分間〜72時間行われる。
工程3
化合物(IA)は、化合物(XII)を溶媒中、塩基の存在下、R3COX(式中、R3およびXは前記と同義である)または(R3CO)2O(式中、R3は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(IA)は、化合物(XII)を適当な溶媒に加え、塩基の存在下、R3COX(式中、R3およびXは前記と同義である)または(R3CO)2O(式中、R3は前記と同義である)を好ましくは0℃と30℃の間の温度でゆっくり添加し、好ましくは0℃と60℃、より好ましくは5℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは30分間〜10時間反応させることにより製造することができる。化合物(IA)の単離は、好ましくは反応混合物に、塩酸を添加し、必要により水相を除去した後、水を滴下して、析出した固体を集め、得られた固体を洗浄し、乾燥させることにより行うことができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどの親水性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、THF、DMEなどの非親水性溶媒、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、親水性溶媒があげられ、より好ましくはアセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ピリジンなどがあげられ、さらに好ましくはアセトニトリルがあげられる。用いる溶媒の量は、例えば化合物(XII)の濃度が30〜600g/L、好ましくは50〜300g/L、より好ましくは80〜120g/Lの濃度となるような量である。
化合物(IA)は、化合物(XII)を溶媒中、塩基の存在下、R3COX(式中、R3およびXは前記と同義である)または(R3CO)2O(式中、R3は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(IA)は、化合物(XII)を適当な溶媒に加え、塩基の存在下、R3COX(式中、R3およびXは前記と同義である)または(R3CO)2O(式中、R3は前記と同義である)を好ましくは0℃と30℃の間の温度でゆっくり添加し、好ましくは0℃と60℃、より好ましくは5℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは30分間〜10時間反応させることにより製造することができる。化合物(IA)の単離は、好ましくは反応混合物に、塩酸を添加し、必要により水相を除去した後、水を滴下して、析出した固体を集め、得られた固体を洗浄し、乾燥させることにより行うことができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどの親水性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、THF、DMEなどの非親水性溶媒、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。好ましくは、親水性溶媒があげられ、より好ましくはアセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ピリジンなどがあげられ、さらに好ましくはアセトニトリルがあげられる。用いる溶媒の量は、例えば化合物(XII)の濃度が30〜600g/L、好ましくは50〜300g/L、より好ましくは80〜120g/Lの濃度となるような量である。
塩基としては、例えば酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられ、好ましくはピリジンなどがあげられる。該塩基は、化合物(XII)に対して好ましくは2〜12当量、より好ましくは2.5〜5当量用いられる。
R3COXとしては、例えば、R3COCl、R3COBrなどがあげられ、化合物(XII)に対して好ましくは2〜10当量、より好ましくは2.5〜3.5当量用いられる。(R3CO)2Oは、化合物(XII)に対して好ましくは2〜10当量、より好ましくは2.5〜3.5当量用いられる。これらは、好ましくは、化合物(XII)、塩基および溶媒の混合物中に、氷冷下、攪拌しながら滴下して加えられる。
析出した固体の取得は、例えばろ過などの手法を用いることができる。
得られた固体の洗浄は、例えば水または反応に用いた溶媒、あるいはこれらの混合溶媒などを用いることができ、これらは冷却して用いることが好ましい。冷やした反応に用いた溶媒と水との混合溶媒(30:1〜1:1、好ましくは15:1〜5:1)で洗浄し、続けて冷水で洗浄することが好ましい。
得られた固体の乾燥は、例えば減圧下、好ましくは10℃と70℃の間の温度で1〜72時間行われる。
R3COXとしては、例えば、R3COCl、R3COBrなどがあげられ、化合物(XII)に対して好ましくは2〜10当量、より好ましくは2.5〜3.5当量用いられる。(R3CO)2Oは、化合物(XII)に対して好ましくは2〜10当量、より好ましくは2.5〜3.5当量用いられる。これらは、好ましくは、化合物(XII)、塩基および溶媒の混合物中に、氷冷下、攪拌しながら滴下して加えられる。
析出した固体の取得は、例えばろ過などの手法を用いることができる。
得られた固体の洗浄は、例えば水または反応に用いた溶媒、あるいはこれらの混合溶媒などを用いることができ、これらは冷却して用いることが好ましい。冷やした反応に用いた溶媒と水との混合溶媒(30:1〜1:1、好ましくは15:1〜5:1)で洗浄し、続けて冷水で洗浄することが好ましい。
得られた固体の乾燥は、例えば減圧下、好ましくは10℃と70℃の間の温度で1〜72時間行われる。
製造法6
化合物(II)のうち、R1が水素原子であり、R2がR3と同一の低級アルキルであり、R4がtert−ブトキシカルボニルアミノである化合物(IIA)は、製造法5などで得られる化合物(IA)を用い、例えば製造法2に記載の方法に従い製造することもできる。
(式中、n、R3およびR5はそれぞれ前記と同義である)
製造法7
化合物(II)のうち、R1が水素原子であり、R2がR3と同一の低級アルキルであり、R4がtert−ブトキシカルボニルアミノである化合物(IIA)は、製造法5などで得られる化合物(IA)を用い、例えば製造法2に記載の方法に従い製造することもできる。
製造法7
化合物(I)および(II)のうち、R1が水素原子であり、R2がR3と同一の低級アルキルであり、R4がアミノである化合物(IB)および(IIB)は、以下の工程に従い製造することもできる。
(式中、n、R3およびR5はそれぞれ前記と同義である)
化合物(IB)または(IIB)は、製造法1、2、3、5、6などにより得られる化合物(IA)または(IIA)を適当な酸で処理することにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(IB)または(IIB)の塩酸塩は、製造法1、2、3、5、6などにより得られる化合物(IA)または(IIA)を、必要により適当な溶媒に溶解し、例えば塩化水素を含む溶液で処理することにより製造することができる。処理は、好ましくは0℃と60℃、より好ましくは5℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは1〜12時間行われ、必要により氷冷下、さらに10分間〜4時間攪拌することにより行われる。化合物(IB)または(IIB)の塩酸塩の単離は、例えば、好ましくは混合物中に析出した固体を集め、必要により洗浄し乾燥させることより行われる。
化合物(IB)または(IIB)は、製造法1、2、3、5、6などにより得られる化合物(IA)または(IIA)を適当な酸で処理することにより製造することができる。
具体的には、例えば化合物(IB)または(IIB)の塩酸塩は、製造法1、2、3、5、6などにより得られる化合物(IA)または(IIA)を、必要により適当な溶媒に溶解し、例えば塩化水素を含む溶液で処理することにより製造することができる。処理は、好ましくは0℃と60℃、より好ましくは5℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは1〜12時間行われ、必要により氷冷下、さらに10分間〜4時間攪拌することにより行われる。化合物(IB)または(IIB)の塩酸塩の単離は、例えば、好ましくは混合物中に析出した固体を集め、必要により洗浄し乾燥させることより行われる。
塩化水素を含む溶液としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、ジオキサンなどに塩化水素が例えば1〜12mol/L、好ましくは1〜8mol/L,より好ましくは2〜6mol/Lの濃度で溶解した溶液があげられる。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどの溶媒、より好ましくは酢酸エチルに塩化水素が例えば1〜12mol/L、好ましくは1〜8mol/L,より好ましくは2〜6mol/Lの濃度で溶解した溶液があげられ、4mol/L塩化水素−酢酸エチルなどが特に好ましい。
化合物(IA)または(IIA)を溶解する溶媒としては、例えば上記の塩化水素を含む溶液と同じ溶媒があげられ、具体的には好ましくは酢酸エチルなどがあげられる。
固体を取得する方法としては、例えばろ過などの手法を用いることができる。
得られた固体の洗浄は、好ましくは冷やした上記の塩化水素を含む溶液と同じ溶媒、具体的には好ましくは冷酢酸エチルなどを用いて行われる。
得られた固体の乾燥は、例えば減圧下、好ましくは10℃と120℃、より好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃の間の温度で1〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。
化合物(IA)または(IIA)を溶解する溶媒としては、例えば上記の塩化水素を含む溶液と同じ溶媒があげられ、具体的には好ましくは酢酸エチルなどがあげられる。
固体を取得する方法としては、例えばろ過などの手法を用いることができる。
得られた固体の洗浄は、好ましくは冷やした上記の塩化水素を含む溶液と同じ溶媒、具体的には好ましくは冷酢酸エチルなどを用いて行われる。
得られた固体の乾燥は、例えば減圧下、好ましくは10℃と120℃、より好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃の間の温度で1〜72時間、好ましくは1〜24時間行われる。
製造法8
化合物(I)のうち、R4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)、NHR7C(式中、R7CはR7の定義のうちのヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)またはNHCOR8(式中、R8は前記と同義である)である化合物(ICa)、(ICb)または(ICc)は、以下の工程に従い製造することもできる。
(式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7CおよびR8はそれぞれ前記と同義である)
化合物(ICa)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、適当な溶媒中、1〜20当量、好ましくは1〜5当量のR6SO2X(式中、R6およびXはそれぞれ前記と同義である)または(R6SO2)2O(式中、R6は前記と同義である)と、必要により0.5〜20当量、好ましくは1〜5当量の塩基の存在下、−20℃と150℃、好ましくは−10℃と30℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
化合物(I)のうち、R4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)、NHR7C(式中、R7CはR7の定義のうちのヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)またはNHCOR8(式中、R8は前記と同義である)である化合物(ICa)、(ICb)または(ICc)は、以下の工程に従い製造することもできる。
化合物(ICa)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、適当な溶媒中、1〜20当量、好ましくは1〜5当量のR6SO2X(式中、R6およびXはそれぞれ前記と同義である)または(R6SO2)2O(式中、R6は前記と同義である)と、必要により0.5〜20当量、好ましくは1〜5当量の塩基の存在下、−20℃と150℃、好ましくは−10℃と30℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tret−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
化合物(ICb)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、適当な溶媒中、1〜20当量のR7CX(式中、R7CおよびXはそれぞれ前記と同義である)と、必要により0.5〜20当量の塩基の存在下、−20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tret−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
化合物(ICb)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、適当な溶媒中、1〜20当量のR7CX(式中、R7CおよびXはそれぞれ前記と同義である)と、必要により0.5〜20当量の塩基の存在下、−20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tret−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
また別法として化合物(ICb)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、適当な溶媒中、好ましくは1〜20当量、より好ましくは1〜5当量のR7Cに対応するケトンまたはアルデヒド(例えば、R7Cがメチルの場合はホルムアルデヒド、エチルの場合はアセトアルデヒド、イソプロピルの場合はアセトンなど)と、好ましくは1〜20当量、より好ましくは1〜5当量の還元剤、および好ましくは1〜20当量、より好ましくは1〜5当量の酸の存在下、−20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウムなどがあげられる。
酸としては、例えば塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などがあげられる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
また別法として化合物(ICb)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、適当な溶媒中、好ましくは1〜20当量、より好ましくは1〜5当量のR7Cに対応するケトンまたはアルデヒド(例えば、R7Cがメチルの場合はホルムアルデヒド、エチルの場合はアセトアルデヒド、イソプロピルの場合はアセトンなど)と、好ましくは1〜20当量、より好ましくは1〜5当量の還元剤、および好ましくは1〜20当量、より好ましくは1〜5当量の酸の存在下、−20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウムなどがあげられる。
酸としては、例えば塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などがあげられる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
化合物(ICc)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、1〜20当量のR8COX(式中、R8およびXはそれぞれ前記と同義である)または(R8CO)2O(式中、R8は前記と同義である)と、必要により0.5〜20当量の塩基の存在下、−20℃と150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tret−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
化合物(IB)の代わりに製造法2、7などで得られる化合物(IIB)を用いることで、上記と同様な操作を行うことにより、化合物(IIB)と同じ立体配置を有する化合物(ICa)〜(ICb)を製造することができる。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tret−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
化合物(IB)の代わりに製造法2、7などで得られる化合物(IIB)を用いることで、上記と同様な操作を行うことにより、化合物(IIB)と同じ立体配置を有する化合物(ICa)〜(ICb)を製造することができる。
製造法9
化合物(I)のうち、R4がNHSO2CH2CH2R4B(式中、R4BはR6で定義された低級アルキルの置換基におけるアミノ、ヒドロキシアミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオまたはジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオを表す)である化合物(ID)は、以下の工程に従い製造することもできる。
(式中、n、R1、R2、R3、R5およびR4Bはそれぞれ前記と同義である)
工程1
化合物(I)のうち、R4がNHSO2CH2CH2R4B(式中、R4BはR6で定義された低級アルキルの置換基におけるアミノ、ヒドロキシアミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオまたはジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオを表す)である化合物(ID)は、以下の工程に従い製造することもできる。
工程1
化合物(IDa)は、製造法1、2、4、7などで得られる化合物(IB)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要により好ましくは1〜20当量の塩基の存在下、1〜20当量、好ましくは1〜5当量のClCH2CH2SO2Clと、−20℃と150℃、好ましくは−10℃〜30℃の間の温度で、5分間〜72時間、好ましくは5分間から5時間反応させることにより製造することができる。好ましくは、化合物(IB)は塩酸塩などの酸付加塩として用いることもでき、その場合、塩基は2当量以上用いることが好ましい。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。酢酸エチル、アセトニトリルなどが特に好ましい。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、DBUなどがあげられる。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ピリジンなどがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。酢酸エチル、アセトニトリルなどが特に好ましい。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、DBUなどがあげられる。
工程2
化合物(ID)は、上記工程1で得られる化合物(IDa)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要により1〜10当量の塩基の存在下、1当量〜大過剰量、好ましくは5〜100当量、より好ましくは10〜20当量のR4CR4DNH(式中、R4CおよびR4Dは同一または異なって、水素原子、ヒドロキシまたはR6で定義された低級アルキルの置換基における低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノおよびN−ヒドロキシ−低級アルキルアミノにおける低級アルキル部分をあらわす)またはR4ESH(式中、R4EはR6で定義された低級アルキルの置換基におけるアミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオにおけるアミノ置換低級アルキル、低級アルキルアミノ置換低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルを表す)と、−10℃と150℃、好ましくは−10℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジン、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。メタノール、エタノールなど、またはこれらと水との混合溶媒が好ましい。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
化合物(ID)は、上記工程1で得られる化合物(IDa)を、無溶媒でまたは適当な溶媒中、必要により1〜10当量の塩基の存在下、1当量〜大過剰量、好ましくは5〜100当量、より好ましくは10〜20当量のR4CR4DNH(式中、R4CおよびR4Dは同一または異なって、水素原子、ヒドロキシまたはR6で定義された低級アルキルの置換基における低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノおよびN−ヒドロキシ−低級アルキルアミノにおける低級アルキル部分をあらわす)またはR4ESH(式中、R4EはR6で定義された低級アルキルの置換基におけるアミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオにおけるアミノ置換低級アルキル、低級アルキルアミノ置換低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルを表す)と、−10℃と150℃、好ましくは−10℃と40℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジン、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。メタノール、エタノールなど、またはこれらと水との混合溶媒が好ましい。
塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、DBUなどがあげられる。
化合物(I)および(II)の中には、幾何異性体、光学異性体などの立体異性体、位置異性体、互変異性体などが存在し得るものもあるが、本発明の造血器腫瘍の治療および/または予防剤には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
化合物(I)または(II)の塩を取得したいとき、化合物(I)または(II)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)または(II)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)および(II)ならびにそれらの薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の造血器腫瘍の治療および/または予防剤に使用することができる。
化合物(I)および(II)の具体例を第1表および第2表に示す。ただし、本発明の造血器腫瘍の治療および/または予防剤に使用される化合物(I)および(II)はこれらに限定されるものではない。
化合物(I)または(II)の塩を取得したいとき、化合物(I)または(II)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)または(II)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)および(II)ならびにそれらの薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の造血器腫瘍の治療および/または予防剤に使用することができる。
化合物(I)および(II)の具体例を第1表および第2表に示す。ただし、本発明の造血器腫瘍の治療および/または予防剤に使用される化合物(I)および(II)はこれらに限定されるものではない。
次に、化合物(I)および(II)の薬理作用について試験例により具体的に説明する。
試験例1:造血器腫瘍細胞株に対する細胞増殖阻害試験
造血器腫瘍細胞株として、ヒト急性リンパ性白血病RS4;11細胞(ATCC番号:CRL−1873)、ヒト慢性骨髄性白血病K−562細胞(ATCC番号:CCL−243)およびヒト多発性骨髄腫NCI−H929細胞(ATCC番号:CRL−9068)を使用した。細胞の培養には、10%ウシ胎児血清(インビトロジェン社、カタログ番号10099−141)、10mmol/L 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)バッファー(ICNバイオメディカルズ、カタログ番号1688449)、1mmol/L ピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社、カタログ番号11360−070)、4.5g/L グルコース(シグマ・アルドリッチ社、カタログ番号G8769)、100単位/mL ペニシリン(インビトロジェン社、カタログ番号15140−122)および100 μg/mL ストレプトマイシン(インビトロジェン社、カタログ番号15140−122)を含むRPMI1640培地(インビトロジェン社、カタログ番号11875−093)を使用した。細胞は37℃、5%炭酸ガス条件下で培養した。
試験例1:造血器腫瘍細胞株に対する細胞増殖阻害試験
造血器腫瘍細胞株として、ヒト急性リンパ性白血病RS4;11細胞(ATCC番号:CRL−1873)、ヒト慢性骨髄性白血病K−562細胞(ATCC番号:CCL−243)およびヒト多発性骨髄腫NCI−H929細胞(ATCC番号:CRL−9068)を使用した。細胞の培養には、10%ウシ胎児血清(インビトロジェン社、カタログ番号10099−141)、10mmol/L 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)バッファー(ICNバイオメディカルズ、カタログ番号1688449)、1mmol/L ピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社、カタログ番号11360−070)、4.5g/L グルコース(シグマ・アルドリッチ社、カタログ番号G8769)、100単位/mL ペニシリン(インビトロジェン社、カタログ番号15140−122)および100 μg/mL ストレプトマイシン(インビトロジェン社、カタログ番号15140−122)を含むRPMI1640培地(インビトロジェン社、カタログ番号11875−093)を使用した。細胞は37℃、5%炭酸ガス条件下で培養した。
RS4;11細胞(20000細胞/ウェル)、K−562細胞(1000細胞/ウェル)またはNCI−H929細胞(15000細胞/ウェル)を96ウェルプレート(ヌンク社、カタログ番号167008)の各ウェルに播種し、一晩培養した。段階的に希釈した試験化合物を加えて、さらに72時間培養した(最終容量100μL/ウェル)。各ウェルにCell Proliferation Kit II(XTT)(ロシュ・ダイアグノスティックス社、カタログ番号1465015)のXTT標識混合液を50μL加えて、37℃でインキュベートした。4時間後に490nm(対照波長655nm)での吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax 340PC384)で測定した。溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO))で処理したコントロールウェルの細胞の72時間での増殖率を100%として、試験化合物で処理したウェルの細胞の増殖率を計算した。試験化合物の濃度とそのときの細胞増殖率のプロットから、50%増殖阻害濃度GI50値を算出した。
化合物1、2、a、b、d、e、h、i、j、l、m、nおよびoはヒト急性リンパ性白血病RS4;11細胞、ヒト慢性骨髄性白血病K−562細胞およびヒト多発性骨髄腫NCI−H929細胞に対し、GI50値で10μmol/L以下の阻害活性を示した。以上より、化合物(I)および化合物(II)はヒト急性リンパ性白血病細胞、ヒト慢性骨髄性白血病細胞およびヒト多発性骨髄腫細胞に対して、細胞増殖阻害活性を有する、即ち、白血病、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の治療および/または予防剤として有用であると考えられる。
化合物1、2、a、b、d、e、h、i、j、l、m、nおよびoはヒト急性リンパ性白血病RS4;11細胞、ヒト慢性骨髄性白血病K−562細胞およびヒト多発性骨髄腫NCI−H929細胞に対し、GI50値で10μmol/L以下の阻害活性を示した。以上より、化合物(I)および化合物(II)はヒト急性リンパ性白血病細胞、ヒト慢性骨髄性白血病細胞およびヒト多発性骨髄腫細胞に対して、細胞増殖阻害活性を有する、即ち、白血病、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の治療および/または予防剤として有用であると考えられる。
試験例2:急性骨髄性白血病細胞および非ホジキンリンパ腫細胞に対する細胞増殖阻害試験
各癌の細胞株として、ヒト急性骨髄性白血病MV−4−11細胞(ATCC番号:CRL−9591)およびヒト非ホジキンリンパ腫SR細胞(ATCC番号:CRL−2262)を使用した。各細胞をそれぞれ以下の培地を使用し、37℃、5%炭酸ガス条件下で培養した。
各癌の細胞株として、ヒト急性骨髄性白血病MV−4−11細胞(ATCC番号:CRL−9591)およびヒト非ホジキンリンパ腫SR細胞(ATCC番号:CRL−2262)を使用した。各細胞をそれぞれ以下の培地を使用し、37℃、5%炭酸ガス条件下で培養した。
試験例1と同様にして、各細胞を96ウェルプレート(ヌンク社、カタログ番号167008)の各ウェルに播種し(それぞれ8000〜16000細胞/ウェル)、試験化合物で処理した細胞の増殖率を計算した。吸光度の測定は、XTT標識混合液の添加後3〜4時間後に行った。試験化合物の濃度とそのときの細胞増殖率のプロットから、50%増殖阻害濃度GI50値を算出した。
その結果、(1)化合物1、2、a、b、d、e、h、i、l、m、nおよびoはヒト急性骨髄性白血病MV−4−11細胞に対し、GI50値で10 μmol/L以下の増殖阻害活性を示した。(2)化合物1、2、a、b、d、e、h、i、l、m、nおよびoはヒト非ホジキンリンパ腫SR細胞に対し、GI50値で10 μmol/L以下の増殖阻害活性を示した。
これらの結果より、化合物(I)および(II)はヒト急性骨髄性白血病細胞およびヒト非ホジキンリンパ腫細胞に対して、細胞増殖阻害活性を有する、即ち、急性骨髄性白血病および非ホジキンリンパ腫の治療および/または予防剤の治療および/または予防剤として有用であると考えられる。
以上より、化合物(I)および(II)は白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の治療および/または予防剤として有用であると考えられる。
その結果、(1)化合物1、2、a、b、d、e、h、i、l、m、nおよびoはヒト急性骨髄性白血病MV−4−11細胞に対し、GI50値で10 μmol/L以下の増殖阻害活性を示した。(2)化合物1、2、a、b、d、e、h、i、l、m、nおよびoはヒト非ホジキンリンパ腫SR細胞に対し、GI50値で10 μmol/L以下の増殖阻害活性を示した。
これらの結果より、化合物(I)および(II)はヒト急性骨髄性白血病細胞およびヒト非ホジキンリンパ腫細胞に対して、細胞増殖阻害活性を有する、即ち、急性骨髄性白血病および非ホジキンリンパ腫の治療および/または予防剤の治療および/または予防剤として有用であると考えられる。
以上より、化合物(I)および(II)は白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の治療および/または予防剤として有用であると考えられる。
試験例3:Eg5酵素に対する阻害試験
組換え型ヒトEg5モータードメイン蛋白質の調製は文献[バイオケミストリー(Biochemistry)、35巻、p.2365(1996年)]を参考にして実施した。ヒトEg5モータードメインを発現するプラスミドを構築し、大腸菌BL21(DE3)へ形質転換した。形質転換体を25℃で培養し、OD600が0.74になった時点で、終濃度0.5 mmol/Lになるようにイソプロピル−β−D−チオガラクシドを添加した。さらに、4時間培養後、培養液を遠心して菌体を回収した。菌体をバッファーに懸濁し、超音波破砕後、遠心により上清を回収した。上清を陽イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、部分精製標品を取得した。さらに、部分精製標品をゲルろ過カラムクロマトグラフィーにより精製し、最終精製標品を取得した。
Eg5のATPase活性の測定は文献[エンボ・ジャーナル(EMBO Journal)、13巻、p.751(1994年)、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89巻、4884頁(1992年)]を参考にして実施した。次の2種類の溶液を用意した。25 mmol/L ピペラジンN, N'−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH (pH 6.8)、1 mmol/L エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2 mmol/L MgCl2、1 mmol/L ジチオトレイトール(DTT)、5 μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)、167 μg/mL ウシ血清アルブミン(BSA)、41.7 μg/mL チューブリン(Tubulin)(サイトスケルトン社、カタログ番号TL238)、333 μmol/L MESG substrate(2−アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリンリボサイド)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E-6646)、1.67 U/mL プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase)(モレキュラープローブ社、カタログ番号E-6646)および1.33 μg/mL ヒトEg5モータードメイン精製標品から構成される溶液Aを調製した。25 mmol/L ピペラジンN, N'−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH (pH 6.8)、1 mmol/L エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2 mmol/L MgCl2、1 mmol/L ジチオトレイトール(DTT)、5 μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)および2.5 mmol/L ATPから構成される溶液Bを調製した。溶液Aを96-wellプレートに各ウェル45 μLずつ分注した。溶液Bを用いて、被験化合物を段階的に希釈した。希釈された被験化合物溶液各30 μLを、先の96-wellプレート内に分注された溶液Aと混合し、酵素反応を開始した。酵素反応は30℃で30分間実施した。ATPase活性の指標となる360 nmでの吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax 340PC384)で測定した。Eg5存在下、被験化合物非存在下での吸光度を100%、Eg5非存在下、被験化合物非存在下の吸光度を0%として相対活性を計算し、IC50値を算出した。
組換え型ヒトEg5モータードメイン蛋白質の調製は文献[バイオケミストリー(Biochemistry)、35巻、p.2365(1996年)]を参考にして実施した。ヒトEg5モータードメインを発現するプラスミドを構築し、大腸菌BL21(DE3)へ形質転換した。形質転換体を25℃で培養し、OD600が0.74になった時点で、終濃度0.5 mmol/Lになるようにイソプロピル−β−D−チオガラクシドを添加した。さらに、4時間培養後、培養液を遠心して菌体を回収した。菌体をバッファーに懸濁し、超音波破砕後、遠心により上清を回収した。上清を陽イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、部分精製標品を取得した。さらに、部分精製標品をゲルろ過カラムクロマトグラフィーにより精製し、最終精製標品を取得した。
Eg5のATPase活性の測定は文献[エンボ・ジャーナル(EMBO Journal)、13巻、p.751(1994年)、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89巻、4884頁(1992年)]を参考にして実施した。次の2種類の溶液を用意した。25 mmol/L ピペラジンN, N'−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH (pH 6.8)、1 mmol/L エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2 mmol/L MgCl2、1 mmol/L ジチオトレイトール(DTT)、5 μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)、167 μg/mL ウシ血清アルブミン(BSA)、41.7 μg/mL チューブリン(Tubulin)(サイトスケルトン社、カタログ番号TL238)、333 μmol/L MESG substrate(2−アミノ−6−メルカプト−7−メチルプリンリボサイド)(モレキュラープローブズ社、カタログ番号E-6646)、1.67 U/mL プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(Purine nucleoside phosphorylase)(モレキュラープローブ社、カタログ番号E-6646)および1.33 μg/mL ヒトEg5モータードメイン精製標品から構成される溶液Aを調製した。25 mmol/L ピペラジンN, N'−ビス(エタンスルホン酸)(PIPES)/KOH (pH 6.8)、1 mmol/L エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、2 mmol/L MgCl2、1 mmol/L ジチオトレイトール(DTT)、5 μmol/L パクリタキセル(Paclitaxel)および2.5 mmol/L ATPから構成される溶液Bを調製した。溶液Aを96-wellプレートに各ウェル45 μLずつ分注した。溶液Bを用いて、被験化合物を段階的に希釈した。希釈された被験化合物溶液各30 μLを、先の96-wellプレート内に分注された溶液Aと混合し、酵素反応を開始した。酵素反応は30℃で30分間実施した。ATPase活性の指標となる360 nmでの吸光度をプレートリーダー(モレキュラーデバイス社、SpectraMax 340PC384)で測定した。Eg5存在下、被験化合物非存在下での吸光度を100%、Eg5非存在下、被験化合物非存在下の吸光度を0%として相対活性を計算し、IC50値を算出した。
化合物3、4、6、7、20、14、9、8、a、b、d、e、h、i、l、oなどは濃度依存的にEg5のATPase活性を阻害した。化合物a、b、d、e、h、i、l、oなどEg5のATPase活性の阻害率(IC50)は0.1μmol/L以下であった。これらの化合物の阻害活性は、それぞれ対応するラセミ混合物である化合物3、4、6、7、20、14、9、8などの阻害活性と比較し、強い阻害活性を示した。即ち、メタノールに溶解したときのナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度が負の値を示す化合物(II)は、そのラセミ混合物より強いEg5阻害作用を有すると考えられ、従って、より強い生理活性を有することが示唆された。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩を単独で、あるいは任意の他の医薬成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖、マンニトールなどの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分として化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩を単独で、あるいは任意の他の医薬成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖、マンニトールなどの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤および希釈剤、防腐剤、フレーバー類などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩は、上記の目的で用いる場合、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人1人あたり、1回につき0.01〜1000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回、または数日〜1または2週間間隔で1回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、通常成人1人当り0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜300mgを1日1回ないし数回、または数日間隔もしくは1〜3週間間隔で1回投与する。また、投与方法としては、急速静注、1日1〜24時間の範囲での静脈内持続投与などがあげられる。しかしながら、これら投与量および投与回数は、前述の種々の条件により変動する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤および希釈剤、防腐剤、フレーバー類などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩は、上記の目的で用いる場合、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人1人あたり、1回につき0.01〜1000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回、または数日〜1または2週間間隔で1回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、通常成人1人当り0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜300mgを1日1回ないし数回、または数日間隔もしくは1〜3週間間隔で1回投与する。また、投与方法としては、急速静注、1日1〜24時間の範囲での静脈内持続投与などがあげられる。しかしながら、これら投与量および投与回数は、前述の種々の条件により変動する。
本発明の造血器腫瘍の治療および/または予防剤は、優れた造血器腫瘍の治療および/または予防効果を示すが、さらに上述したように化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩とそれ以外の1種またはそれ以上の他の医薬成分とを組み合わせて用いることもできる。
組み合わせて用いられる他の医薬成分としては、例えば、低分子、蛋白質または核酸の薬剤などが包含され、具体的には、臨床腫瘍学、第3版、日本臨床腫瘍研究会編(2003年)などに記載されている医薬成分があげられる。
組み合わせて用いられる他の医薬成分としては、例えば、低分子、蛋白質または核酸の薬剤などが包含され、具体的には、臨床腫瘍学、第3版、日本臨床腫瘍研究会編(2003年)などに記載されている医薬成分があげられる。
低分子の薬剤としては、例えばDNAアルキル化剤(例えばシクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ダカルバジン、プロカルバジン、ニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、エストラムスチン、ブスルファン、チオテパなど);DNA合成阻害剤(例えばブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、ミトキサントロン、アクチノマイシンDなど);白金製剤型DNA架橋剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチンなど);代謝拮抗剤(例えば5−フルオロウラシル、テガフール、カペシタビン、メトトレキセート、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、クラドリビン、メルカプトプリン、ヒドロキシカルバミドなど);トポイソメラーゼI阻害剤(例えばイリノテカン、トポテカン、ノギテカンなど);トポイソメラーゼII阻害剤(例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、エトポシドなど);チューブリン作用薬(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロンなど);ホルモン拮抗薬(例えばタモキシフェン、ゴセレリン、リュープロレリン、フルタミドなど);アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、ファドロゾール、レトロゾール、エキセメスタンなど);免疫調節剤(例えば金チオマレート、D−ペニシラミン、ブシラミン、サリドマイドなど);免疫抑制剤(例えばアザチオプリン、ミゾリビン、シクロスポリンなど);ステロイド性抗炎症剤(例えばヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾンなど);非ステロイド性抗炎症剤(例えばアスピリン、インドメタシン、セレコキシブなど);抗ヒスタミン剤(例えばクロルフェニラミン、クレマスチンなど);分化誘導剤(例えばトレチノイン、ベキサロテン、砒素など);プロテアソーム阻害剤(例えばボルテゾミブなど);ユビキチンリガーゼ阻害剤[例えばNutlin(サイエンス(Science)、303巻、p.844(2004年))など];チロシンキナーゼ阻害剤{例えばEGFR阻害剤(例えばゲフィチニブ、エルロチニブなど)、Abl阻害剤(例えばイマチニブなど)、VEGFR阻害剤[例えばZD6474(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、62巻、p.4645(2002年))など]、FGFR阻害剤[例えばPD173074(エンボ・ジャーナル(EMBO J.)、17巻、p.5896(1998年))など]、PDGFR阻害剤[例えばSU11248(クリニカル・キャンサー・リサーチ(Clin. Cancer Res.)、9巻、p.327(2003年))など]、Flt3阻害剤[例えばMLN518(キャンサー・セル(Cancer Cell)、1巻、p.421(2002年))など]、IGF−1R阻害剤[例えばNVP−AEW541(キャンサー・セル(Cancer Cell)、5巻、p.231(2004年))など]など};アデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えばペントスタチンなど);Hsp90阻害剤[例えばラディシコール、17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(キャンサー・ケモセラピー・ファーマコロジー(Cancer Chemother. Pharmacol.)、42巻、p.273(1998年))など];血管新生阻害剤[例えばSU6668(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、60巻、p.4152(2000年))など];血管標的剤(例えばコンブレタスタチンA4など);ヒストンデアセチラーゼ阻害剤[例えば、SAHA(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、95巻、p.3003(1998年))など];マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(例えばマリマスタットなど);プレニル基転移酵素阻害剤[例えばR115777(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、61巻、p.131(2001年))など];ビスホスホネート製剤(例えばパミドロネート、ゾレドロネートなど);セリンスレオニンキナーゼ阻害剤{例えばRaf阻害剤[例えばBAY 43−9006(キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、64巻、p.7099(2004年))など]、mTOR阻害剤(例えばラパマイシンなど)、オーロラ阻害剤[例えばVX−680(ネイチャー・メディシン(Nat. Med.)、10巻、p.262(2004年))など]、PKC/CHK1阻害剤[例えばUCN−01(ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J. Antibiot.)、40巻、p.1782(1987年))など]など};M期キネシン阻害剤[例えばEg5阻害剤(例えばSB−715992(WO2001/98278、WO2003/070701)など)など]などがあげられ、さらにこれらの薬剤の誘導体などもあげられる。
蛋白質の薬剤としては、例えばサイトカイン、抗体などがあげられる。
該サイトカインとしては、例えばインターフェロン−α、β、γ;腫瘍壊死因子(TNF)−α;リンフォトキシン;インターロイキン−1、2、3、4、7、8、12、15、18、21;顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF);マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF);顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);インターフェロン−γ誘導性蛋白質−10(IP−10);フラクタルカインなどがあげられる。また、成長ホルモン受容体拮抗剤などの蛋白質製剤なども含まれる。
該サイトカインとしては、例えばインターフェロン−α、β、γ;腫瘍壊死因子(TNF)−α;リンフォトキシン;インターロイキン−1、2、3、4、7、8、12、15、18、21;顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF);マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF);顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);インターフェロン−γ誘導性蛋白質−10(IP−10);フラクタルカインなどがあげられる。また、成長ホルモン受容体拮抗剤などの蛋白質製剤なども含まれる。
該抗体としては、腫瘍細胞に発現する抗原、もしくは腫瘍細胞の増殖や転移など、腫瘍の病態形成に関わる抗原に対する抗体であれば特に限定されないが、例えばインターロイキン6(IL−6)受容体、GD2、GD3、GM2、HER2、CD20、CD22、CD33、CD52、MAGE、HM1.24、副甲状腺ホルモン関連蛋白質(PTHrP)、塩基性線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子8、塩基性線維芽細胞増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子8受容体、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、インスリン様増殖因子、インスリン様増殖因子受容体、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、血管内皮細胞増殖因子、血管内皮細胞増殖因子受容体などに対する抗体があげられる。上記の抗体の具体例としては、本発明の範囲を限定するものではないが、例えば抗IL−6受容体抗体としてはアンチキャンサー・リサーチ(Anticancer Res.)、18巻、p.1217(1998年)に記載の抗体、抗GD2抗体としてはアンチキャンサー・リサーチ(Anticancer Res.)、13巻、p.331(1993年)に記載の抗体、抗GD3抗体としてはキャンサー・イムノロジー・イムノセラピー(Cancer Immunol. Immunother.)、36巻、p.260(1993年)に記載の抗体、抗GM2抗体としてはキャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、54巻、p.1511(1994年)に記載の抗体、抗HER2抗体としてはプロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89巻、p.4285(1992年)に記載の抗体、抗CD20抗体としてはブラッド(Blood)、83巻、p.435(1994年)に記載の抗体、抗CD22抗体としてはセミナーズ・イン・オンコロジー(Semmin. Oncol.)、30巻、p.253(2003年)に記載の抗体、抗CD33抗体としてはジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(J. Clin. Oncol.)、19巻、p.3244(2001年)に記載の抗体、抗CD52抗体としてはブラッド(Blood)、82巻、p.807(1993年)に記載の抗体、抗MAGE抗体としてはブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British J. Cancer)、83巻、p.493、(2000年)に記載の抗体、抗HM1.24抗体としてはモレキュラー・イムノロジー(Molecular Immunol.)、36巻、p.387(1999年)に記載の抗体、抗副甲状腺ホルモン関連蛋白質抗体としてはキャンサー(Cancer)、88巻、p.2909(2000年)に記載の抗体、抗線維芽細胞増殖因子8抗体としてはプロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、86巻、p.9911(1989年)に記載の抗体、抗線維芽細胞増殖因子8受容体抗体としてはジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.)、265巻、p.16455(1990年)に記載の抗体、抗上皮細胞成長因子受容体抗体としてはキャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、59巻、p.1236(1999年)に記載の抗体、抗上皮細胞接着分子抗体としてはプロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、76巻、p.1438(1979年)に記載の抗体、抗インスリン様増殖因子抗体としてはジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・リサーチ(J. Neurosci. Res.)、40巻、p.647(1995年)に記載の抗体、抗インスリン様増殖因子受容体抗体としてはジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・リサーチ(J. Neurosci. Res.)、40巻、p.647(1995年)に記載の抗体、抗前立腺特異的膜抗原抗体としてはジャーナル・オブ・ウロロジー(J. Urology)、160巻、p.2396(1998年)に記載の抗体、抗血管内皮細胞増殖因子抗体としてはキャンサー・リサーチ(Cancer Res.)、57巻、p.4593(1997年)に記載の抗体、抗血管内皮細胞増殖因子受容体抗体としてはオンコジーン(Oncogene)、19巻、p.2138(2000年)に記載の抗体などがあげられる。
より具体的には、例えばハーセプチン(Herceptin)、リツキサン(Rituxan)、キャンパス(Campath)、アバスチン(Avastin)、ベクサー(Bexxar)、リンフォサイド(LymphoCide)、マイロターグ(Mylotarg)、パノレックス(Panorex)、ゼバリン(Zevalin)[ネイチャー・レビューズ・キャンサー(Nat. Rev. Cancer)、1巻、p.118(2001年)]などがあげられる。
より具体的には、例えばハーセプチン(Herceptin)、リツキサン(Rituxan)、キャンパス(Campath)、アバスチン(Avastin)、ベクサー(Bexxar)、リンフォサイド(LymphoCide)、マイロターグ(Mylotarg)、パノレックス(Panorex)、ゼバリン(Zevalin)[ネイチャー・レビューズ・キャンサー(Nat. Rev. Cancer)、1巻、p.118(2001年)]などがあげられる。
核酸の薬剤としては、例えばアンチセンス、small interfering RNA(siRNA)、リボザイムなどがあげられる。核酸としては、腫瘍細胞の増殖や転移など、腫瘍の病態形成に関わる遺伝子と相補的な配列を有するものであれば特に限定されないが、上記の低分子または蛋白質が標的とする遺伝子配列と相補的な配列を有する核酸などがあげられる。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と他の医薬成分とを組み合わせて用いる場合、化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と他の医薬成分とを同時に投与してもよいし、時間をおいて別々に投与してもよい。これらの投与量は臨床上用いられている投与量に準じていればよく、投与対象、投与ルート、疾患、医薬成分の組み合わせなどにより変動する。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と他の医薬成分とを組み合わせて用いる場合の投与形態は特に限定されず、投与時に化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と他の医薬成分とが組み合わされていればよい。例えば、これらそれぞれの成分を含有するように製剤化したものであれば、単剤(合剤)としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用または投与することができる。複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、同時にまたは時間を置いて別々に投与することができる。なお、これら製剤は、例えば錠剤、注射剤などの形態として用いることが好ましい。また、これら製剤は、上記と同様に製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と他の医薬成分とを組み合わせて用いる場合の投与形態は特に限定されず、投与時に化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と他の医薬成分とが組み合わされていればよい。例えば、これらそれぞれの成分を含有するように製剤化したものであれば、単剤(合剤)としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用または投与することができる。複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、同時にまたは時間を置いて別々に投与することができる。なお、これら製剤は、例えば錠剤、注射剤などの形態として用いることが好ましい。また、これら製剤は、上記と同様に製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、例えば(a)化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)他の医薬成分を含有する第2成分とを、それぞれ別々に製剤化し、キットとして作成しておき、このキットを用いてそれぞれの成分を同時にまたは時間を置いて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与することもできる。
該キットとしては、例えば保存する際に外部の温度や光による内容物である成分の変性、容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、形状などは特に限定されない2つ以上の容器(例えばバイアル、バッグなど)と内容物からなり、内容物である上記第1成分と第2成分が別々の経路(例えばチューブなど)または同一の経路を介して投与可能な形態を有するものが用いられる。具体的には、錠剤、注射剤などのキットがあげられる。
該キットとしては、例えば保存する際に外部の温度や光による内容物である成分の変性、容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、形状などは特に限定されない2つ以上の容器(例えばバイアル、バッグなど)と内容物からなり、内容物である上記第1成分と第2成分が別々の経路(例えばチューブなど)または同一の経路を介して投与可能な形態を有するものが用いられる。具体的には、錠剤、注射剤などのキットがあげられる。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩と1種またはそれ以上の他の医薬成分とを組み合わせて用いることにより、造血器腫瘍の治療および/または予防効果の向上、副作用の低減などが期待できる。
本発明の他の態様として、上記のように化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩の投与と他の医療行為とを組み合わせて用いることもできる。
組み合わせて用いられる他の医療行為としては、特に限定されないが、例えば、外科療法、内視鏡療法、放射線療法、粒子線療法、レーザー光化学療法、免疫療法、骨髄移植、温熱療法、遺伝子治療など[臨床腫瘍学、第3版、日本臨床腫瘍研究会編(2003年)]が包含される。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩の投与と他の医療行為とを組み合わせて用いることにより、造血器腫瘍の治療および/または予防効果の向上、副作用の低減などが期待できる。
本発明の他の態様として、上記のように化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩の投与と他の医療行為とを組み合わせて用いることもできる。
組み合わせて用いられる他の医療行為としては、特に限定されないが、例えば、外科療法、内視鏡療法、放射線療法、粒子線療法、レーザー光化学療法、免疫療法、骨髄移植、温熱療法、遺伝子治療など[臨床腫瘍学、第3版、日本臨床腫瘍研究会編(2003年)]が包含される。
化合物(I)もしくは(II)またはその薬理学的に許容される塩の投与と他の医療行為とを組み合わせて用いることにより、造血器腫瘍の治療および/または予防効果の向上、副作用の低減などが期待できる。
以下に、実施例および参考例により、本発明を詳細に説明する。
参考例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、270 MHzまたは300 MHzで測定されたものであり、化合物および測定条件によって交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。なお、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いるが、brとは見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
参考例で用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、270 MHzまたは300 MHzで測定されたものであり、化合物および測定条件によって交換性プロトンが明瞭には観測されないことがある。なお、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いるが、brとは見かけ上幅広いシグナルであることを表す。
注射剤(化合物m)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物m、1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物m、1gおよびD−マンニトール5gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
参考例1〜13(化合物1〜13)
化合物1〜13は、それぞれWO2003/051854またはWO2004/111024に記載の方法に従って合成した。
参考例14
化合物a:(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:(S)−(+)−2−フェニルプロピオン酸(4.88 g, 32.5 mmol)をジクロロメタン(20 mL)に溶解し、塩化チオニル(30 mL)を加え、室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮した後、得られた残渣をジクロロメタン(10 mL)に溶解した(ジクロロメタン溶液)。次いで、WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−{2−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド(4.93 g, 12.8 mmol)をジクロロメタン(15 mL)およびピリジン(3.1 mL)に溶解し、上記のジクロロメタン溶液を加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌した後、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を1 mol/L塩酸、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム(50 mL)およびジイソプロピルエーテル(10 mL)を加え撹拌し、析出した粉末を濾取した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン/n−へキサン/酢酸エチル=9/1/1/1、9/1/6.5/3.5、9/1/7/3、次いで9/1/5/5)で繰り返し精製し、先に溶出する画分としてN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(2.48 g, 38%)、および後で溶出する画分としてN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(2.80 g, 43%)を得た。
化合物1〜13は、それぞれWO2003/051854またはWO2004/111024に記載の方法に従って合成した。
参考例14
化合物a:(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:(S)−(+)−2−フェニルプロピオン酸(4.88 g, 32.5 mmol)をジクロロメタン(20 mL)に溶解し、塩化チオニル(30 mL)を加え、室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮した後、得られた残渣をジクロロメタン(10 mL)に溶解した(ジクロロメタン溶液)。次いで、WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−{2−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド(4.93 g, 12.8 mmol)をジクロロメタン(15 mL)およびピリジン(3.1 mL)に溶解し、上記のジクロロメタン溶液を加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌した後、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を1 mol/L塩酸、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム(50 mL)およびジイソプロピルエーテル(10 mL)を加え撹拌し、析出した粉末を濾取した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン/n−へキサン/酢酸エチル=9/1/1/1、9/1/6.5/3.5、9/1/7/3、次いで9/1/5/5)で繰り返し精製し、先に溶出する画分としてN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(2.48 g, 38%)、および後で溶出する画分としてN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(2.80 g, 43%)を得た。
先に溶出するN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー:1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.26 (s, 9H), 1.53 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 2.60 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 3.20 (m, 1H), 3.36 (m, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.67 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.45 (br t, 1H), 7.20-7.49 (m, 10H), 7.75 (s, 1H).
APCI-MS m/z: 515 (M−H)-.
後で溶出するN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー:1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.25 (s, 9H), 1.51 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 2.56 (m, 1H), 2.96 (s, 3H), 3.23 (m, 1H), 3.37 (m, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.63 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.67 (br t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.17-7.52 (m, 10H), 7.99 (s, 1H).
APCI-MS m/z: 515 (M−H)-.
APCI-MS m/z: 515 (M−H)-.
後で溶出するN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー:1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.25 (s, 9H), 1.51 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 2.56 (m, 1H), 2.96 (s, 3H), 3.23 (m, 1H), 3.37 (m, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.63 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 4.67 (br t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.17-7.52 (m, 10H), 7.99 (s, 1H).
APCI-MS m/z: 515 (M−H)-.
工程2:上記工程1で得られた先に溶出するN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(2.28 g, 4.41 mmol)をメタノール(100 mL)に溶解し、塩化セリウム・7水和物(1.64 g, 4.41 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(6.68 g, 0.176 mmol)を加え、室温で40分間撹拌した。混合物に水素化ホウ素ナトリウム(20.04 g, 0.5297 mmol)およびメタノール(250 mL)を3回に分けて加えながら、室温でさらに2時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルおよび1 mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン/n−へキサン/酢酸エチル=9/1/7/3 → 9/1/5/5)で精製した。この操作を繰り返し行い、得られた粗生成物(計0.802 g, 2.09 mmol)を、エタノール(20 mL)およびn−へキサン(200 mL)の混合溶媒に溶解し、析出した固体を濾別し、濾液を濃縮することにより、光学活性なN−{2−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド(0.647 g, 23%)を得た。
工程3:上記工程2で得られた光学活性なN−{2−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド(90 mg, 0.23 mmol)をジクロロメタン(4 mL)に溶解し、ピリジン(0.224 mL, 2.77 mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.288 mL, 2.33 mmol)を加え、室温で3.5時間撹拌した。反応液に水および1 mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=3/1 → 2/1)で精製した後、得られたシロップにエタノール次いでn−ヘキサンを加え、上澄みをデカンテーション操作により分離し析出した固体を得た。次いでジイソプロピルエーテルを加えて撹拌することにより得られた固体を粉末化し、化合物a{(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(60 mg, 55%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.30 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.56-2.65 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 3.21-3.44 (m, 2H), 3.58-3.70 (m, 1H), 4.45 (br s, 1H), 7.28-7.37 (m, 5H), 7.97 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 467 (M−1)-.
融点:204.0−206.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.30 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.56-2.65 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 3.21-3.44 (m, 2H), 3.58-3.70 (m, 1H), 4.45 (br s, 1H), 7.28-7.37 (m, 5H), 7.97 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 467 (M−1)-.
融点:204.0−206.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例15
化合物b:(−)−N−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:参考例14の工程1と同様にして、WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(10.7 g, 30.0 mmol)、ならびに(R)−(−)−2−フェニルプロピオン酸(10.5 g, 69.9 mmol)および塩化チオニルより調製した塩化(R)−(−)−2−フェニルプロピオニルより、N−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドをジアステレオマー混合物(13.3 g, 92%)として得た。この一部(3.89 g, 7.96 mmol)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトニトリル/n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1/1/1)で精製することにより、後で溶出する画分としてN−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(0.861 g, 22%)、および先に溶出する画分としてN−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(0.802 g, 20%)を得た。
化合物b:(−)−N−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:参考例14の工程1と同様にして、WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(10.7 g, 30.0 mmol)、ならびに(R)−(−)−2−フェニルプロピオン酸(10.5 g, 69.9 mmol)および塩化チオニルより調製した塩化(R)−(−)−2−フェニルプロピオニルより、N−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドをジアステレオマー混合物(13.3 g, 92%)として得た。この一部(3.89 g, 7.96 mmol)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトニトリル/n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1/1/1)で精製することにより、後で溶出する画分としてN−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(0.861 g, 22%)、および先に溶出する画分としてN−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(0.802 g, 20%)を得た。
工程2:参考例14の工程2と同様にして、上記工程1で得られた後で溶出するN−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(4.41 g, 9.03 mmol)、塩化セリウム・7水和物(3.37 g, 9.05 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(3.42 g, 90.5 mmol)より、光学活性なN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(2.16 g, 67%)を得た。
工程3:参考例14の工程3と同様にして、上記工程2で得られた光学活性なN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0480 g, 0.135 mmol)、ピリジン(32.7 μL, 0.405 mmol)および塩化トリメチルアセチル(41.7 μL, 0.338 mmol)より、化合物b{(−)−N−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.0504 g, 84%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.13 (t, J = 6.0 Hz, 3H), 1.28 (s, 9H), 2.66 (m, 3H), 2.97 (s, 3H), 3.35 (m, 2H), 3.61 (m, 1H), 4.58 (br s, 1H), 7.32 (m, 5H), 8.08 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 441 (M+1) +.
融点:107.0−110.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
工程3:参考例14の工程3と同様にして、上記工程2で得られた光学活性なN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0480 g, 0.135 mmol)、ピリジン(32.7 μL, 0.405 mmol)および塩化トリメチルアセチル(41.7 μL, 0.338 mmol)より、化合物b{(−)−N−[5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4−プロピオニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.0504 g, 84%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.13 (t, J = 6.0 Hz, 3H), 1.28 (s, 9H), 2.66 (m, 3H), 2.97 (s, 3H), 3.35 (m, 2H), 3.61 (m, 1H), 4.58 (br s, 1H), 7.32 (m, 5H), 8.08 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 441 (M+1) +.
融点:107.0−110.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例16
化合物c:(−)−N−{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例14の工程2で得られる光学活性なN−{2−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド(0.647 g, 1.68 mmol)をジクロロメタン(25 mL)に溶解し、ピリジン(0.41 mL, 5.1 mmol)および塩化4−ブロモブチリル(0.49 mL, 4.2 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を0.5 mol/L塩酸および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド(DMSO)(6 mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(0.331 g, 4.04 mmol)を加え、撹拌しながら14分かけて100℃まで加熱した。放冷後、混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=3/1 → 1/1)で精製した後、アセトンから再結晶することにより、化合物c{(−)−N−{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.649 g, 85%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.34 (s, 9H), 2.23 (m, 2H), 2.56 (m, 2H), 2.61 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 3.27 (m, 1H), 3.40 (m, 1H), 3.63 (m, 1H), 3.98 (m, 2H), 4.01 (br t, J = 3.5 Hz, 1H), 7.20-7.37 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 453 (M+1) +.
融点:107.0−110.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
化合物c:(−)−N−{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例14の工程2で得られる光学活性なN−{2−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド(0.647 g, 1.68 mmol)をジクロロメタン(25 mL)に溶解し、ピリジン(0.41 mL, 5.1 mmol)および塩化4−ブロモブチリル(0.49 mL, 4.2 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を0.5 mol/L塩酸および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド(DMSO)(6 mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(0.331 g, 4.04 mmol)を加え、撹拌しながら14分かけて100℃まで加熱した。放冷後、混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=3/1 → 1/1)で精製した後、アセトンから再結晶することにより、化合物c{(−)−N−{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.649 g, 85%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.34 (s, 9H), 2.23 (m, 2H), 2.56 (m, 2H), 2.61 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 3.27 (m, 1H), 3.40 (m, 1H), 3.63 (m, 1H), 3.98 (m, 2H), 4.01 (br t, J = 3.5 Hz, 1H), 7.20-7.37 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 453 (M+1) +.
融点:107.0−110.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例17
化合物d:(−)−N−[4−イソブチリル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−[4−イソブチリル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(2.32 g, 5.10 mmol)を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:12%イソプロピルアルコール/n−へキサン;流速:6 mL/分;カラム温度:25℃]に付し、保持時間10.2分と11.2分の画分をそれぞれ分取した。このうち、11.2分の画分を濃縮し、残渣をn−ペンタンおよびエタノールより再結晶することにより、化合物d{(−)−N−[4−イソブチリル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.707 g, 30%)を白色結晶として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.15 (2 x d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.29 (s, 9H), 2.57-2.67 (m, 1H), 2.96 (s, 3H), 3.23-3.44 (m, 3H), 3.37-3.68 (m, 1H), 4.46 (br s, 1H), 7.25-7.38 (m, 5H), 8.00 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 453 (M−1)-.
融点:162.0−164.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
化合物d:(−)−N−[4−イソブチリル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−[4−イソブチリル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(2.32 g, 5.10 mmol)を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:12%イソプロピルアルコール/n−へキサン;流速:6 mL/分;カラム温度:25℃]に付し、保持時間10.2分と11.2分の画分をそれぞれ分取した。このうち、11.2分の画分を濃縮し、残渣をn−ペンタンおよびエタノールより再結晶することにより、化合物d{(−)−N−[4−イソブチリル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.707 g, 30%)を白色結晶として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.15 (2 x d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.29 (s, 9H), 2.57-2.67 (m, 1H), 2.96 (s, 3H), 3.23-3.44 (m, 3H), 3.37-3.68 (m, 1H), 4.46 (br s, 1H), 7.25-7.38 (m, 5H), 8.00 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 453 (M−1)-.
融点:162.0−164.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例18
化合物e:(−)−N−{2−[5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例15の工程2で得られた光学活性なN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(1.01 g, 2.83 mmol)およびピリジン(330 μL, 4.08 mmol)をジクロロメタン(40 mL)に溶解し、0℃で4−ブロモブチリルクロリド(390 μL, 3.40 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。混合物に1 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣にDMSO(10 mL)および酢酸ナトリウム(560 mg, 6.83 mmol)を加え、100℃で5分間撹拌した。室温まで冷却後、混合物に水および1 mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、化合物e{(−)−N−{2−[5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(878 mg, 73%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.15 (t, J = 6.6 Hz, 3H), 2.22 (m, 2H), 2.55-2.67 (m, 3H), 2.94 (s, 3H), 3.31-3.47 (m, 4H), 3.61 (m, 1H), 3.91-3.98 (m, 2H), 5.0 (br s, 1H), 7.20-7.35 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 423 (M−1)-.
融点:188.0−191.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
化合物e:(−)−N−{2−[5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例15の工程2で得られた光学活性なN−[2−(5−アミノ−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(1.01 g, 2.83 mmol)およびピリジン(330 μL, 4.08 mmol)をジクロロメタン(40 mL)に溶解し、0℃で4−ブロモブチリルクロリド(390 μL, 3.40 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。混合物に1 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣にDMSO(10 mL)および酢酸ナトリウム(560 mg, 6.83 mmol)を加え、100℃で5分間撹拌した。室温まで冷却後、混合物に水および1 mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、化合物e{(−)−N−{2−[5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−3−プロピオニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(878 mg, 73%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.15 (t, J = 6.6 Hz, 3H), 2.22 (m, 2H), 2.55-2.67 (m, 3H), 2.94 (s, 3H), 3.31-3.47 (m, 4H), 3.61 (m, 1H), 3.91-3.98 (m, 2H), 5.0 (br s, 1H), 7.20-7.35 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 423 (M−1)-.
融点:188.0−191.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例19
化合物f:(−)−N−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:メタンスルホンアミド(0.476 g, 5.00 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(10 mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(0.275 g, 5.00 mmol)を0℃で加え、同温度で20分間撹拌した。次いで、3−クロロプロピオフェノン(843 mg, 5.00 mol)を加え、同温度で2時間撹拌した後、室温でさらに15時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、N−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン(240 mg, 21%)を得た。
次いでWO2003/051854に記載の方法と同様にして、上記で得られるN−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン(388 mg, 1.71 mmol)およびチオセミカルバジド(156 mg, 1.71 mmol)から、N−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン=チオセミカルバゾン(219 mg, 45%)を得た。
工程2:上記工程1で得られたN−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン=チオセミカルバゾン(9.83 g, 32.7 mmol)を無水酢酸(38 mL)に溶解し、130℃で10分間撹拌した後、70℃でさらに2時間、次いで室温で5時間撹拌した。析出した固体を濾取することにより、N−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]アセトアミド(11.3 g, 73%)を得た。
化合物f:(−)−N−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:メタンスルホンアミド(0.476 g, 5.00 mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(10 mL)に溶解し、60%水素化ナトリウム(0.275 g, 5.00 mmol)を0℃で加え、同温度で20分間撹拌した。次いで、3−クロロプロピオフェノン(843 mg, 5.00 mol)を加え、同温度で2時間撹拌した後、室温でさらに15時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製することにより、N−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン(240 mg, 21%)を得た。
次いでWO2003/051854に記載の方法と同様にして、上記で得られるN−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン(388 mg, 1.71 mmol)およびチオセミカルバジド(156 mg, 1.71 mmol)から、N−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン=チオセミカルバゾン(219 mg, 45%)を得た。
工程2:上記工程1で得られたN−メタンスルホニル−3−アミノプロピオフェノン=チオセミカルバゾン(9.83 g, 32.7 mmol)を無水酢酸(38 mL)に溶解し、130℃で10分間撹拌した後、70℃でさらに2時間、次いで室温で5時間撹拌した。析出した固体を濾取することにより、N−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]アセトアミド(11.3 g, 73%)を得た。
工程3:WO2003/051854に記載の方法と同様にして、上記工程2で得られたN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]アセトアミド(5.22 g, 13.6 mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(5.14 g, 136 mmol)および塩化セリウム・7水和物(5.07 g, 13.6 mmol)より、N−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミドを得た。
次いで、(R)−(−)−2−フェニルプロピオン酸(4.65 g, 3.10 mmol)および塩化チオニル(30 mL)より調製した塩化(R)−(−)−2−フェニルプロピオニルと上記で得られたN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミドとを、参考例14の工程1と同様にして、ピリジン(5.0 mL, 61.8 mmol)中で処理し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=20/3/2/1)で精製することにより、先に溶出する画分としてN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(0.75 g, 12%)および後で溶出する画分としてN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(0.82 g, 13%)を得た。
工程4:参考例14の工程2と同様にして、上記工程3で得られた後で溶出するN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(0.632 g, 1.33 mmol)、塩化セリウム・7水和物(0.496 g, 1.33 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.503 g, 13.3 mmol)より、光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(232 mg, 51%)を得た。
次いで、(R)−(−)−2−フェニルプロピオン酸(4.65 g, 3.10 mmol)および塩化チオニル(30 mL)より調製した塩化(R)−(−)−2−フェニルプロピオニルと上記で得られたN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミドとを、参考例14の工程1と同様にして、ピリジン(5.0 mL, 61.8 mmol)中で処理し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/n−ヘキサン/酢酸エチル/メタノール=20/3/2/1)で精製することにより、先に溶出する画分としてN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドの一方のジアステレオマー(0.75 g, 12%)および後で溶出する画分としてN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(0.82 g, 13%)を得た。
工程4:参考例14の工程2と同様にして、上記工程3で得られた後で溶出するN−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2−フェニルプロパンアミドのもう一方のジアステレオマー(0.632 g, 1.33 mmol)、塩化セリウム・7水和物(0.496 g, 1.33 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.503 g, 13.3 mmol)より、光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(232 mg, 51%)を得た。
工程5:参考例14の工程3と同様にして、上記工程4で得られた光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0393 g, 0.115 mmol)、ピリジン(44.7 μL, 0.552 mmol)および塩化トリメチルアセチル(56.7 μL, 0.460 mmol)より、化合物f{(−)−N−[4−アセチル−5−(2−メタンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.0420 g, 86%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.28 (s, 9H), 2.30 (s, 3H), 2.55-2.68 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 3.30-3.43 (m, 2H), 3.59-3.68 (m, 1H), 4.44 (br s, 1H), 7.27-7.39 (m, 5H), 8.00 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 425 (M−1)-.
融点:187.0−190.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.28 (s, 9H), 2.30 (s, 3H), 2.55-2.68 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 3.30-3.43 (m, 2H), 3.59-3.68 (m, 1H), 4.44 (br s, 1H), 7.27-7.39 (m, 5H), 8.00 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 425 (M−1)-.
融点:187.0−190.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例20
化合物g:N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例16と同様にして、参考例19の工程4で得られた光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0300 g, 0.0876 mmol)、ピリジン(33.6 μL, 0.420 mmol)、塩化4−ブロモブチリル(40.6 μL, 0.350 mmol)および酢酸ナトリウム(0.0575 g, 0.701 mmol)より、化合物g{N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.0301 g, 84%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 2.15 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.50-2.67 (m, 3H), 2.97 (s, 3H), 3.31-3.44 (m, 2H), 3.60-3.65 (m, 1H), 3.87-3.97 (m, 2H), 4.46 (br s, 1H), 7.24-7.38 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 409 (M−1)-.
融点:137.0−140.0℃.
化合物g:N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例16と同様にして、参考例19の工程4で得られた光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0300 g, 0.0876 mmol)、ピリジン(33.6 μL, 0.420 mmol)、塩化4−ブロモブチリル(40.6 μL, 0.350 mmol)および酢酸ナトリウム(0.0575 g, 0.701 mmol)より、化合物g{N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピロリジン−1−イル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.0301 g, 84%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 2.15 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.50-2.67 (m, 3H), 2.97 (s, 3H), 3.31-3.44 (m, 2H), 3.60-3.65 (m, 1H), 3.87-3.97 (m, 2H), 4.46 (br s, 1H), 7.24-7.38 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 409 (M−1)-.
融点:137.0−140.0℃.
参考例21
化合物h:(−)−N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例16と同様にして、参考例19の工程4で得られた光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0260 g, 0.0759 mmol)、ピリジン(29.3 μL, 0.365 mmol)、塩化5−ブロモバレリル(40.7 μL, 0.304 mmol)および酢酸ナトリウム(0.0498 g, 0.607 mmol)より、化合物h{(−)−N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.0241 g, 75%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.82-1.98 (m, 4H), 2.33 (s, 3H), 2.52-2.62 (m, 3H), 2.95 (s, 3H), 3.27-3.38 (m, 2H), 3.59-3.70 (m, 1H), 3.84-3.92 (m, 2H), 4.62 (br s, 1H), 7.23-7.37 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 423 (M−1) -.
融点:169.0−171.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
化合物h:(−)−N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例16と同様にして、参考例19の工程4で得られた光学活性なN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.0260 g, 0.0759 mmol)、ピリジン(29.3 μL, 0.365 mmol)、塩化5−ブロモバレリル(40.7 μL, 0.304 mmol)および酢酸ナトリウム(0.0498 g, 0.607 mmol)より、化合物h{(−)−N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.0241 g, 75%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.82-1.98 (m, 4H), 2.33 (s, 3H), 2.52-2.62 (m, 3H), 2.95 (s, 3H), 3.27-3.38 (m, 2H), 3.59-3.70 (m, 1H), 3.84-3.92 (m, 2H), 4.62 (br s, 1H), 7.23-7.37 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 423 (M−1) -.
融点:169.0−171.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例22
化合物i:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例30で得られた化合物14{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.15 g, 0.29 mmol)を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALCEL OD φ20 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=80/20(ジエチルアミン 0.1%含有);流速:6.0 mL/分]に付し、保持時間7.5分と9.0分の画分のうち9.0分の画分を分取した。分取した画分を濃縮することにより、化合物i{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド}(33 mg, 22%)を白色固体として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.11 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 2.67 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.53-2.70 (m, 1H), 3.00-3.76 (m, 8H), 7.22-7.38 (m, 5H), 7.92 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 526 (M+H)+.
化合物i:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例30で得られた化合物14{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.15 g, 0.29 mmol)を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALCEL OD φ20 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=80/20(ジエチルアミン 0.1%含有);流速:6.0 mL/分]に付し、保持時間7.5分と9.0分の画分のうち9.0分の画分を分取した。分取した画分を濃縮することにより、化合物i{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド}(33 mg, 22%)を白色固体として得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.11 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 2.67 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.53-2.70 (m, 1H), 3.00-3.76 (m, 8H), 7.22-7.38 (m, 5H), 7.92 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 526 (M+H)+.
参考例23
化合物j:N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:WO2004/092147に記載の方法に従って得られる[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステルを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD φ4.6 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=80/20;流速:1.0 mL/分]に付し、保持時間4.63分と5.76分の画分のうち、5.76分の画分を分取することにより、光学活性な[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステルを得た。
工程2:上記工程1で得られた光学活性な[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル(5.91 g, 12.4 mmol)を酢酸エチル(20 mL)に溶解し、次いで1 mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(40 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、得られた結晶を減圧下にて加熱乾燥し、化合物j{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(4.72 g, 92%)を得た。
APCI-MS m/z: 377(M+H)+.
融点:175.0−182.0℃.
化合物j:N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:WO2004/092147に記載の方法に従って得られる[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステルを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD φ4.6 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=80/20;流速:1.0 mL/分]に付し、保持時間4.63分と5.76分の画分のうち、5.76分の画分を分取することにより、光学活性な[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステルを得た。
工程2:上記工程1で得られた光学活性な[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル(5.91 g, 12.4 mmol)を酢酸エチル(20 mL)に溶解し、次いで1 mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(40 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、得られた結晶を減圧下にて加熱乾燥し、化合物j{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(4.72 g, 92%)を得た。
APCI-MS m/z: 377(M+H)+.
融点:175.0−182.0℃.
参考例24
化合物k:N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例23で得られた化合物j{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(0.502 g, 1.22 mmol)を酢酸エチル(20 mL)に溶解し、クロロエタンスルホニルクロリド(0.203 mL, 1.22 mmol)を加え、室温で2分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(0.680 mL, 4.88 mmol)を加え、同温度で30分間撹拌した。混合物に、水および1.0 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより、化合物k{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.408 g, 72%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 3.85 (dd, J = 13.5, 4.8 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 13.5, 8.1 Hz, 1H), 5.29 (br s, 1H), 5.93 (br d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.27 (br d, J = 16.5 Hz, 1H), 6.53 (br dd, J = 16.4, 9.6 Hz, 1H), 7.27-7.34 (m, 5H), 8.06 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 466 (M)+.
化合物k:N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例23で得られた化合物j{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(0.502 g, 1.22 mmol)を酢酸エチル(20 mL)に溶解し、クロロエタンスルホニルクロリド(0.203 mL, 1.22 mmol)を加え、室温で2分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、トリエチルアミン(0.680 mL, 4.88 mmol)を加え、同温度で30分間撹拌した。混合物に、水および1.0 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより、化合物k{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.408 g, 72%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 3.85 (dd, J = 13.5, 4.8 Hz, 1H), 4.49 (dd, J = 13.5, 8.1 Hz, 1H), 5.29 (br s, 1H), 5.93 (br d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.27 (br d, J = 16.5 Hz, 1H), 6.53 (br dd, J = 16.4, 9.6 Hz, 1H), 7.27-7.34 (m, 5H), 8.06 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 466 (M)+.
参考例25
化合物l:(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例24で得られる化合物k{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.50 g, 3.21 mmol)をアセトニトリル(60 mL)に溶解し、次いで、70%エチルアミン水溶液(13.9 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をエタノールに溶解した。水を加え、析出した固体を濾取することにより、化合物l{(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.830 g, 51%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.09 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.28 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.63 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.03-3.12 (m, 2H), 3.16-3.24 (m, 2H), 4.02 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 7.27-7.35 (m, 6H), 8.02 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 512 (M+1) +.
融点:169.0−171.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
化合物l:(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例24で得られる化合物k{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.50 g, 3.21 mmol)をアセトニトリル(60 mL)に溶解し、次いで、70%エチルアミン水溶液(13.9 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をエタノールに溶解した。水を加え、析出した固体を濾取することにより、化合物l{(−)−N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.830 g, 51%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.09 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.28 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.63 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.03-3.12 (m, 2H), 3.16-3.24 (m, 2H), 4.02 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 7.27-7.35 (m, 6H), 8.02 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 512 (M+1) +.
融点:169.0−171.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例26
化合物m:(−)−N−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:参考例25と同様にして、WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.05 g, 0.11 mmol)および2 mol/Lジメチルアミン−メタノール溶液(0.10 mL)から、N−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.02 g, 35%)を得た。
化合物m:(−)−N−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:参考例25と同様にして、WO2003/051854に記載の方法に従って得られたN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.05 g, 0.11 mmol)および2 mol/Lジメチルアミン−メタノール溶液(0.10 mL)から、N−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.02 g, 35%)を得た。
工程2:上記工程1で得られたN−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(50 mg)を分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD φ20 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=91/9;流速:5.0 mL/分]に付し、保持時間22分および33分の画分をそれぞれ分取した。このうち、33分の画分を濃縮することにより、化合物m{(−)−N−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(17 mg, 34%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.28 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.25 (s, 6H), 2.73 (br q, J = 6.3 Hz, 1H), 2.84 (br q, J = 6.2 Hz, 1H), 3.18 (br t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.02 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 5.85 (br s, 1H), 7.27-7.35 (m, 5H), 8.02 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 512 (M+1) +.
融点:101.0−104.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.28 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.25 (s, 6H), 2.73 (br q, J = 6.3 Hz, 1H), 2.84 (br q, J = 6.2 Hz, 1H), 3.18 (br t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.02 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 5.85 (br s, 1H), 7.27-7.35 (m, 5H), 8.02 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 512 (M+1) +.
融点:101.0−104.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例27
化合物p:N−[5−(3−アミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:参考例23で得られる化合物j{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(1.00 g, 2.42 mmol)をジクロロメタン(25 mL)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(1.35 mL, 9.69 mmol)および塩化3−クロロプロパンスルホニル(0.442 mL, 3.63 mmol)を加え、室温で22時間撹拌した。混合物に水および1 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、光学活性なN−[5−(3−クロロプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.880 g, 70%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 2.25 (m, 2H), 3.22 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 4.01 (dd, J = 5.1, 13.7 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 8.0, 13.7 Hz, 1H), 5.19 (dd, J = 5.1, 8.0 Hz, 1H), 7.23-7.41 (m, 5H), 7.94 (s, 1H).
ESI-MS m/z: 515, 517 (M−H)-.
化合物p:N−[5−(3−アミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:参考例23で得られる化合物j{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(1.00 g, 2.42 mmol)をジクロロメタン(25 mL)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(1.35 mL, 9.69 mmol)および塩化3−クロロプロパンスルホニル(0.442 mL, 3.63 mmol)を加え、室温で22時間撹拌した。混合物に水および1 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、光学活性なN−[5−(3−クロロプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.880 g, 70%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 2.25 (m, 2H), 3.22 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 4.01 (dd, J = 5.1, 13.7 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 8.0, 13.7 Hz, 1H), 5.19 (dd, J = 5.1, 8.0 Hz, 1H), 7.23-7.41 (m, 5H), 7.94 (s, 1H).
ESI-MS m/z: 515, 517 (M−H)-.
工程2:上記工程1で得られた光学活性なN−[5−(3−クロロプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(1.50 g, 2.90 mmol)、ヨウ化ナトリウム(8.69 g, 58.0 mmol)およびアジ化ナトリウム(1.89 g, 29.0 mmol)をDMF(20 mL)に懸濁し、90℃で4時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションすることにより、光学活性なN−[5−(3−アジドプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(1.82 g)を得た。
次いで、得られた光学活性なN−[5−(3−アジドプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドをTHF(53 mL)に溶解し、水(10.6 mL)およびトリフェニルホスフィン(1.24 g, 4.73 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩酸水溶液で抽出し、水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性にした後、酢酸エチルを用いて抽出した。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、化合物p{N−[5−(3−アミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.29 g, 89%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.96 (m, 2H), 2.85 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.99 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 7.24-7.39 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 498 (M+H)+.
次いで、得られた光学活性なN−[5−(3−アジドプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドをTHF(53 mL)に溶解し、水(10.6 mL)およびトリフェニルホスフィン(1.24 g, 4.73 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩酸水溶液で抽出し、水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩基性にした後、酢酸エチルを用いて抽出した。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、化合物p{N−[5−(3−アミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.29 g, 89%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.96 (m, 2H), 2.85 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.19 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.99 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 7.24-7.39 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 498 (M+H)+.
参考例28
化合物n:(−)−N−[5−(3−ジメチルアミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例27で得られた化合物p{N−[5−(3−アミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.00 g, 2.01 mmol)をジクロロエタン(40 mL)に溶解し、37%ホルマリン水溶液(1.63 mL, 0.201 mmol)、酢酸(1.15 mL, 20.1 mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.26 g, 20.1 mmol)を加え、室温で13時間撹拌した。混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1→4/1→7/3)で精製することにより、化合物n{(−)−N−[5−(3−ジメチルアミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.910 mg, 86%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.96 (m, 2H), 2.20 (s, 6H), 2.36 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.12 (m, 2H), 3.96 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 5.57 (br, 1H), 7.23-7.38 (m, 5H), 7.96 (br, 1H).
APCI-MS m/z: 526 (M+H)+.
融点:92.0−95.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
化合物n:(−)−N−[5−(3−ジメチルアミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド
参考例27で得られた化合物p{N−[5−(3−アミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.00 g, 2.01 mmol)をジクロロエタン(40 mL)に溶解し、37%ホルマリン水溶液(1.63 mL, 0.201 mmol)、酢酸(1.15 mL, 20.1 mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.26 g, 20.1 mmol)を加え、室温で13時間撹拌した。混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1→4/1→7/3)で精製することにより、化合物n{(−)−N−[5−(3−ジメチルアミノプロパンスルホニルアミノメチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.910 mg, 86%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.29 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.96 (m, 2H), 2.20 (s, 6H), 2.36 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.12 (m, 2H), 3.96 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 4.59 (m, 1H), 5.57 (br, 1H), 7.23-7.38 (m, 5H), 7.96 (br, 1H).
APCI-MS m/z: 526 (M+H)+.
融点:92.0−95.0℃.
比旋光度:得られた化合物のメタノール溶液のナトリウムD線(波長:589.3nm)に対する20℃における比旋光度は−の値を示した。
参考例29
化合物o:4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド
工程1:WO2003/051854に記載の方法と同様にして、WO2003/051854に記載の方法に従って得られた4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステル(11.2 g, 25.9 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(2.94 g, 77.6 mmol)より、4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステル(1.54 g, 17%)を得た。
APCI-MS m/z: 364 (M+H)+.
工程2:参考例14の工程1と同様にして、上記工程1で得られた4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステル(1.54 g, 4.24 mmol)、(S)−(+)−2−フェニルプロピオン酸(1.99 g, 13.2 mmol)、塩化チオニル(20 mL)およびピリジン(1.80 mL, 22.0 mmol)よりジアステレオ混合物を得た。得られたジアステレオ混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン=60/12)で精製することにより、先に溶出する画分としてN−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステルの一方のジアステレオマー(0.679 g, 32%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.24 (s, 9H), 1.54 (d, J = 8.0 Hz, 3H), 1.42-1.67 (m, 1H), 1.99-2.15 (m, 1H), 2.20-2.32 (m, 1H), 2.38-2.46 (m, 2H), 3.03-3.16 (m, 1H), 3.62-3.71 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 7.18-7.47 (m, 10H), 7.64 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 496 (M+H)+.
化合物o:4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド
工程1:WO2003/051854に記載の方法と同様にして、WO2003/051854に記載の方法に従って得られた4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステル(11.2 g, 25.9 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(2.94 g, 77.6 mmol)より、4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステル(1.54 g, 17%)を得た。
APCI-MS m/z: 364 (M+H)+.
工程2:参考例14の工程1と同様にして、上記工程1で得られた4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステル(1.54 g, 4.24 mmol)、(S)−(+)−2−フェニルプロピオン酸(1.99 g, 13.2 mmol)、塩化チオニル(20 mL)およびピリジン(1.80 mL, 22.0 mmol)よりジアステレオ混合物を得た。得られたジアステレオ混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン=60/12)で精製することにより、先に溶出する画分としてN−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステルの一方のジアステレオマー(0.679 g, 32%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.24 (s, 9H), 1.54 (d, J = 8.0 Hz, 3H), 1.42-1.67 (m, 1H), 1.99-2.15 (m, 1H), 2.20-2.32 (m, 1H), 2.38-2.46 (m, 2H), 3.03-3.16 (m, 1H), 3.62-3.71 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 7.18-7.47 (m, 10H), 7.64 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 496 (M+H)+.
工程3:水酸化ナトリウム(0.240 g, 6.01 mmol)を水(4.0 mL)に溶解し、次いでジオキサン(8.0 mL)を加え撹拌した。得られた溶液に上記工程2で得られるN−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸 メチルエステルの一方のジアステレオマー(0.992 g, 2.00 mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。混合物に1 mol/L 塩酸(20 mL)および水(30 mL)を加え、析出した白色固体を濾取した。得られた固体を水およびジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することにより、4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸(9.60 g, 99%)を得た。
APCI-MS m/z: 481 (M+H)+.
工程4:上記で得られた4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸(1.03 g, 2.14 mmol)に塩化オキサリル(0.223 mL, 2.57 mmol)およびDMF(17 μL, 0.214 mmol)を0℃で加え、同温度で1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣にジクロロメタン(20 mL)を加え、0℃で撹拌した後、エタノールアミン(1.2 mL, 21.4 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。混合物に1 mol/L塩酸(20 mL)と水(30 mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、析出した白色固体を濾取した。得られた固体を水およびジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより、4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド(1.10 g, 99%)を得た。
APCI-MS m/z: 525 (M+H)+.
APCI-MS m/z: 481 (M+H)+.
工程4:上記で得られた4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタン酸(1.03 g, 2.14 mmol)に塩化オキサリル(0.223 mL, 2.57 mmol)およびDMF(17 μL, 0.214 mmol)を0℃で加え、同温度で1時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、残渣にジクロロメタン(20 mL)を加え、0℃で撹拌した後、エタノールアミン(1.2 mL, 21.4 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。混合物に1 mol/L塩酸(20 mL)と水(30 mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、析出した白色固体を濾取した。得られた固体を水およびジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより、4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド(1.10 g, 99%)を得た。
APCI-MS m/z: 525 (M+H)+.
工程5:上記工程4で得られる4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド(1.21 g, 2.31 mmol)にジクロロメタン(20 mL)を加え、0℃で撹拌した後、ピリジン(0.470 mL, 5.77 mmol)および塩化 tert−ブチルジメチルシリル(869 mg, 5.77 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。混合物に1 mol/L塩酸(20 mL)および水(30 mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、析出した白色固体を濾取した。得られた固体を水およびジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより、N−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]−4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタンアミド(1.25 g, 85%)を得た。
APCI-MS m/z: 638 (M+H)+.
工程6:参考例14の工程2と同様にして、上記工程5で得られたN−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]−4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタンアミド(0.376 g, 0.588 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.111 g, 2.94 mmol)より、光学活性な4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]ブタンアミド (0.113 g, 38%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 0.03 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 2.15-2.28 (m, 1H), 2.49-2.58 (m, 1H), 2.62-2.82 (m, 2H), 3.07-3.13 (m, 1H), 3.27-3.47 (m, 3H), 3.59-3.72 (m, 2H), 4.21 (br s, 2H), 5.97 (m, 1H), 7.22-7.44 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 507 (M+H)+.
APCI-MS m/z: 638 (M+H)+.
工程6:参考例14の工程2と同様にして、上記工程5で得られたN−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]−4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−5−(2−フェニルプロピオニルアミノ)−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタンアミド(0.376 g, 0.588 mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.111 g, 2.94 mmol)より、光学活性な4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]ブタンアミド (0.113 g, 38%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 0.03 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 2.15-2.28 (m, 1H), 2.49-2.58 (m, 1H), 2.62-2.82 (m, 2H), 3.07-3.13 (m, 1H), 3.27-3.47 (m, 3H), 3.59-3.72 (m, 2H), 4.21 (br s, 2H), 5.97 (m, 1H), 7.22-7.44 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 507 (M+H)+.
工程7:参考例14の工程3と同様にして、上記工程6で得られた光学活性な4−[5−アミノ−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−N−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]ブタンアミド(0.0683 g, 0.135 mmol)、ピリジン(131 μL , 1.62 mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.166 mL, 1.35 mmol)より、光学活性なN−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]−4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタンアミド(68.0 mg, 83%)を得た。
工程8:上記工程7で得られた光学活性なN−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]−4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタンアミド(71.0 mg, 0.117 mmol)をTHF(1 mL)に溶解し、1 mol/LテトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液(0.16 mL)を加え、室温で50分間撹拌した。混合物に水(1 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物o{4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド}(47.6 mg, 85%)を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.28 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.56 (m, 1H), 2.22-2.51 (m, 4H), 3.15 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.61-3.76 (m, 2H), 6.31 (br s, 1H), 7.41-7.72 (m, 5H), 8.05 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 477 (M+H)+.
工程8:上記工程7で得られた光学活性なN−[2−(tert−ブチルジメチルシロキシ)エチル]−4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ブタンアミド(71.0 mg, 0.117 mmol)をTHF(1 mL)に溶解し、1 mol/LテトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液(0.16 mL)を加え、室温で50分間撹拌した。混合物に水(1 mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物o{4−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)ブタンアミド}(47.6 mg, 85%)を白色固体として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.28 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.56 (m, 1H), 2.22-2.51 (m, 4H), 3.15 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.61-3.76 (m, 2H), 6.31 (br s, 1H), 7.41-7.72 (m, 5H), 8.05 (br s, 1H).
APCI-MS m/z: 477 (M+H)+.
参考例30
化合物14:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:酢酸パラジウム(II)(125 mg, 0.559 mmol)およびトリフェニルホスフィン(317 mg, 1.21 mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(50 mL)に溶解した。得られた溶液にN−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニン(2.07 g, 10.9 mmol)、フェニルボロン酸(1.61 g, 13.2 mmol)、蒸留水(0.477 mL, 26.5 mmol)およびトリメチル酢酸無水物(3.23 mL, 15.9 mmol)を加えた後、60℃で24時間撹拌した。混合物を濾過した後、濾液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製することにより、(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミド酸 tert−ブチルエステル(1.85 g, 68%)を得た。
工程2:上記工程1で得られた(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミド酸 tert−ブチルエステル(513 mg, 2.06 mmol)をメタノール(40 mL)に溶解した。得られた溶液にチオセミカルバジド塩酸塩(562 mg, 4.40 mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、淡黄色固体(513 mg)を得た。得られた固体の一部(198 mg)をジクロロメタン(10 mL)に溶解した。得られた溶液にピリジン(0.300 mL, 3.73 mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.415 mL, 3.37 mmol)を加え、室温で22時間撹拌した。混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温でさらに1時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}カルバミド酸 tert−ブチルエステル(319 mg, 100%)を得た。
APCI-MS m/z: 491(M+H)+.
化合物14:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド
工程1:酢酸パラジウム(II)(125 mg, 0.559 mmol)およびトリフェニルホスフィン(317 mg, 1.21 mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(50 mL)に溶解した。得られた溶液にN−tert−ブトキシカルボニル−β−アラニン(2.07 g, 10.9 mmol)、フェニルボロン酸(1.61 g, 13.2 mmol)、蒸留水(0.477 mL, 26.5 mmol)およびトリメチル酢酸無水物(3.23 mL, 15.9 mmol)を加えた後、60℃で24時間撹拌した。混合物を濾過した後、濾液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製することにより、(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミド酸 tert−ブチルエステル(1.85 g, 68%)を得た。
工程2:上記工程1で得られた(3−オキソ−3−フェニルプロピル)カルバミド酸 tert−ブチルエステル(513 mg, 2.06 mmol)をメタノール(40 mL)に溶解した。得られた溶液にチオセミカルバジド塩酸塩(562 mg, 4.40 mmol)を加え、室温で8時間撹拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、淡黄色固体(513 mg)を得た。得られた固体の一部(198 mg)をジクロロメタン(10 mL)に溶解した。得られた溶液にピリジン(0.300 mL, 3.73 mmol)および塩化トリメチルアセチル(0.415 mL, 3.37 mmol)を加え、室温で22時間撹拌した。混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温でさらに1時間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}カルバミド酸 tert−ブチルエステル(319 mg, 100%)を得た。
APCI-MS m/z: 491(M+H)+.
工程3:上記工程2で得られた{2−[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}カルバミド酸 tert−ブチルエステル(274 mg, 0.557 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解した。得られた溶液にトリフルオロ酢酸(1.0 mL)を加え、室温で3時間撹拌した後、混合物を減圧下濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、3時間撹拌した。析出した白色固体を濾取することにより、N−[5−(2−アミノエチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドのトリフルオロ酢酸塩(252 mg, 90%)を得た。
APCI-MS m/z: 391(M+H)+.
工程4:上記工程3で得られたN−[5−(2−アミノエチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドのトリフルオロ酢酸塩(0.25 g, 0.53 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解し、イオン交換シリカゲル[SCX(Varian社製 BONDESIL SCX 40 uM)]を充填したカラムに担持した。SCXをメタノールで洗浄した後、1%塩化水素−メタノール溶液で溶出する画分を集め、減圧下濃縮することにより、N−[5−(2−アミノエチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドの塩酸塩(0.19 g)を白色固体として得た。
APCI-MS m/z: 391(M+H)+.
工程4:上記工程3で得られたN−[5−(2−アミノエチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドのトリフルオロ酢酸塩(0.25 g, 0.53 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解し、イオン交換シリカゲル[SCX(Varian社製 BONDESIL SCX 40 uM)]を充填したカラムに担持した。SCXをメタノールで洗浄した後、1%塩化水素−メタノール溶液で溶出する画分を集め、減圧下濃縮することにより、N−[5−(2−アミノエチル)−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミドの塩酸塩(0.19 g)を白色固体として得た。
上記で得られた塩酸塩をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、2−クロロエチルスルファモイルクロリド(0.14 mL, 2.2 mmol)およびトリエチルアミン(0.62 mL, 4.6 mmol)を0℃で加え、同温度で4時間、次いで室温で10時間撹拌した。混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−エテンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.17 g, 65%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.30 (s, 9H), 1.32 (s, 9H), 2.48-2.62 (m, 1H), 3.10-3.64 (m, 3H), 4.45 (br t, J = 5.7 Hz, 1H), 5.95 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 6.52 (dd, J = 9.6, 16.2 Hz, 1H), 7.22-7.37 (m, 5H), 7.91 (br s, 1H).
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.30 (s, 9H), 1.32 (s, 9H), 2.48-2.62 (m, 1H), 3.10-3.64 (m, 3H), 4.45 (br t, J = 5.7 Hz, 1H), 5.95 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 6.52 (dd, J = 9.6, 16.2 Hz, 1H), 7.22-7.37 (m, 5H), 7.91 (br s, 1H).
工程5 :上記工程4で得られたN−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2−エテンスルホニルアミノエチル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(0.16 g, 0.33 mmol)をアセトニトリル(10 mL)に溶解し、70%エチルアミン水溶液(1.0 mL, 12 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を分取シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/濃アンモニア水=100/10/1)で精製し、化合物14{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(2−エチルアミノエタンスルホニルアミノ)エチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロパンアミド}(0.15 g, 86%)を得た。
参考例31
化合物15:[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル
工程1:2−アミノアセトフェノン塩酸塩(400 g, 2.33 mol)を水(2.8 L)および酢酸エチル(3.6 L)の混合溶媒に溶解し、氷冷下、ジ−tert−ブチル ジカーボネート(534 g, 2.45 mol)を酢酸エチル(400 mL)と共に添加した。混合物を激しく撹拌させながら、炭酸カリウム水溶液(322 g/1.2 L)を1時間かけて滴下した。混合物を氷冷下で1.5時間撹拌した後、30℃に昇温し、1時間撹拌した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析により原料の消失を確認した後、有機層を分離し、飽和食塩水(800 mL)で洗浄した。有機層を減圧下濃縮することにより、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(610 g)を微黄色油状物として得た。本化合物はこれ以上精製せず、次工程に用いた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 7.96 (br d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.61 (tt, J = 7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.49 (br t, J = 7.4 Hz, 2H), 5.54 (br s, 1H), 4.66 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 1.48 (s, 9H).
化合物15:[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル
工程1:2−アミノアセトフェノン塩酸塩(400 g, 2.33 mol)を水(2.8 L)および酢酸エチル(3.6 L)の混合溶媒に溶解し、氷冷下、ジ−tert−ブチル ジカーボネート(534 g, 2.45 mol)を酢酸エチル(400 mL)と共に添加した。混合物を激しく撹拌させながら、炭酸カリウム水溶液(322 g/1.2 L)を1時間かけて滴下した。混合物を氷冷下で1.5時間撹拌した後、30℃に昇温し、1時間撹拌した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析により原料の消失を確認した後、有機層を分離し、飽和食塩水(800 mL)で洗浄した。有機層を減圧下濃縮することにより、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(610 g)を微黄色油状物として得た。本化合物はこれ以上精製せず、次工程に用いた。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 7.96 (br d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.61 (tt, J = 7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.49 (br t, J = 7.4 Hz, 2H), 5.54 (br s, 1H), 4.66 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 1.48 (s, 9H).
工程2:上記で得られた2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(610 g)をメタノール(4.0 L)に溶解し、氷冷した。チオセミカルバジド(425 g, 4.66 mol)を希塩酸(濃塩酸(388 mL)および水(1612 mL))に溶解し、該溶液の約半量(1 L)を10分間かけて滴下した。次いで、参考例38で調製した2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾン(400 mg)の種晶を添加した後、残りのチオセミカルバジド溶液を30分間で滴下した。混合物を室温でさらに1時間撹拌した後、水(2.0 L)を添加し、5℃で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、冷した50%メタノール水溶液(1.2 L)、次いで冷水(800 mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下50℃で24時間乾燥させることにより2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾンを白色固体として得た(694 g,収率92.1%(2工程))。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 10.6 (br s, 1H), 8.37 (br s, 1H), 8.03-7.83 (m, 3H), 7.67 (br t, J = 4.1 Hz, 1H), 7.42-7.30 (m, 3H), 4.17 (br d, J = 4.1 Hz, 2H), 1.38 (s, 9H).
工程3: 上記で得られた2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾン(690 g, 2.24 mol)をアセトニトリル(6.9 L)に懸濁させ、ピリジン(619 g)を加え、氷冷した。混合物に塩化ピバロイル(809 g)を25分間かけて滴下した。室温で5.5時間撹拌した後、1 mol/L塩酸(1.2 L)を添加し、数分間撹拌した後、水相を除去した。有機層を攪拌しながら水(690 mL)を40分かけて滴下した。滴下中に固体が析出し、得られた懸濁液を5℃でさらに1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、冷やしたアセトニトリル/水(10:1)(2.0 L)、次いで冷水(1.4 L)で洗浄した。得られた固体を25℃で減圧下32時間乾燥させることにより化合物15{[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル}を白色固体として得た(1031 g,収率95.4%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 10.89 (s, 1H), 7.40-7.20 (m, 5H), 6.74 (br dd, J = 6.8, 6.1 Hz, 1H), 4.37 (dd, J = 14.5, 6.8 Hz, 1H), 3.98 (dd, J = 14.5, 6.1 Hz, 1H), 1.37 (s, 9H), 1.29 (s, 9H), 1.17 (s, 9H).
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 10.6 (br s, 1H), 8.37 (br s, 1H), 8.03-7.83 (m, 3H), 7.67 (br t, J = 4.1 Hz, 1H), 7.42-7.30 (m, 3H), 4.17 (br d, J = 4.1 Hz, 2H), 1.38 (s, 9H).
工程3: 上記で得られた2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾン(690 g, 2.24 mol)をアセトニトリル(6.9 L)に懸濁させ、ピリジン(619 g)を加え、氷冷した。混合物に塩化ピバロイル(809 g)を25分間かけて滴下した。室温で5.5時間撹拌した後、1 mol/L塩酸(1.2 L)を添加し、数分間撹拌した後、水相を除去した。有機層を攪拌しながら水(690 mL)を40分かけて滴下した。滴下中に固体が析出し、得られた懸濁液を5℃でさらに1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、冷やしたアセトニトリル/水(10:1)(2.0 L)、次いで冷水(1.4 L)で洗浄した。得られた固体を25℃で減圧下32時間乾燥させることにより化合物15{[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル}を白色固体として得た(1031 g,収率95.4%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 10.89 (s, 1H), 7.40-7.20 (m, 5H), 6.74 (br dd, J = 6.8, 6.1 Hz, 1H), 4.37 (dd, J = 14.5, 6.8 Hz, 1H), 3.98 (dd, J = 14.5, 6.1 Hz, 1H), 1.37 (s, 9H), 1.29 (s, 9H), 1.17 (s, 9H).
参考例32
化合物q:[(2R)−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル
参考例31で得られた化合物15{[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル}を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD φ4.6 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=80/20;流速:1.0 mL/分]に付し、保持時間4.63分と5.76分の画分のうち、5.76分の画分を分取することにより、化合物q{[(2R)−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル}を得た。
化合物q:[(2R)−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル
参考例31で得られた化合物15{[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル}を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:CHIRALPAK AD φ4.6 X 250 mm(ダイセル化学工業社製);溶出溶媒:ヘキサン/エタノール=80/20;流速:1.0 mL/分]に付し、保持時間4.63分と5.76分の画分のうち、5.76分の画分を分取することにより、化合物q{[(2R)−3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルメチル]カルバミド酸 tert−ブチルエステル}を得た。
参考例33
化合物16:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
参考例10で得られた化合物10{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(101 mg, 0.216 mmol)をアセトニトリル(5 mL)に溶解し、ヒドロキシルアミン(50%含水、0.265 mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製した後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物15{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}(89 mg, 83%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):1.29 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 3.01 (br d, J =14.4 Hz, 1H), 3.30-3.70 (m, 3H), 4.04 (dd, J = 10.8, 12.3 Hz, 1H), 4.58 (dd, J = 3.3, 12.3 Hz, 1H), 5.21 (dd, J = 3.3, 10.8 Hz, 1H), 5.27 (br s, 1H), 6.46 (br s, 1H), 7.20-7.41 (m, 5H), 7.94 (br s, 1H).
化合物16:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
参考例10で得られた化合物10{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(101 mg, 0.216 mmol)をアセトニトリル(5 mL)に溶解し、ヒドロキシルアミン(50%含水、0.265 mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製した後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物15{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}(89 mg, 83%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):1.29 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 3.01 (br d, J =14.4 Hz, 1H), 3.30-3.70 (m, 3H), 4.04 (dd, J = 10.8, 12.3 Hz, 1H), 4.58 (dd, J = 3.3, 12.3 Hz, 1H), 5.21 (dd, J = 3.3, 10.8 Hz, 1H), 5.27 (br s, 1H), 6.46 (br s, 1H), 7.20-7.41 (m, 5H), 7.94 (br s, 1H).
参考例34
化合物17:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(N−エチル−N−ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
参考例33で得られた化合物16{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}(60 mg, 0.12 mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.4 mL)に溶解し、アセトアルデヒド(0.095 mL, 1.7 mmol)、酢酸(0.068 mL, 1.2 mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(256 mg, 1.21 mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製した後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物17{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(N−エチル−N−ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}(23 mg, 36%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):1.09 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.28 (s, 9H), 1.39 (s, 9H), 2.73-2.90 (m, 3H), 2.90-3.30 (m, 2H), 3.40-3.60 (m, 1H), 4.04 (dd, J = 9.6, 12.9 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 5.1, 12.9 Hz, 1H), 5.50 (br s, 1H), 6.50 (br s, 1H), 7.20-7.40 (m, 5H), 7.93 (br s, 1H).
化合物17:N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(N−エチル−N−ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
参考例33で得られた化合物16{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}(60 mg, 0.12 mmol)を1,2−ジクロロエタン(2.4 mL)に溶解し、アセトアルデヒド(0.095 mL, 1.7 mmol)、酢酸(0.068 mL, 1.2 mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(256 mg, 1.21 mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。混合物に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)で精製した後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物17{N−{4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−[2−(N−エチル−N−ヒドロキシアミノ)エタンスルホニルアミノメチル]−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}(23 mg, 36%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm):1.09 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.28 (s, 9H), 1.39 (s, 9H), 2.73-2.90 (m, 3H), 2.90-3.30 (m, 2H), 3.40-3.60 (m, 1H), 4.04 (dd, J = 9.6, 12.9 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 5.1, 12.9 Hz, 1H), 5.50 (br s, 1H), 6.50 (br s, 1H), 7.20-7.40 (m, 5H), 7.93 (br s, 1H).
参考例35
化合物18:N−{5−[2−(2−アミノエチルスルファニル)エタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
工程1:参考例10で得られる化合物10{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.001 g, 2.145 mmol)をメタノール(20 mL)に溶解し、2−アミノエタンチオール塩酸塩(1.230 g, 10.83 mmol)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15 mL)を加え、室温で1.5時間攪拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をジエチルエーテル、次いでジエチルエーテルおよび酢酸エチルの混合溶媒(9/1)でトリチュレーションした。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製した後、ジエチルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物18{N−{5−[2−(2−アミノエチルスルファニル)エタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}の遊離塩基(756 mg, 65%)を得た。
APCI-MS m/z: 544 (M+1)+.
工程2:上記工程1で得られた化合物18の遊離塩基(756 mg, 1.39 mmol)を酢酸エチル(20 mL)に溶解し、氷冷下、4 mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(0.7 mL)を加えた。反応液を減圧下濃縮し、ジエチルエーテルを加え、室温で30分間攪拌した後、析出した固体をろ取することにより、化合物18の塩酸塩(795 mg, 99%)を得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 1.18 (s, 9H), 1.27 (s, 9H), 2.77 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.86 (m, 2H), 2.98 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.37 (m, 2H), 4.00 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.21-7.38 (m, 5H), 8.50 (br, 3H).
化合物18:N−{5−[2−(2−アミノエチルスルファニル)エタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
工程1:参考例10で得られる化合物10{N−[4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−エテンスルホニルアミノメチル−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}(1.001 g, 2.145 mmol)をメタノール(20 mL)に溶解し、2−アミノエタンチオール塩酸塩(1.230 g, 10.83 mmol)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15 mL)を加え、室温で1.5時間攪拌した。混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をジエチルエーテル、次いでジエチルエーテルおよび酢酸エチルの混合溶媒(9/1)でトリチュレーションした。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=6/1)で精製した後、ジエチルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物18{N−{5−[2−(2−アミノエチルスルファニル)エタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}の遊離塩基(756 mg, 65%)を得た。
APCI-MS m/z: 544 (M+1)+.
工程2:上記工程1で得られた化合物18の遊離塩基(756 mg, 1.39 mmol)を酢酸エチル(20 mL)に溶解し、氷冷下、4 mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(0.7 mL)を加えた。反応液を減圧下濃縮し、ジエチルエーテルを加え、室温で30分間攪拌した後、析出した固体をろ取することにより、化合物18の塩酸塩(795 mg, 99%)を得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 1.18 (s, 9H), 1.27 (s, 9H), 2.77 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.86 (m, 2H), 2.98 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.37 (m, 2H), 4.00 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 7.21-7.38 (m, 5H), 8.50 (br, 3H).
参考例36
化合物19:N−{5−[(2−アミノエチルスルファニル)メタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
工程1:参考例11で得られる化合物11{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(4.00 g, 9.69 mmol)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(4.05 mL, 29.1 mmol)およびクロロメタンスルホニルクロリド(1.12 mL, 12.6 mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。混合物に水および1 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をクロロホルムおよびジイソプロピルエーテルの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、N−[5−クロロメタンスルホニルアミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピオンアミド(3.82 g, 92%)を得た。
APCI-MS m/z: 489, 491 (M+1)+.
化合物19:N−{5−[(2−アミノエチルスルファニル)メタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド
工程1:参考例11で得られる化合物11{N−[5−アミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロパンアミド}の塩酸塩(4.00 g, 9.69 mmol)をジクロロメタン(100 mL)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(4.05 mL, 29.1 mmol)およびクロロメタンスルホニルクロリド(1.12 mL, 12.6 mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。混合物に水および1 mol/L塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をクロロホルムおよびジイソプロピルエーテルの混合溶媒でトリチュレーションすることにより、N−[5−クロロメタンスルホニルアミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピオンアミド(3.82 g, 92%)を得た。
APCI-MS m/z: 489, 491 (M+1)+.
工程2:上記工程1で得られたN−[5−クロロメタンスルホニルアミノメチル−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−2,2−ジメチルプロピオンアミド(3.818 g, 7.807 mmol)をDMF(70 mL)に溶解し、tert−ブチル−N−(2−メルカプトエチル)カルバメート(13.3 mL, 78.1 mmol)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15 mL)を加え、70℃で5.5時間攪拌した。混合物を放冷後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン/酢酸エチル=9/1→ 7/3)で精製した後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、[2−({[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]スルファモイル}メチルスルファニル)エチル]カルバミン酸−tert−ブチルエステル(1.926 g, 39%)を得た。
APCI-MS m/z: 630 (M+1)+.
APCI-MS m/z: 630 (M+1)+.
工程3:上記工程2で得られた[2−({[3−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル]スルファモイル}メチルスルファニル)エチル]カルバミン酸−tert−ブチルエステル(1.926 g, 3.058 mmol)をジクロロメタン(15 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(15 mL)を加え、室温で1時間攪拌した。混合物を減圧下濃縮した後、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1→アンモニア含有クロロホルム/メタノール=9/1)で精製した後、ジイソプロピルエーテルでトリチュレーションすることにより、化合物19{N−{5−[(2−アミノエチルスルファニル)メタンスルホニルアミノメチル]−4−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−フェニル−4,5−ジヒドロ[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−2,2−ジメチルプロピオンアミド}の遊離塩基(1.011 g, 63%)を得た。
APCI-MS m/z: 530 (M+1)+.
工程4:参考例35の工程2に準じて上記工程3で得られた化合物19の遊離塩基(515 mg, 0.972 mmol)を4 mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(0.5 mL)で処理することにより、化合物19の塩酸塩(490 mg, 89%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.26 (s, 9H), 1.32 (s, 9H), 3.10 (m, 2H), 3.11 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 5.4, 14.2 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.67 (m, 1H), 6.34 (m, 1H), 7.23-7.38 (m, 5H), 8.14 (br, 3H), 8.38 (s, 1H).
APCI-MS m/z: 530 (M+1)+.
工程4:参考例35の工程2に準じて上記工程3で得られた化合物19の遊離塩基(515 mg, 0.972 mmol)を4 mol/L塩化水素−酢酸エチル溶液(0.5 mL)で処理することにより、化合物19の塩酸塩(490 mg, 89%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.26 (s, 9H), 1.32 (s, 9H), 3.10 (m, 2H), 3.11 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 5.4, 14.2 Hz, 1H), 4.15 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.67 (m, 1H), 6.34 (m, 1H), 7.23-7.38 (m, 5H), 8.14 (br, 3H), 8.38 (s, 1H).
参考例37
化合物20:N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例16と同様にして、参考例19の工程3の途中で得られるN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.150 g, 0.438 mmol)、ピリジン(51.0 μL, 0.631 mmol)、塩化5−ブロモバレリル(70.5μL, 0.526 mmol)および酢酸ナトリウム(0.0498 g, 0.607 mmol)より、化合物20{N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.181 g, 97%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.82-1.98 (m, 4H), 2.33 (s, 3H), 2.52-2.62 (m, 3H), 2.95 (s, 3H), 3.27-3.38 (m, 2H), 3.59-3.70 (m, 1H), 3.84-3.92 (m, 2H), 4.62 (br s, 1H), 7.23-7.37 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 423 (M−1) -.
化合物20:N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド
参考例16と同様にして、参考例19の工程3の途中で得られるN−[2−(3−アセチル−5−アミノ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)エチル]メタンスルホンアミド(0.150 g, 0.438 mmol)、ピリジン(51.0 μL, 0.631 mmol)、塩化5−ブロモバレリル(70.5μL, 0.526 mmol)および酢酸ナトリウム(0.0498 g, 0.607 mmol)より、化合物20{N−{2−[3−アセチル−5−(2−オキソピペリジノ)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]エチル}メタンスルホンアミド}(0.181 g, 97%)を得た。
1H NMR (270 MHz, CDCl3)δ(ppm): 1.82-1.98 (m, 4H), 2.33 (s, 3H), 2.52-2.62 (m, 3H), 2.95 (s, 3H), 3.27-3.38 (m, 2H), 3.59-3.70 (m, 1H), 3.84-3.92 (m, 2H), 4.62 (br s, 1H), 7.23-7.37 (m, 5H).
APCI-MS m/z: 423 (M−1) -.
参考例38
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾンの種晶の調製
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(3.00 g)をメタノール(21.0 mL)に溶解した。チオセミカルバジド塩酸塩(3.11 g, 24.4 mmol)の水溶液(水:9.0 mL)を室温で添加した。混合物を同温度で30分間撹拌した後、水(12.0 mL)を加え、室温で20分間、続いて0℃で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、冷した50%メタノール水溶液(20 mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下40℃で乾燥させることにより2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾンの種晶を白色固体として得た(3.56 g, 収率95.1%)を得た。
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾンの種晶の調製
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン(3.00 g)をメタノール(21.0 mL)に溶解した。チオセミカルバジド塩酸塩(3.11 g, 24.4 mmol)の水溶液(水:9.0 mL)を室温で添加した。混合物を同温度で30分間撹拌した後、水(12.0 mL)を加え、室温で20分間、続いて0℃で1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、冷した50%メタノール水溶液(20 mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下40℃で乾燥させることにより2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセトフェノン チオセミカルバゾンの種晶を白色固体として得た(3.56 g, 収率95.1%)を得た。
本発明により、チアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する造血器腫瘍の治療および/または予防剤を提供することができる。
Claims (19)
- 一般式(I)
R1は水素原子を表し、
R2は低級アルキルを表すか、
またはR1とR2が一緒になってアルキレンを表し、
R3は低級アルキルを表し、
R4は水素原子、
NHSO2R6(式中、R6はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、ヒドロキシアミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、N−ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、アミノ置換低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオおよびジ低級アルキルアミノ置換低級アルキルチオからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、または低級アルケニルを表す)、
NHR7[式中、R7はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、COR8(式中、R8はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、カルボキシ、フェニル、ヒドロキシフェニル、イミダゾリル、グアニジル、メチルチオおよび低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキル、低級アルコキシカルボニルもしくはオキソで置換されていてもよい含窒素脂肪族複素環基、または低級アルコキシを表す)または水素原子を表す]または
CONHR9(式中、R9はヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノからなる群から選択される1〜2個の置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)を表し、
R5は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノおよびカルボキシからなる群から選択される1〜3個の置換基を有していてもよいアリールを表す}
で表されるチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を含有する造血器腫瘍の治療および/または予防剤。 - R5がフェニルである請求項1または2記載の治療および/または予防剤。
- R3がメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである請求項1〜3のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- R1が水素原子である請求項1〜4のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- R2がメチルまたはtert−ブチルである請求項1〜5のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- R1とR2が一緒になってトリメチレンまたはテトラメチレンである請求項1〜4のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- R4がNHSO2R6(式中、R6は前記と同義である)である請求項1〜7のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- R4がCONHR9(式中、R9は前記と同義である)である請求項1〜7のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- nが1または2である請求項1〜9のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である請求項1〜11のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である請求項1〜11のいずれかに記載の治療および/または予防剤。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを含む造血器腫瘍の治療および/または予防方法。
- 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である請求項14記載の方法。
- 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である請求項14記載の方法。
- 造血器腫瘍の治療および/または予防剤の製造のための請求項1〜11のいずれかに記載のチアジアゾリン誘導体またはその薬理学的に許容される塩の使用。
- 造血器腫瘍が白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である請求項17記載の使用。
- 造血器腫瘍が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、形質細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、骨髄異形成症候群および慢性骨髄増殖性疾患からなる群から選択される腫瘍である請求項17記載の使用。
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