JPWO2006092887A1 - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

燃料と水(不活性材)の混合比を、負荷の大きさや温度条件などに応じて任意に、かつ瞬時に変化させる制御を行うことが可能な燃料噴射装置において、燃料噴霧への空気の取り込みを十分に行いつつ、燃焼室内で燃料と水(不活性材)とが均等に分散できるようにして、窒素酸化物NOxとすすの生成を同時に抑制する。燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から噴射された燃料を燃焼室2に導く燃料噴射通路27が設けられ、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25と燃料噴射通路27の入口との間に、燃焼室2に連通する隙間28が形成され、更に、水供給路26が、水の供給方向が燃料噴射通路27を通過する燃料の噴射方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して傾斜して設けられる。

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に関するものである。
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比較して熱効率に優れていて過酷な条件(高負荷連続運転)に耐えるなどの利点を有している。しかし、一方で窒素酸化物NOxやすす(粒子状排出物)が排出されたりするなど排気が清浄ではなく、環境的に好ましくないなどの不利な点もある。したがってNOxの低減、すすの低減がディーゼルエンジンには要求されている。
すなわち、通常のディーゼルエンジンでは、ピストンによって圧縮した燃焼室(圧縮室)内に向けて、燃料噴射ノズルの噴孔から燃料を噴射して噴霧を生成して燃料を燃焼させる。この場合、上死点(T.D.C)付近の所定の噴射期間中に燃料を燃焼室内(筒内)に噴射させて燃焼エネルギーを発生させるようにしている。
しかし、燃焼室が高温となるため窒素酸化物(NOx)が多く発生する。また燃焼室内で局部的に混合気が過濃な部分が生じて、すす(スモーク)が発生する。
そこで、従来より、予め燃料と水を混合した水エマルジョン燃料を燃料噴射ノズルから燃焼室内に噴射し、窒素酸化物NOxとすすの生成を同時に抑制する試みがなされている。
すなわち、水エマルジョン燃料が燃料噴射ノズルから噴射されると、水が付加されることや、水の持つ大きい比熱の影響によって、燃料室内の熱容量が増大する。このことと水の大きな蒸発潜熱によって燃焼室の燃焼温度が低下する。
また、水エマルジョン燃料を噴射すると、燃焼室内で燃料と水とが均等に分散され、微視的にみれば、不活性な水蒸気によって燃料の粒が覆われた状態になるため、燃料の着火遅れが生じ、燃料と吸入空気との混合が促進された状態で燃焼が始まり、局部的な高温燃焼発生を回避できる。
このように水エマルジョン燃料は、燃焼室内全体の燃焼温度を低下させることができるとともに、局部的な高温化を回避できるため、窒素酸化物NOxの生成を抑制することができる。また、局部的に混合気が過濃になることを回避できるため、すすの生成を抑制することができる。
水エマルジョン燃料を用いると、窒素酸化物NOxは1/5まで低減されるといわれている。
窒素酸化物NOxやすすを低減させるには、ディーゼルエンジンにかかる負荷の大きさや温度条件などに応じて、水エマルジョン燃料の混合比を任意に、かつ瞬時に変化させる制御を行わなければならない。
しかし、水エマルジョン燃料は、燃料と水を予め混合した上で噴射されるため、このような制御は実際には難しく、燃料と水の混合比を一定の比率で使用せざるを得ない。
このため、一定負荷で稼動する発電機などの用途にディーゼルエンジンを用いる場合には、水エマルジョン燃料の燃料と水の混合比を一定の比率で使用したとしても問題はないものの、負荷の大きさや温度条件などが絶えず変動する建設機械や自動車の原動機などの用途にディーゼルエンジンを用いる場合には、負荷の大きさや温度条件などによっては、燃焼が不安定になることがあるという問題が発生する。たとえば、定格点で稼動する場合などの高負荷に合わせて水を多めに混合した場合には、ローアイドル時などの低負荷のときには燃焼温度が適温にならず未燃燃料が大量に排出されるという問題が発生する。逆に低負荷に合わせて水を少なく混合した場合には、高負荷のときに燃焼温度が高くなり窒素酸化物が大量に排出されるという問題が発生する。
また、水エマルジョン燃料を予め混合しておくと、長期間の放置によって、燃料と水が分離してしまい燃焼時に所望の混合比が得られなくなるという問題も発生する。
そこで、燃料と水の供給比率を、負荷の大きさや温度条件などに応じて任意にかつ瞬時に変化させて燃焼室内に噴射するという方法が、従来より、以下のように試みられている。
(従来技術1)
下記特許文献1、2、3には、エンジンに燃料用と水用のインジェクタを別々に設け、両インジェクタから燃焼室内に噴射して水と燃料とを燃焼室内で混合させたり、一体型のインジェクタの別々の噴射孔から噴射された水と燃料とを燃焼室内で合流させるという発明が記載されている。
(従来技術2)
下記特許文献4には、インジェクタ内の燃料通路に、燃料と水を交互に所定量づつ供給して、噴射ノズルから層状の燃料と水を噴射するという発明が記載されている。
(従来技術3)
下記特許文献5には、インジェクタ内に、水と燃料を合流する場所を設け、合流した液体を噴射ノズルから噴射するという発明が記載されている。
(従来技術4)
下記特許文献6には、インジェクタ内に、水と燃料の通路を別々に設け、インジェクタの噴射孔から、燃料噴霧の外周部が水で取り巻まかれるように燃料と水を噴射するという発明が記載されている。
(従来技術5)
下記の特許文献7には、燃焼室内に供給された水(不活性材)に向けて燃料を噴射させるという発明が記載されている。
特許2812655号公報 特許第3191581号公報 実開平6−25542号公報 特許第2668026号公報 特開平6−147019号公報 特開平11−30164号公報 特開2004−60468号公報
上記従来技術1の方法によれば、燃料室内に燃料と水が別個に噴射されるため、燃焼室内で燃料と水とが均等に混じり合いにくい。このため、局部的な高温燃焼場が残り易く、NOxの生成を十分に抑制することができないという問題がある。
また、上記従来技術2の方法によれば、インジェクタ内で燃料と水が層状に配置され、その層状の液体が噴射されるため、燃焼室内で燃料と水とが均等に混じるには至らない。このため、局部的な高温燃焼場が残り易く、NOxの生成を十分に抑制することができないという問題がある。
また、上記従来技術3の方法では、インジェクタ内で燃料と水を合流させて、その合流された液体を噴射させるようにしているが、このような液体の合流だけで水エマルジョン燃料のような均質の混合状態を得るのは困難であり、燃焼室内で燃料と水とが均等に混じるには至らない。このため、局部的な高温燃焼場が残り易く、NOxの生成を十分に抑制することができないという問題がある。
また、上記従来技術4の方法によれば、燃料噴霧の外周部が水で取り巻かれるように噴孔部から燃料と水が噴射されるため、燃料噴霧が燃焼する際に、NOxが多く発生する噴霧外周の高温部が冷やされ、NOxはある程度低減される可能性がある。しかし、燃料は、噴孔部から水によって覆われた状態で、空気を取り込むことなく噴射されるため、燃料噴霧への空気の取り込みが不十分であり、すすの生成を十分に抑制することができないという問題がある。
また、従来技術5の方法によれば、燃焼室内に供給された水(不活性材)に向けて燃料を噴射させるため、水(不活性材)の供給条件(量、圧力、時期、時間など)と燃料の噴射条件(量、圧力、時期、時間など)との組み合わせによっては、一部の燃料が水(不活性材)中に液滴状に残り、すすの発生を抑制しきれない場合があるという問題がある。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、燃料と水(不活性材)の混合比や混合タイミングを、負荷の大きさや温度条件などに応じて任意に、かつ瞬時に変化させる制御を行うことが可能な燃料噴射装置において、燃料噴霧への空気の取り込みを十分に行いつつ、燃焼室内で燃料と水(不活性材)とが均等に分散できるようにして、窒素酸化物NOxとすすの生成を同時に抑制することを、解決課題とするものである。
第1発明は、
ディーゼルエンジン(1)の燃焼室(2)内に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズル(21)と、
前記燃料噴射ノズル(21)から噴射された燃料が燃焼室(2)に導かれる燃料噴射通路(27)と、
前記燃料噴射ノズル(21)と前記燃料噴射通路(27)との間に形成され、前記燃焼室(2)に連通する隙間(28)と、
前記燃料に対して不活性な不活性材が前記燃料噴射通路(27)に供給される不活性材供給路であって、不活性材の供給方向が前記燃料噴射通路(27)を通過する燃料の噴射方向の成分を有するように、前記燃料噴射通路(27)に対して傾斜して設けられた不活性材供給路(26)と
を備えたことを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
前記燃料噴射通路(27)の周囲に複数の不活性材供給路(26)が設けられたこと
を特徴とする。
第3発明は、第1発明において、
前記不活性材供給路(26)は、前記燃料噴射通路(27)の断面中心からオフセットされた位置で、当該燃料噴射通路に(27)連通していること
を特徴とする。
第4発明は、第1発明において、
前記不活性材供給路(26)に不活性材を噴射する不活性材噴射ノズル(22)と、
前記燃料噴射ノズル(21)および前記不活性材噴射ノズル(22)の開閉を制御するコントローラ(5)とを備え、
前記コントローラ(5)で、前記燃料噴射ノズル(21)から前記燃料噴射通路(27)に燃料を噴射するタイミングと前記不活性材噴射ノズル(22)から前記不活性材供給路(26)を介して前記燃料噴射通路(27)に不活性材を噴射するタイミングとを略同一に制御すること
を特徴とする。
第1発明では、たとえば図3(a)、(b)、(c)に示すように、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から噴射された燃料を燃焼室2に導く燃料噴射通路27が設けられ、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25と燃料噴射通路27の入口27aとの間に、燃焼室2に連通する隙間28が形成され、更に、水供給路26を、水の供給方向が燃料噴射通路27を通過する燃料の噴射方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して傾斜して設けられる。
本明細書における「隙間28」は、燃焼室2の空気を導入できるように、燃焼室2に連通する「孔」を含む概念である。
第1発明によれば、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から燃料が噴射されると、燃料は微粒化され、噴霧が生成される。この燃料噴霧には、隙間28を介して燃焼室2内の空気が取り込まれる。空気が取り込まれた燃料噴霧は、燃料噴射通路27を通過する。
水供給路26の水吐出(噴射)孔26bから燃料噴射通路27には、水が吐出(噴射)される。ここで、水の吐出(噴射)方向は、燃料噴霧方向の成分(速度成分)を有している。このため、図4に示すように、吐出(噴射)された水は、高圧で噴射された燃料を包み込むように取り囲む。そして、高圧噴射燃料の吸引力によって、燃料噴霧中に空気が取り込まれるとともに水が取り込まれる。こうして燃料噴霧は、空気を取り込みつつ、水噴霧によって包囲されながら水を取り込みつつ、燃料噴射通路27を通過し、燃焼室2内に供給される。
こうして燃焼室2内に供給された燃料と水と空気の混合噴霧は、更に拡散混合される。この拡散混合は、着火時期までの期間に極めて迅速に、かつ十分な混合レベルまで進行する。
第2発明では、図3(c)に示すように、水供給路26が、燃料噴射通路27の周囲に、複数個設けられる。このため図4に示すように、水が燃料噴霧の周囲の複数箇所(水吐出(噴射)孔26b)から吐出(噴射)され、吐出(噴射)された水は、高圧で噴射された燃料を包み込むように取り囲む。
第3発明では、図10(c)に示すように、水供給路26は、燃料噴射通路27の断面中心からオフセットされた位置で、燃料噴射通路27に連通されている。このため図10(d)に示すように、燃料噴射通路27の断面中心からオフセットした位置の水吐出(噴射)孔26bから吐出(噴射)された水は、燃料噴射通路27の内周面に沿ってスパイラル状(螺旋状)に旋回して、燃料噴霧を包囲する。
第4発明では、図1に示すECU5が、図10(a)に示す燃料噴射ノズル21から燃料噴射通路27に燃料を噴射するタイミングと、水噴射ノズル22から燃料噴射通路27に水を噴射するタイミングとを略同一に制御する。ここで略同一というのは、燃料噴射のタイミングに対する水噴射のタイミングが同一の場合の他に、若干早い場合と若干遅い場合を含む。
以上のように、本発明の構成をとることにより、高圧噴射された燃料は、燃料噴霧中に空気を取り込みながら、燃料噴霧を包囲した水噴霧から水を取り込みつつ、燃料噴射通路を通過し燃焼室に供給され、さらに燃焼室内で拡散混合が進行する。
このような混合気(混合噴霧)が着火すると、低い温度で緩やかに燃焼が進行する。急激な燃焼に伴う高温燃焼場の生成が抑制されることにより、窒素酸化物NOxの発生を大幅に低減させることができる。
また、燃焼速度が緩和されるとともに、水が分解されることにより、燃料への酸素の供給効果が促進されて、すすの生成も抑制される。
このように本発明によれば、窒素酸化物NOxとすすとを同時に極めて低いレベルまで低減させることができる。
以下、図面を参照して本発明に係るディーゼルエンジンの燃料噴射装置の実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態では、エンジンが建設機械、一般自動車など、稼働中に負荷が大きく変動する機械に搭載される場合を想定して説明する。なお、また、以下の実施形態では、燃料に対して不活性な不活性材としては、水を想定している。しかし、以下の実施形態は、燃料に対して不活性、つまり着火性の悪い不活性材であれば任意のものを使用することが可能であり、水の代わりに、水蒸気、アルコール、水エマルジョン燃料を使用してもよい。
図1は、ディーゼルエンジンの全体構成を示している。また、図2は、図1におけるインジェクタを拡大して示している。以下、これら図1、2を併せ参照して説明する。
ディーゼルエンジン1は、大きくは、シリンダ3と、シリンダ3内に摺動自在に配設され、シリンダ3内を上下に往復移動するピストン4と、ピストン4にコネクティングロッド1bを介して連結されピストン4の往復運動に応じて回転するクランクシャフト1aとから構成されている。
ピストン4の図中上部とシリンダ室が燃焼室(圧縮室)2を構成する。燃焼室2はピストン4によって混合気が圧縮される圧縮室でもあり、混合気中の燃料が燃焼する燃焼室でもある。ピストン4に形成された凹部は、燃焼室2内で主要な容積を占めている。
燃焼室2における燃焼の結果生成された排気ガスは、図示しない排気弁、排気管を介して外気に排出される。
エンジン1には空気を供給するために図示しない吸気管、吸気弁が設けられている。この吸気管と吸気弁を介して燃焼室2内に空気が供給される。
燃焼室2の図中上部にあってシリンダ3の頭部、つまりシリンダヘッド3aには、燃料用と水用の噴射ノズルが一体化されたインジェクタ20が設けられている。インジェクタ20は、その先端部20aが燃焼室2内に突き出るように設けられている。
インジェクタ20内には、燃料噴射ノズル21と水噴射ノズル22が設けられている。
実施形態では、燃料噴射と水噴射にコモンレール式システムが適用される場合を想定している。
すなわち、燃料タンク内の燃料は、燃料用圧送ポンプ6によって吸い込まれ、燃料用コモンレール7、燃料通路11を介して、インジェクタ20に取り込まれ、インジェクタ20内の燃料通路23を介して燃料噴射ノズル21に圧送される。燃料用圧送ポンプ6は、エンジン1の回転に応じて駆動されるポンプであり、一回転当たり一定容積の燃料を吐出する。なお、ユニットインジェクタシステムやジャーク式列型ポンプを用いてもよい。
燃料噴射ノズル21の先端には、たとえば6つの燃料噴孔25が形成されている。複数の燃料噴孔25を介して各方向からシリンダ3内(気筒内)、つまり燃焼室2内に、燃料が噴射される。
水タンク9内には、燃料噴霧に対して噴射すべき水が貯留されている。水タンク9内の水は、水用圧送ポンプ10によって吸い込まれ、水用コモンレール13、水通路12を介して、インジェクタ20に取り込まれ、インジェクタ20内の水通路24を介して水噴射ノズル22に圧送される。後述するように水噴射ノズル22の水噴孔22aを介して水供給路26から水が吐出(噴射)される。
燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から燃料が噴射されると、燃料は微粒化され、噴霧が生成される。この燃料噴霧には、後述するように、吸気管を介して燃焼室2内に供給された空気が取り込まれる。そして、更に水供給路26から水が吐出され、水が燃料噴霧に対して噴射されることで、燃料噴霧には水の噴霧が取り込まれる。こうして、空気を取り込みつつ、燃料と水とが所定の混合比率で燃料室2内に供給される。そして、その混合気が着火温度に達すると燃焼する。
燃料噴射ノズル21、水噴射ノズル22内の針弁がリフトすると、各ノズル21、22先端の燃料噴孔25、水噴孔22aが開口する。燃料噴孔25、水噴孔22aが開口している時間(針弁がリフトしている時間)に比例した量の燃料、水が燃焼室2内に噴射されることになる。
燃焼室2内での燃料と水との混合比率は、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から噴射される1回毎の燃料の量(以下燃料噴射量)と、水噴射ノズル22の水噴孔22aから噴射される1回毎の水の量(以下水噴射量)との比率によって定まる。したがって、燃焼室2内での燃料と水との混合比率は、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25の1回毎の開口時間と、水噴射ノズル22の水噴孔22aの1回毎の開口時間とから算出することができる。
ECU(エレクトリカル・コントロール・ユニット)5は、各ノズル21、22の燃料噴孔25、水噴孔22aの開閉のタイミングおよび開口時間を制御する制御手段であり、実施形態では、エンジン1の回転数、クランクシャフト1aの回転角度(以下クランク角度)、エンジン1の負荷、エンジン1の油温、水温、吸気温度、排気温度等を各種センサの出力信号として取り込み、燃焼室2内における燃料と水との混合比率が最適な値となるように燃料噴射量、水噴射量を制御する。すなわち、ECU5は、燃料噴射ノズル21、水噴射ノズル22に開口指令を出力して、燃料噴射量、水噴射量を制御し、燃料室2内における燃料と水との混合比率を最適な値にする。
また、ECU5は、燃料用圧送ポンプ6、水用圧送ポンプ10を制御する。すなわち、ECU5は、前述の開口時間の制御と併せて、燃料と水の圧送圧力の制御を行うことにより、燃料と水との混合形態の制御を行う。
燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25、水噴射ノズル22の水噴孔22aより先の構造については、更に図3を併せ参照して説明する。
(第1実施例;複数前方吐出包囲方式)
図3(a)は、インジェクタ20の先端部20aの縦断面図を示している。図3(b)は、図3(a)に示す燃料噴射通路27の縦断面図で、図3(c)は、図3(b)の矢視Z図、つまり燃料噴射通路27と燃料噴射通路用水環路31の横断面図である。
これら図3(a)、(b)、(c)に示すように、本実施例では、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から噴射された燃料を燃焼室2に導く燃料噴射通路27を設け、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25と燃料噴射通路27の入口との間に、燃焼室2に連通する隙間28を形成し、更に、水供給路26を、水の供給方向が燃料噴射通路27を通過する燃料の噴射方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して傾斜して設けるようにしている。そして、更に水供給路26を、燃料噴射通路27の周囲に、複数個設けるようにしている。
すなわち、インジェクタ20には、水噴射ノズル22の水噴孔22aに連通する水通路29、この水通路29の出口に連通する水環路30、水環路30の出口に連通する燃料噴射通路用水環路31、燃料噴射通路用水環路31の出口に連通する水供給路26が形成されている。上記水通路29、水環路30、燃料噴射通路用水環路31、水供給路26は、水噴射ノズル22の水噴孔22aと燃料噴射通路27への水吐出(噴射)孔26bとの間を連通させる手段であるので、その間の任意の区間を通路やパイプで直接連通させてもよい。
一方、インジェクタ20には、燃料噴射通路27が形成されている。燃料噴射通路27の入口27aは、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25に対応する位置に設けられている。燃料噴射通路27は、燃料噴孔25の数(たとえば6個)に応じた数(6個)だけ設けられている。燃料噴射通路27の入口27aは、隙間28を介して燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25に連通している。隙間28は、燃焼室2に連通している。燃料噴射通路27の出口27bは、燃焼室2に連通している。
水供給路26の出口である水吐出(噴射)孔26bは、燃料噴射通路27の途中に連通している。
水供給路26は、水の供給方向、つまり水吐出(噴射)孔26bからの水の噴射方向が、燃料噴孔25から噴射され燃料噴射通路27を通過する燃料噴霧の方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して傾斜されて、配置されている。
水環路30は、燃料噴射ノズル21の先端近傍の外周を囲むように環状に形成されている。燃料噴射通路用水環路31は、燃料噴射通路27の外周を囲むように環状に形成されている。
燃料噴射通路用水環路31上には、水供給路26の入口26aが等間隔に複数(たとえば6個)配置されているとともに、燃料噴射通路27の外周には、水供給路26の出口(水吐出(噴射)孔)26bが等間隔に複数(6個)配置されている。
なお、図3(b)、(c)では、燃料噴射通路27の周囲に、水供給路26(水吐出(噴射)孔26b)が6個、等間隔に配置される場合を例示しているが、水供給路26(水吐出(噴射)孔26b)の数は複数であればその数は任意であり、また配置間隔についても不等の間隔であってもよい。
また、図3(b)に示すように、燃料噴射通路27の径φD、燃料噴射通路27の入口27aから水供給路26の水吐出(噴射)孔26bまでの距離L2、燃料噴射通路27の長さL3、燃料噴射通路27に対する水供給路26の傾斜角度A゜、水供給路26の径φdは、燃焼状態が最良となるように、各通路、各水供給路それぞれに適宜設定される。
燃料噴射通路27に対する水供給路26の傾斜角度A゜は、鋭角である必要があり、たとえば30゜近辺の値に設定される。また、隙間28の形状や大きさについても燃焼状態が最良となるように、適宜設定される。
図4(a)、(b)、(c)は、燃料噴射通路27を通過する燃料と水の状態を概念的に示している。図4(a)、(c)は燃料噴射通路27の通路長手方向における燃料と水の状態をそれぞれ例示した図で、図4(b)は燃料噴射通路27の通路断面における燃料と水の状態を示す図である。
以下、図4を更に併せ参照して本第1実施例の動作について説明する。
ECU5は、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25からの燃料の噴射と、水供給路26の水吐出(噴射)孔26bからの水の吐出(噴射)とが同時に行われるように、燃料噴射ノズル21、水噴射ノズル22に対して開口指令を出力する。ディーゼルエンジン1では、上死点(T.D.C)近傍の所定の時期に燃料が噴射されることから、水の吐出(噴射)についても、この燃料噴射時期に行われる。
なお、燃料噴射と水吐出(噴射)のタイミングは必ずしも同時でなくてもよく、僅かに水吐出のタイミングが燃料噴射のタイミングよりも先若しくは後であってもよい。
また、水噴射圧は、潤滑性に乏しい水噴射系の耐久性を確保するために、燃料噴射圧よりも小さくなるように、ノズル21、22の噴射圧が設定される。たとえば、水噴射圧は、燃料噴射圧の1/3〜1/7程度になるようにノズル21、22噴射圧を設定することが望ましい。ただし、水噴射系の耐久性が十分な場合においては、水の噴射圧を限定する必要はなく、燃料噴射圧以上の圧力に水の噴射圧力を設定してもかまわない。
吸入工程では、燃焼室2内には負圧若しくは過給によって大量の空気が取り入れられる。そして圧縮行程では、燃料室2内に取り入られた空気が圧縮される。
燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25から燃料が噴射されると、燃料は微粒化され、噴霧が生成される。この燃料噴霧は、隙間28を介して燃焼室2内の空気を取り込みながら、燃料噴射通路27を通過する。
水供給路26の水吐出(噴射)孔26bから燃料噴射通路27には、水が吐出(噴射)される。ここで、水の吐出(噴射)方向は、燃料噴霧方向の成分(速度成分)を有しており、水は燃料噴霧の周囲の複数箇所(水吐出(噴射)孔26b)から吐出(噴射)される。このため、図4に示すように、吐出(噴射)された水は、高圧で噴射された燃料を包み込むように取り囲む。そして、高圧噴射燃料の吸引力によって、燃料噴霧中に空気が取り込まれるとともに水が取り込まれる。こうして燃料噴霧は、空気を取り込みつつ、水噴霧によって包囲されながら水を取り込みつつ、燃料噴射通路27を通過し、燃焼室2内に供給される。
こうして燃焼室2内に供給された燃料と水と空気の混合噴霧は、更に拡散混合される。この拡散混合は、着火時期までの期間に極めて迅速に、かつ十分な混合レベルまで進行する。
上記では、燃料を噴射している最中に着火する場合の燃焼過程で説明を行ったが、燃料と水との噴射条件によっては、燃料噴射終了後に着火させることも可能である。この場合においても、本発明の手段によれば、燃料と水と空気の良好な混合を得ることができるので、局部的な高濃度燃料部の残存によるすすの生成や局部的高温化によるNOxの生成を回避することができる。
なお、この第1実施例のように、燃料噴射通路27の周囲の複数の孔から水を燃料噴霧が進行する前方に向けて燃料噴霧を包囲するように吐出する、燃料と水の噴射方式のことを、この明細書では、「複数前方吐出包囲方式」と称するものとする。
(第2実施例;複数前方吐出包囲方式)
上述した第1実施例の複数前方吐出包囲方式に対しては、適宜、変形した実施が可能である。なお、以下においては、第1実施例と重複する構成については適宜説明を省略し、構成が異なる部分について説明する。
以下、図5を参照して第2実施例について説明する。
図5(a)、(b)、(c)は、第1実施例の図3(a)、(b)、(c)に対応する図である。
これら図5(a)、(b)、(c)に示すように、第2実施例では、第1実施例の水環路30、31の代わりに、水環路32U、32Lが設けられる。水環路32U、水環路32Lは、水供給路26に連通している。
水供給路26の出口である水吐出(噴射)孔26bは、第1実施例と同様に、燃料噴射通路27の途中に連通している。また、第1実施例と同様に、水供給路26は、水の供給方向、つまり水吐出(噴射)孔26bからの水の噴射方向が、燃料噴孔25から噴射され燃料噴射通路27を通過する燃料噴霧の方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して傾斜されて、配置されている。
図5の図中において、水環路32Uは、水環路32Lよりも上側に配置されている。
水環路32U、32Lは、水通路29の出口に連通している。水環路32Uは、図5の図中において燃料噴射通路27の上側に配置され、燃料噴射ノズル21の先端部の外周を囲むように環状に形成されている。水環路32Lは、図5の図中において燃料噴射通路27の下側に配置され、同様に水環路32Uと同じ周方向に環状に形成されている。
水環路32U上には、水供給路26の入口26aが、燃料噴射通路27の周囲にあって上方に、複数(たとえば2個)配置されているともに、燃料噴射通路27の外周には、水供給路26の出口26b(水吐出(噴射)孔26b)が燃料噴射通路27の上方に、複数(2個)配置されている。
また、水環路32L上には、水供給路26の入口26aが燃料噴射通路27の周囲にあって下方に、複数(たとえば2個)配置されているとともに、燃料噴射通路27の外周には、水供給路26の出口26b(水吐出(噴射)孔26b)が燃料噴射通路27の下方に、複数(2個)配置されている。
なお、図5(c)では、燃料噴射通路27の周囲上方に、水供給路26(水吐出(噴射)孔26b)が2個配置され、燃料噴射通路27の周囲下方に、水供給路26(水吐出(噴射)孔26b)が2個配置される場合を例示しているが、水供給路26(水吐出(噴射)孔26b)の数は、上方、下方ともに任意である。
なお、図5(b)に示す燃料噴射通路27の径φD、燃料噴射通路27の入口27aから水供給路26の水吐出(噴射)孔26bまでの距離L2、燃料噴射通路27の長さL3、燃料噴射通路27に対する水供給路26の傾斜角度A゜、水供給路26の径φdは、図3(b)と同様に、燃焼状態が最良となるように適宜設定される。
なお、第2実施例では、第1実施例と同様に、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25と燃料噴射通路27との間に、燃焼室2に連通する隙間28が形成されている。
(第3実施例;複数前方吐出包囲方式)
上述した第1実施例、第2実施例では、燃料噴射通路27の途中で水供給路26を連通させているが、必ずしも燃料噴射通路27の途中で水供給路26を連通させる構成でなくてもよく、本発明としては、水供給路26を、水の供給(噴射)方向が、燃料噴射通路27を通過する燃料の噴射方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して平行にまたは傾斜して設けた構成であればよい。
すなわち、図6は、第3実施例の構成を示す図であり、第2実施例の図5(a)に対応する図である。
図6に示すように、この第3実施例では、燃料噴射通路27の出口27bの周囲に、水供給路26の出口26b(水吐出(噴射)孔26b)が配置されており、燃料噴射通路27の出口27bから噴射された燃料に対して水が噴射される。ただし、第1実施例、第2実施例と同様に、水供給路26は、水の供給(噴射)方向が燃料噴射通路27を通過する燃料噴霧の噴射方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して平行にまたは傾斜して設けられている。また、第2実施例と同様に、水供給路26の出口26b(水吐出(噴射)孔26b)は、燃料噴射通路27の周囲に複数設けられている。
なお、第1実施例、第2実施例と同様に、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25と燃料噴射通路27との間に、燃焼室2に連通する隙間28が形成されている。
(第4実施例;複数前方吐出包囲方式)
第1実施例、第2実施例、第3実施例では、燃料噴射通路27の径φDを通路長手方向の各位置で同じとしているが、燃料噴射通路27の径φDを通路長手方向の各位置で異ならせる実施も可能である。たとえば図7(a)に例示するように、燃料噴射通路27を、径が異なる入口側通路27sと出口側通路27tとで構成してもよく、図7(b)に例示するように、燃料噴射通路27を、入口27aから出口27bにかけて徐々に径が変化するようにテーパ状に形成してもよい。
(第5実施例;複数前方吐出包囲方式)
上述した第1実施例では、図3に示すように、燃料噴射通路27の通路長手方向の1箇所に、水吐出(噴射)孔26bを設けているが、図8(a)、(b)に示すように、燃料噴射通路27の通路長手方向の各箇所に、水吐出(噴射)孔26bを設ける実施も可能である。図8(a)は、第1実施例の図3(a)に対応する図であり、図8(b)は図8(a)の水供給路26を拡大して示している。 図8(c)、(d)は、図4(a)、(b)に対応する図であり、燃料噴射通路27を通過する燃料と水の状態を概念的に示している。図8(c)、(d)に示すように、燃料噴射通路27の通路長手方向の各箇所に設けられた各水吐出(噴射)孔26bから吐出(噴射)された水は、高圧で噴射された燃料を包み込むように取り囲む。そして、高圧噴射燃料の吸引力によって、燃料噴霧中に空気が取り込まれるとともに水が取り込まれる。こうして燃料噴霧は、空気を取り込みつつ、水噴霧によって包囲されながら水を取り込みつつ、燃料噴射通路27を通過し、燃焼室2内に供給される。
(第6実施例;前方広がり包囲方式)
第1実施例〜第5実施例では、燃料噴射通路27の周囲の複数の孔から水を燃料噴霧が進行する前方に向けて燃料噴霧を包囲するように吐出する燃料と水の噴射方式(複数前方吐出包囲方式)について説明したが、本発明としては、水が燃料噴霧を包囲できればよく、水が吐出(噴射)される孔は1個であってもよい。
上述した第1実施例では、図3に示すように、燃料噴射通路27の周囲に燃料噴射通路用水環路31を設け、燃料噴射通路27の周囲の各箇所から水を噴射して、水によって燃料噴霧を包囲するようにしているが、図9(a)、(b)、(c)に示すように、燃料噴射通路用水環路31の配設を省略し、燃料噴射通路27の上方に、入口26aから出口26bに向かうにつれて扇形状に断面積が増大する水供給路26を設け、この水供給路26から燃料噴霧の前方に向かうにつれて徐々に拡散するように水を噴射することで、水によって燃料噴霧を包囲する実施も可能である。図9(a)は、第1実施例の図3(a)に対応する図であり、同一機能の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。図9(b)は図9(a)のA−A断面であり、図9(c)は水供給路26をB方向から透視してみた図である。
図9(d)は、図4(a)に対応する図であり、燃料噴射通路27を通過する燃料と水の状態を概念的に示している。図9(d)に示すように、水供給路26からは、燃料噴霧の前方に向かうにつれて徐々に拡散するように水が噴射される。このため水は、高圧で噴射された燃料を包み込むように取り囲む。そして、高圧噴射燃料の吸引力によって、燃料噴霧中に空気が取り込まれるとともに水が取り込まれる。こうして燃料噴霧は、空気を取り込みつつ、水噴霧によって包囲されながら、水を取り込みつつ、燃料噴射通路27を通過し、燃焼室2内に供給される。
このため本第6実施例によれば、燃料噴射通路用水環路31を設けなくてよいため加工が容易で安価に作成できる。
なお、この第6実施例のように、燃料噴霧の前方に向かうにつれて徐々に拡散するように水を噴射させて燃料噴霧を包囲する方式を、本明細書では、「前方広がり包囲方式」と称するものとする。
(第7実施例;スパイラル前方吐出包囲方式)
以下、図10を参照して第7実施例について説明する。
図10(a)、(b)、(c)は、第1実施例の図3(a)、(b)、(c)に対応する図である。
これら図10(a)、(b)、(c)に示すように、第7実施例では、第1実施例の燃料噴射通路用水環路31が省略され、水環路30に直接、水供給路26の入口26aが連通される。
水供給路26の出口である水吐出(噴射)孔26bは、第1実施例と同様に、燃料噴射通路27の途中に連通している。図10(c)に示すように、水供給路26は、燃料噴射通路27の断面中心から距離L1だけオフセットされた位置で、燃料噴射通路27に連通している。つまり水吐出(噴射)孔26bは、燃料噴射通路27の断面中心からオフセットされた位置に配置されている。
また、第1実施例と同様に、水供給路26は、水の供給方向、つまり水吐出(噴射)孔26bからの水の噴射方向が、燃料噴孔25から噴射され燃料噴射通路27を通過する燃料噴霧の方向の成分を有するように、燃料噴射通路27に対して傾斜されて、配置されている。なお、図10(b)、(c)に示す燃料噴射通路27の径φD、燃料噴射通路27の入口27aから水供給路26の水吐出(噴射)孔26bまでの距離L2、燃料噴射通路27の長さL3、燃料噴射通路27に対する水供給路26の傾斜角度A゜、水供給路26の径φd、オフセット距離L1は、図3(b)と同様に、燃焼状態が最良となるように適宜設定される。傾斜角度A゜は、鋭角である必要があり、たとえば70゜近辺の角度に設定される。
なお、第1実施例と同様に、燃料噴射ノズル21の燃料噴孔25と燃料噴射通路27との間に、燃焼室2に連通する隙間28が形成されている。
図10(d)は、図4(a)に対応する図であり、燃料噴射通路27を通過する燃料と水の状態を概念的に示している。図10(d)に示すように、燃料噴射通路27の断面中心からオフセットした位置に配置された水吐出(噴射)孔26bから吐出(噴射)された水は、燃料噴射通路27の内周面に沿ってスパイラル状(螺旋状)に旋回し、高圧で噴射された燃料を包み込むように取り囲む。そして、高圧噴射燃料の吸引力によって、燃料噴霧中に空気が取り込まれるとともに水が取り込まれる。こうして燃料噴霧は、空気を取り込みつつ、水噴霧によって包囲されながら水を取り込みつつ、燃料噴射通路27を通過し、燃焼室2内に供給される。
このため本第7実施例によれば、燃料噴射通路用水環路31が不要であり、第6実施例より水供給路の形状が簡単であるので、加工が容易であり、さらに安価に作成できる。
なお、図10(a)、(b)、(c)では、1個の水供給路26を燃料噴射通路27の断面中心からオフセットした位置に設けるように構成しているが、水供給路26の数は複数であってもよい。
たとえば、図10(e)に示すように、2個の水供給路26を、燃料噴射通路27の図中上下に、かつオフセット方向が図中左右に異なるように配置してもよい。なお、この第7実施例のように、燃料噴射通路27の断面中心からオフセットされた孔から水を燃料噴霧が進行する前方に向けてスパイラル状に燃料噴霧を包囲するように吐出する燃料と水の噴射方式のことを、この明細書では、「スパイラル前方吐出包囲方式」と称するものとする。
次に、図10(a)、(b)、(c)に示す装置を用いて燃料噴射通路27に対する水供給通路26の傾斜角度A°とNOx・すす排出量との関係を調べた試験結果について説明する。
図12は、2パターンの傾斜角度A°とNOx・すす排出量との対応関係を示している。図12の横軸はNOxの濃度をppmで示し、縦軸はすすの濃度をボッシュスモークメータの計測結果%で示す。
本試験においては、図10(a)、(b)、(c)に示す装置を用いて、傾斜角度A°を72.5°および90°にした場合に、ディーゼルエンジンから排出されるNOxとすすの量がそれぞれどのように変化するかを調べた。
図12に示すように、傾斜角度A°が72.5°の場合には、NOxの排出量は200ppmとなり、すすの排出量は0%となった。また、傾斜角度A°が90°の場合には、NOxの排出量は195ppmとなり、すすの排出量は3%となった。この結果によると、傾斜角度A°が72.5°と90°とではNOxの排出量はほぼ同一であるが、すすの排出量は72.5°の方が少ない。水供給路26の傾斜角度A°が90°の場合、燃料噴射通路27に吐出(噴射)された水の一部は、燃料噴射の方向と対向する方向に流れ、燃料の噴射の勢いを削ぐように作用する。その結果、一部に燃料と空気の混合の悪化する部分が生じ、すすの排出が増える。したがって、傾斜角度A°を鋭角にし、燃料の噴射方向の成分を有するように水供給路26を配置することが好ましいといえる。
次に、図10(a)、(b)、(c)に示す装置を用いて燃料噴射タイミングと水噴射タイミングとのずれ量とNOx・すす排出量との関係を調べた試験結果について説明する。
図13は、燃料噴射と水噴射のタイミングチャートを示している。同図13においては、横軸にピストン4の往復運動に応じて回転するクランクシャフト1aのクランク角度をとり、クランク角度に対応して、燃料噴射(凸で示す)、水噴射(ハッチングで示す)のタイミングを示している。図13においては、ピストン4による混合気の圧縮行程(下死点(B.D.C)〜上死点(T.D.C))のうち、ピストン4が上死点(T.D.C)近傍に位置する所定の時期に、燃料および水が噴射されている。燃料噴射の凸部の長さは、燃料噴射量に対応し、この燃料噴射量は燃料噴孔25の開口時間に対応している。水噴射のハッチング部の長さは、水噴射量に対応し、この水噴射量は水噴孔22aの開口時間に対応している。また、ピストン4が上死点(T.D.C)に位置するときのクランク角度を0°と定義する。
以下制御例3がECU5で実行される場合について説明する。
ECU5は、ピストン4が上死点(T.D.C)近傍に達したとき、すなわちクランク角度が上死点前10°程度になったときに燃料噴射ノズル21と水噴射ノズル22に開口指令を同時に出力する。この開口指令に応じて燃料噴射ノズル21と水噴射ノズル22の各針弁は同時に上がり、各ノズル21、22先端の燃料噴孔25、水噴孔22aが開口する。
燃料噴孔25が開口すると、燃料噴射ノズル21から隙間28を介して燃料噴射通路27に燃料が噴射される。また、水噴孔22aが開口すると、水噴射ノズル22から水通路29、水環路30、水供給路26を介して燃料噴射通路27に水が吐出(噴射)される。
ECU5は、エンジンの回転数や負荷などに応じて決められた噴射期間が経過したときに燃料噴射ノズル21と水噴射ノズル22に閉口指令を同時に出力する。この閉口指令に応じて燃料噴射ノズル21と水噴射ノズル22の各針弁は同時に下がり、各ノズル21、22先端の燃料噴孔25、水噴孔22aが閉口する。
なお、図13(c)に示す制御例3においては、燃料噴射ノズル21と水噴射ノズル22に開口指令を同時に出力しているが、各開口指令の出力タイミングを若干ずらしてもよい。例えば、図13(d)に示す制御例4のように、燃料噴射ノズル21の開口指令よりも水噴射ノズル22の開口指令を若干遅らせてもよい。また、図13(e)に示す制御例5のように、燃料噴射ノズル21の開口指令よりも水噴射ノズル22の開口指令を若干先行させてもよい。
さらに、図13(c)に示す制御例3においては、燃料噴射の時間長さと水噴射の時間長さが同一であるが、各時間長さを変えてもよい。例えば、図13(f)に示す制御例6のように、燃料噴射の時間長さよりも水噴射の時間長さを長時間にしてもよい。また、図13(g)に示す制御例7のように、燃料噴射の時間長さよりも水噴射の時間長さを短時間にしてもよい。
また、図13(d)、(e)に示す制御例4、5と図13(f)、(g)に示す制御例6、7とを組み合わせてもよい。
図14は、3パターンの水噴射タイミングとNOx・すす排出量との対応関係を示している。図12と同様に、図14の横軸はNOxの濃度をppmで示し、縦軸はすすの濃度をボッシュスモークメータの計測結果%で示す。
本試験においては、図10(a)、(b)、(c)に示す装置を用いて、燃料噴射タイミングに対して水噴射タイミングを同時にした場合、早くした場合、遅くした場合に、ディーゼルエンジンから排出されるNOxとすすの量がそれぞれどのように変化するかを調べた。なお、本試験での燃料噴射のタイミングは、クランク角度で上死点前10°とした。
図14に示すように、水噴射のタイミングをクランク角度で上死点前10°の時点とした場合(図13(c)に相当)、すなわち燃料噴射タイミングに対して水噴射タイミングを同時にした場合には、NOxの排出量は200ppmとなり、すすの排出量は0%となった。また、水噴射のタイミングをクランク角度で上死点前20°の時点とした場合(図13(a)に相当)、すなわち燃料噴射タイミングに対して水噴射タイミングを早くした場合には、NOxの排出量は235ppmとなり、すすの排出量は4%となった。また、水噴射のタイミングをクランク角度で上死点前5°の時点とした場合(図13(b)に相当)、すなわち燃料噴射タイミングに対して水噴射タイミングを遅くした場合には、NOxの排出量は500ppmとなり、すすの排出量は0%となった。
図14の結果から、燃料噴射のタイミングに対して、水噴射のタイミングを早めるとNOxの排出量はあまり変化しないが、すすの排出量が増加することが判る。この現象はクランク角度を5°以上早めると顕著に現れる。これは、燃料に先立って水を燃料室に導入しておくと燃料噴射先頭部の燃焼が悪化し、すすの生成を抑えきれないことによるものと考えられる。また、燃料噴射のタイミングに対して、水噴射のタイミングを遅くするとすすの排出量はあまり変化しないが、NOxの排出量が増加することが判る。この現象はクランク角度を5°以上遅くすると顕著に現れる。これは、水を伴わない燃料の燃焼が、ある程度の量になると、燃焼温度がNOxを多く生成する温度まで高まることによるものと考えられる。したがって、図13(c)、(d)、(e)に示すように、燃料噴射のタイミングと水噴射のタイミングのずれは、クランク角度にして±5°程度以内にすることが望ましい。
なお、本試験は燃料噴射の期間がクランク角度で20°程度の条件で行われたものであるが、噴射期間が20°より長い場合には、燃料噴射のタイミングと水噴射のタイミングのずれは、噴射期間の±1/4程度以内の期間にすることが望ましい。
ところで、水タンク9に水が貯留されていると、水が腐食したり凍結したりするおそれがある。また、水に含まれる金属イオンCa、Na等の不純物がエンジン1内に金属塩(CaSO 、NaSO 等)となって付着、堆積する等してエンジン1に悪影響をおよぼすおそれがある。
そこで、こうした水の腐食、凍結、金属塩等のエンジン内部付着などを防止するために、図11に示す構成の水処理システムを採用することが望ましい。
同図11に示すように、本実施形態の水処理システムは、大きくは、貯留用の水タンク41と、貯留用水タンク41内の水を加熱する電気ヒータ42と、貯留用水タンク41内の水を吸い込むポンプ43と、ポンプ43によって吸い込まれた水を濾過するフィルタ44と、エンジン1の排気管53に設けられ、ポンプ43から吐出された水を蒸留する蒸留装置45と、蒸留装置45に水が圧送される管路46と、蒸留装置45で蒸留された水が戻される管路47と、管路46、47上に設けられた熱交換器54と、管路47を通過した水が貯留され、管路48を介して水用圧送ポンプ10の吸込口に連通する水タンク9と、管路47、48に設けられたバルブ49、50と、バルブ49、50を介して管路47、48内に空気を供給する空気供給装置51と、水タンク41、9の周囲を覆いタンク41、9を外部から断熱してタンク内の水を保温する断熱部材52とから構成されている。
この実施形態の構成によれば、温度センサ55で水タンク41内の温度が検出され、この検出温度をフィードバック量として、電気ヒータ42によって、水タンク41内の水が、たとえば50゜C〜100゜C内の所望の目標温度(たとえば70゜C)になるように加熱される。このように適度に加熱された水は、その殺菌作用で腐食を防止できる。また、蒸留を促進し、清浄な水の供給が容易になる。さらに水タンク41の断熱部材52の保温効果により、凍結しにくくなる。本実施形態では、水の加熱手段として、電気ヒータ42を例示しているが、エンジン冷却水の熱、排気熱を適宜組み合わせて使用して、水の加熱手段を構成することが望ましい。
水タンク41から水が熱交換器54に圧送され、熱交換器54を経て蒸留装置45に送られる。蒸留装置45の蒸留室では、水が水蒸気となって金属塩等の不純物が取り除かれ、清浄な水蒸気が熱交換器54に戻される。熱交換器54では、水蒸気が液化され、管路47を介して水タンク9に戻される。水タンク9、41は、断熱部材52によって所望の温度に保温されている。このため、清浄かつ所望の温度に保温された水が、水タンク10から管路48を介して水圧送用ポンプ10に吸い込まれ、図1で説明したのと同様にして、エンジン1の燃焼室2に供給される。これにより水が腐食したり凍結したりすることが防止される。また、水に含まれる金属イオンCa、Na等の不純物がエンジン1内に金属塩(CaSO 、NaSO 等)となって付着、堆積することが防止され、エンジン1の耐久性を向上させることができる。
また、バルブ49、50がエンジン1の停止直前に切り換えられて、空気供給装置51から空気が管路47、48内に供給される。これにより、管路47、熱交換器54、蒸留装置45、管路46、ポンプ43、フィルタ44内の水が水タンク41に排出され、また、管路48、水用ポンプ10、コモンレール13、水通路12、インジェクタ20、図示していない水タンク9への戻り管路内の水が、水タンク9が排出されて、水の凍結による各管路や各装置の破損が防止される。
図1は、ディーゼルエンジンの全体構成を示す図である。 図2は、図1におけるインジェクタを拡大して示す図である。 図3(a)、(b)、(c)は、第1実施例の構成を示す図である。 図4(a)、(b)、(c)は、第1実施例における燃料噴射通路を通過する燃料と水の状態を概念的に示す図である。 図5(a)、(b)、(c)は、第2実施例の構成を示す図である。 図6は、第3実施例の構成を示す図である。 図7(a)、(b)は、第4実施例の構成例示す図である。 図8(a)、(b)は、第5実施例の構成を示す図で、図8(c)、(d)は、第5実施例における燃料噴射通路を通過する燃料と水の状態を概念的に示す図である。 図9(a)、(b)、(c)は、第6実施例の構成を示す図で、図9(d)は、第6実施例における燃料噴射通路を通過する燃料と水の状態を概念的に示す図である。 図10(a)、(b)、(c)、(e)は、第7実施例の構成を示す図で、図10(d)は、第7実施例における燃料噴射通路を通過する燃料と水の状態を概念的に示す図である。 図11は、ディーゼルエンジンの水処理システムの構成を示す図である。 図12は、2パターンの傾斜角度A°とNOx・すす排出量との対応関係を示す図である。 図13(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)は、燃料噴射と水噴射のタイミングチャートを示す図である。 図14は、3パターンの水噴射タイミングとNOx・すす排出量との対応関係を示す図である。
符号の説明
1 エンジン(ディーゼルエンジン) 2 燃焼室 21 燃料噴射ノズル
22 水噴射ノズル 25 燃料噴孔 6 水供給路 27 燃料通路
28 隙間

Claims (4)

  1. ディーゼルエンジン(1)の燃焼室(2)内に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズル(21)と、
    前記燃料噴射ノズル(21)から噴射された燃料が燃焼室(2)に導かれる燃料噴射通路(27)と、
    前記燃料噴射ノズル(21)と前記燃料噴射通路(27)との間に形成され、前記燃焼室(2)に連通する隙間(28)と、
    前記燃料に対して不活性な不活性材が前記燃料噴射通路(27)に供給される不活性材供給路であって、不活性材の供給方向が前記燃料噴射通路(27)を通過する燃料の噴射方向の成分を有するように、前記燃料噴射通路(27)に対して傾斜して設けられた不活性材供給路(26)と
    を備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  2. 前記燃料噴射通路(27)の周囲に複数の不活性材供給路(26)が設けられたこと
    を特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  3. 前記不活性材供給路(26)は、前記燃料噴射通路(27)の断面中心からオフセットされた位置で、当該燃料噴射通路に(27)連通していること
    を特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  4. 前記不活性材供給路(26)に不活性材を噴射する不活性材噴射ノズル(22)と、
    前記燃料噴射ノズル(21)および前記不活性材噴射ノズル(22)の開閉を制御するコントローラ(5)とを備え、
    前記コントローラ(5)で、前記燃料噴射ノズル(21)から前記燃料噴射通路(27)に燃料を噴射するタイミングと前記不活性材噴射ノズル(22)から前記不活性材供給路(26)を介して前記燃料噴射通路(27)に不活性材を噴射するタイミングとを略同一に制御すること
    を特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
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