JPWO2006073084A1 - 通信システム、リソース管理装置、リソース管理方法、通信管理装置並びに通信管理方法 - Google Patents

通信システム、リソース管理装置、リソース管理方法、通信管理装置並びに通信管理方法 Download PDF

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Abstract

移動端末がハンドオーバを行う際に、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることを目的とする。例えば、MN101が、新たな接続先(AR109)におけるアドレス(NCoA)を取得していない状態で、QNE(プロキシ)123に対して、新たな接続先に接続した場合に使用するQoS経路の確立処理の開始を要求する。QNE(プロキシ)は、自ノードとCN121との間のリソース予約を行い、その結果、QNE(CRN)115より上流では、MNがAR105に接続している状態で使用されている経路情報(filterA)に、新たな経路情報(filterB)が関連付けられる。MNが移動後に実際の新たなCoAを使用してQoS経路の更新を行うまでの間は、データパケットは、プロキシノードによってカプセル化されて、経路情報(filterB)に基づいて伝送される。

Description

本発明は、通信システム、リソース管理装置、リソース管理方法、通信管理装置並びに通信管理方法に関し、特に、パケット伝送が行われる通信ネットワークにおける通信システム、リソース管理装置、リソース管理方法、通信管理装置並びに通信管理方法に関する。
移動端末から無線ネットワークを通じてインターネットなどの通信ネットワークにアクセスするユーザに対して、移動しながらでもシームレスに通信ネットワークの接続を提供できる技術として、次世代インターネットプロトコルであるモバイルIP(Internet Protocol)を利用したものが普及してきている。
一方、ネットワークを利用した通信においては、QoS(Quality of Service)保証を始めとしたサービス(本明細書では、こうしたサービスを付加的サービスと呼ぶことにする)が存在しており、こうした付加的サービスを実現するための様々な通信プロトコルが存在している。このような様々な通信プロトコルのうち、QoS保証をするためのプロトコルとして、例えば、RSVP(Resource Reservation Protocol)が挙げられる(例えば、下記の非特許文献1参照)。RSVPは、データの送信を行う送信側通信端末からデータの受信を行う受信側通信端末への経路(フロー)上における帯域予約を行うことによって、送信側通信端末から受信側通信端末に、データがスムーズに伝送されるようにするものである。
サブネット(サブネットワーク)間のハンドオーバを行うMN(Mobile Node:モバイルノード)に関しては、ハンドオーバ前に受けていたQoS保証を始めとする付加的サービスを、ハンドオーバ後においても継続して受けられるべきであるという要請があるが、上述したRSVPは、MNの移動に対して十分には対応していないという問題がある。
この問題を解決するために、現在、IETF(Internet Engineering Task Force)において、NSIS(Next Step in Signaling)と呼ばれる新しいプロトコルを標準化するための議論が行われている(下記の非特許文献2参照)。このNSISは、モバイル環境において、QoS保証を始めとする様々な付加的サービスに特に有効であると期待されており、NSISにおいてQoS保証やモビリティサポートを実現するための要件や実現方法などが記載された文献も存在する(例えば、下記の非特許文献3〜7参照)。以下に、現在IETFのNSISワーキンググループでドラフト仕様となっているNSISの概要と、QoS経路確立の方法を説明する(非特許文献4及び非特許文献7参照)。
図10には、従来の技術におけるNSISのプロトコル構成を説明するために、NSIS及びその下位層のプロトコルスタックが図示されている。NSISプロトコル層はIP及び下位層のすぐ上に位置する。さらにNSISプロトコル層は、それぞれの付加的サービスを提供するためのシグナリングメッセージ生成、及びその処理を行うプロトコルであるNSLP(NSIS Signaling Layer Protocol)と、NSLPのシグナリングメッセージのルーティングを行うNTLP(NSIS Transport Layer Protocol)の2層からなる。NSLPには、QoSのためのNSLP(QoS NSLP)や、その他のある付加的サービス(サービスAやサービスB)のためのNSLP(サービスAのNSLP、サービスBのNSLP)など、様々なNSLPが存在している。
また、図11は、従来の技術におけるNSISのノードであるNEやQNEが「隣り合う」という概念を説明するための模式図である。図11に示すように、NSIS機能を持ったすべてのノード(NE:NSIS Entity)には、少なくともNTLPが実装されている。このNTLPの上には、NSLPが必ずしも存在しなくてもよく、また、1つ以上のNSLPが存在してもよい。なお、ここでは、特に、QoSのためのNSLPを持ったNEをQNE(QoS NSIS Entity)と呼ぶことにする。なお、NEになり得るのは端末やルータである。また、隣り合うNEの間には、NEではない複数のルータが存在することもあり得るし、隣り合うQNEの間には、NEではないルータ及びQoS NSLPを持たないNEが複数存在することもあり得る。
なお、NSISは、モバイル環境だけでなく通常の静的なネットワークにおける様々な機能も網羅するものであるが、本明細書では、NSISの機能の1つであるモビリティサポートされた付加的サービスの確立を実現する機能に着目し、NSISの実装によって、モビリティサポートされた付加的サービスの確立が実現されるものとする。
また、MNが新たなサブネットワーク(以下、サブネットと呼ぶ)に移動する場合、新たなQoS経路が、MNとCN(Correspondent Node:通信相手ノード)との間で確立される必要がある。新たなQoS経路が確立されるまでは、データパケットは必要なQoS処理を受けられず、QoSの中断が起こることになる。このQoSの中断は、スムーズかつシームレスなモビリティが実現されるように、最低限に抑えられる必要がある。
こうした問題を扱う1つの方法として、下記の非特許文献8には、MRSVPが提示されている。この非特許文献8では、RSVPに変更を加えることによって、モバイルIPの三角ルート用のQoS経路をあらかじめ確立する方法が提案されている。ここでは、「ローカルプロキシエージェント(HA(Home Agent:ホームエージェント)に相当する)」及び「リモートプロキシエージェント(FA(Foreign Agent:フォーリンエージェント)に相当する)」が、MNのためのQoS経路を確立することが可能である。
リモートプロキシエージェントは、MNのNCoA(New Care−of Address:新たな気付アドレス)取得した後に、自身とCNとの間にQoS経路のセットアップを行う。続いて、リモートプロキシエージェントとローカルプロキシエージェントとの間(すなわち、FAとHAとの間)の経路が新たに確立されて、この経路と、ローカルプロキシエージェントとCNとの間(すなわち、FAとCNとの間)の経路とが併合される。なお、経路の併合の具体的な方法に関しては説明されていない。
また、MNがサブネット間においてハンドオーバを行う場合、ハンドオーバ前の古い経路の一部とハンドオーバ後の新しい経路の一部とが重複する場合がある。このような場合には、重複経路における2重予約の問題や、経路の変更が困難であることなど、様々な問題が起こり得る。こうした問題を解く方法の1つとして、古い経路と新しい経路とが分岐(クロスオーバ)する位置を特定する方法が挙げられる。この分岐点上に存在する通信ノードはCRN(Crossover Node:クロスオーバノード)と呼ばれ、このCRNを特定する方法としては、例えば、下記の非特許文献9、10などに記載されている方法が知られている。
なお、本明細書に記載されているQoS経路の確立とは、QoSが保証されるデータパケットが通る経路であって、NTLP層においてシグナリングメッセージをルーティングするためのステートが確立されており、かつNSLP層によってQoS保証のためのリソース予約手続きが完了した状態のことを指す。なお、QoS保証のためのリソース予約と、NTLP層のルーティングのためのステートの確立は、同時に行われる場合もあるし、また、ルーティングのためのステートの確立の後に、QoS保証のためのリソース予約が行われる場合もある。
また、下記の非特許文献11Aによれば、シグナリングメッセージのルーティングのためのステートは、NSISの最初のメッセージが、downstream方向(データパケットが送られる方向)に対して送られる際に確立される。すなわち、あるセッションに対するデータパケットに対してQoS保証が行われる場合、データパケットが通過する最初のQNEは、QoS予約のためのシグナリングメッセージ、又はその準備のためのシグナリングメッセージを、データパケットの受信者に向けて送信する。このとき、このシグナリングメッセージのNTLP層に、セッションを識別するセッションIDやフローを識別するフローIDなどの情報が付けられるほかに、IP層にはRAO(Router Alert Option)が付けられる。そして、このシグナリングメッセージが通過しようとするQNEのIP層において、RAOの存在によりこのシグナリングメッセージはインタセプトされて、NSIS層(NTLP層及びNSLP層)に渡され、NSIS層によって、シグナリングメッセージの中身が確認されるようになる。
シグナリングメッセージをインタセプトしたQNEのNTLP層では、まず、ルーティングのためのステートとして、フローIDやセッションIDの情報、及び、このシグナリングメッセージが送信されてきた1つ前の隣り合うQNEのIPアドレスの情報を格納する。そして、1つ前の隣り合うQNEに対して、NTLPレベルでの返信メッセージを返す。これにより、1つ前のQNEのNTLP層は、1つ後ろのQNEのIPアドレスを知ることができ、このIPアドレスをルーティングのためのステートに書き込むことによって保持する。また、シグナリングメッセージの送受信をセキュアに行いたい場合などには、このほかに、メッセージアソシエーションなどの手順を行い、セキュリティに関するネゴシエーションなどを行う。
一方、NSLP側では、NSLPメッセージの中身に応じた処理を行い、この処理が済むと再びNTLPにより、シグナリングメッセージがあて先(ここでは、データパケットの受信者)に向けて転送される。
こうして、このシグナリングメッセージが所定のあて先に到達することにより、NTLP層にはメッセージのルーティングのためのステートに係る情報が確立される。特に、メッセージアソシエーションが確立された場合には、以後の該当セッションID、フローIDを持つシグナリングメッセージに関しては、RAOを用いることなく、上述のように確立されたルーティングのためのステートを用いて送受信される。
また、NAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)やFW(Firewall:ファイアウォール)におけるポリシールールを動的に作成するため、NSISではNSLP層の機能の1つとして、NATFW NSLP(下記の非特許文献13参照)が提案されている。
なお、NATとは、LAN(Local Area Network)内のみで使われるプライベートアドレス情報と、インターネット上で使われるグローバルアドレス情報の変換を行う技術である。なお、アドレス情報にはIPアドレスのほかに、IPアドレスとポート番号の組み合わせなども用いられる。どのプライベートアドレス情報と、どのグローバルアドレス情報とを対応させるかという変換情報は、ポリシールールという形でNAT対応ノード内に保有される。また、FWとは、LAN内に通すパケット、又はLAN内からLAN外(例えば、インターネット)に送出するパケットをフィルタリングする技術である。なお、フィルタリングには、IPアドレスやポート番号などが用いられる。このフィルタリング情報は、ポリシールールという形でFW対応ノード内に保有される。また、NAT及びFWの両方の機能が1つのノードに実装される場合も多い。本明細書では、NAT及びFWの両方の機能をNATFWと呼び、NAT及びFWの両方の機能を有するノードをNATFWノードと呼ぶ。
NATFW NSLPの基本動作は、以下の通りである。
(1)データ送信者であるNATFW NSLP対応ノードが,データ受信者であるNATFW NSLP対応ノードに対して、CREATEメッセージを送信する。
(2)経路上に存在するNATFW NSLP対応ノードが、このCREATEメッセージをインタセプトする。
(3)このノードがNATFW機能を持つものであった場合、このCREATEメッセージに含まれるパラメータに基づいて、ポリシールールを作成する。
なお、CREATEメッセージに含まれるパラメータとは、対象となるデータパケットのアドレス情報、アクション(例えば、パケットを通す/通さないという処理など)及びアクションに対する補足情報(ライフタイムなど)である。このデータパケットのアドレス情報は、フローIDより引用される。
なお、QoS NSLPの場合と同様に、データ送信者及びデータ受信者がNATFW NSLP対応ノードではない場合には、データ経路上に存在するNATFW NSLP対応ノードで、データ送信者(又はデータ受信者)に一番近いノードが、シグナリングメッセージの送信者(又は受信者)となる。また、CREATEメッセージを送信する前提として、NATFWノードには、NSISメッセージを通すためのポリシールールがあらかじめ作成されていることが定められている。
また、NTLPにはフローIDが含まれており、このフローIDが、NSLPレイヤにおいてデータパケットのフィルタリング情報(例えば、QoS保証におけるパケットクラシファイア(packet classifier:パケット分類情報)として使用される。データパケットのフィルタリング情報がNATに対応できるようにするため、非特許文献11Bでは、NATがNTLP対応であり、かつ、NATにおいて、パケットヘッダのアドレス情報の変換と同時にフローIDの中身も変換されることが要請されている。
R.Braden,L.Zhang,S.Berson,S.Herzog and S.Jamin,″Resource ReSer Vation Protocol−Version 1 Functional Specification″,RFC 2205,September 1997. NSIS WG(http://www.ietf.org/html.charters/nsis−charter.html) H.Chaskar,Ed,″Requirements of a Quality of Service(QoS)Solution for Mobile IP″,RFC3583,September 2003 Sven Van den Bosch,Georgios Karagiannis and Andrew McDonald″NSLP for Quality−of−Service signalling″,draft−ietf−nsis−qos−nslp−05.txt,October 2004 X.Fu,H.Schulzrinne,H.Tschofenig,″Mobility issues in Next Step signaling″,draft−fu−nsis−mobility−01.txt,October 2003 S.Lee,et.Al.,"Applicability Statement of NSIS Protocols in Mobile Environments",draft−ietf−nsis−applicability−mobility−signaling−00.txt,October 18,2004 R.Hancock(editor),"Next Steps in Signaling:Framework",draft−ietf−nsis−fw−07.txt,November 1,2003 MRSVP:A.K.TALUKDAR,B.R.BADRINATH and A.ACHARYA,"A Resource Reservation Protocol for an Integrated Service Network with Mobile Hosts",Wireless Network 7 pp5−19,2001 T.Sanda,T.Ue,"Pre CRN discovery from proxy on candidate new path",draft−sanda−nsis−mobility−qos−proxy−01.txt,Feruary 2004 三田貴子,上豊樹,荒牧隆,"モビリティをサポートしたシームレスなQoS経路確立方法に関する提案",電子情報通信学会モバイルマルチメディア通信(MoMuC)研究会,Vol.104 No.38,pp59−64,2004年5月 H.Schulzrinne,R.Hancock,"GIMPS: General Internet Messaging Protocol for Signaling",draft−ietf−nsis−ntlp−05.txt,February 2005 H.Schulzrinne,R.Hancock,"GIMPS: General Internet Messaging Protocol for Signaling",draft−ietf−nsis−ntlp−07.txt,July 18,2005 三田貴子他,"モバイルIPを用いた通信におけるQoSステート管理方法に関する提案",電子情報通信学会情報ネットワーク(IN)研究会, vol.104,no.564,IN2004−144,pp.1−6,2005年1月 M.Stiemerling,H.Tschofenig and C.Aoun"NAT/Firewall NSIS Signaling Layer Protocol(NSLP)",draft−ietf−nsis−nslp−natfw−07.txt,July 18,2005
従来の技術には、主に、下記の2つの課題(第1及び第2の課題)が存在する。
まず、従来の技術に係る第1の課題について説明する。例えば、上記の非特許文献8に記載されている方法では、MNのためのQoS経路をあらかじめ確立するために、新たなサブネットワークにおけるプロキシが用いられる。しかしながら、MNのNCoAを取得した後にのみ、プロキシによってQoS経路が確立されるが、プロキシは、MNが実際に移動する前にMNのNCoAを取得できない可能性があり、事前にNCoAを取得する処理によって、スムーズな経路の確立が妨げられてしまう可能性がある。
また、QoS経路を確立するための試みが、いくつもの経路にわたって実行される必要があり、MNは、こうしたQoS経路の確立結果に基づいて、新たな接続ポイントへの移動を決定する場合がある。したがって、MNのNCoAは、QoS経路の確立後に生成される場合もあり、この場合には、プロキシが、MNの新たな接続ポイントとなり得る各接続ポイントにおけるMNのNCoAを取得することは困難である。
次に、従来の技術に係る第2の課題について説明する。NSISの現仕様では、フローIDがそのままパケットクラシファイア(packet classifier:パケット分類情報)として用いられるため、フローIDにデータパケットのヘッダ情報が含まれていなければならず、この制限が、MNのハンドオーバ時におけるスムーズなQoS経路変更を困難にしている。さらに、端末が1つのセッションに対し、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合(例えば、端末がマルチホーム状態の場合)や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合に、QoS経路の管理は非常に困難なものとなってしまう場合がある。
上記問題に鑑み、本発明は、移動端末がハンドオーバを行う際に、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることを第1の目的とする。
また、本発明では、端末が1つのセッションに対し、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合において、経路(特に、QoS経路)の管理を容易にすることを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の通信システムは、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な通信システムであって、
前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続し、前記第1アクセスルータが構成する第1サブネットで取得する第1アドレスを使用して通信を行う移動可能な移動端末と、
前記通信ネットワークに接続されており、前記移動端末の通信相手となる通信相手端末と、
前記移動端末が、前記複数のアクセスルータのうちの1つである第2アクセスルータに接続した場合に前記第2アクセスルータが構成する第2サブネットで取得する第2アドレスを使用せずに、前記第1アクセスルータに接続している前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路が確立された状態で、前記第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始することが可能な前記通信ネットワーク内に存在する通信ノードとを有している。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記第2アクセスルータの近隣に存在している。
この構成により、移動端末がハンドオーバ後に第2アクセスルータに接続した場合に、この第2アクセスルータの近隣に存在する通信ノードを経由した経路の設定が可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信し、前記トリガ情報に基づいて前記第2経路を確立する処理を開始するように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードは、この第2経路の確立処理に必要な情報や、その開始タイミングなどを把握することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記移動端末が、前記トリガ情報を前記通信ノードに送信するように構成されている。
この構成により、移動端末が、第2経路の確立開始処理を開始させる指示を行うとともに、第2経路の確立に必要な情報を、プロキシとして機能する通信ノードに送信することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、自ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立するように構成されている。
この構成により、移動端末のアドレスを用いずに、プロキシとして機能する通信ノードのアドレスを使用して、第2経路を確立することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードは、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始するように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、移動端末の新たなアドレスを取得した場合には、そのアドレスに基づく第3経路の確立が開始されるようになる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記第2経路の終端が前記通信ノード及び前記通信相手端末であり、前記通信相手端末が、前記移動端末にパケットを送信する際に前記通信ノードのアドレスをあて先アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記通信相手端末から前記移動端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、通信相手端末(CN)が、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記第2経路の終端が前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード及び前記通信相手端末の近隣に存在する相手側近隣通信ノードであり、前記相手側近隣通信ノードが、前記通信相手端末から前記移動端末へのパケットを転送する際に前記通信ノードのアドレスをあて先アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記通信相手端末から前記移動端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、通信相手端末(CN)の近隣に存在する相手側近隣通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。また、通信相手端末(CN)が、付加的サービス機能やカプセル化機能を実装していない場合でも、伝送されるパケットは付加的サービスを受けることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第1サブネットに接続している状態で使用されていた前記第1経路、及び前記通信ノードによって確立された前記第2経路が削除されるように構成されている。
この構成により、ハンドオーバ前の状態からハンドオーバ後の状態に移行する際に、余分な情報(無駄なリソース予約など)が残らないようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、自ノードと前記通信相手端末との間の経路上の中間通信ノードに、前記第2経路を確立する処理を行う際に送受信されるシグナリングメッセージのルーティングのためのステートを導入する処理を開始するように構成されている。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定のうち、シグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立処理を経路の一部に対して迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記中間通信ノードに対して、自ノードのアドレス及び前記通信相手端末のアドレスにより構成された識別情報を送信し、前記中間通信ノードが、前記識別情報を保持して、前記識別情報を有するシグナリングメッセージを特定するように構成されている。
この構成により、移動端末に対してハンドオーバ後に割り当てられるアドレスを取得する前に、プロキシとして機能する通信ノードは、通信相手端末との間におけるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立処理を開始することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードは、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた第2アドレスを取得した場合に、前記第2経路に係る付加的サービスを提供するための情報を含むシグナリングメッセージを送信し、前記中間通信ノードが、前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを使用して、前記シグナリングメッセージの伝送を行うように構成されている。
この構成により、移動端末のハンドオーバ後に割り当てられるアドレスを取得する前に確立されたシグナリングメッセージのルーティングのためのステートを利用して、付加的サービスを提供するための情報を含むシグナリングメッセージを伝送することが可能となり、新たな経路(特に、QoS経路)を迅速に確立することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記付加的サービスがQoS保証である場合に適用される。
また、上記目的を達成するため、本発明のリソース管理装置によれば、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な前記通信ネットワークに存在する通信ノード内のリソース管理装置であって、
前記経路において、付加的サービスを提供するためのリソースを確保するためのリソース確保手段と、
前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続している前記移動端末と、前記通信ネットワークに接続されており前記移動端末の通信相手となる通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信するトリガ受信手段と、
前記トリガ受信手段で前記トリガ情報を受信した場合、前記トリガ情報に基づいて、前記第1アクセスルータとは異なる第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始するメッセージを生成するメッセージ生成手段とを有している。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記メッセージには、前記移動端末の代理として経路設定を行う旨を示す情報が付加されている。
この構成により、上記のメッセージに係るリソース予約が、プロキシによるものであることを、経路上の各QNEに対して明示することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード内に配置されている。
この構成により、移動端末がハンドオーバ後に第2アクセスルータに接続した場合に、この第2アクセスルータの近隣に存在する通信ノードを経由した経路の設定が可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記トリガ情報に、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスが少なくとも含まれている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードは、この第2経路の確立処理に必要な情報や、その開始タイミングなどを把握することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末から前記トリガ情報を受信する。
この構成により、移動端末が、第2経路の確立開始処理を開始させる指示を行うとともに、第2経路の確立に必要な情報を、プロキシとして機能する通信ノードに送信することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記通信ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立するように構成されている。
この構成により、移動端末のアドレスを用いずに、プロキシとして機能する通信ノードのアドレスを使用して、第2経路を確立することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた前記第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始するように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、移動端末の新たなアドレスを取得した場合には、そのアドレスに基づく第3経路の確立が開始されるようになる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第2経路を削除するためのメッセージを送信するように構成されている。
この構成により、ハンドオーバ前の状態からハンドオーバ後の状態に移行する際に、余分な情報(無駄なリソース予約など)が残らないようにすることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記付加的サービスが、QoS保証である場合に適用可能である。
また、上記目的を達成するため、本発明のリソース管理方法は、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な前記通信ネットワークに存在する通信ノードで行われるリソース管理方法であって、
前記経路において、付加的サービスを提供するためのリソースを確保するためのリソース確保ステップと、
前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続している前記移動端末と、前記通信ネットワークに接続されており前記移動端末の通信相手となる通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信するトリガ受信ステップと、
前記トリガ受信ステップで前記トリガ情報を受信した場合、前記トリガ情報に基づいて、前記第1アクセスルータとは異なる第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始するメッセージを生成するメッセージ生成ステップとを有している。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記メッセージには、前記移動端末の代理として経路設定を行う旨を示す情報が付加されている。
この構成により、上記のメッセージに係るリソース予約が、プロキシによるものであることを、経路上の各QNEに対して明示することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード内に配置されている。
この構成により、移動端末がハンドオーバ後に第2アクセスルータに接続した場合に、この第2アクセスルータの近隣に存在する通信ノードを経由した経路の設定が可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記トリガ情報に、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスが少なくとも含まれている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードは、この第2経路の確立処理に必要な情報や、その開始タイミングなどを把握することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末から前記トリガ情報を受信する。
この構成により、移動端末が、第2経路の確立開始処理を開始させる指示を行うとともに、第2経路の確立に必要な情報を、プロキシとして機能する通信ノードに送信することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記通信ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立する。
この構成により、移動端末のアドレスを用いずに、プロキシとして機能する通信ノードのアドレスを使用して、第2経路を確立することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた前記第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始する。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、移動端末の新たなアドレスを取得した場合には、そのアドレスに基づく第3経路の確立が開始されるようになる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化ステップを有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化ステップにおいてカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるようにしている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第2経路を削除するためのメッセージを送信する。
この構成により、ハンドオーバ前の状態からハンドオーバ後の状態に移行する際に、余分な情報(無駄なリソース予約など)が残らないようにすることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記付加的サービスが、QoS保証である場合に適用される。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信管理装置は、シグナリングメッセージをルーティングする機能を有する第1ユニットと、提供する付加的サービスに関する情報を管理するための機能を有する第2ユニットとにより構成された通信プロトコルを使用して2つの通信ノード間で行われる通信において、前記2つの通信ノード間の経路上に存在し、前記2つの通信ノード間で伝送されるデータパケットに対して前記付加的サービスを提供する通信ノード内の通信管理装置であって、
前記第1ユニットが、前記2つの通信ノード間の経路の一部であって、自ノードを含んだ任意の両端点を有する前記経路の一部において伝送される前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを管理するステート管理手段を有し、
前記第2ユニットが、前記シグナリングメッセージによって伝送されるフィルタ情報であって、前記付加的サービスを提供する対象となるデータパケットを特定するための前記フィルタ情報を管理するフィルタ情報管理手段を有している。
この構成により、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、経路の管理を容易に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理装置は、上記の通信管理装置に加えて、前記ステートが、前記任意の両端点のアドレスを有し、前記フィルタ情報が、前記2つの通信ノードのアドレスを有している。
この構成により、シグナリングメッセージのルーティングのための情報、及び付加的サービスを提供するデータパケットを特定するための情報のそれぞれに関して、異なるアドレスが設定できるようになり、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理装置は、上記の通信管理装置に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。また、NSISにおいて、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信管理方法は、シグナリングメッセージをルーティングする機能を有する第1ユニットと、提供する付加的サービスに関する情報を管理するための機能を有する第2ユニットとにより構成された通信プロトコルを使用して2つの通信ノード間で行われる通信において、前記2つの通信ノード間の経路上に存在し、前記2つの通信ノード間で伝送されるデータパケットに対して前記付加的サービスを提供する通信ノードで行われる通信管理方法であって、
前記第1ユニットが、前記2つの通信ノード間の経路の一部であって、自ノードを含んだ任意の両端点を有する前記経路の一部において伝送される前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを管理するステート管理ステップと、
前記第2ユニットが、前記シグナリングメッセージによって伝送されるフィルタ情報であって、前記付加的サービスを提供する対象となるデータパケットを特定するための前記フィルタ情報を管理するフィルタ情報管理ステップとを有している。
この構成により、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、経路の管理を容易に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記ステートが、前記任意の両端点のアドレスを有し、前記フィルタ情報が、前記2つの通信ノードのアドレスを有している。
この構成により、シグナリングメッセージのルーティングのための情報、及び付加的サービスを提供するデータパケットを特定するための情報のそれぞれに関して、異なるアドレスが設定できるようになり、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。また、NSISにおいて、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1及び第2ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層の任意の機能が参照可能なNSLP共通部に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層の特定の機能部に配置されていて、前記特定の機能部から前記NSLP層の任意の機能部に、前記フィルタ情報の一部又は全部が渡されるように構成されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、移動端末がハンドオーバ後に接続するサブネットにおいて使用するアドレス(NCoA)を用いずに、ハンドオーバ後の移動端末が送信元又はあて先に設定されたパケットに対して、付加的サービス(特に、QoS)を提供することによって、移動端末のNCoAの生成タイミングや取得機構などに影響されない、スムーズな経路(特に、QoS経路)の確立が実現可能となる。
また、本発明は、上記の構成を有しており、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することにより、移動端末のNCoAの生成タイミングや取得機構などに影響されない、スムーズな経路(特に、QoS経路)の確立が実現可能となるとともに、さらには、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合においても、経路(特に、QoS経路)の管理を容易にすることを可能にする。
本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図 本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図 本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図 本発明の第1の実施の形態におけるQNEの一構成例を示す図 本発明の第1の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャート 本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図 本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図 本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図 本発明の第2の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャート 従来の技術におけるNSISのプロトコル構成を説明するための模式図 従来の技術におけるNSISのノードであるNEやQNEが「隣り合う」という概念を説明するための模式図 本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS予約の状態及びルーティングのためのステート内に含まれるフローIDの状態を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路上にルーティングのためのステートを確立した状態を、この中に含まれるフローIDを示すことにより模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がdownlink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の第3の実施の形態において、QNE内でフィルタ情報及びフローIDを管理する主体を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態において、データ経路上にNATFWが存在しており、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャート
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第3の実施の形態について説明する。なお、まず、本発明の第1の実施の形態では、データの流れ方向が、移動を行うMNから、その通信相手であるCNに向かう方向(以下、uplink方向と呼ぶ)の場合について説明を行い、続いて、本発明の第2の実施の形態では、データの流れ方向が、CNからMNに向かう方向(以下、downlink方向と呼ぶ)の場合について説明を行う。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず、図1〜3を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る概要について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図である。また、図3は、本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図である。
図1〜3には、無線通信によりAR(Access Router)に接続してCN121との通信を行うMN101と、MN101の通信相手となるCN121と、サブネット103を形成するAR105と、サブネット107を形成するAR109と、MN101とCN121との間における経路上に存在し、MN101とCN121との間で伝送されるパケットに関してQoS保証を行うQoS認識機能(QoS−aware)を有するQNE111、113、115、117、119、123、125とが図示されている。
なお、MN101がサブネット103に存在している場合(すなわち、MN101がAR105に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路127上には、AR105、QNE111、QNE113、QNE115、QNE117、QNE119が存在しており、MN101がサブネット107に存在している場合(すなわち、MN101がAR109に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路129上には、AR109、QNE123、QNE125、QNE115、QNE117、QNE119が存在しているものとする。なお、経路127と経路129とは一部が重複しており、経路127と経路129とのCRN(Crossover Node:クロスオーバノード)をQNE115とする。
図1において、MN101からCN121に送信されるデータパケットは、経路127を経由して伝送される。このとき、経路127上のすべてのQNE111、113、115、117、119は、MN101からCN121に送信されるデータパケットに関するQoSステートを有している。すなわち、各QNE111、113、115、117、119は、少なくとも送信元アドレス(source address)及びあて先アドレス(destination address)の情報を含む識別情報(この情報をフィルタ情報(filter)と呼ぶ)と、このフィルタ情報に対応するリソース予約情報(resource)とが関連付けているQoSステートを保持しており、MN101からCN121に送信されるデータパケットのヘッダ(特に、送信元アドレス及びあて先アドレス)を参照してフィルタ情報を特定し、対応するリソース予約情報に基づくQoS保証を行うように構成されている。なお、上述した非特許文献4、6、7などの現在のフローIDは、データパケットの送信元アドレス及びあて先アドレスを含む情報により構成されていると記載されており、このフローIDを上記のフィルタ情報として利用することも可能である。また、フィルタ情報は、フローIDとは異なる情報であってもよい。
なお、図1に図示されているように、経路127のフィルタ情報(MN101がサブネット103から割り当てられているIPアドレス(cCoA:current Care−of Address)が送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているフィルタ情報)をfilterAとし、filterAに対応するリソース予約情報をresourceAとする。
MN101は、サブネット107に移動する可能性があり、プロキシ123に対して予測経路(経路129)、又は予測経路の一部の確立を所望している。なお、MN101がサブネット107に移動する前に、プロキシ123によって予測経路、又は予測経路の一部が確立されることで、MN101が実際にサブネット107に移動した後に、より迅速にMN101からCN121へのQoS経路が確立され、ハンドオーバによるQoS保証の中断時間を短縮することが可能となる。
QNE(プロキシ)123が予測経路を確立するための何らかのトリガを受けた場合には、QNE(プロキシ)123とCRN(ここではQNE115)との間でQoS経路が確立される。この新たな経路が確立された場合には、QNE(プロキシ)123や、QNE(プロキシ)123とQNE115との間の各中間QNE(例えば、QNE125)は、新たなQoSステートを有することになる。すなわち、図2に図示されているように、QNE(プロキシ)123やQNE125では、QNE(プロキシ)123のIPアドレスが送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているフィルタ情報(flterB)に対して、filterAと同一のリソース予約情報であるresourceAが設定される。
一方、QNE115とCN121との間の経路上のQNEに関しては、新たなフィルタ情報(上記のfilterB)が、現在のフィルタ情報(filterA)に追加される。これにより、図2に図示されているように、QNE115や、QNE115とCN121との間の各中間QNE(例えば、QNE117、119)は、filterA及びfilterBに対してresourceAが設定されたQoSステートを有することになり、flterBによって定義されるデータトラフィックには、filterAによって定義されるデータトラフィックのために予約されたresourceAが使用可能となる。なお、例えば、同一セッションIDを有する2つのフィルタ情報(filterA及びfilterB)によりどちらか一方が削除されてしまうなど、従来行われている処理によって本発明に係る動作に不具合が生じる可能性があるため、例えば、filterBに係るRESERVEメッセージには、プロキシによるQoS経路の確立であることを示す特別なフラグ(「プロキシフラグ」)が付加されることが望ましい。
以上のように、MN101がサブネット107への移動を行う前に(あるいは、MN101のサブネット107への移動とは無関係に)、QNE(プロキシ)123は、MN101のNCoA(MN101がサブネット107に移動した後に割り当てられる新たなCoA)を用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路の一部(QNE(プロキシ)123からCN121までの経路)に係るリソース予約を行うことが可能となる(図2に図示されている状態)。
そして、MN101がNCoAを取得した場合(実際にサブネット107に移動してNCoAを取得するか、あるいはサブネット103に接続した状態でNCoAを取得した場合)には、図3に図示されているように、経路129上の各中間QNE(QNE123、125、115、117、119)において、MN101のNCoAが送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれている新たなフィルタ情報(filterC)がfilterA又はfilterBに追加されることによって、QoS経路の更新が行われる。なお、MN101がサブネット107に移動した場合には、filterAに関しては、能動的(削除を指示するメッセージの送信などによる)又は受動的(タイムアウトなどによる)に削除されることが望ましい。また、フローIDとは異なる情報としてフィルタ情報が存在する場合には、フローIDは、データパケットの送信元アドレス/あて先アドレスに依存するものでなくてもよい。例えば、図3でプロキシ123がfilterCに関するリソース予約を行う際、経路129全体に使われるフローIDは「送信元=QNE(プロキシ)123、あて先=CN121」を含んでいてもよく、またMN101からQNE(プロキシ)123までの経路に関しては「送信元=QNE(プロキシ)123、あて先=MN101」を含むフローID、QNE(プロキシ)123からCN121までの経路に関しては「送信元=QNE(プロキシ)123、あて先=CN121」を含むフローIDをそれぞれ用いて、2つの経路として扱ってもよい。
例えば、MN101がサブネット107に移動してNCoAを取得した後に、NCoAに関するQoS経路の更新が完了(filterCに関するリソース予約が完了)する前までは、MN101からCN121あてに送信されるデータパケットは、QNE(プロキシ)123によって、filterBの情報を含むアウタヘッダ(送信元アドレスをQNE(プロキシ)123のIPアドレスとし、あて先アドレスをCN121のIPアドレスとするヘッダ)が付加されて、カプセル化される。このカプセル化されたデータパケットはfilterBによって識別され、各中間QNEにおいて、resourceAに基づくQoS保証が行われて伝送され、filterBによって識別される経路の最終QNEによって脱カプセル化される。なお、この最終QNEはCN121であることが望ましいが、CN121がQNEではない場合には、その他のQNE(例えば、経路上において、CN121の最も近くに存在するQNE119)であってもよい。
最終QNEは、filterBで特定されるヘッダを持つパケットが到達した際には、脱カプセル化を行ってインナパケットを取り出す。CN121が最終QNEの場合にはそのインナパケットを取得し、QNE119が最終QNEの場合にはそのインナパケットをCN121に向けて転送する。なお、経路全体にわたってQoS予約が行われるようにするための方法としては、例えばIPv4最小カプセル化など、上述のパケットのカプセル化方法以外にも存在することは、当業者にとって明白であり、任意のパケットのカプセル化方法を本発明に適用することが可能である。また、本発明は、他の種類のカプセル化やトンネリング機構においても良好に動作する。
このように、MN101のNCoAが設定されているfilterCに関するリソース予約が完了するまでは、データパケットのカプセル化が行われ、QNE(プロキシ)123のIPアドレスが送信元アドレスとして設定されているfilterBによって、カプセル化されたデータパケットのQoS保証が行われるように構成されており、MN101のNCoAを用いてリソース予約が行われるまでのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
また、filterCのQoSの更新に成功した後(すなわち、filterCが経路129上のすべてのQNEに導入された後)は、QNE(プロキシ)123は、filterBのデータパケットの生成(filterAのデータパケットのカプセル化)を終了する。そして、filterAやfilterBは能動的又は受動的に削除され、最終的にfilterCに関するQoSステートのみが残り、サブネット107に接続しているMN101からCN121への経路129において、MN101からCN121へのデータパケットに対するQoS保証が行われる。
次に、図4を参照しながら、本発明の第1の実施の形態におけるQNEの構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態におけるQNEの一構成例を示す図である。図4に示すQNEは、受信手段11、送信手段13、トリガ検出手段15、メッセージ生成・処理手段17、フィルタリング手段19、カプセル化/脱カプセル化手段21、QoS情報格納手段23を有している。
受信手段11及び送信手段13は、パケットの受信及びパケットの送信を行うための手段である。また、トリガ検出手段15は、例えばMN101から受信する、予測経路を確立するための何らかのトリガに係る処理を行うための手段である。なお、受信したトリガ情報は、例えば、フィルタ情報ごとに関連付けられてQoS情報格納手段23に格納される。また、トリガ検出手段15からメッセージ生成・処理手段17に対して、トリガ情報の受信イベントが発生した旨を示す情報や、トリガ情報自体が供給される。
また、メッセージ生成・処理手段17は、トリガ情報に含まれるMN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションIDや、QSpec情報や、CN121のIPアドレスなどの情報に基づいて、データ経路上の各通信ノードの調査や、実際のリソース予約などを行うためのメッセージを生成するための手段である。また、他の通信ノードから受信したメッセージに関しても、このメッセージ生成・処理手段17において処理が行われ、リソース予約などを行うための情報(セッションIDやフィルタ情報、QSpecなどの情報)は、QoS情報格納手段23に格納される。
また、フィルタリング手段19は、受信パケットのヘッダ(特に、フィルタ情報に対応するパケットの送信元アドレス及びあて先アドレス)を参照して、受信パケットに対して、QoS情報格納手段23に格納されているQoS情報(QoSステート)に基づくパケットのフィルタリングを行う手段であり、このフィルタリングによって、各パケットに対するリソースが確保されるように構成されている。また、カプセル化/脱カプセル化手段21は、必要に応じて、送信パケットのカプセル化や、受信パケットの脱カプセル化を行う手段である。
なお、後述の具体例(図5のシーケンスチャートを参照)から分かるように、トリガ検出手段15はQNE123においてのみ必要であり、その他のQNEには実装されている必要はない。また、カプセル化/脱カプセル化手段21は、例えば、QNE123にカプセル化手段、CN121に脱カプセル化手段がそれぞれ実装されていればよく、その他のQNEには、カプセル化/脱カプセル化手段21が特に実装される必要はない。
次に、図5を参照しながら、本発明の第1の実施の形態における動作について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは具体例として、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるQUERYメッセージやRESERVEメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。
図5において、まず、QNE(プロキシ)123は、予測経路を確立するためのトリガを受け取る(ステップS201)。なお、このトリガには、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、QSpec情報、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR(QoS NSIS Responder))のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。また、QNE(プロキシ)123が受信するトリガの送信元は任意のQNEであってよいが、移動を行う可能性のあるMN101や、その通信相手ノードであるCN121、MN101やCN121からの要求に応じて、MN101やCN121の代理として機能するQNEが送信元となることが好適である。なお、この場合、MN101やCN121、代理となるQNEは、トリガのあて先に使用するQNE(プロキシ)123のIPアドレスを把握する必要があるが、この把握方法は、特に限定されるものではない。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、即座に、このトリガに対応したQUERYメッセージをCN121に向かって送信する(ステップS203)。このQUERYメッセージには、例えば、セッションIDとQSpec情報とが含まれている。QUERYメッセージは、経路129上においてQNE(プロキシ)123に隣接するQNE125に到達する。QNE125は、このQUERYメッセージに基づいて通常のQUERY処理(例えば、QUERYメッセージに含まれているセッションIDのリソース予約状況の確認処理など)を行うとともに、次の隣接するQNE(QNE115)にQUERYメッセージを送信する(ステップS205)。QNE115は、QUERYメッセージを受信すると、QUERYメッセージ内のセッションIDや、隣接するQNEの変化を検出するための情報として使われるSII(Source Identification Information)を比較することによって、自身がCRNであることを認識する(ステップS207)。
QNE115は、新たな予約を行うために、「プロキシフラグ」が付加された受信者始動RESERVEメッセージ(receiver−initiated RESERVE message)をQNE123に送信する(ステップS209)。この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてQNE(プロキシ)123のIPアドレスが含まれている(図2のfilterBに対応)。なお、ステップS209においてQNE115から送信されたRESERVEメッセージは、QNE123まで伝送され(ステップS211)、各QNE(QNE123、125)において、RESERVEメッセージに含まれているフィルタ情報やQSpecに基づいて、フィルタ/リソースの組が生成されて予約が行われる。なお、QNE115においても同様に、フィルタ/リソース(図2のfilterB/resourceA)の組が生成されて予約が行われる。
また、ステップS209における受信者始動RESERVEメッセージの送信と同時に、QNE115は「プロキシフラグ」が付加された送信者主導のRESERVEメッセージ(sender−initiated RESERVE message:図5ではRESERVE(add)と記載)をCN121に送信する(ステップS213)。この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてQNE(プロキシ)123のIPアドレスが含まれている(図2のfilterBに対応)。ステップS213においてQNE115から送信されたRESERVEメッセージは、CN121まで伝送され(ステップS213、S215、S217)、各QNE(QNE117、119)において、このフィルタ情報が、MN101からCN121へのデータパケットに現在使用されている現在のフィルタ/リソース(図1のfilterA/resourceA)の組に追加される。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS219)。QNE(プロキシ)123はMN101の移動を検出し、MN101のNCoAを取得した場合(ステップS221)には、受信者始動RESERVEメッセージをMN101に送信する(ステップS223)。このRESERVEメッセージに関するフィルタ情報には、送信元アドレスとしてMN101のNCoAが含まれている。
また、QNE(プロキシ)123は、CN121あてのデータパケットをMN101から受信した場合には、送信元アドレスがQNE(プロキシ)123のアドレスに設定されたアウタヘッダ(あて先アドレスは、CN121のアドレス)を付加することによって、MN101からのデータパケットのカプセル化を開始する(ステップS225)。カプセル化されたデータパケットは、その送信元アドレスがQNE(プロキシ)123であり、経路129上の各QNEでは、filterBのフィルタ情報に係るQoS処理が行われ、その結果、QoS保証を受けることになる。
一方、QNE(プロキシ)123は、サブネット107への移動後のMN101(すなわち、MN101のNCoA)に関する予約を行うために、送信者主導のRESERVEメッセージ(図5ではRESERVE(add)と記載)をCN121に送信する(ステップS227)。この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてMN101のIPアドレスが含まれている。そして、各QNE(QNE125、115、117、119)を経由してRESERVEメッセージは伝送されるとともに(ステップS229、S231、S233、S235)、各QNEにおいて、このRESERVEメッセージに含まれるフィルタ情報(図3のfilterC)が、以前に付加又は生成されたフィルタ情報(図2のfilterB)に付加される。
RESERVEメッセージを受けたCN121は、即座にRESPONSEメッセージをQNE123に向けて送信する(ステップS237)。このRESPONSEメッセージは、各QNE(119、117、115、125)を経由してQNE(プロキシ)123に到達する(ステップS239、241、243、245)。このRESPONSEメッセージの受信によって、QNE(プロキシ)123はMN101のNCoAに係るQoS経路が確立された旨を認識し、QNE(プロキシ)123は、データパケットのカプセル化を終了する(ステップS247)。
さらに、QNE123は、ステップS209〜S217で導入されたQNE(プロキシ)123を送信元アドレスとするフィルタ情報(図2のfilterB)を削除するために、送信者主導のRESERVEメッセージ(図5ではRESERVE(remove)と記載)をCN121に送信する(ステップS249、S251、S253、S255、S257)。なお、必ずしもRESERVEメッセージによるフィルタ情報の削除を行う必要はなく、このフィルタ情報は、タイマのタイムアウトによって削除されてもよい。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路(MN101からCN121までの経路)の一部(QNE(プロキシ)123からCN121までの経路)に係るリソース予約を行い、MN101からCN121までの完全な経路が確立されるまでは、QNE(プロキシ)123が確立した経路及びQoSステートによってデータパケットが行われることで、MN101がサブネット103からサブネット107に接続を変更した場合において、MN101からCN121に送られるデータパケットのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。まず、図6〜8を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る概要について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図である。また、図7は、本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図である。また、図8は、本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図である。
図6〜8には、図1〜3と同様に、無線通信によりARに接続してCN121との通信を行うMN101と、MN101の通信相手となるCN121と、サブネット103を形成するAR105と、サブネット107を形成するAR109と、MN101とCN121との間における経路上に存在し、MN101とCN121との間で伝送されるパケットに関してQoS保証を行うQoS認識機能(QoS−aware)を有するQNE111、113、115、117、119、123、125とが図示されている。
なお、MN101がサブネット103に存在している場合(すなわち、MN101がAR105に接続している場合)、CN121からMN101へのdownlink方向の経路137上には、QNE119、QNE117、QNE115、QNE113、QNE111、AR105が存在しており、MN101がサブネット107に存在している場合(すなわち、MN101がAR109に接続している場合)、CN121からMN101へのdownlink方向の経路139上には、QNE119、QNE117、QNE115、QNE125、QNE123、AR109が存在しているものとする。なお、経路137と経路139とは一部が重複しており、経路137と経路139とのCRNをQNE115とする。
図6において、CN121からMN101に送信されるデータパケットは、経路137を経由して伝送される。このとき、経路137上のすべてのQNE111、113、115、117、119は、CN121からMN101に送信されるデータパケットに関するQoSステートを有している。すなわち、各QNE111、113、115、117、119は、経路137のフィルタ情報(CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているとともに、MN101がサブネット103から割り当てられているIPアドレス(cCoA)があて先アドレスとして含まれているフィルタ情報)であるfilterDと、このfilterDに対応するリソース予約情報であるresourceDとが関連付けられているQoSステートを保持しており、CN121からMN101に送信されるデータパケットのヘッダ(特に、送信元アドレス及びあて先アドレス)を参照してフィルタ情報(filterD)を特定し、対応するリソース予約情報(resourceD)に基づくQoS保証を行うように構成されている。
MN101は、サブネット107に移動する可能性があり、プロキシ123に対して予測経路(経路139)、又は予測経路の一部の確立を所望している。なお、MN101がサブネット107に移動する前に、プロキシ123によって予測経路、又は予測経路の一部が確立されることで、MN101が実際にサブネット107に移動した後に、より迅速にCN121からMN101へのQoS経路が確立され、ハンドオーバによるQoS保証の中断時間を短縮することが可能となる。
QNE(プロキシ)123が予測経路を確立するための何らかのトリガを受けた場合には、QNE(プロキシ)123とCRN(ここではQNE115)との間でQoS経路が確立される。この新たな経路が確立された場合には、QNE(プロキシ)123や、QNE(プロキシ)123とQNE115との間の各中間QNE(例えば、QNE125)は、新たなQoSステートを有することになる。すなわち、図7に図示されているように、QNE(プロキシ)123やQNE125では、CNのIPアドレスが送信元アドレスとして含まれているとともに、QNE(プロキシ)123のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているフィルタ情報(filterE)に対して、filterDと同一のリソース予約情報であるresourceDが設定される。
一方、QNE115とCN121との間の経路上のQNEに関しては、新たなフィルタ情報(上記のfilterE)が現在のフィルタ情報(filterD)に追加される。これにより、図7に図示されているように、QNE115や、QNE115とCN121との間の各中間QNE(例えば、QNE117、119)は、filterD及びfilterEに対してresourceDが設定されたQoSステートを有することになり、filterEによって定義されるデータトラフィックには、filterDによって定義されるデータトラフィックのために予約されたresourceDが使用可能となる。
以上のように、MN101がサブネット107への移動を行う前に(あるいは、MN101のサブネット107への移動とは無関係に)、QNE(プロキシ)123は、MN101のNCoA(MN101がサブネット107に移動した後に割り当てられる新たなCoA)を用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路の一部(CN121からQNE(プロキシ)123までの経路)に係るリソース予約を行うことが可能となる(図7に図示されている状態)。
そして、MN101がNCoAを取得した場合(実際にサブネット107に移動してNCoAを取得するか、あるいはサブネット103に接続した状態でNCoAを取得した場合)には、図8に図示されているように、経路139上の各中間QNE(QNE123、125、115、117、119)において、MN101のNCoAが送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれている新たなフィルタ情報(filterF)がfilterD又はfilterEに追加されることによって、QoS経路の更新が行われる。なお、MN101がサブネット107に移動した場合には、filterDに関しては、能動的又は受動的に削除されることが望ましい。また、フローIDとは異なる情報としてフィルタ情報が存在する場合には、フローIDは、データパケットの送信元アドレス/あて先アドレスに依存するものでなくてもよい。
例えば、MN101がサブネット107に移動してNCoAを取得した後に、NCoAに関するQoS経路の更新が完了(filterFに関するリソース予約が完了)する前までは、CN121からMN101あてに送信されるデータパケットは、filterEの情報を含むアウタヘッダ(送信元アドレスをCN121のIPアドレスとし、あて先アドレスをQNE(プロキシ)123のIPアドレスとするヘッダ)が付加されて、カプセル化される。このカプセル化されたデータパケットはfilterEによって識別され、各中間QNEにおいて、resourceDに基づくQoS保証が行われて伝送され、QNE(プロキシ)123によって脱カプセル化される。なお、CN121がQNEの場合には、CN121からMN101あてに送信されるデータパケットのカプセル化はCN121で行われることが望ましいが、その他のQNE(例えば、経路上において、CN121の最も近くに存在するQNE119)でカプセル化が行われてもよい。
QNE(プロキシ)123は、filterEで特定されるヘッダを持つパケットが到達した際には、脱カプセル化を行ってインナパケットを取り出し、そのインナパケットをMN101に転送する。なお、経路全体にわたってQoS予約が行われるようにするための方法としては、例えばIPv4最小カプセル化など、上述のパケットのカプセル化方法以外にも存在することは、当業者にとって明白であり、任意のパケットのカプセル化方法を本発明に適用することが可能である。また、本発明は、他の種類のカプセル化やトンネリング機構においても良好に動作する。
このように、MN101のNCoAが設定されているfilterFに関するリソース予約が完了するまでは、データパケットのカプセル化が行われ、QNE(プロキシ)123のIPアドレスがあて先アドレスとして設定されているfilterEによって、カプセル化されたデータパケットのQoS保証が行われるように構成されており、MN101のNCoAを用いてリソース予約が行われるまでのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
また、filterFのQoSの更新に成功した後(すなわち、filterFが経路139上のすべてのQNEに導入された後)は、CN121は、filterEのデータパケットの生成(filterDのデータパケットのカプセル化)を終了する。そして、filterDやfilterEは能動的又は受動的に削除され、最終的にfilterFに関するQoSステートのみが残り、CN121からサブネット107に接続しているMN101への経路139において、CN121からMN101へのデータパケットに対するQoS保証が行われる。
次に、本発明の第2の実施の形態における動作について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは具体例として、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるRESERVEメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。また、本発明の第2の実施の形態におけるQNEの構成は、上述の本発明の第1の実施の形態におけるQNEの構成(図4参照)と同一であり、ここでは説明を省略する。
図9において、QNE(プロキシ)123は、CN121から、サブネット103に接続しているMN101のデータ経路情報(例えば、リソース稼働率など)を取得するとともに、downlink方向のCRN(ここでは、QNE115)をあらかじめ特定する(ステップS301)。なお、例えば、QNE(プロキシ)123は、上述の非特許文献9、10などに記載されている方法を使用することによって、これらの情報を取得することが可能である。
そして、QNE(プロキシ)123は、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、予測経路を確立するための何らかのトリガを受け取る(ステップS303)。なお、このトリガには、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、QSpec情報、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR)のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、このトリガに応じて、即座に「プロキシフラグ」が付加された受信者始動RESERVEメッセージをCN121に向かって送信する(ステップS305)。なお、この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてCN121のIPアドレス、あて先アドレスとしてQNE(プロキシ)123のIPアドレスが含まれている(図7のfilterE)。また、QNE(プロキシ)123は、このフィルタ情報に対応したフィルタ/リソース(図7のfilterE/resourceD)の組を生成して新たな予約を行う。また、ステップS307でQNE123からRESERVEメッセージを受けたQNE125も同様に、このフィルタ情報に対応したフィルタ/リソース(図7のfilterE/resourceD)の組を生成して新たな予約を行う。
一方、QNE117、QNE119、CN121(CN121がQNEの場合)では、RESERVEメッセージ(図9では、RESERVE(add)と記載)の伝送が行われる(ステップS309、S311、S313)とともに、このRESERVEメッセージに含まれているフィルタ情報(図7のfilterE)が、CN121からMN101へのデータパケットに現在使用されている現在のフィルタ/リソース(図6のfilterD/resourceD)の組に追加される。以上の動作により、各QNEには、図7に図示されているリソース予約情報が設定される。
なお、このQNE(プロキシ)123から送信されるRESERVEメッセージには、CRN(QNE115)以降の経路において上記のようなフィルタ情報の追加処理を行う旨を示す情報が含まれており、QNE115が、この情報を参照して上流のQNE(QNE117)に対して追加処理を指示するRESERVEメッセージを送信してもよい。また、QNE115は、RESERVEメッセージを受信した下流のQNE(QNE125)が、同一セッションに属する経路137とは異なる方向に存在していることから、自らがCRNであることを把握してもよい。また、各QNEは、リソース予約情報に、受信したRESERVEメッセージのフィルタ情報が属するセッションと同一セッションの他の経路(他のフィルタ情報)を保持している場合には、元々保持しているフィルタ情報に、RESERVEメッセージのフィルタ情報を追加するように構成されていてもよい。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS315)。QNE(プロキシ)123はMN101の移動を検出し、MN101のNCoAを取得した場合(ステップS321)には、送信者主導のRESERVEメッセージをMN101に送信する(ステップS323)。このRESERVEメッセージに関するフィルタ情報には、送信元アドレスとしてCN121のアドレスが含まれており、あて先アドレスとしてMN101のNCoAが含まれている。
一方、CN121も、例えばMN101からのBUによって、MN101の移動を検出して、MN101のNCoAを取得する(ステップS317)。そして、CN121は、MN101へのデータパケットのカプセル化を開始する(ステップS319)。このカプセル化では、CN121は、MN101のNCoAをあて先アドレスとするパケットに、あて先アドレスがQNE(プロキシ)123のアドレスに設定されたアウタヘッダを付加したパケットを生成して送信する。カプセル化されたデータパケットは、そのあて先アドレスがQNE(プロキシ)123であり、経路129上の各QNEでは、filterEのフィルタ情報に係るQoS処理が行われ、その結果、QoS保証を受けることになる。
ステップS323でRESERVEメッセージを送信した後、QNE(プロキシ)123は、受信者始動RESERVEメッセージ(図9では、RESERVE(add)と記載)をCN121に送信する(ステップS325)。この予約におけるフィルタ情報には、あて先アドレスとしてMN101のIPアドレスが含まれている。そして、各QNE(QNE125、115、117、119)を経由してRESERVEメッセージは伝送されるとともに(ステップS327、S329、S331、S333)、各QNEにおいて、このRESERVEメッセージに含まれるフィルタ情報(図8のfilterF)が、以前に付加又は生成されたフィルタ情報(図7のfilterE)に付加される。以上の動作により、各QNEには、図8に図示されているリソース予約情報が設定される。そして、CN121は、このRESERVEメッセージを受信した場合に、データパケットのカプセル化を終了する(ステップS335)。
そして、CN121は、ステップS305〜S313で導入されたQNE(プロキシ)123をあて先アドレスとするフィルタ情報(図7のfilterE)を削除するために、送信者主導のRESERVEメッセージ(図9ではRESERVE(remove)と記載)をQNE(プロキシ)123に送信する(ステップS337、S339、S341、S343、S345)。なお、必ずしもRESERVEメッセージによるフィルタ情報の削除を行う必要はなく、このフィルタ情報は、タイマのタイムアウトによって削除されてもよい。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路(CN121からMN101までの経路)の一部(CN121からQNE(プロキシ)123までの経路)に係るリソース予約を行い、CN121からMN101までの完全な経路が確立されるまでは、QNE(プロキシ)123が確立した経路及びQoSステートによってデータパケットが行われることで、MN101がサブネット103からサブネット107に接続を変更した場合において、CN121からMN101に送られるデータパケットのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上述の説明ではフィルタ情報(filter)及びフローIDに明確な違いがなされていないが、以下、それぞれを明確に定義した場合の各QNEの機能や、シグナリングメッセージの処理などについて説明する。
まず、本発明の第3の実施の形態におけるフィルタ情報について説明する。本発明の第3の実施の形態では、フィルタ情報を、各QNEがパケットクラシファイア(packet classifier)として使用する情報として定義する。フィルタ情報は、RSVPにおけるフィルタスペック(filter spec)と同様に、QoS予約を行うためのシグナリングメッセージのパラメータとして各QNEに運ばれる。すなわち、NSISでは、フィルタ情報は、主にNSLPにて生成され、管理される情報となる。各QNEは、このフィルタ情報を、要求されているQoSリソースの情報と共に格納することにより、どのデータパケットに対して予約されたQoSリソースを与えるかの区別を行う。そのため、フィルタ情報には、予約されたQoSの保証を受けるデータパケットのヘッダ情報が含まれる。すなわち、フィルタ情報に含まれる情報の例としては、RSVPにおけるフィルタスペックと同様に、送信元・あて先IPアドレスや、プロトコル識別子、ポート番号、フローラベル(IPv6の場合)、SPI(Security Parameters Index)(IPSecでカプセル化されている場合)、DSCP/TOS(Differentiated Services Code Point/Type of Service)フィールドなどである。
また、フィルタ情報は、1つのQoS予約に対してフィルタリスト(filter−list)の形を取ってもよい。この場合、1つのQoS予約に対して、QNEは、フィルタリスト内のどのフィルタ情報と同じ内容のヘッダを持つデータパケットを受けた場合でも、予約されているリソースを与えることが可能となる。
フィルタリストは、このリストがどのフローやセッションに属するものかを表す識別子(例えば、フローIDや、セッションIDなど)と共に管理されてもよい。また、同一セッションに属するデータパケットが異なる性質を持つ複数の経路(例えば、モバイルIPにおける三角経路と最適化経路や、マルチホーム端末を使った通信における複数の経路など)を用いて送受信される場合には、フローIDやセッションIDのほかに、これらの複数の経路の種別を識別する識別子(例えば、Path Type ID(非特許文献12参照)など)と共に管理されてもよい。
以下に、フィルタリストの管理方法の一例について説明する。QoS予約を行うためのシグナリングメッセージ(例えば、NSISのRESERVEメッセージなど)により運ばれるフィルタリストの与え方の例として、
Filter−List::=〈List Length〉〈Action〉〈Filter〉〈Filter〉・・・;
などが考えられる。ここで、フィルタリストは、〈List Length〉、〈Action〉、及び複数のフィルタ情報(〈Filter〉)を有している。なお、〈List Length〉では、フィルタリストに含まれるフィルタ情報の個数(すなわち、〈Filter〉の個数)が示される。また、〈Action〉では、各QNEでこのフィルタリストをどのように扱うかを指定する情報が示される。例えば、〈Action〉に含まれる情報としては、「追加(add)」、「削除(sub)」、「置き換え(Replace)」などが考えられる。例えば、〈Action〉が「追加(Add)」の場合には、そのQNE上に同一セッションID及びPath Type ID(存在する場合)に対応する既存のフィルタリストが存在する場合には、そのリストに後続のフィルタ情報〈Filter〉が追加され、存在しない場合には、新たにフィルタリストが作られ、それに対応するリソースが予約される。また、例えば、〈Action〉が「削除(sub)」の場合には、同一セッションID及びPath Type ID(存在する場合)に対応する既存のフィルタリストから、後続のフィルタ情報〈Filter〉だけが削除される。また、例えば、〈Action〉が「置き換え(Replace)」の場合には、QNE上の同一セッションID及びPath Type ID(存在する場合)に対応する既存のフィルタリストそのものが置き換えられる。
また、例えば、
Filter−List::=〈List Length〉〈Action〉〈Filter〉〈Filter〉・・・〈List Length〉〈Action〉〈Filter〉〈Filter〉・・・;
という形式を取ることにより、1つのフィルタリストによって、フィルタ情報に係る複数の変更動作を一度に行えるようにすることも可能である。例えば、あるQNEが、セッションID“300”、Path Type ID“0x00”に対し、3つのフィルタ情報(〈filter1〉、〈filter2〉、〈filter3〉)を含むフィルタリスト
Filter−list:=〈filter1〉〈filter2〉〈filter3〉;
を格納していた場合、同一セッションID及びPath Type IDを持つRESERVEメッセージを受信し、その中に含まれるフィルタ情報が
Filter−List::=〈2〉〈add〉〈Filter4〉〈Filter5〉〈1〉〈sub〉〈Filter1〉;
であった場合には、このQNEに格納されるフィルタリストは、
Filter−list:=〈Filter2〉〈Filter3〉〈Filter4〉〈Filter5〉;
に更新される。なお、上記のフィルタリストの形式は一例であり、QoS予約を行うためのシグナリングメッセージにおいて、フィルタ情報及びそのフィルタ情報に対して行う処理(action)の情報が明確にできるのであれば、他の形式を取ることや、他の情報を持つことも可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるフローIDについて説明する。本発明の第3の実施の形態では、フローIDは、主にNSISの下位層であるNTLPで管理され、NTLPにおいて、シグナリングメッセージがどのフローに属するかを識別するために使われる。フローIDとセッションIDとの違いは、セッションIDはセッションの開始から終了まで変化しないIDであるのに対し、フローIDは、例えば端末の移動などによる経路変更により、変化してもよいという点にある。また、1つのセッションに対し、複数のフローIDが存在してもよい。なお、本発明の第3の実施の形態におけるフローIDは、非特許文献11Aでは、MRI(Message Routing Information)として位置付けられているものであるが、含まれる情報はこの通りではない。本発明の第3の実施の形態におけるフローIDの一例としては、シグナリングメッセージの送信元とあて先のIPアドレスを含む情報が考えられる。なお、この場合、本発明の第3の実施の形態におけるフローIDには、非特許文献11Aで記されているフローIDのように必ずしもプロトコル識別子、ポート番号などのフィルタ情報が持つ情報が含まれる必要はない。また、データの送信元・あて先と、シグナリングメッセージの送信元・あて先が異なる場合や、送信元・あて先が同じであっても、ポート番号など他のフィルタ情報が異なる場合で、シグナリングメッセージもデータパケットと同様にQoS保証を必要とする場合は、シグナリングメッセージのフィルタ情報を、フィルタリストに追加すればよい。
また、図17は、本発明の第3の実施の形態において、QNE内でフィルタ情報及びフローIDを管理する主体を模式的に示す図である。上述のように、NSISプロトコル層では、フィルタ情報及びフローIDの2つの情報が管理されるが、フィルタ情報(フィルタリスト)は、主にNSISの上位層であるNSLP層において管理され、フローIDは、主にNSISの下位層であるNTLP層において管理される。なお、フィルタ情報やフローIDの管理や生成に関しては、必ずしも、図17に示されているようにNSLP層やNTLP層が単独で行う必要はなく、NSLP層とNTLP層の間で情報の交換を行ったり、他の層と情報を交換したりすることにより管理・生成が行われてもよい。
このように、NSISプロトコル層において管理される情報を、フィルタ情報及びフローIDに明確に分けて定義を行うことにより、各QNEはデータパケットの送受信を行う端末の情報(例えば、データの送信元・あて先に設定されるIPアドレス)を必要とすることなく、シグナリングメッセージを送信することが可能になる。この特性を用いたQoS経路の早期確立方法を以下に説明する。
なお、ここでは、データパケットの送信される方向がuplink方向であった場合を例に挙げて説明を行うが、データパケットの送信される方向がdownlink方向であった場合にも同様の手順を用いることができる。
まず、図12〜14を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る概要について説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS予約の状態及びルーティングのためのステート内に含まれるフローIDの状態を模式的に示す図である。また、図13は、本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路上にルーティングのためのステートを確立した状態を、この中に含まれるフローIDを示すことにより模式的に示す図である。また、図14は、本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図である。
図12〜14には、図1〜3と同様に、無線通信によりARに接続してCN121との通信を行うMN101と、MN101の通信相手となるCN121と、サブネット103を形成するAR105と、サブネット107を形成するAR109と、MN101とCN121との間における経路上に存在し、MN101とCN121との間で伝送されるパケットに関してQoS保証を行うQoS認識機能(QoS−aware)を有するQNE111、113、115、117、119、123、125とが図示されている。
なお、MN101がサブネット103に存在している場合(すなわち、MN101がAR105に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路147上には、AR105、QNE111、QNE113、QNE115、QNE117、QNE119が存在しており、MN101がサブネット107に存在している場合(すなわち、MN101がAR109に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路149上には、AR109、QNE123、QNE125、QNE115、QNE117、QNE119が存在しているものとする。なお、経路147と経路149とは一部が重複しており、経路147と経路149とのCRNをQNE115とする。
図12において、MN101からCN121に送信されるデータパケットは、経路147を経由して伝送される。このとき、経路147上のすべてのQNE111、113、115、117、119は、MN101からCN121に送信されるデータパケットに関するQoS予約に係るステートを有している。すなわち、各QNE111、113、115、117、119は、経路147を通して送られるデータパケットに関するフィルタ情報(CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているとともに、MN101がサブネット103から割り当てられているIPアドレス(cCoA)が送信元アドレスとして含まれているフィルタ情報)であるfilterGを含むフィルタリストと、このフィルタリストに対応するリソース予約情報であるresourceGとが関連付けられているQoS予約に係るステートを保持しており、CN121からMN101に送信されるデータパケットのヘッダを参照してフィルタ情報(filterG)を特定し、対応するリソース予約情報(resourceG)に基づくQoS保証を行うように構成されている。
また同時に、各QNE111、113、115、117、119のNTLP層では、シグナリングメッセージの識別とルーティングのためのステート(ルーティングステートやメッセージアソシエーション(非特許文献11A参照))を保持している。このルーティングのためのステート内には、経路147におけるシグナリングメッセージの送信元及びあて先を含む情報から作られるフローIDが含まれる。今、シグナリングメッセージの送信元をMN101(cCoAをXとする)、シグナリングメッセージのあて先をCN121(IPアドレスをYとする)であるとし、各QNE111、113、115、117、119のNTLP層がルーティングのためのステートの中に持つフローIDを、flowXYとする。
MN101は、サブネット107に移動する可能性があり、QNE(プロキシ)123に対して予測経路(経路149)の一部の確立の準備(すなわち、QNE(プロキシ)123からCN121の確立の準備)を所望している。すなわち、MN101は、この経路上の各QNEに対して、サブネット107に移動した後のルーティングのためのステートをあらかじめ保有しておくことを所望している。なお、MN101がサブネット107に移動する前に、QNE(プロキシ)123によって予測経路の一部が準備されることで、MN101が実際にサブネット107に移動した後に、より迅速にCN121からMN101へのQoS経路が確立され、ハンドオーバによるQoS保証の中断時間を短縮することが可能となる。その理由は、ルーティングのためのステートの新規確立には複雑な処理が必要になるが、このルーティングのためのステートはいったん確立されてしまえば、このステートを用いてシグナリングメッセージをルーティングすることができるからである。
QNE(プロキシ)123が予測経路の確立を準備するための何らかのトリガを受けた場合には、QNE(プロキシ)123は、QNE(プロキシ)123とCN121との間のQNEにおけるルーティングのためのステートの新規確立処理を始動し、その結果、QNE(プロキシ)123とCN121との間のQNEにルーティングのためのステートが保有される。すなわち、図13に図示されているように、QNE(プロキシ)123、QNE125、115、117、119のNTLP層では、QNE(プロキシ)123のIPアドレス(Zとする)が送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレス(すなわちY)があて先アドレスとして含まれているフローID(flowZY)を含むルーティングのためのステートが設定される。なお、経路147に関するルーティングのためのステートはそのまま残される。
以上のように、MN101がサブネット107への移動を行う前に(あるいは、MN101のサブネット107への移動とは無関係に)、QNE(プロキシ)123は、MN101のNCoA(MN101がサブネット107に移動した後に割り当てられる新たなCoA)を用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路の一部(QNE(プロキシ)123からCN121までの経路)に係るルーティングのためのステートを確立することが可能である(図13に図示されている状態)。
そして、MN101がNCoAを取得した場合(実際にサブネット107に移動してNCoAを取得するか、あるいはサブネット103に接続した状態でNCoAを取得した場合)には、このMN101のNCoAをデータパケットの送信元、CN121のIPアドレスをデータパケットのあて先としたフィルタ情報(filterH)が作成される。そして、図14に図示されているように、経路149上のQNE(プロキシ)123、QNE125においてはfilterHを含むフィルタリストが新規で格納されるとともに、QNE115、117、119においては、filterHが既存の(同一セッション用の)フィルタリストに追加される。
また、MN101がサブネット107に移動した場合には、MN101からQNE(プロキシ)123の間のルーティングのためのステートを確立することにより、MN101からCN121までのエンド・ツー・エンドのルーティングのためのステートが確立される。MN101からQNE(プロキシ)123の間のルーティングのためのステートで使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123からCN121で使われているもの(flowZY)とは異なり、MN101がサブネット107で取得したNCoA(Wとする)をシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123のIPアドレス(すなわちZ)をシグナリングメッセージのあて先としたフローID(flowWZ)であってよい。また、エンド・ツー・エンドのフローIDを統一するため、MN101からQNE(プロキシ)123の間のルーティングのためのステートで使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123からCN121で使われているもの(flowZY)であってもよい。
なお、MN101からQNE(プロキシ)123の間のフローIDが、QNE(プロキシ123)からCN121で使われているものと異なる場合、QNE(プロキシ)123において、サブネット107上のMN101から送信されるシグナリングメッセージに付加されているフローID(flowWZ)をflowZYに付け替えて、CN121に向けて送信するなどの動作が必要である。また、上述のように、経路149上に既にシグナリングメッセージのルーティングのためのステートが存在するため、QoSリソース予約のための動作は、QNE(プロキシ)123より先では、経路149上に新規でQoS予約のためのシグナリングメッセージを送る場合に比べて迅速に行われ、その結果、MN101のNCoAを用いてQoSリソース予約が行われるまでのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。また、MN101がサブネット107に移動した後に、移動前に使用されていたフィルタ情報(filterG)や、経路147のルーティングのためのステートに関しては、能動的又は受動的に削除されることが望ましい。
次に、本発明の第3の実施の形態における第1動作例について説明する。図15は、本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは具体例として、各QNEにおいてルーティングのためのステートを作るために送信される、フィルタ情報を必要としないメッセージとして、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるQUERYメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。また、QoSリソースを予約するためのメッセージとして、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるRESERVEメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態で使用される「RESERVEメッセージ」や「QUERYメッセージ」、「RESPONSEメッセージ」という用語は、NSLP層で生成される情報(メッセージのペイロード部と呼ぶ)、NTLP層で生成される情報(ヘッダ部と呼ぶ)及びIPヘッダ(オプション部分を含む)を含んでいる。
図15において、まず、QNE(プロキシ)123は、予測経路を準備するためのトリガを受ける(ステップS401)。なお、このトリガには、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR)のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、このトリガに応じて、即座に、NSLP層においてQUERYメッセージのペイロード部を生成し、NTLP層に受け渡す。NTLP層ではこれを受けて、自身をシグナリングメッセージの送信元、CN121をあて先としたフローIDを生成し(ステップS403)、このフローIDをヘッダ部に含むQUERYメッセージを、下位層を経由してCN121に向けて送信する(ステップS405)。なお、このQUERYメッセージは、経路149における新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このQUERYメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
QNE(プロキシ)123からCN121までの経路上のすべてのQNE(QNE125、115、117、119)は、QUERYメッセージを受信してIPヘッダにRAOを発見すると、NSIS層(NSLP層及びNTLP層)においてQUERYメッセージの中身を確認して、必要な処理を行う。すなわち、QUERYメッセージを受信したQNE125、115、117、119は、QoSNSLP層におけるQUERY処理以外に、NTLP層においてルーティングのためのステートの確立処理(ルーティングステートや、メッセージアソシエーション(要求されている場合)の確立のための処理)を行う(ステップS407、S411、S415、S419、S423)。その後、各QNEはQUERYメッセージをCN121に向けて送信する(ステップS409、S413、S417、S421)。そして、QUERYメッセージがCN121に到達すると、このQUERYメッセージに対するRESPONSEメッセージがCN121からQNE123に返される(ステップS425、S427、S429、S431、S433)。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS435)。MN101は、サブネット107よりNCoAを取得すると、NTLP層において、このNCoAをシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123をシグナリングメッセージのあて先としたフローIDを生成する(ステップS437)。また、MN101のNSLP層では、自身のNCoAをデータパケットの送信元、CN121のIPアドレスをデータパケットのあて先とした情報を含むフィルタ情報を生成し、このフィルタ情報を追加(add)してQoSリソースを予約するような送信者主導のRESERVEメッセージ(図15ではRESERVE(add)と記載)をQNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS439)。このRESERVEメッセージは、経路149におけるMN101からQNE(プロキシ)123に対する新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このRESERVEメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
このRESERVEメッセージを受け取ったQNE(プロキシ)123は、NTLPにおいてルーティングのためのステートの確立処理を行う(ステップS441)とともに、NSLPにおいてリソース予約のための処理を行う。また、NTLP層ではセッションIDなどの情報から、このRESERVEメッセージをCN121に送信する必要があることを認識し、このRESERVEメッセージに含まれるフローIDの情報を、ステップS403で生成されたフローIDに変更し、CN121に向けて送信する(ステップS443)。この際、NTLPは、メッセージをCN121に向けて送信する必要があるということを、NSLPに伝えてもよい。なお、この場合、ルーティングのためのステートは、QNE123、125、115、117、119に既に確立されているので、RESERVEメッセージにRAOが付加される必要はなく、QNE123、125、115、117、119は、受信したRESERVEメッセージを参照してリソース予約のための処理を行い、迅速にRESERVEメッセージを送信することができる(ステップS445、S447、S449、S451)。なお、MN101と、QNE(プロキシ)123との間で使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123とCN121の間で使われるフローIDと同じであってもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態の第2動作例について説明する。上述の本発明の第3の実施の形態における第1動作例では、データパケットの送信方向がuplink方向の場合について説明したが、データパケットの送信方向がdownlink方向であった場合においても、同様の手順を採ることができる。これについて、図16を参照しながら説明する。図16は、本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がdownlink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャートである。
QNE(プロキシ)123は、予測経路を準備するためのトリガを受け取ると(ステップS501)、CN121に対して、予測経路準備を依頼する依頼メッセージを送信する(ステップS503)。なお、予測経路を準備するためのトリガは、QNE(プロキシ)123ではなく、CN121に直接送られてもよい。この場合、トリガには、QNE(プロキシ)123のIPアドレスなどの情報も含まれている必要がある。
依頼メッセージ又はトリガを受信したCN121は、この依頼メッセージ又はトリガに応じて、即座に、NSLP層においてQUERYメッセージのペイロード部を生成し、NTLP層に受け渡す。NTLP層ではこれを受けて、自身をシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123をあて先としたフローIDを生成し(ステップS505)、このフローIDをヘッダ部に含むQUERYメッセージを、下位層を経由してQNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS507)。なお、このQUERYメッセージは、経路149における新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このQUERYメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
CN121からQNE(プロキシ)123までの経路上のすべてのQNE(QNE119、117、115、125)は、QUERYメッセージを受信してIPヘッダにRAOを発見すると、NSIS層(NSLP層及びNTLP層)においてQUERYメッセージの中身を確認して、必要な処理を行う。すなわち、QUERYメッセージを受信したQNE119、117、115、125は、QoS NSLP層におけるQUERY処理以外に、NTLP層においてルーティングステートのためのステート確立処理を行う(ステップS509、S513、S517、S521、S525)。その後、各QNEは、QUERYメッセージをQNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS511、S515、S519、S523)。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS527)。QNE(プロキシ)123は、MN101の移動を検出し、MN101がサブネット107より取得したNCoA情報を取得すると、NTLP層において自身のIPアドレスをシグナリングメッセージの送信元、MN101のNCoAをシグナリングメッセージのあて先としたフローIDを生成する(ステップS529)。また、QNE(プロキシ)123のNSLP層は、CN121のIPアドレスをデータパケットの送信元、MN101のNCoAをデータパケットのあて先とした情報を含むフィルタ情報を生成し、このフィルタ情報を追加(add)してQoSリソースを予約するような送信者主導のRESERVEメッセージ(図16ではRESERVE(add)と記載)をMN101に向けて送信する(ステップS531)とともに、NTLP層ではMN101に転送するデータパケットに対するルーティングのためのステートの確立処理を行う(ステップS533)。
また、QNE(プロキシ)123は、受信者主導のRESERVEメッセージ(図16ではRESERVE(add)と記載)をCN121に向けて送信する(ステップS535)。なお、MN101に送信されるRESERVEメッセージは、経路149におけるQNE(プロキシ)123からMN101に対する新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このRESERVEメッセージにはQNE用のRAOが付けられる。しかしながら、CN121に送信されるRESERVEメッセージに関しては、ルーティングのためのステートがQNE123、125、115、117、119に既に確立されているので、このRESERVEメッセージにRAOが付加される必要はなく、QNE125、115、117、119は、受信したRESERVEメッセージを参照してリソース予約のための処理を行い、迅速にRESERVEメッセージを送信することができる(ステップS537、S539、S541、S543、S545)。なお、QNE(プロキシ)123とMN101の間で使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123とCN121の間で使われるフローIDと同じであってもよい。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態における第1及び第2動作例によれば、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路(MN101からCN121までの経路)の一部(例えば、QNE(プロキシ)123とCN121との間の経路)に係るQoS予約の準備(特に、ルーティングのためのステートの確立処理)を行うことにより、MN101がサブネット103から107に接続を変更した場合において、CN121からMN101に送られるデータパケットのQoS保証の中断時間を低減することができる。
また、上述のように、フローID及びフィルタリストを定義することにより、MNのハンドオーバのケースに限らず、QoS経路を容易に管理することができるようになる。
例えば、MNが、1つのセッションに対し複数のIPアドレスを用いてCNと通信している場合(MNがマルチホーム状態の場合)で、どのIPアドレスも同一のサブネット配下のものであった場合を考える。この場合、どのIPアドレスが設定されたデータパケットであっても、データパケットが通過する経路は1つなので、各QNEにおけるNTLP層では、MNが持つ複数のIPアドレスのうちの1つをフローIDのあて先(又は送信元)アドレスとして採用すればよい。なお、パケットクラシファイアとして利用されるフィルタリストは、上述のように複数のフィルタ情報に対応しているので、MNが有する複数のIPアドレスのすべてを容易に保持することが可能である。
また、FTP(File Transfer Protocol)を用いたデータのダウンロードなどでは、ダウンロードのスピードを上げるために、クライアントは一度に複数のポートを用いることがある。この場合でも、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、複数のポート番号のうちの1つをフローIDに採用すればよい。なお、フローIDが完全にIPアドレスの情報のみで作られるような場合には、NTLPにおいて、ポート番号を管理する必要はなくなる。また、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、パケットクラシファイアとして利用されるフィルタリストは、複数のフィルタ情報に対応しているので、複数のポート番号を容易に保持することが可能である。
また、さらに、H.323を用いてVoIP(Voice over IP)用のセッションを張る場合には、この途中のプロセスにおいて、使用されるポート番号が変化する。しかしながら、この場合でも、上述のように、フローID及びフィルタリストを定義することによって、NTLP側ではポート番号の変化に合わせてフローIDの情報を変える必要はなくなり、一方、パケットクラシファイアとして利用されるフィルタリストでは、フィルタ情報の追加・削除が容易に行えるため、ポート番号の変化に柔軟に対応することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施の形態の第3動作例について説明する。データ経路(MN101とCN121とを結ぶ経路)上にNATFWが存在する場合においても、MN101のハンドオーバ時にQoS保証の中断時間を低減させるシームレスなQoS保証を提供することが望ましい。このとき、シームレスなQoS保証を提供するため、上述の本発明の第3の実施の形態の第1動作例(図15を参照)や第2動作例(図16を参照)と同様に、プロキシを利用して、NTLP層においてルーティングのためのステートの確立処理を先に行い、端末のハンドオーバ後にQoSリソース予約を行うとともに、NATFWのポリシールールの追加や書き換えを行うことが望ましい。
以下、データ経路上のQNE117がNATFWであることを想定して、上述の本発明の第3の実施の形態の第1動作例と同様に、MN101がサブネット103からサブネット107にハンドオーバを行う際に、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101のハンドオーバ後に使用される経路の一部に係るQoS予約の準備(特に、ルーティングのためのステートの確立処理)を行う動作について説明する。
図18は、本発明の第3の実施の形態において、データ経路上にNATFWが存在しており、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは、QNE117がNATFW機能を持つものとし、QNE119及びCN121がプライベートアドレスを用いるLAN内に存在するものとする。また、MN101、QNE117及びCN121にはNATFW NSLPが実装されているものとする。さらに、NATFW(QNE117)には、NSISシグナリングメッセージがこのNATFWを通過できるためのポリシールールが既に設定されているものとする。また、図15に図示されている第1動作例と同様に、図18に図示されているシーケンスにおいても、各QNEにおいてルーティングのためのステートを作るために送信されるメッセージの一例として、NSISのQoS NSLPで定義されているQUERYメッセージを用いた場合を例に挙げて説明する。
図18において、まず、QNE(プロキシ)123は、予測経路を準備するためのトリガを受ける(ステップS601)。なお、このトリガには、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR)のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、このトリガに応じて、即座に、NSLP層においてQUERYメッセージのペイロード部を生成し、NTLP層に受け渡す。NTLP層ではこれを受けて、自身をシグナリングメッセージの送信元、CN121をあて先としたフローIDを生成し(ステップS603)、このフローIDをヘッダ部に含むQUERYメッセージを、下位層を経由してCN121に向けて送信する(ステップS605)。なお、このQUERYメッセージは、経路149における新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このQUERYメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
QNE(プロキシ)123からCN121までの経路上のすべてのQNE(QNE125、115、117、119)は、QUERYメッセージを受信してIPヘッダにRAOを発見すると、NSIS層(NSLP層及びNTLP層)においてQUERYメッセージの中身を確認して、必要な処理を行う。すなわち、QUERYメッセージを受信したQNE125、115、117、119は、QoS NSLP層におけるQUERY処理以外に、NTLP層においてルーティングのためのステートの確立処理(ルーティングステートや、メッセージアソシエーション(要求されている場合)の確立のための処理)を行う(ステップS607、S611、S615、S619、S623)。その後、各QNEはQUERYメッセージをCN121に向けて送信する(ステップS609、S613、S617、S621)。そして、QUERYメッセージがCN121に到達すると、このQUERYメッセージに対するRESPONSEメッセージがCN121からQNE123に返される(ステップS625、S627、S629、S631、S633)。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS635)。MN101は、サブネット107よりNCoAを取得すると、NTLP層において、このNCoAをシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123をシグナリングメッセージのあて先としたフローIDを生成する(ステップS637)。また、MN101のNSLP層では、自身のNCoAをデータパケットの送信元、CN121のIPアドレスをデータパケットのあて先とした情報を含むフィルタ情報を生成する。また、NATFW NSLP層では、このフィルタ情報を持ったデータパケットがNATFWを通過するためのポリシールールを、NATFW(QNE117)で作成できるようにするパラメータを持ったCREATEメッセージ(図18では、CREATEと記載)を作成する。また、QoS NSLP層では、このフィルタ情報を追加(add)してQoSリソースを予約するような送信者主導のRESERVEメッセージ(図18ではRESERVE(add)と記載)を作成する。そして、MN10は、上記のCREATEメッセージとRESERVEメッセージとを1つのメッセージ(CREATE及びRESERVEメッセージ)にして、QNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS639)。なお、上記のCREATE及びRESERVEメッセージは、経路149におけるMN101からQNE(プロキシ)123に対する新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、CREATE及びRESERVEメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
このCREATE及びRESERVEメッセージを受け取ったQNE(プロキシ)123は、NTLPにおいてルーティングのためのステートの確立処理を行う(ステップS641)とともに、NSLPにおいてリソース予約のための処理を行う。また、NTLP層ではセッションIDなどの情報から、このCREATE及びRESERVEメッセージをCN121に送信する必要があることを認識し、このCREATE及びRESERVEメッセージに含まれるフローIDの情報を、ステップS603で生成されたフローIDに変更し、CN121に向けて送信する(ステップS643)。この際、NTLPは、メッセージをCN121に向けて送信する必要があるということを、NSLPに伝えてもよい。なお、この場合、ルーティングのためのステートは、QNE123、125、115、117、119に既に確立されているので、CREATE及びRESERVEメッセージにRAOが付加される必要はなく、QNE123、125、115、117、119は、受信したCREATE及びRESERVEメッセージのRESERVE部分を参照してリソース予約のための処理を行い、迅速にCREATE及びRESERVEメッセージを送信することができる(ステップS645、S647、S651、S653)。また、NATFW(QNE117)においては、このCREATE及びRESERVEメッセージのCREATE部分を参照し、ポリシールールに変更を加える(ステップS649)。このとき、ポリシールールにデータパケットに対するアドレス変換が含まれていた場合には、フィルタリストに含まれる該当フィルタ情報の内容をプライベートアドレスに対応したものに変更するか、又はプライベートアドレス用のフィルタ情報をリストに追加する。これにより、QNE117とQNE119の間や、QNE119とCN121の間におけるRESERVE処理では、プライベートアドレス用にQoSリソースが予約されることとなる。なお、MN101と、QNE(プロキシ)123との間で使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123とCN121の間で使われるフローIDと同じであってもよい。また、シグナリングメッセージ送信側で、あらかじめプライベートアドレスの情報が分かっていた場合には、このアドレス情報をあらかじめフィルタリスト内に存在させてもよい。この場合、NATFW(QNE117)では、ステップS649においてフィルタリストの内容を変換する必要はない。
また、ここではCREATEとRESERVEを同時に、QoSシグナリング用のルーティングのためのステートを用いて送信する例を挙げたが、このためには、複数のNSLPメッセージを同時に(1つのパケットとして)送信することをサポートするよう、NSISの仕様を変更する必要がある。また、RESERVEメッセージとCREATEメッセージは別々に送信されてもよいが、この場合には、CREATEメッセージが、RESERVEメッセージよりも前に送信されることが必要であり(ステップS649でRESERVEメッセージ内のフィルタ情報の書き換えが必要な場合があるため)、また、NATFWシグナリング用のルーティングのためのステートが、QoSの場合と同様に、QNE(プロキシ)123を用いてあらかじめ確立されていることが望ましい。
また、ここでは、データパケットの送信方向がuplink方向の場合について説明したが、データパケットの送信方向がdownlink方向であった場合においても、図16に図示されている第2動作例において、RESERVEメッセージと同時にCREATEメッセージを送信することによって同様の手順を採ることができる。
上述の本発明の第3の実施の形態における第3動作例では、NATFW(QNE117)が、QoS NSLPとNATFW NSLPの両方のNSLPを持っている場合について説明を行った。この場合、フィルタリストはNSLP共通部分に存在し、各NSLPからフィルタリストを参照できるように構成してもよい。また、各NSLPで使用されるフィルタ情報の組み合わせが異なることも考えられるので、この場合にはフィルタリスト内の各フィルタ情報に対し、どのNSLPで使用されるのかを示す情報(例えばフラグを立てるなど)を与えてもよい。
また、NSLPごとにフィルタリストが分けられていてもよい。すなわち、QoS NSLP用フィルタリストやNATFW NSLP用フィルタリストなどのような各NSLPで必要となるフィルタリストが用意され、各NSLP用フィルタリストがNSLP共通部分に置かれる。
また、フィルタリストは各NSLPに存在してもよい。この場合、各NSLP間で、直接又はNTLPを通じて、フィルタリストに関する情報をやり取りすることによって、フィルタリストの内容に整合性を持たせてもよい。例えば、NATFWノードで〈filterA〉を〈filterB〉に書き換える指示を出す内容がNATFW NSLPに存在した場合、この情報が直接又はNTLPを通じてQoS NSLPに送られ、これに従って、NATFWノードのQoS NSLP内のフィルタリストに含まれる〈filterA〉が〈filterB〉に書き換えられる。ただし、QoS NSLP内のフィルタリストにあらかじめ〈filterB〉が存在している場合には、フィルタ情報を書き換える必要ない。
さらに、図17に図示されているフィルタリストの定義とは異なるが、フィルタリストをNTLPに存在させるようにしてもよい。フィルタリストがNTLPに存在する場合は、フィルタリストがNSLP共通部分に存在する場合と同様に、フィルタリスト内の各フィルタ情報に対し、どのNSLPで使用されるのかを示す情報(例えばフラグを立てるなど)が与えられていてもよく、また、NSLPごとにフィルタリストが分けられていてもよい。
また、NATFWノードは、NATFW機能を実装しているが、QoS機能の実装は必須ではないため、NATFW NSLPのみが存在し、QoS NSLPが存在しないNATFWノードが存在する場合も考えられる。このようなNATFWノードにおいても、NSLP共通部分やNTLPにフィルタリストが存在すれば、フィルタ情報の変換(図18におけるステップS649の処理)を容易に行うことができる。
また、各NSLPにフィルタリストが存在する場合でも、NATFWノードにおける特別な機能として、QoS NSLPが存在しない場合であってもQoS NSLP内のフィルタリストの内容をチェックすることができる機能を持たせれば、フィルタ情報の変換は可能となる。また、この場合、QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにする必要がある。QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにするため、ルーティングのためのステート確立以前に送信されるQoS NSLPメッセージには、例えば、NATFW NSLP用のRAO、又はQoS NSLP及びNATFW NSLP共通(又はNSLP共通)のRAO、又はNTLPを有するNEに対するRAO(すなわち、NTLP用RAO)が付加される。
さらに、NATFWノードが、NTLPのみを実装している場合も考えられる。この場合、NTLPにフィルタリストが存在すれば、NATFWノードは、フィルタ情報の変換(図18におけるステップS649の処理)を容易に行うことができる。NSLP共通部分や各NSLPにフィルタリストが存在する場合でも、NATFWノードにおける特別な機能として、NSLP共通部分や各NSLPに存在するフィルタリストの内容をチェックすることができる機能を持たせれば、フィルタ情報の変換は可能となる。また、この場合、QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにする必要がある。QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにするため、ルーティングのためのステート確立以前に送信されるQoS NSLPメッセージには、例えば、NTLPを有するNEに対するRAO(すなわち、NTLP用RAO)が付加される。
また、上述のようにフローID及びフィルタリストを定義することにより、MNのハンドオーバのケースに限らず、NATFWノードを経由するデータ経路を容易に管理することが可能となる。
例えば、MNが、1つのセッションに対し複数のIPアドレスを用いてCNと通信している場合(MNがマルチホーム状態の場合)で、どのIPアドレスも同一のサブネット配下のものであった場合を考える。この場合、どのIPアドレスが設定されたデータパケットであっても、データパケットが通過する経路は1つなので、各NATFW NSLPを持つNEにおけるNTLP層では、MNが持つ複数のIPアドレスのうちの1つをフローIDのあて先(又は送信元)アドレスとして採用すればよい。なお、NATFWにおいてポリシールール作成のために利用されるフィルタリストは、上述のように複数のフィルタ情報に対応しているので、MNが有する複数のIPアドレスのすべてを容易に保持することが可能である。
また、FTPを用いたデータのダウンロードなどでは、ダウンロードのスピードを上げるために、クライアントは一度に複数のポートを用いることがある。この場合でも、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、複数のポート番号のうちの1つをフローIDに採用すればよい。なお、フローIDが完全にIPアドレスの情報のみで作られるような場合には、NTLPにおいて、ポート番号を管理する必要はなくなる。また、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、NATFWにおいてポリシールール作成のために利用されるフィルタリストは、複数のフィルタ情報に対応しているので、複数のポート番号を容易に保持することが可能である。
また、さらに、H.323を用いてVoIP用のセッションを張る場合には、この途中のプロセスにおいて、使用されるポート番号が変化する。しかしながら、この場合でも、上述のように、フローID及びフィルタリストを定義することによって、NTLP側ではポート番号の変化に合わせてフローIDの情報を変える必要はなくなり、一方、NATFWにおいてポリシールール作成のために利用されるフィルタリストでは、フィルタ情報の追加・削除が容易に行えるため、ポート番号の変化に柔軟に対応することが可能となる。
また、上述の本発明の第3の実施の形態では、フローIDとフィルタ情報とを分けて、別々に管理できるようにすることによって、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理を、データパケットの通る経路に係る処理より前に行えるようにしているが、さらに、これを応用して、データパケットの通る経路と、シグナリングメッセージの通る経路とが異なるoff−pathシグナリング(Path Decoupledシグナリングとも呼ばれる)を行うことも可能となる。例えば、あるドメインのプロキシや、ポリシー決定ポイント(データ経路上に存在する必要は無い)に直接シグナリングメッセージを送信し、このノードに、フィルタリストの内容を使用した処理(例えば、ポリシールールの作成)を行わせることも可能である。
なお、上述の本発明の第1〜第3の実施の形態では、付加的サービスがQoS保証である場合について説明したが、その他の付加的サービスに関しても本発明は適用可能である。また、特に、QoS保証に関しては、NSISに対して本発明を適用した場合の具体例について説明したが、本発明は、その適用対象がNSISに限定されるものではなく、さらに、本発明の機能を持たせるNSISのメッセージは、上述の一例に限定されるものではない。
また、上記の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、移動端末がハンドオーバを行う際に、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能であり、通信ネットワーク技術や、パケット伝送に係るリソース管理の技術に適用可能である。さらに、本発明は、移動端末がハンドオーバを行う場合に限らず、端末が1つのセッションに対し、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合においても、経路(特に、QoS経路)の管理を容易にすることが可能であり、通信ネットワーク技術や、パケット伝送に係るリソース予約に係るシグナリングメッセージのルーティング管理技術に適用可能である。
本発明は、通信システム、リソース管理装置、リソース管理方法、通信管理装置並びに通信管理方法に関し、特に、パケット伝送が行われる通信ネットワークにおける通信システム、リソース管理装置、リソース管理方法、通信管理装置並びに通信管理方法に関する。
移動端末から無線ネットワークを通じてインターネットなどの通信ネットワークにアクセスするユーザに対して、移動しながらでもシームレスに通信ネットワークの接続を提供できる技術として、次世代インターネットプロトコルであるモバイルIP(Internet Protocol)を利用したものが普及してきている。
一方、ネットワークを利用した通信においては、QoS(Quality of Service)保証を始めとしたサービス(本明細書では、こうしたサービスを付加的サービスと呼ぶことにする)が存在しており、こうした付加的サービスを実現するための様々な通信プロトコルが存在している。このような様々な通信プロトコルのうち、QoS保証をするためのプロトコルとして、例えば、RSVP(Resource Reservation Protocol)が挙げられる(例えば、下記の非特許文献1参照)。RSVPは、データの送信を行う送信側通信端末からデータの受信を行う受信側通信端末への経路(フロー)上における帯域予約を行うことによって、送信側通信端末から受信側通信端末に、データがスムーズに伝送されるようにするものである。
サブネット(サブネットワーク)間のハンドオーバを行うMN(Mobile Node:モバイルノード)に関しては、ハンドオーバ前に受けていたQoS保証を始めとする付加的サービスを、ハンドオーバ後においても継続して受けられるべきであるという要請があるが、上述したRSVPは、MNの移動に対して十分には対応していないという問題がある。
この問題を解決するために、現在、IETF(Internet Engineering Task Force)において、NSIS(Next Step in Signaling)と呼ばれる新しいプロトコルを標準化するための議論が行われている(下記の非特許文献2参照)。このNSISは、モバイル環境において、QoS保証を始めとする様々な付加的サービスに特に有効であると期待されており、NSISにおいてQoS保証やモビリティサポートを実現するための要件や実現方法などが記載された文献も存在する(例えば、下記の非特許文献3〜7参照)。以下に、現在IETFのNSISワーキンググループでドラフト仕様となっているNSISの概要と、QoS経路確立の方法を説明する(非特許文献4及び非特許文献7参照)。
図10には、従来の技術におけるNSISのプロトコル構成を説明するために、NSIS及びその下位層のプロトコルスタックが図示されている。NSISプロトコル層はIP及び下位層のすぐ上に位置する。さらにNSISプロトコル層は、それぞれの付加的サービスを提供するためのシグナリングメッセージ生成、及びその処理を行うプロトコルであるNSLP(NSIS Signaling Layer Protocol)と、NSLPのシグナリングメッセージのルーティングを行うNTLP(NSIS Transport Layer Protocol)の2層からなる。NSLPには、QoSのためのNSLP(QoS NSLP)や、その他のある付加的サービス(サービスAやサービスB)のためのNSLP(サービスAのNSLP、サービスBのNSLP)など、様々なNSLPが存在している。
また、図11は、従来の技術におけるNSISのノードであるNEやQNEが「隣り合う」という概念を説明するための模式図である。図11に示すように、NSIS機能を持ったすべてのノード(NE:NSIS Entity)には、少なくともNTLPが実装されている。このNTLPの上には、NSLPが必ずしも存在しなくてもよく、また、1つ以上のNSLPが存在してもよい。なお、ここでは、特に、QoSのためのNSLPを持ったNEをQNE(QoS NSIS Entity)と呼ぶことにする。なお、NEになり得るのは端末やルータである。また、隣り合うNEの間には、NEではない複数のルータが存在することもあり得るし、隣り合うQNEの間には、NEではないルータ及びQoS NSLPを持たないNEが複数存在することもあり得る。
なお、NSISは、モバイル環境だけでなく通常の静的なネットワークにおける様々な機能も網羅するものであるが、本明細書では、NSISの機能の1つであるモビリティサポートされた付加的サービスの確立を実現する機能に着目し、NSISの実装によって、モビリティサポートされた付加的サービスの確立が実現されるものとする。
また、MNが新たなサブネットワーク(以下、サブネットと呼ぶ)に移動する場合、新たなQoS経路が、MNとCN(Correspondent Node:通信相手ノード)との間で確立される必要がある。新たなQoS経路が確立されるまでは、データパケットは必要なQoS処理を受けられず、QoSの中断が起こることになる。このQoSの中断は、スムーズかつシームレスなモビリティが実現されるように、最低限に抑えられる必要がある。
こうした問題を扱う1つの方法として、下記の非特許文献8には、MRSVPが提示されている。この非特許文献8では、RSVPに変更を加えることによって、モバイルIPの三角ルート用のQoS経路をあらかじめ確立する方法が提案されている。ここでは、「ローカルプロキシエージェント(HA(Home Agent:ホームエージェント)に相当する)」及び「リモートプロキシエージェント(FA(Foreign Agent:フォーリンエージェント)に相当する)」が、MNのためのQoS経路を確立することが可能である。
リモートプロキシエージェントは、MNのNCoA(New Care-of Address:新たな気付アドレス)取得した後に、自身とCNとの間にQoS経路のセットアップを行う。続いて、リモートプロキシエージェントとローカルプロキシエージェントとの間(すなわち、FAとHAとの間)の経路が新たに確立されて、この経路と、ローカルプロキシエージェントとCNとの間(すなわち、FAとCNとの間)の経路とが併合される。なお、経路の併合の具体的な方法に関しては説明されていない。
また、MNがサブネット間においてハンドオーバを行う場合、ハンドオーバ前の古い経路の一部とハンドオーバ後の新しい経路の一部とが重複する場合がある。このような場合には、重複経路における2重予約の問題や、経路の変更が困難であることなど、様々な問題が起こり得る。こうした問題を解く方法の1つとして、古い経路と新しい経路とが分岐(クロスオーバ)する位置を特定する方法が挙げられる。この分岐点上に存在する通信ノードはCRN(Crossover Node:クロスオーバノード)と呼ばれ、このCRNを特定する方法としては、例えば、下記の非特許文献9、10などに記載されている方法が知られている。
なお、本明細書に記載されているQoS経路の確立とは、QoSが保証されるデータパケットが通る経路であって、NTLP層においてシグナリングメッセージをルーティングするためのステートが確立されており、かつNSLP層によってQoS保証のためのリソース予約手続きが完了した状態のことを指す。なお、QoS保証のためのリソース予約と、NTLP層のルーティングのためのステートの確立は、同時に行われる場合もあるし、また、ルーティングのためのステートの確立の後に、QoS保証のためのリソース予約が行われる場合もある。
また、下記の非特許文献11Aによれば、シグナリングメッセージのルーティングのためのステートは、NSISの最初のメッセージが、downstream方向(データパケットが送られる方向)に対して送られる際に確立される。すなわち、あるセッションに対するデータパケットに対してQoS保証が行われる場合、データパケットが通過する最初のQNEは、QoS予約のためのシグナリングメッセージ、又はその準備のためのシグナリングメッセージを、データパケットの受信者に向けて送信する。このとき、このシグナリングメッセージのNTLP層に、セッションを識別するセッションIDやフローを識別するフローIDなどの情報が付けられるほかに、IP層にはRAO(Router Alert Option)が付けられる。そして、このシグナリングメッセージが通過しようとするQNEのIP層において、RAOの存在によりこのシグナリングメッセージはインタセプトされて、NSIS層(NTLP層及びNSLP層)に渡され、NSIS層によって、シグナリングメッセージの中身が確認されるようになる。
シグナリングメッセージをインタセプトしたQNEのNTLP層では、まず、ルーティングのためのステートとして、フローIDやセッションIDの情報、及び、このシグナリングメッセージが送信されてきた1つ前の隣り合うQNEのIPアドレスの情報を格納する。そして、1つ前の隣り合うQNEに対して、NTLPレベルでの返信メッセージを返す。これにより、1つ前のQNEのNTLP層は、1つ後ろのQNEのIPアドレスを知ることができ、このIPアドレスをルーティングのためのステートに書き込むことによって保持する。また、シグナリングメッセージの送受信をセキュアに行いたい場合などには、このほかに、メッセージアソシエーションなどの手順を行い、セキュリティに関するネゴシエーションなどを行う。
一方、NSLP側では、NSLPメッセージの中身に応じた処理を行い、この処理が済むと再びNTLPにより、シグナリングメッセージがあて先(ここでは、データパケットの受信者)に向けて転送される。
こうして、このシグナリングメッセージが所定のあて先に到達することにより、NTLP層にはメッセージのルーティングのためのステートに係る情報が確立される。特に、メッセージアソシエーションが確立された場合には、以後の該当セッションID、フローIDを持つシグナリングメッセージに関しては、RAOを用いることなく、上述のように確立されたルーティングのためのステートを用いて送受信される。
また、NAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)やFW(Firewall:ファイアウォール)におけるポリシールールを動的に作成するため、NSISではNSLP層の機能の1つとして、NATFW NSLP(下記の非特許文献13参照)が提案されている。
なお、NATとは、LAN(Local Area Network)内のみで使われるプライベートアドレス情報と、インターネット上で使われるグローバルアドレス情報の変換を行う技術である。なお、アドレス情報にはIPアドレスのほかに、IPアドレスとポート番号の組み合わせなども用いられる。どのプライベートアドレス情報と、どのグローバルアドレス情報とを対応させるかという変換情報は、ポリシールールという形でNAT対応ノード内に保有される。また、FWとは、LAN内に通すパケット、又はLAN内からLAN外(例えば、インターネット)に送出するパケットをフィルタリングする技術である。なお、フィルタリングには、IPアドレスやポート番号などが用いられる。このフィルタリング情報は、ポリシールールという形でFW対応ノード内に保有される。また、NAT及びFWの両方の機能が1つのノードに実装される場合も多い。本明細書では、NAT及びFWの両方の機能をNATFWと呼び、NAT及びFWの両方の機能を有するノードをNATFWノードと呼ぶ。
NATFW NSLPの基本動作は、以下の通りである。
(1)データ送信者であるNATFW NSLP対応ノードが,データ受信者であるNATFW NSLP対応ノードに対して、CREATEメッセージを送信する。
(2)経路上に存在するNATFW NSLP対応ノードが、このCREATEメッセージをインタセプトする。
(3)このノードがNATFW機能を持つものであった場合、このCREATEメッセージに含まれるパラメータに基づいて、ポリシールールを作成する。
なお、CREATEメッセージに含まれるパラメータとは、対象となるデータパケットのアドレス情報、アクション(例えば、パケットを通す/通さないという処理など)及びアクションに対する補足情報(ライフタイムなど)である。このデータパケットのアドレス情報は、フローIDより引用される。
なお、QoS NSLPの場合と同様に、データ送信者及びデータ受信者がNATFW NSLP対応ノードではない場合には、データ経路上に存在するNATFW NSLP対応ノードで、データ送信者(又はデータ受信者)に一番近いノードが、シグナリングメッセージの送信者(又は受信者)となる。また、CREATEメッセージを送信する前提として、NATFWノードには、NSISメッセージを通すためのポリシールールがあらかじめ作成されていることが定められている。
また、NTLPにはフローIDが含まれており、このフローIDが、NSLPレイヤにおいてデータパケットのフィルタリング情報(例えば、QoS保証におけるパケットクラシファイア(packet classifier:パケット分類情報)として使用される。データパケットのフィルタリング情報がNATに対応できるようにするため、非特許文献11Bでは、NATがNTLP対応であり、かつ、NATにおいて、パケットヘッダのアドレス情報の変換と同時にフローIDの中身も変換されることが要請されている。
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従来の技術には、主に、下記の2つの課題(第1及び第2の課題)が存在する。
まず、従来の技術に係る第1の課題について説明する。例えば、上記の非特許文献8に記載されている方法では、MNのためのQoS経路をあらかじめ確立するために、新たなサブネットワークにおけるプロキシが用いられる。しかしながら、MNのNCoAを取得した後にのみ、プロキシによってQoS経路が確立されるが、プロキシは、MNが実際に移動する前にMNのNCoAを取得できない可能性があり、事前にNCoAを取得する処理によって、スムーズな経路の確立が妨げられてしまう可能性がある。
また、QoS経路を確立するための試みが、いくつもの経路にわたって実行される必要があり、MNは、こうしたQoS経路の確立結果に基づいて、新たな接続ポイントへの移動を決定する場合がある。したがって、MNのNCoAは、QoS経路の確立後に生成される場合もあり、この場合には、プロキシが、MNの新たな接続ポイントとなり得る各接続ポイントにおけるMNのNCoAを取得することは困難である。
次に、従来の技術に係る第2の課題について説明する。NSISの現仕様では、フローIDがそのままパケットクラシファイア(packet classifier:パケット分類情報)として用いられるため、フローIDにデータパケットのヘッダ情報が含まれていなければならず、この制限が、MNのハンドオーバ時におけるスムーズなQoS経路変更を困難にしている。さらに、端末が1つのセッションに対し、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合(例えば、端末がマルチホーム状態の場合)や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合に、QoS経路の管理は非常に困難なものとなってしまう場合がある。
上記問題に鑑み、本発明は、移動端末がハンドオーバを行う際に、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることを第1の目的とする。
また、本発明では、端末が1つのセッションに対し、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合において、経路(特に、QoS経路)の管理を容易にすることを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の通信システムは、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な通信システムであって、
前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続し、前記第1アクセスルータが構成する第1サブネットで取得する第1アドレスを使用して通信を行う移動可能な移動端末と、
前記通信ネットワークに接続されており、前記移動端末の通信相手となる通信相手端末と、
前記移動端末が、前記複数のアクセスルータのうちの1つである第2アクセスルータに接続した場合に前記第2アクセスルータが構成する第2サブネットで取得する第2アドレスを使用せずに、前記第1アクセスルータに接続している前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路が確立された状態で、前記第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始することが可能な前記通信ネットワーク内に存在する通信ノードとを有している。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記第2アクセスルータの近隣に存在している。
この構成により、移動端末がハンドオーバ後に第2アクセスルータに接続した場合に、この第2アクセスルータの近隣に存在する通信ノードを経由した経路の設定が可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信し、前記トリガ情報に基づいて前記第2経路を確立する処理を開始するように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードは、この第2経路の確立処理に必要な情報や、その開始タイミングなどを把握することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記移動端末が、前記トリガ情報を前記通信ノードに送信するように構成されている。
この構成により、移動端末が、第2経路の確立開始処理を開始させる指示を行うとともに、第2経路の確立に必要な情報を、プロキシとして機能する通信ノードに送信することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、自ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立するように構成されている。
この構成により、移動端末のアドレスを用いずに、プロキシとして機能する通信ノードのアドレスを使用して、第2経路を確立することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードは、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始するように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、移動端末の新たなアドレスを取得した場合には、そのアドレスに基づく第3経路の確立が開始されるようになる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記第2経路の終端が前記通信ノード及び前記通信相手端末であり、前記通信相手端末が、前記移動端末にパケットを送信する際に前記通信ノードのアドレスをあて先アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記通信相手端末から前記移動端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、通信相手端末(CN)が、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記第2経路の終端が前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード及び前記通信相手端末の近隣に存在する相手側近隣通信ノードであり、前記相手側近隣通信ノードが、前記通信相手端末から前記移動端末へのパケットを転送する際に前記通信ノードのアドレスをあて先アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記通信相手端末から前記移動端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、通信相手端末(CN)の近隣に存在する相手側近隣通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。また、通信相手端末(CN)が、付加的サービス機能やカプセル化機能を実装していない場合でも、伝送されるパケットは付加的サービスを受けることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第1サブネットに接続している状態で使用されていた前記第1経路、及び前記通信ノードによって確立された前記第2経路が削除されるように構成されている。
この構成により、ハンドオーバ前の状態からハンドオーバ後の状態に移行する際に、余分な情報(無駄なリソース予約など)が残らないようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、自ノードと前記通信相手端末との間の経路上の中間通信ノードに、前記第2経路を確立する処理を行う際に送受信されるシグナリングメッセージのルーティングのためのステートを導入する処理を開始するように構成されている。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定のうち、シグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立処理を経路の一部に対して迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードが、前記中間通信ノードに対して、自ノードのアドレス及び前記通信相手端末のアドレスにより構成された識別情報を送信し、前記中間通信ノードが、前記識別情報を保持して、前記識別情報を有するシグナリングメッセージを特定するように構成されている。
この構成により、移動端末に対してハンドオーバ後に割り当てられるアドレスを取得する前に、プロキシとして機能する通信ノードは、通信相手端末との間におけるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立処理を開始することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記通信ノードは、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた第2アドレスを取得した場合に、前記第2経路に係る付加的サービスを提供するための情報を含むシグナリングメッセージを送信し、前記中間通信ノードが、前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを使用して、前記シグナリングメッセージの伝送を行うように構成されている。
この構成により、移動端末のハンドオーバ後に割り当てられるアドレスを取得する前に確立されたシグナリングメッセージのルーティングのためのステートを利用して、付加的サービスを提供するための情報を含むシグナリングメッセージを伝送することが可能となり、新たな経路(特に、QoS経路)を迅速に確立することが可能となる。
さらに、本発明の通信システムは、上記の通信システムに加えて、前記付加的サービスがQoS保証である場合に適用される。
また、上記目的を達成するため、本発明のリソース管理装置によれば、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な前記通信ネットワークに存在する通信ノード内のリソース管理装置であって、
前記経路において、付加的サービスを提供するためのリソースを確保するためのリソース確保手段と、
前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続している前記移動端末と、前記通信ネットワークに接続されており前記移動端末の通信相手となる通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信するトリガ受信手段と、
前記トリガ受信手段で前記トリガ情報を受信した場合、前記トリガ情報に基づいて、前記第1アクセスルータとは異なる第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始するメッセージを生成するメッセージ生成手段とを有している。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記メッセージには、前記移動端末の代理として経路設定を行う旨を示す情報が付加されている。
この構成により、上記のメッセージに係るリソース予約が、プロキシによるものであることを、経路上の各QNEに対して明示することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード内に配置されている。
この構成により、移動端末がハンドオーバ後に第2アクセスルータに接続した場合に、この第2アクセスルータの近隣に存在する通信ノードを経由した経路の設定が可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記トリガ情報に、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスが少なくとも含まれている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードは、この第2経路の確立処理に必要な情報や、その開始タイミングなどを把握することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末から前記トリガ情報を受信する。
この構成により、移動端末が、第2経路の確立開始処理を開始させる指示を行うとともに、第2経路の確立に必要な情報を、プロキシとして機能する通信ノードに送信することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記通信ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立するように構成されている。
この構成により、移動端末のアドレスを用いずに、プロキシとして機能する通信ノードのアドレスを使用して、第2経路を確立することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた前記第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始するように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、移動端末の新たなアドレスを取得した場合には、そのアドレスに基づく第3経路の確立が開始されるようになる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第2経路を削除するためのメッセージを送信するように構成されている。
この構成により、ハンドオーバ前の状態からハンドオーバ後の状態に移行する際に、余分な情報(無駄なリソース予約など)が残らないようにすることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理装置は、上記のリソース管理装置に加えて、前記付加的サービスが、QoS保証である場合に適用可能である。
また、上記目的を達成するため、本発明のリソース管理方法は、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な前記通信ネットワークに存在する通信ノードで行われるリソース管理方法であって、
前記経路において、付加的サービスを提供するためのリソースを確保するためのリソース確保ステップと、
前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続している前記移動端末と、前記通信ネットワークに接続されており前記移動端末の通信相手となる通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信するトリガ受信ステップと、
前記トリガ受信ステップで前記トリガ情報を受信した場合、前記トリガ情報に基づいて、前記第1アクセスルータとは異なる第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始するメッセージを生成するメッセージ生成ステップとを有している。
この構成により、移動端末がハンドオーバを行う際に、プロキシとして機能する通信ノードが、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記メッセージには、前記移動端末の代理として経路設定を行う旨を示す情報が付加されている。
この構成により、上記のメッセージに係るリソース予約が、プロキシによるものであることを、経路上の各QNEに対して明示することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード内に配置されている。
この構成により、移動端末がハンドオーバ後に第2アクセスルータに接続した場合に、この第2アクセスルータの近隣に存在する通信ノードを経由した経路の設定が可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記トリガ情報に、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスが少なくとも含まれている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードは、この第2経路の確立処理に必要な情報や、その開始タイミングなどを把握することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末から前記トリガ情報を受信する。
この構成により、移動端末が、第2経路の確立開始処理を開始させる指示を行うとともに、第2経路の確立に必要な情報を、プロキシとして機能する通信ノードに送信することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記通信ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立する。
この構成により、移動端末のアドレスを用いずに、プロキシとして機能する通信ノードのアドレスを使用して、第2経路を確立することが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた前記第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始する。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、移動端末の新たなアドレスを取得した場合には、そのアドレスに基づく第3経路の確立が開始されるようになる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化ステップを有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化ステップにおいてカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるようにしている。
この構成により、プロキシとして機能する通信ノードが、QoS保証などの付加的サービスが提供されないヘッダを有するパケットに対して、カプセル化を行うことで、付加的サービスを受けたパケット伝送が行われるようになるとともに、適切に脱カプセル化が行われることによって、適切なあて先にパケットが到達可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第2経路を削除するためのメッセージを送信する。
この構成により、ハンドオーバ前の状態からハンドオーバ後の状態に移行する際に、余分な情報(無駄なリソース予約など)が残らないようにすることが可能となる。
さらに、本発明のリソース管理方法は、上記のリソース管理方法に加えて、前記付加的サービスが、QoS保証である場合に適用される。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信管理装置は、シグナリングメッセージをルーティングする機能を有する第1ユニットと、提供する付加的サービスに関する情報を管理するための機能を有する第2ユニットとにより構成された通信プロトコルを使用して2つの通信ノード間で行われる通信において、前記2つの通信ノード間の経路上に存在し、前記2つの通信ノード間で伝送されるデータパケットに対して前記付加的サービスを提供する通信ノード内の通信管理装置であって、
前記第1ユニットが、前記2つの通信ノード間の経路の一部であって、自ノードを含んだ任意の両端点を有する前記経路の一部において伝送される前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを管理するステート管理手段を有し、
前記第2ユニットが、前記シグナリングメッセージによって伝送されるフィルタ情報であって、前記付加的サービスを提供する対象となるデータパケットを特定するための前記フィルタ情報を管理するフィルタ情報管理手段を有している。
この構成により、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、経路の管理を容易に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理装置は、上記の通信管理装置に加えて、前記ステートが、前記任意の両端点のアドレスを有し、前記フィルタ情報が、前記2つの通信ノードのアドレスを有している。
この構成により、シグナリングメッセージのルーティングのための情報、及び付加的サービスを提供するデータパケットを特定するための情報のそれぞれに関して、異なるアドレスが設定できるようになり、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理装置は、上記の通信管理装置に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。また、NSISにおいて、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信管理方法は、シグナリングメッセージをルーティングする機能を有する第1ユニットと、提供する付加的サービスに関する情報を管理するための機能を有する第2ユニットとにより構成された通信プロトコルを使用して2つの通信ノード間で行われる通信において、前記2つの通信ノード間の経路上に存在し、前記2つの通信ノード間で伝送されるデータパケットに対して前記付加的サービスを提供する通信ノードで行われる通信管理方法であって、
前記第1ユニットが、前記2つの通信ノード間の経路の一部であって、自ノードを含んだ任意の両端点を有する前記経路の一部において伝送される前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを管理するステート管理ステップと、
前記第2ユニットが、前記シグナリングメッセージによって伝送されるフィルタ情報であって、前記付加的サービスを提供する対象となるデータパケットを特定するための前記フィルタ情報を管理するフィルタ情報管理ステップとを有している。
この構成により、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、経路の管理を容易に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記ステートが、前記任意の両端点のアドレスを有し、前記フィルタ情報が、前記2つの通信ノードのアドレスを有している。
この構成により、シグナリングメッセージのルーティングのための情報、及び付加的サービスを提供するデータパケットを特定するための情報のそれぞれに関して、異なるアドレスが設定できるようになり、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。また、NSISにおいて、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することが可能となり、特に、ルーティングのためのステートの確立処理を柔軟に行えるようにすることが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1及び第2ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層の任意の機能が参照可能なNSLP共通部に配置されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。
さらに、本発明の通信管理方法は、上記の通信管理方法に加えて、前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層の特定の機能部に配置されていて、前記特定の機能部から前記NSLP層の任意の機能部に、前記フィルタ情報の一部又は全部が渡されるように構成されている。
この構成により、フローIDとフィルタ情報とを分けて別々に管理し、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理と、データパケットの通る経路に係る処理との相互依存性を緩和することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、移動端末がハンドオーバ後に接続するサブネットにおいて使用するアドレス(NCoA)を用いずに、ハンドオーバ後の移動端末が送信元又はあて先に設定されたパケットに対して、付加的サービス(特に、QoS)を提供することによって、移動端末のNCoAの生成タイミングや取得機構などに影響されない、スムーズな経路(特に、QoS経路)の確立が実現可能となる。
また、本発明は、上記の構成を有しており、付加的サービス(特にQoS)に係る経路の確立の際に行われるシグナリングメッセージのルーティングのためのステート確立機構と、データパケットに対して付加的サービスを提供するためのリソース予約機構との間の相互依存性を緩和することにより、移動端末のNCoAの生成タイミングや取得機構などに影響されない、スムーズな経路(特に、QoS経路)の確立が実現可能となるとともに、さらには、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合においても、経路(特に、QoS経路)の管理を容易にすることを可能にする。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第3の実施の形態について説明する。なお、まず、本発明の第1の実施の形態では、データの流れ方向が、移動を行うMNから、その通信相手であるCNに向かう方向(以下、uplink方向と呼ぶ)の場合について説明を行い、続いて、本発明の第2の実施の形態では、データの流れ方向が、CNからMNに向かう方向(以下、downlink方向と呼ぶ)の場合について説明を行う。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず、図1〜3を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る概要について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図である。また、図3は、本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図である。
図1〜3には、無線通信によりAR(Access Router)に接続してCN121との通信を行うMN101と、MN101の通信相手となるCN121と、サブネット103を形成するAR105と、サブネット107を形成するAR109と、MN101とCN121との間における経路上に存在し、MN101とCN121との間で伝送されるパケットに関してQoS保証を行うQoS認識機能(QoS-aware)を有するQNE111、113、115、117、119、123、125とが図示されている。
なお、MN101がサブネット103に存在している場合(すなわち、MN101がAR105に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路127上には、AR105、QNE111、QNE113、QNE115、QNE117、QNE119が存在しており、MN101がサブネット107に存在している場合(すなわち、MN101がAR109に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路129上には、AR109、QNE123、QNE125、QNE115、QNE117、QNE119が存在しているものとする。なお、経路127と経路129とは一部が重複しており、経路127と経路129とのCRN(Crossover Node:クロスオーバノード)をQNE115とする。
図1において、MN101からCN121に送信されるデータパケットは、経路127を経由して伝送される。このとき、経路127上のすべてのQNE111、113、115、117、119は、MN101からCN121に送信されるデータパケットに関するQoSステートを有している。すなわち、各QNE111、113、115、117、119は、少なくとも送信元アドレス(source address)及びあて先アドレス(destination address)の情報を含む識別情報(この情報をフィルタ情報(filter)と呼ぶ)と、このフィルタ情報に対応するリソース予約情報(resource)とが関連付けているQoSステートを保持しており、MN101からCN121に送信されるデータパケットのヘッダ(特に、送信元アドレス及びあて先アドレス)を参照してフィルタ情報を特定し、対応するリソース予約情報に基づくQoS保証を行うように構成されている。なお、上述した非特許文献4、6、7などの現在のフローIDは、データパケットの送信元アドレス及びあて先アドレスを含む情報により構成されていると記載されており、このフローIDを上記のフィルタ情報として利用することも可能である。また、フィルタ情報は、フローIDとは異なる情報であってもよい。
なお、図1に図示されているように、経路127のフィルタ情報(MN101がサブネット103から割り当てられているIPアドレス(cCoA:current Care-of Address)が送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているフィルタ情報)をfilterAとし、filterAに対応するリソース予約情報をresourceAとする。
MN101は、サブネット107に移動する可能性があり、プロキシ123に対して予測経路(経路129)、又は予測経路の一部の確立を所望している。なお、MN101がサブネット107に移動する前に、プロキシ123によって予測経路、又は予測経路の一部が確立されることで、MN101が実際にサブネット107に移動した後に、より迅速にMN101からCN121へのQoS経路が確立され、ハンドオーバによるQoS保証の中断時間を短縮することが可能となる。
QNE(プロキシ)123が予測経路を確立するための何らかのトリガを受けた場合には、QNE(プロキシ)123とCRN(ここではQNE115)との間でQoS経路が確立される。この新たな経路が確立された場合には、QNE(プロキシ)123や、QNE(プロキシ)123とQNE115との間の各中間QNE(例えば、QNE125)は、新たなQoSステートを有することになる。すなわち、図2に図示されているように、QNE(プロキシ)123やQNE125では、QNE(プロキシ)123のIPアドレスが送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているフィルタ情報(filterB)に対して、filterAと同一のリソース予約情報であるresourceAが設定される。
一方、QNE115とCN121との間の経路上のQNEに関しては、新たなフィルタ情報(上記のfilterB)が、現在のフィルタ情報(filterA)に追加される。これにより、図2に図示されているように、QNE115や、QNE115とCN121との間の各中間QNE(例えば、QNE117、119)は、filterA及びfilterBに対してresourceAが設定されたQoSステートを有することになり、filterBによって定義されるデータトラフィックには、filterAによって定義されるデータトラフィックのために予約されたresourceAが使用可能となる。なお、例えば、同一セッションIDを有する2つのフィルタ情報(filterA及びfilterB)によりどちらか一方が削除されてしまうなど、従来行われている処理によって本発明に係る動作に不具合が生じる可能性があるため、例えば、filterBに係るRESERVEメッセージには、プロキシによるQoS経路の確立であることを示す特別なフラグ(「プロキシフラグ」)が付加されることが望ましい。
以上のように、MN101がサブネット107への移動を行う前に(あるいは、MN101のサブネット107への移動とは無関係に)、QNE(プロキシ)123は、MN101のNCoA(MN101がサブネット107に移動した後に割り当てられる新たなCoA)を用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路の一部(QNE(プロキシ)123からCN121までの経路)に係るリソース予約を行うことが可能となる(図2に図示されている状態)。
そして、MN101がNCoAを取得した場合(実際にサブネット107に移動してNCoAを取得するか、あるいはサブネット103に接続した状態でNCoAを取得した場合)には、図3に図示されているように、経路129上の各中間QNE(QNE123、125、115、117、119)において、MN101のNCoAが送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれている新たなフィルタ情報(filterC)がfilterA又はfilterBに追加されることによって、QoS経路の更新が行われる。なお、MN101がサブネット107に移動した場合には、filterAに関しては、能動的(削除を指示するメッセージの送信などによる)又は受動的(タイムアウトなどによる)に削除されることが望ましい。また、フローIDとは異なる情報としてフィルタ情報が存在する場合には、フローIDは、データパケットの送信元アドレス/あて先アドレスに依存するものでなくてもよい。例えば、図3でプロキシ123がfilterCに関するリソース予約を行う際、経路129全体に使われるフローIDは「送信元=QNE(プロキシ)123、あて先=CN121」を含んでいてもよく、またMN101からQNE(プロキシ)123までの経路に関しては「送信元=QNE(プロキシ)123、あて先=MN101」を含むフローID、QNE(プロキシ)123からCN121までの経路に関しては「送信元=QNE(プロキシ)123、あて先=CN121」を含むフローIDをそれぞれ用いて、2つの経路として扱ってもよい。
例えば、MN101がサブネット107に移動してNCoAを取得した後に、NCoAに関するQoS経路の更新が完了(filterCに関するリソース予約が完了)する前までは、MN101からCN121あてに送信されるデータパケットは、QNE(プロキシ)123によって、filterBの情報を含むアウタヘッダ(送信元アドレスをQNE(プロキシ)123のIPアドレスとし、あて先アドレスをCN121のIPアドレスとするヘッダ)が付加されて、カプセル化される。このカプセル化されたデータパケットはfilterBによって識別され、各中間QNEにおいて、resourceAに基づくQoS保証が行われて伝送され、filterBによって識別される経路の最終QNEによって脱カプセル化される。なお、この最終QNEはCN121であることが望ましいが、CN121がQNEではない場合には、その他のQNE(例えば、経路上において、CN121の最も近くに存在するQNE119)であってもよい。
最終QNEは、filterBで特定されるヘッダを持つパケットが到達した際には、脱カプセル化を行ってインナパケットを取り出す。CN121が最終QNEの場合にはそのインナパケットを取得し、QNE119が最終QNEの場合にはそのインナパケットをCN121に向けて転送する。なお、経路全体にわたってQoS予約が行われるようにするための方法としては、例えばIPv4最小カプセル化など、上述のパケットのカプセル化方法以外にも存在することは、当業者にとって明白であり、任意のパケットのカプセル化方法を本発明に適用することが可能である。また、本発明は、他の種類のカプセル化やトンネリング機構においても良好に動作する。
このように、MN101のNCoAが設定されているfilterCに関するリソース予約が完了するまでは、データパケットのカプセル化が行われ、QNE(プロキシ)123のIPアドレスが送信元アドレスとして設定されているfilterBによって、カプセル化されたデータパケットのQoS保証が行われるように構成されており、MN101のNCoAを用いてリソース予約が行われるまでのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
また、filterCのQoSの更新に成功した後(すなわち、filterCが経路129上のすべてのQNEに導入された後)は、QNE(プロキシ)123は、filterBのデータパケットの生成(filterAのデータパケットのカプセル化)を終了する。そして、filterAやfilterBは能動的又は受動的に削除され、最終的にfilterCに関するQoSステートのみが残り、サブネット107に接続しているMN101からCN121への経路129において、MN101からCN121へのデータパケットに対するQoS保証が行われる。
次に、図4を参照しながら、本発明の第1の実施の形態におけるQNEの構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態におけるQNEの一構成例を示す図である。図4に示すQNEは、受信手段11、送信手段13、トリガ検出手段15、メッセージ生成・処理手段17、フィルタリング手段19、カプセル化/脱カプセル化手段21、QoS情報格納手段23を有している。
受信手段11及び送信手段13は、パケットの受信及びパケットの送信を行うための手段である。また、トリガ検出手段15は、例えばMN101から受信する、予測経路を確立するための何らかのトリガに係る処理を行うための手段である。なお、受信したトリガ情報は、例えば、フィルタ情報ごとに関連付けられてQoS情報格納手段23に格納される。また、トリガ検出手段15からメッセージ生成・処理手段17に対して、トリガ情報の受信イベントが発生した旨を示す情報や、トリガ情報自体が供給される。
また、メッセージ生成・処理手段17は、トリガ情報に含まれるMN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションIDや、QSpec情報や、CN121のIPアドレスなどの情報に基づいて、データ経路上の各通信ノードの調査や、実際のリソース予約などを行うためのメッセージを生成するための手段である。また、他の通信ノードから受信したメッセージに関しても、このメッセージ生成・処理手段17において処理が行われ、リソース予約などを行うための情報(セッションIDやフィルタ情報、QSpecなどの情報)は、QoS情報格納手段23に格納される。
また、フィルタリング手段19は、受信パケットのヘッダ(特に、フィルタ情報に対応するパケットの送信元アドレス及びあて先アドレス)を参照して、受信パケットに対して、QoS情報格納手段23に格納されているQoS情報(QoSステート)に基づくパケットのフィルタリングを行う手段であり、このフィルタリングによって、各パケットに対するリソースが確保されるように構成されている。また、カプセル化/脱カプセル化手段21は、必要に応じて、送信パケットのカプセル化や、受信パケットの脱カプセル化を行う手段である。
なお、後述の具体例(図5のシーケンスチャートを参照)から分かるように、トリガ検出手段15はQNE123においてのみ必要であり、その他のQNEには実装されている必要はない。また、カプセル化/脱カプセル化手段21は、例えば、QNE123にカプセル化手段、CN121に脱カプセル化手段がそれぞれ実装されていればよく、その他のQNEには、カプセル化/脱カプセル化手段21が特に実装される必要はない。
次に、図5を参照しながら、本発明の第1の実施の形態における動作について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは具体例として、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるQUERYメッセージやRESERVEメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。
図5において、まず、QNE(プロキシ)123は、予測経路を確立するためのトリガを受け取る(ステップS201)。なお、このトリガには、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、QSpec情報、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR(QoS NSIS Responder))のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。また、QNE(プロキシ)123が受信するトリガの送信元は任意のQNEであってよいが、移動を行う可能性のあるMN101や、その通信相手ノードであるCN121、MN101やCN121からの要求に応じて、MN101やCN121の代理として機能するQNEが送信元となることが好適である。なお、この場合、MN101やCN121、代理となるQNEは、トリガのあて先に使用するQNE(プロキシ)123のIPアドレスを把握する必要があるが、この把握方法は、特に限定されるものではない。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、即座に、このトリガに対応したQUERYメッセージをCN121に向かって送信する(ステップS203)。このQUERYメッセージには、例えば、セッションIDとQSpec情報とが含まれている。QUERYメッセージは、経路129上においてQNE(プロキシ)123に隣接するQNE125に到達する。QNE125は、このQUERYメッセージに基づいて通常のQUERY処理(例えば、QUERYメッセージに含まれているセッションIDのリソース予約状況の確認処理など)を行うとともに、次の隣接するQNE(QNE115)にQUERYメッセージを送信する(ステップS205)。QNE115は、QUERYメッセージを受信すると、QUERYメッセージ内のセッションIDや、隣接するQNEの変化を検出するための情報として使われるSII(Source Identification Information)を比較することによって、自身がCRNであることを認識する(ステップS207)。
QNE115は、新たな予約を行うために、「プロキシフラグ」が付加された受信者始動RESERVEメッセージ(receiver-initiated RESERVE message)をQNE123に送信する(ステップS209)。この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてQNE(プロキシ)123のIPアドレスが含まれている(図2のfilterBに対応)。なお、ステップS209においてQNE115から送信されたRESERVEメッセージは、QNE123まで伝送され(ステップS211)、各QNE(QNE123、125)において、RESERVEメッセージに含まれているフィルタ情報やQSpecに基づいて、フィルタ/リソースの組が生成されて予約が行われる。なお、QNE115においても同様に、フィルタ/リソース(図2のfilterB/resourceA)の組が生成されて予約が行われる。
また、ステップS209における受信者始動RESERVEメッセージの送信と同時に、QNE115は「プロキシフラグ」が付加された送信者主導のRESERVEメッセージ(sender-initiated RESERVE message:図5ではRESERVE(add)と記載)をCN121に送信する(ステップS213)。この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてQNE(プロキシ)123のIPアドレスが含まれている(図2のfilterBに対応)。ステップS213においてQNE115から送信されたRESERVEメッセージは、CN121まで伝送され(ステップS213、S215、S217)、各QNE(QNE117、119)において、このフィルタ情報が、MN101からCN121へのデータパケットに現在使用されている現在のフィルタ/リソース(図1のfilterA/resourceA)の組に追加される。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS219)。QNE(プロキシ)123はMN101の移動を検出し、MN101のNCoAを取得した場合(ステップS221)には、受信者始動RESERVEメッセージをMN101に送信する(ステップS223)。このRESERVEメッセージに関するフィルタ情報には、送信元アドレスとしてMN101のNCoAが含まれている。
また、QNE(プロキシ)123は、CN121あてのデータパケットをMN101から受信した場合には、送信元アドレスがQNE(プロキシ)123のアドレスに設定されたアウタヘッダ(あて先アドレスは、CN121のアドレス)を付加することによって、MN101からのデータパケットのカプセル化を開始する(ステップS225)。カプセル化されたデータパケットは、その送信元アドレスがQNE(プロキシ)123であり、経路129上の各QNEでは、filterBのフィルタ情報に係るQoS処理が行われ、その結果、QoS保証を受けることになる。
一方、QNE(プロキシ)123は、サブネット107への移動後のMN101(すなわち、MN101のNCoA)に関する予約を行うために、送信者主導のRESERVEメッセージ(図5ではRESERVE(add)と記載)をCN121に送信する(ステップS227)。この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてMN101のIPアドレスが含まれている。そして、各QNE(QNE125、115、117、119)を経由してRESERVEメッセージは伝送されるとともに(ステップS229、S231、S233、S235)、各QNEにおいて、このRESERVEメッセージに含まれるフィルタ情報(図3のfilterC)が、以前に付加又は生成されたフィルタ情報(図2のfilterB)に付加される。
RESERVEメッセージを受けたCN121は、即座にRESPONSEメッセージをQNE123に向けて送信する(ステップS237)。このRESPONSEメッセージは、各QNE(119、117、115、125)を経由してQNE(プロキシ)123に到達する(ステップS239、241、243、245)。このRESPONSEメッセージの受信によって、QNE(プロキシ)123はMN101のNCoAに係るQoS経路が確立された旨を認識し、QNE(プロキシ)123は、データパケットのカプセル化を終了する(ステップS247)。
さらに、QNE123は、ステップS209〜S217で導入されたQNE(プロキシ)123を送信元アドレスとするフィルタ情報(図2のfilterB)を削除するために、送信者主導のRESERVEメッセージ(図5ではRESERVE(remove)と記載)をCN121に送信する(ステップS249、S251、S253、S255、S257)。なお、必ずしもRESERVEメッセージによるフィルタ情報の削除を行う必要はなく、このフィルタ情報は、タイマのタイムアウトによって削除されてもよい。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路(MN101からCN121までの経路)の一部(QNE(プロキシ)123からCN121までの経路)に係るリソース予約を行い、MN101からCN121までの完全な経路が確立されるまでは、QNE(プロキシ)123が確立した経路及びQoSステートによってデータパケットが行われることで、MN101がサブネット103からサブネット107に接続を変更した場合において、MN101からCN121に送られるデータパケットのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。まず、図6〜8を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る概要について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図である。また、図7は、本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図である。また、図8は、本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図である。
図6〜8には、図1〜3と同様に、無線通信によりARに接続してCN121との通信を行うMN101と、MN101の通信相手となるCN121と、サブネット103を形成するAR105と、サブネット107を形成するAR109と、MN101とCN121との間における経路上に存在し、MN101とCN121との間で伝送されるパケットに関してQoS保証を行うQoS認識機能(QoS-aware)を有するQNE111、113、115、117、119、123、125とが図示されている。
なお、MN101がサブネット103に存在している場合(すなわち、MN101がAR105に接続している場合)、CN121からMN101へのdownlink方向の経路137上には、QNE119、QNE117、QNE115、QNE113、QNE111、AR105が存在しており、MN101がサブネット107に存在している場合(すなわち、MN101がAR109に接続している場合)、CN121からMN101へのdownlink方向の経路139上には、QNE119、QNE117、QNE115、QNE125、QNE123、AR109が存在しているものとする。なお、経路137と経路139とは一部が重複しており、経路137と経路139とのCRNをQNE115とする。
図6において、CN121からMN101に送信されるデータパケットは、経路137を経由して伝送される。このとき、経路137上のすべてのQNE111、113、115、117、119は、CN121からMN101に送信されるデータパケットに関するQoSステートを有している。すなわち、各QNE111、113、115、117、119は、経路137のフィルタ情報(CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているとともに、MN101がサブネット103から割り当てられているIPアドレス(cCoA)があて先アドレスとして含まれているフィルタ情報)であるfilterDと、このfilterDに対応するリソース予約情報であるresourceDとが関連付けられているQoSステートを保持しており、CN121からMN101に送信されるデータパケットのヘッダ(特に、送信元アドレス及びあて先アドレス)を参照してフィルタ情報(filterD)を特定し、対応するリソース予約情報(resourceD)に基づくQoS保証を行うように構成されている。
MN101は、サブネット107に移動する可能性があり、プロキシ123に対して予測経路(経路139)、又は予測経路の一部の確立を所望している。なお、MN101がサブネット107に移動する前に、プロキシ123によって予測経路、又は予測経路の一部が確立されることで、MN101が実際にサブネット107に移動した後に、より迅速にCN121からMN101へのQoS経路が確立され、ハンドオーバによるQoS保証の中断時間を短縮することが可能となる。
QNE(プロキシ)123が予測経路を確立するための何らかのトリガを受けた場合には、QNE(プロキシ)123とCRN(ここではQNE115)との間でQoS経路が確立される。この新たな経路が確立された場合には、QNE(プロキシ)123や、QNE(プロキシ)123とQNE115との間の各中間QNE(例えば、QNE125)は、新たなQoSステートを有することになる。すなわち、図7に図示されているように、QNE(プロキシ)123やQNE125では、CNのIPアドレスが送信元アドレスとして含まれているとともに、QNE(プロキシ)123のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているフィルタ情報(filterE)に対して、filterDと同一のリソース予約情報であるresourceDが設定される。
一方、QNE115とCN121との間の経路上のQNEに関しては、新たなフィルタ情報(上記のfilterE)が現在のフィルタ情報(filterD)に追加される。これにより、図7に図示されているように、QNE115や、QNE115とCN121との間の各中間QNE(例えば、QNE117、119)は、filterD及びfilterEに対してresourceDが設定されたQoSステートを有することになり、filterEによって定義されるデータトラフィックには、filterDによって定義されるデータトラフィックのために予約されたresourceDが使用可能となる。
以上のように、MN101がサブネット107への移動を行う前に(あるいは、MN101のサブネット107への移動とは無関係に)、QNE(プロキシ)123は、MN101のNCoA(MN101がサブネット107に移動した後に割り当てられる新たなCoA)を用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路の一部(CN121からQNE(プロキシ)123までの経路)に係るリソース予約を行うことが可能となる(図7に図示されている状態)。
そして、MN101がNCoAを取得した場合(実際にサブネット107に移動してNCoAを取得するか、あるいはサブネット103に接続した状態でNCoAを取得した場合)には、図8に図示されているように、経路139上の各中間QNE(QNE123、125、115、117、119)において、MN101のNCoAが送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれている新たなフィルタ情報(filterF)がfilterD又はfilterEに追加されることによって、QoS経路の更新が行われる。なお、MN101がサブネット107に移動した場合には、filterDに関しては、能動的又は受動的に削除されることが望ましい。また、フローIDとは異なる情報としてフィルタ情報が存在する場合には、フローIDは、データパケットの送信元アドレス/あて先アドレスに依存するものでなくてもよい。
例えば、MN101がサブネット107に移動してNCoAを取得した後に、NCoAに関するQoS経路の更新が完了(filterFに関するリソース予約が完了)する前までは、CN121からMN101あてに送信されるデータパケットは、filterEの情報を含むアウタヘッダ(送信元アドレスをCN121のIPアドレスとし、あて先アドレスをQNE(プロキシ)123のIPアドレスとするヘッダ)が付加されて、カプセル化される。このカプセル化されたデータパケットはfilterEによって識別され、各中間QNEにおいて、resourceDに基づくQoS保証が行われて伝送され、QNE(プロキシ)123によって脱カプセル化される。なお、CN121がQNEの場合には、CN121からMN101あてに送信されるデータパケットのカプセル化はCN121で行われることが望ましいが、その他のQNE(例えば、経路上において、CN121の最も近くに存在するQNE119)でカプセル化が行われてもよい。
QNE(プロキシ)123は、filterEで特定されるヘッダを持つパケットが到達した際には、脱カプセル化を行ってインナパケットを取り出し、そのインナパケットをMN101に転送する。なお、経路全体にわたってQoS予約が行われるようにするための方法としては、例えばIPv4最小カプセル化など、上述のパケットのカプセル化方法以外にも存在することは、当業者にとって明白であり、任意のパケットのカプセル化方法を本発明に適用することが可能である。また、本発明は、他の種類のカプセル化やトンネリング機構においても良好に動作する。
このように、MN101のNCoAが設定されているfilterFに関するリソース予約が完了するまでは、データパケットのカプセル化が行われ、QNE(プロキシ)123のIPアドレスがあて先アドレスとして設定されているfilterEによって、カプセル化されたデータパケットのQoS保証が行われるように構成されており、MN101のNCoAを用いてリソース予約が行われるまでのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
また、filterFのQoSの更新に成功した後(すなわち、filterFが経路139上のすべてのQNEに導入された後)は、CN121は、filterEのデータパケットの生成(filterDのデータパケットのカプセル化)を終了する。そして、filterDやfilterEは能動的又は受動的に削除され、最終的にfilterFに関するQoSステートのみが残り、CN121からサブネット107に接続しているMN101への経路139において、CN121からMN101へのデータパケットに対するQoS保証が行われる。
次に、本発明の第2の実施の形態における動作について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは具体例として、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるRESERVEメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。また、本発明の第2の実施の形態におけるQNEの構成は、上述の本発明の第1の実施の形態におけるQNEの構成(図4参照)と同一であり、ここでは説明を省略する。
図9において、QNE(プロキシ)123は、CN121から、サブネット103に接続しているMN101のデータ経路情報(例えば、リソース稼働率など)を取得するとともに、downlink方向のCRN(ここでは、QNE115)をあらかじめ特定する(ステップS301)。なお、例えば、QNE(プロキシ)123は、上述の非特許文献9、10などに記載されている方法を使用することによって、これらの情報を取得することが可能である。
そして、QNE(プロキシ)123は、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、予測経路を確立するための何らかのトリガを受け取る(ステップS303)。なお、このトリガには、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、QSpec情報、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR)のIPアドレス など、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、このトリガに応じて、即座に「プロキシフラグ」が付加された受信者始動RESERVEメッセージをCN121に向かって送信する(ステップS305)。なお、この予約におけるフィルタ情報には、送信元アドレスとしてCN121のIPアドレス、あて先アドレスとしてQNE(プロキシ)123のIPアドレスが含まれている(図7のfilterE)。また、QNE(プロキシ)123は、このフィルタ情報に対応したフィルタ/リソース(図7のfilterE/resourceD)の組を生成して新たな予約を行う。また、ステップS307でQNE123からRESERVEメッセージを受けたQNE125も同様に、このフィルタ情報に対応したフィルタ/リソース(図7のfilterE/resourceD)の組を生成して新たな予約を行う。
一方、QNE117、QNE119、CN121(CN121がQNEの場合)では、RESERVEメッセージ(図9では、RESERVE(add)と記載)の伝送が行われる(ステップS309、S311、S313)とともに、このRESERVEメッセージに含まれているフィルタ情報(図7のfilterE)が、CN121からMN101へのデータパケットに現在使用されている現在のフィルタ/リソース(図6のfilterD/resourceD)の組に追加される。以上の動作により、各QNEには、図7に図示されているリソース予約情報が設定される。
なお、このQNE(プロキシ)123から送信されるRESERVEメッセージには、CRN(QNE115)以降の経路において上記のようなフィルタ情報の追加処理を行う旨を示す情報が含まれており、QNE115が、この情報を参照して上流のQNE(QNE117)に対して追加処理を指示するRESERVEメッセージを送信してもよい。また、QNE115は、RESERVEメッセージを受信した下流のQNE(QNE125)が、同一セッションに属する経路137とは異なる方向に存在していることから、自らがCRNであることを把握してもよい。また、各QNEは、リソース予約情報に、受信したRESERVEメッセージのフィルタ情報が属するセッションと同一セッションの他の経路(他のフィルタ情報)を保持している場合には、元々保持しているフィルタ情報に、RESERVEメッセージのフィルタ情報を追加するように構成されていてもよい。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS315)。QNE(プロキシ)123はMN101の移動を検出し、MN101のNCoAを取得した場合(ステップS321)には、送信者主導のRESERVEメッセージをMN101に送信する(ステップS323)。このRESERVEメッセージに関するフィルタ情報には、送信元アドレスとしてCN121のアドレスが含まれており、あて先アドレスとしてMN101のNCoAが含まれている。
一方、CN121も、例えばMN101からのBUによって、MN101の移動を検出して、MN101のNCoAを取得する(ステップS317)。そして、CN121は、MN101へのデータパケットのカプセル化を開始する(ステップS319)。このカプセル化では、CN121は、MN101のNCoAをあて先アドレスとするパケットに、あて先アドレスがQNE(プロキシ)123のアドレスに設定されたアウタヘッダを付加したパケットを生成して送信する。カプセル化されたデータパケットは、そのあて先アドレスがQNE(プロキシ)123であり、経路129上の各QNEでは、filterEのフィルタ情報に係るQoS処理が行われ、その結果、QoS保証を受けることになる。
ステップS323でRESERVEメッセージを送信した後、QNE(プロキシ)123は、受信者始動RESERVEメッセージ(図9では、RESERVE(add)と記載)をCN121に送信する(ステップS325)。この予約におけるフィルタ情報には、あて先アドレスとしてMN101のIPアドレスが含まれている。そして、各QNE(QNE125、115、117、119)を経由してRESERVEメッセージは伝送されるとともに(ステップS327、S329、S331、S333)、各QNEにおいて、このRESERVEメッセージに含まれるフィルタ情報(図8のfilterF)が、以前に付加又は生成されたフィルタ情報(図7のfilterE)に付加される。以上の動作により、各QNEには、図8に図示されているリソース予約情報が設定される。そして、CN121は、このRESERVEメッセージを受信した場合に、データパケットのカプセル化を終了する(ステップS335)。
そして、CN121は、ステップS305〜S313で導入されたQNE(プロキシ)123をあて先アドレスとするフィルタ情報(図7のfilterE)を削除するために、送信者主導のRESERVEメッセージ(図9ではRESERVE(remove)と記載)をQNE(プロキシ)123に送信する(ステップS337、S339、S341、S343、S345)。なお、必ずしもRESERVEメッセージによるフィルタ情報の削除を行う必要はなく、このフィルタ情報は、タイマのタイムアウトによって削除されてもよい。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路(CN121からMN101までの経路)の一部(CN121からQNE(プロキシ)123までの経路)に係るリソース予約を行い、CN121からMN101までの完全な経路が確立されるまでは、QNE(プロキシ)123が確立した経路及びQoSステートによってデータパケットが行われることで、MN101がサブネット103からサブネット107に接続を変更した場合において、CN121からMN101に送られるデータパケットのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。上述の説明ではフィルタ情報(filter)及びフローIDに明確な違いがなされていないが、以下、それぞれを明確に定義した場合の各QNEの機能や、シグナリングメッセージの処理などについて説明する。
まず、本発明の第3の実施の形態におけるフィルタ情報について説明する。本発明の第3の実施の形態では、フィルタ情報を、各QNEがパケットクラシファイア(packet classifier)として使用する情報として定義する。フィルタ情報は、RSVPにおけるフィルタスペック(filter spec)と同様に、QoS予約を行うためのシグナリングメッセージのパラメータとして各QNEに運ばれる。すなわち、NSISでは、フィルタ情報は、主にNSLPにて生成され、管理される情報となる。各QNEは、このフィルタ情報を、要求されているQoSリソースの情報と共に格納することにより、どのデータパケットに対して予約されたQoSリソースを与えるかの区別を行う。そのため、フィルタ情報には、予約されたQoSの保証を受けるデータパケットのヘッダ情報が含まれる。すなわち、フィルタ情報に含まれる情報の例としては、RSVPにおけるフィルタスペックと同様に、送信元・あて先IPアドレスや、プロトコル識別子、ポート番号、フローラベル(IPv6の場合)、SPI(Security Parameters Index)(IPSecでカプセル化されている場合)、DSCP/TOS(Differentiated Services Code Point/Type of Service)フィールドなどである。
また、フィルタ情報は、1つのQoS予約に対してフィルタリスト(filter-list)の形を取ってもよい。この場合、1つのQoS予約に対して、QNEは、フィルタリスト内のどのフィルタ情報と同じ内容のヘッダを持つデータパケットを受けた場合でも、予約されているリソースを与えることが可能となる。
フィルタリストは、このリストがどのフローやセッションに属するものかを表す識別子(例えば、フローIDや、セッションIDなど)と共に管理されてもよい。また、同一セッションに属するデータパケットが異なる性質を持つ複数の経路(例えば、モバイルIPにおける三角経路と最適化経路や、マルチホーム端末を使った通信における複数の経路など)を用いて送受信される場合には、フローIDやセッションIDのほかに、これらの複数の経路の種別を識別する識別子(例えば、Path Type ID(非特許文献12参照)など)と共に管理されてもよい。
以下に、フィルタリストの管理方法の一例について説明する。QoS予約を行うためのシグナリングメッセージ(例えば、NSISのRESERVEメッセージなど)により運ばれるフィルタリストの与え方の例として、
Filter-List ::= <List Length> <Action> <Filter> <Filter> ・・・;
などが考えられる。ここで、フィルタリストは、<List Length>、<Action>、及び複数のフィルタ情報(<Filter>)を有している。なお、<List Length>では、フィルタリストに含まれるフィルタ情報の個数(すなわち、<Filter>の個数)が示される。また、<Action>では、各QNEでこのフィルタリストをどのように扱うかを指定する情報が示される。例えば、<Action>に含まれる情報としては、「追加(add)」、「削除(sub)」、「置き換え(Replace)」などが考えられる。例えば、<Action>が「追加(Add)」の場合には、そのQNE上に同一セッションID及びPath Type ID(存在する場合)に対応する既存のフィルタリストが存在する場合には、そのリストに後続のフィルタ情報<Filter>が追加され、存在しない場合には、新たにフィルタリストが作られ、それに対応するリソースが予約される。また、例えば、<Action>が「削除(sub)」の場合には、同一セッションID及びPath Type ID(存在する場合)に対応する既存のフィルタリストから、後続のフィルタ情報<Filter>だけが削除される。また、例えば、<Action>が「置き換え(Replace)」の場合には、QNE上の同一セッションID及びPath Type ID(存在する場合)に対応する既存のフィルタリストそのものが置き換えられる。
また、例えば、
Filter-List ::= <List Length> <Action> <Filter> <Filter> ・・・ <List Length> <Action> <Filter> <Filter> ・・・;
という形式を取ることにより、1つのフィルタリストによって、フィルタ情報に係る複数の変更動作を一度に行えるようにすることも可能である。例えば、あるQNEが、セッションID“300”、Path Type ID“0x00”に対し、3つのフィルタ情報(<filter1>、<filter2>、<filter3>)を含むフィルタリスト
Filter-list := <filter1> <filter2> <filter3>;
を格納していた場合、同一セッションID及びPath Type IDを持つRESERVEメッセージを受信し、その中に含まれるフィルタ情報が
Filter-List ::= <2> <add> <filter4> <filter5> <1> <sub> <filter1>;
であった場合には、このQNEに格納されるフィルタリストは、
Filter-list := <filter2> <filter3> <filter4> <filter5>;
に更新される。なお、上記のフィルタリストの形式は一例であり、QoS予約を行うためのシグナリングメッセージにおいて、フィルタ情報及びそのフィルタ情報に対して行う処理(action)の情報が明確にできるのであれば、他の形式を取ることや、他の情報を持つことも可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるフローIDについて説明する。本発明の第3の実施の形態では、フローIDは、主にNSISの下位層であるNTLPで管理され、NTLPにおいて、シグナリングメッセージがどのフローに属するかを識別するために使われる。フローIDとセッションIDとの違いは、セッションIDはセッションの開始から終了まで変化しないIDであるのに対し、フローIDは、例えば端末の移動などによる経路変更により、変化してもよいという点にある。また、1つのセッションに対し、複数のフローIDが存在してもよい。なお、本発明の第3の実施の形態におけるフローIDは、非特許文献11Aでは、MRI(Message Routing Information)として位置付けられているものであるが、含まれる情報はこの通りではない。本発明の第3の実施の形態におけるフローIDの一例としては、シグナリングメッセージの送信元とあて先のIPアドレスを含む情報が考えられる。なお、この場合、本発明の第3の実施の形態におけるフローIDには、非特許文献11Aで記されているフローIDのように必ずしもプロトコル識別子、ポート番号などのフィルタ情報が持つ情報が含まれる必要はない。また、データの送信元・あて先と、シグナリングメッセージの送信元・あて先が異なる場合や、送信元・あて先が同じであっても、ポート番号など他のフィルタ情報が異なる場合で、シグナリングメッセージもデータパケットと同様にQoS保証を必要とする場合は、シグナリングメッセージのフィルタ情報を、フィルタリストに追加すればよい。
また、図17は、本発明の第3の実施の形態において、QNE内でフィルタ情報及びフローIDを管理する主体を模式的に示す図である。上述のように、NSISプロトコル層では、フィルタ情報及びフローIDの2つの情報が管理されるが、フィルタ情報(フィルタリスト)は、主にNSISの上位層であるNSLP層において管理され、フローIDは、主にNSISの下位層であるNTLP層において管理される。なお、フィルタ情報やフローIDの管理や生成に関しては、必ずしも、図17に示されているようにNSLP層やNTLP層が単独で行う必要はなく、NSLP層とNTLP層の間で情報の交換を行ったり、他の層と情報を交換したりすることにより管理・生成が行われてもよい。
このように、NSISプロトコル層において管理される情報を、フィルタ情報及びフローIDに明確に分けて定義を行うことにより、各QNEはデータパケットの送受信を行う端末の情報(例えば、データの送信元・あて先に設定されるIPアドレス)を必要とすることなく、シグナリングメッセージを送信することが可能になる。この特性を用いたQoS経路の早期確立方法を以下に説明する。
なお、ここでは、データパケットの送信される方向がuplink方向であった場合を例に挙げて説明を行うが、データパケットの送信される方向がdownlink方向であった場合にも同様の手順を用いることができる。
まず、図12〜14を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る概要について説明する。図12は、本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS予約の状態及びルーティングのためのステート内に含まれるフローIDの状態を模式的に示す図である。また、図13は、本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路上にルーティングのためのステートを確立した状態を、この中に含まれるフローIDを示すことにより模式的に示す図である。また、図14は、本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図である。
図12〜14には、図1〜3と同様に、無線通信によりARに接続してCN121との通信を行うMN101と、MN101の通信相手となるCN121と、サブネット103を形成するAR105と、サブネット107を形成するAR109と、MN101とCN121との間における経路上に存在し、MN101とCN121との間で伝送されるパケットに関してQoS保証を行うQoS認識機能(QoS-aware)を有するQNE111、113、115、117、119、123、125とが図示されている。
なお、MN101がサブネット103に存在している場合(すなわち、MN101がAR105に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路147上には、AR105、QNE111、QNE113、QNE115、QNE117、QNE119が存在しており、MN101がサブネット107に存在している場合(すなわち、MN101がAR109に接続している場合)、MN101からCN121へのuplink方向の経路149上には、AR109、QNE123、QNE125、QNE115、QNE117、QNE119が存在しているものとする。なお、経路147と経路149とは一部が重複しており、経路147と経路149とのCRNをQNE115とする。
図12において、MN101からCN121に送信されるデータパケットは、経路147を経由して伝送される。このとき、経路147上のすべてのQNE111、113、115、117、119は、MN101からCN121に送信されるデータパケットに関するQoS予約に係るステートを有している。すなわち、各QNE111、113、115、117、119は、経路147を通して送られるデータパケットに関するフィルタ情報(CN121のIPアドレスがあて先アドレスとして含まれているとともに、MN101がサブネット103から割り当てられているIPアドレス(cCoA)が送信元アドレスとして含まれているフィルタ情報)であるfilterGを含むフィルタリストと、このフィルタリストに対応するリソース予約情報であるresourceGとが関連付けられているQoS予約に係るステートを保持しており、CN121からMN101に送信されるデータパケットのヘッダを参照してフィルタ情報(filterG)を特定し、対応するリソース予約情報(resourceG)に基づくQoS保証を行うように構成されている。
また同時に、各QNE111、113、115、117、119のNTLP層では、シグナリングメッセージの識別とルーティングのためのステート(ルーティングステートやメッセージアソシエーション(非特許文献11A参照))を保持している。このルーティングのためのステート内には、経路147におけるシグナリングメッセージの送信元及びあて先を含む情報から作られるフローIDが含まれる。今、シグナリングメッセージの送信元をMN101(cCoAをXとする)、シグナリングメッセージのあて先をCN121(IPアドレスをYとする)であるとし、各QNE111、113、115、117、119のNTLP層がルーティングのためのステートの中に持つフローIDを、flowXYとする。
MN101は、サブネット107に移動する可能性があり、QNE(プロキシ)123に対して予測経路(経路149)の一部の確立の準備(すなわち、QNE(プロキシ)123からCN121の確立の準備)を所望している。すなわち、MN101は、この経路上の各QNEに対して、サブネット107に移動した後のルーティングのためのステートをあらかじめ保有しておくことを所望している。なお、MN101がサブネット107に移動する前に、QNE(プロキシ)123によって予測経路の一部が準備されることで、MN101が実際にサブネット107に移動した後に、より迅速にCN121からMN101へのQoS経路が確立され、ハンドオーバによるQoS保証の中断時間を短縮することが可能となる。その理由は、ルーティングのためのステートの新規確立には複雑な処理が必要になるが、このルーティングのためのステートはいったん確立されてしまえば、このステートを用いてシグナリングメッセージをルーティングすることができるからである。
QNE(プロキシ)123が予測経路の確立を準備するための何らかのトリガを受けた場合には、QNE(プロキシ)123は、QNE(プロキシ)123とCN121との間のQNEにおけるルーティングのためのステートの新規確立処理を始動し、その結果、QNE(プロキシ)123とCN121との間のQNEにルーティングのためのステートが保有される。すなわち、図13に図示されているように、QNE(プロキシ)123、QNE125、115、117、119のNTLP層では、QNE(プロキシ)123のIPアドレス(Zとする)が送信元アドレスとして含まれているとともに、CN121のIPアドレス(すなわちY)があて先アドレスとして含まれているフローID(flowZY)を含むルーティングのためのステートが設定される。なお、経路147に関するルーティングのためのステートはそのまま残される。
以上のように、MN101がサブネット107への移動を行う前に(あるいは、MN101のサブネット107への移動とは無関係に)、QNE(プロキシ)123は、MN101のNCoA(MN101がサブネット107に移動した後に割り当てられる新たなCoA)を用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路の一部(QNE(プロキシ)123からCN121までの経路)に係るルーティングのためのステートを確立することが可能である(図13に図示されている状態)。
そして、MN101がNCoAを取得した場合(実際にサブネット107に移動してNCoAを取得するか、あるいはサブネット103に接続した状態でNCoAを取得した場合)には、このMN101のNCoAをデータパケットの送信元、CN121のIPアドレスをデータパケットのあて先としたフィルタ情報 (filterH)が作成される。そして、図14に図示されているように、経路149上のQNE(プロキシ)123、QNE125においてはfilterHを含むフィルタリストが新規で格納されるとともに、QNE115、117、119においては、filterHが既存の(同一セッション用の)フィルタリストに追加される。
また、MN101がサブネット107に移動した場合には、MN101からQNE(プロキシ)123の間のルーティングのためのステートを確立することにより、MN101からCN121までのエンド・ツー・エンドのルーティングのためのステートが確立される。MN101からQNE(プロキシ)123の間のルーティングのためのステートで使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123からCN121で使われているもの(flowZY)とは異なり、MN101がサブネット107で取得したNCoA(Wとする)をシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123のIPアドレス(すなわちZ)をシグナリングメッセージのあて先としたフローID(flowWZ)であってよい。また、エンド・ツー・エンドのフローIDを統一するため、MN101からQNE(プロキシ)123の間のルーティングのためのステートで使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123からCN121で使われているもの(flowZY)であってもよい。
なお、MN101からQNE(プロキシ)123の間のフローIDが、QNE(プロキシ123)からCN121で使われているものと異なる場合、QNE(プロキシ)123において、サブネット107上のMN101から送信されるシグナリングメッセージに付加されているフローID(flowWZ)をflowZYに付け替えて、CN121に向けて送信するなどの動作が必要である。また、上述のように、経路149上に既にシグナリングメッセージのルーティングのためのステートが存在するため、QoSリソース予約のための動作は、QNE(プロキシ)123より先では、経路149上に新規でQoS予約のためのシグナリングメッセージを送る場合に比べて迅速に行われ、その結果、MN101のNCoAを用いてQoSリソース予約が行われるまでのQoS保証の中断時間を低減することが可能となる。また、MN101がサブネット107に移動した後に、移動前に使用されていたフィルタ情報(filterG)や、経路147のルーティングのためのステートに関しては、能動的又は受動的に削除されることが望ましい。
次に、本発明の第3の実施の形態における第1動作例について説明する。図15は、本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは具体例として、各QNEにおいてルーティングのためのステートを作るために送信される、フィルタ情報を必要としないメッセージとして、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるQUERYメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。また、QoSリソースを予約するためのメッセージとして、NSISのQoS NSLPで定義されているメッセージであるRESERVEメッセージに、さらに本発明の動作に必要な情報を付加した場合について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態で使用される「RESERVEメッセージ」や「QUERYメッセージ」、「RESPONSEメッセージ」という用語は、NSLP層で生成される情報(メッセージのペイロード部と呼ぶ)、NTLP層で生成される情報(ヘッダ部と呼ぶ)及びIPヘッダ(オプション部分を含む)を含んでいる。
図15において、まず、QNE(プロキシ)123は、予測経路を準備するためのトリガを受ける(ステップS401)。なお、このトリガには、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR)のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、このトリガに応じて、即座に、NSLP層においてQUERYメッセージのペイロード部を生成し、NTLP層に受け渡す。NTLP層ではこれを受けて、自身をシグナリングメッセージの送信元、CN121をあて先としたフローIDを生成し(ステップS403)、このフローIDをヘッダ部に含むQUERYメッセージを、下位層を経由してCN121に向けて送信する(ステップS405)。なお、このQUERYメッセージは、経路149における新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このQUERYメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
QNE(プロキシ)123からCN121までの経路上のすべてのQNE(QNE125、115、117、119)は、QUERYメッセージを受信してIPヘッダにRAOを発見すると、NSIS層(NSLP層及びNTLP層)においてQUERYメッセージの中身を確認して、必要な処理を行う。すなわち、QUERYメッセージを受信したQNE125、115、117、119は、QoS NSLP層におけるQUERY処理以外に、NTLP層においてルーティングのためのステートの確立処理(ルーティングステートや、メッセージアソシエーション(要求されている場合)の確立のための処理)を行う(ステップS407、S411、S415、S419、S423)。その後、各QNEはQUERYメッセージをCN121に向けて送信する(ステップS409、S413、S417、S421)。そして、QUERYメッセージがCN121に到達すると、このQUERYメッセージに対するRESPONSEメッセージがCN121からQNE123に返される(ステップS425、S427、S429、S431、S433)。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS435)。MN101は、サブネット107よりNCoAを取得すると、NTLP層において、このNCoAをシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123をシグナリングメッセージのあて先としたフローIDを生成する(ステップS437)。また、MN101のNSLP層では、自身のNCoAをデータパケットの送信元、CN121のIPアドレスをデータパケットのあて先とした情報を含むフィルタ情報を生成し、このフィルタ情報を追加(add)してQoSリソースを予約するような送信者主導のRESERVEメッセージ(図15ではRESERVE(add)と記載)をQNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS439)。このRESERVEメッセージは、経路149におけるMN101からQNE(プロキシ)123に対する新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このRESERVEメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
このRESERVEメッセージを受け取ったQNE(プロキシ)123は、NTLPにおいてルーティングのためのステートの確立処理を行う(ステップS441)とともに、NSLPにおいてリソース予約のための処理を行う。また、NTLP層ではセッションIDなどの情報から、このRESERVEメッセージをCN121に送信する必要があることを認識し、このRESERVEメッセージに含まれるフローIDの情報を、ステップS403で生成されたフローIDに変更し、CN121に向けて送信する(ステップS443)。この際、NTLPは、メッセージをCN121に向けて送信する必要があるということを、NSLPに伝えてもよい。なお、この場合、ルーティングのためのステートは、QNE123、125、115、117、119に既に確立されているので、RESERVEメッセージにRAOが付加される必要はなく、QNE123、125、115、117、119は、受信したRESERVEメッセージを参照してリソース予約のための処理を行い、迅速にRESERVEメッセージを送信することができる(ステップS445、S447、S449、S451)。なお、MN101と、QNE(プロキシ)123との間で使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123とCN121の間で使われるフローIDと同じであってもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態の第2動作例について説明する。上述の本発明の第3の実施の形態における第1動作例では、データパケットの送信方向がuplink方向の場合について説明したが、データパケットの送信方向がdownlink方向であった場合においても、同様の手順を採ることができる。これについて、図16を参照しながら説明する。図16は、本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がdownlink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャートである。
QNE(プロキシ)123は、予測経路を準備するためのトリガを受け取ると(ステップS501)、CN121に対して、予測経路準備を依頼する依頼メッセージを送信する(ステップS503)。なお、予測経路を準備するためのトリガは、QNE(プロキシ)123ではなく、CN121に直接送られてもよい。この場合、トリガには、QNE(プロキシ)123のIPアドレスなどの情報も含まれている必要がある。
依頼メッセージ又はトリガを受信したCN121は、この依頼メッセージ又はトリガに応じて、即座に、NSLP層においてQUERYメッセージのペイロード部を生成し、NTLP層に受け渡す。NTLP層ではこれを受けて、自身をシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123をあて先としたフローIDを生成し(ステップS505)、このフローIDをヘッダ部に含むQUERYメッセージを、下位層を経由してQNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS507)。なお、このQUERYメッセージは、経路149における新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このQUERYメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
CN121からQNE(プロキシ)123までの経路上のすべてのQNE(QNE119、117、115、125)は、QUERYメッセージを受信してIPヘッダにRAOを発見すると、NSIS層(NSLP層及びNTLP層)においてQUERYメッセージの中身を確認して、必要な処理を行う。すなわち、QUERYメッセージを受信したQNE119、117、115、125は、QoS NSLP層におけるQUERY処理以外に、NTLP層においてルーティングステートのためのステート確立処理を行う(ステップS509、S513、S517、S521、S525)。その後、各QNEは、QUERYメッセージをQNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS511、S515、S519、S523)。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS527)。QNE(プロキシ)123は、MN101の移動を検出し、MN101がサブネット107より取得したNCoA情報を取得すると、NTLP層において自身のIPアドレスをシグナリングメッセージの送信元、MN101のNCoAをシグナリングメッセージのあて先としたフローIDを生成する(ステップS529)。また、QNE(プロキシ)123のNSLP層は、CN121のIPアドレスをデータパケットの送信元、MN101のNCoAをデータパケットのあて先とした情報を含むフィルタ情報を生成し、このフィルタ情報を追加(add)してQoSリソースを予約するような送信者主導のRESERVEメッセージ(図16ではRESERVE(add)と記載)をMN101に向けて送信する(ステップS531)とともに、NTLP層ではMN101に転送するデータパケットに対するルーティングのためのステートの確立処理を行う(ステップS533)。
また、QNE(プロキシ)123は、受信者主導のRESERVEメッセージ(図16ではRESERVE(add)と記載)をCN121に向けて送信する(ステップS535)。なお、MN101に送信されるRESERVEメッセージは、経路149におけるQNE(プロキシ)123からMN101に対する新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このRESERVEメッセージにはQNE用のRAOが付けられる。しかしながら、CN121に送信されるRESERVEメッセージに関しては、ルーティングのためのステートがQNE123、125、115、117、119に既に確立されているので、このRESERVEメッセージにRAOが付加される必要はなく、QNE125、115、117、119は、受信したRESERVEメッセージを参照してリソース予約のための処理を行い、迅速にRESERVEメッセージを送信することができる(ステップS537、S539、S541、S543、S545)。なお、QNE(プロキシ)123とMN101の間で使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123とCN121の間で使われるフローIDと同じであってもよい。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態における第1及び第2動作例によれば、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101がサブネット107に接続した後に使用される経路(MN101からCN121までの経路)の一部(例えば、QNE(プロキシ)123とCN121との間の経路)に係るQoS予約の準備(特に、ルーティングのためのステートの確立処理)を行うことにより、MN101がサブネット103から107に接続を変更した場合において、CN121からMN101に送られるデータパケットのQoS保証の中断時間を低減することができる。
また、上述のように、フローID及びフィルタリストを定義することにより、MNのハンドオーバのケースに限らず、QoS経路を容易に管理することができるようになる。
例えば、MNが、1つのセッションに対し複数のIPアドレスを用いてCNと通信している場合(MNがマルチホーム状態の場合)で、どのIPアドレスも同一のサブネット配下のものであった場合を考える。この場合、どのIPアドレスが設定されたデータパケットであっても、データパケットが通過する経路は1つなので、各QNEにおけるNTLP層では、MNが持つ複数のIPアドレスのうちの1つをフローIDのあて先(又は送信元)アドレスとして採用すればよい。なお、パケットクラシファイアとして利用されるフィルタリストは、上述のように複数のフィルタ情報に対応しているので、MNが有する複数のIPアドレスのすべてを容易に保持することが可能である。
また、FTP(File Transfer Protocol)を用いたデータのダウンロードなどでは、ダウンロードのスピードを上げるために、クライアントは一度に複数のポートを用いることがある。この場合でも、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、複数のポート番号のうちの1つをフローIDに採用すればよい。なお、フローIDが完全にIPアドレスの情報のみで作られるような場合には、NTLPにおいて、ポート番号を管理する必要はなくなる。また、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、パケットクラシファイアとして利用されるフィルタリストは、複数のフィルタ情報に対応しているので、複数のポート番号を容易に保持することが可能である。
また、さらに、H.323を用いてVoIP(Voice over IP)用のセッションを張る場合には、この途中のプロセスにおいて、使用されるポート番号が変化する。しかしながら、この場合でも、上述のように、フローID及びフィルタリストを定義することによって、NTLP側ではポート番号の変化に合わせてフローIDの情報を変える必要はなくなり、一方、パケットクラシファイアとして利用されるフィルタリストでは、フィルタ情報の追加・削除が容易に行えるため、ポート番号の変化に柔軟に対応することが可能となる。
次に、本発明の第3の実施の形態の第3動作例について説明する。データ経路(MN101とCN121とを結ぶ経路)上にNATFWが存在する場合においても、MN101のハンドオーバ時にQoS保証の中断時間を低減させるシームレスなQoS保証を提供することが望ましい。このとき、シームレスなQoS保証を提供するため、上述の本発明の第3の実施の形態の第1動作例(図15を参照)や第2動作例(図16を参照)と同様に、プロキシを利用して、NTLP層においてルーティングのためのステートの確立処理を先に行い、端末のハンドオーバ後にQoSリソース予約を行うとともに、NATFWのポリシールールの追加や書き換えを行うことが望ましい。
以下、データ経路上のQNE117がNATFWであることを想定して、上述の本発明の第3の実施の形態の第1動作例と同様に、MN101がサブネット103からサブネット107にハンドオーバを行う際に、QNE(プロキシ)123が、MN101のサブネット107において割り当てられるNCoAを用いることなく、MN101のハンドオーバ後に使用される経路の一部に係るQoS予約の準備(特に、ルーティングのためのステートの確立処理)を行う動作について説明する。
図18は、本発明の第3の実施の形態において、データ経路上にNATFWが存在しており、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャートである。なお、ここでは、QNE117がNATFW機能を持つものとし、QNE119及びCN121がプライベートアドレスを用いるLAN内に存在するものとする。また、MN101、QNE117及びCN121にはNATFW NSLPが実装されているものとする。さらに、NATFW(QNE117)には、NSISシグナリングメッセージがこのNATFWを通過できるためのポリシールールが既に設定されているものとする。また、図15に図示されている第1動作例と同様に、図18に図示されているシーケンスにおいても、各QNEにおいてルーティングのためのステートを作るために送信されるメッセージの一例として、NSISのQoS NSLPで定義されているQUERYメッセージを用いた場合を例に挙げて説明する。
図18において、まず、QNE(プロキシ)123は、予測経路を準備するためのトリガを受ける(ステップS601)。なお、このトリガには、例えば、MN101とCN121との間のQoS経路で用いられているセッションID、CN121(又は経路の最終QNEであるQNR)のIPアドレスなど、予測経路を確立するために必要な情報が含まれている。
トリガを受け取ったQNE(プロキシ)123は、このトリガに応じて、即座に、NSLP層においてQUERYメッセージのペイロード部を生成し、NTLP層に受け渡す。NTLP層ではこれを受けて、自身をシグナリングメッセージの送信元、CN121をあて先としたフローIDを生成し(ステップS603)、このフローIDをヘッダ部に含むQUERYメッセージを、下位層を経由してCN121に向けて送信する(ステップS605)。なお、このQUERYメッセージは、経路149における新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、このQUERYメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
QNE(プロキシ)123からCN121までの経路上のすべてのQNE(QNE125、115、117、119)は、QUERYメッセージを受信してIPヘッダにRAOを発見すると、NSIS層(NSLP層及びNTLP層)においてQUERYメッセージの中身を確認して、必要な処理を行う。すなわち、QUERYメッセージを受信したQNE125、115、117、119は、QoS NSLP層におけるQUERY処理以外に、NTLP層においてルーティングのためのステートの確立処理(ルーティングステートや、メッセージアソシエーション(要求されている場合)の確立のための処理)を行う(ステップS607、S611、S615、S619、S623)。その後、各QNEはQUERYメッセージをCN121に向けて送信する(ステップS609、S613、S617、S621)。そして、QUERYメッセージがCN121に到達すると、このQUERYメッセージに対するRESPONSEメッセージがCN121からQNE123に返される(ステップS625、S627、S629、S631、S633)。
ここで、MN101がサブネット107に移動したとする(ステップS635)。MN101は、サブネット107よりNCoAを取得すると、NTLP層において、このNCoAをシグナリングメッセージの送信元、QNE(プロキシ)123をシグナリングメッセージのあて先としたフローIDを生成する(ステップS637)。また、MN101のNSLP層では、自身のNCoAをデータパケットの送信元、CN121のIPアドレスをデータパケットのあて先とした情報を含むフィルタ情報を生成する。また、NATFW NSLP層では、このフィルタ情報を持ったデータパケットがNATFWを通過するためのポリシールールを、NATFW(QNE117)で作成できるようにするパラメータを持ったCREATEメッセージ(図18では、CREATEと記載)を作成する。また、QoS NSLP層では、このフィルタ情報を追加(add)してQoSリソースを予約するような送信者主導のRESERVEメッセージ(図18ではRESERVE(add)と記載)を作成する。そして、MN10は、上記のCREATEメッセージとRESERVEメッセージとを1つのメッセージ(CREATE及びRESERVEメッセージ)にして、QNE(プロキシ)123に向けて送信する(ステップS639)。なお、上記のCREATE及びRESERVEメッセージは、経路149におけるMN101からQNE(プロキシ)123に対する新規のdownstream方向(データ送信方向と同じ方向)へのメッセージであるので、CREATE及びRESERVEメッセージのIPヘッダにはQNE用のRAOが付けられる。
このCREATE及びRESERVEメッセージを受け取ったQNE(プロキシ)123は、NTLPにおいてルーティングのためのステートの確立処理を行う(ステップS641)とともに、NSLPにおいてリソース予約のための処理を行う。また、NTLP層ではセッションIDなどの情報から、このCREATE及びRESERVEメッセージをCN121に送信する必要があることを認識し、このCREATE及びRESERVEメッセージに含まれるフローIDの情報を、ステップS603で生成されたフローIDに変更し、CN121に向けて送信する(ステップS643)。この際、NTLPは、メッセージをCN121に向けて送信する必要があるということを、NSLPに伝えてもよい。なお、この場合、ルーティングのためのステートは、QNE123、125、115、117、119に既に確立されているので、CREATE及びRESERVEメッセージにRAOが付加される必要はなく、QNE123、125、115、117、119は、受信したCREATE及びRESERVEメッセージのRESERVE部分を参照してリソース予約のための処理を行い、迅速にCREATE及びRESERVEメッセージを送信することができる(ステップS645、S647、S651、S653)。また、NATFW(QNE117)においては、このCREATE及びRESERVEメッセージのCREATE部分を参照し、ポリシールールに変更を加える(ステップS649)。このとき、ポリシールールにデータパケットに対するアドレス変換が含まれていた場合には、フィルタリストに含まれる該当フィルタ情報の内容をプライベートアドレスに対応したものに変更するか、又はプライベートアドレス用のフィルタ情報をリストに追加する。これにより、QNE117とQNE119の間や、QNE119とCN121の間におけるRESERVE処理では、プライベートアドレス用にQoSリソースが予約されることとなる。なお、MN101と、QNE(プロキシ)123との間で使われるフローIDは、QNE(プロキシ)123とCN121の間で使われるフローIDと同じであってもよい。また、シグナリングメッセージ送信側で、あらかじめプライベートアドレスの情報が分かっていた場合には、このアドレス情報をあらかじめフィルタリスト内に存在させてもよい。この場合、NATFW(QNE117)では、ステップS649においてフィルタリストの内容を変換する必要はない。
また、ここではCREATEとRESERVEを同時に、QoSシグナリング用のルーティングのためのステートを用いて送信する例を挙げたが、このためには、複数のNSLPメッセージを同時に(1つのパケットとして)送信することをサポートするよう、NSISの仕様を変更する必要がある。また、RESERVEメッセージとCREATEメッセージは別々に送信されてもよいが、この場合には、CREATEメッセージが、RESERVEメッセージよりも前に送信されることが必要であり(ステップS649でRESERVEメッセージ内のフィルタ情報の書き換えが必要な場合があるため)、また、NATFWシグナリング用のルーティングのためのステートが、QoSの場合と同様に、QNE(プロキシ)123を用いてあらかじめ確立されていることが望ましい。
また、ここでは、データパケットの送信方向がuplink方向の場合について説明したが、データパケットの送信方向がdownlink方向であった場合においても、図16に図示されている第2動作例において、RESERVEメッセージと同時にCREATEメッセージを送信することによって同様の手順を採ることができる。
上述の本発明の第3の実施の形態における第3動作例では、NATFW(QNE117)が、QoS NSLPとNATFW NSLPの両方のNSLPを持っている場合について説明を行った。この場合、フィルタリストはNSLP共通部分に存在し、各NSLPからフィルタリストを参照できるように構成してもよい。また、各NSLPで使用されるフィルタ情報の組み合わせが異なることも考えられるので、この場合にはフィルタリスト内の各フィルタ情報に対し、どのNSLPで使用されるのかを示す情報(例えばフラグを立てるなど)を与えてもよい。
また、NSLPごとにフィルタリストが分けられていてもよい。すなわち、QoS NSLP用フィルタリストやNATFW NSLP用フィルタリストなどのような各NSLPで必要となるフィルタリストが用意され、各NSLP用フィルタリストがNSLP共通部分に置かれる。
また、フィルタリストは各NSLPに存在してもよい。この場合、各NSLP間で、直接又はNTLPを通じて、フィルタリストに関する情報をやり取りすることによって、フィルタリストの内容に整合性を持たせてもよい。例えば、NATFWノードで<filterA>を<filterB>に書き換える指示を出す内容がNATFW NSLPに存在した場合、この情報が直接又はNTLPを通じてQoS NSLPに送られ、これに従って、NATFWノードのQoS NSLP内のフィルタリストに含まれる<filterA>が<filterB>に書き換えられる。ただし、QoS NSLP内のフィルタリストにあらかじめ<filterB>が存在している場合には、フィルタ情報を書き換える必要ない。
さらに、図17に図示されているフィルタリストの定義とは異なるが、フィルタリストをNTLPに存在させるようにしてもよい。フィルタリストがNTLPに存在する場合は、フィルタリストがNSLP共通部分に存在する場合と同様に、フィルタリスト内の各フィルタ情報に対し、どのNSLPで使用されるのかを示す情報(例えばフラグを立てるなど)が与えられていてもよく、また、NSLPごとにフィルタリストが分けられていてもよい。
また、NATFWノードは、NATFW機能を実装しているが、QoS機能の実装は必須ではないため、NATFW NSLPのみが存在し、QoS NSLPが存在しないNATFWノードが存在する場合も考えられる。このようなNATFWノードにおいても、NSLP共通部分やNTLPにフィルタリストが存在すれば、フィルタ情報の変換(図18におけるステップS649の処理)を容易に行うことができる。
また、各NSLPにフィルタリストが存在する場合でも、NATFWノードにおける特別な機能として、QoS NSLPが存在しない場合であってもQoS NSLP内のフィルタリストの内容をチェックすることができる機能を持たせれば、フィルタ情報の変換は可能となる。また、この場合、QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにする必要がある。QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにするため、ルーティングのためのステート確立以前に送信されるQoS NSLPメッセージには、例えば、NATFW NSLP用のRAO、又はQoS NSLP及びNATFW NSLP共通(又はNSLP共通)のRAO、又はNTLPを有するNEに対するRAO(すなわち、NTLP用RAO)が付加される。
さらに、NATFWノードが、NTLPのみを実装している場合も考えられる。この場合、NTLPにフィルタリストが存在すれば、NATFWノードは、フィルタ情報の変換(図18におけるステップS649の処理)を容易に行うことができる。NSLP共通部分や各NSLPにフィルタリストが存在する場合でも、NATFWノードにおける特別な機能として、NSLP共通部分や各NSLPに存在するフィルタリストの内容をチェックすることができる機能を持たせれば、フィルタ情報の変換は可能となる。また、この場合、QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにする必要がある。QoS NSLPメッセージがNATFWノードでインタセプトされるようにするため、ルーティングのためのステート確立以前に送信されるQoS NSLPメッセージには、例えば、NTLPを有するNEに対するRAO(すなわち、NTLP用RAO)が付加される。
また、上述のようにフローID及びフィルタリストを定義することにより、MNのハンドオーバのケースに限らず、NATFWノードを経由するデータ経路を容易に管理することが可能となる。
例えば、MNが、1つのセッションに対し複数のIPアドレスを用いてCNと通信している場合(MNがマルチホーム状態の場合)で、どのIPアドレスも同一のサブネット配下のものであった場合を考える。この場合、どのIPアドレスが設定されたデータパケットであっても、データパケットが通過する経路は1つなので、各NATFW NSLPを持つNEにおけるNTLP層では、MNが持つ複数のIPアドレスのうちの1つをフローIDのあて先(又は送信元)アドレスとして採用すればよい。なお、NATFWにおいてポリシールール作成のために利用されるフィルタリストは、上述のように複数のフィルタ情報に対応しているので、MNが有する複数のIPアドレスのすべてを容易に保持することが可能である。
また、FTPを用いたデータのダウンロードなどでは、ダウンロードのスピードを上げるために、クライアントは一度に複数のポートを用いることがある。この場合でも、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、複数のポート番号のうちの1つをフローIDに採用すればよい。なお、フローIDが完全にIPアドレスの情報のみで作られるような場合には、NTLPにおいて、ポート番号を管理する必要はなくなる。また、上述のMNが複数のIPアドレスを持つ場合と同様に、NATFWにおいてポリシールール作成のために利用されるフィルタリストは、複数のフィルタ情報に対応しているので、複数のポート番号を容易に保持することが可能である。
また、さらに、H.323を用いてVoIP用のセッションを張る場合には、この途中のプロセスにおいて、使用されるポート番号が変化する。しかしながら、この場合でも、上述のように、フローID及びフィルタリストを定義することによって、NTLP側ではポート番号の変化に合わせてフローIDの情報を変える必要はなくなり、一方、NATFWにおいてポリシールール作成のために利用されるフィルタリストでは、フィルタ情報の追加・削除が容易に行えるため、ポート番号の変化に柔軟に対応することが可能となる。
また、上述の本発明の第3の実施の形態では、フローIDとフィルタ情報とを分けて、別々に管理できるようにすることによって、シグナリングメッセージの通る経路に係る処理を、データパケットの通る経路に係る処理より前に行えるようにしているが、さらに、これを応用して、データパケットの通る経路と、シグナリングメッセージの通る経路とが異なるoff-pathシグナリング(Path Decoupledシグナリングとも呼ばれる)を行うことも可能となる。例えば、あるドメインのプロキシや、ポリシー決定ポイント(データ経路上に存在する必要は無い)に直接シグナリングメッセージを送信し、このノードに、フィルタリストの内容を使用した処理(例えば、ポリシールールの作成)を行わせることも可能である。
なお、上述の本発明の第1〜第3の実施の形態では、付加的サービスがQoS保証である場合について説明したが、その他の付加的サービスに関しても本発明は適用可能である。また、特に、QoS保証に関しては、NSISに対して本発明を適用した場合の具体例について説明したが、本発明は、その適用対象がNSISに限定されるものではなく、さらに、本発明の機能を持たせるNSISのメッセージは、上述の一例に限定されるものではない。
また、上記の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、移動端末がハンドオーバを行う際に、ハンドオーバ後における経路の再設定をより迅速に行って、パケット通信の中断時間(特に、QoS経路の中断時間)を低減させることが可能であり、通信ネットワーク技術や、パケット伝送に係るリソース管理の技術に適用可能である。さらに、本発明は、移動端末がハンドオーバを行う場合に限らず、端末が1つのセッションに対し、複数のIPアドレスや複数のポート番号を用いて通信を行っている場合や、セッションの途中でIPアドレスやポート番号に変更が生じる場合においても、経路(特に、QoS経路)の管理を容易にすることが可能であり、通信ネットワーク技術や、パケット伝送に係るリソース予約に係るシグナリングメッセージのルーティング管理技術に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図 本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図 本発明の第1の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図 本発明の第1の実施の形態におけるQNEの一構成例を示す図 本発明の第1の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャート 本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS経路の状態を模式的に示す図 本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路を確立した状態を模式的に示す図 本発明の第2の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図 本発明の第2の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャート 従来の技術におけるNSISのプロトコル構成を説明するための模式図 従来の技術におけるNSISのノードであるNEやQNEが「隣り合う」という概念を説明するための模式図 本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNが接続するサブセットを変更する前のQoS予約の状態及びルーティングのためのステート内に含まれるフローIDの状態を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNのプロキシとなるQNEがMN用に予測経路上にルーティングのためのステートを確立した状態を、この中に含まれるフローIDを示すことにより模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態における通信システムで、MNがサブセットを移動し、MNとCNとの間で新たなQoS経路が確立された状態を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の第3の実施の形態において、データパケットの送信方向がdownlink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の第3の実施の形態において、QNE内でフィルタ情報及びフローIDを管理する主体を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態において、データ経路上にNATFWが存在しており、データパケットの送信方向がuplink方向の場合の動作例を示すシーケンスチャート

Claims (43)

  1. それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な通信システムであって、
    前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続し、前記第1アクセスルータが構成する第1サブネットで取得する第1アドレスを使用して通信を行う移動可能な移動端末と、
    前記通信ネットワークに接続されており、前記移動端末の通信相手となる通信相手端末と、
    前記移動端末が、前記複数のアクセスルータのうちの1つである第2アクセスルータに接続した場合に前記第2アクセスルータが構成する第2サブネットで取得する第2アドレスを使用せずに、前記第1アクセスルータに接続している前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路が確立された状態で、前記第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始することが可能な前記通信ネットワーク内に存在する通信ノードとを、
    有する通信システム。
  2. 前記通信ノードが、前記第2アクセスルータの近隣に存在する請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記通信ノードが、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信し、前記トリガ情報に基づいて前記第2経路を確立する処理を開始するように構成されている請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記移動端末が、前記トリガ情報を前記通信ノードに送信するように構成されている請求項3に記載の通信システム。
  5. 前記通信ノードが、自ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立するように構成されている請求項1に記載の通信システム。
  6. 前記通信ノードは、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始するように構成されている請求項1に記載の通信システム。
  7. 前記通信ノードが、前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記第2経路の終端が前記通信ノード及び前記通信相手端末であり、前記通信相手端末が、前記移動端末にパケットを送信する際に前記通信ノードのアドレスをあて先アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記通信相手端末から前記移動端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている請求項6に記載の通信システム。
  9. 前記第2経路の終端が前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード及び前記通信相手端末の近隣に存在する相手側近隣通信ノードであり、前記相手側近隣通信ノードが、前記通信相手端末から前記移動端末へのパケットを転送する際に前記通信ノードのアドレスをあて先アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記通信相手端末から前記移動端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている請求項6に記載の通信システム。
  10. 前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第1サブネットに接続している状態で使用されていた前記第1経路、及び前記通信ノードによって確立された前記第2経路が削除されるように構成されている請求項6に記載の通信システム。
  11. 前記通信ノードが、自ノードと前記通信相手端末との間の経路上の中間通信ノードに、前記第2経路を確立する処理を行う際に送受信されるシグナリングメッセージのルーティングのためのステートを導入する処理を開始するように構成されている請求項1に記載の通信システム。
  12. 前記通信ノードが、前記中間通信ノードに対して、自ノードのアドレス及び前記通信相手端末のアドレスにより構成された識別情報を送信し、前記中間通信ノードが、前記識別情報を保持して、前記識別情報を有するシグナリングメッセージを特定するように構成されている請求項11に記載の通信システム。
  13. 前記通信ノードは、前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた第2アドレスを取得した場合に、前記第2経路に係る付加的サービスを提供するための情報を含むシグナリングメッセージを送信し、前記中間通信ノードが、前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを使用して、前記シグナリングメッセージの伝送を行うように構成されている請求項11に記載の通信システム。
  14. 前記付加的サービスが、QoS保証である請求項1に記載の通信システム。
  15. それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な前記通信ネットワークに存在する通信ノード内のリソース管理装置であって、
    前記経路において、付加的サービスを提供するためのリソースを確保するためのリソース確保手段と、
    前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続している前記移動端末と、前記通信ネットワークに接続されており前記移動端末の通信相手となる通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信するトリガ受信手段と、
    前記トリガ受信手段で前記トリガ情報を受信した場合、前記トリガ情報に基づいて、前記第1アクセスルータとは異なる第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始するメッセージを生成するメッセージ生成手段とを、
    有するリソース管理装置。
  16. 前記メッセージには、前記移動端末の代理として経路設定を行う旨を示す情報が付加されている請求項15に記載のリソース管理装置。
  17. 前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード内に配置されている請求項16に記載のリソース管理装置。
  18. 前記トリガ情報に、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスが少なくとも含まれている請求項16に記載のリソース管理装置。
  19. 前記移動端末から前記トリガ情報を受信する請求項18に記載のリソース管理装置。
  20. 前記通信ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立するように構成されている請求項16に記載のリソース管理装置。
  21. 前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた前記第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始するように構成されている請求項16に記載のリソース管理装置。
  22. 前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化手段を有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化手段によってカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられるように構成されている請求項21に記載のリソース管理装置。
  23. 前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第2経路を削除するためのメッセージを送信するように構成されている請求項20に記載のリソース管理装置。
  24. 前記付加的サービスが、QoS保証である請求項15に記載のリソース管理装置。
  25. それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、前記通信ネットワークを経由する任意の通信端末間における通信に対して、付加的サービスを提供するための経路を確立することが可能な前記通信ネットワークに存在する通信ノードで行われるリソース管理方法であって、
    前記経路において、付加的サービスを提供するためのリソースを確保するためのリソース確保ステップと、
    前記複数のアクセスルータのうちの1つである第1アクセスルータに接続している前記移動端末と、前記通信ネットワークに接続されており前記移動端末の通信相手となる通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスを少なくとも含むトリガ情報を受信するトリガ受信ステップと、
    前記トリガ受信ステップで前記トリガ情報を受信した場合、前記トリガ情報に基づいて、前記第1アクセスルータとは異なる第2アクセスルータに接続した状態における前記移動端末と前記通信相手端末との間の通信に対して前記付加的サービスを提供するための第2経路を確立する処理を開始するメッセージを生成するメッセージ生成ステップとを、
    有するリソース管理方法。
  26. 前記メッセージには、前記移動端末の代理として経路設定を行う旨を示す情報が付加されている請求項25に記載のリソース管理方法。
  27. 前記第2アクセスルータの近隣に存在する前記通信ノード内に配置されている請求項26に記載のリソース管理方法。
  28. 前記トリガ情報に、前記第1経路を識別するための情報、及び前記第1経路における前記通信相手端末のアドレスが少なくとも含まれている請求項26に記載のリソース管理方法。
  29. 前記移動端末から前記トリガ情報を受信する請求項28に記載のリソース管理方法。
  30. 前記通信ノードを一方の終端とする前記第2経路を確立する請求項26に記載のリソース管理方法。
  31. 前記移動端末が前記第2サブネットに移動して割り当てられた前記第2アドレスを取得し、前記移動端末の前記第2アドレスを一方の終端とする第3経路を確立する処理を開始する請求項26に記載のリソース管理方法。
  32. 前記移動端末から前記通信相手端末へのパケットを転送する際に自ノードのアドレスを送信元アドレスとするヘッダを用いて前記パケットをカプセル化するカプセル化ステップを有し、前記第3経路の確立が完了するまでは、前記移動端末から前記通信相手端末への前記パケットを前記カプセル化ステップにおいてカプセル化することで、前記パケットが、前記第2経路に対して提供される前記付加的サービスを受けられる請求項31に記載のリソース管理方法。
  33. 前記移動端末が前記第2サブネットに移動して前記第3経路の確立が完了した場合に、前記第2経路を削除するためのメッセージを送信する請求項30に記載のリソース管理方法。
  34. 前記付加的サービスが、QoS保証である請求項25に記載のリソース管理方法。
  35. シグナリングメッセージをルーティングする機能を有する第1ユニットと、提供する付加的サービスに関する情報を管理するための機能を有する第2ユニットとにより構成された通信プロトコルを使用して2つの通信ノード間で行われる通信において、前記2つの通信ノード間の経路上に存在し、前記2つの通信ノード間で伝送されるデータパケットに対して前記付加的サービスを提供する通信ノード内の通信管理装置であって、
    前記第1ユニットが、前記2つの通信ノード間の経路の一部であって、自ノードを含んだ任意の両端点を有する前記経路の一部において伝送される前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを管理するステート管理手段を有し、
    前記第2ユニットが、前記シグナリングメッセージによって伝送されるフィルタ情報であって、前記付加的サービスを提供する対象となるデータパケットを特定するための前記フィルタ情報を管理するフィルタ情報管理手段を有する通信管理装置。
  36. 前記ステートが、前記任意の両端点のアドレスを有し、前記フィルタ情報が、前記2つの通信ノードのアドレスを有する請求項35に記載の通信管理装置。
  37. 前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層に配置されている請求項35に記載の通信管理装置。
  38. シグナリングメッセージをルーティングする機能を有する第1ユニットと、提供する付加的サービスに関する情報を管理するための機能を有する第2ユニットとにより構成された通信プロトコルを使用して2つの通信ノード間で行われる通信において、前記2つの通信ノード間の経路上に存在し、前記2つの通信ノード間で伝送されるデータパケットに対して前記付加的サービスを提供する通信ノードで行われる通信管理方法であって、
    前記第1ユニットが、前記2つの通信ノード間の経路の一部であって、自ノードを含んだ任意の両端点を有する前記経路の一部において伝送される前記シグナリングメッセージのルーティングのためのステートを管理するステート管理ステップと、
    前記第2ユニットが、前記シグナリングメッセージによって伝送されるフィルタ情報であって、前記付加的サービスを提供する対象となるデータパケットを特定するための前記フィルタ情報を管理するフィルタ情報管理ステップとを、
    有する通信管理方法。
  39. 前記ステートが、前記任意の両端点のアドレスを有し、前記フィルタ情報が、前記2つの通信ノードのアドレスを有する請求項38に記載の通信管理方法。
  40. 前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層に配置されている請求項38に記載の通信管理方法。
  41. 前記第1及び第2ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されている請求項38に記載の通信管理方法。
  42. 前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層の任意の機能が参照可能なNSLP共通部に配置されている請求項38に記載の通信管理方法。
  43. 前記第1ユニットが、NSISにおけるNTLP層に配置されており、前記第2ユニットが、NSISにおけるNSLP層の特定の機能部に配置されていて、前記特定の機能部から前記NSLP層の任意の機能部に、前記フィルタ情報の一部又は全部が渡されるように構成されている請求項38に記載の通信管理方法。
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