JPWO2005124800A1 - ラジアル異方性円筒焼結磁石及び永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法 - Google Patents

ラジアル異方性円筒焼結磁石及び永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

金型のコアの材質に強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して成形し、焼結することにより、円筒の径方向の残留磁束密度が円筒の周方向に沿って90°の周期で増減し、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値が0.95〜1.60T、径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50〜95%であるラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する方法、及び該磁石を、残留磁束密度が極小値を示す径方向を中央とする周方向±10°の範囲内にN極とS極との境界が位置するように着磁する永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法。

Description

本発明は、ラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法、及びサーボモータ、スピンドルモータ等の同期式永久磁石モータ用円筒磁石ロータとして好適な永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法に関する。
フェライトや希土類合金のような結晶磁気異方性材料を粉砕し、特定の磁場中でプレス成形を行って作製される異方性磁石は、スピーカ、モータ、計測器、その他の電気機器等に広く使用されている。このうち特にラジアル方向に異方性を有する磁石は、磁気特性に優れ、自由な着磁が可能であり、またセグメント磁石のような磁石固定用の補強の必要もないため、ACサーボモータ、DCブラシレスモータ等に使用されている。特に近年はモータの高性能化にともない、長尺のラジアル異方性磁石が求められてきた。
ラジアル配向を有する磁石は、垂直磁場垂直成形法又は後方押し出し法により製造される。垂直磁場垂直成形法は、プレス方向より、コアを介して磁場を対抗方向から印加し、ラジアル配向を得ることを特徴とするものである。即ち、垂直磁場垂直成形法は、図2に示されるように、配向磁場コイル2において発生させた磁場をコア4及び5を介して対抗させ、コア4,5よりダイス3を通過し、成形機架台1を経て循環するような磁気回路にて、充填磁石粉8をラジアル配向させるものである。なお、図中6は上パンチ、7は下パンチである。
このように、この垂直磁場垂直成形装置において、コイルにより発生した磁界はコア、ダイス、成形機架台、コアとなる磁路を形成させている。この場合、磁場漏洩損失低下のため、磁路を形成する部分の材料には強磁性体を用い、主に鉄系金属が使われる。しかし、磁石粉を配向させるための磁場強度は、以下のようにして決まってしまう。
上下コアを通過した磁束がコア中央でぶつかり対抗し、ダイスに至るが、コアを通った磁束量はコアの飽和磁束密度で決定され、鉄製コアで磁束密度が2.0T程度である。従って磁石粉充填内外径での配向磁場は、上下コアの通った磁束量を磁石粉充填部の内面積及び外面積で割ったものとなり、コア径をB(磁石粉充填内径)、ダイス径をA(磁石粉充填外径)、磁石粉充填高さをLとすると、
2・π・(B/2)2・20/(π・B・L)=10・B/L…内周、
2・π・(B/2)2・20/(π・A・L)=10・B2/(A・L)…外周
となる。外周での磁場は内周より小さいので、磁石粉充填部すべてにおいて良好な配向を得るには、外周で10kOe以上必要であり、このため、10・B2/(A・L)=10となり、従って、L=B2/Aとなる。成形体高さは充填粉の高さの約半分で、焼結時、更に8割程度になるので、磁石の高さは非常に小さくなる。このようにコアの飽和磁束密度が配向磁界の強度を決定するためコア形状により配向可能な磁石の大きさ、即ち高さが決まってしまい、円筒軸方向に長尺品を製造することが困難であった。特に、径が小さな円筒磁石では非常に短尺品しか製造することができなかった。
また、後方押し出し法は設備が大掛かりで、歩留まりが悪く、安価な磁石を製造することが困難であった。
このようにラジアル異方性磁石は、上記方法では製造が困難であり、安く大量に製造することは更に難しく、ラジアル異方性磁石を用いたモータも非常にコストが高くなってしまうという不利があった。
焼結磁石でラジアル異方性リング磁石を製造する場合、異方性化に伴い、焼結及び時効冷却過程において、磁石のC軸方向とC軸垂直方向との線膨張係数の差により発生する応力が磁石の機械的強度より大きい場合、割れやクラックが発生し、問題となる。このため、R−Fe−B系焼結磁石では内外径比0.6以上の磁石形状でのみ製造が可能であった(日立金属技報,Vol.6,p.33−36)。更に、R−(Fe,Co)−B系焼結磁石では、Feを置換したCoは合金組織中主相の2−14−1相に含まれるだけでなく、Rリッチ相中でR3Coを形成し、機械的強度を著しく低減する。しかもキュリー温度が高いため、冷却時のキュリー温度〜室温間におけるC軸方向及びC軸垂直方向の熱膨張率変化量も大きくなり、割れ、クラックの発生原因である残留応力が増大する。このため、R−(Fe,Co)−B系ラジアル異方性リング磁石は、Coの入らないR−Fe−B系磁石より更に形状制限が厳しく、内外径比0.9以上の形状でしか、安定した磁石生産が行えなかった。しかも小径のラジアル磁石の場合、肉厚が薄くとも内外径比が小さくなってしまうため、特に深刻な問題である。また、フェライト磁石、Sm−Co系磁石においても、同じ理由により、割れ、クラックが発生し、安定生産できていない状態である。
ラジアル異方性化に伴う焼結及び時効冷却過程で発生する割れ又はクラックの原因となる周方向の残留応力は、フェライト磁石に関するKoolsの検討結果(F.Kools,Science of Ceramics,Vol.7(1973),p.29−45)に示され、式(1)のように表される。
σθ=ΔTΔαEK2/(1−K2)・(KβKηK-1−Kβ-Kη-K-1−1)‥‥‥(1)
σθ: 周方向の応力
ΔT: 温度差
Δα: 線膨張係数の差(α‖−α⊥)
E : 配向方向のヤング率
2 : ヤング率の異方性比(E⊥/E‖)
η : 位置(r/外径)
βk :(1−ρ1+K)/(1−ρ2K
ρ : 内外径比(内径/外径)
上記式のうち、割れ又はクラックの原因に最も大きな影響を与える項は、Δα:線膨張係数の差(α‖−α⊥)であり、フェライト磁石、Sm−Co系希土類磁石、Nd−Fe−B系希土類磁石では、結晶方向による熱膨張率の差(熱膨張異方性)はキュリー温度より発現し、冷却時の温度低下により増大する。このとき、残留応力が磁石の機械強度以上となり、割れに至る。
上記式による、配向方向と配向方向に垂直な方向における熱膨張の違いによる応力は、円筒磁石が、全周に亘り径方向にラジアル配向するがゆえに発生する。従って、一部がラジアル配向と異なる配向を有する円筒磁石を製造すれば割れが発生することはない。例えば、水平磁場垂直成形法によって作製された、円筒軸に垂直な一方向に配向された円筒磁石は、Sm−Co系希土類磁石、Nd−Fe(Co)−B系希土類磁石のどのタイプの磁石においても割れることはない。
割れはラジアル配向であるがゆえに発生するものであるが、通常ラジアル磁石では、割れを防ぐために、ラジアル磁石のラジアル方向への配向を乱し、C軸方向での熱膨張とC軸垂直方向での熱膨張との差を減じる方法を採る。しかし、この方法では、モータのトルクの源となる磁石からの磁束が減じてしまい、高性能モータとはならない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、多連、長尺品を容易に製造可能で、特に内外径比が小さい形状であっても、焼結時や時効冷却過程において割れ、クラックの発生がなく、磁気特性の良好なラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する方法、及びこの方法により得られたラジアル異方性円筒焼結磁石を用いて永久磁石モータ用円筒多極磁石を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度0.5T以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して成形し、得られた成形体を焼結することにより、ラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する方法であって、下記(i)〜(iii)
(i)磁場印加後、磁石粉を金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、
(ii)磁場印加後、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、及び
(iii)2組の磁場発生コイル対を、コイル対の互いの磁場印加方向を直交させて金型周面を囲むように配置し、一方のコイル対で磁場印加後、他方のコイル対で磁場を印加する
の操作のうち少なくとも一の操作を行い、円筒の径方向の残留磁束密度が円筒の周方向に沿って90°の周期で増減し、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値が0.95〜1.60T、かつ径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50〜95%であるラジアル異方性円筒焼結磁石を得ることを特徴とするラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法を提供する。
この方法によれば、ラジアル異方性円筒焼結磁石の円筒の径方向の残留磁束密度を、円筒の周方向に沿って増減するようにして、意図的に局所配向を乱すことができ、焼結時や時効冷却過程において割れ、クラックの発生なく、磁気特性の良好なラジアル異方性円筒焼結磁石、特にラジアル異方性希土類円筒焼結磁石を製造することができ、特に、内外径比が小さな形状においても割れ、クラックのない優れた磁気特性を有するラジアル異方性円筒焼結磁石、特にラジアル異方性希土類円筒焼結磁石を製造することができる。
この場合、成形直前の上記一の操作又は成形時において磁石粉に印加する磁場が1.25×105/π〜2×106/πA/m(0.5〜8kOe)であることが好ましい。
また、本発明は、上記方法により得られたラジアル異方性円筒焼結磁石を、その残留磁束密度が極小値を示す径方向を中央とする周方向±10°の範囲内にN極とS極との境界が位置するように4n極(nは1〜20の整数)に着磁することを特徴とする永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法を提供する。
配向の乱れのある残留磁束密度が極小値を示す部位を含む、残留磁束密度が極小値を示す径方向を中央とする周方向±10°の範囲内に、円筒磁石の周方向に配列されたN極とS極との境界を位置させることにより、モータの回転時に有害なトルクリップルを軽減することができ、また、N極及びS極から発生する磁束量を大きくすることができる。そのため、得られた永久磁石モータ用円筒多極磁石は、サーボモータ、スピンドルモータ等の同期式永久磁石モータ用円筒磁石ロータとして好適である。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法によれば、内外径比の小さな形状においても焼結及び時効冷却過程の割れ、クラックがなく、優れた磁気特性を有するラジアル異方性円筒焼結磁石を製造することができる。また、本発明の永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法によれば、サーボモータ、スピンドルモータ等の同期式永久磁石モータ用円筒磁石ロータとして好適な、優れた磁気特性を有する永久磁石モータ用円筒多極磁石を製造することができ、これを用いた永久磁石モータは安価で高性能なものとなる。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する際に使用する水平磁場垂直成形装置の一実施例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図である。 ラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する際に使用する従来の垂直磁場垂直成形装置を示す説明図であり、(a)は縦断面図、(b)は(a)図におけるA−A’線の断面図である。 図1及び図2の装置によりラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する際の磁場発生時の磁力線の様子を模式的に示す説明図である。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法は、円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度0.5T以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して成形し、得られた成形体を焼結することにより、ラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する方法であり、下記(i)〜(iii)
(i)磁場印加後、磁石粉を金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、
(ii)磁場印加後、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、及び
(iii)2組の磁場発生コイル対を、コイル対の互いの磁場印加方向を直交させて金型周面を囲むように配置し、一方のコイル対で磁場印加後、他方のコイル対で磁場を印加する
の操作のうち少なくとも一の操作を行い、円筒の径方向の残留磁束密度が円筒の周方向に沿って90°の周期で増減し、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値が0.95〜1.60T、かつ径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50〜95%であるラジアル異方性円筒焼結磁石を得るものである。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法においては、円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度0.5T以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して成形し、得られた成形体を焼結することにより製造する。
このような方法で用いる水平磁場垂直成形装置としては、例えば、図1に示されるような装置が挙げられる。図1は、円筒磁石の成形時、磁場中配向を行うための水平磁場垂直成形装置の説明図であり、この水平磁場垂直成形装置は、特にモータ用磁石を製造するために好適なものである。ここで、図2の場合と同様、1は成形機架台、2は配向磁場コイル、3はダイスを示し、また5aはコアを示す。6は上パンチ、7は下パンチ、8は充填磁石粉であり、また9はポールピースを示す。
この場合、図1中5aで示されるコアのような、円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部、好ましくは全体を飽和磁束密度が0.5T以上、好ましくは0.5〜2.4T、更に好ましくは1.0〜2.4Tの強磁性体にて形成する。かかるコア材質としては、Fe系材料、Co系材料及びそれらの合金材料等の素材を用いた強磁性体が挙げられる。
図3(b)に示されるように、コア5b全体を非磁性又は磁石粉と同等の飽和磁束密度を有する材料として用いた場合、磁力線は図3(b)に示されるように、互いに平行で、図において中央付近(印加磁場の水平方向中央部)はラジアル方向となるが、上側及び下側(印加磁場の水平方向両側部)に向うにつれてコイルによる配向磁場方向となる。
これに対して、飽和磁束密度が0.5T以上の強磁性体をコアに使用すると、磁石粉に配向磁界を印加する際、磁束は強磁性体に垂直に入ろうとするためラジアルに近い磁力線を描く。従って、図3(a)に示されるように、磁石粉充填部の磁界方向をラジアル配向に近づけることができる。
なお、コアを強磁性体で形成してもコアの飽和磁束密度が0.5T未満の場合は、コアが容易に飽和してしまい、強磁性コアを用いたにもかかわらず、磁場が図3(b)に示される状態に近くなって、有効にラジアル配向させることができず、加えて、0.5T未満では充填された磁石粉の飽和密度(磁石の飽和磁束密度×充填率)と等しくなって、充填磁石粉及び強磁性コア内での磁束の方向がコイルの磁界方向に等しくなってしまう。なお、コアの一部に0.5T以上の強磁性体を用いれば、上記した作用を与えることが可能であるが、その作用の大きさからコア全体が強磁性体であることが好ましい。
また、本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法においては、下記(i)〜(iii)
(i)磁場印加後、磁石粉を金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、
(ii)磁場印加後、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、及び
(iii)2組の磁場発生コイル対を、コイル対の互いの磁場印加方向を直交させて金型周面を囲むように配置し、一方のコイル対で磁場印加後、他方のコイル対で磁場を印加する
の操作のうち少なくとも一の操作を行うことにより磁場を印加する。
水平磁場垂直成形装置を用いた場合、初回の磁場印加は図3(a)に示されるような状態となり、充填された磁石粉は、円筒の磁場印加方向中央部及び磁場印加方向両側部と重なる部位においては磁場印加方向に配向し、他の部位ではラジアルに近い配向となる。
次に、充填された磁石粉を先の磁場印加方向に対し水平方向(円筒端面方向)に90°回転させ、又は充填された磁石粉に対し、磁場発生コイルを水平方向に90°回転させて再び磁場を印加すること、或いは予め2組の磁場発生コイル対を、コイル対の互いの磁場印加方向を直交させて金型周面を囲むように配置しておき、一方のコイル対で印加した先の磁場印加方向に対して磁場印加方向が直交する他方のコイル対にて磁場を印加することにより、先の磁場印加方向に対して、円筒端面方向において相対的に直交する方向に磁場を印加する。
この磁場印加により、円筒の磁場印加方向中央部及び磁場印加方向両側部と重なる部位以外においてはラジアル方向に磁場が印加されるため、ラジアル方向への配向度が高まる。一方、円筒の磁場印加方向中央部及び磁場印加方向両側部と重なる部位においては、その前の磁場印加による配向方向に対して垂直に磁場が印加されることになるが、この部位における全ての磁石粒子が新たに印加した磁場方向に配向されることはない。そのため、磁石を構成する各磁石粒子は、ばらばらな方向に配向されることになる。
この一方向から磁場を印加した後、先の磁場印加方向に対して相対的に直交する方向で磁場を印加する操作を複数回行うとより効果が大きい。また、上記操作を複数回繰り返す場合、磁場印加方向を反転し、逆方向より磁場印加を行うことも効果的である。
さらに、この操作を好ましくは2〜10回繰り返すことにより、この傾向は顕著となり、繰り返し回数が多いと円筒の全周に対して、残留磁束密度が低くなる部位がより狭い範囲となることから好ましい。円筒の内外径比が小さいほど、また小径であるほど残留磁束密度が低くなる部位をより狭くすることができる。しかし、繰り返し回数が多いほど成形のタクトタイムが長くなり、生産性が損なわれるため、繰り返し回数は3〜10回が好ましい。更に好ましくは3〜7回である。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法では、円筒の径方向の残留磁束密度が円筒の周方向に沿って90°の周期で増減し、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値が0.95〜1.60T、かつ径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50〜95%であるラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する。
上述した式(1)で示される応力は、径方向にラジアル配向した周方向への連続体、つまり、ラジアル異方性円筒磁石であるがゆえに発生し、径方向のラジアル配向性を部分的に緩和してやれば応力を減少させることができる。本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法により得られるラジアル異方性円筒焼結磁石は、その円筒の径方向の残留磁束密度が円筒の周方向に沿って90°の周期で増減するようになっている。即ち、円筒の周方向に沿って径方向の残留磁束密度が、全周(360°)の間に4周期で増減し、径方向の残留磁束密度の極大値と極小値が各々90°間隔で各々4箇所存在する。そして、配向が乱れた部位(配向が不連続な部位)が、径方向の残留磁束密度が極小値を示す部分となる。
配向が乱れた部位がランダムに存在する場合、着磁後、磁束密度が低い部位がばらばらに存在する状態となってしまい、モータに組み込んだ際にトルクリップルの原因となるが、本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石においては、円筒の周方向に沿って90°おきに配向が乱れた部位、即ち、残留磁束密度が低い部位が存在し、これにより磁束量が小さい部位が90°おきに周期的に配置されることになるから、トルクリップルは低減される。
この場合、配向が乱れた部位は、円筒軸方向に円筒上端から下端に亘って連続して存在し、円筒磁石の軸方向全体に亘って割れ、クラックの発生が抑制される。なお、この配向が乱れた部位においては、この部位がラジアル方向とは異なる方向に配向しているが故に残留磁束密度が小さいのではなく、この部位を構成する磁石粒子のそれぞれがばらばらな方向に向いているためであり、効率よく割れを引き起こす応力が緩和される。特に、この場合、この配向が乱れた部位を微小体積で存在させることができ、微小でも4箇所に配置されることから、割れを防止する効果は大きい。
また、本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法において、ラジアル異方性円筒焼結磁石は、径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50〜95%、好ましくは50〜90%である。配向が乱れた部位において径方向の残留磁束密度は極小値を示すが、径方向の残留磁束密度の最小値を径方向の残留磁束密度の最大値の95%以下とすることにより、割れやクラックが抑制される。径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50%未満である場合は、磁石粒子が、径方向以外の方向に揃って配向している場合であり、この部位の磁束が、周辺の磁束を不連続に変化させるため、トルクリップルの原因となる。更に、モータに組み込んだ際に有効なトルクを得るために、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値は0.95〜1.60Tである。
なお、本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法において、ラジアル異方性円筒焼結磁石の外径及び内径は、内径90mm以下、外径100mm以下、かつ内外径の比(内径/外径)が0.3以上であり、高さが70mm以下であることが好ましい。外径が100mmを超え、内径が90mmを超えるものでは、配向が乱れた部位が形成されにくい場合があり、形成されたとしても割れやクラックの抑制効果が少ないおそれがある。また、高さが70mmを超えるものでは、円筒軸方向で配向の乱れの程度に差が生じ、割れやクラックの抑制の効果にばらつきが生じるおそれがある。一方、内外径の比(内径/外径)が0.3未満では、熱膨張の異方性により生じる応力が大きすぎて、割れやクラックを抑制する効果が十分発揮できないおそれがある。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法においては、上述したような方法で磁性粉に磁場を印加して配向させた後、通常の水平磁場垂直成形法同様、50〜2,000kgf/cm2(約4.9〜196MPa)の加圧範囲で成形し、更に、真空中又は不活性ガス雰囲気下で1,000〜1,200℃で焼結し、必要により時効処理、加工処理等を施し、焼結磁石を得ることができる。ここで、本発明においては、1回の給粉、1回の加圧で所用軸長の磁石を得ることができるが、複数回の加圧により磁石を得るようにしてもよい。
また、上記のように成形を行う際、水平磁場垂直成形装置で発生する磁場は0.5〜12kOeであることが好ましい。このように水平磁場垂直成形装置で発生する磁場を定めた理由としては、磁場が大きい場合、図3(a)のコア5aが飽和してしまい、図3(b)に近い状態になり、ラジアル配向が得られなくなるおそれがあるため、磁場は12kOe以下、特に10kOe以下が好ましい。また、強磁性コアを用いると磁束がコアに集中するため、コア周辺では、コイルによる磁場より大きな磁場が得られる。しかし、磁場があまり小さいと、コア周辺においても配向に十分な磁場が得られなくなるおそれがある。そのため、磁場は0.5kOe以上、特に1kOe以上が好ましい。前述のように強磁性体周辺では磁束が集まり、磁場が大きくなるため、ここでいう水平磁場垂直成形装置で発生する磁場とは、強磁性体から十分に離れた場所における磁場又は強磁性コアを取り除いて測定したときの磁場の値を意味する。
また、成形直前の上記(i)〜(iii)のうちの一の操作又は成形時において磁石粉に印加する磁場は1.25×105/π〜2×106/πA/m(0.5〜8kOe)特に2.5×105/π〜1.25×106/πA/m(1〜5kOe)であることが好ましい。充填された磁石粉には、磁場印加後、先の磁場印加方向に対して、円筒端面方向において相対的に直交する方向で磁場が印加されるが、この磁場が2×106/πA/m(8kOe)より大きいと、直前の磁場印加による配向が維持されにくく、良好な配向が既に得られている部分に不必要な磁場がかかるおそれがある。一方、1.25×105/πA/m(0.5kOe)未満では、磁場が弱すぎて磁場印加による配向改善効果が小さく、配向が改善されないおそれがある。
なお、磁石粉としては、特に制限されるものではなく、Nd−Fe−B系のほか、フェライト磁石、Sm−Co系希土類磁石、各種ボンド磁石の原料磁石粉を用い得るが、いずれも平均粒径0.1〜10μm、特に1〜8μmの合金粉が好ましい。
次に、本発明の永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法について説明する。
本発明の永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法は、上述した方法により得られたラジアル異方性円筒焼結磁石を、その残留磁束密度が極小値を示す径方向を中央とする周方向±10°の範囲内にN極とS極との境界が位置するように4n極(nは1〜20の整数)に着磁するものである。
この場合、上述した4箇所の配向が乱れた部位を含む残留磁束密度が極小値を示す径方向を中央とする周方向±10°の範囲内に、N極とS極との境界が位置するように着磁することにより、磁束の少ない部位が極上に現れなくなり、極の磁束密度が大きくかつ均一となるため、モータのトルクむら及びトルク劣化のない永久磁石モータ用円筒多極磁石を得ることができる。
そして、モータ、特に複数個のステータ歯を有するモータにロータとして上記永久磁石モータ用円筒多極磁石を組み込めば、永久磁石モータが得られる。
本発明のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法により得られたラジアル異方性円筒焼結磁石にこのように多極着磁を行ったものは、従来のラジアル異方性円筒焼結磁石に多極着磁を行った場合に比べ、極間付近の着磁性及び磁気特性が低いので磁束密度の極間部の変化が滑らかであり、モータのコギングトルクは十分小さいが、更に、スキュー着磁を施すことで、コギングトルクを更に低減することができる。
この場合、ラジアル異方性円筒焼結磁石のスキュー角度が、ラジアル異方性円筒焼結磁石の周方向1極分の角度の1/10未満であると、スキュー着磁によるコギングトルク低下の効果が小さく、2/3より大きいとモータのトルクの低下が大きくなるため、スキュー角度はラジアル異方性円筒焼結磁石の周方向1極分の角度の1/10〜2/3の角度が好ましく、特に1/10〜2/5の角度が好ましい。
以下、実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
それぞれ純度99.7質量%のNd、Dy、Fe、Co、Al、Cuと、純度99.5質量%のBを用い、真空溶解炉で溶解鋳造して、Nd29Dy2.5Fe63.9Co31Al0.5Cu0.1の合金のインゴットを作製した。このインゴットをジョウクラッシャー及びブラウンミルで粗粉砕し、更に窒素気流中、ジェットミルにて粉砕して平均粒径3.5μmの微粉末(磁石粉)を得た。
この微粉末に飽和磁束密度2.0Tの強磁性体(S45C:Fe鋼)コアを配置した図1に示される水平磁場垂直成形装置にて
(1)8kOeの磁場を水平一方向から印加して充填した磁石粉を配向させ、更にその場で(回転させずに)上記水平一方向とは逆方向より3kOeの磁場を印加し[第1磁場印加操作]、
(2)パンチ、コア、ダイスとともに充填した磁石粉を水平方向に90°回転させて、第1磁場印加操作と同じ水平一方向から8kOe、逆方向から3kOeの磁場を印加し[第2磁場印加操作]、
(3)第2磁場印加操作と同様に充填した磁石粉を更に水平方向に90°回転させて、第1磁場印加操作と同じ水平一方向から3kOe、逆方向から3kOeの磁場を印加する操作を6回繰り返し、
(4)第2磁場印加操作と同様に充填した磁石粉を更に水平方向に90°回転させて、第1磁場印加操作と同じ水平一方向から2.5kOeの磁場を印加しながら500kgf/cm2の成形圧にて成形した。このとき、成形前の磁石粉充填密度は40%であった。
次に、この成形体をArガス中1,080℃で1時間焼結し、焼結に引き続き530℃で1時間の時効熱処理を行い、φ30mm×φ20mm×L30mmの希土類円筒焼結磁石を得た。得られた希土類円筒焼結磁石の、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値、及び成形時の磁場印加方向とその垂直方向の各々正負2方向計4方向の残留磁束密度Brを表1に示す。また、上記方法で希土類円筒焼結磁石を100個製造したときの、割れの発生個数を表1に併記する。
[比較例1]
実施例1と同様の磁石粉を用い、図2に示される垂直磁場垂直成形装置にてコイルの発生磁界20kOeで磁石粉充填高さ30mmとして磁場中で成形し、成形後、成形体を下方に移動させて成形体の上に更に30mmの充填高さで磁石粉を載せ、同様に磁場中で成形する。この磁石粉を30mm充填して成形する工程を更に1回繰り返し(計3回)、実施例1と同様の条件で焼結、時効熱処理を行い、φ30mm×φ20mm×L30mmの希土類円筒焼結磁石を得た。実施例1と同様の方法で残留磁束密度Brを測定し、割れの発生個数を計数した。結果を表1に示す。
実施例1のラジアル異方性円筒焼結磁石の残留磁束密度(Br)の最大値は1.25Tで磁石特性が良好で、割れも少ないことがわかる。
[実施例2]
それぞれ純度99.7質量%のNd、Dy、Fe、Co、Al、Cuと、純度99.5質量%のBを用い、真空溶解炉で溶解鋳造して、Nd29Dy4Fe62.4Co31Al0.5Cu0.1の合金のインゴットを作製した。このインゴットをジョウクラッシャー及びブラウンミルで粗粉砕し、更に窒素気流中、ジェットミルにて粉砕して平均粒径3.5μmの微粉末(磁石粉)を得た。
この磁石粉を飽和磁束密度2.25Tの強磁性体(パーメンジュール:Fe−Co合金)コアを配置した図1に示される水平磁場垂直成形装置にて
(1)9kOeの磁場を水平一方向から印加して充填した磁石粉を配向させ、更にその場で(回転させずに)上記水平一方向とは逆方向より5kOeの磁場を印加し[第1磁場印加操作]、
(2)パンチ、コア、ダイスとともに充填した磁石粉を水平方向に90°回転させて、第1磁場印加操作と同じ水平一方向から9kOe、逆方向から5kOeの磁場を印加し[第2磁場印加操作]、
(3)第2磁場印加操作と同様に充填した磁石粉を更に水平方向に90°回転させて、第1磁場印加操作と同じ水平一方向から2kOeの磁場を印加し、更に逆方向から2kOeの磁場を印加しながら500kgf/cm2の成形圧にて成形した。このとき、成形前の磁石粉充填密度は40%であった。
次に、この成形体をArガス中1,100℃で1時間焼結し、焼結に引き続き550℃で1時間の時効熱処理を行い、φ8.2mm×φ3.5mm×L18mmの希土類円筒焼結磁石を得た。得られた希土類円筒焼結磁石の、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値は1.18T、成形時の磁場印加方向とその垂直方向の各々正負2方向計4方向の残留磁束密度Brは、0°=0.96T、90°=1.04T、180°=0.98T、270°=1.02Tであった。
この磁石を、φ8mm×φ3.7mm×L17mmに加工し、成形時の磁場印加方向とその垂直方向の各々正負2方向計4方向(残留磁束密度が極小値を示す4方向)がN極とS極との境界となるように4極に着磁した。この円筒多極磁石をロータとして6ステータ歯のモータに組み込んでモータを作製し、誘起電圧(実効値)及び5rpm回転時のコギングトルク(peak−peak)を測定した。結果を表2に示す。
[参考例1]
成形時の磁場印加方向とその垂直方向の各々正負2方向計4方向のうちの隣接する2方向の中間(即ち、成形時の磁場印加方向に対して±45°及び±135°の4方向であり、残留磁束密度が極大値を示す4方向)がN極とS極との境界となるように4極に着磁した以外は、実施例2と同様にしてモータを作製して誘起電圧(実効値)及び5rpm回転時のコギングトルク(peak−peak)を測定した。結果を表2に示す。
実施例2のラジアル異方性円筒焼結磁石の残留磁束密度(Br)は、非常に高く、高性能モータに適していることがわかる。特に、実施例2のモータは、参考例1のモータに比べ誘起電圧が1.2倍程度高くなり、N極とS極との境界を、配向が乱れた部位(即ち、残留磁束密度が極小値を示す4方向)とすることで、大きな誘起電圧が得られ、このようなラジアル異方性円筒焼結磁石を用いたモータが高性能モータとなることがわかる。

Claims (3)

  1. 円筒磁石用成形金型のコアの少なくとも一部の材質に飽和磁束密度0.5T以上を有する強磁性体を用い、金型キャビティ内に充填した磁石粉を水平磁場垂直成形法により磁石粉に配向磁界を印加して成形し、得られた成形体を焼結することにより、ラジアル異方性円筒焼結磁石を製造する方法であって、下記(i)〜(iii)
    (i)磁場印加後、磁石粉を金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、
    (ii)磁場印加後、磁場発生コイルを磁石粉に対し金型周方向に90°回転させ、その後再び磁場を印加する、及び
    (iii)2組の磁場発生コイル対を、コイル対の互いの磁場印加方向を直交させて金型周面を囲むように配置し、一方のコイル対で磁場印加後、他方のコイル対で磁場を印加する
    の操作のうち少なくとも一の操作を行い、円筒の径方向の残留磁束密度が円筒の周方向に沿って90°の周期で増減し、円筒の全周における径方向の残留磁束密度の最大値が0.95〜1.60T、かつ径方向の残留磁束密度の最小値が最大値の50〜95%であるラジアル異方性円筒焼結磁石を得ることを特徴とするラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法。
  2. 成形直前の上記一の操作又は成形時において磁石粉に印加する磁場が1.25×105/π〜2×106/πA/mであることを特徴とする請求の範囲第1項記載のラジアル異方性円筒焼結磁石の製造方法。
  3. 請求の範囲第1項又は第2項記載の方法により得られたラジアル異方性円筒焼結磁石を、その残留磁束密度が極小値を示す径方向を中央とする周方向±10°の範囲内にN極とS極との境界が位置するように4n極(nは1〜20の整数)に着磁することを特徴とする永久磁石モータ用円筒多極磁石の製造方法。
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