JPWO2005120978A1 - 生分解性ガスバリア容器およびその製造方法 - Google Patents

生分解性ガスバリア容器およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

生分解性ガスバリア容器である。ポリ乳酸を50質量%以上含有した生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、層状珪酸塩0.1〜10質量部とを含有する。X線回折法で測定される結晶化度が15%以上、かつ20℃、相対湿度90%下での酸素透過係数が50ml・mm/m2・day・MPa以下である。層状珪酸塩により補強された生分解性ポリエステル樹脂は、耐熱性に優れたものであるため、成形品を高温で熱処理することが可能となり、そのような高められた熱処理条件によって、よりいっそうポリエステル樹脂の結晶化度が高められて、ガスバリア性が顕著に向上する。

Description

本発明は、流動体保存容器等に好適なバリア性を有する生分解性ガスバリア容器およびその製造方法に関する。
近年、環境保全の見地から、ポリ乳酸をはじめとする生分解性樹脂が注目されている。生分解性樹脂のうちでポリ乳酸は、透明性が良好で、かつ最も耐熱性が高い樹脂の1つであり、また大量生産可能なためコストも安いことから、有用性が高い。しかし、例えば化粧品容器や食品保存容器などの流動体保存容器として使用するにはガスバリア性が低く、また高い温度において使用すると変形するなどの問題があり、これまでは用途に制限がある。
生分解性樹脂のガスバリア性を高める方法として、例えば層状珪酸塩との複合化が挙げられる。Japanese Journal of Polymer Science and Technology 2002年59号12巻760〜766頁では、特定のアンモニウムイオンで有機化処理した膨潤性層状珪酸塩を樹脂100重量%に対して7.5重量%用いることで酸素透過係数が54ml・mm/m・day・MPaまで下がることが報告されている。しかし、層状珪酸塩の添加量を増やし続けても、ガスバリア性向上には限界が生じ、それ以上向上させる方法については全く検討されておらず、容器として使用するには十分なガスバリア性能は付与できていない。
一方、結晶性高分子は、結晶化度を高めることでガスバリア性能を持たせることが可能である。ところがポリ乳酸は、結晶化速度が低く、成形金型の温度を結晶化に最適の90〜120℃にしても半溶融状態のままである。金型温度を室温近傍に設定することによりようやく冷却・固化されるものの、結晶化度は極めて低いものしか得られていない(例えば、プラスチックス、Vol.53、No.10、2002年、37〜39頁)。これを解決するため、JP−A−9−25345には、ポリ乳酸系樹脂成形体の結晶化度を延伸により高めた成形体が提示されている。しかし、延伸による結晶化だけでは耐熱性が不十分である。
JP−A−2003−253009では、タルクを配合したポリ乳酸系樹脂からなる成形体に成形加工前あるいは成形加工時に熱処理を施し結晶化度を高める方法が提示されている。しかし、一般にタルクを配合して結晶化させた樹脂の耐熱温度(DTUL)は100℃前後であり、長時間の熱処理に耐えることはできない。同様の耐熱性を得ようとすると20重量%以上の添加が必要となり、成形性が低下したり比重が高くなったりするという問題点がある。JP−A−2003−128901では、ポリ乳酸を(メタ)アクリル酸エステル化合物で架橋することにより結晶化速度を高めている。しかし、物性および外観において必ずしも満足できるものではない。
JP−A−2001−164097には、脂肪族ポリエステルと有機粘土複合体とからなる中空成形容器が提示されている。しかし、熱結晶化によるガスバリア性向上は全く検討されていない。
WO03/008178A1には、ポリ乳酸を主体とするヒドロキシアルカノエート樹脂の延伸熱固定成形体が記載されている。しかし、通常のポリ乳酸を用いただけであるので、結晶化速度が遅く、高温の金型内で結晶化を進行させるのは困難である。
上述したように、従来知られている技術では、層状珪酸塩で十分なガスバリア性を有する生分解性ガスバリア容器は提供されていない。
本発明の目的は、十分なガスバリア性を有し、あわせて、良好な透明性、成形性、耐熱性を有する生分解性ガスバリア容器およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、層状珪酸塩により補強された生分解性ポリエステル樹脂は、耐熱性に優れたものとなり、このため成形品を従来よりも高温で熱処理することが可能となり、そのような高められた熱処理条件によって、よりいっそうポリエステル樹脂の結晶化度が高められて、ガスバリア性が顕著に向上することを見出した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)ポリ乳酸を50質量%以上含有した生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、層状珪酸塩0.1〜10質量部とを含有し、X線回折法で測定される結晶化度が15%以上、かつ20℃、相対湿度90%下での酸素透過係数が50ml・mm/m・day・MPa以下であることを特徴とする生分解性ガスバリア容器。
(2)層状珪酸塩が、層間に1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、またはホスホニウムイオンがイオン結合した層状珪酸塩であることを特徴とする(1)の生分解性ガスバリア容器。
(3)層状珪酸塩が、置換又は無置換のアルキル基を有する置換シリル基が結合した層状珪酸塩であることを特徴とする(1)の生分解性ガスバリア容器。
(4)流動体用容器であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの生分解性ガスバリア容器。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの生分解性ガスバリア容器を製造するための方法であって、走査型示差熱量計(DSC)におけるガラス転移温度以上かつ融解開始温度以下の範囲で、成形時にあるいは成形後に熱処理することを特徴とする生分解性ガスバリア容器の製造方法。
本発明によれば、層状珪酸塩により補強された生分解性ポリエステル樹脂は、耐熱性に優れたものとなり、このため成形品を従来よりも高温で熱処理することが可能となり、そのような高められた熱処理条件によって、よりいっそうポリエステル樹脂の結晶化度が高められて、ガスバリア性を顕著に向上させることができる。よって、ガスバリア性と耐熱性との両方に優れた生分解性ガスバリア容器を得ることができる。また本発明によれば、生分解性ポリエステル樹脂はポリ乳酸を50質量%以上含有するために透明性に優れ、層状珪酸塩の含有割合が生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部と少量であるために成形性も良好である。本発明の容器は、化粧品容器、食品用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器、および各種流動体用容器等に適用することができる。しかも本発明の容器は、生分解性を有することから廃棄する際にはコンポスト化可能であるので、ゴミの減量化、肥料としての再利用が可能である。
本発明の実施例、比較例についての結晶化度と酸素透過係数とをプロットした図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の生分解性ガスバリア容器を構成する生分解性ポリエステル樹脂は、ポリ乳酸を50質量%以上含有している必要がある。このポリ乳酸の含有量は、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が50質量%以上では、得られる生分解性樹脂組成物の機械的特性や透明性、耐熱性に劣る。植物由来樹脂の含量が減ることは環境への負荷も大きくなる。
本発明で用いられる生分解性ポリエステル樹脂の主成分であるポリ乳酸としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物、これらのステレオコンプレックス、またはこれらの共重合体を挙げることができる。
本発明で用いられる生分解性ポリエステル樹脂は、通常は、公知の溶融重合法により、あるいは必要に応じてさらに固相重合法を併用して、製造される。本発明の生分解性ポリエステル樹脂に用いることのできる、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂としては、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンアジペート)等に代表される、ジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステルが挙げられ、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシカプロン酸)等のポリヒドロキシカルボン酸が挙げられ、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)が挙げられ、芳香族成分を含んでいても生分解性を示すポリ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンテレフタレート)やポリ(ブチレンアジペート−co−ブチレンテレフタレート)が挙げられ、さらに、ポリエステルアミドが挙げられ、ポリエステルカーボネートが挙げられ、澱粉等の多糖類等が挙げられる。これらの成分は、1種でも、2種以上用いてもよく、共重合されていてもよい。これらの成分は、主成分であるポリ乳酸に単に混合されていてもよいし、共重合されていてもよい。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂には、樹脂組成物の特性を損なわない限り、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸エステル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸エステル)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、ポリアリレート、およびそれらの共重合体等の非生分解性樹脂が添加されていてもよい。
本発明において、層状珪酸塩は、従来の技術と同様にガスバリア性に寄与するものであるのみならず、上述のように生分解性ポリエステル樹脂の耐熱性の向上にも寄与するものである。しかも、このように耐熱性を付与することで、成形品を従来よりも高温で熱処理することが可能となり、そのような高められた熱処理条件によって、よりいっそうポリエステル樹脂の結晶化度を高めることができて、ガスバリア性を顕著に向上させることが可能となる。
層状珪酸塩は、膨潤性層状粘土鉱物であり、具体的には、スメクタイト、バーミキュライト、膨潤性フッ素雲母等が挙げられる。スメクタイトの例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトが挙げられる。膨潤性フッ素雲母の例としては、Na型フッ素四ケイ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライト等が挙げられる。上記の他に、カネマイト、マカタイト、マガディアイト、ケニアイト等のアルミニウムやマグネシウムを含まない層状珪酸塩を使用することもできる。天然品以外に合成品でもよく、合成方法としては、溶融法、インターカレーション法、水熱法等が挙げられるが、いずれの方法であってもよい。これらの層状珪酸塩は単独で使用してもよいが、鉱物の種類、産地、粒径等が異なるものを2種類以上組み合わせて使用してもよい。
層状珪酸塩と生分解性ポリエステル樹脂との親和性を向上させて、層状珪酸塩の分散性を向上させ、それによってガスバリア性をいっそう向上させるために、層状珪酸塩の層間には、1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオンまたはホスホニウムイオンがイオン結合していることが好ましい。1級ないし3級アンモニウムイオンは、対応する1級ないし3級アミンがプロトン化したものである。1級アミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられる。2級アミンとしては、ジオクチルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジオクタデシルアミン等が挙げられる。3級アミンとしては、トリオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジドデシルモノメチルアミン等が挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、テトラエチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジヒドロキシエチルドデシルアンモニウム、ベンジルジヒドロキシエチルオクタデシルアンモニウム、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3′−ドデシルオキシ−2′−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルメチルドデシルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム等が挙げられる。ホスホニウムイオンとしては、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、テトラキス(ヒドキシメチル)ホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等が挙げられる。これらのうち、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム、ジヒドロキシエチルメチルドデシルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等の、分子内に水酸基を1つ以上有するアンモニウムイオンまたはホスホニウムイオンで処理した層状珪酸塩は、生分解性ポリエステル樹脂との親和性が高く、層状珪酸塩の分散性が向上するため特に好ましい。これらのイオン化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
層状珪酸塩を1級ないし4級アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンで処理する方法としては、特に制限はないが、例えば、まず層状珪酸塩を水またはアルコール中に分散させ、ここへ上記1級ないし3級アミンと酸(塩酸等)、または4級アンモニウム塩もしくはホスホニウム塩を添加して撹拌混合することにより、層状珪酸塩の層間の無機イオンを上記アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンとイオン交換させた後、濾別・洗浄・乾燥する方法が挙げられる。
また、本発明に用いられる層状珪酸塩としては、樹脂内での分散性の向上のために、その層間に置換又は無置換のアルキル基を有する置換シリル基が結合又は配位したものも、好ましく使用することができる。これは、層状珪酸塩が、置換又は無置換のアルキル基を有するシラン化合物でシリル化されたものである。置換シリル基とは、シリル基(−SiH)の水素原子が、置換又は無置換のアルキル基を含む特定の置換基で置換された有機基である。置換基としては、水酸基、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、エポキシエチル基、エポキシエチルオキシ基、ビニル基、イソプロペニル基、1−フェニルビニル基、4−ビニルフェニル基、イソシアネート基、およびカルボジイミド基などが挙げられる。無置換のアルキル基は、直鎖部分の炭素原子数が3個から20個が好ましく、8個〜18個がさらに好ましい。無置換のアルキル基の炭素原子数が3個より少ないと、置換シリル基に含まれるアルキル基の長さが短く、層状珪酸塩の層間距離が十分に広がらない。そのため、樹脂が層間に侵入することが困難となり、樹脂内での層状珪酸塩層の分散性が低下し、その結果、成形体のガスバリア性が低下する。一方、無置換のアルキル基の炭素原子数が20個より多いと、層状珪酸塩の層間における置換シリル基によって占められる割合が高くなり、層状珪酸塩層の分散性が低下し、やはり、成形体のガスバリア性が低下する。またアルキル基はその鎖中にアミド結合、エステル結合、N−オキシメチレンアミノ基(−OCHNH−)、およびN、N’−ジ(オキシメチレン)アミノ基(−(OCHNH−)などの原子団を有していても構わない。シリル化に適した層状珪酸塩としては、カネマイト、マカタイト、マガディアイト、およびケニヤアイトが挙げられる。このうち、特に好ましい層状珪酸塩はマガディアイトである。
層状珪酸塩の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが必要であり、好ましくは0.2〜6質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。配合量が0.1質量部未満では、本発明の目的とする耐熱性の改良効果およびそれに伴うガスバリア性の向上効果が得られない。反対に配合量が10質量部を超える場合には、本発明の目的である成形加工性や透明性が低下するし、耐加水分解性も悪化する。
本発明において、樹脂と膨潤性層状珪酸塩の分散性を制御する方法としては、混練法では、混練条件の変更、樹脂および層状珪酸塩の双方と親和性のある相溶化剤的な第3成分の添加、樹脂自身への極性基の導入等が挙げられる。また、一般的に重合法では、より分散性を高めることができる。
本発明の生分解性ガスバリア容器を構成するマトリックス樹脂は、X線回折法で測定される結晶化度が15%以上であることが、ガスバリア性を向上させるために必要である。30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
本発明の生分解性ガスバリア容器は、20℃、90%RH下での酸素透過係数が50ml・mm/m・day・MPa以下であることが、保存容器として実用するために必要である。40ml・mm/m・day・MPa以下であることが好ましく、30ml・mm/m・day・MPa以下であることがより好ましい。
本明細書における結晶化度とは、上記のようにマトリックス樹脂の結晶化度のことをいい、X線回折装置を用いてWAXD反射法により測定し、多重ピーク分離法による積分強度比より求めた数値をいう。
本発明の生分解性ガスバリア容器を構成するポリエステル樹脂組成物の製造法としては、一般的な混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダー等を用いて生分解性ポリエステル樹脂と層状珪酸塩とを溶融混練する方法がある。なかでも、層状珪酸塩の分散をよくする意味で二軸押出機を使用することが好ましい。本発明の生分解性ガスバリア容器を構成するポリエステル樹脂組成物を製造する第2の方法としては、生分解性ポリエステルを形成するモノマーに対して層状珪酸塩を所定量存在させた状態で、モノマーを重合することによって、生分解性ポリエステル樹脂組成物を得る方法が挙げられる。
本発明の生分解性ガスバリア容器を構成するポリエステル樹脂組成物のもう一つの好ましい製造方法としては、平均粒径が4μm以下の層状珪酸塩を樹脂と混合する方法である。層状珪酸塩の平均粒径は、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。層状珪酸塩の平均粒径は、公知の粉砕や分級等の手段により適宜制御することができる。
本発明の生分解性ガスバリア容器を構成するポリエステル樹脂組成物には、本発明の目的を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、末端封鎖剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、充填材等を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。特に好ましいのはリン化合物であり、これが生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部添加してあることが好ましい。末端封鎖剤としては、カルボジイミド基、イソシアネート基、エポキシ基など有する化合物を挙げることができ、それらを単独または2種類以上併用して使用してもよい。コスト面および性能面から、その添加量は生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。滑剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、オレフィン系ワックスなどが挙げられる。この滑剤は、層状珪酸塩の分散性、ガスバリア性、外観を向上させるために、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部添加してあることが好ましい。充填材としては、無機充填材と有機充填材とが挙げられる。このうち、無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。有機充填材としては、ケナフ、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。
本発明の生分解性ガスバリア容器を構成するポリエステル樹脂組成物に上記の熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、耐光剤、難燃剤、末端封鎖剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、充填材等を混合する方法は、特に限定されない。生分解性ポリエステル樹脂の製造時、あるいは生分解性ポリエステル樹脂と層状珪酸塩を溶融混練する際に添加することができる。
本発明の生分解性ガスバリア容器を成形する方法としては、特に限定されず、射出成形方法やブロー成形方法など、公知の成形方法を採用することができ、種々の成形品を作製することができる。下記に、ポリエステル樹脂からなる本発明の生分解性ガスバリア容器を成形する場合の好ましい条件等を記載する。
射出成形法としては、一般的な射出成形法を用いることができ、さらにはガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。射出成形時のシリンダ温度は、生分解性ポリエステル樹脂のTm(融解開始温度)または流動開始温度以上であることが必要であり、好ましくは140〜230℃、さらに好ましくは160〜220℃の範囲である。成形温度が低すぎると、成形体にショートが発生したりして成形が不安定になったり、過負荷に陥りやすくなる。逆に成形温度が高すぎると、生分解性ポリエステル樹脂が分解して、得られる成形体の強度が低下したり、着色する等の問題が発生する。一方、金型温度は、生分解性ポリエステル樹脂の融解開始温度をTmとして、(Tm−20℃)以下にする必要がある。生分解性ポリエステル樹脂の耐熱性、ガスバリア性を高める目的で金型内にて結晶化を促進する場合は、同樹脂のガラス転移温度をTgとして、(Tg+20℃)以上かつ(Tm−20℃)以下で所定時間保った後、Tg以下に冷却することが好ましく、逆に後結晶化する場合は、直接Tg以下に冷却した後、再度Tg以上かつ(Tm−20℃)以下で熱処理することが好ましい。
ブロー成形法としては、原料チップから直接成形を行うダイレクトブロー法や、まず射出成形で予備成形体(有底パリソン)を成形後にブロー成形を行う射出ブロー成形法や、延伸ブロー成形等を採用することができる。予備成形体の成形後に連続してブロー成形を行うホットパリソン法と、いったん予備成形体を冷却し取り出してから再度加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法との、いずれの方法も採用できる。ブロー成形金型温度は(Tg+20℃)以上かつ(Tm−20℃)以下とすることが好ましい。ブロー成形金型温度が(Tg+20℃)未満では、結晶化が困難になったり、得られる容器のガスバリア性が不十分となる場合がある。ブロー成形金型温度が(Tm−20℃)を超えると、偏肉が生じたり、粘度低下によりドローダウンする等の問題が発生する。
本発明では、樹脂の結晶化度を向上させて容器のガスバリア性を向上させるために、容器を構成する成形体を、走査型示差熱量計(DSC)におけるTg以上Tm以下の範囲で熱処理することが好適である。熱処理工程は、成形加工と同時でもあるいは成形後でも構わない。上述した射出成形およびブロー成形において、成形金型の温度を上記範囲内で高温に設定した場合は、成形加工と同時の熱処理が行われる。熱処理温度は、詳細には、ポリ乳酸あるいは他の生分解性ポリエステル樹脂の結晶化温度付近が好ましい。具体的には、Tg以上かつ(Tm−20℃)以下が好ましく、(Tg+20℃)以上かつ(Tm−30℃)以下がより好ましい。
本発明の生分解性ガスバリア容器としては、化粧品容器、食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器、流動体用容器等が挙げられる。
食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、およびプレススルーパック容器については、その形態は特に限定されないが、食品、物品、および薬品等を収容するために深さ2mm以上に深絞りされていることが好ましい。容器の厚さは特に限定しないが、必要強度から考えて厚さは50μm以上、より好ましくは150μm〜2mmである。食品用容器の具体的例としては、生鮮食品のトレー、インスタント食品容器、ファーストフード容器、弁当箱等が挙げられる。農業・園芸用容器の具体例としては、育苗ポット等が挙げられる。また、ブリスターパック容器の具体的例としては、食品以外にも事務用品、玩具、乾電池等の多様な商品群の包装容器が挙げられる。また、プレススルーパック容器の具体例としては医薬品容器等が挙げられる。
流動体用容器の形態は、特に限定されないが、流動体を収容するためには深さ20mm以上に成形されていることが好ましい。流動体用容器の厚さは、特に限定しないが、必要強度から考えて0.2mm以上、好ましくは0.5〜5mmである。流動体用容器の具体例としては、乳製品や清涼飲料水や酒類等の飲料用コップおよび飲料用ボトル、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油等の調味料の一時保存容器、シャンプー・リンス等の容器、化粧品用容器、農薬用容器等が挙げられる。
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。しかし、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。下記の実施例および比較例の容器(成形体)の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)結晶化度:
成形品をX線回折装置(理学電気工業社製、RAD−rB、Cu−Kα線)を用いてWAXD反射法により測定し、多重ピーク分離法による積分強度比より求めた。
(2)酸素透過係数:
20℃、相対湿度90%の条件下で、予め調湿しておいた熱プレスシート(200−300μm)について、差圧式ガス・気体透過率測定装置(Yanaco社製、GTR−30XAU)を用いて差圧法で酸素透過度を測定した。酸素透過係数は
(酸素透過係数)=(酸素透過度)×(サンプル厚み)
より算出した。測定時間は0.5h、1h、2hとした。この値はガスバリア性の指標となるものであり、小さいほどガスバリア性が良好であることを示す。
(3)成形性および耐熱性:
各種成形品に対し、成形時および熱処理後に目視で評価を行った。
すなわち、プレスシートに関しては、外観にシワ・変形が無いものを成形性良(○)とし、シワ・変形などが生じたものを成形性不良(×)とした。また、熱処理を施した際にシワや歪みが生じなかったものを耐熱性良(○)とし、シワや歪みが生じたものを耐熱性不良(×)とした。
ボトルに関しては、外観が良好で連続成形可能なものを成形性良(○)とし、肉厚ムラ・変形などが生じたものを成形性不良(×)とした。また、低温金型で成形したものを後熱処理した場合および高温金型で成形した場合に、外観が良好なものを耐熱性良(○)とし、肉厚ムラ・変形などが生じたものを耐熱性不良(×)とした。
評価できなかったものは(−)で示した。
(4)水蒸気透過率:
この値が小さいほど、バリア性が良好であることを示す。すなわち、成形したボトルに純水を充填し、50℃の乾燥機中にて30日間保存した後、内容物減少率が2%未満であるものをバリア性良好(○)とし、2%以上であるものをバリア性不良(×)とした。
(5)評価:
プレスシートでは、酸素透過係数が50ml・mm/m・day・MPa以下であり、かつ熱処理後も成形品としての外観を保持しているものを良好(○)とし、それ以外のものを不良(×)とした。
ボトルでは、水蒸気透過率が2%未満であり、熱処理を行ったものは熱処理後も成形品としての外観を保持しているものを良好(○)とし、それ以外のものを不良(×)とした。
[原料]
次に、実施例、比較例において用いた各種原料を示す。
(1)ポリ乳酸(以下、「PLA」と称する):
カーギルダウ社製NatureWorks、重量平均分子量(MW)=190,000、融点170℃。
(2)エスベンE:
層間イオンがトリメチルオクタデシルアンモニウムイオンで置換されたモンモリロナイト(ホージュン社製エスベンE)。
(3)ソマシフMEE:
層間イオンがジヒドロキシエチルメチルドデシルアンモニウムイオンで置換された膨潤性合成雲母(コープケミカル社製、平均粒径6.2μm)。
(4)ソマシフMTE:
層間イオンがメチルトリオクチルアンモニウムイオンで置換された膨潤性合成雲母(コープケミカル社製)。
(5)シリル化層状珪酸塩A:
層状珪酸塩のマガディアイトに、シラン化合物のドデシルトリクロロシランを反応させて、シリル化した層状珪酸塩を得た。このシリル化した層状珪酸塩を水処理し、層状珪酸塩に結合した、ドデシル基を有するシリル基に残留するクロロ基を水酸基に変換して、シリル化層状珪酸塩Aを得た。
[樹脂の製造]
溶融混練には、池貝社製PCM−30型二軸押出機を用いた。スクリュー径は30mm、平均溝深さは2.5mmであった。
(樹脂組成物A)
PLA100質量部、エスベンE4質量部、滑剤1質量部を混合し、スクリュー径30mmの二軸押出機(池貝社製PCM−30)を用いて、190℃、スクリュー回転数200rpm(=3.3rps)、滞留時間1.6分で溶融混練を行い、樹脂組成物Aを得た。この樹脂組成物AのTgは59℃、Tmは169℃であった。
(樹脂組成物B)
PLA100質量部、ソマシフMEE4質量部、滑剤1質量部を混合し、樹脂組成物Aの場合と同じ方法で溶融混練を行い、樹脂組成物Bを得た。この樹脂組成物BのTgは56℃、Tmは169℃であった。
(樹脂組成物C)
PLA100質量部、ソマシフMTE4質量部、滑剤1質量部を混合し、樹脂組成物Aの場合と同じ方法で溶融混練を行い、樹脂組成物Cを得た。この樹脂組成物CのTgは58℃、Tmは169℃であった。
(樹脂組成物D)
PLA100質量部、滑剤1質量部を樹脂組成物Aの場合と同じ方法で溶融混練し、樹脂組成物Dを得た。この樹脂組成物DのTgは60℃、Tmは168℃であった。
(樹脂組成物E)
PLA100質量部、シリル化層状珪酸塩A4質量部、滑剤1質量部を混合し、樹脂組成物Aの場合と同じ方法で溶融混練を行い、樹脂組成物Eを得た。この樹脂組成物EのTgは59℃、Tmは169℃であった。
(樹脂組成物F)
PLA100質量部、ソマシフMEE10質量部、滑剤1質量部を混合し、樹脂組成物Aの場合と同じ方法で溶融混練を行い、樹脂組成物Fを得た。この樹脂組成物FのTgは56℃、Tmは168℃であった。
(樹脂組成物G)
PLA100質量部、ソマシフMEE50質量部、滑剤1質量部を混合し、樹脂組成物Aの場合と同じ方法で溶融混練を行い、樹脂組成物Gを得た。この樹脂組成物GのTgは57℃、Tmは169℃であった。
[実施例1〜10、比較例1〜9(プレスシート成形)]
得られた樹脂組成物A〜Gについて、テスター産業社製卓上テストプレス機を使用し、190℃で約3分間プレスして、成形体としてのプレスシートを作製した。それらプレスシート(比較例2〜8)と、それらに120℃で10分間熱処理を施したあとのプレスシート(実施例1〜5、比較例1)と、それらに120℃で5分間熱処理を施したあとのプレスシート(実施例6〜10、比較例9)とについて、酸素透過係数の測定を行った。その結果を表1、図1に示す。なお、図1において、結晶化度が15%以上の範囲で、かつ酸素透過係数が50ml・mm/m・day・MPa以下の範囲が、すなわち図1における右下の部分の範囲が、本発明で規定される範囲である。また、上記の120℃という熱処理温度は、すべての樹脂組成物A〜Gについて、走査型示差熱量計(DSC)におけるガラス転移温度Tg以上かつ融解開始温度Tm以下となる温度であった。
Figure 2005120978
実施例1〜10の成形体は、いずれも、層状珪酸塩を含んだものであるために酸素透過係数が良好であり、また熱処理を施したものであるために結晶化度が良好であった。
比較例1および9の成形体は、熱処理を施したものであるために結晶化度は向上しているが、層状珪酸塩が用いられていないため酸素透過係数が高く、目的とするバリア性能が得られなかった。
比較例2、3、4、6、7の成形体は、層状珪酸塩が用いられているにもかかわらず、熱処理を施したものでなかったために結晶化度が低く、このため酸素透過係数が高くなって、目的とするバリア性能が得られなかった。
比較例5の成形体は、層状珪酸塩が用いられていないうえに、熱処理を施したものでなかったために、結晶化度が低く、酸素透過係数が極めて高かった。
比較例8の成形体は、層状珪酸塩が多量に用いられているため、熱処理を施した際に熱分解が起こり、評価できるシートを作成できなかった。
[実施例11〜22、比較例10〜18(ブロー成形)]
得られた樹脂組成物A〜Gについて、射出ブロー成形機(日精ASB機械社製ASB−50TH)を用い、これら樹脂組成物A〜Gの融解開始温度Tmまたは流動開始温度以上の温度であるシリンダ設定温度200℃で溶融して10℃の金型に充填し、10秒間冷却して5mm厚の予備成形体(有底パリソン)を得た。これを120℃の温風で加熱した後、所定の温度に設定された低温金型または高温金型に入れ、圧力空気3.5MPaの条件下でブロー成形し、内容積130ml、厚み1.1mmのボトルを作製した。低温金型はその温度を25℃に設定し、高温金型はその温度を120℃に設定した。この120℃という高温金型の温度は、各樹脂組成物A〜Gに関し、上述の(Tg+20℃)以上かつ(Tm−20℃)以下という条件を満たすものであった。
実施例11、13、16、18、20および比較例17では、低温金型で作成したボトルにさらに120℃で30分間の熱処理を行った。この120℃という熱処理の温度はすべての樹脂組成物A〜Gについて、走査型示差熱量計(DSC)におけるガラス転移温度Tg以上かつ融解開始温度Tm以下となる温度であった。
得られたボトルの成形性、耐熱性、水蒸気透過率、酸素透過係数、評価を、表2に示す。
Figure 2005120978
実施例11〜22の成形体は、いずれも目的とする結晶化度に到達しており、成形性、耐熱性およびバリア性能は良好であった。特に実施例12、14、17、19、21の成形体は、高温金型を用いたため、いずれも後熱処理をせずとも目的とする結晶化度に到達していた。実施例11、13、15、16、18、20、22の成形体は、後熱処理をすることで、いずれも目的とする結晶化度に達しており、同様に成形性、耐熱性およびバリア性能は良好であった。
これに対し、比較例11〜16の成形体は、低温金型を用いたにもかかわらず後熱処理を行わなかったため、結晶化度が低く、目的とするバリア性能が得られなかった。
比較例17の成形体は、層状珪酸塩の含まれていない樹脂組成物Dを用いたため、熱処理により成形体が変形し、よって耐熱性において満足するものでなく、水蒸気透過率と酸素透過係数は測定できなかった。
比較例18に関しては、層状珪酸塩の含まれていない樹脂組成物Dを用いたため、この樹脂組成物Dが高温金型内で固化せず、成形体が得られなかった。このため、結晶化度と水蒸気透過率と酸素透過係数とは測定できなかった。

Claims (5)

  1. ポリ乳酸を50質量%以上含有した生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、層状珪酸塩0.1〜10質量部とを含有し、X線回折法で測定される結晶化度が15%以上、かつ20℃、相対湿度90%下での酸素透過係数が50ml・mm/m・day・MPa以下であることを特徴とする生分解性ガスバリア容器。
  2. 層状珪酸塩が、層間に、1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、またはホスホニウムイオンがイオン結合した層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1記載の生分解性ガスバリア容器。
  3. 層状珪酸塩が、置換又は無置換のアルキル基を有する置換シリル基が結合した層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1記載の生分解性ガスバリア容器。
  4. 流動体用容器であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の生分解性ガスバリア容器。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の生分解性ガスバリア容器を製造するための方法であって、走査型示差熱量計(DSC)におけるガラス転移温度以上かつ融解開始温度以下の範囲で、成形時にあるいは成形後に熱処理することを特徴とする生分解性ガスバリア容器の製造方法。
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