JPWO2005115205A1 - 間接加熱ボイル装置、間接加熱冷却装置および濃縮装置 - Google Patents

間接加熱ボイル装置、間接加熱冷却装置および濃縮装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ボイル水を用いて食材をボイルするためのボイル装置の種々の欠点を解消した新規なボイル装置を提供すること。【解決手段】 ボイル水42を用いて食材をボイルするための間接加熱ボイル装置100であって、互いに独立するボイル水経路11および蒸気経路12を有し、ボイル水経路11を流動するボイル水42と蒸気経路12を流動する加熱用蒸気(52)との間で熱交換が行われる熱交換器10と、食材が収納され且つボイル水42が貯蔵されるボイル槽40と熱交換器10のボイル水経路11とを連結するためのボイル水配管部20と、熱交換器10の蒸気経路12に連結された蒸気配管部30とを備えた、間接加熱ボイル装置100である。【選択図】 図4

Description

本発明は、熱交換器を用いた間接加熱ボイル装置、間接加熱冷却装置および濃縮装置に関する。特に、カニ等の水産食材の加工プロセスに好適に適用可能な間接加熱ボイル装置、間接加熱冷却装置および濃縮装置に関する。
カニ肉の加工食品を製造する場合には、下記特許文献1に示すように、ボイル装置によってカニを熱湯でボイルした後、冷却するような加工方法が多く採用されている。
カニ肉加工用のボイル装置において、カニをボイルするためのボイル槽内のボイル水を加熱する方式として、例えばボイラーによって発生する加熱用蒸気を直接、ボイル槽内のボイル水に導入して、ボイル水を高温に加熱する蒸気直接導入式のものや、ボイル槽内に蛇行状ないしはコイル状の伝熱管を配置して、その管内に供給した高温蒸気等の熱媒とボイル水とを熱交換させて、ボイル水を加熱する伝熱管式のもの、更にはボイル槽内に電気ヒータを配置して、ヒータの駆動によってボイル水を加熱するヒータ加熱式のものが一般に採用されている。
特開昭62−195268号公報
ボイル槽内のボイル水を加熱する上記手法は、あまりにも一般的であり、それゆえ、それらの欠点は容認されていたか、また欠点自体気づかずに用いられていた。本願発明者は、上記従来のボイル水を加熱する手法を検討した結果、以下のような欠点ないし課題が存在することに気づいた。
上記従来における蒸気直接導入式のボイル装置においては、例えばスパージパイプ等の蒸気供給管をボイル槽内に配置して、スパージパイプにおける多数の小孔状蒸気放出口から高温蒸気をボイル水内に供給するものであるが、加熱用蒸気を供給した際に、大量の蒸気(湯気)が発生して装置周辺はもとより、室内全域に充満するため、周辺の作業環境が悪化し更に室内に結露が生じやすく、衛生的にも好ましいものではない。しかも、大量の蒸気を排出するための大型の排気ダクトが必要となり、設備の大型化及びコストの増大を来すという間題もある。
その上、ボイラーからの加熱用蒸気をボイル槽内に直接導入するものであるため、ボイラー内の不純物がボイル槽内に混入されて、ボイル水の品質が劣化して、カニ自体の品質も低下する恐れがある。また、ボイル槽内のボイル水は、蒸気供給に伴う自然対流によって攪拌されるだけで攪拌が不十分となるため、温度むらが発生して、この点においても、ボイル処理製品の品質を低下させる恐れもある。さらに、ボイル槽内にスパージパイプ等の蒸気供給管を配置するものであるため、ボイル槽内の構造が複雑になり、ボイル槽の洗浄や保守点検作業、ひいては装置全体の洗浄、保守点検作業が困難になるという間題もある。
また、伝熱管式やヒータ加熱式のボイル装置においては、ヒータや伝熱管がボイル槽内に配置されているため、上記と同様、ボイル槽内の構造が複雑になり、洗浄や保守点検を容易に行えないという間題を抱えている。特にヒータや伝熱管は、伝熱効率を向上させるために、非常に複雑な形状をしているため、ボイル時にカニ自体から発生する泥状固形成分(スラリー)が伝熱管やヒータに絡み付いてしまい、そのスラリーをスムーズに除去できず、洗浄や保守点検に多大な作業負担が強いられている。さらに、ボイル槽内のボイル水は、自然対流によって攪拌されるだけのものであるため、上記と同様、温度むらが発生して、ボイル処理製品の品質を低下させる恐れもある。
一方、カニを熱湯でボイルした際に大量の茄で汁(ボイル廃液)が排出されるが、この茄で汁等は廃棄するのが通例である。しかしながら、茄で汁の廃棄処理自体に多大なコストが必要となる上更に、廃棄時には、周辺環境への影響等にも十分配慮する必要があり、排出されるカニの茄で汁の後処理に苦心するところであった。このカニの茹で汁を効果的に利用することができれば、非常に大きな効果を得ることができる。
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、ボイル水を用いて食材(例えば、カニ)をボイルするためのボイル装置の種々の欠点を解消した新規なボイル装置を提供することにある。また、本発明の他の目的の一つは、処理液体(例えばカニの茹で汁)を加熱・冷却できる加熱冷却装置、あるいは、濃縮して濃縮液(例えばカニエキス液)を製造できる濃縮装置を提供することにある。
本発明の間接加熱ボイル装置は、ボイル水を用いて食材をボイルするための間接加熱ボイル装置であり、互いに独立するボイル水経路および蒸気経路を有し、前記ボイル水経路を流動するボイル水と前記蒸気経路を流動する加熱用蒸気との間で熱交換が行われる熱交換器と、食材が収納され且つボイル水が貯蔵されるボイル槽と、前記熱交換器の前記ボイル水経路とを連結するためのボイル水配管部と、前記熱交換器の前記蒸気経路に連結された蒸気配管部とを備えている。
前記間接加熱ボイル装置は、移動可能な構成となっていることが好ましい。
ある好適な実施形態において、前記ボイル水配管部は、前記熱交換器における前記ボイル水経路の出入口に接続された接続配管と、前記接続配管に接続され、前記接続配管と前記ボイル槽とを接続する延長配管とから構成されている。
前記ボイル水配管部に連結される前記ボイル槽は、蓋が装着可能な構造となっていることが好ましい。
さらに、前記熱交換器と前記ボイル槽との間で前記ボイル水を循環させるためのボイル水循環装置が設けられていることが好ましい。
ある好適な実施形態において、前記蒸気配管部には、蒸気を供給するための蒸気用配管が接続されている。
ある好適な実施形態において、前記蒸気配管部には、前記蒸気用配管とともに、冷却熱媒体を供給するための冷却熱媒体用配管が連結されている。
ある好適な実施形態において、前記食材は、水産物および野菜の少なくとも一方である。
前記食材は、甲殻類であることが好ましい。
前記食材は、海草であってもよい。
本発明の間接加熱冷却装置は、飲食用液体を加熱および冷却する間接加熱冷却装置であり、互いに独立する飲食用液体経路および熱媒体経路を有し、前記飲食用液体経路を流動する飲食用液体と前記熱媒体経路を流動する熱媒体との間で熱交換が行われる熱交換器と、前記飲食用液体が貯蔵される飲食用液体容器と、前記飲食用液体容器と、前記熱交換器の前記飲食用液体経路とを連結するための飲食用液体配管とを備え、前記熱媒体経路には、高温熱媒体を流動させる高温熱媒体配管と、低温熱媒体を流動させる低温熱媒体配管とが接続されており、さらに、前記高温熱媒体配管と前記低温熱媒体配管との接続を切り替える切替弁が設けられている。
ある好適な実施形態において、前記飲食用液体は、カニの茹で汁又は蒸し汁であり、前記高温熱媒体はスチームであり、前記低温熱媒体は冷水である。
前記飲食用液体は、だし汁であってもよい。
本発明の濃縮装置は、濃縮対象液体を濃縮する濃縮装置であり、互いに独立する液体経路および蒸気経路を有し、前記液体経路に導入される濃縮対象液体と前記蒸気経路を流動する蒸気との間で熱交換が行われる熱交換器と、前記熱交換器における前記液体経路の一端に接続され、前記熱交換器における前記熱交換によって生じた前記濃縮対象液体の蒸気の気液分離を行う気液分離器とを備えている。
さらに、前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクを備え、前記回収タンクは、前記熱交換器における前記液体経路の他端と接続されていることが好ましい。
ある好適な実施形態において、前記熱交換器の前記液体経路は、略垂直方向に延びるように配置されており、前記回収タンクは、当該回収タンク内の液面レベルが一定に保たれるようになされた開放タンクからなり、前記回収タンク内の前記液面レベルと、前記液体経路内の液面レベルとが一致するようになされている。
ある好適な実施形態において、前記気液分離器内には、複数の邪魔板が設けられており、前記複数の邪魔板は、前記濃縮液体の前記蒸気を、気体と濃縮液体とに分離する機能を有する。
ある好適な実施形態では、さらに、前記濃縮対象液体を予熱する余熱用熱交換器を備え、前記余熱用熱交換器は、互いに独立する液体経路および蒸気経路を有し、前記液体経路に導入される濃縮対象液体と前記蒸気経路を流動する蒸気との間で熱交換が行われる構成を有しており、前記余熱用熱交換器における前記蒸気経路は、前記気液分離器と接続されており、前記余熱用熱交換器における前記液体経路の一端は、濃縮対象液体を貯蔵する貯蔵タンクに接続されている。
ある好適な実施形態では、さらに、前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクを備え、前記回収タンクは、前記熱交換器における前記液体経路の他端と接続されており、かつ、前記余熱用熱交換器は、当該余熱用熱交換器における前記濃縮対象液体を前記回収タンクに導入可能な構成となっている。
ある好適な実施形態において、前記濃縮対象液体は、カニエキス液である。
前記濃縮対象液体は、だし汁であってもよい。
本発明の実施形態に係る間接加熱ボイル方法(または、ボイル処理製品の製造方法)は、熱交換器を用いたボイル方法であり、ボイル槽に貯められたボイル水を、ボイル槽と熱交換器との間で循環させて、それにより、ボイル水を加熱する工程(a)と、加熱したボイル水によって食材をボイルする工程(b)とを包含する。
ある実施形態では、前記工程(b)の後、ボイルを終えたボイル廃水を、前記ボイル槽と前記熱交換器との間で循環させて、それにより、前記ボイル廃水を冷却する工程を実行する。
ある実施形態では、前記工程(b)の後、前記ボイル槽と前記熱交換器との間で、洗浄水を循環させることによって、洗浄工程を実行する。
本発明の実施形態に係る間接加熱冷却方法(または、飲食用液体の加工ないし製造方法)は、熱交換器を用いた加熱冷却方法であり、飲食用液体容器に貯められた飲食用液体を、前記飲食用液体容器と熱交換器との間で循環させて、それにより、飲食用液体を加熱する工程(a)と、加熱した飲食用液体を、前記飲食用液体容器と前記熱交換器との間で循環させて、それにより、当該飲食用液体を冷却する工程(b)とを包含する。
本発明の実施形態に係る濃縮方法(または、濃縮液体の製造方法)は、熱交換器を用いた濃縮方法であり、熱交換器に導入された濃縮対象液体を蒸発させる工程(a)と、前記蒸発した濃縮対象液体の蒸気を気液分離する工程(b)とを包含する。
ある実施形態では、前記工程(b)で気液分離された液体を回収タンクに回収する工程(c)と、前記回収された液体を再び前記熱交換器に導入する工程(d)とを、さらに含む。
本発明の間接加熱冷却装置は、互いに独立するボイル水経路および蒸気経路を有する熱交換器を備え、熱交換器のボイル水経路がボイル槽に連結されるものであるので、ボイル水を熱交換器に通過させて加熱用蒸気との熱交換により加熱してボイル槽に導入することができる。その結果、高温の安定した状態のボイル水をボイル槽内に供給することができ、蒸気が大量に発生するのを防止することができる。また、装置周辺の作業環境を改善できて、室内の結露発生も防止でき、衛生的にも良好な作業環境を得ることができる。しかも、大量の蒸気が発生しないので、蒸気を除去するための大型ダクト等の蒸気除去設備も必要なく、その分、設備の小型簡素化及びコストの削減を図ることができる。
また、本発明の間接加熱冷却装置は、ボイル水を熱交換器に通過させて加熱用蒸気との熱交換により加熱してボイル槽に供給するものであるため、例えばボイル槽内のボイル水に、ボイラーからの加熱用蒸気を直接導入するものとは異なり、加熱用蒸気に含まれる不純物がボイル水内に混入されることがなく、ボイル水の劣化によるボイル処理製品への悪影響を回避できる。したがって、ボイル処理製品の品質を向上させることができる。
さらに、本発明の間接加熱冷却装置によれば、ボイル水をボイル槽及び熱交換器に循環させることができるので、ボイル槽内のボイル水が適度に攪拌され、ボイル水の温度むらが生じず、温度分布の均等化を図ることができ、カニ等の食材を均質にボイルできて、高い品質のボイル処理製品を得ることができる。
加えて、本発明の間接加熱冷却装置では、ボイル槽内に蒸気供給管や、ヒータ及び伝熱管等が配置されることがなく、ボイル槽内をシンプルな形状に形成できるため、ボイル槽の洗浄や保守点検作業、ひいては装置全体の洗浄、保守点検作業を容易に行うことができる。
そして、蒸気配管部に蒸気用配管とともに冷却熱媒体用配管を連結した場合には、熱交換器の蒸気経路に冷却熱媒体を流すことも可能となり、例えば、カニをボイルした後のボイル槽に貯蔵されたボイル水の加熱・冷却工程を、ボイル水を移し替えることなく実行することができ、それにより、通例では廃棄されていた当該ボイル水から、カニエキス液を製造することも可能となる。
本発明の間接加熱冷却装置は、互いに独立する飲食用液体経路および熱媒体経路を有する熱交換器を備え、熱交換器の飲食用液体経路は飲食用液体容器と連結されており、熱交換器の熱媒体経路には、高温熱媒体を流動させる高温熱媒体配管と、低温熱媒体を流動させる低温熱媒体配管が接続されるとともに、それらの接続の切替弁が設けられているので、飲食用液体を飲食用液体容器と熱交換器の間で循環させつつ、高温熱媒体(加熱用熱媒体)及び低温熱媒体(冷却用熱媒体)を順次、熱交換器に供給することができる。したがって、飲食用液体を移し替えることなく、加熱及び冷却の一連の処理を行うことができ、その結果、生産効率を向上させることができる。
本発明の濃縮装置は、互いに独立する液体経路および蒸気経路を有する熱交換器と、熱交換器における液体経路の一端に接続され、熱交換器における熱交換によって生じた濃縮対象液体の蒸気の気液分離を行う気液分離器とを備えているので、真空吸引を行わなくても気体成分(例えば、水蒸気)と濃縮液に分離することができる。真空設備を設けることなく比較的簡単な設備で液体(濃縮対象液体)を濃縮することができることにより、濃縮装置の小型化を図ることができ、したがって、設備コストも大幅に低減することができる。
従来のスチーム直接投入方式1000の構成を模式的に示す図である。 本発明の間接加熱ボイル方式2000の構成を模式的に示す図である。 スチーム直接投入方式1000と間接加熱ボイル方式2000について、温度(℃)と熱交換効率(%)との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態1に係る間接加熱ボイル装置100の構成を模式的に示す図である。 熱交換器10の構成を説明するために一部を透過して示した斜視図である。 (a)から(c)は、それぞれ、本発明の実施形態1に係る間接加熱ボイル装置100の構成を示す側面図、上面図および下面図である。 本発明の実施形態1に係る間接加熱ボイル装置およびその配管構成を示す図である。 本発明の実施形態1における熱交換器10の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態1におけるボイル処理の工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る間接加熱冷却装置(ボイル水冷却装置)およびその配管構成を示す図である。 本発明の実施形態2における熱交換器10の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態2における加熱(蒸煮)および冷却処理の工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る濃縮装置およびその配管構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1 蒸気供給源(加熱用蒸気供給源)
2 給水源
10 熱交換器
10' 余熱用熱交換器
11 ボイル水経路(液体経路、飲食用液体経路)
12 熱媒体経路(蒸気経路)
14 外殻体
20 ボイル水配管部
21 ボイル水流入部
21a 接続配管
21b 延長配管
21c 延長配管
21d ボイル水の入口
21e 工水の入口
21f 排水口
22 ボイル水流出部
22a 接続配管
22b 延長配管
22d 油圧温調弁
22e メータ
23 ボイル水供給管
25、26 配管
30 蒸気配管部
31 蒸気流入部
31a 接続部
31a 蒸気流入部
31b 蒸気延長配管
31d 蒸気延長配管の先端
31e メータ
32 蒸気排出部
32a 接続部
32b 蒸気排出延長配管
33 蒸気用配管(高温熱媒体配管)
35 蒸気用配管
37 容器
40 ボイル槽(飲食用液体容器)
42 ボイル水(飲食用液体)
44 ボイル槽の開口部
45 熱媒流出管
52 スチーム(熱媒体)
60 ポンプ(循環ポンプ)
62 フィルタ
70 枠体
72 車輪
100 間接加熱ボイル装置
111a 処理液入口
111b 熱媒入口
112a 処理液出口
112b 熱媒出口
113 処理液入口室
114 処理液出口室
115 熱交換室(熱媒体通過空間)
115 熱媒経路(蒸気経路)
116 伝熱管(処理液経路、液体経路)
117 処理液中間室
121 ボイル水上流側供給管
122 ボイル水下流側供給管
123 排水管
124 ボイル廃液回収管
125 給水管
126 給水分岐管
131 ボイル水下流側供給管
131a 温度センサー
133 排出管
141 加熱用熱媒供給管(熱媒供給管)
141b 電動式開閉弁
141c 温度調整弁
145 熱媒流出管
160 コンベア
165 箱
201 加熱用蒸気供給源
202 工水供給源
210 ボイル廃液槽
216 ボイル水供給配管
220 ボイル廃液槽(ボイル槽、処理液槽)
220a 水位計
221 ボイル廃液上流側供給管
222 ボイル廃液下流側供給管
222a 温度計
223a 温度センサー
223b 温度計
223c サーモスタット
226 回収管
227 工水導入管
230 2次冷却用熱媒槽(氷水槽、熱媒槽)
230a 水位計
241 加熱用熱媒供給管(蒸気供給管)
241b 電動開閉弁
241c 温度調整弁
242 熱媒流入管
243 熱媒流出管
244 蒸気ドレン排水管
244a 蒸気トラップ
245a 温度計
246 冷却用熱媒戻し管
247 排水管
251 1次冷却用熱媒供給管
252,253 2次冷却用熱媒供給管
255 冷却用熱媒共用管
255a 温度計
256 排水管
257 工水導入管
271〜276 三方切替弁
280 噴霧器
281 熱交換チューブ
301 濃縮対象液体
303 気液分離器
304 回収タンク
305 貯蔵タンク
306 熱交換器
310 蒸気貯留室
311 ボイラー
312 水蒸気吐出口
313 邪魔板
314 ポンプ
315 熱媒体通過空間
316 蒸気貯留室
317 液体貯留室
318 熱媒体送入口
319 熱媒体排出口
320 熱媒体送流管
321 連通管
322、323 送流管
324 回収管
325 供給管
326、327 送流管
328 熱媒体排出管
330 流量制御弁
331 電磁弁
332 圧力計
333 温度センサー
333a センサー部
337 逆止弁
340 ボールタップ装置
341 ボールタップ本体
342 アーム
343 浮玉
350 伝熱管(液体経路)
351 排出管
360 熱媒体通過空間(蒸気経路)
本願発明者は、ボイル装置によってカニを熱湯でボイルする場合において、大量の蒸気(湯気)が発生して、装置周辺や室内全域に充満する等の問題をなんとか解決したいと思い、種々の検討を重ねた。以下、説明する。
まず、図1に示すように、一般的なボイル方式(例えば、スチーム直接投入方式)1000の場合、ボイラーに接続された配管1112からスチームが供給される(矢印1114)。配管1112に連結されたスパージ配管1110は、ボイル槽1120底部に配設されており、スパージパイプ1110の孔1116から、ボイル水1122へとスチーム1130が導入され、そのスチーム1130の熱によってボイル水1122は加熱される。ボイル水1122の上には、蒸気(湯気)1131が大量に発生する。その大量の蒸気1131を処理するために大型の排気ダクト1140が必要となる。また、排気ダクト1140を設置しても、やはり、周囲には蒸気1132が充満し作業環境を悪化させる。
本願発明者は、例えばカニをボイルする時に使用される従来のボイル方式とは異なる、間接加熱ボイル装置を発案し、それを実験したところ、うまく機能した。その間接加熱ボイル装置は、図2に示すように、熱交換器10を使用するものである。熱交換器10は、互いに独立するボイル水経路11および蒸気経路12からなり、ボイル水経路11を流動するボイル水と、蒸気経路12を流動する加熱用蒸気(スチーム)との間で熱交換を実行するものである。
図2に示した間接加熱ボイル装置2000では、ボイラーに接続された配管2212からスチームが供給され(矢印2214)、熱交換器10の蒸気経路12に導入され、配管2213を通して排出される(矢印2214')。熱交換器10のボイル水経路11は、ボイル槽2220に連結されたボイル水供給配管2216と接続されており、ボイル槽2220内に貯蔵されたボイル水2222は、ボイル水供給配管2216を通じて、ボイル水経路2215に供給される(矢印2218)。ボイル水経路11に導入されたボイル水2222は、ボイル水戻し配管2217を通して、再び、ボイル槽2220に戻される(矢印2218')。すなわち、ボイル水2222は、ボイル槽2220と熱交換器10との間を循環する。なお、ボイル槽2220と熱交換器10との循環経路(2216、2217、11)の一部には、ポンプ2219が設けられている。また、ボイル槽2224には蓋2224が設けられている。
間接加熱ボイル装置2000を用いると、ボイル水2222は、ボイル槽2220と熱交換器10との間を循環し(矢印2218、2218')、熱交換器10においてスチームとの熱交換によってボイル水2222は加熱される。このように、高温の安定した状態のボイル水2222をボイル槽2220内に供給することができ、蒸気が大量に発生するのを防止することができる。したがって、装置周辺の作業環境を改善でき、また、蒸気を除去するための大型ダクト等の蒸気除去設備も設けなくてもすむ。
さらには、熱交換効率の点からも大きな違いがある。従来方式(スチーム直接投入方式)1000および間接加熱ボイル方式2000について、温度(℃)と熱交換効率(%)との関係を図3に示す。
図3に示すように、ボイル水の設定温度が60℃くらいまでは、従来方式1000及び間接加熱ボイル方式2000はともに、約95%の熱交換効率を示し、両者に大きな違いはない。しかし、ボイル水の設定温度が60℃を超えると、従来方式1000では熱交換効率は徐々に低下していき、100℃付近では約50%にまで低下してしまう。これは、ボイル水の温度が60℃を超えたあたりから、蒸気(湯気)が発生するためであり、この蒸気発生分は、エネルギー損失となってしまう(図3の領域300)。一方、間接加熱ボイル装置2000では、高温のボイル水をボイル槽に供給するので、そのような損失を抑制することができる。すなわち、間接加熱ボイル装置2000は、従来方式1000と比べて、エネルギーコストを下げることができ、その意味でもメリットが大きい。
加えて、間接加熱ボイル装置2000を用いた間接加熱ボイル方式の場合、ボイル槽1220に新たな水分が追加されないという利点もある。すなわち、スチーム直接投入方式1000の場合には、ボイル槽1120のボイル水1122に水蒸気を導入するので、ボイル水1122に新たな水分を追加してしまう。特に、昆布をボイルして昆布ダシを製造するような場合には、新たな水分が追加されることは好ましくなく、また、それを濃縮するにも余分なエネルギーをかけなければならない。一方、間接加熱ボイル装置2000を用いれば、そのようなことを回避することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示した場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
(実施形態1)
図4および図5を参照しながら、本発明の実施形態1に係る間接加熱ボイル装置について説明する。図4は、本実施形態の間接加熱ボイル装置100の構成を模式的に示す図であり、図5は、熱交換器10の構成を説明するために一部を透過して示した斜視図である。
本実施形態の間接加熱ボイル装置100は、熱交換器10から構成されており、熱交換器10は、互いに独立するボイル水経路11および蒸気経路12を有している。熱交換器10においては、ボイル水経路11を流動するボイル水42と蒸気経路12を流動するスチーム(加熱用蒸気)との間で熱交換が行われる。つまり、熱交換器10の内部において、非接触で、スチーム(熱媒体)とボイル水(熱交換媒体)とが交差する際に熱交換が実行される。
熱交換器10は、図5に示すように、外殻体14の中に複数のボイル水経路11が配置されて形成されている。本実施形態では、外殻体14は、略円筒状の形状をしており、ボイル水経路11は、伝熱管から構成されている。ボイル水経路11を構成する伝熱管は、熱媒体(スチーム)の熱を管内の熱交換対象体(ボイル水)に伝える材質から形成されており、例えば、金属管からなる。ボイル水経路(伝熱管)11は、円筒形状の長手方向(軸心方向)に延びている。本実施形態では、軸心方向に沿って、周方向に間隔をあけて並列に配置されている。そして、ボイル水経路(伝熱管)11同士の間が、熱媒体(スチーム)が通過する蒸気経路12となる。
熱交換器10のボイル水経路11には、ボイル水配管部20(21、22)が接続されている。ボイル水経路11は、ボイル水配管(23、25)を介してボイル槽40に連結されている。ボイル槽40のボイル水42は、ボイル水配管(23、25)および熱交換器10を通って循環することができる(矢印24、26)。ボイル水42の循環を行わせるには、その経路(すなわち、ボイル水配管(23,25)および熱交換器10)の一部にボイル水循環装置(例えば、ポンプ)28を設ければよい。
ボイル水配管部20のうち、ボイル水流入側にはボイル水流入部21があり、ボイル水流入部21は、ボイル水供給管23を介してボイル槽40に接続されている。したがって、ボイル槽40内のボイル水42は、ボイル水供給管23を通って、ボイル水配管部20に入る(矢印24)。ボイル水供給管23は、ボイル槽40の底部または下部に接続するようにすると便利である。
一方、ボイル水配管部20のうち、ボイル水流出側にはボイル水流出部22があり、ボイル水流出部22には、ボイル水戻し配管25が接続されている。ボイル水流入部21およびボイル水経路11を通って、ボイル水流出部22から出たボイル水42(矢印26)は、ボイル水戻し配管25を通って、ボイル槽40に戻される。ボイル水戻し配管25の出口は、ボイル槽40の上方に設けてもよいが、ボイル水戻し配管25の出口から蒸気(湯気)がでないように、当該出口をボイル槽40のボイル水42が存在する領域に設けておくことが好ましい。
ボイル槽40は、ボイル水42が貯蔵できる構造であるとともに、食品(例えば、水産物または野菜)が収納できる構造となっている。また、ボイル水42が高温となった場合に、ボイル水42からでる蒸気(湯気)がボイル槽40からあまり出て行かないように、また、ボイル水42の温度低下を抑制するために、ボイル槽40の開口部44には蓋を装着できる構造をしていることが好ましい。また、ボイル槽40の開口部44に蓋を装着しておかなくても、ボイル槽40の開口部44を実質的に塞ぐように、ボイル槽40の上に既存の蓋をおくようにしてもよい。
熱交換器10の蒸気経路12には、蒸気配管部30(31、32)が連結されている。蒸気配管部30のうち、蒸気流入側には蒸気流入部31があり、蒸気流入部31は、蒸気用配管33を介してスチーム発生機(ボイラー)50に接続されている。したがって、スチーム52は、蒸気用配管33を通って、蒸気流入部31に入る(矢印34)。
一方、蒸気配管部30のうち、蒸気排出側には蒸気排出部32があり、蒸気排出部32には、蒸気用配管(蒸気排出配管)35が接続されている。蒸気流入部31から入り蒸気経路12を通過したスチーム52は、凝縮水(または排気スチーム)となって、蒸気排出部32に至り、蒸気用配管35の出口からでる(矢印36)。この凝縮水(または排気スチーム)を回収したり再利用したりすることも可能である。また、その余熱を利用して、加熱工程(例えば、湯をわかす)を実行することも可能である。
本実施形態の間接加熱ボイル装置100は、ボイル水経路11および蒸気経路12を有する熱交換器10から構成され、熱交換器10のボイル水経路11をボイル槽40に連結して使用するので、ボイル水42を熱交換器10に通過させてスチーム(加熱用蒸気)との熱交換により加熱してボイル槽40に導入することができる。その結果、高温の安定した状態のボイル水42をボイル槽40内に供給することができ、蒸気が大量に発生すること(図1参照)を防止することができる。したがって、装置周辺の作業環境を改善できて、室内の結露発生も防止できる、衛生的にも良好な作業環境を得ることができる。このことは、作業者の作業を楽にし、ボイル工程の作業効率を高くできることにもつながる。
また、大量の蒸気が発生しないので、蒸気を除去するための大型ダクト等の蒸気除去設備も必要なく、その分、設備の小型簡素化及びコストの削減を図ることができる。つまり、新規工場に本実施形態の間接加熱ボイル装置100を採用する場合、ダクトの設置が不要となるため、大幅なコストダウンを図ることができる。また、ダクトのメンテナンスも不要となるので、ランニングコスト低減にも寄与する。また、既存設備(既存工場)に導入する場合にも、間接加熱ボイル装置100は比較的小型であり、またシステムも簡素なものであるので、容易に導入可能である。
加えて、本実施形態の間接加熱ボイル装置100を用いた構成では、ボイル槽40内に蒸気供給管(例えば、スパージパイプ)や、ヒータ及び伝熱管等が配置されることがなく、ボイル槽40内をシンプルな形状に形成できる。したがって、ボイル槽40の洗浄や保守点検作業、ひいては装置全体の洗浄、保守点検作業を容易に行うことができる。
さらに、従来方式(図1)と比較して、余分な蒸気の発生を抑制することができるため、本実施形態の間接加熱ボイル装置100を用いれば、エネルギーコストを低減することが可能である。カニのボイル工程では、おそらく、10〜40%程度、エネルギーコストを低減できると予想される。
また、ボイル水42を熱交換器10に通過させてスチーム52との熱交換により加熱してボイル槽40に供給するものであるため、ボイラーからのスチームをボイル槽内のボイル水に直接導入するものとは異なり、スチームに含まれる不純物がボイル水内に混入されることがなく、ボイル水の劣化によるボイル処理製品への悪影響を回避できる。したがって、ボイル処理製品の品質を向上させることができる。別の言い方をすると、本実施形態の間接加熱ボイル装置100によれば、清缶剤(高PH剤)の入らないクリーンボイルを提供することができる。
そして、本実施形態の間接加熱ボイル装置100を使用すると、ボイル水42が循環して供給されるので、ボイル槽40内のボイル水42を適度に攪拌することができ、ボイル水42の温度むらが生じず、温度分布の均等化を図ることができる。したがって、カニ等の食材を均質にボイルできて、高い品質のボイル処理製品を得ることができる。
また、本実施形態の間接加熱ボイル装置100は、ボイル温度の制御に優れているという効果もある。これは、本実施形態の構成では、熱交換器10内での熱交換によりボイル水42を加熱するので、導入するスチーム52及びボイル水42の条件ならびに熱交換器10の設計から、設定するボイル温度をかなりの精度で算出そして調整することができるからである。それに比べて、蒸気供給管、ヒータ又は伝熱管等をボイル槽に配置して、ボイル水を加熱する従来のボイル方式では、ボイル温度の高度な制御は不慣れである。本実施形態の構成を用いれば、例えば、原水の温度の+10℃から、約100℃までの範囲において、ボイル温度を±1℃単位で制御することも可能である。
加えて、間接加熱ボイル装置100を用いてボイルする場合には、従来のスチーム直接投入方式と異なり、ボイル槽40に不要な水分が新たに追加されないという利点もある。これにより、カニをボイルしてカニの煮汁を製造する場合、あるいは、昆布または鰹節をボイルしてダシ(昆布ダシ、鰹ダシ)を製造するような場合に、余分な水分が新たに追加されないので、好都合となる。さらに、余分な水分だけでなく、スチームに含まれる不純物や清缶剤の成分も導入されないので(クリーンボイル)、ダシの製造には非常に好適である。
なお、カニをボイルする例を好適な例として説明することが多いが、本発明の実施形態に係る間接加熱ボイル装置により、他の食材をボイルすることも可能である。他の食材としては、水産物(例えば、魚類(カツオなど)、甲殻類(エビなど)、貝類、軟体動物(イカ、タコなど)、海草類(昆布など))や、野菜(例えば、キャベツ・ホウレン草などの葉菜、ニンジン・大根などの根菜、ジャガイモなどの芋類)を挙げることができる。また、米を湯で洗米することが好適な場合もあるので、他の食材には、米も含まれる。
次に、図6を参照しながら、本実施形態の間接加熱ボイル装置100の一例をより具体的に説明する。なお、図6に示した間接加熱ボイル装置100は例示であり、本発明の構成はこれに限定されない。図6(a)は、間接加熱ボイル装置100を模式的に示す側面図であり、図6(b)および(c)は、それぞれ、間接加熱ボイル装置100の上面図および下面図である。なお、図6(b)および(c)では、簡略化のため配管やバルブ・逆止弁などを単純化して示している。
図6に示した間接加熱ボイル装置100は、移動可能な構成となっており、枠体70の下に車輪72が設けられている。枠体70の寸法を例示的に示すと、高さHは2000mm以下(典型的には1800mm)であり、幅Wは1000mm以下(典型的には900mm)である。本実施形態では、枠体70の中に熱交換器10が設置されており、また、ボイル水(42)を循環させるための循環ポンプ60も設置されている。
図6に示した構成では、ボイル水配管部20(21、22)は、熱交換器10におけるボイル水経路(11)の出入口に接続された接続配管と、接続配管に接続された延長配管とから構成されている。
より詳細に説明すると、ボイル水流入側に位置するボイル水流入部21は、接続配管21aと、接続配管21aに接続された延長配管(21b、21c)とから構成されている。図6に示した例では、ボイル水流入部21に第1の延長配管21bが接続されており、第1の延長配管21bは、第2の延長配管21cに接続されている。本実施形態における第1の延長配管21bは、フレキシブル管である。フレキシブル管は、蛇腹状に自在に曲げることができる管であり、第1の延長配管21bにフレキシブル管を用いると、配管を自由に移動させることができ、使用が便利になるというメリットがある。第2の延長配管21cは、ボイル水供給管23に接続されることになり、また、第2の延長配管21cは循環ポンプ60に接続されている(図6(c)参照)。
なお、循環ポンプ60は、フィルタ62に接続されており、ボイル水42は、フィルタ62を通ってポンプ60に行き、そして、ポンプ60から熱交換器10に送り出される。ここで、フィルタ62を設けているので、ボイル水42を濾過することができる。第2の延長配管21cは、二つの入口21d、21eを有しており、入口21dは、ボイル槽40からのボイル水42を流入させるためのものであり(矢印24参照)、一方、入口21eは、工水(工業用水)などを流入させる(矢印24'参照)ための給水用の入口である。ここで、排水口21fは、熱交換器10の中のボイル水42を抜くための排水用の出口である(図6(c)参照)。
また、ボイル水流出側に位置するボイル水流出部22は、接続配管22aと、接続配管21aに接続された延長配管22bとから構成されている。延長配管22bには、油圧式の温度調整弁(油圧温調弁)22dが設けられている。油圧温調弁22dを用いた場合、昇温(温度)を検出して、蒸気流入量をコントロールし、それにより、温度をコントロールすることができる。また、延長配管22bには、流出するボイル水42の状態(例えば、温度や流速)を表示するメータ22eを設けておいてもよい。延長配管22bの先端は、ボイル水戻し配管26に接続される。
熱交換器10の蒸気経路12には、蒸気流入側に蒸気流入部31が接続され、蒸気排出側に蒸気排出部32が接続されている。蒸気流入部31は、接続部31aおよび蒸気延長配管31bからなり、蒸気延長配管31bの先端31dに蒸気用配管33が接続されることとなる。蒸気用配管33は、ボイラー(50)に接続されるので、スチーム(52)は、矢印34のように導入されることになる。
蒸気排出部32は、接続部32aおよび蒸気排出延長配管32bからなり、蒸気排出延長配管32bは蒸気用配管35に接続される。図6に示した例では、蒸気排出延長配管32bにスチームの状態(例えば、圧力など)を示すメータ31eを設けている。蒸気用配管35は、廃蒸気ドレイン管であり、例えば、耐熱ホースからなる。蒸気用配管35の出口は、例えば、バケツやタンク等の容器37に入れることができ、蒸気用配管35の出口から出る熱(余熱)を利用して、容器37にて加熱工程(湯沸かし等)を実行することも可能である。
なお、本実施形態では、接続配管21aと延長配管21b、21c、そして、接続配管22aと延長配管22bを図6に示すような構成にしたが、接続配管21aと延長配管21b、21c、あるいは、接続配管22aと延長配管22bを一体型に構成し、それに、ボイル水配管(23、25)を接続するようにしてもよい。また、接続配管と延長配管を一体型に構成した場合、それを接続配管と称し、ボイル水配管(23、25)を延長配管と称することも可能である。加えて、延長配管とボイル水配管(23、25)とを一体型で構成し、それを接続配管(21a、22a)に接続する構成を採用してもよい。
さらに、蒸気流入部31aと蒸気延長配管31bを一体型に形成してもよいし、蒸気用配管33と蒸気延長配管31bを一体型に形成してもよい。そして、接続部32aと蒸気排出延長配管32bとを一体型に形成してもよいし、蒸気排出延長配管32bと蒸気用配管35とを一体型に形成した構成を採用することも可能である。
図6に示した間接加熱ボイル装置100は、小型であり、そして移動可能な構成を有しているので、工場内に設置するのが非常に便利である。また、循環ポンプ60も搭載しているので、その分、利用度が高まっている。
次に、図7から図9を参照しながら、本実施形態の間接加熱ボイル装置100の他の例および間接加熱ボイル装置100を用いたボイル工程の一例を説明する。
図7は、本実施形態に係る間接加熱ボイル装置およびその配管構成を示すブロック図である。図7に示したボイル装置は、カニをボイルするための間接加熱ボイル装置であり、熱交換器10と、カニをボイルするためのボイル槽120と、これらを接続する複数の配管と、配管上に設けられた各種の弁とを基本的な構成要素として備えている。
この例における熱交換器10は、図8に示すように、円柱形状の外殻体14を有している。外殻体14の上端には、処理液入口111a及び処理液出口112aが設けられており、周側壁の上下位置に熱媒入口111b及び熱媒出口112bが設けられている。
熱交換器10の内部には、その上端部に、互いに独立する処理液入口室113及び処理液出口室114が設けられている。そして、下端部には処理液中間室117が設けられ、中間部には、熱交換室115が設けられている。
処理液入口111aは処理液入口室113に連通され、そして、処理液出口112aは処理液出口室114に連通されている。また、熱媒入口111b及び熱媒出口112bは、熱交換室115にそれぞれ連通されている。
熱交換室115内には、軸心方向(すなわち、紙面上下方向)に沿う多数の伝熱管116が列方向に間隔をあけて並列に配置されている。この伝熱管116によって、処理液入口室113及び処理液中間室117間と、処理液中間室117及び処理液出口室114間とがそれぞれ連通されている。
上述したように、伝熱管116によって処理液経路(ボイル水経路)11が構築されている。また、伝熱管116相互の間に位置する熱交換室115のスペースによって、熱媒経路(蒸気経路)12が構築されている。つまり、本実施形態では、伝熱管116によって処理液経路が構成され、熱交換室115内で熱媒経路が構成されている。
図8に示した熱交換器10では、処理液入口111aを通って処理液入口室113内に導入されたボイル水等の処理液は、対応する伝熱管116を通って処理液中間室117に導入される。そして、処理液中間室117内の処理液は、対応する伝熱管116を通って処理液出口室114に導入されて、処理液出口112aから流出する。一方、熱媒入口111bから導入された熱媒体(加熱用蒸気等など)は、熱交換室115内における伝熱管116の外側を通って熱媒出口112bから流出する。ここで、伝熱管116を通過する処理液と、熱交換室115を通過する熱媒との間で熱交換されることにより、ボイル水等の処理液が加熱される。
図7に示すように、熱交換器10の処理液入口111aには、ボイル水下流側供給管122の流出側端部が連結されるとともに、その供給管122の流入側端部が電動制御式の第1三方切替弁171の流出口に連結されている。なお、ボイル水下流側供給管122には、管内のボイル水等を送り出すためのポンプ122bが設けられている。
第1三方切替弁171の一方側流入口には、ボイル水上流側供給管121の流出側端部が連結される。また、その供給管121の流入側端部がボイル槽120の流出口に連結されている。ボイル水上流側供給管121には、開閉弁121aと、管内のボイル水等を送り出すためのポンプ121bとが設けられている。さらに、ポンプ水上流供給管121には、分岐状に排水管123及びボイル廃液回収管124が設けられ、各管123、124には、開閉弁123a、124aがそれぞれ設けられている。
ここで、第1三方切替弁171をボイル槽120側に切り替えた状態で、ポンプ121b、122bを駆動すると、ボイル槽120内のボイル水は、ボイル水上流側供給管121及び下流側供給管122を通って、熱交換器10の処理液経路116(11)に導入される。この例では、ボイル水上流側供給管121及びボイル水下流側供給管122によって、ボイル水供給管路が構成されている。
一方、ボイル槽120内に上水等の水(ボイル水)を供給するための給水管125は、流出側端部がボイル槽120内に対応して配置されるとともに、流入側端部が給水源2に接続されている。給水管125の途中には給水分岐管126の流入側端部が連結されるとともに、給水分岐管126の流出側端部が上記第1三方切替弁171の他方側流入口に連結されている。なお、給水管125及び給水分岐管126には、開閉弁125a、126aがそれぞれ設けられている。
ここで、給水管125の開閉弁125aを開いた際には、給水源2から水が給水管125を通ってボイル槽120内に導入される。さらに、第1三方切替弁171を給水側に切り替えた状態で、給水分岐管126の開閉弁126aを開いた際には、給水源2から水が給水管125、給水分岐管126及びボイル水下流側供給管122を通って熱交換器10の処理液経路116(11)に供給される。
熱交換器10の処理液出口112aには、ボイル水上流側戻し管131の流入側端部が連結されている。そして、その戻し管131の流出側端部は、第2三方切替弁172の流入口に連結されている。第2三方切替弁172の一方側流出口には、ボイル水下流側戻し管132の流入側端部が連結されるとともに、その戻し管132の流出側端部がボイル槽120内に対応して配置される。また、第2三方切替弁172の他方側流出口には排出管133が連結されている。
ここで、第2三方切替弁172をボイル槽120側に切り替えた状態では、熱交換器 10の処理液出口112aから流出されたボイル水等は、ボイル水上流側戻し管131及びボイル水下流側戻し管132を通ってボイル槽120内に戻される。また、第2三方切替弁172を排出管133側に切り替えた状態では、熱交換器10の処理液出口122aから流出されたボイル水は、排出管133を介して排出される。
なお、この例においては、ボイル水上流側戻し管131及びボイル水下流側戻し管132によってボイル水戻し管路が構成されている。そして、これらの戻し管路、上記ボイル水供給管路及びポンプ121b、122b等によってボイル水循環手段が構成されている。
熱交換器10の熱媒入口111bには、加熱用熱媒供給管141の流出側端部が連結されており、そして、その供給管141の流入側は、加熱用熱媒としての加熱用蒸気が供給される加熱用蒸気供給源1に接続されている。
加熱用熱媒供給管141には、元弁141a及び電動式開閉弁141bが設けられている。これらの弁141a、141bを開いた場合、加熱用蒸気供給源1から供給される加熱用蒸気は、加熱用熱媒供給管141を通って、熱交換器10の熱媒経路115(12)に導入される。
なお、加熱用熱媒供給管141における熱交換器10の熱媒入口近傍には、温度調整弁141cが設けられている。また、上記ボイル水上流側戻し管131における熱交換器10の処理液出口近傍には温度センサー131aが設けられている。これらを設けると、後述するボイル処理時や洗浄処理において、温度センサー131aからの出力情報に基づき、温度調整弁141cの駆動を制御することができ、また加熱用蒸気の供給量を調整することができ、その結果、ボイル水や洗浄水の温度を適温に保持することが可能となる。
熱交換器10の熱媒出口112bには、熱媒流出管145の流入側端部が接続されている。これにより、熱媒出口112bから流出された蒸気ドレンは、熱媒流出管145を通って所定箇所に排出される。
ボイル槽120には、槽内の水を排出するための排出用開閉弁120aが設けられている。また、ボイル槽120の内部には、コンベア160が配置されている。これにより、ボイル槽120の一端側からコンベア160上に投入されたカニ入り通い箱165等のボイル処理製品は、コンベア160に搬送されて所定時間経過後に、ボイル槽120の他端側から取り出せるようになっている。
本実施形態の構成を用いて、ボイル処理を行う場合には、図9に示すように実行すればよい。
まず、ボイル槽120内にボイル水を貯留する(工程S101)。図7に示した構成例では、排水用等の開閉弁120a、123a、124a及びボイル水上流側供給管121の開閉弁121aを閉じた状態で、給水管125の開閉弁125aを開く。これにより、上水等のボイル水が、給水源2から給水管125を通ってボイル槽120内に導入されて貯留される。
なお、本実施形態においては、貯水処理を行うに際して、給水源2からの水を直接ボイル槽120に導入する直接給水方式を用いたが、この他にも、給水源2からの水を熱交換器10に経由させて加熱してからボイル槽120に導入する間接給水方式を採用してもよい。
こうしてボイル槽120内にボイル水が所定量貯留されたところで、予備循環処理が行われる(工程S102)。図7に示した構成例の場合、第1及び第2三方切替弁171、172をボイル槽側に切り替えた状態で、ボイル水上流側供給管121の開閉弁121aを開いて、ポンプ121b、122bを駆動させるとともに、加熱用熱媒供給管141の開閉弁141a、141bを開く。これによりボイル槽120内に貯留されたボイル水は、ボイル水供給管121、122を通って、処理液入口111aから熱交換器10に導入される。
熱交換器10に導入されたボイル水は、処理液経路116(11)を流れて処理液出口112aから出る。そして、ボイル水戻し管131、132を通ってボイル槽120に戻る。このようにしてボイル水は、ボイル槽120及び熱交換器10間を循環する。
一方、蒸気供給源1から供給される加熱用蒸気は、熱媒供給管141を通って、熱媒入口111bから熱交換器10に導入され、そして、熱交換器10の熱媒経路115(12)を流れる。この流動時に、加熱用蒸気は、熱交換器10の処理液経路116(11)を通過するボイル水と熱交換され、それにより、冷却されて凝縮しつつボイル水を加熱する。凝縮された加熱用熱媒は、熱交換器10から流出されて、熱媒流出管45を通って所定箇所に排出回収される。
このように循環するボイル水を加熱用蒸気で加熱し、ボイル槽120内の水温が例えば95℃程度まで上昇したところで、ボイル処理を実行する(工程S103)。すなわち、図7に示した例では、コンベア160の一端側に、カニを通い箱165等に収容した状態で投入する。これにより、カニがコンベア160に搬送されながら高温のボイル水内を通過してボイルされる。そしてカニがコンベア160の他端側まで搬送されて十分ボイルされた後、コンベア160の他端側からボイル槽120の外部に引き上げられる。
こうして多数のカニが順次ボイルされて、ボイル処理が完了すると、ポンプ121b、122bの駆動を停止して、ボイル水の循環を停止する。それとともに、加熱用熱媒供給管141の開閉弁141a、141bを閉じて蒸気の供給を停止する。
その後、ボイル廃液回収管124の開閉弁124aを開いて、ボイル水(ボイル廃液)を回収する。こうして回収されたボイル廃液は、廃棄してもよいが、それよりむしろ、これにはカニのエキスが溶け込んでいるため、廃棄することなく、飲食用品として利用することが好ましい。ボイル廃液を飲食用品にする場合、例えば、蒸煮処理を施せばよい。蒸煮処理の一例は後述する。
ボイル廃液を回収した後は、装置の洗浄を行う(工程S105〜S107)。
まず、ボイル槽120等を手作業によって洗浄する(工程S105)。その後、次亜塩素を用いて装置回路内を洗浄し殺菌、脱臭等を行う(工程S106)。この際、ボイル槽120内に水(洗浄水)を、例えば間接給水方式によって給水する。
図7に示した例の場合、排水用等の開閉弁120a、123a、124a及びボイル水上流側供給管121の開閉弁121aを閉じるとともに、第1三方切替弁171を給水側に、第2三方切替弁をボイル槽側に切り替える。さらに、給水管125の開閉弁125aを閉じた状態で、給水分岐管126の開閉弁126aを開くとともに、加熱用熱媒供給管141の開閉弁141a、141bを開く。
これにより、給水源2から供給された水(洗浄水)は、給水管125、給水分岐管126及びボイル水下流側供給管131を通って、熱交換器10に導入されて処理液経路116を流動する。この流動時において、洗浄水は、加熱用熱媒供給管141を通って熱交換器10の熱媒経路115に導入された加熱用蒸気との間で熱交換されることにより、加熱された後、ボイル水戻し管131、132を通ってボイル槽120に供給される。
こうして洗浄水が熱交換器10を通って加熱された後、ボイル槽120に導入されて貯留される。
なお、この洗浄処理時においては、間接給水方式により、ボイル槽120に水を供給するようにしているが、それだけに限られず、上記運転開始直後における貯水時のように、直接給水方式によりボイル槽120に水を供給するようにしても良い。さらに、間接給水方式と直接給水方式を並行して、つまり給水管125の開閉弁125aを開いて水を直接ボイル槽120に供給しながら、間接給水も同時に行うようにした併用方式を用いるようにしても良い。また、本実施形態においては、上記運転開始直後におけるボイル処理の貯水時においても、直接給水方式だけに限られず、間接給水方式や直接間接併用方式を用いて、給水するようにしても良い。
ボイル槽120内に洗浄水が所定量貯留された後、洗浄水内に次亜塩素を投入する。続いて上記ボイル処理と同様に、加熱用蒸気を熱交換器10に供給しつつ、洗浄水をボイル槽120及び熱交換器10間を循環させて、回路内を次亜塩素により洗浄する。なお、このときの洗浄水の温度は85℃程度に維持される。
その後、排出用の開閉弁120a、123a、124aを開くとともに、第2三方切替弁172を排出側に切り替えて、回路内の洗浄水を排出する。
続いて、装置回路内を通水によって洗浄する(工程S107)。すなわち、図7に示した例では、給水源2から給水管125を介してボイル槽120内に水を導入して貯留しその水を、上記と同様にボイル槽120及び熱交換器10の間で循環させる。そして、所定時間循環させた後、回路内の水を排出する。これにより通水洗浄が完了し一連の処理が完了する。
以上のように、本実施形態の間接加熱ボイル装置によれば、ボイル水を熱交換器10に通過させて加熱用蒸気との熱交換により加熱してボイル槽120に導入するものであるため、高温の安定した状態のボイル水をボイル槽120内に供給することができ、蒸気の大量発生を確実に抑制することができる。従って、装置周辺の作業環境を改善できて、室内の結露発生も有効に防止でき、衛生的にも優れた作業環境を得ることができる。しかも、大量の蒸気が発生しないため、その蒸気を除去するための大型の排気ダクトも必要なく、その分、設備の小型簡素化及びコストの削減を図ることができる。
なお、本実施形態の間接加熱ボイル装置において、開閉弁や切替弁として電動式のものを採用し、そして、適当な箇所に温度センサー、圧カセンサー、水位センサ一等を設置し更に各センサーからの出力情報、予め設定された時間、作業者からの入力情報等に基づいて、各弁やポンプ等の駆動部の駆動を制御する制御手段を設けることにより、ボイル処理や洗浄処理等の各処理動作を自動的に行うことも可能である。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係るボイル水冷却装置または間接加熱冷却装置について説明する。
上述した実施形態1に係る間接加熱ボイル装置100では、例えば図4に示したように、熱交換器10における熱媒体としてスチームを用い、その熱でボイル水を加熱したが、それだけでなく、熱媒体として冷水を用いて、それによりボイル水を冷却することも可能である。
ボイル水を冷却できる構成にするには、図4に示した装置100において、蒸気配管部30(31)に、蒸気用配管33とともに、冷却熱媒体(冷水)を供給するための冷却熱媒体用配管を連結することによって実現できる。蒸気用配管33と冷却熱媒体用配管(不図示)との流路ないし接続を切り替えることができる切替弁を設けておき、その切替弁の切り替えで、冷却熱媒体用配管からの冷水を熱交換器10内に導入させれば、熱交換器10の熱媒体経路12(元は蒸気経路)を冷水が流動する。この冷水は、熱交換器10内でボイル水経路11を流れるボイル水42と熱交換して、ボイル水を冷却する。
このように、間接加熱ボイル装置100を、ボイル水を冷却する装置として使用することによって、食材を熱湯でボイルするボイル工程が終わった後、そのボイル工程で使用したボイル水(ボイル廃液)を飲食用液体として加工する際の冷却工程が非常に楽になる。すなわち、高温のボイル水42をボイル槽40から、所定の冷却装置に移さなくても、ボイル槽40と熱交換器10との間を循環させて冷却をすることができる。
従来、カニを熱湯でボイルした際に出る大量の茄で汁(ボイル廃液)は、廃棄されていたものであるが、このボイル廃液からは、だし汁、調味料、健康補助食品などを得ることができる。具体的には、ボイル廃液を濃縮や味付けして、だし汁等を製造する。
本実施形態のボイル水冷却装置を用いれば、ボイル工程の後、連続して、ボイル廃液(ボイル水)の冷却工程を実行できるので、非常に効果が大きい。ボイル廃液を濃縮する場合、上記実施形態1の間接加熱ボイル装置100(例えば、図4参照)を用いて、ボイル廃液の加熱・蒸煮を行って濃縮し、その後、ボイル水冷却装置の機能に切り替えて、冷却してもよいし、あるいは、高温のボイル廃液を本実施形態のボイル水冷却装置で冷却した後、所定の濃縮装置で濃縮することもできる。
また、本実施形態のボイル水冷却装置は、ボイル水を冷却するだけなく、飲食用液体を加熱および冷却する間接加熱冷却装置として用いることが可能である。つまり、本実施形態の間接加熱冷却装置の構成を、図4および図5に示した例を流用して説明すると、次の通りとなる。
本実施形態の間接加熱冷却装置は、熱交換器10と、飲食用液体42が貯蔵される飲食用液体容器40とから構成されている。熱交換器10は、互いに独立する飲食用液体経路11および熱媒体経路12を有し、熱交換器10内で飲食用液体経路11を流動する飲食用液体42と熱媒体経路12を流動する熱媒体52との間で熱交換が行われる。
熱交換器10の飲食用液体経路11と、飲食用液体容器40とは飲食用液体配管(23、25)によって連結されている。熱交換器10の熱媒体経路12には、高温熱媒体(例えば、スチーム52)を流動させる高温熱媒体配管33と、低温熱媒体(例えば、冷水)を流動させる低温熱媒体配管(不図示)とが接続されている。なお、高温熱媒体配管33と低温熱媒体配管(不図示)との接続を切り替えるための切替弁(不図示)が設けられている。
飲食用液体42としては、上述したカニの茹で汁又は蒸し汁の他、だし汁(例えば、昆布だし、鰹だし)でもよく、あるいは、スープやソースでもよい。なお、本実施形態では、高温熱媒体(加熱媒体)としてスチームを用い、低温熱媒体(冷却媒体)として冷水を用いているが、処理液体である飲食用液体42が低温の場合、高温熱媒体(加熱媒体)として熱水を用いることも可能である。また、冷水とは、処理液体(飲食用液体)42を冷却できる温度のものであればよいが、典型的には、氷水や工水(工業用水)である。あるいは、上水(上水道水)や、他の冷却用熱媒体を用いてもよい。他の冷却用熱媒体としては、塩水ブライン(例えば、−5℃程度またはそれ以下の塩水ブライン)が含まれる。
本実施形態のボイル水冷却装置または間接加熱冷却装置を用いると、飲食用液体42を飲食用液体容器40と熱交換器10の間で循環させつつ、切替弁で切り替えるだけで、高温熱媒体(加熱用熱媒体)及び低温熱媒体(冷却用熱媒体)を順次、熱交換器10に供給することができる。したがって、飲食用液体42を移し替えることなく、加熱及び冷却の一連の処理を行うことができ、その結果、生産効率を向上させることができる。
次に、図10から図12を参照しながら、本実施形態のボイル水冷却装置または間接加熱冷却装置の他の例およびその使用方法の一例を説明する。
図10は、本実施形態のボイル水冷却装置または間接加熱冷却装置およびその配管構成を示すブロック図である。図10に示した装置を用いると、例えば、上記のボイル装置によってカニを熱湯でボイルした際に排出されるカニの茄で汁、蒸し汁等のボイル廃液を加熱味付けして冷却することができる。
図10に示した間接加熱冷却装置は、熱交換器10と、ボイル廃液(例えば、カニの茄で汁)が貯留されるボイル廃液槽220とを備えている。ボイル工程に連続して用いる場合、ボイル廃液槽220は、図4に示したボイル槽40や、図7に示したボイル槽120と同じものを用いることができる。図10に示した構成では、ボイル廃液槽220とは別に、2次冷却用熱媒が貯留される2次冷却用熱媒槽230も設けられている。また、図10に示した例では、これらを接続する複数の配管と、配管上に設けられた各種の弁も示してある。
熱交換器10は、図11に示すように、円柱形状の外殻体14を有しており、外殻体14の上下両端には、処理液入口111a及び処理液出口112a、そして、処理液出入口室(113、114)が設けられている。また、周側壁の上下位置には、熱媒入口111b及び熱媒出口112bが設けられている。図8に示した熱交換器10と比較すると、図11に示した熱交換器10は、処理液入口111a及び処理液出口112aが同じ側でなく、異なる側に設けられている点が異なる。ただし、本実施形態の構成において、図8に示した熱交換器10を用いることも可能であるし、上述した実施形態の構成に、図11に示した熱交換器10を用いることも可能である。
図10に示すように、熱交換器10の処理液入口111aには、ボイル廃液下流側供給管222の流出側端部が連結され、そして、その供給管222の流入側端部は、電動制御式の第1三方切替弁271の一方側流出口に連結されている。
第1三方切替弁271の流入口には、ボイル廃液上流側供給管221の流出側端部が連結され、そして、その供給管221の流入側端部は、ボイル廃液槽220の流出口に接続されている。また、ボイル廃液上流側供給管221には、ボイル廃液槽220内のボイル廃液を供給管221内に送り出すためのポンプ221aが設けられており、ボイル廃液下流側供給管222には、温度計222aが設けられている。
ここで、第1三方切替弁271を熱交換器10側に切り替えた状態で、ポンプ221aを駆動させると、ボイル廃液槽220内のボイル廃液や、洗浄水としての工水が、ボイル廃液上流側及び下流側供給管(221、222)を通って熱交換器10に供給される。この例では、ボイル廃液供給管(221、222)によってボイル廃液供給管路が構成されている。
また、第1三方切替弁271の他方側流出口には、回収管226が連結されているので、第1三方切替弁271を回収管226側に切り替えた状態では、ボイル廃液槽220内のボイル廃液や洗浄水(工水)は、ボイル廃液上流側供給管221及び回収管226を通って所定の箇所に回収ないし排出される。
ボイル廃液槽220の内部には、余熱利用管路として、エコノマイザー等の熱交換チューブ281が配置されている。これにより、熱交換チューブ281内を冷却用熱媒が通過すると、その熱媒とボイル廃液槽220内のボイル廃液とが熱交換できるようにされている。なお、ボイル廃液槽220内には、槽内の水位を検出するための水位計220aが設けられている。
熱交換器10の処理液出口112aには、ボイル廃液戻し管路としてのボイル廃液戻し管223の流入側端部が連結され、そして、その管223の流出側端部は、ボイル廃液槽220内に配置されている。したがって、ボイル廃液槽220のボイル廃液等は、ボイル廃液供給管221、222を介して熱交換器10に流入されるとともに、熱交換器10から流出されたボイル廃液は戻し管223を通ってボイル廃液槽220内に戻される。ボイル廃液は、ボイル廃液槽220及び熱交換器10間を循環することができる。この例では、ボイル廃液槽210及び熱交換路10間の管群やポンプ221a等によってボイル廃液循環手段が構成されている。なお、ボイル廃液戻し管223には、温度センサー223a、温度計223b及びサーモスタット223cが設けられている。
一方、熱交換器10の熱媒入口111bには、熱媒流入管242の流出側端部が連結されており、そして、熱媒流入管242の流入側端部は、電動制御式の第2三方切替弁272の流出口に連結されている。第2三方切替弁272の一方側流入口には、加熱用熱媒供給管241の流出側端部が連結されるとともに、その供給管241の流入側端部は、加熱用熱媒としての加熱用蒸気が供給される加熱用蒸気供給源201に接続されている。この加熱用熱媒供給管241には、元弁241a、電動制御式の開閉弁241b及び電動制御式の温度調整弁241cが設けられている。
この例においては、加熱用熱媒供給管241及び熱媒流入管242によって加熱用熱媒供給管路が構成されている。なお、蒸煮加熱処理時には、第2三方切替弁272が加熱用蒸気側(加熱用熱媒側)に切り替えられて、加熱用蒸気が供給管241及び流入管242を通って熱交換器10に導入されるよう構成されている。
第2三方切替弁272の他方側流入口には、冷却用熱媒共用管255の流出側端部が連結されるとともに、その共用管255の流入側端部は、電動制御式の第3三方切替弁273の流出口に連結されている。第3三方切替弁273の一方側流入口には、1次冷却用熱媒供給管251の流出側端部が連結されるとともに、この供給管251の流入側端部は、1次冷却用熱媒としての工業用水(工水)が供給される工水供給源202に接続されている。
また、1次冷却用熱媒供給管251には、元弁251aが設けられるとともに、冷却用熱媒共用管255には、温度計255aが設けられている。この例では、1次冷却用熱媒供給管251、冷却用熱媒共用管255及び熱媒流入管(142)によって1次冷却用熱媒供給管路が構成されている。そして、後述する1次冷却処理時には、第2及び第3三方切替弁272、273が、工水側(1次冷却用熱媒側)にそれぞれ切り替えられて、工水が、1次冷却用熱媒供給管251、冷却用熱媒共用管255及び熱媒流入管252を通って熱交換器10に導入されるよう構成されている。
一方、2次冷却用熱媒槽230は、氷水の他、塩化ナトリウム水溶液、塩化カルシウム水溶液等のいわゆるブライン氷等からなる2次冷却用熱媒を貯留するためのものである。その熱媒槽230の流出口には、2次冷却用熱媒上流側供給管252の流入側端部が連結されており、そして、その供給管252の流出側端部は、電動制御式の第4三方切替弁274の流入口に連結されている。
この供給管252上には、熱媒槽230内の熱媒を供給管252に送り込むためのポンプ252aが設けられている。第4三方切替弁274の一方側流出口には、2次冷却用熱媒下流側供給管253の流入側端部が連結されるとともに、この供給管253の流出側端部は、上記第3三方切替弁273の他方側流入口に連結されている。
この例においては、2次冷却用熱媒供給管252、253、冷却用熱媒共用管255及び熱媒流入管242によって2次冷却用熱媒供給管路が構成されている。なお、後述の2次冷却処理時には、第2〜第4三方切替弁272、273、274が氷水側(2次冷却用熱媒側)にそれぞれ切り替えられて、氷水等は、2次冷却用熱媒供給管252、253、冷却用熱媒共用管255及び熱媒流入管242を通って熱交換器10に導入される。
第4三方切替弁274の他方側出口には、排水管256が連結されている。第4三方切替弁274が排水管側に切り替えられた状態では、熱媒槽230内の熱媒や後述する洗浄水(工水)が2次冷却用熱媒上流側供給管252及び排水管256を通って所定箇所に排出される。
また、上記工水供給源202に接続された1次冷却用熱媒供給管251の中間部には、その管に分岐するようにして、工水導入管257の流入側端部が連結されるとともに、この工水導入管257の流出側端部は、2次冷却用熱媒槽230内に配置されている。さらに、工水導入管257には、電動制御式の開閉弁257aが設けられており、この弁257aが開放された状態では、1次冷却用熱媒供給管251及び工水導入管257を通って、工業用水が2次冷却用熱媒槽230に導入される。なお、熱媒槽230には、槽内の水位を検出するための水位計230aが設けられている。
熱交換器10の熱媒出口112bには、熱媒流出管243が連結されるとともに、その管243の流出側端部が、電動制御式の第5三方切替弁275の流入口に連結されている。第5三方切替弁275の一方側流出口には、蒸気ドレン排水管244が連結されており、後述する蒸煮加熱処理時には、第5三方切替弁275が排水管244側に切り替えられて、熱交換器10内で凝縮された蒸気ドレン(加熱用熱媒体)は、熱媒流出管243及び排水管244を通って所定箇所に排出される。
なお、蒸気ドレン排水管244には、蒸気トラップ244aが設けられており、このトラップ244aによって、排水管244を通過する熱媒のうち気相熱媒(蒸気)を取り除くことができる。
第5三方切替弁275の他方側流出口には、冷却用熱媒戻し管245の流入側端部が連結され、そして、その管245の流出側端部は、上記処理液槽220内の熱交換チューブ281の流入口に連結される。熱交換チューブ281の流出口には、冷却用熱媒戻し管246の流入側端部が連結され、そして、その管246の流出側端部は、電動制御式の第6三方切替弁276の流入口に連結されている。なお、冷却用熱媒戻し管245、246には、温度計245a、246aがそれぞれ設けられている。
第6三方切替弁276の一方側流出口には、排水管247が連結され、一方、第6三方切替弁276の他方側流出口には、スパージパイプ等の噴霧器280が連結されている。その噴霧器280は、2次冷却用熱媒槽230の流面上に配置されている。
後述する1次冷却処理時には、第5三方切替弁275は、が戻し管側に切り替えられるとともに、第6三方切替弁276は、排水管247側に切り替えられる。そして、熱交換器10から流出される工水(1次冷却用熱媒)は、冷却用熱媒戻し管245、熱交換チューブ281、冷却用熱媒戻し管246及び排水管247を通って所定箇所に排出される。
また、後述する2次冷却処理時には、第5三方切替弁275は戻し管245側に切り替えられ、一方、第6三方切替弁275は2次冷却用熱媒槽230側に切り替えられる。そして、熱交換器10から流出される氷水等の2次冷却用熱媒は、冷却用熱媒戻し管245、熱交換チューブ281、冷却用熱媒戻し管246及び噴霧器280を通って、熱媒槽230内に戻される。こうして2次冷却用熱媒は、熱媒槽230及び熱交換器10間を循環する。
なお、噴霧器280は、多数の小孔からなる放出口を有しており、この放出口から2次冷却用熱媒が熱媒槽230内に霧状に放出されることにより、熱媒の気化熱が外気に吸収されて、熱媒が自動的に低温に維持されるよう構成されている。
この例では、熱媒槽230及び熱交換器10間の管群やポンプ252a等によって2次冷却用熱媒循環手段が構成されている。さらに、第1〜第6三方切替弁271〜276や電動開閉弁241b等によって熱媒切替手段が構成されている。
図10に示した構成例においては、動作開始指令等の各種の情報を入力するための操作パネル等の入力手段と、その入力手段を介して得られる動作開始指令に応答して作動し予め設定された時間、水位計220a、230aの出力情報及び温度センサー223aの出力情報等に基づいて、上記各電動弁やポンプ等の駆動を制御する制御手段とを設けても良い。
本実施形態の装置においては、上記ボイル装置によってカニを熱湯でボイルした際に排出されるボイル廃液(カニの茄で汁)を、ボイル廃液槽220内に投入するとともに、2次冷却用熱媒槽230内に氷水等の2次冷却用熱媒を貯留しておく。さらに、加熱用熱媒供給管241及び1次冷却用熱媒供給管251の元弁241a、251aを開放する。その状態で、操作パネルのスイッチ操作により動作開始指令を与えると、制御手段が作動し図12に示すように、まず蒸煮加熱処理(S210)が自動的に実行される。
なお、上述したように、ボイル槽40又は120内に残っているボイル廃液を用いることも可能である。この場合、ボイル槽40又は120が、ボイル廃液槽220となる。また、ボイル廃液に限らず、広く飲食用液体を用いる場合には、ボイル廃液槽220は、飲食用液体容器と称されることとなる。
この蒸煮加熱処理S210では、まず、処理液循環工程(S211)を開始する。処理液循環工程S211では、処理液回路側において、工水導入管227の開閉弁227aが閉じられたままの状態で、第1三方切替弁271が熱交換器側に切り替えられて、ポンプ221aが駆動される。これにより、ボイル廃液槽220内の処理液は、ボイル廃液供給管221、222を通って熱交換器10内に導入されて、熱交換器10内の処理液経路116(11)を流動し、そして熱交換器10から流出される。さらに、熱交換器10から流出されたボイル廃液は、ボイル廃液戻し管223を通ってボイル廃液槽220内に戻される。こうして、ボイル廃液は、ボイル廃液槽220及び熱交換器10間で循環される。
一方で、蒸気供給工程(S212)も開始される。つまり、熱媒回路側においては、加熱用熱媒供給管241の開閉弁が開かれるとともに、第2三方切替弁272が加熱用蒸気側に切り替えられる。さらに、第5三方切替弁275が蒸気ドレン排水側に切り替えられる。これにより、加熱用熱媒としての加熱用蒸気が、加熱用熱媒供給管241及び熱媒流入管242を通って熱交換器10内に導入されて、熱交換器10内の熱媒経路115(12)を流動する。この流動時に、加熱用熱媒としての加熱用蒸気は、熱交換器10の処理液経路116を通過するボイル廃液との間で熱交換されることにより、冷却されて凝縮しつつ、ボイル廃液を加熱する。こうして凝縮された加熱用熱媒は、熱交換器10から流出されて、熱媒流出管243及び排水管244を通って所定箇所に排出される。
このように循環するボイル廃液(飲食用液体)は、加熱用蒸気により蒸煮加熱されて、ボイル廃液温度が例えば5℃から95℃程度まで上昇される。ボイル廃液が十分加熱された状態においては、必要に応じて、処理槽内に調味料や香料等を投入して、ボイル廃液の味付けや香味付け等を行う。なお、この蒸煮加熱処理時においては、温度センサー223aからの出力情報に基づき、温度調整弁241cの駆動が制御されることにより、ボイル廃液の温度が適温に保持されるように、加熱用蒸気の供給量が調整される。
この蒸煮加熱処理は、予め設定された時間が経過した後、蒸気の供給が停止されることにより完了する(工程S213)。
蒸煮加熱処理(S210)が完了すると、1次冷却処理(S220)が自動的に実行される。1次冷却処理(S220)において、処理液回路側は上記と同様にボイル廃液がボイル廃液槽220及び熱交換器10間で循環される。
一方、熱媒回路側においては、蒸気供給管241の開閉弁241bが閉じられて、第2及び第3三方切替弁(272、273)が工水供給側に切り替えられる。さらに、第5三方切替弁275が戻し管側(反蒸気ドレン排水側)に切り替えられるとともに、第6三方切替弁276が工水排水側に切り替えられる。これにより、工水供給が開始される(工程S221)。つまり、1次冷却用熱媒としての工水は、1次冷却用熱媒供給管251、冷却用熱媒共用管255及び熱媒流入管242を通って熱交換器10に導入され、熱交換器10内の熱媒経路115を流動する。この流動時に、熱交換器10の処理液経路116を通過するボイル廃液と工水との間の熱交換により、処理液が冷却される。
熱交換器10から流出される工水は、冷却用熱媒戻し管245を通って、処理液槽220内の熱交換チューブ281を流通しチューブ281内の工水と、ボイル廃液槽220内のボイル廃液とが熱交換される。これにより、工水の余熱を利用して、処理液が効率良く冷却される。なお、熱交換チューブ281を流通した工水は、冷却用熱媒戻し管246及び排水管247を通って所定箇所に排出される。
この1次冷却処理によって、ボイル廃液は、例えば95℃から60℃程度にまで冷却される。更に1次冷却処理は、予め設定された時間が経過した後、工水の供給が停止されることにより完了する(工程S222)。
この1次冷却処理(S220)では、蒸煮加熱処理(S210)においては加熱媒体(スチーム)を流していた経路に、冷却媒体(工水など)を流す点に特徴がある。これにより、加熱用装置と冷却用装置とを別々に設けることなく、一台の装置にて加熱処理と冷却処理を実行することができる。
1次冷却処理(S220)が完了した後、2次冷却処理(S230)が実行される。2次冷却処理において、処理液回路側は上記と同様に処理液がボイル廃液槽220及び熱交換器10間で循環される。
一方、熱媒回路側においては、蒸気供給管241の開閉弁241bは閉じられたままで、第4三方切替弁274が熱交換器側に切り替えられ、第3三方切替弁273が氷水側に切り替えられ、第2三方切替弁272が氷水側(工水側)に切り替えられる。更に第5三方切替弁275が戻し管側に切り替えられるとともに、第6三方切替弁276が2次冷却用熱媒槽側に切り替えられ、この状態で、ポンプ252aが駆動される。これにより、氷水の循環が開始される(工程S221)。
つまり、2次冷却用熱媒としての氷水が、2次冷却用熱媒供給管252,253、冷却用熱媒共用管255及び熱媒流入管242を通って熱交換器10に導入され、熱交換器10内の熱媒経路115を流動する。この流動時に、熱交換器10の処理液経路116を通過するボイル廃液と氷水との間の熱交換により、処理液が更に冷却される。
熱交換器10から流出される氷水は、冷却用熱媒戻し管245を通って、熱交換チューブ281を流通しボイル廃液槽220内のボイル廃液を効率良く冷却させる。
熱交換チューブ281を流れた氷水は、冷却用熱媒戻し管246を通って噴霧器280から放出されて、氷水槽230内に戻される。なお、噴霧器280から放出される氷水は、既述したように、気化熱が吸収されることにより、低温に維持される。
この2次冷却処理によって、処理液は例えば60℃から5℃程度にまで冷却される。更に2次冷却処理は、予め設定された時間経過した後、氷水および処理液の循環が停止されることにより完了する(工程S232,工程S233)。
この2次冷却処理(S230)でも、蒸煮加熱処理(S210)においては加熱媒体(スチーム)を流していた経路に、冷却媒体(氷水など)を流す点に特徴がある。つまり、加熱用装置と冷却用装置とを別々に設けることなく、一台の装置にて加熱処理と冷却処理を可能にしている。加えて、加熱用の装置と1次冷却用の装置と2次冷却用の装置を別々に設けずに、一台の装置にて、加熱、1次冷却および2冷却の処理を実行することができる。
2次冷却処理(S230)が完了した後、自動的にボイル廃液回収処理(S240)が実行される。
この回収処理においてボイル廃液回路側では、第1三方切替弁271が回収側(排水側)に切り替えられて、ポンプ221aが駆動される。これにより、ボイル廃液槽220内に貯留されたボイル廃液が、ボイル廃液供給管221及び回収管226を通って所定箇所に回収(排出)される(工程S241)。
この回収処理時には、水位計220aからの出力情報に基づきボイル廃液槽220内の水位が検出され、ボイル廃液槽220内の水位が「最低位」になった時点で、回収処理が完了する。
回収処理(S240)が完了した後、自動的にボイル廃液回路側槽洗浄処理(S250)が実行される。
この処理では、ボイル廃液回路側の第1三方切替弁271が循環側に切り替えられるとともに、工水導入管227の開閉弁227aが開かれる。これにより、ボイル廃液槽220内に洗浄液としての工水が導入されていき、洗浄液がボイル廃液槽220内に十分貯留される(工程S251)。そして所定の水位に到達した時点で、開閉弁227aが閉じられて、その後、ポンプ221aが駆動される。これにより、ボイル廃液槽220内の工水が、ボイル廃液供給管221,222、熱交換器10の処理液経路116、及び戻し管223を流動して循環される(工程S252)。
この循環洗浄が所定時間行われた後、第1三方切替弁271が排水側(回収側)に切り替えられる。これにより、ボイル廃液槽220内の工水が、供給管221及び回収管226を通って所定箇所に排出される(工程S253)。この排水により、ボイル廃液槽220内の工水がなくなって、水位が最低位になった時点で、ポンプ221aの駆動が停止されて、処理液回路側洗浄処理(S250)が完了する。
処理液洗浄処理(S250)が完了した後、自動的に熱媒回路側洗浄処理(S260)が実行される。
この洗浄処理では、熱媒回路側の第4三方切替弁274が排水側に切り替えられて、ポンプ252aが駆動される。これにより、熱媒槽230内の氷水が、供給管252及び排水管256を通って排出される(工程S261)。この排水により、熱媒槽230内の水位が最低位になった時点、つまり熱媒槽230内の氷水がなくなった時点で、一旦ポンプ252aの駆動が停止される。
続いて、工水導入管257の開閉弁257aが開かれて、洗浄液としての工水が工水供給源202から熱媒供給管251及び工水導入管257を通って、熱媒槽230内に導入される(工程S262)。この導入により、熱媒槽230内に工水が十分貯留されて、所定の水位に到達した時点で、開閉弁257aが閉じられる。
その後、第4三方切替弁274が循環側に切り替えられて、ポンプ252aが再び駆動される。これにより、熱媒槽230内の工水が、供給管252,253、共用管255、熱媒流入管242、熱交換器10の熱媒経路115、熱媒戻し管245、熱交換チューブ281、熱媒戻し管246及び噴霧器280を流通して循環される(工程S263)。
この循環洗浄が所定時間行われた後、第4三方切替弁274が排水側に切り替えられて、熱媒槽230内の工水が、供給管252及び排水管256を通って排出される(工程S264)。この排水により、熱媒槽230の工水がなくなって、水位が最低位になった時点で、ポンプ252aの駆動が停止されて、熱媒槽洗浄処理(S260)が完了する。こうして本実施形態に係る装置を用いて、全工程が終了する。
以上のように、本実施形態の構成によれば、カニの茄で汁等のボイル廃液をボイル廃液槽220及び熱交換器10間に循環させつつ、加熱用熱媒としての加熱用蒸気、冷却用熱媒としての工水及び氷水を順次、熱交換器10に供給することにより、ボイル廃液を加熱して冷却することができる。したがって、ボイル廃液を移し替えることなく一連の処理を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態の装置を用いれば、1台の熱交換器10によって、ボイル廃液の加熱、1次冷却、2次冷却を行うものであるため、加熱装置および冷却装置を複数用いる場合と比較して、部品点数を大幅に削減できて、装置の小型化及び簡素化を図ることができる。
さらに、本実施形態の装置は、構造が簡素であるため、洗浄や保守点検を正確かつスムーズに行うことができ、作業負担を軽減させることができる。しかも、小型軽量化を図ることができるため、例えば装置全体を台車上に組み立てることにより、装置の移動を簡単に行うことができる(図6参照)。このように装置全体を移動できるよう構成する場合には、例えば不使用時には装置を収納しておいたり、必要な箇所に装置を移動することができるため、設置スペースの有効利用を図ることができる。
加えて、本実施形態においては、熱交換器10から流出される工水及び氷水等の冷却用熱媒を、ボイル廃液槽220内の熱交換チューブ281に流通させて、チューブ281内の冷却用熱媒と、ボイル廃液槽220内のボイル廃液とを熱交換させるものであるため、冷却用熱媒の余熱によってボイル廃液を冷却することができ、熱交換効率の向上及び省エネルギー化を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、加熱したボイル廃液を1次冷却及び2次冷却によって段階的に冷却するものであるため、熱損失を低減でき、冷却効率をより一層向上させることができる。もっとも、本実施形態において、加熱したボイル廃液を1度の冷却処理によって冷却するようにしても良い。
また、本実施形態の装置においては、蒸煮処理、1次及び2次冷却処理、洗浄処理等の一連の処理を自動的に行えるようにしているため、作業負担を一段と軽減できて、作業効率をより一層向上させることができる。そして、2次冷却用熱媒としての氷水を循環させるものであるため、氷水の熱エネルギーを有効に利用することができ、より一層省エネルギー化を図ることができる。
なお、本実施形態においては、ボイル廃液回路側洗浄処理を行った後、熱媒回路側洗浄処理を行うようにしているが、それだけに限られず、熱媒回路側槽洗浄処理を先に行ってから、ボイル廃液回路側洗浄処理を行うようにしても良く、両洗浄処理を並行して行うようにしても良い。
(実施形態3)
上記実施形態1では、熱交換器10を用いたボイル工程(加熱工程)を説明し、また、上記実施形態2では、熱交換器10を用いたボイル水冷却工程または間接加熱冷却工程を説明したが、熱交換器10はさらに、濃縮工程にも用いることができる。
次に、図13を参照しながら、本発明の実施形態に係る濃縮装置について説明する。図13は、本実施形態の濃縮装置およびその配管構成を模式的に示す図である。
図13に示した濃縮装置は、濃縮対象液体301を濃縮する装置であり、熱交換器10と気液分離器303とから構成されている。熱交換器10は、互いに独立する液体経路116(11)および蒸気経路115(12)を有しており、熱交換器10内において、液体経路116(11)に導入される濃縮対象液体301と蒸気経路115(12)を流動する蒸気との間で熱交換が行われる。
気液分離器303は、熱交換器10における液体経路116(11)の一端に接続されており、熱交換器10における熱交換によって生じた濃縮対象液体301の蒸気の気液分離を行うことができる。なお、気液分離器303内には、複数の邪魔板313が設けられており、この邪魔板313によって、濃縮液体の蒸気は、気体と濃縮液体とに分離される。
本実施形態の構成では、気液分離器303は、当該気液分離器303によって分離された濃縮液を回収する回収タンク304に接続されている。そして、回収タンク304は、熱交換器10における液体経路116の他端と接続されている。熱交換器10の液体経路116は、略垂直方向に延びるように配置されており、回収タンク304は、当該回収タンク304内の液面レベル(n)が一定に保たれるようになされた開放タンクからなることが好ましく、そして、回収タンク304内の液面レベル(n)と、液体経路116内の液面レベル(m)とが一致するようになされていることが好ましい。
さらに、本実施形態の構成では、濃縮対象液体を予熱する余熱用熱交換器10'が設けられており、余熱用熱交換器10'は、互いに独立する液体経路350および蒸気経路360を有している。そして、余熱用熱交換器10'内において、液体経路350に導入される濃縮対象液体と、蒸気経路360を流動する蒸気との間で熱交換が行われる。
余熱用熱交換器10'の蒸気経路360は、気液分離器303と接続されており、一方、余熱用熱交換器10'の液体経路350の一端は、濃縮対象液体を貯蔵する貯蔵タンク305に接続されている。また、余熱用熱交換器10'は、当該余熱用熱交換器10'における濃縮対象液体を回収タンク304に導入可能な構成となっている。
本実施形態では、濃縮対象液体301は、カニをボイルした後のボイル廃液、あるいはカニエキス液である。また、濃縮対象液体としては、それに限定されず、溶質が溶解された溶液(例えば、水溶液)の濃縮を行う液体であればよく、例えば、だし汁(昆布だし、鰹節だしなど)、スープ、ソースやタレ(あるいは、それらの元)などを挙げることができる。
本実施形態の濃縮装置を用いると、熱交換器10における熱交換によって濃縮対象液体301の蒸気を発生させることができ、そして、その蒸気を気液分離器303で気液分離することができる。したがって、フラッシュ式濃縮装置と称されるような通常の濃縮装置では必須となる大型の真空装置を用いた真空吸引を実行しなくても、気体成分(例えば、水蒸気)と濃縮液に分離することができる。すなわち、真空設備を設けることなく比較的簡単な設備で液体(濃縮対象液体)を濃縮することができることにより、濃縮装置の小型化を図ることができ、その結果、設備コストも大幅に低減することができる。
また、気液分離器303によって分離された濃縮液を回収タンク304で回収し、それをさらに熱交換器10に導入すれば、同様の濃縮工程が繰り返されて、さらに高濃度に濃縮することができる。
そして、気液分離器303によって分離された濃縮液を回収する回収タンク304と、熱交換器10における液体経路116とを接続した上で、回収タンク304内の液面レベル(n)と、液体経路116内の液面レベル(m)とが一致するように構成すると、伝熱管116(液体経路11)内の液面レベル(m)を制御することができるので、極めて精度高く伝熱管116内の液面レベル(m)を制御することができ、ひいては伝熱管116内における蒸気発生を安定して行わせることが可能となる。これにより、気液分離器303内での水蒸気と濃縮液の分離を安定して行わせることができて生産管理が容易になるので高品質の濃縮液が得られる。
回収タンク304を開放タンクから構成した場合には、両者の液面レベル(n、m)を大気圧によって一定に揃うようにすることができる。したがって、伝熱管116内の液面レベル(n)を一定に制御するための特段の装置群を設ける必要がないので、装置の構成を簡素化することができる。
加えて、余熱用熱交換器10'を設けると、余熱用熱交換器10'内において、気液分離器303で分離された蒸気(水蒸気)の熱を有効利用して、濃縮対象液体301の予熱を行うことができる。したがって、省エネルギー化を図ることができ、一層低コストで濃縮を行うことが可能となる。
なお、気液分離器303内に複数の邪魔板313を設けた構成の場合、専ら、容器内部に邪魔板313を設けた構造にするだけで、濃縮対象液体301を蒸気(水蒸気)と濃縮液に分離することができる。したがって、一層の省スペース化を図ることができるとともに、共に設備コストもさらに低減できる。
再び図13を参照しながら、以下、本実施形態の濃縮装置を詳述する。
上述したように、図13に示した濃縮装置は、熱交換器(第1熱交換器)10を備えており、それに加えて、気液分離器303、回収タンク304、貯留タンク305、余熱用熱交換器(第2熱交換器)10'が設置されている。
貯留タンク305には、濃縮対象液体が貯留される。この貯留タンク305の下部位置と、ボールタップ装置340とはポンプ314を管途中に備えた供給管325により連通接続されている。この供給管325の途中位置から第3送流管326が分岐しており、該第3送流管326の先端は第2熱交換器10'に連通接続されている。
回収タンク304は上面が開放されている。なお、本実施形態における「開放」とは、図13に示した構成のように外見上明らかに開放されていることが認められる状態のみを意味するものではなく、例えば隙間や孔等を設けることによって外側の大気と連通状態となされて回収タンク304の内圧と外側の大気圧とが等しくなり得る状態にあることを意味するものである。
回収タンク304の上部位置にはボールタップ装置340が付設されている。すなわち、回収タンク304の内周面の上縁部にはボールタップ本体341が取り付けられている。それとともに、当該ボールタップ本体341から延出されたアーム342が回収タンク304内の内部空間の上部位置に突出されて揺動可能な状態に支持されている。一方、アーム342の先端には、水より比重の小さい浮玉343が接合固定されている。
このボールタップ装置340は、浮玉343が所定高さにある場合には、ボールタップ本体341内にあるバルブを閉じて供給管325からの濃縮対象液体の回収タンク304内への供給を停止させる。一方、所定高さより低い位置にある場合には、バルブを開いて浮玉343の位置が所定高さに復帰するまで濃縮対象液体を回収タンク304内へ供給する。
ここで、回収タンク304内に満たされた液体の液面レベル(液位)(n)が低下すると、これに伴って浮玉343の位置(高さ)も所定高さより低くなるから、直ちに浮玉343の位置が所定高さに復帰するまで回収タンク304内に濃縮対象液体の供給が行われる。このような機構によって、回収タンク304内の液面レベル(n)が常に一定位置に保たれるようになされている。
第1熱交換器10は、円筒形状の外殻体の内部に、その軸線方向(例えば、鉛直方向)に沿って複数本(例えば数十本)の伝熱管116が相互に所定間隔を隔てて平行状に配置された構造を有している。これら伝熱管116同士の間の空間(以下、「熱媒体通過空間」という)115に熱媒体が導入されることによって、伝熱管116内の液体との間で熱交換が行われる。
伝熱管116の上端は、いずれも第1熱交換器10'上部の蒸気貯留室316に連通接続されている。蒸気貯留室316は、第1送流管322を介して、気液分離器303と連通接続されている。一方、前記伝熱管116の下端は、いずれも第1熱交換器10下部の液体貯留室317に連通接続され、液体貯留室317は、逆止弁337を管途中に備えた連通管321を介して前記開放回収タンク304の底面に連通接続されている。
従って、回収タンク304内の液体は、連通管321、液体貯留室317を順に通過して伝熱管116内に供給され、次いで、ここで伝熱管116を介して熱媒体通過空間115内の高圧蒸気との間で熱交換がなされて蒸気化される。その後、当該蒸気(水及び媒質が含まれる)は、蒸気貯留室316を通過して第1送流管322に導入される。
第1熱交換器10の側壁の上縁部には、円形状の熱媒体送入口318が設けられ、放熱媒体送入口318を介して第1熱交換器10内の熱媒体通過空間115と熱媒体送流管320とが連通状態となされている。また、第1熱交換器10の側壁の下縁部には、円形状の熱媒体排出口319が設けられ、放熱媒体排出口319を介して第1熱交換器10内の熱媒体通過空間115と熱媒体排出管328とが連通状態となされている。
ここで、ボイラー311から供給される高圧蒸気は、熱媒体送流管320、熱媒体送入口318を順に通過して、熱媒体通過空間315内に進入する。次いで、伝熱管116を介して伝熱管116内の液体との間で熱交換を行い、当該液体を蒸気化させる。熱交換を終えた高圧蒸気は、熱媒体排出口319、熱媒体排出管328を順に通過して外に排水として排出される。
熱媒体送流管320には、圧力計332が取り付けられて、放熱媒体送流管320内における蒸気圧力を常時モニターすることができる。そして、熱媒体送流管320には運転操作の自動化を図るための電磁弁331が取り付けられている。
また、第1熱交換器10の頂部には温度センサー333が取り付けられており、そのセンサー部333aが蒸気貯留室310に配置されている。さらに、流量制御弁330が熱媒体送流管320に取り付けられており、流量制御弁330は、温度センサー333からの信号に呼応して導入蒸気量を制御することができる。これにより、発生蒸気の温度を逐一モニターしこれに応じて高圧蒸気の導入流量を調整することができる。
気液分離器303の天壁には、水蒸気吐出口312が設けられている。この水蒸気吐出口312には、第2送流管323の一端が連通接続される。第2送流管323の他端は、第2熱交換器(6)の側壁の上縁部に連通接続されている。また、気液分離器303の側壁の下縁部には、第1送流管322が連通接続されている。さらに、この気液分離器303の底壁には、回収管324の一端が連通接続され、回収管324の他端は、回収タンク304の側壁の上縁部に連通接続されている。
気液分離器303の内部空間には、図13に示すように、複数枚の邪魔板313が相互に所定間隔を有しつつ、気液分離室303の天壁に対して平行状に突設されている。
この邪魔板313は、それぞれ気液分離室303の四側壁のうちの一側壁とは接合されずに残りの三側壁と接合されている。この邪魔板313の接合されない部分が、図13に示したように、邪魔板313の1つ置きに交互に対向位置に配置されるようになされているので、第1送流管322から気液分離器303内に導入された蒸気は、その流れを邪魔板313に遮られて気液分離器303の内部空間を蛇行する態様で移動する。
そして、この移動過程において、導入された蒸気は数回その移動方向を反転させることとなるが、この際に蒸気は気液分離器303の側壁や邪魔板313と衝突し、これによって蒸気中に含まれる水分の一部が水蒸気となって水蒸気吐出口312を介して第2送流管323内に吐出される。その一方で、水分(水蒸気)除去後の残りの蒸気が液化して濃縮液となって気液分離器303の底部に滞留する。この滞留した濃縮液は、回収管324を通って回収タンク304内に送られる。
第2熱交換器10'の内部空間には、複数本の伝熱管350が配置されている。伝熱管350の上端は、第4送流管327の一端に連通接続され、第4送流管327の他端は、貯留タンク305内の上部位置で開口した構成となっている。一方、伝熱管350の下端は、第3送流管326に連通接続されている。
また、第2熱交換器10'の側壁の上縁部には、第2送流管323が取り付けられており、第2送流管323と熱媒体通過空間360とは連通されている。さらに、第2熱交換器10'の側壁の下縁部には排出管351が取り付けられて、排出管351と熱媒体通過空間360とが連通されている。
ここで、気液分離器303で分離された水蒸気は、第2送流管323を通過して熱媒体通過空間360内に進入する。次いで、伝熱管350内の濃縮対象液体(貯留タンク305から第3送流管326を介して送流されてきた液体)との間で熱交換を行い、濃縮対象液体の予熱を行い、その後、排水管351を通過して外部に排出される。一方、予熱された濃縮対象液体は、伝熱管350内を上昇して第4送流管327内に進入し、ここを通過して貯留タンク305内に戻される。
このような第2熱交換器306を設けることにより、濃縮のために気液分離器303で分離した水蒸気を、更に貯留タンク305内の濃縮対象液体の予熱に有効利用できるので、省エネルギー化を図れるという利点がある。
また、貯留タンク305内に濃縮対象液体(例えばカニエキス液等)を供給しポンプ314を駆動させると、回収タンク304及び第1熱交換器10に液体が供給されていき、そして、回収タンク304内の液面レベル(n)が所定高さになったところで供給が停止する。この時、第1熱交換器10の伝熱管116内の液面レベル(m)は、回収タンク304内の液面レベル(n)と一致した状態となる。
一方、ボイラー311から、熱媒体送流管320、熱媒体送入口318を介して第1熱交換器10内の熱媒体通過空間115内に高圧蒸気を導入すると、伝熱管116を介して伝熱管116内の液体との間で熱交換が行われ、次いで、当該液体が蒸気(気体状態)となって蒸気貯留室316を上昇して第1送流管322に進入する。
このような液体の蒸気化によって伝熱管116内の液体が消費されると、連通管321を介して回収タンク304から液体が補充される。この時、回収タンク304が開放状態となされているから、回収タンク304内の液面レベル(n)と第1熱交換器10の伝熱管116内の液面レベル(m)とが一致する状態に保持される。ここで、回収タンク304内の液面レベル(n)がボールタップ装置340により予め所定位置に保たれるようになされているから、伝熱管116内における液面レベル(m)が常に所望の一定位置に保持されるものとなる。
このように伝熱管116内の液面レベル(m)を濃縮装置の運転状態において常に一定位置に保持できることにより、伝熱管116内における蒸気発生を安定して行わせることができる。そして、これにより、気液分離器303での水蒸気と濃縮液の分離を安定して行わせることができる。
第1熱交換器10の伝熱管116内で発生した濃縮対象液体の蒸気は、第1送流管322を通過して気液分離器303内に進入する。そして、気液分離器303の内部空間を蛇行状に移動する過程で水蒸気と濃縮液に分離される。
分離された水蒸気は、気液分離器303内を上昇して水蒸気吐出口312、第2送流管323を通過して、第2熱交換器10'の熱媒体通過空間360に進入する。ここを通過する間に伝熱管350内の濃縮対象液体を予熱し、しかる後に排水管351から外部に排出される。
一方、気液分離器303内の底部に滞留した濃縮液は、回収管324を通過して回収タンク304内に戻される。この濃縮液はさらに第1熱交換器10に供給された後、気液分離器303でさらに濃縮されて回収タンク304内に戻される。
このような操作が繰り返されることによって、高濃度に濃縮された液体を得ることができる。なお、このような濃縮操作が進行するのに伴って回収タンク304内の液量が低下すると、ボールタップ装置340の作用によって順次貯留タンク305から新たな濃縮対象液体が回収タンク304に供給されていく。したがって、回収タンク304内の液面レベルは常に一定位置(n)に保持される。このような過程を経ることで、貯留タンク305内に注入された濃縮対象液体は、高濃度に濃縮されて回収タンク304内に回収される。
本実施形態の濃縮装置は、カニエキス液(例えばカニを熱湯でボイルした際に出るカニエキス液)の濃縮装置として特に好適であるが、上述したように、このような用途に特に限定されるものではなく、その他の液体の濃縮にも用いることができる。なお、上記例では、濃縮対象液体が水溶液であり、そこから水蒸気を発生させるものを説明したが、濃縮対象液体から、水よりも揮発性の高い成分(例えば、アルコールなど)を除去して、濃縮する処理に適用することも可能である。
次に、本実施形態における具体的実施例について説明すると、以下の通りである。
図13に示した構成の濃縮装置を用いて、カニを熱湯でボイルした際に出たカニエキス液の濃縮を行った。まず、カニエキス液(原液)を貯留タンク305に充填して濃縮装置を稼働させた。そして、貯留タンク305内の液量が減少すれば順次カニエキス液(原液)を補充供給しながら、5時間連続運転することによって回収タンク304内にカニエキス濃縮液を得た。
貯留タンク305に供給したカニエキス液(原液)の量は合計で2000kgであり、これに対して得られたカニエキス濃縮液は140kgであるから、この濃縮操作によって約14倍に濃縮された濃縮液を得ることができた。なお、このようなカニエキス濃縮液は、例えばカニ風味食品の製造等に用いられる。
本実施形態の濃縮装置によれば、第1熱交換器10の伝熱管116内で発生した濃縮対象液体の蒸気は、気液分離器303内に導入され、ここで水蒸気と濃縮液に分離される。すなわち、蒸気中の水分の一部が水蒸気として水蒸気吐出口から吐出される一方、水分(水蒸気)除去後の残りの蒸気が液化して濃縮液となって気液分離器303の底部に残る。このように真空設備を設けることなく比較的簡単な設備で液体を濃縮することができるから、濃縮装置の小型化を図ることができるし設備コストも大幅に低減することができる。上述したように、気液分離器303の底部に滞留した濃縮液をさらに第1熱交換器10に供給して、同様の操作を繰り返すようにすれば、さらに高濃度に濃縮することができる。
なお、本実施形態においては、真空装置を用いない構成を例示したが、必要に応じて、本実施形態の濃縮装置と真空装置を組み合わせて使用してもよい。真空装置を用いる場合でも、熱交換器10の伝熱管116内で濃縮対象液体の蒸気を発生させる構成を採用しているので、真空装置の大型化または設備費用の増大を抑制することが可能となる。本実施形態の濃縮装置と真空装置を組み合わせて使用する場合とは、例えば、より純度を高めたい場合や、より濃縮の度合いを高めたい場合である。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、本発明の趣旨ないし精神を逸脱しない範囲において、上述の実施形態1から3の構成または改変例の一部を、相互に適用することが可能である。一例を挙げると、上述したように、図7に示した熱交換器10と、図10に示した熱交換器10とを交換して、それに適した配管接続を行うこともできる。また、実施形態1のボイル処理の後、実施形態2の冷却処理を実行できることを説明したが、実施形態1のボイル処理の後、連続して、実施形態3の濃縮処理を行うこともができる。また、実施形態2の加熱処理で余熱して、実施形態3の濃縮処理を行うこともできる。
本発明によれば、熱交換器を用いた新規なボイル装置を提供することができる。また、本発明によれば、処理液体を加熱・冷却できる加熱冷却装置、および、処理液体を濃縮して濃縮液を製造できる濃縮装置を提供することができる。

Claims (21)

  1. ボイル水を用いて食材をボイルするための間接加熱ボイル装置であって、
    互いに独立するボイル水経路および蒸気経路を有し、前記ボイル水経路を流動するボイル水と前記蒸気経路を流動する加熱用蒸気との間で熱交換が行われる熱交換器と、
    食材が収納され且つボイル水が貯蔵されるボイル槽と、前記熱交換器の前記ボイル水経路とを連結するためのボイル水配管部と、
    前記熱交換器の前記蒸気経路に連結された蒸気配管部と
    を備えた、間接加熱ボイル装置。
  2. 前記間接加熱ボイル装置は、移動可能な構成となっている、請求項1に記載の間接加熱ボイル装置。
  3. 前記ボイル水配管部は、
    前記熱交換器における前記ボイル水経路の出入口に接続された接続配管と、
    前記接続配管に接続され、前記接続配管と前記ボイル槽とを接続する延長配管と
    から構成されている、請求項1に記載の間接加熱ボイル装置。
  4. 前記ボイル水配管部に連結される前記ボイル槽は、蓋が装着可能な構造となっている、請求項1に記載の間接加熱ボイル装置。
  5. さらに、前記熱交換器と前記ボイル槽との間で前記ボイル水を循環させるためのボイル水循環装置が設けられている、請求項1に記載の間接加熱ボイル装置。
  6. 前記蒸気配管部には、蒸気を供給するための蒸気用配管が接続されている、請求項1に記載の間接加熱ボイル装置。
  7. 前記蒸気配管部には、前記蒸気用配管とともに、冷却熱媒体を供給するための冷却熱媒体用配管が連結されている、請求項6に記載の間接加熱ボイル装置。
  8. 前記食材は、水産物および野菜の少なくとも一方である、請求項1から7の何れか一つに記載の間接加熱ボイル装置。
  9. 前記食材は、甲殻類である、請求項8に記載の間接加熱ボイル装置。
  10. 前記食材は、海草である、請求項8に記載の間接加熱ボイル装置。
  11. 飲食用液体を加熱および冷却する間接加熱冷却装置であって、
    互いに独立する飲食用液体経路および熱媒体経路を有し、前記飲食用液体経路を流動する飲食用液体と前記熱媒体経路を流動する熱媒体との間で熱交換が行われる熱交換器と、
    前記飲食用液体が貯蔵される飲食用液体容器と、
    前記飲食用液体容器と、前記熱交換器の前記飲食用液体経路とを連結するための飲食用液体配管と
    を備え、
    前記熱媒体経路には、高温熱媒体を流動させる高温熱媒体配管と、低温熱媒体を流動させる低温熱媒体配管とが接続されており、さらに、前記高温熱媒体配管と前記低温熱媒体配管との接続を切り替える切替弁が設けられている、間接加熱冷却装置。
  12. 前記飲食用液体は、カニの茹で汁又は蒸し汁であり、
    前記高温熱媒体はスチームであり、前記低温熱媒体は冷水である、請求項11に記載の間接加熱冷却装置。
  13. 前記飲食用液体は、だし汁であり、請求項11に記載の間接加熱冷却装置。
  14. 濃縮対象液体を濃縮する濃縮装置であって、
    互いに独立する液体経路および蒸気経路を有し、前記液体経路に導入される濃縮対象液体と前記蒸気経路を流動する蒸気との間で熱交換が行われる熱交換器と、
    前記熱交換器における前記液体経路の一端に接続され、前記熱交換器における前記熱交換によって生じた前記濃縮対象液体の蒸気の気液分離を行う気液分離器と
    を備えた、濃縮装置。
  15. さらに、前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクを備え、
    前記回収タンクは、前記熱交換器における前記液体経路の他端と接続されている、請求項14に記載の濃縮装置。
  16. 前記熱交換器の前記液体経路は、略垂直方向に延びるように配置されており、
    前記回収タンクは、当該回収タンク内の液面レベルが一定に保たれるようになされた開放タンクからなり、
    前記回収タンク内の前記液面レベルと、前記液体経路内の液面レベルとが一致するようになされている、請求項14に記載の濃縮装置。
  17. 前記気液分離器内には、複数の邪魔板が設けられており、
    前記複数の邪魔板は、前記濃縮液体の前記蒸気を、気体と濃縮液体とに分離する機能を有する、請求項14に記載の濃縮装置。
  18. さらに、前記濃縮対象液体を予熱する余熱用熱交換器を備え、
    前記余熱用熱交換器は、互いに独立する液体経路および蒸気経路を有し、前記液体経路に導入される濃縮対象液体と前記蒸気経路を流動する蒸気との間で熱交換が行われる構成を有しており、
    前記余熱用熱交換器における前記蒸気経路は、前記気液分離器と接続されており、
    前記余熱用熱交換器における前記液体経路の一端は、濃縮対象液体を貯蔵する貯蔵タンクに接続されている、請求項14に記載の濃縮装置。
  19. さらに、前記気液分離器によって分離された濃縮液を回収する回収タンクを備え、
    前記回収タンクは、前記熱交換器における前記液体経路の他端と接続されており、かつ、
    前記余熱用熱交換器は、当該余熱用熱交換器における前記濃縮対象液体を前記回収タンクに導入可能な構成となっている、請求項14に記載の濃縮装置。
  20. 前記濃縮対象液体は、カニエキス液である、請求項14から19の何れか一つに記載の濃縮装置。
  21. 前記濃縮対象液体は、だし汁である、請求項14から19の何れか一つに記載の濃縮装置。
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