JPWO2005081294A1 - 露光装置、液体処理方法、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、液体処理方法、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

回収した液体を適切に排出することができる露光装置及び当該液体処理方法を用いた露光方法、並びに当該露光装置を用いたデバイス製造方法を提供する。露光装置(EX)は、基板(P)上に供給された液体(w)を介して基板を露光する液浸式の露光装置であり、液体(wを回収する2つの回収タンク(41,42)を備える。制御装置(CS)は、露光装置EXの動作に同期してバルブ(45,46)を制御して液体(w)を回収する回収タンク(41,42)を切り替えるとともに、回収タンク(41,42)のうち回収ノズル(36)に連通していない回収タンクに蓄えられた液体(w)を露光装置の動作に同期して排出する制御を行う。

Description

本発明は、液体を介して基板上に露光光を照射する液浸式の露光装置、液浸式の露光装置で用いられる液体を処理する液体処理方法、当該液体処理方法を用いる露光方法、及び当該露光装置を用いたデバイス製造方法に関する。
本願は、2004年2月20日に出願された特願2004−44804号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(charge Coupled Device)等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスは、マスクに形成されたパターンを感光基板(レジストが塗布された半導体ウェハ又はガラスプレート等)上に転写する、所謂フォトグラフィーの手法により製造される。このフォトグラフィー工程で使用される露光装置は、マスクを支持するマスクステージと、感光基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に転写する装置である。
近年においては、デバイスに形成するパターンのより一層の高集積化に対応するために、投影光学系の更なる高解像度化が望まれている。投影光学系の解像度は使用する露光光の波長が短くなるほど、また投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。このため、露光装置で使用される露光光の波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大している。現在主流の露光装置は、光源としてKrFエキシマレーザ(波長248nm)を備えているが、更に短波長のArFエキシマレーザ(波長193nm)を備える露光装置も実用化されつつある。
また、露光を行う際には、解像度と同様に焦点深度(DOF)も重要となる。解像度R及び焦点深度δは、それぞれ以下の(1)式及び(2)式で表される。
R= k・λ/NA ……(1)
δ=±k・λ/NA ……(2)ここで、λは露光光の波長、NAは投影光学系の開口数、k,kはプロセス係数である。
上記(1)式及び(2)式から、解像度Rを高めるために露光光の波長λを短波長化して開口数NAを大きくすると、焦点深度δが狭くなることが分かる。焦点深度δが狭くなりすぎると、投影光学系の像面に対して基板表面を合致させることが困難になり、露光動作時のマージンが不足する虞がある。そこで、実質的に露光波長を短くして、且つ焦点深度を広くする方法として、例えば以下の特許文献1に開示されている液浸式の露光装置が提案されている。
この液浸式の露光装置は、投影光学系の下面と基板表面との間を水や有機溶媒等の液体で満たし、液体中での露光光の波長が、空気中の1/n(nは液体の屈折率で、通常1.2〜1.6程度)になることを利用して解像度を向上するとともに、焦点深度を約n倍に拡大するというものである。
国際公開第99/49504号パンフレット
液浸露光装置は、例えば、露光対象の基板上に液体を供給すると同時に、供給される液体を回収する液体供給回収装置を備えている。この液体供給回収装置により、温度が一定に制御された所定量の液体で基板上の少なくとも一部を液浸状態にすることができる。液体供給回収装置で回収された液体は一時的に回収部(回収タンク)に蓄えられ、更に回収タンクから排出される。
しかしながら、回収タンクからの液体の排出を行うと液体排出に伴って振動が生ずる可能性がある。露光動作又は基板のマーク計測等の高精度の位置合わせが要求される動作を行っている最中にこのような振動が生ずると、最終的な露光精度(解像度、転写忠実度、重ね合わせ精度等)の低下を招く虞がある。また、例えば、露光対象の基板上に供給された液体は真空ポンプによって所定の回収力(負圧)で吸引されて回収されるが、回収タンクからの液体の排出を行うとこの回収力に乱れが生ずる可能性がある。回収力の乱れが生ずると、液体の回収量が変動するため、その露光対象の基板上に供給されている液体の量の変動が引き起こされ、これによっても露光精度が低下する虞がある。

加えて、回収タンクに一時的に蓄えることができる液体の量は限られるため、液体の量が多くなると回収タンクから液体が溢れてしまう。逆に、回収タンクに蓄えられている液体の量が所定量以下になると、液体と空気とが共に回収タンクから排出され、又は空気のみが回収タンクから排出されることになるため、回収タンクの排出系(ポンプ等)が悪影響を受け、場合によっては破損する可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、回収した液体を適切に排出することができる露光装置、露光方法液体処理方法、及び当該液体処理方法を用いる露光方法、並びに当該露光装置を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点による露光装置は、投影光学系(PL)と液体(w)とを介して基板(P)を露光する露光装置(EX)において、前記投影光学系の像面側に供給された液体を回収口(36、36a、36b、36a′、36b′)を介して回収部(41、42、61)に回収する液体回収装置(CW)と、露光装置(EX)の動作に同期して、前記回収部に回収された液体の前記回収部からの排出動作を制御する制御装置(CS)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、回収部に回収された液体が露光装置の動作に同期して回収部から排出される。
また、本発明の第2の観点による露光装置は、投影光学系(PL)と液体(w)とを介して基板(P)を露光する露光装置(EX)において、前記投影光学系の像面側に供給された液体を回収口(36、36a、36b、36a′、36b′)を介して回収部(41、42、61)に回収する液体回収装置(CW)と、前記液体回収装置の動作を制御する制御装置(CS)とを備え、前記液体回収装置は、複数の回収部を有し、前記制御装置は、前記回収口に連結する回収部の切り替えを制御することを特徴としている。
この発明によると、複数設けられた回収部が制御部により切り替えられ、投影光学系の像面側に供給された液体は制御装置によって回収部に連結された回収部に回収される。
また、本発明の第3の観点による露光装置は、投影光学系(PL)と液体(w)とを介して基板(P)を露光する露光装置(EX)において、前記投影光学系の像面側に液体を供給する液体供給装置(SW)と、前記投影光学系の像面側に供給された液体を回収部(41、42、61)に回収する液体回収装置(CW)と、前記回収部に回収された液体の表面位置を検出する液面検出系(51、52、62)と、前記液面検出系の検出結果に基づき、前記液体供給装置からの液体供給を制御する制御装置(CS)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、液体回収装置に設けられる回収部に回収された液体の表面位置が液面検出系で検出され、この検出結果に基づいて液体供給装置からの液体供給が制御される。

本発明のデバイス製造方法は、上記の何れかに記載の露光装置を用いることを特徴としている。 上記課題を解決するために、本発明の第1の観点による液体処理方法は、液体(w)を介して基板(P)を露光する露光装置(EX)における液体処理方法であって、供給された液体を回収部に回収する回収ステップと、前記露光装置の動作に同期して、前記回収部に回収された液体を前記回収部から排出する排出ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によると、回収部に回収された液体が露光装置の動作に同期して回収部から排出される。
また、本発明の第2の観点による液体処理方法は、液体(w)を介して基板(P)を露光する露光装置(EX)における液体処理方法であって、供給された液体を回収するための回収口(36、36a、36b、36a′、36b′)と第1回収部(41)とを連結し、供給された液体を前記第1回収部に回収する第1回収ステップと、前記回収口と前記第1回収部とは異なる第2回収部(42)とを連結し、供給された液体を前記第2回収部に回収する第2回収ステップと、前記回収口と連結されていない前記第1回収部に回収された液体を前記第1回収部から排出する排出ステップとを含むことを特徴としている。

この発明によると、第1回収部と回収口とが連結されて基板上に供給された液体が第1回収部に回収された後で、第1回収部とは異なる第2回収部と回収口とが連結されて基板上に供給された液体が回収され、回収口とは連結されていない第1回収部から液体が排出される。
更に、本発明の液体処理方法は、液体(w)を介して基板(P)を露光する露光装置(EX)における液体処理方法であって、前記基板上に供給された供給ステップと、前記基板上に供給された液体を回収部(41、42、61)に回収する回収ステップと、前記回収部に回収された液体の表面が所定の位置(WL1、WL11)に達した場合に、前記液体の供給を停止する停止ステップとを含むことを特徴としている。 この発明によると、回収部に回収された液体の表面が所定の位置に達した場合に、液体の供給が停止される。

本発明の露光方法は、上記の何れかに記載の液体処理方法を用いることを特徴としている。
本発明によれば、パターンの転写等の高い精度が要求される動作に振動等の悪影響を及ぼすことがないため、露光精度の悪化を招くことなく回収した液体を排出することができるという効果がある。
また、本発明によれば、回収口に連通する回収部が切り替えられるため、高い精度が要求される動作を行っている場合にも、例えば回収口に連通していない回収部から液体を排出させることができ、その結果として露光精度の悪化を招くことなく回収した液体を排出することができるという効果がある。
また、本発明によれば、回収部に回収された液体表面の位置の検出結果に基づいて液体供給装置からの液体供給が制御されるため、例えば回収部からの液体の溢れを防止することができる。
更に、本発明によれば、回収部に回収された液体の排出動作に起因する露光精度の悪化等を防止することができる露光装置や液体の排出部の不具合に起因する稼働率の低下等を防止できる露光装置を使用するため、高い歩留まりで所期の性能を有するデバイスを低コストで製造することができるという効果がある。
本発明の第1実施形態による露光装置の概略構成図である。 液体供給機構SW及び液体回収機構CWと投影光学系PLの投影領域PRとの位置関係の一例を示す平面図である。 回収タンク41に対して設定される警報閾値及び停止閾値を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による液体供給機構SW、液体回収機構CW、及び投影光学系PL先端部近傍の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態による露光装置に設けられる回収タンクに対して設定される閾値を説明するための図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。 半導体デバイスの場合における、図6のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
符号の説明
36 回収ノズル(回収口) 41,42,61回収タンク(回収部) 51,52,62水位センサ(水位検出手段) CS 主制御系(制御装置) CW 液体回収機構(液体回収装置) SW 液体供給機構(液体供給装置) WL1 停止閾値(第1水位) WL2 警報閾値(第2水位) WL11 水位(第1水位) WL12 水位(第2水位) WL13 水位(第3水位) WL14 水位(第4水位)
以下、図面を参照して本発明の実施形態による露光装置、液体処理方法、及びデバイス製造方法について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1は、本発明の第1実施形態による露光装置の概略構成図である。図1に示す通り、本実施形態の露光装置EXは、マスクMを保持するマスクステージMST、基板Pを保持する基板ステージPST、マスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系IS、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている基板Pに投影露光する投影光学系PL、露光装置EX全体の動作を統括制御する主制御系CSを含んで構成される。
また、本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸式の露光装置であって、基板P上に液体wを供給する液体供給機構SWと、基板P上の液体wを回収する液体回収機構CWとを備えている。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターンを基板P上に転写する露光動作を行っている間、液体供給機構SWから供給した液体wにより投影光学系PLの投影領域PRを含む基板P上の一部に液浸領域WRを形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの先端部(終端部)の光学素子1と基板Pの表面との間を液体wで満たし、投影光学系PL及び液体wを介してマスクMのパターン像を基板P上に投影して基板Pを露光する。
図1に示す露光装置EXは、マスクMと基板Pとを走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動させつつ、マスクMに形成されたパターンを基板Pに転写する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。尚、以下の説明においては、必要に応じて図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内でマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向(非走査方向)をY軸方向に設定している。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向に設定する。尚、ここでいう「基板」は半導体ウェハ上に感光性材料であるフォトレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
露光装置EXは、マスクステージMST及び投影光学系PLを支持するメインコラム2を備えている。メインコラム2は、床面に水平に載置されたベースプレート3上に設置されている。メインコラム2には、内側に向けて突出する上側段部2a及び下側段部2bが形成されている。照明光学系ISは、メインコラム2の上部に固定された支持コラム4により支持されている。照明光学系ISは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるマスクM上の照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ISにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。
尚、本実施形態では、露光用光源としてArFエキシマレーザ(波長193nm)を備えているものとする。また、投影光学系PLと基板Pとの間に供給される液体wとして、ArFエキシマレーザ光に対する吸収が少ない純水を用いている。
マスクステージMSTは、マスクMを保持するものであって、その中央部にマスクMのパターン像を通過させる開口部5aが形成されている。メインコラム2の上側段部2aには、防振ユニット6を介してマスク定盤7が支持されている。マスク定盤7の中央部にも、マスクMのパターン像を通過させる開口部5bが形成されている。マスクステージMSTの下面には非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)8が複数設けられている。
マスクステージMSTはエアベアリング8によりマスク定盤7の上面(ガイド面)7aに対して非接触支持されており、リニアモータ等のマスクステージ駆動機構により、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、即ちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。マスクステージMST上には移動鏡9が設けられている。また、移動鏡9に対向する位置にはレーザ干渉計10が設けられている。マスクステージMST上におけるマスクMの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角(場合によってはθX、θY方向の回転角も含む)はレーザ干渉計10によりリアルタイムで計測され、計測結果は主制御系CSに出力される。主制御系CSは、レーザ干渉計10の計測結果に基づいてマスクステージ駆動機構を駆動することでマスクステージMSTに支持されているマスクMの位置を制御する。
投影光学系PLは、マスクMのパターン像を所定の投影倍率βで基板P上に投影するものであって、基板P側の先端部に設けられた光学素子(レンズ)1を含む複数の光学素子が鏡筒PKに支持されて構成されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4又は1/5又は1/8の縮小系である。尚、投影光学系PLは等倍系及び拡大系の何れであってもよい。また、投影光学系PLは、反射素子を含まない屈折系、屈折素子を含まない反射系、屈折素子と反射素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。
鏡筒PKの外周部にはフランジ部FLGが設けられている。また、メインコラム2の下側段部2bには、防振ユニット11を介して鏡筒定盤12が支持されている。そして、投影光学系PLのフランジ部FLGが鏡筒定盤12に係合することによって、投影光学系PLが鏡筒定盤12に支持されている。
投影光学系PLの先端部に設けられる光学素子1は鏡筒PKに対して着脱(交換)可能に取り付けられている。液浸領域WRの液体wが接触する光学素子1は螢石で形成されている。螢石は水との親和性が高いため、光学素子1の液体接触面のほぼ全面に液体wを密着させることができる。これにより、光学素子1と基板Pとの間の露光光ELの光路を液体wで確実に満たすことができる。尚、光学素子1は、純水との親和性が高い石英であってもよい。また、光学素子1の液体接触面に親水化(親液化)処理を施して、液体wとの親和性をより高めるようにしてもよい。
光学素子1の周囲には、光学素子1を囲むようにプレート部材13が設けられている。
このプレート部材13は、液浸領域WRを広い範囲に亘って良好に形成するために設けられるものであり、基板Pと対向する面(即ち下面)は平坦面となっている。投影光学系PLの先端部に設けられる光学素子1の下面(液体接触面)も平坦面になっており、プレート部材13の下面と光学素子1の下面とがほぼ面一となるよう配置される。光学素子1と同様に、プレート部材13の下面にも表面処理(親液化処理)を施すことが可能である。
基板ステージPSTは、基板ホルダ14を介して基板Pを吸着保持して移動可能に構成されており、その下面には複数の非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)15が設けられている。ベースプレート3上には、防振ユニット16を介して基板定盤17が支持されている。エアベアリング15は、基板定盤17の上面(ガイド面)17aに対して気体(エア)を吹き出す吹出口と、基板ステージPST下面(軸受面)とガイド面17aとの間の気体を吸引する吸気口とを備えており、吹出口からの気体の吹き出しによる反発力と吸気口による吸引力との釣り合いにより、基板ステージPST下面とガイド面17aとの間に一定の隙間を保持する。
つまり、基板ステージPSTはエアベアリング15により基板定盤(ベース部材)17の上面(ガイド面)17aに対して非接触支持されており、リニアモータ等の基板ステージ駆動機構により、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、即ちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に、基板ホルダ14は、基板ステージPSTに対してZ軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能に設けられている。基板ステージ駆動機構は主制御系CSにより制御される。即ち、主制御系CSは、基板ステージ駆動機構を介して基板ホルダ14を制御し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角を制御して基板Pの表面を投影光学系PLの像面に合わせ込む。
基板ステージPST(基板ホルダ14)上には移動鏡18が設けられており、移動鏡18に対向する位置にはレーザ干渉計19が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計19によりリアルタイムで計測され、計測結果は主制御系CSに出力される。主制御系CSはレーザ干渉計19の計測結果に基づいてリニアモータを含む基板ステージ駆動機構を駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板Pの位置決めを行う。
また、基板ステージPST(基板ホルダ14)上には、基板Pを囲むように補助プレート20が設けられている。この補助プレート20は基板ホルダ14に保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さの平面を有している。この補助プレート20を設けることで、基板Pのエッジ領域を露光する場合にも、補助プレート20と基板Pにより投影光学系PLの下に液体wが保持される。また、基板ホルダ14の上面における補助プレート20の外側には、基板Pの外側に流出した液体wを回収する不図示の回収装置に接続された回収口21が設けられている。回収口21は補助プレート20を囲むように形成された環状の溝部であって、その内部にはスポンジ状部材や多孔質体等からなる液体吸収部材が配置されている。
基板ステージPSTは、Xガイドステージ22によりX軸方向に移動自在に支持されている。基板ステージPSTは、Xガイドステージ22に案内されつつXリニアモータ23によりX軸方向に所定ストロークで移動可能である。Xガイドステージ22の長手方向の両端には、このXガイドステージ22を基板ステージPSTとともにY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ24が設けられている。Yリニアモータ24の固定子とガイド部25の平坦部との間には非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)28が介在されており、Yリニアモータ24の固定子はエアベアリング28によりガイド部25の平坦部に対して非接触支持される。
また、基板定盤17のX軸方向における両側の各々には、正面視L字状に形成され、Xガイドステージ22のY軸方向への移動を案内するガイド部25が設けられている。ガイド部25はベースプレート3上に支持されている。一方、Xガイドステージ22の下面の長手方向の両端部のそれぞれには凹形状の被ガイド部材26が設けられている。ガイド部25は被ガイド部材26と係合し、ガイド部25の上面(ガイド面)と被ガイド部材26の内面とが対向するように設けられている。ガイド部25のガイド面には非接触ベアリングである気体軸受(エアベアリング)27が設けられており、Xガイドステージ22はガイド面に対して非接触支持されている。
次に液体供給機構SWと液体回収機構CWについて説明する。なお、以下の説明においては、主に投影光学系PLと対向して配置された基板P上に液体wを供給しているが、別の物体(例えば補助プレート20など)が投影光学系PLと対向して配置されている場合も同様である。
液体供給機構SWは、投影光学系PLと基板Pとの間に液体wを供給するものであって、超純水製造装置30、温調装置31、及び供給ノズル32を含んで構成される。超純水製造装置30は純度の高い超純水を製造する装置である。温調装置31は超純水製造装置30で製造された超純水の温度を一定に制御する温調制御部、超純水を脱気する脱気部、温調及び脱気した超純水を収容するタンク、及び超純水を送出する加圧ポンプ等を備える。供給ノズル32は、基板Pの表面に近接して配置しているとともに供給管33を介して温調装置31と接続されており、温調装置31から送出される超純水を液体wとして投影光学系PLと基板Pとの間に供給するものである。なお超純水製造装置30及び温調装置31は必ずしも露光装置EXの液体供給機構SWが備えている必要はなく、その少なくとも一方の代りに露光装置EXが設定される工場などの設備を使用しても良い。
供給管33の途中には、温調装置31から基板P上に供給される液体wの量(単位時間当たりの液体供給量)を計測する流量計34が設けられている。流量計34は基板P上に供給される液体wの量をモニタし、その計測結果を主制御系CSに出力する。主制御系CSは流量計34のモニタ結果に応じて温調装置31の液体供給動作を制御し、投影光学系PLと基板Pとの間に供給する単位時間当たりの液体wの供給量を制御する。また、供給管33のうち流量計34と供給ノズル32との間には、供給管33の流路を開閉するバルブ35が設けられている。バルブ35の開閉動作は主制御系CSにより制御されるようになっている。尚、本実施形態におけるバルブ35は、例えば停電等により露光装置EX(主制御系CS)の電源が遮断された場合に供給管33の流路を機械的に閉塞する所謂ノーマルオフ方式となっている。
液体回収機構CWは、液体供給機構SWによって供給された基板P上の液体wを回収するものであって、回収ノズル36、真空系38,39、流量計40、及び回収タンク41,42等を含んで構成される。回収ノズル36は、基板Pの表面に近接して配置されており、回収管43を介して回収タンク41,42と接続されている。真空系38,39は真空ポンプを含んで構成されており、その動作は主制御系CSに制御される。真空系38,39が駆動することにより、基板P上の液体wは回収ノズル36を介して回収される。尚、本実施形態においては、回収ノズル36は液体wだけを回収できる構成になっているが、液体wをその周囲の気体(空気)とともに回収するようにしても良い。その場合には、回収した液体wと気体とを分離する分離器を液体回収機構CWに設けて、気体のみが真空系38,39に吸引されるようにすることが望ましい。また、真空系38,39として、露光装置に真空ポンプを設けずに、露光装置EXが配置される工場の真空系を用いるようにしてもよい。
回収ノズル36で回収された液体wは回収管43を介して第2回収管44に導かれる。
第2回収管44は2つの回収管44a,44bに分岐しており、一方の回収管44aは回収タンク41に接続されており、他方の回収管44bは回収タンク42に接続されている。また、第2回収管44の途中には、回収された液体wの量(単位時間当たりの液体回収量)を計測する流量計40が設けられている。流量計40は基板P上から回収ノズル36を介して回収された液体wの量をモニタし、その計測結果を主制御系CSに出力する。
主制御系CSは流量計40のモニタ結果に応じて真空系38又は真空系39の動作を制御し、投影光学系PLと基板Pとの間から回収ノズル36を介して回収される液体wの単位時間当たりの回収量を制御する。また、回収管44a,44bの各々には、回収管44a,44bの流路を開閉するバルブ45,46がそれぞれ設けられている。バルブ45,46の開閉動作は主制御系CSにより制御されるようになっている。回収タンク41,42は回収ノズル36を介して回収された液体wを一時的に蓄えるものであり、その底部には蓄えた液体wを排出する排出管47,48がそれぞれ設けられている。排出管47,48の各々には、排出管47,48の流路を開閉するバルブ49,50がそれぞれ設けられている。バルブ49,50の排出動作(排出量)は主制御系CSにより制御され、回収タンク41,42内の液量(水位)が一定レベル(例えば、タンク全量の30%)以下に抑えられるようになっている。排出管47,48から排出された液体wは、例えば廃棄されたり、或いはクリーン化されて超純水製造装置30等に戻され再利用される。
ここで、液体供給機構SW及び液体回収機構CWの構成について詳細に説明する。図2は、液体供給機構SW及び液体回収機構CWと投影光学系PLの投影領域PRとの位置関係の一例を示す平面図である。図2に示す通り、投影光学系PLの投影領域PRはY軸方向に細長い矩形状(スリット状)になっており、その投影領域PRをX軸方向に挟むように、+X側に3つの供給ノズル32a〜32cが配置され、−X側に2つの回収ノズル36a,36bが配置されている。供給ノズル32a〜32cは供給管33を介して温調装置31に接続され、回収ノズル36a,36bは回収管43を介して流量計40に接続されている。
また、投影領域PRに関して供給ノズル32a〜32cと対称な位置に供給ノズル32a′〜32c′が配置され、投影領域PRに関して回収ノズル36a、36bと対称な位置に回収ノズル36a′,36b′が配置されている。供給ノズル32a〜32cと回収ノズル36a′,36b′とはY軸方向に交互に配列され、供給ノズル32a′〜32c′と回収ノズル36a,36bとはY軸方向に交互に配列されている。また、供給ノズル32a′〜32c′は供給管33′を介して温調装置31に接続され、回収ノズル36a′,36b′は回収管43を介して流量計40に接続されている。尚、供給管33′の途中には、供給管33と同様に、流量計34′及びバルブ35′が設けられている。
なお、供給ノズルや回収ノズルの形態や配置は、上述したものに限られず、投影光学系PLの像面側の光路空間を液体で満たすことができる構成であれば、その構成はいかなるものであっても良い。投影光学系PLの像面側の光路空間を液体で満たす構成は、例えば、国際公開第2004/053955号パンフレットに開示されている機構や、欧州特許公開第1420298号公報に開示されており、本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記各公開公報及びこれらに対応する米国特許又は米国特許出願公開明細書における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
図1に戻り、回収タンク41,42は、内部に蓄えられている液体wの水位(液体wの表面位置)を検出する水位センサ51,52が設けられている。水位センサ51,52は、それぞれ回収タンク41,42に蓄えられている液体wの水位を常時モニタしており、その検出結果を主制御系CSに出力する。主制御系CSには、回収タンク41,42内の水位が所定の水位以上になったときに警報を発するための警報閾値と、回収タンク41,42からの液体wの溢れを防止するために液体wの供給を停止する停止閾値とが予め格納されている。
図3は、回収タンク41に対して設定される警報閾値及び停止閾値を説明するための図である。尚、ここでは回収タンク41を例に挙げて説明するが、回収タンク42についても同様に警報閾値及び停止閾値が設定されている。図3において、符号WL1を付した仮想線は停止閾値に相当する水位を示しており、符号WL2を付した仮想線は警報閾値に相当する水位を示している。図3に示す通り、停止閾値に相当する水位WL1は、警報閾値に相当する水位WL2よりも高い水位に設定されている。つまり、停止閾値は、警報閾値よりも大きな値に設定されている。
また、停止閾値は、温調装置31の液体供給動作を停止させるとともにバルブ35(35′)を閉塞して液体wの供給を停止したときに、残存する液体wを全て回収しうる値に設定される。つまり、回収タンク41についての停止閾値は、バルブ35から供給ノズル32a〜32cまでの流路にある液体w、バルブ35′から供給ノズル32a′〜32c′までの流路にある液体w、基板P上の液体w、並びに回収ノズル36a,36b,36a′,36b′から回収タンク41までの流路にある液体wを回収タンク41に回収し得る値に設定される。また、回収タンク41の回収可能量の80%程度に停止閾値を定められるように回収タンクの大きさを決めておくと良い。
図1に戻り、主制御系CSは水位センサ51,52の検出結果が警報閾値又は停止閾値を超えているか否かを常時判断し、その判断結果に応じて温調装置31の液体供給動作、バルブ35,35′の開閉、真空系38,39の動作、バルブ49,50の開閉、及び警報装置KDに対する信号出力を制御する。ここで、警報装置KDは主制御系CSから出力される信号に応じて警報を発する装置であり、例えば警告灯、アラーム音、ディスプレイ等である。警報装置KDにより警報が発せられると、例えばオペレータは回収タンク41,42から液体wが溢れる前に回収タンク41,42に異常が生じたことを知ることができる。
また、主制御系CSは、露光装置EXの動作に同期して回収管44a,44bに設けられたバルブ45,46の開閉を切り替える制御を行う。つまり、液体wを回収タンク41で回収する場合には、バルブ45を開放するとともにバルブ46を閉塞して回収タンク41を回収ノズル36に連結させ、液体wを回収タンク42で回収する場合には、バルブ46を開放するとともにバルブ45を閉塞する制御を行う。
2つの回収タンク41,42を設ける構成とし、以上の切り替え制御を行うのは以下の理由に基づく。つまり、回収ノズル36(36a,36b,36a′,36b′)に連結している回収タンクに蓄えられている液体wの排出を行うと、液体wの排出に伴って振動が生じたり、真空系38(又は39)の回収力(負圧)に乱れが生じて投影光学系PLの像面側の液体量が変動し、液体wの不足や液体wの漏洩等が引き起こされる可能性があるからである。マスクMに形成されたパターンの基板P上への転写(基板Pの露光)、又は後述するフォーカス検出系を用いた基板P表面の位置検出若しくはアライメントセンサを用いて基板Pに形成されたマークの位置計測等を行っているときに、振動が生じたり、液体wの量の変動が引き起こされると、最終的な露光精度(解像度、転写忠実度、重ね合わせ精度等)の低下を招く虞がある。本実施形態では、これを防止する観点から、2つの回収タンクを備える構成とし、内部に蓄えられた液体の排出を行わずに液体wを回収する回収タンクを回収ノズル36に連結させ、内部に蓄えられた液体の排出を行う回収タンクを回収ノズル36から切り離す、即ち液体の排出を行う回収タンクへの流路を閉じる制御を行っている。
また、露光装置EXは、基板ステージPSTに支持されている基板Pの表面の位置を検出するフォーカス検出系を備えている。フォーカス検出系は、基板P上に液体wを介して斜め方向より検出用光束を投射する投光部と、基板Pで反射した上記検出用光束の反射光を受光する受光部とを備えている。フォーカス検出系(受光部)の受光結果は主制御系CSに出力される。主制御系CSはフォーカス検出系の検出結果に基づいて、基板P表面のZ軸方向の位置情報と基板PのθX及びθY方向の傾斜情報とを検出することができる。
フォーカス検出系の構成としては、例えば特開平8−37147号公報に開示されているものを適用できる。またフォーカス検出系は、液体wを介さずに検出用光束を基板P上に投射するものであってもよい。
更に、露光装置EXは、オフ・アクシス方式のアライメントセンサを投影光学系PLの側方に備える。このアライメントセンサは、FIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサであり、例えばハロゲンランプから射出される広帯域波長の光束を検出ビームとして基板P上に形成されたマークに照射し、基板Pから得られる反射光をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で撮像し、撮像した画像信号を主制御系CSに供給する。主制御系CSは、この画像信号に画像処理を施して、撮像されたマークの位置情報を算出する。このアライメントセンサとしては、例えば特開平4−65603号公報に開示されているものを適用することができる。
尚、図1の一部断面図に示すように、液体供給機構SW及び液体回収機構CWは、鏡筒定盤12に対して分離支持されている。これにより、液体供給機構SW及び液体回収機構CWで生じた振動が、鏡筒定盤12を介して投影光学系PLに伝わることはない。
次に、上記構成の露光装置EXを用いてマスクMのパターンを基板Pに転写する手順について説明する。露光シーケンスが開始されると、マスクMがマスクステージMSTにロードされるとともに、基板Pが基板ステージPSTにロードされる。次に、アライメントセンサを用いて基板ステージPSTにロードされた基板Pに形成されたマークの位置情報が計測され、この計測結果に基づいて主制御系CSがEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)演算を行い、基板P上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を決定する。ここで、EGA演算とは、基板P上に予め設定された代表的な一部(3〜9個)のショット領域の各々に付随して形成されたマーク(アライメントマーク)の位置情報と、その設計情報とに基づいて基板P上に設定された全てのショット領域の配列の規則性を統計的な手法で決定する演算方法をいう。
次いで、主制御系CSは、回収管44a,44bに設けられたバルブ45,46の開閉を制御する。ここでは、バルブ45が開放されるとともにバルブ46が閉塞されて、回収タンク41のみが回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通しているとする。バルブ45,46の制御を終えると、主制御系CSは、液体供給機構SWに設けられる温調装置31に対して制御信号を出力し、超純水製造装置30で製造された超純水の温度を一定にさせるとともに、温度が一定にされた超純水を単位時間当たり所定量の割合で送出させる。温調装置31から送出された超純水は、供給管33(33′)及び供給ノズル32(32a〜32c,32a′〜32c′)を介して投影光学系PLの先端部の光学素子1と基板Pとの間に液体wとして供給される。
また、主制御系CSは、液体供給機構SWによる液体wの供給に伴って液体回収機構CWの真空系38を駆動し、回収ノズル36(36a,36b,36a′,36b′)、回収管43、第2回収管44、及び回収管44aを介して単位時間当たり所定量の液体wを回収タンク41に回収する。これにより、投影光学系PLの先端部の光学素子1と基板Pとの間に液体wの液浸領域WRが形成される。ここで、液浸領域WRを形成するために、主制御系CSは、例えば基板P上に対する液体供給量と基板P上からの液体回収量とがほぼ同じ量になるように、液体供給機構SW及び液体回収機構CWのそれぞれを制御する。
投影光学系PLと基板Pとの間に一定量の液体wが常時供給されている状態(投影光学系PLの像面側の光路空間が液体wで満たされている状態)で、主制御系CSは照明光学系ISから露光光ELを射出させてマスクMを照明し、マスクMのパターンの像を投影光学系PL及び液体wを介して基板P上に投影する。走査露光時には、投影領域PRにマスクMの一部のパターン像が投影され、投影光学系PLに対して、マスクMが−X方向(又は+X方向)に速度Vで移動するのに同期して、基板Pが+X方向(又は−X方向)に速度β・V(βは投影倍率)で移動する。1つのショット領域に対する走査露光が終了すると、主制御系CSは基板ステージPSTをステッピング移動させて次のショット領域を走査開始位置に移動させ、以下同様にステップ・アンド・スキャン方式で各ショット領域に対する露光処理が順次行われる。
本実施形態では、基板Pの移動方向と同一方向に液体wを流すように設定されている。
つまり、図2中の走査方向SD1(−X方向)に基板Pを移動させて走査露光を行う場合には、供給管33、供給ノズル32a〜32c、回収ノズル36a,36b、及び回収管43を用いて、液体供給機構SW及び液体回収機構CWによる液体wの供給及び回収が行われる。即ち、基板Pが−X方向に移動する際には、供給ノズル32(32a〜32c)から投影光学系PLと基板Pとの間に液体wが供給されるとともに、基板P上の液体wがその周囲の気体とともに回収ノズル36から回収され、これによって投影光学系PLの先端部の光学素子1と基板Pとの間を満たすように液体wが−X方向に流れる。
これに対し、図2中の走査方向SD2(+X方向)に基板Pを移動させて走査露光を行う場合には、供給管33′供給ノズル32a′〜32c′、回収ノズル36a′,36b′、及び回収管43を用いて、液体供給機構SW及び液体回収機構CWによる液体wの供給及び回収が行われる。即ち、基板Pが+X方向に移動する際には、供給ノズル32′(32a′〜32c′)から投影光学系PLと基板Pとの間に液体wが供給されるとともに、基板P上の液体wがその周囲の気体ともに回収ノズル36から回収され、これによって投影光学系PLの先端部の光学素子1と基板Pとの間を満たすように+X方向に液体wが流れる。
以上の方法を用いて液体wを供給することで、例えば供給ノズル32a〜32cを介して供給される液体wは基板Pの−X方向への移動に伴って光学素子1と基板Pとの間に引き込まれるように流れるため、液体供給機構SW(温調装置31)の供給エネルギーが小さくても液体wを光学素子1と基板Pとの間に容易に供給することができる。走査方向に応じて液体wを流す方向(供給ノズル)を切り替えることにより、+X方向及び−X方向の何れの方向に基板Pを走査する場合にも、光学素子1と基板Pとの間を十分な液体wで満たすことができる。
また、露光処理等において、液体供給機構SWの供給ノズル32から液体wが供給されている間、液体供給機構SWに設けられている流量計34(34′)の計測結果、及び液体回収機構CWに設けられている流量計40の計測結果は、主制御系CSに出力されている。主制御系CSは、流量計34(34′)の計測結果、即ち液体供給機構SWの供給ノズル32を介して基板P上に供給される液体の量と、流量計40の計測結果、即ち液体回収機構CWの回収ノズル36を介して基板P上より回収された液体の量とを比較し、その比較した結果に基づいて液体供給機構SWのバルブ35(35′)を制御する。
具体的には、主制御系CSは、基板P上への液体供給量(流量計34(34′)の計測結果)と基板P上からの液体回収量(流量計40の計測結果)との差を求め、その求めた差が予め設定されている許容値(閾値)を越えたかどうかに基づいて、バルブ35(35′)を制御する。本実施形態においては、上述した通り、主制御系CSは、基板P上に対する液体供給量と基板P上からの液体回収量とがほぼ同じになるように、液体供給機構SW及び液体回収機構CWのそれぞれを制御しているため、液体供給機構SWによる液体供給動作及び液体回収機構CWによる液体回収動作のそれぞれが正常に行われている状況であれば、上記求めた差はほぼ零となる。
主制御系CSは、求めた差が許容値以上である場合、即ち液体回収量が液体供給量に比べて極端に少ない場合、液体回収機構CWの回収動作に異常が生じて十分に液体wを回収できていないと判断する。このとき、主制御系CSは、例えば液体回収機構CWの真空系38(39)に故障等の異常が生じたと判断し、液体回収機構CWによって液体wを正常に回収できないことに起因する液体wの漏洩を防止するために、液体供給機構SWのバルブ35(35′)を作動して供給管33(33′)の流路を遮断し、液体供給機構SWによる基板P上に対する液体wの供給を停止する。このように、主制御系CSは、液体供給機構SWから基板P上に供給された液体wの量と、液体回収機構CWで回収された液体wの量とを比較し、その比較結果に基づいて液体回収機構CWの回収動作の異常を検出し、液体wが供給過剰になり、異常が検出されたときに基板P上に対する液体wの供給を停止する。これにより、基板P及び基板ステージPSTの外側への液体wの漏洩、又は不所望箇所への液体wの浸入、或いはそのような漏洩や浸入による被害の拡大を防止することができる。
なお、液体供給量が液体回収量に比べて極端に少ない場合、液体供給機構SWの供給動作に異常が生じたと判断し、液体供給機構SWのバルブ35(35′)を作動して供給管33(33′)の流路を遮断するようにしてもよい。
回収管43から第2回収管44へ導かれた液体wは、回収管44aを介して回収タンク41内に一時的に貯蔵される。基板P上に設定された全てのショット領域に対する露光処理が終了すると、主制御系CSは温調装置31の液体供給動作を停止させて、液体回収機構CWによる液体wの回収動作のみを行わせ、基板P上の液体w及び回収ノズル36と回収タンク41との間にある液体wを回収タンク41に回収する。
回収動作が終了すると、主制御系CSは、液体回収機構CWの液体回収動作を停止させた上でバルブ45,46の開閉を切り替える制御を行う。つまり、バルブ45を閉塞するとともにバルブ46を開放する制御を行う。これによって、回収タンク42のみが回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通した状態になる。尚、バルブ45,46の切り替えの最中に、基板ステージPST上の基板Pがアンロードされるとともに、新たな基板Pが基板ステージPST上にロードされる。新たな基板Pがロードされると、主制御系CSは液体供給機構SWによる液体供給動作及び液体回収機構CWによる液体回収動作を再開させて、前述した手順と同様の手順で露光処理を開始する。
また、上記のバルブ45,46の切り替え制御を終了すると、主制御系CSは、露光処理と並行してバルブ49を開放して回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通していない回収タンク41に蓄えられた液体wを排出させる。この場合、回収タンク41に接続される回収管44aに設けられるバルブ45は閉塞されているため、液体wの排出に伴う振動及び真空系39の回収力(負圧)に乱れは生じない。これにより、振動や液体wの液量の変化に起因する露光精度の悪化を抑制できる。
回収タンク41からの液体wの排出動作が終了し、基板ステージPST上の基板Pに設定された全てのショット領域に対する露光処理が終了すると、主制御系CSは再度温調装置31の液体供給動作を停止させるとともに、基板P上等に残存した液体wを回収して液体回収機構CWの液体回収動作を停止させる。その後、バルブ45,46の開閉を切り替えて、バルブ45を開放するとともにバルブ46を閉塞する制御を行い、回収タンク41のみが回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通した状態にする。また、バルブ45,46の切り替えの最中に、基板Pのアンロード及び新たな基板Pのロードを行う。更に、露光装置EXの露光動作と並行してバルブ50を開放して回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通していない回収タンク42に蓄えられた液体wを排出させる。以上の動作を終えると、再度基板ステージPST上の基板Pに対する露光処理を行い、複数枚の基板Pの露光処理に対して上述の動作を繰り返す。

また、回収タンク41,42に設けられている水位センサ51,52の検出結果は、常時主制御系CSに出力されている。主制御系CSは、水位センサ51,52の検出結果と、予め設定されている警報閾値及び停止閾値とを比較し、各々の検出結果が警報閾値又は停止閾値を超えているか否かを判断する。例えば、基板Pの露光中に、回収ノズル36に連通している回収タンク42の水位が警報閾値を超えていると判断した場合には、主制御系CSは信号を出力して警報装置KDを駆動する。主制御系CSから信号が出力されると、警報装置KDから警告灯、アラーム音、ディスプレイ等により警報が発せられる。これにより、回収タンク41,42から液体wが溢れる可能性があること、又は露光装置EXの液体供給機構SW又は液体回収機構CWに異常が生じたことをオペレータ等に知らせることができる。
また、例えば主制御系CSは回収タンク42の水位が警報閾値に達した場合には、露光中のショット領域、又は露光中のウェハ、又は露光中のロットに対する露光処理を終えるまで露光処理を継続し、その後でバルブ50を開いて露光処理を中断して蓄えられた液体wを回収タンク42から排出する。尚、露光処理をどの時点でまで継続させて中断させるかは、回収タンク41,42の大きさ(回収能力)、警報閾値の設定値、及び単位時間当たりの液体wの回収量等に応じて設定すればよい。
また、基板Pの露光中に、例えば回収ノズル36に連通している回収タンク42の水位が停止閾値に達した場合には、主制御系CSは即座に露光動作を中断し、温調装置31の液体供給動作を停止させるとともにバルブ35(35′)を閉塞して液体wの供給を停止し、基板ステージPSTを投影光学系PLの下で停止させる。そして、基板P上の液体w及び回収ノズル36と回収タンク42との間の液体wを回収するとともに、バルブ50を開いて回収タンク42から液体wの排出を行う。この場合、回収タンク41からの液体wの排出を並行して行っても良いことは言うまでもない。前述した通り、停止閾値は、残存している以上の液体wを回収し得る値に設定されているため、回収タンク41,42の何れかの水位が停止閾値を超えていると判断した時点から以上の液体wを回収しても回収タンク41,42から液体wが溢れることはない。
以上説明した通り、本実施形態では、バルブ45,46を切り替えることで回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通する回収タンク41,42の切り替えを行い、回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通していない回収タンク、即ち液体wを回収していない回収タンクから液体wを排出しているため、液体wの排出に伴う振動及び真空系38又は39の回収力(負圧)の変動を抑制できる。従って、例えばアライメントセンサによるマークの位置情報の計測又はマスクMのパターンの転写等の高精度の位置合わせ精度が要求される動作に対して、液体wの排出に伴う振動が影響を与えることがなく、基板P上に供給されている液体wの変動(振動による屈折率の変化、液量の変化)が引き起こされることもなく、露光精度を悪化させることはない。
また、回収ノズル36に連通している回収タンク(41又は42)に蓄積される液体の水位をモニタし、所定の閾値に達したときに液体供給機構SWからの液体供給を停止するとともに、回収ノズル36に連通している回収タンクの液体排出動作を行うようにしているので、回収タンク(41又は42)から液体が溢れ出すことを防止できる。尚、回収ノズル36に連通していた回収タンク(41又は42)の水位が停止閾値に達した場合に、直ちにバルブ(45又は46)を閉じて基板P上の液体wの回収を停止するとともに、回収ノズル36に連通していた回収タンクの液体排出動作を行うようにしても良い。
尚、上記実施形態では、露光装置EXの動作に同期して基板Pに対する露光処理を終える度にバルブ45,46の切り替え制御を行っていたが露光処理のシーケンス及び回収タンクの容量に応じてバルブ45,46に切り替え制御を変えることが望ましい。例えば、基板P上に設定されたショット数が多い場合には所定数のショットに対する露光処理を終える度にバルブ45,46の切り替え制御を行い、1枚の基板P上に設定されたショット数が少ない場合には複数枚毎、ロット毎の露光処理を終える度にバルブ45,46の切り替え制御を行うようにしても良い。
また、上述の実施形態においては、第2回収管44を回収管44aと回収管44bとに分岐して、それぞれをバルブ45,46を介して回収タンク41,42に接続する構成になっているが、回収ノズル36a,36bから回収タンク41までの流路を形成する回収管と、回収ノズル36a′,36b′から回収タンク42への流路を形成する回収管とを分離して配置し、例えば基板Pが−X方向に移動するときには、回収ノズル36a,36bから回収した液体wを回収タンク41へ流し、基板Pが+X方向に移動するときには、回収ノズル36a′,36b′から回収した液体wを回収タンク42へ流すようにしてもよい。この場合、基板Pが+X方向に移動するときに回収タンク41から液体wの排出を行い、基板Pが−X方向に移動するときに回収タンク42から液体wの排出を行うことができる。
また、回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通していない回収タンク(41又は42)からの液体の排出動作は、アライメントセンサを用いた基板Pのマーク計測及びマスクMのパターンの転写時等の高い精度が要求される動作を行っている間は極力避けるのが好ましいことは言うまでもない。即ち、回収ノズル36に連通していない回収タンク(41又は42)からの液体wの排出動作は、例えばアライメントセンサを用いた基板Pのマーク計測を行っていないとき、又はマスクMのパターンの転写を行っていないとき、より具体的には基板Pのロード、アンロード時(基板Pの交換中)、上述のアライメントマークの検出後にEGA演算を開始してからマスクMのパターン転写を開始するまでの間、又は複数枚の基板Pからなるロットの処理準備期間等のタイミングで露光装置の動作に同期して行うのが望ましい。かかるタイミングで回収タンクからの液体wの排出を行うことで、パターンの転写等の高い精度が要求される動作に対する悪影響をより確実に防止することができる。また、上述の実施形態においては、2つの回収タンクを切り替えて使用するようにしているが、3つ以上の回収タンクを備えて、適宜切り替えて使用するようにしても良い。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態による露光装置について図4を参照して説明する。図4は、図1の露光装置EXから要部を抜粋したものである。本実施形態の露光装置は、以上説明した本発明の第1実施形態による露光装置と全体構成がほぼ同様であるが、回収タンクが1つであること、また回収タンクについて設定されている水位の閾値が異なる。即ち、第2実施形態では、真空系39、回収タンク42、回収管44b、排出管48、バルブ50、水位センサ52、及びこれらと主制御系CSとの接続が省略されている。更に、本実施形態では、図1に示す回収タンク41に代えて回収タンク61を1つ備える。他の構成は図1と同様なので説明は省略する。
図5は、本発明の第2実施形態による露光装置に設けられる回収タンク61に対して設定される閾値を説明するための図である。図5に示す回収タンク61の構成は図3に示す回収タンク41とほぼ同様である。つまり、回収タンク61の内部には水位センサ62が設けられており、この水位センサ62の検出結果が主制御系CSに出力されている。また、その底部には回収タンク61内に蓄えられた液体wを排出する排出管63が設けられており、排出管63には排出管63の流路を開閉するバルブ64が設けられている。このバルブ64の開閉動作は主制御系CSにより制御される。排出管63から排出された液体wは、例えば廃棄されたり、或いはクリーン化されて超純水製造装置30等に戻され再利用される。
本実施形態では、主制御系CSに水位センサ62で検出される水位に対して第1〜第4閾値の4つの閾値が設定されている。図5において、符号WL11を付した仮想線は第1閾値に相当する水位、符号WL12を付した仮想線は第2閾値に相当する水位、符号WL13を付した仮想線は第3閾値に相当する水位、符号WL14を付した仮想線は第4閾値に相当する水位である。水位WL11は図3に示す停止閾値に対して設定された水位と同様の水位であり、水位WL12は図3に示す警報閾値に対して設定された水位と同様の水位である。つまり、回収タンク61の水位が水位WL12以上になると主制御系CSから警報装置KDに信号が出力されて警報装置KDから警報が発せられ、水位WL11以上になると液体供給機構SWからの液体wの供給が停止されて液体wの回収が行われる。尚、水位WL11は、第1実施形態で設定されたWL1と同様に、液体wの供給を停止した後で、基板P上に残存している液体w等の全てを回収タンク61に回収し得る水位に設定されている。また、好ましくは、回収タンク61の回収能力の80%程度に水位WL11が設定される。
また、水位WL13は水位WL12よりも低い水位に設定されており、水位WL14は水位WL13よりも更に低い水位に設定されている。水位WL13に対して設定される第3閾値は、回収タンク61内に一定量以上の液体wが蓄えられるよう制御を行う上で用いられる閾値である。つまり、主制御系CSは、回収タンク61内に蓄えられる液体wの水位が、極力水位WL12と水位WL13との間に維持されるようにバルブ64を制御する。また、水位WL14に対して設定される第4閾値は、回収タンク61内に蓄えられる液体wの最低量を定める閾値である。回収タンク61内の液体wが所定量以下になると、回収タンク61から液体wとともに気体が排出され、又は気体のみが排出されることになって排出系に悪影響を与える虞があるため、何らかの原因で第3閾値に相当する水位WL13よりも回収タンク61内の液体wの水位が下がったとしても、第4閾値を定めて最小の水量を確保している。
上記構成において、基板Pに対するマスクMのパターンの転写は、上述した第1実施形態と同様の手順にて行われる。つまり、マスクMがマスクステージMST上にロードされるとともに基板Pが基板ステージPST上にロードされて、アライメントセンサを用いて基板Pに形成されたマークの位置情報が計測されてEGA演算が行われ、基板P上のショット領域の配列の規則性が決定される。次いで、回収管44aに設けられたバルブ45が開かれ、回収タンク61を回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通させる。尚、本実施形態においては、バルブ45を開けたまま、即ち回収ノズル36と回収タンク61とを連通させたままでもよい。
次に、液体供給機構SWの駆動によって供給管33,33′及び供給ノズル32(32a〜32c,32a′〜32c′)を介して投影光学系PLの先端部に設けられる光学素子1と基板Pとの間に液体wが供給されるとともに、液体供給機構SWが駆動されて回収ノズル36(36a,36b,36a′,36b′)を介して基板P上に供給された液体wが回収タンク61に回収される。投影光学系PLと基板Pとの間に一定量の液体wが常時供給されている状態で、マスクステージMSTと基板ステージPSTとが走査されるとともに露光光ELによりマスクMが照明されて、マスクMのパターンの像が投影光学系PL及び液体wを介して基板P上に投影される。以下、同様に、ステップ・アンド・スキャン方式で各ショット領域に対する露光処理が順次行われる。
基板Pの全てのショット領域の露光が完了すると、第1実施形態と同様に、基板P上に供給された液体wは、回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)を介して、回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通している回収タンク61に回収される。
また、基板P上の液体wの回収が終了すると、基板Pの交換、即ち露光済みの基板のアンロードと次に露光される基板のロードが行われる。露光装置EXの動作に同期して、基板の交換中に回収タンク61からの液体wの排出が行われる。即ち、主制御系CSは、バルブ64を開き、水位センサ62の検出結果が水位WL13を示すまで液体wの排出を行う。水位センサ62の検出結果が水位WL13になったら、主制御系CSは、バルブ64を閉じて回収タンク61の液体wの排出動作を終了する。基板交換動作、及び回収タンク61の液体排出動作が終了すると、主制御系CSは、基板P上への液体wの供給を開始し、上述と同様にして、基板P上の複数のショット領域に対する露光処理が順次実行される。以下同様にして、複数枚の基板に対する液浸露光処理が行われ、基板交換動作中には、その動作と並行して回収タンク61の液体排出動作が行われる。
回収タンク61に設けられた水位センサ62の検出結果は常時主制御系CSに出力されており、主制御系CSは水位センサ62の検出結果と、予め設定されている第1〜第4閾値とを比較し、検出結果が第1〜第4閾値を超えているか否かを判断する。仮に、回収タンク61の水位が第2閾値を超えていると判断した場合には、第1実施形態と同様に、主制御系CSは信号を出力して警報装置KDを駆動する。これにより、警報装置KDから警告灯、アラーム音、ディスプレイ等により警報が発せられる。
警報が発せられた場合には、露光中のショット領域、又は露光中のウェハ、又は露光中のロットに対する露光処理を終えるまで露光処理が継続され、その後で露光処理を中断して回収タンク61に蓄えられた液体wの排出が行われる。液体wの排出は、その回収タンク61内の液体wの水位が第3閾値に相当する水位WL13を下回らないように制御される。このようにして、回収タンク61内の液体wの水位が水位WL12と水位WL13との間に維持される。尚、露光処理をどの時点でまで継続させて中断させるかは、回収タンク61の大きさ(回収能力)、第2閾値の設定値、及び単位時間当たりの液体wの回収量等に応じて設定すればよい。
また、回収タンク61の水位が水位WL12を超えて第1閾値に相当する水位WL11に達したと判断した場合には、主制御系CSは即座に温調装置31の液体供給動作を停止させるとともにバルブ35,35′を閉塞して液体wの供給を停止するとともに、基板ステージPSTを投影光学系PLの下で停止させる。そして、基板P上に残存する液体w等を回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)を介して、その回収ノズル36(回収ノズル36a,36b,36a′,36b′)に連通している回収タンク61に回収するとともにバルブ64を開いて水位センサの検出結果が水位WL13になるまで回収タンク61から液体の排出を行う。第1閾値は、残存している以上の液体wを回収し得る値に設定されているため、液体wの供給が停止された時点から基板P上に残存している液体w等を全て回収しても回収タンク61から液体wが溢れることはない。尚、回収タンク61の水位が停止閾値に達したときに、直ちにバルブ45を閉じるとともにバルブ64を開いて回収タンク61から液体の排出を開始してもよい。また、回収タンク61の水位が停止閾値に達する場合には、回収タンク61の水位が警報閾値に達した時点で発せらるべき警報装置KDが故障していることも考えられるため、警報装置KDとは別の警報装置(警告灯、アラーム音、ディスプレイ等)を設けて、回収タンク61の水位の停止閾値に達したときに警報を発するようにしてもよい。
また、回収タンク61の排出動作中に回収タンク61に蓄えられた液体wの水位が第3閾値に相当する水位WL13を超えて第4閾値に相当する水位WL14に達した場合には、主制御系CSは排出管63に設けられたバルブ64を閉塞して液体wの排出を停止させる。このように、液体wの排出を行っている最中に水位センサ62の故障、外部ノイズによる誤作動、その他の原因によって液体wの水位が第3閾値に相当する水位WL13を超えても、回収タンク61に蓄えられる液体wの水位が第4閾値に相当する水位WL14に達したときに、即座にバルブ64を閉鎖して一定量の液体wが回収タンク61内に蓄えられている状態を確保している。かかる制御を行うことにより、回収タンク61から液体wとともに気体が排出され、又は気体のみが排出される事態を防止することができ、排出系に悪影響を与えることはない。
以上のように、本実施形態においては、露光装置EXの動作に同期して、基板交換動作中に、回収タンク61の液体排出動作を行うようにしているので、その液体排出動作に伴う振動や液体回収力(負圧)の変動による露光精度の低下を防止できる。また、本実施形態においては、回収タンク61から液体wが溢れ出したり、回収タンク61内の液体wが所定量以下になって、回収タンク61の排出系が破損したりする等の不都合が防止できるため、露光装置EXの稼働率が低下することもない。尚、上述の第2実施形態においては、回収タンク61の水位に対して4つの閾値を設定しているが、第1実施形態の回収タンク41,42にも第2実施形態と同様に4つの閾値を設定するようにしてもよい。
また、上述の第2実施形態においては、露光装置EXの動作に同期して、基板交換動作中に、回収タンク61の排出動作を行うようにしているが、回収タンク61の液体排出動作は基板交換動作中に限らず、基板P上のショット領域の露光を行っているときやアライメントセンサを用いてマーク計測を行っているとき等の高い精度が要求されている動作中を避けて、例えばEGA演算を開始してから基板Pの露光が開始されるまでの間や、ロットの処理準備期間中や、基板P上のあるショット領域の露光完了後から次のショット領域の露光開始までの間等に液体排出動作を行うようにしても良い。
また、上述の第1、第2実施形態においては、回収タンク41,42,61からの排出は、排出管47,48,63に設けられたバルブ49,50,64を制御することによって行われているが、バルブの代わりに、ギヤポンプ等を使うようにしても良い。更に、バルブ(ギヤポンプ)と回収タンクとの間に逆止弁を配置して逆流を防止するようにしても良い。また、上述の実施形態において、回収タンク41,42,61の下に、回収タンク41,42,61から溢れ出した液体wの拡散を防止するためのドレインパン(液体受け部材)を配置するようにしても良い。ドレインパンの大きさ(液体保持能力)は各回収タンクの大きさに応じて決めてやればよい。好ましくは、各回収タンクの最大液体回収量の110〜120%程度の回収能力を有するドレインパンが配置される。更に、そのドレインパンの内部に液体(水)検知センサを配置して、回収タンク41,42,61から液体が溢れ出したことを検知するようにしてもよい。この場合、ドレインパンの内部に配置された液体検知センサの出力も、主制御系CSに供給されることが望ましい。また、ドレインパンの内部に配置された液体検知センサが液体の溢れ出しを検知した場合、主制御系CSは温調装置31の液体供給動作を直ちに停止させるとともにバルブ35を閉塞して液体wの供給を停止するとともに、基板ステージPSTを投影光学系PLの下で停止させるのが望ましい。これにより、ドレインパンからさらに液体wが溢れ出すことを防止することができる。
尚、以上説明した第1,第2実施形態においては、1つの露光装置EXに対して超純水製造装置30及び温調装置31が1つずつ設けられた形態について説明した。複数の露光装置EXが設けられる場合には、各々の露光装置に対して温調装置31を設け、これらの温調装置31を、例えば工場に設けられた1つの超純水製造装置30に接続する構成とするのが望ましい。
また、上述の第1、第2実施形態の露光装置EXは純水を使用するので、水位センサとしては、光ファイバ方式等の純水でも使用可能な水位センサを用いるのが望ましいが、回収タンク41,42,61に回収される水の純度が低下している場合には、静電容量方式や電気抵抗方式等の水位センサを適用することも可能である。また、水位センサは、回収タンク内の水位を連続的に監視できるものでもよいし、上述したような第1〜第4閾値に対応する水位を検出する水位センサをそれぞれ設けるようにしてもよい。
また、上述の第1、第2実施形態においては、水位センサは、投影光学系PLの像面側の回収ノズル36で回収された液体wを蓄える回収タンク41,42,61に適用しているが、これに限らず、基板Pを基板ステージPSTに吸着するための真空系の途中に設けられた液体トラップ(液体回収タンク)等、他の回収タンクに適用することもできる。また、上述の第1、第2実施形態は、露光装置EXが高い精度が要求される動作を行っていないとき等に液体排出を行う回収タンクを用いた場合について説明しているが、上述の第1、第2実施形態における水位センサの構成や閾値の設定、或いは水位センサの検出結果に応じた露光装置EXの動作(例えば、停止閾値に達したときの液体供給停止、露光動作停止等)は、露光装置EXの動作とは無関係に液体排出が可能な回収タンクを備えた露光装置にも適用することができる。
また、上記実施形態においては、照明光学系ISにArFエキシマレーザ光源を備えているため、液体wとして純水を用いている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、ウェハW上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有率が極めて低いため、ウェハW表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。また、工場の純水はそのレベル(純水度)が低いことも考えられるので、その場合には露光装置自身が超純水化機構を持つようにしても良い。
波長が193nm程度の露光光に対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光の光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、ウェハW上では1/n、即ち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、即ち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
尚、液浸露光に用いる光源1としてKrFエキシマレーザ光源やFレーザ光源を用いることもできる。Fレーザ光源を用いる場合、液浸露光用の液体としてはFレーザ光を透過可能な例えばフッ素系オイルや過フッ化ポリエーテル(PFPE)等のフッ素系の液体を用いればよい。また、その他にも、露光光に対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLやウェハW表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。その場合、回収タンク内の液量を検出するセンサは、その液体を検出できるものを用いればよい。
尚、上述したように、液浸法を用いた場合には、投影光学系の開口数NAが0.9〜1.3になることもある。このように投影光学系の開口数NAが大きくなる場合には、従来から露光光として用いられているランダム偏光光では偏光効果によって結像特性が悪化することもあるので、偏光照明を用いるのが望ましい。その場合、マスクのライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明を行い、マスクのパターンからは、S偏光成分(ラインパターンの長手方向に沿った偏光方向成分)の回折光が多く射出されるようにするとよい。
投影光学系と基板表面に塗布されたレジストとの間が液体で満たされている場合、投影光学系と基板表面に塗布されたレジストとの間が空気(気体)で満たされている場合に比べて、コントラストの向上に寄与するS偏光成分の回折光のレジスト表面での透過率が高くなるため、投影光学系の開口数NAが1.0を超えるような場合でも高い結像性能を得ることができる。また、位相シフトマスクや特開平6−188169号公報に開示されているようなラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明法(特に、ダイポール照明法)等を適宜組み合わせるとより効果的である。
また、マスクのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明(S偏光照明)だけでなく、特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線(周)方向に直線偏光する偏光照明法と斜入射照明法との組み合わせも効果的である。
特に、マスクのパターンが所定の一方向に延びるラインパターンだけでなく、複数の異なる方向に延びるラインパターンが混在する場合には、同じく特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線方向に直線偏光する偏光照明法と輪帯照明法とを併用することによって、投影光学系の開口数NAが大きい場合でも高い結像性能を得ることができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLとウェハWとの間を局所的に液体で満たす液浸露光装置を採用しているが、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する液浸露光装置にも本発明を適用可能である。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報等に開示されているように、ウェハ等の被処理基板を別々に載置してXY方向に独立に移動可能な2つのステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
なお、基板Pを保持するステージとは別に、測定用の部材やセンサを搭載して投影光学系の像面側で移動する測定ステージを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。なお、測定ステージを備えた露光装置は、例えば特開2000−164504号(対応米国出願第09/593,800号)に開示されており、本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及びこれに対応する米国出願における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また更に、上記実施形態では光源として、ArFエキシマレーザ光源の場合を例に挙げて説明したが、これ以外に光源としては、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)、Fレーザ(波長157nm)、Krレーザ(波長146nm)、YAGレーザの高周波発生装置、若しくは半導体レーザの高周波発生装置を用いることができる。
更に、光源としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。
また、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちFレーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場合、単一波長発振レーザとしては例えばイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
また、照明光学系IS内に設けられる光学素子の硝材、投影光学系PLを構成する屈折部材の硝材としては露光光の波長に応じて、蛍石(フッ化カルシウム:CaF)若しくはフッ化マグネシウム(MgF)等のフッ化物結晶又はこれらの混晶、又フッ素や水素等の物質をドープした石英硝子等の真空紫外光を透過する光学材料から選択される。尚、所定の物質をドープした石英硝子は、露光光の波長が150nm程度より短くなると透過率が低下するため、波長が150nm程度以下の真空紫外光を露光光として用いる場合には、光学素子の光学材料としては、蛍石(フッ化カルシウム)、フッ化マグネシウム等のフッ化物結晶又はこれらの混晶が使用される。
また、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置にも本発明を適用することができる。更に、本発明は半導体素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、液晶表示素子(LCD)等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも適用することができる。
また、上述の液浸法を適用した露光装置では、投影光学系PLの先端の光学素子1の光射出側の光路空間を液体(純水)で満たして基板Pを露光する構成になっているが、国際公開第2004/019128号に開示されているように、投影光学系PLの光学素子1の入射側の光路空間も液体(純水)で満たすようにしてもよい。
また、投影光学系を持たないタイプの露光装置、例えば、プロキシミティ型露光装置や干渉縞をウエハ上に形成することによってウエハを露光する二光束干渉型の露光装置を使用することもできる。
次に、本発明の実施形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図6は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造工程の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
次に、ステップS13(ウェハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図7は、半導体デバイスの場合における、図6のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。図7において、ステップS21(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。

Claims (24)

  1. 投影光学系と液体とを介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の像面側に供給された液体を回収口を介して回収部に回収する液体回収装置と、
    前記露光装置の動作に同期して、前記回収部に回収された液体の前記回収部からの排出動作を制御する制御装置と

    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記制御装置は、基板の露光が行われていない場合に、前記回収部から液体を排出させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記基板に形成されたマークの位置情報を計測する計測装置を備え、
    前記制御装置は、前記計測装置によるマークの計測が行われていない場合に、前記回収部から液体を排出させる制御を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の露光装置。
  4. 前記制御装置は、基板の交換が行われている間に前記回収部から液体を排出させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  5. 前記回収部は複数設けられており、
    前記制御装置は、露光装置の動作に同期して、前記回収口に連結する前記回収部を切り替える制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  6. 前記制御装置は、前記回収口に連結されていない回収部に回収された液体を排出させる制御を行うことを特徴とする請求項5記載の露光装置。
  7. 前記制御装置は、基板の露光処理が終了する度、複数枚を単位とした前記基板の露光処理が終了する度、又は基板上に設定された複数の区画領域の露光処理が終了する度、前記回収口に連結される回収部を切り替える制御を行うことを特徴とする請求項5記載の露光装置。
  8. 投影光学系と液体とを介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の像面側に供給された液体を回収口を介して回収部に回収する液体回収装置と、
    前記液体回収装置の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記液体回収装置は、複数の回収部を有し、
    前記制御装置は、前記回収口に連結する回収部の切り替えを制御することを特徴とする露光装置。

  9. 前記制御装置は、前記回収口に連結されていない回収部から回収された液体を排出させることを特徴とする請求項8記載の露光装置。
  10. 投影光学系と液体とを介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の像面側に液体を供給する液体供給装置と、
    前記投影光学系の像面側に供給された液体を回収部に回収する液体回収装置と、
    前記回収部に回収された液体の表面位置を検出する液面検出系と、
    前記液面検出系の検出結果に基づき、前記液体供給装置からの液体供給を制御する制御装置と

    を備えることを特徴とする露光装置。
  11. 前記制御装置は、前記回収部に回収された液体の表面位置が第1位置に達した場合に、前記液体供給装置からの液体供給を停止することを特徴とする請求項10記載の露光装置。
  12. 前記第1位置は、前記液体供給が停止された後に、前記投影光学系の像面側に供給されている液体を前記回収部で回収しうるように設定されていることを特徴とする請求項11記載の露光装置。
  13. 前記制御装置は、前記回収部に回収された液体の表面位置が前記第1位置よりも低い第2位置に達した場合に警告を発することを特徴とする請求項11記載の露光装置。
  14. 前記制御装置は、前記回収部に回収された液体の表面位置が前記第1位置よりも低い第2位置と該第2位置よりも低い第3位置との間に維持されるように、前記回収部に回収された液体の排出を行うことを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
  15. 前記制御装置は、前記回収部に回収された液体の表面位置が、前記第3位置よりも低い第4位置に達した場合に前記回収部からの液体の排出を停止することを特徴とする請求項14記載の露光装置。

  16. 前記基板を保持して、前記投影光学系の像面側で移動可能な基板ステージを更に備え、 前記制御装置は、前記回収部に回収された液体の表面位置が前記第1位置に達した場合に前記基板ステージを停止させることを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
  17. 請求項1、請求項8、及び請求項10の何れか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイス製造方法。
  18. 液体を介して基板を露光する露光装置における液体処理方法であって、
    供給された液体を回収部に回収する回収ステップと、

    前記露光装置の動作に同期して、前記回収部に回収された液体を前記回収部から排出する排出ステップと
    を含むことを特徴とする液体処理方法。
  19. 前記基板は、投影光学系の像面側に供給された液体を介して露光される請求項18記載の液体処理方法。
  20. 液体を介して基板を露光する露光装置における液体処理方法であって、
    供給された液体を回収するための回収口と第1回収部とを連結し、供給された液体を前記第1回収部に回収する第1回収ステップと、
    前記回収口と前記第1回収部とは異なる第2回収部とを連結し、供給された液体を前記第2回収部に回収する第2回収ステップと、

    前記回収口と連結されていない前記第1回収部に回収された液体を前記第1回収部から排出する排出ステップと を含むことを特徴とする液体処理方法。
  21. 前記基板は、投影光学系の像面側に供給された液体を介して露光される請求項20記載の液体処理方法。

  22. 液体を介して基板を露光する露光装置における液体処理方法であって、 前記基板上に液体を供給する供給ステップと、
    前記基板上に供給された液体を回収部に回収する回収ステップと、
    前記回収部に回収された液体の表面が所定の位置に達した場合に、前記液体の供給を停止する停止ステップと
    を含むことを特徴とする液体処理方法。
  23. 前記基板は、投影光学系の像面側に供給された液体を介して露光される請求項22記載の液体処理方法。
  24. 請求項18,20,及び22のいずれか一項に記載の液体処理方法を用いて基板の露光する露光方法。
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