JPWO2005080562A1 - 前立腺癌の判定方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法であって、以下の工程:a)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及びb)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;を含む、方法に関する。本発明の前立腺癌の判定方法を用いれば、簡易かつ高感度に前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定することができるので、前立腺癌の診断、経過観察、予後の予測、発症前診断、保因者診断等に有効である。
Description
本発明は、前立腺癌の判定方法に関する。更に詳しくは、本発明は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法であって、以下の工程:
a)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む、方法に関する。
a)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む、方法に関する。
前立腺癌は、欧米において男性癌罹患率、死亡率の上位を占める悪性腫瘍である。日本でも近年、食生活の欧米化と高齢化に伴い前立腺癌の罹患率、死亡率が急速に上昇している。
現在前立腺癌の診断は、癌グレード(tumor grade)やステージ等の組織病理学的判定やPSA値などの生化学的パラメーターに依存している。中でも、集団検診や人間ドックにおいて、血中前立腺特異抗原(Prostatic Specific Antigen:PSA)濃度の測定が急速に普及し、比較的早期に前立腺癌が発見できるようになった。しかし、血中PSA濃度の上昇は前立腺癌の発症後において認められるものであり、また血中PSA濃度による診断は前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia)や前立腺炎(prostatitis)との区別が困難である場合があり、前立腺癌の検出、診断、経過観察のための、より特異的で高感度な新たなマーカーの開発が望まれている。
本願発明者らは、前立腺癌の治療標的分子を検索する目的で、前立腺癌患者から摘出された前立腺組織を、病理組織学的に腫瘍部分と非腫瘍部分とに分離し、非腫瘍部分と腫瘍部分との間で発現量に差のある遺伝子を解析した。その結果、非腫瘍部分と比較して腫瘍部分に特異的に高発現している遺伝子として、PCA−1(ヒトAlkBホモローグ3(human AlkB homolog 3:hABH3)とも呼ばれる)と呼ばれる遺伝子のクローニングに成功した(第123回日本薬学会年会要旨集4、p15、2003年)。近年、PCA−1はDNA,RNAアルキル化損傷修復酵素であることが確認され、その機能が注目されている(ネイチャー(Nature)、第421巻、p859−863、2003年)。
上記事情に鑑み、本発明は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定する新たな方法を提供することを目的とする。
現在前立腺癌の診断は、癌グレード(tumor grade)やステージ等の組織病理学的判定やPSA値などの生化学的パラメーターに依存している。中でも、集団検診や人間ドックにおいて、血中前立腺特異抗原(Prostatic Specific Antigen:PSA)濃度の測定が急速に普及し、比較的早期に前立腺癌が発見できるようになった。しかし、血中PSA濃度の上昇は前立腺癌の発症後において認められるものであり、また血中PSA濃度による診断は前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia)や前立腺炎(prostatitis)との区別が困難である場合があり、前立腺癌の検出、診断、経過観察のための、より特異的で高感度な新たなマーカーの開発が望まれている。
本願発明者らは、前立腺癌の治療標的分子を検索する目的で、前立腺癌患者から摘出された前立腺組織を、病理組織学的に腫瘍部分と非腫瘍部分とに分離し、非腫瘍部分と腫瘍部分との間で発現量に差のある遺伝子を解析した。その結果、非腫瘍部分と比較して腫瘍部分に特異的に高発現している遺伝子として、PCA−1(ヒトAlkBホモローグ3(human AlkB homolog 3:hABH3)とも呼ばれる)と呼ばれる遺伝子のクローニングに成功した(第123回日本薬学会年会要旨集4、p15、2003年)。近年、PCA−1はDNA,RNAアルキル化損傷修復酵素であることが確認され、その機能が注目されている(ネイチャー(Nature)、第421巻、p859−863、2003年)。
上記事情に鑑み、本発明は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定する新たな方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、前立腺癌組織においてPCA−1遺伝子の発現が上昇し、PCA−1の機能の亢進が前立腺癌の発症あるいは進行と何らかの因果関係があると考えられたのとは対照的に、前立腺癌患者においては、PCA−1の機能異常を起こし得るようなPCA−1遺伝子の変異が高頻度で認められることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(19)に関する。
(1)前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法であって、以下の工程:
a)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む、方法。
(2)変異がミスセンス変異、ナンセンス変異、サイレント変異及び欠失によるフレームシフト変異からなる群から選ばれる、上記(1)に記載の方法。
(3)ミスセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニンのロイシンへの変異、第8番目のアラニンのバリンへの変異、第30番目のアラニンのスレオニンへの変異、第41番目のスレオニンのイソロイシンへの変異、第73番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異、第137番目のグリシンのアルギニンへの変異、第144番目のセリンのプロリンへの変異、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である、上記(2)に記載の方法。
(4)ミスセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である、上記(3)に記載の方法。
(5)ミスセンス変異がPCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異をもたらす変異である、上記(4)に記載の方法。
(6)ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第426番目のグアニンのチミンへの変異、第429番目のシトシンのチミンへの変異、第494番目のグアニンのアデニンへの変異、第528番目のシトシンのチミンへの変異、第623番目のグアニンのアデニンへの変異、第815番目のグアニンのアデニンへの変異、第836番目のチミンのシトシンへの変異、第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、上記(3)に記載の方法。
(7)ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、上記(6)に記載の方法。
(8)ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1090番目のシトシンのグアニンへの変異である、上記(7)に記載の方法。
(9)ナンセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第261番目のリジンのストップコドンへの変異をもたらす変異である、上記(2)に記載の方法。
(10)ナンセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1187番目のアデニンのチミンへの変異である、上記(9)に記載の方法。
(11)サイレント変異が、PCA−1遺伝子の第568番目のチミンのシトシンへの変異、及び第1132番目のグアニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、上記(2)に記載の方法。
(12)サイレント変異が、PCA−1遺伝子の第1132番目のグアニンのチミンへの変異である、上記(11)に記載の方法。
(13)欠失が、PCA−1遺伝子の第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの残基の欠失である、上記(2)に記載の方法。
(14)以下の工程を含む、上記(1)に記載の方法:
a)当該被検者からポリヌクレオチドを単離又は精製する工程;
b)当該ポリヌクレオチドからPCA−1遺伝子を増幅する工程;
c)増幅されたPCA−1遺伝子の塩基配列を決定する工程;
d)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;
e)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程。
(15)配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、第568番目のチミンのシトシンへの置換、第1132番目のグアニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(16)配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(17)上記(16)のポリペプチドを免疫特異的に認識する抗体。
(18)前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するためのキットであって、PCA−1遺伝子変異解析用試薬を含む、キット。
(19)PCA−1遺伝子変異解析用試薬が、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するために使用できる、又は使用すべきであることを記載した記載物を更に含む、上記(17)に記載のキット。
本発明の前立腺癌の判定方法を用いれば、簡易かつ高感度に前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定することができるので、前立腺癌の診断、経過観察、予後の予測、発症前診断、保因者診断等に有効である。
即ち、本発明は以下の(1)〜(19)に関する。
(1)前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法であって、以下の工程:
a)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む、方法。
(2)変異がミスセンス変異、ナンセンス変異、サイレント変異及び欠失によるフレームシフト変異からなる群から選ばれる、上記(1)に記載の方法。
(3)ミスセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニンのロイシンへの変異、第8番目のアラニンのバリンへの変異、第30番目のアラニンのスレオニンへの変異、第41番目のスレオニンのイソロイシンへの変異、第73番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異、第137番目のグリシンのアルギニンへの変異、第144番目のセリンのプロリンへの変異、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である、上記(2)に記載の方法。
(4)ミスセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である、上記(3)に記載の方法。
(5)ミスセンス変異がPCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異をもたらす変異である、上記(4)に記載の方法。
(6)ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第426番目のグアニンのチミンへの変異、第429番目のシトシンのチミンへの変異、第494番目のグアニンのアデニンへの変異、第528番目のシトシンのチミンへの変異、第623番目のグアニンのアデニンへの変異、第815番目のグアニンのアデニンへの変異、第836番目のチミンのシトシンへの変異、第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、上記(3)に記載の方法。
(7)ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、上記(6)に記載の方法。
(8)ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1090番目のシトシンのグアニンへの変異である、上記(7)に記載の方法。
(9)ナンセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第261番目のリジンのストップコドンへの変異をもたらす変異である、上記(2)に記載の方法。
(10)ナンセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1187番目のアデニンのチミンへの変異である、上記(9)に記載の方法。
(11)サイレント変異が、PCA−1遺伝子の第568番目のチミンのシトシンへの変異、及び第1132番目のグアニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、上記(2)に記載の方法。
(12)サイレント変異が、PCA−1遺伝子の第1132番目のグアニンのチミンへの変異である、上記(11)に記載の方法。
(13)欠失が、PCA−1遺伝子の第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの残基の欠失である、上記(2)に記載の方法。
(14)以下の工程を含む、上記(1)に記載の方法:
a)当該被検者からポリヌクレオチドを単離又は精製する工程;
b)当該ポリヌクレオチドからPCA−1遺伝子を増幅する工程;
c)増幅されたPCA−1遺伝子の塩基配列を決定する工程;
d)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;
e)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程。
(15)配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、第568番目のチミンのシトシンへの置換、第1132番目のグアニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列を含むポリヌクレオチド。
(16)配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(17)上記(16)のポリペプチドを免疫特異的に認識する抗体。
(18)前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するためのキットであって、PCA−1遺伝子変異解析用試薬を含む、キット。
(19)PCA−1遺伝子変異解析用試薬が、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するために使用できる、又は使用すべきであることを記載した記載物を更に含む、上記(17)に記載のキット。
本発明の前立腺癌の判定方法を用いれば、簡易かつ高感度に前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定することができるので、前立腺癌の診断、経過観察、予後の予測、発症前診断、保因者診断等に有効である。
図1はMMS濃度と接着細胞数の関係を示すグラフである。縦軸は接着細胞数をコントロール群を100%としたときの相対値として示す。横軸はMMS濃度(mM)を示す。また、黒色カラムはコントロール群を、斜線カラムはPCA−1WTトランスフェクション群を、白色カラムはPCA−1Δ777−865トランスフェクション群をそれぞれ示す。
発明の詳細な説明
本発明において、「前立腺癌」とは、前立腺において発生した癌を広く包含する概念であり、前立腺に発生した腺癌のみならず、扁平上皮癌、移行上皮癌、神経内分泌癌、未分化癌等をも包含する。好ましくは、前立腺癌は前立腺に発生した腺癌である。
ヒトにおいて、PCA−1はヒトAlkBホモローグ3(human AlkB homolog 3:hABH3)あるいはDEPC−1とも呼ばれる分子である。
正常ヒトPCA−1遺伝子の塩基配列(cDNA塩基配列)としては、例えば、配列番号1等が挙げられ、このうち第407番目−第1267番目の残基(配列番号3)がタンパク質コード領域に該当し、配列番号2のアミノ酸配列からなるPCA−1ポリペプチドをコードする。本発明において、PCA−1遺伝子の塩基配列及びアミノ酸配列における残基の位置は、上記配列番号1、2の配列をそれぞれ基準とする。ここで、配列番号1において第923〜1243番目の残基及び配列番号2における第172〜279番目のアミノ酸残基がPCA−1の脱アルキル化酵素活性部位に相当する。
ヒトPCA−1遺伝子は第11番染色体のp11のローカスにコードされており、PCA−1遺伝子およびその周辺の染色体DNA塩基配列は、例えば、ジーンバンクアクセッション番号NT_009237(NCBIホームページ)等に開示されている。
ヒトPCA−1遺伝子は、10のエクソンを含み、配列番号1において、エクソン1は、第1番目−第334番目の残基、エクソン2は、第335番目−第485番目の残基、エクソン3は、第486番目−第592番目の残基、エクソン4は、第593番目−第624番目の残基、エクソン5は、第625番目−第670番目の残基、エクソン6は、第671番目−第776番目の残基、エクソン7は、第777番目−第865番目の残基、エクソン8は、第866番目−第1075番目の残基、エクソン9は、第1076番目−第1172番目の残基、エクソン10は、第1173番目−第1520番目の残基、にそれぞれ該当する。
本発明の前立腺癌の判定方法は、少なくとも以下の工程:
a)被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む。
被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程においては、被検者由来のPCA−1遺伝子を、正常PCA−1遺伝子と比較する。
被検者由来のPCA−1遺伝子と正常PCA−1遺伝子との比較は、特に限定されないが、例えば正常PCA−1遺伝子のmRNA、cDNA、染色体DNA等の塩基配列との比較である。
ここで、「正常PCA−1遺伝子の塩基配列との比較」は、正常PCA−1遺伝子の全長塩基配列との比較以外に、当該配列の相補的配列、部分配列、部分配列の相補的配列、特定残基の配列等との比較であってもよい。
ここで、上記部分配列の長さは、少なくとも10塩基以上、好ましくは30塩基以上である。部分配列の好ましい態様としては、PCA−1のタンパク質コード領域の塩基配列、PCA−1遺伝子のエクソン領域の塩基配列が挙げられる。
被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度の解析は、自体公知のいずれの方法を用いることができる。
例えば、被検者由来のポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列を決定してもよい。また、当該分野で塩基の変化を検出するために現在使用されているあらゆる方法、例えば、RFLP法、TaqMan試験、オリゴヌクレオチドリガーゼ法、一重鎖コンホメーション多形性、鋳型核酸のオリゴヌクレオチドアレーへのハイブリダイゼーションに基づく試験法、変性グラジェントゲル電気泳動法、PCR−SSPC法、サザンブロット法、ノザンブロット法、ASO法、ミスマッチプライマーを用いるARMS法等も用いることができる。あるいは、将来開発される方法も、上記比較による変異の存否の解析方法に用いることができる。好ましくは、被検者由来のポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列を決定する。
被検者由来のポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列を決定するにあたっては、まず被検者よりポリヌクレオチドを単離又は精製する。当該ポリヌクレオチドは、好ましくは、当該被検者由来のPCA−1遺伝子を含む。
当該ポリヌクレオチドは、当該被検者由来の試料、例えば、組織、細胞、液体成分等から単離又は精製される。
組織としては、特に限定されないが、例えば、前立腺、毛髪、皮膚等が挙げられ、好ましくは前立腺である。
細胞には、被検者から分離され培養されていない細胞、生体から分離され培養された細胞いずれもが含まれる。例えば血液細胞、前立腺由来細胞等が挙げられ、好ましくは前立腺由来細胞である。
液体成分としては、例えば、血液、***、唾液、尿、汗等が挙げられる。
ポリヌクレオチドとしては、例えば、DNA(染色体DNA、cDNA等)及びRNA(total RNA、mRNA、cRNA等)が挙げられ、好ましくは染色体DNA、total RNAまたはmRNAである。
ポリヌクレオチドは自体公知の方法により単離又は精製することができる。
染色体DNAの単離又は精製には、例えば、プロテイナーゼK/フェノール抽出法、プロテイナーゼK/フェノール/クロロホルム抽出法、アルカリ溶解法、ボイリング法等を用いることができる。
また、total RNAの単離又は精製には、例えばグアニジン−塩化セシウム超遠心法、AGPC法(Acid guanidinium−Phenol−Chloroform法)等を用いることができる。あるいは、TRIzol(Life Technologies,Inc.製)、Isogen(ニッポンジーン社製)等の市販のキットを用いることもできる。
mRNAの単離又は精製は、精製されたtotal RNAをオリゴdTカラム等に供することによって達成することができる。
ポリヌクレオチドがRNA、特にtotal RNA、mRNAである場合は、逆転写酵素等を利用した自体公知の方法により、cDNAを合成することが好ましい。
当該ポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列の決定にあたっては、好ましくは、当該ポリヌクレオチドを鋳型として、ポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子を増幅する。鋳型とされるポリヌクレオチドは、特に限定されないが、好ましくは染色体DNA又はcDNAである。
遺伝子増幅の方法は、特に制限されないが、ポリメラーゼ連鎖反応法(polymerase chain reaction;PCR法)、LAMP(Loop−mediated isothermal amplification)(例えば、WO 00/28082参照)、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)(例えば、WO 00/56877参照)、自己持続的配列複製(Guatelliら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878)、転写増幅系(Kwohら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173〜1177)、Q−βレプリカーゼ(Lizardiら(1988)Bio/Technology 6:1197)等が例示され、いずれも用いることが可能であるが、PCR法が簡便であり好ましい。PCR技術の一般的使用についての参考文献は、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263,(1987),Ehrlich(ed),PCR technology,Stockton Press,NY,1989,Ehrlich et al.,Science,252:1643−1650(1991),PCR protocols;A Guide to Methods and Applications,Eds.Innis et al.,Academic Press,New York,(1990)等に詳しい。
PCR法によるPCA−1遺伝子の増幅において用いられるポリメラーゼとしては、当業者が通常用いるTaqポリメラーゼ等をいずれも用いることが可能であるが、好ましくは比較的フィデリティの高いポリメラーゼ、例えばKOD Plus(TOYOBO社製)等が用いられる。
PCR法によるPCA−1遺伝子の増幅においては、当該遺伝子の増幅を可能とするようなオリゴヌクレオチドプライマー対を用いる。当該プライマー対は、例えば配列番号1の塩基配列等の本明細書中の情報や、ジーンバンクアクセッション番号NT_009237(NCBIホームページ)等に開示されたヒト第11番染色体のp11の領域の塩基配列等に基づき、Oligo 4.0.6(National Bioscience社製、Plymouth MN)等の適切なプログラム等を用いて、当業者が適切に設計することが可能である。
PCRにおける鋳型が、cDNAである場合には、当該プライマー対が設定される領域は特に限定されないが、当該プライマー対は、好ましくは、配列番号1において、第426番目のグアニン、第429番目のシトシン、第494番目のグアニン、第528番目のシトシン、第568番目のチミン、第623番目のグアニン、第815番目のグアニン、第836番目のチミン、第1090番目のシトシン、第1105番目のアデニン、第1132番目のグアニン、第1187番目のアデニン、第1189番目のアデニン、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの残基からなる群から選択される少なくとも1つ、より好ましくは2つ以上、最も好ましくは全ての残基を増幅しうるように、設定される。
また、PCRにおける鋳型が染色体DNAである場合には、当該プライマー対が設定される領域は特に限定されないが、当該プライマー対は、好ましくは、エクソン領域を増幅し得るように設定され、より好ましくは、上述の残基に対応する染色体DNA上の残基を少なくとも1つ、更に好ましくは2つ以上、最も好ましくは全て増幅しうるように設定される。複数のプライマー対を設定してもよい。
プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの大きさは、適宜選択することが可能であるが、通常10〜100bp、好ましくは12〜50bp、より好ましくは15〜30bpである。
プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドのGC含量は、適宜設定することが可能であるが、通常20〜80%、好ましくは30〜70%、より好ましくは40〜60%の範囲である。
プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドのTm値は、通常60±20℃の範囲に設定される。Tm値はバッファー中の塩濃度等に依存して異なるが、自体公知の方法、例えばnearest neighbor法(例えば「Biochemistry,35,3555−3562,1996」など参照)等により算出することが出来る。
オリゴヌクレオチドは、天然に存在するもの又は合成されたもののいずれでもよいが、ホスホトリエチル法、ホスホジエステル法等により、通常用いられる核酸自動合成装置を利用して合成することが可能である。
当該プライマーは、増幅産物の大きさが通常50〜30000bp程度となるように設定される。増幅効率等を考慮すると、増幅産物の大きさが、好ましくは、50〜3000bp程度、より好ましくは100〜2000bp程度となるように設定される。
好ましいプライマー対としては、例えば、
プライマー1:CTGAAAGCTCGGAGCAGAAGC (配列番号4)
プライマー2:GGTCTACTGTGGGAACAG (配列番号5)
からなるプライマー対等が挙げられる。
増幅されたPCA−1遺伝子は、周知の方法により塩基配列が決定される。好ましい方法としては、Sanger等の方法を用いた鋳型ポリメラーゼ生成複写物への末端ヌクレオチドの取込みに基づくものが挙げられる。また、代替法としては、例えば、アダプター配列決定(PCT/US95/12678)、連結に基づく配列決定(PCT/US96/05245)、ハイブリダイゼーションによる配列決定(A.D.Mirzabekov、TIBTech12:27−32、1994)等が挙げられる。
決定された塩基配列に基づいて、当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度が解析される。
上記増幅において用いた鋳型が染色体DNAである場合には、好ましくは、決定された塩基配列中のPCA−1遺伝子のエクソン領域に含まれる塩基配列を、正常PCA−1遺伝子のcDNA塩基配列中の対応塩基配列と比較する。また、上記増幅において用いた鋳型がcDNAである場合には、決定された塩基配列と正常PCA−1遺伝子のcDNA塩基配列中の対応塩基配列とを比較する。
被検者由来のPCA−1遺伝子に変異が検出された場合、即ち解析した被検者由来のPCA−1遺伝子において、正常PCA−1遺伝子とは異なる残基が1塩基またはそれ以上検出された場合は、当該被検者は、前立腺癌を発症している危険がある(又は高い)又は発症する危険がある(又は高い)と判断する。逆に、被検者由来のPCA−1遺伝子に変異が検出されない場合、当該被検者は前立腺癌を発症している危険がない(又は低い)又は発症する危険がない(又は低い)と判断する。
また、本発明の方法においては、変異の程度が大きいほど、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険が高くなると判断することができる。「変異の程度」とは、例えば変異部位の数、変異に係る塩基の長さ等をいう。
また、PCA−1遺伝子の変異は、被検者由来のPCA−1遺伝子の対立遺伝子のどちらか一方に存在すれば、当該被検者が前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険があると判断するが、対立遺伝子の双方に変異がある場合は、一方のみに変異がある場合と比較してより危険がある(又は高い)と判断することができる。
また対立遺伝子間に優劣がある場合には、優勢遺伝子に変異がある場合は、劣勢遺伝子に変異がある場合と比較してより危険がある(又は高い)と判断することができる。
また、本発明の方法は、他の前立腺癌の診断方法等と組合せて用いることにより、判定の精度を向上させることができる。他の前立腺癌の診断方法としては、触診検査、血清中等の前立腺特異抗原(PSA)濃度を用いる方法、前立腺針生検サンプルを用いた病理検査、超音波検査、MRI、CT、骨シンチ等が挙げられる。また、PCA−1遺伝子が前立腺癌組織において発現が向上していることを指標とした検査方法(非特許文献1参照)とも、本発明の方法を組合せて用いることができる。
上記PCA−1遺伝子の変異の部位は、特に限定されない。
染色体DNAにおいては、PCA−1遺伝子をコードする領域(例えばエンハンサー領域、プロモーター領域、エクソン領域、イントロン領域等)のいずれであってもよいが、好ましくはエクソン領域又はイントロン領域であり、より好ましくはエクソン領域である。
cDNA、mRNAにおいては、当該PCA−1遺伝子の変異の部位は、好ましくはタンパク質コード領域である。
上記PCA−1遺伝子の変異の種類は、特に限定されず、例えばミスセンス変異、ナンセンス変異又はサイレント変異等の置換による変異、欠失、挿入等により生じるフレームシフト変異などが挙げられるが、好ましくは変異はミスセンス変異、ナンセンス変異、サイレント変異及び欠失により生じるフレームシフトからなる群から選択される。
PCA−1遺伝子のミスセンス変異におけるアミノ酸変異の態様は、特に限定されない。好ましくは、ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニン、第8番目のアラニン、第30番目のアラニン、第41番目のスレオニン、第73番目のアスパラギン酸、第137番目のグリシン、第144番目のセリン、第228番目のアスパラギン酸、第233番目のグルタミン酸、及び第261番目のリジンからなる群から選択されるアミノ酸残基の変異をもたらす変異である。
この場合、当該置換後のアミノ酸の種類は、特に限定されない。好ましくは、ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニンのロイシンへの変異、第8番目のアラニンのバリンへの変異、第30番目のアラニンのスレオニンへの変異、第41番目のスレオニンのイソロイシンへの変異、第73番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異、第137番目のグリシンのアルギニンへの変異、第144番目のセリンのプロリンへの変異、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である。
より好ましくは、当該ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの脱アルキル化酵素活性部位(PCA−1ポリペプチドの第172〜279番目のアミノ酸残基に相当)におけるアミノ酸の変異、即ち、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である。
更に好ましくは、当該ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異をもたらす変異である。
上記ミスセンス変異においては、変異後のアミノ酸をコードする塩基配列は特に限定されない。好ましくは、当該ミスセンス変異は、PCA−1遺伝子の、第426番目のグアニンのチミンへの変異、第429番目のシトシンのチミンへの変異、第494番目のグアニンのアデニンへの変異、第528番目のシトシンのチミンへの変異、第623番目のグアニンのアデニンへの変異、第815番目のグアニンのアデニンへの変異、第836番目のチミンのシトシンへの変異、第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である。
PCA−1遺伝子のナンセンス変異におけるアミノ酸変異の態様は、特に限定されないが、当該ナンセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第261番目のリジンのストップコドンへの変異をもたらす変異が好ましい。
当該ナンセンス変異においては、変異後のストップコドンをコードする塩基配列は特に限定されない。好ましくは、当該ナンセンス変異は、PCA−1遺伝子塩基配列の第1187番目のアデニンのチミンへの変異である。
PCA−1遺伝子のサイレント変異における変異部位は、特に限定されないが、当該サイレント変異は、好ましくは、PCA−1遺伝子の第568番目のチミン、第1132番目のグアニンからなる群から選択される残基における変異であり、より好ましくは、第1132番目のグアニンにおける変異である。
当該サイレント変異においては、変異後の塩基は特に限定されない。好ましくは、当該サイレント変異は、PCA−1遺伝子の、第568番目のチミンのシトシンへの変異、及び第1132番目のグアニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である。
PCA−1遺伝子の欠失において、欠失される塩基の数、位置等は特に限定されない。好ましくは、欠失は一つ又は複数個のエクソン領域の欠失であり、より好ましくは、欠失は一つのエクソン領域の欠失である。
欠失されるエクソン領域は、特に限定されないが、ヒトPCA−1遺伝子の場合、好ましくは、エクソン7(配列番号1における第777番目−第865番目の残基)である。
当該欠失は、PCA−1ポリペプチドの、第124番目からのアミノ酸の置換をもたらすと共に、第136番目のアミノ酸のストップコドンへの置換をもたらすので、第135番目のアミノ酸まででタンパク質翻訳が終止される。
また、本発明は、配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、第568番目のチミンのシトシンへの置換、第1132番目のグアニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドに関する。好ましくは、当該ポリヌクレオチドは、配列番号1と比較して、上記群から選択される1以上の置換を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
また、上記ポリヌクレオチドの一部であって、配列番号1と比較して、上記群から選択される1以上の置換又は欠失を有するポリヌクレオチドも本発明に包含される。当該ポリヌクレオチドの一部の長さは少なくとも10bp以上、好ましくは30bp以上である。
上記本発明のポリヌクレオチドは、ヒトPCA−1遺伝子の変異の解析において、例えばミスマッチプライマーやミスマッチプローブ等の試薬として、あるいは変異を有するPCA−1遺伝子を含むことが既に明らかとなっているポリヌクレオチドコントロールとして有用である。
また、本発明のポリヌクレオチドを機能的に挿入した適当な発現ベクターを、前立腺癌細胞等の宿主細胞に導入し、変異を有するPCA−1ポリペプチドを発現させた後に、当該宿主細胞を解析すること等で、PCA−1遺伝子の変異と前立腺癌との関連について研究することができる。従って、本発明のポリヌクレオチドは、前立腺癌研究用試薬として有用である。
本発明のポリヌクレオチドは好ましくは単離され又は精製されている。
また、本発明は、配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。好ましくは、当該ポリペプチドは、配列番号1と比較して、上記群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
また、上記ポリペプチドの部分であって、上記群の置換又は欠失により置換されたアミノ酸を少なくとも1つ含むポリペプチドも本発明に包含される。当該部分ポリペプチドの長さは少なくとも6アミノ酸以上、好ましくは8アミノ酸以上である。
本発明のポリペプチドは好ましくは単離され又は精製されている。
本発明のポリペプチドは、上記の変異を有するヒトPCA−1のポリペプチドを免疫特異的に認識する抗体の製造のための免疫原として有用である。本発明は当該抗体にも関する。
「免疫特異的」とは、当業者が通常抗体を使用する条件において、その抗体が他のポリペプチドに対するその親和性よりも特定のポリペプチドに対して、実質的に高い親和性を示すことを意味する。本発明において「他のポリペプチド」としては、例えば正常ヒトPCA−1ポリペプチド等が挙げられる。
抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体、ヒト抗体産生トランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体、Fab発現ライブラリーによって作製された抗体断片、およびこれらの結合性断片が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体およびこれらの結合性断片である。
結合性断片とは、前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的には例えばF(ab’)2、Fab’、Fab、Fv(variable fragment of antibody)、sFv、dsFv(disulphide stabilised Fv)、dAb(single domain antibody)等が挙げられる(Exp.Opin.Ther.Patents,Vol.6,No.5,p.441−456,1996)。
抗体のクラスは、特に限定されず、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれのアイソタイプを有する抗体をも包含する。好ましくは、IgGまたはIgMであり、精製の容易性等を考慮するとIgGがより好ましい。
本発明の抗体は、慣用のプロトコールを用いて、マウス、ウサギ等の哺乳動物(好ましくはヒト以外の哺乳動物)に当該ポリペプチド等を投与すること等により得られる。
モノクローナル抗体の調製には、ケーラー及びミルシュタインらの方法(Nature,Vol.256,p.495−497,1975)及びそれに準じる修飾方法に従って行うことができる。本発明のポリペプチドに特異的に反応する抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングにおいては、本発明のポリペプチドに含まれる変異部位が、正常PCA−1のアミノ酸に置換された対応コントロールペプチドを用い、本発明のポリペプチドには反応するが、対応コントロールペプチドには反応しないクローンを選択することができる。
ポリクローナル抗体の調製は、好ましくは、本発明のポリペプチドを免疫した動物の血清を本発明のポリペプチドを結合させたカラム等によって精製される。更に好ましくは、より特異性を高めるために、上記対応コントロールペプチドを結合させたカラムを用いて正常ヒトPCA−1に反応しうる画分が除去される。
本発明の抗体は、好ましくは、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カプロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブリンカラムあるいはプロテインAカラム、免疫原を架橋させたカラム等を用いたアフィニティカラムクロマトグラフィーにより単離又は精製される。
本発明の抗体は変異を有するヒトPCA−1ポリペプチドを免疫特異的に認識するので、例えばウェスタンブロット法、免疫組織染色、ELISA法、RIA法、表面プラズモン共鳴法、プロテインチップ等により、被検者由来のPCA−1遺伝子が変異を有するか否かを解析することが可能である。
本発明の前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法は、上記抗体を用いた方法をも包含する。
また、本発明は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するためのキットであって、PCA−1遺伝子変異解析用試薬を含むキットに関する。
当該キットには、好ましくは、当該PCA−1遺伝子変異解析用試薬は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するために使用できる、又は使用すべきであることを記載した記載物が更に含まれる。
PCA−1遺伝子変異解析用試薬は、本発明の方法に使用されるあらゆる試薬のいずれであってもよい。例えば、PCA−1遺伝子の増幅に用いられるオリゴヌクレオチドプライマー対、正常PCA−1遺伝子を含むことが既に明らかとなっている単離され又は精製されたポリヌクレオチド、変異を有するPCA−1遺伝子を含むことが既に明らかとなっている単離され又は精製されたポリヌクレオチド、変異を有するヒトPCA−1ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
発明の詳細な説明
本発明において、「前立腺癌」とは、前立腺において発生した癌を広く包含する概念であり、前立腺に発生した腺癌のみならず、扁平上皮癌、移行上皮癌、神経内分泌癌、未分化癌等をも包含する。好ましくは、前立腺癌は前立腺に発生した腺癌である。
ヒトにおいて、PCA−1はヒトAlkBホモローグ3(human AlkB homolog 3:hABH3)あるいはDEPC−1とも呼ばれる分子である。
正常ヒトPCA−1遺伝子の塩基配列(cDNA塩基配列)としては、例えば、配列番号1等が挙げられ、このうち第407番目−第1267番目の残基(配列番号3)がタンパク質コード領域に該当し、配列番号2のアミノ酸配列からなるPCA−1ポリペプチドをコードする。本発明において、PCA−1遺伝子の塩基配列及びアミノ酸配列における残基の位置は、上記配列番号1、2の配列をそれぞれ基準とする。ここで、配列番号1において第923〜1243番目の残基及び配列番号2における第172〜279番目のアミノ酸残基がPCA−1の脱アルキル化酵素活性部位に相当する。
ヒトPCA−1遺伝子は第11番染色体のp11のローカスにコードされており、PCA−1遺伝子およびその周辺の染色体DNA塩基配列は、例えば、ジーンバンクアクセッション番号NT_009237(NCBIホームページ)等に開示されている。
ヒトPCA−1遺伝子は、10のエクソンを含み、配列番号1において、エクソン1は、第1番目−第334番目の残基、エクソン2は、第335番目−第485番目の残基、エクソン3は、第486番目−第592番目の残基、エクソン4は、第593番目−第624番目の残基、エクソン5は、第625番目−第670番目の残基、エクソン6は、第671番目−第776番目の残基、エクソン7は、第777番目−第865番目の残基、エクソン8は、第866番目−第1075番目の残基、エクソン9は、第1076番目−第1172番目の残基、エクソン10は、第1173番目−第1520番目の残基、にそれぞれ該当する。
本発明の前立腺癌の判定方法は、少なくとも以下の工程:
a)被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む。
被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程においては、被検者由来のPCA−1遺伝子を、正常PCA−1遺伝子と比較する。
被検者由来のPCA−1遺伝子と正常PCA−1遺伝子との比較は、特に限定されないが、例えば正常PCA−1遺伝子のmRNA、cDNA、染色体DNA等の塩基配列との比較である。
ここで、「正常PCA−1遺伝子の塩基配列との比較」は、正常PCA−1遺伝子の全長塩基配列との比較以外に、当該配列の相補的配列、部分配列、部分配列の相補的配列、特定残基の配列等との比較であってもよい。
ここで、上記部分配列の長さは、少なくとも10塩基以上、好ましくは30塩基以上である。部分配列の好ましい態様としては、PCA−1のタンパク質コード領域の塩基配列、PCA−1遺伝子のエクソン領域の塩基配列が挙げられる。
被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度の解析は、自体公知のいずれの方法を用いることができる。
例えば、被検者由来のポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列を決定してもよい。また、当該分野で塩基の変化を検出するために現在使用されているあらゆる方法、例えば、RFLP法、TaqMan試験、オリゴヌクレオチドリガーゼ法、一重鎖コンホメーション多形性、鋳型核酸のオリゴヌクレオチドアレーへのハイブリダイゼーションに基づく試験法、変性グラジェントゲル電気泳動法、PCR−SSPC法、サザンブロット法、ノザンブロット法、ASO法、ミスマッチプライマーを用いるARMS法等も用いることができる。あるいは、将来開発される方法も、上記比較による変異の存否の解析方法に用いることができる。好ましくは、被検者由来のポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列を決定する。
被検者由来のポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列を決定するにあたっては、まず被検者よりポリヌクレオチドを単離又は精製する。当該ポリヌクレオチドは、好ましくは、当該被検者由来のPCA−1遺伝子を含む。
当該ポリヌクレオチドは、当該被検者由来の試料、例えば、組織、細胞、液体成分等から単離又は精製される。
組織としては、特に限定されないが、例えば、前立腺、毛髪、皮膚等が挙げられ、好ましくは前立腺である。
細胞には、被検者から分離され培養されていない細胞、生体から分離され培養された細胞いずれもが含まれる。例えば血液細胞、前立腺由来細胞等が挙げられ、好ましくは前立腺由来細胞である。
液体成分としては、例えば、血液、***、唾液、尿、汗等が挙げられる。
ポリヌクレオチドとしては、例えば、DNA(染色体DNA、cDNA等)及びRNA(total RNA、mRNA、cRNA等)が挙げられ、好ましくは染色体DNA、total RNAまたはmRNAである。
ポリヌクレオチドは自体公知の方法により単離又は精製することができる。
染色体DNAの単離又は精製には、例えば、プロテイナーゼK/フェノール抽出法、プロテイナーゼK/フェノール/クロロホルム抽出法、アルカリ溶解法、ボイリング法等を用いることができる。
また、total RNAの単離又は精製には、例えばグアニジン−塩化セシウム超遠心法、AGPC法(Acid guanidinium−Phenol−Chloroform法)等を用いることができる。あるいは、TRIzol(Life Technologies,Inc.製)、Isogen(ニッポンジーン社製)等の市販のキットを用いることもできる。
mRNAの単離又は精製は、精製されたtotal RNAをオリゴdTカラム等に供することによって達成することができる。
ポリヌクレオチドがRNA、特にtotal RNA、mRNAである場合は、逆転写酵素等を利用した自体公知の方法により、cDNAを合成することが好ましい。
当該ポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子の塩基配列の決定にあたっては、好ましくは、当該ポリヌクレオチドを鋳型として、ポリヌクレオチド中のPCA−1遺伝子を増幅する。鋳型とされるポリヌクレオチドは、特に限定されないが、好ましくは染色体DNA又はcDNAである。
遺伝子増幅の方法は、特に制限されないが、ポリメラーゼ連鎖反応法(polymerase chain reaction;PCR法)、LAMP(Loop−mediated isothermal amplification)(例えば、WO 00/28082参照)、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)(例えば、WO 00/56877参照)、自己持続的配列複製(Guatelliら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878)、転写増幅系(Kwohら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173〜1177)、Q−βレプリカーゼ(Lizardiら(1988)Bio/Technology 6:1197)等が例示され、いずれも用いることが可能であるが、PCR法が簡便であり好ましい。PCR技術の一般的使用についての参考文献は、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263,(1987),Ehrlich(ed),PCR technology,Stockton Press,NY,1989,Ehrlich et al.,Science,252:1643−1650(1991),PCR protocols;A Guide to Methods and Applications,Eds.Innis et al.,Academic Press,New York,(1990)等に詳しい。
PCR法によるPCA−1遺伝子の増幅において用いられるポリメラーゼとしては、当業者が通常用いるTaqポリメラーゼ等をいずれも用いることが可能であるが、好ましくは比較的フィデリティの高いポリメラーゼ、例えばKOD Plus(TOYOBO社製)等が用いられる。
PCR法によるPCA−1遺伝子の増幅においては、当該遺伝子の増幅を可能とするようなオリゴヌクレオチドプライマー対を用いる。当該プライマー対は、例えば配列番号1の塩基配列等の本明細書中の情報や、ジーンバンクアクセッション番号NT_009237(NCBIホームページ)等に開示されたヒト第11番染色体のp11の領域の塩基配列等に基づき、Oligo 4.0.6(National Bioscience社製、Plymouth MN)等の適切なプログラム等を用いて、当業者が適切に設計することが可能である。
PCRにおける鋳型が、cDNAである場合には、当該プライマー対が設定される領域は特に限定されないが、当該プライマー対は、好ましくは、配列番号1において、第426番目のグアニン、第429番目のシトシン、第494番目のグアニン、第528番目のシトシン、第568番目のチミン、第623番目のグアニン、第815番目のグアニン、第836番目のチミン、第1090番目のシトシン、第1105番目のアデニン、第1132番目のグアニン、第1187番目のアデニン、第1189番目のアデニン、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの残基からなる群から選択される少なくとも1つ、より好ましくは2つ以上、最も好ましくは全ての残基を増幅しうるように、設定される。
また、PCRにおける鋳型が染色体DNAである場合には、当該プライマー対が設定される領域は特に限定されないが、当該プライマー対は、好ましくは、エクソン領域を増幅し得るように設定され、より好ましくは、上述の残基に対応する染色体DNA上の残基を少なくとも1つ、更に好ましくは2つ以上、最も好ましくは全て増幅しうるように設定される。複数のプライマー対を設定してもよい。
プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの大きさは、適宜選択することが可能であるが、通常10〜100bp、好ましくは12〜50bp、より好ましくは15〜30bpである。
プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドのGC含量は、適宜設定することが可能であるが、通常20〜80%、好ましくは30〜70%、より好ましくは40〜60%の範囲である。
プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドのTm値は、通常60±20℃の範囲に設定される。Tm値はバッファー中の塩濃度等に依存して異なるが、自体公知の方法、例えばnearest neighbor法(例えば「Biochemistry,35,3555−3562,1996」など参照)等により算出することが出来る。
オリゴヌクレオチドは、天然に存在するもの又は合成されたもののいずれでもよいが、ホスホトリエチル法、ホスホジエステル法等により、通常用いられる核酸自動合成装置を利用して合成することが可能である。
当該プライマーは、増幅産物の大きさが通常50〜30000bp程度となるように設定される。増幅効率等を考慮すると、増幅産物の大きさが、好ましくは、50〜3000bp程度、より好ましくは100〜2000bp程度となるように設定される。
好ましいプライマー対としては、例えば、
プライマー1:CTGAAAGCTCGGAGCAGAAGC (配列番号4)
プライマー2:GGTCTACTGTGGGAACAG (配列番号5)
からなるプライマー対等が挙げられる。
増幅されたPCA−1遺伝子は、周知の方法により塩基配列が決定される。好ましい方法としては、Sanger等の方法を用いた鋳型ポリメラーゼ生成複写物への末端ヌクレオチドの取込みに基づくものが挙げられる。また、代替法としては、例えば、アダプター配列決定(PCT/US95/12678)、連結に基づく配列決定(PCT/US96/05245)、ハイブリダイゼーションによる配列決定(A.D.Mirzabekov、TIBTech12:27−32、1994)等が挙げられる。
決定された塩基配列に基づいて、当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度が解析される。
上記増幅において用いた鋳型が染色体DNAである場合には、好ましくは、決定された塩基配列中のPCA−1遺伝子のエクソン領域に含まれる塩基配列を、正常PCA−1遺伝子のcDNA塩基配列中の対応塩基配列と比較する。また、上記増幅において用いた鋳型がcDNAである場合には、決定された塩基配列と正常PCA−1遺伝子のcDNA塩基配列中の対応塩基配列とを比較する。
被検者由来のPCA−1遺伝子に変異が検出された場合、即ち解析した被検者由来のPCA−1遺伝子において、正常PCA−1遺伝子とは異なる残基が1塩基またはそれ以上検出された場合は、当該被検者は、前立腺癌を発症している危険がある(又は高い)又は発症する危険がある(又は高い)と判断する。逆に、被検者由来のPCA−1遺伝子に変異が検出されない場合、当該被検者は前立腺癌を発症している危険がない(又は低い)又は発症する危険がない(又は低い)と判断する。
また、本発明の方法においては、変異の程度が大きいほど、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険が高くなると判断することができる。「変異の程度」とは、例えば変異部位の数、変異に係る塩基の長さ等をいう。
また、PCA−1遺伝子の変異は、被検者由来のPCA−1遺伝子の対立遺伝子のどちらか一方に存在すれば、当該被検者が前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険があると判断するが、対立遺伝子の双方に変異がある場合は、一方のみに変異がある場合と比較してより危険がある(又は高い)と判断することができる。
また対立遺伝子間に優劣がある場合には、優勢遺伝子に変異がある場合は、劣勢遺伝子に変異がある場合と比較してより危険がある(又は高い)と判断することができる。
また、本発明の方法は、他の前立腺癌の診断方法等と組合せて用いることにより、判定の精度を向上させることができる。他の前立腺癌の診断方法としては、触診検査、血清中等の前立腺特異抗原(PSA)濃度を用いる方法、前立腺針生検サンプルを用いた病理検査、超音波検査、MRI、CT、骨シンチ等が挙げられる。また、PCA−1遺伝子が前立腺癌組織において発現が向上していることを指標とした検査方法(非特許文献1参照)とも、本発明の方法を組合せて用いることができる。
上記PCA−1遺伝子の変異の部位は、特に限定されない。
染色体DNAにおいては、PCA−1遺伝子をコードする領域(例えばエンハンサー領域、プロモーター領域、エクソン領域、イントロン領域等)のいずれであってもよいが、好ましくはエクソン領域又はイントロン領域であり、より好ましくはエクソン領域である。
cDNA、mRNAにおいては、当該PCA−1遺伝子の変異の部位は、好ましくはタンパク質コード領域である。
上記PCA−1遺伝子の変異の種類は、特に限定されず、例えばミスセンス変異、ナンセンス変異又はサイレント変異等の置換による変異、欠失、挿入等により生じるフレームシフト変異などが挙げられるが、好ましくは変異はミスセンス変異、ナンセンス変異、サイレント変異及び欠失により生じるフレームシフトからなる群から選択される。
PCA−1遺伝子のミスセンス変異におけるアミノ酸変異の態様は、特に限定されない。好ましくは、ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニン、第8番目のアラニン、第30番目のアラニン、第41番目のスレオニン、第73番目のアスパラギン酸、第137番目のグリシン、第144番目のセリン、第228番目のアスパラギン酸、第233番目のグルタミン酸、及び第261番目のリジンからなる群から選択されるアミノ酸残基の変異をもたらす変異である。
この場合、当該置換後のアミノ酸の種類は、特に限定されない。好ましくは、ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニンのロイシンへの変異、第8番目のアラニンのバリンへの変異、第30番目のアラニンのスレオニンへの変異、第41番目のスレオニンのイソロイシンへの変異、第73番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異、第137番目のグリシンのアルギニンへの変異、第144番目のセリンのプロリンへの変異、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である。
より好ましくは、当該ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの脱アルキル化酵素活性部位(PCA−1ポリペプチドの第172〜279番目のアミノ酸残基に相当)におけるアミノ酸の変異、即ち、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である。
更に好ましくは、当該ミスセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異をもたらす変異である。
上記ミスセンス変異においては、変異後のアミノ酸をコードする塩基配列は特に限定されない。好ましくは、当該ミスセンス変異は、PCA−1遺伝子の、第426番目のグアニンのチミンへの変異、第429番目のシトシンのチミンへの変異、第494番目のグアニンのアデニンへの変異、第528番目のシトシンのチミンへの変異、第623番目のグアニンのアデニンへの変異、第815番目のグアニンのアデニンへの変異、第836番目のチミンのシトシンへの変異、第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である。
PCA−1遺伝子のナンセンス変異におけるアミノ酸変異の態様は、特に限定されないが、当該ナンセンス変異は、PCA−1ポリペプチドの第261番目のリジンのストップコドンへの変異をもたらす変異が好ましい。
当該ナンセンス変異においては、変異後のストップコドンをコードする塩基配列は特に限定されない。好ましくは、当該ナンセンス変異は、PCA−1遺伝子塩基配列の第1187番目のアデニンのチミンへの変異である。
PCA−1遺伝子のサイレント変異における変異部位は、特に限定されないが、当該サイレント変異は、好ましくは、PCA−1遺伝子の第568番目のチミン、第1132番目のグアニンからなる群から選択される残基における変異であり、より好ましくは、第1132番目のグアニンにおける変異である。
当該サイレント変異においては、変異後の塩基は特に限定されない。好ましくは、当該サイレント変異は、PCA−1遺伝子の、第568番目のチミンのシトシンへの変異、及び第1132番目のグアニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である。
PCA−1遺伝子の欠失において、欠失される塩基の数、位置等は特に限定されない。好ましくは、欠失は一つ又は複数個のエクソン領域の欠失であり、より好ましくは、欠失は一つのエクソン領域の欠失である。
欠失されるエクソン領域は、特に限定されないが、ヒトPCA−1遺伝子の場合、好ましくは、エクソン7(配列番号1における第777番目−第865番目の残基)である。
当該欠失は、PCA−1ポリペプチドの、第124番目からのアミノ酸の置換をもたらすと共に、第136番目のアミノ酸のストップコドンへの置換をもたらすので、第135番目のアミノ酸まででタンパク質翻訳が終止される。
また、本発明は、配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、第568番目のチミンのシトシンへの置換、第1132番目のグアニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列を含むポリヌクレオチドに関する。好ましくは、当該ポリヌクレオチドは、配列番号1と比較して、上記群から選択される1以上の置換を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
また、上記ポリヌクレオチドの一部であって、配列番号1と比較して、上記群から選択される1以上の置換又は欠失を有するポリヌクレオチドも本発明に包含される。当該ポリヌクレオチドの一部の長さは少なくとも10bp以上、好ましくは30bp以上である。
上記本発明のポリヌクレオチドは、ヒトPCA−1遺伝子の変異の解析において、例えばミスマッチプライマーやミスマッチプローブ等の試薬として、あるいは変異を有するPCA−1遺伝子を含むことが既に明らかとなっているポリヌクレオチドコントロールとして有用である。
また、本発明のポリヌクレオチドを機能的に挿入した適当な発現ベクターを、前立腺癌細胞等の宿主細胞に導入し、変異を有するPCA−1ポリペプチドを発現させた後に、当該宿主細胞を解析すること等で、PCA−1遺伝子の変異と前立腺癌との関連について研究することができる。従って、本発明のポリヌクレオチドは、前立腺癌研究用試薬として有用である。
本発明のポリヌクレオチドは好ましくは単離され又は精製されている。
また、本発明は、配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。好ましくは、当該ポリペプチドは、配列番号1と比較して、上記群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
また、上記ポリペプチドの部分であって、上記群の置換又は欠失により置換されたアミノ酸を少なくとも1つ含むポリペプチドも本発明に包含される。当該部分ポリペプチドの長さは少なくとも6アミノ酸以上、好ましくは8アミノ酸以上である。
本発明のポリペプチドは好ましくは単離され又は精製されている。
本発明のポリペプチドは、上記の変異を有するヒトPCA−1のポリペプチドを免疫特異的に認識する抗体の製造のための免疫原として有用である。本発明は当該抗体にも関する。
「免疫特異的」とは、当業者が通常抗体を使用する条件において、その抗体が他のポリペプチドに対するその親和性よりも特定のポリペプチドに対して、実質的に高い親和性を示すことを意味する。本発明において「他のポリペプチド」としては、例えば正常ヒトPCA−1ポリペプチド等が挙げられる。
抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)等の天然型抗体、遺伝子組換技術を用いて製造され得るキメラ抗体、ヒト化抗体や一本鎖抗体、ヒト抗体産生トランスジェニック動物等を用いて製造され得るヒト抗体、Fab発現ライブラリーによって作製された抗体断片、およびこれらの結合性断片が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体およびこれらの結合性断片である。
結合性断片とは、前述の抗体の一部分の領域を意味し、具体的には例えばF(ab’)2、Fab’、Fab、Fv(variable fragment of antibody)、sFv、dsFv(disulphide stabilised Fv)、dAb(single domain antibody)等が挙げられる(Exp.Opin.Ther.Patents,Vol.6,No.5,p.441−456,1996)。
抗体のクラスは、特に限定されず、IgG、IgM、IgA、IgDあるいはIgE等のいずれのアイソタイプを有する抗体をも包含する。好ましくは、IgGまたはIgMであり、精製の容易性等を考慮するとIgGがより好ましい。
本発明の抗体は、慣用のプロトコールを用いて、マウス、ウサギ等の哺乳動物(好ましくはヒト以外の哺乳動物)に当該ポリペプチド等を投与すること等により得られる。
モノクローナル抗体の調製には、ケーラー及びミルシュタインらの方法(Nature,Vol.256,p.495−497,1975)及びそれに準じる修飾方法に従って行うことができる。本発明のポリペプチドに特異的に反応する抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングにおいては、本発明のポリペプチドに含まれる変異部位が、正常PCA−1のアミノ酸に置換された対応コントロールペプチドを用い、本発明のポリペプチドには反応するが、対応コントロールペプチドには反応しないクローンを選択することができる。
ポリクローナル抗体の調製は、好ましくは、本発明のポリペプチドを免疫した動物の血清を本発明のポリペプチドを結合させたカラム等によって精製される。更に好ましくは、より特異性を高めるために、上記対応コントロールペプチドを結合させたカラムを用いて正常ヒトPCA−1に反応しうる画分が除去される。
本発明の抗体は、好ましくは、飽和硫酸アンモニウム、ユーグロブリン沈澱法、カプロイン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAEまたはDE52等)、抗イムノグロブリンカラムあるいはプロテインAカラム、免疫原を架橋させたカラム等を用いたアフィニティカラムクロマトグラフィーにより単離又は精製される。
本発明の抗体は変異を有するヒトPCA−1ポリペプチドを免疫特異的に認識するので、例えばウェスタンブロット法、免疫組織染色、ELISA法、RIA法、表面プラズモン共鳴法、プロテインチップ等により、被検者由来のPCA−1遺伝子が変異を有するか否かを解析することが可能である。
本発明の前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法は、上記抗体を用いた方法をも包含する。
また、本発明は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するためのキットであって、PCA−1遺伝子変異解析用試薬を含むキットに関する。
当該キットには、好ましくは、当該PCA−1遺伝子変異解析用試薬は、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するために使用できる、又は使用すべきであることを記載した記載物が更に含まれる。
PCA−1遺伝子変異解析用試薬は、本発明の方法に使用されるあらゆる試薬のいずれであってもよい。例えば、PCA−1遺伝子の増幅に用いられるオリゴヌクレオチドプライマー対、正常PCA−1遺伝子を含むことが既に明らかとなっている単離され又は精製されたポリヌクレオチド、変異を有するPCA−1遺伝子を含むことが既に明らかとなっている単離され又は精製されたポリヌクレオチド、変異を有するヒトPCA−1ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
化学療法又はホルモン療法をこれまでに受けたことのない前立腺癌患者4人の術後標本より、病理組織学的に癌部およびその周辺非癌部にわけ組織標本を採取した。またヒト前立腺癌細胞株(PC−3,DU145,LN−CaP)も使用した。
採取された組織ならびに細胞は凍結し、total RNA抽出に供した。凍結した検体はTRIzol試薬(Life Technologies,Inc.製,Rockville,MD,USA)中でホモジナイズし、製造業者提供のプロトコールに従ってtotal RNAを単離した。混入された可能性のあるDNAはRNase−free DNaseI(和光純薬株式会社製)処理により除去した。total RNA(5μg)、オリゴdTプライマー及びAMV逆転写酵素(Life Technologies,Inc.製)を用いて逆転写反応を行った。得られたcDNAの一部を用いて、PCRによりPCA−1遺伝子を増幅した。用いたPCR用反応混合液の組成は、25μlPCRバッファー中に、上記cDNA(20ng)、KOD dash(TOYOBO社製)、dNTP(各0.2M)、10x KOD dash buffer(2.5μl)、プライマー1(配列番号4:0.2μM)、プライマー2(配列番号5:0.2μM)である。反応はDNAサーマルサイクラー(DNA Thermall Cycler 460,PerkinElmer Inc.社製)を用いて、95℃ 30秒間、60℃ 30秒間、72℃ 1分30秒間を35サイクル、最後に72℃10分間の条件で行った。反応混合液をアガロースゲル電気泳動に供し、増幅産物を分離した。増幅産物を含むバンドを単離し、Concert(Life Technologies,Inc.社製)により増幅産物を精製した。増幅産物をpT7−vector(Novagen社製)にサブクローニングし、PRISM 310 DNA sequencer(PerinElmer社製)により塩基配列を決定した。
決定された塩基配列を配列番号1の塩基配列と比較し、また決定された塩基配列から予想されるアミノ酸配列と配列番号2の配列とを比較し、変異の有無を解析した。表1に結果を示す。
プライマー1(配列番号4):CTGAAAGCTCGGAGCAGAAGC (配列番号1における第373番目〜第393番目の残基に対応)
プライマー2(配列番号5):GGTCTACTGTGGGAACAG (配列番号1における第1442番目〜第1459番目の残基に対応)
表1中、「Ala30Thr」は「第30番目のアラニンのスレオニンへの変異」を意味する。「Lys261*」は「第261番目のリジンのストップコドンへの変異」を意味する。「T568C」は「第568番目のチミンのシトシンへの変異」を意味する。「del(777−865)」は「第777番目−第865番目の残基の欠失」を意味する。
また検体番号1〜4は前立腺癌患者の癌部を、検体番号5はLN−CaP細胞を、検体番号6はPC−3細胞を、検体番号7はDU145細胞をそれぞれ示す。
表1から明らかなように、全ての前立腺癌の検体において、PCA−1遺伝子の変異が認められた(前立腺癌患者:4/4、前立腺癌細胞株:3/3)。変異の箇所、種類は多様であったが、G1132Tの変異が全ての前立腺癌患者において確認され(4/4)、またAsp228Gluのアミノ酸置換を伴うC1090Gの変異が全ての前立腺癌細胞株(3/3)において確認された。第261番目のリジンにおける変異も比較的高頻度に認められた(2/7)。複数の変異を有する検体がほとんどであった(前立腺癌患者:4/4、前立腺癌細胞株:2/3)。
また、PCA−1の脱アルキル化酵素活性部位のアミノ酸変異をもたらす変異が、極めて高頻度に確認された(前立腺癌患者:3/4、前立腺癌細胞株:3/3)。このことは、PCA−1遺伝子の変異によるPCA−1の脱アルキル化酵素活性の異常と前立腺癌の発症、進行等との関連を示唆する。
一方、非癌部においては上記PCA−1遺伝子の変異は認められなかった(3人中3人)。
採取された組織ならびに細胞は凍結し、total RNA抽出に供した。凍結した検体はTRIzol試薬(Life Technologies,Inc.製,Rockville,MD,USA)中でホモジナイズし、製造業者提供のプロトコールに従ってtotal RNAを単離した。混入された可能性のあるDNAはRNase−free DNaseI(和光純薬株式会社製)処理により除去した。total RNA(5μg)、オリゴdTプライマー及びAMV逆転写酵素(Life Technologies,Inc.製)を用いて逆転写反応を行った。得られたcDNAの一部を用いて、PCRによりPCA−1遺伝子を増幅した。用いたPCR用反応混合液の組成は、25μlPCRバッファー中に、上記cDNA(20ng)、KOD dash(TOYOBO社製)、dNTP(各0.2M)、10x KOD dash buffer(2.5μl)、プライマー1(配列番号4:0.2μM)、プライマー2(配列番号5:0.2μM)である。反応はDNAサーマルサイクラー(DNA Thermall Cycler 460,PerkinElmer Inc.社製)を用いて、95℃ 30秒間、60℃ 30秒間、72℃ 1分30秒間を35サイクル、最後に72℃10分間の条件で行った。反応混合液をアガロースゲル電気泳動に供し、増幅産物を分離した。増幅産物を含むバンドを単離し、Concert(Life Technologies,Inc.社製)により増幅産物を精製した。増幅産物をpT7−vector(Novagen社製)にサブクローニングし、PRISM 310 DNA sequencer(PerinElmer社製)により塩基配列を決定した。
決定された塩基配列を配列番号1の塩基配列と比較し、また決定された塩基配列から予想されるアミノ酸配列と配列番号2の配列とを比較し、変異の有無を解析した。表1に結果を示す。
プライマー1(配列番号4):CTGAAAGCTCGGAGCAGAAGC (配列番号1における第373番目〜第393番目の残基に対応)
プライマー2(配列番号5):GGTCTACTGTGGGAACAG (配列番号1における第1442番目〜第1459番目の残基に対応)
また検体番号1〜4は前立腺癌患者の癌部を、検体番号5はLN−CaP細胞を、検体番号6はPC−3細胞を、検体番号7はDU145細胞をそれぞれ示す。
表1から明らかなように、全ての前立腺癌の検体において、PCA−1遺伝子の変異が認められた(前立腺癌患者:4/4、前立腺癌細胞株:3/3)。変異の箇所、種類は多様であったが、G1132Tの変異が全ての前立腺癌患者において確認され(4/4)、またAsp228Gluのアミノ酸置換を伴うC1090Gの変異が全ての前立腺癌細胞株(3/3)において確認された。第261番目のリジンにおける変異も比較的高頻度に認められた(2/7)。複数の変異を有する検体がほとんどであった(前立腺癌患者:4/4、前立腺癌細胞株:2/3)。
また、PCA−1の脱アルキル化酵素活性部位のアミノ酸変異をもたらす変異が、極めて高頻度に確認された(前立腺癌患者:3/4、前立腺癌細胞株:3/3)。このことは、PCA−1遺伝子の変異によるPCA−1の脱アルキル化酵素活性の異常と前立腺癌の発症、進行等との関連を示唆する。
一方、非癌部においては上記PCA−1遺伝子の変異は認められなかった(3人中3人)。
正常PCA−1(PCA−1WT)遺伝子ならびに第777番目−第865番目の塩基を欠失したPCA−1(PCA−1Δ777−865)遺伝子を哺乳類発現ベクター(pEGFP)に組み込んだ。これらの発現ベクター(各5μg)をDEAE−Dextran法によりCOS−7細胞(1x106)にトランスフェクションした。コントロール群としては、空の発現ベクターを細胞にトランスフェクションした。トランスフェクション48時間目に、0.25mMメチルメタンスルホン酸(MMS)を加え、核酸のアルキル化傷害を誘発し、その24時間後に接着細胞数を測定した。結果を図1に示す。
図1から明らかなように、コントロール群ならびにPCA−1Δ777−865トランスフェクション群において、0.25mMのMMSによる核酸のアルキル化傷害にともなう約40%の細胞死が認められた。一方、PCA−1WTトランスフェクション群においては、MMS誘発アルキル化傷害が顕著にレスキューされた。この結果から、正常PCA−1はin vivoにおいて、アルキル化DNAの脱アルキル化活性を発現するが、PCA−1Δ777−865はその活性を欠失していることが示された。また、PCA−1の脱アルキル化酵素活性部位の変異は、脱アルキル化活性の異常をもたらし得ることが示された。
図1から明らかなように、コントロール群ならびにPCA−1Δ777−865トランスフェクション群において、0.25mMのMMSによる核酸のアルキル化傷害にともなう約40%の細胞死が認められた。一方、PCA−1WTトランスフェクション群においては、MMS誘発アルキル化傷害が顕著にレスキューされた。この結果から、正常PCA−1はin vivoにおいて、アルキル化DNAの脱アルキル化活性を発現するが、PCA−1Δ777−865はその活性を欠失していることが示された。また、PCA−1の脱アルキル化酵素活性部位の変異は、脱アルキル化活性の異常をもたらし得ることが示された。
本発明の前立腺癌の判定方法を用いれば、簡易かつ高感度に前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定することができるので、前立腺癌の診断、経過観察、予後の予測、発症前診断、保因者診断等に有効である。
本出願は、日本で出願された特願2004−47036を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含されるものである。
本出願は、日本で出願された特願2004−47036を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含されるものである。
配列番号4:PCA−1遺伝子を検出するためのPCRプライマーとして作用すべく設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号5:PCA−1遺伝子を検出するためのPCRプライマーとして作用すべく設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号5:PCA−1遺伝子を検出するためのPCRプライマーとして作用すべく設計されたオリゴヌクレオチド
Claims (19)
- 前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するための方法であって、以下の工程:
a)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;及び
b)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程;
を含む、方法。 - 変異がミスセンス変異、ナンセンス変異、サイレント変異及び欠失によるフレームシフト変異からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
- ミスセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第7番目のアルギニンのロイシンへの変異、第8番目のアラニンのバリンへの変異、第30番目のアラニンのスレオニンへの変異、第41番目のスレオニンのイソロイシンへの変異、第73番目のアスパラギン酸のアスパラギンへの変異、第137番目のグリシンのアルギニンへの変異、第144番目のセリンのプロリンへの変異、第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である、請求項2に記載の方法。
- ミスセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異、第233番目のグルタミン酸のアルパラギン酸への変異、及び第261番目のリジンのアスパラギンへの変異からなる群から選択されるアミノ酸の変異をもたらす変異である、請求項3に記載の方法。
- ミスセンス変異がPCA−1ポリペプチドの第228番目のアスパラギン酸のグルタミン酸への変異をもたらす変異である、請求項4に記載の方法。
- ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第426番目のグアニンのチミンへの変異、第429番目のシトシンのチミンへの変異、第494番目のグアニンのアデニンへの変異、第528番目のシトシンのチミンへの変異、第623番目のグアニンのアデニンへの変異、第815番目のグアニンのアデニンへの変異、第836番目のチミンのシトシンへの変異、第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、請求項3に記載の方法。
- ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、第1105番目のアデニンのチミンへの変異、及び第1189番目のアデニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、請求項6に記載の方法。
- ミスセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1090番目のシトシンのグアニンへの変異、である、請求項7に記載の方法。
- ナンセンス変異が、PCA−1ポリペプチドの第261番目のリジンのストップコドンへの変異をもたらす変異である、請求項2に記載の方法。
- ナンセンス変異が、PCA−1遺伝子の第1187番目のアデニンのチミンへの変異である、請求項9に記載の方法。
- サイレント変異が、PCA−1遺伝子の第568番目のチミンのシトシンへの変異、及び第1132番目のグアニンのチミンへの変異からなる群から選択される変異である、請求項2に記載の方法。
- サイレント変異が、PCA−1遺伝子の第1132番目のグアニンのチミンへの変異である、請求項11に記載の方法。
- 欠失が、PCA−1遺伝子の第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの残基の欠失である、請求項2に記載の方法。
- 以下の工程を含む、請求項1に記載の方法:
a)当該被検者からポリヌクレオチドを単離又は精製する工程;
b)当該ポリヌクレオチドからPCA−1遺伝子を増幅する工程;
c)増幅されたPCA−1遺伝子の塩基配列を決定する工程;
d)当該被検者由来のPCA−1遺伝子の変異の有無又は程度を解析する工程;
e)PCA−1遺伝子の変異の有無又は程度により、当該被検者が前立腺癌を発症している危険又は発症する危険の有無又は程度を判断する工程。 - 配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、第568番目のチミンのシトシンへの置換、第1132番目のグアニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列を含むポリヌクレオチド。
- 配列番号1と比較して、第426番目のグアニンのチミンへの置換、第429番目のシトシンのチミンへの置換、第494番目のグアニンのアデニンへの置換、第528番目のシトシンのチミンへの置換、第623番目のグアニンのアデニンへの置換、第815番目のグアニンのアデニンへの置換、第836番目のチミンのシトシンへの置換、第1090番目のシトシンのグアニンへの置換、第1105番目のアデニンのチミンへの置換、第1189番目のアデニンのチミンへの置換、第1187番目のアデニンのチミンへの置換、及び第777番目のアデニンから第865番目のシトシンまでの配列の欠失からなる群から選択される1以上の置換又は欠失を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
- 請求項16のポリペプチドを免疫特異的に認識する抗体。
- 前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するためのキットであって、PCA−1遺伝子変異解析用試薬を含む、キット。
- PCA−1遺伝子変異解析用試薬が、前立腺癌を発症している危険がある又は発症する危険がある被検者を判定するために使用できる、又は使用すべきであることを記載した記載物を更に含む、請求項18に記載のキット。
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