JPWO2005055831A1 - 超音波診断装置及び超音波診断方法 - Google Patents
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Abstract
駆血解除後の血管内皮反応診断において、血管壁の内中膜領域の弾性率変化を、超音波を用いて高精度測定することにより、高感度な血管内皮機能診断が可能である超音波診断装置及び超音波診断方法を提供する技術が開示され、その技術によれば血管壁4の弾性率を求める演算部19と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの血管壁の弾性率の時間変化を記憶する演算データ記憶部20、又は血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部21の少なくともどちらか1つを備える。
Description
本発明は、超音波を用いて血管壁組織性状を診断する超音波診断方法及び超音波診断装置に関する。
近年、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系疾病を患う人々が増加してきており、このような疾病の予防及び治療を行うことが大きな課題となっている。
心筋梗塞や脳梗塞の発病には、動脈硬化が深く関係している。具体的には、動脈壁に粥腫が形成されたり、高血圧等の種々の要因によって動脈の新しい細胞が作られなくなったりすると、動脈は弾力性を失い、硬く、脆くなる。そして、粥腫が形成された部分において血管が閉塞したり、粥腫を覆う血管組織が破裂することにより粥腫が血管内へ流出し、別の部分において動脈を閉塞させたり、動脈の硬化した部分が破裂したりすることによって、これらの疾病が引き起こされる。このため、動脈硬化を早期に診断することがこれらの疾病予防や治療には重要となる。
心筋梗塞や脳梗塞の発病には、動脈硬化が深く関係している。具体的には、動脈壁に粥腫が形成されたり、高血圧等の種々の要因によって動脈の新しい細胞が作られなくなったりすると、動脈は弾力性を失い、硬く、脆くなる。そして、粥腫が形成された部分において血管が閉塞したり、粥腫を覆う血管組織が破裂することにより粥腫が血管内へ流出し、別の部分において動脈を閉塞させたり、動脈の硬化した部分が破裂したりすることによって、これらの疾病が引き起こされる。このため、動脈硬化を早期に診断することがこれらの疾病予防や治療には重要となる。
従来、動脈硬化病変の診断は、血管カテーテルを用いて血管内部の様子を直接観察することによって行われていた。しかし、この診断には、血管カテーテルを血管に挿入する必要があるため、患者への負荷が大きいという問題があった。このため、血管カテーテルによる観察は、動脈硬化病変が存在していることが確かである患者に対して、その場所を特定するために用いられ、例えば、健康管理のための検査として、この方法が用いられることはなかった。
動脈硬化の一因であるコレステロール値を測定したり、血圧値を測定したりすることは、患者への負担が少なく、容易に行うことのできる検査である。しかし、これらの値は、動脈硬化の度合いを直接示すものではない。
動脈硬化の一因であるコレステロール値を測定したり、血圧値を測定したりすることは、患者への負担が少なく、容易に行うことのできる検査である。しかし、これらの値は、動脈硬化の度合いを直接示すものではない。
また、動脈硬化を早期に診断して、動脈硬化の治療薬を患者に対して投与することができれば、動脈硬化の治療に効果を発揮する。しかし、動脈硬化が進行してしまうと、治療薬によって動脈硬化の進展を抑制することはできても、硬化した動脈を完全に回復させることは難しいと言われている。
こうした理由から、患者への負担が少なく、動脈硬化が進行する前に早期段階で診断する診断方法あるいは診断装置が求められている。
こうした理由から、患者への負担が少なく、動脈硬化が進行する前に早期段階で診断する診断方法あるいは診断装置が求められている。
一方、患者への負担が少ない医療診断装置として、超音波診断装置が従来より用いられている。超音波診断装置を用いて超音波を体外から照射することによって、患者に苦痛を与えることなく、体内の形状情報、運動情報あるいは質情報を得ることができる。
特に超音波による計測を行えば、測定対象物の運動情報が得られるため、変位量から、測定対象物の弾性特性を求めることができる。つまり、生体内の血管の弾性特性を求めることができ、動脈硬化の度合いを直接知ることが可能となる。また、患者に超音波プローブをあてるだけで測定できるため、患者への負担も少ない。このため、超音波診断装置を用いれば、動脈硬化の正確な診断も可能であるし、予防のための検診を被験者に対して負担を与えずに行うことが期待される。
特に超音波による計測を行えば、測定対象物の運動情報が得られるため、変位量から、測定対象物の弾性特性を求めることができる。つまり、生体内の血管の弾性特性を求めることができ、動脈硬化の度合いを直接知ることが可能となる。また、患者に超音波プローブをあてるだけで測定できるため、患者への負担も少ない。このため、超音波診断装置を用いれば、動脈硬化の正確な診断も可能であるし、予防のための検診を被験者に対して負担を与えずに行うことが期待される。
しかし、従来用いられている超音波診断装置は、例えば胎児の形状を観察したり、胎児の心音を聴診したりする超音波診断装置に代表されるように、形状情報や運動情報の分解能はそれほど高くない。このため、従来の超音波診断装置を用いて、心拍に合わせて伸縮する動脈の弾性特性を求めることは不可能であった。例えば、下記の特許文献1に示されているもののように、測定対象の変位計測精度が十分ではないものが多かった。
近年、エレクトロニクス技術の進歩によって、超音波診断装置の測定精度を飛躍的に向上させることも可能になってきた。これに伴って、生体組織の微小運動を計測する超音波診断装置の開発が進んでいる。例えば、下記の特許文献2は、検波信号の振幅及び位相の両方を用い、制約付最小二乗法によって対象の瞬時の位置を決定し、高精度な位相のトラッキングを実現する超音波診断装置を開示している。この装置は、拍動により大きく動いている組織上の微小振動を計測することができる。特許文献2によれば、振幅が10mm以上ある拍動に伴う大振幅変位運動上の数百Hzまでの微小振動を拍動が10回程度繰り返されても十分再現性よく計測することができる。
特許文献2に記載されている装置は、数百Hzまでの高い周波数成分を再現性よく計測でき、超音波ビームを集束させることによって心筋や動脈壁上の直径1〜2mm程度の領域の弾性特性を得ることができる。また、一心拍中、あらゆる時相の成分の超音波信号が得られ、その信号の周波数スペクトル解析が可能である等の優れた特徴を備えていると報告されている。
したがって、この公報の技術を用いた超音診断装置によれば、たとえば、健康診断などにおいて、被験者に負担を与えることなく、経時的に動脈硬化の進行度合いを調べ、動脈硬化による疾病を予防することが可能になると期待される。また、動脈の微小領域における弾性特性を測定することによって、血管破裂が生じ易い部位を特定し、その部位を治療することが可能になると期待される。
ところで、すべての血管の内側には一層の細胞からなる内皮が存在している。この内皮細胞は、血流により生ずる機械的応力(ずり応力)に反応して様々な生理反応を示すが、その1つとして一酸化窒素(NO)の産生がある。NOはNO合成酵素により産生・放出され、内皮由来血管弛緩因子(EDRF)として血管壁中膜の平滑筋を弛緩、すなわち柔らかくすることが知られている。また、この血管内皮細胞が有する機能は内皮依存性血管拡張反応(EDR)と呼ばれている。
ところで、すべての血管の内側には一層の細胞からなる内皮が存在している。この内皮細胞は、血流により生ずる機械的応力(ずり応力)に反応して様々な生理反応を示すが、その1つとして一酸化窒素(NO)の産生がある。NOはNO合成酵素により産生・放出され、内皮由来血管弛緩因子(EDRF)として血管壁中膜の平滑筋を弛緩、すなわち柔らかくすることが知られている。また、この血管内皮細胞が有する機能は内皮依存性血管拡張反応(EDR)と呼ばれている。
一方、高血圧症、高脂血症、喫煙、糖尿病などの危険因子は、血管内皮細胞の機能を低下させる。この機能低下が動脈硬化症の初期変化とも言われており、血管内皮細胞機能を診断することで動脈硬化症を早期に診断することができる。EDRを用いた血管内皮機能の診断方法として、駆血前後の動脈血管径の変化量を超音波を用いて測定する方法が下記の非特許文献1に記載されている。この方法は、上腕動脈をカフにて250mmHgで5分間駆血し、駆血を瞬時に解除した以降の血管径を数十秒のあいだ間欠的に測定し、血管径の増加率から血管内皮機能を診断する方法である。
特開昭62−266040号公報 特開平10−5226号公報 橋本正良、大内尉義、「血管伸展性検査」、日本医師会雑誌、第120巻第8号、1998年10月15日発行、頁S93−S96
非特許文献1に記載された方法では、血管径の測定は、血管長軸断面画像において前壁及び後壁の中膜と外膜との中間点であるmライン間距離を0.1mm単位で読み取り、4個から6個の測定値の平均を求め、これを測定値としている。男性被験者9名に対して実施された測定結果を、図6に示す。四角いプロットは右前腕部駆血解除後の上腕動脈の血流増加量を、丸いプロットは上腕動脈血管径の安静時に対する増加率をそれぞれ示している。またグラフの横軸は駆血解除後の経過時間を示し、左の縦軸は血流増加量を、右の縦軸は血管径増加率をそれぞれ示す。駆血解除後、血流量は一過性に増大し、その後経時的に減少する。駆血解除後の一過性血流増加が刺激となり、血管径は駆血解除後約45秒から60秒後に安静時と比較して有意に拡張していることがわかる。図6に示した結果では、増加率は6%程度であった。また、この方法にて1ヶ月後に再現性を試みた結果、増加率は10%程度(図示せず)であった。
この方法において血管径は0.1mm単位で測定されているが、上腕動脈血管径が約3mmであることを考えると、誤差は約3%と非常に大きい数値となる。すなわち、非特許文献1に記載された方法には、測定精度における課題が存在している。
さらにこの方法は、血管中膜の直径を測定する方法であるため、血管内皮反応診断において重要である血管壁の厚み変化量だけでなく、血液部の直径変化量を含んだ値を測定してしまうことになる。すなわち、非特許文献1に記載された方法には、測定感度にも課題が存在している。
さらにこの方法は、血管中膜の直径を測定する方法であるため、血管内皮反応診断において重要である血管壁の厚み変化量だけでなく、血液部の直径変化量を含んだ値を測定してしまうことになる。すなわち、非特許文献1に記載された方法には、測定感度にも課題が存在している。
以上に鑑み、本発明は、駆血解除後の血管内皮反応による血管壁の弾性率変化を超音波を用いて高精度に測定することで、高感度な血管内皮機能診断が可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波距離測定装置は、生体組織内へ超音波送信波を送信するための超音波送信部と、前記生体組織内に存する血管壁からの超音波エコーを受信するための超音波受信部と、前記超音波エコーを位相検波する位相検波部と、前記位相検波部にて得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置のうちの任意の2つの位置間の厚み変化量を前記位相検波信号から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求める演算部と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶する記憶部、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部の少なくともどちらか1つとを備える構成を有している。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
また、本発明の超音波距離測定装置は、生体組織内へ超音波送信波を送信するための超音波送信部と、前記生体組織内に存する血管壁からの超音波エコーを受信するための超音波受信部と、前記超音波エコーを位相検波する位相検波部と、前記位相検波部にて得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置の位置変位量を求め、前記複数の位置のうちの任意の二つの位置間の厚み変化量を前記二つの位置の位置変位量の差分から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求める演算部と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶する記憶部、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部の少なくともどちらか1つとを備える構成を有している。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
ある好ましい実施の形態において、前記演算部が、少なくとも中膜の一部を含んでいる血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記演算部が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記演算部が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
また、本発明の超音波距離測定装置は、超音波を送受信する送受信部と、受信した超音波エコーを位相検波する位相検波部と、位相検波した超音波エコーに基づいて血管壁の弾性率を演算する演算部とを備えた超音波診断装置を用い、血管壁を含む生体組織内へ超音波を送信し、前記超音波が前記血管壁において反射・散乱することにより得られる超音波エコーを受信するステップ(A)と、前記超音波エコーを位相検波するステップ(B)と、前記位相検波により得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置のうちの任意の2つの位置間の厚み変化量を前記位相検波信号から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求めるステップ(C)と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶するステップ(D)、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示するステップ(E)の少なくともどちらか1つとを包含する。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
また、本発明の超音波診断方法は、超音波を送受信する送受信部と、受信した超音波エコーを位相検波する位相検波部と、位相検波した超音波エコーに基づいて血管壁の弾性率を演算する演算部とを備えた超音波診断装置を用い、血管壁を含む生体組織内へ超音波を送信し、前記超音波が前記血管壁において反射・散乱することにより得られる超音波エコーを受信するステップ(A)と、前記超音波エコーを位相検波するステップ(B)と、前記位相検波により得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置の位置変位量を求め、前記複数の位置のうちの任意の二つの位置間の厚み変化量を前記二つの位置の位置変位量の差分から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求めるステップ(C)と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶するステップ(D)、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示するステップ(E)の少なくともどちらか1つとを包含する。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
ある好ましい実施の形態において、前記弾性率を求めるステップ(C)が、少なくとも中膜の一部を含んでいる血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記弾性率を求めるステップ(C)が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記弾性率を求めるステップ(C)が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
本発明は、駆血解除後の血管内皮反応による血管壁の弾性率変化を超音波を用いて高精度に測定することにより、高感度な血管内皮機能診断が可能となる効果を有する超音波診断装置を提供することができるものである。
本発明の超音波診断装置は測定対象物の各部の運動速度や各微小な領域における伸縮量及び弾性率を測定する。測定対象物自体は移動しない。本発明の超音波診断装置は、特に生体の各部の弾性率を計測するのに適しており、空間分解能も高いため、血管壁の伸縮量や弾性率の計測に好適に用いることができる。以下、血管壁の伸縮量や弾性率を計測する場合を例にとり、本発明の超音波診断装置を説明する。
以下、本発明による超音波診断装置の一実施の形態を概略的に説明する。図1は、超音波診断装置11を用いた血管壁組織性状診断の構成を示すブロック図である。超音波診断装置11に接続された超音波プローブ13は被験者の体表2に密着するよう設置され、体組織1の内部へ超音波を送信する。送信された超音波は血管3にて反射・散乱し、その一部が超音波プローブ13へ戻り、エコーとして受信される。超音波診断装置11は、受信信号の解析・演算を行い、血管壁4の有する特性を求める。また、超音波診断装置11には血圧計12が接続されており、血圧計12が測定した被験者の血圧データは超音波診断装置11へと入力される。超音波診断装置11は、特許文献2に開示されている方法によって、検波信号の振幅及び位相の両方を用い、制約付最小二乗法によって対象の瞬時の位置を決定し、高精度(位置変化量の測定精度は±0.2ミクロン)な位相トラッキングを行うことにより、血管壁4の厚み変化を十分な精度で測定することができる。さらに、血圧計12から得た血圧データを用いることで、血管壁4の弾性率を求めることができる。
次に、超音波診断装置11の構成とその動作について図を用いて詳細に説明する。図2は、超音波診断装置11の構成を示すブロック図である。超音波診断装置11は、送信部14、受信部15、遅延時間制御部16、位相検波部17、フィルタ部18、演算部19、演算データ記憶部20、表示部21を含む。送信部14は、所定の駆動パルス信号を超音波プローブ13に与える。駆動パルスにより超音波プローブ13から送信される超音波送信波は、血管壁4等の組織において反射・散乱し、生じた超音波反射波が超音波プローブ13で受信される。超音波プローブ13により受信された超音波反射波は、受信部15において増幅される。受信部15はA/D変換部を含み、受信部15において増幅された超音波反射波はデジタル信号に変換される。
遅延時間制御部16は送信部14及び受信部15に接続されており、送信部14から超音波プローブ13の超音波振動子群に与える駆動パルス信号の遅延時間を制御する。これにより、超音波プローブ13から送信される超音波送信波の超音波ビームの音響線の方向や焦点深度を変化させる。また、超音波プローブ13によって受信され、受信部15によって増幅された超音波反射波信号の遅延時間を制御することにより、受信される超音波の音響線の方向を変化させることができる。遅延時間制御部16の出力は位相検波部17に入力される。
位相検波部17は、遅延時間制御部16で遅延制御された受信反射波信号を位相検波し、実部信号と虚部信号とに分離する。分離された実部信号及び虚部信号はフィルタ部18に入力される。フィルタ部18は測定対象以外からの反射成分やノイズ成分を除去する。位相検波部17及びフィルタ部18はソフトウエアによってもハードウエアによっても構成することができる。
演算部19は、位相検波された信号の実部信号及び虚部信号を用いて、血管壁4内部に設定された複数のトラッキング位置の運動速度を求め、この運動速度を積分することによって血管壁4内部の複数のトラッキング位置それぞれの時間変位量を求めることができる。そして複数の位置変位量のなかの任意の2つの位置の差を求めることにより、その2点間の厚み変化量を求めることができる。さらに、求めた厚み変化量と血圧計12から得られる血圧データとから、2点間に位置する組織の弾性率を求めることができる。
ここで2点間の厚み変化量は、位相検波信号から直接求めることもできる。前記の特許文献2に記載されているトラッキング方法においては、任意の2点の位置変化量を個別に求めるのではなく、位相検波信号からその2点の相対的な位置関係の変化、つまり厚さの変化を求めることもできる。詳細は、例えばHideyuki HASEGAWA,Hiroshi KANAI and Yoshiro KOIWA,“Modified Phased Tracking Method for Measurement of Change in Thickness of Arterial Wall”Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)pp.3563−3571にある。
ここで2点間の厚み変化量は、位相検波信号から直接求めることもできる。前記の特許文献2に記載されているトラッキング方法においては、任意の2点の位置変化量を個別に求めるのではなく、位相検波信号からその2点の相対的な位置関係の変化、つまり厚さの変化を求めることもできる。詳細は、例えばHideyuki HASEGAWA,Hiroshi KANAI and Yoshiro KOIWA,“Modified Phased Tracking Method for Measurement of Change in Thickness of Arterial Wall”Jpn.J.Appl.Phys.Vol.41(2002)pp.3563−3571にある。
なお、演算部19で演算された位置変位量、厚み変化量、弾性率等のデータは、演算データ記憶部20に記憶され、随時読み取ることが可能である。
また、演算部19で演算された位置変位量、厚み変化量、弾性率等のデータは、表示部21に入力され、データを可視化することができる。さらに、表示部21が演算データ記憶部20と接続されていれば、記憶された各種データを表示部21にて随時表示することもできる。
また、演算部19で演算された位置変位量、厚み変化量、弾性率等のデータは、表示部21に入力され、データを可視化することができる。さらに、表示部21が演算データ記憶部20と接続されていれば、記憶された各種データを表示部21にて随時表示することもできる。
ここで、演算部19で演算された各種データは、記憶と表示と両方が実施されることが好ましいが、どちらか一方がなくともかまわない。
次に弾性率の求め方について説明する。弾性率演算の対象となる組織の、ある一定時間内の厚み変化量から最大値と最小値とを抽出し、最大値と最小値との差分を最大厚み変化量Δhとする。また、血圧の最大値と最小値との差分を脈圧Δpとする。対象組織の厚みをh、血管半径をrとしたとき、弾性率Eは次式で求めることができる。
E=1/2[(r/h)+1]×Δp/(−Δh/h)
次に弾性率の求め方について説明する。弾性率演算の対象となる組織の、ある一定時間内の厚み変化量から最大値と最小値とを抽出し、最大値と最小値との差分を最大厚み変化量Δhとする。また、血圧の最大値と最小値との差分を脈圧Δpとする。対象組織の厚みをh、血管半径をrとしたとき、弾性率Eは次式で求めることができる。
E=1/2[(r/h)+1]×Δp/(−Δh/h)
以上説明した超音波診断装置を用いて血管内皮反応測定を実施した一例について詳細に説明する。被験者の右前腕部分をカフにて250mmHgで約5分間駆血し、駆血解除後約120秒間血管壁の厚み変化量を超音波診断装置により測定した。被験者の血圧はトノメトリ測定器で連続的に測定され、得られた血圧データと厚み変化量とから血管壁の弾性率を求め、演算結果を駆血解除前後の約150秒間断続的に記録した。超音波診断装置から送信される超音波の中心周波数は10MHz、受信のサンプリング周波数は40MHzとした。
図3に、血管内皮反応測定の一実施の形態を模式的に示す。超音波プローブ13は、血管3の短軸像を捉えるように体表2上に設置した。測定対象となる血管壁は、図3において超音波プローブ13から最も遠いところに位置する血管後壁4aである。血管後壁4aは、血液7と体組織1とに挟まれている。
図3の血管後壁4a部分(二点鎖線で囲った範囲)を拡大表示したものを図4に示す。血管後壁4aは内中膜領域血管壁5と外膜領域血管壁6とに分けられ、これら2つの層の弾性率をそれぞれ求めることとした。各層の厚み変化量を求めるため、血液7と血管後壁4aとの境界(8a)、血管後壁4a内(8b)、血管後壁4aと体組織1との境界(8c)の3カ所にトラッキング位置8を設定した。位置8aと位置8bの変位量の差分から内中膜領域血管壁5の厚み変化量を、位置8bと位置8cの変位量の差分から外膜領域血管壁6の厚み変化量を求めた。なおトラッキング位置を設定するにあたっては、超音波プローブ13を用いて得られるBモード断層画像を参照して決定した。
図5A及び5Bに駆血解除前後の血管壁弾性率の時間変化の様子を示す。図5Aは内中膜領域血管壁5の、図5Bは外膜領域血管壁6の弾性率の時間変化をそれぞれ示している。図の横軸の時間は、駆血解除を行った時刻を0[秒]としている。図5Bに示される外膜領域血管壁6の弾性率は、駆血解除後の120秒間で有意な変化をほとんど示さないが、図5Aに示される内中膜領域血管壁5の弾性率は、駆血解除直後(約520kPa)から減少し始め、約50秒後に最小値(約230kPa)となる。このときの弾性率の変化の割合は、およそマイナス55%である。
以上の結果から、内皮依存性血管拡張反応は内中膜領域血管壁5にて主に観察され、内皮由来血管弛緩因子であるNOは内中膜領域血管壁5を主に反応させていることがわかる。すなわち、超音波を用いた血管内皮反応測定においては、内中膜領域血管壁5の弾性率変化に注目することにより、より高感度・高精度な血管内皮機能診断を行うことができる。このことは、本実施の形態が示した内皮機能診断の実施によって、早期動脈硬化症診断が可能であることを意味している。
なお、本実施の形態においては、血管壁を内中膜領域血管壁5と外膜領域血管壁6の二層にわけ、そのうちの内中膜領域血管壁5を測定対象とした血管内皮反応から内皮機能診断を実施したが、EDRFが血管壁中膜の平滑筋に作用を及ぼすことから、測定対象に中膜の一部を含んでいる血管壁、内中膜のみ、あるいは中膜のみを用いても同様な診断が可能であることは言うまでもないことである。
また、本実施の形態においては、血管内皮反応を診断するための注目パラメータとして弾性率を用いたが、弾性率演算に用いられた厚み変化量や、弾性率の逆数であるコンプライアンスを用いても同様な診断が可能であることは論を待たない。
以上のように本発明の実施の形態の超音波診断装置によれば、内中膜領域血管壁5の弾性率変化を測定することにより、従来技術よりも高感度な血管内皮機能診断を実施することができる。
以上のように本発明の実施の形態の超音波診断装置によれば、内中膜領域血管壁5の弾性率変化を測定することにより、従来技術よりも高感度な血管内皮機能診断を実施することができる。
本発明にかかる超音波診断装置は、駆血解除後の血管内皮反応による血管壁の弾性率変化を超音波を用いて高精度に測定することにより、高感度な血管内皮機能診断が可能となる効果を有し、超音波を用いて血管壁組織性状を診断する超音波診断装置として有用である。
本発明は、超音波を用いて血管壁組織性状を診断する超音波診断方法及び超音波診断装置に関する。
近年、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系疾病を患う人々が増加してきており、このような疾病の予防及び治療を行うことが大きな課題となっている。
心筋梗塞や脳梗塞の発病には、動脈硬化が深く関係している。具体的には、動脈壁に粥腫が形成されたり、高血圧等の種々の要因によって動脈の新しい細胞が作られなくなったりすると、動脈は弾力性を失い、硬く、脆くなる。そして、粥腫が形成された部分において血管が閉塞したり、粥腫を覆う血管組織が破裂することにより粥腫が血管内へ流出し、別の部分において動脈を閉塞させたり、動脈の硬化した部分が破裂したりすることによって、これらの疾病が引き起こされる。このため、動脈硬化を早期に診断することがこれらの疾病予防や治療には重要となる。
心筋梗塞や脳梗塞の発病には、動脈硬化が深く関係している。具体的には、動脈壁に粥腫が形成されたり、高血圧等の種々の要因によって動脈の新しい細胞が作られなくなったりすると、動脈は弾力性を失い、硬く、脆くなる。そして、粥腫が形成された部分において血管が閉塞したり、粥腫を覆う血管組織が破裂することにより粥腫が血管内へ流出し、別の部分において動脈を閉塞させたり、動脈の硬化した部分が破裂したりすることによって、これらの疾病が引き起こされる。このため、動脈硬化を早期に診断することがこれらの疾病予防や治療には重要となる。
従来、動脈硬化病変の診断は、血管カテーテルを用いて血管内部の様子を直接観察することによって行われていた。しかし、この診断には、血管カテーテルを血管に挿入する必要があるため、患者への負荷が大きいという問題があった。このため、血管カテーテルによる観察は、動脈硬化病変が存在していることが確かである患者に対して、その場所を特定するために用いられ、例えば、健康管理のための検査として、この方法が用いられることはなかった。
動脈硬化の一因であるコレステロール値を測定したり、血圧値を測定したりすることは、患者への負担が少なく、容易に行うことのできる検査である。しかし、これらの値は、動脈硬化の度合いを直接示すものではない。
動脈硬化の一因であるコレステロール値を測定したり、血圧値を測定したりすることは、患者への負担が少なく、容易に行うことのできる検査である。しかし、これらの値は、動脈硬化の度合いを直接示すものではない。
また、動脈硬化を早期に診断して、動脈硬化の治療薬を患者に対して投与することができれば、動脈硬化の治療に効果を発揮する。しかし、動脈硬化が進行してしまうと、治療薬によって動脈硬化の進展を抑制することはできても、硬化した動脈を完全に回復させることは難しいと言われている。
こうした理由から、患者への負担が少なく、動脈硬化が進行する前に早期段階で診断する診断方法あるいは診断装置が求められている。
こうした理由から、患者への負担が少なく、動脈硬化が進行する前に早期段階で診断する診断方法あるいは診断装置が求められている。
一方、患者への負担が少ない医療診断装置として、超音波診断装置が従来より用いられている。超音波診断装置を用いて超音波を体外から照射することによって、患者に苦痛を与えることなく、体内の形状情報、運動情報あるいは質情報を得ることができる。
特に超音波による計測を行えば、測定対象物の運動情報が得られるため、変位量から、測定対象物の弾性特性を求めることができる。つまり、生体内の血管の弾性特性を求めることができ、動脈硬化の度合いを直接知ることが可能となる。また、患者に超音波プローブをあてるだけで測定できるため、患者への負担も少ない。このため、超音波診断装置を用いれば、動脈硬化の正確な診断も可能であるし、予防のための検診を被験者に対して負担を与えずに行うことが期待される。
特に超音波による計測を行えば、測定対象物の運動情報が得られるため、変位量から、測定対象物の弾性特性を求めることができる。つまり、生体内の血管の弾性特性を求めることができ、動脈硬化の度合いを直接知ることが可能となる。また、患者に超音波プローブをあてるだけで測定できるため、患者への負担も少ない。このため、超音波診断装置を用いれば、動脈硬化の正確な診断も可能であるし、予防のための検診を被験者に対して負担を与えずに行うことが期待される。
しかし、従来用いられている超音波診断装置は、例えば胎児の形状を観察したり、胎児の心音を聴診したりする超音波診断装置に代表されるように、形状情報や運動情報の分解能はそれほど高くない。このため、従来の超音波診断装置を用いて、心拍に合わせて伸縮する動脈の弾性特性を求めることは不可能であった。例えば、下記の特許文献1に示されているもののように、測定対象の変位計測精度が十分ではないものが多かった。
近年、エレクトロニクス技術の進歩によって、超音波診断装置の測定精度を飛躍的に向上させることも可能になってきた。これに伴って、生体組織の微小運動を計測する超音波診断装置の開発が進んでいる。例えば、下記の特許文献2は、検波信号の振幅及び位相の両方を用い、制約付最小二乗法によって対象の瞬時の位置を決定し、高精度な位相のトラッキングを実現する超音波診断装置を開示している。この装置は、拍動により大きく動いている組織上の微小振動を計測することができる。特許文献2によれば、振幅が10mm以上ある拍動に伴う大振幅変位運動上の数百Hzまでの微小振動を拍動が10回程度繰り返されても十分再現性よく計測することができる。
特許文献2に記載されている装置は、数百Hzまでの高い周波数成分を再現性よく計測でき、超音波ビームを集束させることによって心筋や動脈壁上の直径1〜2mm程度の領域の弾性特性を得ることができる。また、一心拍中、あらゆる時相の成分の超音波信号が得られ、その信号の周波数スペクトル解析が可能である等の優れた特徴を備えていると報告されている。
したがって、この公報の技術を用いた超音診断装置によれば、たとえば、健康診断などにおいて、被験者に負担を与えることなく、経時的に動脈硬化の進行度合いを調べ、動脈硬化による疾病を予防することが可能になると期待される。また、動脈の微小領域における弾性特性を測定することによって、血管破裂が生じ易い部位を特定し、その部位を治療することが可能になると期待される。
ところで、すべての血管の内側には一層の細胞からなる内皮が存在している。この内皮細胞は、血流により生ずる機械的応力(ずり応力)に反応して様々な生理反応を示すが、その1つとして一酸化窒素(NO)の産生がある。NOはNO合成酵素により産生・放出され、内皮由来血管弛緩因子(EDRF)として血管壁中膜の平滑筋を弛緩、すなわち柔らかくすることが知られている。また、この血管内皮細胞が有する機能は内皮依存性血管拡張反応(EDR)と呼ばれている。
ところで、すべての血管の内側には一層の細胞からなる内皮が存在している。この内皮細胞は、血流により生ずる機械的応力(ずり応力)に反応して様々な生理反応を示すが、その1つとして一酸化窒素(NO)の産生がある。NOはNO合成酵素により産生・放出され、内皮由来血管弛緩因子(EDRF)として血管壁中膜の平滑筋を弛緩、すなわち柔らかくすることが知られている。また、この血管内皮細胞が有する機能は内皮依存性血管拡張反応(EDR)と呼ばれている。
一方、高血圧症、高脂血症、喫煙、糖尿病などの危険因子は、血管内皮細胞の機能を低下させる。この機能低下が動脈硬化症の初期変化とも言われており、血管内皮細胞機能を診断することで動脈硬化症を早期に診断することができる。EDRを用いた血管内皮機能の診断方法として、駆血前後の動脈血管径の変化量を超音波を用いて測定する方法が下記の非特許文献1に記載されている。この方法は、上腕動脈をカフにて250mmHgで5分間駆血し、駆血を瞬時に解除した以降の血管径を数十秒のあいだ間欠的に測定し、血管径の増加率から血管内皮機能を診断する方法である。
特開昭62−266040号公報
特開平10−5226号公報
橋本正良、大内尉義、「血管伸展性検査」、日本医師会雑誌、第120巻第8号、1998年10月15日発行、頁S93−S96
非特許文献1に記載された方法では、血管径の測定は、血管長軸断面画像において前壁及び後壁の中膜と外膜との中間点であるmライン間距離を0.1mm単位で読み取り、4個から6個の測定値の平均を求め、これを測定値としている。男性被験者9名に対して実施された測定結果を、図6に示す。四角いプロットは右前腕部駆血解除後の上腕動脈の血流増加量を、丸いプロットは上腕動脈血管径の安静時に対する増加率をそれぞれ示している。またグラフの横軸は駆血解除後の経過時間を示し、左の縦軸は血流増加量を、右の縦軸は血管径増加率をそれぞれ示す。駆血解除後、血流量は一過性に増大し、その後経時的に減少する。駆血解除後の一過性血流増加が刺激となり、血管径は駆血解除後約45秒から60秒後に安静時と比較して有意に拡張していることがわかる。図6に示した結果では、増加率は6%程度であった。また、この方法にて1ヶ月後に再現性を試みた結果、増加率は10%程度(図示せず)であった。
この方法において血管径は0.1mm単位で測定されているが、上腕動脈血管径が約3mmであることを考えると、誤差は約3%と非常に大きい数値となる。すなわち、非特許文献1に記載された方法には、測定精度における課題が存在している。
さらにこの方法は、血管中膜の直径を測定する方法であるため、血管内皮反応診断において重要である血管壁の厚み変化量だけでなく、血液部の直径変化量を含んだ値を測定してしまうことになる。すなわち、非特許文献1に記載された方法には、測定感度にも課題が存在している。
さらにこの方法は、血管中膜の直径を測定する方法であるため、血管内皮反応診断において重要である血管壁の厚み変化量だけでなく、血液部の直径変化量を含んだ値を測定してしまうことになる。すなわち、非特許文献1に記載された方法には、測定感度にも課題が存在している。
以上に鑑み、本発明は、駆血解除後の血管内皮反応による血管壁の弾性率変化を超音波を用いて高精度に測定することで、高感度な血管内皮機能診断が可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波距離測定装置は、生体組織内へ超音波送信波を送信するための超音波送信部と、前記生体組織内に存する血管壁からの超音波エコーを受信するための超音波受信部と、前記超音波エコーを位相検波する位相検波部と、前記位相検波部にて得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置のうちの任意の2つの位置間の厚み変化量を前記位相検波信号から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求める演算部と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶する記憶部、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部の少なくともどちらか1つとを備える構成を有している。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
また、本発明の超音波距離測定装置は、生体組織内へ超音波送信波を送信するための超音波送信部と、前記生体組織内に存する血管壁からの超音波エコーを受信するための超音波受信部と、前記超音波エコーを位相検波する位相検波部と、前記位相検波部にて得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置の位置変位量を求め、前記複数の位置のうちの任意の二つの位置間の厚み変化量を前記二つの位置の位置変位量の差分から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求める演算部と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶する記憶部、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部の少なくともどちらか1つとを備える構成を有している。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この構成により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
ある好ましい実施の形態において、前記演算部が、少なくとも中膜の一部を含んでいる血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記演算部が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記演算部が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
また、本発明の超音波距離測定装置は、超音波を送受信する送受信部と、受信した超音波エコーを位相検波する位相検波部と、位相検波した超音波エコーに基づいて血管壁の弾性率を演算する演算部とを備えた超音波診断装置を用い、血管壁を含む生体組織内へ超音波を送信し、前記超音波が前記血管壁において反射・散乱することにより得られる超音波エコーを受信するステップ(A)と、前記超音波エコーを位相検波するステップ(B)と、前記位相検波により得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置のうちの任意の2つの位置間の厚み変化量を前記位相検波信号から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求めるステップ(C)と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶するステップ(D)、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示するステップ(E)の少なくともどちらか1つとを包含する。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
また、本発明の超音波診断方法は、超音波を送受信する送受信部と、受信した超音波エコーを位相検波する位相検波部と、位相検波した超音波エコーに基づいて血管壁の弾性率を演算する演算部とを備えた超音波診断装置を用い、血管壁を含む生体組織内へ超音波を送信し、前記超音波が前記血管壁において反射・散乱することにより得られる超音波エコーを受信するステップ(A)と、前記超音波エコーを位相検波するステップ(B)と、前記位相検波により得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置の位置変位量を求め、前記複数の位置のうちの任意の二つの位置間の厚み変化量を前記二つの位置の位置変位量の差分から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求めるステップ(C)と、動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶するステップ(D)、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示するステップ(E)の少なくともどちらか1つとを包含する。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
この方法により、血管内皮機能を高感度に診断することができる。
ある好ましい実施の形態において、前記弾性率を求めるステップ(C)が、少なくとも中膜の一部を含んでいる血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記弾性率を求めるステップ(C)が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
ある好ましい実施の形態において、前記弾性率を求めるステップ(C)が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める。
本発明は、駆血解除後の血管内皮反応による血管壁の弾性率変化を超音波を用いて高精度に測定することにより、高感度な血管内皮機能診断が可能となる効果を有する超音波診断装置を提供することができるものである。
本発明の超音波診断装置は測定対象物の各部の運動速度や各微小な領域における伸縮量及び弾性率を測定する。測定対象物自体は移動しない。本発明の超音波診断装置は、特に生体の各部の弾性率を計測するのに適しており、空間分解能も高いため、血管壁の伸縮量や弾性率の計測に好適に用いることができる。以下、血管壁の伸縮量や弾性率を計測する場合を例にとり、本発明の超音波診断装置を説明する。
以下、本発明による超音波診断装置の一実施の形態を概略的に説明する。図1は、超音波診断装置11を用いた血管壁組織性状診断の構成を示すブロック図である。超音波診断装置11に接続された超音波プローブ13は被験者の体表2に密着するよう設置され、体組織1の内部へ超音波を送信する。送信された超音波は血管3にて反射・散乱し、その一部が超音波プローブ13へ戻り、エコーとして受信される。超音波診断装置11は、受信信号の解析・演算を行い、血管壁4の有する特性を求める。また、超音波診断装置11には血圧計12が接続されており、血圧計12が測定した被験者の血圧データは超音波診断装置11へと入力される。超音波診断装置11は、特許文献2に開示されている方法によって、検波信号の振幅及び位相の両方を用い、制約付最小二乗法によって対象の瞬時の位置を決定し、高精度(位置変化量の測定精度は±0.2ミクロン)な位相トラッキングを行うことにより、血管壁4の厚み変化を十分な精度で測定することができる。さらに、血圧計12から得た血圧データを用いることで、血管壁4の弾性率を求めることができる。
次に、超音波診断装置11の構成とその動作について図を用いて詳細に説明する。図2は、超音波診断装置11の構成を示すブロック図である。超音波診断装置11は、送信部14、受信部15、遅延時間制御部16、位相検波部17、フィルタ部18、演算部19、演算データ記憶部20、表示部21を含む。送信部14は、所定の駆動パルス信号を超音波プローブ13に与える。駆動パルスにより超音波プローブ13から送信される超音波送信波は、血管壁4等の組織において反射・散乱し、生じた超音波反射波が超音波プローブ13で受信される。超音波プローブ13により受信された超音波反射波は、受信部15において増幅される。受信部15はA/D変換部を含み、受信部15において増幅された超音波反射波はデジタル信号に変換される。
遅延時間制御部16は送信部14及び受信部15に接続されており、送信部14から超音波プローブ13の超音波振動子群に与える駆動パルス信号の遅延時間を制御する。これにより、超音波プローブ13から送信される超音波送信波の超音波ビームの音響線の方向や焦点深度を変化させる。また、超音波プローブ13によって受信され、受信部15によって増幅された超音波反射波信号の遅延時間を制御することにより、受信される超音波の音響線の方向を変化させることができる。遅延時間制御部16の出力は位相検波部17に入力される。
位相検波部17は、遅延時間制御部16で遅延制御された受信反射波信号を位相検波し、実部信号と虚部信号とに分離する。分離された実部信号及び虚部信号はフィルタ部18に入力される。フィルタ部18は測定対象以外からの反射成分やノイズ成分を除去する。位相検波部17及びフィルタ部18はソフトウエアによってもハードウエアによっても構成することができる。
演算部19は、位相検波された信号の実部信号及び虚部信号を用いて、血管壁4内部に設定された複数のトラッキング位置の運動速度を求め、この運動速度を積分することによって血管壁4内部の複数のトラッキング位置それぞれの時間変位量を求めることができる。そして複数の位置変位量のなかの任意の2つの位置の差を求めることにより、その2点間の厚み変化量を求めることができる。さらに、求めた厚み変化量と血圧計12から得られる血圧データとから、2点間に位置する組織の弾性率を求めることができる。
ここで2点間の厚み変化量は、位相検波信号から直接求めることもできる。前記の特許文献2に記載されているトラッキング方法においては、任意の2点の位置変化量を個別に求めるのではなく、位相検波信号からその2点の相対的な位置関係の変化、つまり厚さの変化を求めることもできる。詳細は、例えばHideyuki HASEGAWA, Hiroshi KANAI and Yoshiro KOIWA, "Modified Phased Tracking Method for Measurement of Change in Thickness of Arterial Wall" Jpn. J. Appl. Phys. Vol.41 (2002) pp. 3563-3571にある。
ここで2点間の厚み変化量は、位相検波信号から直接求めることもできる。前記の特許文献2に記載されているトラッキング方法においては、任意の2点の位置変化量を個別に求めるのではなく、位相検波信号からその2点の相対的な位置関係の変化、つまり厚さの変化を求めることもできる。詳細は、例えばHideyuki HASEGAWA, Hiroshi KANAI and Yoshiro KOIWA, "Modified Phased Tracking Method for Measurement of Change in Thickness of Arterial Wall" Jpn. J. Appl. Phys. Vol.41 (2002) pp. 3563-3571にある。
なお、演算部19で演算された位置変位量、厚み変化量、弾性率等のデータは、演算データ記憶部20に記憶され、随時読み取ることが可能である。
また、演算部19で演算された位置変位量、厚み変化量、弾性率等のデータは、表示部21に入力され、データを可視化することができる。さらに、表示部21が演算データ記憶部20と接続されていれば、記憶された各種データを表示部21にて随時表示することもできる。
また、演算部19で演算された位置変位量、厚み変化量、弾性率等のデータは、表示部21に入力され、データを可視化することができる。さらに、表示部21が演算データ記憶部20と接続されていれば、記憶された各種データを表示部21にて随時表示することもできる。
ここで、演算部19で演算された各種データは、記憶と表示と両方が実施されることが好ましいが、どちらか一方がなくともかまわない。
次に弾性率の求め方について説明する。弾性率演算の対象となる組織の、ある一定時間内の厚み変化量から最大値と最小値とを抽出し、最大値と最小値との差分を最大厚み変化量Δhとする。また、血圧の最大値と最小値との差分を脈圧Δpとする。対象組織の厚みをh、血管半径をrとしたとき、弾性率Eは次式で求めることができる。
E=1/2[(r/h)+1]×Δp/(−Δh/h)
次に弾性率の求め方について説明する。弾性率演算の対象となる組織の、ある一定時間内の厚み変化量から最大値と最小値とを抽出し、最大値と最小値との差分を最大厚み変化量Δhとする。また、血圧の最大値と最小値との差分を脈圧Δpとする。対象組織の厚みをh、血管半径をrとしたとき、弾性率Eは次式で求めることができる。
E=1/2[(r/h)+1]×Δp/(−Δh/h)
以上説明した超音波診断装置を用いて血管内皮反応測定を実施した一例について詳細に説明する。被験者の右前腕部分をカフにて250mmHgで約5分間駆血し、駆血解除後約120秒間血管壁の厚み変化量を超音波診断装置により測定した。被験者の血圧はトノメトリ測定器で連続的に測定され、得られた血圧データと厚み変化量とから血管壁の弾性率を求め、演算結果を駆血解除前後の約150秒間断続的に記録した。超音波診断装置から送信される超音波の中心周波数は10MHz、受信のサンプリング周波数は40MHzとした。
図3に、血管内皮反応測定の一実施の形態を模式的に示す。超音波プローブ13は、血管3の短軸像を捉えるように体表2上に設置した。測定対象となる血管壁は、図3において超音波プローブ13から最も遠いところに位置する血管後壁4aである。血管後壁4aは、血液7と体組織1とに挟まれている。
図3の血管後壁4a部分(二点鎖線で囲った範囲)を拡大表示したものを図4に示す。血管後壁4aは内中膜領域血管壁5と外膜領域血管壁6とに分けられ、これら2つの層の弾性率をそれぞれ求めることとした。各層の厚み変化量を求めるため、血液7と血管後壁4aとの境界(8a)、血管後壁4a内(8b)、血管後壁4aと体組織1との境界(8c)の3カ所にトラッキング位置8を設定した。位置8aと位置8bの変位量の差分から内中膜領域血管壁5の厚み変化量を、位置8bと位置8cの変位量の差分から外膜領域血管壁6の厚み変化量を求めた。なおトラッキング位置を設定するにあたっては、超音波プローブ13を用いて得られるBモード断層画像を参照して決定した。
図5A及び5Bに駆血解除前後の血管壁弾性率の時間変化の様子を示す。図5Aは内中膜領域血管壁5の、図5Bは外膜領域血管壁6の弾性率の時間変化をそれぞれ示している。図の横軸の時間は、駆血解除を行った時刻を0[秒]としている。図5Bに示される外膜領域血管壁6の弾性率は、駆血解除後の120秒間で有意な変化をほとんど示さないが、図5Aに示される内中膜領域血管壁5の弾性率は、駆血解除直後(約520kPa)から減少し始め、約50秒後に最小値(約230kPa)となる。このときの弾性率の変化の割合は、およそマイナス55%である。
以上の結果から、内皮依存性血管拡張反応は内中膜領域血管壁5にて主に観察され、内皮由来血管弛緩因子であるNOは内中膜領域血管壁5を主に反応させていることがわかる。すなわち、超音波を用いた血管内皮反応測定においては、内中膜領域血管壁5の弾性率変化に注目することにより、より高感度・高精度な血管内皮機能診断を行うことができる。このことは、本実施の形態が示した内皮機能診断の実施によって、早期動脈硬化症診断が可能であることを意味している。
なお、本実施の形態においては、血管壁を内中膜領域血管壁5と外膜領域血管壁6の二層にわけ、そのうちの内中膜領域血管壁5を測定対象とした血管内皮反応から内皮機能診断を実施したが、EDRFが血管壁中膜の平滑筋に作用を及ぼすことから、測定対象に中膜の一部を含んでいる血管壁、内中膜のみ、あるいは中膜のみを用いても同様な診断が可能であることは言うまでもないことである。
また、本実施の形態においては、血管内皮反応を診断するための注目パラメータとして弾性率を用いたが、弾性率演算に用いられた厚み変化量や、弾性率の逆数であるコンプライアンスを用いても同様な診断が可能であることは論を待たない。
以上のように本発明の実施の形態の超音波診断装置によれば、内中膜領域血管壁5の弾性率変化を測定することにより、従来技術よりも高感度な血管内皮機能診断を実施することができる。
以上のように本発明の実施の形態の超音波診断装置によれば、内中膜領域血管壁5の弾性率変化を測定することにより、従来技術よりも高感度な血管内皮機能診断を実施することができる。
本発明にかかる超音波診断装置は、駆血解除後の血管内皮反応による血管壁の弾性率変化を超音波を用いて高精度に測定することにより、高感度な血管内皮機能診断が可能となる効果を有し、超音波を用いて血管壁組織性状を診断する超音波診断装置として有用である。
Claims (8)
- 生体組織内へ超音波送信波を送信するための超音波送信部と、
前記生体組織内に存する血管壁からの超音波エコーを受信するための超音波受信部と、
前記超音波エコーを位相検波する位相検波部と、
前記位相検波部にて得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置のうちの任意の2つの位置間の厚み変化量を前記位相検波信号から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求める演算部と、
動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶する記憶部、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部の少なくともどちらか1つとを、
備え、血管内皮機能を診断する超音波診断装置。 - 生体組織内へ超音波送信波を送信するための超音波送信部と、
前記生体組織内に存する血管壁からの超音波エコーを受信するための超音波受信部と、
前記超音波エコーを位相検波する位相検波部と、
前記位相検波部にて得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置の位置変位量を求め、前記複数の位置のうちの任意の二つの位置間の厚み変化量を前記二つの位置の位置変位量の差分から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求める演算部と、
動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶する記憶部、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示する表示部の少なくともどちらか1つとを、
備え、血管内皮機能を診断する超音波診断装置。 - 前記演算部が、少なくとも中膜の一部を含んでいる血管壁の弾性率を求める請求項1又は2のいずれかに記載の超音波診断装置。
- 前記演算部が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める請求項3に記載の超音波診断装置。
- 超音波を送受信する送受信部と、受信した超音波エコーを位相検波する位相検波部と、位相検波した超音波エコーに基づいて血管壁の弾性率を演算する演算部とを備えた超音波診断装置を用い、
血管壁を含む生体組織内へ超音波を送信し、前記超音波が前記血管壁において反射・散乱することにより得られる超音波エコーを受信するステップ(A)と、
前記超音波エコーを位相検波するステップ(B)と、
前記位相検波により得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置のうちの任意の2つの位置間の厚み変化量を前記位相検波信号から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求めるステップ(C)と、
動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶するステップ(D)、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示するステップ(E)の少なくともどちらか1つとを、
包含し、血管内皮機能を診断する超音波診断方法。 - 超音波を送受信する送受信部と、受信した超音波エコーを位相検波する位相検波部と、位相検波した超音波エコーに基づいて血管壁の弾性率を演算する演算部とを備えた超音波診断装置を用い、
血管壁を含む生体組織内へ超音波を送信し、前記超音波が前記血管壁において反射・散乱することにより得られる超音波エコーを受信するステップ(A)と、
前記超音波エコーを位相検波するステップ(B)と、
前記位相検波により得られた位相検波信号から前記血管壁内の複数の位置の位置変位量を求め、前記複数の位置のうちの任意の二つの位置間の厚み変化量を前記二つの位置の位置変位量の差分から求め、前記厚み変化量と血圧値とから前記血管壁の弾性率を求めるステップ(C)と、
動脈を駆血し、その後駆血解除したときの前記血管壁の弾性率の時間変化を記憶するステップ(D)、又は前記血管壁の弾性率の時間変化を表示するステップ(E)の少なくともどちらか1つとを、
包含し、血管内皮機能を診断する超音波診断方法。 - 前記弾性率を求めるステップ(C)が、少なくとも中膜の一部を含んでいる血管壁の弾性率を求める請求項5又は6に記載の超音波診断方法。
- 前記弾性率を求めるステップ(C)が、内中膜領域血管壁の弾性率を求める請求項7に記載の超音波診断方法。
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