JPWO2005032760A1 - 位置決めシステム - Google Patents

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Abstract

第2ブロック(2)の位置決め孔(5)に差込可能となるよう第1ブロック(1)からプラグ部材(12)を上方へ突出させる。その上方へ向かうにつれて軸心へ近づく傾斜外面(13)をプラグ部材(12)に設ける。拡径及び縮径変形可能なスリーブ部材(15)を傾斜外面(13)の外側に配置する。スリーブ部材(15)には、位置決め孔(5)に密着可能なストレート外面(16)と、傾斜外面(13)に対面する傾斜内面(17)を備える。駆動部材(21)を、プラグ部材(12)内に軸心方向へ移動可能に挿入させてスリーブ部材(15)に連結させる。そのスリーブ部材(15)を駆動手段(D)によって上下方向へ移動させる。傾斜内面(17)と傾斜外面(13)との少なくとも一方が、上記の拡縮方向で互いに向かい合う一対の突出部(61・61)に設けられ、これら突出部(61・61)の間に逃し部(62・62)を形成する。

Description

この発明は、工作機械のテーブル等の第1ブロックにワークパレット等の第2ブロックを位置決めする装置に関する。また、このような位置決め装置を備えるクランピングシステムに関する。
この種の位置決め装置は、一般的には、可動部材(第2ブロック)の被支持面に開口させた円形の位置決め孔を基準部材(第1ブロック)の支持面から突出させたプラグに嵌合させるようにしてある(例えば下記の特許文献1を参照)。
日本国・特開昭57−27640号公報
上記の従来技術では、上記の位置決め孔とプラグとの両者をスムーズに嵌合させるため上記の両者間に所定の嵌合隙間を設ける必要がある。このため、その嵌合隙間によって位置決め精度が低下する。
本発明は以下の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、高精度に位置決めできる装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
(第1の発明)
本発明の位置決め装置は、例えば、図1から図3、又は図8から図11の各図に示すように、以下のように構成した。
第2ブロック2に形成された位置決め孔5に差込可能となるよう第1ブロック1からプラグ部材12を突出させる。このプラグ部材12には、上記の先端方向へ向かうにつれて軸心へ近づく形状の傾斜外面13を設ける。上記の傾斜外面13の外側に、周方向の少なくとも一部分が拡径方向及び縮径方向へ変形可能な環状のスリーブ部材15を配置する。このスリーブ部材15には、上記の位置決め孔5の内周面に密着可能なストレート外面16と、上記の傾斜外面13に対面する傾斜内面17とを備える。駆動部材21を、上記プラグ部材12内に軸心方向へ移動可能に挿入させ、上記スリーブ部材15に連結させる。前記傾斜内面17と前記傾斜外面13との少なくとも一方を、上記の拡縮方向で互いに向かい合う一対の突出部61・61に設ける。これら突出部61・61の間に逃し部62・62を形成する。そして、駆動手段Dによって前記の駆動部材21を介して前記スリーブ部材15を前記の軸心方向へ往復移動可能に構成した。
この構成により、前記位置決め孔5と前記スリーブ部材15とを嵌合させた後にその嵌合隙間を無くすことができる。従って、これら位置決め孔5とスリーブ部材15とをスムーズに嵌合させることと高精度に位置決めすることとを両立できる。また、前記の駆動手段Dのロック移動時には上記駆動部材21が前記スリーブ部材15を介して上記の第2ブロック2を上記の第1ブロック1に押圧させることができるので、必要に応じて、専用のクランプ手段を省略することも可能である。また、前記突出部61・61の突出方向においては高精度に位置決めすることが可能であるとともに、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向においては前記逃し部62・62により前記位置決め孔5と前記プラグ部材12の位置ズレを許容できる。また、前記突出部61・61は、前記位置決め孔5に直接には接触しないので、前記位置決め孔5の内周面を傷付けたり圧痕を生じさせることがなくなり、位置決め精度の低下の原因となることもない。
(第2の発明)
前記第1の発明においては、例えば、図1から図3、又は図11に示すように、以下のように構成することが好ましい。
前記スリーブ部材15の周壁15aには前記の軸心方向へ延びるスリット51を形成している。このスリット51の少なくとも一部を覆うカバー部53が前記スリーブ部材15の外側に配置されている。
この構成により、前記スリーブ部材15を拡径方向および縮径方向に変形可能とする簡素な構成が実現される。また、上記カバー部53により、切粉や塵埃等の異物が前記スリット51を通じて内部へ侵入するのを防止できる。このため、前記傾斜外面13と前記傾斜内面17との対面部等に上記の異物が入り込んで故障の原因となることを防止できる。
(第3の発明)
前記第2の発明においては、例えば図1と図2に示すように、前記カバー部53は周方向に切れ目がない環状に形成されていることが好ましい。
この構成により、前記スリット51を通じた切り粉や塵挨等の異物の侵入を一層確実に防止できる。
(第4の発明)
前記第2の発明においては、例えば図11に示すように、前記カバー部53は、前記プラグ部材12よりも先端側に配置されるキャップ部材25に一体的に形成されていることが好ましい。
この構成により、部品点数を削減でき、製造工数やコストを低減できる。
(第5の発明)
また、本発明のクランピングシステムは、例えば図12に示すように、上記第1から第4の何れかの発明の位置決め装置を備えて構成した。
この構成により、第1ブロックと第2ブロックとを着脱する際の作業性が良好で、かつ、位置決めを高精度で行える。また、必要に応じて、専用のクランプ手段を省略することも可能である。
(第6の発明)
また、本発明のクランピングシステムは、例えば図12に示すように、複数の位置決め装置を備え、そのうちの少なくとも一つを前記第1から第4の何れかの発明の位置決め装置によって構成した。
この構成により、第1ブロックと第2ブロックとを着脱する際の作業性が良好で、かつ、位置決めを高精度で行える。また、必要に応じて、専用のクランプ手段を省略することも可能である。更には、様々な態様の位置決めを行えるクランピングシステムを提供できる。
[図1]本発明の第1実施形態に係る位置決め装置のプラグ手段を示し、そのプラグ手段の一部を断面した斜視図。
[図2]上記の位置決め装置の立面断面図であって、図3の2−2線矢視に相当する図。
[図3]図2の3−3線の断面矢視図。
[図4]上記の位置決め装置においてプラグ手段を位置決め孔に差し込んだ状態を示す立面断面図。
[図5]図4の5−5線の断面矢視図。
[図6]上記の位置決め装置においてスリーブ部材が拡径して位置決め孔の内周面に密着した状態を示す立面断面図。
[図7]図6の7−7線の断面矢視図。
[図8]第2実施形態を示し、前記の図3に類似する図。
[図9]第3実施形態を示し、上記の図3に類似する図。
[図10]第4実施形態を示し、前記の図8に類似する図。
[図11]第5実施形態の位置決め装置の立面断面図であって、前記の図4に類似する図。
[図12]上記の位置決め装置を適用したクランピングシステムを示す平面断面の模式図。
符号の説明
1 ベースプレート(第1ブロック)
2 ワークパレット(第2ブロック)
5 位置決め孔
12 プラグ部材
13 傾斜外面
15 スリーブ部材
17 傾斜内面
21 駆動部材
61 突出部
62 逃し部
D 駆動手段
〔第1実施形態〕
図1〜図7は、本発明の第1実施形態を示している。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の位置決め装置の全体構成を説明する。
この実施形態では図2に示すように、工作機械のテーブルTに、第1ブロックの主要部であるベースプレート1を載置している。このベースプレート1側の支持面1aに、第2ブロックとしてのワークパレット2の被支持面2aを受け止めると共に、上記ベースプレート1に上記ワークパレット2を位置決めするように構成してある。上記ワークパレット2の上記の被支持面2aには、円形の位置決め孔5が複数開口される。各位置決め孔5に対応させて、上記ベースプレート1にプラグ手段6が設けられる。ここでは、上記の位置決め孔5とプラグ手段6とを1セットだけ図示してある。
上記プラグ手段6の構成を図2を参照して以下に説明する。
上記ベースプレート1に装着穴8が形成され、その装着穴8にハウジング9が精密に嵌入され、そのハウジング9のフランジ9aが複数本の締付ボルト10によって上記ベースプレート1に固定される。プラグ部材12が上記ハウジング9から上向き(先端方向)に突出される。このプラグ部材12は前記位置決め孔5に差込可能である。また、このプラグ部材12の軸心は、前記の装着穴8の軸心とほぼ同一になっている。
図3に示すように、上記プラグ部材12の外周から半径方向の外方へ一対の突出部61・61が突出される。これら一対の突出部61・61が半径方向で互いに向かい合うように配置される。これら突出部61・61の間には、周方向へ延びる逃し部62・62を形成している。前記突出部61のそれぞれの外面には、上方(先端方向)へ向かうにつれて上記の軸心へ近づく傾斜外面13が設けられている。この実施形態では、上記の傾斜外面13は平面視で円弧状に形成されている。
上記プラグ部材12の外周に環状のスリーブ部材15が配置される。そのスリーブ部材15はコレット状に形成される。即ち、前記スリーブ部材15の周壁15aには、軸心方向へ延びて上下の両端に開口する一つのスリット51が設けられる。これにより、上記の周壁15aの周方向のほぼ全部が径方向へ弾性変形可能となっている。前記スリーブ部材15は、それを拡径させる方向の力が解除されたときは、そのスリーブ部材15自体の有する弾性復元力によって縮径方向へ復帰可能である。
前記スリーブ部材15の内周の全体にわたって傾斜内面17が形成されている。この傾斜内面17は、上方(先端方向)へ向かうにつれて上記の軸心へ近づくテーパ形状に構成している。前記傾斜内面17は、前記プラグ部材12のテーパ形の傾斜外面13・13に直接に接当している。一方、前記スリーブ部材15の外周の全体にわたって、前記の位置決め孔5に嵌入されるストレート外面16が形成される。
上記スリット51は、軸心方向へ延びておればよく、軸心に沿って真っ直ぐに延びる場合と、その軸心に対して傾斜している場合とが考えられる。また、そのスリット51は、一つに限定されるものではなく複数であっても差し支えない。例えば、上記スリット51を上記スリーブ部材15の上面と下面とに周方向へ交互に開口させることが考えられる。
前記プラグ部材12から径方向に回り止めピン52が突出され、その外端が前記スリット51の内部に挿入されている。この結果、前記スリーブ部材15の回り止めが行われている。なお、ここでは、上記スリット51にゴム等の弾性シール部材(図示せず)を接着または充填などによって装着している。ただし、この弾性シール部材は、位置決め装置の用途によっては省略してよい。
上記プラグ部材12の筒孔には駆動部材21が上下移動自在に挿入される。この駆動部材21は、前記ハウジング9の下部に保密状に挿入したピストン22と、そのピストン22から上向きに突出したピストンロッド23と、そのピストンロッド23の上部にネジ止めしたボルト24と、このボルト24によって固定されるキャップ部材25と、このキャップ部材25と前記ピストンロッド23の上端面との間に挟着されるリング26とを備える。上記キャップ部材25と上記リング26との間に前記スリーブ部材15の上フランジ27が水平移動可能に嵌入されている。
上記ハウジング9内に、駆動手段Dを構成するロック手段31とリリース手段32とが設けられる。そのロック手段31は、上記ピストン22の上側に配置した圧縮コイルバネ状のロックバネ34と、上記ピストン22とによって構成される。また、上記リリース手段32は、上記ピストン22の下側に形成したリリース用の油圧室35と同上ピストン22とによって構成される。
前記スリーブ部材15の外周面の上部(先端部)には環状の浅い凹部が形成され、この凹部に環状のカバー部53が嵌入されている。このカバー部53は本実施形態では前記キャップ部材25と別部材に構成されている。また、前記カバー部53は、周方向に切れ目のない形状に形成されており、前記スリット51の上部の外側を覆っている。このカバー部53の上端面は前記キャップ部材25の下端面に接している。
上記の位置決め装置の動作を、前記の図2及び図3と、図4から図7を参照して説明する。
図4は、位置決め装置においてプラグ手段6を位置決め孔5に差し込んだ状態を示す立面断面図である。図5は、図4の5−5線の断面矢視図である。図6は、位置決め装置においてスリーブ部材15が拡径して位置決め孔5の内周面に密着した状態を示す立面断面図である。図7は、図6の7−7線の断面矢視図である。
上記の図2及び図3に示すリリース状態では、前記の油圧室35に圧油を供給している。これにより、前記のピストン22がロックバネ34の付勢力に抗して前記ピストンロッド23を上昇させ、そのピストンロッド23が前記ボルト24および前記リング26を介して前記スリーブ部材15を上昇させて、そのスリーブ部材15が縮径状態へ切り換えられている。この場合、前記のプラグ部材12の上端面と上記リング26の下面との間には、大きな接当隙間が形成されている。また、上記の縮径状態のスリーブ部材15の上部の外周面と前記カバー部53の内周面との間には、環状隙間(図示せず)が形成されている。
前記ベースプレート1に前記ワークパレット2を位置決めするときには、まず、図4に示すように、上記リリース状態で上記ワークパレット2を下降させて(あるいは前記ベースプレート1を上昇させて)、上記スリーブ部材15の前記ストレート外面16を前記の位置決め孔5に差し込む。前記スリーブ部材15は前述したように縮径状態であるので、前記位置決め孔5の内周面と前記ストレート外面16との間には環状の嵌合隙間Gが形成されている。なお、この差込時において、前記位置決め孔5の軸心と前記プラグ部材12の軸心が図5に示すようにズレているものとして以下説明する。前記嵌合隙間Gは、上記の軸心ズレの結果、図5に示すように偏心状の隙間となっている。
次いで、上記の油圧室35の圧油を排出する。すると、図6に示すように、上記のロックバネ34の付勢力によって前記ピストン22が前記ボルト24および前記リング26を介して前記スリーブ部材15を強力に下降させ、そのスリーブ部材15の前記の傾斜内面17が前記プラグ部材12の傾斜外面13に楔係合していく。これにより、図6及び図7に示すように、上記スリーブ部材15が弾性的に拡径して前記の位置決め孔5に密着し、図4及び図5に図示した嵌合隙間Gが消失する。
前記スリーブ部材15が前記拡径方向の力を前記位置決め孔5の内周面に作用させるのは、前記突出部61・61に対面する部分のみである。従って、前記密着により、前記プラグ部材12の軸心に対する前記位置決め孔5の軸心の位置ズレ(図5に図示の位置ズレ)のうち、前記突出部61・61の突出方向の位置ズレは是正される。一方、前記逃し部62・62の存在により、前記スリーブ部材15は、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向に、ある程度は移動することができる。従って、前記プラグ部材12の軸心に対する前記位置決め孔5の軸心の位置ズレのうち、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向の位置ズレは許容される。言い換えれば、前記プラグ手段6は、前記突出部61・61の突出方向においては正確な位置決めを行い、それに垂直な半径方向においては位置ズレを許容する構成である。
上記の位置決めと同時に、上記ボルト24が上記スリーブ部材15を介して上記ワークパレット2を引き下げる。その後、クランプ手段(図示せず)によって上記ベースプレート1に上記ワークパレット2を強力に押圧するのである。
なお、上記ロック駆動時には、前記リング26の下面が前記プラグ部材12の上端面に接当することにより、上記スリーブ部材15の所定量以上の下降が阻止される。
上記の図6のロック状態から前記リリース状態へ切り換えるときには、まず、上記クランプ手段(図示せず)のクランプ状態を解除し、次いで、前述したように前記の油圧室35へ圧油を供給すればよい。これにより、前記の図4に示すように、前記ボルト24および前記リング26によって上記スリーブ部材15が上昇して、そのスリーブ部材15が自己の弾性復元力によって縮径するので、前記ロック状態が解除される。その後、前記ワークパレット2を上昇させるのである。
本実施形態では以上に説明したとおり、前記スリーブ部材15を前記位置決め孔5に差し込んだ状態でその嵌合隙間(図4及び図5に図示する隙間G)を無くすことができる。従って、これら位置決め孔5とスリーブ部材15とをスムーズに嵌合させることと高精度に位置決めすることとを両立できる。また、前記ロック移動時には上記駆動部材21が前記スリーブ部材15を介して上記ワークパレット2を上記のベースプレート1に押圧させることができるので、例えばロック駆動時におけるスリーブ部材15の引下げ力を十分に大きい値に設定した場合には、専用のクランプ手段を省略することも可能である。
また、前記突出部61・61の突出方向においては高精度に位置決めすることが可能であるとともに、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向においては前記位置決め孔5と前記プラグ部材12の位置ズレを許容できる。また、前記突出部61・61は、前記位置決め孔5に直接には接触しないので、前記位置決め孔5の内周面を傷付けたり圧痕を生じさせることがなくなり、位置決め精度の低下の原因となることもない。
また、前記スリーブ部材15の前記周壁15aにスリット51を形成することで、当該スリーブ部材15を拡径方向および縮径方向に変形可能な簡素な構成が実現される。また、このスリット51の少なくとも一部を覆うカバー部53が前記スリーブ部材15の外側に配置されているので、切粉や塵埃等の異物が前記スリット51を通じて内部へ侵入するのを防止できる。このため、前記傾斜外面13と前記傾斜内面17との対面部等に上記の異物が入り込んで故障の原因となることを防止できる。
特に前記カバー部53は周方向に切れ目がない環状に形成されているので、異物の侵入を一層確実に防止できる。この構成は、前記スリット51を一つのみではなく複数設けた場合に特に有効である。
以上に第1実施形態を説明したが、この第1実施形態は、以下の(1)から(4)に示すように変更できる。
(1)前記の傾斜外面13は、前記プラグ部材12の外周に設けることに代えて、当該プラグ部材12の外周に配置した他の部材の外周に設けても良い。具体的には、当該他の部材の外周面に一対の前記突出部61・61を設け、その先端面に前記傾斜外面13を設けるとともに、前記突出部61・61の間に前記逃し部62・62を設ければ良い。
(2)前記ロックバネ34は、圧縮コイルバネ状のものを使用することに代えて、皿バネを使用しても良い。皿バネは1枚で使用しても良いし、複数枚の皿バネを積層させて使用しても良い。
(3)前記油圧室35に圧油を供給することに代えて、例えば圧縮空気で前記ピストン22を駆動して前記スリーブ部材15をリリース移動させても良い。また、バネによるロック移動方式を使用することに代えて、流体圧によるロック移動方式を採用しても良い。即ち、前記ロックバネ34を省略するとともに、そのロックバネ34が配置されていた空間をロック室とし、このロック室に圧力流体(圧油や圧縮空気等)を供給することで前記スリーブ部材15をロック移動させる構成とすることも可能である。
(4)前記プラグ手段6を前記位置決め孔5に差し込む方法としては、前記ワークパレット2を下降させることに代えて、前記ベースプレート1を上昇させても良い。また、前記プラグ部材12及び前記位置決め孔5をその軸線が横向きになるように配置して、前記プラグ手段6を前記位置決め孔5に水平方向に差し込む構成としても構わない。勿論、斜め方向に差し込む構成であっても良い。
図8から図11は、それぞれ、第2実施形態から第5実施形態を示している。これらの別の実施形態においては、上記の第1実施形態の構成部材と類似する部材には原則として同一の符号を付している。
〔第2実施形態〕
図8は、位置決め装置の第2実施形態を示す図であって、図3に類似する図である。
第2実施形態では図8に示すように、前記突出部61・61及び前記逃し部62・62を、上記プラグ部材12の外周面に設ける代わりに、前記スリーブ部材15の内周面に設けている。この場合、上記スリーブ部材15の内周面に互いに向かい合うように前記突出部61・61を設け、その先端面(内面)に前記傾斜内面17を形成する。この実施形態では、上記の傾斜内面17は、平面視で円弧状に形成されている。また、前記突出部61・61の間に前記逃し部62・62を設けている。一方、前記傾斜外面13は、上記プラグ部材12の外周の全体にわたって円錐状に形成している。その他の構成及び動作については、上述の第1実施形態と同様である。
前記の傾斜内面17は、前記スリーブ部材15の内周に設けることに代えて、当該スリーブ部材15の内周に配置した他の部材の内周に設けても良い。具体的には、当該他の部材の内周面に一対の前記突出部61・61を設け、その先端面に前記傾斜内面17を設けるとともに、前記突出部61・61の間に前記逃し部62・62を設ければ良い。
〔第3実施形態〕
図9は、第3実施形態を示し、前記の図3に類似する図である。
この場合、前記プラグ部材12を、平面視で楕円状に形成してある。これにより、そのプラグ部材12の外周面に一対の突出部61・61を向かい合せに設けると共に、これら突出部61・61の間に逃し部62・62を形成してある。上記の突出部61の外周には、前記の傾斜外面13を平面視で円弧状または楕円状に形成してある。また、前記スリーブ部材15の内周には、平面視で円弧状の傾斜内面17が形成されている。
〔第4実施形態〕
図10は、第4実施形態を示し、前記の図8に類似する図である。
この場合、前記スリーブ部材15の内周面を、平面視で楕円状に形成してある。これにより、そのスリーブ部材15の内周面に一対の突出部61・61を向かい合せに設けると共に、これら突出部61・61の間に逃し部62・62を形成してある。上記の突出部61の内周に、前記の傾斜内面17を平面視で円弧状または楕円状に形成してある。また、前記プラグ部材12の外周には、平面視で円弧状の傾斜外面13が形成されている。
上述した各実施形態において、上記の傾斜外面13と傾斜内面17は、平面視で円弧状または楕円状に形成することに代えて、平面視で直線状に形成してもよい。
前記突出部61・61及び前記逃し部62・62は、前記スリーブ部材15の内周にのみ設ける場合(図8又は図10)や前記プラグ部材12の外周にのみ設ける場合(図3又は図9)に限らず、前記スリーブ部材15の内周および前記プラグ部材12の外周の双方に設けることもできる。
〔第5実施形態〕
図11は、位置決め装置の第5実施形態を示す図であって、図4に類似する図である。
図11に示すように、前記ベースプレート1の前記装着穴8に、前記ハウジング9の下部をネジ止めしている。
前記プラグ部材12の上端面に開口させたネジ孔63には鍔付ボルト64の下部が螺合される。この鍔付ボルト64の頭部には図略の六角形の孔が開口され、この孔に六角レンチ65を鎖線で示すように係合可能である。この鍔付ボルト64の頭部と鍔部との間には、前記キャップ部材25が、相対的に回転可能かつ上下動不能に支持される。このキャップ部材25には前記カバー部53を一体的に形成している。このカバー部53は、周方向に切れ目がない環状に形成して、前記スリーブ部材15の前記スリット51の外側を覆っている。前記キャップ部材25の下部に形成した係止凹部54には前記スリーブ部材15の前記上フランジ27が嵌合される。
本実施形態では、前記鍔付ボルト64が前述の駆動部材21に相当する。また、前記ネジ孔63と前記六角レンチ65が前述の駆動手段Dを構成する。
以上の構成で、前記六角レンチ65を前記鍔付ボルト64の頭部の孔に差し込んで回転させると、その鍔付ボルト64が上下方向へ螺進する。これにより、前記スリーブ部材15が下方向あるいは上方向へ移動して、当該スリーブ部材15が前記傾斜外面13とのテーパ係合によって径方向に拡大あるいは縮小する。その他の構成及び動作については、上述の第1実施形態と同様である。
本実施形態では前記カバー部53が前記キャップ部材25に一体的に形成されているので、部品点数を削減でき、製造工数やコストを低減できている。
上記の第1〜第5実施形態は、次の(A)から(C)に示すように変更可能である。
(A)前記プラグ部材12と前記ハウジング9とは、一体に形成することに代えて、別体に形成してもよい。この場合、上記プラグ部材12をボルト締め又はネジ止め等によってハウジング9に強固に固定すればよい。
また、上記ハウジング9と前記ベースプレート1とは、別体に形成することに代えて、一体に形成してもよい。
(B)前記の支持面1aは、前記ハウジング9の前記フランジ9aの上面に設けることに代えて、前記ベースプレート1に設けてもよい。この場合、上記の支持面1aは、前述のクランプ手段(図示せず)に対応する位置で上記ベースプレート1から突出させたボスの上面に設けることが好ましい。
(C)本発明の位置決め装置には着座確認手段を設けてもよい。例えば、前記ベースプレート1の前記の支持面1aに検出ノズル孔(図示せず)を開口し、その検出ノズル孔に検出用の圧縮空気を供給する。そして、前記ワークパレット2の前記の被支持面2aが上記の支持面1aに接当すると、上記の検出ノズル孔内の圧力が上昇する。その圧力上昇を圧力スイッチ等で検出することによって、上記ワークパレット2が上記ベースプレート1に着座したことを確認できる。
〔クランピングシステム〕
以下に、上記位置決め装置のクランピングシステムへの適用例を説明する。
図12は本発明のクランピングシステムの模式平面図である。
図12に示すように、マシニングセンタのテーブルTの上面に、前記ベースプレート1が固設される。前記ワークパレット2は、本発明のクランピングシステムを介して、前記ベースプレート1に対し着脱自在に構成されている。このクランピングシステムは、第1の位置決め装置101と第2の位置決め装置102を備えている。
前記ワークパレット2は、複数個用意されており(図では1個のみ図示)、必要に応じて交換して前記の2つの位置決め装置101・102によって前記ベースプレート1に位置決め及び固定される。
第1の位置決め装置101は、前記ワークパレット2に形成した前記位置決め孔5の内周面に差し込まれるスリーブ部材15を備え、このスリーブ部材15のほぼ全周にわたって拡径力を作用させて前記位置決め孔5の内周面に密着させ、前記ベースプレート1に前記スリーブ部材15を介して前記ワークパレット2を水平方向へ位置決めする。具体的には、前記位置決め孔5の軸心が前記第1の位置決め装置101の軸心Aに一致するように位置決めされる。引き続いて、その密着した前記スリーブ部材15を下方へ駆動して、前記ベースプレート1に前記ワークパレット2を固定するように構成している。
なお、前記第1の位置決め装置101の具体的構成は種々考えられるが、例えば、第1実施形態の位置決め装置において前記突出部61・61や前記逃し部62・62を設けず、前記プラグ部材12の外周全体にわたってテーパ状の傾斜外面13を形成した構成を用いることができる。
また、前記第2の位置決め装置102として、前記の第1実施形態の位置決め装置(図2及び図3を参照)が採用されている。前記突出部61・61は、2つの位置決め装置101・102の軸心A・B同士を結ぶ直線Lにほぼ直交する2方向へ突出している。従って、前記スリーブ部材15には前記突出部61・61の突出向きに拡径力が作用し、これにより、前記ワークパレット2が上述の軸心Aを中心として旋回するのを阻止する。なおこのとき、前記逃し部62・62の存在によって、上記の軸心Aに対する径方向の誤差は吸収される。引き続いて、その密着した前記スリーブ部材15を下方へ駆動して、前記ベースプレート1に前記ワークパレット2を固定する。
本クランピングシステムでは、前記第2の位置決め装置102として第1実施形態の位置決め装置を採用しているから、位置決めを高精度で行うことができる。また、前記ワークパレット2と前記ベースプレート1とを着脱する際に、前記第2の位置決め装置102において前記位置決め孔5の内周面と前記ストレート外面16との間に前述の嵌合隙間G(図4及び図5に図示)を形成できる。従って、着脱の際の作業性が良好になる。更には、前述のロック移動の際に、前記第2の位置決め装置102において前記スリーブ部材15を介して前記ワークパレット2を前記ベースプレート1に対して近接させることが可能であるから、必要に応じて、専用のクランプ手段を省略することができる。
また、本クランピングシステムのように、複数の位置決め装置101・102のうちの少なくとも一つに前述の第1実施形態の位置決め装置を採用することで、様々な態様の位置決めを行えるクランピングシステムを提供できる。
上記クランピングシステムは、次の(1)から(4)に示すように変更可能である。
(1)前記第2の位置決め装置102として前記第1実施形態の位置決め装置を用いる構成に限定されず、例えば前述した第2または第3実施形態の位置決め装置を採用することができる。
(2)前記2つの位置決め装置101・102のほかに、前記ワークパレット2の前記被支持面2aを前記ベースプレート1の前記支持面1aに押圧可能なクランピング手段を特別に設けることもできる。
(3)前記第1〜第3の各実施形態の位置決め装置102は、前記第1の位置決め装置101と併用する構成に限られない。例えば、第1実施形態の位置決め装置(図2及び図3を参照)だけを複数セット組み合わせてクランピングシステムを構築することができる。この場合、前記突出部61・61の突出方向を各位置決め装置で異ならせると良い。
(4)前記の第1ブロックと第2ブロックとの組み合わせは、例示したベースプレート1とワークパレット2の組み合わせに代えて、工作機械のテーブルとワークパレットの組み合わせ、ワークパレットと治具ベースの組み合わせ、治具ベースとワークピースの組み合わせ、溶接治具等の作業用治具とワークピース等の作業物の組み合わせであってもよい。更には、射出成形機やプレス機の盤面と金型の組み合わせであってもよい。このほかにも、本発明は、レーザ加工機や放電加工機などの各種の加工機械のワークピース又はツール等の位置決めにも適用可能である。
この発明は、工作機械のテーブル等の第1ブロックにワークパレット等の第2ブロックを位置決めする複数の位置決め装置を備えた位置決めシステムに関する
この種の位置決めシステムに備えられた位置決め装置は、一般的には、可動部材(第2ブロック)の被支持面に開口させた円形の位置決め孔を基準部材(第1ブロック)の支持面から突出させたプラグに嵌合させるようにしてある(例えば下記の特許文献1を参照)。
日本国・特開昭57−27640号公報
上記の従来技術では、上記の位置決め孔とプラグとの両者をスムーズに嵌合させるため上記の両者間に所定の嵌合隙間を設ける必要がある。このため、その嵌合隙間によって位置決め精度が低下する。
本発明は以下の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、高精度に位置決めできる位置決めシステムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
(第1の発明)
本発明の位置決めシステムは、例えば、図1から図3及び図12、又は図8から図11の各図に示すように、以下のように構成した。
位置決めシステムは、複数のストレート位置決め孔5・5を有する第2ブロック2を第1ブロック1に位置決めする複数の位置決め装置101・102を備えている。複数の位置決め装置101・102のそれぞれにおいて、上記の第2ブロック2に形成されたストレート位置決め孔5に差込可能となるように上記の第1ブロック1からプラグ部材12を先端方向へ突出させる。このプラグ部材12の外周には、上記の先端方向へ向かうにつれて軸心へ近づく形状の傾斜外面13を設ける。上記の傾斜外面13の外側に、周方向の少なくとも一部分が拡径方向及び縮径方向へ変形可能な環状のスリーブ部材15を配置する。このスリーブ部材15の外周には、上記のストレート位置決め孔5の内周面に密着可能なストレート外面16を設けると共に、同上スリーブ部材15の内周には、上記の傾斜外面13に対面する傾斜内面17を設ける。駆動部材21を、上記プラグ部材12内に軸心方向へ移動可能に挿入させ、上記スリーブ部材15に連結させる。
上記の複数の位置決め装置101・102のうちの少なくとも一つの位置決め装置102において、前記の第1ブロック1に設けた前記スリーブ部材15の内周と前記プラグ部材12の外周との間で、前記傾斜内面17と前記傾斜外面13との少なくとも一方を、前記の拡縮方向で互いに向かい合う一対の突出部61・61に設ける。これら突出部61・61の間に周方向へ延びる逃し部62・62を形成する。
そして、上記の第1ブロック1の上記スリーブ部材15の内方に設けた上記の突出部61・61が同上スリーブ部材15を介して前記ストレート位置決め孔5に作用させる拡径力によって、前記の第2ブロック2が他の位置決め装置101の軸心Aの回りに旋回するのを阻止するとともに、上記の一対の逃し部62・62によって上記の軸心Aに対する径方向の誤差を吸収するように構成した。
この構成により、前記ストレート位置決め孔5と前記スリーブ部材15とを嵌合させた後にその嵌合隙間を無くすことができる。従って、これらストレート位置決め孔5とスリーブ部材15とをスムーズに嵌合させることと高精度に位置決めすることとを両立できる。また、駆動手段Dのロック移動時には上記駆動部材21が前記スリーブ部材15を介して上記の第2ブロック2を上記の第1ブロック1に押圧させることができるので、必要に応じて、専用のクランプ手段を省略することも可能である。また、前記突出部61・61の突出方向においては高精度に位置決めすることが可能であるとともに、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向においては前記逃し部62・62により前記ストレート位置決め孔5と前記プラグ部材12の位置ズレを許容できる。また、前記突出部61・61は、前記ストレート位置決め孔5に直接には接触しないので、前記ストレート位置決め孔5の内周面を傷付けたり圧痕を生じさせることがなくなり、位置決め精度の低下の原因となることもない。
(第2の発明)
前記第1の発明においては、例えば、図1から図3、又は図11に示すように、以下のように構成することが好ましい。
前記スリーブ部材15の周壁15aには前記の軸心方向へ延びるスリット51を形成している。このスリット51の少なくとも一部を覆うカバー部53が前記スリーブ部材15の外側に配置されている。
この構成により、前記スリーブ部材15を拡径方向および縮径方向に変形可能とする簡素な構成が実現される。また、上記カバー部53により、切粉や塵埃等の異物が前記スリット51を通じて内部へ侵入するのを防止できる。このため、前記傾斜外面13と前記傾斜内面17との対面部等に上記の異物が入り込んで故障の原因となることを防止できる。
(第3の発明)
前記第2の発明においては、例えば図1と図2に示すように、前記カバー部53は周方向に切れ目がない環状に形成されていることが好ましい。
この構成により、前記スリット51を通じた切り粉や塵挨等の異物の侵入を一層確実に防止できる。
(第4の発明)
前記第2の発明においては、例えば図11に示すように、前記カバー部53は、前記プラグ部材12よりも先端側に配置されるキャップ部材25に一体的に形成されていることが好ましい。
この構成により、部品点数を削減でき、製造工数やコストを低減できる。
(第5の発明)
また、前記第1から第4の何れかの発明においては、例えば図1〜図3、又は図9に示すように、前記プラグ部材(12)の外周に前記の一対の突出部(61・61)を設けることが好ましい。
(第6の発明)
また、前記第1から第4の何れかの発明においては、例えば図8又は図10に示すように、前記スリーブ部材(15)の内周に前記の一対の突出部(61・61)を設けることが好ましい。
本発明の実施形態に係る位置決めシステムに備えられた位置決め装置のプラグ手段を示し、そのプラグ手段の一部を断面した斜視図。 上記の位置決め装置の立面断面図であって、図3の2−2線矢視に相当する図。 図2の3−3線の断面矢視図。 上記の位置決め装置においてプラグ手段を位置決め孔に差し込んだ状態を示す立面断面図。 図4の5−5線の断面矢視図。 上記の位置決め装置においてスリーブ部材が拡径して位置決め孔の内周面に密着した状態を示す立面断面図。 図6の7−7線の断面矢視図。 位置決め装置の第1変形例を示し、前記の図3に類似する図。 位置決め装置の第2変形例を示し、上記の図3に類似する図。 位置決め装置の第3変形例を示し、前記の図8に類似する図。 第4変形例の位置決め装置の立面断面図であって、前記の図4に類似する図。 本発明の実施形態に係る位置決めシステムを示す平面断面の模式図。
符号の説明
1 ベースプレート(第1ブロック)
2 ワークパレット(第2ブロック)
ストレート位置決め孔
12 プラグ部材
13 傾斜外面
15 スリーブ部材
17 傾斜内面
21 駆動部材
61 突出部
62 逃し部
D 駆動手段
図1〜図7及び図12は、本発明の実施形態を示している。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の位置決めシステムに備えられた位置決め装置の全体構成を説明する。
この実施形態では図2に示すように、工作機械のテーブルTに、第1ブロックの主要部であるベースプレート1を載置している。このベースプレート1側の支持面1aに、第2ブロックとしてのワークパレット2の被支持面2aを受け止めると共に、上記ベースプレート1に上記ワークパレット2を位置決めするように構成してある。上記ワークパレット2の上記の被支持面2aには、円形のストレート位置決め孔5が複数開口される。各ストレート位置決め孔5に対応させて、上記ベースプレート1にプラグ手段6が設けられる。ここでは、上記のストレート位置決め孔5とプラグ手段6とを1セットだけ図示してある。
上記プラグ手段6の構成を図2を参照して以下に説明する。
上記ベースプレート1に装着穴8が形成され、その装着穴8にハウジング9が精密に嵌入され、そのハウジング9のフランジ9aが複数本の締付ボルト10によって上記ベースプレート1に固定される。プラグ部材12が上記ハウジング9から上向き(先端方向)に突出される。このプラグ部材12は前記ストレート位置決め孔5に差込可能である。また、このプラグ部材12の軸心は、前記の装着穴8の軸心とほぼ同一になっている。
図3に示すように、上記プラグ部材12の外周から半径方向の外方へ一対の突出部61・61が突出される。これら一対の突出部61・61が半径方向で互いに向かい合うように配置される。これら突出部61・61の間には、周方向へ延びる逃し部62・62を形成している。前記突出部61のそれぞれの外面には、上方(先端方向)へ向かうにつれて上記の軸心へ近づく傾斜外面13が設けられている。この実施形態では、上記の傾斜外面13は平面視で円弧状に形成されている。
上記プラグ部材12の外周に環状のスリーブ部材15が配置される。そのスリーブ部材15はコレット状に形成される。即ち、前記スリーブ部材15の周壁15aには、軸心方向へ延びて上下の両端に開口する一つのスリット51が設けられる。これにより、上記の周壁15aの周方向のほぼ全部が径方向へ弾性変形可能となっている。前記スリーブ部材15は、それを拡径させる方向の力が解除されたときは、そのスリーブ部材15自体の有する弾性復元力によって縮径方向へ復帰可能である。
前記スリーブ部材15の内周の全体にわたって傾斜内面17が形成されている。この傾斜内面17は、上方(先端方向)へ向かうにつれて上記の軸心へ近づくテーパ形状に構成している。前記傾斜内面17は、前記プラグ部材12のテーパ形の傾斜外面13・13に直接に接当している。一方、前記スリーブ部材15の外周の全体にわたって、前記のストレート位置決め孔5に嵌入されるストレート外面16が形成される。
上記スリット51は、軸心方向へ延びておればよく、軸心に沿って真っ直ぐに延びる場合と、その軸心に対して傾斜している場合とが考えられる。また、そのスリット51は、一つに限定されるものではなく複数であっても差し支えない。例えば、上記スリット51を上記スリーブ部材15の上面と下面とに周方向へ交互に開口させることが考えられる。
前記プラグ部材12から径方向に回り止めピン52が突出され、その外端が前記スリット51の内部に挿入されている。この結果、前記スリーブ部材15の回り止めが行われている。なお、ここでは、上記スリット51にゴム等の弾性シール部材(図示せず)を接着または充填などによって装着している。ただし、この弾性シール部材は、位置決め装置の用途によっては省略してよい。
上記プラグ部材12の筒孔には駆動部材21が上下移動自在に挿入される。この駆動部材21は、前記ハウジング9の下部に保密状に挿入したピストン22と、そのピストン22から上向きに突出したピストンロッド23と、そのピストンロッド23の上部にネジ止めしたボルト24と、このボルト24によって固定されるキャップ部材25と、このキャップ部材25と前記ピストンロッド23の上端面との間に挟着されるリング26とを備える。上記キャップ部材25と上記リング26との間に前記スリーブ部材15の上フランジ27が水平移動可能に嵌入されている。
上記ハウジング9内に、駆動手段Dを構成するロック手段31とリリース手段32とが設けられる。そのロック手段31は、上記ピストン22の上側に配置した圧縮コイルバネ状のロックバネ34と、上記ピストン22とによって構成される。また、上記リリース手段32は、上記ピストン22の下側に形成したリリース用の油圧室35と同上ピストン22とによって構成される。
前記スリーブ部材15の外周面の上部(先端部)には環状の浅い凹部が形成され、この凹部に環状のカバー部53が嵌入されている。このカバー部53は本実施形態では前記キャップ部材25と別部材に構成されている。また、前記カバー部53は、周方向に切れ目のない形状に形成されており、前記スリット51の上部の外側を覆っている。このカバー部53の上端面は前記キャップ部材25の下端面に接している。
上記の位置決め装置の動作を、前記の図2及び図3と、図4から図7を参照して説明する。
図4は、位置決め装置においてプラグ手段6をストレート位置決め孔5に差し込んだ状態を示す立面断面図である。図5は、図4の5−5線の断面矢視図である。図6は、位置決め装置においてスリーブ部材15が拡径してストレート位置決め孔5の内周面に密着した状態を示す立面断面図である。図7は、図6の7−7線の断面矢視図である。
上記の図2及び図3に示すリリース状態では、前記の油圧室35に圧油を供給している。これにより、前記のピストン22がロックバネ34の付勢力に抗して前記ピストンロッド23を上昇させ、そのピストンロッド23が前記ボルト24および前記リング26を介して前記スリーブ部材15を上昇させて、そのスリーブ部材15が縮径状態へ切り換えられている。この場合、前記のプラグ部材12の上端面と上記リング26の下面との間には、大きな接当隙間が形成されている。また、上記の縮径状態のスリーブ部材15の上部の外周面と前記カバー部53の内周面との間には、環状隙間(図示せず)が形成されている。
前記ベースプレート1に前記ワークパレット2を位置決めするときには、まず、図4に示すように、上記リリース状態で上記ワークパレット2を下降させて(あるいは前記ベースプレート1を上昇させて)、上記スリーブ部材15の前記ストレート外面16を前記のストレート位置決め孔5に差し込む。前記スリーブ部材15は前述したように縮径状態であるので、前記ストレート位置決め孔5の内周面と前記ストレート外面16との間には環状の嵌合隙間Gが形成されている。なお、この差込時において、前記ストレート位置決め孔5の軸心と前記プラグ部材12の軸心が図5に示すようにズレているものとして以下説明する。前記嵌合隙間Gは、上記の軸心ズレの結果、図5に示すように偏心状の隙間となっている。
次いで、上記の油圧室35の圧油を排出する。すると、図6に示すように、上記のロックバネ34の付勢力によって前記ピストン22が前記ボルト24および前記リング26を介して前記スリーブ部材15を強力に下降させ、そのスリーブ部材15の前記の傾斜内面17が前記プラグ部材12の傾斜外面13に楔係合していく。これにより、図6及び図7に示すように、上記スリーブ部材15が弾性的に拡径して前記のストレート位置決め孔5に密着し、図4及び図5に図示した嵌合隙間Gが消失する。
前記スリーブ部材15が前記拡径方向の力を前記ストレート位置決め孔5の内周面に作用させるのは、前記突出部61・61に対面する部分のみである。従って、前記密着により、前記プラグ部材12の軸心に対する前記ストレート位置決め孔5の軸心の位置ズレ(図5に図示の位置ズレ)のうち、前記突出部61・61の突出方向の位置ズレは是正される。一方、前記逃し部62・62の存在により、前記スリーブ部材15は、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向に、ある程度は移動することができる。従って、前記プラグ部材12の軸心に対する前記ストレート位置決め孔5の軸心の位置ズレのうち、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向の位置ズレは許容される。言い換えれば、前記プラグ手段6は、前記突出部61・61の突出方向においては正確な位置決めを行い、それに垂直な半径方向においては位置ズレを許容する構成である。
上記の位置決めと同時に、上記ボルト24が上記スリーブ部材15を介して上記ワークパレット2を引き下げる。その後、クランプ手段(図示せず)によって上記ベースプレート1に上記ワークパレット2を強力に押圧するのである。
なお、上記ロック駆動時には、前記リング26の下面が前記プラグ部材12の上端面に接当することにより、上記スリーブ部材15の所定量以上の下降が阻止される。
上記の図6のロック状態から前記リリース状態へ切り換えるときには、まず、上記クランプ手段(図示せず)のクランプ状態を解除し、次いで、前述したように前記の油圧室35へ圧油を供給すればよい。これにより、前記の図4に示すように、前記ボルト24および前記リング26によって上記スリーブ部材15が上昇して、そのスリーブ部材15が自己の弾性復元力によって縮径するので、前記ロック状態が解除される。その後、前記ワークパレット2を上昇させるのである。
本実施形態の位置決め装置では以上に説明したとおり、前記スリーブ部材15を前記ストレート位置決め孔5に差し込んだ状態でその嵌合隙間(図4及び図5に図示する隙間G)を無くすことができる。従って、これらストレート位置決め孔5とスリーブ部材15とをスムーズに嵌合させることと高精度に位置決めすることとを両立できる。また、前記ロック移動時には上記駆動部材21が前記スリーブ部材15を介して上記ワークパレット2を上記のベースプレート1に押圧させることができるので、例えばロック駆動時におけるスリーブ部材15の引下げ力を十分に大きい値に設定した場合には、専用のクランプ手段を省略することも可能である。
また、前記突出部61・61の突出方向においては高精度に位置決めすることが可能であるとともに、前記突出部61・61の突出方向と垂直な半径方向においては前記ストレート位置決め孔5と前記プラグ部材12の位置ズレを許容できる。また、前記突出部61・61は、前記ストレート位置決め孔5に直接には接触しないので、前記ストレート位置決め孔5の内周面を傷付けたり圧痕を生じさせることがなくなり、位置決め精度の低下の原因となることもない。
また、前記スリーブ部材15の前記周壁15aにスリット51を形成することで、当該スリーブ部材15を拡径方向および縮径方向に変形可能な簡素な構成が実現される。また、このスリット51の少なくとも一部を覆うカバー部53が前記スリーブ部材15の外側に配置されているので、切粉や塵埃等の異物が前記スリット51を通じて内部へ侵入するのを防止できる。このため、前記傾斜外面13と前記傾斜内面17との対面部等に上記の異物が入り込んで故障の原因となることを防止できる。
特に前記カバー部53は周方向に切れ目がない環状に形成されているので、異物の侵入を一層確実に防止できる。この構成は、前記スリット51を一つのみではなく複数設けた場合に特に有効である。
以上に実施形態に係る位置決めシステムに備えられた位置決め装置の構成を説明したが、この位置決め装置の構成は、以下の(1)から(4)に示すように変更できる。
(1)前記の傾斜外面13は、前記プラグ部材12の外周に設けることに代えて、当該プラグ部材12の外周に配置した他の部材の外周に設けても良い。具体的には、当該他の部材の外周面に一対の前記突出部61・61を設け、その先端面に前記傾斜外面13を設けるとともに、前記突出部61・61の間に前記逃し部62・62を設ければ良い。
(2)前記ロックバネ34は、圧縮コイルバネ状のものを使用することに代えて、皿バネを使用しても良い。皿バネは1枚で使用しても良いし、複数枚の皿バネを積層させて使用しても良い。
(3)前記油圧室35に圧油を供給することに代えて、例えば圧縮空気で前記ピストン22を駆動して前記スリーブ部材15をリリース移動させても良い。また、バネによるロック移動方式を使用することに代えて、流体圧によるロック移動方式を採用しても良い。即ち、前記ロックバネ34を省略するとともに、そのロックバネ34が配置されていた空間をロック室とし、このロック室に圧力流体(圧油や圧縮空気等)を供給することで前記スリーブ部材15をロック移動させる構成とすることも可能である。
(4)前記プラグ手段6を前記ストレート位置決め孔5に差し込む方法としては、前記ワークパレット2を下降させることに代えて、前記ベースプレート1を上昇させても良い。また、前記プラグ部材12及び前記ストレート位置決め孔5をその軸線が横向きになるように配置して、前記プラグ手段6を前記ストレート位置決め孔5に水平方向に差し込む構成としても構わない。勿論、斜め方向に差し込む構成であっても良い。
図8から図11は、それぞれ、上記の実施形態に係る位置決めシステムに備えられた位置決め装置の第1から第4の変形例を示している。これらの変形例においては、上記の実施形態の構成部材と類似する部材には原則として同一の符号を付している。
第1変形例
図8は、位置決め装置の第1変形例を示す図であって、図3に類似する図である。
第1変形例では図8に示すように、前記突出部61・61及び前記逃し部62・62を、上記プラグ部材12の外周面に設ける代わりに、前記スリーブ部材15の内周面に設けている。この場合、上記スリーブ部材15の内周面に互いに向かい合うように前記突出部61・61を設け、その先端面(内面)に前記傾斜内面17を形成する。この実施形態では、上記の傾斜内面17は、平面視で円弧状に形成されている。また、前記突出部61・61の間に前記逃し部62・62を設けている。一方、前記傾斜外面13は、上記プラグ部材12の外周の全体にわたって円錐状に形成している。その他の構成及び動作については、上述の実施形態と同様である。
前記の傾斜内面17は、前記スリーブ部材15の内周に設けることに代えて、当該スリーブ部材15の内周に配置した他の部材の内周に設けても良い。具体的には、当該他の部材の内周面に一対の前記突出部61・61を設け、その先端面に前記傾斜内面17を設けるとともに、前記突出部61・61の間に前記逃し部62・62を設ければ良い。
第2変形例
図9は、位置決め装置の第2変形例を示し、前記の図3に類似する図である。
この場合、前記プラグ部材12を、平面視で楕円状に形成してある。これにより、そのプラグ部材12の外周面に一対の突出部61・61を向かい合せに設けると共に、これら突出部61・61の間に逃し部62・62を形成してある。上記の突出部61の外周には、前記の傾斜外面13を平面視で円弧状または楕円状に形成してある。また、前記スリーブ部材15の内周には、平面視で円弧状の傾斜内面17が形成されている。
第3変形例
図10は、位置決め装置の第3変形例を示し、前記の図8に類似する図である。
この場合、前記スリーブ部材15の内周面を、平面視で楕円状に形成してある。これにより、そのスリーブ部材15の内周面に一対の突出部61・61を向かい合せに設けると共に、これら突出部61・61の間に逃し部62・62を形成してある。上記の突出部61の内周に、前記の傾斜内面17を平面視で円弧状または楕円状に形成してある。また、前記プラグ部材12の外周には、平面視で円弧状の傾斜外面13が形成されている。
上述した実施形態及び各変形例において、上記の傾斜外面13と傾斜内面17は、平面視で円弧状または楕円状に形成することに代えて、平面視で直線状に形成してもよい。
前記突出部61・61及び前記逃し部62・62は、前記スリーブ部材15の内周にのみ設ける場合(図8又は図10)や前記プラグ部材12の外周にのみ設ける場合(図3又は図9)に限らず、前記スリーブ部材15の内周および前記プラグ部材12の外周の双方に設けることもできる。
第4変形例
図11は、位置決め装置の第4変形例を示す図であって、図4に類似する図である。
図11に示すように、前記ベースプレート1の前記装着穴8に、前記ハウジング9の下部をネジ止めしている。
前記プラグ部材12の上端面に開口させたネジ孔63には鍔付ボルト64の下部が螺合される。この鍔付ボルト64の頭部には図略の六角形の孔が開口され、この孔に六角レンチ65を鎖線で示すように係合可能である。この鍔付ボルト64の頭部と鍔部との間には、前記キャップ部材25が、相対的に回転可能かつ上下動不能に支持される。このキャップ部材25には前記カバー部53を一体的に形成している。このカバー部53は、周方向に切れ目がない環状に形成して、前記スリーブ部材15の前記スリット51の外側を覆っている。前記キャップ部材25の下部に形成した係止凹部54には前記スリーブ部材15の前記上フランジ27が嵌合される。
変形例では、前記鍔付ボルト64が前述の駆動部材21に相当する。また、前記ネジ孔63と前記六角レンチ65が前述の駆動手段Dを構成する。
以上の構成で、前記六角レンチ65を前記鍔付ボルト64の頭部の孔に差し込んで回転させると、その鍔付ボルト64が上下方向へ螺進する。これにより、前記スリーブ部材15が下方向あるいは上方向へ移動して、当該スリーブ部材15が前記傾斜外面13とのテーパ係合によって径方向に拡大あるいは縮小する。その他の構成及び動作については、上述の実施形態と同様である。
変形例では前記カバー部53が前記キャップ部材25に一体的に形成されているので、部品点数を削減でき、製造工数やコストを低減できている。
上記の実施形態及び各変形例は、次の(A)から(C)に示すように変更可能である。
(A)前記プラグ部材12と前記ハウジング9とは、一体に形成することに代えて、別体に形成してもよい。この場合、上記プラグ部材12をボルト締め又はネジ止め等によってハウジング9に強固に固定すればよい。
また、上記ハウジング9と前記ベースプレート1とは、別体に形成することに代えて、一体に形成してもよい。
(B)前記の支持面1aは、前記ハウジング9の前記フランジ9aの上面に設けることに代えて、前記ベースプレート1に設けてもよい。この場合、上記の支持面1aは、前述のクランプ手段(図示せず)に対応する位置で上記ベースプレート1から突出させたボスの上面に設けることが好ましい。
(C)本発明の位置決めシステムに備えられた位置決め装置には着座確認手段を設けてもよい。例えば、前記ベースプレート1の前記の支持面1aに検出ノズル孔(図示せず)を開口し、その検出ノズル孔に検出用の圧縮空気を供給する。そして、前記ワークパレット2の前記の被支持面2aが上記の支持面1aに接当すると、上記の検出ノズル孔内の圧力が上昇する。その圧力上昇を圧力スイッチ等で検出することによって、上記ワークパレット2が上記ベースプレート1に着座したことを確認できる。
下に、上記位置決め装置を複数備えた本発明の位置決めシステムを説明する。
図12は本発明の位置決めシステムの模式平面図である。
図12に示すように、マシニングセンタのテーブルTの上面に、前記ベースプレート1が固設される。前記ワークパレット2は、本発明の位置決めシステムを介して、前記ベースプレート1に対し着脱自在に構成されている。この位置決めシステムは、第1の位置決め装置101と第2の位置決め装置102を備えている。
前記ワークパレット2は、複数個用意されており(図では1個のみ図示)、必要に応じて交換して前記の2つの位置決め装置101・102によって前記ベースプレート1に位置決め及び固定される。
第1の位置決め装置101は、前記ワークパレット2に形成した前記ストレート位置決め孔5の内周面に差し込まれるスリーブ部材15を備え、このスリーブ部材15のほぼ全周にわたって拡径力を作用させて前記ストレート位置決め孔5の内周面に密着させ、前記ベースプレート1に前記スリーブ部材15を介して前記ワークパレット2を水平方向へ位置決めする。具体的には、前記ストレート位置決め孔5の軸心が前記第1の位置決め装置101の軸心Aに一致するように位置決めされる。引き続いて、その密着した前記スリーブ部材15を下方へ駆動して、前記ベースプレート1に前記ワークパレット2を固定するように構成している。
なお、前記第1の位置決め装置101の具体的構成は種々考えられるが、例えば、上述の実施形態の位置決め装置において前記突出部61・61や前記逃し部62・62を設けず、前記プラグ部材12の外周全体にわたってテーパ状の傾斜外面13を形成した構成を用いることができる。
また、前記第2の位置決め装置102として、上述の実施形態の位置決め装置(図2及び図3を参照)が採用されている。前記突出部61・61は、2つの位置決め装置101・102の軸心A・B同士を結ぶ直線Lにほぼ直交する2方向へ突出している。従って、前記スリーブ部材15には前記突出部61・61の突出向きに拡径力が作用し、これにより、前記ワークパレット2が上述の軸心Aを中心として旋回するのを阻止する。なおこのとき、前記逃し部62・62の存在によって、上記の軸心Aに対する径方向の誤差は吸収される。引き続いて、その密着した前記スリーブ部材15を下方へ駆動して、前記ベースプレート1に前記ワークパレット2を固定する。
位置決めシステムでは、前記第2の位置決め装置102として上述の実施形態の位置決め装置を採用しているから、位置決めを高精度で行うことができる。また、前記ワークパレット2と前記ベースプレート1とを着脱する際に、前記第2の位置決め装置102において前記ストレート位置決め孔5の内周面と前記ストレート外面16との間に前述の嵌合隙間G(図4及び図5に図示)を形成できる。従って、着脱の際の作業性が良好になる。更には、前述のロック移動の際に、前記第2の位置決め装置102において前記スリーブ部材15を介して前記ワークパレット2を前記ベースプレート1に対して近接させることが可能であるから、必要に応じて、専用のクランプ手段を省略することができる。
また、本位置決めシステムのように、複数の位置決め装置101・102のうちの少なくとも一つに前述の実施形態の位置決め装置を採用することで、様々な態様の位置決めを行える位置決めシステムを提供できる。
上記位置決めシステムは、次の(1)から(4)に示すように変更可能である。
(1)前記第2の位置決め装置102として上記の実施形態の位置決め装置を用いる構成に限定されず、例えば前述した第1〜第4変形例の位置決め装置を採用することができる。
(2)前記2つの位置決め装置101・102のほかに、前記ワークパレット2の前記被支持面2aを前記ベースプレート1の前記支持面1aに押圧可能なクランピング手段を特別に設けることもできる。
(3)前記実施形態の位置決め装置102は、前記第1の位置決め装置101と併用する構成に限られない。例えば、前記実施形態の位置決め装置(図2及び図3を参照)だけを複数セット組み合わせて位置決めシステムを構築することができる。この場合、前記突出部61・61の突出方向を各位置決め装置で異ならせると良い。
(4)前記の第1ブロックと第2ブロックとの組み合わせは、例示したベースプレート1とワークパレット2の組み合わせに代えて、工作機械のテーブルとワークパレットの組み合わせ、ワークパレットと治具ベースの組み合わせ、治具ベースとワークピースの組み合わせ、溶接治具等の作業用治具とワークピース等の作業物の組み合わせであってもよい。更には、射出成形機やプレス機の盤面と金型の組み合わせであってもよい。このほかにも、本発明は、レーザ加工機や放電加工機などの各種の加工機械のワークピース又はツール等の位置決めにも適用可能である。

Claims (6)

  1. 第2ブロック(2)に形成された位置決め孔(5)に差込可能となるよう第1ブロック(1)から先端方向に突出されたプラグ部材(12)と、
    このプラグ部材(12)に設けられるとともに、上記の先端方向へ向かうにつれて軸心へ近づく形状の傾斜外面(13)と、
    上記の傾斜外面(13)の外側に配置されるとともに、周方向の少なくとも一部分が拡径方向及び縮径方向へ変形可能な環状のスリーブ部材(15)と、
    このスリーブ部材(15)に備えられるとともに上記の位置決め孔(5)の内周面に密着可能なストレート外面(16)と、
    前記スリーブ部材(15)に備えられるとともに上記の傾斜外面(13)に対面する傾斜内面(17)と、
    上記プラグ部材(12)内に軸心方向へ移動可能に挿入されるとともに上記スリーブ部材(15)に連結された駆動部材(21)と、
    を有し、
    前記傾斜内面(17)と前記傾斜外面(13)との少なくとも一方を、上記の拡縮方向で互いに向かい合う一対の突出部(61・61)に設け、
    これら突出部(61・61)の間に逃し部(62・62)を形成し、
    駆動手段(D)によって前記の駆動部材(21)を介して前記スリーブ部材(15)を前記の軸心方向へ往復移動可能に構成した、
    ことを特徴とする位置決め装置。
  2. 請求項1に記載の位置決め装置であって、
    前記スリーブ部材(15)の周壁(15a)には前記の軸心方向へ延びるスリット(51)を形成しており、
    このスリット(51)の少なくとも一部を覆うカバー部(53)が前記スリーブ部材(15)の外側に配置されている、
    ことを特徴とする位置決め装置。
  3. 請求項2に記載の位置決め装置であって、前記カバー部(53)は周方向に切れ目がない環状に形成されている、ことを特徴とする位置決め装置。
  4. 請求項2に記載の位置決め装置であって、前記カバー部(53)は、前記プラグ部材(12)よりも先端側に配置されるキャップ部材(25)に一体的に形成されている、ことを特徴とする位置決め装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の位置決め装置を備える、ことを特徴とするクランピングシステム。
  6. 複数の位置決め装置を備え、そのうちの少なくとも一つが請求項1から請求項4の何れか一項に記載の位置決め装置である、ことを特徴とするクランピングシステム。
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